JP2023179359A - 積層鉄心の製造方法および金型装置 - Google Patents

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弘之介 谷石
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Abstract

【課題】積層鉄心の品質を向上させること。【解決手段】積層鉄心の製造方法は、帯状の金属板を所定の方向に順送りしながら複数のパンチで押圧する工程、を含む。押圧する工程は、複数のパンチが複数のタイミングで金属板を押圧し、最も打ち抜き荷重が大きいパンチが最も早いタイミングで金属板を押圧する。【選択図】図6

Description

開示の実施形態は、積層鉄心の製造方法および金型装置に関する。
たとえば、モータのステータやロータを構成する積層鉄心は、帯状の金属板を金型装置に順送りし、金属板の送り方向に沿って並んで位置する加工ステーションで順次打ち抜き加工を行って所望形状の鉄心片を形成し、得られた鉄心片を積層することで製造される。
また、積層鉄心では、隣接する鉄心片同士を締結させるため、金属板の両面にそれぞれ凹部および凸部を有するカシメ部がパンチの半抜き加工によって形成される。
特開平1-241331号公報
一方で、この積層鉄心の製造工程では、複数のパンチのうち、特定のパンチに大きな打ち抜き荷重がかかることで、パンチ全体の打ち抜き荷重の中心がプレス中心から離れる場合がある。そしてこの場合、プレスのスライド(金型の上型が取り付けられる部位)がバウンドしてしまうため、スライドの下死点の精度が不安定になってしまう。これにより、半抜き加工で形成されるカシメ部の深さがばらついてしまう恐れがあった。
またこの場合、プレスのスライドがバウンドすることで、電磁鋼板が打ち抜かれる時にスライドが傾いた状態になり、鉄心片全体の切断面の状態にばらつきが生まれ、積層鉄心の品質が低下してしまう恐れがあった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、積層鉄心の品質を向上させることができる積層鉄心の製造方法および金型装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る積層鉄心の製造方法は、帯状の金属板を所定の方向に順送りしながら複数のパンチで押圧する工程、を含む。前記押圧する工程は、複数の前記パンチが複数のタイミングで前記金属板を押圧し、最も打ち抜き荷重が大きい前記パンチが最も早いタイミングで前記金属板を押圧する。
また、実施形態の一態様に係る金型装置は、所定の方向に順送りされる帯状の金属板をプレス加工する上型および下型を備える。前記上型は、前記金属板を押圧する複数のパンチを有する。複数の前記パンチは、2種類以上の長さを有し、最も打ち抜き荷重が大きい前記パンチが最も長い。
実施形態の一態様によれば、積層鉄心の品質を向上させることができる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
図1は、実施形態に係る積層鉄心の一例を示す斜視図である。 図2は、実施形態に係る積層鉄心の製造装置の一例を示す概略図である。 図3は、実施形態に係るプレス加工装置が実行する各製造工程の手順の一例を示すフローチャートである。 図4は、実施形態に係るプレス加工装置によってプレス加工が施される電磁鋼板の一例を示す平面図である。 図5は、実施形態に係るパンチの一例を示す側面図である。 図6は、実施形態に係るプレス加工工程および鉄心片形成工程について説明するための図である。 図7は、実施形態の変形例1に係るプレス加工工程および鉄心片形成工程について説明するための図である。 図8は、実施形態の変形例2に係るパンチの一例を示す側面図である。 図9は、実施形態の変形例3に係るパンチの一例を示す側面図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する積層鉄心の製造方法および金型装置について説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示が限定されるものではない。
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
<積層鉄心>
最初に、実施形態に係る積層鉄心1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る積層鉄心1の一例を示す斜視図である。積層鉄心1は、たとえば、固定子積層鉄心であり、固定子(ステータ)の一部である。
なお、固定子は、積層鉄心1に巻線が取り付けられたものである。この固定子に回転子(ロータ)が組み合わされることによって、モータが構成される。
図1に示すように、積層鉄心1は、円筒形状を呈している。すなわち、積層鉄心1の中央部分には、中心軸Axに沿って延びる貫通孔1a(中心孔)が設けられている。貫通孔1a内には、回転子が配置可能である。
積層鉄心1は、複数の鉄心片Wが積み重ねられた積層体である。鉄心片Wは、帯状の電磁鋼板MS(図2参照)が所定形状に打ち抜かれた板状体である。
なお、実施形態に係る積層鉄心1は、いわゆる転積によって構成されていてもよい。この「転積」とは、鉄心片W同士の角度を相対的にずらしつつ、複数の鉄心片Wを積層することをいう。転積は、主に積層鉄心1の板厚偏差を相殺することを目的に実施される。転積の角度は、任意の大きさに設定してもよい。
積層鉄心1は、ヨーク部2と、複数のティース部3と、複数のカシメ部4とを含む。ヨーク部2は、円環状を呈しており、中心軸Axを囲むように延びている。ヨーク部2の径方向における幅、内径、外径および厚さはそれぞれ、モータの用途および性能に応じて種々の大きさに設定し得る。
各ティース部3は、ヨーク部2の内縁から中心軸Ax側に向かうようにヨーク部2の径方向に沿って延びている。すなわち、各ティース部3は、ヨーク部2の内縁から中心軸Ax側に向けて突出している。
たとえば、図1の例では、12個のティース部3がヨーク部2に一体的に形成されている。各ティース部3は、ヨーク部2の周方向において、略等間隔で並んでいる。隣り合うティース部3の間には、巻線(図示せず)を配置するための空間として機能するスロット部5が画定されている。
カシメ部4は、ヨーク部2に設けられていてもよいし、各ティース部3に設けられていてもよいし、ヨーク部2および各ティース部3の双方に設けられていてもよい。高さ方向において隣接する鉄心片W同士は、カシメ部4によって締結されている。
具体的には、カシメ部4は、積層鉄心1の最下層以外をなす鉄心片Wに形成されたカシメ4A(図4参照)と、積層鉄心1の最下層をなす鉄心片Wに形成されたカシメ貫通孔4B(図4参照)とを含む。
カシメ4Aの凸部は、隣り合う他のカシメ4Aの凹部またはカシメ貫通孔4Bと接合される。カシメ貫通孔4Bは、積層鉄心1を連続して製造する際、すでに製造された積層鉄心1に対し、続いて形成された鉄心片Wがカシメ4Aによって締結されるのを防ぐ機能を有する。
なお、実施形態に係る積層鉄心1において、複数の鉄心片W同士は、カシメ部4に代えて、種々の公知の方法にて締結されてもよい。たとえば、複数の鉄心片W同士が、接着剤または樹脂材料を用いて互いに接合されてもよいし、溶接によって互いに接合されてもよい。
あるいは、鉄心片Wに仮カシメを設け、仮カシメを介して複数の鉄心片Wを締結して積層体を得た後、仮カシメをこの積層体から除去することによって、積層鉄心1を得てもよい。なお、「仮カシメ」とは、複数の鉄心片Wを一時的に一体化させるのに使用され、かつ製品(積層鉄心1または固定子)を製造する過程において取り除かれるカシメを意味する。
<製造装置>
つづいて、実施形態に係る積層鉄心の製造装置100について、図2を参照しながら説明する。図2は、実施形態に係る積層鉄心の製造装置100の一例を示す概略図である。実施形態に係る製造装置100は、帯状の電磁鋼板MSから鉄心片の積層体を製造するように構成される。
なお、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向、X軸正方向を電磁鋼板MSの順送り方向、Y軸を電磁鋼板MSの幅方向とする直交座標系を示す場合がある。
図2に示すように、製造装置100は、アンコイラー110と、送出装置120と、プレス加工装置130と、コントローラCtr(制御部)とを備える。プレス加工装置130は、金型装置の一例である。
アンコイラー110は、コイル材111を回転自在に保持するように構成される。コイル材111は、電磁鋼板MSがコイル状(渦巻状)に巻回されたものである。電磁鋼板MSは、金属板の一例である。
送出装置120は、電磁鋼板MSを上下から挟み込む一対のローラ121、122を含む。一対のローラ121、122は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて回転および停止し、電磁鋼板MSをプレス加工装置130に向けて間欠的に順次送り出す(以下、「順送り」とも呼称する。)ように構成されている。すなわち、一対のローラ121、122は、電磁鋼板MSを搬送するための搬送手段としての機能を有する。
プレス加工装置130は、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作するように構成される。プレス加工装置130は、たとえば、複数のパンチ(図示せず)を動作させて、送出装置120によって送り出される電磁鋼板MSに順次プレス加工(たとえば、打ち抜き加工や半抜き加工など)を施す。
これにより、プレス加工装置130は、複数の鉄心片W(図1参照)を形成するように構成される。また、プレス加工装置130は、打ち抜き加工によって得られた複数の鉄心片Wを順次積層して積層体を形成するように構成されていてもよい。
プレス加工装置130は、下型140と、上型150と、プレス機160とを含む。下型140は、順送りされる電磁鋼板MSの下方に位置し、かかる電磁鋼板MSを下方から支持する。上型150は、順送りされる電磁鋼板MSの上方に位置し、上下動することにより電磁鋼板MSをプレス加工する。
プレス機160は、上型150の上方に位置する。プレス機160のピストンは、上型150に設けられる複数のパンチを保持するパンチホルダ(図示せず)に接続されており、コントローラCtrからの指示信号に基づいて動作する。プレス機160が動作すると、そのピストンが伸縮して、上型150が全体的に上下動する。
コントローラCtrは、たとえば、記録媒体(図示せず)に記録されているプログラムまたはオペレータからの操作入力などに基づいて、送出装置120およびプレス加工装置130を動作させるための指示信号を生成するように構成されている。コントローラCtrは、送出装置120およびプレス加工装置130にこの指示信号をそれぞれ送信するように構成されている。
<製造工程>
つづいて、実施形態に係る積層鉄心1の製造工程について、図3および図4を参照しながら説明する。図3は、実施形態に係る積層鉄心1の製造工程の手順の一例を示すフローチャートであり、図4は、実施形態に係るプレス加工装置130によってプレス加工が施される電磁鋼板MSの一例を示す平面図である。
図3および図4に示すように、コントローラCtr(図2参照)は、まず、送出装置120(図2参照)などを制御して、電磁鋼板MSをプレス加工装置130(図2参照)内で順送り方向Dに沿って所定のピッチだけ順送りする(ステップS101)。
また、かかるステップS101の工程と並行して、プレス加工工程(ステップS102)および鉄心片形成工程(ステップS103)がこの順に実施される。
プレス加工工程(ステップS102)では、コントローラCtrが、プレス加工装置130を制御して、上型150(図2参照)を下降させて上型150と下型140(図2参照)とで電磁鋼板MSを挟持し、電磁鋼板MSにプレス加工を施す。
たとえば、図4に示すように、上流側のステーションS1において、鉄心片Wのスロット部5に対応する部位が打ち抜かれる。なお、このステーションS1での打ち抜き加工は、すべてのステーションS1~S7におけるプレス加工の中で、最も打ち抜き荷重が大きいプレス加工である。
なお、図4において、ドット状のハッチングが施されている部位は、各ステーションS1~S7においてプレス加工が施される部位である。
また、ステーションS1よりも下流側のステーションS3において、積層鉄心1において最下層に位置する鉄心片Wのカシメ貫通孔4Bに対応する部位が打ち抜かれる。
また、ステーションS3よりも下流側のステーションS4において、鉄心片Wのカシメ4Aに対応する部位が半抜き加工される。これにより、電磁鋼板MSの表面にカシメ4Aの凹部が形成され、電磁鋼板MSの裏面にカシメ4Aの凸部が形成される。なお、ステーションS3およびステーションS4でのプレス加工は、カシメ部4に対応する箇所に対して排他的に実施される。
また、ステーションS4よりも下流側のステーションS5において、鉄心片Wの貫通孔1aに対応する部位が打ち抜かれる。
図3の説明に戻る。鉄心片形成工程(ステップS103)では、コントローラCtrが、プレス加工装置130を制御して、上型150を下降させて上型150と下型140とで電磁鋼板MSを挟持し、電磁鋼板MSを打ち抜いて鉄心片Wを形成する。
たとえば、図4に示すように、ステーションS5よりも下流側のステーションS7において、鉄心片Wの全体に対応する部位が打ち抜かれる。これにより、鉄心片Wが形成される。
図3の説明に戻る。次に、コントローラCtrは、プレス加工装置130を制御して、複数の鉄心片Wを積層させて積層鉄心1を形成し(ステップS104)、一連の製造工程を終了する。なお、かかるステップS104の際に、鉄心片Wに形成されたカシメ4Aの凸部が、隣り合う他のカシメ4Aの凹部またはカシメ貫通孔4Bと締結される。
<実施形態>
つづいて、実施形態に係るプレス加工工程および鉄心片形成工程の詳細について、図5および図6を参照しながら説明する。図5は、実施形態に係るパンチの一例を示す側面図である。
図5に示すように、実施形態の上型150には、長さが異なる複数種類のパンチP1、P2が設けられる。たとえば、パンチP1は、パンチP2よりも長さαだけ長い。かかる長さαは、たとえば、鉄心片Wの切断面に形成されるせん断面における垂直方向の長さ(たとえば、電磁鋼板MSの板厚の70(%)程度)以上である。
図6は、実施形態に係るプレス加工工程および鉄心片形成工程について説明するための図である。図6に示すように、実施形態では、長さの異なるパンチP1、P2(図5参照)を用いて、ステーションS1~S7において異なるタイミングでプレス加工工程および鉄心片形成工程を行う。
具体的には、まず、図6の(a)に示すように、最初のタイミングで、ステーションS1~S7のうち、ステーションS1およびステーションS5をパンチP1によってプレス加工する。
これにより、最初のタイミングで、ステーションS1において鉄心片Wのスロット部5に対応する部位が打ち抜かれるとともに、ステーションS5において鉄心片Wの貫通孔1aに対応する部位が打ち抜かれる。
そして、図6の(b)に示すように、次のタイミングで、ステーションS1~S7のうち、ステーションS4およびステーションS7をパンチP2によってプレス加工する。
これにより、次のタイミングで、ステーションS4において鉄心片Wのカシメ4Aに対応する部位が半抜き加工されるとともに、ステーションS7において鉄心片Wの全体に対応する部位が打ち抜かれる。なお、ステーションS4では、電磁鋼板MSに打ち抜き加工ではなく半抜き加工が施されるため、パンチP2の長さは通常のパンチP2よりもやや短くなっている。
このように、実施形態では、最も打ち抜き荷重が大きいステーションS1において、最も早いタイミングでパンチP1が電磁鋼板MSを押圧する。これにより、最も打ち抜き荷重が大きいプレス加工によって生じる、ステーションS4でのカシメ形成工程への影響を小さくすることができる。なぜなら、ステーションS4でのカシメ形成工程は、ステーションS1でのプレス加工とは異なるタイミングで実施されるからである。
したがって、実施形態によれば、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さを安定させることができる。
また、実施形態では、プレスのスライドがバウンドすることを抑制できることから、電磁鋼板MSが打ち抜かれる時にスライドが傾いた状態にならないため、鉄心片W全体の切断面の状態を均一化することができる。
このように、実施形態では、最も打ち抜き荷重が大きいステーションS1において、最も早いタイミングでパンチP1が電磁鋼板MSを押圧することで、積層鉄心1の品質を向上させることができる。
また、実施形態では、最初のタイミングにおいて、ステーションS1でのプレス加工に加えて、別のステーション(たとえば、ステーションS5)でも同じタイミングでプレス加工を行うとよい。これにより、最初のタイミングにおけるプレス加工の荷重中心を、ステーションS1の位置からプレス中心Cのほうに寄せることができる。
そのため、実施形態では、最初のタイミングにおける荷重中心の偏りに起因して、プレスのスライドがバウンドすることを抑制できることから、スライドの下死点の精度を向上させることができる。したがって、実施形態によれば、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さをさらに安定させることができる。
また、実施形態では、ステーションS1でのプレス加工に加えて別のステーションS5でも同じタイミングでプレス加工を行う場合に、ステーションS1のパンチP1とステーションS5のパンチP1とは、プレス中心Cを跨いで位置するとよい。
これにより、最初のタイミングにおけるプレス加工の荷重中心を、ステーションS1の位置からプレス中心Cのほうに効果的に寄せることができる。したがって、実施形態によれば、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さをさらに安定させることができる。
なお、図6の例では、スロット部5を打ち抜くプレス加工と同じタイミングで行うプレス加工が、貫通孔1aを打ち抜くステーションS5でのプレス加工である例について示したが、本開示はかかる例に限らない。たとえば、ステーションS5とは異なるステーションでのプレス加工をステーションS1でのプレス加工と同じタイミングで行ってもよい。
また、実施形態では、後のタイミングにおいて、ステーションS4でのカシメ形成工程に加えて、別のステーション(たとえば、ステーションS7)でも同じタイミングでプレス加工を行うとよい。これにより、後のタイミングにおけるプレス加工の荷重中心を、プレス中心Cに寄せることができる。
そのため、実施形態では、後のタイミングにおける荷重中心の偏りに起因して、プレスのスライドがバウンドすることを抑制できることから、スライドの下死点の精度を向上させることができる。したがって、実施形態によれば、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さをさらに安定させることができる。
また、実施形態では、ステーションS4でのプレス加工に加えて別のステーションS7でも同じタイミングでプレス加工を行う場合に、ステーションS4のパンチP2と別のステーションS7のパンチP2とは、プレス中心Cを跨いで位置するとよい。
これにより、後のタイミングにおけるプレス加工の荷重中心を、プレス中心Cに効果的に寄せることができる。したがって、実施形態によれば、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さをさらに安定させることができる。
なお、図6の例では、カシメ4Aを形成するプレス加工と同じタイミングで行う加工が鉄心片Wの全体を打ち抜くステーションS7でのプレス加工である例について示したが、本開示はかかる例に限らない。たとえば、ステーションS7とは異なるステーションでのプレス加工をステーションS4でのプレス加工と同じタイミングで行ってもよい。
また、実施形態では、最初のタイミングでプレス加工するパンチP1が、後のタイミングでプレス加工するパンチP2よりも、鉄心片Wの切断面に形成されるせん断面の長さ以上に長いとよい。
これにより、最初のタイミングと後のタイミングとで電磁鋼板MSに荷重が加わるタイミングを確実に分けることができる。したがって、実施形態によれば、最も打ち抜き荷重が大きいプレス加工によって生じる、ステーションS4でのカシメ形成工程への影響を小さくできるため、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さを安定させることができる。
<各種変形例>
つづいて、上述の実施形態の各種変形例について、図7~図9を参照しながら説明する。図7は、実施形態の変形例1に係るプレス加工工程および鉄心片形成工程について説明するための図である。
この変形例1では、まず、図7の(a)に示すように、最初のタイミングで、ステーションS1~S7のうち、ステーションS1の一部およびステーションS5をパンチP1によってプレス加工する。
これにより、最初のタイミングで、ステーションS1において鉄心片Wのスロット部5に対応する部位の一部(たとえば、スロット部5の半分)が打ち抜かれるとともに、ステーションS5において鉄心片Wの貫通孔1aに対応する部位が打ち抜かれる。
そして、図7の(b)に示すように、次のタイミングで、ステーションS1~S7のうち、ステーションS1の残り(たとえば、スロット部5の残り半分)、ステーションS4およびステーションS7をパンチP2によってプレス加工する。
これにより、次のタイミングで、ステーションS1において鉄心片Wのスロット部5に対応する部位の残りが打ち抜かれる。さらに、同じ次のタイミングで、ステーションS4において鉄心片Wのカシメ4Aに対応する部位が半抜き加工されるとともに、ステーションS7において鉄心片Wの全体に対応する部位が打ち抜かれる。
このように、変形例1では、最も打ち抜き荷重が大きいステーションS1において、打ち抜かれる部位を異なるタイミングに分けてプレス加工する。これにより、最初のタイミングおよび後のタイミングにおいて、プレス加工の荷重中心をプレス中心Cにさらに寄せることができる。
そのため、変形例1では、最初のタイミングおよび後のタイミングにおける荷重中心の偏りに起因して、プレスのスライドがバウンドすることを抑制できることから、スライドの下死点の精度を向上させることができる。したがって、変形例1によれば、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さをさらに安定させることができる。
図8は、実施形態の変形例2に係るパンチの一例を示す側面図である。図8に示すように、変形例2では、パンチP2よりも長いパンチP1の先端に位置し、電磁鋼板MS(図2参照)を押圧する押圧面P1aが、傾斜面で構成されてもよい。かかる押圧面P1aは、プレス加工される電磁鋼板MSの表面に対して角度θだけ傾斜している。
これにより、パンチP1による電磁鋼板MSのプレス加工が徐々に行なわれるため、パンチP1から電磁鋼板MSに加わる打ち抜き荷重を小さくすることができる。したがって、変形例2によれば、最も打ち抜き荷重が大きいプレス加工によって生じるカシメ形成工程への影響をさらに小さくできるため、積層鉄心1の品質をさらに向上させることができる。
かかる押圧面P1aは、最も先端側に位置する第1部位P1bと、最も基端側に位置する第2部位P1cとを有し、先端側の第1部位P1bの位置がパンチP2よりも長さαだけ長い。
また、基端側の第2部位P1cの位置は、図8に示すように、パンチP2の押圧面P2aと略面一でもよいし、パンチP2の押圧面P2aよりも上方(基端側)に位置してもよいし、パンチP2の押圧面P2aよりも下方(先端側)に位置してもよい。
また、傾斜面であるパンチP1の押圧面P1aは、かかるパンチP1が位置するステーションの中心を向くように位置してもよい。すなわち、押圧面P1aの第2部位P1cがステーションの中心側に位置し、押圧面P1aの第1部位P1bがステーションの外周側に位置してもよい。
図9は、実施形態の変形例3に係るパンチの一例を示す側面図である。図9に示すように、変形例3では、パンチP2よりも長いパンチP1の先端に位置する押圧面P1aが、傾斜面P1a1および平坦面P1a2で構成されてもよい。すなわち、本開示では、パンチP1の押圧面P1aの少なくとも一部が傾斜面であってもよい。
これによっても、パンチP1による電磁鋼板MS(図2参照)のプレス加工が徐々に行なわれるため、パンチP1から電磁鋼板MSに加わる打ち抜き荷重を小さくすることができる。したがって、変形例3によれば、最も打ち抜き荷重が大きいプレス加工によって生じるカシメ形成工程への影響をさらに小さくできるため、積層鉄心1の品質をさらに向上させることができる。
また、変形例3では、パンチP1の先端部が断面視において鋭角で無くなるため、かかる先端部がプレス加工によって欠けることを抑制できる。したがって、変形例3によれば、電磁鋼板MSのプレス加工を安定して実施することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、2段階の長さを有するパンチP1、P2を用いて、異なる2つのタイミングで電磁鋼板MSをプレス加工する例について示したが、本開示はかかる例に限られない。
たとえば、本開示では、3段階以上の長さを有するパンチを用いて、異なる3以上のタイミングで電磁鋼板MSをプレス加工してもよい。これにより、各タイミングにおいて、プレス加工の荷重中心をプレス中心Cにさらに寄せることができるため、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さをさらに安定させることができる。
また、上記の実施形態では、積層鉄心1が固定子(ステータ)の一部である例について示したが、本開示のプレス加工装置130で形成される積層鉄心は固定子の一部に限られず、回転子(ロータ)の一部である積層鉄心が形成されてもよい。
また、上記の実施形態では、電磁鋼板MSのプレス加工の中にカシメ部4を形成する工程が含まれる場合について示したが、本開示はかかる例に限られず、電磁鋼板MSのプレス加工の中にカシメ部4を設ける工程が無くてもよい。
以上のように、実施形態に係る積層鉄心1の製造方法は、帯状の金属板(電磁鋼板MS)を所定の方向(順送り方向D)に順送りしながら複数のパンチで押圧する工程、を含む。押圧する工程は、複数のパンチが複数のタイミングで金属板(電磁鋼板MS)を押圧し、最も打ち抜き荷重が大きいパンチが最も早いタイミングで金属板(電磁鋼板MS)を押圧する。これにより、積層鉄心1の品質を向上させることができる。
また、実施形態に係る積層鉄心1の製造方法において、押圧する工程は、最も打ち抜き荷重が大きいパンチと同じタイミングで別のパンチが金属板(電磁鋼板MS)を押圧する。これにより、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さをさらに安定させることができる。
また、実施形態に係る積層鉄心1の製造方法において、最も打ち抜き荷重が大きいパンチと別のパンチとは、プレス中心Cを跨いで位置する。これにより、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さをさらに安定させることができる。
また、実施形態に係る積層鉄心1の製造方法において、押圧する工程は、鉄心片Wのカシメ部4を形成する工程を含む。これにより、隣接する鉄心片W同士を簡便に締結することができる。
また、実施形態に係る積層鉄心1の製造方法において、押圧する工程は、複数のパンチが3以上のタイミングで金属板(電磁鋼板MS)を押圧する。これにより、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さをさらに安定させることができる。
また、実施形態に係る積層鉄心1の製造方法において、異なるタイミングで金属板(電磁鋼板MS)を押圧する複数のパンチの長さは、鉄心片Wの切断面に形成されるせん断面の長さ以上の差を有する。これにより、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さを安定させることができる。
また、実施形態に係る金型装置(プレス加工装置130)は、所定の方向(順送り方向D)に順送りされる帯状の金属板(電磁鋼板MS)をプレス加工する上型150および下型140を備える。また、上型150は、金属板(電磁鋼板MS)を押圧する複数のパンチを有する。また、複数のパンチは、2種類以上の長さを有し、最も打ち抜き荷重が大きいパンチが最も長い。これにより、鉄心片Wに形成されるカシメ部4の深さを安定させることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 積層鉄心
4 カシメ部
5 スロット部
100 製造装置
130 プレス加工装置(金型装置の一例)
150 上型
D 順送り方向
MS 電磁鋼板(金属板の一例)
P1、P2 パンチ
S1~S7 ステーション
W 鉄心片

Claims (8)

  1. 帯状の金属板を所定の方向に順送りしながら複数のパンチで押圧する工程、を含み、
    前記押圧する工程は、
    複数の前記パンチが複数のタイミングで前記金属板を押圧し、
    最も打ち抜き荷重が大きい前記パンチが最も早いタイミングで前記金属板を押圧する
    積層鉄心の製造方法。
  2. 前記押圧する工程は、
    最も打ち抜き荷重が大きい前記パンチと同じタイミングで別の前記パンチが前記金属板を押圧する
    請求項1に記載の積層鉄心の製造方法。
  3. 最も打ち抜き荷重が大きい前記パンチと別の前記パンチとは、プレス中心を跨いで位置する
    請求項2に記載の積層鉄心の製造方法。
  4. 最も打ち抜き荷重が大きい前記パンチは、鉄心片のスロット部に対応する位置を打ち抜く
    請求項1~3のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
  5. 前記押圧する工程は、鉄心片のカシメ部を形成する工程を含む
    請求項1~3のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
  6. 前記押圧する工程は、
    複数の前記パンチが3以上のタイミングで前記金属板を押圧する
    請求項1~3のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
  7. 異なるタイミングで前記金属板を押圧する複数の前記パンチの長さは、鉄心片の切断面に形成されるせん断面の長さ以上の差を有する
    請求項1~3のいずれか一つに記載の積層鉄心の製造方法。
  8. 所定の方向に順送りされる帯状の金属板をプレス加工する上型および下型を備え、
    前記上型は、前記金属板を押圧する複数のパンチを有し、
    複数の前記パンチは、2種類以上の長さを有し、
    最も打ち抜き荷重が大きい前記パンチが最も長い
    金型装置。
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