JP2005529882A - 抗腫瘍および神経保護活性を有する、アミノアルキルステロール化合物 - Google Patents

抗腫瘍および神経保護活性を有する、アミノアルキルステロール化合物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005529882A
JP2005529882A JP2003586169A JP2003586169A JP2005529882A JP 2005529882 A JP2005529882 A JP 2005529882A JP 2003586169 A JP2003586169 A JP 2003586169A JP 2003586169 A JP2003586169 A JP 2003586169A JP 2005529882 A JP2005529882 A JP 2005529882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
carbon
formula
cells
medicament
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003586169A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4601297B2 (ja
Inventor
マーク ポアロー,
メディーナ, フィリップ ドゥ
サンドリーヌ ポアロー,
Original Assignee
アンスティテュ ナショナル ドゥ ラ サン エ ドゥ ラ ルシュルシェ メディカル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アンスティテュ ナショナル ドゥ ラ サン エ ドゥ ラ ルシュルシェ メディカル filed Critical アンスティテュ ナショナル ドゥ ラ サン エ ドゥ ラ ルシュルシェ メディカル
Publication of JP2005529882A publication Critical patent/JP2005529882A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4601297B2 publication Critical patent/JP4601297B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07JSTEROIDS
    • C07J41/00Normal steroids containing one or more nitrogen atoms not belonging to a hetero ring
    • C07J41/0005Normal steroids containing one or more nitrogen atoms not belonging to a hetero ring the nitrogen atom being directly linked to the cyclopenta(a)hydro phenanthrene skeleton
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/14Drugs for disorders of the nervous system for treating abnormal movements, e.g. chorea, dyskinesia
    • A61P25/16Anti-Parkinson drugs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P37/00Drugs for immunological or allergic disorders
    • A61P37/02Immunomodulators
    • A61P37/04Immunostimulants
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07JSTEROIDS
    • C07J43/00Normal steroids having a nitrogen-containing hetero ring spiro-condensed or not condensed with the cyclopenta(a)hydrophenanthrene skeleton
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07JSTEROIDS
    • C07J43/00Normal steroids having a nitrogen-containing hetero ring spiro-condensed or not condensed with the cyclopenta(a)hydrophenanthrene skeleton
    • C07J43/003Normal steroids having a nitrogen-containing hetero ring spiro-condensed or not condensed with the cyclopenta(a)hydrophenanthrene skeleton not condensed

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Psychology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

本発明は、式(I)のステロール誘導体に関する。本発明はまた、これらの化合物の生成のための方法に関する。本発明はまた、これらの化合物のうちの1種を使用する医薬に関する。本発明はまた、これらの医薬を含む薬学的組成物に関する。本発明は、新規なステロール誘導体に関し、これらの化合物を得るための新規なプロセスに関し、そして腫瘍細胞における分泌小胞(secretory vacuole)の生成のため、特に、癌腫瘍の後退のため、樹状突起生成(dendritogenesis)を増加するため、および神経変性疾患と闘うため、および免疫系の活性化のために、上記化合物を使用することに関する。

Description

本発明は、新規なステロール誘導体に関し、これらの化合物を得るための新規なプロセスに関し、そして腫瘍細胞における分泌小胞(secretory vacuole)の生成のため、特に、癌腫瘍の後退のため、樹状突起生成(dendritogenesis)を増加するため、および神経変性疾患と闘うため、および免疫系の活性化のために、上記化合物を使用することに関する。
樹状突起生成(dendritogenesis)は、特に神経系および免疫系において生じる、細胞の形態変化である。免疫系において、樹状突起生成は、単球からの樹状細胞の生成をもたらす。これらの生理学的に重要な現象は、現時点では十分には理解されていないが、これらの現象は、細胞の分泌活性の増加に関係している(Martinez−Acra S.ら,2001,J.Neurosci 21(11),3830〜38およびDenzer Kら,2001,J.Cell.Sci.113,第19部,3365〜74)。これらの現象は、増殖因子およびサイトカインによって誘導される。単球から樹状細胞(CD)への分化は、単球をインターロイキン4(IL4/GM−CSF)で処理することによって誘導され、このCDの活性化は、TNF−α(腫瘍壊死因子α)での処理もまた必要とする。
腫瘍細胞は、抗原性であり、かつリンパ球によって特異的に認識されるその表面で抗原を発現することが、公知である。これらの抗原は、クラスI CMH分子上に負荷されたペプチドである:特定のCD8− Tリンパ球は、このCMH−ペプチド複合体を認識する。腫瘍抗原を示すようにエキソビボ改変されたCDは、マウスにおいて確立された腫瘍を予防および/または根絶する特異的免疫を誘導したことが、示されている(Schuler P.,Steinman RM,J.Exp.Med.1997,8,1183〜7およびAngevin,Andre,Zitvogel,Bull Cancer,2000,87(1),107〜15)。従って、CDは、治療免疫応答を誘導するための強力なアジュバントであると、考えられている。
現時点で、従って細胞治療は、臨床使用のためのヒトCDのエキソビボ生成のための方法に関する。
特に乳癌の場合、患者から単球を取り出し、そしてその単球を、サイトカインと提示されるべき抗原との組み合わせの存在下で培養することが、既に提唱されている。樹状突起生成によって得られる樹状細胞は、その抗原に特異的な細胞毒性Tリンパ球を発生するために患者中に再注入された(Lawrence FongおよびEdgar G.Engleman,Annu.Rev.Immunol.,2000,18,245〜273)。
ちょうど記載されている先行技術は、これらの方法において固有の欠点を示す。具体的には、樹状細胞の感作は、腫瘍抗原に由来するペプチドを使用する。しかし、腫瘍の大部分については、その特異的抗原は、同定されていない。さらに、樹状細胞を感作するために、その腫瘍に特異的な細胞毒性Tリンパ球クローンによってその腫瘍細胞において同定されたペプチドの使用が、一般的になされる。しかし、腫瘍細胞によって提示されるエピトープおよび抗原提示樹状細胞によって提示されるエピトープは、おそらく、同じではない。その上、上記の種々のエキソビボ処置に供された樹状細胞が使用される場合、表現型変化が生じ得、治療用途のために適切ではない不均質細胞集団をもたらす。従って、免疫療法の開発を可能にするために、感作された樹状細胞を得るための方法を改善することが、非常に望ましい。
本発明は、全く驚くべきことに、単球から樹状細胞への分化が、ある種類の新規なステロールベースの化合物によってインビボで誘導され得ることが見出されたという、事実に基づく。これまで、非ペプチド化合物の使用は、軸索生成(neuritogenesis)を増強するためにのみ想定された(Pradinesおよび共同研究者,1995,J.Neurochem.64,1954〜64)。非ペプチド分子が、単球から樹状細胞への分化を誘導可能であることを当業者に対して示唆するものは、存在しなかった。本発明に従って、そして全く驚くべきことに、あるステロールカテゴリーが、低用量で、樹状突起生成増殖因子効果およびサイトカイン効果を模倣することが、見出された。
本発明の第1の主題は、結果として、上記の効果を提供可能な新規なステロール誘導体である。これらの誘導体は、式(I)
Figure 2005529882
の化合物であり、上記式において、コレステロール骨格の4位にある炭素は、部分TおよびTを保有し、上記部分TおよびTは、独立してHまたはCHであり得、CHは、α位および/またはβ位にあり、24位にある炭素は、部分Tを保有し、上記部分Tは、H、CH、またはCを示し、14位にある炭素は、部分Tを保有し、上記部分Tは、HまたはβCHであり得、炭素5と炭素6との間の結合、および炭素7と炭素8との間の結合のうちの一方は二重結合であり得、他方は、単結合であり、
Zは、5位または8位において、HまたはOHのいずれかを示し、OHは、二重結合を保有しない炭素によってのみ保有され;そして
Rは、6位または7位において、二重結合を保有しない炭素上において、式−Q−Qの置換基を示し、
上記置換基の式において、
−Q−は、式(II):
−X−(CHn0[Y−(CHn1]p1[Y−(CHn2]p2[Y−(CHn3]p3[Y−(CHn4]p4[Y−(CHn5]p5− (II)
のラジカルを示し、
上記式(II)において、
p1、p2、p3、p4およびp5は、独立して0または1に等しい整数であり、
n0、n1、n2、n3、n4およびn5は、
1≦n0≦4
0≦n1,n2,n3,n4,n5≦4
であるような独立した整数であり、
−X−は、−S−、−O−、−CH−または−NR−あるいはヘテロ環
Figure 2005529882
を示し、Rは、HまたはC〜Cアルキルラジカルであり、
−Y−、−Y−、−Y−、−Y−および−Y−は、互いに独立して、−S−、−O−、−C−、または−NR−を示し、Rは、上記で与えられる意味を有し、
は、窒素原子を介して結合したインドール核、モルホリン核またはチオモルホリン核、ヘテロ環
Figure 2005529882
であって上記ヘテロ環においてRはH、COCH、C〜Cアルキルラジカルまたは
Figure 2005529882
を示し、Rは、上記で与えられる意味を有し、Rは、HまたはC〜Cアルキルラジカルを示し、RおよびRは一緒になって、必要に応じて、C〜Cラジカルで置換されたピペリジン環、ピリジン環またはピペラジン環、あるいは窒素原子と4つの炭素原子とを含むピロールヘテロ環またはピロリジンヘテロ環を構成し得、但し、
−X−=−NH−でありかつ
Figure 2005529882
である場合、構成要素p1、p2、p3、p4およびp5のうちの少なくとも1つは、0以外であり、
−X−=−CH−であり、n0=1であり、かつ構成要素p1、p2、p3、p4およびp5が0である場合、Qは、−NH以外である。
本発明の主題はまた、式(I)の化合物を得るためのプロセスであり、このプロセスにおいて、
第1工程において、溶媒A中に溶解しているメタ−クロロペルオキシ安息香酸を、式(III)
Figure 2005529882
に対応する化合物と反応させることであって、上記式(III)において、コレステロール骨格の4位にある炭素は、部分TおよびTを保有し、上記部分TおよびTは、独立してHまたはCHであり得、CHは、α位および/またはβ位にあり、24位にある炭素は、部分Tを保有し、上記部分Tは、H、CH、またはCを示し、14位にある炭素は、部分Tを保有し、上記部分Tは、HまたはβCHであり得、炭素5と炭素6との間の結合、および炭素7と炭素8との間の結合のうちの一方は二重結合であり得、他方は、単結合であり、式IIIの化合物は、溶媒Aと混和性である溶媒B中に溶解している、こと、
第2工程において、アクチベーターDの存在下で溶媒C中に溶解している第1工程において得られるエポキシ化合物を、上記溶媒Cと混和性である溶媒E中に溶解している式Qのアミンと反応させることであって、QおよびQは、請求項1において与えられる意味を有すること、
を包含する。
式(I)の好ましい化合物のうちで、
コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[1−N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン];
コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン];
コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−[1−N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン];
コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−[N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン];
コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−[2−エチルアミノ(3H−イミダゾール−4−イル)];
コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[2−エチルアミノ(3H−イミダゾール−4−イル)];
コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−(4−アミノブチルアミン);
コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−{2−[2−(2−アミノエトキシ)−エトキシ]エチルアミン};
コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[4−(2−アミノエチル)イミダゾール−1−イル];
コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−({1H−イミダゾール−4−イル}エチル)−アセトアミド
の言及が、なされるべきである。
ナノモル濃度での式(I)の化合物は、先行技術によると一般的に樹状突起生成に関係している種々の腫瘍細胞株において、および不死化細胞株(例えば、NIH−3T3またはCOS−7)において、分泌小胞の生成を誘導することが、特に見出された。
従って、本発明の主題はまた、医薬であり、この医薬は、薬学的に受容可能なビヒクル中に、式(I)の少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする。
第1の変化形において、上記で規定される医薬は、生きている哺乳動物細胞の樹状突起生成を増加するために使用される。この医薬は、神経細胞またはその前駆体における軸索生成を誘発するため、およびヒト神経変性疾患と闘うために、使用され得る。
別の変化形において、上記で規定される医薬は、生きている生物の免疫系を活性化するために使用される。
第3の変化形において、上記で規定される医薬は、生きている生物の腫瘍細胞における分泌小胞の生成のため、特に哺乳動物における癌腫瘍の後退のために、使用される。
本発明に従う医薬は、注入によって有利に投与され得る。そのような場合、その医薬は、処置される生きている生物1g当たり8.5ng〜処置される生きている生物1g当たり1.7μgの範囲の用量で使用され得る。腫瘍の処置の場合、その注入は、好ましくは、処置されるべき腫瘍の近くで実施される。
本発明の驚くべき性質は、式(I)により規定される化合物と同様の式を有する化合物が、以前に記載されており、本発明に従う式(I)の化合物について見出される活性とは全く異なる活性を記述するに過ぎなかったという事実から特に生じる。フランス国特許第2 047 880号において、記載される化合物は、低コレステロール血症活性を有することが示される。文献「Synthetic Communications(1997)、27(11),1951〜1962」において、記載される化合物は、抗生物質活性を有することが示される。文献「Arzneimittel−Forschung(1995),45(2),190〜4」および文献「Anticancer Research(1999)、19(2A),1229〜1234」において、記載される化合物は、細胞傷害活性を有することが示される。結果として、式(I)の化合物は、種々の腫瘍細胞株において樹状突起生成、軸索生成および/または分泌小胞の生成を誘導し得ることを、当業者は、先行技術から全く予測できなかった。
小胞生成の誘導は、種々の腫瘍細胞株において、特に、A549細胞、U937細胞、MCF−7細胞、HT29細胞、PC12細胞、およびB16細胞において、観察された。樹状突起生成および軸索生成は、U937腫瘍細胞およびP19腫瘍細胞において観察され、そしてまた、B16細胞およびPC12細胞において観察された。
本発明に従う化合物の調製のいくつかの例は、本明細書下記に与えられる。例として与えられる種々の化合物の調製のために使用される一般的プロセスに関する詳細が、まず、提供される。このプロセスは、2つの工程で実施される。第1工程は、エポキシ−ステロールを得ることからなり、第2工程は、そのエポキシ−ステロールをアミノステロールへと変換することからなる。実施例1および2は、各々、異なる2つの5,6−α−エポキシ−ステロールシリーズを得るための第1工程を記載する。実施例3は、実施例1および2の中間体生成物を使用して、それらの中間体をアミンと反応させる第2工程を記載する。実施例4〜27は、種々のアミンを用いて実施例3に従って得られる生成物を記載する。実施例28および29は、各々、2つの異なる別の5,6−α−エポキシステロールシリーズを得るための第1工程を記載する。実施例30〜47は、実施例28〜29の中間体生成物を使用して、それらの中間体をアミンと反応させる第2工程を記載する。
(実施例1:5,6−α−エポキシコレスタン−3β−オールの調製)
メタ−クロロペルオキシ安息香酸(0.73g、4.25mmol、純度70〜75重量%)を、塩化メチレン(10ml)中に溶解し、塩化メチレン(25ml)中に溶解したコレステロール混合物(1g、2.5mmol)の混合物に、滴下する。一晩攪拌し続ける。その反応混合物を、亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%)および炭酸水素ナトリウム(5重量%)、ならびに塩化ナトリウムと塩化カリウムとの混合物の飽和溶液で洗浄する。その有機相を、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。その有機溶媒を真空下でエバポレーションすると、0.7gの白色針状晶(69.5%収量)を生じる。このエポキシドのα異性体およびβ異性体の生成は、200MHzでのプロトンNMRによって決定された:78% αエポキシドおよび22% βエポキシドが、見出された(プロトン1H NMR:δ 2.89(d,1H,J=4.37Hz,H−6);3.04(d,J=2.43Hz,H−6);3.91(m,1H,H−3);MS DCI/NH MH’403。このα異性体およびβ異性体を、シリカゲル上での液体クロマトグラフィー(85/15 トルエン/エチルエーテル)によって分離した。このα異性体は、融点m.p.=141〜142℃を有する。このβ異性体は、融点m.p.=131〜132℃を有する。この特徴付けを完了するために、薄層クロマトグラフィーを実施した(酢酸エチル);以下が得られた:Rf=0.69(硫酸/メタノール混合物を用いた展開後に褐色)。
(実施例2:5,6−α−エポキシコレスト−7−エン−3β−オールの調製)
7−デヒドロコレステロール(Acros,1g,2.6mmol)および炭酸ナトリウム(0.55g,5.2mmol)を、塩化メチレン(25ml)と水(25ml)との混合物中に溶解する。メタ−クロロペルオキシ安息香酸(0.73g,4.25mmol,純度70〜75重量%)を、塩化メチレン(10ml)中に溶解し、この混合物に滴下し、激しい攪拌を維持した。10分間攪拌した後、その相を回収し、その後、亜硫酸ナトリウム水溶液(10重量%)、炭酸ナトリウム水溶液(5重量%)、および塩化ナトリウムと塩化カリウムとの混合物の飽和水溶液からなる水溶液で、洗浄する。その有機相を、無水硫酸マグネシウムで乾燥する。その溶媒のエバポレーションおよびアセトンからのその生成物の再結晶化によって、0.7gの白色針状晶(70%収量)を得る。その構造を、プロトンNMRによって確認した:δ 0.52(s,3H,H−19);2.986(d,1H,J=4.1Hz,H−6);3.91(m,1H,H−3);MS DCI/NH MH 401。その融点を決定した:m.p.=144〜146℃。
(実施例3:上記エポキシ−ステロールからのアミノステロールの合成)
過塩素酸リチウム(0.75mmol)および塩基性形態のアミン(1mmol)を、無水エタノール(1ml)中に溶解し、実施例1および2のいずれかに従って得られるエポキシ−ステロール(100mg、0.25mmol)のエタノール性溶液(3ml)に、アルゴン流下で添加する。その反応混合物を、実施例1の場合は還流下での攪拌を6日間維持し、実施例2の場合には、光の非存在下かつ室温にて3日間維持する。その反応の進行を、種々のアミンに適合された条件下で、薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニターする。その溶媒をエバポレーションによって除去し、その残渣を、エチルエーテル(5×3ml)およびヘキサン(5×20ml)で洗浄する。その残渣を、水中に溶解し、そして2M HCl(2ml)で酸性化する。その溶液を、グラフト化シリカカートリッジ(sep−pakカートリッジRP C18,500mg,Waters)にて予備精製し、過剰のポリアミンを、そのカートリッジに水(5ml)を押し通すことによって除去する。その生成物を、1/1 CHCN/HO混合物(5ml)で溶出させる。その生成物を、出発混合物HO 95/CHCN 5/TFA 0.1%から60分間(流量=1ml/分;λ=210nm)で混合物CHCN 95/HO 5/TFA 0.1までに達する直線勾配によって、逆相HPLCによって精製する。目的の画分を、混合物(CHCN 95/HO 5/TFA 0.1)44%/(HO 95/CHCN 5/TFA 0.1%)56%(流量=1ml/分;λ=210nm)から構成される移動相を使用して、イソクラティック(isocratic)条件下で再精製した。
(実施例4:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[1−N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン]の調製)
実施例3において、N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、薄層クロマトグラフィー(TLC)(6/3/1 イソプロピルアルコール/28%水性アンモニア/HO)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.62。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):MH:548。
(実施例5:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン]の調製)
実施例3において、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(6/3/1 イソプロピルアルコール/28%水性アンモニア/HO)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.37。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):MH:605.5。
(実施例6:コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−[1−N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン]の調製)
実施例3において、N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(6/3/1 イソプロピルアルコール/28%水性アンモニア/HO)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.62。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):MH:546。
(実施例7:コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−[N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン]の調製)
実施例3において、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(6/3/1 イソプロピルアルコール/28%水性アンモニア/HO)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.37。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):MH:603.5。
(実施例8:コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−[2−エチルアミノ(1H−イミダゾール−4−イル)]の調製)
実施例3において、2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチルアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(MeOH)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.38。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):MH:512.5;m/z:365.3。
(実施例9:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[2−エチルアミノ(1H−イミダゾール−4−イル)]の調製)
実施例3において、2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチルアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(MeOH)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.38。
「Bishoff」社により製造された、「Ultrasep ES100RP18」カラム(6μm粒子、長さ250mm、直径8mm)を装備したPerkin−Elmer 200 装置を使用して、高速クロマトグラフィー(HPLC)もまた実施した。
HPLCプロフィール:44%B λ=220nm 室温 = 44〜50分
最後に、質量分析法を実施した(エレクトロスプレー):m/z:514.5(MH)。
(実施例10:コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−(4−アミノブチルアミン)の調製)
実施例3において、4−アミノブチルアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.55。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:489(MH)。
(実施例11:コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−N−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エチルアミン}の調製)
実施例3において、2−{2−[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エトキシ}−エチルアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.8。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:549(MH)。
(実施例12:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[4−(2−アミノエチル)イミダゾール−1−イル]の調製)
実施例3において、2−(3H−イミダゾール−4−イル)エチルアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.72。
「Bishoff」社により製造された、「Ultrasep ES100RP18」カラム(6μm粒子、長さ250mm、直径8mm)を装備したPerkin−Elmer 200 装置を使用して、HPLCもまた実施した。
HPLCプロフィール:44%B λ=220nm 室温 = 44〜50分
最後に、質量分析法を実施した(エレクトロスプレー):m/z:514.5(MH)。
(実施例13:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−({1H−イミダゾール−4−イル}エチル)アセトアミドの調製)
実施例3において、N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]アセトアミドを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(1/1 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.5。
「Bishoff」社により製造された、「Ultrasep ES100RP18」カラム(6μm粒子、長さ250mm、直径8mm)を装備したPerkin−Elmer 200 装置を使用して、HPLCもまた実施した。
HPLCプロフィール:44%B λ=220nm 室温 = 44〜50分
最後に、質量分析法を実施した(エレクトロスプレー):m/z:557(MH)。
(実施例14:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−(3−アミノプロピルアミン)の調製)
実施例3において、1,3−ジアミノプロパンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.50。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:447(MH)。
(実施例15:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−(3−アミノプロピルアセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(3−アミノプロピル)アセトアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.54。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:519(MH)。
(実施例16:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−(4−アミノブチルアミン)の調製)
実施例3において、1,4−ジアミノブタンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.51。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:491(MH)。
(実施例17:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−(4−アミノブチルイル−1−アセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(4−アミノブチル)アセトアミドを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.56。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:533(MH)。
(実施例18:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−(6−アミノヘキシルアミン)の調製)
実施例3において、1,6−ジアミノヘキサンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.52。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:519(MH)。
(実施例19:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−(6−アミノヘキシルアセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(6−アミノヘキシル)アセトアミドを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル:28%)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.57。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:561(MH)。
(実施例20:コレステン−7−3β,5α−ジオール−6β−(3−アミノプロピルアミン)の調製)
実施例3において、1,3−ジアミノプロパンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.50。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:475(MH)。
(実施例21:コレステン−7−3β,5α−ジオール−6β−(3−アミノプロピルアセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(3−アミノプロピル)アセトアミドを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル:28%)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.54。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:517(MH)。
(実施例22:コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−(4−アミノブチルイル−1−アセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(4−アミノブチル)アセトアミドを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチルより特徴付ける:Rf=0.56。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:531(MH)。
(実施例23:コレステン−7−3β,5α−ジオール−6β−(6−アミノヘキシルアミン)の調製)
実施例3において、1,6−ジアミノヘキサンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.51。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:517(MH)。
(実施例24:コレステン−7−3β,5α−ジオール−6β−(6−アミノヘキシルアセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(6−アミノヘキシル)アセトアミドを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.57。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:559(MH)。
(実施例25:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−{[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]メチルアミン}の調製)
実施例3において、[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]メチルアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.51。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:528(MH)。
(実施例26:コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−{[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]メチルアミン}の調製)
実施例3において、[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]メチルアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.51。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:526(MH)。
(実施例27:コレスト−7−エン−3β,5α−ジオール−6β−{[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]メチルアミン}の調製)
実施例3において、[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]メチルアミンを、アミンとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.51。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:526(MH)。
(実施例28:5,6−α−エポキシ−β−シトスタン−3β−オールの調製)
実施例1において、β−シトステロールをステロールとして使用する。
得られる生成物を、TLC(酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.69。
元素分析:理論値:C=80.87;H=11.70;O=7.43 実測値:C=80.88;H=11.69;O=7.42。
質量分析:DCI/NH MH 432。
(実施例29:5,6−α−エポキシカンペスタン−3β−オールの調製)
実施例1において、カンペステロールをステロールとして使用する。
得られる生成物を、TLC(酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.69。
元素分析:理論値:C=80.71;H=11.61;O=7.68 実測値:C=80.66;H=11.63;O=7.72。
質量分析:DCI/NH MH 418。
(実施例30:シトスタン−3β,5α−ジオール−6β−(3−アミノプロピルアミン)の調製)
実施例3において、1,3−ジアミノプロパンをアミンとして、そして実施例28のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.50。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:505(MH)。
(実施例31:シトスタン−3β,5α−ジオール−6β−(3−アミノプロピルアセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(3−アミノプロピル)−アセトアミドをアミンとして、そして実施例28のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.54。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:547(MH)。
(実施例32:シトスタン−3β,5α−ジオール−6β−(4−アミノブチルアミン)の調製)
実施例3において、1,4−ジアミノブタンをアミンとして、そして実施例28のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.51。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:519(MH)。
(実施例33:コレスタン−3β,5α−ジオール−6β−(4−アミノブチル−1−アセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(4−アミノブチル)アセトアミドをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.56。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:561(MH)。
(実施例34:カンペスタン−3β,5α−ジオール−6β−(3−アミノプロピルアミン)の調製)
実施例3において、1,3−ジアミノプロパンをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.50。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:491(MH)。
(実施例35:カンペスタン−3β,5α−ジオール−6β−(3−アミノプロピルアセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(3−アミノプロピル)アセトアミドをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.54。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:533(MH)。
(実施例36:カンペスタン−3β,5α−ジオール−6β−(4−アミノブチルアミン)の調製)
実施例3において、1,4−ジアミノブタンをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.51。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:505(MH)。
(実施例37:カンペスタン−3β,5α−ジオール−6β−(4−アミノブチル−1−アセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(4−アミノブチル)アセトアミドをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.56。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:547(MH)。
(実施例38:シトスタン−3β,5α−ジオール−6β−(6−アミノヘキシルアミン)の調製)
実施例3において、1,6−ジアミノヘキサンをアミンとして、そして実施例28のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.53。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:547(MH)。
(実施例39:シトスタン−3β,5α−ジオール−6β−(6−アミノヘキシルアセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(6−アミノヘキシル)アセトアミドをアミンとして、そして実施例28のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.58。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:589(MH)。
(実施例40:カンペスタン−3β,5α−ジオール−6β−(6−アミノヘキシルアミン)の調製)
実施例3において、1,6−ジアミノヘキサンをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/28%水性アンモニア)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.52。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:505(MH)。
(実施例41:カンペスタン−3β,5α−ジオール−6β−(6−アミノヘキシルアセトアミド)の調製)
実施例3において、N−(6−アミノヘキシル)アセトアミドをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(8/2 MeOH/酢酸エチル)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.57。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:547(MH)。
(実施例42:シトスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[N,N’−ビス(アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン]の調製)
実施例3において、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンをアミンとして、そして実施例28のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(6/3/1 イソプロピルアルコール/28%水性アンモニア/HO)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.39。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:633.5(MH)。
(実施例43:カンペスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[N,N’−ビス(アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン]の調製)
実施例3において、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(6/3/1 イソプロピルアルコール/28%水性アンモニア/HO)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.38。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:619.5(MH)。
(実施例44:シトスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[1−N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン]の調製)
実施例3において、N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンをアミンとして、そして実施例28のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(6/3/1 イソプロピルアルコール/28%水性アンモニア/HO)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.62。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:576(MH)。
(実施例45:カンペスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−[1−N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミン]の調製)
実施例3において、N1−(3−アミノプロピル)ブタン−1,4−ジアミンをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(6/3/1 イソプロピルアルコール/28%水性アンモニア/HO)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.62。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:562(MH)。
(実施例46:シトスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−{[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]エチルアミン}の調製)
実施例3において、[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]エチルアミンをアミンとして、そして実施例28のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(MeOH)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.39。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:542.5(MH)。
(実施例47:カンペスタン−3β,5α−ジオール−6β−N−{[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]エチルアミン}の調製)
実施例3において、[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]エチルアミンをアミンとして、そして実施例29のエポキシドをエポキシドとして使用する。
得られる生成物を、TLC(MeOH)によって具体的に特徴付ける:Rf=0.39。
質量分析法もまた、実施した(エレクトロスプレー):m/z:528.5(MH)。
実施例48(以下参照)は、本発明に従う化合物の使用に関する。
(実施例48:樹状突起生成)
(1)C57BL/6マウス脾臓単球において)
5週齢のマウスを、頸部脱臼によって屠殺する。その後、それらのマウスを、解剖する。その脾臓を、滅菌条件下で取り出し、その後、抗生物質(ストレプトマイシンおよびペニシリン)を補充した無血清培養培地を含む冷溶液(4℃)中に配置する。その脾臓を、滅菌ヒュームカップボード中で粉砕し、その後、100μmフィルターを通して濾過する。その溶出液を回収し、その後、4℃にて1000rpmで5分間遠心分離する。その細胞ペレットを、コラゲナーゼを含むリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)溶液中に再懸濁する。この目的は、赤血球を溶解することである。その懸濁物を、1000rpmで遠心分離し、その後、その細胞を、PBS中に再懸濁する。その洗浄操作を2回実施する。最終再懸濁を、全培養培地中で実施し、その細胞を、計数し、6ウェルディッシュ中に密度40,000細胞/mlで分布させる。4時間後、接着細胞を、PBSで激しく洗浄して、その接着細胞にかまたは培養ディッシュに結合したままであり得る細胞を、除去する。
図1は、上記に示されるようにして得られるマウス単球における主要な形態変化(樹状細胞を生じる変換)を示す。この転換は、用量1nMにて得られ、その生成物の作用の開始36時間後に写真を撮った。試験生成物は、実施例9の試験生成物である。細胞増殖物の外観を観察する。その外観は、活性化樹状細胞の主要な特徴のうちの1つである。
その細胞の処理と同時に、IL−4およびGM−CSFは効果がないことが観察された。式(I)の試験化合物の合成のために使用した化合物(すなわち、コレステロール、エポキシ−コレステロール誘導体およびアミン)もまた、効果がないこともまた、観察された。
同様の結果が、実施例8、10、11、46および47の化合物を用いて得られた。
(2)U−937ヒト骨髄性白血病細胞において)
図3は、実施例9の化合物によるU−937細胞から樹状細胞への分化の誘導を示す。
写真1は、10ng/mlのホルボールミリスチルアセテート(PMA)を用いて細胞を培養ディッシュの底に接着させる処理をした後の、細胞を示す。写真2は、実施例9の化合物1nMを用いて2日間処理した後に、樹状細胞(CD)の外観を観察することを可能にする。写真3は、5日間の処理後に、樹状突起の大きさの増加(100μmまで)およびもつれた(entangled)細胞の凝集物からなる多数のロゼット(rosette)(R)の形成を示す。
同じ観察が、実施例9の化合物を実施例46または47の化合物で置換した場合に、なされる。
(実施例49:軸索生成)
(1)PC12細胞において)
PC12細胞を、初期密度1.5×10細胞/mlにて、10%ウシ胎仔血清および5%ウマ血清を補充したRPMI 1640培地中で培養した。培養ディッシュの基部を、0.1重量%のポリリジンまたはコラーゲン溶液で処理して、その細胞の接着を引き起こす。上清細胞を12時間後に取り出し、10ng/mlの神経成長因子(NGF)を用いてかまたは用いずに、実施例6または実施例7の化合物を用いてかまたは用いずに、処理する。その細胞を、位相差顕微鏡によって観察する。
「コントロール」PC12細胞を、試験化合物のために使用した溶媒ビヒクル(すなわち、水+0.1重量%エタノール)を用いて処理した。これらの「コントロール」細胞は、丸く見えるが、経時的に形態変化しない。
実施例6の化合物で処理したPC12細胞を、用量10nMで処理した。その化合物の作用時間は、36時間であった。
実施例6の化合物で処理したPC12細胞は、形態が迅速に変化する。それらの細胞は、2〜4時間の処置後に、卵形になる。次いで、突出物の外観が観察される。これは、徐々に樹状突起の形成へと変化する(図2を参照のこと)。これらのPC12細胞は、二分極化することが、観察される。
実施例6の化合物でPC12細胞を4時間処理した後、細胞接着点(focus)が、培養ディッシュ中で観察される。これらの点は、用量10ng/mlで使用したNGFで処理した細胞の場合よりも4〜6倍多い。その試験化合物は、実施例6の化合物での処理について以前に示された条件と同様の条件下で、PC12細胞における樹状突起の成長を引き起こす。同じ観察が、実施例6の化合物を実施例4、5、7、42、43、44および45のうちの1つの化合物で置換した場合に、なされる。
(2)マウスP19細胞において)
P19細胞を、マウス胚性癌腫に由来する。それらの細胞は、多能性細胞であり、これは、レチノイン酸で処理することによって、ニューロンまたは神経膠細胞へと変化し得(J.Cell.Biol.1982 August,94(2):pp.253〜262)、そしてジメチルスルホキシドの存在下で筋肉細胞へと分化し得る(Nature 1982〜9 September,299(58 79):pp.165〜167)。
PC19細胞を、「Gibco BRL」社によって販売される「RPMI 1640」培養培地の存在下で培養する。この培地は、2mMのグルタミンおよび4重量%のウシ胎仔血清を補充している。これらのP19細胞を、低密度(60mmウェル当たり10,000細胞)で接種する。このP19細胞を、実施例6の化合物で処理する。その後、これらのP19細胞を、位相差顕微鏡によって観察する。これらの細胞を、用量10nMで処理した。その化合物の作用時間は、36時間であった。
実施例6の化合物で処理したP19細胞は、12時間の処理後に継代が変化する。細胞増殖物の外観を、観察する。その外観は、樹状突起の形成へと変化する(図16を参照のこと。この図において、写真1は、ブランクコントロールに対応し、写真2は、試験化合物に対応する)。
同じ観察が、実施例6の化合物を、実施例4、5、7、42、43、44および45のうちの1つの化合物で置換した場合に、なされる。
(実施例50:CDの分化状態に特徴的である表面抗原の外観)
この研究は、C57BL/6マウス脾臓由来のCD、ヒトPBMC由来のCD、およびU937骨髄性白血病細胞由来のCDに対して実施した。C57BL/6マウス脾臓細胞を、実施例48.1に示されるように調製した。
その表現型を、「FAC Scan Flow」機器(Beckton Dikinson,BD Bioscience,Franlin Lakes,NJ,USA)において、FITC結合体化抗体(HLA−DR,CD−80、LAMP−11)およびフィコエリトリン結合体化抗体(抗CD−83、CD−86およびCD−40、すべて「BD Bioscience」起源である)を使用して、フローサイトメトリーによって分析する。
実施例9の化合物について、結果を、以下の表に示す。
(実施例9の化合物で刺激した樹状細胞の表現型)
Figure 2005529882
Figure 2005529882
(実施例51:樹状細胞によるIL−12p70およびIL−10の生成)
培養上清を、サイトカインの存在下について試験する時まで、温度−80℃で凍結する。IL−12p70およびIL−10の存在を、「Endogen」(Woburn,MA,USA)から得たELISAキットを使用して測定する。
図4は、実施例9の化合物で処理したU−937細胞によるサイトカインの生成を示す。この処理は、処理開始36時間後から、IL−12のp70サブユニットの生成を刺激することが、観察される。この表現型は、2週間の処理の間継続する。この同じ処理は、2週間の期間にわたって続く処理のために、IL−10の転写を刺激しない。この結果は、特に有利である。なぜなら、IL−10は、樹状細胞の分化をブロックする免疫抑制特性を有すること、およびその組(IL−4+GM−CSF)は、IL−10の生成を刺激することが、公知であるからである。
同じ観察が、実施例9の化合物を実施例46および47の1つの化合物で置換した化合物で置換した場合に、なされた。
(実施例52:Tリンパ球の増殖)
C57BL/6マウス単球を、実施例48.1に示されるように収集した。樹状細胞を、実施例9に示されるように得た。試験化合物でCDを形質転換した後、その細胞を、抗有糸分裂剤(0.0006mg/mlのマイトマイシンC)で処理し、37℃にて30分間インキュベートして、そのCDにおけるDNA合成をブロックする。この処理の後、細胞を、10%ウシ胎仔血清を補充したRPMI 1640培地で2回洗浄する。
BALB/cマウス脾臓もまた、収集し、そしてC57BL/6マウス単球の調製について記載されたように処理した。Tリンパ球を含む非接着細胞を、回収し、そしてC57BL/6マウス樹状細胞に添加する。細胞を接触させて4日目に、トリチウム化チミジンを添加する。18時間のインキュベーション後、その細胞を、無水アルコールで溶解する。沈殿物を、水中に懸濁し、その後、セルロースフィルターに通して濾過する。チミジンの取り込みを、シンチレーションカウンター(Packard Instrument,Meriden CT,USA)によって測定する。
図5は、樹状細胞を用いるTリンパ球の活性化が、実施例9の化合物の効果の下で生じたことを示す。実施例14.1に従って得られるマウス脾臓から生じる接着単球を、可変用量にて上記の化合物で処理した。そのようにして得られた樹状細胞を、BALB/cマウス脾臓から生じるTリンパ球と接触させて配置した。リンパ球増殖を、DNA中へのトリチウム化チミジンの組み込みを測定することによって、測定する。
この試験化合物は、Tリンパ球増殖の刺激を5倍誘導することが、見出される。同じ細胞を上記の組(IL−4/GM−CSF)で処理し、その後、TNFαで処理した後、その増殖効果が、より低いレベルまでのみ観察される。なぜなら、この効果は、1.4倍に対応するからである。
同じ観察が、実施例9の化合物を、実施例46および47の1つの化合物で置換した場合に、なされた。
(実施例53:培養におけるマウス乳腺癌細胞(TS/A(H−2))の増殖)
マウス腫瘍株TS/A(H−2)は、BALB/cマウスの同系マウスの自然発生乳腺癌細胞株である。これらを、エンドトキシンを含まない制御したウシ胎仔血清(Girco−Brio,2mMグルタミン、100U/mlのペニシリン、50μg/mlのストレプトマイシン、必須アミノ酸およびピルビン酸)を補充した、マイコプラズマを含まない制御したRPMI 1640培地中で培養する。
図6は、インビトロでのTS/Aに対する細胞毒性を示す。上記腫瘍細胞を、可変用量の実施例9の化合物で処理した。その細胞毒性は、用量50μMにて現れる。BALB/cマウスに移植した腫瘍に対する試験を実施するために選択した用量は、用量5nMおよび1μMであった。これらの用量について、その細胞とのインキュベーション時間に関わらず、毒性は観察されない。
(実施例54:BALB/cマウスに移植した腫瘍に対する増殖試験)
腫瘍を、以下の様式で移植する:1×10 TS/A細胞を、5〜6週齢BALB/cマウス(Janvier育種ステーション、Le Genest Saint Isle)の腹部右脇腹に皮内注射によって接種する。
試験分子は、実施例9に対応する試験分子である。この試験分子を、3日目に、腫瘍の領域中に皮内注射する。結果を、図7に示す。
化合物の非存在下で、腫瘍は、4日間以内に出現し、そして30日間にわたって増殖する。コントロールマウスに比較して、減速効果が、マウス1g当たり8.5ngの用量の試験化合物について出現する。マウス1g当たり用量1.7μgにて、このマウスにおいて腫瘍は検出不能である。このことは、処理の極限効力を示す。解剖病理学的分析は、試験化合物注射領域において、壊死の痕跡が観察されないことを示す。試験化合物で処理したマウスについて、用量1.7μg/gで、腫瘍を移植していようが移植してなかろうが、末梢リンパ系の過形成が、観察される。このことは、免疫系の活性化を示す。
上記の実験と同じ実験を、反復して、実施例9に対応する分子の注射領域を変化させる。その注射は、腫瘍移植後3日目に、同じ移植に対して対側性位置に皮内に実施する。この実験において、コントロールマウスと比較した腫瘍増殖の減速が、マウス1g当たり1.7μgの用量について観察される。このことは、腫瘍から離れた試験化合物の投与について、処理の効力を示す。得られる結果は、図17における曲線によって示される。
同じ観察が、実施例9の化合物を実施例46および47の1つの化合物で置換した場合に、なされた。
(実施例55:A549腫瘍細胞株における小胞生成の誘導)
A549細胞を、実施例9に従う化合物100nMで12時間処理した。
A549細胞を、American Tissue Culture Collection(ATCC)から得た。そのA549細胞を、12ウェルプレート中に密度1ウェル当たり50,000細胞で接種し、5%ウシ胎仔血清を補充したRPMI培地中で培養した。本発明に従う化合物での処理を実施するために、細胞を、上記化合物とともに(またはコントロール生成物とともに)48時間インキュベートする。その後、その細胞を、小胞の形成をモニターするために、4時間ごとに位相差顕微鏡によって観察し、その後、0.4%パラホルムアルデヒドのpH7.4のリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)溶液を用いて固定する。
その結果を、図8に示す(位相差顕微鏡法)。写真Aは、処理前の細胞を示し、写真Bは、処理後の細胞を示す。写真Cにおいて、その細胞を、溶媒ビヒクルで処理し、写真Dにおいて、本発明に従う化合物での処理は、小胞の塊状の外観をもたらすことが、観察される。
上記に示した写真Dを得るために、上記プロセスを、以下の通りに実施した:細胞を処理した後、培養培地を除去し、細胞を、pH7.4のPBSで洗浄する。その細胞を、1μMモノダンシルカダベリン(MDC)溶液とともに10分間インキュベートする。その後、その細胞を、4℃にてPBS溶液を用いて徹底的にリンスする。1滴の「Vectashield」溶液(Vector Laboratories,CA)を、顕微鏡スライドとカバースリップとの間に封入する前に添加する。その後、細胞を、顕微鏡下で素早く観察し、写真を撮影する。図8の写真Dは、その細胞中の多数の蛍光小胞を示す。
試験化合物は、A549ヒト腫瘍株において細胞質小胞の塊生成を誘導することが、そのようにして観察される。観察される効果は、用量依存性であり、処理後6時間で出現する。この効果は、処置後12時間で最大に達する。
同じ観察が、実施例9の化合物を実施例46および47の1つの化合物で置換した場合に、なされた。
実施例8の化合物もまた同様の効果を示すことが、見出された。さらに、同様の現象が、A549細胞について上記に示すようにして得られ処理された、U−937細胞、PC−12細胞、MCF−7細胞、HELA細胞、COS−7細胞、HEK−293細胞、HEK−293T細胞、NIH−3T3細胞、HT−29細胞、およびCHO細胞にて観察された。
細胞処理を、増殖培地を新鮮な培地で置換することによって停止した場合、小胞が消失する。このことは、本発明に従う化合物の効果は、可逆的であることを示す。
上記に示したように実施例9に従う化合物で処理したA549細胞をまた、電子顕微鏡によっても試験した。これらのA549細胞を電子顕微鏡により試験するために、それらのA549細胞を、3%グルタルアルデヒドを含むPBS溶液を使用して固定し、樹脂(EPON)中に配置し、そして最後に、超ミクロトームを使用して切断して薄いスライスにする。その後、これらのスライスを、200メッシュの銅格子上に配置し、電子顕微鏡によって試験する。その結果を、図11に示す。図11.1は、「コントロール」細胞を示す(倍率:6000);図11.2は、実施例9の化合物で処理した細胞を示す(倍率:4000);図11.3は、図11.2において観察され得る小胞の拡大図を示す(倍率:72000)。この図11において、使用した文字は、以下の意味を有する:N=核;C=細胞質;M=ミトコンドリア;Vi=細胞質内小胞;Ve=細胞外小胞;MLB=多層体。
図11の写真の詳細な分析は、以下の観察を可能にする:図11.1は、細胞質に囲まれた中央の大きな核を有する細胞を示す。その細胞の表面は、小さな拡張部であり、この拡張部は、絨毛である。写真11.2は、本発明に従う化合物で処理された後の細胞を示す。この細胞は、紡錘形形態を採り、絨毛は、その細胞の一面(図11.2の下右角)に集中しており、そこで、多数の小胞が、その表面上に出現する。多数の小胞およびミトコンドリアはまた、細胞質中にも観察される。写真11.3は、多数のミトコンドリアおよび小胞を示し、これらは、黒い本体を含み、かつ骨格筋線維により囲まれている。この図において、2つの型の小胞(細胞質内小胞(Vi)および細胞質外小胞(Ve))が、観察され得る。図11.4は、細胞質内小胞中に含まれる構造体の詳細を示す。この構造体は、界面活性剤B型のタンパク質を生成する肺細胞に特徴的な多層体である。
(実施例56:PC12細胞の生存)
PC12細胞を、実施例49.1に示されるように処理した。本実施例の場合、そのPC12細胞を、100nMで使用した漸増用量の本発明に従う化合物で処理する。それらのPC12細胞を、培養ディッシュ中に3週間維持する。生存細胞の数を、2日ごとに測定する。試験化合物を、2日間ごとに処理の最初の6日間の間添加する。
この試験を、実施例6の化合物および実施例7の化合物を用いて実施した。PC12細胞を、試験化合物各々および10ng/mlのNGFとともに37℃でインキュベートした。これらの物質を、その接種の間に培養培地に添加した。結果を、3つの独立した実験についてのPC12細胞の生存の平均パーセントとして表す。その結果を、図9に示す。
同じ観察が、実施例6の化合物を実施例4、5、42、43、44、および45の1つの化合物で置換した場合に、なされる。
そのように処理したPC12細胞を、樹状突起成長した後に、培養中で維持する。樹状突起の成長の存在は、実施例15によって確立された。これらの細胞の生存は、NGFの使用と比較して、本発明に従う化合物を使用した場合に、かなり増加させることが、見出される。
(実施例57:運動ニューロンの生存)
マウスニューロンを抽出し、Duongら、British Journal of Pharmacology,1999,第28巻、pp.1385〜1392により記載される方法に従って、培養中に維持した。培養中に維持した細胞を、使用した溶媒−ビヒクル(水+0.02%ジメチルスルホキシド)で、神経栄養因子(すなわち、BDNF、「脳由来神経栄養因子(Brain Derived Neurotrophic Factor)」で、または本発明の化合物で、処理した。可変用量の化合物を使用して、正常運動ニューロンに対する本発明に従う化合物の特性を評価した。生存細胞を培養および計数するために使用した形態は、実施例56に規定されるのと同じ細胞である。精製運動ニューロンを、37℃にて、上記に示す溶媒−ビヒクルとともに、10ng/mlのBDNFとともに、または濃度100nMの実施例6もしくは実施例7の化合物とともに、インキュベートした。結果を、図10に示す。
同じ観察が、実施例6の化合物を実施例4、5、42、43、44、および45の1つの化合物で置換した場合に、なされる。
本発明の化合物またはBDNFでの処理が存在しない場合、細胞は、2〜3日以内に素早く消滅することが、見出される。試験した本発明の化合物のいずれかの効力は、BDNFの効力より優れていることが、見出される。従って、本発明の化合物の添加は、樹状突起成長を生じる(実施例49により確立されたように)のみならず、3週間の間に細胞の生存もまた生じる。
実施例56および57において示される生存試験は、神経変性疾患(例えば、筋萎縮性側索硬化症(Amyotroph.Lateral Scler.Other Motor Neuron Discord(2001)2 March;補遺1:S55〜68)またはアルツハイマー病およびパーキンソン病(Brain Research Review(2000)第3巻,pp.199〜227))に対する上記分子の好ましい効果を示す。
(実施例58:処理したA549細胞におけるアクチン骨格)
A549細胞を、実施例55に詳細に記載したプロトコルに従って、実施例9の化合物を用いて処理した。そのA549細胞を、6ウェル培養ディッシュ(NUNC)の底に、1ウェル当たり50,000細胞の密度でガラススライド上に、10%ウシ胎仔血清を補充した「RPMI 1640」型の栄養培地(「Gibco BRL」社から販売される)中に接種する。その後、その細胞を、3%パラホルムアルデヒド溶液を用いて固定し、そしてPBS中0.1%の「Triton−X−100」を含む界面活性剤溶液を用いて透過性にする。処理した細胞のアクチン骨格を、その細胞をファロイジン(phalloidin)−FITCで標識することによって、観察した。
結果を、図12に示す。図12の写真1は、コントロールA549細胞を示す。そのアクチン細胞骨格は、細胞を規則的な様式に保持する。図12の写真2は、屈折(refringent)小胞の外観を示し、この小胞は、アクチンによって囲まれており、このような小胞はまた、細胞の外側に出現する。アクチンは、実施例55に示されるエキソサイトーシス小胞の分泌の間に、モーターとして介入すると、考えられる。
図13は、蛍光顕微鏡によるA549細胞に関するチューブリン骨格の観察を示す。写真1は、未処理コントロール細胞を示し、写真2は、実施例21に詳細に示されるプロセスに従って処理された細胞を示す。この場合、A549細胞Jを、抗γ−チューブリン抗体で標識し、抗IgG−FITC抗体で発色させる。
写真1は、規則的な繊維状ネットワークを示す。写真2は、細胞質内小胞の存在を示し、この細胞質内小胞は、γ−チューブリンに囲まれていない(多数の穴の外観が、これらの小胞の存在を区切る)。
図12および13を合わせた観察は、処理したA549細胞において電子顕微鏡によって観察可能な細胞骨格線維は、アクチン線維を含むことを示す。
同じ観察が、実施例9の化合物を実施例46および47の1つの化合物で置換した場合に、なされた。
(実施例59:U937腫瘍細胞株における小胞生成の誘導)
U937細胞を、10nMの実施例9に従う化合物で24時間処理した。この処理方法は、実施例55に詳細に記載される方法である。
結果を、図14に示す。この図面において、写真1は、「コントロール」細胞に対応する(倍率:6000)。写真2は、実施例9の化合物で処理した細胞に対応する(倍率:4000)。その細胞は、形状を変化させ、そして多数の細胞質内小胞が出現したことが、観察される(この写真における参照Vi)。図14における参照文字の意味は、図11について使用される意味と同じである。写真3(倍率:25,000)において、極度に発達した膜ネットワークの存在が、観察される。多数の細胞器官(organite)が、識別される:(多数のミトコンドリア(これは、強い活性の証拠である));多胞体MVB)もまた、識別され、その詳細は、図14の写真4に現れる。この写真は、細胞からの分泌の過程にあるMVBを示す(倍率:72,000)。
同じ観察が、実施例9の化合物が実施例46および47の1つの化合物で置換された場合に、なされた。
(実施例60:U937腫瘍細胞株における膜レセプターの過剰発現)
U937細胞を、「Gibco BRL」社により販売された「RPMI 1640」培地において培養した。プロテインG共役レセプターのスーパーファミリーに属してHA標識を含む、RCPG−MA膜レセプターを生成する。このレセプターを発現するU937細胞を、「リポフェクタミン」試薬を製造業者の指示に従って使用するトランスフェクションによって、生成する。
トランスフェクションの48時間後、トランスフェクト細胞を、10nMの実施例9に従う化合物で12時間処理した。
図15は、RCPG−HAを発現し、実施例9の化合物での処理に供された、U937細胞の2つの免疫蛍光写真を示す。これらの細胞を、蛍光顕微鏡によって試験するために固定した。このレセプターの存在は、抗HA抗体の存在下でのインキュベーション、その後の抗IgG−FITC抗体とのインキュベーションによって、明らかになる。図15の写真は、本発明に従う化合物で処理した細胞中のRCPG型の膜レセプターの発現を示し、一方、処理の非存在下で、免疫検出は、達成するのが困難である。同じ観察が、実施例9の化合物を実施例10、11、14、16、46、および47のうちの1つの化合物で置換した場合に、なされる。
この実験は、トランスフェクトされた細胞が、細胞質内小胞中で膜レセプターを大量に生成し得ることを、示す。
本明細書中上記に記載されている実施例48などは、上記実験に供された細胞型すべてが、本発明に従う化合物の1つで処理された場合に、小胞を生成することを示し、事例に依存して、それらの小胞は、多層小胞および/または多胞小胞であり得る。本発明に従う化合物での処理は、腫瘍細胞が正常表現型へと再分化する活性を処理細胞中で観察することを可能にすることが、見出される。
図1は、上記に示されるようにして得られるマウス単球における主要な形態変化(樹状細胞を生じる変換)を示す。 図2は、実施例49における樹状突起の形成を示す。 図3は、実施例9の化合物によるU−937細胞から樹状細胞への分化の誘導を示す。 図4は、実施例9の化合物で処理したU−937細胞によるサイトカインの生成を示す。 図5は、樹状細胞を用いるTリンパ球の活性化が、実施例9の化合物の効果の下で生じたことを示す。 図6は、インビトロでのTS/Aに対する細胞毒性を示す。 実施例54における、この試験分子を3日目に腫瘍の領域中に皮内注射した結果を示す。 実施例55における位相差顕微鏡法の結果を示す。 実施例56における3つの独立した実験についてのPC12細胞の生存の平均パーセントとして結果を示す。 実施例57における結果を示す。 実施例55における電子顕微鏡試験の結果を示す。 実施例58における観察の結果を示す。 図13は、蛍光顕微鏡によるA549細胞に関するチューブリン骨格の観察を示す。 図14は、実施例59における処理結果を示す。 図15は、RCPG−HAを発現し、実施例9の化合物での処理に供された、U937細胞の2つの免疫蛍光写真を示す。 実施例49における樹状突起形成を示す。 実施例54における腫瘍から離れた試験化合物の投与についての処理効力の結果を示す。

Claims (28)

  1. ステロールベースの化合物であって、該化合物は、式(I)
    Figure 2005529882
    に対応し、該式において、コレステロール骨格の4位にある炭素は、部分TおよびTを保有し、該部分TおよびTは、独立してHまたはCHであり得、CHは、α位および/またはβ位にあり、24位にある炭素は、部分Tを保有し、該部分Tは、H、CH、またはCを示し、14位にある炭素は、部分Tを保有し、該部分Tは、HまたはβCHであり得、炭素5と炭素6との間の結合、および炭素7と炭素8との間の結合のうちの一方は二重結合であり得、他方は、単結合であり、
    Zは、5位または8位において、HまたはOHのいずれかを示し、OHは、二重結合を保有しない炭素によってのみ保有され;そして
    Rは、6位または7位において、二重結合を保有しない炭素上において、式−Q−Qの置換基を示し、
    該置換基の式において、
    −Q−は、式(II):
    −X−(CHn0[Y−(CHn1]p1[Y−(CHn2]p2[Y−(CHn3]p3[Y−(CHn4]p4[Y−(CHn5]p5− (II)
    のラジカルを示し、
    該式(II)において、
    p1、p2、p3、p4およびp5は、独立して0または1に等しい整数であり、
    n0、n1、n2、n3、n4およびn5は、
    1≦n0≦4
    0≦n1,n2,n3,n4,n5≦4
    であるような独立した整数であり、
    −X−は、−S−、−O−、−CH−または−NR−あるいはヘテロ環
    Figure 2005529882
    を示し、Rは、HまたはC〜Cアルキルラジカルであり、
    −Y−、−Y−、−Y−、−Y−および−Y−は、互いに独立して、−S−、−O−、−C−、または−NR−を示し、Rは、上記で与えられる意味を有し、
    は、窒素原子を介して結合したインドール核、モルホリン核またはチオモルホリン核、ヘテロ環
    Figure 2005529882
    であって該ヘテロ環においてRはH、COCH、C〜Cアルキルラジカルまたは
    Figure 2005529882
    を示し、Rは、上記で与えられる意味を有し、Rは、HまたはC〜Cアルキルラジカルを示し、RおよびRは一緒になって、必要に応じて、C〜Cラジカルで置換されたピペリジン環、ピリジン環またはピペラジン環、あるいは窒素原子と4つの炭素原子とを含むピロールヘテロ環またはピロリジンヘテロ環を構成し得、但し、
    −X−=−NH−でありかつ
    Figure 2005529882
    である場合、構成要素p1、p2、p3、p4およびp5のうちの少なくとも1つは、0以外であり、
    −X−=−CH−であり、n0=1であり、かつ構成要素p1、p2、p3、p4およびp5が0である場合、Qは、−NH以外であることを特徴とする、化合物。
  2. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、炭素Cと炭素Cとの間の結合は、二重結合であり、R=NH−(CH−NH−(CH−NHであり、そしてT=T=T=Hであることを特徴とする、化合物。
  3. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、炭素Cと炭素Cとの間の結合は、二重結合であり、T=T=T=Hであり、R=−NH−(CH−NH−(CH−NH−(CH−NHであることを特徴とする、化合物。
  4. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、炭素Cと炭素Cとの間の結合は、二重結合であり、T=T=T=Hであり、
    Figure 2005529882
    であることを特徴とする、化合物。
  5. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、炭素Cと炭素Cとの間の結合は、二重結合であり、T=T=T=Hであり、R=−NH−(CH−NHであることを特徴とする、化合物。
  6. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、結合C−Cは、二重結合であり、T=T=T=Hであり、R=−NH−(CH−O−(CH−O−(CH−NHであることを特徴とする、化合物。
  7. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、2つの結合C−CおよびC−Cは、単結合であり、Zは、5位におけるOHを示し、そしてT=T=T=Hであり、Rは、6位にありかつ請求項3においてと同じ意味を有することを特徴とする、化合物。
  8. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、2つの結合C−CおよびC−Cは、単結合であり、Zは、5位におけるOHを示し、そしてT=T=T=Hであり、Rは、6位にありかつ請求項4においてと同じ意味を有することを特徴とする、化合物。
  9. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、2つの結合C−CおよびC−Cは、単結合であり、Zは、5位におけるOHを示し、そしてT=T=T=Hであり、Rは、6位にありかつ意味
    Figure 2005529882
    を有することを特徴とする、化合物。
  10. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、2つの結合C−CおよびC−Cは、単結合であり、Zは、5位におけるOHを示し、そしてT=T=T=Hであり、Rは、6位にありかつ意味
    Figure 2005529882
    を有することを特徴とする、化合物。
  11. 請求項1に記載の化合物であって、該化合物は、式(I)に対応し、該式(I)において、2つの結合C−CおよびC−Cは、単結合であり、Zは、5位におけるOHを示し、そしてT=T=T=Hであり、Rは、6位にありかつ請求項2においてと同じ意味を有することを特徴とする、化合物。
  12. 請求項1に記載の化合物を調製するためのプロセスであって、
    第1工程において、溶媒A中に溶解しているメタ−クロロペルオキシ安息香酸を、式(III)
    Figure 2005529882
    に対応する化合物と反応させることであって、該式(III)において、コレステロール骨格の4位にある炭素は、部分TおよびTを保有し、該部分TおよびTは、独立してHまたはCHであり得、CHは、α位および/またはβ位にあり、24位にある炭素は、部分Tを保有し、該部分Tは、H、CH、またはCを示し、14位にある炭素は、部分Tを保有し、該部分Tは、HまたはβCHであり得、炭素5と炭素6との間の結合、および炭素7と炭素8との間の結合のうちの一方は二重結合であり得、他方は、単結合であり、式IIIの化合物は、溶媒Aと混和性である溶媒B中に溶解している、こと、
    第2工程において、アクチベーターDの存在下で溶媒C中に溶解している第1工程において得られるエポキシ化合物を、該溶媒Cと混和性である溶媒E中に溶解している式Qのアミンと反応させることであって、QおよびQは、請求項1において与えられる意味を有すること、
    を特徴とする、プロセス。
  13. 請求項12に記載のプロセスであって、前記第1工程において得られる生成物を、前記第2工程のために該生成物を使用する前に精製することを特徴とする、プロセス。
  14. 請求項12および13のうちのいずれかに記載のプロセスであって、過塩素酸リチウムをアクチベーターDとして使用することを特徴とする、プロセス。
  15. 請求項12〜14のうちの1項に記載のプロセスであって、塩化メチレンを溶媒Aとして使用することを特徴とする、プロセス。
  16. 5位にある炭素上にOHを保有しかつ炭素7と炭素8との間に二重結合を含む、式(I)の化合物の調製のための請求項15に記載のプロセスであって、塩化メチレンとNaCO水溶液との混合物を、溶媒Bとして使用することを特徴とする、プロセス。
  17. 5位にある炭素上にOHを保有しかつ炭素7と炭素8との間に単結合を含む、式(I)の化合物の調製のための請求項15に記載のプロセスであって、塩化メチレンを、溶媒Bとして使用することを特徴とする、プロセス。
  18. 請求項16および17のいずれかに記載のプロセスであって、無水エタノールまたはピリジンを溶媒Cとして使用し、前記第2工程の反応を、大気圧にて還流して実施することを特徴とする、プロセス。
  19. 医薬であって、該医薬は、薬学的に受容可能なビヒクル中に、請求項1に記載の少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする、医薬。
  20. 請求項19に記載の医薬であって、該医薬は、生きている哺乳動物細胞の樹状突起生成を増加するために使用されることを特徴とする、医薬。
  21. 請求項20に記載の医薬であって、該医薬は、神経細胞またはその前駆体における軸索生成を誘発するために使用させることを特徴とする、医薬。
  22. 請求項21に記載の医薬であって、該医薬は、ヒト神経変性疾患と闘うため、特に、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、およびパーキンソン病と闘うために、使用されることを特徴とする、医薬。
  23. 請求項19に記載の医薬であって、該医薬は、生きている生物の免疫系を活性化するために使用されることを特徴とする、医薬。
  24. 請求項19に記載の医薬であって、単独で服用されるかまたは請求項23と組み合わせて服用され、該医薬は、生きている生物の腫瘍細胞における分泌小胞の生成のために使用されることを特徴とする、医薬。
  25. 請求項24に記載の医薬であって、該医薬は、哺乳動物癌腫瘍を後退させるために使用されることを特徴とする、医薬。
  26. 請求項19〜25のうちの1項に記載の医薬であって、該医薬は、注入によって投与されることを特徴とする、医薬。
  27. 同時に服用される請求項25および26に記載の医薬であって、該医薬は、処置されるべき腫瘍領域中に注入されることを特徴とする、医薬。
  28. 請求項19〜27に記載の医薬であって、該医薬は、生きている生物1g当たり、8.5ng〜1.7μgの範囲の用量で投与されることを特徴とする、医薬。
JP2003586169A 2002-04-19 2003-04-18 抗腫瘍および神経保護活性を有する、アミノアルキルステロール化合物 Expired - Lifetime JP4601297B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0204912A FR2838741B1 (fr) 2002-04-19 2002-04-19 Derives de sterols, leur procede de preparation et medicaments les comportant
PCT/FR2003/001248 WO2003089449A2 (fr) 2002-04-19 2003-04-18 Composes aminoalkylsteroles avec activite anti-tumeur et neuroprotective

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005529882A true JP2005529882A (ja) 2005-10-06
JP4601297B2 JP4601297B2 (ja) 2010-12-22

Family

ID=28686190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003586169A Expired - Lifetime JP4601297B2 (ja) 2002-04-19 2003-04-18 抗腫瘍および神経保護活性を有する、アミノアルキルステロール化合物

Country Status (10)

Country Link
US (3) US7947668B2 (ja)
EP (1) EP1497309B1 (ja)
JP (1) JP4601297B2 (ja)
AT (1) ATE420888T1 (ja)
AU (1) AU2003262422B8 (ja)
CA (1) CA2481561C (ja)
DE (1) DE60325843D1 (ja)
ES (1) ES2321287T3 (ja)
FR (1) FR2838741B1 (ja)
WO (1) WO2003089449A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014530245A (ja) * 2011-10-18 2014-11-17 アンセルム(アンスティチュート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・メディカル) 5α−ヒドロキシ−6β−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチルアミノ]コレスタン−3β−オールの酸付加塩
JP2017523240A (ja) * 2014-07-30 2017-08-17 アフィシェン 感音性難聴の治療用のステロール誘導体の利用及び対応する組成物

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2947340B1 (fr) 2009-06-25 2011-08-12 Affichem Detection de l'etat oncogene de cellules humaines ou de mammiferes par presence d'un marqueur et evaluation de l'activite d'un medicament par dosage dudit marqueur
CN102344480A (zh) * 2011-07-22 2012-02-08 中国人民解放军第三军医大学 树突化胺基甾醇一类物的合成方法
IN2014MN00976A (ja) 2011-11-24 2015-04-24 Inserm Inst Nat De La Santé Et De La Rech Médicale
JP2016532709A (ja) * 2013-09-04 2016-10-20 アフィシェム 化学療法感受性又は化学療法抵抗性腫瘍の治療のためのデンドロゲニンa及び抗腫瘍薬
FR3019039B1 (fr) * 2014-03-28 2017-06-02 Affichem Composition cosmetique et/ou dermatologique pour la coloration de la peau
EP3515453A1 (en) 2016-09-22 2019-07-31 INSERM (Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale) Methods and pharmaceutical compositions for reprograming immune environment in a subject in need thereof
BE1027157B9 (fr) * 2019-08-01 2020-11-03 Dendrogenix Composition de dérivés de stérols pour son utilisationdans le traitement d’une pathologie neuronale liée à une hypoxie et/ou à une hypoglycémie et composition correspondante
BE1030026B1 (fr) * 2022-06-14 2023-07-07 Dendrogenix Composés dérivés de stérols et composition pharmaceutique les comprenant pour leur utilisation dans la prévention, l’amélioration et/ou le traitement d’une pathologie liée à un déficit mitochondrial

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2047880B1 (ja) * 1969-06-16 1973-03-16 Serdex
JPS62501446A (ja) * 1984-11-21 1987-06-11 シヤフナ− カ−ル ピ− コレステロ−ルエポキシド類の免疫分析法
WO1997010836A1 (en) * 1995-09-21 1997-03-27 Innapharma, Inc. Peptides and peptidomimetics inhibiting the oncogenic action of p21 ras

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2047880B1 (ja) * 1969-06-16 1973-03-16 Serdex
JPS62501446A (ja) * 1984-11-21 1987-06-11 シヤフナ− カ−ル ピ− コレステロ−ルエポキシド類の免疫分析法
WO1997010836A1 (en) * 1995-09-21 1997-03-27 Innapharma, Inc. Peptides and peptidomimetics inhibiting the oncogenic action of p21 ras

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN5004014633, EL KIHEL, L., ANTICANCER RESEARCH, 1999, V19 N2A, P1229−1234 *
JPN6009043907, ELKIHEL,L. et al., "Synthesis and preliminary in vitro evaluation of antitumor nitrosoureido cholesterol derivatives", Arzneim.−Forsch./Drug Res., 1995, Vol.45(I), No.2 *
JPN6009043908, PINHAS,H. et al, "6−Amino derivatives of stigmastanol and cholestanol", Journal of Medicinal Chemistry, 1971, Vol.14, No.11, p.1048−1049 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014530245A (ja) * 2011-10-18 2014-11-17 アンセルム(アンスティチュート・ナシオナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・メディカル) 5α−ヒドロキシ−6β−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチルアミノ]コレスタン−3β−オールの酸付加塩
JP2017523240A (ja) * 2014-07-30 2017-08-17 アフィシェン 感音性難聴の治療用のステロール誘導体の利用及び対応する組成物

Also Published As

Publication number Publication date
US8524694B2 (en) 2013-09-03
CA2481561A1 (fr) 2003-10-30
WO2003089449A2 (fr) 2003-10-30
AU2003262422A1 (en) 2003-11-03
US7947668B2 (en) 2011-05-24
US20050222097A1 (en) 2005-10-06
US20110275604A1 (en) 2011-11-10
FR2838741B1 (fr) 2006-01-27
AU2003262422B8 (en) 2008-05-08
ES2321287T3 (es) 2009-06-04
CA2481561C (fr) 2011-10-11
JP4601297B2 (ja) 2010-12-22
US20140005156A1 (en) 2014-01-02
ATE420888T1 (de) 2009-01-15
WO2003089449A3 (fr) 2004-04-01
EP1497309B1 (fr) 2009-01-14
US8957055B2 (en) 2015-02-17
DE60325843D1 (de) 2009-03-05
FR2838741A1 (fr) 2003-10-24
AU2003262422B2 (en) 2008-04-10
EP1497309A2 (fr) 2005-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8524694B2 (en) Aminoalkylsterol compounds with antitumoral and neuroprotective activity
JP3987105B2 (ja) 減数分裂の調節
DE69735851T2 (de) Verfahren zur aktivierung von menschlichen, antigen-aktivierenden zellen, aktivierte menschliche, antigen-aktivierende zellen und anwendungen derselben
EP0857173B1 (en) Meiosis regulating compounds
JP2736088B2 (ja) アデノシン誘導体
US7112580B2 (en) 3-nitrogen-6, 7-dioxygen steroids and uses related thereto
US9447140B2 (en) Cholest-4-en-3-one oxime derivatives, pharmaceutical compositions containing same, and preparation method
FR2894968A1 (fr) Nouveaux derives de l'oxime de cholest-4-en-3-one, compositions pharmaceutiques les renfermant, et procede de preparation
JPH10324671A (ja) アミノアルコール誘導体及びそれを含有する医薬
EP0733049B1 (en) Tricyclic derivatives and their use in pharmaceuticals
JPH10338636A (ja) アミノアルコール誘導体を含む医薬及び異常増殖性疾患治療薬
JP2927368B2 (ja) 1α−ヒドロキシ−24−EPI−ビタミンD▲下4▼
AU633931B2 (en) 2-amino-1,2,3,4-tetrahydronaphthalene derivatives with cardiovascular activity, process for their preparation and pharmaceutical compositions containing them.
JP2021534212A (ja) 病的状態の治療における使用のための芳香族分子
RU2289587C2 (ru) Стероидные соединения, способы их получения, фармацевтическая композиция, способы регуляции и совершенствования воспроизведения, промежуточные соединения
US3636014A (en) 17beta-(alkylthioalkyl)aminoandrost - 5-en-3-ols acyl derivatives thereof and intermediates thereto
JPH02275863A (ja) 新規含フッ素2―ニトロイミダゾールおよびそれを含む放射線増感剤
MXPA98000123A (en) Compounds that regulate the meio
CZ20004175A3 (cs) Sloučeniny regulující meiosu

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080206

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20080206

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080206

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080319

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091126

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100330

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100618

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100625

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100716

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100907

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100928

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131008

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4601297

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term