JP2009199639A - 光情報記録媒体の製造方法及び製造装置並びに光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料ロスを低減でき、再生及び/又は記録時の光学特性の優れた、均一な膜厚の層を有する光情報記録媒体の製造方法及び製造装置並びに光情報記録媒体を提供することを目的とする。
【解決手段】基板上に情報層とカバー層とが積層された1層の光情報記録媒体の製造方法であって、前記カバー層は、前記基板の上方に設けられた吐出口からスプレー方式により液状材料を吐出して塗布する塗布工程により形成されることを特徴とする。
【選択図】図23

Description

本発明は、スプレー方式により基板上に層を形成する工程を有する光情報記録媒体の製造方法及び製造装置並びに光情報記録媒体に関する。
近年、基板の情報層が形成された側から光を照射することにより、情報信号の再生及び/又は記録を行うようにした高密度の光情報記録媒体が提案されている。図1は、基板の情報層が形成された側から光を照射することにより情報信号の再生及び/又は記録を行うようにした2層構造の光情報記録媒体の構成を例示する断面図である。図1において、10は光情報記録媒体、11は基板、12は反射層及び/又は記録層、13は中間層、14は第2反射層及び/又は第2記録層、15はカバー層、16はレーザ光、17は対物レンズを示している。
図1に示す光情報記録媒体10において、基板11は、厚さが約1.1mmで、例えば、ポリカーボネート等を射出成形することにより作製され、一方の面に公知のピット及び/又は案内溝が設けられた構造を有する。反射層及び/又は記録層12、中間層13、第2反射層及び/又は第2記録層14、カバー層15は、基板11のピット及び/又は案内溝上に順次積層されている。
反射層及び/又は記録層12と第2反射層及び/又は第2記録層14とはアルミ合金等からなる情報層である。第2反射層及び/又は第2記録層14は、レーザ光16から見て奥側の反射層及び/又は記録層12への再生及び/又は記録を可能とするために、光を半透過するような層構成となっている。反射層及び/又は記録層12の厚さは、例えば、20nmであり、第2反射層及び/又は第2記録層14の厚さは、例えば、8nmである。
中間層13は、反射層及び/又は記録層12と第2反射層及び/又は第2記録層14とを分離する層であり、中間層13の表面には、紫外線硬化樹脂等を用いた2P転写法等により、基板と同様にピット及び/又は案内溝が形成され、その厚さは、例えば、25μmである。
カバー層15は、光透過性の紫外線硬化樹脂等から形成され、その厚さは、例えば、75μmである。光源(図示せず)から出射されたレーザ光16は、対物レンズ17により集光され、カバー層15を通して、反射層及び/又は記録層12、又は、第2反射層及び/又は第2記録層14に照射される。以下、反射層及び/又は記録層を、必要に応じて情報層と呼ぶ。
図2は、光情報記録媒体を構成する基板の外観を例示する模式図である。同図中、図1と同一部品については、同一符号を付し、その説明は省略する。11aはセンターホール、11bはクランプ部を示している。図1に示すような光情報記録媒体10を構成する基板11は、一般的に、図2に示すような、中心に貫通穴であるセンターホール11aを有する円形形状からなり、センターホール11a周辺部の所定の領域には、基板11が光情報記録媒体10として完成され、情報記録再生装置(図示せず)に装着される際にクランプされるクランプ部11bを有する。
図1に示すような、高密度の光情報記録媒体では、基板11上に均一な膜厚のカバー層15を形成することが必要である。そこで、スピンコート法により、紫外線硬化樹脂(レジン)を基板11上に均一に塗布し、硬化させることで、均一な膜厚を有するカバー層15を基板11上に形成する方法が提案されている。
以下、図3から図15を参照しながら、2層構造の光情報記録媒体10におけるスピンコート法による中間層13及びカバー層15の形成方法について説明する。図3は、スピンコート法により基板上に層形成する際に用いられるセンターキャップ25を例示する図である。図3(a)は断面図、図3(b)は正面図、図3(c)は底面図である。図3に示すセンターキャップ25は、基板11のセンターホール11aに嵌合される嵌合部25cと、嵌合部25cと同心的に設けられ、嵌合部25cが基板11のセンターホール11aに嵌合された際に、基板11と平行となり、かつ、嵌合部25cよりも径が大きい円環形状の平面からなる端面25eを有する傘状部25bと、傘状部25bの上部に傘状部25bと同心的に設けられた円柱状の突起部25aとを有する。
又、基板11と当接する部分である端面25eは全面が平坦な円環形状の平面部になっている。なお、センターキャップ25の端面25eが基板11と当接する場合に、ごくわずかの隙間を生ずるが、そのような場合も含めて当接と表現する。
図4から図15は、2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図である。図4から図15において、図1乃至図3と同一部品については、同一符号を付し、その説明は省略する。始めに、図4に示すように、アルミ合金等を反射層及び/又は記録層12としてスパッタした基板11のセンターホール11aを基板位置決め部22に嵌め合わせるようにして、回転可能な載置台である回転テーブル21上に載置する。そして、図3に示すセンターキャップ25の嵌合部25cを基板11のセンターホール11aに嵌め合わせる。
次いで、図5に示すように、基板11の中心部に、紫外線硬化樹脂33を塗布した後、回転テーブル21を回転させる。これにより、図6に示すように、基板11上に均一膜厚の紫外線硬化樹脂33からなる中間層13が形成される。次いで、図7に示すように、センターキャップ25を上方向に移動する。そして、図8に示すように、中間層13に、下面34bに所定のピット及び/又は案内溝が形成されている透明なスタンパ34を載せ、図9に示すように、所定のピット及び/又は案内溝を転写しながら、スタンパ34の上面34aの上方から紫外線35を照射させて、図10に示すように、スタンパ34を上方向に移動することにより、所定のピット及び/又は案内溝のある中間層13が形成される。
更に、中間層13上にアルミ合金等をスパッタして第2反射層及び/又は第2記録層14を形成した後、図11に示すように、再度、基板11のセンターホール11aを基板位置決め部22に嵌め合わせるようにして、回転テーブル21上に載置し、センターキャップ25の嵌合部25cを基板11のセンターホール11aに嵌め合わせる。
次いで、図12に示すように、基板11の中心部に、紫外線硬化樹脂33を塗布した後、回転テーブル21を回転させることにより、図13に示すように、基板11上に均一膜厚の紫外線硬化樹脂33からなるカバー層15が形成される。次いで、図14に示すように、センターキャップ25を上方向に移動し取り外す。次いで、図15に示すように、紫外線硬化樹脂33の上方から紫外線35を照射させて、紫外線硬化樹脂33を硬化させることで、紫外線硬化樹脂33からなるカバー層15が形成され、2層構造の光情報記録媒体10が完成する(例えば、特許文献1、2参照)。
又、従来の光情報記録媒体の製造方法の他の例として、ベルトコンベア上に載せた光情報記録媒体を構成する複数の基板上に、紫外線硬化樹脂をスプレーによって同時に吹き付け、複数の基板上に同時に保護膜を形成する方法が提案されている。ここでいう保護膜とは、オーバーコートもしくはハードコートであり、光情報記録媒体の製造工程の簡略化や紫外線硬化樹脂の節約を目的として、スプレーを用いてオーバーコートもしくはハードコートを形成する発明である(例えば、特許文献3、4参照)。
特開平11−213459号公報 特開2004−95108号公報 特開平07−201092号公報 特開平08−036789号公報
しかしながら、図4から図15に示した2層構造の光情報記録媒体10の従来の製造方法では、図13を拡大した図16に示すように、中間層13及びカバー層15の形成に際し、センターキャップ25上に液状の紫外線硬化樹脂33を垂らすと、センターキャップ25の端面25eと基板11とのわずかな隙間Tに毛管現象により液状の紫外線硬化樹脂33が染み込むため、回転テーブル21を回転させた後、液状の紫外線硬化樹脂33に紫外線35を照射させて液状の紫外線硬化樹脂33を硬化させると、図15を拡大した図17に示すように、中間層13及びカバー層15について、基板11のクランプ部11b上に、わずかな凹凸部13a及び15aが形成され、又、クランプ部11bの周辺部(センターキャップ25の端部)に凸部13b及び15bが形成される場合がある。
クランプ部11bの周辺部(センターキャップ25の端部)に形成された中間層13の凸部13bは、カバー層15の形成に悪影響を及ぼす。凸部13bが形成された中間層13上に、アルミ合金等をスパッタして第2反射層及び/又は第2記録層14を形成した後に、中間層13を形成する際に用いたものと同じセンターキャップ25を用いて図12に示すようにセンターキャップ25上に紫外線硬化樹脂33を滴下し、図13に示すように回転させて振り切ると、紫外線硬化樹脂33は、クランプ部11bの周辺部(センターキャップ25の端部)に形成された凸部13bの影響を直接受け、均一に広がらないため、カバー層15には、図18に示すような多数の放射状の線状欠陥36が発生し、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等の光学特性の悪化をもたらすという問題があった。
又、図4〜図15に示すスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法では、紫外線硬化樹脂33を回転によって振り切るため、吐出した紫外線硬化樹脂33のうちの多くは中間層13及びカバー層15とはならず、振り切られて廃液ドレンに流れていく結果となり、大きな材料ロスが発生するという問題があった。
一方、ベルトコンベア上に載せた光情報記録媒体を構成する複数の基板上に、紫外線硬化樹脂をスプレーによって同時に吹き付けることで保護膜を形成する方法は、生産性が高く、材料ロスを小さくすることができるが、複数の基板上に同時に膜が形成されるため、膜厚分布の正確な制御が困難であり、均一な膜厚が高いレベルで要求されないオーバーコートもしくはハードコートには適しているが、高密度の光情報記録媒体を構成する基板11上に、例えば25μmの膜厚の中間層13や75μm〜100μmの膜厚のカバー層15を±数μm程度の膜厚分布に制御し、均一な膜厚の中間層13やカバー層15を形成することが要求される高密度の光情報記録媒体の製造方法には用いることができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、材料ロスを低減でき、再生及び/又は記録時の光学特性の優れた、均一な膜厚の層を有する光情報記録媒体の製造方法及び製造装置並びに光情報記録媒体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、基板上に情報層とカバー層とが積層された1層の光情報記録媒体の製造方法であって、前記カバー層は、前記基板の上方に設けられた吐出口からスプレー方式により液状材料を吐出して塗布する塗布工程により形成されることを特徴とする。
第2の発明は、基板上に情報層と前記情報層を分離する中間層とが交互に積層され、最上層にカバー層が積層された2層以上の光情報記録媒体の製造方法であって、前記中間層及び/又は前記カバー層は、前記基板の上方に設けられた吐出口からスプレー方式により液状材料を吐出して塗布する塗布工程により形成されることを特徴とする。
第3の発明は、請求項1乃至11の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法によって製造された光情報記録媒体であることを特徴とする。
第4の発明は、スプレー方式により液状材料を吐出する吐出口を有する光情報記録媒体の製造装置であって、請求項1−11の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法を用いて、前記光情報記録媒体を構成する基板上に前記吐出口から前記液状材料を吐出し塗布することが可能であることを特徴とする。
本発明によれば、材料ロスを低減でき、再生及び/又は記録時の光学特性の優れた、均一な膜厚の層を有する光情報記録媒体の製造方法及び製造装置並びに光情報記録媒体を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。なお、本発明に係る光情報記録媒体の製造方法及び製造装置は、例えば、BD−R等の追記型の光情報記録媒体、例えば、BD−RE等の書き換え型の光情報記録媒体、例えば、BD−ROM等の再生専用の光情報記録媒体に適用することができるが、本実施例では再生専用の光情報記録媒体を例にとって説明する。
〈実施例1〉
図19は、本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100を例示する断面図である。図19に示す光情報記録媒体100において、基板110は、厚さが約1.1mmで、ポリカーボネートを射出成形することにより作製され、一方の面に公知のピットが設けられた構造を有する。基板110の外観は、図2に示す基板11の外観と同様であるため図示は省略するが、基板110は、中心に貫通穴であるセンターホール110aを有する円形形状からなり、センターホール110a周辺部の所定の領域には、基板110が光情報記録媒体100として完成され、情報記録再生装置に装着される際にクランプされるクランプ部110bを有する。
反射層120、中間層130、第2反射層140、カバー層150は、基板110のピット上に順次積層されている。反射層120と第2反射層140とはアルミ合金等からなる情報層である。第2反射層140は、レーザ光160から見て奥側の反射層120の再生を可能とするために、光を半透過するような層構成となっている。反射層120の厚さは、例えば、20nmであり、第2反射層140の厚さは、例えば、8nmである。
中間層130の表面には、紫外線硬化樹脂を用いた2P転写法により、基板110と同様にピットが形成されている。中間層130の厚さは、例えば、25μmである。カバー層150は、光透過性の紫外線硬化樹脂から形成され、その厚さは、例えば、75μmである。光源(図示せず)から出射されたレーザ光160は、対物レンズ170により集光され、カバー層150を通して、反射層120又は第2反射層140に照射される。
例えば、Blu-ray Disc規格等の、開口数(NA)の大きな光学系を用いる方式においては、記録再生光であるレーザ光160を従来のように基板110側からではなく、75〜100μm程度の厚さに設定された光透過層を通して照射するように設計されている。これは、光情報記録媒体の面が、光学ピックアップ(図示せず)の光軸に対して垂直からずれる角度(いわゆるチルト角、光源の波長の逆数と対物レンズの開口数の積の2乗に比例する)により発生する収差が、NAが大きいほど、又、光透過層が厚いほど大きくなるためである。
すなわち、高NA化に伴い、チルト角により発生する収差が大きくなったので、光透過層で発生する収差を極力低減するために、光透過層の厚さを薄くしている。このような、記録再生光であるレーザ光160から見て、最手前の情報層に設けられた光透過層を、一般的にカバー層と呼ぶ。
高密度記録方式の光情報記録媒体100の情報層に記録された情報の読み取りには開口数(NA)の大きな光学系を用いるため、カバー層150の表面の僅かな凹凸やカバー層150内の僅かな気泡の存在によっても再生信号の大幅な劣化につながることから、反射層120等を覆うカバー層150の表面は傾斜のない平滑面に形成され、カバー層150内には気泡が確実に残存しない形態に構成されている。
更に、反射層120等における情報を正確に読み取ることができるように、カバー層150表面から第2反射層140までの距離(カバー層150の厚さ)Tは、従来の光情報記録媒体(例えばDVD)における情報読み取り面側の基板の厚さ0.6mmに比べると非常に薄く、レーザ光160の波長(405nm)、対物レンズ170の開口数(0.85)、カバー層150の屈折率(約1.5)に対応した所定値(75μm)で、カバー層150の内周と外周における膜厚差が3μm以下という高精度に形成されている。
図20は、本発明に係る光情報記録媒体100の製造装置200の概略の構成を模式的に例示する正面図である。図21は、本発明に係る光情報記録媒体100の製造装置200における紫外線硬化樹脂供給ノズル260の動作可能範囲を模式的に例示する平面図である。図20を参照するに、本発明に係る光情報記録媒体100の製造装置200は、回転テーブル210と、基板位置決め部220と、回転軸230と、駆動モータ240と、センターキャップ25と、紫外線硬化樹脂供給ノズル260と、紫外線(UV)照射機270とを有するスプレーコーティング用装置である。
回転テーブル210は、例えば、アルミニウム等の金属からなる反射層120が積層形成された基板110(図示せず)のセンターホール110a(図示せず)を基板位置決め部220に嵌め合わせるようにして載置し、基板110を下方から支持する。又、回転テーブル210は、回転軸230を介して、駆動モータ240と接続されており、駆動モータ240の回転に従って、例えば、3万rpm程度の回転数で高速回転する。センターキャップ25は、Z方向に移動可能に構成されており、Z方向に移動することにより、回転テーブル210上に載置された基板110(図示せず)のセンターホール110a(図示せず)と嵌合可能な状態で配設されている。
紫外線硬化樹脂供給ノズル260は、スプレー方式により紫外線硬化樹脂を吐出供給するノズル(吐出口)であり、回転テーブル210の上方に接近動作可能な状態で配設されている。紫外線硬化樹脂供給ノズル260は、着脱可能な構造となっており、必要に応じ、スプレー方式に対応した略円筒形状のノズルや扁平形状のノズル等を適宜選択することができる。
又、紫外線硬化樹脂供給ノズル260は、図21(a)に示すように、回転テーブル210の上方を、回転テーブル210と平行に矢印225に沿って直線状に移動可能に構成されている。又、紫外線硬化樹脂供給ノズル260は、図21(b)に示すように、回転テーブル210の上方を、回転テーブル210と平行に矢印226に沿って、回転テーブル210の中心部から周縁部へ、又は、回転テーブル210の周縁部から中心部へ螺旋状に移動可能に構成されている。紫外線硬化樹脂供給ノズル260を矢印225に沿って直線状に移動させるか、矢印226に沿って螺旋状に移動させるかは適宜選択することができる。
紫外線(UV)照射機270は、紫外線硬化樹脂を硬化させるための照射機であり、回転テーブル210の上方に接近動作可能な状態で配設されている。又、本発明に係る光情報記録媒体100の製造装置200は、吸気通路及び吸気孔からなる吸着機構(図示せず)を有し、回転テーブル210上に載置された基板110を吸着固定保持する。
図22から図31を用いて、本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明する。同図中、図19乃至図21と同一部品については、同一符号を付し、その説明は省略する。始めに、ピットを形成したスタンパを用いてポリカーボネート等のプラスチック樹脂を射出成形や加圧成形等して、ピットを転写した基板110を作製する。次いで、基板110のピットの凹凸形成面にスパッタ法や真空蒸着法等によりアルミニウム等を積層し、記録反射膜である反射層120を形成する。又、センターキャップ25を用意する。
次いで、図22に示すように、基板110のセンターホール110aを基板位置決め部220に嵌め合わせるようにして、回転テーブル210上に載置し、吸気通路(図示せず)を介して吸気孔に負圧を作用させ、回転テーブル210上に載置された基板110を吸着固定保持する。そして、中間層130形成用センターキャップ25の嵌合部25cを基板110のセンターホール110aに嵌め合わせる。
次いで、図23に示すように、駆動モータ240(図示せず)を作動させ、回転テーブル210を所定の回転数で回転させて、センターキャップ25の傘状部25bの外側から、中間層130の形成材料である液状の紫外線硬化樹脂330を、紫外線硬化樹脂供給ノズル260にてスプレー方式で吐出し塗布を始める。更に、紫外線硬化樹脂供給ノズル260を図21(b)に示す矢印226のように、回転テーブル210の上方を、回転テーブル210と平行に螺旋状に移動させながら吐出を継続し、図24に示すように、反射層120上に紫外線硬化樹脂330からなる均一な中間層130を形成する。その後、センターキャップ25を取り除く。
次いで、図25に示すように、中間層130に、下面340bに所定のピットが形成されている光透過スタンパ340を載せ、図26に示すように、ピットを転写しながら、スタンパ340の上面340aの上方から、紫外線(UV)照射機270(図示せず)により紫外線350を照射し、紫外線硬化樹脂330を硬化させて、図27に示すように、スタンパ340を上方向に移動することにより、ピットの凹凸のある中間層130を形成する。
更に、中間層130上にスパッタ法等により、アルミニウム等を光が一部透過するほどの薄さで積層して第2反射層140を形成した後、図28に示すように、再度、基板110のセンターホール110aを基板位置決め部220に嵌め合わせるようにして、回転テーブル210上に載置し、センターキャップ25を基板110のセンターホール110aに嵌め合わせる。
次いで、図29に示すように、駆動モータ240(図示せず)を作動させ、回転テーブル210を所定の回転数で回転させて、センターキャップ25の傘状部25bの外側から、カバー層150の形成材料である液状の紫外線硬化樹脂330を、紫外線硬化樹脂供給ノズル260にてスプレー方式で吐出し塗布を始める。
更に、紫外線硬化樹脂供給ノズル260を図21(b)に示す矢印226のように、回転テーブル210の上方を、回転テーブル210と平行に螺旋状に移動させながら吐出を継続し、図30に示すように、第2反射層140上に紫外線硬化樹脂330からなる均一なカバー層150を形成する。その後、センターキャップ25を取り除く。
次いで、図31に示すように、紫外線硬化樹脂330からなる均一なカバー層150の上方から紫外線(UV)照射機270(図示せず)により、紫外線350を照射し、紫外線硬化樹脂330を硬化させ、カバー層150を形成することで、本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100が完成する。
図4〜図15に示すスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法では、紫外線硬化樹脂33を回転によって振り切るため、塗布した紫外線硬化樹脂33のうちの多くは中間層13及びカバー層15とはならず、振り切られて廃液ドレンに流れていく結果とり、大きな材料ロスが発生していた。本発明によれば、スプレー方式により、必要な面積分だけの紫外線硬化樹脂330を吐出し塗布することが可能となり、材料ロスを大幅に低減することができる。
図32は、図30における基板110のクランプ部110bの周辺部を拡大した図である。図32において、図30と同一部品については、同一符号を付し、その説明は省略する。液状の紫外線硬化樹脂330を紫外線硬化樹脂供給ノズル260にてスプレー方式で吐出し塗布する方法により、必要な面積分だけの紫外線硬化樹脂330を吐出し塗布することが可能となったため、基板110のクランプ部110bへの毛管現象による液状の紫外線硬化樹脂330の染み込みがなくなった。
そのため、図32に示すように、中間層130及びカバー層150に、図16及び図17に示すような基板110のクランプ部110b上の凹凸部、及び、クランプ部110bの周辺部の凸部は形成されなくなった。又、クランプ部110bの周辺部の凸部が形成されないため、図18に示すような放射状の線状欠陥36も発生しなくなった。
表1に、従来のスピンコート法、及び、実施例1のスプレー方式で形成したカバー層150の内外周膜厚差及び周内膜厚差を比較した結果を示す。
Figure 2009199639
表1に示すように、実施例1のスプレー方式で形成されたカバー層150は、従来のスピンコート法で形成されたカバー層150に比べて、内外周膜厚差及び周内膜厚差ともに大幅に改善されていることが確認された。なお、中間層130に関してもカバー層150と同様な結果であった。このように、スプレー方式で中間層130及びカバー層150を形成することにより、従来のスピンコート法に比べて、膜厚がより均質な層を形成することができる。
本発明の実施例1によれば、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成することにより、材料ロスを低減できるとともに、基板110のクランプ部110b上に凹凸部が形成されないため、光情報記録媒体100が情報記録再生装置に装着される際に、傾いて装着されず、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等のチルト特性の悪化を防止することができる。又、放射状の線状欠陥36が発生しないため、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等の光学特性の悪化を防止することができる。又、スピンコート法に比べて、均一な膜厚の層を形成することができる。
〈実施例2〉
実施例2では、実施例1と同様の方法で、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成した。ただし、実施例1のように液状の紫外線硬化樹脂330を紫外線硬化樹脂供給ノズル260にてスプレー方式で連続的に吐出し塗布するのではなく(以下、連続的に吐出し塗布する方式を「連続ススプレー方式」とする)、間欠的に吐出し塗布した点が実施例1とは異なる(以下、間欠的に吐出し塗布する方式を「パルススプレー方式」とする)。図33は、紫外線硬化樹脂供給ノズル260を制御するパルス波形を例示する図である。
液状の紫外線硬化樹脂330をパルススプレー方式で間欠的に吐出することは、例えば、本発明に係るスプレーコーティング用装置を、液状の紫外線硬化樹脂330が電磁弁を介して紫外線硬化樹脂供給ノズル260に供給される構造とし、電磁弁を制御するコントローラを設け、コントローラが図33に示すパルス波形に基づいて電磁弁を制御し、一定時間間隔で電磁弁を開閉することにより実現できる。
図33に示すパルス波形の'H'レベル時に電磁弁が開き、液状の紫外線硬化樹脂330が吐出するとすれば、図33(b)から(a)のように'H'レベル時の時間THを相対的に短くすることにより容易に吐出する量を減らすことができる。又、図33(b)から(c)のように'H'レベル時の時間THを相対的に長くすることにより容易に吐出する量を増やすことができる。
又、パルス波形の周期Tを変更しても構わない。'H'レベル時の時間THを変えずに周期Tを長くすることにより、容易に吐出する量を減らすことができる。パルススプレー方式では、'H'レベル時の時間THや周期Tを、使用する材料や形成する膜厚等によって適宜設定することで吐出量を精度よく制御できるため、連続スプレー方式に比べて、膜厚が均質な層を形成することができる。
表2に、実施例1の連続スプレー方式、及び、実施例2のパルススプレー方式で形成したカバー層150の内外周膜厚差及び周内膜厚差を比較した結果を示す。なお、実施例2では、'H'レベル時の時間TH=50ms、周期T=100msとした。
Figure 2009199639
表2に示すように、実施例2のパルススプレー方式で形成したカバー層150は、実施例1の連続スプレー方式で形成したカバー層150に比べて、内外周膜厚差及び周内膜厚差ともに更に改善されていることが確認された。なお、中間層130に関してもカバー層150と同様な結果であった。又、実施例2のパルススプレー方式では、実施例1の連続スプレー方式に比べて、紫外線硬化樹脂330の使用量を15%以上低減できることが確認された。
本発明の実施例2によれば、図33に示すようなパルス波形により吐出量を制御し、液状の紫外線硬化樹脂330を間欠的に吐出し塗布するパルススプレー方式で、中間層130及びカバー層150を形成することにより、実施例1で用いた連続スプレー方式に比べて、更に均一な膜厚の層を形成することができる。
又、本発明の実施例2によれば、実施例1と同様に、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成することにより、材料ロスを低減できるとともに、基板110のクランプ部110b上に凹凸部が形成されないため、光情報記録媒体100が情報記録再生装置に装着される際に、傾いて装着されず、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等のチルト特性の悪化を防止することができる。又、放射状の線状欠陥36が発生しないため、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等の光学特性の悪化を防止することができる。
〈実施例3〉
実施例3では、実施例1と同様の方法で、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成した。ただし、渦巻状のエアー流を用いて紫外線硬化樹脂330を吐出し塗布した点が実施例1とは事なる。図34は、渦巻状のエアー流を模式的に例示する図である。同図中、図19〜図33と同一部品については、同一符号を付し、その説明は省略する。図34において、261は渦巻状のエアー流に対応した紫外線硬化樹脂供給ノズル、400は渦巻状のエアー流を示している。
紫外線硬化樹脂供給ノズル261は、例えば、エアーを旋回させる旋回流発生部を有し、旋回流発生部に液状の紫外線硬化樹脂330を通過させることにより、旋回流のエネルギーにより液状の紫外線硬化樹脂330を細かな液滴にし、ノズルの先端から渦巻状のエアー流400とともに円錐状の噴射形状で吐出する。渦巻状のエアー流400を用いて紫外線硬化樹脂330を吐出し塗布することより、薄膜から厚膜までの広い膜厚範囲に適用できる汎用性のある成膜が可能となった。
表3に、実施例1の連続スプレー方式、及び、実施例3の渦巻状のエアー流を用いたスプレー方式で形成したカバー層150の内外周膜厚差及び周内膜厚差を比較した結果を示す。
Figure 2009199639
表3に示すように、実施例3の渦巻状のエアー流を用いたスプレー方式で形成したカバー層150は、実施例1の連続スプレー方式で形成したカバー層150に比べて、内外周膜厚差及び周内膜厚差ともに更に改善されていることが確認された。なお、中間層130に関してもカバー層150と同様な結果であった。
本発明の実施例3によれば、図34に示すような渦巻状のエアー流400を用いたスプレー方式で、中間層130及びカバー層150を形成することにより、実施例1で用いた連続スプレー方式に比べて、更に均一な膜厚の層を形成することができる。
又、本発明の実施例3によれば、実施例1と同様に、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成することにより、材料ロスを低減できるとともに、基板110のクランプ部110b上に凹凸部が形成されないため、光情報記録媒体100が情報記録再生装置に装着される際に、傾いて装着されず、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等のチルト特性の悪化を防止することができる。又、放射状の線状欠陥36が発生しないため、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等の光学特性の悪化を防止することができる。
〈実施例4〉
実施例4では、実施例1と同様の方法で、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成した。ただし、扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを用いて紫外線硬化樹脂330を吐出し塗布した点が実施例1とは異なる。図35は、扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを模式的に例示する図である。同図中、図19〜図34と同一部品については、同一符号を付し、その説明は省略する。図35において、262は扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを示している。扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズル262の幅は、例えば、1〜2cm程度である。
扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズル262を用いることにより、その塗布パターン端部の切れが良好になり、紫外線硬化樹脂330の見切り塗布が可能となった。又、実施例1〜3では、図23及び図29に示す工程において、センターキャップ25を用い、センターキャップ25の傘状部25bの外側から、液状の紫外線硬化樹脂330を、紫外線硬化樹脂供給ノズル260等にてスプレー方式で吐出し塗布を始めた。
しかし、実施例4の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズル262を用いたスプレー方式では、見切り塗布が可能となり、又、液の飛散がほとんどなくなったため、最初に塗布される部分である内周側の端部が所定の部分からはみ出さないように塗布することが可能となり、基板110のセンターホール110aに嵌合させるセンターキャップ25等のマスクが必要なくなった。更に、周辺環境に対する液の飛散もほとんどなくなるため、対環境性能が高い塗布方法であることが確認された。
表4に、実施例1の連続スプレー方式、及び、実施例4の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを用いたスプレー方式で形成したカバー層150の内外周膜厚差及び周内膜厚差を比較した結果を示す。
Figure 2009199639
表4に示すように、実施例4の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズル262を用いたスプレー方式で形成したカバー層150は、実施例1の連続スプレー方式で形成したカバー層150に比べて、内外周膜厚差及び周内膜厚差ともに更に改善されていることが確認された。なお、中間層130に関してもカバー層150と同様な結果であった。
本発明の実施例4によれば、図35に示すような扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズル262を用いたスプレー方式で、中間層130及びカバー層150を形成することにより、実施例1で用いた連続スプレー方式に比べて、更に均一な膜厚の層を形成することができる。
又、本発明の実施例4によれば、実施例1と同様に、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成することにより、材料ロスを低減できるとともに、基板110のクランプ部110b上に凹凸部が形成されないため、光情報記録媒体100が情報記録再生装置に装着される際に、傾いて装着されず、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等のチルト特性の悪化を防止することができる。又、放射状の線状欠陥36が発生しないため、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等の光学特性の悪化を防止することができる。
〈実施例5〉
実施例5では、実施例1と同様の方法で、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成した。ただし、実施例1では、センターキャップ25の傘状部25bの外側から、中間層130又はカバー層150の形成材料である液状の紫外線硬化樹脂330を、紫外線硬化樹脂供給ノズル260にてスプレー方式で吐出し塗布を始めたが、実施例5では、センターキャップ25の傘状部25bの上側から、中間層130又はカバー層150の形成材料である液状の紫外線硬化樹脂330を、紫外線硬化樹脂供給ノズル260にてスプレー方式で吐出し塗布を始めた点が実施例1とは異なる。
図36は、実施例1の方法で紫外線硬化樹脂を螺旋状に塗布する様子を模式的に示す図である。同図中、図19〜図35と同一部品については、同一符号を付し、その説明は省略する。図36において、401は塗布開始位置、402は塗布重なり部分を示している。
実施例1のように、センターキャップ25の傘状部25bの外側から、中間層130又はカバー層150の形成材料である液状の紫外線硬化樹脂330を、紫外線硬化樹脂供給ノズル260にてスプレー方式で吐出し塗布を始める場合には、図36に示すように、塗布開始位置401から塗布を開始して1周目の終わりに塗布エリアが重なる塗布重なり部分402が必ず生じ、塗布重なり部分402の膜厚がその他の部分の膜厚よりも厚くなり、膜厚が均一でない部分が生じる。
図37は、実施例5の方法で紫外線硬化樹脂を螺旋状に塗布する様子を模式的に示す図である。同図中、図19〜図36と同一部品については、同一符号を付し、その説明は省略する。図37において、403は塗布開始位置を示している。実施例1の場合と異なり、実施例5では、図37に示すように、予め基板110のセンターホール110aにセンターキャップ25を嵌合させ、センターキャップ25の傘状部25bの上側から、中間層130又はカバー層150の形成材料である液状の紫外線硬化樹脂330を、紫外線硬化樹脂供給ノズル260にてスプレー方式で吐出し塗布を始めた。
これにより、図36に示すような塗布重なり部分402が基板110上に生じないため、基板110の内周から外周まで膜厚が均一な層を形成することができる。これは、中間層130にもカバー層150にも当てはまることである。
本発明の実施例5によれば、図37に示すように、予め基板110のセンターホール110aにセンターキャップ25を嵌合させ、センターキャップ25の傘状部25bの上側から、中間層130又はカバー層150の形成材料である液状の紫外線硬化樹脂330を、紫外線硬化樹脂供給ノズル260にてスプレー方式で吐出し塗布を始めることにより、実施例1で用いた連続スプレー方式に比べて、更に均一な膜厚の層を形成することができる。
又、本発明の実施例5によれば、実施例1と同様に、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成することにより、材料ロスを低減できるとともに、基板110のクランプ部110b上に凹凸部が形成されないため、光情報記録媒体100が情報記録再生装置に装着される際に、傾いて装着されず、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等のチルト特性の悪化を防止することができる。又、放射状の線状欠陥36が発生しないため、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等の光学特性の悪化を防止することができる。
〈実施例6〉
実施例6では、実施例1と同様の方法で、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成した。ただし、基板110の外径よりも大きな塗布範囲を有する幅広の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを用いて紫外線硬化樹脂330を吐出し塗布した点と、紫外線硬化樹脂供給ノズルを図21(b)に示すように、回転テーブル210の上方を、回転テーブル210と平行に矢印226に沿って螺旋状に移動させたのではなく、図21(a)に示すように、回転テーブル210の上方を、回転テーブル210と平行に矢印225に沿って直線状に一度だけ移動させた点が実施例1とは異なる。
図38は、幅広の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを模式的に例示する図である。同図中、図19〜図37と同一部品については、同一符号を付し、その説明は省略する。図38において、263は幅広の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを示している。図38に示すように、扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズル263は、基板110の外径よりも大きな塗布範囲を有する。
表5に、実施例1の連続スプレー方式、及び、実施例6の幅広の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを用いたスプレー方式で形成したカバー層150の内外周膜厚差及び周内膜厚差を比較した結果を示す。
Figure 2009199639
表5に示すように、実施例6の幅広の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズル263を用いたスプレー方式で形成したカバー層150は、実施例1の連続スプレー方式で形成したカバー層150に比べて、内外周膜厚差及び周内膜厚差ともに更に改善されていることが確認された。又、実施例2〜実施例5の方式と比較しても、よりいっそう均一な膜厚の層を形成できることが確認された。なお、中間層130に関してもカバー層150と同様な結果であった。
図21(b)に示すような螺旋状の塗布では、塗布プログラムを慎重に決定しても、重なる部分がある程度生じるが、実施例6のように基板110上を幅広の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズル263を直線状に一度だけ移動させる方法では、重なる部分が生じないため、よりいっそう膜厚が均一な層を形成できる。
本発明の実施例6によれば、図38に示すように、基板110上を、基板110の外径よりも大きな塗布範囲を有する幅広の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズル263を直線状に一度だけ移動させることにより、実施例1〜5で用いたスプレー方式に比べて、よりいっそう均一な膜厚の層を形成することができる。
又、本発明の実施例6によれば、実施例1と同様に、スプレー方式により中間層130及びカバー層150を形成することにより、材料ロスを低減できるとともに、基板110のクランプ部110b上に凹凸部が形成されないため、光情報記録媒体100が情報記録再生装置に装着される際に、傾いて装着されず、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等のチルト特性の悪化を防止することができる。又、放射状の線状欠陥36が発生しないため、再生及び/又は記録時のジッター、エラーレート等の光学特性の悪化を防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、本発明の各実施例では、2層構造の光情報記録媒体に中間層及びカバー層を形成する例を示したが、3層以上の構造の光情報記録媒体に中間層及びカバー層を形成する場合や、1層構造の光情報記録媒体にカバー層を形成する場合にも、本発明を適用することができる。なお、1層、2層等は、光情報記録媒体の有する情報層の数を示している。
又、本発明は、スプレー方式により基板上に層を形成するものであれば、光情報記録媒体以外にも適用可能である。
又、本発明において、スプレー方式により形成する層は、カバー層、中間層以外の層でも構わない。
又、本発明の各実施例におけるスプレー方式を適宜組み合わせることも可能である。例えば、実施例2のパルススプレー方式と、実施例3の渦巻状のエアー流を用いたスプレー方式や実施例4の扁平形状のノズルを用いたスプレー方式等は、適宜組み合わせることができる。
基板の情報層が形成された側から光を照射することにより情報信号の再生及び/又は記録を行うようにした2層構造の光情報記録媒体の構成を例示する断面図である。 光情報記録媒体を構成する基板の外観を例示する模式図である。 スピンコート法により基板上に層形成する際に用いられるセンターキャップ25を例示する図である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その1)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その2)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その3)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その4)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その5)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その6)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その7)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その8)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その9)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その10)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その11)である。 2層構造の光情報記録媒体10においてスピンコート法により中間層13及びカバー層15を形成する従来の方法について説明するための断面図(その12)である。 図13における基板11のクランプ部11bの周辺部を拡大した図である。 図15における基板11のクランプ部11bの周辺部を拡大した図である。 放射状の線状欠陥36について説明するための図である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100を例示する断面図である。 本発明に係る光情報記録媒体100の製造装置200の概略の構成を例示する模式図である。 本発明に係る光情報記録媒体100の製造装置200における紫外線硬化樹脂供給ノズル260の動作可能範囲を模式的に例示する平面図である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その1)である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その2)である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その3)である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その4)である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その5)である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その6)である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その7)である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その8)である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その9)である。 本発明の実施例1に係る光情報記録媒体100の製造方法について説明するための断面図(その10)である。 図30における基板110のクランプ部110bの周辺部を拡大した図である。 紫外線硬化樹脂供給ノズル260を制御するパルス波形を例示する図である。 渦巻状のエアー流を模式的に例示する図である。 扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを模式的に例示する図である。 実施例1の方法で紫外線硬化樹脂を螺旋状に塗布する様子を模式的に示す図である。 実施例5の方法で紫外線硬化樹脂を螺旋状に塗布する様子を模式的に示す図である。 幅広の扁平形状の紫外線硬化樹脂供給ノズルを模式的に例示する図である。
符号の説明
10、100 光情報記録媒体
11、110 基板
11a、110a センターホール
11b、110b クランプ部
12 反射層及び/又は記録層
13、130 中間層
13a 中間層の凹凸部
13b 中間層の凸部
14 第2反射層及び/又は第2記録層
15、150 カバー層
15a カバー層の凹凸部
15b カバー層の凸部
16、160 レーザ光
17、170 対物レンズ
21、210 回転テーブル
22、220 基板位置決め部
25 センターキャップ
25a 突起部
25b 傘状部
25c 嵌合部
25e 端面
33、330 紫外線硬化樹脂
34、340 スタンパ
34a、340a スタンパ34の上面
34b、340b スタンパ34の下面
35、350 紫外線
36 線状欠陥
120 反射層
140 第2反射層
200 製造装置
225,226 紫外線硬化樹脂供給ノズル260の移動方向
230 回転軸
240 駆動モータ
260,261,262,263 紫外線硬化樹脂供給ノズル
270 紫外線(UV)照射機
401,403 塗布開始位置
402 塗布重なり部分
T 周期
H 'H'レベル時の時間
、T 厚さ

Claims (13)

  1. 基板上に情報層とカバー層とが積層された1層の光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記カバー層は、前記基板の上方に設けられた吐出口からスプレー方式により液状材料を吐出して塗布する塗布工程により形成されることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 基板上に情報層と前記情報層を分離する中間層とが交互に積層され、最上層にカバー層が積層された2層以上の光情報記録媒体の製造方法であって、
    前記中間層及び/又は前記カバー層は、前記基板の上方に設けられた吐出口からスプレー方式により液状材料を吐出して塗布する塗布工程により形成されることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  3. 前記情報層は、0.8以上の開口数のレンズを用いて記録及び/又は再生されることを特徴とする請求項1又は2記載の光情報記録媒体の製造方法。
  4. 前記塗布工程において、前記吐出口を前記基板の中心部から周縁部へ螺旋状に移動させながら、前記液状材料を吐出して塗布することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法。
  5. 前記塗布工程において、前記基板を回転させながら前記液状材料を吐出して塗布することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法。
  6. 前記塗布工程において、前記基板の中心に設けられた貫通穴にセンターキャップを嵌合させ、前記センターキャップ上から前記液状材料を吐出して塗布を開始することを特徴とする請求項4又は5記載の光情報記録媒体の製造方法。
  7. 前記吐出口は、扁平形状であり、前記吐出口の塗布範囲は、前記基板の外径よりも大きく、前記吐出口を前記基板に対して直線状に移動させることにより前記液状材料を吐出して塗布することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法。
  8. 前記基板の中心部に設けられている貫通穴にセンターキャップを嵌合させてから前記液状材料を吐出して塗布を開始することを特徴とする請求項7記載の光情報記録媒体の製造方法。
  9. 前記吐出口は、扁平形状であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法。
  10. 前記塗布工程において、前記吐出口から前記液状材料を間欠的に吐出して塗布することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法。
  11. 前記塗布工程において、前記吐出口から前記液状材料を渦巻状のエアー流を用いて吐出して塗布することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法。
  12. 請求項1乃至11の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法によって製造された光情報記録媒体。
  13. スプレー方式により液状材料を吐出する吐出口を有する光情報記録媒体の製造装置であって、
    請求項1−11の何れか一項記載の光情報記録媒体の製造方法を用いて、前記光情報記録媒体を構成する基板上に前記吐出口から前記液状材料を吐出し塗布することが可能であることを特徴とする光情報記録媒体の製造装置。
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