JP2016096634A - 打抜き方法及び打抜き装置並びに積層鉄心の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の電磁鋼板が積層された被加工体を対象とした打抜き加工において十分な性能を有するカシメを形成できる方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る打抜き方法は、(a)少なくとも二つの電磁鋼板の巻重体を準備する工程と、(b)各巻重体から引き出された各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成する工程と、(c)カシメがそれぞれ形成され且つ重ね合された少なくとも二枚の電磁鋼板からなる被加工板を金型に供給する工程と、(d)金型において被加工板の打抜き加工を行う工程とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は複数枚の鋼板からなる被加工板の打抜き方法及びこれに用いる装置並びに積層鉄心の製造方法に関する。
積層鉄心はモーターの部品であり、所定の形状に加工された複数の電磁鋼板を積み重ね、これらを締結することによって形成される。モーターは積層鉄心からなる回転子(ロータ)及び固定子(ステータ)を備え、固定子にコイルを巻き付ける工程、回転子にシャフトを取り付ける工程などを経て完成する。積層鉄心が採用されたモーターは、従来、冷蔵庫、エアコン、ハードディスクドライブ、電動工具等の駆動源として使用され、近年ではハイブリッドカーの駆動源としても使用されている。
近年、積層鉄心の磁気的特性を向上させ、これによりモーターの効率を向上させるため、従来と比較して薄い電磁鋼板が使用されている。これに伴い、一つの積層鉄心に使用される電磁鋼板の枚数が増加する傾向にある。積層鉄心を構成する電磁鋼板は、通常、打抜き加工によって製造されるため、その枚数が増加すると打抜き加工の回数が増大し、これにより生産性が低下するという課題がある。
上記課題を解決する手段として、特許文献1は複数枚の鋼板を同時に打抜き加工することを開示する。より具体的には、特許文献1は複数枚の鋼板を積み重ねた状態で特定の部位(抜きかしめされる部位)又はその近傍を溶接又は接着によって接合した後、複数枚の鋼板を同時に打抜き加工する方法を開示する。特許文献2は2枚重ねの鋼帯を事前にカシメ又は溶接によって一体化し、その後、2枚の鋼帯を同時に打ち抜く方法を開示する。
特開2003−219585号公報 特開昭52−39880号公報
ところで、上記特許文献1,2に記載の発明においては複数枚の鋼板を重ね合せた状態でカシメが形成される。しかし、本発明者らは、複数の電磁鋼板を重ね合せた状態で形成されたカシメは性能が不十分である場合があることを見出した。より具体的には、図15に示すように、カシメを形成するピンAが直接当たらない電磁鋼板202のカシメ202aは、ピンAが直接当たる電磁鋼板201のカシメ201aと比較して丸みを帯びた形状(シャープでない形状)となりやすい。
図16に示す積層鉄心200は、所定の形状に加工された二枚組の電磁鋼板を積み重ね、これらを締結して製造されたものである。積層鉄心200は、丸みを帯びたカシメ202aの凸部と通常のカシメ201aの凹部との間の接合強度が不十分となりやすい。このため、モーターの製造過程で衝撃が加わると、カシメ202aの凸部とカシメ201aの凹部との間で分離するおそれがある。なお、複数の積層体200を積み重ねたときに積層体200同士が接合されないように、最下面に位置する一対の電磁鋼板201,202はカシメ201a,202aの代わりに穿孔201b,202bを有する。最下面の電磁鋼板202は、これと対をなす電磁鋼板201と接合されないため、積層体200から除去する必要があった。
本発明は、複数の電磁鋼板が積層された被加工体を対象とした打抜き加工において十分な性能を有するカシメを形成できる方法を提供することを目的とする。
本発明に係る打抜き方法は以下の工程を備える。
(a)少なくとも二つの電磁鋼板の巻重体を準備する工程。
(b)各巻重体から引き出された各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成する工程。
(c)カシメがそれぞれ形成され且つ重ね合された少なくとも二枚の電磁鋼板からなる被加工板を金型に供給する工程。
(d)金型において被加工板の打抜き加工を行う工程。
上記打抜き方法においては、重ね合される前の各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成する。このため、上述のような丸みを帯びた形状のカシメが意図せずに形成されることを十分に抑制できる。
本発明に係る打抜き装置は、電磁鋼板の巻重体を回転自在にそれぞれ保持する少なくとも二つの巻重体保持器と、被加工板の打抜き加工を行う金型と、各巻重体保持器と金型との間に配置されており、各巻重体から引き出された各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成する少なくとも二つのカシメ形成手段と、被加工板を金型に供給する送り手段とを備える。
上記打抜き装置によれば、重ね合される前の各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成できる。このため、上述のような丸みを帯びた形状のカシメが意図せずに形成されることを十分に抑制できる。
上記打抜き装置が備えるカシメ形成手段は、各電磁鋼板に対してカシメを形成する代わりに穿孔を形成できるように構成されていることが好ましい。電磁鋼板にカシメの代わりに穿孔を形成することで、打抜き加工によって連続的に製造される加工体を積み重ねて積層鉄心を製造する場合、カシメの凹部を表面に有する電磁鋼板と穿孔を表面に有する電磁鋼板が接合しないようにできる。
上記打抜き装置は、各電磁鋼板の厚さを測定する少なくとも二つの測定器を更に備えてもよい。かかる構成を採用することにより、板厚データに基づいて例えばカシメ形成手段がカシメ形成から穿孔形成に切り換えるようにカシメ形成手段を制御することができる。これにより、積層鉄心の積層厚をより高度に調整できる。
本発明に係る積層鉄心の製造方法は以下の工程を備える。
(a)少なくとも二つの電磁鋼板の巻重体を準備する工程。
(b)各巻重体から引き出された各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成する工程。
(c)カシメがそれぞれ形成され且つ重ね合された少なくとも二枚の電磁鋼板からなる被加工板を順送り金型に供給する工程。
(d)順送り金型において被加工板の打抜き加工を行う工程。
(e)被加工板を順送り金型内において前進させる工程。
(f)上記(d)工程と、上記(e)工程とを繰り返すことによって所定の形状に加工された加工体を連続的に得る工程。
(g)複数の加工体を重ね合わせて得られる積層体をカシメで締結する工程。
上記積層鉄心の製造方法によれば、重ね合される前の各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成できる。このため、上述のような丸みを帯びた形状のカシメが意図せずに形成されることを十分に抑制できる。このため、上記方法によって製造される積層鉄心は、その後のモーターの製造過程で衝撃が加わっても、カシメ同士が外れることを十分に抑制できる。
本発明によれば、複数の電磁鋼板が積層された被加工体を対象とした打抜き加工において十分な性能を有するカシメを形成できる。
積層鉄心からなる固定子(ステータ)の一例を示す斜視図である。 図1中のII−II線に沿う断面図である。 積層鉄心からなる回転子(ロータ)の一例を示す斜視図である。 積層鉄心を製造するための装置の一例を示す概要図である。 積層鉄心を製造するための装置であって板厚の測定器を備えた装置の一例を示す概要図である。 被加工板の一例を模式的に示す断面図である。 (a)〜(d)は種々の打抜き加工が施された被加工板の一例を示す平面図であり、(e)は所定の形状に加工された加工体を示す平面図である。 電磁鋼板の裏面に油を塗布するロールを備える打抜き装置の一例を示す概要図である。 被加工板の他の例を模式的に示す断面図である。 被加工板の更に他の例を模式的に示す断面図である。 (a)及び(b)は被加工板の更に他の例を模式的に示す断面図である。 (a)〜(c)はパイロット孔と幅が狭い電磁鋼板の縁部との位置関係のバリエーションを示す平面図である。 (a)〜(c)はパイロット孔の位置の更なるバリエーションを示す平面図である。 分割型の固定子用積層鉄心を示す平面図である。 二枚の電磁鋼板に重ねた状態でカシメを形成した場合に得られるカシメの形状を模式的に示す断面図である。 図15に示すカシメによって複数の電磁鋼板が接合された積層体を模式的に示す断面図である。
図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
<固定子を構成する積層鉄心>
図1は固定子を構成する積層鉄心Sの斜視図である。積層鉄心Sの形状は略円筒形であり、中央部に位置する開口Saは図3に示す積層鉄心(回転子)Rを配置するためのものである。積層鉄心Sは略円環状のヨーク部Syと、ヨーク部Syの内周側から中心方向に延びるティース部Stとを有する。モーターの用途及び性能にもよるが、ヨーク部Syの幅(図1におけるW)は2〜40mm程度である。図1に示す積層鉄心Sは6本のティース部Stを有する。なお、ティース部Stの本数は6本に限定されるものではない。
図1,2に示すとおり、積層鉄心Sは、所定の形状に加工された複数の電磁鋼板MSからなる積層体10を備える。複数の電磁鋼板MSは、カシメ2Sをそれぞれ有する。カシメ2Sによって上下方向で隣り合う電磁鋼板MS同士が接合されることで積層体10が構成される。なお、複数の積層体10を積み重ねたときに積層体10同士が接合されないように、最下面に位置する電磁鋼板MSは、図2に示すようにカシメ2Sの代わりに穿孔3を有する。
<回転子を構成する積層鉄心>
図3は回転子を構成する積層鉄心Rの斜視図である。積層鉄心Rの形状は略円筒形であり、中央部に位置する開口Raはシャフト(不図示)を装着するためのものである。開口Raを構成する内周面Rbには凸状キーRcが設けられている。
積層鉄心Rは、複数の電磁鋼板MRからなる積層体20と、複数の磁石固定用開口25とを備える。複数の電磁鋼板MRは、カシメ2Rをそれぞれ有する。カシメ2Rによって上下方向で隣り合う電磁鋼板MR同士が接合されることで積層体20が構成される。積層体20は計16個の開口25を有する。隣接する2つの開口25が対をなしており、8対の開口25が積層体20の外周に沿って等間隔に並んでいる。各開口25は積層体20の上面20aから下面20bまで延びている。なお、開口25の総数は16個に限定されず、モーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよい。また、開口25の形状及び位置もモーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよい。
開口25には磁石(不図示)が収容されている。磁石は永久磁石であり、例えばネオジム磁石などの焼結磁石を使用できる。なお、各開口25に入れる磁石の個数は一つでも二つ以上であってもよい。磁石の種類はモーターの用途、要求させる性能などに応じて決定すればよく、焼結磁石の代わりに例えばボンド磁石を使用してもよい。また、積厚方向若しくは幅方向、或いはこれら両方に複数に分割された磁石を使用してもよい。開口25の磁石を入れた後、開口25に樹脂(例えば熱硬化性樹脂組成物)を充填することによって開口25内に磁石を固定することができる。なお、複数の積層体20を積み重ねたときに積層体20同士が接合されないように、最下面に位置する電磁鋼板MRは、カシメ2Rの代わりに積層体10と同様に穿孔3を有する(図2参照)。
<打抜き装置>
図4は積層鉄心S及び積層鉄心Rを構成する電磁鋼板MS及び電磁鋼板MRを打抜き加工によって製造する打抜き装置の一例を示す概要図である。同図に示す打抜き装置100は、第1の電磁鋼板M1の巻重体C1が装着されるアンコイラー(巻重体保持器)111と、第2の電磁鋼板M2の巻重体C2が装着されるアンコイラー(巻重体保持器)112と、第1の電磁鋼板M1に対してカシメ又は穿孔を形成する金型121と、第2の電磁鋼板M2に対してカシメ又は穿孔を形成する金型122と、第1の電磁鋼板M1と第2の電磁鋼板M2とを油膜で貼り合わせることによって被加工板Wを得るための油噴霧ノズル130と、被加工板Wに対して打抜き加工を行う順送り金型150と、被加工板Wを順送り金型150に送る送り装置(送り手段)140とを備える。なお、金型121,122,150はプレス機械によってそれぞれ動作する。金型121,122の上流側には送り装置120がそれぞれ設けられている。
アンコイラー111,112は、巻重体C1,C2を回転自在にそれぞれ保持する。本実施形態における巻重体C1,C2をそれぞれ構成する二枚の電磁鋼板M1,M2は、互い異なる幅を有する(図6参照)。
巻重体C1,C2からそれぞれ引き出された電磁鋼板M1,M2は金型121,122によってカシメ2S,2R又は穿孔3が形成される。カシメ2S,2Rは、当該カシメが形成された電磁鋼板と、この電磁鋼板と下側で隣り合う電磁鋼板とを接合させる場合に形成される(図2参照)。他方、穿孔3は、当該穿孔が形成された電磁鋼板と、この電磁鋼板と下側で隣り合う電磁鋼板とを接合させない場合に形成される(図2参照)。
金型121,122は電磁鋼板M1,M2に対してカシメ2S,2Rを形成するか穿孔3を形成するかを切り替え可能に構成されている。金型121,122は、例えば製造する積層鉄心S,Rの積層厚に応じて所定の回数にわたってカシメ2S,2Rをそれぞれ形成した後、電磁鋼板M1,M2の一方に穿孔3を一回形成するように設定されていてもよい。あるいは、図5に示すように、電磁鋼板M1,M2の厚さをそれぞれモニタリングする測定器123,124を所定の位置(例えば、金型121,122の上流側又は下流側)に配置し、それらの測定値に応じて積層鉄心S,Rを構成する電磁鋼板MR,MSの枚数をその都度決定し、金型121,122はこの決定に従って所定の回数にわたってカシメ2S,2Rを形成した後、電磁鋼板M1,M2の一方に穿孔3を一回形成するように設定されていてもよい。
電磁鋼板M1,M2に対してカシメをそれぞれ形成する金型121,122を採用することで、図15に示したカシメ202aのような丸みを帯びた形状のカシメが意図せずに形成されることを十分に抑制できる。また、電磁鋼板M1,M2に対してカシメ2S,2Rを形成するか穿孔3を形成するかを個別に選択できるようにしたことで、積層鉄心S,Rの積層厚をより高度の調整できるという利点がある。従来のように、例えば二枚の電磁鋼板を重ね合せた状態でカシメ又は穿孔を形成する場合、二枚一組の電磁鋼板で厚さを調整せざるを得ない。具体的には、積層鉄心の積層厚を少し厚くしたい場合でも二枚の電磁鋼板を追加せざるを得ず、他方、積層鉄心の積層厚を少し薄くしたい場合でも二枚の電磁鋼板を減らさざるを得なかった。これに対し、本実施形態によれば、電磁鋼板M1又は電磁鋼板M2の一方に穿孔3を形成することができ、これにより、積層鉄心の積層厚を少し厚くしたい場合には一枚の電磁鋼板を追加することができ、他方、積層鉄心の積層厚を少し薄くしたい場合には一枚の電磁鋼板を減らすこともできる。
金型121でカシメ2S,2R又は穿孔3が形成された電磁鋼板M1は複数対のローラを介して送り装置140へと移送される。同様に、金型122でカシメ2S,2R又は穿孔3が形成された電磁鋼板M2は複数対のローラを介して送り装置140へと移送される。これらの複数対のローラは電磁鋼板M1に形成されたカシメ2S,2R又は穿孔3と電磁鋼板M2に形成されたカシメ2S,2R又は穿孔3との位置合わせ(金型121から送り装置140までの移送経路と金型122から送り装置140までの移送経路の長さ調整)を行う役割がある。
送り装置140に導入されるに先立ち、電磁鋼板M1,M2に対してノズル130による油噴霧処理が施される。すなわち、図4,5に示すように、電磁鋼板M1の裏面及び電磁鋼板M2の表面に向けてノズル130から油が噴霧される。電磁鋼板M1の裏面と電磁鋼板M2の表面との間に油を噴霧した後、電磁鋼板M1,M2を送り装置140の導入することで、図6に示すとおり、二枚の電磁鋼板M1,M2と、これらの電磁鋼板M1,M2の間に介在する油膜Fとを有する被加工板Wが構成される。
なお、ここではノズル130によって電磁鋼板M1の裏面及び電磁鋼板M2の表面の両方に向けて油を噴霧する構成を例示したが、電磁鋼板M1の裏面に油を噴霧するノズルと、電磁鋼板M2の表面に油を噴霧するノズルとを設けてもよい。あるいは、ノズル130によって電磁鋼板M1の裏面及び電磁鋼板M2の表面の一方のみに油を噴霧してもよい。
送り装置140は電磁鋼板M1,M2を両側から挟み込む一対のローラ140a,140bを有する。電磁鋼板M1,M2を送り装置140に導入することで、電磁鋼板M1,M2が重ね合される。電磁鋼板M1,M2は、送り装置140を介して順送り金型150へと導入される。
電磁鋼板M1,M2の厚さはそれぞれ0.1〜0.5mm程度であればよい。従来、電磁鋼板の厚さが比較的薄い場合(例えば0.1〜0.3mm)、製品とならない部分を過剰に残存させないと被加工板の強度不足に起因して被加工板の送り作業を適切に実施できない場合があった。これに対し、本実施形態に係る打抜き方法によれば送り金型150内において下方に位置する電磁鋼板M2のみに製品とならない部分を過剰に設けておけば、被加工板Wの送り作業を十分安定的に実施できる。電磁鋼板M1,M2として、厚さ0.1〜0.3mmの電磁鋼板をそれぞれ使用してもよく、更には厚さ0.1〜0.18mmの電磁鋼板をそれぞれ使用してもよい。なお、被加工板Wの全体の厚さは、好ましくは0.2〜1.0mmであり、より好ましくは0.3〜0.5mmである。被加工板Wの厚さが0.2mm未満であると複数枚の電磁鋼板を重ね合されて得られる効果が少なくなる傾向があり、1.0mmを超えると被加工板Wの可撓性が小さくなる傾向がある。油膜F自体の厚さは0.001mm程度であればよい。
従来、電磁鋼板の幅が広い場合(例えば250〜500mm)、電磁鋼板の強度不足に起因して順送り金型150内における送りに支障が生じやすかった。これに対し、本実施形態に係る打抜き方法によれば電磁鋼板M1,M2として幅250〜500mmの電磁鋼板をそれぞれ使用してもこれらを重ね合せ且つ一方の電磁鋼板(電磁鋼板M2)に製品とならない部分を過剰に設けることで順送り金型150内における送りを安定的に行うことができる。つまり、電磁鋼板M1,M2として、幅250〜500mmの電磁鋼板をそれぞれ使用してもよく、更には幅400〜500mmの電磁鋼板をそれぞれ使用してもよい。
電磁鋼板M2の幅は、被加工板Wから打ち抜くべき製品の最大幅プラス4〜20mmであることが好ましく、より好ましくは上記最大幅プラス6〜15mmであり、更に好ましくは上記最大幅プラス8〜10mmである。なお、「製品の最大幅」とは被加工板Wの長手方向に直交する方向における最大幅を意味する。電磁鋼板M2の幅が製品の最大幅プラス4mm未満であると被加工板Wの強度が不足して送り作業に支障が生じやすく、製品の最大幅プラス20mmを超えると材料費の削減効果が不十分となりやすい。
電磁鋼板M1の幅は、電磁鋼板M2の幅よりも狭ければよく、電磁鋼板M2の幅と電磁鋼板M1の幅の差は0.1mm以上であればよい。材料費をより一層削減する観点から、電磁鋼板M2の幅と電磁鋼板M1の幅の差は好ましくは2mm以上であり、より好ましくは4mm以上である。
電磁鋼板M1の幅は、被加工板Wから打ち抜くべき製品の最大幅プラス4〜18mmであることが好ましく、より好ましくは上記最大幅プラス4〜13mmであり、更に好ましくは上記最大幅プラス6〜8mmである。電磁鋼板M1の幅が製品の最大幅プラス2mm未満であると被加工板Wの幅方向端面付近を金型で打ち抜くことになり、製品寸法の悪化を招きやすく、製品の最大幅プラス18mmを超えると材料費の削減効果が不十分となりやすい。なお、製品外周に切り欠きが形成されてもよい場合は、電磁鋼板M1の幅を超えるように打抜きを行ってもよい。
打抜き装置100は、油膜Fを介して電磁鋼板M1,M2を重ね合された被加工板Wに対して打抜き加工を実施する。油膜Fは被加工板Wにおいて二枚の電磁鋼板M1,M2を貼り合わせる役割を果たす。このため、打抜き装置100によれば、十分に高い精度で二枚の電磁鋼板M1,M2を同時に打ち抜くことができるとともに、カス上がりの発生を十分に抑制できる。「カス上がり」とは金型が有するパンチに打ち抜かれた材料(「カス」又は「抜きカス」と称される。)が付着する現象を意味する。
油膜Fを形成するための油としては、例えば打抜き工作油(スタンピングオイルとも称される)、鉱油、シリコーンオイルなどを使用できる。本発明者らの検討によると、油膜Fを構成する油は、40℃における動粘度が好ましくは0.9mm/s以上であり、より好ましくは0.9〜10mm/sである。油の40℃における動粘度が0.9mm/s未満であると電磁鋼板M1と電磁鋼板M2とを貼り合わせる力が不十分となりやすく、他方、10mm/sを超えるとノズルによる油噴霧が困難となりやすい。なお、ここでいう動粘度は、JIS K2283(2000年)に記載の動粘度試験方法によって測定された値を意味する。
上に挙げた油のうち、順送り金型150においても使用される打抜き工作油を使用することが好ましい。この場合、順送り金型150に打抜き工作油を供給する配管を途中で分岐することによって分岐管を通じてノズル130に打抜き工作油を供給することができる。
<積層鉄心の製造方法>
次に積層鉄心Sの製造方法について説明する。積層鉄心Sは、被加工板Wを打抜き加工をすることによって電磁鋼板MSを得るプロセス(下記(A)〜(F)工程)と、積み重ねた複数の電磁鋼板MS(積層体10)を一体化させるプロセス(下記(G)工程)とを経て製造される。より具体的には、積層鉄心Sの製造方法は以下の工程を備える。
(A)互いに幅が異なる電磁鋼板M1,M2からなる二つの巻重体C1,C2を準備する工程。
(B)巻重体C1,C2から引き出された電磁鋼板M1,M2に対してカシメ2Sを形成する工程。
(C)カシメ2Sが形成され且つ重ね合された二枚の電磁鋼板M1,M2を有する被加工板Wを順送り金型150に供給する工程。
(D)順送り金型150において被加工板Wの打抜き加工を行う工程。
(E)被加工板Wを順送り金型150内において前進させる工程。
(F)上記(D)工程と、上記(E)工程とを繰り返すことによって所定の形状に加工された加工体WSを連続的に得る工程。
(G)複数の加工体WSを重ね合わせて得られる積層体10をカシメ2Sで締結することによって積層鉄心Sを得る工程。
まず、電磁鋼板の巻重体C1,C2を準備し((A)工程)、これらをアンコイラー111,112にそれぞれ装着する。巻重体C1,C2をそれぞれ構成する電磁鋼板M1,M2の長さは例えば500〜10000mである。なお、使用中の巻重体の残りが少なくなると新たな巻重体が準備され、新たな巻重体の始端部と使用中の巻重体の終端部が例えば溶接によって接合される。
巻重体C1,C2から引き出された電磁鋼板M1,M2に対して金型121,122によってカシメ2Sを形成する((B)工程)。(B)工程においては、電磁鋼板M1,M2に対して金型121,122によってカシメ2Sを形成する代わりに所定のタイミングで穿孔3を形成する。金型121,122は、例えば製造する積層鉄心Sの積層厚に応じて所定の回数にわたってカシメ2Sを形成した後、電磁鋼板M1,M2の一方に穿孔3を一回又は必要に応じて複数回連続して形成するように制御されていてもよく、あるいは、図5に示す測定器123,124の測定値に応じて積層鉄心Sを構成する電磁鋼板MSの枚数をその都度決定し、金型121,122はこの決定に従って所定の回数にわたってカシメ2Sを形成した後、電磁鋼板M1,M2の一方に穿孔3を一回又は必要に応じて複数回連続して形成するように制御されていてもよい。かかる構成を採用することで、上述のとおり、積層鉄心Sの積層厚をより高度に調整できるという利点がある。なお、電磁鋼板の板厚以上にカシメを深く形成する場合は電磁鋼板M1,M2の両方に穿孔3を形成してもよい。
カシメ2S又は穿孔3がそれぞれ形成された電磁鋼板M1,M2の間にノズル130から油を噴霧することによって被加工板Wを得る。送り装置140を介して被加工板Wを順送り金型150へと供給する((C)工程)。二枚の電磁鋼板M1,M2を油膜Fによって十分に高い強度で貼り合わせることができる限り、電磁鋼板M1の面積Aに対する油膜の面積Aの比率に制限はないが、この比率(A/A)は好ましくは0.8以上であり、より好ましくは0.9以上である。
ノズル130から油を噴霧することによって、厚さが十分に均一な油膜Fを形成することができる。油膜Fの厚さが不均一であると二枚の電磁鋼板M1,M2を貼り合わせる力が不足する傾向にある。また油膜Fを構成する油の量は多すぎても少なすぎても二枚の電磁鋼板M1,M2を貼り合わせる力が不足する傾向にある。油膜Fの粘度、雰囲気温度などに依存するが、電磁鋼板M1の単位面積当たりの油膜Fの質量は好ましくは0.5〜2.0g/mであり、より好ましくは0.5〜1.0g/mである。なお、油膜Fを構成する油の量は過剰であると、余分な油が送り装置140のローラ140a,140bに付着して送りミスを生じさせるおそれがある。
図6に示すとおり、電磁鋼板M1は電磁鋼板M2の幅方向の中央部に重ね合されている。言い換えれば、被加工板Wの幅方向の両方の周縁部には電磁鋼板M1が重なっておらず、電磁鋼板M2のみからなる領域Waが同程度の幅で設けられている。
順送り金型150が備えるパンチ(不図示)による打抜き作業((D)工程)と送り装置140による被加工板Wの送り作業((E)工程)とを繰り返す。これにより、所定の形状に加工された加工体WSが得られる((F)工程)。
図7を参照しながら上記(F)工程について説明する。図7の(a)は、カシメ2Sが既に形成された被加工板Wに対して位置合わせ用のパイロット孔Pを形成した状態を示す。なお、被加工板Wに対してパイロット孔Pを形成する際に、図示しないストリッパープレートによって電磁鋼板M1のカシメ2Sと電磁鋼板M2のカシメ2Sが締結される。本実施形態においては、電磁鋼板M2のみからなる領域Waにパイロット孔Pが形成される。領域Waにパイロット孔Pを形成することで、パイロット孔Pを形成するためのパイロットピンが被加工板Wに引っ掛かる現象を十分に抑制できる。複数の電磁鋼板が積層された領域にパイロット孔Pを形成すると、パイロットピンが被加工板に引っ掛かりやすく、これを抑制するため、プレスストロークスピードを下げたり、パイロット孔の径を小さくしたりするなどの対処が必要となる場合がある。この場合、ストロークスピードを下げると生産性が低下し、他方、パイロット孔の径を小さくするとカス上がりの問題が生じやすい。
図7の(b)は積層鉄心Sのヨーク部Syの内周面とティース部Stの側面とを構成する計6つの開口H1を形成した状態を示す。
図7の(c)は被加工板Wに開口H2を形成することによって加工体WSの内周面を形成した状態を示す。
図7の(d)は積層鉄心Sのヨーク部Syの外周面を構成する開口H3を更に形成した状態を示す。開口H3を形成することにより、図7の(e)に示す形状の加工体WSが得られる。なお、ここでは(D)工程においてパイロット孔Pを形成する場合を例示したが、上記(B)工程においてパイロット孔Pを形成してもよい。この場合も上記と同様の効果が得られるとともに、順送り金型150による打抜き作業((D)工程)を少なくできる。この場合、図7の(b)に示す開口H1が形成される際に、図示しないストリッパープレートによって電磁鋼板M1のカシメ2Sと電磁鋼板M2のカシメ2Sが締結される。
上記工程を経て得られた加工体WSを所定の枚数重ね合せ、カシメ2Sによって互いに接合することによって図1に示す積層鉄心Rを得る((G)工程)。なお、二枚組の電磁鋼板MSのうち、カシメ2Sの代わりに穿孔3を有する電磁鋼板MSが積層鉄心Sの最下面を構成する(図2参照)。なお、回転子用の加工体は、そのカシメ位置に応じた金型121,122を使用してカシメ2R又は穿孔3を形成するとともにその形状に応じた順送り金型150を使用することにより、上述の積層鉄心Sの製造方法と同様の過程を経て製造することができる。
本実施形態に係る積層鉄心の製造方法によれば、重ね合される前の各電磁鋼板M1,M2に対してカシメ2S,2R又は穿孔3をそれぞれ形成できる。このため、上述のとおり、丸みを帯びた形状のカシメが意図せずに形成されることを十分に抑制できる。積層鉄心S,Rは、その後のモーターの製造過程で衝撃が加わっても、カシメ2S,2R同士が外れることを十分に抑制できる。
本実施形態においては、互いに幅が異なる二枚の電磁鋼板M1,M2を採用したことで、十分に高い精度で二枚の電磁鋼板M1,M2を同時に打ち抜くことができ且つ材料費を十分に削減できる。
以上、本発明の一実施形態について詳細に説明したが本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、ノズル130を使用して油を噴霧する場合を例示したが、図8に示すように、ノズル130の代わりにロール131を使用して電磁鋼板M1の裏面に油を塗布してもよい。この態様においては、油を収容可能な容器132と、容器132に対して回転自在に設けられたロール131とによって油膜形成手段が構成されている。容器132内に油を入れると、ロール131の下部が油に浸るようになっている。なお、二つのロールを設けて電磁鋼板M1の裏面及び電磁鋼板M2の表面の両方に油を塗布してもよい。なお、送り装置140においてカシメ2S,2Rを仮接合させることによって電磁鋼板M1,M2を一体化させる場合、油噴霧又はロールの塗布による油膜Fによって電磁鋼板M1,M2同士を貼り合わせなくてもよい。
上記実施形態に係る図6には、同程度の厚さを有する電磁鋼板M1,M2が重ね合された被加工板Wを模式的に図示したが、電磁鋼板M1,M2の厚さが互いに相違していてもよい。この場合、被加工板Wの送り作業をより安定的に実施する観点から、順送り金型150内において下方に位置する電磁鋼板M2の厚さが上方に位置する電磁鋼板M1の厚さよりも大きいことが好ましい(図9参照)。巻重体を構成する電磁鋼板の板厚の特徴を予め把握し、その特徴に基づいて重ね合せるべき二枚の電磁鋼板M1,M2を選択し、これらを重ね合わせることで、所定の厚さの被加工板Wを得ることができる。例えば、被加工板Wの厚さを所定の範囲内とすることで、被加工板Wが順送り金型150内を移動するときにガイドと干渉して送り不良が生じることを十分に抑制できる。なお、被加工板Wの強度を十分に確保できる限り、順送り金型150内において下方に位置する電磁鋼板M2の厚さを上方に位置する電磁鋼板M1の厚さよりも小さくしてもよい。
上記実施形態に係る図6には、厚さが十分に均一な二枚の電磁鋼板M1,M2が重ね合された被加工板Wを模式的に図示したが、幅方向に板厚偏差を有する電磁鋼板M1,M2(言い換えれば幅方向の厚さが均一ではない電磁鋼板M1,M2)を使用してもよい。この場合、図10に示すように、二枚の電磁鋼板M1,M2の板厚偏差を相殺するように電磁鋼板M1と電磁鋼板M2とを重ね合せればよい。すなわち、電磁鋼板M1の薄い側と電磁鋼板M2の厚い側とが重なるようにすればよい。準備した複数の巻重体を構成する電磁鋼板の特徴(厚さ、板厚偏差など)を予め把握し、使用すべき巻重体を選択するとともに、複数の電磁鋼板の重ね合わせる向きを最適化することにより、設計した形状により近い積層鉄心S,Rを製造することができる。なお、二枚の電磁鋼板M1,M2は、例えば異なるグレードの組合せであってもよく、一方の鋼板がSPCC(冷間圧延鋼板)などであってもよい。
上記実施形態に係る図6には、下方に位置する電磁鋼板M2の幅方向の中央部に電磁鋼板M1が重ね合された被加工板Wを模式的に図示したが、電磁鋼板M1が電磁鋼板M2からはみ出さない限り、電磁鋼板M1は電磁鋼板M2の中央部から幅方向にずれた位置に重ね合されていてもよい(図11の(a)及び(b)参照)。図11の(b)に示すガイドGは順送り金型150内における被加工板Wの位置ずれを防止するためのものである。ガイドGは被加工板Wの側部の形状に応じた対向面Gaを有する。この例では対向面Gaは階段状に形成されている。
上記実施形態においては、(C)工程において、被加工板Wにおける電磁鋼板M2のみからなる領域Waにパイロット孔Pを形成する場合を例示したが、電磁鋼板M1の縁部M1aを含む領域を貫通するようにパイロット孔Pを形成してもよい(図12の(a)〜(c)の上方のパイロット孔P参照)。図12に示すように、パイロット孔Pが円形である場合、パイロットピンの抜けやすさの観点から、パイロット孔Pの中心は電磁鋼板M2のみからなる領域Waに位置することが好ましい(図12の(a)及び(b)参照)。
図13の(a)〜(c)はパイロット孔Pの位置の更なるバリエーションを示す平面図である。図13の(a)に示すパイロット孔Pは二枚の電磁鋼板M1,M2が重なっている位置に設けられている。かかる構成は、電磁鋼板M1,M2の幅の差が小さい場合に有用である。図13の(b)に示すパイロット孔Pは電磁鋼板M1の縁部M1aに接するように形成されている。図13の(c)に示す上側のパイロット孔P及び下側のパイロット孔Pは、被加工板Wの送り方向の同じ位置ではなく、被加工板Wの送り方向の前後にずれた位置に設けられている。かかる構成は外周方向に突出した部分(例えばボルト締めするための耳部)を有する積層鉄心を製造する場合や多列取りをする場合に有用である。
上記実施形態においては、二つの巻重体C1,C2を準備し、二枚の電磁鋼板M1,M2を重ね合せた被加工板Wに対して打抜き加工を実施する場合を例示したが、三枚以上の電磁鋼板を重ね合せた被加工板に対して打抜き加工を実施してもよい。この場合、順送り金型150内において、被加工板Wの送り作業をより安定的に実施する観点から、被加工板Wを構成する複数の電磁鋼板のうち、最も下方に位置する電磁鋼板の幅が最も大きいことが好ましい。打抜き加工の精度の観点から、被加工板を構成する電磁鋼板の枚数の上限は5枚程度とすればよい。
上記実施形態及び上記変形例においては互いに幅が異なる複数の電磁鋼板を使用する場合を例示したが、幅が同一又は実質的に同一の複数の電磁鋼板を使用して積層鉄心S,Rを製造してもよい。
上記実施形態においては、二つの被加工板を準備し、一方の被加工板から加工体WRを打ち抜き、他方の被加工板から加工体WSを打ち抜く場合を例示したが、一つの被加工板Wから加工体WR及び加工体WSの両方を打ち抜いてもよい。
上記実施形態においては、一体型の積層鉄心S,R及びその製造方法を例示したが、本発明は一体型の積層鉄心S,Rに限定されず、分割型の積層鉄心及びその製造方法に適用されてもよい。図14に示す積層鉄心Sは周方向に並ぶように配置された計12個の積層体30によって構成されている。各積層体30にはダミーカシメ部30aが設けられている。ダミーカシメ部30aは二枚の電磁鋼板を重ね合せる前にカシメ又は穿孔を形成するための金型(上記実施形態における金型121,122に相当)を使用して一枚の電磁鋼板に対してそれぞれ形成すればよい。ダミーカシメ部30aは積層体30を溶接、接着又は樹脂材料で締結した前又は締結した後に取り外される。なお、積層体30及びダミーカシメ部30aの個数は12個に限定されるものではない。
2R,2S…カシメ、121,122…金型(カシメ形成手段)、123,124…測定器、140…送り装置(送り手段)、150…順送り金型(金型)、C1,C2…巻重体、M1,M2…電磁鋼板、R…回転子用の積層鉄心、S…固定子用の積層鉄心、S…分割型の積層鉄心、W…被加工板、WR,WS…加工体。

Claims (5)

  1. (a)少なくとも二つの電磁鋼板の巻重体を準備する工程と、
    (b)各前記巻重体から引き出された各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成する工程と、
    (c)前記カシメがそれぞれ形成され且つ重ね合された少なくとも二枚の電磁鋼板からなる被加工板を金型に供給する工程と、
    (d)前記金型において前記被加工板の打抜き加工を行う工程と、
    を備える、打抜き方法。
  2. 電磁鋼板の巻重体を回転自在にそれぞれ保持する少なくとも二つの巻重体保持器と、
    被加工板の打抜き加工を行う金型と、
    各前記巻重体保持器と前記金型との間に配置されており、各前記巻重体から引き出された各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成する少なくとも二つのカシメ形成手段と、
    前記カシメがそれぞれ形成された少なくとも二枚の前記電磁鋼板を重ね合せてなる被加工板を前記金型に供給する送り手段と、
    を備える打抜き装置。
  3. 前記カシメ形成手段は、前記各電磁鋼板に対してカシメを形成する代わりに穿孔を形成できるように構成されている、請求項2に記載の打抜き装置。
  4. 各前記電磁鋼板の厚さを測定する少なくとも二つの測定器を更に備える、請求項2又は3に記載の打抜き装置。
  5. (a)少なくとも二つの電磁鋼板の巻重体を準備する工程と、
    (b)各前記巻重体から引き出された各電磁鋼板に対してカシメをそれぞれ形成する工程と、
    (c)前記カシメがそれぞれ形成され且つ重ね合された少なくとも二枚の電磁鋼板からなる被加工板を順送り金型に供給する工程と、
    (d)前記順送り金型において前記被加工板の打抜き加工を行う工程と、
    (e)前記被加工板を前記順送り金型内において前進させる工程と、
    (f)前記(d)工程と、前記(e)工程とを繰り返すことによって所定の形状に加工された加工体を連続的に得る工程と、
    (g)複数の前記加工体を重ね合わせて得られる積層体を前記カシメで締結する工程と、
    を備える積層鉄心の製造方法。
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