JP2006013849A - バンドパスフィルタ、高周波回路、高周波回路部品、およびこれらを用いたマルチバンド通信装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1のインダクタンス素子Lpg1と第2のインダクタンス素子Lpg2とは電磁的に結合し、Lpg1の一端はCpg1を介して入力端子に接続され、Lpg1とCpg1との接続点とグランドとの間にCpg2が接続され、Lpg1の他端はグランドに接続され、Lpg2の一端は、Cpg5を介して出力端子に接続され、Lpg2とCpg5の接続点とグランドとの間にCpg4が接続され、Lpg2の他端はグランドに接続され、Cpg3は入力端子と出力端子との間に接続され、Cpg6はLpg1の一端とCpg2の接続点と出力端子との間に接続され、Cpg7はLpg2の一端とCpg4の接続点と入力端子との間に接続され、Lpg1とLpg2とを、それぞれ並列接続した少なくとも2つ以上のインダクタンス素子で構成したバンドパスフィルタを用いた高周波回路である。
【選択図】 図3
Description
特許文献1記載のバンドパスフィルタは、積層バンドパスフィルタであって、互いに電磁結合する3本のストリップ線路導体118,119,120を同一層に配置し、第1と第2のストリップ線路導体118,119及び、第2と第3のストリップ線路導体119,120をそれぞれ容量202,203で容量結合させる。容量202は容量導体121と123で形成され、容量203は容量導体123と122で形成される。
またIEEE規格802.11bは、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum:ダイレクト・シーケンス・スペクトル拡散)方式で、5.5Mbps、11Mbpsの高速通信をサポートするものであり、無線免許なしに自由に利用可能な、2.4GHzのISM(Industrial, Scientific and Medical:産業、科学及び医療)帯域が利用される。
更にIEEE規格802.11gは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiples:直交周波数多重分割)変調方式を用いて、最大54Mbpsの高速データ通信をサポートするものであり、IEEE802.11bと同様に2.4GHz帯域が利用される。
次に、デュアルバンドアンテナANT1で受信した受信信号とデュアルバンドアンテナANT2で受信した受信信号とを比較して、2つの通信システムのうち、望ましい方の信号が受信される方の通信システムを、アクティブにする通信システムとして選択する。
このスキャン動作後に、選択されたアクティブな送受信装置に接続するアンテナを他方のアンテナに変更して、受信チャンネルを変更せずに受信し、2つのアンテナでの受信信号を比較して、より良好な受信ができる方のアンテナを、アクティブにするアンテナとして選択して、ダイバーシティ受信を行なう。
図11は、IEEE802.11a通信システムの送受信部21の一例を示すブロック図である。IEEE802.11b通信システムの送受信部22の構成は、変調及び復調方式が送受信部21と異なるが、ブロック図は送受信部21と同様の構成である。
図11において、送受信部21はRFフィルタ71、RFフィルタ72(バンドパスフィルタ)と、RFブロック70と、ベースバンドフィルタ77と、ベースバンドブロック80とで構成される。送受信部21はベースバンドブロック80のMAC(Media Access Control:メディアアクセス制御部)84を介してパーソナルコンピュータのPCIバスに接続される。前記MAC84は、物理アドレスを用いたパケットの送受信や衝突の検出、再送などを行なうインターフェースである。
また、Q値が未だ十分とは言えず、高周波回路部に用いられる低損失かつ急峻なバンドパスフィルタを実現することができないという問題があった。
すなわち、多くのスイッチ手段で高周波信号の経路を切り換えることが必要であり、スイッチ手段の数に応じてその制御も複雑化する。すなわち、回路が複雑化するという問題があった。
本発明の手段1は、入力端子(IN)及び出力端子(OUT)を有し、第1乃至第7の複数のキャパシタンス素子と第1及び第2の複数のインダクタンス素子とを主構成とするバンドパスフィルタ(FIL1)であって、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)と前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)とは電磁的に結合し、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)の一端は、前記第1のキャパシタンス素子(Cpg1)を介して前記入力端子(IN)に接続され、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)と前記第1のキャパシタンス素子(Cpg1)との接続点(p1)とグランド(GND)との間に前記第2のキャパシタンス素子(Cpg2)が接続され、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)の他端はグランドに接続され、前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)の一端は、前記第5のキャパシタンス素子(Cpg5)を介して前記出力端子(OUT)に接続され、前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)と前記第5のキャパシタンス素子(Cpg5)との接続点(p2)とグランドとの間に前記第4のキャパシタンス素子(Cpg4)が接続され、前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)の他端はグランドに接続され、前記第3のキャパシタンス素子は、前記入力端子(IN)と前記出力端子(OUT)との間に接続され、前記第6のキャパシタンス素子(Cpg6)は、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)の一端と前記第2のキャパシタンス素子(Cpg2)との接続点(p1)と前記出力端子(OUT)との間に接続され、前記第7のキャパシタンス素子(Cpg7)は、前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)の前記一端と前記第4のキャパシタンス素子(Cpg4)との接続点(p2)と入力端子(IN)との間に接続され、更に、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)と前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)とを、それぞれ、並列接続した少なくとも2つ以上のインダクタンス素子(Lpg1a、Lpg1b)、(Lpg2a、Lpg2b)で構成したことを特徴とするバンドパスフィルタ(FIL1)である。
本発明の手段2は、(手段1)記載のバンドパスフィルタ(FIL1)を構成するインダクタンス素子、キャパシタンス素子を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品である。
本発明の手段3は、少なくとも2つの互いに周波数の異なる通信システムに共用可能な高周波回路であって、互いに周波数が異なる通信システムで送受信が可能な複数のアンテナ(ANT1,ANT2)に接続される複数のアンテナ側端子(Ant1,Ant2)と第1及び第2の送信側端子(2.4G_Tx,5G_Tx)および第1及び第2の受信側端子(2.4G_Rx+,2.4G_Rx−及び5G_Rx+,5G_Rx−)との接続を切り換える少なくとも4つの端子(pa,pb,pc,pd)を備えた高周波スイッチ(SW1)と、該高周波スイッチ(SW1)の一つの端子(pc)と前記第1及び第2の受信側端子(2.4G_Rx+、2.4G_Rx−及び5G_Rx+,5G_Rx−)との間に接続された第1の分波回路(Dip1)と、前記高周波スイッチ(SW1)の他の端子(pd)と前記第1及び第2の送信側端子(2.4G_Tx,5G_Tx)との間に接続された第2の分波回路(Dip2)と、前記第1の分波回路(Dip1)に接続された(手段1)記載のバンドパスフィルタとを備えたことを特徴とする高周波回路である。
本発明の手段4は、前記第1の分波回路(Dip1)の低周波側端子(p2b)に接続された(手段1)記載のバンドパスフィルタ(FIL1)と前記第1の受信側端子(2.4G_Rx+2.4G_Rx−)との間に接続された第1の平衡-不平衡変換回路(BAL1)と、前記第1の分波回路(Dip1)の高周波側端子(p2c)と前記第2の受信側端子(5G_Rx+ ,5G_Rx−)との間に接続された第2の平衡-不平衡変換回路(BAL2)とを更に備えたことを特徴とする(手段3)記載の高周波回路である。
本発明の手段5は、(手段3)または(手段4)記載の高周波回路を積層体で一体化した高周波回路部品であって、前記第1の分波回路(Dip1)、前記第2の分波回路(Dip2)、及び前記バンドパスフィルタ(FIL1)は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、前記インダクタンス素子、前記キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品である。
本発明の手段6は、(手段4)記載の高周波回路を積層体で一体化した高周波回路部品であって、前記第1の分波回路(Dip1)、前記第2の分波回路(Dip2)、前記バンドパスフィルタ(FIL1)、前記第1の平衡-不平衡変換回路(BAL1)、及び前記第2の平衡-不平衡変換回路(BAL2)は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、前記インダクタンス素子、キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品である。
本発明の手段7は、(手段1)記載のバンドパスフィルタ(FIL1)を用いたマルチバンド通信装置であって、各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部(30)と、前記高周波スイッチの切り換えを制御するスイッチ回路制御部(50)とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置である。
本発明の手段8は、(手段3)または(手段4)記載の高周波回路を用いたマルチバンド通信装置であって、各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部(30)と、前記高周波スイッチの切り換えを制御するスイッチ回路制御部(50)とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置である。
本発明の手段9は、(手段2)、(手段5)、または(手段6)のいずれかに記載の高周波回路部品を用いたマルチバンド通信装置であって、各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部(30)と、前記高周波スイッチの切り換えを制御するスイッチ回路制御部(50)とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置である。
平衡‐不平衡変換回路BAL1,BAL2は、平衡入力型の電力増幅器を用いる場合に必要となる。不平衡型の高周波回路と平衡入力型の電力増幅器を接続する場合に平衡‐不平衡変換する必要がある。
第1のアンテナANT1は第1のアンテナ側端子Ant1に、第2のアンテナANT2は第2のアンテナ側端子Ant2に接続される。
第1のアンテナ側端子Ant1と第2のアンテナ側端子Ant2は、DPDT(双極双投)のスイッチである高周波スイッチSW1の各端子pa、pbに接続される。高周波スイッチSW1は4つの端子pa〜pdを備え、一つの端子pcは受信回路側のバンドパスフィルタFIL1と、他の端子pdは送信回路側で第2の分波回路Dip2と接続される。
そのため、高周波スイッチSW1の端子paから入力した高周波信号はON状態の電界効果型トランジスタFET1を通過し、端子pcに伝送される。このとき電界効果型トランジスタFET3はOFF状態なので端子pb側への高周波信号の漏洩は殆ど無く、かつ電界効果型トランジスタFET2もOFF状態なので端子pd側への高周波信号の漏洩も殆ど無い。
従って、第1のアンテナANT1、或いは第2のアンテナANT2に入射し高周波スイッチSW1の一つの端子pcに現れる高周波信号のうち、2.4GHz帯の高周波信号が、第1の分波回路Dip1の低周波側端子p2bに現れるが、高周波側端子p2cには現れない。他方、5GHz帯の高周波信号は、第1の分波回路Dip1の高周波側端子p2cに現れるが、低周波側端子p2bには現れない。
それにより、2.4GHz帯(IEEE802.11b)の送信回路から第2の分波回路Dip2の低周波側端子p1bに入力する2.4GHz帯の高周波信号は、第2の分波回路Dip2の共通端子p1aに現れるが、高周波側端子p1cには現れない。
そして、第2の分波回路Dip2の共通端子p1aに現れた高周波信号は、高周波スイッチSW1を経て、第2のアンテナ側端子Ant2から放射される。
通過帯域周波数より低い周波数には、主に2つの減衰極が存在する。1つは2GHz帯の携帯電話システム(例えば欧州で使用されているDCS、米国で使用されているPCSなどのIEEE802.11bの使用周波数より低い周波数を使用するもの)の高周波信号を減衰させる低周波第1減衰極、もう1つは更に低い周波数の1GHz帯の携帯電話システム(例えば欧州で使用されているEGSM、米国で使用されているGSM850など)の高周波信号を減衰させる低周波第2減衰極である。
通過帯域周波数より高い周波数には、主に1つの減衰極が存在する。IEEE802.11aなどの高周波信号を減衰させる高周波減衰極である。
電磁結合Mの結合度を調整すると、通過帯域周波数の特性は改善できるものの、同時に低周波第1減衰極、高周波減衰極の周波数がシフトしてしまうという問題があり、その設計・調整は困難であった。
そのため、通過帯域周波数の特性、低周波第1減衰極の周波数、および高周波減衰極の周波数を独立に制御できるようになり、それにより、バンドパスフィルタFIL1の設計・調整は格段と容易になった。
但し、このとき低周波第1減衰極と高周波減衰極の周波数はシフトしない。低周波第1減衰極の周波数は、主にキャパシタンス素子Cpg3で調整でき、キャパシタンス素子Cpg3の容量値を大きくすると低周波側へ移動できる。
低周波第2減衰極の周波数は、主にキャパシタンス素子Cpg1、Cpg5で調整でき、キャパシタンス素子Cpg1、Cpg5の容量値を大きくすると低周波側へ移動できる。
高周波減衰極の周波数はキャパシタンス素子Cpg2、Cpg4で調整でき、キャパシタンス素子Cpg2、Cpg4の容量値を大きくすると低周波側へ移動できる。
本発明に係るバンドパスフィルタFIL1と従来の特許文献1記載のバンドパスフィルタは電磁結合を利用する点で共通するが、次の2点で相違する。
本発明に係るバンドパスフィルタFIL1においては、従来の特許文献1記載のバンドパスフィルタの課題であったバンドパスフィルタにおける通過帯域周波数の特性改善をしようとすると低周波第1減衰極と高周波減衰極の周波数がシフトするという問題を解決できた。
すなわち、第1のインダクタンス素子Lpg1は並列接続した2つ以上のインダクタンス素子Lpg1a、Lpg1bで構成する。また、第2のインダクタンス素子Lpg2は並列接続した2つ以上のインダクタンス素子Lpg2a、Lpg2bで構成する。
従って、本発明に係るバンドパスフィルタFIL1においては、第1のインダクタンス素子Lpg1と第2のインダクタンス素子Lpg2との抵抗成分が低減され、それによってQ値が従来の特許文献1記載のバンドパスフィルタよりも向上する結果、低損失なバンドパスフィルタを構成できる。
高周波スイッチSW1は、スイッチ回路制御部50により制御された制御電圧がコントロール端子V1,V2に印加されることにより、表1に示すように各端子間が接続される。 ここで、コントロール端子V1,V2に印加する制御電圧がHighとは、+1〜+5V,Lowとは−0.5〜+0.5Vが望ましい。
このとき、第1のアンテナANT1と受信回路側の第1の分波回路Dip1とが接続され、1つのアンテナに2つの通信システムの受信回路が接続することとなる。次いで、IEEE802.11a受信回路部では5GHz帯でスキャンし、これと並行し802.11b送受信回路部では2.4GHz帯でスキャンして、受信可能な全てのチャンネルを検出する。
従って、本発明に係るマルチバンド通信装置によれば、フェージング等の外乱が生じても、最も好ましい通信システムを選択してダイバーシティ受信を行なうことが出来る。
本発明に係るマルチバンド通信装置においては、従来から使われてきたRFIC、例えば本願発明者らによる特開2003−18039号公報記載のRFICを使用できる。これは、PLL回路で制御されたVCO回路によって、受信系のパワーアンプ、ミキサー、フィルタ、復調器、及び閾値検出・データ回復回路が制御され、送信系のDAC(デジタル・アナログ変換回路)、ローパスフィルタ、変調器、及びパワーアンプが制御される。
DPDT(双極双投)のスイッチである高周波スイッチSW1を1個と、第1分波回路Dip1とバンドパスフィルタしかない簡潔な回路構成となる。従って、スイッチの制御も簡単で損失も少ないマルチバンド通信装置を提供できる。
低周波側のローパスフィルタは2.4GHz帯の信号を、高周波側のハイパスフィルタは5GHz帯の信号を、相互の回り込みを防止しつつ、各々高周波スイッチSW1側に伝送する。低周波側のローパスフィルタは、高調波の除去機能も有している。
高周波側のハイパスフィルタは5GHz帯の信号を、低周波側のバンドパスフィルタは2.4GHz帯の信号を、相互の回り込みを防止しつつ、各々の周波数に対応する受信回路へ高周波信号を分波する。
近接するインダクタンス素子Lpg1とLpg2とは、相互誘導係数Mによって結合される。入力端子側には、キャパシタンス素子Cpg2とインダクタンス素子Lpg1によって第1の共振回路が構成され、出力端子側には、キャパシタンス素子Cpg4とインダクタンス素子Lpg2によって第2の共振回路が構成される。
インダクタンス素子Lbg2の他端とインダクタンス素子Lbg3の他端とが接続されて、キャパシタンス素子Cbg1を介するか、或いは直接にグランドに接続される。
また、グリーンシートgs3上のキャパシタンス素子Cpg1用の電極パターンはキャパシタンス素子Cpg2の一部を構成し、キャパシタンス素子Cpg5用の電極パターンはキャパシタンス素子Cpg4の一部を構成している。
グリーンシートgs4には、キャパシタンス素子Cpg1用とキャパシタンス素子Cpg5用の電極パターンを形成し、入力端子INと出力端子OUTを形成する。グリーンシートgs5には、キャパシタンス素子Cpg1用とキャパシタンス素子Cpg5用の電極パターンを形成する。グリーンシートgs6には、キャパシタンス素子Cpg1用とキャパシタンス素子Cpg5用の電極パターンを形成し、入力端子INと出力端子OUTを形成する。グリーンシートgs7は、ビアホールだけを形成したグリーンシートである。
インダクタンス素子Lpg1aとインダクタンス素子Lpg1bとは並列接続される。同様に、インダクタンス素子Lpg2aとインダクタンス素子Lpg2bとは並列接続される。
その結果、バンドパスフィルタを小型に構成することができた。
各回路は積層基板に三次元的に構成されるが、各回路を構成する電極パターンは、それぞれ他の回路を構成する電極パターンとの不要な電磁気的干渉を防ぐように、グランド電極GNDによる分離や、積層方向に見て互いが重ならないようにしている。
なお、図7Aと図7Bに示した積層体では、インダクタンス素子はグリーンシート上に導体ペーストで印刷形成された伝送線路で構成したが、これに限られるものではなく、積層体の外側に搭載したチップインダクタを用いることもできる。
また、高周波スイッチSW1は積層体の上に搭載し、キャパシタンス素子C1〜C6もチップ部品として搭載することもできる。
インダクタンス素子Lfr1は、グリーンシートGS7、GS8、GS9、GS10の4層に亘って形成されるので、小型の割には大きいインダクタンスを得られる。更に、インダクタンス素子Lfr1は、グリーンシートGS14に形成されたグランドGNDとの距離を隔てて配置しているので、インダクタンス素子Lfr1とグランド間の浮遊容量を僅かにすることができる。
インダクタンス素子Lfr2は、グリーンシートGS7,GS8,GS10の3層に亘って形成される。
キャパシタンス素子Cfr1は、グリーンシートGS5とGS6の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cfr2は、グリーンシートGS3とGS4、GS4とGS5上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cfr3は、グリーンシートGS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
インダクタンス素子Lpg1とインダクタンス素子Lpg2とは、グリーンシートGS8とグリーンシートGS9との各々に2層に亘って並列接続によって形成される。近接するインダクタンス素子Lpg1とLpg2とは、相互誘導係数Mによって結合され、いわばトランスのように結合する。
キャパシタンス素子Cpg1は、グリーンシートGS3〜GS6上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg2は、グリーンシートGS4、GS13,GS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg3は、グリーンシートGS12とGS13上の電極パターンとの間で形成される。
キャパシタンス素子Cpg4は、グリーンシートGS4、GS13,GS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg5は、グリーンシートGS3〜GS6上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg6は、グリーンシートGS12とGS13上の電極パターンの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg7は、グリーンシートGS12とGS13上の電極パターンの間で形成される。
キャパシタンス素子Cfr1とキャパシタンス素子Cfr2、キャパシタンス素子Cft2とキャパシタンス素子Cft3、キャパシタンス素子Cpg1とキャパシタンス素子Cpg2、キャパシタンス素子Cpg5とキャパシタンス素子Cpg4、キャパシタンス素子Cpg2とキャパシタンス素子Cpg6、キャパシタンス素子Cpg4とキャパシタンス素子Cpg7、キャパシタンス素子Cpg6とキャパシタンス素子Cpg3、キャパシタンス素子Cpg7とキャパシタンス素子Cpg3は、電極パターンの一部を共用している点である。
このように電極パターンを共有化することにより、電極パターン数を減らすことができるため、小型化に有利となる。
キャパシタンス素子Cft3は、キャパシタンス素子Cft2を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS5上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg2は、キャパシタンス素子Cpg1を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS3上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg4は、キャパシタンス素子Cpg5を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS3上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg6は、キャパシタンス素子Cpg2を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS13上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg7は、キャパシタンス素子Cpg4を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS13上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg3は、キャパシタンス素子Cpg6を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS12上の電極パターンと、キャパシタンス素子Cpg7を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS13上の電極パターンを利用する。
インダクタンス素子LpbbはグリーンシートGS3上に形成され、インダクタンス素子LpbaはグリーンシートGS4上に形成される。
キャパシタンス素子Cbg1は、グリーンシートGS13,GS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cbg2,Cbg3は、グリーンシートGS14上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される
キャパシタンス素子Cba1は、グリーンシートGS13とGS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
グリーンシート各層の厚みは、必ずしも同一である必要は無く、各層間の距離を変えてキャパシタンス素子やインダクタンス素子の値を調整するために、異なる厚みに選定することができる。
なお、セラミック誘電体材料の他に、樹脂積層基板や、樹脂とセラミック誘電体粉末を混合してなる複合材料を用いてなる積層基板を用いることも可能である。また、前記セラミック基板をHTCC(高温同時焼成セラミック)技術を用いて、誘電体材料としてAl2O3を主体とするものとし、伝送線路等をタングステンやモリブデン等の高温で焼結可能な金属導体として構成しても良い。
そして前記高周波回路を3次元的な積層構造により小型に構成した高周波回路部品とし、さらに各通信システムでの送信データを変調し、受信データを復調する送受信部と、前記高周波スイッチの切り換えを制御するスイッチ回路制御部を備えたマルチバンド通信装置を提供することが出来、パーソナルコンピュータ(PC)、プリンタやハードディスク、ブロードバンドルーターなどのPCの周辺機器、FAX、冷蔵庫、標準テレビ(SDTV)、高品位テレビ(HDTV)、カメラ、ビデオ、携帯電話等々の電子機器、自動車内や航空機内でのワイヤに変わる信号伝達手段として有用なものである。
5G_Rx+ ,5G_Rx− 第2の受信側端子
2.4G_Tx 第1の送信側端子
5G_Tx 第2の送信側端子
Ant1,Ant2 アンテナ側端子
ANT1,ANT2 アンテナ
30 送受信回路部
50 スイッチ回路制御部
FIL1 バンドパスフィルタ
BAL1 第1の平衡‐不平衡変換回路
BAL2 第2の平衡‐不平衡変換回路
C1〜C6 キャパシタンス素子
Cba1 キャパシタンス素子
Cft1〜Cft4 キャパシタンス素子
Cfr1〜Cfr3 キャパシタンス素子
Cpa1〜Cpa4 キャパシタンス素子
Cpg1〜Cpg7 キャパシタンス素子
Dip1 第1の分波回路
Dip2 第2の分波回路
FIL1 第1のフィルタ回路
FIL2 第2のフィルタ回路
FIL3 第3のフィルタ回路
GND グランド端子
GS1〜GS17 グリーンシート
IN 入力端子
Lba1〜Lba3 インダクタンス素子
Lbg1〜Lbg3 インダクタンス素子
Lft1〜Lft3 インダクタンス素子
Lfr1,Lfr2 インダクタンス素子
Lpa1 インダクタンス素子
Lpba,Lpbb インダクタンス素子
Lr インダクタンス素子
Lt インダクタンス素子
OUT 出力端子
p1、p2 接続点
pa〜pd 端子
p1a,p2a 共通端子
p1b,p2b 低周波側端子
p1c,p2c 高周波側端子
SW1 高周波スイッチ
V1,V2 コントロール端子
Claims (9)
- 入力端子及び出力端子を有し、第1乃至第7の複数のキャパシタンス素子と第1及び第2の複数のインダクタンス素子とを主構成とするバンドパスフィルタであって、
前記第1のインダクタンス素子と前記第2のインダクタンス素子とは電磁的に結合し、
前記第1のインダクタンス素子の一端は、前記第1のキャパシタンス素子を介して前記入力端子に接続され、
前記第1のインダクタンス素子と前記第1のキャパシタンス素子との接続点とグランドとの間に前記第2のキャパシタンス素子が接続され、
前記第1のインダクタンス素子の他端はグランドに接続され、
前記第2のインダクタンス素子の一端は、前記第5のキャパシタンス素子を介して前記出力端子に接続され、
前記第2のインダクタンス素子と前記第5のキャパシタンス素子との接続点とグランドの間に前記第4のキャパシタンス素子が接続され、
前記第2のインダクタンス素子の他端はグランドに接続され、
前記第3のキャパシタンス素子は、前記入力端子と前記出力端子との間に接続され、
前記第6のキャパシタンス素子は、前記第1のインダクタンス素子の一端と前記第2のキャパシタンス素子との接続点と前記出力端子との間に接続され、
前記第7のキャパシタンス素子は、前記第2のインダクタンス素子の前記一端と前記第4のキャパシタンス素子との接続点と入力端子との間に接続され、
更に、前記第1のインダクタンス素子と前記第2のインダクタンス素子とを、それぞれ、並列接続した少なくとも2つ以上のインダクタンス素子で構成したことを特徴とするバンドパスフィルタ。 - 請求項1記載のバンドパスフィルタを構成するインダクタンス素子、キャパシタンス素子を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品。
- 少なくとも2つの互いに周波数の異なる通信システムに共用可能な高周波回路であって、
互いに周波数が異なる通信システムで送受信が可能な複数のアンテナに接続される複数のアンテナ側端子と第1及び第2の送信側端子および第1及び第2の受信側端子との接続を切り替える少なくとも4つの端子を備えた高周波スイッチと、
該高周波スイッチの一つの端子と前記第1及び第2の受信側端子との間に接続された第1の分波回路と、
前記高周波スイッチの他の端子と前記第1及び第2の送信側端子との間に接続された第2の分波回路と、
前記第1の分波回路に接続された請求項1記載のバンドパスフィルタとを備えたことを特徴とする高周波回路。 - 前記第1の分波回路の低周波側端子に接続された請求項1記載のバンドパスフィルタと前記第1の受信側端子との間に接続された第1の平衡-不平衡変換回路と、
前記第1の分波回路の高周波側端子と前記第2の受信側端子との間に接続された第2の平衡-不平衡変換回路とを更に備えたことを特徴とする請求項3記載の高周波回路。 - 請求項3または4記載の高周波回路を積層体で一体化した高周波回路部品であって、
前記第1の分波回路、前記第2の分波回路、及びバンドパスフィルタは、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、
前記インダクタンス素子、前記キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品。 - 請求項4記載の高周波回路を積層体で一体化した高周波回路部品であって、
前記第1の分波回路、前記第2の分波回路、バンドパスフィルタ、前記第1の平衡-不平衡変換回路、及び前記第2の平衡-不平衡変換回路は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、
前記インダクタンス素子、キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品。 - 請求項1記載のバンドパスフィルタを用いたマルチバンド通信装置であって、
各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部と、
前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置。 - 請求項3または4記載の高周波回路を用いたマルチバンド通信装置であって、
各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部と、
前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置。 - 請求項2、5、または6のいずれかに記載の高周波回路部品を用いたマルチバンド通信装置であって、
各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部と、
前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置。
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