JP2005537139A - ネジホルダーを有するネジ回し - Google Patents

Abstract

Ａ）長手方向軸（３）を有する駆動手段と結合可能な軸（２）と、長手方向軸に対して直角の断面積（９）と、ネジ頭におけるネジ回しに適合した受器へ挿入可能であり、かつ少なくとも１つの長手方向の凹み（７）が長手方向軸（３）に対して斜めに方向づけられた長手方向軸（８）が備えられている前軸セグメント（５）と、Ｂ）少なくとも１つの凹み（７）へ挿入可能な、前軸セグメントの断面積（９）上の長手方向軸（３）に対して斜めに突出する少なくとも１つのバネ要素とを含み、Ｃ）バネ要素（６）が断面積（９）上に突出その部分上で凹み（７）の長手方向軸（８）に対して斜めに弾性変形可能である、ネジホルダーを有するネジ回し。

Description

本発明は、請求項１の前文によるネジホルダーを有するネジ回し、および請求項１５によるネジ回しにおけるネジホルダーとして使用するためのバネ要素に関する。

ヒトまたは動物の体における骨、骨断片、または関節に固定されるべき移植片の外科的移植中に、周囲の軟組織ができる限り少ない損傷を受けるために、骨、または例えば脊椎セグメントも治療されるべき部分の大きな面積の露出なしに手術されるべきである（最小侵襲法）。したがって、軟組織のきわめて小さいな開放に際しては、例えば骨または椎弓根スクリューを導入するための圧縮工具（平頭鉗子器具）は適していない。
ネジを保持するための手段を有するネジ回しが、ＥＰ０４５８ ４４９ ＲＹＤＥＲ（特許文献１）により周知である。この周知のネジ回しは、ネジ頭の対応する凹みに導入可能である自由端を有する長手方向の軸部を含む。ネジを締め付けるために使用される弾性の手段は、長手方向軸に対して平行の溝に係合しており、圧縮可能なエラストマーで構成されている。圧縮されていない状態の弾性の手段は、軸部の少なくとも１つの外側面上に半径方向に突出しているため、これらは軸部の挿入に際して補完的な凹みへ圧縮され、凹みの側壁に向かって押しつけられ、それによってネジ頭が軸部にしっかり保持されることになる。この弾性の手段の構造の不利点は、弾性の手段を受け入れるためのドリル穴が比較的複雑に構成されており、したがってネジ回しがきわめて小さいネジには適していないことである。
欧州特許（ＥＰ）第０４５８４４９号明細書

ここで本発明により是正措置が取られることになる。本発明の課題は、きわめて小さいネジにも使用可能である弾性のネジホルダーを有するネジ回しを製造することである。

本発明は、請求項１の特徴を有するネジホルダーを有するネジ回し、および請求項１５の特徴を有するネジ回しにおけるネジホルダーとして使用するためのバネ要素によって上記の課題を解決する。

本発明によるネジホルダーを有するネジ回しは、実質的に１つの軸、および長手方向軸に対して斜めに配置されたバネ要素を含む。軸は、その後軸部において、駆動手段、例えばハンドルまたは機械装置と結合可能であり、かつネジ回しに適した受器、例えばネジ頭における六角穴、六角円、クロスヘッド、またはトルクスへ挿入可能である前軸セグメントを含む。バネ要素は、軸の前端において、長手方向軸に対して斜めに向けられた長手方向軸とともに凹みへ挿入されている。前軸セグメントの断面は、本発明による装置の種々の実施形態において多角形または星形に構成されており、縁または先端は角度がありまたは丸みがあり、かつ側面はまっすぐにまたは曲がって構成されうる。バネ要素のための凹みの長手方向軸は、縁または先端がいっしょに位置している半径と合致する。さらに、バネ要素は、少なくとも断面上に突出するその部分上で長手方向軸に対して直角の断面積において見ると長手方向軸に対して斜めに変形可能である。

本発明によって達成される利点は、実質的に、バネ要素の本発明による以下の構造から確認されうる。すなわち、
−前軸セグメントの小さい構造的深さが達成可能であり、ネジ頭も高さが低く、またはネジ回しを受け入れるために使用される凹みの深さが小さいネジが使用可能であり、
−前軸セグメントを角柱形または円筒形に構成することができ、それによって円錐の軸セグメントと比べネジへの最大の力伝達が実行可能（いわゆる「カムアウト」効果も回避）であり、
−バネ要素も追加的に市販のネジ回しに取付け可能であり、
−ネジ保持ケースが不要であり、それによってネジ回しの片手操作が可能であり、
−装置の簡単な製造とともに低価格が可能であり、
−バネ要素は、前軸セグメントにおける唯一の半径方向のドリル穴の必要性のため、きわめて小さいネジにも使用可能であるともに、顎顔面、手、および足の外科においても利用可能である。

本発明によるネジ回しの好ましい実施形態においては、ドリル穴としての凹みは円筒形で構成されており、凹みは大きな費用なしに追加的に市販のネジ回しにおいても取付けされうるとともに、バネ要素が使用可能である。
本発明によるネジ回しの別の実施形態においては、凹みおよびバネ要素は角柱形で構成されている。それによって、バネ要素が凹みにおいて回転されないという利点が達成可能である。

本発明によるネジ回しのさらに別の実施形態においては、バネ要素は、金属材料、好ましくはステンレスバネ鋼または超弾性金属、例えばニチノールで製造されており、医療上の使用目的に適しており、さらに長い耐久性を有するようになっている。
本発明によるネジ回しの別の実施形態においては、バネ要素はプラスチック、好ましくは熱可塑性プラスチック（例えばＰＯＭ）で製造されている。プラスチックで製造されているバネ要素の利点は、効率的な製造方法（例えば射出成形）、低い費用、および腐食リスクの排除である。

本発明によるネジ回しのさらに別の実施形態においては、バネ要素は、その第２の、ネジ頭の受器に付着される端において開放スリットを有する。このスリットは、凹みの長手方向軸に対して直角のバネ要素の断面に関して直径方向に配置されており、凹みの長手方向軸に対して斜めに、かつ軸の長手方向軸に対して斜めに弾性移動可能である、２つの舌にバネ要素を第２の端において分ける。バネ要素のこの実施形態は、ネジに対する外科的用途に必要な最大限の保持力の達成を可能にし、ネジが外科処置中に人体内で失われる危険が最小限に抑えられうるようになっている。好ましくは、以下の寸法を有する。
−バネ要素の直径が０．３ｍｍ〜２．０ｍｍ、
−スリットの幅が０．１ｍｍ〜１．５ｍｍ、
−スリットの長さが０．５ｍｍ〜３．０ｍｍ。
通常、以下の寸法を有する。
−バネ要素の直径が０．５ｍｍ〜１．５ｍｍ、
−スリットの幅が０．２ｍｍ〜１．２ｍｍ、
−スリットの長さが０．８ｍｍ〜２．０ｍｍ。
さらに、スリットは、外側へ、例えば、バネ要素の前軸セグメントの断面上に突出する端に対してウェッジ状に拡大しるが、ここでウェッジ角は好ましくは０．１°〜１０°であり、それによって、バネ要素における応力配分が最適化される利点が達成可能である。それによって、良好なバネ特性が得られ、疲労破壊の危険が減少する。

本発明によるネジ回しの別の実施形態においては、バネ要素の前軸セグメントの断面上に突出する第２の端がテーパー部を有し、半径方向に弾性変形可能な舌が、前記セグメントのネジ頭におけるネジ回し用の対応する受器への挿入に圧縮可能であるようになっている。テーパー部は、切り子面、円形、斜面、または丸い縁の形でありうる。
好ましくは、バネ要素の長手方向軸に対して平行に測定されたテーパー部の長さとバネ要素の直径との比率が、５％〜３０％である。テーパー部の代わりに、バネ要素の第２の端の凸状の構成も可能である。

本発明によるネジ回しのさらに別の実施形態においては、このネジ回しは、前軸セグメントにおける多くの凹みにおいて使用可能である多くのバネ要素を含む。凹みの長手方向軸は、好ましくは、それぞれ前軸セグメントの軸の長手方向軸に対して直角の断面積の縁または丸みを切断する半径上にある。多くのバネ要素の使用によって、ネジ回しにおけるネジのためのネジ頭へかけられる保持力が大幅に上昇される。

本発明によるネジ回しのさらに別の実施形態においては、深さＴで測定された縁または先端の凹みは段部を有し、ここで深さＴはバネ要素の長手方向軸に対して平行のバネ要素の長さに比べて同じもしくはより大きく、バネ要素が前軸セグメントの先端、縁、または丸みを超えて突出することがないようになっている。それによって、ネジ頭におけるネジ回し用の受器への前軸セグメントの挿入に際してバネ要素がさらに凹みへ挿入されない。
本発明の別の有利な構造は、従属クレームにおいて特徴づけられている。
本発明および本発明の改良は以下において多くの実施例の部分的な概略図によってさらに詳しく説明される。

図１ａおよび１ｂに示されているネジホルダーを有するネジ回し１は、長手方向軸３、後軸セグメント１５および前軸セグメント５を有する長手方向軸２と、直径Ｄを有するバネ要素６とを含む。前軸セグメント５は、六角の、まっすぐな側面１６および縁１７を有する長手方向軸３に対して直角の断面積９を有し、ネジ頭においてネジ回し用に適した受器へ導入可能である。バネ要素６は、前軸セグメント５において、円筒形のドリル穴の形の長手方向の凹み７へ長手方向軸３に対して垂直に立っている長手方向軸８とともに押込まれている。断面積９の６つの縁１７は６つの半径上にあり、ここで長手方向軸８は半径１９の１つと合致する。バネ要素６は、縁１７のそばで隣接した側面１６を超えて突出する。バネ要素６が、ネジ頭におけるネジ回しを受け入れるために使用される受器への前軸セグメント５の導入に際して凹み７押されないために、凹み７には軸方向の段部２０が備えられており、その上にバネ要素６の第１の端１０が立っている。

さらに、バネ要素６は、バネ要素６の第２の端１１から幅Ｂおよび長さＸを有するこれに侵入するスリット１２を含む。スリット１２は、バネ要素６を直径方向に貫通し、凹み７の長手方向軸８に対して平行に配置されている。バネ要素６の第２の端１１は、スリット１２によって長手方向軸８に対して平行に位置する２個の舌１３、１４へ分けられ、これらの舌は、長手方向軸８に対して斜めに、かつ断面積９の縁に対して弾性変形可能であり、すなわち、長手方向軸８に対してバネたわみ可能である。バネ要素６の長さＬは、この場合には、縁１７から段部２０まで達する深さＴよりも小さく、縁１７におけるバネ要素６が断面積９に対して低くなるようになっている。

図２に示されている本発明によるネジ回し１の実施形態は、前軸セグメント５の断面９が星形に構成されているという点でのみ図１ａおよび１ｂに示されている実施形態と区別される。半径１９上に位置する断面９の先端１８は凸状に面取りされており、先端１８間に位置する側面１６は凹面に丸められている。また、バネ要素６はドリル穴７の下部に立っている。

図３は、本発明によるネジ回しの図１ａおよび１ｂに示されている、ネジ頭２３におけるネジ回し用の受器２４へ導入されている場合の実施形態による前軸セグメント５を示す。次いで、バネ要素６の第２の端１１は、完全に断面９に含まれる。弾性変形可能な両方の舌１３、１４は、長手方向軸８に対して押し付けられる。両方の舌１３、１４が十分に変形され、長手方向軸８に触れないために、凹み７（図１ａ）の深さおよびバネ要素６の寸法、すなわちスリット１２（図１ａ）の直径Ｄと長さＬと幅Ｂは、互いに調節され、一方では、舌１３、１４の変形が受器２４の側壁に対する十分に高い締め付け力をひき起こし、他方では、舌１３、１４が変形を阻害しないようになっている。

図４においては、ネジ回しにおいてネジホルダーとして使用するための本発明によるバネ要素６の実施形態が示されている。バネ要素６は円筒形に構成されており、長手方向軸２６を有し、かつその第１の端１０において傾斜部２５、およびその第２の端１１において、長手方向軸２６に対して平行に測定された長さＡを有する凸状に丸められたテーパー部２１を含む。ここに示されている実施形態においては、このテーパー部２１の長さＡとバネ要素６の直径Ｄとの間の比率Ａ／Ｄは２５％であるが、スリット１２の深さＸとバネ要素６の長さＬとの間の比率Ｘ／Ｌは７５％である。スリット１２は、バネ要素６の前端１１において幅Ｂを有し、かつバネ要素６の前端１１に対して２°のウェッジ角で拡大する。幅Ｂと直径Ｄとの間の比率Ｂ／Ｄはここでは５０％である。両方の舌１３、１４は凹み７（図１ａ）の長手方向軸８に対して垂直に弾性変形可能に構成されており、ここでバネ力はバネ要素６の直径Ｄおよびスリット１２の寸法によって規定されている。

図１ａは、本発明によるネジホルダーを有するネジ回しの実施形態を示す縦断面図である。 図１ｂは、本発明によるネジホルダーを有するネジ回しの図１ａに示された実施形態を示す横断面図である。 本発明によるネジホルダーを有するネジ回しの別実施形態を示す横断面図である。 ネジ頭におけるネジ回しを受け入れるための凹みへ挿入された前軸セグメントとともに本発明によるネジ回しの図１ａおよび図１ｂに示された実施形態を示す横断面図である。 バネ要素の実施形態を示す側面図である。

符号の説明

１ ネジ回し
２、３、８ 長手方向軸
５ 前軸シグメント
６ バネ要素
７ ドリル穴
９ 断面積
１０ 第１の端
１１ 第２の端
１２ スリット
１３、１４ 舌
１５ 後軸シグメント
１６ 側面
１７ 縁
１８ 断面の先端
１９ 半径
２１ 段部

Claims (16)

1. Ａ）長手方向軸（３）と、前記長手方向軸（３）に対して直角の断面積（９）と、前端（４）と、ネジ頭におけるネジ回しに適した受器へ挿入可能であり、かつその中で少なくとも１つの長手方向の凹み（７）が前記長手方向軸（３）に対して斜めに方向づけられた長手方向軸（８）とともに取り付けられている前軸セグメント（５）とを有する駆動手段と接続可能な軸（２）と
   Ｂ）少なくとも１つの前記凹み（７）に挿入された、前記前軸セグメント（５）の前記断面積（９）上の前記長手方向軸（３）に対して斜めに突出する少なくとも１つのバネ要素（６）とを含み、
   Ｃ）前記断面積（９）が、まっすぐまたは曲った側面（１６）および半径（１９）上にある角度のあるまたは丸みのある縁（１７）または先端（１８）とともに多角形または星形に構成されているネジホルダーを有するネジ回しにおいて、
   Ｄ）前記凹み（７）の前記長手方向軸（８）が前記半径（１９）の１つと合致することと、
   Ｅ）前記バネ要素が、前記断面積（９）上に突出するその部分上で前記長手方向軸（３）に対して直角の断面積（９）において見ると前記凹み（７）の前記長手方向軸（８）に対して斜めに弾性変形可能であること
   を特徴とするネジホルダーを有するネジ回し。
2. 前記凹み（７）が、好ましくは円筒形を有するドリル穴であることを特徴とする請求項１に記載のネジ回し。
3. 前記凹み（７）が、角柱形の空洞であることを特徴とする請求項１に記載のネジ回し。
4. 前記バネ要素（６）が、前記凹み（７）にある第１の端（１０）と、前記断面積（９）上に突出する第２の端（１１）と、前記第２の端（１１）から前記バネ要素（６）へ侵入する、前記凹み（７）に対して直径方向、かつ前記長手方向軸（３）に対して平行のスリット（１２）とを含み、前記スリット（１２）によって前記バネ要素（６）の前記第２の端（１１）において前記凹み（７）の前記長手方向軸（８）に対して半径方向に弾性変形可能な２つの舌（１３、１４）が形成されるようになること
   を特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載のネジ回し。
5. 前記バネ要素（６）が金属、好ましくはステンレスバネ鋼または超弾性金属、例えばニチノールで製造されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載のネジ回し。
6. 前記バネ要素（６）がプラスチック、好ましくは熱可塑性プラスチック、例えばＰＯＭで製造されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれかに記載のネジ回し。
7. 前記スリット（１２）が、外側にウェッジ状に、好ましくは０．１°〜１０．０°のウェッジ角で拡大することを特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載のネジ回し。
8. 前記バネ要素（６）の前記第２の端（１１）が、前記第２の端（１１）に対してテーパー部（２１）を有することを特徴とする請求項１〜７のいずれかに記載のネジ回し。
9. 前記テーパー部（２１）が、切り子面、円形、斜面、または丸い縁の形であることを特徴とする請求項８に記載のネジ回し。
10. 前記バネ要素（６）が直径Ｄを有し、かつ前記凹み（７）の前記長手方向軸（８）に対して平行に測定された前記テーパー部（２１）の長さＡおよび前記直径Ｄの比率が５％〜３０％である、請求項９に記載のネジ回し。
11. 前記バネ要素（６）の前記第２の端（１１）が末端で凸状に構成されていることを特徴とする請求項１〜１０のいずれかに記載のネジ回し。
12. 前記バネ要素（６）が０．３ｍｍ〜２ｍｍの直径Ｄを有し、かつ前記スリット（１２）が０．１ｍｍ〜１．５ｍｍの幅Ｂ、および０．５ｍｍ〜３ｍｍの長さＸを有することを特徴とする請求項４〜１１のいずれかに記載のネジ回し。
13. 凹み（７）に挿入可能であり、その長手方向軸（８）がそれぞれ前記半径（１９）の１つと合致する多くのバネ要素（６）を含むことを特徴とする請求項１〜１２のいずれかに記載のネジ回し。
14. 深さＴで測定された前記縁（１７）または先端（１８）の前記凹み（７）が段部（２０）を有し、かつ前記バネ要素（６）が前記凹み（７）の前記長手方向軸（８）に対して平行に長さＬを有し、Ｌ＜＝Ｔであることを特徴とする請求項１〜１３のいずれかに記載のネジ回し。
15. Ａ）前記バネ要素（６）が円筒形または角柱形で構成されており、かつ長手方向軸（２６）を有することと、
    Ｂ）前記バネ要素（６）が、第１の長手方向軸（２６）を切断する端（１０）と、第２の中心軸（２６）を切断する端（１１）と、長手方向軸（２６）に対して斜めに弾性変形された２個の舌（１３、１４）を含むことと、
    Ｃ）前記バネ要素（６）がネジホルダーとして使用されること
    を特徴とする請求項１〜１４のいずれかに記載のネジ回しとともに使用するためのバネ要素。
16. 前記バネ要素（６）が前記第２の端（１１）においてテーパー部（２１）を有することを特徴とする請求項１５に記載のバネ要素。

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