JP2006007232A - アモルファスメタル板の打ち抜き方法及び打ち抜き装置 - Google Patents
アモルファスメタル板の打ち抜き方法及び打ち抜き装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006007232A JP2006007232A JP2004183923A JP2004183923A JP2006007232A JP 2006007232 A JP2006007232 A JP 2006007232A JP 2004183923 A JP2004183923 A JP 2004183923A JP 2004183923 A JP2004183923 A JP 2004183923A JP 2006007232 A JP2006007232 A JP 2006007232A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- amorphous metal
- metal plate
- punching
- cooling
- mold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Punching Or Piercing (AREA)
- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
- Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
Abstract
【課題】 アモルファスメタル板からアモルファスメタル片をクラックや割れを発生せずに打ち抜くと共に、打ち抜きの抜きかす上がりを防止することが可能なアモルファスメタル板の打ち抜き方法及び打ち抜き装置を提供する。
【解決手段】 パンチとダイを相対的に進退させ鉄系のアモルファスメタル板13からアモルファスメタル片を打ち抜く方法において、アモルファスメタル板13を低温度域に冷却した後直ちに、あるいはアモルファスメタル板13を低温度域に冷却し保定した後に、又はアモルファスメタル板13を低温度域に冷却してからその温度が大気温度域に復温した後に、打ち抜きする。ここで、低温度域は、−196℃以上で−10℃以下であることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 パンチとダイを相対的に進退させ鉄系のアモルファスメタル板13からアモルファスメタル片を打ち抜く方法において、アモルファスメタル板13を低温度域に冷却した後直ちに、あるいはアモルファスメタル板13を低温度域に冷却し保定した後に、又はアモルファスメタル板13を低温度域に冷却してからその温度が大気温度域に復温した後に、打ち抜きする。ここで、低温度域は、−196℃以上で−10℃以下であることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鉄系の非晶質の金属の板(以下、アモルファスメタル板という)から所望形状の片(以下、アモルファスメタル片という)を打ち抜く方法及び打ち抜き装置に関する。
従来、電動機の積層鉄心は、例えば、電磁鋼板から鉄心片を打ち抜き、複数枚かしめ積層することにより製造されている(例えば、特許文献1参照)。
一方、電動機においては、一層の高効率化、高出力化、省エネルギー化、及び小型化等が要求されている。このため、高透磁性で、鉄損が極めて小さく、磁歪を広い範囲で制御できる強磁性金属を主成分としたアモルファスメタル板から鉄心片を打ち抜き形成し、それらを一体化(例えば、かしめ接合)して積層鉄心を製造することが検討されている。そして、アモルファスメタル板からアモルファスメタル片の打ち抜き形成が可能になると、例えば、アモルファスメタル板を使用して磁気センサ片、トルクセンサ片、又は電磁波シールド片等の打ち抜きが可能になる。
一方、電動機においては、一層の高効率化、高出力化、省エネルギー化、及び小型化等が要求されている。このため、高透磁性で、鉄損が極めて小さく、磁歪を広い範囲で制御できる強磁性金属を主成分としたアモルファスメタル板から鉄心片を打ち抜き形成し、それらを一体化(例えば、かしめ接合)して積層鉄心を製造することが検討されている。そして、アモルファスメタル板からアモルファスメタル片の打ち抜き形成が可能になると、例えば、アモルファスメタル板を使用して磁気センサ片、トルクセンサ片、又は電磁波シールド片等の打ち抜きが可能になる。
しかしながら、強磁性金属を主成分とするアモルファスメタル板は硬くて脆い機械的性質を有しているので、アモルファスメタル板の打ち抜きでは、打ち抜き金型のパンチとダイのクリアランスを極めて微小に設定し、併せてストリッパによるアモルファスメタル板の押え力を厳密に調整しながら行なっているが、打ち抜き時にクラックや割れが多発しているのが実情である。更に、打ち抜き時に抜きかすが細かく途切れ粉化しパンチについて上がる問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、アモルファスメタル板からアモルファスメタル片をクラックや割れを発生せずに打ち抜くと共に、打ち抜きの抜きかす上がりを防止することが可能なアモルファスメタル板の打ち抜き方法及び打ち抜き装置を提供することを目的とする。
本発明者はアモルファスメタル板から打ち抜き片をクラックや割れが生じることなく形成するために種々実験し検討したところ、鉄系のアモルファスメタル板を低温度域に冷却して、又は低温度域に冷却してから大気温度域(室温度域)に復温したものを打ち抜きすると脆性が改善されてクラックや割れが激減することを知見した。また、打ち抜きの際にかす上がりが生じないことを知見した。
このアモルファスメタル板の脆性が改善される学術的な理由は現時点では定かでないが、鉄系のアモルファスメタル板を低温度域に冷却した後、大気温度域に復温したものについて機械的性質を試験したところ、引張り強さのバラツキ、及び破断伸びのバラツキが低温度域に冷却しなかったものに比べて大幅に減少している。この機械的性質を均一化したアモルファスメタル板中の構造的な変化により脆性が改善したであろうと推考される。
このアモルファスメタル板の脆性が改善される学術的な理由は現時点では定かでないが、鉄系のアモルファスメタル板を低温度域に冷却した後、大気温度域に復温したものについて機械的性質を試験したところ、引張り強さのバラツキ、及び破断伸びのバラツキが低温度域に冷却しなかったものに比べて大幅に減少している。この機械的性質を均一化したアモルファスメタル板中の構造的な変化により脆性が改善したであろうと推考される。
本発明は、前記知見に基づいてなされたもので、請求項1記載のアモルファスメタル板の打ち抜き方法は、パンチとダイを相対的に進退させ鉄系のアモルファスメタル板からアモルファスメタル片を打ち抜く方法において、
前記アモルファスメタル板を低温度域に冷却した後直ちに、あるいは前記アモルファスメタル板を低温度域に冷却し保定(その温度で保持)した後に、又は前記アモルファスメタル板を低温度域に冷却してからその温度が大気温度域に復温した後に、打ち抜きする。なお、保定する時間はアモルファスメタル板が均一冷却されるのに必要な時間、例えば、1分以上であればよい。また、大気温度域とは、人工的に特別の加熱も冷却もしない環境下での温度域であり、例えば、10〜40℃の範囲を指す。
また、鉄系のアモルファスメタルは、例えば、鉄−硼素−シリコン系、鉄−硼素−シリコン−炭素系、鉄−硼素−シリコン−クロム系、鉄−コバルト−硼素−シリコン系、鉄−ニッケル−モリブデン−硼素系、鉄−コバルト−ニッケル−モリブデン−硼素−シリコン系、及び鉄−コバルト−ニッケル−硼素−シリコン系等の組成を有するものを指す。
前記アモルファスメタル板を低温度域に冷却した後直ちに、あるいは前記アモルファスメタル板を低温度域に冷却し保定(その温度で保持)した後に、又は前記アモルファスメタル板を低温度域に冷却してからその温度が大気温度域に復温した後に、打ち抜きする。なお、保定する時間はアモルファスメタル板が均一冷却されるのに必要な時間、例えば、1分以上であればよい。また、大気温度域とは、人工的に特別の加熱も冷却もしない環境下での温度域であり、例えば、10〜40℃の範囲を指す。
また、鉄系のアモルファスメタルは、例えば、鉄−硼素−シリコン系、鉄−硼素−シリコン−炭素系、鉄−硼素−シリコン−クロム系、鉄−コバルト−硼素−シリコン系、鉄−ニッケル−モリブデン−硼素系、鉄−コバルト−ニッケル−モリブデン−硼素−シリコン系、及び鉄−コバルト−ニッケル−硼素−シリコン系等の組成を有するものを指す。
請求項2記載のアモルファスメタル板の打ち抜き方法は、請求項1記載のアモルファスメタル板の打ち抜き方法において、前記アモルファスメタル板を打ち抜きに先立って冷却する前記低温度域を−196℃以上で−10℃以下とすることを特徴とする。
請求項3記載のアモルファスメタル板の打ち抜き装置は、パンチとダイを相対的に進退させ鉄系のアモルファスメタル板からアモルファスメタル片を打ち抜くアモルファスメタル板の打ち抜き装置において、
前記アモルファスメタル片を打ち抜く金型の上流側に、前記アモルファスメタル板を、例えば−196℃以上で−10℃以下の低温度域に冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする。
前記アモルファスメタル片を打ち抜く金型の上流側に、前記アモルファスメタル板を、例えば−196℃以上で−10℃以下の低温度域に冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする。
請求項1及び2記載のアモルファスメタル板の打ち抜き方法は、打ち抜きに先立ってアモルファスメタル板を低温度域に冷却するので、アモルファスメタル板の脆性を改善することができ、打ち抜いたアモルファスメタル片にクラックや割れが発生するのを防止することが可能になる。その結果、所望形状のアモルファスメタル片を安定して打ち抜き形成することができる。更に、アモルファスメタル板の脆性が改善されることにより抜きかすが粉々にならず、かす上がりを防止することが可能になる。
特に、請求項2記載のアモルファスメタル板の打ち抜き方法においては、打ち抜きに先立って冷却する低温度域を、−196℃以上で−10℃以下として冷却するので、安価にしかも効果的にアモルファスメタル板の脆性改善が達成できる。その結果、厳しい加工が要求される、例えば、電動機の積層鉄心を構成する鉄心片のかしめ部(かしめ孔及びかしめ用突起のいずれか一方又は双方)を安定して形成することができる。
ここで、低温度域の上限を−10℃としたのは、−10℃を超える低温度域に冷却しても打ち抜いたアモルファスメタル片に発生するクラックや割れの頻度を顕著に減少させることができないからである。また、アモルファスメタル板を−10℃以下に冷却すれば、打ち抜きで得られるアモルファスメタル片に発生するクラックや割れの頻度を減少させることができるが、冷却温度を下げるには費用が嵩むため、安価な液体窒素で冷却できる最低温度(−196℃)を低温度域の下限温度とした。
ここで、低温度域の上限を−10℃としたのは、−10℃を超える低温度域に冷却しても打ち抜いたアモルファスメタル片に発生するクラックや割れの頻度を顕著に減少させることができないからである。また、アモルファスメタル板を−10℃以下に冷却すれば、打ち抜きで得られるアモルファスメタル片に発生するクラックや割れの頻度を減少させることができるが、冷却温度を下げるには費用が嵩むため、安価な液体窒素で冷却できる最低温度(−196℃)を低温度域の下限温度とした。
請求項3記載のアモルファスメタル板の打ち抜き装置においては、金型の上流側に冷却手段を設けたので、アモルファスメタル板を低温度域に冷却し脆性を改善させて打ち抜きを行なうことができ、アモルファスメタル片にクラックや割れが発生するのを防止することが可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係るアモルファスメタル板の打ち抜き装置の説明図、図2(A)〜(E)は同アモルファスメタル板の打ち抜き装置による鉄心片の打ち抜き工程を示す説明図、図3は同アモルファスメタル板の打ち抜き装置のプレス手段の拡大図、図4(A)は同アモルファスメタル板の打ち抜き装置において形成される鉄心片の説明図、(B)は鉄心片のかしめ部の拡大断面図、図5は本発明の第2の実施の形態に係るアモルファスメタル板の打ち抜き装置に設けた冷却手段の説明図である。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係るアモルファスメタル板の打ち抜き装置の説明図、図2(A)〜(E)は同アモルファスメタル板の打ち抜き装置による鉄心片の打ち抜き工程を示す説明図、図3は同アモルファスメタル板の打ち抜き装置のプレス手段の拡大図、図4(A)は同アモルファスメタル板の打ち抜き装置において形成される鉄心片の説明図、(B)は鉄心片のかしめ部の拡大断面図、図5は本発明の第2の実施の形態に係るアモルファスメタル板の打ち抜き装置に設けた冷却手段の説明図である。
図1〜図3に示すように、アモルファスメタル板の打ち抜き装置10は、巻き出しリール11にセットされたアモルファスメタルコイル12から巻き解いたアモルファスメタル板13に、例えば、図2(A)〜(E)に示す各打ち抜き加工をそれぞれ施す5台のプレス手段14〜18を有している。ここで、プレス手段14には、図2(A)に示すように、アモルファスメタル板13の両側にパイロット孔19を打ち抜き形成する図示しないダイを備えた下型20と、図示しないパイロット孔抜きパンチを備えた上型21を有する金型22が設けられている。また、プレス手段14を中央にしてその上流側及び下流側には、ルーパーロール23及びロール24を介して搬送されてきたアモルファスメタル板13にパイロット孔19が打ち抜き形成される毎に、アモルファスメタル板13の両側を上下方向からグリップ25で把持して下流側に移動させる間欠搬送手段26、27が設けられている。
更に、プレス手段14は、金型22の上流側に設けられ、間欠搬送手段26で搬送されるアモルファスメタル板13に向けて冷媒ガスを複数のノズル28から噴出してアモルファスメタル板13を所望の低温度域まで冷却する第1の冷却手段29を有している。
ここで、冷媒ガスとしては、例えば、液体窒素ガス、液体アルゴンガス、ドライアイスガス、及び冷却空気を使用することができ、更に、液体窒素ガス、液体アルゴンガス、ドライアイスガス、及び冷却空気のいずれか2以上を任意の割合で混合した混合ガスを使用することもできる。なお、図1、図3ではアモルファスメタル板13に上方から冷媒ガスを吹き付けるように各ノズル28を並べて設けたが、間欠搬送手段26やプレス手段の設置状況に応じてノズル28の配置及び冷媒ガスの吹き付け方向は自由に選択できる。
ここで、冷媒ガスとしては、例えば、液体窒素ガス、液体アルゴンガス、ドライアイスガス、及び冷却空気を使用することができ、更に、液体窒素ガス、液体アルゴンガス、ドライアイスガス、及び冷却空気のいずれか2以上を任意の割合で混合した混合ガスを使用することもできる。なお、図1、図3ではアモルファスメタル板13に上方から冷媒ガスを吹き付けるように各ノズル28を並べて設けたが、間欠搬送手段26やプレス手段の設置状況に応じてノズル28の配置及び冷媒ガスの吹き付け方向は自由に選択できる。
このような構成とすることにより、各ノズル28から噴出させる冷媒ガスの種類と総量を調整することにより、金型22を用いてアモルファスメタル板13にパイロット孔19を打ち抜き形成する前に、アモルファスメタル板13を−196〜−10℃の低温度域に冷却することができる。そして、パイロット孔19が打ち抜き形成される毎に、ルーパーロール23及びロール24と連携してアモルファスメタル板13をグリップ25を備えた間欠搬送手段26、27でロール30を介して下流側のプレス手段15に搬送することができる。
プレス手段15には、図2(B)に示すように、アモルファスメタル板13の中央部に軸孔31を打ち抜き形成する図示しないダイを備えた下型32と、図示しない軸孔抜きパンチを備えた上型33を有する金型34が設けられている。また、プレス手段15を中央にしてその上流側及び下流側には、ルーパーロール35及びロール36を介して搬送されてきたアモルファスメタル板13に軸孔31が打ち抜き形成される毎に、アモルファスメタル板13の両側を上下方向からグリップ37で把持して下流側に移動させる間欠搬送手段38、39が設けられている。更に、プレス手段15は、金型34の上流側に設けられ、間欠搬送手段38で搬送されるアモルファスメタル板13に向けて冷媒ガスを複数のノズル40から噴出してアモルファスメタル板13を所望の低温度域まで冷却する第2の冷却手段41を有している。なお、第2の冷却手段41の構成は第1の冷却手段29の構成と同様にすることができる。
このような構成とすることにより、アモルファスメタル板13に金型34により軸孔31を打ち抜き形成する前にアモルファスメタル板13を−196〜−10℃の低温度域に冷却することができ、軸孔31が打ち抜き形成される毎に、ルーパーロール35及びロール36と連携してアモルファスメタル板13をグリップ37を備えた間欠搬送手段38、39でロール42を介して下流側のプレス手段16に搬送することができる。
このような構成とすることにより、アモルファスメタル板13に金型34により軸孔31を打ち抜き形成する前にアモルファスメタル板13を−196〜−10℃の低温度域に冷却することができ、軸孔31が打ち抜き形成される毎に、ルーパーロール35及びロール36と連携してアモルファスメタル板13をグリップ37を備えた間欠搬送手段38、39でロール42を介して下流側のプレス手段16に搬送することができる。
プレス手段16には、図2(C)に示すように、アモルファスメタル板13の形成された軸孔31の外側に複数(本実施の形態では8個)のスロット43を打ち抜き形成する図示しないダイを備えた下型44と、図示しないスロット抜きパンチを備えた上型45を有する金型46が設けられている。また、プレス手段16を中央にしてその上流側及び下流側には、ルーパーロール47及びロール48を介して搬送されてきたアモルファスメタル板13にスロット43が打ち抜き形成される毎に、アモルファスメタル板13の両側を上下方向からグリップ49で把持して下流側に移動させる間欠搬送手段50、51が設けられている。更に、プレス手段16は、金型46の上流側に設けられ、間欠搬送手段50で搬送されるアモルファスメタル板13に向けて冷媒ガスを複数のノズル52から噴出してアモルファスメタル板13を所望の低温度域まで冷却する第3の冷却手段53を有している。なお、第3の冷却手段53の構成は第1の冷却手段29の構成と同様にすることができる。
このような構成とすることにより、アモルファスメタル板13に金型46によりスロット43を打ち抜き形成する前にアモルファスメタル板13を−196〜−10℃の低温度域に冷却することができ、スロット43が打ち抜き形成される毎に、ルーパーロール47及びロール48と連携してアモルファスメタル板13をグリップ49を備えた間欠搬送手段50、51でロール48aを介して下流側のプレス手段17に搬送することができる。
このような構成とすることにより、アモルファスメタル板13に金型46によりスロット43を打ち抜き形成する前にアモルファスメタル板13を−196〜−10℃の低温度域に冷却することができ、スロット43が打ち抜き形成される毎に、ルーパーロール47及びロール48と連携してアモルファスメタル板13をグリップ49を備えた間欠搬送手段50、51でロール48aを介して下流側のプレス手段17に搬送することができる。
プレス手段17には、図2(D)に示すように、アモルファスメタル板13の形成された軸孔31の外側に複数(本実施の形態では4個)のかしめ部54を打ち抜き形成する図示しないダイを備えた下型55と、図示しないかしめ部形成用パンチを備えた上型56を有する金型57が設けられている。また、プレス手段17を中央にしてその上流側及び下流側には、ルーパーロール58及びロール59を介して搬送されてきたアモルファスメタル板13にかしめ部54が打ち抜き形成される毎に、アモルファスメタル板13の両側を上下方向からグリップ60で把持して下流側に移動させる間欠搬送手段61、62が設けられている。更に、プレス手段17は、金型57の上流側に設けられ、間欠搬送手段61で搬送されるアモルファスメタル板13に向けて冷媒ガスを複数のノズル63から噴出してアモルファスメタル板13を所望の低温度域まで冷却する第4の冷却手段64を有している。なお、第4の冷却手段64の構成は第1の冷却手段29の構成と同様にすることができる。
このような構成とすることにより、アモルファスメタル板13に金型57によりかしめ部54を打ち抜き形成する前にアモルファスメタル板13を−196〜−10℃の低温度域に冷却することができ、かしめ部54が打ち抜き形成される毎に、ルーパーロール58及びロール59と連携してアモルファスメタル板13をグリップ60を備えた間欠搬送手段61、62でロール65を介して下流側のプレス手段18に搬送することができる。
このような構成とすることにより、アモルファスメタル板13に金型57によりかしめ部54を打ち抜き形成する前にアモルファスメタル板13を−196〜−10℃の低温度域に冷却することができ、かしめ部54が打ち抜き形成される毎に、ルーパーロール58及びロール59と連携してアモルファスメタル板13をグリップ60を備えた間欠搬送手段61、62でロール65を介して下流側のプレス手段18に搬送することができる。
プレス手段18には、図2(E)、図4(A)に示すように、外形抜きを行なってアモルファスメタル片の一例である鉄心片66を打ち抜き形成する図示しないダイを備えた下型67と、図示しな外形抜き用パンチを備えた上型68を有する金型69が設けられている。また、プレス手段18を中央にしてその上流側及び下流側には、ルーパーロール70及びロール71を介して搬送されてきたアモルファスメタル板13に鉄心片66の外形抜きを行なう毎に、アモルファスメタル板13の両側を上下方向からグリップ72で把持して下流側に移動させる間欠搬送手段73、74が設けられている。更に、プレス手段18は、金型69の上流側に設けられ、間欠搬送手段73で搬送されるアモルファスメタル板13に向けて冷媒ガスを複数のノズル75から噴出してアモルファスメタル板13を所望の低温度域まで冷却する第5の冷却手段76を有している。なお、第5の冷却手段76の構成は第1の冷却手段29の構成と同様にすることができる。
このような構成とすることにより、アモルファスメタル板13に金型69により鉄心片66の外形抜きを行なう前にアモルファスメタル板13を−196〜−10℃の低温度域に冷却することができ、鉄心片66の外形抜きを行なう毎に、ルーパーロール70及びロール71と連携してアモルファスメタル板13をグリップ69を備えた間欠搬送手段73、74でロール77を介してプレス手段18から排出することができる。
なお、各プレス手段14〜18では、図3(プレス手段14のみを記載)に示すように、下型20、32、44、55、67はダイプレート78を、上型21、33、45、56、68はパンチプレート79を介してそれぞれフレーム80に取付けられ、パンチプレート79とダイプレート78は駆動モータ81で回転する偏心カム82に連動して上下動する加圧伝達プレート83により相対的に進退するようになっている。
なお、各プレス手段14〜18では、図3(プレス手段14のみを記載)に示すように、下型20、32、44、55、67はダイプレート78を、上型21、33、45、56、68はパンチプレート79を介してそれぞれフレーム80に取付けられ、パンチプレート79とダイプレート78は駆動モータ81で回転する偏心カム82に連動して上下動する加圧伝達プレート83により相対的に進退するようになっている。
次に、本発明の第1の実施の形態に係るアモルファスメタル板の打ち抜き装置10を使用したアモルファスメタル板13からの鉄心片66の打ち抜き方法について説明する。
巻き出しリール11にセットされたアモルファスメタルコイル12から巻き解かれたアモルファスメタル板13は、プレス手段14に設けられた金型22を用いてパイロット孔19が打ち抜き形成されるが、打ち抜きを行なう前に金型22の上流側に設けられた第1の冷却手段29のノズル28から、冷媒ガス(例えば液体アルゴンガス)を噴出し所望の低温度域、例えば、−80℃まで冷却する。これによって、アモルファスメタル板13の脆性の改善が行なわれる。冷却されたアモルファスメタル板13は、金型22内に搬送され下型20に設けたダイと上型21に設けたパイロット孔抜きパンチにより図2(A)で示すパイロット孔19が打ち抜き形成される。そして、パイロット孔19が打ち抜き形成される毎に、アモルファスメタル板13はグリップ25でその両側が把持され間欠搬送手段26、27で下流側のプレス手段15に搬送される。脆性が改善されたアモルファスメタル板13にパイロット孔19を打ち抜くため、パイロット孔19周辺のアモルファスメタル板13にクラックや割れは発生しない。また、抜きかすの粉化も防止でき、かす上がりが発生しない。
巻き出しリール11にセットされたアモルファスメタルコイル12から巻き解かれたアモルファスメタル板13は、プレス手段14に設けられた金型22を用いてパイロット孔19が打ち抜き形成されるが、打ち抜きを行なう前に金型22の上流側に設けられた第1の冷却手段29のノズル28から、冷媒ガス(例えば液体アルゴンガス)を噴出し所望の低温度域、例えば、−80℃まで冷却する。これによって、アモルファスメタル板13の脆性の改善が行なわれる。冷却されたアモルファスメタル板13は、金型22内に搬送され下型20に設けたダイと上型21に設けたパイロット孔抜きパンチにより図2(A)で示すパイロット孔19が打ち抜き形成される。そして、パイロット孔19が打ち抜き形成される毎に、アモルファスメタル板13はグリップ25でその両側が把持され間欠搬送手段26、27で下流側のプレス手段15に搬送される。脆性が改善されたアモルファスメタル板13にパイロット孔19を打ち抜くため、パイロット孔19周辺のアモルファスメタル板13にクラックや割れは発生しない。また、抜きかすの粉化も防止でき、かす上がりが発生しない。
プレス手段15に搬送されてきたアモルファスメタル板13は、プレス手段15に設けられた金型34内に進入する前に、金型34の上流側に設けられた第2の冷却手段41のノズル40から噴出する冷媒ガスにより、例えば、−80℃まで冷却される。冷却されたアモルファスメタル板13は金型34内に進入してアモルファスメタル板13に形成されたパイロット孔19に金型34に設けられたピン(図示しない)が嵌入することにより位置決めが行なわれ、次いで、下型32に設けられたダイと上型33に設けられた軸孔抜きパンチにより図2(B)で示す軸孔31が打ち抜き形成される。そして、軸孔31が打ち抜き形成される毎に、アモルファスメタル板13はグリップ37でその両側が把持され間欠搬送手段38、39で下流側のプレス手段16に搬送される。脆性が改善されたアモルファスメタル板13に軸孔31を打ち抜くため軸孔31周囲のアモルファスメタル板13にクラックや割れは発生しない。また、抜きかすの粉化も防止でき、かす上がりが発生しない。
プレス手段16に搬送されてきたアモルファスメタル板13は、プレス手段16に設けられた金型46内に進入する前に、金型46の上流側に設けられた第3の冷却手段53のノズル52から噴出する冷媒ガスにより、例えば、−80℃まで冷却される。冷却されたアモルファスメタル板13は金型46内に進入してアモルファスメタル板13に形成されたパイロット孔19に金型46に設けられたピン(図示しない)が嵌入することにより位置決めが行なわれ、次いで、下型44に設けられたダイと上型45に設けられたスロット抜きパンチにより図2(C)で示すスロット43が打ち抜き形成される。そして、スロット43が打ち抜き形成される毎に、アモルファスメタル板13はグリップ49でその両側が把持され間欠搬送手段50、51で下流側のプレス手段17に搬送される。脆性が改善されたアモルファスメタル板13にスロット43を打ち抜くためスロット43周囲のアモルファスメタル板13にクラックや割れは発生しない。また、抜きかすの粉化も防止でき、かす上がりが発生しない。
プレス手段17に搬送されてきたアモルファスメタル板13は、プレス手段17に設けられた金型57内に進入する前に、金型57の上流側に設けられた第4の冷却手段64のノズル63から噴出する冷媒ガスにより、例えば、−80℃まで冷却される。冷却されたアモルファスメタル板13は金型57内に進入してアモルファスメタル板13に形成されたパイロット孔19に金型57に設けられたピン(図示しない)が嵌入することにより位置決めが行なわれ、次いで、下型55に設けられたダイと上型56に設けられたかしめ部形成用パンチにより図2(D)、図4(B)に示すかしめ部54が打ち抜き形成される。なお、かしめ部54を形成する際、積層1枚目の鉄心片Pにはかしめ孔54aが、積層2枚目以降の鉄心片Qには切り曲げ状のかしめ突起54bをそれぞれ形成する必要がある。このため、ダイプレートで支持される下型55に対してかしめ部形成用パンチのストロークを調整して、積層2枚目以降の鉄心片Qには切り曲げ状のかしめ突起54bが形成されるようにする。そして、かしめ部54が打ち抜き形成される毎に、アモルファスメタル板13はグリップ60でその両側が把持され間欠搬送手段61、62で下流側のプレス手段18に搬送される。脆性が改善されたアモルファスメタル板13にかしめ部54を形成するので、切り曲げ状の厳しい加工が要求されてもかしめ突起54b箇所にクラックや割れは発生しない。また、抜きかすの粉化も防止でき、かす上がりが発生しない。
プレス手段18に搬送されてきたアモルファスメタル板13は、プレス手段18に設けられた金型69内に進入する前に、金型69の上流側に設けられた第5の冷却手段76のノズル75から噴出する冷媒ガスにより、例えば、−80℃まで冷却される。冷却されたアモルファスメタル板13は金型69内に進入してアモルファスメタル板13に形成されたパイロット孔19に金型69に設けられたピン(図示しない)が嵌入することにより位置決めが行なわれ、次いで、下型67に設けられたダイと上型68に設けられた外形抜き用パンチにより図2(E)で示す鉄心片66の外形抜きが行なわれる。そして、鉄心片66の外形抜きが行なわれる毎に、アモルファスメタル板13はグリップ72でその両側が把持され間欠搬送手段73、74でロール77を介してプレス手段18から排出される。脆性が改善されたアモルファスメタル板13から鉄心片66の外形抜きを行なうので鉄心片66の外形縁部にクラックや割れは発生しない。また、抜きかすの粉化も防止でき、かす上がりが発生しない。
得られた鉄心片66はかしめ積層されるが、鉄心片66の脆性が改善されているので、鉄心片66に荷重を加えてかしめ積層しても鉄心片66にクラックや割れは発生せず、積層鉄心の製造歩留りが向上する。
得られた鉄心片66はかしめ積層されるが、鉄心片66の脆性が改善されているので、鉄心片66に荷重を加えてかしめ積層しても鉄心片66にクラックや割れは発生せず、積層鉄心の製造歩留りが向上する。
図5に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るアモルファスメタル板の打ち抜き装置は、第1の実施の形態に係るアモルファスメタル板の打ち抜き装置10において各プレス手段14〜18から各冷却手段29、41、53、64、76を除きアモルファスメタルコイル12を一括して冷却する冷却手段84を設けたことが特徴となっている。このため、冷却手段84についてのみ説明する。なお、同一の構成部材には同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
冷却手段84は、アモルファスメタルコイル12を支持するベースプレート85と、ベースプレート85で支持されたアモルファスコイル12を収容し冷媒ガスを内部に噴出する複数の冷媒ガス注入口86を備えた冷却容器87を有している。更に、冷却手段84は、図示しない冷媒ガス供給部と、冷媒ガス供給部から冷媒ガス注入口86に冷媒ガス輸送を輸送する配管を有している。
このような構成とすることにより、アモルファスメタル板13をアモルファスメタルコイル12の状態で一括して低温度域に冷却し脆性の改善を図ることができる。そして、鉄系のアモルファスメタル板13では、脆性の改善が行なわれるとこの脆性改善効果は維持されるため、冷却容器87に供給する冷媒ガスを停止し冷却容器87内、あるいは冷却容器87から出してアモルファスメタルコイル12の温度を大気温度域に復温してから、鉄心片66の打ち抜き形成を行なうことができる。
冷却手段84は、アモルファスメタルコイル12を支持するベースプレート85と、ベースプレート85で支持されたアモルファスコイル12を収容し冷媒ガスを内部に噴出する複数の冷媒ガス注入口86を備えた冷却容器87を有している。更に、冷却手段84は、図示しない冷媒ガス供給部と、冷媒ガス供給部から冷媒ガス注入口86に冷媒ガス輸送を輸送する配管を有している。
このような構成とすることにより、アモルファスメタル板13をアモルファスメタルコイル12の状態で一括して低温度域に冷却し脆性の改善を図ることができる。そして、鉄系のアモルファスメタル板13では、脆性の改善が行なわれるとこの脆性改善効果は維持されるため、冷却容器87に供給する冷媒ガスを停止し冷却容器87内、あるいは冷却容器87から出してアモルファスメタルコイル12の温度を大気温度域に復温してから、鉄心片66の打ち抜き形成を行なうことができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るアモルファスメタル板13からの鉄心片66の打ち抜き方法について説明する。
アモルファスメタルコイル12を冷却容器87内のベースプレート85上に載置し、冷媒ガス注入口86から冷媒ガス(例えば、液体窒素ガスと冷却空気の混合ガス)を噴出させ、アモルファスメタルコイル12の温度を、例えば、−100℃まで下げて20分間保定する。その後、混合ガスの噴出を停止し、冷却容器87からアモルファスメタルコイル12を取り出し、打ち抜き作業が開始されるまで大気温度域で保管した。保管中にアモルファスメタルコイル12の温度は徐々に上昇し、大気温度域、例えば、30℃まで復温した。そして、巻き出しリール11にアモルファスメタルコイル12をセットし、アモルファスメタル板13を巻き解きアモルファスメタル板の打ち抜き装置に供給し、冷却手段の設けられていない各プレス手段14〜18で順次打ち抜き加工を行なって鉄心片66を形成した。
アモルファスメタルコイル12を冷却容器87内のベースプレート85上に載置し、冷媒ガス注入口86から冷媒ガス(例えば、液体窒素ガスと冷却空気の混合ガス)を噴出させ、アモルファスメタルコイル12の温度を、例えば、−100℃まで下げて20分間保定する。その後、混合ガスの噴出を停止し、冷却容器87からアモルファスメタルコイル12を取り出し、打ち抜き作業が開始されるまで大気温度域で保管した。保管中にアモルファスメタルコイル12の温度は徐々に上昇し、大気温度域、例えば、30℃まで復温した。そして、巻き出しリール11にアモルファスメタルコイル12をセットし、アモルファスメタル板13を巻き解きアモルファスメタル板の打ち抜き装置に供給し、冷却手段の設けられていない各プレス手段14〜18で順次打ち抜き加工を行なって鉄心片66を形成した。
アモルファスメタルコイル12の状態で−100℃まで冷却したため、アモルファスメタル板13の脆性を改善することができ、形成した鉄心片66の外形縁部及びかしめ突起54bの箇所にはクラックや割れは発生しなかった。更に、鉄心片66に荷重を加えてかしめ積層しても鉄心片66にクラックや割れは発生しなかった。
第2の実施の形態では、アモルファスメタル板13の脆性改善を一括して効率的に行なうことができる。また打ち抜き作業は冷却作業に関係なく都合がよい時に行なうことができ、アモルファスメタル板13から鉄心片66の製造を容易に行なうことができる。更に、打ち抜き作業を大気温度域で行なうことができるため、従来のプレス手段を使用してアモルファスメタル板13から鉄心片66を打ち抜くことができる。
第2の実施の形態では、アモルファスメタル板13の脆性改善を一括して効率的に行なうことができる。また打ち抜き作業は冷却作業に関係なく都合がよい時に行なうことができ、アモルファスメタル板13から鉄心片66の製造を容易に行なうことができる。更に、打ち抜き作業を大気温度域で行なうことができるため、従来のプレス手段を使用してアモルファスメタル板13から鉄心片66を打ち抜くことができる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。ここで、図6は本発明の実施例における鉄系のアモルファスメタル板の冷却温度と鉄心片100枚当たりの欠陥発生枚数との関係を示すグラフである。
板厚20μmの鉄−硼素−シリコン系のアモルファスメタル板を供試材として、種々の冷却温度(0、−10、−20、−30、−40、−50、−80、及び−196℃)に冷却して10分間保持した。次いで、冷却された状態のアモルファスメタル板から図4(B)に示すような片方に切り曲げ状のかしめ突起を備えた図4(A)に示す外形形状の鉄心片を100枚ずつ打ち抜き形成した。また、比較例として、板厚20μmの鉄−硼素−シリコン系のアモルファスメタル板を冷却せず(打ち抜き時のアモルファスメタル板の温度は30℃であった)、同一の金型を使用して切り曲げ状のかしめ突起を備えた鉄心片を100枚打ち抜き形成した。そして、打ち抜いた各鉄心片の外形抜き縁部及びかしめ突起箇所において、欠陥(クラックや割れ)の発生の有無を調査し、アモルファスメタル板の冷却温度毎に欠陥の発生した枚数を求めた。その結果を図6に示す。
板厚20μmの鉄−硼素−シリコン系のアモルファスメタル板を供試材として、種々の冷却温度(0、−10、−20、−30、−40、−50、−80、及び−196℃)に冷却して10分間保持した。次いで、冷却された状態のアモルファスメタル板から図4(B)に示すような片方に切り曲げ状のかしめ突起を備えた図4(A)に示す外形形状の鉄心片を100枚ずつ打ち抜き形成した。また、比較例として、板厚20μmの鉄−硼素−シリコン系のアモルファスメタル板を冷却せず(打ち抜き時のアモルファスメタル板の温度は30℃であった)、同一の金型を使用して切り曲げ状のかしめ突起を備えた鉄心片を100枚打ち抜き形成した。そして、打ち抜いた各鉄心片の外形抜き縁部及びかしめ突起箇所において、欠陥(クラックや割れ)の発生の有無を調査し、アモルファスメタル板の冷却温度毎に欠陥の発生した枚数を求めた。その結果を図6に示す。
図6から判るように、アモルファスメタル板を冷却しないで打ち抜いた比較例では外形抜き縁部に欠陥が存在する鉄心片が20枚、かしめ突起箇所に欠陥が存在する鉄心片が30枚それぞれ存在した。
これに対して、アモルファスメタル板を冷却して打ち抜いた実施例では、外形抜き縁部及びかしめ突起箇所に欠陥が存在する鉄心片の枚数はいずれも減少し、特に、−10℃に冷却すると、外形抜き縁部に欠陥が存在する鉄心片は0枚、かしめ突起箇所に欠陥が存在する鉄心片は3枚と欠陥の存在する鉄心片の枚数が大きく減少することが確認できた。更に、−30℃以下に冷却すると、外形抜き縁部に欠陥が存在する鉄心片の枚数、かしめ突起箇所に欠陥が存在する鉄心片の枚数はいずれも0枚となることが確認できた。
これに対して、アモルファスメタル板を冷却して打ち抜いた実施例では、外形抜き縁部及びかしめ突起箇所に欠陥が存在する鉄心片の枚数はいずれも減少し、特に、−10℃に冷却すると、外形抜き縁部に欠陥が存在する鉄心片は0枚、かしめ突起箇所に欠陥が存在する鉄心片は3枚と欠陥の存在する鉄心片の枚数が大きく減少することが確認できた。更に、−30℃以下に冷却すると、外形抜き縁部に欠陥が存在する鉄心片の枚数、かしめ突起箇所に欠陥が存在する鉄心片の枚数はいずれも0枚となることが確認できた。
以上、本発明の実施の形態を鉄心片の打ち抜きについて説明したが、アモルファスメタル板から磁気センサ片、トルクセンサ片、あるいは電磁波シールド片の打ち抜き形成にも適用できる。また、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明のアモルファスメタル板の打ち抜き方法及び打ち抜き装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、プレス手段にアモルファスメタル板を搬送する前にアモルファスメタル板の温度を、例えば、非接触式の温度計で測定し、測定温度と所定の冷却温度との差に基づいて冷媒ガスの噴出量や混合組成を調整するようにしてもよい。
例えば、プレス手段にアモルファスメタル板を搬送する前にアモルファスメタル板の温度を、例えば、非接触式の温度計で測定し、測定温度と所定の冷却温度との差に基づいて冷媒ガスの噴出量や混合組成を調整するようにしてもよい。
10:アモルファスメタル板の打ち抜き装置、11:巻き出しリール、12:アモルファスメタルコイル、13:アモルファスメタル板、14〜18:プレス手段、19:パイロット孔、20:下型、21:上型、22:金型、23:ルーパーロール、24:ロール、25:グリップ、26、27:間欠搬送手段、28:ノズル、29:第1の冷却手段、30:ロール、31:軸孔、32:下型、33:上型、34:金型、35:ルーパーロール、36:ロール、37:グリップ、38、39:間欠搬送手段、40:ノズル、41:第2の冷却手段、42:ロール、43:スロット、44:下型、45:上型、46:金型、47:ルーパーロール、48、48a:ロール、49:グリップ、50、51:間欠搬送手段、52:ノズル、53:第3の冷却手段、54:かしめ部、54a:かしめ孔、54b:かしめ突起、55:下型、56:上型、57:金型、58:ルーパーロール、59:ロール、60:グリップ、61、62:間欠搬送手段、63:ノズル、64:第4の冷却手段、65:ロール、66:鉄心片、67:下型、68:上型、69:金型、70:ルーパーロール、71:ロール、72:グリップ、73、74:間欠搬送手段、75:ノズル、76:第5の冷却手段、77:ロール、78:ダイプレート、79:パンチプレート、80:フレーム、81:駆動モータ、82:偏心カム、83:加圧伝達プレート、84:冷却手段、85:ベースプレート、86:冷媒ガス注入口、87:冷却容器
Claims (3)
- パンチとダイを相対的に進退させ鉄系のアモルファスメタル板からアモルファスメタル片を打ち抜く方法において、
前記アモルファスメタル板を低温度域に冷却した後直ちに、あるいは前記アモルファスメタル板を低温度域に冷却し保定した後に、又は前記アモルファスメタル板を低温度域に冷却してからその温度が大気温度域に復温した後に、打ち抜きすることを特徴とするアモルファスメタル板の打ち抜き方法。 - 請求項1記載のアモルファスメタル板の打ち抜き方法において、前記低温度域は、−196℃以上で−10℃以下であることを特徴とするアモルファスメタル板の打ち抜き方法。
- パンチとダイを相対的に進退させ鉄系のアモルファスメタル板からアモルファスメタル片を打ち抜くアモルファスメタル板の打ち抜き装置において、
前記アモルファスメタル片を打ち抜く金型の上流側に前記アモルファスメタル板を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とするアモルファスメタル板の打ち抜き装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004183923A JP2006007232A (ja) | 2004-06-22 | 2004-06-22 | アモルファスメタル板の打ち抜き方法及び打ち抜き装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004183923A JP2006007232A (ja) | 2004-06-22 | 2004-06-22 | アモルファスメタル板の打ち抜き方法及び打ち抜き装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006007232A true JP2006007232A (ja) | 2006-01-12 |
Family
ID=35775038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004183923A Pending JP2006007232A (ja) | 2004-06-22 | 2004-06-22 | アモルファスメタル板の打ち抜き方法及び打ち抜き装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006007232A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8276426B2 (en) * | 2007-03-21 | 2012-10-02 | Magnetic Metals Corporation | Laminated magnetic cores |
WO2019208651A1 (ja) * | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 日立金属株式会社 | 非晶質金属薄帯、その加工方法、及び、積層体の製造方法 |
CN110508707A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-11-29 | 宁国井田机电有限公司 | 一种硅钢卷放料焊接装置 |
JP2020047831A (ja) * | 2018-09-20 | 2020-03-26 | トヨタ自動車株式会社 | 鉄心の製造方法 |
CN113263108A (zh) * | 2020-02-17 | 2021-08-17 | 山田尖端科技株式会社 | 渐进式压力加工方法 |
-
2004
- 2004-06-22 JP JP2004183923A patent/JP2006007232A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8276426B2 (en) * | 2007-03-21 | 2012-10-02 | Magnetic Metals Corporation | Laminated magnetic cores |
WO2019208651A1 (ja) * | 2018-04-25 | 2019-10-31 | 日立金属株式会社 | 非晶質金属薄帯、その加工方法、及び、積層体の製造方法 |
CN112004621A (zh) * | 2018-04-25 | 2020-11-27 | 日立金属株式会社 | 非晶态金属薄带、其加工方法和层叠体的制造方法 |
JPWO2019208651A1 (ja) * | 2018-04-25 | 2021-05-27 | 日立金属株式会社 | 非晶質金属薄帯、その加工方法、及び、積層体の製造方法 |
JP7219869B2 (ja) | 2018-04-25 | 2023-02-09 | 株式会社プロテリアル | 非晶質金属薄帯、その加工方法、及び、積層体の製造方法 |
JP2020047831A (ja) * | 2018-09-20 | 2020-03-26 | トヨタ自動車株式会社 | 鉄心の製造方法 |
CN110508707A (zh) * | 2019-08-13 | 2019-11-29 | 宁国井田机电有限公司 | 一种硅钢卷放料焊接装置 |
CN113263108A (zh) * | 2020-02-17 | 2021-08-17 | 山田尖端科技株式会社 | 渐进式压力加工方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2973670C (en) | Punching method, punching device, and method for manufacturing laminated iron core | |
JP2016215207A (ja) | 金型装置及び薄板材の打抜き方法 | |
JP2012115894A (ja) | 金属板打ち抜き加工方法及び装置と回転電機鉄心の製造方法 | |
WO2017056759A1 (ja) | セパレータの製造方法 | |
JP2006007232A (ja) | アモルファスメタル板の打ち抜き方法及び打ち抜き装置 | |
JPWO2008133090A1 (ja) | 異形積層コアの製造方法 | |
EP3765217B1 (en) | Laser assisted machining of electric motor cores | |
JP2013115942A (ja) | 積層鉄心の製造方法 | |
JP2007260820A (ja) | 高アスペクト比な貫孔部を有する工業用部品の製造方法 | |
JP2012115893A (ja) | 金属板の打ち抜き加工方法及び装置と回転電機鉄心の製造方法 | |
EP3731982B1 (en) | Multi-layer blanking process for manufacturing metal parts | |
US10892089B2 (en) | Method for producing magnetic component using amorphous or nanocrystalline soft magnetic material | |
JP2016096634A (ja) | 打抜き方法及び打抜き装置並びに積層鉄心の製造方法 | |
JP2013150449A (ja) | モータコアの製造方法 | |
JP3842146B2 (ja) | 積層鉄心の製造方法 | |
US20230129627A1 (en) | Manufacturing method for laminated core of rotating electric machine, and manufacturing apparatus for laminated core of rotating electric machine | |
JP2003324861A (ja) | 積層鉄心の製造方法及び積層鉄心の製造装置 | |
JP7375728B2 (ja) | 積鉄心形変圧器用鉄心部材の製造方法と製造装置 | |
WO2019200339A1 (en) | Laser assisted machining of sheet material | |
JP2006231425A (ja) | 切断面割れを低減するシャーせん断刃、せん断加工方法およびせん断加工装置 | |
JP2826936B2 (ja) | 金型圧延連続処理装置 | |
JP2004017055A (ja) | 金型装置 | |
JP7122172B2 (ja) | 積層鉄心の製造方法 | |
JP2012170187A (ja) | 積層部品の製造方法 | |
JP4397420B2 (ja) | 点火コイル鉄心の製造方法 |