JP2005531657A - 残留モノマーおよび副生成物の低い量を有し、材料特性を最適にするための変性化合物を含む重合ヒドロゲル - Google Patents

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Abstract

本発明は重合ヒドロゲルおよびこのヒドロゲル、特にほ乳類の皮膚に接合することができ、種々の人間のケア製品、例えば廃棄物処理製品および人間により消費される種々の機能製品に使用することができるヒドロゲル接着剤を製造する方法に関する。ここで記載されるヒドロゲルは残留出発モノマー、不純物および/または重合中に形成される副生成物のきわめて低い量により特徴付けられる。特に重合の前にスカベンジャーおよび/または連鎖移動剤を添加することによりヒドロゲルを製造する。同じスカベンジャーを添加する場合に重合されたヒドロゲルの材料特性がスカベンジャーなしに重合したゲルの特性と異なることが見出された。これはこれらの特定のスカベンジャーがラジカル重合で連鎖移動剤として作用するという事実にもとづく。他の研究により残留モノマー、不純物または副生成物のためにスカベンジャーが存在しない連鎖移動剤が重合したヒドロゲル接着剤の材料特性に作用することが示された。

Description

本発明は重合されたヒドロゲルおよびこのヒドロゲル、特にほ乳類の皮膚に接合することができ、種々の人間のケア製品、例えば廃棄物処理製品、および人間により消費される種々の機能製品に使用することができるヒドロゲル接着剤を製造する方法に関する。ここで記載されるヒドロゲルは残留出発モノマー、不純物および/または重合中に形成される副生成物のきわめて低い量により特徴付けられる。特に重合の前にスカベンジャーおよび/または連鎖移動剤を添加することによりヒドロゲルを製造する。
同じスカベンジャーを添加する場合に重合されたヒドロゲルの材料特性がスカベンジャーなしに重合したゲルの特性と異なることが見出された。これはこれらの特定のスカベンジャーがラジカル重合で連鎖移動剤として作用するという事実にもとづく。
他の研究により残留モノマー、不純物または副生成物のためにスカベンジャーが存在しない連鎖移動剤が重合したヒドロゲル接着剤の材料特性に作用することが示された。
重合の前に連鎖移動剤を添加する方法はヒドロゲル接着剤の材料特性を容易に最適にするために使用できる。
発明の背景
吸収剤製品および廃棄物処理製品のような消費製品に使用するための接着材料、例えばヒドロゲル、特にほ乳類の皮膚用接着剤はすでに欧州特許第1025823号および欧州特許第1025866号にそれぞれ記載されているが、これらの接着材料の開示は主にスキン電極、経皮ドラッグデリバリー、および傷の治療のそれぞれのような種々の医薬適用に関して行われた。吸収剤および人間の廃棄物処理製品のような大規模に製造される消費製品に関する所定のヒドロゲルの要求は欧州特許第1025823号および欧州特許第1025866号にそれぞれ記載されている。この場合に安全な接合、過剰の湿度の存在での付着の安定性および困難でない除去に対する要求が含まれる。
付加的に使用されるヒドロゲルが特に消費製品の大規模な製造のためにきわめて良好な安全特性を提供しなければならない前記の利点を生じることが特に重要である。
水に溶解するかまたは膨張する(部分的に架橋した)低分子量水溶性ポリマーおよびコポリマーおよび高分子量ポリマーおよびコポリマーを製造しなければならない場合は、使用されるモノマー、特にアクリル酸および誘導体の完全な反応が不可能であることが見出された。工業的規模で製造されるポリマー中に0.5%より高く、更に1.0%より高い遊離モノマーの残留含量がしばしば見出される。
残留モノマーを残さずに重合を行うことは現在まで不可能であったので、残留物を除去する試みがなされた。これは残留モノマーを除去するかまたは安全な誘導体に変換することにより達成できる。
米国特許第4132844号には水性ポリマーを高温で加熱することにより水性ポリマー中の遊離モノマーの量を直接減少する方法が記載されている。特開昭53/51289号および50/136382号において適当な溶剤で抽出することにより残留モノマー含量を減少した。
米国特許第2960486号、第3755280号および第4929717号は種々の化合物を用いる、通常の方法で製造されるアクリル酸および/またはアクリルアミドをベースとするポリマーゲルの処理を記載する。処理したポリマーゲルを、引き続き、この処理の後に残留モノマー含量を分析する前に体系的に高温で乾燥させる。
残念ながら出発未反応モノマーの濃度だけでなく、アクロレイン、アクリロニトリルまたはアクリルアミドのような重合工程から生じることがある不純物および副生成物の濃度も調節し、生じるヒドロゲル組成物中の特別に決められた目標濃度内に維持しなければならない。
出発モノマーの重合工程中に生じることがある不純物および/または副生成物の減少に関して前記の場合のいずれも考慮していない。
本発明は残留出発モノマー、重合工程中に生じることがある不純物および/または副生成物のきわめて低い量および/または調節された特性を有する重合ヒドロゲルの製造方法を提供する。この重合は、水10〜90質量%、出発モノマー10〜60質量%およびポリオール10〜80質量%からなる反応媒体内で実施される。
本発明に記載される方法は2つの連続工程からなる。第一工程は連鎖移動剤および/または残留モノマーと反応する化合物、重合工程中に形成されることがある不純物および副生成物を用いる重合可能なプレミックス溶液の処理である。第二工程はそれぞれ残留モノマーおよび不純物のきわめて低い含量および/またはtanδ25として調節された特性を生じるこうして処理したモノマー溶液の重合である。
UV照射により製造される重合ヒドロゲルにポリオール、例えばグリセリン等が存在する場合に、最終組成物中のアクロレインの濃度を調節し、明確に規定された目標濃度下に保持しなければならないことが知られている。実際にアクロレインとの接触は有利に回避されるかまたは最小にすべきである。
モノマープレミックス溶液のpHの調節により重合反応中に形成されるアクロレインの濃度が減少することが見出された。更に光重合反応中のUV照射を入念に調節することによりグリセリンを含むラジカル反応の光分解によりアクロレインの形成を減少することが可能であることが記載された。
本発明の1つの目的は残留モノマーおよび/または他の不純物のきわめて低い濃度を有する重合ヒドロゲルの製造方法を提供することである。カルボニル基およびα、β−不飽和カルボニル官能基を有する化合物の濃度を減少することが特に有効である。請求項に記載された方法は重合の前に直接モノマープレミックス溶液を処理し、これによりアクロレインの濃度を長時間安全な濃度より低く減少することからなる工程を有する。本発明はアクリロニトリル、アクリルアミドを含む他の不純物または副生成物および残留モノマーの濃度を減少するために有効である。
米国特許第5606094号には重亜硫酸ナトリウムを用いてアクリロニトリル中にアクロレインを含有する気体または液体混合物からアクロレインを捕獲し、引き続き反応生成物を分離する方法が記載されているが、本発明に記載される方法は重合工程の前に不純なスカベンジャーを配合する方法を提供する。従って前記副生成物はその形成の時間内に直ちに減少する。これに加えて、例えば重亜硫酸ナトリウムまたはヘテロ求核剤であってもよい余分なスカベンジャー化合物との反応により残留モノマーが減少する。
本発明の他の目的は重合の前に連鎖移動剤を添加することによりヒドロゲル接着剤の材料特性を最適にすることである。
発明の要約
1つの実施態様において本発明は水10〜90質量%および架橋した親水性ポリマー10〜60質量%からなる重合ヒドロゲル、特にヒドロゲル接着剤の製造方法に関する。親水性ポリマーは少なくとも1種の出発モノマータイプの重合により製造され、少なくとも1種のポリオール5〜80質量%、有利に10〜80質量%、特に有利に30〜80質量%を含有する。
本発明に記載される方法は2つの連続工程にある。第一工程は前記出発モノマーを水10〜90質量%、前記出発モノマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80%からなる反応媒体内で混合し、これにより重合可能なモノマー溶液を形成することにある。この溶液に変性化合物をそのまままたは溶液の形で添加し、場合により重合反応が起きないように入念に十分に混合する。更に重合可能なモノマーとスカベンジャー化合物の速い反応を避けなければならない。変性化合物は1つの化学的物質またはヒドロゲル上で同じかまたは異なる作用を有する化学的物質の混合物であってもよい。変性化合物はスカベンジャー化合物、連鎖移動剤およびスカベンジャー化合物であり、かつ連鎖移動剤である化合物からなる群から選択される。
第二工程は第一工程で形成された反応混合物を重合させ、ヒドロゲル材料を形成することにある。重合反応が行われる間、スカベンジャー化合物を、残留モノマー、前記重合反応により生じる不純物および/または副生成物と直ちに反応させ、これにより前記ヒドロゲル内の前記残留出発モノマー、不純物および/または前記副生成物の濃度を減少する。
1つの有利な実施態様において、本発明は少なくとも部分的にUV照射により重合を行うことにより、重合ヒドロゲル、特に接着剤を取得することを可能にする方法に関する。
ヒドロゲルのpH値はpH3.5〜7、有利に4〜6.5、より有利に4.5〜6の範囲である。
他の実施態様において、本発明は水10〜90質量%、出発モノマーから製造される架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80%からなる重合ヒドロゲル、特に接着剤に関し、前記ヒドロゲルは前記出発モノマーを前記水およびポリオールの存在で重合させることにより製造され、前記ヒドロゲルは重合中に前記ポリオールから誘導されるα、β−不飽和カルボニル副生成物100ppb未満、有利に50ppb未満、特に有利に20ppb未満を含有し、残留出発モノマーの濃度は200ppm以下、有利に100ppm以下、より有利に50ppm以下、更に有利に20ppm以下、特に有利に10ppm以下である。
他の実施態様において、本発明は水10〜90質量%、出発モノマーから製造される架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80%からなる重合ヒドロゲル、特に接着剤に関し、前記ヒドロゲルは前記出発モノマーを前記水およびポリオールの存在で重合させることにより製造され、前記ヒドロゲルは重合中に前記ポリオールから誘導されるα、β−不飽和カルボニル副生成物の求核性付加生成物を20ppbより多く、有利に50ppbより多く、より有利に100ppbより多く、更に有利に500ppbより多く、特に有利に1000ppbより多く含有する。
1つの他の実施態様において、本発明は水10〜90質量%、出発モノマーから製造される架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80質量%からなる重合ヒドロゲル、特に接着剤に関し、前記ヒドロゲルは前記出発モノマーを前記水およびポリオールの存在で重合させることにより製造され、前記ヒドロゲルは1より大きいtanδ25を有することを特徴とする。
詳細な説明
本発明は重合ヒドロゲルおよびこのヒドロゲル、特に哺乳動物の皮膚に接合できるヒドロゲル接着剤の製造方法に関する。
第一の実施態様において本発明は水10〜90質量%、少なくとも1種の出発モノマータイプから製造される架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80質量%からなるヒドロゲルの製造方法に関する。この方法は水10〜90質量%、前記出発モノマー10〜60質量%および前記ポリオール5〜80質量%、有利に10〜80質量%、特に有利に30〜80質量%から前記モノマー溶液を製造し、変性化合物を添加し、場合によりこうして形成される混合物の重合の前にモノマー溶液に十分に混合することからなる第一工程を有する。変性化合物の量の一部を重合後に添加することもできる。
本発明の方法において、出発モノマーと反応する化合物、不純物および/または以下に記載する副生成物および/または連鎖移動剤を有利に攪拌容器、管または静的混合機等内でモノマープレミックス溶液に直接添加する。化合物は純粋な物質としてまたは物質の混合物としてまたは溶液の形で、有利に水溶液の形で添加することができ、有利に添加される溶液の量はモノマープレミックス溶液の量に比べて十分に低く、反応混合物に急速に混合できる。選択的に反応混合物を低い温度、例えば10℃により保存することができるかまたは公知の重合抑制剤により安定化できる。
第二工程でこうして形成された反応混合物を重合させ、これによりヒドロゲルを形成する。本発明によるヒドロゲルの製造において成分を一般的に混合して最初にプレゲル水性ベース液体組成物の形の反応混合物を生じ、この場合に変性化合物で処理され、変性化合物を引続きラジカル重合反応によりゲルに変換する。これは例えば通常の熱開始剤、レドックス開始剤および/または光開始剤を使用してまたはイオン化放射により達成できる。これらのラジカル重合開始剤は当業者によく知られ、5質量%まで、有利に0.02〜2%。より有利に0.02〜0.4%の量で存在してもよい。光開始剤が1つの有利な方法であり、一般に適当な光開始剤を含有するプレゲル反応混合物を、シリコーン被覆剥離紙または他の中実または多孔質基材上の層として流延または被覆した後にUV光線にさらすことにより適用する。
重合ヒドロゲルのホモポリマーまたはコポリマー成分の形成に使用するために、適当なモノマーまたはコモノマーは酸性、中性、塩基性または両イオン性であってもよい。酸性モノマーの中で適当な強酸性タイプにはオレフィン性不飽和脂肪族または芳香族スルホン酸、例えば3−スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−スルホエチル(メタ)アクリレート、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、メタクリルスルホン酸等およびそれぞれの塩の群から選択されるものが含まれる。特に有利な強酸性タイプのモノマーは2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩である。酸性モノマーの中で適当な弱酸性タイプにはオレフィン性不飽和カルボン酸およびカルボン酸無水物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、エタクリル酸、シトラコン酸、フマル酸等およびその塩が含まれる。特に有利な弱酸性タイプのモノマーはアクリル酸およびその塩である。
中性モノマーの例にはN,N−ジメチルアクリルアミド、アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン等が含まれる。カチオン性モノマーの例にはN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミドおよびそれぞれの第四級塩等が含まれる。特に有利には本発明のヒドロゲル組成物はアクリル酸モノマーおよびその塩をベースとする。
ポリマー鎖の間の架橋はゲル形またはヒドロゲルと呼ばれるポリマーのための3次元のマトリックスを形成する。物理的架橋は化学的共有結合でなく、物理的特性を有する、例えば高い結晶性を有する3次元マトリックス中の領域または高いガラス転移温度を有する領域または疎水性相互作用を有する領域が存在する架橋を有するポリマーに関する。化学的架橋は共有化学結合により結合したポリマーに関する。ポリマーはUV、Eビーム、γ線またはマイクロ波放射のような放射技術によりまたは例えばUV、熱および/またはレドックス重合開始剤の使用により二官能性/多官能性架橋剤を使用したモノマーの共重合により化学的に架橋することができる。ポリマーをイオン架橋することもできる。
適当な多官能性モノマー架橋剤には変動するPEG分子量を有するポリエチレンオキシドジ(メタ)アクリレート、IRR280(UCB Chemicalから入手可能なPEGジアクリレート)、変動するエチレンオキシド分子量を有するトリメチロールプロパンエトキシレートトリ(メタクリレート)、IRR210(UCB Chemicalから入手可能なアルコキシル化トリアクリレート)、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリアリルアミン、N,N−メチレン−ビス−アクリルアミドおよび当業者に知られた他の多官能性モノマー架橋剤が含まれる。有利なモノマー架橋剤には多官能性ジアクリレートおよびトリアクリレートが含まれる。
化学的架橋は多官能性基と反応できる多官能性試薬、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリオール、例えばグリセリンおよび当業者に知られた他の多官能性試薬を使用することにより重合後に行うこともできる。
架橋は全部または一部分イオン架橋により行うことができ、その際反対の電荷の基がイオン相互作用により相互作用する。適当なイオン架橋剤には当業者に知られたポリマーポリアミンおよび第四級アンモニウム化合物を含む、多価カチオン、例えばAl3+およびCa2+、ジアミン/ポリアミン、ジ/ポリ第四級アンモニウム化合物を含む当業者に知られたものが含まれる。
ここで記載されるヒドロゲル組成物は有利に室温で液体である湿潤剤または湿潤剤の混合物(可塑剤とも呼ばれる)を含有することができる。湿潤剤はモノマーおよびポリマーが内部で可溶化または分散しているように選択される。放射線の架橋を実施すべきである実施態様のために、湿潤剤は好ましくはポリマーの放射線架橋工程を著しく妨げないように放射線架橋に適合している。湿潤剤混合物の成分は有利に親水性であり、水と混合できる。
適当な湿潤剤にはアルコール、多価アルコール、例えばグリセリンおよびソルビトールおよびグリコールおよびエーテルグリコール、例えばポリアルキレングリコールのモノエーテルまたはジエーテル、ポリアルキレングリコールのモノエステルまたはジエステル、ポリエチレングリコール、グリコラート、グリセリン、ソルビタンエステル、クエン酸および酒石酸のエステル、イミダゾリン誘導両性界面活性剤が含まれる。多価アルコール、例えばグリセリンおよびソルビトール、ポリエチレングリコールおよびこれらの混合物が特に有利である。グリセリンが特に有利である。湿潤剤はヒドロゲル5〜80質量%を含有する。
当業者に周知の他の常用の添加剤、例えば重合抑制剤、連鎖移動剤、塩、界面活性剤、可溶性または分散性ポリマー、緩衝剤、保存剤、酸化防止剤、顔料、無機充填剤等およびこれらの混合物がそれぞれ10質量%までの量で接着剤組成物に含まれていてもよい。
ポリオールの語は1個より多いヒドロキシル基を有するアルコール化合物に関する。ポリオールには多価アルコールが含まれ、ポリアルコールとも呼ばれる。すでに記載したように、ポリオールはヒドロゲルを製造するための通常の添加剤として当業者によく知られている。従って重合中にこれらのポリオールから形成される副生成物を減少する方法が特に有用である。
本発明の1つの有利な実施態様において、少なくとも部分的に光開始重合により重合を行う方法が用意される。光開始は一般に適当な光開始剤を含有するモノマーのプレゲル反応混合物を、シリコーン被覆剥離紙または他の中実または多孔質の基材上の層として流延、被覆または押出した後にUV光線にさらすことにより適用される。典型的に約240〜約400nmの範囲の波長での入射するUV強度は光開始剤のUV吸収バンドと少なくともある程度重なり、反応混合物の重合を完了するために十分な強度および露光時間(例えば120〜36000mW/cm)を有する。
これらのラジカル光開始剤または光開始剤は当業者によく知られ、5質量%まで、有利に1質量%未満、より有利に0.5%未満、特に有利に0.4%未満の量で存在することができる。これらの光開始剤にはα−ヒドロキシケトンおよびベンジルジメチルケタールの種類が含まれる。適当な光開始剤にはジメチルベンジルフェノン(商標名イルガキュアー(Irgacure)651、Ciba Speciality Chemicalsから入手可能)、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン(ダロキュアー(Darocure)1173、Ciba Speciality Chemicalsから入手可能)、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(商標名イルガキュアー(Irgacure)184、Ciba Speciality Chemicalsから入手可能)、ジエトキシアセトフェノン、および4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−メトキシプロピル)ケトン(商標名イルガキュアー(Irgacure)2959、Ciba Speciality Chemicalsから入手可能)が含まれる。ダロキュアー1173、イルガキュアー2959およびイルガキュアー184が有利な光開始剤である。イルガキュアー2959およびイルガキュアー184が特に有利である。本発明に記載されるヒドロゲル組成物においてイルガキュアー2959が最も有利な光開始剤である。光開始剤の組み合わせも使用できる。更に当業者に知られた熱開始剤および/またはレドックス開始剤または前記光開始剤と組み合わせたこれらの開始剤の1種以上を使用することにより重合を実施することができる。適当な熱開始剤には過硫酸カリウムおよびVA044(Wakoから入手可能)が含まれる。適当なレドックス開始剤には過酸化水素とアスコルビン酸および過硫酸ナトリウムとアスコルビン酸の組み合わせが含まれる。
光重合工程の間に、ポリオールとしてグリセリン使用する場合に、副生成物としてアクロレインを製造できることが示された。重合した接着剤ヒドロゲル中のアクロレインの濃度を測定するために適した方法は試験法の部分に記載されている。
理論に制限されずに、グリセリンおよびグリセリンエステルと光重合中に製造されるラジカルとの酸触媒活性または塩基触媒活性反応によりアクロレイン(2−プロペナール)を形成できると思われ、この場合にラジカルの濃度は特に高い。これ以後記載される限界値内にpH値を調節することにより、これらの酸または塩基触媒活性反応の結果として光重合中に製造されるアクロレインの量を減少できると思われる。
理論に制限されずに、エネアール、エネオン等のようなα、β−不飽和カルボニル副生成物を生じる他のポリオールを使用して類似の反応が起こると思われる。
同時係属出願においてモノマープレミックス溶液のpH値を3.5〜7,有利に4〜6.5、より有利に4.5〜6の範囲に調節することにより重合反応中に形成されるアクロレインの濃度が減少することが記載された。これは特に製造したヒドロゲル中のアクロレインの濃度を調節するために重要である。
更にアクロレインの減少に関する最適な結果を得るために、光重合反応の間にUV放射線の波長を入念に調節すべきであることが示された。280nm以下、有利に300nm以下、より有利に320nm以下、特に有利に335nm以下の波長でモノマー溶液およびヒドロゲルに到達するUV放射線の相対的%を最小にすることが有利である。これはこれらの波長範囲で本来低い出力を有するUV光源の使用によりまたはUV光源とモノマー溶液およびヒドロゲルの間の1個以上のハイパスUVフィルターの介在により達成できる。
この目的のために使用できるハイパスUVフィルターの例にはBedampfungs−technik社から入手できるボロフロートUVフィルター(例えばT320)が含まれる。他の例にはSchott Glass Werke社により製造されたハイパスUVフィルター(例えばWG−280、WG−295、WG−305、WG−320、およびWG−325)が含まれる。前記波長範囲でのW/cmの単位での積分UV強度が全範囲(すなわち200〜400nm)の積分UV強度の10%未満、有利に7%未満、より有利に4%未満、特に有利に1%未満に減少することが有利である。
理論に制限されずに、前記波長範囲でのUV放射線の減少が光分解またはグリセリンを含むラジカル反応によるアクロレインの形成を減少すると思われる。
それにもかかわらず有利な全体的な方法は、副生成物の増加した濃度を生じるとしても、出発モノマーおよびその不純物の濃度をきわめて低い水準に減少する重合条件を選択することである。
UV照射により少なくとも部分的に重合を実施する場合に、この工程は2つの処理パラメーター、入射UVピーク強度(W/cmの単位で)および/または全UVエネルギー(J/cmの単位で)に依存する。0.1〜30J/cm、有利に0.1〜25J/cm、より有利に1〜20J/cmの範囲の全UVAエネルギーを生じるUV照射を使用することが有利である。これらの条件は出発モノマーを低く推進する際に有利な条件である。
本発明の請求項に記載される方法は重合反応の残留モノマー、不純物および/または副生成物と反応する化合物を使用するモノマープレミックス溶液の化学的前重合処理からなる。
残留モノマーは本発明の親水性架橋ポリマーの未反応モノマーである。
不純物には主要成分と平行して少ない量でヒドロゲルプレミックスに導入されるアクリロニトリル、アクリルアミド、アクロレイン、アクリレート、t−ブチルアクリルアミド、他の置換アクリルアミド等のような共役オレフィンが含まれる。一部の共役オレフィンは不純物として存在し、重合反応の副生成物として形成される。
化学的処理は化合物に適用される当業者に知られた任意の化学的反応である。これらの反応は置換、付加、脱離、環化、ペリ環状反応、酸化および還元を含むが、これらに限定されない。本発明に記載される方法で付加反応が特に有利である。
重合反応の副生成物は適用される重合条件に関係なく不純物を含む反応媒体の任意の成分から製造されるすべての生成物である。前記ポリオールから製造される副生成物が本発明で特に重要である。
これらの副生成物はアクロレイン、アクリルアミド、アクリレート等のようなα、β−不飽和カルボニルを含むことができる。例えばすでに記載したグリセリンが光重合工程中の分解生成物としてアクロレインを製造することができる。アクリルアミド−2−メタンプロパンスルホン酸(AMPS)が分解してアクリルアミドを製造できることが知られている。アクロレインが本発明の特に重要な副生成物である。しかしヒドロゲルを製造するために使用される通常の添加物から誘導できる他の副生成物も本発明の範囲内にある。
残留モノマー、不純物および/または副生成物と反応するスカベンジャー化合物は特に求核剤、酸化剤、還元剤、共役ジエン、またはこれらの混合物であってもよい。本発明に記載される方法にとって前記化合物が求核剤であることが特に有利である。
適当な求核剤はすべての範囲のヘテロ求核剤を含み、ヘテロ求核剤はN、S,OまたはPのような分極可能なヘテロ原子を有する求核剤である。有利な求核剤はアンモニア、無機酸およびカルボン酸のアンモニウム塩(塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、アクリル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩等)、アリールアミド(この場合にアリールは単環または双環の芳香環を表し、場合により1個、2個またはそれ以上の置換基により置換されている。置換基は互いに独立に有利にC〜C−アルキル、OH、C〜C−アルコキシ、ニトロ、ハロゲン等からなる群から選択される。例は例えばアニリン、メチルアニリン、ベンジルアニリン、キシリジン等である)、ヘテロ芳香族化合物(この場合にヘテロ芳香族化合物は有利にN、S、Oのような1個以上のヘテロ原子を有する単環または双環の芳香環を表し、場合により1個、2個またはそれ以上の置換基により置換されている。置換基は互いに独立に有利にC〜C−アルキル、OH、C〜C−アルコキシ、ニトロ、ハロゲン等からなる群から選択される。N−ヘテロ芳香族化合物が有利である。例は例えばピリジン、イミダゾール、メチルイミダゾール等である。)、アルキルアミンおよび/またはその無機塩またはカルボン酸塩(アルキルアミンは有利にC1〜C6−アルキル鎖を有するモノ−,ジ−またはトリアルキルアミンであり、この場合に2個のアルキル鎖がNと一緒に5員または6員環を形成できる。例は例えばピペリジン、ピペラジン、モノ−、ジ−またはトリブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロパンアミン、トリエチルアミン等である)、多官能性アミン(有利にアルキルまたはアリールアミンのモノ−、ジ−またはトリアミンである。例は例えばヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、プロパンジアミン、ジエチレントリアミン)、ポリアミン(例えばポリビニルアミン)、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、アミノグアニジン、アルカリ亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、アルカリ亜硫酸水素塩または亜硫酸水素アンモニウム、アルカリメタ重亜硫酸塩または重亜硫酸塩またはメタ重亜硫酸または重亜硫酸アンモニウム、ハロゲン化水素、ブロモスクシンイミド、ピリジニウムブロミド、臭素またはチオールである。アミノグアニジン、重亜硫酸塩およびメタ重亜硫酸塩が本発明で特に有利である。
酸化剤には過マンガン酸塩、重クロム酸塩、クロム酸塩、二酸化セレン、四酸化オスミウム、過ヨウ素酸ナトリウム、またはオゾン、ペルオキシド(過硫酸ナトリウム、ジベンゾイルペルオキシド等)またはヒドロペルオキシド(例えばベンゾイルヒドロペルオキシド、過酸化水素)が含まれる。
還元剤には金属水化物、次亜塩素酸ナトリウム、金属およびその無機酸およびカルボン酸の塩(例えば塩化物、臭化物、硫酸塩、リン酸塩、蟻酸塩、酢酸塩、アクリル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩等)またはグリニャール試薬、金属キレート(例えばEDTA種類の化合物および誘導体の鉄、チタン、セリウム、銅、コバルト、マンガンキレート、有利にBASF社のtrilon(登録商標))、アルカリ亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、メタンスルフィン酸およびその塩、例えばナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート、サッカリド(例えばアスコルビン酸、グルコース、フルクトース等)が含まれる。
ジエンにはシクロペンタジエン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、イソプレン、2−メトキシブタジエン等が含まれる。
化合物が求核剤である場合に、求核剤が付加反応により出発モノマー、不純物および/または副生成物の二重結合と反応することが特に有利である。
本発明の方法において、前記残留出発モノマー、不純物および/または副生成物と反応するスカベンジャー化合物は有利にヒドロゲルに対して30000ppm未満、有利に10000ppm未満、より有利に5000ppm未満または2000ppm未満、特に有利に1000ppm未満の量で存在する。一般にスカベンジャー化合物の最低量は200ppm以上、有利に100ppm以上、より有利に50ppm以上、特に有利に10ppm未満である。
生じるヒドロゲルは200ppm未満、有利には100ppm未満、より有利に50ppm未満、より有利に20ppm未満、特に10ppm未満のすべての残留モノマーを含有する。付加的に生じるヒドロゲルが1000ppb未満、有利に500ppb未満、より有利に100ppb未満、より有利に50ppb、特に有利に20ppb未満の重合中に前記ポリオールから誘導される副生成物を含有することが有利である。更におよび適用できる場合には重合されたヒドロゲルが100ppb未満、有利に50ppb未満、より有利に25ppb未満、特に10ppb未満のアクリロニトリルおよび/またはアクリルアミドを含有する。
他の実施態様において、本発明は水10〜90質量%、出発モノマーから製造される架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80質量%を含有する重合されたヒドロゲル、特に接着剤に関し、前記ヒドロゲルは前記出発モノマーを前記水およびポリオールの存在で重合することにより製造され、その際前記ヒドロゲルは100ppb未満、有利に50ppb未満、特に有利に20ppb未満の、重合中に前記ポリオールから誘導されるα、β−不飽和カルボニル副生成物を含有し、残留出発モノマーの濃度は200ppm未満、有利に100ppm未満、より有利に50ppm未満、より有利に20ppm未満、特に有利に10ppm未満である。
他の実施態様において、本発明は水10〜90質量%、出発モノマーから製造される架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80質量%を含有する重合されたヒドロゲル、特に接着剤に関し、前記ヒドロゲルは前記出発モノマーを前記水およびポリオールの存在で重合することにより製造され、その際前記ヒドロゲルは100ppb未満、有利に50ppb未満、特に有利に20ppb未満のアクロレインを含有し、残留出発モノマーの濃度は200ppm未満、有利に100ppm未満、より有利に50ppm未満、より有利に20ppm未満、特に有利に10ppm未満である重合されたヒドロゲル、特に接着剤に関する。
他の実施態様において、本発明は水10〜90質量%、出発モノマーから製造される架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80質量%を含有する重合されたヒドロゲル、特に接着剤に関し、前記ヒドロゲルは前記出発モノマーを前記水およびポリオールの存在で重合することにより製造され、その際前記ヒドロゲルは20ppb以上、有利に50ppb以上、特に有利に100ppb以上、より有利に500ppb以上、特に有利に1000ppb以上の、重合中に前記ポリオールから誘導されるα、β−不飽和カルボニル副生成物の求核付加生成物を含有する。
前記求核付加生成物は適当な求核剤と重合中に前記ポリオールから誘導されるα、β−不飽和カルボニル副生成物との前記付加反応から直接または間接的に生じるすべての生成物である。生じる可能性は重亜硫酸塩が前記の適当な求核剤であると選択され、α、β−不飽和カルボニルとしてアクロレインが選択される場合を除いて無数であり、付加生成物はナトリウム−3−プロパナールスルホネート、1−ヒドロキシ−2−プロペン−1−スルホネート、1−ヒドロキシ−1,3−プロパンジスルホネートを含有することができる。
連鎖移動剤であるスカベンジャーの存在で重合されるヒドロゲル接着剤はこれらのスカベンジャーなしに重合されたヒドロゲル接着剤と異なる材料特性を示した。他の研究によりスカベンジャーが存在しない連鎖移動剤が重合されたヒドロゲル接着剤の材料特性に影響を与えることが示された。しかしスカベンジャーである連鎖移動剤が残留モノマーおよび不純物の減少の利点により有利である。
最も重要な材料特性はレオロジー特性および剥離力である。これらは欧州特許第1025823号および欧州特許第1025866号に詳細に記載される。
典型的にモノマープレミックスの固形分および/または架橋剤の量を変動することにより材料特性を変動する。これはプレミックスを製造した後では容易に行うことができない。連鎖移動剤の添加はプレミックス組成を変動せずに材料特性を最適にするための簡単でよい方法である。これはより柔軟なヒドロゲル製造への方法を開示する。これは、プレミックスを排出しなくてよく、連鎖移動剤の添加により材料特性を変動できる場合に費用を節約する。
安全な最初のおよび延長した結合および容易で困難でない除去のための接着剤を提供するために、弾性率と粘弾性の関係およびその動的特性が重要である。
接着剤は25℃(華氏温度77)の温度で省略してG′25の弾性率および25℃(華氏温度77)の温度でG′′25の粘弾性を有する。
本発明による接着剤は有利に以下の条件を満たす。
G′25(1rad/秒)は200Pa〜30000Pa、有利に500Pa〜20000Pa、特に有利に1000Pa〜10000Paの範囲内にあり、
G′′25(1rad/秒)は100Pa〜30000Pa、有利に100Pa〜10000Pa、特に有利に300Pa〜5000Paの範囲内にあり、
G′′25(1rad/秒)/G′25(1rad/秒)の比(tanδ25)は0.03〜3の範囲内にある。tanδ25値は有利に0.2〜0.9,より有利に0.4〜0.8である。1より大きい、より有利に1.01〜2、特に有利に1.02〜1.5であるtanδ25値を有するヒドロゲルが有利である。
これまで1より小さいtanδ25値のみを記載した。連鎖移動剤の使用により1より大きい比を有するヒドロゲルを取得することが可能である。一部の適用のために1より大きいこれらの値を有することが有利である。
本発明に記載されるヒドロゲルは有利に0.3〜5N/cm、より有利に1.5〜3N/cmの乾燥した皮膚での90°剥離力を有する。剥離力はポリエチレンテレフタレート(PET)上で180°で測定することができる。この場合にヒドロゲルは有利にPET上で0.3〜5.0N/cm、有利に0.5〜3.0N/cm、特に有利に0.8〜2.0N/cmの剥離力を有する。皮膚およびPET上の剥離力の測定方法はこれ以後に試験法の部分に記載される。
スカベンジャーである適当な連鎖移動剤は前記求核剤を含むが、これに限定されない。重亜硫酸ナトリウムが特に有利である。
スカベンジャーでない適当な連鎖移動剤は有機酸、例えばギ酸、酢酸、アスコルビン酸等、チオール、例えば2−メルカプトエタノール、芳香族化合物、例えばトルエン、クロロベンゼン、アニリン、ベンゾニトリル、アントラセン等、ハロゲン化合物、例えばジクロロメタン、クロロエタノール等、ポリアルコールおよび糖、例えばグリセリン、ソルビトール、グルコース、アラビノース等、アルコール、例えばイソプロパノールまたはn−プロパノールを含むが、これらに限定されない。
本発明の具体的な実施例を記載し、説明したが、本発明の思想および範囲から逸脱することなく種々の他の変更および変形が形成されることは当業者に明らかである。従って本発明の範囲内にあるすべてのこれらの変更および変形を付随するクレームでカバーすることが意図される。
試験法
1.モノマー溶液のpH値
モノマー溶液のpH値は技術水準で知られた方法を使用して測定できる。例えばイオンラブ/イオンレベル(ionlabph/ion level)2P計量装置はSenTix41電極(Wissenschaftlich Technische Werkstaetten社から入手できる)を備えることができる。
2.重合されたヒドロゲル中の残留NaAMPSおよびアクリル酸
試料の製造:0.9w/v含塩分溶液100mlをヒドロゲル1.0000gに添加し、混合物を温度調節浴中、40℃で最低16時間振動する。抽出物のアリコートをシリンジに集め、0.20im親水性フィルターを介してHPLC自動サンプラーバイアルに移す。
分析:逆相HPLC/DAD、ヒドロゲル濾液(前記のような)50ilを直接HPLC、例えばAgilent Series1100溶剤供給装置、Agilent Series1100自動注入器、Agilent Series1100フォトダイオードアレー検出器、およびAgilent ZorbaxSBAQ4.6×150mm 5im分析カラムおよびガードカラムとしてAgilent ZorbaxSBAQ4.6×12.5mmを備えたAgilent Series1100に注入する。移動相は溶離剤A(H2O、燐酸0.867ミリモル/1を含有)96%および溶離剤B(アセトニトリル)4%からなる。流速は1.2ml/分である。分析温度は30℃である。検出のためにフォトダイオードアレー溝200nm(帯域幅5nm)を使用し、ピーク純度評価のために190〜300nmにわたるUVスペクトルを適用する。分析物の濃度を当業者に知られた標準的方法を使用して定量化し、ヒドロゲル1g当たりの分析物のマイクログラム(ppm)として報告される。NaAMPSの定量的検出限界はヒドロゲル1g当たり分析物5マイクログラム(ppm)未満である。アクリル酸の定量的検出限界は信号/ノイズ比10にもとづきヒドロゲル1g当たり分析物3マイクログラム(ppm)未満である。
3.重合されたヒドロゲル中の残留アクリロニトリルおよびアクロレイン
試料の製造
ヒドロゲル試料から保護ホイルを取り除く。引き続き約5gを広口ビンに供給する。試料にNaCl溶液(0.9%w/w)500mlを添加する。この調製物を約24時間40℃に保存する。通常の処理時間の間ビンを毎時間激しく振動する。24時間後ビンを室温に冷却し、引き続き液相を分離する。
最終測定
原理
アクロレインおよびアクリロニトリルをパージ・アンド・トラップGC−MS分析により測定する。パージ・アンド・トラップに適した市販の自動サンプラーを使用できる。自動サンプラーは四極質量分析計に結合したキャピラリーガスクロマトグラフに接続されている。
オフラインパージ・アンド・トラップを同様に実施することができ、その場合に吸着管を、熱脱着装置を備えたGC−MS装置で更に分析する必要がある。
分析技術に関する原則的情報はEPA法5030Bおよび8260Bに示される。
定量化のために外部標準的方法が勧められる。標準的添加法は抽出物に残留重亜硫酸塩が存在し、これがスパイクのついた標準と反応する場合に、体系的誤差を生じることがある。この場合に高すぎる値が評価される。
分離した水性抽出物5ml(高濃縮または発泡試料抽出物2ml)の一部をパージ・アンド・トラップGC−MS分析に使用する。
可能な測定パラメーターは以下に示される。
パージ・アンド・トラップのために自動サンプラーPTA−3000(供給、IMT)を使用した。
試料温度:40℃
パージ時間:20分
パージ流量:He20ml/分
バルブ温度:80℃
移動ライン:200℃
トラップ冷却温度:−120℃
水トラップ温度:−15℃
トラップ脱着温度:200℃
脱着時間:10分。
クロマトグラフ条件
溶融シリカカラム:
RTX−VMS(供給、Restec)長さ60m、内部直径0.32mm、膜厚01.8im
温度プログラム:
40℃、等温7分
40〜80℃、7K/分
80〜220℃、14K/分
220℃、等温13分
インジェクター温度:200℃
移動ライン温度:220℃、
キャリアガス:ヘリウム0.6バール、
四重MS装置(例えばMD800、供給、Thermo Quest)
ソース温度:220℃
イオン化:EI
選択したイオンモニター:
アクリロニトリルに関してm/z52および53(評価のためにm/z53を使用した)
アクロレインに関してm/z55および56(評価のためにm/z56を使用した)
興味のある濃度レベルでNaCl溶液(0.9%w/w)中の標準的溶液を製造することにより測定する、標準的溶液はヒドロゲル抽出物と同じ条件でパージおよびトラップGC−MSにより分析する。
4.レオロジー
25℃でHAAKE RHEOSTRESS1 振動レオメーターまたは類似の装置を使用してヒドロゲルのレオロジーを測定する。約1mmの厚さおよび直径20mmの試料を直径20mmの2つの閉鎖した平行な板の間に配置し、Peltier装置または類似の装置を使用して約25℃の温度に調節する。ヒドロゲル上でヒドロゲルの線弾性応答内で適用されるひずみでの応力またはひずみモードで(例えば約10%のひずみまで)、47.75Hz(300rad/秒)および0.143Hz(0.8992rad/秒)の間の不連続の周波数値で測定して動的周波数の除去を行う。結果を1.0〜100rad/秒の周波数値でG′、G′′およびtanδとして取り出す。ヒドロゲルを測定の前に少なくとも24時間老化する。少なくとも3個の測定値の平均を報告する。
5.乾燥した皮膚での剥離力
乾燥した皮膚からヒドロゲルを除去する剥離力を、適当な引張り試験器、例えば10Nの圧力のセルおよびInstron accessory model A5012R−100のようなかなとこ用の硬い板を備えたInstron Model6021を使用して測定する。試料を幅25.4mmおよび長さ約10〜20cmのストリップに切断する。ヒドロゲルより長い長さの延伸不能のフィルムを、両面接着剤を使用してヒドロゲル試料の反対の面に(例えば支持体の面)適用する。適当なフィルムはEffegidi社、43052、Colorno、イタリアから入手できる23iの厚さのPETである。剥離紙を有する試料のために、ヒドロゲルをプレアームに適用する前に剥離紙を除去し、ヒドロゲルと皮膚の間に空気の捕捉を避けるために、圧縮質量ローラーを使用して本来の位置に回転させる。ローラーは直径13cm、幅4.5cmであり、5kgの質量を有する。ローラーは厚さ0.5mmのゴムで覆われる。裏側フィルムの自由端部を引張り試験器の上側クランプに結合し、アームを下に配置する。試料を皮膚から90°の角度および1000mm/分の速度ではがす。全試料の剥離中に得られた平均剥離値をN/cmでの剥離値として取り出す。3回の測定の平均値を報告する。
6.PETでの剥離力
ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)フィルムからヒドロゲルを除去する剥離力を適当な引張り試験器、例えば50N圧力セルおよびZwick Model:8195.01.00のような空気式グリップおよびクロスヘッド運動方向に配列された硬質下方プレート、例えばスチールのための取り付け部品を備えた、ZwickZ1.0/TH1Sを使用して測定する。新たに製造したヒドロゲルを測定前に閉鎖したアルミニウムバッグまたは類似物中で、室温で12〜24時間保存する。少なくとも10cmの長さの欠陥のない試料をヒドロゲル試料から切断する。少なくとも130mmの長さおよび25.4mmの幅の両面接着剤の断片、例えばDuplofol 020DIVB+L Lohmann社、Postoffice box 1454 56504 Neuwiedを下方プレートの前面に接着する。幅25.4mmおよび長さ25.4cmの切断工具を使用してZwick model 7104のようなZwick機械的切断プレスを使用してヒドロゲルを打ち抜く。第2リンダーをテープから除去し、ヒドロゲル試料の裏面に接着する。厚さ23iのコロナ処理していない標準的PETのストリップを約300mm×28mmに切断する。適当な材料はCavilen−Forex Effegidi社、Via Provincial per Sacca55,I−43052 Colorno、イタリアを含む。ヒドロゲルから剥離ライナーを除去し、底部の端部で規則的テープにより硬質プレートに固定する。標準的支持体を引き続き手動ローラーを使用して前方に1回および後方に1回1000〜5000mm/分の速度で物体接着剤上に適用する。ローラーは直径13cm、幅4.5cmであり、5kgの質量を有する。ローラーは厚さ0.5mmのゴムで覆われる。測定は有利に支持体の適用の10分以内で実施する。
標準的支持体の自由端部は180°の角度で二重の裏面であり、硬質プレートが引張り試験器の下方クランプに固定される。標準的支持体の自由端部は引張り試験器の上方クランプに固定される。剥離試験を1000mm/分の速度で実施する。最初の20mmの剥離を除外し、残りの長さにわたり平均的力を剥離力としてN/cmで示す。3回の試験の平均値を報告する。

ゲル製造の一般的説明
a)NaAMPSを含有する実験試料
50質量%Na−AMPS溶液約22.4部、アクリル酸約16.6部および脱イオン水約10.4部を一緒に混合する。この溶液に50質量%NaOH約5.5部を絶えず撹拌しながら滴下し、この間氷浴で30℃未満に温度を維持する。NaOHを添加後、グリセリン44.8部を架橋剤(すなわちIRR210)約0.1部および光開始剤(例えばDarocure1173またはIrgacure2959)約0.2部および求核剤X(例えば重亜硫酸ナトリウムまたはアミノグアニジン)と一緒に添加する。求核剤は純粋な化合物または溶液として添加することができる。この方法を、反応混合物を光から保護するために褐色の時計皿で覆われた褐色のガラス製品中で実施する。約15〜30分撹拌後、反応混合物をテフロン被覆プレートに注入し、厚さ1mmの層を生じる。引き続き反応混合物を2000W Hoenle UVランプで100mW/cmで照射する。典型的な照射時間は60秒〜180秒の範囲にわたる。ゲルを引き続き写真複写用紙で覆い、プレートを剥離する。ゲルの他方の面を剥離ライナー(例えばシリコン被覆紙)で覆う。
b)Na−AMPSを含有しない実験試料
50質量%Na−アクリレート(70%中和した)溶液約57.8部、グリセリン約41.9部を架橋剤(すなわちIRR210)約0.1〜0.3部および光開始剤(例えばDarocure1173またはIrgacure2959)約0.2部および求核剤または連鎖移動剤X(例えば2−メルカプトエタノール、ギ酸または重亜硫酸ナトリウム)と一緒に添加する。化合物Xは純粋な化合物または溶液として添加することができる。この方法を、反応混合物を光から保護するために褐色の時計皿で覆われた褐色のガラス製品中で実施する。約15〜30分撹拌後、反応混合物をテフロン被覆プレートに注入し、厚さ1mmの層を生じる。引き続き反応混合物を2000W Hoenle UVランプで100mW/cmで照射する。典型的な照射時間は60秒〜180秒の範囲にわたる。ゲルを引き続き写真複写用紙で覆い、プレートを剥離する。ゲルの他方の面を剥離ライナー(例えばシリコン被覆紙)で覆う。
c)パイロットラインの試料
実験試料(a参照)と比較してモノマー混合物の組成を変化しない。求核剤Xを不連続的に撹拌容器反応器に添加するかまたはオンラインで添加する(例えば静的混合機)ことができる。求核剤を含有するモノマー混合物を支持体(例えば不織布ウェブ)上に1m当たり約1.0kgの基礎質量で押し出す。1〜7個の2000W HoenleUVランプまたは1〜12個の高出力ISTUVランプを使用してまたは両者を組み合わせて照射することにより重合を実施する。ランプは320nm未満の波長を遮断するガラスフィルターを備えることができる。この方法によりモノマー溶液を接着剤ヒドロゲルに変換する。UVランプを通過後、この接着剤ヒドロゲルを剥離ライナー(例えばシリコーン被覆紙または配向ポリプロピレン(OPP)ホイル)で覆い、必要な幅に切断し、ロールに巻き付ける。
d)求核剤溶液の製造
求核剤を脱イオン水に溶解することにより溶液を製造する。
Figure 2005531657
以下の表はスカベンジャー重亜硫酸ナトリウムが連鎖移動剤として作用し、材料特性に影響を与えることが示される。
Figure 2005531657
以下の表にNaAMPSを含有する実験試料に求核剤(例えばギ酸)が存在しない連鎖移動剤の影響が示される。
Figure 2005531657
レドックスカップルでの前処理による後開始
化合物X、Y、Zの混合物の添加により残留モノマー、不純物、および副生成物をUV重合の前にモノマー混合物に還元することができる。化合物X、Yは重合を開始できるフォーミングレドックスカップルである。このレドックスカップルは例えばFe2+/H、Fe2+/NaPSを含む。鉄イオンを(部分的に)錯化するために、鉄錯化剤Z(例えばBASF社Trilonブランド)をレドックスカップルに更に添加することができる。
以下の表に関して試料を製造した同じ日に分析のためにアクリル酸を抽出した。
Figure 2005531657
残留モノマー減少作用は時間とともに継続する。
Figure 2005531657

Claims (33)

  1. 水10〜90質量%、少なくとも1種の出発モノマータイプから製造された架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80質量%からなるヒドロゲルの製造方法において、前記方法が以下の工程
    1)水10〜90質量%、前記出発モノマー10〜60質量%および前記ポリオール10〜80質量%からなる前記出発モノマー溶液を製造し、こうして形成された混合物を重合させる前に前記モノマー溶液に変性化合物を添加し、その後
    2)前記モノマーを、水10〜90質量%、前記出発モノマー10〜60質量%および前記ポリオール10〜80質量%からなる反応媒体内で変性化合物の存在で重合させ、これによりヒドロゲルを形成する
    ことからなり、この場合に変性化合物がスカベンジャー化合物、連鎖移動剤、スカベンジャー化合物であり、かつ連鎖移動剤である化合物からなる群から選択されることを特徴とする、ヒドロゲルの製造方法。
  2. 変性化合物を、重合の前に有利に撹拌容器、管または静的混合機中で直接モノマー溶液に添加する請求項1記載の方法。
  3. 変性化合物がスカベンジャー化合物である請求項1または2記載の方法。
  4. 変性化合物が連鎖移動剤である請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 変性化合物がスカベンジャー化合物であり、かつ連鎖移動剤である請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 工程1)のヒドロゲル生成物中の残留モノマー濃度が10000ppm以下、有利に1000ppm以下、より有利に500ppm以下、更に有利に200ppm以下、特に有利に10ppm以下である請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記出発モノマーの重合をpH3.5〜7、有利に4〜6.5、より有利に4.5〜6で実施する請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記ヒドロゲルが水20〜70質量%を含有する請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 工程1)での変性化合物の前記添加が、前記モノマープレミックス溶液に、前記残留出発モノマー、不純物および/または副生成物と付加反応により反応する求核剤を添加することからなる請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 前記副生成物が前記ポリオールから製造されるα、β−不飽和カルボニルからなる請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記ポリオールがグリセリンである請求項10記載の方法。
  12. 前記副生成物がアクロレインを含有する請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 前記求核剤がアンモニア、アミン、ポリアミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、アミノグアニジン、チオール、亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩および重亜硫酸塩からなる群から選択される請求項9記載の方法。
  14. 前記求核剤が重亜硫酸塩である請求項13記載の方法。
  15. 重亜硫酸塩が、工程1)の生成物に対して、30000ppm未満、有利に10000ppm未満、より有利に5000ppm未満、特に有利に1000ppm未満の量で存在する請求項14記載の方法。
  16. 前記出発モノマーの重合を少なくとも部分的にUV照射により行う請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 前記反応媒体が光開始剤を含有する請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
  18. 前記光開始剤がダロキュアー1173、イルガキュアー2959、イルガキュアー500およびイルガキュアー184からなる群から選択される請求項17記載の方法。
  19. 前記光開始剤を前記反応媒体中で5質量%未満、有利に1質量%未満、より有利に0.5質量%未満、特に有利に0.4質量%未満の濃度で使用する請求項18記載の方法。
  20. UV硬化により重合を実施し、280nm未満、有利に300nm未満、より有利に320nm未満の波長での積分UV強度が400nm未満の波長を有する全積分UV強度の10%未満、有利に7%未満、より有利に4%未満、特に有利に1%未満である請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
  21. 前記重合を0.1〜30J/cm、有利に0.1〜25J/cm、特に有利に1〜20J/cmの範囲の全UVAエネルギー下で実施する請求項20記載の方法。
  22. 前記出発モノマーがアクリル酸を含有する請求項1から21までのいずれか1項記載の方法。
  23. 前記ヒドロゲルが接着剤である請求項1から22までのいずれか1項記載の方法。
  24. 前記ヒドロゲルが0.03〜3のtanδ25を有する請求項1から23までのいずれか1項記載の方法。
  25. 水10〜90質量%、出発モノマーから製造された架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80質量%からなるヒドロゲルであり、前記ヒドロゲルが前記出発モノマーを前記水およびポリオールの存在で重合させることにより製造されるヒドロゲルにおいて、前記ヒドロゲルが重合中に前記ポリオールから誘導されるα、β−不飽和カルボニル副生成物100ppb未満、有利に50ppb未満、特に有利に20ppb未満を含有することを特徴とするヒドロゲル。
  26. 前記α、β−不飽和カルボニル副生成物がアクロレインを含有する請求項25記載のヒドロゲル。
  27. 残留出発モノマー200ppm未満、有利に100ppm未満、より有利に50ppm未満、更に有利に20ppm未満、特に有利に10ppm未満を含有する請求項25または26記載のヒドロゲル。
  28. 水10〜90質量%、出発モノマータイプから製造された架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80質量%からなるヒドロゲルであり、前記ヒドロゲルが前記出発モノマーを前記水およびポリオールの存在で重合させることにより製造されるヒドロゲルにおいて、前記ヒドロゲル1より大きいtanδ25を有することを特徴とするヒドロゲル。
  29. 水10〜90質量%、出発モノマータイプから製造された架橋した親水性ポリマー10〜60質量%および少なくとも1種のポリオール10〜80質量%からなるヒドロゲルであり、前記ヒドロゲルが前記出発モノマーを前記水およびポリオールの存在で重合させることにより製造されるヒドロゲルにおいて、前記ヒドロゲルが20ppbより多い、有利に100ppbより多い、更に有利に500ppbより多い、特に有利に1000ppbより多い、重合中に前記ポリオールから誘導されるα、β−不飽和カルボニル副生成物の求核性付加生成物を含有することを特徴とするヒドロゲル。
  30. 前記ポリオールがグリセリンである請求項25から29までのいずれか1項記載のヒドロゲル。
  31. 前記求核性付加生成物が3−プロパナールスルホン酸ナトリウム、1−ヒドロキシ−2−プロペン−1−スルホネート、または1−ヒドロキシ−1,3−プロパンジスルホネートからなる請求項29記載のヒドロゲル。
  32. 前記出発モノマーがアクリル酸を含有する請求項25から31までのいずれか1項記載のヒドロゲル。
  33. 前記ヒドロゲルが接着剤である請求項25から32までのいずれか1項記載のヒドロゲル。
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