JP2004039050A - 光記録媒体、光記録媒体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】傷、剥離が生じにくい光透過性を有する樹脂層が高精度で形成された光記録媒体、該光記録媒体の製造方法及び製造装置を提供する。
【解決手段】光記録媒体10は、円板形状で片面が情報記録面12Aとされた支持基体12と、支持基体12の情報記録面12Aに形成された光透過性を有する樹脂層14と、を含んでなり、支持基体12の中心軸線12Bを囲んで厚さ方向に突出する環状凸部16が樹脂層14に形成され、且つ、環状凸部16よりも径方向内側まで樹脂層14が延在されている。
【選択図】 図1
【解決手段】光記録媒体10は、円板形状で片面が情報記録面12Aとされた支持基体12と、支持基体12の情報記録面12Aに形成された光透過性を有する樹脂層14と、を含んでなり、支持基体12の中心軸線12Bを囲んで厚さ方向に突出する環状凸部16が樹脂層14に形成され、且つ、環状凸部16よりも径方向内側まで樹脂層14が延在されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持基体の情報記録面側に光透過性を有する樹脂層が形成された光記録媒体、光記録媒体の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録媒体としてCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光記録媒体が急速に普及している。これらの光記録媒体は一般的に外径が120mm、厚さが1.2mmとされているが、DVDは照射光としてCDよりも波長が短いレーザー光を用いると共に、照射光のレンズの開口数をCDよりも大きくすることでCDよりも高密度で大容量の情報を記録・再生できるようにされている。
【0003】
一方、照射光の波長が短く、レンズの開口数が大きいほどディスクの傾き(反り)によりコマ収差が発生して情報の記録・再生精度が低下する傾向があるため、DVDは光透過性を有する樹脂層の厚さをCDの半分の0.6mmとすることで、ディスクの傾き(反り)に対するマージンを確保し、情報の記録・再生精度を維持している。
【0004】
尚、0.6mmの樹脂層のみでは剛性、強度が不充分であるため、DVDは、0.6mmの樹脂基板を2枚、情報記録面を内側にして貼り合わせた構造とされて厚さがCDと等しい1.2mmとされ、CDと同等の剛性、強度が確保されている。
【0005】
又、光記録媒体には一般的に、記録・再生装置等における位置決め等のために中心孔が形成されている。
【0006】
近年、一層高密度で大容量の情報の記録を実現すべく、更に照射光の波長を短かくし、レンズの開口数を大きくしたいという要請がある。この要請に対し、一層薄い樹脂層を有する光記録媒体が求められている。尚、仕様を統一すべく、照射光として波長が405nmの青紫色のレーザー光を用いると共に開口数を0.85とし、これに対応して樹脂層の厚さを0.1mmとする提案がなされている。
【0007】
ところで、光記録媒体を使用するうちに樹脂層に傷がついたり塵芥が付着することがある。例えば、光記録媒体をコンパクトに収納するために光記録媒体を複数重ねることがあるが、樹脂層に他の光記録媒体が接触して傷がつくことがある。これにより、光記録媒体の情報を正確に再生できなくなったり、光記録媒体に情報を正確に記録できなくなることがある。厚さが0.1mm程度の薄い樹脂層の場合、特に傷、塵芥等の影響を受けやすいという問題がある。
【0008】
これに対して、同一出願人による特開2002−63737号公報には、樹脂層の内周縁を環状凸部とすることにより上記問題の解決を図った光記録媒体が開示されている。即ち、樹脂層の内周縁を環状凸部とすれば、複数の光記録媒体を重ねた場合であっても、環状凸部の外側の樹脂層と他の光記録媒体との間に隙間が生じるため樹脂層に当接圧が作用しない。尚、重ねられた光記録媒体が若干傾斜して相互に接触した場合であっても、当接圧が小さく制限される。これにより、樹脂層に傷がつくことを防止することができる。
【0009】
図11は、樹脂層の内周縁が環状凸部とされた光記録媒体の構造を示す断面図である。
【0010】
光記録媒体100は、支持基体102の情報記録面102A側に支持基体102よりも薄い光透過性を有する樹脂層104が形成された構造で片面のみに情報を記録可能である片面タイプである。
【0011】
支持基体102は、直径が120mm、厚さが1.1mmで一般的に量産性に優れた射出成形により成形される。具体的には、ポリカーボネート等の樹脂が一対の型の間に射出されて所定の温度に冷却、保温され、中心孔102Bを有する円板形状に成形される。
【0012】
樹脂層104は、厚さが0.1mmで内周縁に環状凸部106が形成されている。樹脂層104は、スピンコート法により支持基体102の情報記録面102A側に形成される。図12は、スピンコート法による樹脂層104の形成工程を示す断面図である。
【0013】
まず支持基体102を回転テーブル108に装着し、中心孔102Bを閉塞部材110で閉塞する。次に、光透過性を有し、紫外線、電子線等の放射線で硬化する放射線硬化性樹脂を閉塞部材110の中心近傍に供給しつつ回転テーブル108と共に支持基体102を回転させ、供給した樹脂を遠心力で径方向外側に流動させることにより、情報記録面102Aの全面に0.1mmの厚さで展延する。これにより、光記録媒体100は合計の厚さが1.2mmとなる。尚、支持基体の両面に情報を記録可能である両面タイプの場合は、支持基体の厚さを1.0mmとし、支持基体の両面それぞれに0.1mmの樹脂層を形成すればよい。あるいは、厚さが0.5mmの支持基体に厚さが0.1mmの樹脂層を形成したものを2枚用意し、支持基体側同士を貼り合わせてもよい。上記公報には環状凸部の形成方法として主として2つの形成方法が開示されている。
【0014】
環状凸部の第1の形成方法は、樹脂を展延した後、閉塞部材110を上昇させて支持基体102から離間させることにより、閉塞部材110が周囲の樹脂を引きずるようにして厚さ方向に突出させ、環状凸部106を形成する方法である。
【0015】
尚、この場合、環状凸部106を形成後、環状凸部106に紫外線、電子線等を照射し、硬化させる。
【0016】
環状凸部の第2の形成方法は、閉塞部材110を支持基体102に装着した状態で樹脂を遠心力で径方向外側に流動させつつ閉塞部材110の径方向外側の領域に紫外線、電子線等を照射することにより閉塞部材110の外周に沿って樹脂を硬化させ、閉塞部材110の外周近傍の未硬化状態の樹脂の径方向の流動を制限することにより、閉塞部材110の外周に沿って樹脂を厚さ方向に突出させて環状凸部106を形成する方法である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、環状凸部の第1の形成方法は、支持基体102から閉塞部材110を上方に離間させる際に、樹脂が糸引き等を起こして樹脂層104の内周縁の外観が悪くなることがあった。
【0018】
一方、環状凸部の第2の形成方法は、閉塞部材110を支持基体102に装着した状態で閉塞部材110の外周に紫外線等を照射するため、閉塞部材110の周囲の樹脂が硬化して閉塞部材110が支持基体102に固着し、閉塞部材110を支持基体102から容易に分離できないことがあった。更に、この場合、無理に閉塞部材110を支持基体102から分離すると、樹脂層104の内周縁が欠けたり、支持基体102から剥離することがあった。
【0019】
又、環状凸部106は突出しているため情報記録装置、情報再生装置における位置決め等の部品や指等と接触することが多い。このため、樹脂層104の内周縁に外力が作用し、図13に示されるように樹脂層104の内周縁が支持基体102から剥離することがあった。
【0020】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、傷、剥離が生じにくい光透過性を有する樹脂層が高精度で形成された光記録媒体、該光記録媒体の製造方法及び製造装置を提供することをその課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、樹脂層の内周に沿って厚さ方向に突出する環状凸部を樹脂層に形成し、且つ、樹脂層を環状凸部よりも径方向内側まで延在させることで、樹脂層の傷、剥離が生じにくくなり、且つ、樹脂層を高精度で確実に形成できることを見出した。
【0022】
即ち、以下の発明により上記課題を解決することができる。
【0023】
(1)円板形状で少なくとも片面が情報記録面である支持基体と、該支持基体の前記情報記録面側に形成された光透過性を有する樹脂層と、を含んでなる光記録媒体であって、前記支持基体の中心軸線を囲んで厚さ方向に突出する環状凸部が前記樹脂層に形成され、且つ、該環状凸部よりも径方向内側まで前記樹脂層が延在されたことを特徴とする光記録媒体。
【0024】
(2)前記環状凸部が前記樹脂層に一体に形成されたことを特徴とする(1)の光記録媒体。
【0025】
(3)円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に配置し、該情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給すると共に前記支持基体を回転駆動することにより前記放射線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させて前記情報記録面上に展延する展延工程と、前記支持基体を回転させた状態で前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域よりも径方向外側の外側領域に限定して放射線を照射して前記展延させた放射線硬化性樹脂を増粘・硬化させつつ前記内側領域の外周近傍で該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂の径方向の流動を制限することにより前記内側領域の外周に沿って前記放射線硬化性樹脂を厚さ方向に流動・突出させてこれを硬化し、光透過性を有する樹脂層の外側部及び環状凸部を一体に形成する第1の硬化工程と、少なくとも前記内側領域に放射線を照射して該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂を硬化し、前記樹脂層の一部として前記環状凸部よりも径方向内側の内側部を該環状凸部及び前記外側部に一体に形成する第2の硬化工程と、を含んでなることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
【0026】
(4)円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を、前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に配置し、該情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給すると共に前記支持基体を回転させることにより前記放射線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させて前記情報記録面上に展延する展延工程と、前記支持基体の回転を停止した状態及び前記展延工程における回転数よりも低い回転数で回転させた状態のいずれかの状態で前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域よりも径方向外側の外側領域に限定して放射線を照射して前記展延させた放射線硬化性樹脂を硬化させ、光透過性を有する樹脂層の外側部を形成する第1の硬化工程と、前記支持基体を回転させた状態で前記外側領域に限定して、且つ、少なくとも前記内側領域の外周近傍の領域に放射線を照射して該内側領域の外周近傍で該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂の径方向の流動を制限することにより前記内側領域の外周に沿って前記放射線硬化性樹脂を厚さ方向に流動・突出させてこれを硬化させ、前記樹脂層の外側部に環状凸部を一体に形成する第2の硬化工程と、少なくとも前記内側領域に放射線を照射して該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂を硬化し、前記樹脂層の一部として前記環状凸部よりも径方向内側の内側部を該環状凸部及び前記外側部に一体に形成する第3の硬化工程と、を含んでなることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
【0027】
(5)円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を、前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に配置し、該情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を供給して前記支持基体を回転させることにより前記放射線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させて前記情報記録面上に展延する展延工程と、前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域及び該内側領域よりも径方向外側の外側領域に放射線を照射して前記展延した放射線硬化性樹脂を硬化させ、光透過性を有する樹脂層を形成する第1の硬化工程と、前記内側領域の外周に沿って環状に放射線硬化性樹脂を吐出して前記樹脂層上に環状凸部を形成する環状凸部形成工程と、少なくとも前記内側領域の外周に沿って放射線を照射し、前記環状凸部を硬化させる第2の硬化工程と、を含んでなることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
【0028】
(6)円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を、前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に支持して回転させる回転手段と、前記支持基体の情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給する放射線硬化性樹脂供給手段と、前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域に放射線を照射可能、且つ、前記内側領域よりも径方向外側の外側領域に限定して前記放射線を照射可能とされた照射手段と、を含んでなることを特徴とする光記録媒体の製造装置。
【0029】
(7)前記樹脂層は前記環状凸部よりも径方向内側の内側部の厚さが前記環状凸部よりも径方向外側の外側部の厚さよりも薄くなるように形成されたことを特徴とする(1)又は(2)の光記録媒体。
【0030】
(8)前記樹脂層は前記環状凸部よりも径方向内側の内側部の厚さが径方向内側に向けて薄くなるように形成されたことを特徴とする(1)、(2)及び(7)のいずれかの光記録媒体。
【0031】
(9)前記環状凸部が前記支持基体と同心状の円環形状とされたことを特徴とする(1)、(2)、(7)及び(8)のいずれかの光記録媒体。
【0032】
(10)前記環状凸部が周方向に断続的に形成されたことを特徴とする(1)、(2)及び(7)〜(10)のいずれかの光記録媒体。
【0033】
(11)前記支持基体は、前記環状凸部に沿う段差を前記情報記録面に有する段付形状とされたことを特徴とする(1)、(2)及び(7)〜(10)のいずれかの光記録媒体。
【0034】
(12)前記内側領域を遮蔽マスクで遮蔽することにより、前記外側領域に限定して前記放射線を照射することを特徴とする(3)又は(4)の光記録媒体の製造方法。
【0035】
(13)前記第1の硬化工程の後に、前記内側領域に前記放射線硬化性樹脂を再供給することを特徴とする(3)、(4)及び(12)のいずれかの光記録媒体の製造方法。
【0036】
尚、「放射線」という用語は一般的には放射性元素の崩壊に伴って放出される、γ線、X線、α線等の電磁波、粒子線を意味するが本明細書においては、「放射線」という用語は、例えば紫外線、電子線等、流動状態の特定の樹脂を硬化させる性質を有する電磁波、粒子線の総称という意義で用いることとする。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
図1は、本実施形態に係る光記録媒体10の断面図である。
【0039】
光記録媒体10は、円板形状で片面が情報記録面12Aである支持基体12と、支持基体12の情報記録面12Aに形成された光透過性を有する樹脂層14と、を含んでなり、支持基体12の中心軸線12Bを囲んで厚さ方向に突出する環状凸部16が樹脂層14に形成され、且つ、環状凸部16よりも径方向内側まで樹脂層14が延在されたことを特徴としている。
【0040】
その他の構成については、前記従来の光記録媒体100と同様であるので説明を適宜省略する。
【0041】
支持基体12は、中心孔12Cを有し、情報記録面12Aには所定の微細な凹凸等(図示省略)が形成されている。尚、支持基体12は材質がポリカーボネート、アクリル、エポキシ等の樹脂で、直径が120mm、厚さが1.1mmとされている。
【0042】
情報記録面12Aには所定の機能層が形成されている。尚、機能層は樹脂層14よりも更に薄い層であると共に本発明の把握のために特に必要とは思われないため機能層の図示は省略する。光記録媒体10が再生専用タイプの場合、情報記録面12Aに機能層として反射層が形成される。一方、光記録媒体10が情報を記録・再生可能なタイプである場合、情報記録面12Aに機能層として反射層、記録層がこの順で形成される。反射層はAl、Ag、Au等からなり、スパッタリング法、蒸着法等により形成される。記録層は相変化材料、色素材料、光磁気材料等からなり、スパッタリング法、スピンコート法、リッピング法、蒸着法等により形成される。
【0043】
樹脂層14は、環状凸部16よりも径方向内側の内側部14Aと環状凸部16よりも径方向外側の外側部14Bとを有し、内側部14Aは情報記録面12Aの情報記録エリア(図示省略)よりも径方向内側に形成され、外側部14Bは情報記録エリアを含む領域に形成されている。外側部14Bは情報の記録、再生のための照射光が照射される部分であり、厚さが0.1mmとされている。
【0044】
尚、内側部14A、環状凸部16は外側部14Bと同じ光透過性を有する樹脂で形成されているが、内側部14A、環状凸部16には情報の記録、再生のための照射光は照射されない。
【0045】
樹脂層14は、内側部14Aの厚さが外側部14Bの厚さよりも薄く形成されている。又、内側部14Aは、厚さが径方向内側に向けて薄くなるように形成されている。
【0046】
環状凸部16は、支持基体12とほぼ同心状の円環形状で樹脂層14に一体に形成されている。又、環状凸部16は、情報記録面12Aの情報記録エリア(図示省略)よりも径方向内側に形成されている。環状凸部16は、具体的には突出量が、0.03〜0.3mm程度、径方向の幅が0.3〜3mm程度であるように形成されている。
【0047】
このように、樹脂層14に環状凸部16が形成されているので、光記録媒体10を複数重ねて保管したり、光記録媒体10を台上等に載置した場合に樹脂層14の外側部14Bと他の光記録媒体等との間に隙間が生じ、外側部14Bに当接圧が作用しない。尚、光記録媒体10が傾斜して外側部14Bに他の光記録媒体等が接触した場合であっても、当接圧が小さく制限され、外側部14Bに傷がつくことを防止することができる。即ち、光記録媒体10は情報の記録、再生に対する信頼性が高い。
【0048】
又、環状凸部16に指等が触れて環状凸部16に外力が作用すると、樹脂層14の内側部14Aには支持基体12から分離させる力が作用しうるが、内側部14Aは薄い層状で曲げ剛性が低いので、環状凸部16の変形を吸収しやすく、支持基体12から分離させる力は主として面方向に作用し、厚さ方向の力は小さく制限される。
【0049】
特に、内側部14Aは厚さが外側部14Bよりも薄く、更に、径方向内側に向けて薄くなるように形成されているので、それだけ環状凸部16の変形を吸収しやすく、内側部14Aを支持基体12から分離させる厚さ方向の力は小さく制限される。
【0050】
更に、内側部14Aは径方向に一定の幅を有しているので、支持基体12から分離させる力は径方向に分散され、単位面積当りの力はそれだけ小さく制限される。従って、内側部14Aは支持基体12から容易に剥離することがない。
【0051】
又、内側部14Aは厚さが外側部14Bよりも薄く、更に、径方向内側に向けて薄くなるように形成されているので、指等が内側部14Aの内周縁に直接触れにくく、この点でも内側部14Aは支持基体12から剥離しにくい。
【0052】
即ち、環状凸部が樹脂層の内周縁を構成している場合には、環状凸部に外力が作用すると支持基体から分離させる厚さ方向の力が樹脂層の内周縁に集中して作用するため、樹脂層が内周縁から剥離しやすいが、環状凸部16よりも径方向内側に内側部14Aを形成することにより、内側部14Aを支持基体12から分離させる厚さ方向の力は小さく制限され、樹脂層14が内側部14Aにおいて支持基体12から容易に剥離することがない。
【0053】
一方、樹脂層14の外側部14Bも薄い層状であり、又、環状凸部16から内側部14Aよりも径方向に長く延在され、内側部14Aよりも広い面積で支持基体12に固着しているので内側部14Aよりも更に支持基体12から剥離しにくい。
【0054】
即ち、樹脂層14は内側部14A、外側部14Bいずれの部位においても支持基体12から容易に剥離することがなく、耐久性に対する信頼性が高い。
【0055】
又、環状凸部16は樹脂層14に一体に形成されているので環状凸部16と樹脂層14との破断も生じにくい。
【0056】
次に、光記録媒体10の製造方法について説明する。
【0057】
尚、光記録媒体10の製造方法は、樹脂層14及び環状凸部16の形成工程に特徴を有しており、他の工程については前記従来の光記録媒体100の製造方法と同様であるので、説明を適宜省略する。
【0058】
まず、樹脂層14を支持基体12上に展延する展延工程について説明する。
【0059】
図2は、支持基体12を水平に保持して回転駆動する回転テーブル(回転駆動手段)18及び支持基体12の中心孔12Cを情報記録面12A側で閉塞する閉塞部材20の構造を示す断面図である。
【0060】
回転テーブル18は、ほぼ水平に配置された円板形状の本体18Aの上面に、環状突起18Bが同心状に設けられており、環状突起18Bの外周において支持基体12の中心孔12Cに嵌合することにより、支持基体12を水平、且つ、同心状に保持可能とされている。尚、本体18Aの下面側には回転軸18Cが設けられている。
【0061】
閉塞部材20は、上面が径方向外側に下り傾斜し、外径が支持基体12の中心孔12Cよりも若干大きい閉塞部20Aの下面側に、下方に突出する円形突起20Bが同心状に設けられており、該円形突起20Bの外周において回転テーブル18の環状突起18Bの内周に嵌合しつつ閉塞部20Aで支持基体12の中心孔12Cを閉塞可能とされている。尚、閉塞部20Aの外径は、形成しようとする環状凸部16の内径よりも小さい。更に、閉塞部20Aの上面側には、上下方向の棒状の支持部20Cが設けられ、該支持部20Cを介して上下方向に駆動されて回転テーブル18に嵌脱自在とされている。
【0062】
まず、図3に示されるように、支持基体12を、情報記録面12Aが上向きになるように回転テーブル18に装着し、閉塞部材20を下降させて円形突起20Bを回転テーブル18の環状突起18Bに嵌合させつつ閉塞部20Aで支持基体12の中心孔12Cを閉塞する。
【0063】
次に、図4に示されるように、ノズル(放射線硬化性樹脂供給手段)22を、閉塞部材20の支持部20Cに接近させ、光透過性を有する紫外線硬化性樹脂を流動状態で閉塞部材20の上に所定量供給すると共に回転テーブル18で支持基体12を回転させることにより紫外線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させ、情報記録面12A上に展延する。この際、回転中心近傍の樹脂には遠心力がほとんど作用しないため、閉塞部材20の中心部が樹脂溜りのような役割を果たし、情報記録面12A上における樹脂の流動量を緩衝して安定させる。これにより、樹脂が情報記録面12A全体に約0.1mmの均一な厚さで展延される。
【0064】
次に、第1の硬化工程について説明する。第1の硬化工程は、樹脂層14の外側部14Bを硬化させると共に紫外線硬化性樹脂を環状に突出させて環状凸部16を形成する工程である。具体的には支持基体12を回転させ、図示しない照射器により、情報記録面12A上の同心円形の所定の内側領域24よりも径方向外側の外側領域25に限定して紫外線を照射して展延させた紫外線硬化性樹脂を増粘・硬化させる。尚、内側領域24はその外径が、形成しようとする環状凸部16の内径と等しくなるように設定する。外側領域25に限定して紫外線を照射するために、図5に示されるように、外径が内側領域24の外径と等しい遮蔽マスク26を情報記録面12Aの上方に同心状に配置し、内側領域24を遮蔽する。
【0065】
これにより、樹脂層14の外側部14Bが硬化すると共に、内側領域24の外周近傍で内側領域24内の未硬化状態の紫外線硬化性樹脂は径方向の流動が制限されて厚さ方向に流動・突出すると共に硬化し、内側領域24の外周に沿って環状凸部16が形成される。尚、環状凸部16は通常、内側領域24の外周の外側に形成されるが、支持基体12の回転速度、紫外線の照射時間、単位時間あたりの照射量、紫外線硬化性樹脂の粘度等の形成条件により、内側領域24の外周上又は外周よりも径方向の内側に環状凸部16が形成される場合もある。所望の位置に環状凸部を形成するためには、形成条件、内側領域の設定を適宜調整すればよい。
【0066】
一方、環状凸部16と閉塞部材20との間の紫外線硬化性樹脂は未硬化状態であるため、遠心力により径方向外側に流動しつつ環状凸部16で流動が制限され、径方向内側に向けて薄くなるような層状に形成される。この環状凸部16と閉塞部材20との間の紫外線硬化性樹脂が樹脂層14の内側部14Aを構成する。
【0067】
尚、支持基体12を回転させる時間を調節することで、環状凸部16の突出量及び内側部14Aの厚さを調節することができる。即ち、支持基体12を回転させる時間が長ければ、それだけ未硬化状態の樹脂が環状凸部16に加わり環状凸部16の突出量が大きくなると共に内側部14Aとして残存する未硬化状態の樹脂が減少して内側部14Aが薄くなる。一方、支持基体12を回転させる時間が短ければ、それだけ環状凸部16の突出量が小さくなると共に内側部14Aが厚くなる。本実施形態では、内側部14Aが外側部14Bよりも薄くなるように支持基体12を回転させる時間を調節する。
【0068】
次に、閉塞部材20を上昇させ、支持基体12から離間させる。閉塞部材20の周囲には紫外線が照射されておらず、閉塞部材20の周囲の樹脂(内側部14A)は未硬化状態であるので、閉塞部材20を支持基体12から容易に分離することができる。又、内側部14Aは薄い層状であるため、閉塞部材20を支持基体12から分離する際に閉塞部材20の周囲の樹脂が糸引き等を起こすことがない。即ち、樹脂層14の内側部14Aを高精度で形成することができる。
【0069】
次に、第2の硬化工程について説明する。第2の硬化工程は、樹脂層14の内側部14Aを硬化させる工程である。具体的には、遮蔽マスク26を情報記録面12Aの上方から取り除いて、図6に示されるように、内側領域24に紫外線を照射し、内側部14Aを硬化させる。尚、この際、外側領域25にも紫外線を照射してもよい。
【0070】
これにより、樹脂層14の内側部14A、外側部14B及び環状凸部16が一体とされ、光記録媒体10が完成する。
【0071】
このように、支持基体12上に紫外線硬化性樹脂を展延し、照射領域を限定して紫外線を2段階で照射すると共に遠心力を利用することで環状凸部16及び樹脂層14を一体で支持基体12に容易に形成することができ、本実施形態に係る光記録媒体の製造方法は、生産効率が良く、低コストである。又、上記のように閉塞部材20を支持基体12から分離する際に紫外線硬化性樹脂が糸引き等を起こすことがなく、本実施形態に係る光記録媒体の製造方法は樹脂層の成形精度が良い。
【0072】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0073】
前記第1実施形態が支持基体12を回転させた状態で樹脂層14の外側部14Bを硬化させているのに対し、本第2実施形態は、支持基体12の回転を停止させた状態で(又は低速で回転させた状態で)外側部14Bに紫外線を照射して外側部14Bを硬化させることを特徴としている。
【0074】
又、前記第1実施形態が、第1の硬化工程で樹脂層14の外側部14B及び環状凸部16を一体に形成しているのに対し、本第2実施形態は、第1の硬化工程で樹脂層14の外側部14Bのみを形成し、第2の硬化工程で環状凸部16を外側部14Bに一体に形成するようにしたことを特徴としている。
【0075】
その他の工程については、前記第1実施形態と同様であるので説明を適宜省略する。又、製造する光記録媒体の構造も前記第1実施形態の光記録媒体10と同様であるので説明を省略する。
【0076】
まず、本第2実施形態の第1の硬化工程について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に第1の硬化工程の前の展延工程で支持基体12の情報記録面12A上に紫外線硬化性樹脂を展延しておく(図4参照)。
【0077】
本第2実施形態の第1の硬化工程では、図7に示されるように支持基体12の回転を停止させた状態で、外側領域25に限定して紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、樹脂層14の外側部14Bを形成する。尚、前記展延工程における回転数よりも低い回転数で支持基体12を回転させた状態で、外側領域25に限定して紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、樹脂層14の外側部14Bを形成してもよい。
【0078】
支持基体12の回転を停止させる(又は低速で回転させる)ことで、情報記録面12A上の紫外線硬化性樹脂は流動することなく(又は流動が微小に制限されて)形態が安定し、外側部14Bはそれだけ厚さが均一に保持されて硬化する。即ち、外側部14Bを高精度で形成できる。又、次工程において支持基体12を回転させても外側部14Bにおける樹脂の流動は生じないので均一な厚さを維持することができる。
【0079】
次に、第2の硬化工程について説明する。第2の硬化工程は、紫外線硬化性樹脂を厚さ方向に突出させ、樹脂層14の外側部14Bに環状凸部16を一体に形成する工程である。図8に示されるように、回転テーブル18で支持基体12を回転駆動し、外側領域25における内側領域24の外周近傍に限定して紫外線を照射し、内側領域24の外周近傍で内側領域24内の未硬化状態の紫外線硬化性樹脂の流動を制限することにより内側領域24の外周に沿って紫外線硬化性樹脂を厚さ方向に流動・突出させて硬化させる。尚、この際、内側領域24の外周近傍だけでなく、外側領域25の他の部分にも紫外線を照射してもよい。これにより、環状凸部16が樹脂層14の外側部14Bに一体に形成される。尚、環状凸部16は通常、内側領域24の外周の外側に形成されるが、支持基体12の回転速度、紫外線の照射時間、単位時間あたりの照射量、紫外線硬化性樹脂の粘度等の条件により、内側領域24の外周上又は外周よりも径方向の内側に環状凸部16が形成される場合もある。
【0080】
一方、環状凸部16と閉塞部材20との間の樹脂は未硬化状態であるため、遠心力により径方向外側に流動しつつ環状凸部16で流動が制限され、径方向内側に向けて薄くなるような層状に形成される。この環状凸部16と閉塞部材20との間の樹脂が樹脂層14の内側部14Aを構成する。
【0081】
次に、閉塞部材20を上昇させて支持基体12から離間させる。閉塞部材20の周囲の樹脂(内側部14A)は未硬化状態であるので、閉塞部材20を支持基体12から容易に分離することができる。又、内側部14Aは薄い層状であるため、閉塞部材20を支持基体12から分離する際に閉塞部材20の周囲の樹脂が糸引き等を起こすことがない。
【0082】
次に、第3の硬化工程について説明する。第3の硬化工程は、前記第1実施形態の第2の硬化工程と同様であり、遮蔽マスク26を情報記録面12Aの上方から取り除き、図9に示されるように、内側領域24に紫外線を照射することにより樹脂層14の内側部14Aを硬化させる。尚、この際、外側領域25にも紫外線を照射してもよい。
【0083】
これにより、光記録媒体10が完成する。
【0084】
本第2実施形態は、支持基体12上に紫外線硬化性樹脂を展延し、照射領域を限定して紫外線を3段階で照射すると共に遠心力を利用することで樹脂層14及び環状凸部16を一体で支持基体12に容易に形成することができ、前記第1実施形態と同様に生産効率が良く、低コストである。
【0085】
又、前記第1実施形態と同様に、閉塞部材20を支持基体12から分離する際に紫外線硬化性樹脂が糸引き等を起こすことがなく、樹脂層14の内側部14Aの成形精度が良い。
【0086】
更に、支持基体12の回転を停止させた状態(又は低速で回転させた状態)で、外側部14Bを硬化させるので、特に外側部14Bの成形精度が良い。即ち、情報の記録、再生の精度がよい光記録媒体を製造することができる。
【0087】
尚、前記第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂層14は、内側部14Aの厚さが外側部14Bの厚さよりも薄くなるように形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、内側部14Aの厚さと外側部14Bの厚さとを等しくしてもよく、更に、外側部14Bよりも内側部14Aを厚く形成してもよい。
【0088】
この場合も、内側部14Aは薄い層状で剛性が低く、又、径方向に一定の幅を有しているので、環状凸部に外力が作用した場合、内側部14Aを支持基体12から分離させる厚さ方向の力を小さく制限する効果が得られ、内側部14Aが支持基体12から容易に剥離することがない。
【0089】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂層14の内側部14Aは厚さが径方向内側に向けて薄くなる形状とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、支持基体の回転を停止した状態で樹脂層の内側部を硬化させて均一な厚さの内側部としてもよい。
【0090】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、外側領域に限定して情報記録面12Aに紫外線を照射するために、遮蔽マスク26を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遮蔽マスクを使用することなく、例えば、リング状に紫外線を照射可能である紫外線照射手段を用いることで、外側領域に限定して情報記録面12Aに紫外線を照射してもよい。
【0091】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂層14の材質は紫外線硬化性樹脂であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子線等の他の放射線で硬化する性質を有する樹脂の樹脂層とし、電子線等を照射する照射手段で樹脂層、環状凸部を硬化させるようにしてもよい。
【0092】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、展延工程でのみ樹脂を供給しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の硬化工程の後に、内側領域24に樹脂を再供給してもよい。このようにすることで、環状凸部の形成時間を短縮することができ、又、外側部14Bと内側部14Aとの膜厚の差を任意に調節することができる。なお、この場合、再供給する樹脂は、最初に供給した樹脂と異なるものであってもよい。
【0093】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、遠心力で樹脂を径方向外側に流動させると共に、内側領域の外周の近傍で樹脂の径方向外側への流動を制限することにより、樹脂を厚さ方向に流動・突出させて環状凸部を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スピンコート法により内側領域及び外側領域に平坦な樹脂層を形成して硬化させた後に、内側領域の外周に沿って樹脂層上に樹脂をリング状に吐出して環状凸部を形成し、硬化させてもよい。
【0094】
この場合も、環状凸部に外力が作用した場合、内側部を支持基体から分離させる厚さ方向の力が小さく制限され、内側部が支持基体から容易に剥離することがない。
【0095】
又、環状凸部を形成する前に平坦な樹脂層を形成するので、厚さが均一で成形精度のよい樹脂層を容易に形成することができる。
【0096】
尚、この場合、周方向に断続的に樹脂を吐出し、断続的な環状凸部を形成してもよい。環状凸部が断続的であっても樹脂層の傷を防止する効果が得られると共に、断続的な環状凸部とすることで樹脂の量を低減し、コストダウンを図ることができる。更に、この場合、非同心状に樹脂を吐出し、非同心状の環状凸部を形成してもよい。
【0097】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、支持基体12の厚さは一定であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、情報記録面に環状凸部に沿う段差を有する段付形状の支持基体としてもよい。このようにすることで、光記録媒体全体の厚さを、環状凸部よりも径方向外側と環状凸部よりも径方向内側とで任意に調節することが可能となる。例えば、樹脂層の内側部と外側部の厚さとが異なる場合であっても、光記録媒体全体の環状凸部よりも径方向外側における厚さと環状凸部よりも径方向内側における厚さとを等しくすることができる。
【0098】
又、図10に示されるように、樹脂層34の内側部34Aに対応する部分が径方向内側に向けて厚くなるような傾斜部32Aを有する支持基体32としてもよい。このようにすることで、光記録媒体30全体として樹脂層34の内側部34Aに相当する部分の厚さを均一にすることができる。
【0099】
支持基体が平坦な形状で樹脂層の内側部が径方向内側に薄くなる形状である場合、光記録媒体全体としても径方向内側に薄くなる形状となるので、情報記録装置、情報再生装置等のドライブのスピンドル部に光記録媒体を装填する際、厚さの変化を考慮したチャッキングが必要となる場合もある。これに対して上記のように光記録媒体30全体として樹脂層34の内側部34Aに相当する部分の厚さを均一にすることで、情報記録装置等のドライブのスピンドル部に光記録媒体30を常に容易に装填することができる。
【0100】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、中心孔12Cを有する支持基体12に樹脂層14を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、中心孔がない円板形状又は中心孔よりも小径の貫通孔を有する円板形状の支持基体に光透過性を有する樹脂層及び環状凸部を形成した後、支持基体及び樹脂層の中心部を打ち抜いて中心孔を形成してもよい。この場合、閉塞部材を用いることなく、支持基体の情報記録面の中心近傍に放射線硬化性樹脂を供給することができ、樹脂の展延工程、硬化工程の容易化を図ることができる。
【0101】
更に、中心部を打ち抜くことなく、中心孔がない光記録媒体としてもよい。即ち、本発明は、樹脂層が環状凸部の径方向内側まで延在されていることを特徴とするものであり、中心孔がない光記録媒体についても適用可能である。この場合、樹脂層の内側部を必ずしもリング形状とする必要はなく、円板形状の内側部としてもよい。
【0102】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、光記録媒体10は片面のみに情報を記録可能である片面タイプとされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、両面に情報を記録可能である両面タイプの光記録媒体に対しても本発明は当然適用可能である。この場合、支持基体の厚さを1.0mmとし、支持基体の両面に外側部の厚さが0.1mmの光透過層を形成することで、厚さが1.2mmの光記録媒体とすることができる。又、厚さが0.5mmの支持基体に厚さが0.1mmの樹脂層を形成したものを2枚用意し、支持基体側同士を貼り合わせてもよい。更に、複数の記録層が片面又は両面に形成された光記録媒体に対しても本発明は適用可能である。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、傷、剥離が生じにくい樹脂層を光記録媒体に高精度で形成することが可能となるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光記録媒体の構造を示す断面図
【図2】同光記録媒体の樹脂層を形成する製造装置の一部を示す断面図
【図3】同製造装置の使用態様を示す断面図
【図4】本発明の第1実施形態に係る光記録媒体の樹脂層の展延工程示す断面図
【図5】同樹脂層の第1の硬化工程を示す断面図
【図6】同樹脂層の第2の硬化工程を示す断面図
【図7】本発明の第2実施形態に係る光記録媒体の樹脂層の第1の硬化工程を示す断面図
【図8】同樹脂層の第2の硬化工程を示す断面図
【図9】同樹脂層の第3の硬化工程を示す断面図
【図10】本発明の他の実施形態に係る光記録媒体における樹脂層の内側部の周辺の構造を拡大して示す断面図
【図11】従来の光記録媒体の構造を示す断面図
【図12】同光記録媒体の製造工程を示す断面図
【図13】同光記録媒体の樹脂層内側部の剥離を示す断面図
【符号の説明】
10、100…光記録媒体
12、32、102…支持基体
12A、102A…情報記録面
12B…中心軸線
12C、102B…中心孔
14、34、104…樹脂層
14A、34A…内側部
14B…外側部
16、36、106…環状凸部
18…回転テーブル(回転駆動手段)
22…ノズル(放射線樹脂供給手段)
24…内側領域
25…外側領域
26…遮蔽マスク(照射手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、支持基体の情報記録面側に光透過性を有する樹脂層が形成された光記録媒体、光記録媒体の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
情報記録媒体としてCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光記録媒体が急速に普及している。これらの光記録媒体は一般的に外径が120mm、厚さが1.2mmとされているが、DVDは照射光としてCDよりも波長が短いレーザー光を用いると共に、照射光のレンズの開口数をCDよりも大きくすることでCDよりも高密度で大容量の情報を記録・再生できるようにされている。
【0003】
一方、照射光の波長が短く、レンズの開口数が大きいほどディスクの傾き(反り)によりコマ収差が発生して情報の記録・再生精度が低下する傾向があるため、DVDは光透過性を有する樹脂層の厚さをCDの半分の0.6mmとすることで、ディスクの傾き(反り)に対するマージンを確保し、情報の記録・再生精度を維持している。
【0004】
尚、0.6mmの樹脂層のみでは剛性、強度が不充分であるため、DVDは、0.6mmの樹脂基板を2枚、情報記録面を内側にして貼り合わせた構造とされて厚さがCDと等しい1.2mmとされ、CDと同等の剛性、強度が確保されている。
【0005】
又、光記録媒体には一般的に、記録・再生装置等における位置決め等のために中心孔が形成されている。
【0006】
近年、一層高密度で大容量の情報の記録を実現すべく、更に照射光の波長を短かくし、レンズの開口数を大きくしたいという要請がある。この要請に対し、一層薄い樹脂層を有する光記録媒体が求められている。尚、仕様を統一すべく、照射光として波長が405nmの青紫色のレーザー光を用いると共に開口数を0.85とし、これに対応して樹脂層の厚さを0.1mmとする提案がなされている。
【0007】
ところで、光記録媒体を使用するうちに樹脂層に傷がついたり塵芥が付着することがある。例えば、光記録媒体をコンパクトに収納するために光記録媒体を複数重ねることがあるが、樹脂層に他の光記録媒体が接触して傷がつくことがある。これにより、光記録媒体の情報を正確に再生できなくなったり、光記録媒体に情報を正確に記録できなくなることがある。厚さが0.1mm程度の薄い樹脂層の場合、特に傷、塵芥等の影響を受けやすいという問題がある。
【0008】
これに対して、同一出願人による特開2002−63737号公報には、樹脂層の内周縁を環状凸部とすることにより上記問題の解決を図った光記録媒体が開示されている。即ち、樹脂層の内周縁を環状凸部とすれば、複数の光記録媒体を重ねた場合であっても、環状凸部の外側の樹脂層と他の光記録媒体との間に隙間が生じるため樹脂層に当接圧が作用しない。尚、重ねられた光記録媒体が若干傾斜して相互に接触した場合であっても、当接圧が小さく制限される。これにより、樹脂層に傷がつくことを防止することができる。
【0009】
図11は、樹脂層の内周縁が環状凸部とされた光記録媒体の構造を示す断面図である。
【0010】
光記録媒体100は、支持基体102の情報記録面102A側に支持基体102よりも薄い光透過性を有する樹脂層104が形成された構造で片面のみに情報を記録可能である片面タイプである。
【0011】
支持基体102は、直径が120mm、厚さが1.1mmで一般的に量産性に優れた射出成形により成形される。具体的には、ポリカーボネート等の樹脂が一対の型の間に射出されて所定の温度に冷却、保温され、中心孔102Bを有する円板形状に成形される。
【0012】
樹脂層104は、厚さが0.1mmで内周縁に環状凸部106が形成されている。樹脂層104は、スピンコート法により支持基体102の情報記録面102A側に形成される。図12は、スピンコート法による樹脂層104の形成工程を示す断面図である。
【0013】
まず支持基体102を回転テーブル108に装着し、中心孔102Bを閉塞部材110で閉塞する。次に、光透過性を有し、紫外線、電子線等の放射線で硬化する放射線硬化性樹脂を閉塞部材110の中心近傍に供給しつつ回転テーブル108と共に支持基体102を回転させ、供給した樹脂を遠心力で径方向外側に流動させることにより、情報記録面102Aの全面に0.1mmの厚さで展延する。これにより、光記録媒体100は合計の厚さが1.2mmとなる。尚、支持基体の両面に情報を記録可能である両面タイプの場合は、支持基体の厚さを1.0mmとし、支持基体の両面それぞれに0.1mmの樹脂層を形成すればよい。あるいは、厚さが0.5mmの支持基体に厚さが0.1mmの樹脂層を形成したものを2枚用意し、支持基体側同士を貼り合わせてもよい。上記公報には環状凸部の形成方法として主として2つの形成方法が開示されている。
【0014】
環状凸部の第1の形成方法は、樹脂を展延した後、閉塞部材110を上昇させて支持基体102から離間させることにより、閉塞部材110が周囲の樹脂を引きずるようにして厚さ方向に突出させ、環状凸部106を形成する方法である。
【0015】
尚、この場合、環状凸部106を形成後、環状凸部106に紫外線、電子線等を照射し、硬化させる。
【0016】
環状凸部の第2の形成方法は、閉塞部材110を支持基体102に装着した状態で樹脂を遠心力で径方向外側に流動させつつ閉塞部材110の径方向外側の領域に紫外線、電子線等を照射することにより閉塞部材110の外周に沿って樹脂を硬化させ、閉塞部材110の外周近傍の未硬化状態の樹脂の径方向の流動を制限することにより、閉塞部材110の外周に沿って樹脂を厚さ方向に突出させて環状凸部106を形成する方法である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、環状凸部の第1の形成方法は、支持基体102から閉塞部材110を上方に離間させる際に、樹脂が糸引き等を起こして樹脂層104の内周縁の外観が悪くなることがあった。
【0018】
一方、環状凸部の第2の形成方法は、閉塞部材110を支持基体102に装着した状態で閉塞部材110の外周に紫外線等を照射するため、閉塞部材110の周囲の樹脂が硬化して閉塞部材110が支持基体102に固着し、閉塞部材110を支持基体102から容易に分離できないことがあった。更に、この場合、無理に閉塞部材110を支持基体102から分離すると、樹脂層104の内周縁が欠けたり、支持基体102から剥離することがあった。
【0019】
又、環状凸部106は突出しているため情報記録装置、情報再生装置における位置決め等の部品や指等と接触することが多い。このため、樹脂層104の内周縁に外力が作用し、図13に示されるように樹脂層104の内周縁が支持基体102から剥離することがあった。
【0020】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、傷、剥離が生じにくい光透過性を有する樹脂層が高精度で形成された光記録媒体、該光記録媒体の製造方法及び製造装置を提供することをその課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、樹脂層の内周に沿って厚さ方向に突出する環状凸部を樹脂層に形成し、且つ、樹脂層を環状凸部よりも径方向内側まで延在させることで、樹脂層の傷、剥離が生じにくくなり、且つ、樹脂層を高精度で確実に形成できることを見出した。
【0022】
即ち、以下の発明により上記課題を解決することができる。
【0023】
(1)円板形状で少なくとも片面が情報記録面である支持基体と、該支持基体の前記情報記録面側に形成された光透過性を有する樹脂層と、を含んでなる光記録媒体であって、前記支持基体の中心軸線を囲んで厚さ方向に突出する環状凸部が前記樹脂層に形成され、且つ、該環状凸部よりも径方向内側まで前記樹脂層が延在されたことを特徴とする光記録媒体。
【0024】
(2)前記環状凸部が前記樹脂層に一体に形成されたことを特徴とする(1)の光記録媒体。
【0025】
(3)円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に配置し、該情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給すると共に前記支持基体を回転駆動することにより前記放射線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させて前記情報記録面上に展延する展延工程と、前記支持基体を回転させた状態で前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域よりも径方向外側の外側領域に限定して放射線を照射して前記展延させた放射線硬化性樹脂を増粘・硬化させつつ前記内側領域の外周近傍で該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂の径方向の流動を制限することにより前記内側領域の外周に沿って前記放射線硬化性樹脂を厚さ方向に流動・突出させてこれを硬化し、光透過性を有する樹脂層の外側部及び環状凸部を一体に形成する第1の硬化工程と、少なくとも前記内側領域に放射線を照射して該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂を硬化し、前記樹脂層の一部として前記環状凸部よりも径方向内側の内側部を該環状凸部及び前記外側部に一体に形成する第2の硬化工程と、を含んでなることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
【0026】
(4)円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を、前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に配置し、該情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給すると共に前記支持基体を回転させることにより前記放射線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させて前記情報記録面上に展延する展延工程と、前記支持基体の回転を停止した状態及び前記展延工程における回転数よりも低い回転数で回転させた状態のいずれかの状態で前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域よりも径方向外側の外側領域に限定して放射線を照射して前記展延させた放射線硬化性樹脂を硬化させ、光透過性を有する樹脂層の外側部を形成する第1の硬化工程と、前記支持基体を回転させた状態で前記外側領域に限定して、且つ、少なくとも前記内側領域の外周近傍の領域に放射線を照射して該内側領域の外周近傍で該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂の径方向の流動を制限することにより前記内側領域の外周に沿って前記放射線硬化性樹脂を厚さ方向に流動・突出させてこれを硬化させ、前記樹脂層の外側部に環状凸部を一体に形成する第2の硬化工程と、少なくとも前記内側領域に放射線を照射して該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂を硬化し、前記樹脂層の一部として前記環状凸部よりも径方向内側の内側部を該環状凸部及び前記外側部に一体に形成する第3の硬化工程と、を含んでなることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
【0027】
(5)円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を、前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に配置し、該情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を供給して前記支持基体を回転させることにより前記放射線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させて前記情報記録面上に展延する展延工程と、前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域及び該内側領域よりも径方向外側の外側領域に放射線を照射して前記展延した放射線硬化性樹脂を硬化させ、光透過性を有する樹脂層を形成する第1の硬化工程と、前記内側領域の外周に沿って環状に放射線硬化性樹脂を吐出して前記樹脂層上に環状凸部を形成する環状凸部形成工程と、少なくとも前記内側領域の外周に沿って放射線を照射し、前記環状凸部を硬化させる第2の硬化工程と、を含んでなることを特徴とする光記録媒体の製造方法。
【0028】
(6)円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を、前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に支持して回転させる回転手段と、前記支持基体の情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給する放射線硬化性樹脂供給手段と、前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域に放射線を照射可能、且つ、前記内側領域よりも径方向外側の外側領域に限定して前記放射線を照射可能とされた照射手段と、を含んでなることを特徴とする光記録媒体の製造装置。
【0029】
(7)前記樹脂層は前記環状凸部よりも径方向内側の内側部の厚さが前記環状凸部よりも径方向外側の外側部の厚さよりも薄くなるように形成されたことを特徴とする(1)又は(2)の光記録媒体。
【0030】
(8)前記樹脂層は前記環状凸部よりも径方向内側の内側部の厚さが径方向内側に向けて薄くなるように形成されたことを特徴とする(1)、(2)及び(7)のいずれかの光記録媒体。
【0031】
(9)前記環状凸部が前記支持基体と同心状の円環形状とされたことを特徴とする(1)、(2)、(7)及び(8)のいずれかの光記録媒体。
【0032】
(10)前記環状凸部が周方向に断続的に形成されたことを特徴とする(1)、(2)及び(7)〜(10)のいずれかの光記録媒体。
【0033】
(11)前記支持基体は、前記環状凸部に沿う段差を前記情報記録面に有する段付形状とされたことを特徴とする(1)、(2)及び(7)〜(10)のいずれかの光記録媒体。
【0034】
(12)前記内側領域を遮蔽マスクで遮蔽することにより、前記外側領域に限定して前記放射線を照射することを特徴とする(3)又は(4)の光記録媒体の製造方法。
【0035】
(13)前記第1の硬化工程の後に、前記内側領域に前記放射線硬化性樹脂を再供給することを特徴とする(3)、(4)及び(12)のいずれかの光記録媒体の製造方法。
【0036】
尚、「放射線」という用語は一般的には放射性元素の崩壊に伴って放出される、γ線、X線、α線等の電磁波、粒子線を意味するが本明細書においては、「放射線」という用語は、例えば紫外線、電子線等、流動状態の特定の樹脂を硬化させる性質を有する電磁波、粒子線の総称という意義で用いることとする。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
図1は、本実施形態に係る光記録媒体10の断面図である。
【0039】
光記録媒体10は、円板形状で片面が情報記録面12Aである支持基体12と、支持基体12の情報記録面12Aに形成された光透過性を有する樹脂層14と、を含んでなり、支持基体12の中心軸線12Bを囲んで厚さ方向に突出する環状凸部16が樹脂層14に形成され、且つ、環状凸部16よりも径方向内側まで樹脂層14が延在されたことを特徴としている。
【0040】
その他の構成については、前記従来の光記録媒体100と同様であるので説明を適宜省略する。
【0041】
支持基体12は、中心孔12Cを有し、情報記録面12Aには所定の微細な凹凸等(図示省略)が形成されている。尚、支持基体12は材質がポリカーボネート、アクリル、エポキシ等の樹脂で、直径が120mm、厚さが1.1mmとされている。
【0042】
情報記録面12Aには所定の機能層が形成されている。尚、機能層は樹脂層14よりも更に薄い層であると共に本発明の把握のために特に必要とは思われないため機能層の図示は省略する。光記録媒体10が再生専用タイプの場合、情報記録面12Aに機能層として反射層が形成される。一方、光記録媒体10が情報を記録・再生可能なタイプである場合、情報記録面12Aに機能層として反射層、記録層がこの順で形成される。反射層はAl、Ag、Au等からなり、スパッタリング法、蒸着法等により形成される。記録層は相変化材料、色素材料、光磁気材料等からなり、スパッタリング法、スピンコート法、リッピング法、蒸着法等により形成される。
【0043】
樹脂層14は、環状凸部16よりも径方向内側の内側部14Aと環状凸部16よりも径方向外側の外側部14Bとを有し、内側部14Aは情報記録面12Aの情報記録エリア(図示省略)よりも径方向内側に形成され、外側部14Bは情報記録エリアを含む領域に形成されている。外側部14Bは情報の記録、再生のための照射光が照射される部分であり、厚さが0.1mmとされている。
【0044】
尚、内側部14A、環状凸部16は外側部14Bと同じ光透過性を有する樹脂で形成されているが、内側部14A、環状凸部16には情報の記録、再生のための照射光は照射されない。
【0045】
樹脂層14は、内側部14Aの厚さが外側部14Bの厚さよりも薄く形成されている。又、内側部14Aは、厚さが径方向内側に向けて薄くなるように形成されている。
【0046】
環状凸部16は、支持基体12とほぼ同心状の円環形状で樹脂層14に一体に形成されている。又、環状凸部16は、情報記録面12Aの情報記録エリア(図示省略)よりも径方向内側に形成されている。環状凸部16は、具体的には突出量が、0.03〜0.3mm程度、径方向の幅が0.3〜3mm程度であるように形成されている。
【0047】
このように、樹脂層14に環状凸部16が形成されているので、光記録媒体10を複数重ねて保管したり、光記録媒体10を台上等に載置した場合に樹脂層14の外側部14Bと他の光記録媒体等との間に隙間が生じ、外側部14Bに当接圧が作用しない。尚、光記録媒体10が傾斜して外側部14Bに他の光記録媒体等が接触した場合であっても、当接圧が小さく制限され、外側部14Bに傷がつくことを防止することができる。即ち、光記録媒体10は情報の記録、再生に対する信頼性が高い。
【0048】
又、環状凸部16に指等が触れて環状凸部16に外力が作用すると、樹脂層14の内側部14Aには支持基体12から分離させる力が作用しうるが、内側部14Aは薄い層状で曲げ剛性が低いので、環状凸部16の変形を吸収しやすく、支持基体12から分離させる力は主として面方向に作用し、厚さ方向の力は小さく制限される。
【0049】
特に、内側部14Aは厚さが外側部14Bよりも薄く、更に、径方向内側に向けて薄くなるように形成されているので、それだけ環状凸部16の変形を吸収しやすく、内側部14Aを支持基体12から分離させる厚さ方向の力は小さく制限される。
【0050】
更に、内側部14Aは径方向に一定の幅を有しているので、支持基体12から分離させる力は径方向に分散され、単位面積当りの力はそれだけ小さく制限される。従って、内側部14Aは支持基体12から容易に剥離することがない。
【0051】
又、内側部14Aは厚さが外側部14Bよりも薄く、更に、径方向内側に向けて薄くなるように形成されているので、指等が内側部14Aの内周縁に直接触れにくく、この点でも内側部14Aは支持基体12から剥離しにくい。
【0052】
即ち、環状凸部が樹脂層の内周縁を構成している場合には、環状凸部に外力が作用すると支持基体から分離させる厚さ方向の力が樹脂層の内周縁に集中して作用するため、樹脂層が内周縁から剥離しやすいが、環状凸部16よりも径方向内側に内側部14Aを形成することにより、内側部14Aを支持基体12から分離させる厚さ方向の力は小さく制限され、樹脂層14が内側部14Aにおいて支持基体12から容易に剥離することがない。
【0053】
一方、樹脂層14の外側部14Bも薄い層状であり、又、環状凸部16から内側部14Aよりも径方向に長く延在され、内側部14Aよりも広い面積で支持基体12に固着しているので内側部14Aよりも更に支持基体12から剥離しにくい。
【0054】
即ち、樹脂層14は内側部14A、外側部14Bいずれの部位においても支持基体12から容易に剥離することがなく、耐久性に対する信頼性が高い。
【0055】
又、環状凸部16は樹脂層14に一体に形成されているので環状凸部16と樹脂層14との破断も生じにくい。
【0056】
次に、光記録媒体10の製造方法について説明する。
【0057】
尚、光記録媒体10の製造方法は、樹脂層14及び環状凸部16の形成工程に特徴を有しており、他の工程については前記従来の光記録媒体100の製造方法と同様であるので、説明を適宜省略する。
【0058】
まず、樹脂層14を支持基体12上に展延する展延工程について説明する。
【0059】
図2は、支持基体12を水平に保持して回転駆動する回転テーブル(回転駆動手段)18及び支持基体12の中心孔12Cを情報記録面12A側で閉塞する閉塞部材20の構造を示す断面図である。
【0060】
回転テーブル18は、ほぼ水平に配置された円板形状の本体18Aの上面に、環状突起18Bが同心状に設けられており、環状突起18Bの外周において支持基体12の中心孔12Cに嵌合することにより、支持基体12を水平、且つ、同心状に保持可能とされている。尚、本体18Aの下面側には回転軸18Cが設けられている。
【0061】
閉塞部材20は、上面が径方向外側に下り傾斜し、外径が支持基体12の中心孔12Cよりも若干大きい閉塞部20Aの下面側に、下方に突出する円形突起20Bが同心状に設けられており、該円形突起20Bの外周において回転テーブル18の環状突起18Bの内周に嵌合しつつ閉塞部20Aで支持基体12の中心孔12Cを閉塞可能とされている。尚、閉塞部20Aの外径は、形成しようとする環状凸部16の内径よりも小さい。更に、閉塞部20Aの上面側には、上下方向の棒状の支持部20Cが設けられ、該支持部20Cを介して上下方向に駆動されて回転テーブル18に嵌脱自在とされている。
【0062】
まず、図3に示されるように、支持基体12を、情報記録面12Aが上向きになるように回転テーブル18に装着し、閉塞部材20を下降させて円形突起20Bを回転テーブル18の環状突起18Bに嵌合させつつ閉塞部20Aで支持基体12の中心孔12Cを閉塞する。
【0063】
次に、図4に示されるように、ノズル(放射線硬化性樹脂供給手段)22を、閉塞部材20の支持部20Cに接近させ、光透過性を有する紫外線硬化性樹脂を流動状態で閉塞部材20の上に所定量供給すると共に回転テーブル18で支持基体12を回転させることにより紫外線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させ、情報記録面12A上に展延する。この際、回転中心近傍の樹脂には遠心力がほとんど作用しないため、閉塞部材20の中心部が樹脂溜りのような役割を果たし、情報記録面12A上における樹脂の流動量を緩衝して安定させる。これにより、樹脂が情報記録面12A全体に約0.1mmの均一な厚さで展延される。
【0064】
次に、第1の硬化工程について説明する。第1の硬化工程は、樹脂層14の外側部14Bを硬化させると共に紫外線硬化性樹脂を環状に突出させて環状凸部16を形成する工程である。具体的には支持基体12を回転させ、図示しない照射器により、情報記録面12A上の同心円形の所定の内側領域24よりも径方向外側の外側領域25に限定して紫外線を照射して展延させた紫外線硬化性樹脂を増粘・硬化させる。尚、内側領域24はその外径が、形成しようとする環状凸部16の内径と等しくなるように設定する。外側領域25に限定して紫外線を照射するために、図5に示されるように、外径が内側領域24の外径と等しい遮蔽マスク26を情報記録面12Aの上方に同心状に配置し、内側領域24を遮蔽する。
【0065】
これにより、樹脂層14の外側部14Bが硬化すると共に、内側領域24の外周近傍で内側領域24内の未硬化状態の紫外線硬化性樹脂は径方向の流動が制限されて厚さ方向に流動・突出すると共に硬化し、内側領域24の外周に沿って環状凸部16が形成される。尚、環状凸部16は通常、内側領域24の外周の外側に形成されるが、支持基体12の回転速度、紫外線の照射時間、単位時間あたりの照射量、紫外線硬化性樹脂の粘度等の形成条件により、内側領域24の外周上又は外周よりも径方向の内側に環状凸部16が形成される場合もある。所望の位置に環状凸部を形成するためには、形成条件、内側領域の設定を適宜調整すればよい。
【0066】
一方、環状凸部16と閉塞部材20との間の紫外線硬化性樹脂は未硬化状態であるため、遠心力により径方向外側に流動しつつ環状凸部16で流動が制限され、径方向内側に向けて薄くなるような層状に形成される。この環状凸部16と閉塞部材20との間の紫外線硬化性樹脂が樹脂層14の内側部14Aを構成する。
【0067】
尚、支持基体12を回転させる時間を調節することで、環状凸部16の突出量及び内側部14Aの厚さを調節することができる。即ち、支持基体12を回転させる時間が長ければ、それだけ未硬化状態の樹脂が環状凸部16に加わり環状凸部16の突出量が大きくなると共に内側部14Aとして残存する未硬化状態の樹脂が減少して内側部14Aが薄くなる。一方、支持基体12を回転させる時間が短ければ、それだけ環状凸部16の突出量が小さくなると共に内側部14Aが厚くなる。本実施形態では、内側部14Aが外側部14Bよりも薄くなるように支持基体12を回転させる時間を調節する。
【0068】
次に、閉塞部材20を上昇させ、支持基体12から離間させる。閉塞部材20の周囲には紫外線が照射されておらず、閉塞部材20の周囲の樹脂(内側部14A)は未硬化状態であるので、閉塞部材20を支持基体12から容易に分離することができる。又、内側部14Aは薄い層状であるため、閉塞部材20を支持基体12から分離する際に閉塞部材20の周囲の樹脂が糸引き等を起こすことがない。即ち、樹脂層14の内側部14Aを高精度で形成することができる。
【0069】
次に、第2の硬化工程について説明する。第2の硬化工程は、樹脂層14の内側部14Aを硬化させる工程である。具体的には、遮蔽マスク26を情報記録面12Aの上方から取り除いて、図6に示されるように、内側領域24に紫外線を照射し、内側部14Aを硬化させる。尚、この際、外側領域25にも紫外線を照射してもよい。
【0070】
これにより、樹脂層14の内側部14A、外側部14B及び環状凸部16が一体とされ、光記録媒体10が完成する。
【0071】
このように、支持基体12上に紫外線硬化性樹脂を展延し、照射領域を限定して紫外線を2段階で照射すると共に遠心力を利用することで環状凸部16及び樹脂層14を一体で支持基体12に容易に形成することができ、本実施形態に係る光記録媒体の製造方法は、生産効率が良く、低コストである。又、上記のように閉塞部材20を支持基体12から分離する際に紫外線硬化性樹脂が糸引き等を起こすことがなく、本実施形態に係る光記録媒体の製造方法は樹脂層の成形精度が良い。
【0072】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0073】
前記第1実施形態が支持基体12を回転させた状態で樹脂層14の外側部14Bを硬化させているのに対し、本第2実施形態は、支持基体12の回転を停止させた状態で(又は低速で回転させた状態で)外側部14Bに紫外線を照射して外側部14Bを硬化させることを特徴としている。
【0074】
又、前記第1実施形態が、第1の硬化工程で樹脂層14の外側部14B及び環状凸部16を一体に形成しているのに対し、本第2実施形態は、第1の硬化工程で樹脂層14の外側部14Bのみを形成し、第2の硬化工程で環状凸部16を外側部14Bに一体に形成するようにしたことを特徴としている。
【0075】
その他の工程については、前記第1実施形態と同様であるので説明を適宜省略する。又、製造する光記録媒体の構造も前記第1実施形態の光記録媒体10と同様であるので説明を省略する。
【0076】
まず、本第2実施形態の第1の硬化工程について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に第1の硬化工程の前の展延工程で支持基体12の情報記録面12A上に紫外線硬化性樹脂を展延しておく(図4参照)。
【0077】
本第2実施形態の第1の硬化工程では、図7に示されるように支持基体12の回転を停止させた状態で、外側領域25に限定して紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、樹脂層14の外側部14Bを形成する。尚、前記展延工程における回転数よりも低い回転数で支持基体12を回転させた状態で、外側領域25に限定して紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化させ、樹脂層14の外側部14Bを形成してもよい。
【0078】
支持基体12の回転を停止させる(又は低速で回転させる)ことで、情報記録面12A上の紫外線硬化性樹脂は流動することなく(又は流動が微小に制限されて)形態が安定し、外側部14Bはそれだけ厚さが均一に保持されて硬化する。即ち、外側部14Bを高精度で形成できる。又、次工程において支持基体12を回転させても外側部14Bにおける樹脂の流動は生じないので均一な厚さを維持することができる。
【0079】
次に、第2の硬化工程について説明する。第2の硬化工程は、紫外線硬化性樹脂を厚さ方向に突出させ、樹脂層14の外側部14Bに環状凸部16を一体に形成する工程である。図8に示されるように、回転テーブル18で支持基体12を回転駆動し、外側領域25における内側領域24の外周近傍に限定して紫外線を照射し、内側領域24の外周近傍で内側領域24内の未硬化状態の紫外線硬化性樹脂の流動を制限することにより内側領域24の外周に沿って紫外線硬化性樹脂を厚さ方向に流動・突出させて硬化させる。尚、この際、内側領域24の外周近傍だけでなく、外側領域25の他の部分にも紫外線を照射してもよい。これにより、環状凸部16が樹脂層14の外側部14Bに一体に形成される。尚、環状凸部16は通常、内側領域24の外周の外側に形成されるが、支持基体12の回転速度、紫外線の照射時間、単位時間あたりの照射量、紫外線硬化性樹脂の粘度等の条件により、内側領域24の外周上又は外周よりも径方向の内側に環状凸部16が形成される場合もある。
【0080】
一方、環状凸部16と閉塞部材20との間の樹脂は未硬化状態であるため、遠心力により径方向外側に流動しつつ環状凸部16で流動が制限され、径方向内側に向けて薄くなるような層状に形成される。この環状凸部16と閉塞部材20との間の樹脂が樹脂層14の内側部14Aを構成する。
【0081】
次に、閉塞部材20を上昇させて支持基体12から離間させる。閉塞部材20の周囲の樹脂(内側部14A)は未硬化状態であるので、閉塞部材20を支持基体12から容易に分離することができる。又、内側部14Aは薄い層状であるため、閉塞部材20を支持基体12から分離する際に閉塞部材20の周囲の樹脂が糸引き等を起こすことがない。
【0082】
次に、第3の硬化工程について説明する。第3の硬化工程は、前記第1実施形態の第2の硬化工程と同様であり、遮蔽マスク26を情報記録面12Aの上方から取り除き、図9に示されるように、内側領域24に紫外線を照射することにより樹脂層14の内側部14Aを硬化させる。尚、この際、外側領域25にも紫外線を照射してもよい。
【0083】
これにより、光記録媒体10が完成する。
【0084】
本第2実施形態は、支持基体12上に紫外線硬化性樹脂を展延し、照射領域を限定して紫外線を3段階で照射すると共に遠心力を利用することで樹脂層14及び環状凸部16を一体で支持基体12に容易に形成することができ、前記第1実施形態と同様に生産効率が良く、低コストである。
【0085】
又、前記第1実施形態と同様に、閉塞部材20を支持基体12から分離する際に紫外線硬化性樹脂が糸引き等を起こすことがなく、樹脂層14の内側部14Aの成形精度が良い。
【0086】
更に、支持基体12の回転を停止させた状態(又は低速で回転させた状態)で、外側部14Bを硬化させるので、特に外側部14Bの成形精度が良い。即ち、情報の記録、再生の精度がよい光記録媒体を製造することができる。
【0087】
尚、前記第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂層14は、内側部14Aの厚さが外側部14Bの厚さよりも薄くなるように形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、内側部14Aの厚さと外側部14Bの厚さとを等しくしてもよく、更に、外側部14Bよりも内側部14Aを厚く形成してもよい。
【0088】
この場合も、内側部14Aは薄い層状で剛性が低く、又、径方向に一定の幅を有しているので、環状凸部に外力が作用した場合、内側部14Aを支持基体12から分離させる厚さ方向の力を小さく制限する効果が得られ、内側部14Aが支持基体12から容易に剥離することがない。
【0089】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂層14の内側部14Aは厚さが径方向内側に向けて薄くなる形状とされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、支持基体の回転を停止した状態で樹脂層の内側部を硬化させて均一な厚さの内側部としてもよい。
【0090】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、外側領域に限定して情報記録面12Aに紫外線を照射するために、遮蔽マスク26を使用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遮蔽マスクを使用することなく、例えば、リング状に紫外線を照射可能である紫外線照射手段を用いることで、外側領域に限定して情報記録面12Aに紫外線を照射してもよい。
【0091】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂層14の材質は紫外線硬化性樹脂であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子線等の他の放射線で硬化する性質を有する樹脂の樹脂層とし、電子線等を照射する照射手段で樹脂層、環状凸部を硬化させるようにしてもよい。
【0092】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、展延工程でのみ樹脂を供給しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の硬化工程の後に、内側領域24に樹脂を再供給してもよい。このようにすることで、環状凸部の形成時間を短縮することができ、又、外側部14Bと内側部14Aとの膜厚の差を任意に調節することができる。なお、この場合、再供給する樹脂は、最初に供給した樹脂と異なるものであってもよい。
【0093】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、遠心力で樹脂を径方向外側に流動させると共に、内側領域の外周の近傍で樹脂の径方向外側への流動を制限することにより、樹脂を厚さ方向に流動・突出させて環状凸部を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、スピンコート法により内側領域及び外側領域に平坦な樹脂層を形成して硬化させた後に、内側領域の外周に沿って樹脂層上に樹脂をリング状に吐出して環状凸部を形成し、硬化させてもよい。
【0094】
この場合も、環状凸部に外力が作用した場合、内側部を支持基体から分離させる厚さ方向の力が小さく制限され、内側部が支持基体から容易に剥離することがない。
【0095】
又、環状凸部を形成する前に平坦な樹脂層を形成するので、厚さが均一で成形精度のよい樹脂層を容易に形成することができる。
【0096】
尚、この場合、周方向に断続的に樹脂を吐出し、断続的な環状凸部を形成してもよい。環状凸部が断続的であっても樹脂層の傷を防止する効果が得られると共に、断続的な環状凸部とすることで樹脂の量を低減し、コストダウンを図ることができる。更に、この場合、非同心状に樹脂を吐出し、非同心状の環状凸部を形成してもよい。
【0097】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、支持基体12の厚さは一定であるが、本発明はこれに限定されるものではなく、情報記録面に環状凸部に沿う段差を有する段付形状の支持基体としてもよい。このようにすることで、光記録媒体全体の厚さを、環状凸部よりも径方向外側と環状凸部よりも径方向内側とで任意に調節することが可能となる。例えば、樹脂層の内側部と外側部の厚さとが異なる場合であっても、光記録媒体全体の環状凸部よりも径方向外側における厚さと環状凸部よりも径方向内側における厚さとを等しくすることができる。
【0098】
又、図10に示されるように、樹脂層34の内側部34Aに対応する部分が径方向内側に向けて厚くなるような傾斜部32Aを有する支持基体32としてもよい。このようにすることで、光記録媒体30全体として樹脂層34の内側部34Aに相当する部分の厚さを均一にすることができる。
【0099】
支持基体が平坦な形状で樹脂層の内側部が径方向内側に薄くなる形状である場合、光記録媒体全体としても径方向内側に薄くなる形状となるので、情報記録装置、情報再生装置等のドライブのスピンドル部に光記録媒体を装填する際、厚さの変化を考慮したチャッキングが必要となる場合もある。これに対して上記のように光記録媒体30全体として樹脂層34の内側部34Aに相当する部分の厚さを均一にすることで、情報記録装置等のドライブのスピンドル部に光記録媒体30を常に容易に装填することができる。
【0100】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、中心孔12Cを有する支持基体12に樹脂層14を形成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、中心孔がない円板形状又は中心孔よりも小径の貫通孔を有する円板形状の支持基体に光透過性を有する樹脂層及び環状凸部を形成した後、支持基体及び樹脂層の中心部を打ち抜いて中心孔を形成してもよい。この場合、閉塞部材を用いることなく、支持基体の情報記録面の中心近傍に放射線硬化性樹脂を供給することができ、樹脂の展延工程、硬化工程の容易化を図ることができる。
【0101】
更に、中心部を打ち抜くことなく、中心孔がない光記録媒体としてもよい。即ち、本発明は、樹脂層が環状凸部の径方向内側まで延在されていることを特徴とするものであり、中心孔がない光記録媒体についても適用可能である。この場合、樹脂層の内側部を必ずしもリング形状とする必要はなく、円板形状の内側部としてもよい。
【0102】
又、前記第1実施形態及び第2実施形態において、光記録媒体10は片面のみに情報を記録可能である片面タイプとされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、両面に情報を記録可能である両面タイプの光記録媒体に対しても本発明は当然適用可能である。この場合、支持基体の厚さを1.0mmとし、支持基体の両面に外側部の厚さが0.1mmの光透過層を形成することで、厚さが1.2mmの光記録媒体とすることができる。又、厚さが0.5mmの支持基体に厚さが0.1mmの樹脂層を形成したものを2枚用意し、支持基体側同士を貼り合わせてもよい。更に、複数の記録層が片面又は両面に形成された光記録媒体に対しても本発明は適用可能である。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、傷、剥離が生じにくい樹脂層を光記録媒体に高精度で形成することが可能となるという優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光記録媒体の構造を示す断面図
【図2】同光記録媒体の樹脂層を形成する製造装置の一部を示す断面図
【図3】同製造装置の使用態様を示す断面図
【図4】本発明の第1実施形態に係る光記録媒体の樹脂層の展延工程示す断面図
【図5】同樹脂層の第1の硬化工程を示す断面図
【図6】同樹脂層の第2の硬化工程を示す断面図
【図7】本発明の第2実施形態に係る光記録媒体の樹脂層の第1の硬化工程を示す断面図
【図8】同樹脂層の第2の硬化工程を示す断面図
【図9】同樹脂層の第3の硬化工程を示す断面図
【図10】本発明の他の実施形態に係る光記録媒体における樹脂層の内側部の周辺の構造を拡大して示す断面図
【図11】従来の光記録媒体の構造を示す断面図
【図12】同光記録媒体の製造工程を示す断面図
【図13】同光記録媒体の樹脂層内側部の剥離を示す断面図
【符号の説明】
10、100…光記録媒体
12、32、102…支持基体
12A、102A…情報記録面
12B…中心軸線
12C、102B…中心孔
14、34、104…樹脂層
14A、34A…内側部
14B…外側部
16、36、106…環状凸部
18…回転テーブル(回転駆動手段)
22…ノズル(放射線樹脂供給手段)
24…内側領域
25…外側領域
26…遮蔽マスク(照射手段)
Claims (6)
- 円板形状で少なくとも片面が情報記録面である支持基体と、該支持基体の前記情報記録面側に形成された光透過性を有する樹脂層と、を含んでなる光記録媒体であって、
前記支持基体の中心軸線を囲んで厚さ方向に突出する環状凸部が前記樹脂層に形成され、且つ、該環状凸部よりも径方向内側まで前記樹脂層が延在された
ことを特徴とする光記録媒体。 - 請求項1において、
前記環状凸部が前記樹脂層に一体に形成された
ことを特徴とする光記録媒体。 - 円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に配置し、該情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給すると共に前記支持基体を回転駆動することにより前記放射線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させて前記情報記録面上に展延する展延工程と、
前記支持基体を回転させた状態で前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域よりも径方向外側の外側領域に限定して放射線を照射して前記展延させた放射線硬化性樹脂を増粘・硬化させつつ前記内側領域の外周近傍で該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂の径方向の流動を制限することにより前記内側領域の外周に沿って前記放射線硬化性樹脂を厚さ方向に流動・突出させてこれを硬化し、光透過性を有する樹脂層の外側部及び環状凸部を一体に形成する第1の硬化工程と、
少なくとも前記内側領域に放射線を照射して該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂を硬化し、前記樹脂層の一部として前記環状凸部よりも径方向内側の内側部を該環状凸部及び前記外側部に一体に形成する第2の硬化工程と、を含んでなる
ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を、前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に配置し、該情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給すると共に前記支持基体を回転させることにより前記放射線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させて前記情報記録面上に展延する展延工程と、
前記支持基体の回転を停止させた状態及び前記展延工程における回転数よりも低い回転数で回転させた状態のいずれかの状態で前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域よりも径方向外側の外側領域に限定して放射線を照射して前記展延させた放射線硬化性樹脂を硬化させ、光透過性を有する樹脂層の外側部を形成する第1の硬化工程と、
前記支持基体を回転させた状態で前記外側領域に限定して、且つ、少なくとも前記内側領域の外周近傍の領域に放射線を照射して該内側領域の外周近傍で該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂の径方向の流動を制限することにより前記内側領域の外周に沿って前記放射線硬化性樹脂を厚さ方向に流動・突出させてこれを硬化させ、前記樹脂層の外側部に環状凸部を一体に形成する第2の硬化工程と、
少なくとも前記内側領域に放射線を照射して該内側領域内の未硬化状態の前記放射線硬化性樹脂を硬化し、前記樹脂層の一部として前記環状凸部よりも径方向内側の内側部を該環状凸部及び前記外側部に一体に形成する第3の硬化工程と、を含んでなる
ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を、前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に配置し、該情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給して前記支持基体を回転させることにより前記放射線硬化性樹脂を遠心力で径方向外側に流動させて前記情報記録面上に展延する展延工程と、
前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域及び該内側領域よりも径方向外側の外側領域に放射線を照射して前記展延した放射線硬化性樹脂を硬化させ、光透過性を有する樹脂層を形成する第1の硬化工程と、
前記内側領域の外周に沿って環状に放射線硬化性樹脂を吐出して前記樹脂層上に環状凸部を形成する環状凸部形成工程と、
少なくとも前記内側領域の外周に沿って放射線を照射し、前記環状凸部を硬化させる第2の硬化工程と、を含んでなる
ことを特徴とする光記録媒体の製造方法。 - 円板形状で少なくとも片面が情報記録面とされた支持基体を、前記情報記録面が上向きになるようにほぼ水平に支持して回転させる回転手段と、前記支持基体の情報記録面の中心近傍に光透過性を有する放射線硬化性樹脂を流動状態で供給する放射線硬化性樹脂供給手段と、前記情報記録面上の所定の同心円形の内側領域に放射線を照射可能、且つ、前記内側領域よりも径方向外側の外側領域に限定して前記放射線を照射可能とされた照射手段と、を含んでなる
ことを特徴とする光記録媒体の製造装置。
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