JP2005539205A - バイオセンサーとしての捕捉結合タンパク質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、捕捉された結合タンパク質、リポーター基を含む変異結合タンパク質、分析物透過性マトリックス中のリポーター基を含む変異結合タンパク質を有する組成物、ならびにin vitroおよびin vivoの両方における分析物バイオセンサーとしてのこれらの使用を対象とする。結合タンパク質は、フルオレセイン染料に共有結合されており、そのため、所与の試料中の分析物(たとえばグルコース)の濃度は蛍光信号の大きさに比例する。

Description

本発明はバイオテクノロジー分野に属する。詳細には本発明は、捕捉された変異結合タンパク質、リポーター基を含む変異結合タンパク質、分析物透過性マトリックス中のリポーター基を含む変異結合タンパク質からなる組成物、およびin vitroおよびin vivo分析物バイオセンサーとしてのこれらの使用とを対象とする。
グルコース濃度を監視して糖尿病患者の適切な代謝制御を容易にすることは望ましい目標であり、これによって多くの人の寿命は向上するであろう。現在、大部分の糖尿病患者は、血中グルコースレベルを監視するのに「指穿刺(finger stick)」法を使用しているが、頻繁な穿刺(日に数回)によって生じる痛みのため、患者が指示どおりにおこなっているかどうかは疑わしい。そのため、血中グルコースまたはグルコースを含む他の体液を頻繁および/または連続的に監視する非侵襲性またはできるだけ侵襲性の低いin vivo法、およびより効率的なin vitro法を開発する努力が続けられてきた。これらのうち最も有望ないくつかの方法はバイオセンサーの使用を伴う。バイオセンサーは、トランスデューサ(検出)要素に結合した生物学的認識要素を使用して、特定の定量的または半定量的分析情報を提供することができるデバイスである。
バイオセンサーの生物学的認識要素は選択性を決定し、そのため測定される化合物だけが信号を引き起こす。この選択は、リガンド(たとえばグルコース)の化学構造が変化しない場合のリガンドの生化学的認識に基づいてもよく、または生化学的認識要素が分析物の生化学反応を触媒する生体触媒作用に基づいてもよい。
トランスデューサ要素は、生物学的認識要素の認識結果を半定量的または定量的な信号に変換する。可能なトランスデューサ技術は、光学、電気化学、音響/機械または比色定量技術である。これまでに利用された光学特性は、吸光度、蛍光/りん光、生物発光/化学発光、反射率、光散乱および屈折率を含む。蛍光化合物などの慣用のリポーター基を使用してもよく、あるいはまた、標識の必要なしで光学的に直接に検出できる状況もある。
信号変換のための生物学的要素として使用される、グルコースを検出するために特に設計されるバイオセンサーは、典型的には、グルコースオキシダーゼ活性の電気化学検出または比色検出を使用する。この方法の使用は、特に酸素レベルの影響、血液中の阻害物質の存在および電極にまつわる問題に起因する難点を伴う。さらに、検出によって分析物が消費され、低いグルコース濃度を測定するときにはこのことが問題になる可能性がある。
バイオセンサーの開発が急速に進んでいる領域は、蛍光標識されたペリプラズム結合タンパク質(PBP)の使用である。非特許文献1に報告されているように、標識されたマルトース結合タンパク質(MBP)は、有用なマルトースセンサーであることが示された。この研究では、もともとシステイン残基を持たないMBPを変異させて、位置337に単一のシステイン残基を有するタンパク質(S337C)を得た。この変異位置は、マルトース結合間隙(cleft)内にあり、マルトースが結合すると大きな環境変化を受けた。多数のフルオロフォアが調査され、そのうちのいくつかはリガンド結合をブロックし、またはタンパク質の立体配座の変化を妨害した。調査したフルオロフォアのうち、IANBDでは、マルトース結合後、蛍光強度が大幅に増大した(160%)。この結果は、マルトース結合時のヒンジの閉鎖に関して理論的に予測されたように、親水性すなわち溶媒露出環境からより疎水性の高い環境へ変化するフルオロフォアの位置と一致する。しかし、この変異タンパク質および関連リポーター基は、哺乳動物の体液中の診断上重要な糖と結合しない。このタンパク質とTiO2表面との会合が開示されているが、この表面結合タンパク質には、時間とともに活性が低下し、定常的な水和が必要であるという欠点がある(非特許文献2)。
Hellinga他の特許文献1は、システイン残基を含むように変異させたガラクトース/グルコース結合タンパク質(GGBP)に蛍光トランスデューサを導入することによって、グルコース結合時に生じる大規模な立体配座の変化を利用するグルコースバイオセンサーの設計を報告している。Hellinga他の特許文献1は、変異GGBPの立体配座の変化の伝達を利用して、アロステリックカップリング機構を介してグルコース結合事象を蛍光の変化に変換する、統合された信号変換機能を構築することができることを開示している。この蛍光変換機能は、GGBPの糖結合ポケットの固有の結合特性を最低限度しか妨害しないと報告されている。
血液、間質液、眼溶液、または汗などのような生物学的溶液中のグルコース濃度を正確に決定するためには、対象の生物学的溶液の生理的および/または病理学的作働範囲と調和するようにバイオセンサーの感知分子の結合定数を調整することが望ましい。適切な結合定数を持たなければ、特定の生理的および/または病理学的濃度に関して、信号が範囲外となる可能性がある。さらに、Lakowiczの特許文献2に開示されているように、バイオセンサーは、それぞれが異なる結合定数を有する2種類以上のタンパク質を使用して、広い範囲のグルコース濃度にわたって正確な測定値を与えるように構成することができる。
変異GGBPの有用性にもかかわらず、リポーター基の有無のいずれにおいても、これらのタンパク質のわずかのものが、設計および試験されたにすぎない。特定の部位の変異および/またはある種のリポーター基の結合は、予測不可能な方法で結合定数を変化させる働きをする。さらに、リポーター基を含むバイオセンサーは望ましい結合定数を有する可能性があるが、分析物の結合後に容易に検出可能な信号を生成しない。具体的な分析物の検出のために特定のタンパク質に結合させた特定のリポータープローブの感度を決定する最優先の因子の1つが、選択されるプローブとタンパク質のアミノ酸残基との間の具体的な相互作用の性質であることは従来技術から明らかである。タンパク質内のこれらの相互作用をコンピュータ計算法を使用して予測することは現在のところ不可能であり、および合理的な設計方法論を使用してリポータープローブの選択を最適化することも不可能である。さらに、タンパク質中のリポーター基の位置に基づいて結合定数に対する効果を予測すること(またはその逆)も不可能である。
無試薬で、自己充足的の、および/または埋込み可能な、および/または再使用可能なバイオセンサータンパク質を開発するためには、トランスデューサ要素が、トランスデューサ要素に対しておよび該トランスデューサ要素からの信号をインターロゲートする検出デバイスと連絡していなければならない。典型的な方法は、光ファイバまたは平面導波路の内部または表面に、固定化法を使用してタンパク質を配置することを含む。このような固定化法は、半透膜、有機ポリマーマトリックスまたは無機ポリマーマトリックスの中にタンパク質を捕捉することを含むが、それらに限定されるものではない。使用する固定化法は、作動中のバイオセンサーの性能を最終的に決定する。従来技術は、生体分子の固定化に関連した数多くの問題を詳述している。たとえば、多くのタンパク質は、立体配座の不可逆的な変化、変性および生化学的活性の損失を受ける。固定化されるタンパク質は、任意の特定の表面に可能な多数の配向で存在することができる。たとえば、あるタンパク質は活性部位が露出するように配向し、他のタンパク質は活性部位が露出しないように配向し、したがって分析物との選択的な結合反応を経験することができない。また、固定化されるタンパク質は、時間に依存した変性、固定化中の変性、および固定化後に捕捉されたタンパク質の浸出にさらされる。これによって、たとえば、検知装置の較正を維持できないこと、および信号のドリフトを含む問題点が生じる。一般的に、結合タンパク質は、その有効な使用を可能にするための配向制御を必要とし、したがって、文献に教示された物理的吸収およびランダムまたはバルク表面共有結合または固定化法は概して成功していない。
低温ゾル−ゲル処理法によって形成される単純な無機シリコンマトリックス中にタンパク質および他の生物学的システムを封入するいくつかの報告がある(たとえば非特許文献3および非特許文献4)。いくつかのゾル−ゲルマトリックスは光学的に透明であり、そのため、これらのマトリックスは、光学変換、たとえば吸収または蛍光分光学的方法に依存する化学および生化学センサーの開発に有用である。しかし、機能的であるためには、捕捉または固定化された結合タンパク質が、少なくとも、分析物によって誘発される何らかの立体配座の変化を受けることができなければならない。文献に教示された大部分のゾル−ゲルマトリックスでは、結合タンパク質の立体配座の変化が実質的に限定される。ゾル−ゲルに捕捉されたタンパク質は、劇的に変化した結合定数、あるいは比較的に短い時間でまたは様々な環境条件下で変化する結合定数を示す可能性があることが報告されている。さらに、ゾル−ゲルマトリックスの中に捕捉されたタンパク質の機能は時間に依存すると報告されており、この時間に依存する特性は、in vitroおよびin vivo用途のためのバイオセンサーへのゾル−ゲルの一般的な適用可能性を制限する特性である。
米国特許第6,277,627号明細書 米国特許第6,197,534号明細書 米国特許第5,517,313号明細書 米国特許第5,910,661号明細書 米国特許第5,894,351号明細書 米国特許第5,342,789号明細書 Cass, Anal Chem. 1994, 66, 3840-3847 Cass, Analytical Chemistry 1998, 70 (23), 5111-5113 Brennan, J. D., Journal of Fluorescence 1999, 9 (4), 295-312 Flora, K., Brennan, J. D., Analytical Chemistry 1998, 70 (21), 4505-4513 N. K. Vyas, M. N. Vyas, F. A. Quiocho, Science 1988, 242, 1290-1295 S. L. Mowbray, R. D. Smith, L. B. Cole, Receptor 1990, 1, 41-54 Turcatti et al., J Bio. Chem. 1996 271, 33, 19991-19998 Greg T. Hermanson, "Bioconjugate Techniques", Academic Press, 1996, San Diego, pp. 4-16 H. J. Gruber et al., Bioconjugate Chem. (2000), 11, 161-166 Beach, R. D. et al., IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement (1999) 48, 6, p. 1239-1245 Quinn, C. P., Pathak, C. P., Heller, A., Hubbell, I. A., Biomaterials 1995, 16 (5), 389-396 Quinn, C. A. P., Connor, R. E., Heller, A., Biomaterials 1997, 18 (24), 1665-1670 "Biosensors Fundamentals and Applications", edited by A. D. F. Turner, I. Karube, G. S. Wilson; published from Oxford University Press, in 1988 Gill and Ballesteros, Journal of the American Chemical Society, 1998, 120 (34), 8587-8598 Cass, A. et al., Anal. Chem. 1994, 66, 3840-3847 Pisarchick and Thompson (1990) Kunkel (1991)
したがって、当技術分野では、バイオセンサーとして使用するための、分析物が結合すると検出可能で可逆的な信号を生成するさらなる有用な変異タンパク質および変異GGBPタンパク質を設計することが求められており、さらに、信号送信要素および受信要素とインターフェースをとるための分析物透過性マトリックス中に、これらタンパク質を組み込むことが求められている。
本発明は、in vivoまたはin vitroバイオセンサーとして使用する、捕捉または封入された変異結合タンパク質、およびこれに結合したリポーター基を有する変異結合タンパク質を提供する。さらに、本発明は、(a)変異結合タンパク質と、この変異結合タンパク質に結合され、変異結合タンパク質がグルコースに曝されたときに検出可能な信号を生成する少なくとも1つのリポーター基と、(b)変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質およびリポーター基をその中に封入することができる分析物透過性マトリックスとを含むグルコースバイオセンサーを提供する。
本発明はさらに、(a)少なくとも1つの変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質およびこれに結合した少なくとも1つのリポーター基と、(b)分析物透過性マトリックスを提供するヒドロゲル、透析膜、ゾル−ゲルまたはこれらの組合せとを含む混合物を含み、変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質およびリポーター基はマトリックス中に封入されている組成物を提供する。
本発明はさらに、(a)位置337にシステインを含む変異マルトース結合タンパク質(MBP)、および変異MBPがマルトースに結合したときに検出可能な信号を生成するように結合される少なくとも1つのリポーター基と、(b)マルトース透過性マトリックスとを含み、変異MBPおよびリポーター基はマトリックス中に封入されているデバイスを提供する。
本発明はさらに、(a)変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質、および変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質が様々なグルコース濃度に曝されたときに検出可能で可逆的な信号を生成するように結合される少なくとも1つのリポーター基と、(b)分析物透過性マトリックスとを含み、変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質およびリポーター基はマトリックス中に封入されている、in vivoでの使用に適したデバイスおよびその組成物を提供する。
用語バイオセンサーは、一般的に、分離された酵素、免疫系、組織、細胞小器官または細胞全体によって媒介される特定の生化学反応を使用して、化合物を、通常は電気、熱または光信号によって検出するデバイスを指す。本明細書で使用するときに、用語「バイオセンサー」は、分析物に結合することができるタンパク質であって、本明細書に記載の検出手段によって分析物または分析物濃度の変化を検出する目的に使用することができるタンパク質を指す。具体的には、本発明のバイオセンサーは、少なくとも1つの変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質およびこれに結合した少なくとも1つのリポーター基と、分析物を透過させることができるマトリックスとを含み、変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質およびリポーター基はマトリックスの中に封入することができる。
用語「結合タンパク質」は、記載される方法を用いて、分析物が存在しない場合の信号、時間とともに濃度が変化する分析物が存在する場合の信号から区別できる検出可能および/または可逆的な信号を変換または提供することができるような方法で、あるいは濃度に依存した方法で、特定の分析物と相互作用するタンパク質を指す。この変換事象は、1回だけの適用または再使用可能な適用を含む連続手段、プログラム手段および散発的(episodic)手段を含む。分析物の存在または濃度との相関が確立されている場合、可逆信号変換は、瞬時であっても時間依存であってもよい。変換が達成されるような方法で変異させた結合タンパク質が好ましい。
本明細書で使用する用語「ガラクトース/グルコース結合タンパク質」すなわち「GGBP」、あるいは「マルトース結合タンパク質」すなわち「MBP」は、天然の細菌のペリプラズム区画に見出されるタイプのタンパク質を指す。自然の状態において、これらのタンパク質は、走化性および小分子(たとえば糖、アミノ酸および小ペプチド)の細胞質中への輸送に関与する。たとえば、GGBPは、3本の鎖によって接続されてヒンジを形成した2つの球状α/βドメインからなる単鎖タンパク質である。結合部位は、2つのドメイン間の間隙に位置する。グルコースが結合部位に入ると、GGBPは、ヒンジを中心とした立体配座の変化を受け、これによって2つのドメインが一緒になり、結合部位にグルコースが捕捉される。E.coli(非特許文献5)およびS.Typhimurium(非特許文献6)の閉鎖形のGGBPのX線結晶構造が決定された。これらのX線結晶構造はそれぞれ、Protein Data Bank(http://www.rcsb.org/pdb/)から2GBPおよび3GBPとして入手可能である。野生型E.coliのGGBPのDNAおよびアミノ酸配列は、www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/に登録番号D90885(ゲノムクローン)および登録番号230520(アミノ酸配列)として出ている。好ましいGGBPはE.coliのGGBPである。
本明細書で使用する際に、用語「変異結合タンパク質」(たとえば「変異GGBP」)は、天然のタンパク質に存在するアミノ酸が置換したアミノ酸、天然のタンパク質に存在するアミノ酸から欠落したアミノ酸、または天然のタンパク質に存在するアミノ酸に付加されたアミノ酸を含む、細菌由来の結合タンパク質を指す。このような置換、欠失または挿入には5アミノ酸未満、より好ましくは1つまたは2つのアミノ酸残基が関与することが好ましい。結合タンパク質の例示的な変異には、システイン基の付加または置換、非天然アミノ酸(非特許文献7)、および実質的に非反応性のアミノ酸を、電気化学または光反応性リポーター基の共有給合を提供する反応性のアミノ酸で置換することなどが含まれる。「反応性」アミノ酸は、チオール反応性染料を用いたシステインの標識化のように、標識化剤で修飾することができるアミノ酸を意味する。非反応性アミノ酸には、タンパク質に組み込まれた後に容易に修飾されない側鎖を持つアラニン、ロイシン、フェニルアラニンなどのアミノ酸が含まれる(アミノ酸側鎖の反応性の分類については非特許文献8を参照されたい)。
GGBPタンパク質の例示的な変異には、位置11のリシンを置換したシステイン(K11C);位置14のアスパラギン酸を置換したシステイン(D14C);位置19のバリンを置換したシステイン(V19C);位置43のアスパラギンを置換したシステイン(N43C);位置74のグリシンを置換したシステイン(G74C);位置107のチロシンを置換したシステイン(Y107C);位置110のトレオニンを置換したシステイン(T110C);位置112のセリンを置換したシステイン(S112C);位置112のセリンを置換したシステインおよび位置238のロイシンを置換したセリンを含む2重変異(S112C/L238S);位置113のリシンを置換したシステイン(K113C);位置137のリシンを置換したシステイン(K137C);位置149のグルタミン酸を置換したシステイン(E149C);位置149のグルタミン酸を置換したシステインおよび位置238のロイシンを置換したセリンを含む2重変異(E149/L238S);位置152のヒスチジンを置換したシステインおよび位置182のメチオニンを置換したシステインを含む2重変異(H152C/M182C);位置213のアラニンを置換したセリンおよび位置152のヒスチジンを置換したシステインを含む2重変異(H152C/A213S);位置182のメチオニンを置換したシステイン(M182C);位置213のアラニンを置換したシステイン(A213C);位置213のアラニンを置換したシステインおよび位置238のロイシンを置換したシステインを含む2重変異(A213C/L238C);位置216のメチオニンを置換したシステイン(M216C);位置236のアスパラギン酸を置換したシステイン(D236C);位置238のロイシンを置換したシステイン(L238C);位置287のアスパラギン酸を置換したシステイン(D287C);位置292のアルギニンを置換したシステイン(R292C);位置296のバリンを置換したシステイン(V296C);位置149のグルタミン酸を置換したシステイン、位置213のセリンを置換したアラニンおよび位置238のロイシンを置換したセリンを含む3重変異(E149C/A213S/L238S);位置149のグルタミン酸を置換したシステイン、位置213のアラニンを置換したアルギニンおよび位置238のロイシンを置換したセリンを含む3重変異(E149C/A213R/L238S);位置1のセリン、位置149のシステイン、位置213のアルギニンおよび位置238のセリンを含む4重変異(A1S/E149C/A213R/L238S);位置1のセリン、位置149のシステイン、位置213のセリンおよび位置238のセリンを含む4重変異(A1S/E149C/A213S/L238S);および位置149のシステイン、位置182のシステイン、位置213のシステインおよび位置238のセリンを含む4重変異(E149C/M182C/A213C/L238S)が含まれる。追加の例が後の第2表に示されている。アミノ酸残基番号は、後に詳細に示す309個の残基を有するE.coliの公表された配列を指し、または代替源(たとえば、Citrobacter freundiiまたはSalmonella typhimuriumのグルコース/ガラクトース結合タンパク質。配列登録番号はそれぞれP23925およびP23905)からの実質的に相同の任意の配列中の対応するアミノ酸残基を指す。
本発明の捕捉または封入される変異結合タンパク質は、たとえば分析物(たとえばグルコース)が関与する生体反応の速度を追跡できるin vitroまたはin vivo分析物アッセイ、ならびに臨床アッセイ、および食品または飲料の工業試験で使用することができる。マトリックス中の結合タンパク質の濃度は、タンパク質と分析物との結合定数(Kd)よりも小さいことが好ましい。
変異は、いくつかある目的のうちの1つまたは複数の目的を果たすことができる。たとえば、タンパク質の長期安定度を変化させ、特定の封入マトリックスまたはポリマーにタンパク質を結合させ、検出可能なリポーター基に結合部位を提供し、または特定の分析物に関してその結合定数を調整する目的で、あるいはこれらの任意の組合せのために、天然タンパク質を変異させることができる。
本発明では、分析物と変異タンパク質が結合パートナーとして機能する。本明細書で使用する用語「会合」または「結合」は、検出手段によってタンパク質との結合を検出することができる十分に強い相対結合定数(Kd)を有してパートナーと結合することを指す。Kdは、半分のタンパク質が結合したときの遊離の分析物の濃度またはその逆として計算することができる。対象となる分析物がグルコースのときには、結合相手のKd値が約0.0001mMから約30mMであることが好ましい。
本発明では、グルコースが結合しているときに検出可能な信号を生成するリポーター基を変異GGBPに結合させることによって、変異GGBPを使用してグルコースの結合を検出できることが示された。本明細書で使用する際に、「検出可能な信号を生成する」とは、リガンド−タンパク質結合の検出を可能にする方法で、リポーター基の特性変化を認識する能力を指す。たとえば、1つの実施形態では、変異GGBBが、グルコース結合時に起こるタンパク質の立体配座の変化によってその検出可能な特性が変化する、検出可能なリポーター基を含む。好ましい実施形態では、リポーター基は、グルコースに対して親和性を有する変異GGBPを生成し、グルコースが結合すると検出可能な発光特性のシフトを示す発光標識である。この検出可能な特性の変化は、変異GGBPに結合した標識の環境の変化に起因してもよい。
この発光標識は蛍光標識であってもよく、またはリン光標識であってもよい。特定波長の光に対する暴露によって励起されて蛍光を発する蛍光標識の使用が好ましい。
1つの実施形態では、リポーター基がフルオロフォアである。本明細書で使用するとき、用語「フルオロフォア」は、エネルギーを吸収して発光する分子を指す。本発明のリポーター基として有用なフルオロフォアの非制限的例は、フルオレセイン、クマリン類、ローダミン類、5-TMRIA(テトラメチルローダミン−5−ヨードアセトアミド)、Quantum Red(商標)、Texas Red(商標)、Cy3、N−((2−ヨードアセトキシ)エチル)−N−メチル)アミノ−7−ニトロベンゾオキサジアゾール(IANBD)、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(acrylodan)、ピレン、Lucifer Yellow、Cy5、Dapoxyl(登録商標)(2−ブロモアセトアミドエチル)スルホンアミド、(N−(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−イル)ヨードアセトアミド(Bodipy507/545 IA)、(N−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオニル)−N−ヨードアセチルエチレンジアミン(BODIPY(登録商標)530/550 IA)、5−((((2−ヨードアセチル)アミノ)エチル)アミノ)ナフタレン−1−スルホン酸(1,5-IAEDANS)、およびカルボキシ−X−ローダミン、5/6−ヨードアセトアミド(XRIA 5,6)を含む。IANBDを使用することが好ましい。フルオロフォアリポーター基の多くの検出可能な固有特性を監視して、グルコースの結合を検出することができる。グルコースの結合時に変化する可能性がある特性は、蛍光寿命、蛍光強度、蛍光異方性または偏光、および蛍光放射のスペクトルシフトが含まれる。これらのフルオロフォア特性の変化はたとえばタンパク質の立体配座の変化に起因する変化などのフルオロフォアの環境の変化から引き起こされる。この点で、IANBDのような環境に敏感な染料は特に有用である。フルオロフォア特性の他の変化はたとえば、分析物自体との相互作用、またはたとえばFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を使用して2つのフルオロフォア間の距離の変化を監視するときの第2のリポーター基との相互作用に起因する。
蛍光標識の使用が好ましいが、他のリポーター基を使用することも企図される。たとえば、リポーターの環境の変化によってその酸化還元状態が変化する電気化学リポーター基を使用することもできる。このような変化はたとえば電極の使用によって検出することができる。
さらに、分光学的方法によって検出可能な他の標識、たとえばNMR(核磁気共鳴)によって検出可能な標識を使用してもよいことも予想される。
リポーター基は、当技術分野で知られている任意の慣用の手段によって、変異タンパク質すなわちGGBPに結合させることができる。たとえば、タンパク質上のアミンまたはカルボキシル残基を介してリポーター基を結合させることができる。しかし、特に好ましいのは、システイン残基上のチオール基を介した共有結合的カップリングである。たとえば、本発明の変異GGBPでは、位置11、位置14、位置19、位置43、位置74、位置107、位置110、位置112、位置113、位置137、位置149、位置152、位置213、位置216、位置238、位置287および位置292にシステインが位置することが好ましい。
当技術分野で知られている任意のチオール反応性基を使用して、フルオロフォアなどのリポーター基を、設計されたタンパク質または変異タンパク質のシステインに結合させることができる。ヨードアセトアミド、ブロモアセトアミドまたはマレイミドは、この目的に使用することができるよく知られたチオール反応性部分である。
分子センサーをin vivoで使用するとき、たとえば埋込み可能なバイオセンサーデバイスに分子センサーを組み込んで使用するときには、長い励起および発光波長(たとえば約600nm以上の励起または発光波長)で機能するフルオロフォアが好ましい(600nmよりも短い波長に対して皮膚は不透明である)。現在、このスペクトル領域で使用可能な環境に敏感なプローブはほとんどなく、チオール反応性官能基を有するものはおそらく1つもない。しかし、Cy−5のチオール反応性誘導体は、たとえば非特許文献9の教示に従って調製することができる。たとえば変異GGBPに含まれる様々なシステイン基に結合した、これらのフルオロフォアを含有する複合体をスクリーニングして、グルコース結合時に最も大きな蛍光変化を起こすものを確認することができる。
本発明で有用な変異GGBPは、タンパク質のN末端またはC末端あるいはその両方にヒスチジンタグを有するように設計または変異させることができる。ヒスチジン融合タンパク質は、タンパク質の精製を支援するために分子生物学の分野で広く使用されている。例示的なタグ系は、約6個のヒスチジンを含むタグを有するタンパク質を生み出し、好ましくはこのようなタグ付けは変異GGBPの結合活性を損なわない。
本明細書で使用するとき、用語「マトリックス」は、リガンド−タンパク質相互作用に起因する検出可能な信号を測定する目的で少なくとも1つの結合タンパク質を固定化し、捕捉し、または封入することができる本質的に3次元の環境を指す。マトリックスの成分と結合タンパク質との間の関係には、共有結合性、イオン性およびファンデルワールス相互作用ならびにこれらの組合せが含まれるが、それらに限定されるものではない。マトリックスと結合タンパク質の間の空間関係には、マトリックス体積の任意の部分またはマトリックス体積全体の内部および/または表面での不均一分布および均一分布が含まれる。マトリックスは、有機、無機、ガラス、金属、プラスチックまたはこれらの組合せから構成されてもよい。マトリックスは、たとえば患者の組織に挿入して散発的、連続的またはプログラムされた読取りを可能にするファイバまたは侵襲が最小限である他の小型プローブの遠位端に組み込むことができる結合タンパク質のトランスデューサ要素構成を提供する。トランスデューサ(変換)要素から患者への情報は、たとえば、遠隔測定、視覚または音声手段によって、あるいはたとえば特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6および非特許文献10に教示されている当技術分野で知られている他の手段によって提供することができる。情報には、適切であるように、分析物の濃度または濃度変化を得るのに適した電気、機械および化学線、放射線情報が含まれる。
本発明の1つの態様では、バイオセンサーを使用してin vivoで分析物を検出する。この態様では、バイオセンサーをマトリックスの中に封入し、次いで。これを埋込み可能なデバイスとして使用してもよい。「マトリックス」は、分析物を透過させるものである限り、円板、円筒、パッチ、ナノ粒子、マイクロスフェア、多孔質ポリマー、連続気泡発泡体の1つまたは複数を含む、望ましい任意の形態または形状をとることができる。マトリックスはさらにバイオセンサーの浸出を防ぐ。マトリックスは、光源からの光、あるいはリポーター基への、またはリポーター基からの他の任意のインターロゲート光(interrogating light)がバイオセンサーを通過することを許す。in vivo用途で使用するとき、バイオセンサーは、実質的に生理的範囲の分析物に曝され、分析物濃度の変化を決定または検出することが望ましい。この決定または検出は、連続検出手段、プログラムされた検出手段および散発的検出手段を含む。したがって、想定される本発明のin vivoバイオセンサーは、分析物透過性の捕捉または封入マトリックスの中に少なくとも1つの変異結合タンパク質を含み、該変異結合タンパク質は、様々な分析物濃度に曝されたときに検出可能で可逆的な信号を生成し、該検出可能で可逆的な信号は分析物の濃度と相関することができるようなものである。いくつかの実施形態では、埋込み可能なバイオセンサーを、哺乳動物の表皮−真皮接合部の皮膚または皮下に埋め込んで、間質液、組織または他の体液と相互作用させてもよい。埋め込んだバイオセンサーから患者への情報は、たとえば遠隔測定、視覚または音声手段、あるいは先に述べた当技術分野で知られている他の手段によって提供することができる。
好ましくは、マトリックスは、生体適合材料から調製されるか、または身体との有害な反応を最小化することができる材料を含む。埋込みバイオセンサーに関する有害反応には、炎症、タンパク質の詰まり(protein fouling)、組織の壊死、免疫応答および有毒物質の浸出が含まれる。そのような材料または処置は、たとえば非特許文献11および非特許文献12の教示されるように、当技術分野でよく知られており、かつ実施される。
バイオセンサーは、実質的にヒドロゲルに由来するマトリックスの中に封入することができる。ヒドロゲルのポリマー部分は、タンパク質またはリポーター基への水素結合または共有結合的カップリングに適した官能基(たとえばヒドロキシル基、アミノ基、エーテル結合、カルボン酸、およびエステルなど)を含むことができる。
本発明では数多くのヒドロゲルを使用することができる。ヒドロゲルは、たとえば、アガロース、デキストラン、カラゲナン、アルギン酸、デンプン、セルロースなどの多糖、または、たとえばカルボキシメチル誘導体などの多糖誘導体、あるいは、たとえばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、ビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体、およびそれらの誘導体などの水膨潤性有機ポリマーであってもよい。共有結合によって架橋されたネとワーク構造を与える誘導体が好ましい。ポリペプチドに基づき、ポリペプチドを含むヒドロゲルの合成ならびに生医学的応用および薬学的応用は、何人かの研究者によって記述されている(たとえば非特許文献13を参照されたい。)水溶性でUV架橋性のポリマーに由来する例示的なヒドロゲルマトリックスは、PolyScience (Warrington, PA)から入手可能なポリ(ビニルアルコール)、N−メチル−4(4’−ホルミルスチリル)ピリジニウムメトスルファートアセタール(CAS登録番号[107845−59−0])を含む。
封入プロセスの1つの実施形態では、タンパク質のタイプに依存する約4から約10までの範囲のpHを有する水性緩衝液中の変異結合タンパク質溶液に対して、1種または複数種のヒドロゲル水溶液を加える。引き続くマトリックスの硬化、たとえば架橋が、物理的な形態を与える。この技術および慣用の製造プロセス(たとえばブロックキャスティング、逆性乳化重合(reverse emulsion polymerization)、スクリーン印刷、密着印刷、流動床コーティング、浸漬コーティングまたはスピンコーティング)を使用して、in vitroおよびin vivoでの使用に適した様々な形態(たとえば顆粒、ナノ粒子、マイクロ粒子、モノリス、厚膜および薄膜)のマトリックスを得ることができる。
1つの実施形態では、マトリックスを、修飾されたゾル−ゲルから構成してもよい。修飾されたゾル−ゲルは、透過性金属酸化物ガラス構造から構成される少なくとも部分硬化(またはゲル化)された製剤を含む。該ガラス構造は、ゾル−ゲル前駆物質に加えて、ゾル−ゲル前駆物質とともに加水分解的に縮合する1種または複数種の有機成分を含有して、得られるゾル−ゲルマトリックスにたとえば埋込みに適した特性を与えるようにすることが好ましい。適当な特性には、低い経時的な体積収縮、亀裂および他の物理的な欠陥に対する抵抗性、タンパク質機能の維持、タンパク質および/またはリポーター基との適合性、ならびにそれを埋め込む動物または対象との適合性が含まれる。適当な有機材料には、たとえば非特許文献14に教示されるような、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのようなポリオールが含まれる。一般的に、先に記載した属性は、タンパク質/ゾル−ゲル/リポーター基の所与の組合せに対して予測することはできず、したがって、所与の結合タンパク質−リポーター対に関するゾル−ゲル前駆物質、有機成分およびタンパク質溶液材料の最適化が予想されるであろうことを当業者が認識できることが理解される。そのような最適化が、他のマトリックスまたはその水性溶液に比較して予想外の信号増強、結合定数のシフト、マトリックスの物理的性能属性の向上およびそれらの組合せを提供することを、本発明の出願人は発見した。タンパク質−リポーター対の性能属性および封入マトリックスの機能性能属性の最適化は、たとえば、組合せ的方法または当技術分野で知られている統計に基づく他の設計方法によって達成することができる。
本発明に有用なゾル−ゲルマトリックスは、慣用の周知のゾル−ゲル法によって調製された材料を含み、および無機材料、有機材料または混合有機/無機材料を含む。ゾル−ゲルの生成に使用する材料は、アルミネート、アルミノシリケートおよびチタネートを含むことができるが、それらに限定されるわけではない。これらの材料を、有機的に修飾されたシリケート(ormosils)および官能基化されたシロキサンを用いて増強して、親水性および疎水性、イオン性電荷、タンパク質の共有結合などを付与および操作する手段を提供することができる。本明細書で使用するとき、用語「加水分解的に縮合性のシロキサン」は、全部で4つの置換基を有し、それら置換基の少なくとも1つ、好ましくは2つ、最も好ましくは3つまたは4つが、酸素を介してケイ素に共有結合しているアルコキシ置換基であるゾル−ゲル前駆物質およびこれらの混合物を指す。アルコキシ置換基を3個、2個および1個含む前駆物質の場合には、少なくとも1つの残りの置換基が好ましくは炭素を介してケイ素に共有結合しており、およびそれら残りの置換基が、アルキル、アリール、アミン、アミド、チオール、シアノ、カルボキシル、エステル、オレフィン性、エポキシ、シリル、ニトロおよびハロゲンから選択される有機官能基を含有する。
封入プロセスの1つの実施形態では、加水分解的に縮合性の1つまたは複数のシロキサンは、水中で自発的あるいは酸または塩基触媒の存在下で加水分解して、加水分解的に縮合性のシロキサンに対して約10:1から1:10、好ましくは約5:1から1:5、最も好ましくは約1:1のモル量で存在する有機ポリオール成分を有する誘導体を形成する。最終的なゲル化の前に、この混合物に対して、タンパク質のタイプに依存する約4から約10までの範囲のpHを有する水性緩衝液中の変異結合タンパク質溶液を加える。少なくとも部分的な縮合反応によって最終的なマトリックスを生じさせる。
他の実施形態では、水中で自発的にあるいは酸または塩基触媒の存在下で加水分解して有機ポリオールを有する誘導体を形成する加水分解縮合性のシロキサンを、水溶性ポリマー成分と混合する。適当な水溶性ポリマーには、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(マレイン酸co−オレフィン)ナトリウム塩(PMSA)、ポリ(ビニルスルホン酸)ナトリウム塩(PVSA)、およびポリビニルピロリドン(PVP)が含まれる。ポリ(マレイン酸co−オレフィン)は、スチレン、ビニルエーテルおよびC1〜C8オレフィン類と無水マレイン酸の共重合体、およびそれらの塩(たとえば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウム塩など)を含む。好ましくは、水溶性ポリマー成分は、ゾル−ゲル組成物の0から約30重量%である。
他の実施形態では、水中で自発的にあるいは酸または塩基触媒の存在下で加水分解して有機ポリオールを有する誘導体を形成する加水分解的に縮合性のシロキサンを、加水分解的に縮合性のシロキサンの0から約0.6モル%の量の1種または複数種の官能基化されたシリコーン添加剤(FSA)と混合する。例示的なFSAには、アルキル誘導体:たとえばメチルトリメトイシラン(MTMOS)、アミン誘導体:たとえば3−アミノプロピルトリエトキシシラン(ATEOS)、およびビスシラン誘導体:たとえば(ビス(3−メチルジメトキシシリル)プロピル)ポリプロピレンオキシド(BIS)が含まれる。
他の実施形態では、水溶性ポリマー成分と官能基化されたシリコーン添加剤の両方を、水中で自発的にあるいは酸または塩基触媒の存在下で加水分解して有機ポリオールを有する誘導体を形成する加水分解的に縮合性のシロキサンと混合して、結合タンパク質の捕捉または封入に適したマトリックスを得る。前述のゾル−ゲル技術および慣用の製造プロセス(たとえばブロックキャスティング、逆性乳化重合、スクリーン印刷、密着印刷、流動床コーティング、浸漬コーティングまたはスピンコーティング)を使用して、in vitroおよびin vivoでの使用に適した様々な形態(たとえば顆粒、ナノ粒子、マイクロ粒子、モノリス、厚膜および薄膜)のエーロゲル−マトリックスまたはキセロゲル−マトリックスを得ることができる。
他の実施形態では、透析膜からマトリックスを形成してもよい。タンパク質を物理的に封入し捕捉するように、透析膜を構築することができる。膜への共有結合は、記載したような実施形態の範囲に含まれると考えられる。分子量カットオフに基づいて膜を選択して、対象となる分析物は膜を容易に通過できるが、高分子量の材料は膜マトリックスに入ることを制限され、または変異結合タンパク質の場合には膜マトリックスから出ていくことを制限されるようにするべきである。必要な分子量カットオフは上記の要件を満たすようなものであり、これは当業者の技術の範疇である。典型的には、約1000から約25,000ダルトンの分子量カットオフを有する膜が適している。この技術を使用して、in vitroおよびin vivoで使用するのに適した様々な形態および形状のマトリックスを調製することができる。
結合タンパク質およびリポーター基を含むマトリックスを、1つまたは複数のヒドロゲル、ゾル−ゲルおよび透析膜の組合せとすることも企図される。たとえば、ヒドロゲルまたはゾル−ゲルの中に捕捉されまたは封入されたタンパク質を、さらに適当な形状およびサイズの透析膜の中に配置し、対象の中に埋め込み、あるいはマトリックスの分析物に対する質量輸送特性または透過性を操作することができる。
本発明のマトリックス捕捉または封入された結合タンパク質バイオセンサーは、マイクロモル濃度(10-6モル濃度)からモル濃度の分析物濃度を、試薬を消費することなく測定し検出することができる。いくつかの実施形態では、分析物に対するそれらの感度が、バイオセンサーを、低体積の間質液試料中に存在することが知られている低分析物濃度を測定するのに使用することを可能にする。いくつかの実施形態では、埋込み可能なバイオセンサーを、間質液、組織または他の体液と相互作用させるために、哺乳動物の表皮−真皮接合部の皮膚または皮下に埋め込むことができる。本発明の結合タンパク質バイオセンサーは、使用者または症状の治療にとって適当であろうように、分析物を連続的に、散発的に、または「オンデマンド」で監視する手段を提供する。
他の実施形態では、分析物(たとえばグルコース)に対するバイオセンサーの感度が、それらバイオセンサーを使用して血中の分析物のレベルを検査できる感度、あるいは生体溶液または他の溶液中の分析物の濃度を決定することができるようなものである。本明細書で使用される際に、「生物学的溶液」は、血液、汗、および/または眼液または間質液ならびにこれらの組合せを含むが、それらに限定されるわけではない。
以下の実施例は、本発明の好ましいいくつかの実施形態を説明する。ただし、これらは、すべての実施形態を説明することを意図したものではない。ここでは、フルオロフォアリポータープローブNBDを有する標識された変異マルトース結合タンパク質S337C MBPを、非特許文献15に記載の手順に従って使用した。標識された変異タンパク質の蛍光放射スペクトルを、SLM Aminco蛍光計(Ontario, Canada)を使用して測定して、様々なマトリックス中のフルオロフォア標識された捕捉タンパク質のリガンド−結合性能を溶液中の同じタンパク質の性能と比較した。励起に対するスリット設定は8および4、MC250発光モノクロメータに対する設定は5および5であった。初期蛍光放射強度をI0と定義する。タンパク質のそれぞれのリガンドが存在する場合の最大放射強度(If)の、リガンドが存在しない場合の放射強度(I0)に対する相対比をΔFと定義する。
結合定数は、タンパク質溶液に対する、増大する濃度のグルコースの滴定によって求めた。溶液はグルコースを添加するたびに混合した。スリット設定は先に挙げたものと同じである。Kdは、非特許文献16の関係を適合させた以下の関係から決定した。
Figure 2005539205
式中、Fは蛍光強度、Finfは無限大での蛍光、F0はグルコースが0の場合の蛍光、xは、以下の関係によって決定されるグルコースの遊離濃度([Glc]free)である。
Figure 2005539205
式中、[Glc]totおよび[Pro]totはそれぞれ、グルコースおよびタンパク質の全濃度である。
(実施例1)
この実施例は、ヒスチジンタグのない変異タンパク質の発現および精製のための方法を説明する。GGBPは、E.coliのMg1B-1遺伝子によってコードされている。Mg1B-1遺伝子の部位特異的変異誘発によりアミノ酸であるシステインを様々な位置に導入することによって、このタンパク質を変化させた。次いで、E.coliの中でこれらのタンパク質を発現させ、精製した。
Mg1B-1のカセット変異誘発は以下のように実施した。野生型Mg1B-1遺伝子を、pTZ18Rベクタ(Dr.Anthony Cass, Imperial College, London, England)の中でクローン化した。非特許文献17に記載の方法に本質的に従ったランダムなアミノ酸配列を生み出すカセット変異誘発を使用して、この親プラスミドから変異プラスミドを生成し、E.coli JM109(Promega Life Science, Madison, WI)の中でクローン化した。配列決定によって変異プラスミドを同定した。以下のようにJM109の中で変異タンパク質を誘発させ、精製した。変異プラスミドを含むE.coli JM109コロニーを、50μg/mLのアンピシリン(Amp)を含む37℃のLBブロス(LB/Amp)中で振盪(220rpm)しながら一晩増殖させた。この一晩増殖菌を、1Lの新鮮なLB/Ampで100倍に希釈し、培養菌のOD600が0.3〜0.5になるまで振盪しながら37℃で培養した。最終濃度1mMのIPTG (Life Technologies, Gaithersburg, MD)を添加し、培養および振盪を37℃で4〜6時間にわたって継続することによって、変異の発現を誘導した。遠心法(10,000×g、10分、4℃)によって細胞を回収した。
浸透圧性衝撃によって変異タンパク質を回収し、カラムクロマトグラフィによって精製した。細胞ペレットをスクロース緩衝液(30mMトリスHCl、pH8.0、20%スクロース、1mM EDTA)に再懸濁させ、室温で10分間にわたって培養し、次いで遠心処理した(4000×g、15分、4℃)。上澄みをデカントし、氷上に保持した。細胞ペレットを再懸濁させ、氷温の無菌脱イオン水10mLを繰り返し、懸濁液を氷上で培養し遠心処理した。残った上澄みを、別に集めた他の上澄みと一緒にし、再び遠心処理した(12,000×g、10分、4℃)。一緒にした衝撃液(shockate)を0.8μmフィルタ、次いで0.45μmフィルタでろ過した。5%w/vの硫酸ストレプトマイシン(Sigma Chemical Co., St.Louis, MO)を衝撃液に加え、30分攪拌し、次いで遠心処理した(12,000×g、10分、4℃)。次いで、Amicon Centriprep 10 (10,000MWCO)フィルタ(Charlotte, NC)を使用して衝撃液を濃縮し、5mMトリスHCl、pH8.0、1mM MgCl2に対して一晩透析した。透析した衝撃液を遠心処理した(12,000×g、30分、4℃)。得られた上澄みを、予め平衡させたDEAE Fast Flow Sepharoseカラム(Amersham Pharmacia Biotech, Piscataway, NJ)に0.5mL/分の速度で加えた。このカラムを、5〜10カラム容積の洗浄液で洗浄した。このカラムに0〜0.2M NaClの直線的勾配を適用し、フラクションを集めた。変異タンパク質を含むフラクションを、クーマシーブリリアントブルー染色(MW約32kDa)を用いてSDS−PAGEによって同定した。フラクションを一緒にし、リン酸で緩衝された食塩水(PBS)または10mM重炭酸アンモニウム(pH7.4)に対して一晩透析し(4℃)、Amicon Centriprep 10フィルタを使用して濃縮し、4℃、またはグリセロールを用いて−20℃で貯蔵した。この重炭酸アンモニウム透析タンパク質を凍結乾燥させた。
(実施例2)
この実施例は、ヒスチジンタグを含む変異GGBPの発現および精製を説明する。部位特異的変異誘発またはカセット変異誘発のいずれかによってGGBP変異を誘導した。部位特異的変異誘発(QuikChange, Stratagene, La Jolla, CA)を実行し、1つのアミノ酸(具体的には選択されたアミノ酸)を他のアミノ酸で置き換えることによってpQE70ベクタの個々のアミノ酸を変更した。カセット変異誘発法(非特許文献17)を実行して、GGBP遺伝子の指定された領域のアミノ酸をランダム化した。次いで、これらの変異カセットをpQE70発現ベクタの中でサブクローン化した。pGGBP-Hisプラスミドは、pQE70発現ベクタ(Qiagen, Valencia, CA)中でクローン化されたGGBP遺伝子を含む。この構成体は、GGBP遺伝子のC末端に6個のヒスチジン残基を配置する。E.coli SG13009株を使用して、変異GGBP−Hisを標準手順(Qiagen)に従って過剰発現させた。250mLの培養菌の過剰発現の後、遠心法(6000rpm)によって細胞を集め、25mLのBugBusterバッファー(Novagen, Madison, WI)の中で再懸濁させた。リゾチーム(25mg)をこの溶解産物に加え、この混合物を、室温で30分にわたって穏やかに混合した。遠心法(6000rpm)によって透明な溶解産物を生成し、これに、イミジゾール(1M)0.5mlおよびNi−NTAビーズ(Qiagen)3mlを加えた。室温で30分にわたって穏やかに混合した後、混合物を遠心処理し(6000rpm)、溶解産物を除去した。ビーズを溶液25ml(1M NaCl、10mMトリス、pH8.0)で洗浄し、再び遠心処理した。溶液(160mMイミダゾール、1M NaCl、10mMトリス、pH8.0)5mLを加え、15分混合することによって、ビーズから変異GGBP−Hisを溶離した。直ちにCentriplus YM-100フィルタ(Amicon, Charlotte, NC)を使用してタンパク質溶液をろ過し、次いで、Centriplus YM-10フィルタを使用して1〜3mg/mlに濃縮した。このタンパク質を、貯蔵溶液(1M NaCl、10mMトリス、50mM NaPO4、pH8.0)2Lに対して一晩透析した。
(実施例3)
この実施例は、リポータープローブを用いた結合タンパク質の標識化を一般的に説明する。PBSに溶解したシステインを含む変異GGBP(4.0nmol)のアリコートを、2mMジチオトレイトール(5μL、10nmol)で30分処理した。DMSO(100μL、11.9mM)中にN,N’−ジメチル−N−(ヨードアセチル)−N’−(7−ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)エチレンジアミン(IANBDアミド、0.5mg)を溶解した貯蔵液を調製し、その3.36μL(40nmol)をタンパク質に加えた。暗所のDynal rotamix上、室温において4時間にわたって反応を進行させた。NAP−5カラム(Amersham Pharmacia)によるゲルろ過によって、標識されたタンパク質を精製した。GeneWorks2.45(IntelliGenetics)で計算したGGBPの推定吸光係数(50mM-1cm-1)、ε478(IANBDアミド)=25mM-1cm-1、ならびにIANBDアミドの標準溶液の280nmおよび478nmにおけるO.D.の測定値を使用して標識化比を求めた。タンパク質中の染料濃度は、Cdye=A478/ε478として計算した。280nmのタンパク質の吸光度は、Aprot(280)=Atotal(280)−Adye(280)として計算した。ここでAdye(280)=A478×(A280/A478dye stdである。その際に、タンパク質の濃度は、Cprot(280)=Aprot(280)/ε280である。図1に、代表例である溶液中のA213C/L238C NBDアミドGGBP H6のグルコース濃度に対する蛍光応答の変化を示す。第1表は、少なくとも600ナノメートルの励起または発光最大値のいずれかを有するリポーター基を含むリポーター基で標識された様々なGGBP変異体の蛍光の変化をまとめたものである。第2表は、1つ、2つ、3つおよび4つのアミノ酸置換を有する変異体の蛍光変化および求められたKd値をまとめたものである。このデータは、リポーター基で標識されたGGBPの変異がグルコースバイオセンサーとしての望ましい属性を提供できることをはっきりと示している。このデータは、試験した試料の変異−リポーター基関係を示している。
Figure 2005539205
Figure 2005539205
(実施例4)
この実施例は、グリセロール修飾シリケート縮合物(GMSC)を使用した本発明のバイオセンサーの固定化を説明する。グリセロール修飾シリケート縮合物(GMSC)の添加。最初のテトラエトキシオルトシリケート(TEOS)またはテトラメトキシオルトシリケート(TMOS)の酸加水分解に引き続いて、グリセロールの添加を実施した。加水分解時間の範囲、pHレベル、試薬を加える順序、およびTEOS:グリセロール比を評価して、グリセリル化(glyceration)反応を開始させるための最適条件を決定した。好ましい条件は、加水分解とグリセロール添加の間の10分から30分の間隔、0.5から1までの間のpH範囲、およびTEOSとグリセロールのモル比1:1を使用することであると分かった。以下に、TEOSベースのグリセロール修飾シリケート縮合物(GMSC)を調製するための非特許文献14の手順の修正手順を説明する。以下の試薬比を使用した:TEOSまたはTMOS:1、H2O:1、メタノール:4、グリセロール:1。メタノール中のTEOSまたはTMOSをフラスコに添加し、氷上で0℃まで冷却した。次にこの溶液に0.6M HClを滴加した。20分間の攪拌の後、グリセロールを滴加した。この反応物を1〜2時間かけて20〜25℃までゆっくりと暖めた。その後、反応容器をさらに加熱し、窒素下で60〜70℃の範囲に36時間から42時間にわたって維持した。最適な時間は40時間であった。36時間よりも前に停止させた反応では、観測可能な相分離によって不完全なグリセリル化が示された。42時間以上にわたって反応を維持すると、大幅に低下した物理特性(たとえば増大した脆性)を有するGMSCゾル−ゲルのモノリスが得られた。60〜70℃で40時間にわたる反応に続いて、溶液が粘性かつ透明になるまでロータリーエバポレーションによって溶液の体積を低減させ、その時点で、溶液に対して、重量比4:1でメタノールを加えた。このGMSC溶液は安定であることが証明され、冷凍庫の温度で保存したときに数カ月間にわたって不変の結果を提供した。GMSC溶液を使用するときには、ロータリーエバポレーションによってメタノールを除去し、GMSC試薬に重量比1:1の蒸留水を加えて、最終的な加水分解/ゲル化を触媒した。この手順を用い、型として機能する適当な容器を使用してモノリス、薄膜および粉末を製造した。GMSCゾル−ゲルモノリスは脆性ではなく、温度4℃、相対湿度50%で2週間にわたって硬化させると約8%収縮した(収縮率(%)は、マイクロキャリパで測定し、最初の型寸法と比較した直径および長さの変化の平均である)。電子顕微鏡法(SEM)が、TEOS加水分解で作製されるモノリスと前述のGMSC手順によって作製されるモノリスとの間で、表面破壊(surface fracturing)における著しい改善を例証した。この一連の実験は、本発明が教示する方法によって、改良された物理特性を有するゾル−ゲルをどのように作製できるかを示している。
(実施例5)
この実施例は、グリセロールがエチレングリコール(EG)またはポリエチレングリコール(PEG)で部分的に置換されたGMSCゾル−ゲルによる、物理特性のさらなる最適化を説明する。グリセロールに代替として、エチレングリコール(EG)を混合物中で評価した。該混合物において、グリセロールとEGの比は変化させたが、他の試薬に対するグリセロールおよびEGの全体のモル比は一定に維持した。前の実施例で説明した手順によってゾル−ゲルのモノリスを調製し、温度4℃、相対湿度50%で2週間にわたって硬化させ、それらの収縮率(%)を第3表に示すように決定した。収縮率(%)は、元の寸法に対する長さおよび直径の減少の平均と定義される。収縮率の決定に使用されるモノリスは、タンパク質/フルオロフォアを有さなかった。F測定のため、H152 GGBP-H6 NBD(実施例3)を含む第1表に挙げた試料を下記のように調製した。
Figure 2005539205
1%および5%EG/GMSCゾル−ゲル(それぞれ第3表のエントリ5および6)は、普通のTEOSゾル−ゲルまたはGMSC修飾TEOSゾル−ゲル(それぞれ前記第3表のエントリ2および3)のいずれのものよりも著しく低い収縮率(%)を有することが分かった。グリセロールの部分的代替物としてポリエチレングリコール(PEG)も、GMSCゾル−ゲル中の同様の比率で定性的に評価した。ポリエチレングリコール(PEG)は、良好な表面特性およびゴム様の可撓性を有するモノリスを生成した。これらをまとめると、GMSCゾル−ゲル中のグリセロールをエチレングリコール(EG)またはポリエチレングリコール(PEG)で部分的に置換すると物理特性が向上する。たとえば収縮が最小化し、表面破壊が低減する。結合タンパク質を含むこれらのゾル−ゲルマトリックスは、溶液中のタンパク質に等しいか、またはそれよりも良好な性能を持つことが分かった。
(実施例6)
官能基化されたシリコーン添加剤(FSA)およびポリマーを含むGMSCゾル−ゲル中への結合タンパク質の捕捉。
この実施例は、結合タンパク質を捕捉するためのGMSCゾル−ゲルを最適化し、リガンド結合時の結合タンパク質のスペクトル特性を維持および増強の両方を行うための、ポリマーおよび有機ポリオール添加剤の添加を記載する。結合タンパク質を(実施例3で説明したとおりに)フルオロフォアで標識した。前述の最終の加水分解/ゲル化工程中に、このタンパク質溶液を添加して、2〜4μMのゾル−ゲル中の最終的なタンパク質濃度を生じさせた。ポリマー添加剤および官能基化されたシリコーン添加剤(FSA)は、Sigma Aldrich Chemicals (St.Louis, MO)から入手した。ポリマー添加剤は、0から約30重量%の範囲で評価した。FSAは、GMSCゾル−ゲルへの添加剤として、0から約0.6モル%比の量で評価した。その貯蔵液からメタノールを除去するためのGMSC試薬のロータリーエバポレーションに続いて、重量比1:1の水で再構成した。この混合液の400μLアリコートに多Iaして、前もって混合しておいた水溶性ポリマー添加剤を含む緩衝液(HEPES、PBSまたはトリス)800μLを、任意のFSA修飾GMSCとともに加えた。次いで、溶液中の変異結合タンパク質を加え、よく混合した後に、この混合物100μLを96ウェルマイクロプレート(Falconホワイトフラットボトムプレート、製品番号35−3941、BD Labware, NJ)に分配した。ゾル−ゲルを含むマイクロプレートを、温度4℃、相対湿度50%で12〜18時間にわたって硬化させた。TEOSベースのGMSCと同じ手順でGMSC−BISを調製した。ただし、TEOSの代わりに(ビス(3−メチルジメトキシシリル)プロピル)ポリプロピレンオキシドを使用した。GMSC−MTMOSおよびGMSC−ATEOSを、TEOSベースのGMSC手順に比べて、10%の量の酸を用いるか、または加水分解工程において酸を使用せずのいずれかにて加水分解を実施したことを除いて同様に調製した。蛍光放射は、マイクロウェルプレートアダプタを有するVarian Cary Eclipse走査型蛍光光度計(Varian Instruments (Victoria, Australia))を用いて測定した。励起は475nmで、発光は500から600nmまでを記録した。典型的には、発光最大ピーク蛍光を監視した。スリット幅は励起については5nm、発光については10nmであった。個々のI0の決定はそれぞれのウェルに対して実施し、リガンド溶液(S337C MBPの場合は1mMマルトース)100μLを加え、Ifの読取値を得て、ΔF値を計算した。修飾されたゾル−ゲルに捕捉されたタンパク質は、溶液中の等価の濃度の同じタンパク質に比べて、リガンドが存在しない場合に、より大きな初期蛍光(I0)を示した。図2に、H152に最適化されたゾル−ゲル中および溶液中のGGBP H152 His6 NBDに関して、グルコースの添加前後の蛍光放射を示す。それぞれの実験のI0スペクトルを最大値1.0に規格化した。この図は、分析物に曝した際に、結合タンパク質を含む最適化されたゾル−ゲルマトリックスについて得られるΔFが、溶液中の結合タンパク質のΔFに比べて、約2〜3倍に増強されていることを示している。したがって、それぞれのタンパク質に対してゾル−ゲル製剤を最適化した後には、ΔFの増強が観察された。ゾル−ゲル捕捉タンパク質−リポーター基試料では、溶液に比べて、発光極大がシフトする可能性があることに留意されたい。さらに、これらの修飾ゾル−ゲルマトリックスは、第3表のエントリ4に示すように、改良された物理特性を提供する。第4表に、評価した個々のタンパク質のそれぞれについて、改良された応答を与える製剤成分のおおよその範囲を示す。
Figure 2005539205
上で説明した製剤最適化実験では、いくつかの実験計画(DOE)を設計するのに、Design-Expert 6.0.5 (Stat-Ease,Inc., Minneapolis, MN)を使用した。それぞれのDOEで最適化された製剤の他の可変要素は、緩衝液のタイプ(HEPES、PBSおよびトリス)およびpH(6.6から7.8まで)であった。意外にも、最適な製剤成分および濃度範囲は、タンパク質ごとにまったく異なった。しかし、すべてのケースで、溶液性能および非修飾ゾル−ゲルの性能に比べ、最適化された製剤の性能の大幅な改善が得られた。
(実施例7)
この実施例は、UV架橋ヒドロゲルマトリックスへのGGBP H152Cの捕捉、ならびに蛍光変化および結合アフィニティーに対するマトリックスの効果を説明する。この実験では、Polysciences Inc.のSbQ−PVAにPBS緩衝液100μlを加え、ロータリーミキサで1時間にわたって混合した。次いで、この溶液80μlを標識したタンパク質20μlと混合した。最終的なタンパク質濃度は、0.15mg/mlであると分光学的に決定された。混合後、アリコートを96ウェルプレートに分配し、湿度20%に維持されたチャンバの中で12時間にわたって乾燥させ、続いてUV光で硬化させた。マトリックス中に封入されたタンパク質を含むウェルに10mMグルコース2μlを加え、これを、マトリックスを含まず、等しいタンパク質配合量を有するタンパク質溶液と比較した。図3に、溶液中で得られるそれに同等の方法および感度で分析物に反応する変異タンパク質マトリックスの能力を示す。捕捉タンパク質のKdは溶液中で得られるそれに匹敵していた。
(実施例8)
この実施例は、透析膜マトリックス中への本発明のバイオセンサーの固定化、および可逆的かつ連続的な読取値を提供するマトリックスの能力を説明する。光ファイバアタッチメントを有するVarian Eclipse蛍光計を使用して、GGBP L238CWO03/A213Cタンパク質(2μM、PBS緩衝液)を、ファイバの遠位端に取り付けられた3500ダルトンの分子カットオフを有する透析膜に捕捉した。PBS緩衝液を含む溶液、PBS緩衝液中に2mMグルコースを含む溶液、およびPBS緩衝液中に20mMグルコースを含む溶液を調製した。PBS溶液中のプローブを用いて、発光波長521nmの読みを0.02秒間隔で記録し、続いてグルコース溶液にファイバを挿入した。緩衝液のみを含む溶液にファイバを再配置すると最初の信号に戻った。図4に、緩衝液とグルコース溶液を交互に繰り返した複数の周期を示す。この図は、生理的範囲内における、透過性マトリックスの中に捕捉されたバイオセンサーの可逆性を示している。ゾル−ゲル捕捉試料でも同様の結果が観察され、連続的使用に対する適用可能性が示された。
溶液中のA213C/L238C NBDアミドGGBP H6のグルコースに対する蛍光応答の変化を示す図である。 分析物が存在する場合としない場合において、溶液中の結合タンパク質に比較した、捕捉された結合タンパク質の信号の増強を示す図である。 分析物が存在する場合としない場合の、溶液中の結合タンパク質に比較した、捕捉結合タンパク質を示す図である。 指示された濃度のグルコース溶液に曝した後に、本発明の1つの実施形態に由来する捕捉された結合タンパク質からの可逆信号を示す図である。

Claims (60)

  1. a)少なくとも1つの変異結合タンパク質、および前記変異結合タンパク質に結合され、前記変異結合タンパク質が様々なグルコース濃度に曝されたときに検出可能で可逆的な信号を生成する少なくとも1つのリポーター基と
    b)前記変異結合タンパク質を捕捉または封入することができる分析物透過性マトリックスと
    を含むことを特徴とするグルコースバイオセンサー。
  2. 前記検出可能で可逆的な信号は、前記様々な分析物濃度と相関していることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
  3. 前記変異結合タンパク質はグルコース/ガラクトース結合タンパク質であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
  4. 前記グルコース/ガラクトース結合タンパク質は少なくとも1つのアミノ酸置換を有することを特徴とする請求項3に記載のバイオセンサー。
  5. 前記アミノ酸置換は、位置1のシステイン、位置1のセリン、位置11のシステイン、位置14のシステイン、位置19のシステイン、位置43のシステイン、位置74のシステイン、位置107のシステイン、位置110のシステイン、位置112のシステイン、位置113のシステイン、位置137のシステイン、位置149のシステイン、位置213のシステイン、位置216のシステイン、位置238のシステイン、位置287のシステイン、位置292のシステイン、位置152のシステイン、位置182のシステイン、位置236のシステインおよび位置296のシステインからなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサー。
  6. 前記結合タンパク質は少なくとも1つのヒスチジンタグをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のバイオセンサー。
  7. 位置112のシステインと位置238のセリン、位置149のシステインと位置238のセリン、位置152のシステインと位置182のシステイン、位置152のシステインと位置213のセリン、位置213のシステインと位置238のシステイン、位置149のシステインと位置213のアルギニン、位置149のシステインと位置213のシステイン、位置149のシステインと位置213のトレオニン、位置149のシステインと位置213のロイシン、位置149のシステインと位置213のチロシン、位置149のシステインと位置223のアスパラギン、位置149のシステインと位置238のシステイン、位置149のシステインと位置256のセリン、位置149のシステインと位置256のアルギニン、位置152のシステインと位置213のアルギニン、位置152のシステインと位置223のアスパラギン、位置213のシステインと位置255のシステインからなる群から選択される少なくとも2つのアミノ酸置換を含むことを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサー。
  8. 前記結合タンパク質は少なくとも1つのヒスチジンタグをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のバイオセンサー。
  9. 位置149のシステイン、位置213のセリンおよび位置238のセリン;位置149のシステイン、位置213のアルギニンおよび位置238のセリン;位置149のシステイン、位置213のシステインおよび位置238のシステイン;位置149のシステイン、位置213のセリンおよび位置223のアスパラギン;および、位置149のシステイン、位置223のアスパラギンおよび位置256のアルギニンからなる群から選択される少なくとも3つのアミノ酸置換を含むことを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサー。
  10. 前記結合タンパク質は少なくとも1つのヒスチジンタグをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載のバイオセンサー。
  11. 位置1のセリン、位置149のシステイン、位置213のアルギニンおよび位置238のセリン;位置1のセリン、位置149のシステイン、位置213のセリンおよび位置238のセリン;および、位置149のシステイン、位置182のシステイン、位置213のシステインおよび位置238のセリンからなる群から選択される少なくとも4つのアミノ酸置換を含むことを特徴とする請求項4に記載のバイオセンサー。
  12. 前記結合タンパク質は少なくとも1つのヒスチジンタグをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載のバイオセンサー。
  13. 前記リポーター基は発光標識であることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
  14. 前記発光標識は約600ナノメートルよりも長い励起波長を有することを特徴とする請求項13に記載のバイオセンサー。
  15. 前記発光標識は約600ナノメートルよりも長い発光波長を有することを特徴とする請求項13に記載のバイオセンサー。
  16. 前記発光標識は、前記少なくとも1つのグルコース/ガラクトース結合タンパク質と共有結合していることを特徴とする請求項13に記載のバイオセンサー。
  17. 前記発光標識は、フルオレセイン、クマリン、ローダミン、5−TMRIA(テトラメチルローダミン−5−ヨードアセトアミド)、Quantum Red(商標)、Texas Red(商標)、Cy3、N−((2−ヨードアセトキシ)エチル)−N−メチル)アミノ−7−ニトロベンゾオキサジアゾール(IANBD)、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(acrylodan)、ピレン、Lucifer Yellow、Cy5、Dapoxyl(登録商標)(2−ブロモアセトアミドエチル)スルホンアミド、(N−(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−イルヨードアセトアミド(BODIPY(登録商標)507/545 IA)、N−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオニル)−N−ヨードアセチルエチレンジアミン(BODIPY(登録商標)530/550 IA)、5−((((2−ヨードアセチル)アミノ)エチル)アミノ)ナフタレン−l−スルホン酸(1,5-IAEDANS)、およびカルボキシ−X−ローダミン、5/6−ヨードアセトアミド(XRIA 5,6)からなる群から選択される構成要素との反応によって、前記少なくとも1つのグルコース/ガラクトース結合タンパク質と共有結合的にカップリングしていることを特徴とする請求項16に記載のバイオセンサー。
  18. 前記分析物はグルコースまたはガラクトースであることを特徴とする請求項2に記載のバイオセンサー。
  19. 前記分析物透過性マトリックスは、共有結合性架橋ヒドロゲル、透析膜、ゾル−ゲルおよびこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のバイオセンサー。
  20. 前記マトリックスは、約1000から約25,000ダルトンの分子量カットオフを有する透析膜を含むことを特徴とする請求項19に記載のバイオセンサー。
  21. 前記マトリックスは、ポリペプチド類、多糖類、多糖誘導体類、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレングリコール類、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、オレフィンと無水マレイン酸の共重合体、およびビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体からなる群から選択される共有結合性架橋ヒドロゲルを含むことを特徴とする請求項19に記載のバイオセンサー。
  22. 前記架橋ヒドロゲルは、ポリ(ビニルアルコール)、N−メチル−4(4’−ホルミルスチリル)ピリジニウムアセタール塩を含むポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項21に記載のバイオセンサー。
  23. 前記マトリックスは、少なくとも1つの水溶性有機ポリオール成分と縮合した、少なくとも部分的に硬化した加水分解的に縮合性のシロキサンから選択されるゾル−ゲルを含むことを特徴とする請求項19に記載のバイオセンサー。
  24. 前記マトリックスは、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールから選択される少なくとも1つの水溶性有機ポリオール成分を含むことを特徴とする請求項23に記載のバイオセンサー。
  25. 少なくとも1つの水溶性ポリマー成分をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載のバイオセンサー。
  26. 前記少なくとも1つの水溶性ポリマー成分は、ポリビニルアルコール、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、オレフィンと無水マレイン酸の共重合体、ビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体、ポリ(ビニルスルホン酸)塩、およびポリビニルピロリドンからなる群から選択されることを特徴とする請求項25に記載のバイオセンサー。
  27. 官能基化されたシリコーン添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載のバイオセンサー。
  28. 前記官能基化されたシリコーン添加剤は、アルキル、アリール、アミン、アミド、チオール、シアノ、カルボキシル、エステル、オレフィン性、エポキシ、シリル、ニトロおよびハロゲンからなる群から選択される少なくとも1つの有機官能基を含むことを特徴とする請求項27に記載のバイオセンサー。
  29. a)少なくとも1つの変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質およびこれに結合した少なくとも1つのリポーター基を提供する工程と、
    b)前記変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質を分析物透過性マトリックス中に捕捉または封入する工程と、
    c)前記変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質を様々なグルコース濃度に曝す工程と、
    d)前記リポーター基からの信号を検出する工程と
    を含むことを特徴とするグルコース検出法。
  30. 前記リポーター基を励起して前記信号を発することができるエネルギー源に、前記リポーター基を曝す工程をさらに含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 前記検出は、前記様々なグルコース濃度に対応する可逆信号の検出を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  32. 前記検出は、連続検出、プログラム検出、散発的検出またはこれらの組合せであることを特徴とする請求項29に記載の方法。
  33. 工程c)をin vivoで実施することを特徴とする請求項29に記載の方法。
  34. 前記グルコース/ガラクトース結合タンパク質は少なくとも1つのアミノ酸置換を有することを特徴とする請求項29に記載の方法。
  35. 前記アミノ酸置換は、位置1のシステイン、位置1のセリン、位置11のシステイン、位置14のシステイン、位置19のシステイン、位置43のシステイン、位置74のシステイン、位置107のシステイン、位置110のシステイン、位置112のシステイン、位置113のシステイン、位置137のシステイン、位置149のシステイン、位置213のシステイン、位置216のシステイン、位置238のシステイン、位置287のシステイン、位置292のシステイン、位置152のシステイン、位置182のシステイン、位置236のシステインおよび位置296のシステインからなる群から選択されることを特徴とする請求項34に記載の方法。
  36. 前記グルコース/ガラクトース結合タンパク質は少なくとも1つのヒスチジンタグをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
  37. 前記結合タンパク質は、位置112のシステインおよび位置238のセリン;位置149のシステインおよび位置238のセリン;位置152のシステインおよび位置182のシステイン;位置152のシステインおよび位置213のセリン;位置213のシステインおよび位置238のシステイン;位置149のシステインおよび位置213のアルギニン;位置149のシステインおよび位置213のシステイン;位置149のシステインおよび位置213のトレオニン;位置149のシステインおよび位置213のロイシン;位置149のシステインおよび位置213のチロシン;位置149のシステインおよび位置223のアスパラギン;位置149のシステインおよび位置238のシステイン;位置149のシステインおよび位置256のセリン;位置149のシステインおよび位置256のアルギニン;位置152のシステインおよび位置213のアルギニン;位置152のシステインおよび位置223のアスパラギン;位置213のシステインおよび位置255のシステイン;位置149のシステイン、位置213のセリンおよび位置238のセリン;位置149のシステイン、位置213のアルギニンおよび位置238のセリン;位置149のシステイン、位置213のシステインおよび位置238のシステイン;位置149のシステイン、位置213のセリンおよび位置223のアスパラギン;位置149のシステイン、位置223のアスパラギンおよび位置256のアルギニン;位置1のセリン、位置149のシステイン、位置213のアルギニンおよび位置238のセリン;ならびに、位置149のシステイン、位置182のシステイン、位置213のシステインおよび位置238のセリンからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換の組合せを有することを特徴とする請求項35に記載の方法。
  38. 前記グルコース/ガラクトース結合タンパク質は少なくとも1つのヒスチジンタグをさらに含むことを特徴とする請求項37に記載の方法。
  39. 前記少なくとも1つのリポーター基は発光標識であることを特徴とする請求項29に記載の方法。
  40. 前記発光標識は約600ナノメートルよりも長い励起波長を有することを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 前記発光標識は約600ナノメートルよりも長い発光波長を有することを特徴とする請求項39に記載の方法。
  42. 前記発光標識は、前記少なくとも1つの変異結合タンパク質と、フルオレセイン、クマリン、ローダミン、5−TMRIA(テトラメチルローダミン−5−ヨードアセトアミド)、Quantum Red(商標)、Texas Red(商標)、Cy3、N−((2−ヨードアセトキシ)エチル)−N−メチル)アミノ−7−ニトロベンゾオキサジアゾール(IANBD)、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(acrylodan)、ピレン、Lucifer Yellow、Cy5、Dapoxyl(登録商標)(2−ブロモアセトアミドエチル)スルホンアミド、(N−(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−イル)ヨードアセトアミド(BODIPY(登録商標)507/545 IA)、(N−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオニル)−N−ヨードアセチルエチレンジアミン(BODIPY(登録商標)530/550 IA)、5−((((2−ヨードアセチル)アミノ)エチル)アミノ)ナフタレン−l−スルホン酸(1,5-IAEDANS)、およびカルボキシ−X−ローダミン、5/6−ヨードアセトアミド(XRIA 5,6)からなる群から選択される構成要素との反応によって、前記少なくとも1つのグルコース/ガラクトース結合タンパク質と共有結合していることを特徴とする請求項39に記載の方法。
  43. a)位置1のシステイン、位置1のセリン、位置11のシステイン、位置14のシステイン、位置19のシステイン、位置43のシステイン、位置74のシステイン、位置107のシステイン、位置110のシステイン、位置112のシステイン、位置113のシステイン、位置137のシステイン、位置149のシステイン、位置213のシステイン、位置216のシステイン、位置238のシステイン、位置287のシステイン、位置292のシステイン、位置152のシステイン、位置182のシステイン、位置236のシステインおよび位置296のシステインからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を有する変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質と、
    b)分析物透過性マトリックスと、
    c)少なくとも1つのリポーター基と
    の混合物を含むことを特徴とする組成物。
  44. 前記変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質は少なくとも1つのヒスチジンタグをさらに含むことを特徴とする請求項43に記載の組成物。
  45. 前記結合タンパク質は、位置112のシステインおよび位置238のセリン;位置149のシステインおよび位置238のセリン;位置152のシステインおよび位置182のシステイン;位置152のシステインおよび位置213のセリン;位置213のシステインおよび位置238のシステイン;位置149のシステインおよび位置213のアルギニン;位置149のシステインおよび位置213のシステイン;位置149のシステインおよび位置213のトレオニン;位置149のシステインおよび位置213のロイシン;位置149のシステインおよび位置213のチロシン;位置149のシステインおよび位置223のアスパラギン;位置149のシステインおよび位置238のシステイン;位置149のシステインおよび位置256のセリン;位置149のシステインおよび位置256のアルギニン;位置152のシステインおよび位置213のアルギニン;位置152のシステインおよび位置223のアスパラギン;位置213のシステインおよび位置255のシステイン;位置149のシステイン、位置213のセリンおよび位置238のセリン;位置149のシステイン、位置213のアルギニンおよび位置238のセリン;位置149のシステイン、位置213のシステインおよび位置238のシステイン;位置149のシステイン、位置213のセリンおよび位置223のアスパラギン;位置149のシステイン、位置223のアスパラギンおよび位置256のアルギニン;位置1のセリン、位置149のシステイン、位置213のアルギニンおよび位置238のセリン;位置1のセリン、位置149のシステイン、位置213のセリンおよび位置238のセリン;ならびに、位置149のシステイン、位置182のシステイン、位置213のシステインおよび位置238のセリンからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸置換の組合せを含むことを特徴とする請求項43に記載の組成物。
  46. 前記変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質は少なくとも1つのヒスチジンタグをさらに含むことを特徴とする請求項45に記載の組成物。
  47. 少なくとも1つのリポーター基は発光標識であることを特徴とする請求項45に記載の組成物。
  48. 前記発光標識は約600ナノメートルよりも長い励起波長を有することを特徴とする請求項47に記載の組成物。
  49. 前記発光標識は約600ナノメートルよりも長い発光波長を有することを特徴とする請求項47に記載の組成物。
  50. 前記発光標識は、前記少なくとも1つの変異結合タンパク質と、フルオレセイン、クマリン、ローダミン、5−TMRIA(テトラメチルローダミン−5−ヨードアセトアミド)、Quantum Red(商標)、Texas Red(商標)、Cy3、N−((2−ヨードアセトキシ)エチル)−N−メチル)アミノ−7−ニトロベンゾオキサジアゾール(IANBD)、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(acrylodan)、ピレン、Lucifer Yellow、Cy5、Dapoxyl(登録商標)(2−ブロモアセトアミドエチル)スルホンアミド、(N−(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−イル)ヨードアセトアミド(BODIPY(登録商標)507/545 IA)、(N−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオニル)−N−ヨードアセチルエチレンジアミン(BODIPY(登録商標)530/550 IA)、5−((((2−ヨードアセチル)アミノ)エチル)アミノ)ナフタレン−l−スルホン酸(1,5-IAEDANS)、およびカルボキシ−X−ローダミン、5/6−ヨードアセトアミド(XRIA 5,6)からなる群から選択される構成要素との反応によって、前記少なくとも1つのグルコース/ガラクトース結合タンパク質と共有結合していることを特徴とする請求項47に記載の組成物。
  51. 前記分析物透過性マトリックスは、共有結合性架橋ヒドロゲル、透析膜、ゾル−ゲルおよびこれらの組合せからなる群から選択されることを特徴とする請求項43に記載の組成物。
  52. 前記マトリックスは、約1000から約25,000ダルトンの分子量カットオフを有する透析膜を含むことを特徴とする請求項51に記載の組成物。
  53. 前記マトリックスは、ポリペプチド類、多糖類、多糖誘導体類、ポリビニルアルコール類、ポリアクリル酸類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレングリコール類、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、オレフィンと無水マレイン酸の共重合体、およびビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体からなる群から選択される共有結合性架橋ヒドロゲルを含むことを特徴とする請求項51に記載の組成物。
  54. 前記共有結合性架橋ヒドロゲルは、ポリ(ビニルアルコール)およびN−メチル−4(4’−ホルミルスチリル)ピリジニウムアセタール塩を含むポリビニルアルコールを含むことを特徴とする請求項53に記載の組成物。
  55. 前記マトリックスは、少なくとも1つの水溶性有機ポリオール成分と縮合した、少なくとも部分的に硬化した加水分解的に縮合性のシロキサンから選択されたゾル−ゲルを含むことを特徴とする請求項51に記載の組成物。
  56. 前記水溶性有機ポリオール成分は、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールから選択されることを特徴とする請求項55に記載の組成物。
  57. 少なくとも1つの水溶性ポリマー成分をさらに含むことを特徴とする請求項55に記載の組成物。
  58. 前記水溶性ポリマー成分は、ポリビニルアルコール、スチレンと無水マレイン酸の共重合体、オレフィンと無水マレイン酸の共重合体、ビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体、ポリ(ビニルスルホン酸)塩、およびポリビニルピロリドンから選択されることを特徴とする請求項57に記載の組成物。
  59. 官能基化されたシリコーン添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項55に記載の組成物。
  60. 前記官能基化されたシリコーン添加剤は、アルキル、アリール、アミン、アミド、チオール、シアノ、カルボキシル、エステル、オレフィン、エポキシ、シリル、ニトロおよびハロゲンからなる群から選択される少なくとも1つの有機官能基を含むことを特徴とする請求項59に記載の組成物。
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