JP2006013849A - バンドパスフィルタ、高周波回路、高周波回路部品、およびこれらを用いたマルチバンド通信装置 - Google Patents

バンドパスフィルタ、高周波回路、高周波回路部品、およびこれらを用いたマルチバンド通信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 損失が少なく減衰量が大きい積層構造の高周波回路部品を提供する。
【解決手段】 第1のインダクタンス素子Lpg1と第2のインダクタンス素子Lpg2とは電磁的に結合し、Lpg1の一端はCpg1を介して入力端子に接続され、Lpg1とCpg1との接続点とグランドとの間にCpg2が接続され、Lpg1の他端はグランドに接続され、Lpg2の一端は、Cpg5を介して出力端子に接続され、Lpg2とCpg5の接続点とグランドとの間にCpg4が接続され、Lpg2の他端はグランドに接続され、Cpg3は入力端子と出力端子との間に接続され、Cpg6はLpg1の一端とCpg2の接続点と出力端子との間に接続され、Cpg7はLpg2の一端とCpg4の接続点と入力端子との間に接続され、Lpg1とLpg2とを、それぞれ並列接続した少なくとも2つ以上のインダクタンス素子で構成したバンドパスフィルタを用いた高周波回路である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、無線LAN等の無線伝送に用いるバンドパスフィルタ、高周波回路、高周波回路部品、およびこれらを用いたマルチバンド通信装置に関する。
バンドパスフィルタに関する従来技術として、例えば特許文献1が知られている。図8は従来のバンドパスフィルタの等価回路図、図9は従来のバンドパスフィルタを積層体で構成したときの各層の電極パターン図を示す。
特許文献1記載のバンドパスフィルタは、積層バンドパスフィルタであって、互いに電磁結合する3本のストリップ線路導体118,119,120を同一層に配置し、第1と第2のストリップ線路導体118,119及び、第2と第3のストリップ線路導体119,120をそれぞれ容量202,203で容量結合させる。容量202は容量導体121と123で形成され、容量203は容量導体123と122で形成される。
一方、IEEE802.11規格に代表される無線LAN(WLAN)によるデータ通信が広く一般化している。例えばパーソナルコンピュータ(PC)、プリンタやハードディスク、ブロードバンドルーターなどのPCの周辺機器、FAX、冷蔵庫、標準テレビ(SDTV)、高品位テレビ(HDTV)、カメラ、ビデオ、携帯電話等々の電子機器、自動車内や航空機内でのワイヤに変わる信号伝達手段として採用され、それぞれの電子電器機器間において無線データ伝送が行われている。
WLANの規格として、IEEE規格802.11aは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiples:直交周波数多重分割)変調方式を用いて、最大54Mbpsの高速データ通信をサポートするものであり、その周波数帯域は5GHz帯が利用される。
またIEEE規格802.11bは、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum:ダイレクト・シーケンス・スペクトル拡散)方式で、5.5Mbps、11Mbpsの高速通信をサポートするものであり、無線免許なしに自由に利用可能な、2.4GHzのISM(Industrial, Scientific and Medical:産業、科学及び医療)帯域が利用される。
更にIEEE規格802.11gは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiples:直交周波数多重分割)変調方式を用いて、最大54Mbpsの高速データ通信をサポートするものであり、IEEE802.11bと同様に2.4GHz帯域が利用される。
このようなWLANを用いたマルチバンド通信装置が、特許文献2に記載されている。 このマルチバンド通信装置は、通信周波数帯が異なる2つの通信システム(IEEE802.11a、IEEE802.11b)で送受信が可能な2個のデュアルバンドアンテナと、各通信システムでの送信データを変調し、受信データを復調する2個の送受信回路部と、前記アンテナを、前記送受信回路部にそれぞれ接続するための複数のスイッチ手段と、前記スイッチ手段の切り換え制御を行なうスイッチ制御手段とを備え、ダイバーシティ受信可能なものである(図10参照)。
特許文献2記載のマルチバンド通信装置では、通信を開始する前に、まず周波数スキャンを行ない、受信可能な周波数チャンネルを探索する。このスキャン動作を行なう場合には、6つのSPDT(単極双投)のスイッチ手段(SW1〜SW6)によりアンテナANT1を802.11a送受信回路部の受信端子Rxに接続し、同時にアンテナANT2を802.11b送受信回路部の受信端子Rxに接続する。そして、802.11a送受信回路部では5GHz帯でスキャンし、これと並行し802.11b送受信回路部では2.4GHz帯でスキャンして、受信可能な全てのチャンネルを検出する。
次に、デュアルバンドアンテナANT1で受信した受信信号とデュアルバンドアンテナANT2で受信した受信信号とを比較して、2つの通信システムのうち、望ましい方の信号が受信される方の通信システムを、アクティブにする通信システムとして選択する。
このスキャン動作後に、選択されたアクティブな送受信装置に接続するアンテナを他方のアンテナに変更して、受信チャンネルを変更せずに受信し、2つのアンテナでの受信信号を比較して、より良好な受信ができる方のアンテナを、アクティブにするアンテナとして選択して、ダイバーシティ受信を行なう。
次に、図11を参照して、特許文献2記載のマルチバンド通信装置におけるバンドパスフィルタ(RFフィルタ72)の役割を説明する。
図11は、IEEE802.11a通信システムの送受信部21の一例を示すブロック図である。IEEE802.11b通信システムの送受信部22の構成は、変調及び復調方式が送受信部21と異なるが、ブロック図は送受信部21と同様の構成である。
図11において、送受信部21はRFフィルタ71、RFフィルタ72(バンドパスフィルタ)と、RFブロック70と、ベースバンドフィルタ77と、ベースバンドブロック80とで構成される。送受信部21はベースバンドブロック80のMAC(Media Access Control:メディアアクセス制御部)84を介してパーソナルコンピュータのPCIバスに接続される。前記MAC84は、物理アドレスを用いたパケットの送受信や衝突の検出、再送などを行なうインターフェースである。
受信時には、デュアルバンドアンテナ11又はデュアルバンドアンテナ12から入力された信号は、RFフィルタ72(バンドパスフィルタ)によりIEEE802.11aでの通過帯域周波数である5GHz帯の信号のみが通過し、それ以外の周波数の信号は減衰し、RFブロック70の受信部75に入力する。受信部75ではRFフィルタ72(バンドパスフィルタ)を通過した受信信号が増幅され、周波数変換と復調処理によってベースバンド信号に変換される。この時、RFフィルタ72(バンドパスフィルタ)の通過帯域周波数での挿入損失が大きいと受信信号の品質が劣化し、またRFフィルタ72(バンドパスフィルタ)の通過帯域周波数以外での減衰量が小さいと不要な信号を増幅していまい、受信信号を正常に復調処理できないという問題が発生する。。
送信時には、送信部73で変調及び周波数変換されたRF信号はRFフィルタ71に入力する。RFフィルタ71では5GHz帯の信号を通過させ、高調波成分を減衰させる。このRF信号がデュアルバンドアンテナ11を介して放射される。
特許文献2記載のマルチバンド通信装置におけるバンドパスフィルタ(RFフィルタ72)は、前述のように重要な機能を果たすものであるが、特許文献2ではブラック・ボックスとしてしか記載されてない。ブラック・ボックスにおけるバンドパスフィルタとして特許文献1記載のものが適用可能か否かは不明である。
特開2002‐299987号公報 (図1,図2) 特開2003‐169008号公報 (図1,図2)
特許文献1記載の従来のバンドパスフィルタは、バンドパスフィルタ特性における通過帯域周波数の特性を調整しようとすると、通過帯域周波数の低周波数域にある減衰量と高周波数域にある減衰量の周波数の位置がシフトするという問題があった。
また、Q値が未だ十分とは言えず、高周波回路部に用いられる低損失かつ急峻なバンドパスフィルタを実現することができないという問題があった。
また、特許文献2記載のマルチバンド通信装置では、6つものSPDT(単極双投)のスイッチ手段(SW1〜SW6)が必要であり、これらの制御回路も複雑になる。
すなわち、多くのスイッチ手段で高周波信号の経路を切り換えることが必要であり、スイッチ手段の数に応じてその制御も複雑化する。すなわち、回路が複雑化するという問題があった。
更に、スイッチ手段にはある程度の伝送損失が不可避であるから、アンテナから送受信回路部に至る経路において、多数のスイッチ手段が存在することは、それに応じて伝送損失が増加することとなる。特に受信時においては、アンテナから入射する高周波信号の品質が劣化するといった問題もあった。また、スイッチ手段の切り換えに消費される電力も、ノートPCや携帯電話などのバッテリーを駆動電源とする機器では無視できない。すなわち、損失が大きいという問題があった。
従って、本発明の第1目的は、バンドパスフィルタ及び高周波回路であって簡単な回路で損失の少なく減衰量が大きいものの提供である。
また本発明の第2目的は、簡単な回路で損失の少ない高周波回路を、3次元的な積層構造により小型に構成した高周波回路部品の提供である。
更に本発明の第3目的は、本発明に係るバンドパスフィルタ、高周波回路、及び高周波回路部品を用いることによる、各通信システムでの送信データを変調し、受信データを復調する送受信回路部と、前記高周波スイッチの切り換えを制御するスイッチ回路制御部を備えたマルチバンド通信装置の提供である。
(手段1)
本発明の手段1は、入力端子(IN)及び出力端子(OUT)を有し、第1乃至第7の複数のキャパシタンス素子と第1及び第2の複数のインダクタンス素子とを主構成とするバンドパスフィルタ(FIL1)であって、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)と前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)とは電磁的に結合し、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)の一端は、前記第1のキャパシタンス素子(Cpg1)を介して前記入力端子(IN)に接続され、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)と前記第1のキャパシタンス素子(Cpg1)との接続点(p1)とグランド(GND)との間に前記第2のキャパシタンス素子(Cpg2)が接続され、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)の他端はグランドに接続され、前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)の一端は、前記第5のキャパシタンス素子(Cpg5)を介して前記出力端子(OUT)に接続され、前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)と前記第5のキャパシタンス素子(Cpg5)との接続点(p2)とグランドとの間に前記第4のキャパシタンス素子(Cpg4)が接続され、前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)の他端はグランドに接続され、前記第3のキャパシタンス素子は、前記入力端子(IN)と前記出力端子(OUT)との間に接続され、前記第6のキャパシタンス素子(Cpg6)は、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)の一端と前記第2のキャパシタンス素子(Cpg2)との接続点(p1)と前記出力端子(OUT)との間に接続され、前記第7のキャパシタンス素子(Cpg7)は、前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)の前記一端と前記第4のキャパシタンス素子(Cpg4)との接続点(p2)と入力端子(IN)との間に接続され、更に、前記第1のインダクタンス素子(Lpg1)と前記第2のインダクタンス素子(Lpg2)とを、それぞれ、並列接続した少なくとも2つ以上のインダクタンス素子(Lpg1a、Lpg1b)、(Lpg2a、Lpg2b)で構成したことを特徴とするバンドパスフィルタ(FIL1)である。
(手段2)
本発明の手段2は、(手段1)記載のバンドパスフィルタ(FIL1)を構成するインダクタンス素子、キャパシタンス素子を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品である。
(手段3)
本発明の手段3は、少なくとも2つの互いに周波数の異なる通信システムに共用可能な高周波回路であって、互いに周波数が異なる通信システムで送受信が可能な複数のアンテナ(ANT1,ANT2)に接続される複数のアンテナ側端子(Ant1,Ant2)と第1及び第2の送信側端子(2.4G_Tx,5G_Tx)および第1及び第2の受信側端子(2.4G_Rx+,2.4G_Rx−及び5G_Rx+,5G_Rx−)との接続を切り換える少なくとも4つの端子(pa,pb,pc,pd)を備えた高周波スイッチ(SW1)と、該高周波スイッチ(SW1)の一つの端子(pc)と前記第1及び第2の受信側端子(2.4G_Rx+2.4G_Rx−及び5G_Rx+,5G_Rx−)との間に接続された第1の分波回路(Dip1)と、前記高周波スイッチ(SW1)の他の端子(pd)と前記第1及び第2の送信側端子(2.4G_Tx,5G_Tx)との間に接続された第2の分波回路(Dip2)と、前記第1の分波回路(Dip1)に接続された(手段1)記載のバンドパスフィルタとを備えたことを特徴とする高周波回路である。
(手段4)
本発明の手段4は、前記第1の分波回路(Dip1)の低周波側端子(p2b)に接続された(手段1)記載のバンドパスフィルタ(FIL1)と前記第1の受信側端子(2.4G_Rx+2.4G_Rx−)との間に接続された第1の平衡-不平衡変換回路(BAL1)と、前記第1の分波回路(Dip1)の高周波側端子(p2c)と前記第2の受信側端子(5G_Rx+ ,5G_Rx−)との間に接続された第2の平衡-不平衡変換回路(BAL2)とを更に備えたことを特徴とする(手段3)記載の高周波回路である。
(手段5)
本発明の手段5は、(手段3)または(手段4)記載の高周波回路を積層体で一体化した高周波回路部品であって、前記第1の分波回路(Dip1)、前記第2の分波回路(Dip2)、及び前記バンドパスフィルタ(FIL1)は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、前記インダクタンス素子、前記キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品である。
(手段6)
本発明の手段6は、(手段4)記載の高周波回路を積層体で一体化した高周波回路部品であって、前記第1の分波回路(Dip1)、前記第2の分波回路(Dip2)、前記バンドパスフィルタ(FIL1)、前記第1の平衡-不平衡変換回路(BAL1)、及び前記第2の平衡-不平衡変換回路(BAL2)は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、前記インダクタンス素子、キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品である。
(手段7)
本発明の手段7は、(手段1)記載のバンドパスフィルタ(FIL1)を用いたマルチバンド通信装置であって、各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部(30)と、前記高周波スイッチの切り換えを制御するスイッチ回路制御部(50)とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置である。
(手段8)
本発明の手段8は、(手段3)または(手段4)記載の高周波回路を用いたマルチバンド通信装置であって、各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部(30)と、前記高周波スイッチの切り換えを制御するスイッチ回路制御部(50)とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置である。
(手段9)
本発明の手段9は、(手段2)、(手段5)、または(手段6)のいずれかに記載の高周波回路部品を用いたマルチバンド通信装置であって、各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部(30)と、前記高周波スイッチの切り換えを制御するスイッチ回路制御部(50)とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置である。
本発明のバンドパスフィルタ、高周波回路、および高周波回路部品によると、小型で損失の少ないものの提供が可能であり、それによって低価格、低損失なマルチバンド通信装置を提供できる。
図1は、本発明に係るマルチバンド通信装置の一実施例を示す回路ブロック図を示す。
ここでは、第1の通信システムとしてIEEE802.11aを、第2の通信システムとしてIEEE802.11bを例に取り説明するが、前記のようにIEEE802.11gはIEEE802.11bと同じ周波数帯を利用することから、IEEE802.11bの高周波信号を扱う回路部はIEEE802.11gにも適用、あるいは共用することが出来る。なお、IEEE802.11b、IEEE802.11gをともに扱う場合には、変調方式が異なるため、それぞれに対応した送受信回路部が必要となる。
図1に示すマルチバンド通信装置は、2.4GHz帯、5GHz帯で送受信が可能な2つのマルチバンドのアンテナANT1,ANT2に各々接続する2つのアンテナ側端子Ant1,Ant2を有する。更に、アンテナANT1,ANT2と送信回路、受信回路との接続を切り換える高周波スイッチSW1を備えた高周波回路部と、各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調するIEEE802.11aの送受信回路部及びIEEE802.11bの送受信回路部と高周波スイッチSW1の切り換えを制御するスイッチ回路制御部50と、図示しない受信信号の電力増幅器を備えた送受信回路部30と、平衡信号を不平衡信号に変換する平衡‐不平衡変換回路BAL1,BAL2とを備えるものである。
平衡‐不平衡変換回路BAL1,BAL2は、平衡入力型の電力増幅器を用いる場合に必要となる。不平衡型の高周波回路と平衡入力型の電力増幅器を接続する場合に平衡‐不平衡変換する必要がある。
図1に示すマルチバンド通信装置における高周波回路について説明する。高周波信号の入出力は、第1のアンテナ側端子Ant1、第2のアンテナ側端子Ant2の2つである。
第1のアンテナANT1は第1のアンテナ側端子Ant1に、第2のアンテナANT2は第2のアンテナ側端子Ant2に接続される。
第1のアンテナ側端子Ant1と第2のアンテナ側端子Ant2は、DPDT(双極双投)のスイッチである高周波スイッチSW1の各端子pa、pbに接続される。高周波スイッチSW1は4つの端子pa〜pdを備え、一つの端子pcは受信回路側のバンドパスフィルタFIL1と、他の端子pdは送信回路側で第2の分波回路Dip2と接続される。
高周波スイッチSW1は、電界効果型トランジスタ(FET)やダイオードなどのスイッチング素子を主構成とし、適宜インダクタンス素子、キャパシタンス素子を組み合わせて用いられる。図2は、高周波スイッチSW1の1実施例である。
図2に例示した高周波スイッチSW1の動作を説明する。コントロール端子V1に電界効果型トランジスタが動作する閾値以上の電圧(例えば、+1〜+5V)を印加して、コントロール端子V2は0(ゼロ)Vとした場合を説明する。このとき電界効果型トランジスタFET1とFET4がON状態、電界効果型トランジスタFET2とFET3がOFF状態となる。
そのため、高周波スイッチSW1の端子paから入力した高周波信号はON状態の電界効果型トランジスタFET1を通過し、端子pcに伝送される。このとき電界効果型トランジスタFET3はOFF状態なので端子pb側への高周波信号の漏洩は殆ど無く、かつ電界効果型トランジスタFET2もOFF状態なので端子pd側への高周波信号の漏洩も殆ど無い。
一方、高周波スイッチSW1の端子pbから入力した高周波信号は、ON状態の電界効果型トランジスタFET4を通過し、端子pdに伝送される。このとき、電界効果型トランジスタFET2はOFF状態なので、端子pa側への高周波信号の漏洩は殆ど無く、かつ電界効果型トランジスタFET3もOFF状態なので、端子pc側への高周波信号の漏洩も殆ど無い。
第1の分波回路Dip1は、2.4GHz帯(IEEE802.11b)の高周波信号を通過させるが5GHz帯(802.11a)の高周波信号を減衰させるフィルタ回路と、5GHz帯(IEEE802.11a)の高周波信号を通過させるが2.4GHz帯(IEEE802.11b)の高周波信号を減衰させるフィルタ回路とを組み合わせて成る。
従って、第1のアンテナANT1、或いは第2のアンテナANT2に入射し高周波スイッチSW1の一つの端子pcに現れる高周波信号のうち、2.4GHz帯の高周波信号が、第1の分波回路Dip1の低周波側端子p2bに現れるが、高周波側端子p2cには現れない。他方、5GHz帯の高周波信号は、第1の分波回路Dip1の高周波側端子p2cに現れるが、低周波側端子p2bには現れない。
第2の分波回路Dip2は、2.4GHz帯(IEEE802.11b)の高周波信号を通過させるが5GHz帯(IEEE802.11a)の高周波信号を減衰させるフィルタ回路と、5GHz帯(IEEE802.11a)の高周波信号を通過させるが2.4GHz帯(IEEE802.11b)の高周波信号を減衰させるフィルタ回路とを組み合わせて成る。
それにより、2.4GHz帯(IEEE802.11b)の送信回路から第2の分波回路Dip2の低周波側端子p1bに入力する2.4GHz帯の高周波信号は、第2の分波回路Dip2の共通端子p1aに現れるが、高周波側端子p1cには現れない。
他方、5GHz帯(IEEE802.11a)の送信回路から第2の分波回路Dip2の高周波側端子p1cに入力する5GHz帯の高周波信号は、第2の分波回路Dip2の共通端子p1aに現れるが、低周波側端子p1bには現れない。
そして、第2の分波回路Dip2の共通端子p1aに現れた高周波信号は、高周波スイッチSW1を経て、第2のアンテナ側端子Ant2から放射される。
図3は、本発明に係るバンドパスフィルタFIL1の一実施例における回路図を示す。図4は、バンドパスフィルタFIL1を組み込んだ、本発明に係る高周波回路の一実施例における回路図を示す。
図3に示すバンドパスフィルタFIL1の周波数特性を、図4に示す。IEEE802.11bの使用周波数である2.4GHzから2.48GHzが通過帯域周波数である。
通過帯域周波数より低い周波数には、主に2つの減衰極が存在する。1つは2GHz帯の携帯電話システム(例えば欧州で使用されているDCS、米国で使用されているPCSなどのIEEE802.11bの使用周波数より低い周波数を使用するもの)の高周波信号を減衰させる低周波第1減衰極、もう1つは更に低い周波数の1GHz帯の携帯電話システム(例えば欧州で使用されているEGSM、米国で使用されているGSM850など)の高周波信号を減衰させる低周波第2減衰極である。
通過帯域周波数より高い周波数には、主に1つの減衰極が存在する。IEEE802.11aなどの高周波信号を減衰させる高周波減衰極である。
従来のバンドパスフィルタにおいては、通過帯域周波数の特性を改善するために、インダクタンス素子Lpg1とインダクタンス素子Lpg2との間の電磁結合Mの結合度を調整することが行われていた。
電磁結合Mの結合度を調整すると、通過帯域周波数の特性は改善できるものの、同時に低周波第1減衰極、高周波減衰極の周波数がシフトしてしまうという問題があり、その設計・調整は困難であった。
本発明に係るバンドパスフィルタFIL1においては、電磁結合Mの結合度を固定したまま、入力端子INと出力端子OUTとの間に形成したキャパシタンス素子Cpg6、Cpg7の容量値を調整することにより、通過帯域周波数の特性が改善できる。
そのため、通過帯域周波数の特性、低周波第1減衰極の周波数、および高周波減衰極の周波数を独立に制御できるようになり、それにより、バンドパスフィルタFIL1の設計・調整は格段と容易になった。
本発明に係るバンドパスフィルタFIL1において、通過帯域周波数の特性は、キャパシタンス素子Cpg6、Cpg7で調整できる。キャパシタンス素子Cpg6とCpg7の容量値を調整は、インダクタンス素子Lpg1とインダクタンス素子Lpg2の間における電磁結合Mの結合度を調整することと同様な働きがあり、通過帯域周波数の特性を改善できる。
但し、このとき低周波第1減衰極と高周波減衰極の周波数はシフトしない。低周波第1減衰極の周波数は、主にキャパシタンス素子Cpg3で調整でき、キャパシタンス素子Cpg3の容量値を大きくすると低周波側へ移動できる。
低周波第2減衰極の周波数は、主にキャパシタンス素子Cpg1、Cpg5で調整でき、キャパシタンス素子Cpg1、Cpg5の容量値を大きくすると低周波側へ移動できる。
高周波減衰極の周波数はキャパシタンス素子Cpg2、Cpg4で調整でき、キャパシタンス素子Cpg2、Cpg4の容量値を大きくすると低周波側へ移動できる。
本発明に係るバンドパスフィルタFIL1(図3)と従来の特許文献1記載のバンドパスフィルタ(図8)との違いについて説明する。
本発明に係るバンドパスフィルタFIL1と従来の特許文献1記載のバンドパスフィルタは電磁結合を利用する点で共通するが、次の2点で相違する。
相違点の第1は、本発明に係るバンドパスフィルタFIL1においては、入力端子INと出力端子OUTとの間に接続されるキャパシタンス素子Cpg3、Cpg6、Cpg7に工夫を施したのに対して、従来の特許文献1記載のバンドパスフィルタでは単に多段結合したバンドパスフィルタの段間の結合容量としてしか認識されていない。
本発明に係るバンドパスフィルタFIL1においては、従来の特許文献1記載のバンドパスフィルタの課題であったバンドパスフィルタにおける通過帯域周波数の特性改善をしようとすると低周波第1減衰極と高周波減衰極の周波数がシフトするという問題を解決できた。
相違点の第2は、本発明に係るバンドパスフィルタFIL1においては、第1のインダクタンス素子Lpg1と第2のインダクタンス素子Lpg2とを、それぞれ、並列接続した少なくとも2つ以上のインダクタンス素子Lpg1a、Lpg1b、及びLpg2a、Lpg2bで構成した点である。
すなわち、第1のインダクタンス素子Lpg1は並列接続した2つ以上のインダクタンス素子Lpg1a、Lpg1bで構成する。また、第2のインダクタンス素子Lpg2は並列接続した2つ以上のインダクタンス素子Lpg2a、Lpg2bで構成する。
従って、本発明に係るバンドパスフィルタFIL1においては、第1のインダクタンス素子Lpg1と第2のインダクタンス素子Lpg2との抵抗成分が低減され、それによってQ値が従来の特許文献1記載のバンドパスフィルタよりも向上する結果、低損失なバンドパスフィルタを構成できる。
以上のように、本発明に係るバンドパスフィルタFIL1においては、相違点の第1と相違点の第2の、構成の違いを組み合わせたので、従来の特許文献1記載のバンドパスフィルタに比べて設計、調整が格段に容易になり、且つQ値が高く低損失なバンドパスフィルタを実現できた。
そして、バンドパスフィルタFIL1の出力端子OUTに現れた高周波信号は、第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1を介して2.4GHz帯(IEEE802.11b)の受信回路に入力する。
また、第1の分波回路Dip1の高周波側端子p2cに現れた高周波信号は、第2のフィルタ回路FIL2、第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2を介して5GHz帯(IEEE802.11a)の受信回路に入力する。
次に、本発明に係るマルチバンド通信装置のダイバーシティ受信動作について説明する。 ここで、高周波スイッチSW1として図2に示すものを用いた。
高周波スイッチSW1は、スイッチ回路制御部50により制御された制御電圧がコントロール端子V1,V2に印加されることにより、表1に示すように各端子間が接続される。 ここで、コントロール端子V1,V2に印加する制御電圧がHighとは、+1〜+5V,Lowとは−0.5〜+0.5Vが望ましい。
Figure 2006013849
ダイバーシティ受信を行なう場合、まず通信を開始する前に周波数スキャンを行ない、受信可能な周波数チャンネルを探索する。このスキャン動作を行なう場合には、例えば表1の接続モード1となるように、スイッチ回路制御部50により高周波スイッチSW1を制御する。
このとき、第1のアンテナANT1と受信回路側の第1の分波回路Dip1とが接続され、1つのアンテナに2つの通信システムの受信回路が接続することとなる。次いで、IEEE802.11a受信回路部では5GHz帯でスキャンし、これと並行し802.11b送受信回路部では2.4GHz帯でスキャンして、受信可能な全てのチャンネルを検出する。
次に接続モード2となるように、スイッチ回路制御部50により高周波スイッチSW1を制御する。このとき、第2のアンテナANT2と受信回路側の第1の分波回路Dip1とが接続され、次いでIEEE802.11a受信回路部では5GHz帯でスキャンし、これと並行し802.11b送受信回路部では2.4GHz帯でスキャンして、受信可能な全てのチャンネルを検出する。
前記周波数スキャンの結果に基づいて、第1、第2のアンテナANT1、ANT2で受信した受信信号を振幅で比較して、アクティブにする通信システムとして選択するとともに、前記通信システムの送受信回路と接続するアンテナを選択する。
従って、本発明に係るマルチバンド通信装置によれば、フェージング等の外乱が生じても、最も好ましい通信システムを選択してダイバーシティ受信を行なうことが出来る。
以上の接続モード切り換えの制御は、図1に示された回路で行われ、回路ブロックとしての送受信回路部30とスイッチ制御回路部50とは、高周波用半導体集積回路装置に一体化されることが多い。高周波用半導体集積回路装置はRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)と略称されることが多い。
本発明に係るマルチバンド通信装置においては、従来から使われてきたRFIC、例えば本願発明者らによる特開2003−18039号公報記載のRFICを使用できる。これは、PLL回路で制御されたVCO回路によって、受信系のパワーアンプ、ミキサー、フィルタ、復調器、及び閾値検出・データ回復回路が制御され、送信系のDAC(デジタル・アナログ変換回路)、ローパスフィルタ、変調器、及びパワーアンプが制御される。
なお、第1のアンテナANT1と受信回路側の第1の分波回路Dip1とを接続して、5GHz帯でスキャンし、これと並行して2.4GHz帯でスキャンして受信可能な全てのチャンネルを検出し、得られた信号の振幅を比較して一方の通信システムを選択して、その送受信回路部をアクティブにし、選択されたアクティブな送受信回路部に接続するマルチバンドアンテナを第2のアンテナANT2に変更して、受信チャンネルを変更せずに受信し、2つのアンテナでの受信信号を比較して、より良好な受信ができる方のアンテナを、アクティブにするアンテナとして選択して、ダイバーシティ受信を行なうことも当然可能である。
以上、本発明に係るマルチバンド通信装置(図1)と従来のマルチバンド通信装置(図10)を比較すると、本発明に係るマルチバンド通信装置においてはスイッチの数が大幅に減少していることが分かる。
DPDT(双極双投)のスイッチである高周波スイッチSW1を1個と、第1分波回路Dip1とバンドパスフィルタしかない簡潔な回路構成となる。従って、スイッチの制御も簡単で損失も少ないマルチバンド通信装置を提供できる。
次に、図5に示す高周波回路における各回路ブロックについて、個別に説明する。
高周波スイッチSW1は、例えば図2に示す回路を用いることができ、キャパシタンス素子C1〜C4は直流カット用のキャパシタンス素子である。キャパシタンス素子C5およびC6は電源からのノイズを除去するためのものである。
インダクタンス素子LtとLrは、高周波スイッチSW1と後段の第1分波回路Dip1、第2分波回路Dip2の各々とのインピーダンス整合用のインダクタンス素子である。
第2の分波回路Dip2は、インダクタンス素子Lft1,Lft2とキャパシタンス素子Cft1とでなる低周波側のローパスフィルタと、インダクタンス素子Lft3とキャパシタンス素子Cft2〜Cft4とでなる高周波側のハイパスフィルタとで構成される。
低周波側のローパスフィルタは2.4GHz帯の信号を、高周波側のハイパスフィルタは5GHz帯の信号を、相互の回り込みを防止しつつ、各々高周波スイッチSW1側に伝送する。低周波側のローパスフィルタは、高調波の除去機能も有している。
第1の分波回路Dip1は、インダクタンス素子Lfr2とキャパシタンス素子Cfr1〜Cfr3とでなる高周波側のハイパスフィルタと、インダクタンス素子Lfr1でなる低周波側のローパスフィルタで構成される。
高周波側のハイパスフィルタは5GHz帯の信号を、低周波側のバンドパスフィルタは2.4GHz帯の信号を、相互の回り込みを防止しつつ、各々の周波数に対応する受信回路へ高周波信号を分波する。
第1のフィルタ回路は、2.4GHz帯の受信側バンドパスフィルタであり、インダクタンス素子Lpg1、Lpg2、キャパシタンス素子Cpg1〜Cpg7で形成される。
近接するインダクタンス素子Lpg1とLpg2とは、相互誘導係数Mによって結合される。入力端子側には、キャパシタンス素子Cpg2とインダクタンス素子Lpg1によって第1の共振回路が構成され、出力端子側には、キャパシタンス素子Cpg4とインダクタンス素子Lpg2によって第2の共振回路が構成される。
キャパシタンス素子Cpg1、Cpg5は、バンドパスフィルタの入出力と第1の共振回路、第2の共振回路を結合する。キャパシタンス素子Cpg3は、バンドパスフィルタの入出力を結合する。また、キャパシタンス素子Cpg6およびCpg7は、インダクタンス素子Lpg1とLpg2との結合を補助する結合コンデンサである。
第1及び第2の共振回路は、相互誘導係数Mによって、いわばトランスのように結合する。このため、入力端子の高周波信号は、第1及び第2の共振回路による共振作用を受けつつ出力端子に導かれる。つまり、全体が2つの共振周波数を有する複同調回路として作用し、急峻な特性のバンドパスフィルタが得られる。
第2のフィルタ回路FIL2は、5GHz帯の受信側ローパスフィルタであり、インダクタンス素子Lpa1とキャパシタンス素子Cpa2,Cpa3,Cpa4で形成される。第1の分波器Dip1における高周波側のハイパスフィルタと組み合わせて、5GHz帯の受信側バンドパスフィルタとしても機能する。
第3のフィルタ回路FIL3は、5GHz帯の送信側ローパスフィルタであり、インダクタンス素子Lft4とキャパシタンス素子Cft5で形成される。ローパスフィルタ特性の調整のために、必要に応じて、インダクタンス素子Lft3に並列にキャパシタンス素子を並列接続してもよい。
伝送線路Lpbbは、バンドパスフィルタFIL1と第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1との間のインピーダンス整合のために挿入した。同じく、伝送線路Lpbaは、第2のフィルタ回路FIL2と第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2との間のインピーダンス整合のために挿入する。
第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1は、2.4GHz帯の受信側を平衡入力型のローノイズアンプ(図示しない)を有するRFICに接続するための平衡‐不平衡変換用のものである。第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1は、一次側をインダクタンス素子Lbg1で、2次側をインダクタンス素子Lbg2、Lbg3で構成される。
2.4GHz帯受信信号の同相成分を出力する伝送線路Lbg2の一端の2.4G_Rx+端子とグランドとの間は、キャパシタンス素子Cbg2で接続される。同様に、2.4GHz帯受信信号の逆相成分を出力する伝送線路Lbg3の一端の2.4G_Rx−端子とグランドとの間は、キャパシタンス素子Cbg3で接続される。
インダクタンス素子Lbg2の他端とインダクタンス素子Lbg3の他端とが接続されて、キャパシタンス素子Cbg1を介するか、或いは直接にグランドに接続される。
第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2は、5GHz帯の受信側を平衡入力型のローノイズアンプ(図示しない)を有するRFICに接続するための平衡‐不平衡変換用のものである。第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2は、一次側をインダクタンス素子Lba1で、2次側をインダクタンス素子Lba2、Lba3で構成される。
5GHz帯受信信号の同相成分を出力するインダクタンス素子Lba2の一端と5GHz帯受信信号の逆相成分を出力するインダクタンス素子Lba3の一端とが接続されて、キャパシタンス素子Cba1を介してグランドと接続される。
図3に例示したバンドパスフィルタは、図6Aと図6Bに例示した誘電体のグリーンシートgs1〜gs16で示した16層の積層体で一体化できる。
グリーンシートgs1は、電極パターンを持たないダミーのグリーンシートである。グリーンシートgs2には、GND用の電極パターンを形成する。グリーンシートgs3には、キャパシタンス素子Cpg1用とキャパシタンス素子Cpg5用の電極パターンを形成する。
また、グリーンシートgs3上のキャパシタンス素子Cpg1用の電極パターンはキャパシタンス素子Cpg2の一部を構成し、キャパシタンス素子Cpg5用の電極パターンはキャパシタンス素子Cpg4の一部を構成している。
グリーンシートgs4には、キャパシタンス素子Cpg1用とキャパシタンス素子Cpg5用の電極パターンを形成し、入力端子INと出力端子OUTを形成する。グリーンシートgs5には、キャパシタンス素子Cpg1用とキャパシタンス素子Cpg5用の電極パターンを形成する。グリーンシートgs6には、キャパシタンス素子Cpg1用とキャパシタンス素子Cpg5用の電極パターンを形成し、入力端子INと出力端子OUTを形成する。グリーンシートgs7は、ビアホールだけを形成したグリーンシートである。
グリーンシートgs8には、電磁結合するインダクタンス素子Lpg1a用とインダクタンス素子Lpg2a用の電極パターンを形成する。同様に、グリーンシートgs9にも、インダクタンス素子Lpg1b用とインダクタンス素子Lpg2b用の電極パターンを形成する。グリーンシートgs8上のインダクタンス素子Lpg1aと、グリーンシートgs9上のインダクタンス素子Lpg1bとは積層方向で重なり合うように同一の電極パターンを形成する。同様に、グリーンシートgs8上のインダクタンス素子Lpg2aと、グリーンシートgs9上のインダクタンス素子Lpg2bとは積層方向で重なり合うように同一の電極パターンを形成する。
インダクタンス素子Lpg1aとインダクタンス素子Lpg1bとは並列接続される。同様に、インダクタンス素子Lpg2aとインダクタンス素子Lpg2bとは並列接続される。
本発明に係るバンドパスフィルタにおいては、電磁結合する各々のインダクタンス素子を、夫々、並列接続したので抵抗成分を低減でき、その結果、Q値が向上して低損失となりフィルタ特性が改善される。
グリーンシートgs10は、ビアホールだけを形成したグリーンシートである。グリーンシートgs11には、キャパシタンス素子Cpg3用の電極パターンを形成する。グリーンシートgs12には、キャパシタンス素子Cpg7用とキャパシタンス素子Cpg6用の電極パターンを形成し、入力端子INと出力端子OUTを形成する。ここで、キャパシタンス素子Cpg7用とキャパシタンス素子Cpg6用の電極パターンは、キャパシタンス素子Cpg3の一部を構成する。グリーンシートgs13には、キャパシタンス素子Cpg2用とキャパシタンス素子Cpg4用の電極パターンを形成し、キャパシタンス素子Cpg2用の電極パターンはキャパシタンス素子Cpg6の一部を、キャパシタンス素子Cpg4用の電極パターンはキャパシタンス素子Cpg7の一部を構成する。グリーンシートgs4、gs6、及びgs12上の入力端子INと出力端子OUTは、それぞれビアホールにて接続されている。
この様に、キャパシタンス素子Cpg3をキャパシタンス素子Cpg6用とキャパシタンス素子Cpg7用の電極パターンの一部を利用して構成し、キャパシタンス素子Cpg6をキャパシタンス素子Cpg3用とキャパシタンス素子Cpg4用電極パターンの一部を利用して構成し、キャパシタンス素子Cpg7をキャパシタンス素子Cpg3用とキャパシタンス素子Cpg4用の電極パターンの一部を利用して構成した。
その結果、バンドパスフィルタを小型に構成することができた。
以上のように、本発明に係るバンドパスフィルタは、誘電体のグリーンシートgs1〜gs16の各々に導電性ペーストで電極パターンを印刷形成し、各層を電気的に接続するビアホールにも導電性ペーストを充填して、各層を積層して積層体を形成した後、一体焼成して製造できる。
図5に例示した高周波回路は、図7Aと図7Bに例示した誘電体のグリーンシートGS1〜GS16を積層した16層の積層体で一体化できる。
この場合、インダクタンス素子Lba1〜Lba3、インダクタンス素子Lbg1〜Lbg3、インダクタンス素子Lft1〜Lft3、インダクタンス素子Lfr1,Lfr2、インダクタンス素子Lpa1、インダクタンス素子Lft4、インダクタンス素子Lpba,Lpbb、インダクタンス素子Lpg1、Lpg2、インダクタンス素子Lt、Lrは、全て誘電体誘電体のグリーンシートGS1〜GS16の上に導電ペーストを印刷して所定の電極パターンで構成される伝送線路で形成することもできる。
図7Aはグリーンシートの第1乃至8層(GS1〜GS8)の電極パターン、図7Bは第9乃至16層(GS9〜GS16)と裏面の電極パターンを示す平面図である。図中、符号を付した電極パターン以外の黒角印のものはビアホールであり、導電性ペーストが充填され誘電体各層に形成された電極パターンを接続するためのものである。
各回路は積層基板に三次元的に構成されるが、各回路を構成する電極パターンは、それぞれ他の回路を構成する電極パターンとの不要な電磁気的干渉を防ぐように、グランド電極GNDによる分離や、積層方向に見て互いが重ならないようにしている。
次に、回路ブロック毎に、図5に示した高周波回路と図7Aと図7Bに示した積層体の各層における電極パターンとの対応を説明する。
なお、図7Aと図7Bに示した積層体では、インダクタンス素子はグリーンシート上に導体ペーストで印刷形成された伝送線路で構成したが、これに限られるものではなく、積層体の外側に搭載したチップインダクタを用いることもできる。
また、高周波スイッチSW1は積層体の上に搭載し、キャパシタンス素子C1〜C6もチップ部品として搭載することもできる。
第1の分波回路Dip1について説明する。
インダクタンス素子Lfr1は、グリーンシートGS7、GS8、GS9、GS10の4層に亘って形成されるので、小型の割には大きいインダクタンスを得られる。更に、インダクタンス素子Lfr1は、グリーンシートGS14に形成されたグランドGNDとの距離を隔てて配置しているので、インダクタンス素子Lfr1とグランド間の浮遊容量を僅かにすることができる。
インダクタンス素子Lfr2は、グリーンシートGS7,GS8,GS10の3層に亘って形成される。
キャパシタンス素子Cfr1は、グリーンシートGS5とGS6の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cfr2は、グリーンシートGS3とGS4、GS4とGS5上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cfr3は、グリーンシートGS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
第1のフィルタ回路FIL1であるバンドパスフィルタについて説明する。
インダクタンス素子Lpg1とインダクタンス素子Lpg2とは、グリーンシートGS8とグリーンシートGS9との各々に2層に亘って並列接続によって形成される。近接するインダクタンス素子Lpg1とLpg2とは、相互誘導係数Mによって結合され、いわばトランスのように結合する。
キャパシタンス素子Cpg1は、グリーンシートGS3〜GS6上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg2は、グリーンシートGS4、GS13,GS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg3は、グリーンシートGS12とGS13上の電極パターンとの間で形成される。
キャパシタンス素子Cpg4は、グリーンシートGS4、GS13,GS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg5は、グリーンシートGS3〜GS6上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg6は、グリーンシートGS12とGS13上の電極パターンの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg7は、グリーンシートGS12とGS13上の電極パターンの間で形成される。
図5に例示した高周波回路と図7A,図7Bに例示した電極パターン図との対応において注意すべき点がある。
キャパシタンス素子Cfr1とキャパシタンス素子Cfr2、キャパシタンス素子Cft2とキャパシタンス素子Cft3、キャパシタンス素子Cpg1とキャパシタンス素子Cpg2、キャパシタンス素子Cpg5とキャパシタンス素子Cpg4、キャパシタンス素子Cpg2とキャパシタンス素子Cpg6、キャパシタンス素子Cpg4とキャパシタンス素子Cpg7、キャパシタンス素子Cpg6とキャパシタンス素子Cpg3、キャパシタンス素子Cpg7とキャパシタンス素子Cpg3は、電極パターンの一部を共用している点である。
このように電極パターンを共有化することにより、電極パターン数を減らすことができるため、小型化に有利となる。
すなわち、キャパシタンス素子Cfr2は、キャパシタンス素子Cfr1を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS5上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cft3は、キャパシタンス素子Cft2を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS5上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg2は、キャパシタンス素子Cpg1を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS3上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg4は、キャパシタンス素子Cpg5を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS3上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg6は、キャパシタンス素子Cpg2を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS13上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg7は、キャパシタンス素子Cpg4を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS13上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg3は、キャパシタンス素子Cpg6を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS12上の電極パターンと、キャパシタンス素子Cpg7を構成する複数の電極パターンのうち、その一部であるグリーンシートGS13上の電極パターンを利用する。
第2のフィルタ回路FIL2について説明する。インダクタンス素子Lpa1は、グリーンシートGS7,GS8の2層に亘って形成される。キャパシタンス素子Cpa3は、必要に応じて追加するものであって、この実施態様では省略している。キャパシタンス素子Cpa4は、グリーンシートGS12上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
第3のフィルタ回路FIL3について説明する。インダクタンス素子Lft4は、グリーンシートGS10〜GS12の3層に亘って形成される。キャパシタンス素子Cft5は、必要に応じて追加するものであって、この実施態様では省略している。また、必要に応じて、インダクタンス素子Lft4に並列にキャパシタンス素子を並列接続してもよい。
第2の分波回路Dip2について説明する。インダクタンス素子Lft1は、グリーンシートGS7〜GS10の4層に亘って形成されるので、小型の割には大きいインダクタンスを得られる。インダクタンス素子Lft2は、グリーンシートGS7〜GS9の3層に亘って形成される。インダクタンス素子Lft3は、グリーンシートGS7,GS8,GS10の3層に亘って形成される。
キャパシタンス素子Cft1は、グリーンシートGS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cft2は、グリーンシートGS4とGS5上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cft3は、グリーンシートGS5とGS6の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cft4は、グリーンシートGS156上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
インダクタンス素子LpbbはグリーンシートGS3上に形成され、インダクタンス素子LpbaはグリーンシートGS4上に形成される。
第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1について説明する。インダクタンス素子Lbg1は、グリーンシートGS4,GS6〜GS8,GS10〜GS12の7層に亘って形成される。インダクタンス素子Lbg2とインダクタンス素子Lbg3は、共に、グリーンシートGS6〜GS8,GS10〜GS11の5層に亘って形成される。
キャパシタンス素子Cbg1は、グリーンシートGS13,GS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cbg2,Cbg3は、グリーンシートGS14上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される
第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2について説明する。インダクタンス素子Lba1は、グリーンシートGS5とGS8の2層に亘って形成される。インダクタンス素子Lba2とインダクタンス素子Lba3は、共に、グリーンシートGS9とGS12の2層に亘って形成される。
キャパシタンス素子Cba1は、グリーンシートGS13とGS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
図7Bの右欄下部に、底面の電極配置を示す。積層体の左部にはグランド電極GNDを中心としてグランド電極GNDに挟まれてアンテナ側端子Ant1、Ant2が夫々位置される。積層体の上部にはグランド電極GNDに挟まれて、コントロール端子V1,第2の受信側端子5G_Rx+,5G_Rx−が配置される。積層体の右部にはグランド電極GNDを中心としてグランド電極GNDに挟まれて第2の送信側端子5G_Tx、第2の送信側端子2.4G_Txが夫々位置される。積層体の下部にはグランド電極GNDに挟まれて、コントロール端子V2,第1の受信側端子2.4G_Rx+,2.4G_Rx−が配置される。
積層体は、例えば1000℃以下で低温焼結が可能なセラミック誘電体材料からなり、厚さが10μm〜200μmのグリーンシートに、低抵抗率のAgやCu等の導電ペーストを印刷して所定の電極パターンを形成し、複数のグリーンシート(図7A,図7Bの例示では、GS1〜GS16の16層)を適宜一体的に積層し、焼結することにより製造することが出来る。
グリーンシート各層の厚みは、必ずしも同一である必要は無く、各層間の距離を変えてキャパシタンス素子やインダクタンス素子の値を調整するために、異なる厚みに選定することができる。
誘電体材料としては、例えばAl、Si、Srを主成分として、Ti、Bi、Cu,Mn,Na、Kを副成分とする材料や、Al、Si,Srを主成分として、Ca,Pb,Na,Kを複成分とする材料や、Al,Mg,Si,Gdを含む材料や、Al,Si、Zr,Mg含む材料が用いられ、誘電率は5〜15程度の材料を用いる。前記誘電体材料としては、例えばAl、Si、Srを主成分として、Ti、Bi、Cu、Mn、Na、Kを副成分とする材料や、Al、Si、Srを主成分としてCa、Pb、Na、Kを副成分とする材料や、Al、Mg、Si、Gdを含む材料や、Al、Si、Zr、Mg含む材料が用いられ、誘電率は5〜15程度の材料を用いる。一例としては、主成分がAl、Si、Sr、Tiの酸化物で構成され、Al、Si、Sr、TiをそれぞれAl、SiO、SrO、TiOに換算し合計100質量%としたとき、Al換算で10〜60質量%、SiO換算で25〜60質量%、SrO換算で7.5〜50質量%、TiO換算で20質量%以下のAl、Si、Sr、Tiを含有し、前記合計100質量%に対し副成分として、Bi、Na、K、Coの群のうちの少なくとも1種をBi換算で0.1〜10質量%、NaO換算で0.1〜5質量%、KO換算で0.1〜5質量%、CoO換算で0.1〜5質量%含有し、更に、Cu、Mn、Agの群のうちの少なくとも1種をCuO換算で0.01〜5質量%、MnO換算で0.01〜5質量%、Agを0.01〜5質量%の含有し、その他不可避不純物を含有しているセラミック誘電体材料が挙げられる。
なお、セラミック誘電体材料の他に、樹脂積層基板や、樹脂とセラミック誘電体粉末を混合してなる複合材料を用いてなる積層基板を用いることも可能である。また、前記セラミック基板をHTCC(高温同時焼成セラミック)技術を用いて、誘電体材料としてAlを主体とするものとし、伝送線路等をタングステンやモリブデン等の高温で焼結可能な金属導体として構成しても良い。
本発明によれば、無線LAN等の無線伝送を行なう通信装置に用いられるバンドパスフィルタにおいて、簡単な回路構成で損失の少なく減衰量が大きいものを得ることができるまた、少ないスイッチ手段で電力消費を抑えながら複数のマルチバンドアンテナと送信側回路、受信側回路との接続を切り換え、さらにフィルタ回路や平衡―不平衡変換回路、さらにインピーダンス変換回路を備えた高周波回路を提供することができる。
そして前記高周波回路を3次元的な積層構造により小型に構成した高周波回路部品とし、さらに各通信システムでの送信データを変調し、受信データを復調する送受信部と、前記高周波スイッチの切り換えを制御するスイッチ回路制御部を備えたマルチバンド通信装置を提供することが出来、パーソナルコンピュータ(PC)、プリンタやハードディスク、ブロードバンドルーターなどのPCの周辺機器、FAX、冷蔵庫、標準テレビ(SDTV)、高品位テレビ(HDTV)、カメラ、ビデオ、携帯電話等々の電子機器、自動車内や航空機内でのワイヤに変わる信号伝達手段として有用なものである。
本発明に係るマルチバンド通信装置の一実施例を示す回路ブロック図である。 本発明に係る高周波回路に用いる高周波スイッチの一実施例を示す回路図である。 本発明に係るバンドパスフィルタの一実施例を示す回路図である。 図3に示したバンドパスフィルタの高周波特性を示す図である。 本発明に係る高周波回路の一実施例を示す回路図である。 本発明に係るバンドパスフィルタの積層体を構成するグリーンシートの第1乃至8層の電極パターンの一例を示す平面図である。 本発明に係るバンドパスフィルタの積層体を構成するグリーンシートの第9乃至16層の電極パターンの一例を示す平面図である。 本発明に係る高周波回路部品の積層体を構成するグリーンシートの第1乃至8層の電極パターンの一例を示す平面図である。 本発明に係る高周波回路部品の積層体を構成するグリーンシートの第9乃至16層の電極パターンの一例を示す平面図、及び裏面から見た平面図である。 従来のバンドパスフィルタの等価回路図である。 従来の積層型バンドパスフィルタにおける各層の電極パターン図である。 従来のマルチバンド通信装置の回路ブロック図である。 従来のマルチバンド通信装置の回路ブロック図の一部を、より詳細に記載した回路ブロック図である。
符号の説明
2.4G_Rx+,2.4G_Rx− 第1の受信側端子
5G_Rx+ ,5G_Rx− 第2の受信側端子
2.4G_Tx 第1の送信側端子
5G_Tx 第2の送信側端子
Ant1,Ant2 アンテナ側端子
ANT1,ANT2 アンテナ
30 送受信回路部
50 スイッチ回路制御部
FIL1 バンドパスフィルタ
BAL1 第1の平衡‐不平衡変換回路
BAL2 第2の平衡‐不平衡変換回路
C1〜C6 キャパシタンス素子
Cba1 キャパシタンス素子
Cft1〜Cft4 キャパシタンス素子
Cfr1〜Cfr3 キャパシタンス素子
Cpa1〜Cpa4 キャパシタンス素子
Cpg1〜Cpg7 キャパシタンス素子
Dip1 第1の分波回路
Dip2 第2の分波回路
FIL1 第1のフィルタ回路
FIL2 第2のフィルタ回路
FIL3 第3のフィルタ回路
GND グランド端子
GS1〜GS17 グリーンシート
IN 入力端子
Lba1〜Lba3 インダクタンス素子
Lbg1〜Lbg3 インダクタンス素子
Lft1〜Lft3 インダクタンス素子
Lfr1,Lfr2 インダクタンス素子
Lpa1 インダクタンス素子
Lpba,Lpbb インダクタンス素子
Lr インダクタンス素子
Lt インダクタンス素子
OUT 出力端子
p1、p2 接続点
pa〜pd 端子
p1a,p2a 共通端子
p1b,p2b 低周波側端子
p1c,p2c 高周波側端子
SW1 高周波スイッチ
V1,V2 コントロール端子

Claims (9)

  1. 入力端子及び出力端子を有し、第1乃至第7の複数のキャパシタンス素子と第1及び第2の複数のインダクタンス素子とを主構成とするバンドパスフィルタであって、
    前記第1のインダクタンス素子と前記第2のインダクタンス素子とは電磁的に結合し、
    前記第1のインダクタンス素子の一端は、前記第1のキャパシタンス素子を介して前記入力端子に接続され、
    前記第1のインダクタンス素子と前記第1のキャパシタンス素子との接続点とグランドとの間に前記第2のキャパシタンス素子が接続され、
    前記第1のインダクタンス素子の他端はグランドに接続され、
    前記第2のインダクタンス素子の一端は、前記第5のキャパシタンス素子を介して前記出力端子に接続され、
    前記第2のインダクタンス素子と前記第5のキャパシタンス素子との接続点とグランドの間に前記第4のキャパシタンス素子が接続され、
    前記第2のインダクタンス素子の他端はグランドに接続され、
    前記第3のキャパシタンス素子は、前記入力端子と前記出力端子との間に接続され、
    前記第6のキャパシタンス素子は、前記第1のインダクタンス素子の一端と前記第2のキャパシタンス素子との接続点と前記出力端子との間に接続され、
    前記第7のキャパシタンス素子は、前記第2のインダクタンス素子の前記一端と前記第4のキャパシタンス素子との接続点と入力端子との間に接続され、
    更に、前記第1のインダクタンス素子と前記第2のインダクタンス素子とを、それぞれ、並列接続した少なくとも2つ以上のインダクタンス素子で構成したことを特徴とするバンドパスフィルタ。
  2. 請求項1記載のバンドパスフィルタを構成するインダクタンス素子、キャパシタンス素子を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品。
  3. 少なくとも2つの互いに周波数の異なる通信システムに共用可能な高周波回路であって、
    互いに周波数が異なる通信システムで送受信が可能な複数のアンテナに接続される複数のアンテナ側端子と第1及び第2の送信側端子および第1及び第2の受信側端子との接続を切り替える少なくとも4つの端子を備えた高周波スイッチと、
    該高周波スイッチの一つの端子と前記第1及び第2の受信側端子との間に接続された第1の分波回路と、
    前記高周波スイッチの他の端子と前記第1及び第2の送信側端子との間に接続された第2の分波回路と、
    前記第1の分波回路に接続された請求項1記載のバンドパスフィルタとを備えたことを特徴とする高周波回路。
  4. 前記第1の分波回路の低周波側端子に接続された請求項1記載のバンドパスフィルタと前記第1の受信側端子との間に接続された第1の平衡-不平衡変換回路と、
    前記第1の分波回路の高周波側端子と前記第2の受信側端子との間に接続された第2の平衡-不平衡変換回路とを更に備えたことを特徴とする請求項3記載の高周波回路。
  5. 請求項3または4記載の高周波回路を積層体で一体化した高周波回路部品であって、
    前記第1の分波回路、前記第2の分波回路、及びバンドパスフィルタは、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、
    前記インダクタンス素子、前記キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品。
  6. 請求項4記載の高周波回路を積層体で一体化した高周波回路部品であって、
    前記第1の分波回路、前記第2の分波回路、バンドパスフィルタ、前記第1の平衡-不平衡変換回路、及び前記第2の平衡-不平衡変換回路は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、
    前記インダクタンス素子、キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成したことを特徴とする高周波回路部品。
  7. 請求項1記載のバンドパスフィルタを用いたマルチバンド通信装置であって、
    各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部と、
    前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置。
  8. 請求項3または4記載の高周波回路を用いたマルチバンド通信装置であって、
    各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部と、
    前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置。
  9. 請求項2、5、または6のいずれかに記載の高周波回路部品を用いたマルチバンド通信装置であって、
    各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部と、
    前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置。
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