JP2006007319A - 鋳物砂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 流動性に優れ、高強度で低熱膨張性の鋳造用鋳型を製造する事ができる鋳物砂を提供する。
【解決手段】 非晶化度が50〜100%である鋳物砂。該鋳物砂は、Al23およびSiO2を主成分として含有すること、Al23/SiO2重量比率が1〜15であること、平均粒径が0.05〜2mmであること、球形度が0.95以上であること、耐火度がSK15以上であること、火炎溶融法により製造されたことが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鋳鋼、鋳鉄、アルミニウム、銅およびこれらの合金等の鋳造用鋳型に使用される球状鋳物砂およびその製造方法、ならびに鋳造用鋳型に関する。
従来から鋳物砂として珪砂が広く使用されている。珪砂は鉱産物であるため形態が不定形であり、流動性に欠け、充填性が悪い。それゆえ、珪砂からなる鋳型の表面は荒く、従って、鋳造品(鋳物)の表面が荒れ、後工程である研磨工程への負荷が大きくなる。また、珪砂の構成鉱物である石英は鋳造時の熱負荷によりクリストバライト等へ結晶変態し、その時の体積変化により崩壊するため、珪砂は鋳物砂としての再生効率が低い。これらの問題を解決する手段として、球状鋳物砂(たとえば、特許文献1参照)や、高珪酸質球状鋳物砂およびその製造方法(たとえば、特許文献2参照)が開示されている。これらは、原料組成物を球形に造粒した後、ロータリーキルン等で焼成するものである。しかしながら、得られる鋳物砂の球形度は低く、そのため流動性および充填性は不充分であり、鋳物表面の荒れを改善する効果は小さい。また、焼結法であるため多くの開気孔が存在した吸水率の大きい多孔質のものしか得られない。その結果、鋳型の強度が不充分であったり、鋳型作製時に多量のバインダーを必要とするため、鋳物砂としての再生が困難となる。また、珪砂では結晶変態がみられるため、鋳型の熱膨張が大きい。
近年の鋳物部品への要求として、より高精度な鋳物が求められている。より高精度な鋳物を得るためには、熱により変形しない低熱膨張な鋳型が求められている。
これらの問題を解決する手段として、ムライト、フォレステライト等のより低熱膨張な原料を用い形状を球形とした鋳物砂(骨材)が開示されている。例えば、ムライト系鋳物砂としては、スプレードライにより造粒後焼成した鋳物砂(特許文献3)、高珪酸質球状鋳物砂(特許文献4)、溶融ムライトにエアーを吹き付けて得られる球状の鋳物砂(特許文献5)等がある。また、フォレステライト系としては、特許文献6等の溶融ニッケルスラグを風砕後磨耗処理した球状鋳物砂等が開示されている。
特開平4−367349号公報(第2頁) 特開平5−169184号公報(第2頁) 特開平4−367349号公報 特開平5−169184号公報 特開2003−251434号公報 特開平11−188454号公報
しかしながら、特許文献3、4は、造粒焼成法によるものであり、得られたムライト系鋳物砂は表面に凹凸が発生し、鋳型強度が低くなる。また、特許文献5は、溶融風砕法によるものであるが、表面を拡大して観察するとムライトの結晶が析出しており、やはり凹凸が観察され、鋳型強度、熱膨張率が未だ不十分である。また、特許文献6のフォレステライト系の鋳物砂は、熱膨張率が十分に低いとは言い難いため、より高精度な鋳物を得るためには未だ不十分である。
本発明は、流動性に優れ、高強度で低熱膨張性の鋳造用鋳型を製造する事ができる鋳物砂並びに該鋳造用鋳型を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、鋳物砂の非晶化度を特定の割合とすることにより、鋳物砂自体の表面が平滑で、かつ低熱膨張率である鋳物砂を得ることが出来ることを見いだし、本発明に至った。
すなわち、本発明は、非晶化度が50〜100%である鋳物砂に関する。また、本発明は、該本発明の鋳物砂を用いた鋳型、及び該本発明の鋳型を用いて製造された鋳物に関する。
本発明の鋳物砂は流動性に優れ、また、高強度で、更に低熱膨張な鋳型を得ることができる。
本発明の鋳物砂は、特定の非晶化度を持つことを特徴とする。非晶化度が低く結晶が存在すると、粒子の表面形状に大きく影響を及ぼし、鋳物砂の表面に結晶が析出し、表面を凸凹にする要因となる。また、熱膨張率が高くなるため、高精度な鋳物が得られなくなる。
本発明の鋳物砂は、非晶化度が50〜100%、好ましくは60〜100%、より好ましくは70〜100%、更に好ましくは80〜100%、特に好ましくは90〜100%である。鋳物砂の非晶化度が50%以上であると、当該鋳物砂の表面が平滑になり、鋳型強度が向上するため好ましい。また、さらに熱膨張の観点からも、鋳物砂の非晶化度は、好ましくは60%であり、より好ましくは70%以上であり、更に好ましくは99%以上である。物質は一般に高温に成ると膨張するが、非晶質物質の場合、その膨張を吸収できるゆるんだ構造である為、熱膨張率が小さくなるものと推察される。
鋳物砂の非晶化度の制御方法には様々な手法があるが、一般には溶融物を急冷させるような製造方法を用いると好ましい。例えば、原料を溶融させ、エアーで風砕させ急冷する方法や、火炎中において処理し、急冷させる方法がある。いずれにおいても、冷却方法は材質、粒径によって様々な速度で適宜選択されれば良い。また、一旦結晶化したものを熱処理と冷却処理にて非晶化させる方法も考えられる。これらの中でも、加熱と冷却が容易に制御できる火炎溶融法を用いたものが好ましい。
本発明の鋳物砂の非晶化度は、下記に示されるX線回折によって求めることが出来る。
<X線回折>
鋳物砂を乳鉢で粉砕し、粉末X線回折装置のX線ガラスホルダーに圧着して測定する。粉末X線回折装置は、理学電機製MultiFlex(光源CuKα線、管電圧40kV、管電流40mA)を用い、2θ=5〜90°の範囲で走査間隔0.01°、走査速度2°/min、スリット DS1、SS1、RS0.3mmにて行う。2θ=10°〜50°の範囲で、低角度側及び高角度側のX線強度を直線で結び、直線下の面積をバックグラウンドとし、機器付属のソフトを用いて結晶化度を求め、100から引いて非晶化度とした。具体的には、バックグラウンドより上の面積について、非晶質ピーク(ハロー)と各結晶性成分をカーブフィッティングにより分離し、それぞれの面積を求め、下記式にて非晶化度(%)を計算する。
非晶化度(%)=ハローの面積/(結晶性成分面積+ハロー面積)×100
また更に本発明の鋳物砂の表面形状は、非晶化度が高く表面に結晶が生じないため、凹凸が少ない。特に本発明の鋳物砂の表面の粗さRaは、鋳型強度、鋳物砂の流動性の観点から0.20以下が好ましく、0.10以下がより好ましい。ここで、本発明の鋳物砂の表面のRaの測定方法は、レーザー顕微鏡(キーエンス製VK8500)を用いて測定することが出来る。鋳物砂は球形であるため、投影された粒子の中心部から粒径の約1/10の長さの線粗さを測定し求める。具体的には粒径100μmの粒子については粒子のほぼ中心部から10μmの長さにおけるRaを3点取り平均を求める。これを任意の粒子10個について実施し、砂表面の平均粗さとする。
本発明の鋳物砂は、広く鋳造分野で用いられる耐火性の粒状骨材を指し、珪砂等の無機化合物、特に金属酸化物を主成分とするものであるが、その組成については、鋳造する金属にあわせた耐熱性を持つ成分を適宜選択すれば良い。ここで「主成分」とは、無機化合物が合計量で鋳物砂全体の全成分中に80重量%以上含有されていることをいう。主成分として無機化合物、特に無機酸化物やセラミックス等の耐火物が適している。例えば、Al、Si、Mg、Zr、Cr、Fe、Cu、Mn、Co、Ti、Ca等の金属の酸化物、窒化物、炭化物等やそれらの混合物が挙げられる。それらの中でも、耐火性の観点からは、主成分としてAl23やSiO2、これらの混合物を含んでいるものが好ましく、より好ましくは混合物が好ましい。また、低膨張の観点からSiO2を主成分として含むものが好ましい。また、鋳物砂は鋳込み後再利用されることが多く、非晶質の部分が結晶化してしまう場合がある。この再利用後の砂の熱膨張率の観点から、結晶化しても比較的熱膨張率が低い組成であることが好ましい。具体的には、その結晶がムライトやフォレステライトとなる組成が好ましく、Al23とSiO2の混合物やMgOとSiO2の混合物が好ましい。なお、上記成分以外にも、CaO、MgO、Fe23、TiO2、K2O、Na2O等の金属酸化物等を含みうるが、耐火性向上の観点からは、これらの合計量は鋳物砂中5重量%以下が好ましい。
本発明の鋳物砂の平均粒径は0.05〜2mm、更には0.05〜1.5mmの範囲が、鋳型の通気性や強度、更には鋳物表面性の点で好ましい。鋳型強度の面からは0.05〜1mmが好ましく、鋳物砂の再生効率を高める観点から0.05〜0.5mmが好ましく0.05〜0.35mmが更に好ましい。
本発明の鋳物砂の形状は、角がとれた形状であること、より好ましくは球状であることが、鋳型強度向上効果が更に得られるため好ましい。球状とは、球形度0.85以上、好ましくは0.88以上、より好ましくは0.90以上のものをいう。特に、本発明の鋳物砂は、球形度が0.95以上、更に0.98以上であることが好ましい。本発明の球状鋳物砂の形状である球状であるか否かについては、たとえば、後述の実施例に記載するように、鋳物砂を光学顕微鏡やデジタルスコープ(たとえば、キーエンス社製、VH−8000型)等で観察し、判定することができる。
前記平均粒径は以下のようにして求めることができる。すなわち、球状鋳物砂粒子の粒子投影断面からの球形度=1の場合は直径(mm)を測定し、一方、球形度<1の場合はランダムに配向させた球状鋳物砂粒子の長軸径(mm)と短軸径(mm)を測定して(長軸径+短軸径)/2を求め、任意の100個の球状鋳物砂粒子につき、それぞれ得られた値を平均して平均粒径(mm)とする。長軸径と短軸径は、以下のように定義される。粒子を平面上に安定させ、その粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最小となる粒子の幅を短軸径といい、一方、この平行線に直角な方向の2本の平行線で粒子をはさむときの距離を長軸径という。
なお、球状鋳物砂粒子の長軸径と短軸径は、光学顕微鏡またはデジタルスコープ(例えば、キーエンス社製、VH−8000型)により該粒子の像(写真)を得、得られた像を画像解析することにより求めることができる。また、球形度は、得られた像を画像解析することにより、該粒子の粒子投影断面の面積および該断面の周囲長を求め、次いで、〔粒子投影断面の面積(mm2)と同じ面積の真円の円周長(mm)〕/〔粒子投影断面の周囲長(mm)〕を計算し、任意の50個の球状鋳物砂粒子につき、それぞれ得られた値を平均して求める。
また、本発明の鋳物砂の耐火度は、鋳物(溶湯)の材質によって適宜選択できるが、SK15以上(1435℃以上)、更にSK33以上(1730℃以上)、特にSK35以上(1770℃以上)であることが好ましい。この耐火度は、一定温度条件で加熱したとき、同一又は最も近い軟化変化状態を示した標準温度錐(ゲーゲル錐:略称SK)の番号であり、JIS R2204耐火煉瓦の耐火度の試験方法に基づいて測定される。
また、本発明の鋳物砂の吸水率(重量%)としては、鋳型の製造の際に使用する粘結剤の鋳物砂内部への吸収による粘結剤使用量の増加の抑制や、鋳型強度の向上等の観点から、3重量%以下が好ましく、0.8重量%以下がより好ましく、0.3重量%以下がさらに好ましい。吸水率はJIS A1109細骨材の吸水率測定方法に従って測定することができる。
鋳造用鋳型の製造に使用する観点から、本発明の鋳物砂の粒子密度(g/cm3)としては、1〜3.5g/cm3の範囲であるのが好ましい。より高強度の鋳型を所望する場合、該粒子密度としては2.5〜3.5g/cm3の範囲であるのが好ましい。この範囲のものは中実で緻密であり高強度の鋳型が得られる。また、軽量な鋳型を所望する場合、該粒子密度としては1〜2.5g/cm3の範囲であるのが好ましい。この範囲のものは内部に空間を有する多孔質であり軽量な鋳型が得られる。粒子密度は、JIS R1620の粒子密度測定法に従って測定することができる。
また、本発明の鋳物砂は、他の従来公知の砂と混合使用しても構わない。特に50重量%以上本発明の鋳物砂が含まれていることが、鋳型の強度向上の観点から好ましい。また、低熱膨張率の観点からは、5重量%からでも熱膨張率が下がる効果があり、他の従来公知の砂の特徴を生かしつつ、混合量に応じて更に熱膨張率を下げることが出来る。
本発明の鋳物砂及び該鋳物砂と公知の鋳物砂との混合物からなる鋳物砂(以下これらの鋳物砂を本発明の鋳物砂と略記することもある)は鋳鋼、鋳鉄、アルミニウム、銅、マグネシウム及びこれらの合金等の鋳型用途に好適に使用されうる。また、金属、プラスチック等への充填材としても使用できる。また、特にアルミニウム、マグネシウム等の比較的溶融温度が低い金属においては、熱膨張率が鋳鉄等に比べ低く押さえることが出来、好ましい。
本発明の鋳物砂を用いて、これら材質を鋳造して寸法精度が高い鋳物が得られる。具体的な鋳物の例としては、建設機械の油圧バルブ、モーター、金型、エンジンフレーム、工作機械、建築部材等に用いられる、部材、部品等が挙げられる。
本発明の鋳物砂は、従来公知の鋳型バインダー、例えば、粘土、水ガラス、シリカゾル、無機塩、エチルシリケート等の無機質バインダー、フラン樹脂、フェノール樹脂、アルカリフェノール樹脂、シェルモールド法、フェノールウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂やメチレンジアクリルアミド等の不飽和基を有する樹脂等の有機バインダーを用いて、それぞれ従来公知の硬化方法により鋳型とする。これらバインダーは、本発明の鋳型砂100重量部に対して、通常0.05〜10重量部添加するのが好適である。また、従来公知のシランカップリング剤、添加剤等を用いても構わない。
また、低熱膨張性であるためシェルモールド法、フランウォームボックス等の加熱硬化型バインダーに用いれば成形時と冷却時の寸法変化が少なく好適である。更に表面が平滑で、流動性に優れることから、積層造型法(例えば特表2004−508941号、特開2000−24750号)や、消失模型法、Vプロセス等のバインダーを用いない鋳型造型法にも好適である。以上のような優れた性質を持つ鋳型、鋳物、部品等の構造物は本発明に包含される。
非晶化度が上記特定範囲にある本発明の鋳物砂は、金属酸化物としてSiO2、Al23およびこれらの混合物を主成分として含有することが好ましく、混合物の場合は、Al23/SiO2重量比率が1〜15であることが好ましい。具体的には、Al23およびSiO2を主成分として含有してなり、Al23/SiO2重量比率が1〜15、平均粒径が0.05〜1.5mmである、火炎溶融法で製造された球状鋳物砂が好ましい。また、Al23およびSiO2を主成分として含有してなり、Al23/SiO2重量比率が1〜15、平均粒径が0.05〜1.5mm、球形度が0.95以上である球状鋳物砂が好ましい。ここで「主成分」とは、Al23およびSiO2が合計量で鋳物砂全体の全成分中に80重量%以上含有されていることをいう。本発明の球状鋳物砂の主成分であるAl23およびSiO2の含有量としては、耐火性の向上という観点から、それらの合計量として、球状鋳物砂の全成分中、好ましくは85〜100重量%、より好ましくは90〜100重量%である。また、Al23/SiO2重量比率は1〜15が好ましく、耐火性および鋳物砂の再生効率の向上の観点から、1.2〜12がより好ましく、1.5〜9が更に好ましい。
火炎溶融法により得られた球状鋳物砂は、球形度が高く、緻密であるという構造的特徴を有する。当該構造的特徴は、流動性、鋳型強度、鋳造された鋳物の表面平滑性の向上に大きく寄与する。そして、非晶化度の制御の点でも、火炎溶融法は好ましい。上記した本発明の球状鋳物砂は、具体的には、Al23およびSiO2を主成分とする、Al23/SiO2重量比率が0.9〜17、平均粒径が0.05〜2mmの粉末粒子(Al23、SiO2の供給源)を出発原料とし、当該粉末粒子を火炎中で溶融して球状化する工程を含む製造方法により得ることができる。
出発原料は、たとえば、耐火性を有する鉱産原料および合成原料から選ぶことができる。Al23源としての原料として、ボーキサイト、バン土頁岩、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム等を挙げることができる。また、SiO2源としての原料として、珪石、珪砂、石英、クリストバライト、非晶質シリカ、長石、パイロフィライト等を挙げることができる。また、(Al23+SiO2)源としての原料として、カオリン、バン土頁岩、ボーキサイト、雲母、シリマナイト、アンダルサイト、ムライト、ゼオライト、モンモリロナイト、ハイロサイト等を挙げることができる。
出発原料としての粉末粒子を火炎中で溶融して球状化する工程では、出発原料(粉末粒子)を酸素等のキャリアガスに分散させ、プロパン、ブタン、メタン、天然液化ガス、LPG、重油、灯油、軽油、微粉炭等の燃料を酸素と燃焼させることによって発生させた火炎中に投入することによって溶融し、球状化を行う(火炎溶融法)。その後、冷却することにより、非晶化度が50〜100%である本発明に係る鋳物砂を得ることができる。
冷却方法は、空冷や水冷によって行うことができ、急冷することが好ましい。冷却速度は、鋳物砂の組成や粒径によって異なるので、それぞれの処方について鋳物砂の非晶化度が50〜100%になるよう適宜調整される。
実施例1〜2
原料粉末として、実施例1ではAl23とSiO2を合計で95重量%含有し、Al23/SiO2重量比率が2.2のムライト粉末を、また実施例2ではAl23とSiO2を合計で93重量%含有し、Al23/SiO2重量比率が1.6の仮焼バン頁粉末を用い、これら原料粉末を、酸素をキャリアガスとしてLPGを燃焼させ約2000℃にした火炎の中に投入し、火炎溶融法にて球状の鋳物砂を得た。得られた鋳物砂の平均粒径は実施例1が156μm、実施例2が173μmであった。球形度は実施例1が0.99、実施例2が0.98であった。X線回折分析を2θ=10〜50°の範囲で行い、結晶性のピークと非晶性のピークをそれぞれカーブフィッテングにて求めた。その結果、非晶化度は実施例1が71.0%、実施例2が75.0%であった。
比較例1
実施例1と同様の原料粉末を用い、スプレードライヤーを用いて球状にした粒子を電気炉で焼成することにより球状鋳物砂を得た。非晶化度は30.0%であった。
比較例2
実施例1と同様の原料粉末を用い、アーク炉にて溶融させ電融アトマイズ法で球状粒子を得た。非晶化度は45.0%であった。
比較例3
火炎溶融後、粒子を電気炉内で、1500℃で30分間保持し、1日かけて徐々に温度を低下させていった以外は実施例1と同様の方法で球状の鋳物砂を得た。非晶化度は40.0%であった。
実施例3
市販のアモルファスシリカ破砕品(SiO2含量99.8%)粉末を実施例1と同様の火炎溶融法にて球状鋳物砂を得た。その結果、非晶化度は99.5%であった。
比較例4
市販の珪砂(アルバニー8号)を用いた。
実施例4
SiO2を54重量%、MgOを34重量%、Fe23を8重量%、Al23を2重量%含むフォレステライト主成分とする粉末を電気炉にて溶融し、風砕処理を行なった。この際、水冷させることにより急冷し、球状鋳物砂を得た。非晶化度は78.0%であった。
比較例5
実施例4と同様の粉末を電気炉にて溶融し、風砕処理を行い、球状鋳物砂を得た。非晶化度は20.0%であった。
実施例5
市販の珪砂(アルバニー7号、SiO2含量99.8%)を用いて実施例1と同様の火炎溶融法にて鋳物砂を得た。得られた鋳物砂は非晶化度79%であり、球形度は0.89と比較的低いが原料粉末に比較して角が取れたものであった。
比較例6
市販の珪砂(ユニミン)を用いた。本珪砂は天然に産出された角が取れた珪砂で、球形度は0.89であるが非晶化度は0.5%であった。
なお、実施例1、比較例1、2及び4にて得られた鋳物砂を、SEMを用いて表面を観察した写真(300倍)を図1に示す。実施例1の鋳物砂は比較例の鋳物砂と比べて非常に平滑な表面が得られていることがわかる。
試験例
上記実施例及び比較例で得られた鋳物砂を用いて、鋳型強度の測定と鋳型の熱膨張試験を下記のように行なった。結果を表1に示す。なお、表1中には、鋳物砂の非晶化度、平均粒径、球形度、耐火度、表面粗さ(何れも測定方法は前記の通り)も併せて示した。
(1)鋳型強度の測定
実施例1から4、比較例1から5の鋳物砂について、バインダーとしてフラン樹脂(カオーライトナー340B)を該砂に対して1.0重量%、フラン樹脂用硬化剤を40重量%(対樹脂)添加し、50mmφ×50mmhのテストピース枠に充填し、25℃にて硬化させ、24時間経過したときのテスト鋳型の圧縮強度をを測定した。圧縮強度はJIS
Z 2604−1976に記載された方法で測定した。使用する硬化剤は砂の種類に応じて適宜調整した。
(2)熱膨張試験
実施例1から4、比較例1から5の鋳物砂を使用し、バインダーとしてアルカリフェノール樹脂(花王クエーカー社製S−660)を使用し、有機エステル硬化剤として花王クエーカー社製QX−130を使用し〔それらの使用量はそれぞれ1.2重量%(対鋳物砂)及び20重量%(対樹脂)〕、直径30cm×高さ50mmの試験片を成型した。成型時の周囲温度は25℃で、湿度は55%RHであった。試験片を24時間放置してバインダーを硬化させた後、1000℃の炉に入れ、600秒後までの寸法変化を測定し、その最大値を用い初期寸法と比較して熱膨張率とした。
(3)なお、実施例1の球状鋳物砂を用い、上記熱膨張試験と同様に樹脂と硬化剤を適用し、図2の試験片(7段ステップコーン、重量約13.5Kg)の中子、主型の双方を25℃、55%RHの条件下で作製した。FC250の鋳鉄を1400℃で注湯し、図2の試験片を鋳造した。その結果、内面は、熱膨張による鋳型割れ、ベーニングが発生せず、非常に良好であった。
実施例1、比較例1、2及び4で得られた鋳物砂のSEM写真である。 実施例1の評価で用いた7段ステップコーン試験片の断面概略図である。

Claims (9)

  1. 非晶化度が50〜100%である鋳物砂。
  2. 球形度が0.95以上である請求項1記載の鋳物砂。
  3. Al23およびSiO2を主成分として含有してなり、Al23/SiO2重量比率が1〜15である請求項1又は2項記載の鋳物砂。
  4. SiO2を主成分として含有する請求項1又は2項記載の鋳物砂。
  5. 平均粒径が0.05〜2mmである請求項1〜4の何れか1項記載の鋳物砂。
  6. 火炎溶融法にて製造された請求項1〜5の何れか1項記載の鋳物砂。
  7. 耐火度がSK15以上である請求項1〜6の何れか1項記載の鋳物砂。
  8. 請求項1〜7の何れか1項記載の鋳物砂を用いた鋳型。
  9. 請求項8記載の鋳型を用いて製造された鋳物。
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