JP2005533783A - 押出成形された水和性ポリマーを備える胃内保持性薬剤輸送システム - Google Patents
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Abstract
Description
さらに詳細には、本発明は、胃内部に保持される医薬品に関する。それに関連する一つの局面において、本発明は、胃内長期滞留のための、放出調節薬剤輸送システムに関する。
i) 噴門:胃の最小領域で、食道との接合部から3 cm以内。噴門は粘液線が豊富である。この腺の分泌は、胃の酸や酵素から食道を保護するために必要である。
ii) 胃底:胃体と食道の間の接合部よりも上の、胃の上方部分。
iii) 胃体:胃の最大部分で、摂取食物と分泌液ガストリンの混合を担当する。
iv) 幽門:胃体を幽門洞に接続する胃の下方曲線部分であり、胃内容物を十二指腸に排出する。幽門腺は主に粘液の分泌に関与する。
v) 頭脳相であって、食物を見る、嗅ぐ、味わうことによって、または、食物を考えることすらによって、酸、酵素および塩等の胃液の分泌や、消化系の運動性が刺激される相である。
vi) 胃相であって、前記相と連続し、食物が胃に到達することによって増進される相である。胃相は、胃の応力と、塩酸および酵素の分泌増加と関連する。空腹の被験者では、胃のpHは1.5までも下がる。食物摂取(特にミルク)は、最初、胃内容物をpH6.0 (7)まで中和し、その間、唾液アミラーゼは炭水化物に作用し続ける。胃における食物の存在はさらなる塩酸の分泌を促進し、これは、最大2時間続行することが可能である。胃内容物のpHが低くなると、それはアミラーゼ活性を抑制し、ペプシン活性のための新たな環境を創造する。
vii) 小腸相であって、通常は食物の到達後数時間であって、最初のカイム(半流動食物塊)が十二指腸に輸送された時に始まる相である。カイムが小腸に達すると、それは、互いに協調的活動を行う、新たな数組のホルモン、酵素および緩衝液の分泌を起動する。
1. 膨張および拡大システム
膨張し、その周囲物体、胃内容物に対する相対的密度を変化させる剤形は、他の従来の剤形よりも、胃内容物の中により長く保持される。第1の例では、デバイスは、胃内容物の中で低く沈み込むかも知れないが、次に、物理的に変化することによって、低密度を獲得して表面に浮かび上がってくる。薬剤と膨張剤から成る一体型デバイスは水を吸収して膨張し、柔らかい、ゼラチン状外面を形成し、表面に浮かび上がるが、一方で、所定の時間その完全な形態を維持する。水和と膨張だけでは、デバイスの密度を大きく変化させるのに十分ではない。従って、湿潤を阻害し、浮上を向上させるために、少量の脂肪性物質が必要となることがある(4)。膨張剤および脂肪性物質の濃度と種類は、デバイスの最終的膨張特性および浮上特性に対して重大な影響を持つ。膨張はまた、剤形サイズを大きく増加させるが、サイズは移動特性に影響を及ぼすことが判明している。胃は、分解されていない固形剤形を含めた内容物を、幽門から小腸へ排出する。
本システムの基本原理は、密封されたカプセル被覆コア内部に、ガスを抱え込むことである。これは、胃内容物の上を浮遊することが可能であり、そのために胃の中により長く保持される(9-12)。この漂流効果により、本システムは、胃内容物の食道への逆流を防止する保護層を供給し、かつ、放出調節デバイス用にも使用が可能である。
この手法がパークおよびロビンソンによって1984年に最初に発表されて以来(16)、広範囲の天然および合成ポリマーについて、その生体接着性に関して精密な研究が実施されている。ナトリウムカルボキシメチル・セルロースのような陰イオン性ポリマーは、中性ポリマーや陽イオン性ポリマーよりも優れた生体接着性を持つ。この所見は後に、その他の陽イオン性ポリマーの試験結果が成功したのを受けて、論議の対象になった(17)。生体接着性ポリマーは、胃粘膜の他、いくつかの粘膜表面に薬剤を輸送するに際して優れた担体となる可能性がある。このシステムは、薬剤およびその他の賦形剤を、生体接着性ポリマーの内部に取り込むことによって設計することが可能である。呑み込むと、このポリマーは水和し、胃の粘膜に接着する。この接着のメカニズムは、ポリマー・粘液境界に静電気結合および水素結合を形成することによるものと考えられている。
一つの発表された研究において(21)、陰イオン交換樹脂(Duolite AP-143)を含む、急速に溶解する凍結乾燥錠剤は、長期の胃滞留を示し、かつ、その粒子サイズ分布によらず、胃内部において樹脂が均一に分布することが明らかになった。このイオン交換樹脂は、樹脂と共に投与された、水溶性非吸収性マーカーであるジエチレントリアミンペンタ酢酸と違って、胃内部に最大5時間保持された。この剤形に含まれるイオン交換樹脂は、高荷電ポリマーと同様、内因的生体接着性を有する可能性のあることが示唆されている。インビボ実験はただ一つしか実施されていないため、陰イオン性交換樹脂が胃壁接着剤として適当な候補なのかどうかを判断するには、様々な物理的および生理的条件下でさらにインビトロおよびインビボの実験を行うことが必要とされる。
薬剤、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、HPMCおよびラクトースから製造される薬剤層、および、超微粒フェライトとHPMCから製造される磁気層から成る、二重層錠剤が開発された。各層は別々に圧縮されて錠剤にまとめられた。次に、圧縮磁気層を、水に不溶のエチルビニールアセテート・コポリマーでコートした。乾燥後、コートした磁気層を、シアノアクリレート型の接着剤で、薬剤層に接着した。
1. 抗酸剤、酵素、および、細菌感染潰瘍にたいする抗生物質のように局所に作用する薬剤の輸送。
2. 小腸の下部で変性されるので、従来の調節放出処方には不適であった薬剤に対してルートを改変する。メトプロロールは、大腸でよく吸収されることが知られているが、同時に前記の区域において、分布前の高度のクリアランスの影響を受ける(1)。
3. (a)小腸の高pH環境では溶解度が低い、または、(b)吸収幅が狭い薬剤の生物学的利用能の改善。
4. 胃の中の酸性液中でも相当に可溶で、かつ、十二指腸のアルカリ性領域へ転送後も溶液中に溶解し続けることのできる薬剤。持続的低濃度で、消化管の比較的高pH領域に輸送された薬剤は、周囲溶媒に対する溶解度によらず、溶解を持続するか、または、沈殿してもコロイド形状になる。溶解度の低い薬剤を溶解状態または微細な分散状態に維持することは、その吸収と生物学的利用能に対して重大な影響を及ぼす。
5. 小腸の近位部から吸収される薬剤、例えば、ニトロフラントイン、リボフラビン、レボドーパ、p-アミノ安息香酸、および、アロプリノール(2,3)は、その生物学的利用能を改善するためには、胃内滞留デバイスの中に収めて投与するのが最善である。
6. 部位特異的吸収限界を持つ薬剤の調節放出。消化管から急速に吸収される薬剤、例えば、アモキシシリンは、胃の中でゆっくりと放出させるのが最善である。これらの薬剤は、その治療幅を拡大するために、保持性の優れたデバイスに収めるように処方してもよい。
7. 消化管での合計保持時間延長による、薬剤生物学的利用能の全体的改善。剤形を胃内に保持させる能力は、より広い吸収域に対して、薬剤の、定常的な補給流を供給する。これによって、薬剤吸収を最大にする最適条件が実現される。
8. 小腸下部の正常な腸内細菌の破壊を避けながら抗生物質を効果的に使用すること。
Claims (8)
- 胃内で保持されるための押出成形された医薬品。
- 1層の水和性ポリマーシートを備える押出成形された医薬品であって、前記水和性シートは、胃の外へ逸出することのないサイズを有することを特徴とする、請求項1記載の押出成形された医薬品。
- 前記シートは、成形されたシートとして押出成形されることを特徴とする、請求項2記載の押出成形された医薬品。
- 前記シートはロール状の形状を取ることを特徴とする、請求項3記載の押出成形された医薬品。
- 前記シートは平板シートとして押出成形され、畳まれるか、あるいはさもなければコンパクト化されていることを特徴とする、請求項2記載の押出成形された医薬品。
- 密封されたチューブ状中空押出成形体を備えることを特徴とする、請求項1記載の押出形成された医薬品。
- 両端が密封されたチューブを備えることを特徴とする、請求項6記載の押出形成された医薬品。
- 充填カプセルを備えることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれか一項記載の押出形成された医薬品。
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