JP4487274B2 - 高周波回路部品およびマルチバンド通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器間における無線伝送を行う分波・フィルタ複合回路を含む高周波回路部品、およびこれらを用いたマルチバンド通信装置に関し、特に少なくとも2つの互いに周波数の異なる通信システムに共用可能なものに関する。
IEEE802.11規格に代表される無線LAN(WLAN)によるデータ通信が広く一般化している。例えばパーソナルコンピュータ(PC)、プリンタやハードディスク、ブロードバンドルーターなどのPCの周辺機器、FAX、冷蔵庫、標準テレビ(SDTV)、高品位テレビ(HDTV)、カメラ、ビデオ、携帯電話等々の電子機器、自動車内や航空機内でのワイヤに変わる信号伝達手段として採用され、それぞれの電子電器機器間において無線データ伝送が行われている。
WLANの規格として、IEEE規格802.11aは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiples:直交周波数多重分割)変調方式を用いて、最大54Mbpsの高速データ通信をサ端子するものであり、その周波数帯域は5GHz帯が利用される。
またIEEE規格802.11bは、DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum:ダイレクト・シーケンス・スペクトル拡散)方式で、5.5Mbps、11Mbpsの高速通信をサ端子するものであり、無線免許なしに自由に利用可能な、2.4GHzのISM(Industrial, Scientific and Medical:産業、科学及び医療)帯域が利用される。
更にIEEE規格802.11gは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiples:直交周波数多重分割)変調方式を用いて、最大54Mbpsの高速データ通信をサ端子するものであり、IEEE802.11bと同様に2.4GHz帯域が利用される。
このようなWLANを用いたマルチバンド通信装置が特許文献1に記載されている。 このマルチバンド通信装置は、通信周波数帯が異なる2つの通信システム(IEEE802.11a、IEEE802.11b)で送受信が可能な2個のデュアルバンドアンテナと、各通信システムでの送信データを変調し、受信データを復調する2個の送受信回路部と、前記アンテナを、前記送受信回路部にそれぞれ接続するための複数のスイッチ手段と、前記スイッチ手段の切り換え制御を行うスイッチ制御手段とを備え、ダイバーシティ受信可能なものである(図6参照)。
特許文献1に記載のマルチバンド通信装置では、通信を開始する前に、まず周波数スキャンを行ない、受信可能な周波数チャンネルを探索する。このスキャン動作を行なう場合には、6つのSPDT(単極双投)のスイッチ手段(SW1〜SW6)によりアンテナANT1を802.11a送受信回路部の受信端子Rxに接続し、同時にアンテナANT2を802.11b送受信回路部の受信端子Rxに接続する。そして、802.11a送受信回路部では5GHz帯でスキャンし、これと並行し802.11b送受信回路部では2.4GHz帯でスキャンして、受信可能な全てのチャンネルを検出する。
次に、デュアルバンドアンテナANT1で受信した受信信号とデュアルバンドアンテナANT2で受信した受信信号とを比較して、2つの通信システムのうちの望ましい方の信号が受信される方の通信システムを、アクティブにする通信システムとして選択する。
このスキャン動作後に、選択されたアクティブな送受信装置に接続するアンテナを他方のアンテナに変更して、受信チャンネルを変更せずに受信し、2つのアンテナでの受信信号を比較して、より良好な受信ができる方のアンテナを、アクティブにするアンテナとして選択して、ダイバーシティ受信を行う。
特許文献1に記載のマルチバンド通信装置では、6つものSPDT(単極双投)のスイッチ手段(SW1〜SW6)が必要であり、これらの制御回路も複雑になる。
従来から知られているように、このような場合に分波回路を用いるとインダクタンス素子とキャパシタンス素子を誘電体の積層体に内蔵することができ、制御回路の複雑化も回避できる。
従来の積層型分波回路として、特許文献2に記載のものが知られている。図7は従来の分波回路の等価回路図、図8は従来の積層型の分波回路の各層の電極パターン図を示す。
特許文献2に記載の積層型分波回路は、複数の誘電体シート6a〜6jを積層した誘電体ブロック6と、この誘電体ブロック6の外周面に設けられたアンテナ側端子7及び第1、第2の入出力端子8,9と、前記誘電体ブロック6の内層部分に設けられ前記アンテナ側端子7及び第1の入出力端子8間に接続されたローパスフィルタ回路部3と、前記誘電体ブロック6の内層部分に設けられ前記アンテナ側端子7及び第2の入出力端子間9に接続されたハイパスフィルタ回路部5を具備したものである。
特開2003‐169008号公報 (図1) 特開2002‐43883号公報 (図1,図2)
しかし、特許文献1に記載のマルチバンド通信装置では、多くのスイッチ手段で高周波信号の経路を切り替えることが必要であり、スイッチ手段の数に応じてその制御も複雑化する。すなわち、回路が複雑化するという問題があった。
また、スイッチ手段にはある程度の伝送損失が不可避であるから、アンテナから送受信回路部に至る経路において、多数のスイッチ手段が存在することは、それに応じて伝送損失が増加することとなる。特に受信時においては、アンテナから入射する高周波信号の品質が劣化するといった問題もあった。また、スイッチ手段の切り替えに消費される電力も、ノートPCや携帯電話などのバッテリーを駆動電源とする機器では無視できない。すなわち、損失が大きいという問題があった。
ここで、当業者は、多数のスイッチ手段に換えて、特許文献2に記載の積層型分波回路を複数周波数の信号の切換えに使うことに想到するかもしれない。
しかし、特許文献2に記載の積層型分波回路を、特許文献1に記載のマルチバンド通信装置に用いる場合、インピーダンスマッチングの為の付加回路とその設計・調整が必要であった。
従って、本発明の第1目的は、少なくとも2つの通信システムに共用可能な高周波回路部品であって、簡単な回路で損失の少ないものの提供である。
また本発明の第2目的は、簡単な回路で損失の少ない高周波回路を、3次元的な積層構造により小型に構成した高周波回路部品の提供である。
更に本発明の第3目的は、本発明に係る高周波回路部品を用いることによる、各通信システムでの送信データを変調し、受信データを復調する送受信回路部と、前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部を備えたマルチバンド通信装置の提供である。
(手段1)
本発明の手段1は、少なくとも2つの互いに周波数の異なる通信システムに共用可能な高周波回路を積層体で一体化して形成した高周波回路部品であって、
前記高周波回路は、
アンテナに接続されるアンテナ側端子と第1及び第2の送信側端子および第1及び第2の受信側端子との接続を切り替える高周波スイッチと、
前記高周波スイッチの一つの端子と前記第1及び第2の受信側端子との間に接続される、第1の分波回路と第1のフィルタ回路を備えた積層体内に配置される分波・フィルタ複合回路と、
前記高周波スイッチの他の端子と前記第1及び第2の送信側端子との間に接続された第2の分波回路とを備え、
前記第1の分波回路は低周波側フィルタと高周波側フィルタより構成され、
前記低周波側フィルタは、一端が前記高周波スイッチの端子に、他端が前記第1のフィルタ回路に接続された第のインダクタンス素子のみで構成され、
前記高周波側フィルタは、キャパシタンス素子とインダクタンス素子で構成され、
かつ、前記第1のフィルタ回路は前記第1のインダクタンス素子と前記第1または第2の受信側端子のうちの低周波側の端子との間に接続されたことを特徴とする高周波回路部品である。
(手段2)
本発明の手段2は、前記第1のインダクタンス素子は、積層体内の複数の層に亘って形成されていることを特徴とする(手段1)に記載の高周波回路部品である。
(手段3)
本発明の手段3は、前記第1のインダクタンス素子が形成された層は、積層体内のグランド電極が形成された層との間に他の層を介して積層されていることを特徴とする(手段1)又は(手段2)に記載の高周波回路部品である。
(手段4)
本発明の手段4は、前記第1のインダクタンス素子と前記第1のフィルタ回路を構成するインダクタンス素子、キャパシタンス素子が前記積層体の内部で積層方向に重ならないように配置されている(手段1)乃至(手段3)に記載の高周波回路部品である。
(手段5)
本発明の手段5は、前記第1のフィルタ回路は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、前記インダクタンス素子、キャパシタンス素子を、電極パターンを有する積層体により構成したバンドパスフィルタであることを特徴とする(手段1)乃至手段4)に記載の高周波回路部品である。
(手段6)
本発明の手段6は、前記高周波側フィルタは第1のキャパシタンス素子と第2のキャパシタンス素子、及び前記第1のキャパシタンス素子と前記第2のキャパシタンス素子との接続点とグランドとの間に接続された第2のインダクタンス素子を有することを特徴とする(手段1)乃至(手段5)に記載の高周波回路部品である。
(手段7)
本発明の手段7は、前記分波・フィルタ複合回路の高周波側端子と前記第2の受信側端子との間に接続された第2のフィルタ回路とを備えたことを特徴とする(手段1)乃至(手段6)記載の高周波回路部品である。
また、前記第2の分波回路、及び前記第2のフィルタ回路は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、前記インダクタンス素子、前記キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成することもできる。
また、前記第1の平衡−不平衡変換回路、および前記第2の平衡−不平衡変換回路は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、前記インダクタンス素子、キャパシタンス素子の少なくとも一部を、電極パターンを有する積層体により構成することもできる。
(手段8)
本発明の手段8は、(手段1)乃至(手段7)のいずれかに記載の高周波回路部品を用いたマルチバンド通信装置であって、
各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部と、
前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置である。
前記低周波側フィルタは、前記共通端子と前記第1のフィルタ回路との間に接続された第1のインダクタンス素子で構成され、前記高周波側フィルタは、前記共通端子と前記高周波側端子との間に接続された第1のキャパシタンス素子と第2のキャパシタンス素子、及び前記第1のキャパシタンス素子と前記第2のキャパシタンス素子との接続点とグランドとの間に接続された第2のインダクタンス素子と第3のキャパシタンス素子の直列回路で構成されているものでもよい。
また、高周波スイッチは互いに周波数が異なる通信システムで送受信が可能な複数のアンテナに接続される複数のアンテナ側端子と第1及び第2の送信側端子および第1及び第2の受信側端子との接続を切り替える少なくとも4つの端子を備えたものを用いることができる。
本発明の分波・フィルタ複合回路、高周波回路を備えた高周波回路部品によると、簡単に損失の少ないものの提供が可能であり、それによって低価格、低損失なマルチバンド通信装置を提供できる。
本発明に係るマルチバンド通信装置の一実施例を示す回路ブロック図である。 本発明に係る高周波回路に用いる高周波スイッチの一実施例を示す回路図である。 本発明に係る高周波回路の一実施例を示す回路図である。 本発明に係る高周波回路部品の積層体を構成するグリーンシートの第1乃至5層の電極パターンの一例を示す平面図である。 本発明に係る高周波回路部品の積層体を構成するグリーンシートの第6乃至10層の電極パターンの一例を示す平面図である。 本発明に係る高周波回路部品の積層体を構成するグリーンシートの第11乃至15層の電極パターンの一例を示す平面図である。 本発明に係る高周波回路部品の積層体を構成するグリーンシートの第17及び17層の電極パターンの一例を示す平面図である。 本発明に係る高周波回路部品の斜視図である。図5(A)は高周波回路部品を部品搭載面から見た斜視図、図5(B)は底面から見た斜視図である。 従来のマルチバンド通信装置の回路ブロック図である。 従来の分波回路の等価回路図である。 従来の積層型の分波回路の各層の電極パターン図である。
図1は、本発明に係るマルチバンド通信装置の一実施例を示す回路ブロック図を示す。
ここでは、第1の通信システムとしてIEEE802.11aを、第2の通信システムとしてIEEE802.11bを例に取り説明するが、前記のようにIEEE802.11gはIEEE802.11bと同じ周波数帯を利用することから、IEEE802.11bの高周波信号を扱う回路部はIEEE802.11gにも適用、あるいは共用することが出来る。なお、IEEE802.11b、IEEE802.11gをともに扱う場合には、変調方式が異なるため、それぞれに対応した送受信回路部が必要となる。
図1に示すマルチバンド通信装置は、2.4GHz帯、5GHz帯で送受信が可能な2つのマルチバンドのアンテナANT1,ANT2にを各々接続する2つのアンテナ側端子Ant1,Ant2を有する。更に、アンテナANT1,ANT2と送信回路、受信回路との接続を切り替える高周波スイッチSW1を備えた高周波回路部と、各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調するIEEE802.11aの送受信回路部及びIEEE802.11bの送受信回路部と高周波スイッチSW1の切り替えを制御するスイッチ回路制御部50と、図示しない受信信号の電力増幅器を備えた送受信回路部30と、平衡信号を不平衡信号に変換する平衡‐不平衡変換回路BAL1,BAL2とを備えるものである。
平衡‐不平衡変換回路BAL1,BAL2は、平衡入力型の電力増幅器を用いる場合に必要となる。不平衡型の高周波回路と平衡入力型の電力増幅器を接続する場合に平衡‐不平衡変換する必要がある。
図1に示すマルチバンド通信装置における高周波回路について説明する。高周波信号の入出力は、第1のアンテナ側端子Ant1、第2のアンテナ側端子Ant2の2つである。
第1のアンテナANT1は第1のアンテナ側端子Ant1に、第2のアンテナANT2は第2のアンテナ側端子Ant2に接続される。
第1のアンテナ側端子Ant1と第2のアンテナ側端子Ant2は、DPDT(双極双投)のスイッチである高周波スイッチSW1の各端子pa、pbに接続される。高周波スイッチSW1は4つの端子pa〜pdを備え、一つの端子pcは受信回路側の分波・フィルタ複合回路70と、他の端子pdは送信回路側で第2の分波回路Dip2と接続される。
高周波スイッチSW1は、電界効果型トランジスタ(FET)やダイオードなどのスイッチング素子を主構成とし、適宜インダクタンス素子、キャパシタンス素子を組み合わせて用いられる。図2は、高周波スイッチSW1の1実施例である。
図2に例示した高周波スイッチSW1の動作を説明する。コントロール端子V1に電界効果型トランジスタが動作する閾値以上の電圧(例えば、+1〜+5V)を印加し、コントロール端子V2は0(ゼロ)Vとした場合を説明する。このとき電界効果型トランジスタFET1とFET4がON状態、電界効果型トランジスタFET2とFET3がOFF状態となる。
そのため、高周波スイッチSW1の端子paから入力した高周波信号はON状態の電界効果型トランジスタFET1を通過し、端子pcに伝送される。このとき電界効果型トランジスタFET3はOFF状態なので端子pb側への高周波信号の漏洩は殆ど無く、かつ電界効果型トランジスタFET2もOFF状態なので端子pd側への高周波信号の漏洩も殆ど無い。
一方、高周波スイッチSW1の端子pbから入力した高周波信号は、ON状態の電界効果型トランジスタFET4を通過し、端子pdに伝送される。このとき、電界効果型トランジスタFET2はOFF状態なので、端子pa側への高周波信号の漏洩は殆ど無く、かつ電界効果型トランジスタFET3もOFF状態なので、端子pc側への高周波信号の漏洩も殆ど無い。
分波・フィルタ複合回路70は、第1の分波回路Dip1と第1のフィルタ回路FIL1との組み合わせ回路である。分波・フィルタ複合回路70は、2.4GHz帯(IEEE802.11b)の高周波信号を通過させるが5GHz帯(802.11a)の高周波信号を減衰させるフィルタ回路と、5GHz帯(IEEE802.11a)の高周波信号を通過させるが2.4GHz帯(IEEE802.11b)の送信高周波信号を減衰させるフィルタ回路とを組み合わせて成る。ここで、第1のフィルタ回路FIL1はバンドパスフィルタである。
従って、第1のアンテナANT1、或いは第2のアンテナANT2に入射し高周波スイッチSW1の一つの端子pcに現れる高周波信号のうち、2.4GHz帯の高周波信号が、分波・フィルタ複合回路70の低周波側端子p2bに現れるが、高周波側端子p2cには現れない。他方、5GHz帯の高周波信号は、分波・フィルタ複合回路70の高周波側端子p2cに現れるが、低周波側端子p2bには現れない。
第2の分波回路Dip2は、2.4GHz帯(IEEE802.11b)の高周波信号を通過させるが5GHz帯(IEEE802.11a)の高周波信号を減衰させるフィルタ回路と、5GHz帯(IEEE802.11a)の高周波信号を通過させるが2.4GHz帯(IEEE802.11b)の送信高周波信号を減衰させるフィルタ回路とを組み合わせて成る。
それにより、2.4GHz帯(IEEE802.11b)の送信回路から第2の分波回路Dip2の低周波側端子p1bに入力する2.4GHz帯の高周波信号は、第2の分波回路Dip2の共通端子p1aに現れるが、高周波側端子p1cには現れない。
他方、5GHz帯(IEEE802.11a)の送信回路から第2の分波回路Dip2の高周波側端子p1cに入力する5GHz帯の高周波信号は、第2の分波回路Dip2の共通端子p1aに現れるが、低周波側端子p1bには現れない。
そして、第2の分波回路Dip2の共通端子p1aに現れた高周波信号は、高周波スイッチSW1を経て、第2のアンテナ側端子Ant2から放射される。
図3は、本発明に係る高周波回路の一実施例における回路図を示す。ここで、分波・フィルタ複合回路70(図3の一部を構成する)と特許文献2記載の分波回路(図7,図8)との違いについて説明する。
本発明に係る高周波回路における分波・フィルタ複合回路70では、第1の分波回路Dip1と第1のフィルタ回路FIL1とを1つの回路として組み合わせて設計できるため、特許文献2記載の分波回路におけるインダクタンス素子3bとキャパシタンス素子3cとを省略することが出来る。特許文献2記載の分波回路のインダクタンス素子3bとキャパシタンス素子3cの直列回路によって得られる減衰特性は、第1のフィルタ回路FIL1にて得られる減衰特性にて代替できるためである。
従って、本発明に係る高周波回路における分波・フィルタ複合回路70では、特許文献2記載の分波回路に必須のインダクタンス素子3bとキャパシタンス素子3cを形成する誘電体層6hを省略することが出来、回路を簡略化することができる。
すなわち、特許文献2記載の分波回路を、本発明に係る高周波回路における分波・フィルタ複合回路70の第1の分波回路Dip1にそのまま転用しようとすると必要になる第1の分波回路Dip12と後段の第1のフィルタ回路FIL1との接続点をグランドに落とす直列共振回路(伝送線路とキャパシタンス素子の直列体)を省略できる。
更に、特許文献2記載の分波回路をマルチバンド通信装置に用いる場合に、後段のフィルタとの間に必要とされるインピーダンス整合用の伝送線路も省略でき、インピーダンス調整も不要である。
その理由は、第1の分波回路Dip1と後段の第1のフィルタFIL1とを一体にして、図3に示す高周波回路とすることにより、インダクタンス素子Lfr1と第1のフィルタ回路FIL1とで、全体として分波回路の低周波側の回路を構成したからである。それによって、インダクタンス素子Lfr1と第1のフィルタ回路FIL1との間にインピーダンス整合回路を設ける必要も無い。
そして、分波・フィルタ複合回路70の低周波側端子p2bに現れた高周波信号は、第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1を介して2.4GHz帯(IEEE802.11b)の受信回路に入力する。
また、分波・フィルタ複合回路70の高周波側端子p2cに現れた高周波信号は、第2のフィルタ回路FIL2、第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2を介して5GHz帯(IEEE802.11a)の受信回路に入力する。
次に、本発明に係るマルチバンド通信装置のダイバーシティ受信動作について説明する。 ここで、高周波スイッチSW1として図2に示すものを用いた。
高周波スイッチSW1は、スイッチ回路制御部50により制御された制御電圧がコントロール端子V1,V2に印加されることにより、表1に示すように各端子間が接続される。 ここで、コントロール端子V1,V2に印加する制御電圧がHighとは、+1〜+5V,Lowとは−0.5〜+0.5Vが望ましい。
Figure 0004487274
ダイバーシティ受信を行う場合、まず通信を開始する前に周波数スキャンを行ない、受信可能な周波数チャンネルを探索する。このスキャン動作を行なう場合には、例えば表1の接続モード1となるように、スイッチ回路制御部50により高周波スイッチSW1を制御する。
このとき、第1のアンテナANT1と受信回路側の分波・フィルタ複合回路70とが接続され、1つのアンテナに2つの通信システムの受信回路が接続することとなる。次いで、IEEE802.11a受信回路部では5GHz帯でスキャンし、これと並行し802.11b送受信回路部では2.4GHz帯でスキャンして、受信可能な全てのチャンネルを検出する。
次に接続モード2となるように、スイッチ回路制御部50により高周波スイッチSW1を制御する。このとき、第2のアンテナANT2と受信回路側の分波・フィルタ複合回路70とが接続され、次いでIEEE802.11a受信回路部では5GHz帯でスキャンし、これと並行し802.11b送受信回路部では2.4GHz帯でスキャンして、受信可能な全てのチャンネルを検出する。
前記周波数スキャンの結果に基づいて、第1、第2のアンテナANT1、ANT2で受信した受信信号を振幅で比較して、アクティブにする通信システムとして選択するとともに、前記通信システムの送受信回路と接続するアンテナを選択する。
従って、本発明に係るマルチバンド通信装置によれば、フェージング等の外乱が生じても、最も好ましい通信システムを選択してダイバーシティ受信を行うことが出来る。
以上の接続モード切り替えの制御は、図1に示された回路で行われ、回路ブロックとしての送受信回路部30とスイッチ制御回路部50とは、高周波用半導体集積回路装置に一体化されることが多い。高周波用半導体集積回路装置はRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)と略称されることが多い。
本発明に係るマルチバンド通信装置においては、従来から使われてきたRFIC、例えば本願発明者らによる特開2003−18039号公報記載のRFICを使用できる。これは、PLL回路で制御されたVCO回路によって、受信系のパワーアンプ、ミキサー、フィルタ、復調器、及び閾値検出・データ回復回路が制御され、送信系のDAC(デジタル・アナログ変換回路)、ローパスフィルタ、変調器、及びパワーアンプが制御される。
なお、第1のアンテナANT1と受信回路側の分波・フィルタ複合回路70とを接続して、5GHz帯でスキャンし、これと並行して2.4GHz帯でスキャンして受信可能な全てのチャンネルを検出し、得られた信号の振幅を比較して一方の通信システムを選択して、その送受信回路部をアクティブにし、選択されたアクティブな送受信回路部に接続するマルチバンドアンテナを第2のアンテナANT2に変更して、受信チャンネルを変更せずに受信し、2つのアンテナでの受信信号を比較して、より良好な受信ができる方のアンテナを、アクティブにするアンテナとして選択して、ダイバーシティ受信を行うことも当然可能である。
以上、図1に示すマルチバンド通信装置と従来のマルチバンド通信装置(図6)を比較すると、本発明に係るマルチバンド通信装置においてはスイッチの数が大幅に減少していることが分かる。DPDT(双極双投)のスイッチである高周波スイッチSW1を1個と、第1分波回路Dip1と分波・フィルタ複合回路しかない簡潔な回路構成となる。従って、スイッチの制御も簡単で損失も少ないマルチバンド通信装置を提供できる。
以下、図3に示す高周波回路における各回路ブロックについて、個別に説明する。
高周波スイッチSW1は、例えば図2に示す回路を用いることができ、キャパシタンス素子C1〜C4は直流カット用のキャパシタンス素子である。高周波スイッチSW1の周辺回路によっては省略可能であり、図3の高周波回路ではキャパシタンス素子C4を省略できる。キャパシタンス素子C5およびC6は電源からのノイズを除去するためのものである。
第2の分波回路Dip2は、インダクタンス素子Lft1,Lft2とキャパシタンス素子Cft1とでなる低周波側のローパスフィルタと、インダクタンス素子Lft3とキャパシタンス素子Cft2〜Cft4とでなる高周波側のハイパスフィルタとで構成される。
低周波側のローパスフィルタは2.4GHz帯の信号を、高周波側のハイパスフィルタは5GHz帯の信号を、相互の回り込みを防止しつつ、各々高周波スイッチSW1側に伝送する。低周波側のローパスフィルタは、高調波の除去機能も有している。
分波・フィルタ複合回路70は、インダクタンス素子Lfr2とキャパシタンス素子Cfr1〜Cfr3とでなる高周波側のハイパスフィルタと、インダクタンス素子Lfr1、Lpg1、Lpg2とキャパシタンス素子Cpg1〜Cpg7とでなる低周波側のバンドパスフィルタで構成される。
高周波側のハイパスフィルタは5GHz帯の信号を、低周波側のバンドパスフィルタは2.4GHz帯の信号を、相互の回り込みを防止しつつ、各々の周波数に対応する受信回路へ高周波信号を分波する。
また、低周波側のバンドパスフィルタは、2.4GHz帯の受信側バンドパスフィルタとしても機能する。
近接するインダクタンス素子Lpg1とLpg2とは、相互誘導係数Mによって結合される。入力端子側には、キャパシタンス素子Cpg21とインダクタンス素子Lpg1によって第1の共振回路が構成され、出力端子側には、キャパシタンス素子Cpg45とインダクタンス素子Lpg2によって第2の共振回路が構成される。
キャパシタンス素子Cpg1、Cpg5は、バンドパスフィルタの入出力と第1の共振回路、第2の共振回路を結合する。キャパシタンス素子Cpg3は、バンドパスフィルタの入出力を結合する。また、キャパシタンス素子Cpg6およびCpg7は、インダクタンス素子Lpg1とLpg2との結合を補助する結合コンデンサである。
第1及び第2の共振回路は、相互誘導係数Mによって、いわばトランスのように結合する。このため、入力端子の高周波信号は、第1及び第2の共振回路による共振作用を受けつつ出力端子に導かれる。つまり、全体が2つの共振周波数を有する複同調回路として作用し、急峻な特性のバンドパスフィルタが得られる。
第2のフィルタ回路FIL2は、5GHz帯の受信側ローパスフィルタであり、インダクタンス素子Lpa1とキャパシタンス素子Cpa2,Cpa3,Cpa4で形成される。第12の分波器Dip12の高周波側のハイパスフィルタと組み合わせて、5GHz帯の受信側バンドパスフィルタとしても機能する。
第3のフィルタ回路FIL3は、5GHz帯の送信側ローパスフィルタであり、インダクタンス素子Lft4とキャパシタンス素子Cft5で形成される。ローパスフィルタ特性の調整のために、必要に応じて、インダクタンス素子Lft3に並列にキャパシタンス素子を並列接続してもよい。
伝送線路Lpbbは、分波・フィルタ複合回路70と第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1との間のインピーダンス整合のために挿入した。同じく、伝送線路Lpbaは、第2のフィルタ回路FIL2と第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2との間のインピーダンス整合のために挿入する。
第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1は、2.4GHz帯の受信側を平衡入力型のローノイズアンプ(図示しない)を有するRFICに接続するための平衡‐不平衡変換用のものである。第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1は、一次側をインダクタンス素子Lbg1で、2次側をインダクタンス素子Lbg2、Lbg3で構成される。
2.4GHz帯受信信号の同相成分を出力する伝送線路Lbg2の一端の2.4G_Rx+端子とグランドとの間は、キャパシタンス素子Cbg2で接続される。同様に、2.4GHz帯受信信号の逆相成分を出力する伝送線路Lbg3の一端の2.4G_Rx−端子とグランドとの間は、キャパシタンス素子Cbg3で接続される。
インダクタンス素子Lbg2の他端とインダクタンス素子Lbg3の他端とが接続されて、キャパシタンス素子Cbg1を介するか、或いは直接にグランドに接続される。
第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2は、5GHz帯の受信側を平衡入力型のローノイズアンプ(図示しない)を有するRFICに接続するための平衡‐不平衡変換用のものである。第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2は、一次側をインダクタンス素子Lba1で、2次側をインダクタンス素子Lba2、Lba3で構成される。
5GHz帯受信信号の同相成分を出力するインダクタンス素子Lba2の一端と5GHz帯受信信号の逆相成分を出力するインダクタンス素子Lba3の一端とが接続されて、キャパシタンス素子Cba1を介してグランドと接続される。
図3に例示した高周波回路は、図4A〜図4Dに例示した誘電体のグリーンシートGS1〜GS17を積層した積層体で一体化できる。この場合、インダクタンス素子Lba1〜Lba3、インダクタンス素子Lbg1〜Lbg3、インダクタンス素子Lft1〜Lft3、インダクタンス素子Lfr1,Lfr2、インダクタンス素子Lpa1、インダクタンス素子Lpba,Lpbbは、全て誘電体のグリーンシートGS1〜GS17の上に導電ペーストを印刷して所定の電極パターンで構成される伝送線路で形成することもできる。
積層体は、例えば1000℃以下で低温焼結が可能なセラミック誘電体材料からなり、厚さが10μm〜200μmのグリーンシートに、低抵抗率のAgやCu等の導電ペーストを印刷して所定の電極パターンを形成し、複数のグリーンシート(図4の例示では、GS1〜GS17の17層)を適宜一体的に積層し、焼結することにより製造することが出来る。
なお、グリーンシート各層の厚みは、必ずしも同一である必要は無く、各層間の距離を変えてキャパシタンス素子やインダクタンス素子の値を調整するために、異なる厚みに選定することができる。
誘電体材料としては、例えばAl、Si、Srを主成分として、Ti、Bi、Cu,Mn,Na、Kを副成分とする材料や、Al、Si,Srを主成分として、Ca,Pb,Na,Kを複成分とする材料や、Al,Mg,Si,Gdを含む材料や、Al,Si、Zr,Mg含む材料が用いられ、誘電率は5〜15程度の材料を用いる。
なお、セラミック誘電体材料の他に、樹脂積層基板や、樹脂とセラミック誘電体粉末を混合してなる複合材料を用いてなる積層基板を用いることも可能である。また、前記セラミック基板をHTCC(高温同時焼成セラミック)技術を用いて、誘電体材料としてAlを主体とするものとし、伝送線路等をタングステンやモリブデン等の高温で焼結可能な金属導体として構成しても良い。
図4A〜図4Dに、本発明に係る高周波回路部品の17層で構成する積層体におけるグリーンシートの各層の電極パターンを示す。図4Aはグリーンシートの第1乃至5層(GS1〜GS5)の電極パターン、図4Bは第6乃至10層(GS6〜GS10)の電極パターン、図4Cは第11乃至15層(GS11〜GS15)の電極パターン、図4Dは第16及び17層(GS16、GS17)の電極パターンを示す平面図である。図中、符号を付した電極パターン以外の黒角印のものはビアホールであり、誘電体各層に形成された電極パターンを接続するためのものである。
各回路は積層基板に三次元的に構成されるが、各回路を構成する電極パターンは、それぞれ他の回路を構成する電極パターンとの不要な電磁気的干渉を防ぐように、グランド電極GNDによる分離や、積層方向に見て互いが重ならないようにしている。
以下、回路ブロック毎に、図3に示した高周波回路と図4に示した積層体の各層における電極パターンとの対応を説明する。
なお、図4に示した積層体では、本発明における第1のインダクタンス素子Lfr1と第2のインダクタンス素子Lfr2などのインダクタンス素子は、グリーンシート上に導体ペーストで印刷形成された伝送線路で構成したが、これに限られるものではなく、積層体の外側に搭載したチップインダクタを用いることもできる。
なお、図4に示した積層体では、本発明における第1のインダクタンス素子Lfr1と第2のインダクタンス素子Lfr2などのインダクタンス素子は、グリーンシート上に導体ペーストで印刷形成された伝送線路で構成した。
第2の分波回路Dip2について説明する。インダクタンス素子Lft1は、グリーンシートGS7〜GS10の4層に亘って形成されるので、小型の割には大きいインダクタンスを得られる。インダクタンス素子Lft2は、グリーンシートGS7〜GS9の3層に亘って形成される。インダクタンス素子Lft3は、グリーンシートGS7,GS8,GS10の3層に亘って形成される。
キャパシタンス素子Cft1は、グリーンシートGS16とGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cft2は、グリーンシートGS4とGS5上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cft3は、グリーンシートGS5とGS6の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cft4は、グリーンシートGS16上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
インダクタンス素子Lpg1とインダクタンス素子Lpg2とは、グリーンシートGS8とグリーンシートGS9との各々に2層に亘って並列接続によって形成される。近接するインダクタンス素子Lpg1とLpg2とは、相互誘導係数Mによって結合され、いわばトランスのように結合する。
キャパシタンス素子Cpg1は、グリーンシートGS3〜GS6上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg2は、グリーンシートGS14,GS16上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg3は、グリーンシートGS12とGS13上の電極パターンとの間で形成される。
キャパシタンス素子Cpg4は、グリーンシートGS14,GS16上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg5は、グリーンシートGS3〜GS6上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg6は、グリーンシートGS13とGS14上の電極パターンの間で形成される。キャパシタンス素子Cpg7は、グリーンシートGS13とGS14上の電極パターンの間で形成される。
このようにキャパシタンス素子Cpg6とCpg7を形成することにより、バンドパスフィルタの低域遮断周波数と高域遮断周波数の周波数位置を夫々固定したままで、通過周波数帯域を拡げることができるため、減衰特性を維持したまま、挿入損失を改善することができる。
図3に例示した高周波回路と図4A〜4Dに例示した電極パターン図との対応において注意すべき点がある。
キャパシタンス素子Cfr1とキャパシタンス素子Cfr2、キャパシタンス素子Cft2とキャパシタンス素子Cft3、キャパシタンス素子Cpg2とキャパシタンス素子Cpg6、キャパシタンス素子Cpg4とキャパシタンス素子Cpg7、キャパシタンス素子Cpg6とキャパシタンス素子Cpg3、キャパシタンス素子Cpg7とキャパシタンス素子Cpg3は、電極パターンを共用している点である。
このように電極パターンを共有化することにより、電極パターン数を減らすことができるため、小型化に有利となる。
すなわち、キャパシタンス素子Cfr2は、キャパシタンス素子Cfr1を構成する複数の電極パターンのうちの一部であるグリーンシートGS5上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cft3は、キャパシタンス素子Cft2を構成する複数の電極パターンのうちの一部であるグリーンシートGS5上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg6は、キャパシタンス素子Cpg2を構成する複数の電極パターンのうちの一部であるグリーンシートGS14上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg7は、キャパシタンス素子Cpg4を構成する複数の電極パターンのうちの一部であるグリーンシートGS14上の電極パターンを利用する。
キャパシタンス素子Cpg3は、キャパシタンス素子Cpg6を構成する複数の電極パターンのうちの一部であるグリーンシートGS13上の電極パターンとキャパシタンス素子Cpg7を構成する複数の電極パターンのうちの一部であるグリーンシートGS13上の電極パターンを利用する。
第2のフィルタ回路FIL2について説明する。インダクタンス素子Lpa1は、グリーンシートGS4,GS6の2層に亘って形成される。キャパシタンス素子Cpa2は、グリーンシートGS14上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cpa3は、必要に応じて追加するものであって、この実施態様では省略している。キャパシタンス素子Cpa4は、グリーンシートGS14上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
第3のフィルタ回路FIL3について説明する。インダクタンス素子Lft4は、グリーンシートGS10、GS12、GS13の3層に亘って形成される。キャパシタンス素子Cft5は、必要に応じて追加するものであって、この実施態様では省略している。必要に応じて、インダクタンス素子Lft4に並列にキャパシタンス素子を並列接続してもよい。
第2の分波回路Dip2について説明する。インダクタンス素子Lft1は、グリーンシートGS7〜GS10の4層に亘って形成されるので、小型の割には大きいインダクタンスを得られる。インダクタンス素子Lft2は、グリーンシートGS7〜GS9の3層に亘って形成される。インダクタンス素子Lft3は、グリーンシートGS7,GS8,GS10の3層に亘って形成される。
キャパシタンス素子Cft1は、グリーンシートGS16とGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cft2は、グリーンシートGS4とGS5上の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cft3は、グリーンシートGS5とGS6の電極パターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cft4は、グリーンシートGS16上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
インダクタンス素子LpbbはグリーンシートGS3上に形成され、インダクタンス素子LpbaはグリーンシートGS4上に形成される。
第1の平衡‐不平衡変換回路BAL1について説明する。インダクタンス素子Lbg1は、グリーンシートGS4,GS6〜GS8,GS10,GS12,GS13の7層に亘って形成される。インダクタンス素子Lbg2とインダクタンス素子Lbg3は、共に、グリーンシートGS6〜GS8,GS10,GS12の5層に亘って形成される。
キャパシタンス素子Cbg1は、グリーンシートGS14,GS16上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。キャパシタンス素子Cbg2,Cbg3は、グリーンシートGS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される
第2の平衡‐不平衡変換回路BAL2について説明する。インダクタンス素子Lba1は、グリーンシートGS5とGS8の2層に亘って形成される。インダクタンス素子Lba2とインダクタンス素子Lba3は、共に、グリーンシートGS9とGS13の2層に亘って形成される。
キャパシタンス素子Cba1は、グリーンシートGS14とGS15上の電極パターンとGNDパターンとの間で形成される。
図5は、本発明に係る高周波回路部品の斜視図を示す。図5(A)は高周波回路部品を部品搭載面から見た斜視図、図5(B)は底面から見た斜視図である。
図5(A)に示すように、高周波スイッチSW1であるDPDTスイッチ(GaAs FET)が積層体10の上表面に実装される。DPDTスイッチは、ベア状態で積層体10に実装し、樹脂封止や缶封止することも出来る。
また、積層体10内蔵されないコンデンサC1〜C6をチップ部品として搭載している。
図5(B)は底面の電極配置を示し、積層体10の左部にはグランド電極GNDを中心としてグランド電極GNDに挟まれてアンテナ側端子Ant1、Ant2が夫々位置される。積層体10の上部にはグランド電極GNDに挟まれて、コントロール端子V1,第2の受信側端子5G_Rx+,5G_Rx−が配置される。積層体10の右部にはグランド電極GNDを中心としてグランド電極GNDに挟まれて第2の送信側端子5G_Tx、第2の送信側端子2.4G_Txが夫々位置される。積層体10の下部にはグランド電極GNDに挟まれて、コントロール端子V2,第1の受信側端子2.4G_Rx+,2.4G_Rx−が配置される。
本発明によれば、少なくとも2つの互いに周波数が異なる通信システムに共用可能な高周波回路において、高周波信号を分波する回路を簡略化することが可能である。
また、少ないスイッチ手段で電力消費を抑えながら前記複数のマルチバンドアンテナと送信側回路、受信側回路との接続を切り替え、さらにフィルタ回路や平衡―不平衡変換回路、さらにインピーダンス変換回路を備えた高周波回路を提供することができる。
そして前記高周波回路を3次元的な積層構造により小型に構成した高周波回路部品とし、さらに各通信システムでの送信データを変調し、受信データを復調する送受信部と、前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部を備えたマルチバンド通信装置を提供することが出来、パーソナルコンピュータ(PC)、プリンタやハードディスク、ブロードバンドルーターなどのPCの周辺機器、FAX、冷蔵庫、標準テレビ(SDTV)、高品位テレビ(HDTV)、カメラ、ビデオ、携帯電話等々の電子機器、自動車内や航空機内でのワイヤに変わる信号伝達手段として有用なものである。
2.4G_Rx+,2.4G_Rx− 第1の受信側端子、
5G_Rx+ ,5G_Rx− 第2の受信側端子、
2.4G_Tx 第1の送信側端子、
5G_Tx 第2の送信側端子、
Ant1,Ant2 アンテナ側端子、
ANT1,ANT2 アンテナ、
10 積層体、
30 送受信回路部、
50 スイッチ回路制御部、
70 分波・フィルタ複合回路、
BAL1 第1の平衡‐不平衡変換回路、
BAL2 第2の平衡‐不平衡変換回路、
C1〜C6 キャパシタンス素子、
Cba1 キャパシタンス素子、
Cft1〜Cft4 キャパシタンス素子、
Cfr1〜Cfr3 キャパシタンス素子、
Cpa1〜Cpa4 キャパシタンス素子、
Cpg1〜Cpg7 キャパシタンス素子、
Dip1 第1の分波回路、
Dip2 第2の分波回路、
FIL1 第1のフィルタ回路、
FIL2 第2のフィルタ回路、
FIL3 第3のフィルタ回路、
GND グランド端子、
GS1〜GS17 グリーンシート、
Lba1〜Lba3 インダクタンス素子、
bg1〜Lbg3 インダクタンス素子、
Lft1〜Lft3 インダクタンス素子、
Lfr1,Lfr2 インダクタンス素子、
Lpa1 インダクタンス素子、
Lpba,Lpbb インダクタンス素子、
pa〜pd 端子、
p1a,p2a 共通端子、
p1b,p2b 低周波側端子、
p1c,p2c 高周波側端子、
SW1 高周波スイッチ、
V1,V2 コントロール端子、

Claims (8)

  1. 少なくとも2つの互いに周波数の異なる通信システムに共用可能な高周波回路を積層体で一体化して形成した高周波回路部品であって、
    前記高周波回路は、
    アンテナに接続されるアンテナ側端子と第1及び第2の送信側端子および第1及び第2の受信側端子との接続を切り替える高周波スイッチと、
    前記高周波スイッチの一つの端子と前記第1及び第2の受信側端子との間に接続される、第1の分波回路と第1のフィルタ回路を備えた積層体内に配置される分波・フィルタ複合回路と、
    前記高周波スイッチの他の端子と前記第1及び第2の送信側端子との間に接続された第2の分波回路とを備え、
    前記第1の分波回路は低周波側フィルタと高周波側フィルタより構成され、
    前記低周波側フィルタは、一端が前記高周波スイッチの端子に、他端が前記第1のフィルタ回路に接続された第のインダクタンス素子のみで構成され、
    前記高周波側フィルタは、キャパシタンス素子とインダクタンス素子で構成され、
    かつ、前記第1のフィルタ回路は前記第1のインダクタンス素子と前記第1または第2の受信側端子のうちの低周波側の端子との間に接続されたことを特徴とする高周波回路部品。
  2. 前記第1のインダクタンス素子は、積層体内の複数の層に亘って形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高周波回路部品。
  3. 前記第1のインダクタンス素子が形成された層は、積層体内のグランド電極が形成された層との間に他の層を介して積層されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の高周波回路部品。
  4. 前記第1のインダクタンス素子と前記第1のフィルタ回路を構成するインダクタンス素子、キャパシタンス素子が前記積層体の内部で積層方向に重ならないように配置されている請求項1乃至請求項3に記載の高周波回路部品。
  5. 前記第1のフィルタ回路は、インダクタンス素子、キャパシタンス素子を主構成とし、前記インダクタンス素子、キャパシタンス素子を、電極パターンを有する積層体により構成したバンドパスフィルタであることを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の高周波回路部品。
  6. 前記高周波側フィルタは第1のキャパシタンス素子と第2のキャパシタンス素子、及び前記第1のキャパシタンス素子と前記第2のキャパシタンス素子との接続点とグランドとの間に接続された第2のインダクタンス素子を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5に記載の高周波回路部品。
  7. 前記分波・フィルタ複合回路の高周波側端子と前記第2の受信側端子との間に接続された第2のフィルタ回路とを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6記載の高周波回路部品。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の高周波回路部品を用いたマルチバンド通信装置であって、
    各通信システムでの送信データを変調し受信データを復調する送受信回路部と、
    前記高周波スイッチの切り替えを制御するスイッチ回路制御部とを備えたことを特徴とするマルチバンド通信装置。
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