JP2005535933A - 液晶ディスプレイ、かかるディスプレイのバックライト、および液晶ディスプレイの照光方法 - Google Patents

Abstract

少なくとも１つの管状蛍光ランプ（１）が内在するハウジング（２０）を備えたバックライト装置を含む、液晶ディスプレイ。ハウジング（２０）は、実質的に防塵状態の空間を形成する。ランプ（１）の一部は、ハウジングの壁部（１８、１９）を貫いてハウジング（２０）の外へと延在し、ランプ（１）が壁部（１８、１９）を貫いている位置において、その壁部（１８、１９）が、実質的に防塵態様でランプ（１）に当接している。

Description

本発明は、少なくとも１つの管状蛍光ランプが内在するハウジングを備えたバックライト装置を含む、液晶ディスプレイに関するものである。

液晶ディスプレイは、液晶材料を含む結晶ディスプレイマトリックスを備えている。結晶材料の光透過率は、液晶材料の配向によって決まる。この配向は、材料に電圧を印加することによって調整される。液晶材料自体は、光を発しない。結晶ディスプレイマトリックス上に提示される画像は、マトリックスの背後に配されたバックライト装置によって生み出される。このバックライト装置内には、１つまたは複数の管状蛍光ランプが存在している。ランプからの光は結晶材料を通って光り、結晶材料の配向の局所的な違いの結果として、観察される画像がもたらされる。

一方では、ランプが最適な光出力を有することが重要である。他方では、結晶ディスプレイマトリックスの面積全体に亘って、光が均等に分配されるようにして、この光のできるだけ多くが結晶ディスプレイの方向に光ることが重要である。

蛍光ランプの光出力は、ランプの特定部分の温度を予め決められた範囲内に維持することによって、最適化することができる。その目的のため、たとえば余剰な熱を放散させることのできる熱伝導性材料にこれらの特定部分を接触させる等により、これらの特定部分を冷却することが知られている。また、ファンによって発生させることのできる空気流中にランプを配することによって、冷却効果を得ることも知られている。

できるだけ多くの光が結晶ディスプレイマトリックスの方向に光るようにするため、ハウジング内部の、ランプの背後に配された部分を、反射材料でコーティングすることが、通常の手法として行われる。

結晶ディスプレイマトリックスの面積全体に亘る、バックライト装置からの光の均等な分配を実現するため、ハウジング内部の、ランプの背後に配された部分は、反射光が所望の方向に光るように形作られてもよい。さらには、ランプと結晶ディスプレイマトリックスとの間に光を拡散させる拡散板を設けることも、光の均等な分配を実現するのに役立つ。ランプの光強度の違いを補償するために、拡散板の光透過率が局所的に変化させられてもよい。

かかる拡散板を含むハウジングを結晶ディスプレイマトリックスの背後に取り付け、拡散板をハウジングの前面に当接させ、拡散板が、そのハウジングと共に、蛍光ランプが内在する空間を形成するようにしてもよい。

本発明の目的は、結晶ディスプレイマトリックスが適切に照光されることを保証するバックライト装置を有する、液晶ディスプレイを提供することである。

上記の目的を達成するため、１つまたは複数の蛍光ランプのハウジングが、実質的に防塵状態の空間を形成し、ランプの一部が、そのハウジングの壁部を貫いてそのハウジングの外へと延在し、ランプが壁部を貫いている位置において、その壁部が、実質的に防塵態様でランプに当接するようにされる。

蛍光ランプとハウジングの反射性内壁との汚損を防ぐため、上記の空間が防塵状態に密閉されていることは重要である。この状態は、上記の空間を気密状態に密閉することによっても達成され得るが、かかる気密状態の密閉は、常に可能であるとは限らない特殊な密閉材の付与を必要とする。空間内の温度は変化するので、空間が気密状態に密閉されていない場合は、空間内への空気の流入および空間からの空気の流出が、日常的に生じることとなる。その場合、流入する空気が塵埃その他の不純物を空間内に運び込むのを、防ぐ対策をとらなくてはならない。

ランプの一部をハウジングの外へと延在させることにより実現される効果は、そのランプの一部の冷却もまた、ハウジングの外で行うことができるようになるという効果である。ランプを熱伝導性材料と接触させることによりかかる冷却を行う場合には、熱伝導性材料が結晶ディスプレイマトリックスの照光を局所的に妨害することを、防ぐことが可能となる。空気流を利用してかかる冷却を行う場合には、その空気流をハウジング内に通す必要がなくなる。空気流をハウジング内に通すことは、塵埃その他の不純物がハウジング内に入り込む経路を見出すことに繋がりかねず、極めて望ましくないことである。

さらに、光の適当な分配を実現するためにも、ランプの一部をハウジングの外へと延在させることは望ましいかもしれない。そうすることにより、管状蛍光ランプの端部近くにある部分のように、全く光を発しない部分またはより弱い光しか発しない部分を、ハウジングの壁部を貫いてハウジングの外へと延在させ、照光プロセスに悪影響を与えないようにすることが可能となる。

ランプがハウジングの壁部を貫いて延在している位置において、ハウジングの壁部とランプとの間に、防塵態様の当接を付与することにより実現される効果は、塵埃が空間内に入り込む経路を見出すことを防止するという効果である。特に、上記の空間の外へと延在するランプ部分に、不純物を含み得る空気が吹き付けられる場合には、この効果が高い。

１つの好ましい実施形態では、上記の壁部が、ランプの光透過性のガラス部分に、実質的に防塵態様で当接する。その場合、金属キャップが配されているかもしれない管状ランプの端部が、上記の空間の外へと延在することとなり、ランプ周辺の密閉状態は、ハウジングの壁部に設けられた円形の孔によって形成されてもよい。

好ましくは、上記の壁部は、ランプに当接する可撓性材料を含んでいる。この可撓性材料は、好ましくは、ランプのガラス部分に適切に当接することができる、合成発泡材料とされる。

１つの好ましい実施形態では、上記の壁部が、好ましくは金属で作られた２つの平行な板を含んでおり、それら２つの平行な板の間に、可撓性材料が配されている。その場合、ランプは、２つの板それぞれに形成された凹設部と、可撓性材料に形成された対応の凹設部とを通って延在する。各金属板の凹設部は、可撓性材料の凹設部よりも大きくてもよく、可撓性材料の凹設部の寸法は、その材料が適切にランプに当接するように、ランプの断面寸法よりもわずかに小さくてもよい。

１つの好ましい実施形態では、ランプの上記の部分は、その部分を冷却するように空気の流通が可能なチャネル内へと延在している。空気流を発生させるために、ファンが設けられてもよい。

好ましくは、ハウジングが拡散板に当接させられ、ハウジングと拡散板とが協働して防塵状態の空間を形成するようにされる。かかる目的のため、ハウジングと、拡散板その他のハウジングのカバーとの間に、密閉材が配されてもよい。

本発明はさらに、少なくとも１つのランプが内在するハウジングを備えたバックライト装置であって、ハウジングが、実質的に防塵状態の空間を形成し、ランプの一部が、そのハウジングの壁部を貫いてそのハウジングの外へと延在し、ランプが壁部を貫いて延在している位置において、上記の壁部が、実質的に防塵態様でランプに当接しているバックライト装置にも関するものである。

本発明はまた、少なくとも１つのランプが液晶マトリックスを背面側から照光する、その少なくとも１つのランプが内在するハウジングを備えたバックライト装置を含む液晶ディスプレイを照光する方法であって、ハウジングが、実質的に防塵状態の空間を形成しており、ランプの一部が、そのハウジングの壁部を貫いてそのハウジングの外へと延在しており、ランプが壁部を貫いて延在している位置において、上記の壁部が、実質的に防塵態様でランプに当接している方法にも関するものである。

以下、図面を参照しながらの液晶ディスプレイの実施形態の説明によって、本発明をより詳しく説明する。図面は、実施形態を単に概略的に表したものであって、関連の低い部品は図示されていない。

図１には、端部において取付具２に取り付けられた、互いに平行な、６本のまっすぐな管状蛍光ランプ１が示されている。金属キャップ３が設けられたランプ１の端部は、ピン１７によって取付具２の内部まで延びている（図５参照）。取付具２は、１つの後壁面５と４つの側壁面６、７、８、９とを含むライトボックス４の中に取り付けられている。ライトボックス４の前面の周縁には、フランジ１０が設けられている。図１に示したライトボックス４は、そこに取り付けられた各部品も含めて、バックライト装置と呼ばれる。

取付具２は、ライトボックス４の後壁面５に取り付けられており、後壁面の凹設部を介して、後壁面５よりも後方の位置まで延在している。この後方の位置において、取付具２は、電流を供給するための導電ワイヤ（図示せず）に接続されている。

図２は、ライトボックス４の側面図であり、取付具２の、ライトボックスの後方に突き出た部分が示されている。図３は、別の方向から見たライトボックス４の側面図であり、やはり取付具２の突き出た部分が示されている。

図３では、拡散板１１と、結晶ディスプレイマトリックス１３が配されたフレーム１２と共に、２つのカバープレート１５、１６が、ライトボックス４の上方に示されている。液晶ディスプレイが組み立てられた状態では、カバープレート１５、１６、拡散板１１、およびフレーム１２は、ライトボックス４のフランジ１０に取り付けられる。この取付目的のため、ボルトがフランジ１０の孔１４（図１参照）を通って延在していてもよく、適切な当接状態を得るために、充填部品や密閉材が使用されてもよい。

拡散板１１は、ライトボックス４からの光の均等な分配に寄与し、結晶ディスプレイマトリックス１３の背面が均等に照光されるようにする。これにより、結晶ディスプレイマトリックス１３の前面に、液晶の配向によって決まる画像がもたらされる。本発明はディスプレイのバックライトに関するものなので、結晶ディスプレイマトリックス１３の作用については、ここではこれ以上の詳細な説明はしないこととする。

２つの壁部１８、１９が、ライトボックス４を、結晶ディスプレイマトリックス１３の背後に配される空間２０と、カバープレート１５によりカバーされるチャネル２１と、カバープレート１６によりカバーされる空間２２とに分割している。図４および図５には、壁部１８、１９が側面図で示されており、図５には、カバープレート１５、１６が示されている。ランプ１は、より大きな部分が空間２０内に存在しているが、各ランプ１は、その一端が壁部１８を貫いてチャネル２１内まで延在しており、他端が壁部１９を貫いて空間２２内まで延在している。空間２０は、ランプ１のハウジングと呼ばれる。

図４および図５に示されているように、壁部１８、１９は、Ｕ字型の断面を有する屈曲させられた金属板を含んでいる。その金属板の底面２３は、ライトボックス４の後壁面５に取り付けられており、脚部は、２つの平行な金属板２５、２６を形成している。２つの金属板２５、２６の間には、可撓性を有する合成発泡材料のブロック形状片２７が存在している。この発泡材料片２７は、図９に斜視図で示されている。

発泡材料片２７には、孔２８が設けられており、ランプ１は、これらの孔２８を通って延在することができる。また、発泡材料片２７には、切込み２９が設けられている（図８および図９のみに図示されている）。これにより、金属板２５、２６の間に発泡材料片２７を配した後に、ランプ１を嵌め込むことが可能となる。図６は、壁部１８を側面図で示した図であり、金属板２６に形成された凹設部３０が示されている。これらの凹設部３０の中に、ランプ１が存在する。ランプ１が金属板２６に接触しないように、凹設部３０の寸法は、ランプ１の直径よりも大きくされている。金属板２５にも、対応の凹設部が設けられている。

発泡材料２７がランプ１のガラス部分に固く当接するように、孔２８の直径は、ランプ１の直径よりもわずかに小さくされている。さらに、発泡材料２７がライトボックス４の上方に延在するように、発泡材料のブロック形状片２７の高さは、金属板２５、２６の高さよりも高くされている（図２および図３参照）。その結果、ライトボックス４内の、カバープレート１５、１６の嵌込位置において、発泡材料２７が、カバープレート１５、１６に固く当接する。このようにして、空間２０（ランプ１のハウジング）とチャネル２１と空間２２との間に、防塵密閉が得られる。

空間２０が防塵状態に密閉されているので、たとえ、空間２０内で生じた温度変化の結果として空気流が空間２０に流れ込んだ場合、または空間２０から流れ出た場合でも、不純物は空間２０内に入り込むことができない。このことは、特に、ランプ１と、高反射材料でコーティングされた空間２０の内壁とに、不純物が付着しないようにするために重要である。

図１０および図１１には、カバープレート１５、１６が示されている。各カバープレート１５、１６は、孔４１が存在する端縁を有する、上側部分４０を含んでいる。孔４１を孔１４に対応させることにより、この端縁を、ライトボックス４のフランジ１０に取り付けることができる。各カバープレート１５、１６はまた、上側部分４０に対して垂直に延在する部分４２を含んでいる。この部分４２には、凹設部４３が設けられており、ライトボックス４内のカバープレート１５、１６の取付位置において、ランプ１が、この凹設部４３を貫いて延在する。図５に示すように、この取付位置において、カバープレート１５の部分４２が、壁部１８の金属板２６に当接し、カバープレート１６の部分４２が、壁部１９の金属板２５に当接する。

図５に示すように、各ランプ１の端部は、一方がチャネル２１内へと延在しており、他方が空間２２内へと延在している。これらのチャネル２１と空間２２とは、いずれも、ランプ１が存在する空間２０から、防塵状態で密閉されている。結果として、取付具２は、結晶ディスプレイマトリックス１３の背後に存在する空間２０内には配されず（図３参照）、ランプ１の端部に存在しているキャップ３と同様に、空間２０の外に配されることとなる。ランプ１の良好な発光を与える部分のみが、空間２０内に存在することとなり、結晶ディスプレイマトリックス１３の良好かつ均等な照光が得られるようになる。

取付具２は、ランプ１のハウジング（空間２０）内には存在していないので、ライトボックス４の後壁面の位置に防塵密閉を設ける必要なしに、取付具２を、ライトボックス４の後壁面を貫いて延在させることできる。

ランプ１の適切な光出力を得るため、予め決められた範囲内に温度が維持されなくてはならない、ランプのいわゆるコールドスポットが、ランプ１の、壁部１８を貫いてチャネル２１内へと延在している部分に存在する。コールドスポット内に存在するのは、ランプ内に含まれる水銀の凝縮が起こる空間である。

チャネル２１を流通する空気は、チャネル２１内へと延在するランプ１の端部を冷却する。センサー（図示せず）が、１つまたは複数のランプの端部の温度を測定し、その測定された温度に応じて、３つのファン３３がオン状態またはオフ状態に切り換えられる。これらのファン３３の各々は、２つのランプ１の端部同士の間に存在する孔３４を介して、チャネル２１内に空気を送風する。一方、ライトボックス４の壁面９に形成された、２つの大きな孔３５と２つの小さな穴３６とを介して、チャネル２１の外へと空気が流れ出す。孔３４、３５、３６は図７に示されている。

孔３５、３６の位置を適切に選択することにより、ファン３３を作動させると、ランプ１のすべての端部が同じ程度に冷却される。ファンが、チャネル２１内へと空気を送り込むものではなく、孔３５、３６を介してチャネル２１内に空気が流れ込むようにするため、チャネル２１から空気を抜き出すものである場合にも、同じ結果が得られる。

以上説明した液晶ディスプレイの実施形態は、単なる一例に過ぎず、極めて多くの他の実施形態が可能である。

ライトボックス内のバックライトランプの前面図 同ライトボックスの側面図 ライトボックスの上側に配された結晶ディスプレイマトリックスと共に、拡散板とフレームとを示した、ライトボックスの側面図 図１中の線ＩＶ−ＩＶに沿った断面図 図１中の線Ｖ−Ｖに沿った断面図を、カバープレートと共に示した図 図１中の線ＶＩ−ＶＩに沿った断面図 図１中の線ＶＩＩ−ＶＩＩに沿った断面図 図１中の線ＶＩＩＩ−ＶＩＩＩに沿った断面図 発泡材料片の斜視図 カバープレートの斜視図 別のカバープレートの斜視図

Claims (11)

1. 少なくとも１つの管状蛍光ランプが内在するハウジングを備えたバックライト装置を含む、液晶ディスプレイであって、
   前記ハウジングが、実質的に防塵状態の空間を形成しており、前記ランプの一部が、前記ハウジングの壁部を貫いて該ハウジングの外へと延在しており、該ランプが該壁部を貫いている位置において、該壁部が、実質的に防塵態様で該ランプに当接していることを特徴とする液晶ディスプレイ。
2. 前記壁部が、前記ランプの光透過性のガラス部分に、実質的に防塵態様で当接していることを特徴とする請求項１記載の液晶ディスプレイ。
3. 前記壁部が、前記ランプに当接する可撓性材料を含んでいることを特徴とする請求項１または２記載の液晶ディスプレイ。
4. 前記可撓性材料が、合成発泡材料であることを特徴とする請求項３記載の液晶ディスプレイ。
5. 前記壁部が、２つの平行な板、好ましくは金属板を含んでおり、該２つの平行な板の間に、前記可撓性材料が配されていることを特徴とする請求項３または４記載の液晶ディスプレイ。
6. 前記金属板の各々に形成された凹設部が、前記可撓性材料に形成された凹設部よりも大きく、該凹設部を通って前記ランプが延在していることを特徴とする請求項５記載の液晶ディスプレイ。
7. 前記ランプの前記一部が、空気の流通が可能なチャネル内へと延在していることを特徴とする請求項１から６いずれか１項記載の液晶ディスプレイ。
8. 前記チャネルを通る空気流を発生させることのできるファンが設けられていることを特徴とする請求項７記載の液晶ディスプレイ。
9. 前記ハウジングが、拡散板に当接していることを特徴とする請求項１から８いずれか１項記載の液晶ディスプレイ。
10. 少なくとも１つのランプが内在するハウジングを備えたバックライト装置、特に請求項１から９いずれか１項記載の液晶ディスプレイのためのバックライト装置であって、
    前記ハウジングが、実質的に防塵状態の空間を形成しており、前記ランプの一部が、前記ハウジングの壁部を貫いて該ハウジングの外へと延在しており、該ランプが該壁部を貫いて延在している位置において、該壁部が、実質的に防塵態様で該ランプに当接していることを特徴とするバックライト装置。
11. 少なくとも１つのランプが液晶マトリックスを背面側から照光する、該少なくとも１つのランプが内在するハウジングを備えたバックライト装置を含む液晶ディスプレイを照光する方法であって、
    前記ハウジングが、実質的に防塵状態の空間を形成しており、前記ランプの一部が、前記ハウジングの壁部を貫いて該ハウジングの外へと延在しており、該ランプが該壁部を貫いて延在している位置において、該壁部が、実質的に防塵態様で該ランプに当接していることを特徴とする方法。

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