JP4843781B2 - グルコース結合蛋白質 - Google Patents
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Description
Periplasmic bindind proteins:a versatile superfamily for protein engineering; M.A.Dwyer and H.W.Hellinga, Current Opinigon in Structural Biology, vol.14, 495-504, 2004, Elsevier
1)天然のグルコース結合蛋白質の1またはそれ以上のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されており、かつ前記天然のグルコース結合蛋白質と比較してグルコースに対する高い選択性を有する改変型グルコース結合蛋白質。
2)グルコース結合蛋白質において大腸菌由来グルコース結合蛋白質の成熟型蛋白質の14番目のアスパラギン酸残基、もしくは他の種における同等の位置のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されている改変型グルコース結合蛋白質。
3)配列番号1で表されるアミノ酸配列の14番目のアスパラギン酸が他のアミノ酸残基で置換されている、請求項1記載の改変型グルコース結合蛋白。
4)配列番号1で表されるアミノ酸配列の14番目のアスパラギン酸がアスパラギンまたはグルタミン酸で置換されている、3)記載の改変型グルコース結合蛋白質。
5)1)−4)のいずれかに記載の改変型グルコース結合蛋白質をコードする遺伝子。
6)5)記載のグルコース結合蛋白質をコードする遺伝子を含有する組み換えベクター。
7)6)に記載の組み換えベクターで形質転換した形質転換体または形質導入体。
8)7)記載の形質転換体を培養して、該培養物からグルコース結合蛋白質を採取することを特徴とするグルコース結合蛋白質の製造方法。
9)8)記載の方法で製造されたグルコース結合蛋白質。
10)9)に記載のグルコース結合蛋白質を用いることを特徴とするグルコースの分光学的分析方法。
11)9)に記載のグルコース結合蛋白質を用いることを特徴とするグルコースの蛍光分光学的分析方法。
12)9)に記載のグルコース結合蛋白質を含むことを特徴とするグルコースの分光学的分析用アッセイキット。
13)9)に記載のグルコース結合蛋白質を含むことを特徴とする、グルコースの蛍光分析用アッセイキット。
天然型のGBPをコードする遺伝子を含むDNA断片は、GBP生産菌から得ることができる。該GBP生産菌としては具体的にはEscherichia coli(大腸菌)が適している。
大腸菌由来の天然のGBPをコードする遺伝子の配列は配列番号2で規定される。この配列には同蛋白質が細胞内でmRNAから翻訳されるときの蛋白質の配列をコードしているものであり、細胞内膜を通るときに切除されるN末端領域のシグナル配列(MNKKVLTLSA VMASMLFGAA AHA(配列番号9))をコードする領域を含む。本発明の改変型GBPをコードする遺伝子は、天然のGBPをコードする遺伝子において、置換すべきアミノ酸残基をコードする塩基配列を、所望のアミノ酸残基をコードする塩基配列に置換することにより構築することができる。このような部位特異的塩基配列置換のための種々の方法が、当該技術分野において知られており、例えば、Sambrookら,”Molecular Cloning; A Laboratory Manual”,第2版, 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yorkに記載されている。
改良型GBPは、定法に構築することができ、変異箇所に対応する合成オリゴヌクレオチドを用いて単離されているGBP構造遺伝子、あるいはpGEにクローニングされた該構造遺伝子、あるいはpETベクターなどの発現ベクターに挿入された該構造遺伝子に対して部位特異的に変異を導入することができる。改良型GBPとして天然型GBPの第14番目のアスパラギン酸(Asp14)をアスパラギン(Asp14Asn)あるいはグルタミン酸(Asp14Glu)に置換する。
このように構築された改良型GBPのうち、Asp14AsnおよびAsn14Gluの二種の改良型GBPを精製し、グルコースおよびガラクトース結合に基づく自家蛍光の変化を測定した。これらの改良型GBPは、野生型GBPと同様の方法で精製できる。蛍光スペクトル変化を観察したところ、天然型GBPはグルコースとガラクトース両方に対してほぼ同等の結合を示した。いずれの糖に対しても濃度依存的に蛍光強度が変化することからGBPを用いてグルコースの計測が行えることが明らかであったが、しかし、その選択性は低いものであった。これに対して、Asp14AsnおよびAsp14Gluの両改良型GBPはグルコースとの結合により天然型GBPと同様に蛍光強度の増加がみられた。しかし、おどろくべきことに、ガラクトース存在下ではAsp14AsnおよびAsp14Gluの両改良型GBPは蛍光強度の変化が観察されず、ガラクトースとはほとんど結合しないことがわかった。
PyMPOマレイミド、ダンシルアジリデン、ダポキシル(登録商標)、 IAANS :2-(4'-(ヨードアセトアミド)アニリノ)ナフタレン−6− サルフォニック酸ナトリウム塩などがあげられる。
<天然型グルコース結合蛋白質(GBP)のクローニング>
大腸菌、Escherichia coli DH5α株をL完全培地で培養後、GenomicPrep Cell and Tissue DNA Isolation kit (Amercham)を用いて同株のゲノム抽出を行った。これに対して大腸菌の天然型GBP構造遺伝子をコードするmglb遺伝子のクローニングを行った。
94℃ 1分、60℃ 30秒、72℃ 30秒(以上を1サイクル)、
98℃ 30秒、60℃ 30秒、72℃ 7分、72℃ 8分(以上を25サイクル)。
プライマーの配列
配列番号3 (プライマー1)
forward; 5'- gagatcatatgaataagaaggtgttaaccc - 3'
配列番号4 (プライマー2)
reverse; 5'- cccaaaagcttttttttcttgctgaattc -3'
<天然型GBPの調製>
GBPのC末端にHis Tagを付加した発現用ベクターpET-GBPの構築を行った。
<天然型GBPのグルコース結合能力の検討>
実施例2で得られた精製GBPを用いて、蛍光分光光度計による自家蛍光特性検討を行った。1μM GBPにグルコースあるいはガラクトースを加え25℃で2.5分間インキュベート後、蛍光波長及びGBP配列中に有するトリプトファン残基の自家蛍光に由来する最大蛍光強度の変化を測定した(λex=295 nm)。
実施例2で得られた天然型GBP用いて、蛍光分光光度計によるグルコースの蛍光測定を行った。GBPを含む溶液にグルコースあるいはガラクトースを加え25℃で2.5分間インキュベート後、335nmにおける最大蛍光強度の変化を測定した(λex=295 nm)。
<改良型GBPの構築>
グルコース結合蛋白質の14番目AspをAsnあるいはGlu残基に置換した改良型GBPを構築した。
Asp14Asn gat→aac
プライマーの配列
配列番号5 (プライマー3)
forward; 5'- caatctataagtacgac aac aactttatgtctgtag -3'
配列番号6 (プライマー4)
reverse; 5'- ctacagacataaagtt gtt gtcgtacttatagattg -3'
Asp14Glu gat→gaa
プライマー配列
配列番号7 (プライマー5)
forward; 5'- caatctataagtacgac gaa aactttatgtctgtag -3'
プライマー配列
配列番号8 (プライマー6)
reverse; 5'- ctacagacataaagtt ttc gtcgtacttatagattg -3'
<改良型GBPの調製>
改良型GBPはすでにC末端にHis Tagを付加した発現用ベクターpETに挿入されていることから天然型GBPと同様に精製を行った。
<改良型GBPのグルコース結合能力の検討>
実施例5で得られた改良型GBP用いて、蛍光分光光度計による自家蛍光特性検討を行った。1μM 改良型GBPにグルコースあるいはガラクトースを加え25℃で2.5分間インキュベート後、蛍光波長及びGBP配列中に有するトリプトファン残基の自家蛍光に由来する最大蛍光強度の変化を測定した(λex=295 nm)。
<改良型GBPを用いるグルコース類の蛍光分析>
実施例5で得られたAsp14AsnおよびAsp14Gluの両改良型GBP用いて、蛍光分光光度計によるグルコースの蛍光測定を行った。Asp14AsnおよびAsp14Gluの両改良型GBPGBPを含む溶液にグルコースあるいはガラクトースを加え25℃で2.5分間インキュベート後、335nmにおける最大蛍光強度の変化を測定した(λex=295 nm)。
Claims (8)
- 配列番号1で表されるアミノ酸配列の14番目のアスパラギン酸がアスパラギンまたはグルタミン酸で置換されているアミノ酸配列からなる改変型グルコース結合蛋白質。
- 請求項1に記載の改変型グルコース結合蛋白質をコードする遺伝子。
- 請求項2記載のグルコース結合蛋白質をコードする遺伝子を含有する組み換えベクター。
- 請求項3に記載の組み換えベクターで形質転換した形質転換体または形質導入体。
- 請求項4記載の形質転換体を培養して、該培養物からグルコース結合蛋白質を採取することを特徴とするグルコース結合蛋白質の製造方法。
- 請求項5記載の方法で製造されたグルコース結合蛋白質。
- 請求項6に記載のグルコース結合蛋白質がグルコースと結合したときに生ずる蛍光強度の変化を測定することを特徴とするグルコース濃度の分光学的分析方法。
- 請求項6に記載のグルコース結合蛋白質を含むことを特徴とするグルコース濃度の分光学的分析用アッセイキット。
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JP2005363083A JP4843781B2 (ja) | 2005-12-16 | 2005-12-16 | グルコース結合蛋白質 |
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- 2005-12-16 JP JP2005363083A patent/JP4843781B2/ja active Active
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