JP2006525508A - タンパク質バイオセンサ用の多重コートまたは多層取り込みマトリックス - Google Patents

タンパク質バイオセンサ用の多重コートまたは多層取り込みマトリックス Download PDF

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Abstract

問題となっている分析物、特に糖に特異的な、任意選択でレポーター基と結合されている、結合タンパク質を、埋め込み、封入し、または取り込むことが可能な多重コートまたは多層マトリックス、ならびにそのようなマトリックスを作製および使用する方法。

Description

本発明は、問題となっている分析物に特異的な結合タンパク質を取り込むことができる、多重コートまたは多層マトリックス、およびそのようなマトリックスを作製し使用する方法を指向する。
様々な疾病および疾患の、診断および治療を改善するために、生理学的に関連ある化合物の生体内濃度をモニタすることは、望ましい目標であり、多くの個体の寿命が延びると考えられる。この分野における進歩は、糖尿病患者の適切な代謝制御を促進させるという分野で特に有望である。現在、ほとんどの糖尿病患者は、血糖値をモニタするのに「フィンガースティック」法を使用し、頻繁な(1日に数回)穿刺によって引き起こされる痛みが原因で、患者の服薬遵守が問題になっている。その結果、血糖またはその他のグルコース含有生物流体を頻繁に、および/または連続してモニタするための、非侵襲性または低侵襲性の生体内、より効率的には生体外の方法を開発する努力がなされている。
生理学的に関連ある化合物の生体内濃度をモニタするための、最も有望な方法のいくつかでは、バイオセンサの使用を包含する。バイオセンサは、変換(検出)要素と組み合わせた生物認識要素を使用して、特定の定量的なまたは半定量的な分析情報を提供することができる装置である。
タンパク質を使用した、試薬を含まない内蔵型の、および/または移植可能なおよび/または連続バイオセンサを開発するには、変換要素を検出装置と連絡させて、この変換要素に、またこの変換要素から、シグナルを発信させなければならない。典型的な方法は、固定化戦略を使用して、光ファイバまたは平面導波路の内部または表面にタンパク質を配置することを含む。そのような固定化戦略には、半透膜、有機ポリマーマトリックス、または無機ポリマーマトリックスの内部にタンパク質を取り込むことが含まれるが、これらに限定するものではない。使用される固定化戦略は、最終的に、作動するバイオセンサの性能を決定することができる。従来技術は、生体分子の固定化に関連した非常に数多くの問題について詳述している。例えば、多くのタンパク質は、不可逆的な構造変化、変性、および生化学的活性の損失を受ける。固定化したタンパク質は、任意の特定の表面で、多数の可能性ある向きで存在することができ、例えばいくつかのタンパク質は、その活性部位が露出するように配向し、その他のタンパク質は、それらの活性部位が露出しないように配向する(したがって、分析物との選択的結合反応を受けない)。固定化したタンパク質では、時間に依存した変性、固定化中の変性、および固定化の後の、取り込まれたタンパク質の浸出も生ずる。この結果、例えば、感知装置の較正を維持できないこと、およびシグナルドリフトを含めた問題が生ずる。外部からの色素またはレポーター基で修飾したタンパク質の固定化は、固定化法がレポーター基の機能を妨げてはならないので、さらなる問題を提示する。一般に、結合タンパク質は、効果的に使用することができるように、配向制御および構造の自由を必要とし、したがって文献に教示されている、多くの物理吸収と、ランダムもしくはバルク共有表面結合または固定化戦略は、一般に最適ではなく、または成功もしていない。
低温ゾル−ゲル処理法によって形成された単純な無機ケイ素マトリックスに、タンパク質およびその他の生体系を封入する、いくつかの報告がなされている(例えば、非特許文献1および2参照。)。機能的であるためには、取り込まれ、または固定化された結合タンパク質が、少なくとも若干の分析物誘導性構造変化を受けることができる状態になければならない。ゾル−ゲルが取り込まれたタンパク質は、劇的に変化した結合定数、または比較的短い時間で変化しもしくは様々な環境条件下で変化する結合定数を示すことができることが、報告されている(Brennan,1999)。さらに、ゾル−ゲルマトリックス内に取り込まれたタンパク質の活性は、時間依存性であることが報告されており、すなわちこの特徴によれば、生体外ならびに生体内での使用を目的としたバイオセンサに対するゾル−ゲルの一般的な適用可能性が、制限されることになる。ナノ多孔性TiO被膜も、結合タンパク質を取り込むのに使用されてきたが、ケイ素由来のゾル−ゲルと同じ問題の多くが生じていた(例えば、非特許文献3参照)。
米国特許第5517313号明細書 米国特許第5910661号明細書 米国特許第5894351号明細書 米国特許第5342789号明細書 PCT特許出願PCT/US03/00200号明細書 PCT特許出願PCT/US03/00201号明細書 PCT特許出願PCT/US03/00203号明細書 Brennan,J.D. Journal of Fluorescence 1999,9(4),295-312 Flora他、Analytical Chemistry 1998,70(21),4505-4513 Topoglidis他、Analytical Chemistry 1998,70,5111-5113 Beach他、IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement 1999,48(6) 1239-1245 「Biosensors Fundamentals and Applications」、A.D.F.Turner、I.Karube、およびG.S.Wilson編;Oxford University Press出版、1988 Quinn他、Biomaterials 1995,16(5),389-396 Quinn他、Biomaterials 1997,18(24),1665-1670 GillおよびBallesteros、Journal of the American Chemical Society 1998,120(34),8587-8598 Vyas他、Science 1988,242,1290-1295 Mowbray他、Receptor 1990,1,41-54 http://www.rcsb.org/pdb/ www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/ Turcatti他、J Bio.Chem.1996,271(33),19991-19998 Greg T.Hermanson, Bioconjugate Techniques, Academic Press,1996,San Diego,pp.4-16 Gruber他、Bioconjugate Chem.2000,11,161-166 Gaertner&Offord 1996 Alouani他、1995 GeogheganおよびStroh、1992 Hoffman、1996 Hermanson、1996 Cass他、Anal.Chem.1994,66,3840-3847 Journal of the American Chemical Society 1998,120(34),8587-8598 Shoemaker他(1987)
したがって、当技術分野では、シグナル送受信要素を接続するために、特定の分析物に特異的な結合タンパク質を埋め込むことができ、取り込むことができ、または封入することのできる、改善された分析物透過性マトリックスを設計することが求められている。
本発明は、分析物濃度の実時間測定を、例えばレポーター基の蛍光を測定することによって行うことができるように、問題となっている分析物に特異的な結合タンパク質を、任意選択でレポーター基と共に埋め込むことができ、取り込むことができ、または封入することのできる、多重コートまたは多層マトリックスを提供する。多重コートまたは多層マトリックスは、好ましくは3種のコーティングまたは層を含み、すなわち(i)結合タンパク質を物理的にまたは共有結合的に埋め込むことができ、取り込むことができ、または封入することのできるコアと、(ii)このコアを取り囲んでその一体性を確実にする、閉じ込め層またはコーティングと、(iii)問題となっている分析物に対してマトリックスの選択性をもたらす外層とを含む。また本発明は、マトリックスを生体適合性にするのに使用することのできる、任意選択の第4の層またはコーティングも提供する。いくつかの層またはコーティング組成物は、これらの性質の1つまたは複数を組み合わせることができ、例えば、1つの層が生体適合性と選択性の両方を提供することができ、または封じ込めと選択性の両方の性質を提供することができ、それによって、所望の性質を有する唯一固有の層の必要性がなくなる。
コアは、アルギネートもしくはキトサン、またはその他の適切なポリマーなど、埋込み、封入、または取込み化合物を含んだ組成物を含む。封じ込めコーティングまたは層は、ポリリジン、低分子量および高分子量のポリビニルアルコール(PVA)、N−メチル−4(4’−ホルミルスチリル)ピリジニウムメトスルフェートアセタール(SbQ−PVA)、Nafion(登録商標)、またはポリウレタンなどの組成物を含む。外層またはコーティングは、SbQ−PVA、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)、PVA、アルギネート、ポリウレタン、または無機質ゾル−ゲルもしくは有機的に修飾した無機質ゾル−ゲルなど、問題となっている分析物に対して透過性のあるポリマーコーティングを含む。
本発明は、生体内または生体外で、問題となっている分析物の濃度を測定するのに適したバイオセンサも提供する。本発明のバイオセンサは、問題となっている分析物に特異的な少なくとも1種の結合タンパク質と、任意選択で、そこに関連付けられまたはそこに結合された、問題となっている分析物の濃度を決定することが可能な少なくとも1個のレポーター基とを有する、多層または多重コートマトリックスを含む。1つの好ましい実施形態で、測定される分析物は、グルコースおよび/または関係する糖である。
本発明はさらに、問題となっている分析物に対して透過性あるマトリックスに埋め込まれ、取り込まれ、または封入された、変異したグルコース/ガラクトース結合タンパク質と、任意選択で、結合タンパク質に結合された少なくとも1個のレポーター基とを含み、生体内で使用するのに適切な、グルコース濃度を測定するための装置であって、変異したグルコース/ガラクトース結合タンパク質が様々なグルコース濃度に曝されたときに、レポーター基が、検出可能で可逆的シグナルを提供するようになされている装置を提供する。
さらに本発明は、i)結合タンパク質、および、任意選択でそこに結合されていてもよい少なくとも1個のレポーター基を含有する多重コートまたは多層マトリックスを、生体内または生体外で溶液と接触させるステップと、ii)このマトリックスを、シグナルを生成することが可能なエネルギー源に曝すステップと、iii)結合タンパク質、またはそこに関連付けられたレポーター基によって発せられたシグナルを測定するステップとを含む、問題となっている分析物の濃度を測定する方法を提供する。シグナルの強度は、溶液中に存在する分析物の量に、直接相関している。好ましくは、問題となっている分析物が、グルコースまたは関係する糖であり、結合タンパク質は、変異したグルコース/ガラクトース結合タンパク質である。
別の態様で、本発明は、(a)コアを形成するステップと、(b)このコアを被覆しまたは層状化するのに十分な時間、このコアを第1のコーティング溶液に接触させるステップと、(c)コアを分離し、コアの表面の第1のコーティングをし乾燥して、閉じ込め層またはコーティングを形成するステップと、(d)閉じ込め層またはコーティングを、第2のコーティング溶液と接触させて、多重コート3次元構造を形成するステップと、(e)多重コート3次元構造を分離し、多重コート3次元構造表面の第2のコーティングを乾燥して、多重コートまたは多層マトリックスを得るステップとを含む、多重コートまたは多層マトリックスの作製方法を提供する。問題となっている分析物に特異的な結合タンパク質は、コアに埋め込まれ、取り込まれ、または封入されることが好ましい。結合タンパク質は、任意で、マトリックスのコアに対して共有結合させてもよい。
本発明の以下の詳細な記述は、全ての実施形態を例示するものではない。本発明の好ましい実施形態について述べる際、明確にするために特定の用語を用いる。しかしながら、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定しようとするものではない。特定の要素のそれぞれは、類似する目的を達成するために類似する手法で動作する、全ての技術的均等物を含むことが理解されよう。
本発明は、分析物濃度の実時間測定を行うことができるように、問題となっている分析物に特異的な結合タンパク質を、任意選択でレポーター基と共に、埋め込むことができ、取り込むことができ、または封入することのできる、多重コートまたは多層化されたマトリックスを提供する。
本明細書で使用する「マトリックス」は、1種または複数の分析物濃度に対応した検出可能なシグナルを測定することを目的に、少なくとも1種の結合タンパク質を、埋め込むことによって、取り込むことによって、または封入することによって固定化することが可能な、本質的に3次元の環境を指す。マトリックスの構成成分と結合タンパク質との間の関係には、共有、イオン、およびファンデルワールス相互作用、ならびにこれらの組合せが含まれるが、これらに限定するものではない。マトリックスは、患者または医療提供者に対して、一時的、連続的、またはプログラム化された読取りが可能になるように、例えば患者の組織内に装入されるファイバまたはその他の小さい低侵襲的プローブの遠位端に組み込むことのできる、結合タンパク質変換要素立体配置を提供する。変換要素から患者または医療提供者への情報は、教示されるように(例えば、特許文献1,2、3、および4、ならびに非特許文献4参照。)、例えば遠隔測定、視覚、聴覚、または当技術分野で知られているその他の手段によって、提供することができる。情報には、適切な場合、分析物濃度または濃度の変化を得るのに適切な、電気的、機械的、および化学的放射線が含まれる。
数多くのヒドロゲルが、マトリックス層の1つまたは複数に関し、本発明で使用することができる。ヒドロゲルは、例えば、アガロース、デキストラン、カラゲナン、アルギン酸、デンプン、セルロースなどの多糖類、またはこれらの誘導体であって、例えばカルボキシメチル誘導体などであり、または水膨潤性有機ポリマーであって、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、スチレンと無水マレイン酸のコポリマー、ポリウレタン、ビニルエーテルと無水マレイン酸のコポリマー、およびこれらの誘導体でよい。共有結合的に架橋した網状構造をもたらす誘導体が、好ましい。ポリペプチドを含むヒドロゲルの合成と、生物医学的なおよび医薬品としての利用が、当技術分野で知られている(例えば、非特許文献5参照。)。陽イオンスチバゾリウムヘミシアニンの分類に属する、水溶性の紫外線(UV)架橋型ポリマーから得られた例示的なヒドロゲルマトリックスは、ポリ(ビニルアルコール)、PolyScience Warrington,PAから入手可能なN−メチル−4(4’−ホルミルスチリル)ピリジニウムメトスルフェートアセタール(CAS登録番号[107845−59−0])を含む。チオール反応性ヒドロゲルポリマーは、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはポリアクリル酸など、遊離カルボン酸基を持つ材料から容易に得ることができる。チオール反応性基を持つその他のポリマー、例えば、市販されている(Shearwater Corp.,Huntsville,アラバマ州)チオール反応性マレイミド基を持つ高分子量ポリエチレングリコール(PEG)を、使用してもよい。
ヒドロゲルのポリマー部分は、タンパク質またはレポーター基との水素結合または共有結合に適切な、1個または複数の官能基(例えば、ヒドロキシル基、アミノ基、エーテル結合、カルボン酸およびエステルなど)を含有することができる。
封入プロセスの一実施形態では、水中の1種または複数のヒドロゲルを、タンパク質に応じてpHが約4〜約10の範囲内にある緩衝水溶液中で変異した結合タンパク質に、添加する。その後、マトリックスを硬化することによって、例えば架橋することによって、物理的形態が得られる。この技法および従来の製作プロセスを使用して(例えばブロック鋳造、逆乳化重合、スクリーン印刷または密着焼付け、流動床コーティング、および浸漬またはスピンコーティング)、生体外および生体内での使用に適切な、様々な構成のマトリックス(例えばビーズ、顆粒、ナノ粒子、ミクロ粒子、モノリス、厚膜、および薄膜)を得ることができる。
図1は、本発明のマトリックスを示す。コア1、閉じ込め層2、および外層3を含む多重コート粒子10が、示されている。コアは、問題となっている分析物に特異的な結合タンパク質の、閉込め、埋込み、または封入を可能にする。一般に、マトリックスのコアは、例えばアルギネートまたはヒアルロネートなどのヒドロゲルのような、任意の適切な天然のまたは合成のポリマーからなる。好ましい実施形態で、コア1はアルギネートである。特に好ましい実施形態で、結合タンパク質は、任意選択で、問題となっている分析物との結合によってシグナルが生成されるよう選択された少なくとも1個のレポーター基と共に、コア内部に共有結合的に取り込まれ、埋め込まれ、または封入される。
埋め込まれ、封入され、または取り込まれた材料は、マトリックスのコアを形成するのに使用される。封入コアは、ヒドロゲル、特にアルギネートおよびヒアルロネート、または別の水溶性かつ架橋可能なポリマーが好ましく、これには酢酸セルロース、ペクチン、キトサン、およびセルロース由来のポリマー、すなわちセルロースエーテルなどが含まれるが、これらに限定するものではない。一実施形態で、コアは、結合タンパク質の共有結合に適した化合物からなる。コアがアルギネートを含む場合、架橋はカルシウムイオンとともにすることができるが、バリウム、ストロンチウム、およびマグネシウムを使用してもよい。結合タンパク質がコアに共有結合していない場合、コアは、結合タンパク質を物理的に埋め込み、取り込み、または封入するよう十分に架橋可能であるべきである。タンパク質が放出されないように、材料の十分な架橋レベルを決定することは、日常的な実験による当業者の範囲内である。
タンパク質とマトリックスとの共有結合の場合、まずタンパク質をマトリックスに共有結合し、その後、架橋することが望ましい。しかしながら、タンパク質の共有結合より前に行われ、またはタンパク質の共有結合と組み合わせて同時に行われる、マトリックスの架橋または部分架橋は、本発明の範囲内である。
多重コートまたは多層マトリックスの閉じ込め層2は、コアおよび/またはその内容物を含有するのに役立ち、その一体性は、例えば望ましくない反応(例えば溶解または分解)をもたらす可能性のある、外層または外部溶液の成分との接触および/または相互作用を防ぐことによって、保たれる。閉じ込め層2は、分子量または電荷に基づく分子による浸入を防ぐため、選択的障壁特性をもたらすこともできる。閉じ込め層2は、例えば、ポリ−L−リジン、ポリ−D−リジン、ポリ−L−オルニチン、低および高分子量ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ(ビニルアルコール)などの陽イオンスチバゾリウムヘミシアニン修飾ポリビニルアルコール、N−メチル−4(4’−ホルミルスチリル)ピリジニウムメトスルフェートアセタール(SbQ−PVA)、およびNafion(登録商標)(テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ−[2−(フルオロスルホニルエトキシ)プロピルビニルエーテル]コポリマー)などの過フッ化イオン交換コポリマーを含んでいてもよい。ポリ−L−リジンが特に適切である。
多重コートまたは多層マトリックスの外層3は、問題となっている分析物を、マトリックスに選択的に浸透させ、かつコア内の結合タンパク質と接触させまたは相互作用させるようにし、それと同時に、取り込まれまたは封入されたタンパク質が、マトリックス内部から浸出しないようにするのに役立つ。多重コートまたは多層マトリックスの外層3は、生体適合性材料から調製すること、または身体に対する副作用を最小限にすることが可能な材料を組み込むことが好ましい。移植片からの副作用には、とりわけ、炎症、タンパク質の汚れ、組織壊死、免疫応答、および有毒材料の浸出が含まれる。そのような材料または治療は、例えばQuinn他により教示されているように(例えば、非特許文献6および7参照。)周知であり、当技術分野で実施されている。外層3は、例えば、架橋性ポリマーまたはポリマー前駆体、例えばポリ(ビニルアルコール)、N−メチル−4(4’−ホルミルスチリル)ピリジニウムメトスルフェートアセタール(SbQ−PVA)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)などと、アルギネート、または有機または無機試薬で修飾した無機ゾル−ゲルを含むことができる。1つの特に好ましい実施形態で、外層3は、有機または無機試薬で修飾したケイ素またはチタンの無機ゾル−ゲルからなる。
本発明で有用なゾル−ゲルには、従来の周知のゾル−ゲル法によって調製された材料が含まれ、また、無機材料、有機材料、または混合有機/無機材料が含まれる。ゾル−ゲルの生成に使用される材料には、アルミネート、アルミノシリケート、およびチタネートを含めることができるが、これに限定するものではない。これらの材料を、有機的に修飾したシリケート(ormosils)および官能化シロキサンで強化して、親水性および疎水性、イオン電荷、タンパク質の共有結合などをもたらしかつ操作するための道筋を提供することができる。本明細書で使用するように、「加水分解的に縮合可能なシロキサン」という用語は、合計4個の置換基を有するゾル−ゲル前駆体を指し、少なくとも1個、好ましくは2個、最も好ましくは3個または4個の置換基が、酸素を介してシリコーンに共有結合しているアルコキシ置換基、およびこれらの混合物であるものである。3個、2個、および1個のアルコキシ置換基前駆体である場合、残りの置換基の少なくとも1個は、好ましくは炭素を介してシリコーンに共有結合しており、残りの置換基は、アルキル、アリール、アミン、アミド、チオール、シアノ、カルボキシル、エステル、オレフィン、エポキシ、シリル、ニトロ、およびハロゲンから選択された有機官能基を含有している。
修飾したゾル−ゲルは、少なくとも部分的に硬化した(またはゲル化した)製剤を含み、この製剤は、ゾル−ゲル前駆体材料の他に、好ましくは1種または複数の有機成分を含有する透過性金属酸化物ガラス構造からなるが、この有機成分は、ゾル−ゲル前駆体と共に加水分解的に縮合して、得られるゾル−ゲルマトリックスが例えば移植に適した性質をもたらすようになるものである。適切な性質には、経時的な体積収縮が低いこと、亀裂およびその他の物理的欠陥に対する抵抗性、タンパク質機能の維持、ならびにタンパク質および/またはレポーター基との適合性、ならびに移植することのできる動物または被験体に対する適合性が含まれる。適切な有機物質には、教示されるように(例えば、非特許文献8参照。)、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリオールが含まれる。タンパク質−レポーター対の性能特性、および封入マトリックスの機能性能特性の最適化は、例えば、当技術分野で知られている組合せ方法またはその他の統計に基づく設計方法によって、実現することができる。
様々なポリマーは、閉じ込め層2(一般に、第2の層)および外層3(一般に、第3の層)に対して障壁を提供することができる。第3の層は浸出障壁を提供することができる一方、この障壁または第4の層は、生体適合性を提供することもできる。例えば意図される用途が生体内移植である場合には、追加の外層またはコーティングを、多重コートまたは多層マトリックスに付加して、生体適合性を改善することができる。任意選択の第4の層またはコーティングに使用することのできる、様々なポリマーの例のいくつかは、Nafion(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)、およびアルギネートである。
いくつかの場合には、本発明の多重コートまたは多層マトリックスは、わずかに2つの層またはコーティングを有することができ、すなわち単一の組成物が、閉じ込め層2と外層3の両方の役割を果たすことができ、または、閉じ込め層が、コア1の性質により不要になる可能性がある。コアが混合組成である場合、例えば相互浸透網状構造では、様々な材料からなる2〜3層で十分と考えられる。
問題となっている1種または複数の分析物に関する、1種または複数の結合タンパク質は、任意選択で、この分析物との結合または相互作用によって検出可能なシグナルを提供するレポーター基と共に、コア1に組み込むことができる。例えば一実施形態で、変異したグルコース/ガラクトース結合タンパク質(GGBP)は、検出可能なレポーター基を含むが、このレポーター基の検出可能な特性が、グルコース結合によって生ずるタンパク質高次構造の変化によって変わるものである。好ましい実施形態で、レポーター基は、グルコースに対して親和性を有する変異GGBPをもたらすルミネセンス標識であり、これはグルコース結合によって、ルミネセンス特性に検出可能なシフトを引き起こすものである。検出可能な特性の変化は、変異GGBPに結合した標識の環境変化に起因すると考えられる。
「結合タンパク質」という用語は、分析物が存在しない状態でのシグナル、または経時的に濃度が変化する分析物が存在する状態でのシグナルと区別することが可能な、検出可能なおよび/または可逆的なシグナルを変換しまたは提供することが可能な手法で、または濃度依存的な手法で、本明細書に記載される方法を用いて、特定の分析物と相互作用するタンパク質を指す。変換事象には、1回または再使用可能な利用も含めた、連続的な手段、プログラムされた手段、または一時的な手段が含まれる。可逆的シグナル変換は、分析物の存在または濃度との相関が確立されるという条件で、瞬間的な、または時間依存的なものでよい。変換が行われるように変異した結合タンパク質が、好ましい。
結合タンパク質は、問題となっている分析物に特異的な任意のタンパク質であって、この分析物が可逆的に結合しまたは関連付けられるようになる任意のタンパク質(グルコース、ガラクトース、マルトース、遊離脂肪酸結合タンパク質などを含む)とすることができ、さらに、そのような結合が競合リガンドの無い状態で生ずるときに、直接的にまたはレポーター基を介してシグナルを提供するように誘導することのできる任意のタンパク質とすることができる。当業者は、糖およびその他の問題となっている分析物に対する非常に数多くの結合タンパク質を知っている。
本発明での使用に特に好ましいものは、グルコース、ガラクトース、およびマルトース結合タンパク質などの、糖結合タンパク質である。本明細書で使用する「ガラクトース/グルコース結合タンパク質」または「GGBP」または「マルトース結合タンパク質」または「MBP」という用語は、細菌の細胞周辺区画に自然に見出されるタンパク質のタイプを指す。これらのタンパク質は、細胞質に向かう小分子(例えば糖、アミノ酸、および小ペプチド)の走化性および輸送に、自然に関与する。例えばGGBPは、3本のストランドにより接続されて蝶番を形成する2つの球状α/βドメインからなる、単鎖タンパク質である。結合部位は、2つのドメインの間隙に位置付けられる。グルコースが結合部位に入るとき、GGBPは、蝶番を中心に構造変化を受け、そのため2つのドメインが一緒になって、結合部位にグルコースを取り込む。X線結晶構造は、大腸菌(E.coli)(例えば、非特許文献9参照。)および鼠チフス菌(S.Typhimurium)(例えば、非特許文献10参照。)からのGGBPの閉じた形態について決定されており、それぞれ2GBPおよび3GBPとしてProtein Data Bank(例えば、非特許文献11参照。)から入手可能である。野生型大腸菌GGBPのDNAおよびアミノ酸配列は、受入番号D90885(ゲノムクローン)および受入番号230520(アミノ酸配列)に見出すことができる(例えば、非特許文献12参照。)。好ましいGGBPは、大腸菌からのものである。
結合タンパク質は、問題となっている分析物に特異的に結合する、任意の天然に生ずるタンパク質、改変タンパク質、または変異タンパク質とすることができる。本明細書で使用する「変異結合タンパク質」(例えば「変異GGBP」)は、天然に生ずるタンパク質中に存在するアミノ酸と置換され、またはそのアミノ酸から欠失し、またはそのアミノ酸に付加されたアミノ酸を含有する、細菌からの結合タンパク質を指す。そのような置換、欠失、または挿入は、1次タンパク質配列内の5個よりも少ないアミノ酸残基に関与することが好ましい。これらの変化の他に、変異結合タンパク質は、精製中に使用するために、タンパク質末端に付加されたポリヒスチジン配列などの融合パートナーと組み合わせてもよい。結合タンパク質の例示的な変異には、電気化学的なまたは光応答性のレポーター基を共有結合させるため、天然に生じないアミノ酸であるシステイン基の付加または置換と(例えば、非特許文献13参照。)、実質的に非反応性のアミノ酸の、反応性アミノ酸との置換が含まれる。「反応性」アミノ酸とは、チオール反応性色素によるシステインの標識に類似した、標識剤で修飾されるアミノ酸を意味する。非反応性アミノ酸には、タンパク質に組み込まれた後は容易に修飾することのできない側鎖を有するアラニン、ロイシン、フェニルアラニンなどが含まれる(例えば、アミノ酸側鎖反応性の分類に関する非参考文献14参照)。例えば、記載されている(例えば、特許文献5、6、および7参照。)変異グルコース/ガラクトース結合タンパク質およびレポーター基を、アルギネートコアに封入しまたは取り込むことができる。前述のPCT出願に記載される、システイン残基を含有するよう変異したガラクトース/グルコース結合タンパク質(GGBP)が、特に好ましい。
GGBPタンパク質の例示的な変異には、位置11でのリジンからシステインへの置換(K11C);位置14でのアスパラギン酸からシステインへの置換(D14C);位置19でのバリンからシステインへの置換(V19C);位置43でのアスパラギンからシステインへの置換(N43C);位置74でのグリシンからシステインへの置換(G74C);位置107でのチロシンからシステインへの置換(Y107C);位置110でのトレオニンからシステインへの置換(T110C);位置112でのセリンからシステインへの置換(S112C);位置112でのセリンからシステインへの置換と、位置238でのロイシンからセリンへの置換を含む、2重変異体(S112C/L238S);位置113でのリジンからシステインへの置換(K113C);位置137でのリジンからシステインへの置換(K137C);位置149でのグルタミン酸からシステインへの置換(E149C);位置149でのグルタミン酸からシステインへの置換と、位置238でのロイシンからセリンへの置換を含む、2重変異体(E149/L238S);位置152でのヒスチジンからシステインへの置換と、位置182でのメチオニンからシステインへの置換を含む、2重変異体(H152C/M182C);位置149でのグルタミン酸からシステインへの置換と、位置213でのアラニンからシステインへの置換を含む、2重変異体(E149C/A213C);位置213でのアラニンからセリンへの置換と、位置152でのヒスチジンからシステインへの置換を含む、2重変異体(H152C/A213S);位置182でのメチオニンからシステインへの置換(M182C);位置213でのアラニンからシステインへの置換(A213C);位置213でのアラニンからシステインへの置換と、位置238でのロイシンからシステインへの置換を含む、2重変異体(A213C/L238C)、位置216でのメチオニンからシステインへの置換(M216C);位置236でのアスパラギン酸からシステインへの置換(D236C);位置238でのロイシンからシステインへの置換(L238C);位置287でのアスパラギン酸からシステインへの置換(D287C);位置292でのアルギニンからシステインへの置換(R292C);位置296でのバリンからシステインへの置換(V296C);位置149でのグルタミン酸からシステインへの置換と、位置213でのアラニンからセリンへの置換と、位置238でのロイシンからセリンへの置換を含む、3重変異体(E149C/A213S/L238S);位置149でのグルタミン酸からシステインへの置換と、位置213でのアラニンからアルギニンへの置換と、位置238でのロイシンからセリンへの置換を含む、3重変異体(E149C/A213R/L238S);位置149でのグルタミン酸からシステインへの置換と、位置213でのアラニンからシステインへの置換と、位置238でのロイシンからシステインへの置換を含む、3重変異体(E149C/A213C/L238C);位置1でのセリン、位置149でのシステイン、位置213でのアルギニン、および位置238でのセリンを含む、4重変異体(A1S/E149C/A213R/L238S);位置1でのセリン、位置149でのシステイン、位置213でのセリン、および位置238でのセリンを含む、4重変異体(A1S/E149C/A213S/L238S);ならびに位置149でのシステイン、位置182でのシステイン、位置213でのシステイン、および位置238でのセリンを含む、4重変異体(E149C/M182C/A213C/L238S)が含まれる。追加の例を、以下の表2に列挙する。アミノ酸残基の数は、以下に詳述するような309残基を有する大腸菌の公開配列、または代替供給源からの任意の実質的に相同な配列中の対応するアミノ酸残基(例えば、シクロバクターフロインディ(Citrobacter freundii)もしくは鼠チフス菌からのグルコース/カラクトース結合タンパク質、それぞれの配列受入番号はP23925およびP23905)を指す。
「コーティング」という用語は、本明細書では、1つもしくは複数の層またはコーティングが、均一にまたは不均一に分散し、分配され、物理的または非物理的に接続しまたは接触し、互いに対して空間的に配置され、隣接し、または一体的になることを意味する限りにおいて、「層」という用語と同義であるとして使用する。
本明細書で使用する「エネルギー源」という用語は、化学線を指す(すなわち、原子または分子に光化学的反応、遷移、または処理をもたらすことのできる電磁放射線)。そのようなエネルギー源は、ルミネセンスを生成しまたはもたらすことができる。ルミネセンスには、リン光、蛍光、およびバイオルミネセンスが含まれる。
本明細書で使用する「検出可能なシグナルを提供する」ことは、問題となっている分析物を検出することができ、またはそのような分析物に対応する濃度を検出することができるような手法で、レポーター基の特性の変化を認識できることを指す。
マトリックスのコア内に含まれるレポーター基は、問題となっている分析物が結合タンパク質に関連付けられまたは結合するようになるときに、検出可能なシグナルを提供することになる任意の基でよい。1つの好ましい実施形態で、レポーター基は蛍光体である。本明細書で使用する「蛍光体」は、エネルギーを吸収し、次いで光を放出する分子を指す。本発明においてレポーター基として有用な、蛍光体の非限定的な例には、フルオレセイン、クマリン、ローダミン、テトラメチルローダミン−5−ヨードアセトアニド(5−TMRIA)、Quantum Red(商標)、Texas Red(商標)、Cy(商標)−3、N−((2−ヨードアセトキシ)エチル)−N−メチル)アミノ−7−ニトロベンゾキスアジアゾール(IANBD)、6−アクリロイル−2−ジメチルアミノナフタレン(アクリロダン)、ピレン、Lucifer Yellow、Cy(商標)−5、Dapoxyl(登録商標)(2−ブロモアセトアミドエチル)スルホンアミド、(N−(4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラインエチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−2−イル)ヨードアセトアミド(Bodipy507/545IA)、N−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオニル)−N−ヨードアセチルエチレンジアミン(BODIPY(登録商標)530/550IA)、5−((((2−ヨードアセチル)アミノ)エチル)アミノ)ナフタレン−1−スルホン酸(1,5−IAEDANS)、カルボキシ−X−ローダミン、5/6−ヨードアセトアミド(XRIA5,6)、および緑色蛍光タンパク質などの蛍光タンパク質が含まれる。IANBDを使用することが好ましい。
蛍光体レポーター基の、多くの検出可能な固有特性をモニタして、分析物の結合を検出することができる。分析物結合による変化を示すことができるいくつかの特性には、蛍光寿命、蛍光強度、蛍光異方性または偏光、および蛍光発光のスペクトルシフトが含まれる。これら蛍光特性の変化は、タンパク質構造の変化から生ずるような、蛍光体環境の変化から引き起こすことができる。IANBDなど、環境に対して感受性のある色素は、この点に関して特に有用である。蛍光体特性のその他の変化は、分析物そのものとの相互作用から、または第2のレポーター基との相互作用から、例えば2つの蛍光体間の距離変化をモニタするのにFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を使用する場合に得ることができる。
蛍光標識の使用が好ましいが、その他のレポーター基を使用できることも考えられる。例えば、レポーター基の環境変化によってその酸化還元状態に変化が生ずる場合は、電気化学的なレポーター基を使用することができる。そのような変化は、例えば電極を使用することによって検出することができる。その他の例には、レポーターに対するリンカーとして、またはレポーター基そのものとして、非天然アミノ酸が含まれる。
レポーター基は、当技術分野で知られている任意の従来の手段によって、分析物結合タンパク質に結合させることができる。例えばレポーター基は、タンパク質のアミンまたはカルボキシル残基を介して結合することができる。システイン残基のチオール基を介した共有結合が、特に好ましい。当技術分野で知られている任意のチオール反応性基は、結合タンパク質のシステインに、蛍光体などのレポーター基を結合させるのに使用することができる。ヨードアセトアミド、ブロモアセトアミド、またはマレイミドは、この目的で使用することのできる周知のチオール反応性部分である。
分子センサを生体内で使用する場合、例えば移植可能なバイオセンサデバイスに組み込む場合は(皮膚は、600nm未満で不透明である)、長い励起および発光波長(例えば、約600nm以上の励起または発光波長)で動作する蛍光体が好ましい。現在のところ、このスペクトル領域で利用可能な、環境に対して感受性のあるプローブはほとんどなく、チオール反応性官能基に関してはおそらく存在しない。しかしながら、例えば教示されるように(例えば、非特許文献15参照。)、Cy−5のチオール反応性誘導体を調製することができる。例えば、変異したGGBP中に含有される様々なシステイン基に結合したこれらの蛍光体を含有する結合体を、スクリーニングし、それによって、グルコース結合時の蛍光における最大の変化を得る結合体を特定することができる。
本発明は、問題となっている分析物に特異的な結合タンパク質を、埋め込み、取り込み、または封入する方法を開示する。この方法は、結合タンパク質を修飾することを含み、この修飾においては、結合タンパク質の分析物結合特性およびシグナル生成特性を維持しながら、蛍光体などのレポーター基による定方向標識、および/または共有結合固定化が実現される。GGBPなど、結合タンパク質の共有結合固定化は、バイオセンサとして使用することができるように、タンパク質の構造特性に及ぼす影響が最小限に抑えられる必要がある。これらの構造特性は、GGBP結合タンパク質が、リガンド結合時に検出可能なシグナルを生成するのに必要である。
結合タンパク質がバイオセンサマトリックスと共有結合するための方法は、一般に、(a)結合タンパク質の特定のアミノ酸残基とマトリックス材料との間に、直接または適切なリンカー分子を介して共有結合が形成される、定方向共有結合法、または(b)結合タンパク質上にある、より大きい数の可能性がある反応性部位からの、1つまたは複数の共有結合が、直接または適切なリンカーを介してマトリックスと共に形成される、ランダム共有結合法、のいずれかであると言うことができる。
定方向共有結合法は、タンパク質の既存のアミノ酸を使用することができ、あるいは、部位特異的変異誘発などのタンパク質工学技法を介してタンパク質に導入された、これまで存在していないアミノ酸または誘導体を使用することができる。例えば、1つまたは複数のシステインをタンパク質配列に導入して、チオール反応性試薬に対して特異的な反応性を有する部位と、ヨードアセトアミジル、ヨードアセトキシル、またはマレイミジル官能基などの基を持つリンカー基を提供することができる。そのようなリンカー基は、色素分子またはマトリックスに関連付けることができ、あるいはそのような色素分子またはマトリックスの一部にすることができる。
タンパク質の2個以上のシステインの1つに対する化学的選択性または反応上の選択性は、1つのシステインが他よりも著しく利用しにくい場合に操作することができる。本明細書で使用するこの方法、すなわち「リガンドマスキング」は、タンパク質の少なくとも1つのシステインを、チオール反応性試薬からは実質的に利用しにくくなるようにし、同時にタンパク質はリガンドの存在下にあるものと定義される。システインは、まず適切なリガンドの存在下で、次いで適切なリガンドが存在しない状態で、順次修飾される。色素の結合と、共有結合固定化は、図5に示すどちらの順序でも行うことができる。
上述の手法の変形例は、タンパク質内に2つのシステインを導入することであり、それによって、少なくとも一方のシステインが、実質的にタンパク質の内部折畳み(interior folds)内にある疎水性環境もしくは領域に存在するように、および少なくとももう1つのシステインが、タンパク質の、より親水性の高い表面環境もしくは領域またはその付近に存在するようにすることである。例としてタンパク質は、まず親水性表面領域内のシステインと優先的に反応する親水性色素またはリンカー基を使用して、修飾する。その後の、疎水性色素またはリンカー基との反応によって、疎水性領域内の少なくとも1つの未反応のシステインに対して、選択的に共有結合を形成する。
別の実施形態では、タンパク質のN末端にあるアミンを、そのpKaと、リジン側鎖のεアミンのような別のアミンのpKaとの差に基づいて、選択的に修飾することができる。これは、修飾中にタンパク質環境のpHを制御することによって実現することができる。
別の実施形態において、例として、結合タンパク質のN末端での部位選択的修飾は、第1の位置でのセリンまたはトレオニンの1,2アミノアルコール基を過ヨウ素酸塩で選択的に酸化して、N末端にグリオキサール基を生成することにより実現することができるが、これは、ヒドラジド、ヒドラジン、またはアミノオキシ基含有リンカー基またはマトリックスと反応することのできるものである(例えば、非特許文献16、17、および18参照。)。特に有用な変異結合タンパク質には、GGBPのA1S誘導体が含まれるが、これに限定するものではない。
さらに別の実施形態では、マトリックスまたはリンカー基に対する結合タンパク質のランダム共有結合法で、類似した反応性を持つタンパク質アミノ酸の群のうち、1つまたは複数を用いることができる。例えばタンパク質リジンは、アルキル化を介して、またはN−ヒドロキシ−スクシンイミジルエステルなどの活性化アシル基とのアシル化反応によって、共有結合的に修飾することができる。グルコース/ガラクトース結合タンパク質(GGBP)は、例えば、その表面に、そのような活性化エステルとの反応に利用可能な多数のリジンを有する。
マトリックス上の結合タンパク質に適切な共有結合点には、多糖類のカルボキシレート基が含まれるが、これに限定するものではない。非限定的な例には、CMC(カルボキシメチルセルロース)、ヒアルロン酸のグルクロン酸反復単位、コラーゲン、またはアルギネートのマンヌロン酸およびグルロン酸単位上に見出されるカルボキシレート基が含まれる。これらの例示的なカルボキシレート基は、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)、またはEDCとN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)とを組み合わせたもの、またはEDCとN−ヒドロキシスルホ−スクシンイミド(スルホ−NHS)とを組み合わせたもので活性化することができる。多糖類マトリックスに対する結合タンパク質の別の共有結合法は、多糖類ビシナルジオール基の過ヨウ素酸塩酸化を介するものである。得られるアルデヒド基は、結合タンパク質上のアミン基と反応することができ、結果的にそのように形成されたイミンは、シアノ水素化ホウ素ナトリウムで還元して、タンパク質と多糖類マトリックスとの間に安定な第2級アミン結合を形成することができる。
これらの例は、限定を意図するものではない。共有結合するための、多くの別の方法は、マトリックスまたはリンカー基に対する結合タンパク質のランダム結合または特異的結合に対して使用することができる。タンパク質をマトリックスに結合させるための、その他の適切な一般的方法および戦略については、記述されている(例えば、非特許文献19および20参照。)。
本発明の一態様で、多重コートまたは多層マトリックスは、生体内で分析物を感知するために使用されるバイオセンサを含む。この態様で、バイオセンサは、マトリックスに封入され、取り込まれ、または埋め込まれ、次いでこれを、単独でまたは追加の構成要素と組み合わせて、移植可能な装置として使用することができる。マトリックスは、分析物に対して透過性があることを条件として、ビーズ、ディスク、シリンダ、パッチ、ナノ粒子、微小球、多孔質ポリマー、オープンセルフォーム(open cell foam)の1つまたは複数を含む任意の所望の形態または形状でよい。マトリックスはさらに、バイオセンサの浸出を防止する。マトリックスは、光源からの光、あるいは、レポーター基に対するまたはレポーター基からの、任意のその他の応答光を、バイオセンサに通すことが好ましい。生体内での適用例に使用する場合、バイオセンサは、実質的に生理的な領域の分析物に曝されることになり、分析物濃度の変化の決定または検出が望ましいが、この決定または検出には、連続的な、プログラム化された、および一時的検出手段が含まれる。したがって、本発明で考えられる生体内バイオセンサは、分析物透過性の取り込みマトリックスまたは封入マトリックス中に、少なくとも1種の結合タンパク質を含み、その結果、結合タンパク質が様々な分析物濃度に曝されたときに、この結合タンパク質は、検出可能で可逆的なシグナルを提供するようになり、検出可能で可逆的なシグナルは、分析物の濃度に相関させることができるようになる。移植可能なマトリックスまたは装置は、間質液、組織、またはその他の生体液と相互に作用するように、哺乳類の表皮−真皮接合部の皮膚内またはその皮膚よりも下に、移植することができる。移植物から患者または医療提供者への情報は、例えば前述のように、遠隔測定、視覚、聴覚、または当技術分野で知られているその他の手段によって得ることができる。
結合タンパク質の封入、埋め込み、または取り込みは、任意選択でレポーター基と共に、較正色素も含むことのできる適切な溶液中で合わせることができる。
以下の実施例は、本発明の、ある好ましい実施形態を示すが、全ての実施形態を説明することを意図したものではない。蛍光体レポータープローブで標識された変異結合タンパク質は、Cass他によって示され(例えば、非特許文献21参照。)または記述されるような手順に従って、本明細書で使用した。
変異した標識済みタンパク質の蛍光発光スペクトルは、SLM Aminco蛍光計(オンタリオ州、カナダ)を使用して測定し(他に特に示さない限り)、このときのスリット設定は470nmでの励起に対して8および4であり、MC250発光モノクロメータ上での設定は5および5で、それによって、様々なマトリックスに取り込まれた蛍光体標識タンパク質のリガンド結合性能を、溶液中の同じタンパク質の性能と比較した。初期蛍光発光強度をIと定義する。タンパク質のそれぞれのリガンドの存在下での発光強度最大値(I)とリガンドが存在しない場合(I)との相対比を、I/Iと定義する。
実施例1:多重コートまたは多層マトリックス
A:コア内に結合タンパク質がない場合
本発明の多重コートまたは多層マトリックスを、下記の手法で調製した。
1.1部のPBS緩衝液(pH7.4)と、2〜4部の3重量%アルギネート(v/v)とをシンチレーションバイアル中で混合し、低速で撹拌することによって、コアマトリックスを形成した。得られたアルギネート混合物3mLをシリンジに入れ、10mL/時の速度で、Rotoミックス上の1M CaCl 200mlに注入し、それによって、直径約0.4〜1.5mmのビーズを形成した。これらのビーズを、15〜60分間、Rotoミックス上でCaCl溶液中で混合した。
2.上述のビーズを、ポリ−L−リジン0.01%w/vの水溶液約10mL中に1時間入れ、次いでポリ−リジンでコーティングされたビーズを、15〜30分間、吸収剤タオル上で乾燥させることによって、閉じ込め層を形成した。
3.さらに3部の緩衝液(v/v)を、以下に示すように調製したGMSC溶液に添加し、次いでアルギネート/ポリ−L−リジンビーズを約12分間加えることによって、外層を形成した。混合物を15秒間ゆっくりと混合し、次いでビーズを吸収剤タオル上に注ぎ、15〜30分間乾燥した。ビーズを、PBS(約100μL)で湿らせたシンチレーションバイアル内に貯蔵した。この方法によって作製された多重コートまたは多層マトリックスを、図1に示す。
グリセロールで修飾したシリケート縮合体(GMSC)ゾル−ゲルは、GillおよびBallesteros(例えば、非特許文献22参照。)の手順のうち、試薬の比を下記の比で修正したもの、すなわちテトラエトキシオルトシリケート(TEOS)またはテトラメトキシオルトシリケート(TMOS):1;HO:1、メタノール:4、グリセロール:1を使用して、先に調製した。メタノールに溶かしたTEOSまたはTMOSをフラスコに添加し、氷上で0℃に冷却した。次いで0.6M HCl4.1mLを、この溶液に1滴ずつ添加した。撹拌から20分後、グリセロールを1滴ずつ添加した。反応を、1〜2時間かけてゆっくりと20〜25℃に温めた。この後、反応容器をさらに加熱し、36〜42時間の間(最適な場合、40時間)、窒素中で60〜70℃の温度範囲に維持した。60〜70℃での反応の後、溶液が粘性になり透明になるまで回転蒸発させることによって溶液の体積を減少させ、この時点で、メタノールを4:1の重量比で溶液に添加した。このGMSC溶液は安定であり、フリーザ温度で貯蔵した場合、数カ月間にわたって一貫した結果をもたらす。GMSC溶液を使用した場合、メタノールは回転蒸発によって除去し、蒸留水を、GMSC試薬に対して1:1の重量比で添加した。
B:取り込まれた結合タンパク質がある場合
本発明の多重コートまたは多層マトリックスを、下記の手法で調製した。
1.1部の色素標識済み結合タンパク質(PBS緩衝液pH7.4中15uM、特許文献7に記述されるように調製した)と、2〜4部の3重量%アルギネート(v/v)とを、シンチレーションバイアル内で混合し、低速で撹拌することによって、コアマトリックスを形成した。得られたタンパク質−アルギネート混合物3mLをシリンジに入れ、10mL/時の速度で、Rotoミックス上の1M CaCl 200mlに注入し、それによって、直径約0.4〜1.5mmのビーズを形成した。これらのビーズを、15〜60分間、Rotoミックス上でCaCl溶液中で混合した(使用した2価の陽イオンの性質は、得られるコアに対し、わずかに異なる性質を与える。例えば、カルシウム硬化ビーズは、バリウム硬化ビーズ(I/I=1.9±0.29)よりも、蛍光に大きい変化をもたらした(I/I=2.5±0.17))。
2.上述のビーズを、ポリ−L−リジン0.01%w/vの水溶液約10mL中に1時間入れ、次いでポリ−リジンでコーティングされたビーズを、15〜30分間、吸収剤タオル上で乾燥させることによって、閉じ込め層を形成した。
3.さらに3部の緩衝液(v/v)を、GMSC溶液(前述の実施例で調製した)に添加し、次いでアルギネート/ポリ−L−リジンビーズを約12分間加えることによって、外層を形成した。混合物を15秒間ゆっくりと混合し、次いでビーズを吸収剤タオル上に注ぎ、15〜30分間乾燥した。ビーズを、PBS(約100μL)で湿らせたシンチレーションバイアル内に貯蔵した。
実施例2:多重コートまたは多層マトリックスからのタンパク質浸出に、外層が及ぼす影響
多重コートまたは多層マトリックスを、実施例1Bと同様に調製した。ビーズ1グラムを、PBS緩衝液3mLが入っているシンチレーションバイアル内に入れた。ビーズ1グラム中の、色素標識済みタンパク質の濃度は、色素の吸光度に基づいて200uMであると計算された。ビーズが入っているバイアルを、ボルテックス上で振盪させた。読取りは、様々な時間間隔で行った。各時点で、一定分量の緩衝液を除去し、読取りを、蛍光計で行った。最小検出限界は、0.05uMで確立された。図2に示す結果は、ゾル−ゲルの薄層が、検出できないタンパク質の浸出レベルをもたらすのに十分であることを実証している。
実施例3:マトリックス性能に、様々なポリマー成分が及ぼす影響
多重コートまたは多層マトリックスを、閉じ込め層2を形成する様々なポリマーを使用して、実施例1と同様に調製した。実施例1から得られた生成物を、以下の水溶液に曝した:(a)低分子量PVA(<5k mw)(1〜10%w/v);(b)高分子量PVA(>20k mw)(1〜10%w/v);(c)Nafion(登録商標)(0.1〜5.0%v/v);および(d)SbQ−PVA(1〜50%v/v)。I/I比は、上述のように測定した。図3は、第2の層として使用した種々のポリマーが、アルギネートに取り込まれたNBD−GGBPからなるコアマトリックスに及ぼす影響を示す。グルコースに関するI/I応答を、溶液中のNBD−GGBP、アルギネートに取り込まれたもの、および第2の層と共にあるものに関して示す。図3に示す結果は、様々なポリマーが閉じ込め層として有効であることを実証している。
実施例4:混合コアを有する多重コートまたは多層マトリックス
本発明による、例示的な混合コアを持つ多重または多層マトリックスは、2部の結合タンパク質溶液(緩衝液中15uM)と、2〜4部の3重量%アルギネート、および1〜2部の光硬化性ポリマー(SbQ−PVA、13.3重量%水溶液)とを混合し、さらに、追加のステップ、すなわち混合マトリックスを、500〜600nmの間で発光する光源に当て、実施例1Aまたは1Bのステップ2〜3と同様の処理することによって、調製することができる。混合マトリックスは、SbQ−PVAおよびHEMAなどの様々な光またはUV硬化性材料で形成することができる。この光硬化性ポリマーの混合によって、コアの構造の調整をもたらされる。例えばコアの架橋密度は、使用する成分の比、光強度、および露光時間を調節してコアの剛性が変わるようにすることによって、様々に変えることができる。
実施例5:相互浸透網状構造コアの、多重コートまたは多層マトリックス
相互浸透網状構造コアマトリックスは、ポリマー2部と、2〜4部の3%アルギネートを混合し、必要なら付加すべき層の数に応じて、実施例1のステップ2〜3と同様に処理することによって調製することができる。この方法では、第2のポリマーが、アルギネート構造を物理的に保持できるようになる。ヒドロゲルの膨潤が最小限に抑えられ、浸出がなくなり、または浸出し難くなる。
実施例6:血液および血清中のグルコース濃度を測定するための、多重コートまたは多層マトリックスの使用
1部の結合タンパク質溶液と4部の3重量%アルギネートをコアに使用し、0.01重量%のポリ−L−リジン溶液を第2の層の形成に使用し、1部のゾル−ゲルと2部(w/v)のPBS(pH7.4)を外層の形成に使用して、実施例1で述べた手順に従って、多重コートまたは多層マトリックスビーズを調製した。結合タンパク質溶液は、GGBP(約13uM)をPBSまたはトリス緩衝液に溶かしたもの約20ulからなるものであった。この結合タンパク質は、グルコースに特異的であり、レポーター基は、グルコースの結合に応答して蛍光を放つ。
ビーズを乾燥した後、Dymax128Mを用いて、約6個のビーズをUV透過性黒色96ウェルプレートの各ウェルの底部に接着し、周囲条件下で硬化させた。Cyto Fluorシリーズ400蛍光プレート読取り器を、アッセイで使用した。励起フィルタは485/20nmであり、発光フィルタは530/20nmであった。これらのウェルに、ウサギの血液または血清100μlを添加し、プレート読取器を使用して蛍光を読み取った。当初のサンプルは、基準濃度のグルコースを含有しており、その他のグルコースレベルは、濃縮したグルコース溶液をPBSに添加することによって得られた。グルコース濃度は、比較用のYSI分析器でも決定した。図4に示す結果は、多重コートビーズが安定であり、グルコース濃度に比例して結合タンパク質の応答を維持することを実証している。この応答は、血液および血清などの複雑な生物流体の存在下でも堅固である。
実施例7:N末端セリンまたはトレオニンを介した、マトリックスに対する結合タンパク質の選択的結合
GGBPの、A1S/E149C/A213R/L238C−His変異体の溶液を、50倍過剰なメチオニン(補足剤として)を有するPBS(pH7.2)または0.1M NHHCO(pH8.3)中で調製する。10倍モル過剰な過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を添加し、その溶液を、10分間、暗所でインキュベートする。反応を、エチレングリコール(20,000倍モル過剰)または亜硫酸ナトリウム(25倍モル過剰)を添加することによって抑え、緩衝液を、透析法によって、またはNAP−5カラムに通すことによって、0.1M酢酸ナトリウム(pH4.6)と置換する。タンパク質のグリオキサールと反応するヒドラジド、ヒドラジン、またはアミノオキシ基を含有するポリマーまたはマトリックス(10倍モル過剰)に、タンパク質溶液を添加する。反応を1〜24時間続行させ、反応混合物を、酢酸ナトリウム緩衝液で5回洗浄するによって、生成物を精製する。得られた結合体を、NaBHCNで還元して、リンカーの安定性を高めることができる。
実施例8:リガンドマスキングによる、結合タンパク質の多数のシステインの、定方向修飾
様々なシステイン含有GGBP変異体を、グルコースの存在下とグルコースが存在しない状態で、IANBDで標識した。IANBD色素標識では、4〜10ナノモルの間のGGBPタンパク質を、微量遠心分離管内で、PBS緩衝液中で調製し(0.5〜1.5mg/mL)、タンパク質のシステイン当たり2.5モル当量のDTTを添加した。20〜30分間混合した後、溶液をさらに2本の管に分け、そこに、グルコース(最終濃度87mM)または等体積の緩衝液を添加し、その溶液をさらに15〜30分間混合した(リガンドマスキングステップ)。グルコースの最終濃度は、GGBP変異体のグルコース結合部位のほとんどが飽和するように選択した。色素標識では、IANBDを、DMSOに溶かした0.5mg/mL溶液(システイン当たり10当量のIANBD)として各管に添加し、全ての溶液を、暗所で1時間混合した。次いでPBS緩衝液で溶離するNAP−5サイズ排除カラムからの溶離によって、色素標識済みタンパク質を遊離色素から分離した。溶離したタンパク質分画の吸光度スペクトルを比較することによって、色素:タンパク質の比を決定した。グルコースを持ち(+)、またグルコースを持たない(−)いくつかのGGBP変異体タンパク質を標識するリガンドマスキング実験の結果を、表1に示す。
Figure 2006525508
表1に示すように、グルコース存在下での標識効率と、グルコースが存在しない状態での標識効率との差は、A213CおよびL238C変異を有するGGBP変異体の場合に最大である。これは、リガンドマスキング戦略によって、これらシステインを反応に利用し難くすることができることを示している。比較すると、色素との反応に対するE149Cの利用し易さは、リガンドグルコースの存在によって著しく変化しないようであるが、それは色素:タンパク質の比が、グルコースが存在するときまたは存在しないときで同じ(0.3)であるからである。
少なくとも2つのシステインを有する別のGGBP変異体を、NBDで首尾良く標識した。表1の結果に基づけば、グルコース存在下でのほとんどの色素標識は、変異体E149C/A213C/L238CおよびE149C/A213C上のE149Cの位置で生ずるようである。表2にまとめたこの結果は、本発明の方法による変異結合タンパク質の定方向標識を実証している。
Figure 2006525508
残りの遊離システインを介したCMCに対するタンパク質の選択的結合について、次に述べる。徹底的な透析法により、実施例8によって調製されたマスク標識済みタンパク質から、残りのグルコースを除去する。残りのシステインが、固定化前に自由に反応できることを保証するため、透析したタンパク質を、固定化トリス[2−カルボキシエチルホスフィン]塩酸塩(TCEP)試薬(ビーズ上、Pierce Chemical)で処理し、還元タンパク質を、スピンカラムを使用して分離する。
チオール反応性CMCヒドロゲルは、以下のように調製する。等体積の100mM NHSおよび400mM EDCを合わせ、EDC/NHS混合物を、室温で15分間、カルボキシメチルセルロース(CMC)と合わせる(最終濃度は、CMC、13mg/mL;26mM NHS;204mM EDC)。未反応のEDC/NHSを、NAP−5カラムで除去し、活性化したCMCを6.5mg/mLまでさらに希釈する。活性化したCMCを、室温で15分間、2−(2−ピリジニルジチオ)−エタンアミン(PDEA)と合わせる(300uL 活性化CMC,6.5mg/mL+200uL PDEA(0.1Mホウ酸溶液中18mg/mL、pH8.5))。未反応のPDEAを、NAP−5カラムを使用して除去する。これにより、PDEA活性化CMCが2mg/mLまでさらに希釈される。
PDEA活性化CMCを、標識済みタンパク質の0.05〜1.5mg/mLの間の溶液に添加し、室温で2.5時間混合する。システイン(0.1Mギ酸ナトリウム中、50mMのシステイン100uL、pH4.3、1M NaCl)を各管に添加し、室温で15分間混合して、反応を抑制する。未反応のシステインを、NAP−5カラムで除去することにより、CMC−タンパク質結合体が得られる。
実施例9:カルボキシメチルセルロースに対する結合タンパク質のランダム共有結合
以下のヒドロゲル材料を使用して、結合タンパク質の共有結合を行った:セルロース1モル当たりCOOHを0.7モル含有するカルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)(mw 約90,000 Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)。
共有結合は、ヒドロゲルポリマー(CMC)上のカルボキシメチル基を、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)とN−エチル−N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)との混合物で活性化することによって行った。これにより、アミンに対して反応性ある中間体が形成される。NHS(100mM)およびEDC(400mM)の水溶液を、1:1の体積:体積比で混合した。等体積のヒドロゲルポリマー(HO中、25mg/mLのCMC)とEDC/NHS混合物とを合わせ、室温で15〜30分間インキュベートした。未反応のEDCおよびNHSは、NAP−5カラムからポリマーを溶離することによって、ヒドロゲルポリマーから除去した。様々な量の活性化ヒドロゲルポリマーを、蛍光標識したGGBPと合わせた(この実施例では、NBD−A213C/L238C−GGBP−His6変異体)。活性化したヒドロゲルポリマーおよびタンパク質を、1〜2時間、室温で穏やかに混合した。1Mエタノールアミン−HCl、pH8.5を添加することによって反応を抑制し、その後、NAP−5カラムから溶離することによってエタノールアミンを除去した。分子量カットオフが100kDaである微量遠心フィルタを使用して、GGBP結合ヒドロゲルポリマーを濃縮した。100kDaフィルタによって維持されない溶液の吸光度スキャンは、結合していないタンパク質が残っていないことを示した。溶液中の濃縮NBD−GGBP−CMCは、タンパク質ゲル電気泳動を使用して試験した。アガロースゲル(1×TBE(0.1M Tris、0.09Mホウ酸、0.001M EDTA、pH8.4)中1%および1.5%、0.1%SDSを含む1×TBEのランニングバッファ)は、明らかに高い分子量(97kDaマーカーから390kDaマーカーの間)のスミア(smear)として移行するNBD−GGBP−CMC結合体によって示されるように、タンパク質のほとんどがヒドロゲルマトリックスに結合したことを実証していた。結合していないGGBPの対照レーンは、最低mwマーカー(97kDa)よりも低い見掛けの分子量で移行していた。NBD−GGBP−CMCの活性は、高濃度グルコース(20mM)の存在下とグルコースが存在しない状態で、NBD−GGBP−CMCの蛍光強度を測定することによって決定した。したがって、NBD−GGBP−CMCの100nM製剤について、結合していないNBD−GGBP(対照)と同様に、グルコースを添加する前と後で測定した(図6)。NBD−GGBP−およびNBD−GGBP−CMC材料は、様々な量のグルコースに対して滴定も行った。PBS緩衝液に溶かした110nMのNBD−GGBPまたはNBD−GGBP−CMCを使用して、様々なグルコース濃度の一定分量を添加し、それによって、最終タンパク質濃度100nMが維持されるようにした。グルコースに対し、ヒドロゲルポリマー結合タンパク質および溶液相タンパク質に関して得られた平衡解離定数(図7)は、類似していた(それぞれ10mMおよび14mM)。このデータは、NBD−GGBP−CMC複合体が、必要なリガンド誘導性の構造的特性を維持し、グルコースが存在しない場合よりもグルコースの存在下で強力なシグナルを提供したことを実証しおり、これは明らかに、実現可能なバイオセンサとしてのこの複合体が有用であることを実証している。
実施例10:アルギネートコアマトリックスに対するグルコース結合タンパク質の、共有ランダム結合
カルボジイミドの化学的性質により、カルボキシルを介してPronova(商標)UP LVG(低粘度、マロンヌ酸に対するグルロン酸の比が高い)アルギネート(FMC Biopolymers)をアジピン酸ジヒドラジド(AAD)に共有結合的に架橋させることによって、架橋したアルギネートベースの骨格を調製した。2%のアルギネートヒドロゲルおよび骨格の場合、アルギネート1グラムを50mLの0.1M MES緩衝液(pH6.0)に溶解し、そこにAAD 110mgおよびヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)79mgを添加した。この溶液を、使用するまで4℃で貯蔵した。アルギネート溶液に、デュアルシリンジ混合技法を使用して、EDC 145mg(溶液10ml当たり)を添加し、混合溶液を、2mmのスペーサを有する並行なガラスプレート間に流延し、3時間かけてゲル化した。3%のアルギネートヒドロゲルおよび骨格の場合、AAD、HOBt、およびアルギネートの量を、1.5倍にした。5mmの生検パンチを使用して、2×5mmのディスクを切り出し、これを水中で徹底的に洗浄して、塩および全ての反応物を除去した(36〜48時間、5〜6回の水交換により撹拌)。ヒドロゲルディスクをポリプロピレン表面に置き、−20℃で一晩凍結させ、開口気孔構造の骨格が生成されるように凍結乾燥した。各ディスクの乾燥重量は、2%骨格の場合に約1mgであり、EDC/NHSでの修飾に利用可能な、理論的に最小限の3.8umolのCOOHを含有していた。
共有結合的に架橋したアルギネートヒドロゲルおよび凍結乾燥した骨格に対する結合タンパク質の共有結合は、下記の通り行った。
1.上述のように調製したアルギネート骨格上のカルボキシル基を、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)およびN−エチル−N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の混合物で活性化し、その後、標識したGGBPタンパク質変異体[(NBD−E149C/A213R/L238S−またはNBD−E149C/A213R−GGBP)]を、以下のように結合した。
A.方法1:標識したGGBPをPBS緩衝液に溶かした溶液[NBD−E149C/A213R/L238S GGBP](53uM、100uL)を、凍結乾燥した骨格と共に30分間インキュベートし、その後、タンパク質溶液約60uLを除去した。これらの骨格に、EDC/NHS(200mM/50mM)またはPBS(EDC負の対照なし)を40uL注入し、60分間インキュベートした。
B.方法2:EDC/NHSの溶液(200mM/50mM、100uL)を、凍結乾燥した骨格に注入し、15分間インキュベートした後に、溶液約60uLを除去し、その後、標識したGGBP(53uM)40uLを注入し、60分間インキュベートした。
インキュベーション後、方法1または2の骨格を、約10mLのPBS中で洗浄した(1×で1時間、1×で64時間)。グルコースの存在下およびグルコースが存在しない状態での骨格の蛍光を、Cytofluor機器で測定したが(実施例6に記述する)、グルコースにより蛍光が増大することが示された。以下の表は、アルギネート骨格に共有結合したGGBPタンパク質が、様々なグルコース濃度に対して蛍光応答をもたらすことを実証している。
Figure 2006525508
EDC無しは、タンパク質を添加したが、共有結合的な化学的性質は示されなかったことを意味する。これらのサンプルは、使用前に、PBS中に72時間貯蔵した。結果を、2重に行った実験に関して示す。
実施例11:ヒドロゲルの実験
標識したGGBP(PBS中0.85mg/mL、各ヒドロゲルディスクで50uL)を、2%または3%の共有結合的に架橋したアルギネートヒドロゲルと共に、90分間インキュベートした。ヒドロゲルディスクに、EDC/NHSの溶液(200mM/50mM、50uL)を注入し、2時間インキュベートした。その他のヒドロゲルに、負の対照として50uLの水を注入した。反応を、1Mのエタノールアミン、pH8.5(Biacore AB)10uLで15分間抑制した。インキュベーションおよび抑制の後、これらの骨格を、約1mLのPBSでそれぞれ1時間洗浄した。飽和量のグルコースの存在下とこのグルコースが存在しない状態で、骨格の蛍光を測定したが、そのデータは、グルコース濃度に対する蛍光活性を示した(表4参照)。
Figure 2006525508
このように、EDC/NHS無しでのタンパク質およびヒドロゲルのインキュベーションは、タンパク質のいくらかの物理的取り込みを引き起こすようであるが、EDC/NHSとの共有結合は、維持されるタンパク質の量を著しく増大させる。
実施例12:アミン被覆表面に共有結合するヒドロゲルと、結合タンパク質との共有ランダム結合
全てのインキュベーションは、室温で行った。ポリ−L−リジン(PLL、HO中19.6mg/mL、50uL)を、96ウェルプレート(BD Falcon、組織培養処理済み)でインキュベートして(2時間)、アミンで被覆された表面を生成した。PLLで被覆されたウェルを、200uLのHOで3回洗浄して、結合していないPLLを除去した。ヒドロゲル(アルギネート)を、以下のようにEDC/NHS混合物と合わせて、アミンに対して反応性あるヒドロゲルを生成した。EDC/NHSを、31mgのEDC、21.5uLの0.1M MES(pH6.5)、およびNHS(HO中0.6g/mL)7uLを合わせることによって、調製した。アルギネート(HO中3%のアルギネートの0.23mL、Pronova(商標)UP LVG(低粘度、マンヌロン酸に対するグルロン酸の比が高い)、FMC バイオポリマー)を、1M MES(pH6.75)35uLおよび上述のEDC/NHS混合物12uLと合わせた。一定分量(約40uL)のEDC活性化アルギネートをいくつかのウェルに添加し、15分間インキュベートした。この時点で、以下の表5に記載するように、種々のサンプルごとに試薬の順序を変えた。これらの試薬は、共有結合架橋剤、アジピン酸ジヒドラジド(AAD、10uL、HO中200mM)、グルコース結合タンパク質NBD−GGBP(E149C/A231R/L238S変異体、10uL、PBS中46uM)、およびイオン性架橋剤、CaCl(3.5uL、HO中100mM)を含んでいた。
これらの反応後、ウェルを、150uLのPBSで洗浄した(10分間インキュベーション)。エタノールアミン(1M水溶液10uL、pH8.5)を各ウェルに添加して、反応を抑制した(20分間インキュベーション)。ウェルを、150〜200uLのPBSまたは1mM CaClを含むPBSで、3回洗浄した(CaClを使用する場合、表5に示す通り)。PBSまたは1mM CaClを含むPBS(50uL)を、ウェルに添加して、Cytoflour機器による蛍光の読取りを行った。この読取りの後、1Mグルコース10uLをウェルに添加し(30分間インキュベーション)、次いで別の蛍光測定を行った。表5に示す結果は、グルコースに対する固定化結合タンパク質の応答を、I/Iとして示す。
Figure 2006525508
上述の実験結果は、アミン含有表面に共有結合するマトリックスに対して、タンパク質がランダム共有結合することを実証している。このデータは、結合タンパク質、例えばNBD−GGBPが、その表面のリジンを介して、アミン含有表面に共有結合するヒドロゲルポリマーに共有結合できることを示す。このデータは、グルコース濃度に対する蛍光活性を示した。NBD−GGBP/ヒドロゲルポリマー/アミン表面の複合体を、共有結合的に、イオン的に、および/またはこれら両方により架橋して、マトリックスに構造安定性を付加し、タンパク質濃度を増大させ、および/またはタンパク質の浸出を低下させまたは防止した。層の架橋およびタンパク質の共有結合は、順次行うことができ、または同時反応でよく;結合の順序、そのような反応のタイミング、および試薬の組合せは、固定化されるタンパク質の量およびタンパク質の活性に、影響を与えることができる。
実施例13:タンパク質に共有結合するアクリレート基を介した、ポリマーマトリックスに対するランダム結合
2官能性リンカー基の例には、N−アクリロイルスクシンイミド、ポリエチレングリコールプロピオン酸のα−アクリロイルω−スクシンイミジルエステル、およびアクリロイル−アミノ−へキサン酸スクシンイミジルエステルが含まれるが、これらに限定するものではない。特定の例には、ACRL−PEG−NHS(3400MW ポリエチレングリコールプロピオン酸のα−アクリロイル,ω−スクシンイミジルエステル(製品番号012Z0F02、Shearwater Corp.,Huntsville AL))、およびアクリロイル−X SE(6−((アクリロイル)アミノ)ヘキサン酸、スクシンイミジルエステル(製品番号A−20770,Molecular Probes,Eugene,OR)、ならびにN−アクリロイルスクシンイミド(NAS、製品番号A8060、Sigma−Aldrich,St.Louis,MO)が含まれる。
前述の試薬または均等なヘテロ2官能性試薬のいずれかを使用することができ、またこれらは、本発明の範囲内にある。これらの試薬は、スクシンイミジル(NHS)エステルを介してタンパク質表面のリジンアミンと反応し、次いで、アクリロイル官能基を介して反応する適切なコポリマーと、共重合することができる。これら2つの反応は、結合タンパク質のランダム共有結合固定化のためにどちらの順序でも行うことができる。逐次反応および同時反応が考えられる。
共重合前の、NASのスクシンイミジル基とのタンパク質の反応。色素標識した結合タンパク質(1〜10mg/mL)を、1M NaClを含む0.2〜0.3M炭酸緩衝液(pH9.3)に溶解する。NAS(5mg/mL)を添加し、この溶液を60分間混合する。反応を、エタノールアミンでまたはトリス緩衝液で抑制し、アクリル修飾したタンパク質を、NAP−5カラムからの溶離によって回収する。タンパク質当たりのアクリレート基の数の特徴付けは、記述されるような(例えば、非特許文献23参照。)等電点電気泳動ゲルによって行うことができる。次いで修飾したタンパク質を、1〜10mg/mL溶液として、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)などの適切なモノマーと、N,N−ジメチルパラ−トルイジンまたはアゾ−ビスイソブチルロニトリル(AIBN)などの開始剤と、トリメチロールプロパントリアクリレートまたはテトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA)などの1〜5%の架橋試薬とを含む重合反応物に添加する。重合は、ランダムに結合した結合タンパク質を有するヒドロゲルポリマーが生成されるように十分な時間、嫌気条件下で、開始剤に応じてこの混合物を光または熱に曝すことによって実施した。
タンパク質反応性マトリックスを提供するための、ヒドロゲル中のNASの共重合。上述の最後のステップのように、同様の共重合ステップを実施するが、アクリル修飾した結合タンパク質の代わりにNASを使用した。NASは、典型的な場合、全モノマー比の約1〜5%として添加する。これにより、反応性あるNHSエステルを含んだヒドロゲルポリマーが生成される。この材料を、最長で24時間、NBD標識した結合タンパク質の溶液(1〜10mg/mL)と平衡状態になるように置き、その後、緩衝液で洗浄する。このようにすると、コポリマーに組み込まれたNHS基と、ポリマーマトリックス中に拡散するタンパク質との反応によって、コポリマーとタンパク質とのランダム共有結合が生ずる。
参照:
Gaertner, H.F. and Offord, R.E.「Site-specific attachment of functionalized poly(ethylene glycol) to the amino terminus of proteins」 Bioconj. Chem. 1996, 7, 38-44.
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Shoemaker, S.G, Hoffman, A.S., and Priest, J.H.「Synthesis and Properties of Vinyl Monomer/Enzyme Conjugate」, Appl. Biochem. Biotechnol. 1987,15:11-24.
本発明の一実施形態による、マトリックスの構造を示す図である。 本発明のマトリックスの実施形態からの結合タンパク質の浸出に、最外層が及ぼす影響を示す図である。 アルギネートに取り込まれた結合タンパク質の、コアマトリックス表面の第2の層として使用された、種々のポリマーのI/Ioに対する影響を示す図である。 ウサギの血清および血液中のグルコースを測定する3層マトリックスバイオセンサの、蛍光応答を示す図である。 リガンドマスキングによる、結合タンパク質の定方向標識を示す図である。 グルコースが存在する場合(+)と存在しない場合(−)での、結合タンパク質と、結合タンパク質−ヒドロゲルポリマー結合体との蛍光発光を示す図である。 結合タンパク質と、結合タンパク質−ヒドロゲルポリマー結合体とに関する、グルコース滴定および解離定数を示す図である。

Claims (22)

  1. 結合タンパク質を取り込み、埋め込み、または封入することが可能な多重コートまたは多層マトリックスであって、
    結合タンパク質を、物理的にまたは化学的に取り込むことが可能なコアと、
    前記コアの一体性を確実にする閉じ込め層、問題となっている分析物に対して選択的に透過性を有する外層、または生体適合性である層の、1つまたは複数と
    を含む、多重コートまたは多層マトリックス。
  2. 結合タンパク質を、物理的にまたは化学的に取り込むことが可能なコアと、
    前記コアの一体性を確実にする閉じ込め層と、
    問題となっている分析物に対して選択的に透過性を有する外層と
    を含む、請求項1に記載のマトリックス。
  3. 前記コアと、生体適合性である層とを含む、請求項2に記載のマトリックス。
  4. 前記コアは、架橋可能なポリマーを含む、請求項1に記載のマトリックス。
  5. 前記架橋可能なポリマーは、アルギネートまたはヒアルロネートである、請求項4に記載のマトリックス。
  6. 前記閉じ込め層は、ポリ−L−リジン、ポリ−D−リジン、低および高分子量ポリビニルアルコール、SbQ−PVA、およびNafion(登録商標)からなる群から選択される化合物を含む、請求項1に記載のマトリックス。
  7. 前記外層は、SbQ−PVA、HEMA、PVA、アルギネート、および無機ゾル−ゲルまたは有機的に修飾した無機ゾル−ゲルからなる群から選択される化合物を含む、請求項1に記載のマトリックス。
  8. 前記第4の層は、Nafion(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)、およびアルギネートからなる群から選択される化合物を含む、請求項2に記載のマトリックス。
  9. 前記コアは、結合タンパク質を含む、請求項1に記載のマトリックス。
  10. 前記結合タンパク質は、前記コアに物理的に取り込まれる、請求項9に記載のマトリックス。
  11. 前記結合タンパク質は、前記コアに共有結合している、請求項9に記載のマトリックス。
  12. 前記結合タンパク質は、糖結合タンパク質である、請求項9に記載のマトリックス。
  13. 前記糖結合タンパク質は、変異したグルコース/ガラクトースまたはマルトース結合タンパク質である、請求項12に記載のマトリックス。
  14. 前記結合タンパク質は、レポーター基をさらに含む、請求項9に記載のマトリックス。
  15. 前記レポーター基は、ルミネセント基または蛍光基である、請求項14に記載のマトリックス。
  16. (a)コアを形成するステップと、
    (b)前記コアをコーティングしまたは層状化するのに十分な時間、前記コアを第1のコーティング溶液に接触させるステップと、
    (c)前記コアを分離し、前記コアの表面の第1のコーティングを乾燥して、閉じ込め層またはコーティングを形成するステップと、
    (d)前記閉じ込め層またはコーティングを、第2のコーティング溶液に接触させて、多重コート3次元構造を形成するステップと、
    (e)前記多重コート3次元構造を分離し、前記多重コート3次元構造の表面の第2のコーティングを乾燥して、多重コートまたは多層マトリックスを得るステップと
    を含む、多重コートまたは多層マトリックスの作製方法。
  17. (a)請求項14に記載のマトリックスを、溶液に接触させるステップと、
    (b)前記マトリックスを、そこから検出可能なシグナルを生成することが可能なエネルギー源に曝すステップと、
    (c)前記検出可能なシグナルを測定するステップと、
    (d)前記検出可能なシグナルの測定値を、溶液中の分析物の濃度と相関させるステップと
    を含む、溶液中の分析物の濃度の測定方法。
  18. 前記分析物は糖である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記マトリックスのコアは、アルギネートまたはヒアルロネートを含み、前記閉じ込め層は、ポリ−L−リジンを含み、前記外層は、無機ゾル−ゲルまたは有機的に修飾した無機ゾル−ゲルを含む、請求項16または17に記載の方法。
  20. 前記検出可能なシグナルは、一時的に、連続的に、またはプログラム化して測定する、請求項17に記載の方法。
  21. 内部に埋め込まれ、取り込まれ、または封入された、問題となっている分析物に特異的な少なくとも1種の結合タンパク質を有する、請求項1に記載の多層または多重コートマトリックスと、
    変換要素と
    を含む、バイオセンサ。
  22. (a)レポーター基が結合されている結合タンパク質を、埋め込み、封入、または取り込み化合物と合わせて、コアを形成するステップと、
    (b)前記コアをコーティングしまたは層状化するのに十分な時間、前記コアを第1のコーティング溶液に接触させるステップと、
    (c)前記第1のコーティング溶液を分離し、乾燥して、閉じ込め層を形成するステップと、
    (d)前記閉じ込め層をコーティングしまたは層状化するのに十分な時間、前記閉じ込め層を第2のコーティング溶液に接触させるステップと、
    (e)前記第2のコーティング溶液を分離し乾燥して、外層を形成することにより、バイオセンサを得るステップと
    を含む、バイオセンサの作製方法。
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