JP2006002717A - 圧縮機におけるシール機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部材と摺動面との間の摺動抵抗を十分に抑制するとともにシール性能を確保し、構造が簡単なシール機構を有する圧縮機を提供する。
【解決手段】 スクロール式電動圧縮機において、固定壁52の内周面52bと、回転軸17の中径部62の円周面62bとの間の隙間67をシールするシール機構51であり、シール機構51は、シール部材53の外周部53bを軸支部材14に固定して、さらにシール部材53の内周部53aを、回転軸17の中径部62における高圧側領域としての背圧室49に対向する前方面62cと、回転軸17の中径部62における円周面62bとの接続部となる角部66に接触させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えばスクロール式、ピストン式あるいはベーン式等の圧縮機において回転軸とハウジングとの間の間隙をシールするシール機構に関する。
例えば、冷媒圧縮機として用いられるスクロール式圧縮機においては、固定側スクロール部材と可動側スクロール部材との間の密閉性を高めるため、可動側スクロール部材の背面側に背圧室が形成されている。該背圧室は、ハウジングに固定壁が設けられ、固定壁と可動側スクロール部材との間の空間であり、該背圧室の空間の圧力(背圧)を高めることにより可動側スクロール部材に背圧が掛けられる。該背圧としては圧縮機構により圧縮された高圧ガスが導入される。また、背圧室内には、回転軸の回転力を可動側スクロール部材に伝えて公転運動を行わせる公転機構が配置されている。そして、背圧室に導入された高圧ガスが、固定壁の背面側の低圧側領域へ漏出することを防止するために、固定壁と回転軸との間に、従来から知られているリップシールやチップシールを設けることによって、背圧室を密封する構成が採用されている。
一方で、シール機構としてはリップシールやチップシールの他に、ラビリンスシールやロータリーバルブ等のシール機構を開示した特許文献1などが知られている。
特開平11−63244号公報(3頁〜4頁、図6)
近年においては冷媒圧縮機の冷媒としてフロン系の冷媒に変わって、二酸化炭素が用いられるようになっている。二酸化炭素を冷媒として使用する場合、フロン系の冷媒と比較して、運転時の冷媒の圧力が非常に高くなる。従って、冷媒として二酸化炭素を用いたスクロール式圧縮機においては、運転中の圧縮機内は従来のフロン系の冷媒を用いた圧縮機と比較して高圧となる。よって、スクロール式圧縮機においては、背圧室の圧力も従来のフロン系の冷媒を使用していたときと比較して、非常に高圧になってしまう。
前記固定壁と回転軸との間に、従来通りのリップシールやチップシールなどの接触型のシール部材を用いたときには、背圧室と固定壁の背面側の低圧側領域との圧力差が非常に高いため、シール部材の回転軸に対する押付け力が強くなり、シール部材のシール性は向上するが、一方でシール部材が回転軸に摺動する場合、シール部材と回転軸との間の摺動抵抗が非常に大きくなってしまう。よって、回転軸のトルクが大きくなってしまうとともに、シール部材の摩耗も大きくなってしまうという問題がある。また、リップシールやチップシールに替えて、ラビリンスシールなどのシール機構を用いた場合には、非接触型であるため、シール部材と回転軸との間の摺動抵抗は小さくなるが、圧力差が大きいとシール機能を果たさず、高圧ガスが低圧側領域へ簡単に漏れてしまう。低圧側領域へ漏れることは問題ないが、漏れすぎてしまうと、背圧室としての機能を果たさない。
また、特許文献1のようなロータリーバルブ等のシール機構が存在するが、該シール機構はシール性を重視しているため、リップシール及びチップシールと同様に、摺動抵抗が大きく、さらにシール部材への突起の形成及びコイルバネの使用により構造が複雑化しており、圧縮機のシール機構として用いるには困難である。
本発明の目的は、シール部材と摺動面との間の摺動抵抗を抑制するとともにシール性能を確保し、なおかつ構造が簡単なシール機構を有する圧縮機を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ハウジング又は回転軸の一方にシール部材が固定されている。シール部材は他方に形成された高圧側領域に対向する面と、回転軸に同心状の円周面との接続部となる角部に接触する。
従って、回転軸が回転しているとき、シール部材はハウジング又は回転軸の角部にて接触するので、線接触のような状態に近づけることができ、摺動抵抗が最小に抑えられる。シール部材のシール機能としては、高圧側領域からのガスの圧力によりシール部材が低圧側領域に押圧されて確保される。
また、シール部材に突起やコイルバネなどを用いていないので、構造が簡単なシール機構とすることができる。
なお、本実施形態における角部とは部材の設計における面取りされた角も角部に含む。
請求項2に記載の発明は、請求項1において前記シール部材はハウジングに固定されていることを特徴とする。
従って、シール部材は回転軸の高圧側領域に対向する面と、回転軸の円周面との接続部となる角部にて摺接する。よって、シール部材が回転軸に固定されている場合と比較して、回転軸の中心から摺接位置までの距離が短くなリ、シール部材の摺接位置での周速が小さくなるため、摺接位置における摺動抵抗がさらに抑えられる。
請求項3に記載の発明は、請求項1〜2のいずれか一項において前記圧縮機構は、ハウジング内に固定された基板及び渦巻壁からなる固定側スクロール部材と、該固定側スクロール部材の渦巻壁に噛み合わされる基板及び渦巻壁からなる可動側スクロール部材とを備え、前記回転軸の回転が回転軸と可動側スクロール部材との間に設けられた公転機構を介して、可動側スクロール部材に公転運動として伝達され、該可動側スクロール部材の公転により両渦巻壁間に形成された圧縮室が容積を減少しながら移動されてガスの圧縮が行われるスクロール式の圧縮機構であって、前記高圧側領域は可動側スクロール部材の基板の背面側に、該可動側スクロール部材とハウジングに設けられた固定壁との間に区画形成された背圧室であって、前記隙間は前記固定壁と回転軸との間の隙間であることを特徴とする。
このように、スクロール式の圧縮機構であり、高圧側領域が背圧室である場合、背圧室と低圧側領域との圧力差が非常に高いため、一定のシール性を求められるが、一方で回転軸をシールする場合には、シール部材と回転軸との間の摺動抵抗の低下が求められる。従って、本発明をスクロール式圧縮機のハウジング内おける回転軸と固定壁との間のシールに適用することはより好適である。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において前記ガスは冷凍回路の冷媒であって、二酸化炭素が用いられている。
二酸化炭素を圧縮機の冷媒として用いる場合、圧縮機内は非常に高圧状態となる。例えば、シール部材の摺動部との接触面積が大きい場合、シール性は上昇するが、その反面、摺動抵抗が非常に大きくなってしまう。しかし、本発明においては、シール部材は角部との接触構造をとっているので、摺動抵抗は最小限に抑えることができ、さらにシール性を高めることが可能となる。よって、二酸化炭素を冷媒として用いる圧縮機には、特に有効である。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項において前記回転軸は電動モータにより駆動される。
回転軸を電動モータにより駆動する場合、例えば電動モータによる駆動力は小さいため、圧縮機内における摺動抵抗の低下が求められる。従って、一定のシール性を保つと共に、シール部材の摺動抵抗を低下させることができる請求項5に記載の発明は、特に有効である。
請求項1〜5の発明によれば、シール部材と摺動面との間の摺動抵抗を抑制するとともに一定のシール性能を確保し、さらにシール機構を簡単な構造にすることができる。
以下、本発明の圧縮機を、車両用空調装置の冷凍サイクルに用いられるスクロール式電動圧縮機において具体化した第1実施形態について説明する。また、冷凍サイクルの冷媒としては、二酸化炭素が用いられている。
○第1実施形態
まず、スクロール式電動圧縮機(以下圧縮機とする)について説明する。
図1に示すように、圧縮機のハウジング11は、第1ハウジング構成体12と第2ハウジング構成体13とからなる。なお、図1において左方(第1ハウジング構成体12側)を圧縮機の後方と適宜表記し、右方(第2ハウジング構成体13側)を圧縮機の前方と適宜表記する。前記第1ハウジング構成体12の前方側には軸支部材14が一体に形成され、軸支部材14はハウジング11の一部を構成している。軸支部材14には回転軸17を挿通するための円筒部15が形成されている。回転軸17は、第1ハウジング構成体12内に設置したラジアル軸受18、及び軸支部材14の円筒部15の内周面15aに設置したラジアル軸受19を介して、回転可能に架設支持されている。
前記ハウジング11内には、軸支部材14よりも後方側の領域に低圧側領域としてのモータ室20が区画されている。モータ室20に配置された電動モータ21への外部からの電力供給により、回転軸17が駆動される。
前記第1ハウジング構成体12の前方側で、さらに軸支部材14よりも前方側に、固定側スクロール部材23が収容配置されている。固定側スクロール部材23は、円盤状をなす固定側基板24を備えている。固定側基板24の後方面24aの最外周部には、円筒状の外周壁25が後方側に突設されている。固定側基板24の後方面24aにおいて外周壁25よりも内周側に、固定側渦巻壁26が突設されている。固定側渦巻壁26の後方先端面にはチップシール27が取り付けられている。固定側スクロール部材23は、外周壁25の後方側の面が軸支部材14の前方側の面14aに接合されている。
前記回転軸17において前方端部には、該回転軸17の軸線Lに対して偏心した位置に偏心軸28が設けられている。偏心軸28にはバランサ29のボス部29aが嵌合固定されている。バランサ29のボス部29aの外周側にはベアリング30が支持されている。ベアリング30の外周側には可動側スクロール部材31が回転可能に支持されている。
前記可動側スクロール部材31は、円盤状をなす可動側基板32を備えている。可動側基板32において固定側基板24に向かう前方面32aには、可動側渦巻壁34が突設されている。可動側渦巻壁34の前方先端面にはチップシール35が取り付けられている。可動側基板32の背面となる後方面32bの中央部には、ボス部33が突設されている。ボス部33は、ベアリング30に回転可能に支持されている。可動側基板32において外周側の後方面32bは、軸支部材14の前方面14aに対して摺動可能に当接されている。また、後方面32bには、軸支部材14の前方面14aに対して、摺動可能に当接するチップシール36が取り付けられている。
固定側スクロール部材23と可動側スクロール部材31との間には、前記両渦巻壁26,34の噛み合いによって、各基板24,32及び各渦巻壁26,34から成る圧縮室37が区画されている。
前記可動側スクロール部材31の可動側基板32の前方面32aと固定側スクロール部材23の固定側基板24の後方面24aとの間には、従来から知られている自転阻止機構38が複数配設されている(図面には一つのみ示す)。
前記固定側スクロール部材23の外周壁25と、可動側スクロール部材31の可動側渦巻壁34の最外周部との間には、吸入室39が区画されている。軸支部材14の外周部には、吸入室39とモータ室20とを連通する吸入通路40が形成されている。第1ハウジング構成体12には、モータ室20と図示しない外部冷媒回路とを連通する吸入口50が形成されている。従って、外部冷媒回路からの低圧冷媒ガスは、吸入口50、モータ室20及び吸入通路40を介して吸入室39へと導入される。
前記ハウジング11内において、第2ハウジング構成体13と固定側スクロール部材23との間には、吐出室41が区画されている。固定側スクロール部材23において固定側基板24の中心には、吐出孔23aが貫通形成されている。中心側の圧縮室37と吐出室41とは、吐出孔23a及び吐出弁23bを介して接続されている。第2ハウジング構成体13には、吐出室41に連通する吐出口42が形成されている。
前記回転軸17が回転駆動されると、可動側スクロール部材31が偏心軸28を介して固定側スクロール部材23の軸心(回転軸17の軸線L上に位置する)の周りで公転運動される。このとき、可動側スクロール部材31は、自転阻止機構38によって自転運動が阻止されて、公転運動のみが許容される。この可動側スクロール部材31の公転運動により、圧縮室37が両スクロール部材23,31の渦巻壁26,34の外周側から中心側へと容積を減少しつつ移動されることで、吸入室39から圧縮室37に取り込まれた低圧冷媒ガスの圧縮が行われる。圧縮済みの高圧冷媒ガスは、圧縮室37と吐出孔23aとの連通により、該吐出孔23a及び吐出弁23bを介して吐出室41へと吐出される。
次に、前記可動側スクロール部材31を固定側スクロール部材23へ押圧する機構について説明する。可動側スクロール部材31の可動側基板32の背面側において、可動側スクロール部材31と軸支部材14との間に背圧室49が形成されている。該背圧室49内の圧力は背圧調節機構43によって調節される。
背圧調節機構43は前記固定側スクロール部材23の外周側に形成された固定側通路44、固定側通路44の後方側開口44aの周囲に形成された連通凹部45、可動側スクロール部材31の外周側に形成された可動側通路46からなる。固定側通路44は前方側開口44b及びフィルタ48を介して吐出室41に連通しており、可動側通路46は後方側開口46aをもって背圧室49に連通する。また、可動側通路46は常に連通凹部45と連通している。固定側通路44と連通凹部45とは、前記可動側スクロール部材31の前後への僅かな移動により連通又は遮断される。
その前後への移動は圧縮室37の圧力(スラスト力)と背圧室49の圧力(背圧力)との圧力差により行われる。圧縮機の運転状態で、スラスト力が背圧力より高くなれば、スラスト力が可動側スクロール部材31を後方側へ押圧して移動する。その時、可動側スクロール部材31と固定側スクロール部材23との間にクリアランスができる。該クリアランスにより固定側通路44が連通凹部45を介して可動側通路46と連通して、吐出室41の高圧冷媒ガスが背圧室49に導入される。
逆に背圧力が高圧冷媒ガスの背圧室49への導入により高まって、スラスト力を上回ると、可動側スクロール部材31が前方側へ移動する。可動側スクロール部材31と固定側スクロール部材23との間にクリアランスが無くなり、固定側通路44と連通凹部45との連通が遮断される。そして、可動側スクロール部材31と軸支部材14との間にクリアランスができる。軸支部材14と可動側スクロール部材31との間のクリアランスにより吸入室39へ高圧冷媒ガスが抜けることとなる。
このように、背圧調節機構43は、背圧力がスラスト力に応じた好適な大きさとなるように、その可動側スクロール部材31と固定側スクロール部材23との間のクリアランス及び可動側スクロール部材31と軸支部材14との間のクリアランスを変化させて、背圧力を内部自律的に調節する。背圧力が好適に調節されることで、圧縮室37のシール性を向上させて圧縮機の圧縮効率を向上させることができる。
次に本実施形態のシール機構51について図2を用いて説明する。図2は図1における鎖線楕円Aの拡大断面図である。該シール機構51は後述する軸支部材14のラジアル軸受19より前方側で、軸支部材14と回転軸17との間の隙間67をシールする。該シール機構51により高圧側領域としての背圧室49と低圧側領域としてのモータ室20とが区画される
回転軸17の軸支部材14付近には、ラジアル軸受19の位置より大径となってラジアル軸受19の前方側への移動を規制する大径部60、大径部60から前方で第1段差部61を介して小径となる中径部62、及び中径部62から前方側で第2段差部63を介して更に小径となる小径部64とが形成されている。小径部64の前方側に前述した偏心軸28が形成されている。
大径部60の円周面60bは軸支部材14の円筒部15の内周面15aに向かい合う。大径部60の前方面60cは後述する固定壁52の後方面52aに向かい合う。中径部62の円周面62bは、固定壁52の内周面52bに対向する面であり、回転軸17に同心状の円周面である。中径部62の前方面62cは背圧室49に対向する面である。第2段差部63は前方面62cと円周面62bとを接続する角部66を含む。角部66は面取りが施されている。小径部64の円周面64bは背圧室49内に露出する面である。
一方でハウジング11の一部を構成する軸支部材14には固定壁52が一体形成されている。固定壁52はラジアル軸受19とバランサ29との間で、回転軸17に向かって突出している。固定壁52はモータ室20に対向する後方面52a、前記中径部62の円周面62bに対向する内周面52b及び背圧室49に対向する前方面52cからなる。該前方面52cは前記中径部62の前方面62cより後方側に位置する。前方面52cより前方側では段差部59が形成される。段差部59は、内周面52bの内径より大きい内径を有する収容面56が形成されている。収容面56にはシール部材53を配設するための環状凹溝56aが形成されている。
シール部材53は円環状かつプレート上であり、樹脂等の可撓性の材料でできている。シール部材53の内周部53aの内径は前記中径部62の外径より小さく、小径部64の外径より大きい。またシール部材53の外周部53bの外径は収容面56の内径より大きく、外周部53bは前記環状凹溝56aに埋設される。そして外周部53bの前方側で、環状凹溝56aに埋設したサークリップ55により、前方面52cに当接した状態でシール部材53はハウジングの一部である軸支部材14に固定される。
固定壁52の前方面52cは中径部62の前方面62cより後方側に位置するため、シール部材53の内周部53aは、中径部62に接触した時、前方側に撓んで、円周面62bと前方面62cとを接続する角部66に当接する。
前記固定壁52の内周面52bと前記中径部62の円周面62bとの間の隙間67は、本願発明で言うハウジング11(固定壁52)と回転軸17との間の隙間であり、前記シール部材53の配設により該隙間67による背圧室49とモータ室20との連通が遮断される。
圧縮機の運転状態では、前述したように吐出室41の高圧冷媒ガスが背圧室49に導入され、背圧室49はモータ室20より高圧な領域となり、モータ室20と圧力差が生じる。該圧力差により、背圧室49の背圧力がシール部材53に負荷される。よってシール部材53は角部66へ当接した状態から、角部66で摺動するとともに、押圧されて隙間67をシールする。
上記構成の第1実施形態においては次のような効果を奏する。
(1)シール部材53が回転軸17の中径部62における円周面62bと、背圧室49に対向する前方面62cとを接続する角部66にて接触している。
従って、シール部材53が回転軸17に対して面接触より線接触に近い状態で、接触するので、接触面積が非常に小さくなり、摺動抵抗を最小に抑えることができる。
圧縮機が始動しているときは、背圧室49内は前述したように高圧となり、背圧室49をシールするシール部材53は角部66に、より強く押圧されることとなる。よって、シール部材53が押圧されるだけ、シール機構51のシール性が向上して、一定のシール性を得ることができる。
また、シール機構51にはコイルバネを用いていないので、構造が簡単なシール機構とすることができる。
よって、本実施形態のシール機構51を、摺動抵抗の抑制及び一定のシール性を求められるスクロール式圧縮機の背圧室49とモータ室20とを区画する部分に用いることは非常に好適である。
(2)シール部材53は回転軸17の外周側に位置する軸支部材14に固定されている。
従って、シール部材53が回転軸17に固定されて、軸支部材14に対して摺動する場合と比較して、回転軸17の中心から摺接位置までの距離は短くなる。よって、シール部材53が接触する回転軸17の角部66での周速が小さくなり、シール部材53の角部66における摺動抵抗をより抑えられる。
(3)圧縮機内の冷媒として二酸化炭素が用いられる。従って、背圧室49における圧力が非常に高圧となり、シール部材53にかかる圧力は非常に高圧となるが、角部66で接触することにより摺動抵抗は抑制でき、さらにシール部材53のシール性は向上する。よって、本実施形態で示したシール機構51は、二酸化炭素を冷媒とした本実施形態のような圧縮機において有効である。
(4)シール機構51は、特に低い摺動抵抗を求められる電動モータ21を使用した圧縮機において有効である。
なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲で例えば以下の態様でも実施できる。
○第1実施形態においては、シール部材53は外周部53bが軸支部材14に埋設され固定されていた。これを変更して図3に示すようにシール部材54の内周部54aを回転軸17の小径部64の円周面64bに形成した環状凹溝69内に埋設して、中径部62の前方面62cに当接した状態で固定してもよい。
この場合、固定壁52の前方面52cが、中径部62の前方面62cより前方側に位置するように配置する。そして、シール部材54の外周部54bが前方側に撓んで、固定壁52の前方面52cと、回転軸17に同心状の円周面としての固定壁52の内周面52bとの接続部となる角部68にて接触させる。
○第1実施形態では、シール部材53を樹脂等の可撓性の部材で形成して、撓ませることにより、角部66で接触させていた。これを変更して、図4のように剛性のある金属や樹脂等からなり、第1実施形態におけるシール部材53が角部66に接触して撓んだときと同じような形状に加工したシール部材70とすることにより、角部66に接触させてもよい。
○第1実施形態では、円環状でプレート状のシール部材53を用いていた。これを変更して、図5のように前方側から後方側に向けて漏斗状に広がるシール部材71に変更してもよい。シール部材71は後方側の口が広くなった大径部71aと、前方側の口が大径部71aより狭くなった小径部71bとからなる。大径部71aは固定壁52に傾斜した状態で埋設され、小径部71b側の内周面72が回転軸17の角部66に接触する。
○第1実施形態では、圧縮機の圧縮機構がスクロール式であった。これを変更して、本発明を従来から知られているピストン式又はベーン式などのその他の圧縮機構を有する圧縮機に適用してもよい。
○第1実施形態では、回転軸17を電動モータ21により駆動していた。これを変更して自動車のエンジン等の動力を、ベルトを介して回転軸に伝えて駆動するベルト式に変更してもよい。
第1実施形態に係るスクロール式電動圧縮機の断面図。 図1のA部分を示す背圧調節機構の部分断面図。 別例を示すシール機構の部分断面図。 別例を示すシール機構の部分断面図。 別例を示すシール機構の部分断面図。
符号の説明
11・・・ハウジング、12・・・第1ハウジング構成体、13・・・第2ハウジング構成体、14・・・軸支部材、17・・・回転軸、20・・・低圧側領域としてのモータ室、23・・・固定側スクロール部材、31・・・可動側スクロール部材、39・・・吸入室、41・・・吐出室、49・・・高圧側領域としての背圧室、51・・・シール機構、52・・・固定壁(a・・・後方面、b・・・内周面、c・・・前方面)、53・・・シール部材(a・・・内周部、b・・・外周部)、56・・・収容面(a・・・環状凹溝)、59・・・段差部、61・・・第1段差部、62・・・中径部(b・・・回転軸の同心状の円周面、c・・・高圧側領域に対向する面としての前方面)、63・・・第2段差部、66・・・角部、67・・・回転軸とハウジングとの隙間。

Claims (5)

  1. ハウジング内には架設支持された回転軸の回転によりハウジング内の圧縮機構が作動してガスの圧縮を行い、ハウジング内で高圧側領域のガスが回転軸とハウジングとの隙間を介してハウジング内の低圧側領域へ漏出することを抑えるシール部材を配設し、前記シール部材に負荷される高圧側領域のガスの圧力によりシール機能を発生させるようにした圧縮機において、
    前記シール部材は、ハウジング又は回転軸の一方に固定され、他方に形成された前記高圧側領域に対向する面と、回転軸に同心状の円周面との接続部である角部に接触したことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記シール部材はハウジングに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記圧縮機構は、ハウジング内に固定された基板及び渦巻壁からなる固定側スクロール部材と、該固定側スクロール部材の渦巻壁に噛み合わされる基板及び渦巻壁からなる可動側スクロール部材とを備え、前記回転軸の回転が回転軸と可動側スクロール部材との間に設けられた公転機構を介して、可動側スクロール部材に公転運動として伝達され、該可動側スクロール部材の公転により両渦巻壁間に形成された圧縮室が容積を減少しながら移動されてガスの圧縮が行われるスクロール式の圧縮機構であって、
    前記高圧側領域は、可動側スクロール部材の基板の背面側に、該可動側スクロール部材とハウジングに設けられた固定壁との間に区画形成された背圧室であって、
    前記隙間は回転軸と固定壁との間であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の圧縮機。
  4. 前記ガスは冷凍回路の冷媒であって、二酸化炭素が用いられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の圧縮機。
  5. 前記回転軸は電動モータにより駆動されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一向に記載の圧縮機。
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