JP2005539360A - 荷電粒子ビームシステム - Google Patents

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Abstract

荷電粒子ビームシステムには、電荷を中性化するためのイオン発生器が使用されている。いくつかの実施形態では、イオン発生器は、イオンを生成するべく、イオン発生器のガス圧力を適切に維持し、かつ、真空チャンバの残りの部分の圧力を低い圧力に維持するようになされており、それにより、イオン発生器に必要な全圧からの真空チャンバの排気に必要なプロセスよりはるかに短い排気プロセスと同時に、あるいは排気プロセスの後に、他のカラムを真空チャンバ内で動作させることができる。本発明は、二重ビーム・システムにおけるフォトリソグラフィ・マスクの修復にとりわけ有用である。

Description

本発明は、微視的構造を形成し、変更し、かつ、観察するための荷電粒子ビームツールの分野に関する。
フォトリソグラフィは、集積回路およびマイクロマシンなどの微小構造の生成に使用されるプロセスである。フォトリソグラフィ・プロセスには、光もしくは他の放射のパターンへのフォトレジストと呼ばれる放射線感応物質の露光が必然的に伴っている。このパターンは、通常、放射にマスクつまり表面にパターンを有する基板を通過させることによって生成される。このパターンによって放射の一部がブロックされ、あるいはその位相が変化し、それにより放射線感応物質上に露光領域および非露光領域が生成される。生成可能な構造のサイズは、使用する放射の波長によって制限され、波長が短いほど、より微小な構造を生成することができる。
ますます微小化される構造を生成するためにはフォトリソグラフィ・プロセスが必要であるため、赤外放射さらにはx線放射を含む、より短い放射波長を使用したリソグラフィ・システムが開発されている(「光」および「フォトリソグラフィ」という用語は、一般的な意味で使用されており、可視光以外の放射も含まれている)。現在、寸法が70nm以下の構造を生成することができるフォトリソグラフィ・システムが開発されている。このような構造は、波長が193nmもしくは157nmの光を使用して製造することができる。このような短波長用のフォトリソグラフィ・マスクの中には、マスク基板がこのような短波長の放射に対して十分に透明でないため、マスク上の、透過型ではなく、反射型パターンを使用しているものがある。このようなマスクの場合、放射は、マスクからフォトレジストに向かって反射する。
マスクを使用して正確に所望の露光パターンを生成する場合、フォトリソグラフィ・マスクに不備があってはならない。最も新しく製造されるマスクには、パターン物質の欠落あるいは過剰などの欠陥が存在している。このようなマスクを実際に使用する前に、しばしば荷電粒子ビームシステムを使用して欠陥が修復される。マスクの修復には、イオン・ビームおよび電子ビームを含んだ二重ビーム・システムが使用される。イオン・ビームを使用してマスク上の過剰物質がエッチ除去され、マスクに物質が蒸着されるか、あるいはマスクの画像が形成される。また、電子ビームを使用してマスクの画像が形成され、場合によってはエッチ材料が蒸着される。典型的には絶縁基板上に製造されるマスクに荷電粒子ビームを印加する場合、基板上に電荷が蓄積する傾向がある。この電荷は、ビーム・スポットの形状および位置決めに影響を及ぼすことによって荷電粒子ビームの動作に悪影響を及ぼしている。
蓄積した電荷を中性化し、あるいは電荷の蓄積を少なくする方法の1つは、電子フラッド・ガンを使用して、正に帯電した基板に電子を導くことである。たとえばDohertyらに対する米国特許第4,639,301号に、このようなシステムが記載されている。C.K.Crawford、「Charge Neutralization Using Very Low Energy Ions」、Scanning Electron Microscopy/1979/IIに記載されているもう1つの方法は、極めてエネルギーの小さい正のイオン・ビームを使用して負の電荷の蓄積を中性化することである。イオン発生器内のガスをイオン化する高電圧によってイオンが生成されるため、Crawfordのシステムで生成されるイオンの数は、ワーク・ピース上への電荷の蓄積に無関係の要因によって決定される。このようなシステムは、動作状態のあらゆる変化に対してシステムを平衡させる必要があったため、その使用法は容易ではなかった。このようなシステムの使用は、低真空SEMおよびESEMSの導入に伴って衰退し、また、より小さい電圧で満足すべき画像化が達成され、それによりワーク・ピースの帯電を減少させることができる電界放出銃SEMの使用の増加に伴って衰退した。
荷電粒子ビームを使用した、ワーク・ピース表面を走査する一次ビームとして放出される二次粒子すなわち後方散乱粒子の収集によるワーク・ピース画像の形成は、広く使用されている技法である。画像上の各ポイントの輝度は、基板上の各ポイントに衝突するビームとして収集される二次粒子の数に対応している。(本明細書においては、「二次粒子」という用語は、後方散乱粒子を含む、ワーク・ピースから放出されるあらゆる粒子を包含するべく使用されている。)絶縁基板の帯電は二次粒子の経路に影響するため、延いては画像化に影響する。
環境走査電子顕微鏡(「ESEM」)に使用するための二次電子検出器が記述されている、Mancusoらに対する米国特許第4,785,182号に、一次電子ビームの衝突によって放出される二次粒子を検出する技法の1つが記載されている。この検出器デバイスは、電界を生成するための電位が印加される電極からなっている。基板から放出される二次粒子は、検出器に向かって加速され、ガス分子と衝突して追加荷電粒子が生成される。この追加荷電粒子が他のガス分子と衝突してさらに多くの荷電粒子が生成される。このようなプロセスは、「カスケード」効果と呼ばれている。この方法によって生成される最終的な荷電粒子の数は、基板から放出される二次粒子の数に比例しており、したがって二次粒子の数に対応する増幅信号が生成される。電子源および一次ビームの経路の大半は、一次ビームを通過させ、かつ、カラムに入るほとんどのガス分子を阻止する開口によって高真空に維持されている。
ESEM検出器の場合、検出器ガスを通過する二次粒子の経路長は、適切な増幅度を提供するためのガス分子との十分な衝突を可能にするだけの十分な長さでなければならない。衝突の確率を高くするために、粒子がワーク・ピースから検出器へ移動する経路長を比較的長くするべく、検出器は、通常、ワーク・ピースから離れた位置に設けられている。また、ガスの圧力を高くすることにより、特定の経路を移動する際の衝突の確率が高くなる。ESEMにおけるガス圧力は、通常、カスケード効果を生成するだけの十分なガス分子を提供するべく、ワーク・ピースと検出器の間で約0.5トールないし5トールに維持されている。
増幅度を大きくするための他の方法は、ガス中を湾曲経路すなわちループに沿って粒子を移動させる磁界を提供することである。van der Mastに対する米国特許第6,184,525号に、二次電子の経路長を長くし、それによりガス分子と衝突する確率を高くするための静電多重極構造の使用が記述されている。同様に、Van der Mastに対する米国特許第6,365,896号に、検出器と試料ホルダの間に追加磁界を追加し、それにより二次電子の経路を長くし、より高度のイオン化をさらに生成する方法が記述されている。van der Mastの特許は、いずれも本出願の譲受人に譲渡されている。また、特公平5−174768号公報に、増幅度を大きくするべく電子顕微鏡の対物レンズの磁界中に検出器が配置されたESEMが記述されている。また、特公平5−174768号公報には、環境走査電子顕微鏡の検出器によって生成されるイオンを使用して、ワーク・ピースに蓄積される電荷を中性化することができることが記述されている。
ESEM検出器には比較的高いガス圧力が必要であるが、ほとんどの荷電粒子ビームシステムは、ESEMに必要な比較的高いガス圧力では動作することができないため、それが、イオン・ビーム・システムあるいは非ESEM SEMなどの他の荷電粒子ビームシステムと同じ真空チャンバ内でのこのようなシステムの使用を不適切にしている。ガス分子は、ビーム中でイオンもしくは電子と干渉し、解像度もしくは信号対雑音比が低下する原因になっている。
米国特許第4,639,301号 米国特許第4,785,182号 米国特許第6,184,525号 米国特許第6,365,896号 特公平5−174768号公報 米国特許出願第10/636,309号 C.K.Crawford、「Charge Neutralization Using Very Low Energy Ions」、Scanning Electron Microscopy/1979/II
本発明の目的は、微視的構造を画像化もしくは処理するためのシステムであって、それには限定されないが、少なくとも1つのカラムがイオン発生器を備えた多重ビーム・システムを使用して絶縁基板上の微視的構造を画像化もしくは処理するためにとりわけ有用なシステムを提供することである。
本発明により、荷電粒子ビームシステム内の、水晶をベースとしたリソグラフィック・マスクなどの基板上の電荷を制御するための方法および装置が提供される。好ましい実施形態は、一次荷電粒子ビームと基板の衝突によって生成される二次荷電粒子との衝突によってイオン化されることが好ましいガスを使用したイオン発生器を備えている。いくつかの実施形態では、このイオン発生器を使用して、たとえば環境走査電子顕微鏡における二次粒子信号を増幅することができる。いくつかの実施形態では、このイオン発生器を使用して、化学促進荷電粒子ビームエッチングもしくは蒸着のためのガスを提供することも可能である。本発明による様々な実施形態が電荷の中性化を実施することができるが、二次粒子信号の増幅、ガス促進荷電粒子ビーム動作のためのガスの供給およびその他の機能については、必ずしもすべての実施形態がすべての機能を提供しているわけではない。
いくつかの実施形態では、イオン発生器は、イオン発生器から離れた位置に配置された真空チャンバ内のガス圧力を比較的低い状態に維持しつつ、ワーク・ピース上の電荷を中性化するイオンを発生している。このガス圧力は、イオン発生器側では、二次粒子とガス分子の衝突によってイオンを生成するだけの十分な高圧であり、また、真空チャンバの残りの部分では十分に低いため、真空チャンバをESEMの動作圧力から排気するために必要な時間と比較すると、システムを非ESEM荷電粒子ビームシステムの動作に適した圧力まで排気するために必要な時間が著しく短縮される。
以上の説明は、本発明についての以下の詳細な説明をより深く理解するための一環として、本発明による好ましいシステムの様々な態様の特徴および技術的な利点のいくつかを、どちらかと言えば広義にその概要を示したものである。以下、本発明の他の特徴および利点について説明するが、当業者には、本発明の目的と同じ目的を達成するための修正もしくは他の構造を設計するための基本として、本明細書において開示する概念および特定の実施形態を容易に利用することができることを理解されたい。また、当業者には、このような等価構造が、特許請求の範囲に示す本発明の精神および範囲を逸脱しないことを認識されたい。さらに、フォトマスクを修復するための好ましいシステムは、以下で説明する本発明による態様の多くを実施することができるが、本発明による態様の多くは、特定の実施態様の目的に応じて個別に適用することも、あるいは任意の組合せで適用することも可能であることを認識されたい。
以下、本発明および本発明の利点をより完全に理解するために、添付の図面に照らして説明する。
本発明の好ましい実施形態には、荷電粒子ビームシステム内の絶縁標本中の負の電荷を中性化するためのイオン発生器が使用されている。フォトリソグラフィ・マスクは、通常、水晶などの絶縁基板上に製造されるため、本発明は、フォトリソグラフィ・マスク上の荷電粒子ビームの動作に有用である。
イオン発生器は、ワーク・ピースから放射される二次電子もしくは後方散乱電子を使用して、環境走査電子顕微鏡(ESEM)で動作している検出器と同様の方法でガスをイオン化することが好ましい。二次粒子がガス中を通過する際に、二次粒子とガス分子が衝突してガスがイオン化される。イオン化したガス分子と他のガス分子がさらに衝突し、カスケード反応でガス分子が次々にイオン化される。このイオン生成プロセスによって、絶縁標本上の電荷を安定化させ、あるいは画像化するために使用される大量のイオンが生成される。
ワーク・ピースからの二次粒子を使用してイオンを生成することにより、生成されるイオンの数とワーク・ピース上に帯電する電荷の量を関連させることができる。また、蓄積した電荷と共に変化するワーク・ピースの電位も、ワーク・ピースに到達するイオンの数を自動的に調整する役割を果たしている。したがって荷電粒子ビームシステムは、荷電粒子ビームシステム内のワーク・ピース上の電荷を中性化するための自己安定化イオン発生器を提供することができる。電荷を制御するべくガス圧力およびイオン発生器が一度セットアップされると、制御を混乱させることなく、ビーム・エネルギー、走査速度およびビーム電流などの他の顕微鏡パラメータを変更することができるため、システムは、いわゆる自動調整システムである。
本発明のいくつかの実施形態には、同じくワーク・ピース上の電荷を中性化するためのイオンを提供するべく、二次電子信号を増幅するイオンを生成する環境走査電子顕微鏡(ESEM)検出器が使用されている。本発明の他の実施形態には、ESEM検出器に接続されない個別のデバイスであるイオン発生器が使用されている。
ESEMはイオンを生成し、これらのイオンを電荷の中性化に使用することができるが、ESEMは、ESEMおよび集束イオン・ビーム(FIB)カラムを備えた二重ビーム・システムなどの多重ビーム・システムへの使用に適している。ESEMは、通常、約0.5トールないし5トールの圧力で動作し、一方、集束イオン・ビームは、通常、約10-5トールの圧力で動作する。したがって、ESEMおよび集束イオン・ビーム・カラムを備えた二重ビーム・システムの場合、ユーザは、ESEMの使用からFIBの使用へ切り換える際に、標本真空チャンバ内の圧力を0.5トールから10-5トールまで降下させなければならない。真空チャンバを0.5トールから10-5トールまで降下させるためのポンピングに必要な時間は、ほとんどの商用アプリケーションにおいて、ESEMをFIBと共に使用するための重大な欠点になっている。真空チャンバを検出器ガスで満たす代わりに、ESEM検出器が検出器領域に配置されたガス・ジェットを使用している場合であっても、真空チャンバは、依然として検出器ガスで満たされているため、イオン・ビームの使用に先立って排気しなければならない。
本発明のいくつかの実施形態では、ESEMおよびFIBもしくはSEMが同じ真空チャンバ内で実用的に利用されている。いくつかの実施形態では、システム設計は、比較的少量のガスをイオン発生器の近傍に局部化する傾向にある。このような実施形態の場合、システムは、荷電粒子ビームとの干渉を小さくするべく、イオンが生成される位置のガス圧力がより高くなり、かつ、システムの他の部分のガス圧力がより低くなるよう、システム内の異なる位置を異なる圧力に維持する。たとえば、一実施形態では、ESEM検出器の近傍の微小空間の圧力が約0.5トールである場合、チャンバ内の背景圧力は、約10-4トールの圧力に維持される。したがってFIBへ切り換える場合、チャンバに必要なことは、0.5トールから10-5トールへのポンピングに代わって、10-4トールから10-5トールへポンピングすることだけである。したがってESEM動作からFIB動作への切換えが著しく迅速であり、二重ビームESEM−FIBは、マスクの修復および他のアプリケーションに適している。いくつかの実施形態では、ESEM検出器もしくは他のイオン発生器とFIBを同時に動作させることができる。
電荷を中性化するべく、ESEM検出器もしくは他のイオン発生器によって生成されるイオンの一部をワーク・ピースに戻すことにより、ESEMもしくは他の画像化システムは、クロム・アブソーバ上のフィーチャを示す画像を2nm未満の解像度で生成することができる。イオン発生器によって提供される電荷の中性化は、ガスもしくはガス混合物の圧力および同一性を制御することによって部分的に制御することができる。また、イオンの生成に使用されるガスもしくはガス混合物を荷電粒子ビーム促進エッチングもしくは蒸着に使用して欠陥を修復することも可能である。荷電粒子ビームの存在下でのガスを使用したエッチングもしくは蒸着は、「ビーム化学」と呼ばれている。いくつかの実施形態では、エッチングもしくは蒸着のための異なるガスを使用して、電荷を中性化するためのイオン発生器からのガスを改質させることができ、また、他の実施形態では、ガス混合物を使用することができる。
異なる電子最終レンズ構成には、通常、二次粒子検出のための中性化および/または電荷中性化のためのイオンを生成するための異なる設計が必要である。以下で説明するいくつかの実施形態は、タイプの異なる電子レンズと共に使用することができる設計例を提供しており、開示するこれらの実施例および原理を使用することにより、当業者は、他のタイプのレンズと動作する検出/中性化構成を設計することができる。
図1Aは、たとえば高度なマスク修復および度量衡学に使用することができ、かつ、本発明を組み込むことができる二重ビーム・システム100の概略を示す図である。本発明は、二重ビーム・システムにおける使用に何ら限定されることはなく、単一ビーム・システムあるいは多重ビーム・システムに使用することができる。システム100は、第1の荷電粒子ビームカラム102および第2の荷電粒子ビームカラム104を備えており、カラム102および104の軸は、概ね互いに平行に、かつ、ワーク・ピース106の表面に対して概ね直角に配向されている。ワーク・ピース・ホルダすなわちステージ108は、いずれか一方のカラムの下方の正確な位置へワーク・ピース106を移動させることができる。カラム102、104およびワーク・ピース106は、真空チャンバ110の内部に収納されている。
本発明は、特定のタイプのカラムに何ら限定されない。たとえば、本発明の一実施形態は、集束ビーム・カラムあるいは整形ビーム・カラムなどのイオン・ビーム・カラムの任意の組合せ、およびESEMカラムおよび非ESEMカラムなどの電子ビーム・カラムを備えることができる。本明細書に使用されているESEMという用語は、二次電子もしくは後方散乱電子によるガスのイオン化を使用して、検出、電荷中性化もしくはその両方のためのイオンが生成されるあらゆる電子カラム構成に広義に適用される。
図1Aには、たとえば、液浸レンズ・カラム104と共に使用されるESEM検出器120、および非液浸レンズ・カラム102と共に使用される、電荷を中性化するための個別イオン発生器122が示されている。また、カラム102は、シンチレータ検出器もしくはチャネル・プレート検出器などの非ESEM二次粒子検出器124を備えている。この2つの電子カラムにより、様々な観点から標本を観察することができる。液浸レンズ・カラムにより、対称検出器を使用して高解像度画像が得られ、一方、非液浸カラムにより、画像に指向性成分を提供する検出器が得られる。イオン発生器122は、ESEM検出器に置き換えることができ、それにより電荷の中性化および信号検出の両方を実施することができる。異なる実施態様に、異なる組合せのESEM検出器、非ESEM検出器およびイオン発生器を使用することも可能である。
図1Bは、システム150を示したもので、第1の荷電粒子ビームカラム152および第2の荷電粒子ビームカラム154は、それらのビームが一致するか、もしくはほぼ一致するように配置されている。つまり、一方のカラムがもう一方のカラムに対して傾斜しているため、両方のビームが同じポイント、もしくはほぼ同じポイントでワーク・ピースに衝突する。衝突するポイントがオフセットしている場合、ワーク・ピース・ホルダ108は、いずれか一方のカラムの衝突ポイントの下方の正確な位置へワーク・ピース106を移動させることができる。カラム152、154およびワーク・ピース106は、真空チャンバ160の内部に収納されている。一方のカラムが傾斜しているため、中には実施が物理的に困難な組合せもあるが、カラム152および154には、任意の組合せのESEMイオン発生器、非ESEMイオン発生器、従来の検出器およびチャージ・ニュートラライザを使用することができる。図1Bには、電荷の中性化を提供する電荷発生器156が示されている。この電荷発生器156には、電子フラッド・ガンもしくはESEM型イオン発生器を使用することができる。
マスクの修復に使用される二重ビーム・システムの2つのカラムのうちの少なくとも一方は、ワーク・ピースの表面に対して傾斜しているか、あるいは傾斜させることができることが好ましい。傾斜したビームを使用することにより、ワーク・ピースに関する三次元情報が提供される。この三次元情報は、たとえば位相シフト・マスク上の水晶バンプ欠陥の修復に有用である。基板と同じ材料でできているこのような欠陥は、画像中における基板とのコントラストに大きな差がないため、基板を損傷することなく修復することは困難である。米国特許出願第10/636,309号「Repairing Defects On Photomasks Using A Charged Particle Beam And Topographical Data From A Scanning Probe Microscope」に、三次元トポグラフィック情報を使用して位相シフト・マスク中の欠陥を修復する方法が記述されている。傾斜した荷電粒子ビームを使用して、米国特許出願第10/636,309号に記載されている走査プローブ顕微鏡に代わって三次元画像を提供することができる。荷電粒子ビームシステムが三次元データを提供する場合、情報を得るために真空チャンバからワーク・ピースを除去する必要がなくなるため、生産性が向上する。
図2は、真空チャンバ206の内部に配置されたイオン・ビーム・カラム202および環境走査電子顕微鏡カラム204を備えたシステム200を示したものである。環境走査電子顕微鏡カラム204は、ワーク・ピース部分に高磁界を有する磁気液浸対物レンズ207を備えている。集束イオン・ビーム・カラム202は、ガリウム液体金属イオン源(LMIS)であることが好ましいイオン源203を備えている。本発明は、特定のタイプのイオン源に何ら限定されることはなく、ケイ素/金共晶LMISあるいはプラズマ・イオン源などの他のイオン源を使用することも可能である。イオン・ビーム・カラム202には、集束ビームもしくは整形ビームを使用することができる。このイオン・ビーム・カラム202を使用して、スパッタリングもしくは化学促進エッチングのいずれかによってワーク・ピース208の表面から物質を除去することができ、あるいはイオン・ビームの存在下で前駆物質ガスが分解し、それにより表面に蒸着物が残されるイオン・ビーム促進蒸着を使用してワーク・ピース208の表面に物質を蒸着させることができる。平らな大型検出器210と平らな大型ワーク・ピース208の組合せが検出器ガスを幾分か封じ込めており、真空ポンプ214による検出器210とワーク・ピース208の間の、チャンバ204の他の部分の全体圧力より数桁高い圧力の維持を可能にしている。
ESEMカラム204は、増幅器216に接続され、かつ、ワーク・ピース208から放出される二次粒子の増幅に使用されるガスを提供するガス・インジェクタ218に接続されたESEM型検出器210を備えている。このガスは、化学促進電子ビーム・エッチングもしくは蒸着に使用することも可能である。ステージ220は、ワーク・ピース208を必要に応じてカラム202もしくはカラム204のいずれかの下方に位置決めしている。
図3は、ワーク・ピース上に蓄積した電荷を、非液浸レンズ(つまり、ワーク・ピース部分における磁界の小さいレンズ)を備えた電子ビーム・カラムの動作によって中性化するための自己安定化イオン発生器を使用した本発明の一実施形態を示したものである。図3には、電子ビーム306をワーク・ピース307上に収束させる非液浸対物レンズ305を備えた、システム真空チャンバ308内に密閉された電子ビーム・カラム304が示されている。システム真空チャンバ308には、集束イオン・ビーム・システムなどの第2の荷電粒子ビームカラムが収納されている。
イオン発生器302は密閉管310を備えている。密閉管310は、イオン314を管310から排出し、電子ビーム306がワーク・ピース307に衝突する衝突ポイント316へ到達させるオリフィス312を有している。高電圧電極317は、管310内の二次粒子を加速している。パイプ318は、矢印319で示すように、ガスを管310内に導入している。
イオン発生器管310は、二次電子320の一部を管内に引き付けるべく、小さい正のバイアス電圧、好ましくは約10Vと約500Vの間、典型的には約200Vの電圧に維持されることが好ましい。約300Vと約2000Vの間、典型的には約500Vの電位に維持されることが好ましい高電圧電極317は、管310内のガスのイオン化をカスケードで誘発するべく、管310内の二次電子320をさらに加速している。イオン314は、電極317を離れてオリフィスから流出する。管上の正のバイアス(および、あらゆる標本帯電)によってイオンが標本に向かって加速される。イオンが過剰に存在している場合、標本は正に帯電するようになり、それにより標本へのイオンの流れが減少し、過剰イオンは対物レンズに向かって流れるか、あるいは管に向かって逆流することになる。したがって中性化は自己調整であり、この自己調整は、過剰イオンがレンズではなく電極に向かって流れるよう、接地もしくはバイアスされる電極330を追加することによって強化することができる。
画像化および分析のための大部分の二次粒子の収集および検出は、シンチレータ検出器あるいはチャネル・プレート検出器などの従来の任意の高真空検出器322を使用して実施することができる。二次粒子は、図3に示すようにワーク・ピースの近傍で軸から離れた位置で収集することができ、あるいはレンズを通して収集することができる。したがって、イオン発生器302を使用することにより、非ESEM検出器を使用することができ、かつ、イオン発生器による電荷の中性化を提供するシステムが達成される。真空チャンバは、比較的短時間のポンプ・ダウンと同時に、あるいはポンプ・ダウン後に、非ESEM型荷電粒子ビームの動作を妨げることになるガスで満たされることはない。
チャンバ308内における電子カラム304の使用からイオン・ビーム・カラム(図示せず)の使用への切換えは、極めて迅速である。オリフィス312は十分に小さいため、システム真空チャンバ308へのガスの漏れは微々たるものであり、チャンバ308内のガス圧力をESEM検出器のより開放型のイオン発生器設計における圧力であるより低いレベルに維持することができる。カラム304の使用からイオン・ビームの使用へ切り換えるために、通常、オペレータは、イオン発生器へのガスを止め、続いて小さなイオン発生器空間から主チャンバへ通気する。別法としては、オリフィス312内に弁を設けることも可能である。いくつかの実施形態では、イオン発生器ガスに不活性ガス(アルゴン、ヘリウム等)を使用することができるため、FIB動作の間、ガスを流し続けることができ、FIB動作への切換えの際の変更は、イオン発生器から高電圧を除去することのみである。いくつかの実施形態では、イオン発生器をガス・インジェクタとして使用することができる。つまり、ワーク・ピースに向けてエッチング促進ガスもしくは荷電粒子ビームの存在下で分解して物質を蒸着させるガスを導くべくイオン発生器を使用することができる。このようなガスについては、当分野で良く知られている。
ESEMの欠点は、画像化速度が比較的遅いことであり、通常、1ピクセル当たり約1ミリ秒未満である。イオン発生器302のようなイオン発生器を使用することにより、イオン発生器電荷中性化の利点が達成され、かつ、画像化速度をより速くするべく非ESEM検出器を使用することができる。この利点は、少なくとも1つのカラムが非ESEM検出器を使用している場合、単一ビーム・システムあるいは多重ビーム・システムでも達成可能である。
イオン発生器の増幅効果により、必要なことは、電荷の中性化に十分なイオンを生成するべくイオン発生器によって比較的少数の二次粒子を収集することのみであり、したがってほとんどの二次粒子を画像化システムによる収集に利用することができる。イオン発生器を電荷の中性化に使用し、また、二次粒子信号の増幅器として使用しない場合、極めて小さい増幅度を使用することができる。増幅度は、管310内のガス圧力によって決まるため、より低い圧力を使用することができ、それによりチャンバ308内の圧力を低くすることができる。
管310内の適切な圧力は、イオン発生器の電圧および捕獲した二次粒子の数およびエネルギーによって決まり、その要因は、アプリケーションによって変化する。特定の実施形態の適切な圧力を決定するために、イオンの生成をモニタするべく電極の電子信号を測定し、かつ、ガス圧力もしくは電圧を調整することができ、それにより基板の中性化に十分なイオンを得ることができる。ESEM型信号増幅にイオンが使用されない実施形態の場合、ガス圧力を低くすることができる。
イオン発生器302内のガス圧力は、0.1トールより高いことが好ましく、約0.3トールより高いことがより好ましい。管内の好ましい圧力は約0.5トールであり、それにより大きなイオン増幅率が得られる。この圧力は、1.0トール未満であることが好ましく、0.7トール未満であることがより好ましい。約0.2mmのオリフィスにより、ガスの流れが制限され、チャンバが10-5トールの範囲に維持される。オリフィスのサイズは、システム・パラメータによって様々である。かなりの数の二次電子を管310内に射出し、かつ、ほとんどのイオンを管310のオリフィスから引き出すためには、このオリフィスは十分な大きさでなければならない。当業者には、上で提供した手引きに基づいて適切なオリフィス・サイズを決定することができよう。イオン発生器の動作中におけるチャンバ内の圧力は、10-2トール未満であることが好ましく、10-3トール未満であることがより好ましく、約10-4トール未満であることがさらに好ましく、約10-5トール以下であることが最も好ましい。
ESEM検出器への使用に適したガスとして知られているガスは、通常、イオン発生器302との使用にも適している。適切なガスの望ましい特性には、イオン化エネルギーが小さいこと、酸化性であること、および非腐食性であることなどがある。たとえば水蒸気は、二次粒子信号を増幅するための適切な検出器ガスである。他の適切なガスには、窒素、アルゴンおよび一酸化炭素などがある。また、検出器ガスは、荷電粒子ビーム促進蒸着もしくはエッチングに使用される他のガスと混合することも可能である。たとえば二フッ化キセノンは、ケイ素を始めとするいくつかの物質のエッチングを促進している。イオンは、ワーク・ピースの表面に引き付けられ、荷電粒子ビームによって活性化されると、ワーク・ピースの表面をエッチングする。もう1つの例として、六フッ化タングステンおよび六カルボニルタングステンは、電子ビームの存在下で分解し、タングステンを蒸着させる。
いくつかの実施形態では、図3に示すイオン発生器は、液浸レンズと共に使用することができる。液浸レンズからの磁界によって、通常、イオン発生器管への二次電子の到達が妨げられる。液浸レンズと共に使用する場合、高エネルギー後方散乱電子(磁界から逃れることができる)がイオン発生器管に入り、イオン生成プロセスが誘発される位置にイオン発生器を配置することができる。イオンの流出が磁界によって大きく影響されることはない。この構成のイオン発生器により、高真空で動作する、液浸レンズには絶対に不可欠の、いわゆる「スルー・ザ・レンズ」検出器を使用することができる。
図4Aおよび4Bは、バイナリ・マスクの電子ビーム画像を示したもので、図4Aには、マスクが電子ビームによって帯電している場合に得られる画像が示され(電荷は全く中性化されていない)、図4Bには、マスク上の電荷が本発明の一実施形態によって中性化されている場合に得られる画像が示されている。
図3に示す実施形態は、管310内の局部高圧力領域を使用してイオンを生成しているため、真空チャンバを著しく低い圧力に維持することができる。以下で説明する実施形態は、局部高圧力の概念と液浸レンズを使用したESEM検出の使用を組み合わせたものである。以下で説明する実施形態により、電子の検出および電子ビームの電荷制御を効果的に実施することができ、かつ、低チャンバ圧力を維持することができるため、標本が高度に絶縁される電子ビーム化学および二重ビーム動作にとって好ましい実施形態である。イオン検出器から離れた位置にあるイオン生成ゾーンの局部圧力およびチャンバ圧力は、イオン発生器302を使用したシステムに関連して上で説明した圧力と同様の圧力であることが好ましい。
図3に示す実施形態には、検出器とは別のイオン発生器が使用されているが、以下で説明する実施形態には、二次粒子の検出にも使用されるイオン発生器が使用されている。これらの実施形態により、ESEMに類似した二次粒子検出が可能になり、かつ、とりわけ磁気液浸対物レンズと共に使用する場合、電荷制御および化学促進荷電粒子ビーム動作が可能になる。示されているいくつかの実施形態は、ガス環境と共同した磁界と静電界の特定の組合せを使用することによって改良型信号増幅および帯電制御を提供している。本出願と同時に本出願の譲受人によって出願された、参照により本明細書に組み込まれている、Scholtzらによる「Particle−optical device and detection means」という名称の米国特許出願に、いくつかのこのような構成がより詳細に記載されている。
特開平5−174768号公報に、対物レンズからの磁界が電界と平行であるカラム構成が示されており、この出願は、二次電子が磁束線の周りにトラップ(捕捉)され、それにより経路長が長くなり、増幅度が大きくなることを特許請求している。上に挙げた「Particle−optical device and detection means」には、いわゆる「磁気ペニング・メカニズム」を実施するべく電界の形状を適切に選択することにより、より長い経路長が提供されることが示されている。より長いこの経路長の形態は、減衰振動の形態である。また、磁界と直交する成分を電界が含むように電極を構成することも可能である。このような構成は、磁界に対して直角をなす放射状電界の存在下で電子が円軌道で移動する「磁電管」として知られている構造と類似している。この構成により、電子経路長が飛躍的に長くなり、ガスの存在下で大きなガス増幅度が提供される。
図5は、その原理を示すべく、2つの同軸円筒電極、すなわち内部シリンダ502および外部シリンダ504からなる磁電管構造500を示したものである。内部シリンダ502は接地され、外部シリンダ504は正の電位にある。この電位差が、「E」の矢印で示すように、2つの電極間に放射状電界を生成している。また、円で囲まれたXで示すように、図のページの平面に直角に、平面に向かって導かれている、シリンダとシリンダの間の空間全体に渡って一様であることが好ましい、Bで示す磁界が存在している。2つの電極の間のある場所でスタートした電子は、図6に示す経路と同様の経路を辿ることになる。
高真空下では、電界(E)および磁界(B)の値が適切である場合、電子は構造の周囲を無限に移動するが、ガスが存在している場合、電子とガス分子が衝突することになる。電子のエネルギーが十分に大きい場合、ガス分子がイオン化され、2個の電子が出現する。この2個の電子が電極504に向かってさらに移動を開始し、図6に示す経路と同様の経路で電極502の周囲を、より大きい半径で移動することになる。この2個の電子がさらにガス分子と衝突してカスケード・プロセスが繰り返される。長くなった経路長によって大きな増幅度が生成されるが、磁界Bと電界Eの組合せが適切な場合にのみ最大増幅度が得られることが分かる。
2つの効果の組合せ、つまり、磁界と平行な電界の成分による磁気ペニング効果と、磁界と直交する電界の成分による「磁電管」効果の組合せにより、信号の増幅が著しく促進される。単一の実施形態で両方の方法を同時に使用して増幅を達成するためには、ガス圧力、磁界強度および電界強度の3つの主要パラメータの特定の組合せが必要である。
図7は、電子ビーム704をワーク・ピース706上に集束させる液浸レンズ702を有する荷電粒子ビームシステム700を備えた実施形態を示したものである。ワーク・ピース706は、液浸レンズの第2の極710の上に置かれたステージ708の上に配置されている。システム700は、増幅器716に接続された電極プレート714を検出器として使用している。分離ダイヤフラム717は、上部カラムへのガスの流れを少なくすることによって、ワーク・ピース706と検出器714の間の検出空間718の圧力差を維持している。電極プレート714は、実質的に円形の、磁界722と実質的に同軸の中央開口719を有する、単純で薄い導電性の板であることが好ましい。電極プレート714には、動作中、100Vないし2000Vの範囲の正の電圧を印加することができる。電極プレート714上のバイアスによって電界が生成されるが、この電界は、開口719の存在により、液浸レンズ702によって生成される磁界722に対して部分的に平行であり、かつ、部分的に直交しており、システム700は、上で説明した磁気ペニング効果および磁電管効果によって二次粒子信号を増幅することができる。
直径の大きい開口719によって、電極714の近くに、磁界722と直交する電界が生成され、それにより、磁電管効果によって増幅することができる領域が提供されるが、開口が小さ過ぎる場合、磁電管効果は得られない。また、開口が大き過ぎる場合、磁気ペニング効果による強化は得られない。開口の特定の直径と、磁界、電界およびガス圧力の対応する特定の値が相俟って、両方の増幅メカニズムを同時に達成することができる。これらの条件が満たされると、磁気ペニング・メカニズムによって増幅された信号が、次に、磁電管効果によって複合的に増幅されるため、大きな総合増幅度が得られる。
また、二次電子信号を増幅することにより、標本の帯電防止に必要な正のイオンが生成されるが、上で説明した2つのメカニズムによって生成される極めて大きな増幅度によって過剰のイオンが生成されることになる。そのために、接地されるか、あるいはバイアスされる追加プレート730を提供することにより、過剰イオンを収集することができる。この追加プレートを増幅器に接続し、検出信号を提供することも可能である。
複合メカニズムを達成することができる多くの組合せの開口の直径、磁界強度、電界強度およびガス圧力が存在しているが、任意の特定の直径の開口に対しては、特定の組合せのバイアス電圧および磁界によってのみ複合効果が得られる。
磁気ペニング・メカニズムによる増幅は、電子ビームの軸に沿ったピーク電位がガスのイオン化電位を超えた場合にのみ生じ、磁電管効果による増幅は、2**(E/M)^2/qがガスのイオン化エネルギーより大きくなる放射状電界(E)および磁界(B)の場合にのみ生じる。mは電子の質量であり、qは電子の電荷である。当業者には、この手引きを使用して、特定のアプリケーションに対する適切な直径を決定することができよう。一例として、陽極開口の直径が3mm、陽極電圧が400V、水蒸気の圧力が0.3トールの場合、5000を超える高増幅度が提供される。
大きな総合増幅度を達成することにより、ワーク・ピースから検出器までの距離を短い距離に維持することができ、それによりレンズの動作距離が短くなり、かつ、レンズの解像度が高くなる。また、検出器部分のガス圧力を低くすることができ、それによりチャンバ内の総合ガス圧力が低くなり、延いてはESEM動作からFIB動作もしくは他の非ESEMビーム動作への切換えに必要な時間が短縮もしくは省かれる。検出器空間718内の圧力は、約0.5トールから約0.3トール以下まで低くすることができ、実施形態によっては、さらに0.1トール以下まで低くすることができる。コレクタ部分のガス圧力が低くなることにより、検出器から離れた位置にある真空チャンバ内のガス圧力がさらに低くなる。
ワーク・ピースが適切な形状を有している場合、たとえばフォトリソグラフィ・マスクあるいは半導体ウェハなどの大型で、かつ、平らな物体および検出器は、ワーク・ピースの近傍に配置され、そのジオメトリ(geometry)によって、増幅が生じる領域のガスに若干拘束される。したがってこのガス圧力には、検出器とワーク・ピースの間の空間内ではより高い圧力を維持し、検出器から離れた位置にあるチャンバ内ではより低い圧力を維持する傾向がある。いくつかの実施形態は、10分の1トール以上もしくは1トールの動作圧力を増幅ゾーンに提供し、かつ、概ね低い真空チャンバ圧力を維持している。ガスは、その拘束力が弱いため、通常、ESEM検出器を使用して真空チャンバの圧力を若干高い圧力にすることができるが、増幅ゾーンおよび真空チャンバの残りの部分のガス圧力は、図3に示すシステムに関連して説明した圧力と同様の圧力にすることができる。
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、ESEM検出器は、他の荷電粒子ビームシステムを備えた、他の荷電粒子ビームカラムとの検出器ガスの干渉が最小もしくは全く干渉することのない真空チャンバ内、あるいは真空チャンバ内のガス圧力が、他のカラムを動作させるべく真空チャンバを比較的速やかに排気することができる程度まで高められた真空チャンバ内での動作が可能である。
図8に示す実施形態は、磁気液浸レンズ802を備えた、上で説明した二次粒子信号増幅の原理を使用した電子ビーム・システム800の下部部分を示したものである。このシステム800によれば、ガスの分離が強化され、それによりガスが局部化され、同じ真空チャンバ内における他の荷電粒子ビームカラムの動作との干渉が小さくなる。システム800は、圧力制限開口806および環状検出器電極808を支持している絶縁体804を備えている。イオン・トラップ810は、検出器電極808、絶縁体804、液浸レンズ802の先端および圧力制限開口806を備えたアセンブリを取り囲んでいる。ワーク・ピース814は、イオン・トラップの下側の近傍に配置されている。パイプ812を使用してガスが検出領域に供給される。圧力制限開口806を通って少量のガスが電子カラムへ逃れるが、その流れは十分に小さいため、電子カラムは、必要な高真空レベルに維持される。また、イオン・トラップと標本の間を少量のガスが通過するが、この場合もその流れは十分に小さいため、標本チャンバ上の真空ポンプは、チャンバ内のガス圧力を極めて低い圧力に維持することができる。
検出器808中の、ガスを排出するための孔820の直径は、システムのパラメータに応じてミリメートルの桁であることが好ましい。画像を集束させる場合、ユーザによって液浸レンズの磁界が変更される。次に、必要な電界を生成するべく自動もしくは手動で検出器の電位が調整され、かつ、検出器の利得が最適化される。レンズ802は、必要な磁界を検出領域全体に提供している。
磁気液浸レンズと共に使用される典型的なガス検出器は、チャンバ内および一次ビームの経路内のガス圧力が約0.5トールのガス圧力で最適に動作する。この実施形態により、上で説明した改良型信号増幅および帯電制御が生成されるが、増幅が生じる領域にガスを集中させることにより、はるかに低いチャンバ圧力での動作が提供される。この実施形態は、フォトマスクもしくは平らで、かつ、直径の大きい他の類似ワーク・ピースの画像化もしくは修正にとりわけ適している。
図9に示す実施形態は、図8に示す電子ビーム・システムと極めて類似した電子ビーム・システム900の下部部分を示したもので、同様の構成要素は、同じ名称を有している。システム900は、微小標本もしくは形状が不規則な標本の画像化もしくは修正により適している。システム900は、異なる方法でガスを局部化している。検出器電極は2枚のプレート908を備えており、この2枚のプレートの間を、外部ガス源からパイプ912を介してガスが流れている。本出願人は、主信号増幅およびイオン生成が検出器電極に近い強烈な電界領域で生じることを見出した。この実施形態では、電極が中空であるため、ガスは電極を通って検出領域へ通過することができる。そのために電極の近傍に高いガス圧力が生成され、高増幅および高イオン生成が得られる。このガスは、次に、検出領域の残りの部分へ膨張して広がるため、ビーム軸におけるガス圧力は、はるかに低くなる。ビーム経路中のガスによってオフアクシス電子の「スカート」(skirt)(軸から離れた電子の広がり)が生成される(とりわけ低ビーム電圧で生成される)ため、これは大きな利点である。このオフアクシス電子の「スカート」は、
オフアクシス電子によって電子画像に背景信号が生成され、画像コントラストが小さくなる、
オフアクシス電子によって電子ビーム化学におけるビーム衝突領域以外の領域がエッチング/蒸着される、
など、いくつかの望ましくない結果をもたらす原因になっている。
ビーム経路中のガスを少なくすることにより、これらの望ましくない結果が減少し、あるいは排除される。
形状が不規則な標本に対する二重ビーム・アプリケーションのためのこの設計のもう1つの大きな利点は、チャンバ圧力が著しく低いため、電子ビーム動作とイオン・ビーム動作の間の切換え時間が短縮されることである。
いくつかの実施形態では、検出器電極もしくはイオン・トラップ中の孔の形状を整形することができ、あるいはイオン・トラップにバイアスを追加し、それによりイオン・トラップ中の孔を通って標本上に流れるイオンの流れを優先的に制御することができる。本発明の実施形態を使用することにより、電荷を中性化することができるだけでなく、マスクもしくは他のワーク・ピース上の電気バイアスを制御することもできる。バイアスを制御することにより、最適画像化が提供され、ビーム化学の使用、すなわち物質を蒸着させ、あるいはエッチングを促進するガスの使用が改善される。
上で説明した実施形態は、二次粒子による適切なイオン化をサポートするべくイオン化領域のガスを十分な圧力に維持し、かつ、チャンバの残りの部分の圧力を、ワーク・ピースに向けて導かれる、荷電粒子ビーム蒸着もしくは化学促進荷電粒子ビームエッチングのためのガスの使用を可能にするだけの十分に低い圧力、もしくはこれらのガスの使用を可能にするべく速やかに排気するだけの十分に低い圧力に維持している。また、真空チャンバの他の部分の圧力も十分に低いため、一次ビーム・カラムの動作を妨害することはない。
本発明は、特定のアプリケーションに何ら限定されないが、いくつかの実施形態は、リソグラフィ・マスクの修復、光、x線、極紫外(EUV)、異なるアブソーバおよび交番移相マスク(APSM)技術を含む、とりわけ70nm以上のリソグラフィ・ノードに使用されるマスクの修復に特に有用である。
以上、本発明および本発明の利点について詳細に説明したが、特許請求の範囲で定義されている本発明の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変更、置換および改変を加えることができることを理解されたい。また、本出願の範囲は、本明細書で説明したプロセス、マシン、製造、物質の組成、手段、方法およびステップの特定の実施形態への制限を何ら意図したものではない。本発明の開示によって当業者には容易に理解されるように、既存もしくは後に開発される、本明細書において説明した対応する実施形態と実質的に同じ機能を実行し、あるいは実質的に同じ結果が達成されるプロセス、マシン、製造、物質の組成、手段、方法もしくはステップを本発明に従って利用することができる。したがって、特許請求の範囲の各請求項には、このようなプロセス、マシン、製造、物質の組成、手段、方法もしくはステップがその範囲に包含されることが意図されている。
2つの荷電粒子ビーム光カラムが概ね互いに平行に配向された、本発明による二重ビーム・システムの実施形態を示す略図である。 2つの荷電粒子ビーム光カラムが互いに平行に配向されていない、本発明による二重ビーム・システムの実施形態を示す略図である。 イオンを発生するESEM検出器を備えた液浸磁気対物レンズを備えた電子カラムと共に使用する場合の、二重ビーム・システムを備えた本発明の一実施形態を示す略図である。 非液浸磁気対物レンズを備えた電子カラムと共に使用する場合の、電荷を中性化するためのイオン発生器を使用した本発明の一実施形態を示す図である。 マスクが帯電している場合に得られるバイナリ・マスクの電子ビーム画像を示す図である。 ESEM型ニュートラライザによって電荷が中性化されている場合に得られるバイナリ・マスクの電子ビーム画像を示す図である。 磁気液浸レンズとの使用に適したイオン発生器もしくはイオン検出器の磁界構造および電界構造、およびこの磁界構造および電界構造における電子の軌道を示す図である。 磁気液浸レンズとの使用に適したイオン発生器もしくはイオン検出器の磁界構造および電界構造、およびこの磁界構造および電界構造における電子の軌道を示す図である。 液浸レンズを備えたESEM検出器を使用した本発明の一実施形態を示す図である。 ワーク・ピースが近くに置かれたESEM検出器にガス通路が組み込まれた本発明の一実施形態を示す図である。 ガス通路がESEM検出器の陽極を貫通して組み込まれた本発明の一実施形態を示す図である。

Claims (21)

  1. ワーク・ピースを収納するための、背景チャンバ圧力を有するワーク・ピース真空チャンバと、
    荷電粒子ビーム源と、
    粒子ビームを光軸に沿って前記ワーク・ピースに向けて導くための荷電粒子ビーム光カラムと、
    荷電粒子によるイオン化が可能な検出器ガスを含んだ空間およびイオン化されたガスを検出する検出器プレートを備えた荷電粒子検出器であって、この荷電粒子検出器の周囲の前記検出器ガスの圧力をこの荷電粒子検出器の動作に十分な圧力に維持し、かつ、前記ワーク・ピース真空チャンバの圧力を極めて低い圧力に維持するべく前記検出器ガスを射出するための通路を備えた荷電粒子検出器と、
    を備えた荷電粒子ビーム装置。
  2. 前記荷電粒子ビーム光カラムが走査電子顕微鏡カラムからなる請求項1に記載の装置。
  3. 前記荷電粒子検出器が、前記光軸と同軸の開口を個々に有する2枚のプレートを備えた請求項1に記載の装置。
  4. 前記通路が前記2枚のプレートの間に存在する請求項3に記載の装置。
  5. ガスを引き渡すための前記通路が、前記検出器プレートとワーク・ピース位置の間の領域に向けてガスを導くノズルを備えた請求項1に記載の装置。
  6. ワーク・ピースを収納するための、背景チャンバ圧力を有するワーク・ピース真空チャンバと、
    荷電粒子ビーム源と、
    粒子ビームを光軸に沿って前記ワーク・ピースに向けて導くための荷電粒子ビーム光カラムと、
    イオン発生器であって、荷電粒子ビームが前記ワーク・ピースに衝突することによって、あるいは荷電粒子ビームが前記ワーク・ピースによって後方散乱する一次ビームからの粒子に衝突することによって生成される二次粒子が、イオン生成ガスをイオン化し、このイオン発生器が、イオンの少なくとも一部が前記ワーク・ピースに向かって移動し、それにより前記ワーク・ピース上の電荷を中性化するべく配置され、このイオン発生器が、ガスを含んだチャンバを備え、前記チャンバが、前記ワーク・ピースからの二次粒子もしくは後方散乱粒子を前記チャンバに導入し、かつ、前記ワーク・ピース上の電荷を中性化するべくイオンを前記チャンバから排出させることができる開口を介して前記ワーク・ピース真空チャンバに接続されたイオン発生器と、
    を備えた荷電粒子ビーム装置。
  7. 前記荷電粒子ビーム光カラムが対物レンズおよび光軸を備え、前記イオン発生器が、前記開口の中心から前記光軸と前記ワーク・ピースの交点へ引かれた線が前記光軸と平行にならないように配置された請求項6に記載の荷電粒子ビーム装置。
  8. 前記荷電粒子ビーム光カラムが走査電子顕微鏡カラムからなる請求項6に記載の荷電粒子ビーム装置。
  9. ワーク・ピースを収納するための、背景チャンバ圧力を有するワーク・ピース真空チャンバと、
    荷電粒子ビーム源と、
    粒子ビームを前記ワーク・ピースに向けて導くための荷電粒子ビーム光カラムと、
    イオン発生器であって、荷電粒子ビームが前記ワーク・ピースに衝突することによって、あるいは荷電粒子ビームが前記ワーク・ピースによって後方散乱する一次ビームからの粒子に衝突することによって生成される二次粒子が、イオン生成ガスをイオン化し、このイオン発生器が、イオンの少なくとも一部が前記ワーク・ピースに向かって移動し、それにより前記ワーク・ピース上の電荷を中性化するべく配置され、このイオン発生器が、二次粒子もしくは後方散乱粒子から十分なイオンを生成し、それにより前記ワーク・ピース上に蓄積した電荷を中性化するべく、このイオン発生器の前記イオン生成ガスを十分に高い圧力に維持し、かつ、前記背景チャンバ圧力を極めて低い圧力に維持するようになされたイオン発生器と、
    を備えた荷電粒子ビーム装置。
  10. 前記イオン生成ガスが約0.1トールより高い圧力に維持され、かつ、前記背景チャンバ圧力が約0.01トール未満の圧力に維持される請求項9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  11. 前記イオン生成ガスが約0.3トールより高い圧力に維持され、かつ、前記背景チャンバ圧力が約10-3トール未満の圧力に維持される、請求項9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  12. 前記イオン生成ガスが約0.4トールより高い圧力に維持され、かつ、前記背景チャンバ圧力が約10-3トール未満の圧力に維持される請求項9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  13. 前記イオン発生器が環境走査電子顕微鏡型粒子検出器を備えた請求項9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  14. 前記環境走査電子顕微鏡型粒子検出器が、前記荷電粒子ビームと同軸の開口を有するプレートを備えた請求項13に記載の荷電粒子ビーム装置。
  15. 前記荷電粒子ビーム光カラムが磁気液浸対物レンズを備え、前記プレートがワーク・ピース位置と前記磁気液浸対物レンズの極の間に配置された請求項14に記載の荷電粒子ビーム装置。
  16. 前記環境走査電子顕微鏡型粒子検出器が前記イオン生成ガスを移送するための通路を備えた請求項13に記載の荷電粒子ビーム装置。
  17. 前記荷電粒子ビームが対物レンズおよび光軸を備え、前記イオン発生器が、開口の中心から前記光軸と前記ワーク・ピースの交点へ引かれた線が前記光軸と平行にならないように配置された請求項9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  18. 前記イオン発生器がガスを含んだチャンバを備え、前記チャンバが、前記ワーク・ピースからの二次粒子を前記チャンバに導入し、かつ、前記ワーク・ピース上の電荷を中性化するべくイオンを前記チャンバから排出させることができる開口を介して前記ワーク・ピース真空チャンバと連絡した請求項9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  19. 前記イオン生成ガスが荷電粒子ビームのエッチング速度を速くし、あるいは前記荷電粒子ビームの存在下で分解して前記ワーク・ピース上に物質を蒸着させる請求項9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  20. 第2の荷電粒子ビーム源と、
    前記ワーク・ピース真空チャンバ内に配置されたワーク・ピースに向けて第2の荷電粒子ビームを導くための第2の荷電粒子ビームカラムとをさらに備えた請求項9に記載の荷電粒子ビーム装置。
  21. 第2の荷電粒子ビーム中の粒子の衝突によってワーク・ピースから放出される荷電粒子を検出するための検出器であって、第2の荷電粒子ビームカラムを動作させるべくワーク・ピース真空チャンバ内の圧力が十分に低い検出器。
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