JP2006012412A - 光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

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【課題】均一な光透過層の形成を可能とする光情報記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】一主面上に信号記録層(102)を有し、信号記録層上に射線硬化性樹脂からなる光透過層が形成された基板(101)からなる光情報記録媒体の製造方法である。光透過層を形成する際に、放射線硬化性樹脂(104)を基板上に滴下し、スピンコート法によって基板を所定の塗布回転数で回転させながら放射線硬化性樹脂を基板全体に塗布する。塗布後、所定の塗布回転数よりも大きな所定の回転数に達するまで、基板の回転数を加速し、基板の回転数が所定の回転数に達した後は、所定の回転数を保持しつつ、基板の回転数が所定の回転数に達した後所定時間内に放射線を照射して放射線硬化性樹脂を硬化させる。放射線硬化性樹脂を滴下する間、基板(101)と接する部分に放射線硬化性樹脂(104)の漏れこみを防ぐためのシーリング(105)を設けた部材(107)を用いて基板の中心孔を塞ぐ。
【選択図】図3

Description

本発明は光情報記録媒体の製造技術に関し、特に、非常に均一な光透過層を有する光情報記録媒体の製造方法に関する。
近年、情報記録の分野では様々な光情報記録に関する研究が進められている(例えば特許文献1〜3参照)。この光情報記録は高密度化が可能であり、また、非接触で記録・再生が行え、それを安価に実現できる方式として幅広い用途での応用が実現されつつある。現在の光ディスクとしては、厚さ1.2mmの透明樹脂基板に情報層を設け、それをオーバーコートによって保護した構造、あるいは0.6mmの透明樹脂基板の一方もしくは両方に情報層を設け、それら2枚を貼り合わせた構造が用いられている。
近年、光ディスクの記録密度を上げる方法として、対物レンズの開口数(NA)を大きくする方法や、使用するレーザの波長を短くする方法が検討されている。このとき記録・再生側基材(レーザ光が入射する側の基板)の厚みが薄いほうが、レーザスポットが受ける収差の影響を小さくでき、ディスクの傾き角度(チルト)の許容値を大きくできる。このことから、記録・再生側基材の厚さを0.1mm程度にし、NAを0.85程度、レーザの波長を400nm程度にすることが提案されている。ただしこのとき、記録・再生光のフォーカスや球面収差への影響から、記録・再生側基材の厚みばらつきが5%以内に抑えられることが好ましい。
このような小さな厚みばらつきを可能にする方法として、厚みの均一な数十μmのシート状基板を放射線硬化性樹脂で貼り合わせるという方法が考えられる。しかしながら、このようなシート状基板を使う場合、コストが非常に高くなってしまうため、スピンコート法を利用し、放射線硬化性樹脂のみで記録・再生側基材を作製されることが好ましい。
特開平1−286146号公報 特開平1−299670号公報 特開平10−199056号公報
スピンコート法で記録・再生側基材(光透過層)を作製する場合、内周から外周までの厚みを均一に作製することが困難である。特に、内周が薄くなる、外周端が極端に厚くなる、といった傾向がある。また、この外周端近傍での厚みを均一にするために、基板を回転させたまま放射線硬化性樹脂を硬化すると、外周端部にバリが生じてしまい、機械特性上および外観上問題となる。
本発明は、上記課題を解決すべく、均一な光透過層の形成を可能とする光情報記録媒体の製造方法を提供する。また、基板の外周端部にバリを生じさせない光情報記録媒体を製造する方法を提供する。
本発明において、一主面上に信号記録層を有し、信号記録層上に射線硬化性樹脂からなる光透過層が形成され、中心孔を有する基板からなる光情報記録媒体の製造方法が提供される。その製造方法によれば、光透過層を形成する際に、放射線硬化性樹脂を基板上に滴下し、スピンコート法によって基板を所定の塗布回転数で回転させながら放射線硬化性樹脂を基板全体に塗布する。塗布後に、所定の塗布回転数よりも大きな所定の回転数に達するまで、基板の回転数を加速し、基板の回転数が所定の回転数に達した後は、所定の回転数を所定時間保持する。基板の回転数が所定の回転数に達した後に、基板を所定の回転数で回転させながら、放射線を照射して放射線硬化性樹脂を硬化する。さらに、放射線硬化性樹脂を滴下する間、基板と接する部分に放射線硬化性樹脂の漏れこみを防ぐためのシーリングを設けた部材を用いて基板の中心孔を塞いでいる。
本発明の光情報記録媒体の製造方法によれば、従来のスピンコート法では困難であった、基板の信号領域上前面にわたる均一な光透過層の形成が可能となる。また、基板を回転させながら放射線を照射し、放射線硬化性樹脂を硬化することでできる外周端部のバリの生成を排除できる。
以下、添付の図面を参照しながら本発明の光情報記録媒体の製造方法の実施形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の光情報記録媒体の製造方法の一実施形態における、放射線照射のタイミングを説明した図である。同図に示すように本実施形態では、基板上にスピンコート法で樹脂により光透過層を形成する際に、基板上への放射性硬化樹脂の滴下、回転による放射性硬化の延伸(塗布)し、その後、放射線を照射して放射性硬化樹脂を硬化させる。その際、放射線を照射前に基板の回転を加速し、その加速中に放射線を照射して放射性硬化樹脂を硬化させる。これにより均一な光透過層の形成が可能となる。このような光情報記録媒体の製造方法について以下に詳細に説明する。
図2に、本発明の光情報記録媒体の製造方法を実施する製造装置の構成を示す。製造装置は、光情報記録媒体の基板101を搭載し、所定速度で回転させるための回転テーブル106と、回転テーブルを回転させるモータ131と、モータの回転数を制御する制御回路132と、基板101上に光透過層を形成する放射線硬化樹脂を滴下するノズル113と、光透過層を形成する放射線硬化樹脂を硬化させるための放射線を照射するランプ135とを備える。このような構成を有する製造装置による光情報記録媒体の製造方法を以下に説明する。
図3(a)に示すように、信号記録層102を有する、厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔105径15mmの基板101を、図3(b)に示すように、回転テーブル106にセットし、中心孔105をキャップ107で塞ぐ。キャップ107は金属製で、基板101と接触する部分には、テフロン材料からなるシーリング105を有している。
その後、基板101を停止したまま、もしくは120rpm以下の低速で回転させながら、キャップ上の略中心に、ノズル113から放射線硬化性樹脂104の滴下を開始する。放射線硬化性樹脂の室温での粘度は略500mPa・s、滴下速度は略1cm3/sである。放射線硬化性樹脂の粘度および滴下速度は、形成する光透過層の厚みによって変化させることが好ましい。なお、光透過層は、NA0.85、波長405nmのレーザを用いて記録、再生する光ディスクにおいては、略100μmの厚みに対して±略2%の厚みばらつきで形成することが求められる。好ましくは、±略1%内のばらつきに抑える。
放射線硬化性樹脂の滴下を、なるべく中心に近い部分に行うことによって、信号記録層102上に形成される光透過層の厚みが、内周から外周にかけて均一にすることが容易になる。本実施例では、中心孔をキャップ107で塞ぎ、キャップ107上に放射線硬化性樹脂を滴下することで、その効果を最大にしている。
また、図3(b)中で用いたような円錐状のキャップ107を用いることによって、キャップ107から信号記録層102上に供給される樹脂104が周方向に関して均一になり、半径方向に関してもばらつきを小さくすることができる。
図3(c)に示したように放射線硬化性樹脂104を滴下したまま、図4(a)に示すタイムチャートにしたがい滴下開始略3秒後に基板101を略350rpmで回転させ、放射線硬化性樹脂104を信号記録層上に塗布、均一化する。以下この回転数を「塗布回転数」と呼ぶ。塗布回転数は、形成する光透過層の厚みや、厚みばらつきによって、変化させることが好ましい。
放射線硬化性樹脂104を滴下する際に、キャップ107と基板101の間のわずかな隙間に、放射線硬化性樹脂104が浸透してしまうことがある。キャップ107にシーリング105を設けることで、これを防ぐことができる。
さらに、キャップ107を下方(テーブル106方向)に引っ張る機構を設けることによって樹脂の浸透の防止効果が高まる。このために、例えば、図5に示すように、回転テーブル106の中心部分に、キャップ107の中心を真空により下方に引っ張るための吸着穴15を設けてもよい。または、図6に示すように、キャップ107もしくは回転テーブル106または双方に磁石12を埋め込んでもよい。キャップ107もしくは回転テーブル106の一方にのみ磁石12を埋め込むときは他方は一部または全部を金属部材で構成する。
図4(a)に戻り、350rpmでの回転開始から略10秒後に放射線硬化性樹脂の滴下を止める。滴下は急に止めてもよいし、少しずつ量を減少させてもよい。回転中も滴下をしばらく続けたことによって、放射線硬化性樹脂の供給量と延伸による消失量に平衡状態が生じ、放射線硬化性樹脂が容易に均一に形成される。
ただし、この平衡状態では、外周部分よりも内周部分が多少厚くなる傾向がある。このため、放射線硬化性樹脂104の滴下停止後、略15秒間、基板101を一定速度で回転させたまま放射線硬化性樹脂104の延伸(塗布)を続ける。その後、略100rpm/sで基板101の回転を加速する。その加速中、基板101の回転数が略600rpmに達したときに、図7のように、基板101を加速したまま放射線110照射し、放射線硬化性樹脂を硬化する。これによって、基板101の外周端部に近い領域まで、光透過層を均一にすることができる。放射線硬化性樹脂104の硬化後、基板101の回転を停止する。
基板101の回転を停止した後に硬化した場合は、図8(a)のように外周端の光透過層104が非常に厚くなってしまう。また、一定速度で回転中に硬化した場合は、図8(b)のように、外周端に近い領域に放射線硬化性樹脂が極端に薄くなってしまう領域が形成されてしまう。また、基板101の回転数を減速中に硬化した場合、図8(c)のように、薄い部分と厚い部分が混在した光透過層104が形成される。本実施形態では、上記のように基板101の回転数の加速状態において硬化し、最も外周端に近い領域まで均一にすることを可能としている。ただし、この加速度が大きすぎると厚みのばらつきが大きくなってしまうため、放射線硬化性樹脂104の粘度によって変化させることが好ましい。
ところで、基板101上に放射線硬化性樹脂104を回転により塗布する場合に、信号記録層102と放射線硬化性樹脂104との濡れ性によって、外周部分の一部に放射線硬化性樹脂が塗布できない部分が生じる場合がある。この問題を解決するためには、図4(b)のタイムチャートのように、加速前の塗布工程において、一時的に通常の塗布回転数(略350rpm)より高速(例えば1000rpm)にし、その速度で一定時間(例えば略1秒)回転させ、信号記録層102全面に放射線硬化性樹脂104を塗布し、その後、元の塗布回転数(略350rpm)に戻すようにすればよい。
また、樹脂の硬化を加速中に行なう代わりに加速後に行なってもよい。すなわち、基板101の回転数を塗布回転数より高い回転数に加速後、その高い回転数に一定に保持した直後に行なってもよい。例えば、図9に示すように、塗布回転数より高い回転数(例えば1000rpm)に上昇させ、その加速の停止後一定期間内に、例えば回転数上昇後、略2秒以内に、硬化させても、加速中に行なうのとほぼ同等の効果を得ることができる。
放射線硬化性樹脂の硬化は、できるだけ短時間で行われることが好ましい。ここでは、キセノン光源を高強度でパルス照射できる装置を用いた。基板を回転させたまま放射線硬化性樹脂を硬化させるため、硬化に時間がかかると、硬化部分と未硬化部分の放射線硬化性樹脂の外周方向への延伸に仕方に差が生じ、光透過層の厚みが均一にならない。放射線照射後、1秒以内で硬化できる程度の強度の放射線が照射されることが好ましい。
放射線を照射する際、基板の外周端、および振り切られた放射線硬化性樹脂には放射線が照射されないことが好ましい。これは、振り切られた放射線硬化性樹脂を回収し、濾過等の工程を加えることで、放射線硬化性樹脂を再利用することができるからである。また、放射線照射中は、ノズル113は放射線照射されないように放射線から退避していることが好ましい。
基板101の外周端面に放射線が照射されてしまうと、図10(a)、(b)のようなバリ111が生じることがある。バリは外観上、もしくは偏重心といった機械特性上、問題となることがあるので、取り除くことが好ましい。例えば、図10(c)のようにレーザ112照射により切断、鋭利な金属や刃物、例えば図10(d)のようにカッター113、で切断、もしくは熱処理による融解除去、で取り除くことが考えられる。さらには、外周端面の硬化を阻害するために、放射線硬化性樹脂として酸素過剰雰囲気中では硬化し難いものを使用し、放射線照射の際に外周端部分を酸素過剰雰囲気にしてもよい。
また、用いる放射線硬化性樹脂によっては、硬化後の硬度が低く傷つき易い、摩擦係数が大きく傷つきやすく、粉塵がつきやすい、などといった問題がある。その際は、図11(a)のように放射線硬化性樹脂の上にハードコート114を施すことも可能である。
放射線硬化後に図11(b)のようにキャップ107を取り除いた。ハードコートをする場合は、ハードコート前後どちらでキャップ107を取り除いても構わない。
ここでは、例として書き換え可能な記録再生型の光ディスクを示したが、一回のみの記録が可能な追記型、反射層がAlやAgを主成分とするような再生型であっても構わない。さらに、信号記録層を2層以上の複数層有する、多層光ディスクであっても構わない。
図12に本発明の実施の形態による光情報記録媒の光透過層の膜厚の半径依存を示す。本発明の製造方法により、内周から外周まで全周にわたり、厚さ100μmの膜厚に対して膜厚むらPeak to Peak値で2μm以下の均一な膜厚分布を実現することができた。これにより、青色レーザを用いた高密度な光記録媒体において、最内周部から最外周部(半径58.5mm)まで良好な再生特性が得られるという顕著な効果が得られた。
以上、本発明の実施の形態について例をあげて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想に基づき他の実施の形態に適用することができる。
(実施の形態2)
図13に本実施形態で用いる放射線硬化性樹脂104の滴下するノズルを示す。図13(a)はノズルを下から見た図、図13(b)はその断面図、図13(c)はその斜視図である。本実施の形態では、放射線硬化性樹脂104の滴下は、図13に示すような略同一半径上に複数の開口部202を持つノズル201を使用する。ノズル201は半径r(25mm)の位置に18本の開口部202を持っている。
実施の形態1と同様の基板101を回転テーブル106にセットする。図13に示すノズル201を用い、基板101上の略同一半径位置に放射線硬化性樹脂104を滴下する。このようなノズル201を用いることによって、実施の形態1で示したキャップ107等を用いる必要がなくなる。実施の形態1で述べたようなキャップ107上に放射線硬化性樹脂を滴下する場合では、放射線硬化性樹脂硬化後のキャップ107の取り外し、再利用に問題が生じてしまうが、本実施形態の場合はそのような工程が不必要になる。光透過層の厚みを内周から外周まで均一にするために、ノズル201の開口部ができるだけ基板101の中心孔105に近いことが好ましい。
ノズルの別の例を図14に示す。図14(a)はノズルを下から見た図、図14(b)はその断面図、図14(c)はその斜視図である。同図において、ノズル203は樹脂を射出するためのリング状の開口部204を持つ。ノズル203を用いることでも同様の効果を得ることができる。
放射線硬化性樹脂104の粘度等によって基板の中心孔が汚れてしまうような場合には、本実施形態のノズルとともに実施の形態1に示すキャップ107を併用することも可能である。また、基板101の中心孔105側から外周側に向かいエアを噴出して、放射線硬化性樹脂104の侵入を防ぐことも可能である。
ノズルからの樹脂の滴下以降の工程は、実施の形態1で述べたのと同様である。
(実施の形態3)
実施の形態1および実施の形態2では、放射線硬化性樹脂104の塗布と、放射線照射による硬化とを同じ場所で行った。しかしながら、これによって、振り切られた放射線硬化性樹脂が回転テーブル106等の装置に付着したまま硬化されることで回転テーブル106の動作に不具合が生じたり、また、この不具合を防ぐための機構を設けると、装置が複雑になってしまったりするといった問題が考えられる。
そこで、本実施形態では、放射線硬化性樹脂104の滴下・塗布と、放射線照射による硬化とを別の場所で行うようにする。
具体的には、ある程度放射線硬化性樹脂の塗布ができた時点で、一旦基板101の回転を停止し、放射線照射用の別の場所に基板を移動する。そしてその別の場所で基板の回転を、例えば100rpm/s、で加速しながら、放射線を照射するようにする。図15にこの場合のタイムチャートを示す。このように放射線硬化性樹脂104の塗布の工程と、硬化の工程を行なう場所を変えることにより、振り切られた放射線硬化性樹脂が硬化される量が低減でき、また、振り切られる放射線硬化の量を低減させるための機構を設けることも容易になる。
図16に上記の処理を行なうための装置の構成を示す。同図において、回転テーブル106は金属製であり、先端に磁石138を有した移載手段137により、テーブル106が基板101とともに持ち上げられて樹脂の滴下、塗布を行なう場所にあるモータ131から切り離され、樹脂の硬化を行なう別の場所まで運搬され、その場所にあるモータ131b上に配置される。これにより、放射線硬化性樹脂の再利用率が上昇して製造コストが低減し、また、各工程が分担されるために、製造装置の作製も容易となる。
上記のように、一旦、基板101の塗布回転を停止させて、再び基板101を回転させても、加速中に放射線照射し、放射線硬化性樹脂を硬化することで、実施の形態1で述べたのと同様に、外周部分まで光透過層を均一に作製することができ、信号記録層上全面に均一な光透過層を形成できる。
なお、図16の例では、基板101を載せたテーブル106を別の場所に移動させたが、基板101のみを別の場所に移動させるようにしてもよい。この場合は、前述の磁石138の代わりに、例えば、基板101の中心部を、図17に示すように三つ爪のピン139のようなものを用いて掴んで持ち上げるようにすることで実現できる。
(実施の形態4)
本発明の実施形態4の光情報記録媒体の製造方法を説明する。
実施の形態1では、放射線硬化性樹脂104を硬化した後に、キャップ107を取り外した。硬化後の放射線硬化性樹脂の硬度、厚みによっては、キャップ107を取り外す際に、信号記録層102上の放射線硬化性樹脂が割れてしまう、キャップ107を外した部分にバリ等が生じ、記録・再生時の光情報記録媒体の保持に影響が出るといった問題が考えられる。
そこで、本実施形態では、放射線照射する前にキャップ107を外し、基板101上の放射線硬化性樹脂を硬化する。キャップ107は洗浄等の工程を経て再利用できる。また放射線照射の際にキャップ107上に放射線が照射されないようにキャップ107を取り除くことが好ましい。
これによって、キャップ107を何度も利用することが可能であるし、信号記録層102上の放射線硬化性樹脂104に影響を及ぼすことなく、均一な光透過層を形成することができる。
以上説明したように、上記実施形態1〜4の光情報記録媒体の製造方法によれば、従来のスピンコート法では困難であった、基板の信号領域上前面にわたる均一な光透過層の形成が可能となり、特に、外周端での光透過層の盛り上がり、内周部分の薄化という問題が解決され、容易な生産を行うことができる。
(実施の形態5)
本実施形態では、光情報記録媒体の外周端部においてバリの発生を抑制する光情報記録媒体の製造方法を説明する。図18は、光情報記録媒体の外周端部にバリを除去するための部材が配置されている様子を示した図(横から見た断面図)である。同図に示すように、光情報記録媒体の外周部に、外周部からはみ出した樹脂を除去するための部材(除去部材)103が設けられている。この部材103により光情報記録媒体の外周部において発生するバリを除去できる。
本発明の光情報記録媒体の製造方法についての具体的な一例を説明する。図19(a)に示すような信号記録層102を有する、厚さ1.1mm、直径120mm、中心孔105径15mmの基板101を、図19(b)に示すように、回転テーブル106上に配置し、中心孔105をキャップ107で塞ぐ。キャップ107は金属製で外側は円錐形状を有しており、内部においてキャップ107の最外周部分だけで基板101と線接触するようドーナッツ状の中空を有した構造になっている。キャップ107にはテフロンコーティングを行なってもよく、これにより放射線硬化樹脂の付着を防止できる。
その後、基板101を停止、もしくは120rpm以下の低速で回転させながら、キャップ107上の略中心に、ノズル113から放射線硬化性樹脂104の滴下を開始する。放射線硬化性樹脂104の室温での粘度は略500mPa・s、滴下速度は略1cm3/sである。放射線硬化性樹脂104の粘度および滴下速度は、形成する光透過層の厚みによって変化させることが好ましい。
放射線硬化性樹脂104の滴下を、なるべく中心に近い部分に行うことによって、信号記録層102上に形成される光透過層の厚みを、内周から外周にかけて均一にすることが容易になる。本例では、中心孔105をキャップ107で塞ぎ、キャップ107上に放射線硬化性樹脂104を滴下することで、その効果を最大にしている。ここでは、直径23mmのキャップを用いる。
また、図19(b)で示したような、基板101と最外周部においてのみ線接触するようなドーナッツ状の中空を有するキャップ107を用いることによって、キャップ107と基板101の接触面に毛細管現象で放射線硬化性樹脂が浸入することを防ぐことができる。さらに、キャップ107を下方に引っ張る機構、例えば図5に示すようなキャップ107の中心を下方に引っ張るための吸着孔を回転テーブル106の中心部分に設けることによって効果が高くなる。また、図6に示すような構成にしてもよい。
なお、例えば、図13、図14に示すようなノズルを用いて基板の中心孔近傍上に放射線硬化性樹脂104を円環上に滴下し、それを延伸することで均一な層が形成され得る場合には、キャップ107を用いる必要はない。
図19(c)に示したように、放射線硬化性樹脂104を滴下したまま、滴下開始略3秒後に、基板101を略350rpmで回転させ、放射線硬化性樹脂104を信号記録層上に塗布、均一化する。
350rpmで回転させてから、略10秒後に放射線硬化性樹脂104の滴下を止める。滴下は急に止めてもよいし、少しずつ量を減少させてもよい。回転中も滴下をしばらく続けたことによって、放射線硬化性樹脂104の供給量と延伸による消失量に平衡状態が生じ、放射線硬化性樹脂104が容易に均一に形成される。
ただし、この平衡状態では、外周部分よりも内周部分が多少厚くなる傾向があるため、放射線硬化性樹脂104の滴下停止後、略15秒間、基板を回転させたまま放射線硬化性樹脂の延伸を続ける。その後、略100rpm/sで基板の回転を加速し、基板の回転数が略600rpmに達したときに、基板を加速したまま図7のように放射線110を照射し、放射線硬化性樹脂(104)を硬化させて光透過層115を形成する。これによって、基板の外周端部に近い領域まで、光透過層を均一にすることができる。放射線硬化性樹脂硬化後、基板の回転を停止する。上記工程の全体のタイムチャートは図4(a)に示すとおりである。
特に、本実施形態では、上記の放射線硬化性樹脂104の硬化工程において、基板101の外周端に部材103を接触させた状態で回転テーブル106を回転させる(図18参照)。これにより部材103上にまで放射線硬化性樹脂104が延伸し、これが削りとられるため、基板101の外周端にバリを発生させずに基板101上に均一な光透過層の形成が可能となる。このとき、部材103を、放射線硬化性樹脂104の滴下以前から基板101に略接触させるように配置しておいてもよい。または、放射線硬化性樹脂104の滴下後、放射線110照射直前に基板101に略接触させるよう部材103を配置しておいても構わない。
部材103はここでは金属製のものを用いるが、基板101に傷をつけたりする惧れのあるときには、ポリウレタンやポリアセタールなどの樹脂材料を用いても構わない。放射線硬化性樹脂104によって溶解したりする材料を避けることが好ましい。
基板回転中に放射線照射し、放射線硬化性樹脂を硬化する際に、部材103を用いなければ、図20(a)、(b)に示すようなバリ111が生じてしまい、外観上、もしくは偏重心といった機械特性上、問題となる。
外周端部に部材103を設置することによって、外周端部のバリを生じる余分な放射線硬化性樹脂が部材に削ぎとられる。さらに放射線照射した際に外周端部に生じた半硬化状態のバリが、部材103によって削りとられるようにして除去される。部材によってバリが生じなくなるのは、主にこの2つの理由による。
部材103の上面の高さは、基板101の信号記録層102を有する面と略同じか、それよりも高いことが好ましい。低すぎると部材103を設置しなかった場合と同様に、図20(a)、(b)に示すようなバリを生じる。
また信号記録層102より高い上面を持つ部材103を設置した場合は、基板101と部材103が密着するような位置関係の際に、図20(c)に示すような上向きのバリ111が生じることがある。基板と部材との間にやや距離を持たせる(本実施例では略1mm距離を保つ)ことによってバリ111をなくすことが可能である。基板101が中心対称に回転していない(偏芯がある)場合には、基板101と部材103の距離を一定に保つことが困難となってしまう。回転テーブル106の基板101と接する面の、回転中心に、基板101の中心孔と勘合する凸部を設けることによって、偏芯を容易に100μm以下にすることができるため、基板と部材との間に距離を持たせる場合には、このような凸部を設けることが好ましい。
部材103の上面の高さが基板101の信号記録層102を有する面と略同じで、部材103と基板101が密着しているほうが、バリが出ない場合には、基板側に押し付けるような押圧を部材に与えることも可能である。このときの押圧が強すぎると、基板101の回転に影響を与えてしまう惧れがあるため、接触が外れない程度に弱くすることが好ましい。例えば押圧は10−4〜1N/m2、特には10−4〜10−2N/m2の範囲であることが好ましい。
部材103の上面は、基板101の信号記録層102を有する面と平行でなくても構わない。例えば、図21(a)や図21(b)に示す部材123,部材124のように外周方向に向かって角度を持ってもいいし、図21(c)(基板101の外周方向から基板の中心方向を見た図)に示すように基板101の回転方向に角度を持つ形状125でもよい。放射線硬化性樹脂104の粘度や回転数によって異なるバリの角度や形状によって最適な部材を選択することが好ましい。
部材103は、図22(a)に示すような基板101を内部に含むような円筒であってもよい。または、部材103は、図22(b)、図22(c)に示すような四角形状を有していてもよい。または、基板101の外周に沿った形(例えば、図22(c)に示すような円弧形の部材122)が考えられる。また、本実施例では部材を1箇所のみに設置したが、複数の箇所に設置しても構わない。
放射線110を照射する際、部材および振り切られた放射線硬化性樹脂104には放射線が照射されないことが好ましい。これによって、振り切られた放射線硬化性樹脂104を回収し、濾過等の工程を加えることで、放射線硬化性樹脂104を再利用することができる。また、部材103に付着した放射線硬化性樹脂104が硬化して部材103の形状が変化してしまうことで、外周のバリを除去する効果が低減するのを回避することができる。
そこで、放射線を照射する際には、図23(a)に示すように、基板101上の放射線硬化性樹脂104のみが硬化するように、図23(b)に示すような遮蔽板151を用いることが好ましい。ここでは、基板101と略同じ大きさの半径rを有する孔151bをあけた遮蔽板151を図23(a)のように設置し、基板101上のみに放射線110を照射する。
部材103に付着した放射線硬化性樹脂104の硬化を阻害するために、放射線硬化性樹脂104として酸素過剰雰囲気中では硬化し難いものを使用し、放射線照射の際に部材103を酸素過剰雰囲気にすることも有効である。
また、用いる放射線硬化性樹脂によっては、硬化後の硬度が低く傷つき易い、摩擦係数が大きく傷つきやすく、粉塵がつきやすい、などといった問題がある。その際は、図24(a)に示すように光透過層115の上に保護層112を形成することも可能である。本実施例では厚さ略3μmの保護層112を、従来のスピンコート法による塗布で行うが、本発明の光透過層の形成と同様の手法によって形成することも可能である。
さらに、保護層として、光透過層の吸湿等を防ぐ機能を有する材料のものを用いることも可能である。これによって、光透過層を湿度のダメージから防いだり、吸湿による光透過層の膨張等を防いだりすることができる。具体的には、誘電体等をスパッタリング等によって、3nmから50nm程度成膜することで、そのような効果が得られる。
保護層に上記の多数の機能を付加するために、保護層を複数の材料からなる、複数層から形成することも可能である。
本実施形態によれば、光透過層の形成時に中心孔105をキャップ107で覆っており、光透過層形成後にキャップ107を取り除いた。保護層112を形成する場合は、保護層形成前後のいずれのタイミングでキャップ107を取り除いても構わない。キャップ107は、図24(b)に示したように、吸着部141を吸着し、押出部142を上方に押出すことにより、容易に取り外すことができる。キャップ107を取り除いた後に、図24(b)に示したように、基板101の内周領域に光透過層の段差130が生じるが、光ディスクを記録再生する際に支持する領域(クランプ領域)中にこの段差が生じないように、キャップ107の径を選択することが好ましい。
キャップ107は、取り除かれた後、付着した放射線硬化性樹脂を取り除く洗浄等の工程を経て再利用することができる。
本実施形態によれば、光透過層の厚みを略100μmで形成できる。信号記録層102上での光透過層の厚みのばらつきは3μm以下に抑えることができる。これによって、NAを略0.85程度、レーザの波長を400nm程度にした場合においても、良好な記録再生を行うことができ、DVDと同等のチルトマージンを確保することができる。
信号記録層102は、書き換え可能な記録再生型、一回のみの記録が可能な追記型、反射層がAlやAgを主成分とするような再生型のいずれであっても構わない。さらに、図24(c)に示したような、信号記録層を複数(2つ以上)有する多層型光ディスクであっても構わない。図24(c)中の分離層119は二つの信号記録層102と118を隔てる層である。記録再生の特性から、分離層119の厚みは略30μmが好ましい。
(実施の形態6)
本実施の形態では、基板101の外周端部に発生するバリの除去のために、図25(a)のような紐状の部材401を用いている。紐状の部材401を上下方向に、外周端面に接するように設置する。これによっても実施の形態5で述べた部材103による効果と同様の効果を得ることができる。紐状の部材401には基板101の外周端に接する状態になる程度のテンションを加える。
紐状の部材401は例えば図25(b)のように円環状にし、基板101の外周端部に接触させながら紐を回転させる。部材401に付着した放射線硬化性樹脂104を除去装置215で除去する。これにより、樹脂の回収が可能となり、生産効率が向上する。図26(a)のようにロール217から紐401を排出しながら、放射線硬化性樹脂104が付着した紐401を回収してもよい。これにより、除去装置215により樹脂が除去しきれない場合でも、樹脂の回収が可能となる。
紐状部材401の断面は、任意の形状が考えられるが、例えば、円形、楕円形、長方形などが考えられる。紐状の部材401の材料や表面状態については、基板との摩擦やバリを消失させる効果の大きさによって決定されるのが好ましい。
また、実施の形態5の場合と同様に適宜、部材401に付着した放射線硬化性樹脂104を硬化させない遮蔽板を用いたり、放射線硬化性樹脂の延伸と硬化を別の場所で行ったりしてもよい。
(実施の形態7)
本実施の形態では、バリを除去するために基板101の外周端に部材103を配置する代わりに、噴出口から高圧噴射された気体(以下「エアナイフ」という)を用いている。すなわち、図27に示すように、基板101の下方から外周端部に向けてエア噴出口317から高圧噴射されたエアナイフ316をあてることによって、実施の形態5で述べた部材103を設置するのと同様の効果を得ることができる。
実施の形態5では、部材103に付着した放射線硬化性樹脂104が硬化してしまわないように注意を払う必要があったが、エアナイフ316である場合、それを気にする必要がなくなり、生産の効率を大幅に向上させることができる。エアナイフ316の噴出は、放射線を照射して放射線硬化性樹脂104を硬化する直前に行なうのが好ましい。
図27に示す方法では、基板101の下方から外周端に向けてエア噴出口317からエアナイフ316を出力している。しかし、それ以外の方向、例えば、上方から、または、斜め方向からエアナイフ316を基板の外周端にあててもよい。また、基板101に対してエアナイフ316をあてる位置は1箇所でもいいし、複数箇所でもよい。エアナイフ噴出口317が、基板101の半径と略同じ大きさの半径を持つドーナツ形状の噴出口を有してもよい、このようなエアナイフ噴出口317を用いることにより、基板101の外周端部全てに同時にエアナイフ316をあてることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態では、図28(a)、(b)に示すように、バリを除去する部材402が円板形状であり、その上面の高さが基板101の信号記録層102を有する面と略同じか若しくはやや高くなるような位置に配置されている。部材402は基板101の回転により回転するようになっている。
部材402は、基板101の回転によって基板101とは逆方向に略同じ外周端速度で回転する。回転することによって基板101の外周端の余分な放射線硬化性樹脂104がより効果的に取り除かれ、基板101を回転させながら放射線照射して放射線硬化性樹脂104を硬化しても、外周部にバリができない。本実施形態では部材402は基板101の回転を受けて回る機構を有するが、部材402を回転させる駆動機構を設け、部材402が独自の駆動力で回転するようにしても構わない。このような駆動機構を設けた場合、基板101と部材402の回転方向が同じ、または、部材402の外周端における線速度が異なる場合には、基板101と部材402の間で大きな摩擦が発生し、光透過層の均一性が損なわれることが考えられる。このため、部材402は基板101とは逆方向かつ略同じ外周端線速度で回転することが好ましい。
部材402が回転する場合、部材402に付着した放射線硬化性樹脂が再び基板101上に飛沫として付着する場合がある。この場合、形成する光透過層の厚みムラが大きくなる可能性があるため、部材402の基板と接触していない部分で、放射線硬化性樹脂の除去装置415を設けることが好ましい。
上記の円形状の部材402の代わりに、前述の実施の形態で示した紐状やベルト状の部材401を図26(b)のように基板101の面に対して水平方向に設置し、回転させることでも同様の効果を得ることができる。
実施の形態5で述べたように、部材402と基板101を密着させるのか、やや距離を、例えば1mm、保つのかは、放射線硬化性樹脂104の粘度や回転数によってバリの生じ易さが異なるため、各条件で最適な距離を決めることが好ましい。
(実施の形態9)
実施の形態5では、放射線硬化性樹脂の塗布・延伸する工程と、基板を回転させながら放射線硬化性樹脂を硬化する工程を、同一の場所で行っていた。放射線を照射する際に、振り切られた放射線硬化性樹脂には放射線が照射されないように遮蔽板等を用いたが、わずかな放射線の漏れが積み重なると、振り切られた放射線硬化性樹脂が少しずつ硬化してしまう可能性がある。これによって放射線硬化性樹脂の回収・再利用がうまくいかずにコストがあがってしまう可能性がある。
そこで、実施の形態3の場合と同様に、前述の実施の形態5から8においても、放射線硬化性樹脂の塗布・延伸の工程の後に、一旦基板の回転を停止させて移動させ、別の場所で、基板を回転させながら放射線硬化性樹脂を硬化する工程を行うことが好ましい。
図29にそのための装置構成を示す。基板101の外周端にバリを生じさせないための部材103は、放射線を照射する工程を行なう場所のみに設ければよく、2つの工程が独立することで、装置を簡易な構成にすることができる。
(実施の形態10)
前述の実施の形態で説明した光情報記録媒体(ディスク)は、図30(a)に示すように基板101の一方の主面に光透過層115を設けた非対称なディスクとなる。放射線硬化性樹脂を硬化したものである光透過層115は一般に、高温化で収縮したり、湿度雰囲気の変化によって吸水膨張もしくは脱水収縮したりすることが知られている。したがって、非対称な構造のディスクの場合、高温化や湿度の急激な変化によってチルトが大きく変動し、記録または再生の悪化になってしまうことが予想される。
そこで、図30(b)に示すように、信号記録層102を有する面と反対側の面(裏面)に、光透過層と同様の層(平衡層501)を形成し、非対称性を改善することによって、温度や湿度の変化によるチルト変化を大幅に小さくすることができる。また図30(c)のように裏面にも信号記録層502を設けた両面記録再生型のディスクにすることによって対称性をより向上できる。
このとき、対称性を高くするために、両方の主面に形成される層の材料の特性(例えば、吸水膨張または脱水収縮に関する特性(収縮特性))および層の厚みがほぼ同じであることが好ましい。裏面に形成する層の材料を変えるような場合には、チルト変化のバランスを考慮し、裏面の層の厚みを変えることが好ましい。保護層112を裏面に形成することも可能である。
なお、上記の各実施形態において、一つの実施形態で説明した技術思想は、他の実施形態の思想と組み合わせて利用できることはいうまでもない。本発明は、特定の実施形態について説明されてきたが、当業者にとっては他の多くの変形例、修正、他の利用が明らかである。それゆえ、本発明は、ここでの特定の開示に限定されず、添付の請求の範囲によってのみ限定され得る。
本発明の光情報記録媒体の製造方法を説明するための図であって、特に、基板の回転の加速中に樹脂の硬化を行う工程のタイミングを説明した図である。 本発明による光情報記録媒体の製造方法を実施するための装置の構成を説明した図である。 本発明の光情報記録媒体の製造方法を説明した図である。 本発明の光情報記録媒体の製造方法における各工程のタイミングを示したタイムチャートある。 キャップを下方に引っ張る機構の一例(回転テーブルの中心に吸着穴を設けた例)を説明した図である。 キャップを下方に引っ張る機構の別の例(磁石を用いた例)を説明した図である。 放射線の照射により放射線硬化樹脂を硬化させる工程を説明した図である。 光情報記録媒体上に不均一に形成された光透過層を示した図である。 回転加速終了後に放射線硬化樹脂を硬化させるときの放射線照射のタイミングを説明した図である。 (a)、(b)光情報記録媒体の基板の外周端部に生ずるバリを説明した図である。(c)レーザを用いてバリを除去する方法を説明した図である。(d)カッターを用いてバリを除去する方法を説明した図である。 (a)光透過層の上にハードコートを施した光情報記録媒体を示した図である。(b)光透過層形成後にキャップを取り除いた光情報記録媒体の様子を示した図である。 本発明の製造方法により製造された光情報記録媒体の光透過層の膜厚の半径依存を示す図である。 (a)本発明による、放射線硬化樹脂を基板上に滴下するノズルの一例の上面図である。(b)その断面図である(A−A’断面)。(c)その斜視図である。 (a)本発明による、放射線硬化樹脂を基板上に滴下するノズルの別の例の上面図である。(b)その断面図である(A−A’断面)。(c)その斜視図である。 樹脂の滴下、塗布工程と、樹脂の硬化工程とを別の場所で行なう光情報記録媒体の製造方法のタイムチャートである。 樹脂の滴下、塗布工程と、樹脂の硬化工程とを別の場所で行なう光情報記録媒体の製造方法を実施するための装置の構成を示した図である。 光情報記録媒体を移動させるためにそれを掴むための機構を説明した図である。 本発明の製造方法において、基板の外周端部でのバリの発生を抑制するための構成を説明した図である。 バリの発生の抑制を可能とする、本発明の光情報記録媒体の製造方法を説明した図である。 光情報記録媒体の外周端部に生じるバリを説明した図である。 (a)、(b)外周端で生じるバリを除去する部材(バリ除去部材)の形状の例を示した図である。(c)バリ除去部材の一例を基板の外周端方向から中心に向かって見たときのバリ除去部材の形状を示した図である。 (a)円筒形状を有するバリ除去部材の上面図である。(b)基板に隣接した配置された、四角形状を有する、バリ除去部材の断面図である。(c)基板に隣接した配置された、四角形状を有する、バリ除去部材の上面図である。(d)基板に隣接した配置された、円弧形状を有する、バリ除去部材の断面図である。 (a)バリ除去部材上に遮蔽板を配置して、樹脂の硬化を行なう様子を説明した図である。(b)遮蔽板を示した図である。 (a)光透過層の上に保護層を設けた情報記録媒体の製造工程を示した図である。(b)光透過層の上に保護層を設けた情報記録媒体のキャップを取り除いた後の様子を示した図である。(c)複数の信号記録層を有する光情報記録媒体を示した図である。 (a)基板に隣接した配置された、紐状のバリ除去部材を示した図である。(b)紐状のバリ除去部材を円環状に構成し、基板に隣接して配置した様子を示した図である。 (a)一のロールから排出されて他のロールに巻き取られる、紐状の、バリ除去部材を示した図である。(b)基板の主面に対して水平方向に設置された紐状(又はベルト状)のバリ除去部材を説明した図である。 バリを除去する手段としてのエアナイフを示した図である。 (a)、(b)基板に隣接した配置された、円板状のバリ除去部材を説明した図である。(c)、(d)円板状のバリ除去部材と、それに隣接する樹脂の除去装置とを説明した図である。 樹脂の滴下、塗布工程と、樹脂の硬化工程とを別の場所で行なう光情報記録媒体の製造方法であって、バリの発生の抑制を可能とする方法を実施するための装置の構成を示した図である。 光情報記録媒体の非対称性を改善するための光情報記録媒体の構成を示した図である。
符号の説明
101 基板
102 信号記録層
103、402 部材
104 放射線硬化性樹脂
105 中心孔
106 回転テーブル
107 キャップ
111 バリ
151 遮蔽板
201、203 ノズル
415 樹脂除去装置
501 平衡層

Claims (3)

  1. 一主面上に信号記録層を有し、該信号記録層上に放射線硬化性樹脂からなる光透過層が形成され、中心孔を有した基板からなる光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記光透過層を形成する際に、
    放射線硬化性樹脂を基板上に滴下し、
    スピンコート法によって基板を所定の塗布回転数で回転させながら前記放射線硬化性樹脂を基板全体に塗布し、
    塗布後、前記所定の塗布回転数よりも大きな所定の回転数に達するまで、前記基板の回転数を加速し、
    前記基板の回転数が所定の回転数に達した後は、前記所定の回転数を保持しつつ、前記基板の回転数が所定の回転数に達した後所定時間内に放射線を照射して前記放射線硬化性樹脂を硬化し、
    さらに、前記放射線硬化性樹脂を滴下する間、前記基板と接する部分に前記放射線硬化性樹脂の漏れこみを防ぐためのシーリングを設けた部材を用いて基板の中心孔を塞いでいる、
    ことを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 前記中心孔を塞ぐ部材が円錐形状であることを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体の製造方法。
  3. 前記基板は回転テーブル上に搭載されて回転され、前記中心孔を塞ぐ部材を前記基板と密着させるために、該回転テーブルにおいて前記中心孔を塞ぐ部材を下方に引っ張る手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の光情報記録媒体の製造方法。
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