JP2006001954A - 高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents
高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 (A)ケイ素原子結合ビニル基を分子末端のみに有するオルガノポリシロキサン
(B)ケイ素原子結合ビニル基を分子の側鎖のみに2個以上含有し、該ビニル基結合シロキサン単位の量が全シロキサン単位の2〜20モル%で、粘度0.1〜100Pa・sのオルガノポリシロキサン
(C)式(3)の無官能ジメチルポリシロキサン
【化1】
(D)比表面積50m2/g以上の微粉状シリカ
(E)ヘキサメチルジシラザン
(F)水
(G)一分子中に少なくとも2個のSi−Hを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(H)ヒドロシリル化反応用触媒
を必須成分とし、硬化後のゴム特性が、硬さ75以上、切断時伸び200%以上である高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。
【効果】 本発明によれば、硬さ75以上、切断時伸び200%以上の物理的特性の高硬度高伸長シリコーンゴム硬化物を与えることができる。
【選択図】 なし
(B)ケイ素原子結合ビニル基を分子の側鎖のみに2個以上含有し、該ビニル基結合シロキサン単位の量が全シロキサン単位の2〜20モル%で、粘度0.1〜100Pa・sのオルガノポリシロキサン
(C)式(3)の無官能ジメチルポリシロキサン
【化1】
(D)比表面積50m2/g以上の微粉状シリカ
(E)ヘキサメチルジシラザン
(F)水
(G)一分子中に少なくとも2個のSi−Hを有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(H)ヒドロシリル化反応用触媒
を必須成分とし、硬化後のゴム特性が、硬さ75以上、切断時伸び200%以上である高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。
【効果】 本発明によれば、硬さ75以上、切断時伸び200%以上の物理的特性の高硬度高伸長シリコーンゴム硬化物を与えることができる。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高硬度かつ高伸張を有するシリコーンゴム硬化物になり得る付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びその製造方法に関する。
液状シリコーンゴムは、生理的な不活性さ(無毒)、耐候性、離型性、耐熱性等に優れているため、医療、食品、工芸、電気・電子、自動車、事務機器等の各分野で幅広く使用されており、特に食品用途に使用されるシリコーンゴム材料は、硬さ(デュロメーター;タイプA)75以上、切断時伸び200%以上が求められる。一般的に、シリコーンゴムの高硬度化は無機質充填剤を高充填することにより得られるが、無機質充填剤を高充填すると、伸びが出ないため、電気・電子部品の絶縁ポッティング用途に使用が限られる。特開平7−331079号公報には、シリコーン生ゴムとシリコーンレジンを使用した高硬度、高強度ゴムが開示されている。しかし、シリコーン生ゴムを使用するために、液状成形用途には使用できない問題がある。
本発明は、高硬度でかつ高伸張のゴム特性を有するシリコーンゴムを与える高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達したもので、本発明は、
(A)ケイ素原子と結合するビニル基を分子末端のみに含有し、25℃における粘度が1〜1,000Pa・sであるオルガノポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の70〜89質量%
(B)ケイ素原子と結合するビニル基を分子の側鎖のみに2個以上含有し、該ビニル基結合シロキサン単位の量が全シロキサン単位の2〜20モル%で、25℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるオルガノポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の10〜20質量%
(C)下記一般式(3)
(但し、nはこのポリシロキサンの25℃の粘度を0.01〜1Pa・sとする数である。)
で示される無官能ジメチルポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の1〜10質量%
(D)比表面積が50m2/g以上の微粉状シリカ:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して35〜55質量部
(E)ヘキサメチルジシラザン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して3〜15質量部
(F)水:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して0.5〜5質量部
(G)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の一分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分と(B)成分のオルガノポリシロキサンが有するケイ素原子結合ビニル基1個当たり、1〜5.0個となる量
(H)ヒドロシリル化反応用触媒:触媒量
を必須成分とし、硬化後のゴム特性が、硬さ(デュロメーター;タイプA)75以上、切断時伸び200%以上であることを特徴とする高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を提供する。
(A)ケイ素原子と結合するビニル基を分子末端のみに含有し、25℃における粘度が1〜1,000Pa・sであるオルガノポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の70〜89質量%
(B)ケイ素原子と結合するビニル基を分子の側鎖のみに2個以上含有し、該ビニル基結合シロキサン単位の量が全シロキサン単位の2〜20モル%で、25℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるオルガノポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の10〜20質量%
(C)下記一般式(3)
(但し、nはこのポリシロキサンの25℃の粘度を0.01〜1Pa・sとする数である。)
で示される無官能ジメチルポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の1〜10質量%
(D)比表面積が50m2/g以上の微粉状シリカ:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して35〜55質量部
(E)ヘキサメチルジシラザン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して3〜15質量部
(F)水:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して0.5〜5質量部
(G)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の一分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分と(B)成分のオルガノポリシロキサンが有するケイ素原子結合ビニル基1個当たり、1〜5.0個となる量
(H)ヒドロシリル化反応用触媒:触媒量
を必須成分とし、硬化後のゴム特性が、硬さ(デュロメーター;タイプA)75以上、切断時伸び200%以上であることを特徴とする高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を提供する。
また、本発明は、上記(A)〜(H)成分を必須成分とする液状シリコーンゴム組成物を製造するに際し、(A)成分の一部、(B)成分の一部又は全部、(C)成分の一部又は全部と、(D)、(E)、(F)成分の全部を100℃以下の温度で混練する第一の工程、
第一の工程で得られた混練物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、及び
この熱処理後の混練物に上記(G)、(H)成分の全量と、(A)成分の残部、場合により、(B)成分、(C)成分の残部を混練する第三の工程
を有する高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法を提供する。
第一の工程で得られた混練物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、及び
この熱処理後の混練物に上記(G)、(H)成分の全量と、(A)成分の残部、場合により、(B)成分、(C)成分の残部を混練する第三の工程
を有する高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記(A)〜(H)成分からなる液状シリコーンゴム組成物を製造するに際し、上述した特定の製造方法を採用することで、硬さ(デュロメーター;タイプA)75以上、切断時伸び200%以上の物理的特性の高硬度高伸長シリコーンゴム硬化物を与えることができる。
本発明の液状シリコーンゴム組成物において、(A)成分のオルガノポリシロキサンは、通常、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、部分的に分岐構造を有していてもよく、このオルガノポリシロキサンは、液状シリコーンゴム組成物のベースポリマーであり、ケイ素原子と結合するビニル基を分子鎖両末端のみに含有し(即ち、シロキサン構造(Si−O−Si)を構成する分子中のケイ素原子のうち分子鎖両末端のケイ素原子にのみ結合したビニル基を含有し)、回転粘度法による粘度測定(以下、同様)において25℃における粘度が1〜1,000Pa・s、好ましくは5〜100Pa・s、更に好ましくは10〜50Pa・sであるオルガノポリシロキサンである。ケイ素原子に結合する有機基のうち、前述のビニル基以外のもの(以下、R基として示す)としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ドデシル基のようなアルキル基;フェニル基、トリル基のようなアリール基;ベンジル基、β−フェニルエチル基、β−フェニルプロピル基のようなアラルキル基;及び3,3,3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン置換炭化水素基などの、通常、炭素数1〜12、好ましくは1〜8のアルケニル基を除く非置換又は置換の1価炭化水素基が例示されるが、合成が容易なことからメチル基であることが好ましい。この(A)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば下記一般式(1)で示されるものが挙げられる。
更に具体的には下記のものが例示される。
CH2=CH(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]mSi(CH3)2CH=CH2
CH2=CH(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m[Ph(CH3)SiO]nSi(CH3)2CH=CH2
CH2=CH(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m[Ph2SiO]nSi(CH3)2CH=CH2
CH2=CH(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m[(CF3CH2CH2)(CH3)SiO]pSi(CH3)2CH=CH2
CH2=CH(CH3)2SiO[CF3CH2CH2(CH3)SiO]pSi(CH3)2CH=CH2
(CH2=CH)2CH3SiO[(CH3)2SiO]mSiCH3(CH=CH2)2
(CH2=CH)3SiO[(CH3)2SiO]mSi(CH=CH2)3
(式中、Phはフェニル基を示し、m,n,pはそれぞれ上記粘度を満足する正の整数を示す。)
CH2=CH(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]mSi(CH3)2CH=CH2
CH2=CH(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m[Ph(CH3)SiO]nSi(CH3)2CH=CH2
CH2=CH(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m[Ph2SiO]nSi(CH3)2CH=CH2
CH2=CH(CH3)2SiO[(CH3)2SiO]m[(CF3CH2CH2)(CH3)SiO]pSi(CH3)2CH=CH2
CH2=CH(CH3)2SiO[CF3CH2CH2(CH3)SiO]pSi(CH3)2CH=CH2
(CH2=CH)2CH3SiO[(CH3)2SiO]mSiCH3(CH=CH2)2
(CH2=CH)3SiO[(CH3)2SiO]mSi(CH=CH2)3
(式中、Phはフェニル基を示し、m,n,pはそれぞれ上記粘度を満足する正の整数を示す。)
(B)成分のオルガノポリシロキサンは、通常、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるが、部分的に分岐構造を有していてもよく、このオルガノポリシロキサンは、ケイ素原子と結合するビニル基を分子の側鎖のみに2個以上含有し(即ち、シロキサン構造(Si−O−Si)を構成する分子中のケイ素原子のうち、分子鎖途中(即ち、分子鎖非末端)のケイ素原子に結合した置換基としてのみビニル基を2個以上含有し)、該ビニル基結合シロキサン単位の量が全シロキサン単位の2〜20モル%、特に5〜10モル%であり、25℃における粘度が0.1〜100Pa・s、好ましくは0.5〜10Pa・s、更に好ましくは0.5〜5Pa・sであるオルガノポリシロキサンである。
(B)成分は本発明組成物に高硬度を付与するために必要な成分であり、上記した側鎖置換基としてのビニル基は、通常、2官能性シロキサン単位(ジオルガノシロキサン単位)として含有されるものであるが、該ビニル基結合シロキサン単位の量が全シロキサン単位の2モル%未満では高硬度に調整しづらく、20モル%を超えると逆に伸びの低下を引き起こす。
なお、ケイ素原子に結合する有機基のうち、ビニル基以外のものは、上記(A)成分の場合に例示した、アルケニル基を除く、非置換又は置換の1価炭化水素基Rと同様である。
この(B)成分のオルガノポリシロキサンとしては、例えば下記一般式(2)で示されるものが挙げられる。
更に具体的には下記のものが例示される。
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m[(CH2=CH)(CH3)SiO]qSi(CH3)3
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m[(CH2=CH)(CH3)SiO]q[Ph2SiO]rSi(CH3)3
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m[(CF3CH2CH2)(CH3)SiO]p[(CH2=CH)(CH3)SiO]qSi(CH3)3
(式中、Phはフェニル基を示し、m,p,q,rはそれぞれ上記粘度を満足する正の整数(qは2以上)を示す。)
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m[(CH2=CH)(CH3)SiO]qSi(CH3)3
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m[(CH2=CH)(CH3)SiO]q[Ph2SiO]rSi(CH3)3
(CH3)3SiO[(CH3)2SiO]m[(CF3CH2CH2)(CH3)SiO]p[(CH2=CH)(CH3)SiO]qSi(CH3)3
(式中、Phはフェニル基を示し、m,p,q,rはそれぞれ上記粘度を満足する正の整数(qは2以上)を示す。)
(C)成分は、下記一般式(3)
(但し、nはこのポリシロキサンの25℃の粘度を0.01〜1Pa・sとする数である。)
で示される無官能性(即ち、(A)成分、(B)成分中のケイ素原子結合ビニル基と(G)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応による架橋反応には関与しないという意味で無官能性)のジメチルポリシロキサンで、これはコンパウンドの熱処理時にフィラーの凝集を防ぐためのものである。このポリシロキサンの粘度は、25℃において0.01〜1Pa・s、好ましくは0.05〜0.5Pa・sである。
(但し、nはこのポリシロキサンの25℃の粘度を0.01〜1Pa・sとする数である。)
で示される無官能性(即ち、(A)成分、(B)成分中のケイ素原子結合ビニル基と(G)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応による架橋反応には関与しないという意味で無官能性)のジメチルポリシロキサンで、これはコンパウンドの熱処理時にフィラーの凝集を防ぐためのものである。このポリシロキサンの粘度は、25℃において0.01〜1Pa・s、好ましくは0.05〜0.5Pa・sである。
上記(A)、(B)、(C)成分の配合量は、これら(A)、(B)、(C)成分の合計量100質量%中、(A)成分は70〜89質量%であり、(B)成分は10〜20質量%である。(B)成分が10質量%未満であると75以上の硬度を得ることが難しく、20質量%を超えると伸びの低下が激しくなる。また、(C)成分は1〜10質量%である。(C)成分が1質量%未満であるとフィラー同士の凝集を防ぐ効果がなく、10質量%を超えると高硬度に調整しづらい。
(D)成分は主成分がSiO2であるBET吸着法による比表面積が50m2/g以上の微粉状シリカで、本組成物に強度を付与するために配合される。シリコーンゴムに対して補強性を付与するために、BET吸着法による比表面積は50m2/g以上(通常50〜400m2/g、好ましくは100〜350m2/g)とする必要があり、該微粉状シリカとしては、Aerosil 130,200,300(日本アエロジル社製)、Rheorosil QS−102,103(徳山曹達社製)、Nipsil LP(日本シリカ工業社製)等の親水性シリカ、あるいはAerosil R812,R972(Degussa社製)、Rheorosil MT−10(徳山曹達社製)、Nipsil SSシリーズ(日本シリカ工業社製)等の疎水性シリカが挙げられ、これらの一種又はそれ以上を混合して用いることができる。
この(D)成分の添加量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して35〜55質量部である。35質量部未満であると十分な強度が得られず、55質量部を超えると粘性の大きな上昇をもたらし、液状成形材料として使用することができない。
(E)成分のヘキサメチルジシラザンは、(CH3)3SiNHSi(CH3)3で表される化合物であり、これは上記(D)成分の表面処理を行い、(D)成分の(A)、(B)、(C)成分に対する濡れ性、分散性を向上させるもので、組成物を流動化する役割を担うものである。この(E)成分の添加量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して3〜15質量部であり、3質量部より少ないと(D)成分の表面処理が十分行えず、15質量部より多いと過剰となり経済上好ましくない。
(F)成分の水は、上記(E)成分の分解を速め、(D)成分の表面処理速度を増大させる役割を担っている。この(F)成分の添加量は、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して0.5〜5質量部であり、5質量部より多いと、特性の向上にはそれ以上望めず、シリコーンゴム組成物の熱処理後に水を除去する工程が長くなり、生産上好ましいものではない。
(G)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、この組成物の架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上のケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を含有する。(G)成分のケイ素原子結合水素原子の結合位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖側鎖が挙げられる。(G)成分のケイ素原子に結合する有機基としては、(A)成分におけるアルケニル基を除く非置換又は置換の1価炭化水素基Rと同じものとすることができ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられ、これらのうちアルキル基、アリール基、特にメチル基、フェニル基であることが好ましい。
このような(G)成分の分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造が挙げられる。
(G)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば下記平均組成式(4)
ReHfSiO(4-e-f)/2 (4)
(式中、Rは炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基である。またeは0.7〜2.1、fは0.001〜1.0で、かつe+fは0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくはeは0.9〜2.0、fは0.01〜1.0で、かつe+fは1.0〜2.5である。)
で示され、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上(通常、3〜200個程度)、より好ましくは3〜100個のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を有するものが挙げられる。
ReHfSiO(4-e-f)/2 (4)
(式中、Rは炭素数1〜10の置換又は非置換の1価炭化水素基である。またeは0.7〜2.1、fは0.001〜1.0で、かつe+fは0.8〜3.0を満足する正数であり、好ましくはeは0.9〜2.0、fは0.01〜1.0で、かつe+fは1.0〜2.5である。)
で示され、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上(通常、3〜200個程度)、より好ましくは3〜100個のケイ素原子結合水素原子(SiH基)を有するものが挙げられる。
ここで、Rは、前記(A)成分、(B)成分のRと同様の、アルケニル基を除く非置換又は置換の1価炭化水素基と同じ基を挙げることができる。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位と(CH3)3SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網状構造のいずれであってもよいが、一分子中のケイ素原子の数(又は重合度)は2〜1,000、特に3〜300程度のものを使用することができる。(G)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは1種単独で使用しても2種以上併用してもよい。
(G)成分の25℃における粘度は、得られるシリコーンゴムの物理的特性が良好であり、また、組成物の取扱作業性が良好であることから、l〜1,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に5〜500mPa・sの範囲内であることが好ましい。
(G)成分の配合量は、(A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合ビニル基1個に対して、(G)成分中のケイ素原子結合水素原子が1〜5個、特に1〜3個の範囲内となる量であることが好ましい。これは(A)成分及び(B)成分中のケイ素原子結合ビニル基1個に対して(G)成分中のケイ素原子結合水素原子が1個未満であると、高硬度が十分に得られず、また、これが5個を超えると、過剰のSiH基が残存して伸びの低下の原因となる。
本発明に用いられる(H)成分のヒドロシリル化反応用触媒は、(A)成分及び(B)成分中のビニル基と、(G)成分中のSiH基との付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金、パラジウム、ロジウム系化合物が使用されるが、特に好ましくは白金系化合物である。
(H)成分は、(A)、(B)成分の合計量に対して触媒金属元素の量として、通常1〜1,000ppm、好ましくは1〜500ppmの割合で配合され、より好ましくは10〜100ppmの範囲で用いられる。配合量が1ppm未満では付加反応が著しく遅くなるか、もしくは硬化しなく、1,000ppmを超えると過剰となり、経済上好ましくない。
本発明においては、上記(A)〜(H)成分を必須成分とする液状シリコーンゴム組成物を製造するに際し、(A)成分の一部、(B)成分の一部又は全部、(C)成分の一部又は全部と、(D)、(E)、(F)成分の全部を100℃以下の温度で混練する第一の工程、
第一の工程で得られた混練物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、及び
この熱処理後の混練物に上記(G)、(H)成分の全量と、(A)成分の残部、場合により、(B)成分、(C)成分の残部を混練する第三の工程
を採用して、高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を製造する。
第一の工程で得られた混練物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、及び
この熱処理後の混練物に上記(G)、(H)成分の全量と、(A)成分の残部、場合により、(B)成分、(C)成分の残部を混練する第三の工程
を採用して、高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物を製造する。
この場合、第一工程において、(A)〜(F)成分は100℃以下、好ましくは80℃以下の温度で混練する。特に外部より加熱する必要はなく、室温(例えば10〜30℃)で混練することができ、混練中に生じる摩擦抵抗による系内の発熱を100℃以下、特に80℃以下に調整することでよい。100℃を超えて混練が行われると、この工程中にオイルとシリカの絡み合いが強固に形成され、シリカの分散が不十分となる。
この第一工程において、(B)成分の一部又は全部と(C)成分の一部又は全部が一緒に混練されることは本発明の特徴をなすもので、第一工程にて(B)成分と(C)成分を混練することで硬化後の伸びを向上させることができる。
なお、この第一工程において、(A)〜(F)成分の混練に用いる量は、好ましくは(A)成分はその60〜90質量%、特に70〜80質量%であり、(B)成分は30〜100質量%、特に40〜70質量%であり、(C)成分は50〜100質量%であることが望ましい。(D)、(E)、(F)成分は全量である。
この場合、(A)成分の残量及び(B)、(C)成分に残量がある場合には、その(B)、(C)成分の残量は、第三工程において配合される。
第二工程は、(E)成分の分解残渣や(F)成分の除去のための熱処理工程であり、130〜200℃で熱処理する。なお、処理時間は混練り装置及びスケールに大きく依存するもので一概には規定できないが、通常1〜4時間、特に2〜3時間程度が好ましい。
なお、この第一工程において、(A)〜(F)成分の混練に用いる量は、好ましくは(A)成分はその60〜90質量%、特に70〜80質量%であり、(B)成分は30〜100質量%、特に40〜70質量%であり、(C)成分は50〜100質量%であることが望ましい。(D)、(E)、(F)成分は全量である。
この場合、(A)成分の残量及び(B)、(C)成分に残量がある場合には、その(B)、(C)成分の残量は、第三工程において配合される。
第二工程は、(E)成分の分解残渣や(F)成分の除去のための熱処理工程であり、130〜200℃で熱処理する。なお、処理時間は混練り装置及びスケールに大きく依存するもので一概には規定できないが、通常1〜4時間、特に2〜3時間程度が好ましい。
熱処理後は、降温して、通常室温にて(A)成分の残部と、場合により(B)成分及び/又は(C)成分に残りがある場合には、その(B)成分及び/又は(C)成分の残部と、(G)成分、(H)成分の全量を混練する(第三工程)。
なお、第三工程(即ち、熱処理(第二工程)の後に行う、各成分の配合、混練工程)における各成分の配合、混練操作は、一括して行うこともできるし、配合、混練を2回以上に分割して複数回行うようにすることもできる。
なお、第三工程(即ち、熱処理(第二工程)の後に行う、各成分の配合、混練工程)における各成分の配合、混練操作は、一括して行うこともできるし、配合、混練を2回以上に分割して複数回行うようにすることもできる。
本発明の製造方法において混練を行うために使用される混練機としては、例えばプラネタリーミキサー、ニーダー等が挙げられるが、特に限定されない。
なお、本発明の液状シリコーンゴム組成物には、必要により、結晶性シリカ、中空フィラー、シルセスキオキサン、ヒュームド二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、層状マイカ、カーボンブラック、ケイ藻土、ガラス繊維等の無機質充填剤、及び、これらの充填剤をオルガノアルコキシシラン化合物、オルガノクロロシラン化合物、オルガノシラザン化合物、低分子量シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物により表面処理した充填剤、またシリコーンゴムパウダーやシリコーンレジンパウダーなど本発明の目的を損なわない範囲において、その他任意の成分として、例えば、一分子中に1個のケイ素原子結合水素原子又はアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサン、ケイ素原子結合水素原子又はアルケニル基を含有しないオルガノポリシロキサン、有機溶剤、クリープハードニング防止剤、可塑剤、チクソ性付与剤、顔料、染料、防かび剤等を配合することができる。この場合、該成分は第四工程において配合することができる。
本発明の液状シリコーンゴム組成物の粘度は、25℃において、500〜4,000Pa・s、特に1,000〜3,000Pa・sであることが好ましい。
本発明の液状シリコーンゴム組成物を成形、硬化する場合、その条件は適宜選定されるが、120〜200℃程度の温度条件下で硬化させることが好ましい。
このように硬化されたシリコーンゴムは、硬さ(デュロメーター;タイプA)が75以上、好ましくは75〜85、特に好ましくは75〜80であり、また切断時伸び(JIS K 6249による測定値)が200%以上、好ましくは200〜300%、特に好ましくは220〜270%である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、室温は25℃を意味する。
[実施例1]
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン50質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニルメチルシロキサン単位を全シロキサン単位に対して10モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約100mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるAerosil 300(日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温で1時間混合した。その後、温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合して、ベース組成物Aを得た。
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン50質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニルメチルシロキサン単位を全シロキサン単位に対して10モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約100mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるAerosil 300(日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温で1時間混合した。その後、温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合して、ベース組成物Aを得た。
次いで、室温においてこのベース組成物100質量部に、分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン20質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニルメチルシロキサン単位を全シロキサン単位に対して10モル%含有する、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン7質量部、粘度が55mPa・sである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=分子全体の質量に対してSiH基の水素原子として1.12質量%)3.6質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.1質量部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体を白金金属として成分の合計量に対して10ppmを加え、120℃で10分間硬化させ、150℃で1時間ポスト硬化し、厚さ2mmのシートを作製した。得られたシートを用いてゴム物性をJIS K 6249に基づいて測定した。結果を表1に示した。
[比較例1]
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるAerosil 300(日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温で1時間混合した。その後、温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。この後、100℃まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン10質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニルメチルシロキサン単位を全シロキサン単位に対して10モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約100mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部を添加し、均一になるまで混合し、ベース組成物Bを得た。
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン60質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるAerosil 300(日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温で1時間混合した。その後、温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。この後、100℃まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン10質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニルメチルシロキサン単位を全シロキサン単位に対して10モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約100mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部を添加し、均一になるまで混合し、ベース組成物Bを得た。
次いで、室温においてこのベース組成物120質量部に、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニルメチルシロキサン単位を全シロキサン単位に対して10モル%含有する、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン7質量部、粘度が55mPa・sである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=分子全体の質量に対してSiH基の水素原子として1.12質量%)3.6質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.1質量部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体を白金金属として成分の合計量に対して10ppmを加え、120℃で10分間硬化させ、150℃で1時間ポスト硬化し、厚さ2mmのシートを作製した。得られたシートを用いてゴム物性を測定した。結果を表1に示した。
[比較例2]
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン55質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約100mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるAerosil 300(日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温で1時間混合した。その後、温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。この後、100℃まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン15質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニルメチルシロキサン単位を全シロキサン単位に対して10モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部を添加し、均一になるまで混合し、ベース組成物Cを得た。
分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン55質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約100mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部、ヘキサメチルジシラザン8質量部、水2質量部、比表面積がBET法で約300m2/gであるAerosil 300(日本アエロジル社製)40質量部をニーダー中に投入し、室温で1時間混合した。その後、温度を150℃に昇温し、引き続き2時間混合した。この後、100℃まで降温して分子鎖両末端がビニルジメチルシロキシ基で封鎖され、25℃での粘度が約30,000mPa・sのジメチルポリシロキサン15質量部、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニルメチルシロキサン単位を全シロキサン単位に対して10モル%含有し、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン5質量部を添加し、均一になるまで混合し、ベース組成物Cを得た。
次いで、室温においてこのベース組成物120質量部に、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、ビニルメチルシロキサン単位を全シロキサン単位に対して10モル%含有する、25℃での粘度が約700mPa・sのジメチルポリシロキサン7質量部、粘度が55mPa・sである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン(ケイ素原子結合水素原子の含有量=分子全体の質量に対してSiH基の水素原子として1.12質量%)3.6質量部、1−エチニルシクロヘキサノール0.1質量部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンの錯体を白金金属として成分の合計量に対して10ppmを加え、120℃で10分間硬化させ、150℃で1時間ポスト硬化し、厚さ2mmのシートを作製した。得られたシートを用いてゴム物性を測定した。結果を表1に示した。
Claims (2)
- (A)ケイ素原子と結合するビニル基を分子末端のみに含有し、25℃における粘度が1〜1,000Pa・sであるオルガノポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の70〜89質量%
(B)ケイ素原子と結合するビニル基を分子の側鎖のみに2個以上含有し、該ビニル基結合シロキサン単位の量が全シロキサン単位の2〜20モル%で、25℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるオルガノポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の10〜20質量%
(C)下記一般式(3)
(但し、nはこのポリシロキサンの25℃の粘度を0.01〜1Pa・sとする数である。)
で示される無官能ジメチルポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の1〜10質量%
(D)比表面積が50m2/g以上の微粉状シリカ:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して35〜55質量部
(E)ヘキサメチルジシラザン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して3〜15質量部
(F)水:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して0.5〜5質量部
(G)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の一分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分と(B)成分のオルガノポリシロキサンが有するケイ素原子結合ビニル基1個当たり、1〜5.0個となる量
(H)ヒドロシリル化反応用触媒:触媒量
を必須成分とし、硬化後のゴム特性が、硬さ(デュロメーター;タイプA)75以上、切断時伸び200%以上であることを特徴とする高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物。 - (A)ケイ素原子と結合するビニル基を分子末端のみに含有し、25℃における粘度が1〜1,000Pa・sであるオルガノポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の70〜89質量%
(B)ケイ素原子と結合するビニル基を分子の側鎖のみに2個以上含有し、該ビニル基結合シロキサン単位の量が全シロキサン単位の2〜20モル%で、25℃における粘度が0.1〜100Pa・sであるオルガノポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の10〜20質量%
(C)下記一般式(3)
(但し、nはこのポリシロキサンの25℃の粘度を0.01〜1Pa・sとする数である。)
で示される無官能ジメチルポリシロキサン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量の1〜10質量%
(D)比表面積が50m2/g以上の微粉状シリカ:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して35〜55質量部
(E)ヘキサメチルジシラザン:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して3〜15質量部
(F)水:(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計100質量部に対して0.5〜5質量部
(G)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:本成分の一分子中に含まれるケイ素原子に結合した水素原子の数が、(A)成分と(B)成分のオルガノポリシロキサンが有するケイ素原子結合ビニル基1個当たり、1〜5.0個となる量
(H)ヒドロシリル化反応用触媒:触媒量
を必須成分とする液状シリコーンゴム組成物を製造するに際し、(A)成分の一部、(B)成分の一部又は全部、(C)成分の一部又は全部と、(D)、(E)、(F)成分の全部を100℃以下の温度で混練する第一の工程、
第一の工程で得られた混練物を130〜200℃で熱処理する第二の工程、及び
この熱処理後の混練物に上記(G)、(H)成分の全量と、(A)成分の残部、場合により、(B)成分、(C)成分の残部を混練する第三の工程
を有する高硬度付加硬化型液状シリコーンゴム組成物の製造方法。
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