JP2005525354A - 抗癌化合物zd1839の新規結晶形 - Google Patents

抗癌化合物zd1839の新規結晶形 Download PDF

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Abstract

本発明は別名、コード番号ZD1839として知られている、式(I)の化合物:
【化1】
Figure 2005525354

の一定の溶媒和物および水和物の結晶に関する。特に本発明は、2型ZD1839MeOH溶媒和物と表す、メタノールの存在下で形成される第1の溶媒和物、3型ZD1839DMSO溶媒和物と表す、ジメチルスルホキシドの存在下で形成される第2の溶媒和物、および5型ZD1839三水和物と表す、水の存在下で形成される三水和物に関する。本発明はさらに、これらの溶媒和物および三水和物の製造方法および化合物ZD1839にこれらを戻す変換方法、これらを含む医薬組成物、ならびに低温動物 例えばヒトにおいて抗増殖効果をもたらすことを利用するための、医薬品の製造におけるこれらの使用に関する。

Description

本発明は、医薬化合物の特定の結晶形、それらの製造方法、該医薬化合物の精製におけるそれらの使用、それらを含む医薬組成物、および治療におけるそれらの使用に関する。
国際特許出願WO 96/33980は、実施例1で化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンを開示している。該化合物はチロシンキナーゼ酵素の表皮成長因子受容体(EGFR)ファミリー、例えばerbB1の阻害物質であり、抗増殖活性 例えば抗癌活性を有し、したがってヒトまたは動物の体内における増殖性疾患 例えば癌の治療法に有用である。
該化合物は式Iの構造を有し、
Figure 2005525354
今日、イレッサ(登録商標として登録されている)およびゲフィチニブ(米国一般名)として、およびコード番号ZD1839およびケミカルアブストラクト登録番号184475−35−2により知られている。
国際特許出願WO 96/33980の実施例1の主題では、酢酸エチルおよびメタノールの4:1混合液を溶出液として用いたシリカのカラムクロマトグラフィーによる精製およびトルエンからの再結晶後、融点119−120℃を有すると記述されている式Iの化合物の製造を開示している。該特許出願の実施例10の主題は、溶出液として塩化メチレンおよびメタノールの9:1混合液を用いたシリカのカラムクロマトグラフィーによる精製およびトルエンからの再結晶を含む、式Iの化合物の別の合成経路を開示している。国際特許出願WO 96/33980の実施例1および10のいずれにも、式Iの化合物が結晶かまたはアモルファスであるかの限定的な開示はない。さらにこれらの実施例において、同化合物が溶媒和の形態で存在する可能性があるかどうかの限定的な開示もない。
国際特許出願WO 96/33980において、同出願に開示されたキナゾリン誘導体は、溶媒和した形ならびに溶媒和していない形、例えば水和した形で存在することができ、同発明はその出願の中で、抗増殖活性を有するこのような溶媒和した形すべてを包含すると述べている。しかし特定の水和した形は開示されておらず、また特定の溶媒和物も開示されていない。
式Iの化合物の特定の溶媒和物を含む同化合物の一定の形態が、有利な特性を有する結晶物質であることを、今回発見した。
ある化合物の特定の結晶形は、あらゆる他の結晶形またはアモルファス形の特性とは異なる物理学的特性を有する可能性があり、このような特性が、同化合物の化学的加工および医薬的加工に、特に同化合物を市販スケールで製造または使用する場合、顕著な影響を及ぼす可能性がある。例えば化合物の各結晶形は、物理的特性、例えば結晶のサイズおよび形、融点、密度、吸湿性および安定性に違いを示す可能性がある。このような差異は、同化合物を機械的に取り扱う上での特性(例えば固体物質の流動性の特徴)および同化合物の圧縮時の特徴を変え得る。化合物の異なる結晶形は、異なる熱力学的安定性を有し得る。一般により安定な形、例えばより安定な多形相が、市販スケールでの製剤化および加工のためのより適切な物理学的な形である。
例えば安定性の低い形、例えば安定性の低い多形の加工では問題が生じる可能性がある。圧縮力、例えば錠剤化の方法で使用される圧縮力により、安定性のより低い形の一部がより安定な形に変換され、結果的に製剤化された製品において、より安定な形の結晶に成長することはあり得る。このようないかなる結晶化の方法も錠剤の完全性を損ない、錠剤の強度の低下した砕けやすい錠剤になってしまうかもしれないため、この状態は望ましくない可能性がある。加えて2つのこのような形態の多様な混合物が存在することになれば、例えば活性化合物の各形態が異なる粒度を持ち得るため、活性化合物の溶解度およびバイオアベイラビリティーは変化しやすくなる可能性がある。粒度が医薬的活性化合物の溶解速度およびバイオアベイラビリティーに影響し得ることは、よく知られている。したがって製品の品質が、望ましくない影響を受けることはあり得る。
さらに医薬化合物の組成物がコントロールされ安定であることを適当な規制当局に示す必要があるため、カプセルまたは錠剤の剤形中の同化合物は準安定な相または複数の形態の混合物ではなく、最も安定な形態、例えば最も安定な多形を用いて製造することが好ましい。熱力学的に安定性の低い形態、例えば安定性の低い多形が、単独でまたは熱力学的により安定な形態と混合して錠剤中に存在する場合、錠剤の組成物、例えば錠剤の多形の組成物をコントロールすることは非常に困難になる、というのは熱力学的により安定な形態の量が保存中に増加する傾向が起こりうるからである。
したがってこれらの因子は固相、すなわち化合物の錠剤またはカプセル製剤、およびその懸濁液製剤に大きな影響を及ぼす可能性がある。
多形および/または溶媒和物の生成が可能であるかどうかを発見するため、式Iの化合物の特性の研究を行った。様々な極性の溶媒による広範囲の再結晶化を調べた。これらのほとんどの溶媒から、式Iの化合物のただ1つの溶媒和していない結晶形のみが得られた、以下これを1型ZD1839多形と表す。2つの溶媒和物も興味深いものとして同定された。第1の溶媒和物はメタノールの存在下で生成された、この形を以下2型ZD1839MeOH溶媒和物と表す。第2の溶媒和物はジメチルスルホキシドにて生成された、この物質を以下3型ZD1839DMSO溶媒和物と表す。三水和物もまた発見した、以下5型ZD1839三水和物と表す。
特に今回、3型ZD1839DMSO溶媒和物が結晶性であり、驚くことにこの形態が有利な特性を有することを発見した。
さらに3型ZD1839DMSO溶媒和物が、容易に単離できまた非常に安定な結晶の物理的形を有する点で、通常とは異なることを発見した。さらにこの溶媒和物は、高レベルの純度および高収量で、市販スケールで容易に製造することができる。加えてこの溶媒和物は、式Iの化合物、特に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物に容易に変換することができる。全体としてDMSO溶媒和物の製造、その精製および式Iの化合物に戻す変換のステップを含むことは、式Iの化合物の収量および純度という点から見て有益である。
本発明の1つの側面により、実質的に3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形が提供される。
本発明のさらなる側面により、実質的に3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形を実質的に含まない、式Iの化合物の結晶形が提供される。
本発明が式Iの化合物の結晶形に関するという場合、X線粉末回折データによる決定での結晶化度は、好都合には約60%以上、より好都合には約80%以上、好ましくは約90%以上、そしてより好ましくは約95%以上である。最も好ましくはX線粉末回折データによる決定での結晶化度は、約98%以上である。
本発明が3型ZD1839DMSO溶媒和物に関するという場合、ジメチルスルホキシド溶媒分子に対するZD1839のモル比は3:1から1:3の範囲、好ましくは2:1から1:2の範囲、より好ましくは約1当量のDMSOに対して約1当量のZD1839である。
本発明が実質的に3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形に関するという場合、このことは、式Iの化合物の少なくとも80%が3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態であることを意味する。好ましくは式Iの化合物の少なくとも90%、特に少なくとも95%が、3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態である。より好ましくは式Iの化合物の少なくとも98%が、3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態である。
本発明が、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形を実質的に含まない、3型ZD1839DMSO溶媒和物に関するという場合、このことは、式Iの化合物の少なくとも80%が3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態であり、式Iの化合物の20%未満が、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形の形態であることを意味する。好ましくは式Iの化合物の少なくとも90%、そして特に少なくとも95%が3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態である。
さらに2型ZD1839MeOH溶媒和物もまた、容易に単離できてしかも高レベルの純度および高収量で、市販スケールで容易に製造するのに十分な安定性がある結晶の物理的形を有することを発見した。加えてこの溶媒和物は、式Iの化合物に変換することができる。
本発明のさらなる側面により、実質的に2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形を提供する。
本発明のさらなる側面により、実質的に2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態の、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形を実質的に含まない、式Iの化合物の結晶形を提供する。
本発明のこの側面が式Iの化合物の結晶形に関するという場合、X線粉末回折データによる決定での結晶化度は、好都合には約60%以上、より好都合には約70%以上、好ましくは約80%以上、そしてより好ましくは約90%以上である。最も好ましくはX線粉末回折データによる決定での結晶化度は、約95%以上である。
本発明が、2型ZD1839MeOH溶媒和物に関するという場合、ZD1839のメタノール溶媒分子に対するモル比は6:1から1:3の範囲、好ましくは4:1から1:2の範囲、より好ましくは約1当量のメタノールに対して約2当量のZD1839である、すなわちこの物質はほぼヘミ(hemi)溶媒和物となることができる。
本発明が、実質的に2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形に関するという場合、このことは、式Iの化合物の少なくとも80%が2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態であることを意味する。好ましくは式Iの化合物の少なくとも90%、特に少なくとも95%が、2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態である。より好ましくは式Iの化合物の少なくとも98%が、2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態である。
本発明が、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形を実質的に含まない、2型ZD1839MeOH溶媒和物に関するという場合、このことは、式Iの化合物の少なくとも80%が2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態であり、式Iの化合物の20%未満が、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形の形態であることを意味する。好ましくは式Iの化合物の少なくとも90%、そして特に少なくとも95%が2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態である。
式Iの化合物の一定のその他の溶媒和物を得ることもできるが、これらは容易に単離できしかも安定であるという双方を満たす結晶の物理的形態をとらない。例えば式Iの化合物を、イソプロパノールおよび水の特定の混合液を含む溶媒系を徐々に蒸発させることにより結晶化させる場合、得られた結晶固体は、2当量の水も保有するイソプロパノール溶媒和物を含んでいた。しかし例えばイソプロパノールおよび水の混合液を含む溶媒系において式Iの化合物を再結晶させた場合、条件によっては得られた結晶固体は1型ZD1839多形だけでなく、準安定の水和していないZD1839の多形相と考えられるさらなる物質もまた含んでいた。
反対に多くの溶媒からただ1つの式Iの化合物の溶媒和していない結晶形のみが得られた、これを1型ZD1839多形と表す。1型ZD1839多形は、容易に単離できてしかも高レベルの純度および高収量で市販スケールでこの多形を容易に製造することができるというように非常に安定でもある、結晶の物理的形を有することを発見した。したがって実質的に1型ZD1839多形の形態で、好ましくはあらゆる他のZD1839の多形またはあらゆるZD1839溶媒和物または水和物を実質的に含まない、式Iの化合物の結晶形を提供する。
1型ZD1839多形は約194℃から198℃の範囲の融点を有する。国際特許出願96/33980では、式Iの化合物が融点約195℃の多形相で存在できることも、あらゆる他のZD1839の多形相またはあらゆるZD1839溶媒和物を実質的に含まないこの多形を製造する方法も開示していなかった。国際特許出願WO 96/33980では、化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンは、現在コード番号ZD1839という表記で知られているが、融点119−120℃を有すると開示された。その時点で得られた物質は、ZD1839の準安定な水和していない多形相であった可能性があると考えられる。
1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物の結晶形を得ることができるという場合、X線粉末回折データによる決定での結晶化度は、好都合には約60%以上、より好都合には約70%以上、好ましくは約80%以上、そしてより好ましくは約90%以上である。最も好ましくはX線粉末回折データによる決定での結晶化度は、約95%以上である。
実質的に1型ZD1839多形の形態である式Iの化合物の結晶形を得ることができるという場合、このことは、式Iの化合物の少なくとも80%が1型ZD1839多形の形態であることを意味する。好ましくは式Iの化合物の少なくとも90%、特に少なくとも95%が、1型ZD1839多形の形態である。より好ましくは式Iの化合物の少なくとも98%が、1型ZD1839多形の形態である。
1型ZD1839多形を、ZD1839のあらゆる他の多形相またはあらゆるZD1839溶媒和物を実質的に含まずに得ることができるという場合、このことは、式Iの化合物の少なくとも80%が1型ZD1839多形の形態であることを意味する。好ましくは式Iの化合物の少なくとも90%、そして特に少なくとも95%が1型ZD1839多形の形態である。
意外にも式Iの化合物は、三水和物(以下5型ZD1839三水和物)として存在することができ、この5型ZD1839三水和物が有利な特性を有することもまた発見した。
5型ZD1839三水和物は式Iの化合物の1つの安定な形態である。特に5型ZD1839三水和物は水の存在下で非常に安定である。例えば5型ZD1839三水和物を水溶性懸濁液として製造する場合、得られる懸濁液は安定であるが、一方式Iの化合物の他の形を用いて製造した水溶性懸濁液は、保存中に5型ZD1839三水和物に変換する傾向がある。式Iの化合物の水溶性懸濁液の場合にはこのことが問題となり得る、というのは熱力学的に安定性のより低い形から5型ZD1839三水和物への変換が、5型ZD1839三水和物の大きな結晶を成長させることになり、それにより懸濁液中の粒度の分布が変わり得るためである。このことは、安定性のより低い形からより安定な5型ZD1839三水和物への変換の結果として成長し得る結晶の沈降により、懸濁液を不安定にさせることになり得る。さらに式Iの化合物の2つのこのような形の多様な混合物が存在することになる場合、活性化合物の溶解速度およびバイオアベイラビリティーが、2つの形態の異なる特徴の結果として変わりやすくなることが起こりうる。
5型ZD1839三水和物は、式Iの化合物の公知の形態と比較した時に異なる物理学的特性、例えば結晶のサイズおよび形、融点、密度および吸湿性を示すことができる。このような差異は、化合物を取り扱う上での有利な特性、例えば固体物質の流動特性の改善、および/または製造中の濾過の改善を提供することができる。このような有利な特性は、市販スケールでの式Iの化合物の製剤化および加工の改善を提供することができる。特に5型ZD1839三水和物の微小な針状または棒状になる結晶の性質は、有利な濾過特性および乾燥しやすい特徴を持つ物質を提供する。
さらに5型ZD1839三水和物は高レベルの純度および高収量で、市販スケールで容易に製造することができる。加えて5型ZD1839三水和物は、1型ZD1839多形に容易に変換することができる。5型ZD1839三水和物の製造、その精製および1型ZD1839多形に戻す変換は、式Iの化合物を含む固体製剤、例えば錠剤およびカプセル製剤における使用に特に適する形である1型ZD1839多形の化合物の、収量および純度という点から見て有益である。
本発明のさらなる側面により、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン三水和物(5型ZD1839三水和物)を提供する。
本発明のさらなる側面により、例えば1型ZD1839多形、2型ZD1839MeOH溶媒和物または3型ZD1839DMSO(溶媒和物)のような、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはZD1839多形を実質的に含まない、5型ZD1839三水和物を提供する。
本発明による5型ZD1839三水和物は高い結晶性を有する。“高い結晶性”は、X線粉末回折データによる決定での結晶化度が好都合には約60%以上、より好都合には約80%以上、特に約90%以上、そしてより特に約95%以上であることを意味する。
本発明が5型ZD1839三水和物に関するという場合、水に対するZD1839のモル比は1:2.5から1:3.5の範囲、より特におよそ1:3である。
本発明が、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる他のZD1839多形を実質的に含まない5型ZD1839三水和物に関するという場合、このことは、式Iの化合物の少なくとも80%が5型ZD1839三水和物の形態であり、式Iの化合物の20%未満が、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる他のZD1839多形の形態であることを意味する。特に式Iの化合物の少なくとも90%、そして特に少なくとも95%が5型ZD1839三水和物の形態である。
式Iの化合物の特定の結晶形のサンプルを、X線粉末回折(以下XRPD)分析、示差走査熱量測定(以下DSC)、熱天秤分析(以下TGA)、拡散反射フーリエ変換赤外(DRIFT)分光法、近赤外(NIR)分光法、固体状態の核磁気共鳴分光法、および/またはKarl Fischer 分析による水含有量の決定、を組み合わせて用いて分析した。
X線回折データはSiemens D5000装置を用いて得たが、この使用についてはより詳細に以下に記述する。異なる装置および/または異なる条件により、得られるデータがわずかに異なることがあり、例えばピークの位置および相対的強度が変動する可能性があることは、理解されるだろう。特にXRPDを用いて測定されたピークの強度は、XRPDマウント内の結晶粒子のパッキングの効果のため、粒子のサイズおよび形の結果として変動し得る。このようなパッキング効果は当該技術分野で公知であり、“好ましい配向”の効果としてしばしば言及されている。試料中の好ましい配向は様々な反射の強度に影響を与え、その結果、完全にランダムなサンプルから予測される値と比較して、強くなる場合も弱くなる場合もある。したがって強度の変動は同一のサンプルで起こり得るものであり、この変動は例えば粒子のサイズおよび形に依存する。好ましい配向の効果は、サイズの減少がより微細な針状または板状を生成する針状または板状結晶については特に明らかである。結果として多形相は、X線回折図のピークの位置により最も信頼できる主な特徴が得られる。標準的なX線回折分析に関するこれらの効果ならびに方法については、例えばBunn, C. W. (1948), Chemical Crystallography(結晶化学), Clarendon Press, London; またはKlug, H. P. & Alexander, L. E. (1974), X-Ray Diffraction Procedures(X線回折法), John Wiley and Sons, New Yorkに見出すことができる。したがって引用した数値は絶対的な値とみなすべきではない。
1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物は、[2シータ(θ)スケールで]約7.0、11.2、15.8、19.3、24.0(最大ピーク)および26.3°に特徴的なピークのある、以下の図1に示すX線回折パターンを有する。
融点およびTGAは、Perkin Elmer Pyris 1 DSC/TGA装置を用いて決定したが、この使用についてはより詳細に以下に記述する。他のタイプの装置によりまたは以下に記述するものとは異なる条件を用いることにより、融点の別の実測値が得られる可能性があることは理解されるだろう。このため引用した数値は絶対的な値とみなすべきではない。1型ZD1839多形に関するDSC熱量測定曲線およびTGAを、以下の図2に示す。この多形は約194℃から198℃の範囲の融点を有する。より特には融点は約194.5℃から196.5℃の範囲である。最も特には融点は195℃から196℃の範囲である。
DRIFT分光法のデータは、Nicolet 20XC スペクトロメーターで得たが、この使用についてはより詳細に以下に記述する。異なる装置および/またはサンプル調製の異なる条件を用いた場合、わずかに異なるデータが得られる可能性があることは理解されるだろう。そのため引用した数値は絶対的な値としてみなされるべきではない。1型ZD1839多形に関するDRIFT分光法の測定曲線を、約3400、1630、1525、1245および840cm−1に識別可能なピークのある、以下の図3に示す。
加えて他の技術、例えばNIR分光法または固体状態の核磁気共鳴スペクトル法により、他の物理的形から1型ZD1839多形を特徴付けできるおよび/または識別できる可能性がある。
加えて1型ZD1839多形の結晶構造を、より詳細には以下に記述するように、単結晶X線分析により特徴付けを行った。この多形は、単位胞に2分子のZD1839を含む三斜空間群P(−1)に結晶化し、その単位胞の大きさはa=8.876(1)、b=9.692(1)、c=12.543(1)Å、α=93.51(1)、β=97.36、γ=101.70(1)°およびV=1043.6(2)Åである。他のデータは以下の実施例5の表A:1および表A:2に示す。
準安定の水和していないZD1839多形の形態の式Iの化合物は、DSC熱量測定曲線により特徴付けを行うと、準安定な形から1型ZD1839多形への変換に伴う最初の発熱反応を示す。この1型ZD1839多形は先に開示したように、約194℃から198℃の範囲の融点に対応する吸熱反応を有する。
2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態の式Iの化合物は、[2シータ(θ)スケールで]約6.5(最大ピーク)、10.0および13.2°に特徴的なピークのある、以下の図4に示すX線粉末回折パターンを有する。
2型ZD1839MeOH溶媒和物に関するDSC熱量測定曲線およびTGAを、以下の図5に示す。測定曲線は最初の吸熱を約130℃に、そして第2の吸熱を約196℃に示す。第2の吸熱は1型ZD1839多形に由来するDSC熱量測定曲線の吸熱に対応し、脱溶媒和および1型ZD1839多形への変換が加熱で起こっていたことを示す。TGAは、約130℃での約3%(重量)の溶媒の喪失を示す。したがって2型ZD1839MeOH溶媒和物は、約110℃から140℃の範囲に脱溶媒和温度を有する。より特には、脱溶媒和温度は、約125℃から138℃;さらにより特には、約125℃から130℃の範囲である。
2型ZD1839MeOH溶媒和物に関するDRIFT分光法の測定曲線を、約3380、1650、1530、1450、1235、870および570cm−1に識別されるピークのある、以下の図6に示す。
3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の式Iの化合物は、[2シータ(θ)スケールで]約8.9、17.8、22.6(最大ピーク)および23.2°に特徴的なピークを有する、以下の図7に示すX線粉末回折パターンを有する。
3型ZD1839DMSO溶媒和物に関するDSC熱量測定曲線およびTGAを、以下の図8に示す。TGAは、約80から105℃の温度範囲にわたり約14%(重量)の溶媒の喪失を示す。DSCの測定曲線は、約130℃で吸熱を示す。したがって3型ZD1839DMSO溶媒和物は、約125℃から135℃の範囲に脱溶媒和温度を有する。より特には、脱溶媒和温度は、約127℃から132℃の範囲である。最も特には、脱溶媒和温度は約130℃である。
3型ZD1839DMSO溶媒和物に関するDRIFT分光法の測定曲線を、約1640、1520、1450、880および560cm−1に識別されるピークのある、以下の図9に示す。
本発明による5型ZD1839三水和物は、[2シータ(θ)スケールで]下の表1に示すおよその位置に特徴的なピークを有する、以下の図10に示すX線粉末回折パターンを有する:
Figure 2005525354
特に表1の最初のピーク(2θスケールで6.1°)は5型ZD1839三水和物に固有であり、式Iの化合物のあらゆる他の公知の形態では存在しない。さらに大きな特徴的なピークが、2θスケールで7.1°および25.7°にも観察される。
上述のようにXRPD回折曲線のピークの強度は、使用する測定条件に依存して多少の変動性を示し得る。したがって表1においてそして以下に引用するように、相対的強度を数値で表していない。代わりに強度に関して以下の定義を使用する:
Figure 2005525354
明らかなように、図10のX線回折パターンに認められるより小さなピークの一部は、表1では省略した。
5型ZD1839三水和物の加熱中の融点および重量の喪失を、TSO891RO自動システムを装備したMettler DSC820E およびTG851を用いて、各々DSCおよびTGAにより決定した、この装置の使用については実施例においてより詳細に以下に記述する。他のタイプの装置により、または以下に述べる状態とは異なる状態を使用することにより、融点の別の実測値が得られる可能性があることは、理解されるだろう。したがって引用した数値は絶対的な値とみなされるべきではない。5型ZD1839三水和物に関するDSC熱量測定曲線およびTGAを、以下の図11に示す。
図11のDSCの測定曲線は、約100℃にピーク値(約89℃に開始)のある第1の吸熱を示し、第2の吸熱は約194℃から198℃、特に約196℃のピークにより認められる。第2の吸熱は融解の吸熱(開始温度 約195℃)である。第2の吸熱は1型ZD1839多形の融点に対応し、脱水和および1型ZD1839多形への変換が、5型ZD1839三水和物の加熱時に起こっていたことを示唆する。図11のTGA熱量測定曲線は、約10.8%の水和の水の喪失を反映するDSC測定曲線に認められたものと均等の事象を示し、この値は式Iの化合物の三水和物の水の含有量に対応する(三水和物に関する理論的な水含有量の喪失は10.79%である)。DSCの測定曲線には、他の事象は観察されなかった。したがって5型ZD1839三水和物は、約70℃から120℃の範囲に脱溶媒和温度を有する。より特には、脱溶媒和温度は、約80℃から105℃;さらにより特には、約88℃から100℃の範囲である。
加えて5型ZD1839三水和物の結晶構造は、より詳細には以下に述べるように、単結晶X線分析により決定される単位胞の大きさを特徴とすることができる。本発明による5型ZD1839三水和物は、以下のパラメータを有する単斜晶系の単位胞をさらに特徴とする:a=14.41Å、b=24.89Å、c=6.81Å、α=90°、β=92.2°、γ=90°およびV=2440.4Åである。単位胞のデータは実施例で述べるように決定した。その他の単結晶のデータは、実施例9の表B1およびB2に示す。
式Iの化合物の以下の特定の結晶形をここに開示する:−
(i)3型ZD1839DMSO溶媒和物;
(ii)2型ZD1839MeOH溶媒和物;
(iii)1型ZD1839多形;および
(iv)5型ZD1839三水和物。
これらの実在の形は各々、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンのような化合物に関して、国際特許出願WO 96/33980で開示された特性、特に抗増殖活性、例えば抗癌活性と等しい医薬的特性を有する。これらの実在する溶媒和物、水和物および多形を、以下の当明細書においてまとめて“本発明の活性物質”として記述する。
ヒトを含む哺乳類の治療用に本発明の活性物質を使用するため、医薬組成物としての標準的な医薬的実施にしたがって通常のように製剤化する。したがって本発明のもう1つの側面により、本発明の活性物質および医薬的に受容可能な希釈剤または担体を含む医薬組成物を提供する。
例えば本発明の組成物は、経口投与用(例えば錠剤、ロゼンジ、ハードカプセルまたはソフトカプセル、水溶性もしくは油性の懸濁液、エマルジョン、分散可能な粉末もしくは顆粒、シロップ、またはエリキシルとして)、局所投与用(例えばクリーム、軟膏、ジェル、または水溶性もしくは油性の懸濁液として)、吸入剤用(例えば水溶性懸濁液として)または非経口投与用(例えば静脈内、皮下、腹腔内もしくは筋肉内投与用の滅菌した水溶性溶液もしくは油性溶液として、または直腸投与用の座剤として)に適する形態とすることができる。
投与の好ましい方法は経口投与である。本発明の活性物質は、好都合には錠剤の形態で経口投与する。錠剤製剤の限定的な例を以下に記述する。
本発明の組成物は、当該技術分野で公知の従来の医薬賦形剤を用いて、従来の方法により得ることができる。したがって経口使用を意図した組成物は、例えば1つまたはそれ以上の着色剤、甘味剤、香料および/または保存剤を含むことができる。
標準的な賦形剤として、例えば錠剤希釈剤、分散剤、懸濁剤および結合剤、成型剤(structure formers)、錠剤の滑剤、冷凍保護物質およびpH調整剤、例えばマンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、塩化ナトリウム、アカシア、デキストラン、スクロース、マルトース、ゼラチン、ウシ血清アルブミン(BSA)、グリシン、マンノース、リボース、ポリビニルピロリジノン(PVP)、セルロース誘導体 例えば微結晶セルロース、グルタミン、イノシトール、グルタミン酸カリウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、エリトリトール、セリンおよびその他のアミノ酸、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびその他の弱塩基、ならびにバッファー剤 例えばリン酸水素ニナトリウム、リン酸水素カルシウムおよびクエン酸カリウムを含む。
当明細書で述べたように、5型ZD1839三水和物は水の存在下では特に安定である。したがって5型ZD1839三水和物は、水溶性懸濁液製剤としての投与に特に適する。従来の水溶性懸濁液製剤は当該技術分野において公知である。適切な懸濁液製剤は、例えば水、非イオン性界面活性剤、水溶性の塩、および所望によりpHバッファー中に、5型ZD1839三水和物の懸濁液を含む。適切な非イオン性界面活性剤には、例えばポリソルベート例えばポリソルベート20を含む。水溶性の塩は、懸濁液を等張とするのに十分な量の塩化ナトリウムとすることができる。バッファーを含む場合、懸濁液のpHを約7に維持するように、例えばpH7リン酸バッファーを適切に選択するものとする。
1つの剤形を製造するための、1つまたはそれ以上の賦形剤と組み合わせる本発明の活性物質の量は、ホストの治療および特定の投与経路に依存して必然的に変わることになる。例えばヒトへの経口投与用を意図した製剤は、好都合には例えば1mgから1gの活性物質を、組成物の総重量の約5から98パーセントに変えることのできる適当で好都合な量の賦形剤と混合して含むものとする。好ましくは製剤は、例えば50mgから750mgの活性物質を含むものとする。より好ましくは製剤は、例えば100mgから500mgの活性物質、特に約250mgの活性物質含むものとする。
治療目的または予防目的として本発明の活性物質を使用する際、分割した投与が必要な場合の投与も、一般には例えば体重1kgあたり0.2から20mgの範囲の1日の用量を投与するものとする。好ましくは例えば体重1kgあたり0.5から15mgの範囲の1日の用量を投与する。より好ましくは例えば体重1kgあたり1から10mgの範囲の1日の用量を投与する。
本発明の活性物質は、受容可能な毒性の側面を示す。
式Iの化合物の使用および同化合物を含む併用に関するさらなる詳細が、国際特許出願WO 96/33980に開示されている。本発明の活性物質は、式Iの化合物に関して国際特許出願WO 96/33980に開示された特性、特に抗増殖活性、例えば抗癌活性と等しい医薬的特性を有する。例えば本発明の活性物質は、多くの一般的なヒトの癌、例えば肺(小細胞肺癌および非小細胞肺癌を含む)、乳房、前立腺、卵巣、結腸直腸、胃、脳(神経膠腫および下垂体アデノーマを含む)、頭部および頸部、膀胱、膵臓、食道、胃、腎臓、皮膚(悪性メラノーマを含む)、婦人科学的部位(子宮頸部、子宮内膜、膣、外陰部、および子宮)および甲状腺の癌の治療、ならびに白血病、リンパ系悪性疾患および固形腫瘍 例えば癌(carcinoma)および肉腫の範囲の治療に有用である。本発明の活性物質は、過剰な細胞増殖、例えば良性皮膚増殖 例えば乾癬、および良性前立腺増殖(BPH)を含むその他の疾患の治療にも有用となる。
本発明の活性物質の薬理学的特性は、例えば国際特許出願WO 96/33980に開示された1つもしくはそれ以上の検査方法、または当業者の範疇に十分に含まれる均等の検査方法を用いて評価することができる。該特許出願のこのような検査方法を当明細書において参照として援用する。
本発明のさらなる側面により、先に定義したように治療によるヒトまたは動物の処置法における使用のため、本発明の活性物質を提供する。
本発明の活性物質は、そのEGF受容体(erbB1)チロシンキナーゼ阻害活性により生ずると考えられる抗増殖特性、例えば抗癌特性を有することを発見した。したがって本発明の活性物質は、erbB1受容体チロシンキナーゼにより単独でまたは部分的に仲介される疾患または医学的状態の治療に有用であることが期待される、すなわち本発明の活性物質を使用して、このような治療を必要とする定温動物においてerbB1受容体チロシンキナーゼ阻害効果を引き起こすことができる。このように本発明の活性物質は、erbB1受容体チロシンキナーゼの阻害を特徴とする、悪性細胞の増殖を治療する方法を提供する、すなわち本発明の活性物質を使用して、erbB1受容体チロシンキナーゼの阻害により単独でまたは部分的に仲介される抗増殖効果を引き起こすことができる。したがって本発明の活性物質は、抗増殖効果を提供することによる乾癬および/または癌の治療に、特にerbB1受容体チロシンキナーゼ感受性の癌、例えば肺、乳房、前立腺、卵巣、直腸結腸、胃、脳、頭部および頸部、膀胱、膵臓、食道、胃、腎臓、皮膚、婦人科学的部位および甲状腺の癌の治療に有用であることが期待される。
このように本発明のこの側面により当明細書で先に定義したように、定温動物、例えばヒトにおいて抗増殖効果を引き起こすことを利用するため、本発明の活性物質を提供する。
さらに本発明のこの側面により当明細書で先に定義したように、定温動物、例えばヒトにおいて抗増殖効果を引き起こすことを利用するための薬剤の製造において、本発明の活性物質の使用が提供される。
本発明のこの側面のさらなる特徴により、当明細書で先に定義したように定温動物、例えばヒトに本発明の活性物質の有効量を投与することを含む、このような治療を必要とする前記動物において抗増殖効果を引き起こすための方法が提供される。
上述のように、特定の増殖性疾患の治療処置または予防処置に必要な用量のサイズは、治療するホスト、投与経路および治療する疾患の重症度に依存して必然的に変わることになる。好ましくは、例えば体重1kgあたり0.5から15mgの範囲の1日の用量を投与する。より好ましくは、例えば体重1kgあたり1から10mgの範囲の1日の用量を投与する。例えば1から1000mg、好都合には100から750mg、より好都合には200から600mgの範囲、好ましくは約250mgのユニット用量が予想される。
当明細書で先に定義した本発明の活性物質は単剤療法として投与することができる、あるいは本発明の活性物質に加えて、従来の手術および/または放射線療法および/または化学療法を含むことができる。このような化学療法として、抗癌剤の以下の分類の1つまたはそれ以上を含むことができる:−
(i)浸潤抑制剤[例えば金属プロテイナーゼ阻害薬 例えばMMP−2(マトリックス−金属プロテイナーゼ−2)およびMMP−9(マトリックス−金属プロテイナーゼ−9)の阻害薬、例えばマリマスタット、ならびにウロキナーゼプラスミノーゲン活性化物質受容体機能の阻害薬];
(ii)増殖/新生物抑制剤およびそれらの組み合わせ、医学の腫瘍学で使用する場合例えばアルキル化薬(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、およびニトロソウレア);代謝拮抗薬(例えば抗葉酸性薬剤 例えば5−フルオロウラシルおよびテガフルのようなフルオロピリミジン、ラルチトレキセド、メトトレキサート、シトシンアラビノシドおよびヒドロキシウレア、または例えば欧州特許出願第562734号に開示された好ましい代謝拮抗薬の1つ 例えば(2S)−2−{−フルオロ−−[−2,7−ジメチル−4−オキソ−3,4ジヒドロキナゾリン−6−イルメチル)−−(プロプ−2−イニイル)アミノ]ベンズアミド}−4−(テトラゾル−5−イル)酪酸);抗腫瘍性抗生物質(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドクソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシンのようなアントラシクリン剤);抗有糸分裂性薬剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノルビンのようなビンカアルカノイド剤、ならびにタキソールおよびタキソテーレのようなタキソイド剤);ならびにトポイソメラーゼ阻害薬(例えばエトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン剤、アムサクリン、トポテカンおよびカンプトテシン);
(iii)細胞増殖抑制薬、例えば抗エストロゲン剤(例えばタモキシフェン、フルベストラント、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン(iodoxyfene)、アンドロゲン剤(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRH拮抗薬またはLHRH作用薬(例えばゴセレリン、ロイプロレリンおよびブセレリン)、プロゲストゲン剤(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害薬(例えばアナストロゾール、レタゾール(letazole)、ボラゾールおよびエクセメスタン)ならびに5α−リダクターゼ阻害薬、例えばフィナステリド;
(iv)成長因子機能のその他の阻害薬、例えば成長因子の抗体、成長因子受容体の抗体例えばC225、シグナル伝達経路の成分の抗体、例えばerbB2の抗体 例えばトラスツズマブ、チロシンキナーゼ阻害薬およびセリン/スレオニンキナーゼ阻害薬、例えば表皮成長因子ファミリーのその他の阻害薬 例えば−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(OSI−774)および6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033)、例えば血小板誘発性成長因子ファミリーの阻害薬、例えばbcr-abl遺伝子のタンパク質産生物の阻害薬 例えばイマチニブ(STI571)、例えば繊維芽細胞成長因子ファミリーの阻害薬、および例えば肝細胞成長因子ファミリーの阻害薬;
(v)抗血管新生薬 例えば血管上皮成長因子を阻害する物質 例えば国際特許出願WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856、WO 98/13554、WO 00/47212、およびWO 01/32651に開示された化合物、および他のメカニズムにより作用する物質(例えばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能およびアンジオテンシンの阻害薬);
(vi)シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)阻害薬、例えばセレコキシブおよびロフェコキシブ;
(vii)血管損傷に関する薬剤 例えばコンブレタスタチンA4および国際特許出願WO 99/02166、WO 00/40529、WO 00/41669、WO 01/92224、WO 02/04434およびWO 02/08213に開示された化合物;
(viii)アンチセンス療法、例えば上に列記した標的に対して方向付けられたもの、例えばISIS 2503、抗rasアンチセンス;
(ix)以下を含む遺伝子療法のアプローチ、例えば異常型遺伝子 例えば異常型p53または異常型BRCA1もしくはBRCA2に置き換えるアプローチ、GDEPT(遺伝子を方向付ける酵素のプロドラッグ療法)アプローチ 例えばシトシンデミアナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌性ニトロリダクターゼ酵素を使用する方法、および化学療法または放射線療法に対する患者の耐性を高めるアプローチ 例えば多剤耐性遺伝子療法;ならびに
(x)以下を含む免疫療法のアプローチ、例えば患者の腫瘍細胞の免疫原性を高めるための体外および体内のアプローチ、例えばサイトカイン 例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒性白血球−マクロファージのコロニー刺激因子を用いてのトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させるアプローチ、トランスフェクトした免疫細胞 例えばサイトカインをトランスフェクトした樹状細胞を用いるアプローチ、サイトカインをトランスフェクトした腫瘍細胞株を用いるアプローチ、および抗イディオタイプ抗体を用いるアプローチ。
このような併用療法は個々の治療成分を同時に、逐次的に、または別々に投与する方法で達成することができる。このような合剤は、先に述べた投与量の範囲内の本発明の化合物、および認可された投与量の範囲内のその他の医薬的活性物質を使用する。
本発明のこの側面により、先に定義した本発明の活性物質、および先に定義した癌の併用治療のための付加的な抗癌剤を含む医薬品を提供する。
式Iの化合物の以下の特定の結晶形を製造する方法、すなわち:−
(i)3型ZD1839DMSO溶媒和物の製造;
(ii)2型ZD1839MeOH溶媒和物の製造;
(iii)1型ZD1839多形の製造;および
(iv)5型ZD1839三水和物の製造
のための方法をここに開示する。
実質的に3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の、好ましくはあらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形を実質的に含まない、式Iの化合物の結晶形を製造する方法を発見した。このような方法は本発明のさらなる側面を提供する、そして例えば以下のステップ:−
(a)ジメチルスルホキシド中、またはジメチルスルホキシドおよび補助溶媒を含む混合溶媒中の化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの混合液を、溶解が起こるまで加熱;
(b)溶媒系の温度を下げて核生成を誘導;
(c)核生成が開始した温度以下の温度に混合液を維持;および
(d)そうして沈殿した結晶固体の単離
を含む。
混合液は例えば加熱して、溶解が起こるまで還流することができる。あるいは混合液を、例えば溶媒の還流温度未満の温度に加熱することもできるが、ただし多かれ少なかれすべての固体物質の溶解が起こるものとする。温めた混合液を濾過することにより、少量の溶けていない物質を除去することができることは、理解されるだろう。
適切な混合溶媒としてジメチルスルホキシドおよび1つまたはそれ以上の補助溶媒、例えば極性プロトン性溶媒 例えばエタノールおよびイソプロパノール、ならびに/または非プロトン性溶媒 例えばテトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチルおよびジメチルホルムアミドを含む。例えば適切な溶媒はジメチルスルホキシドである。さらに適切な溶媒はジメチルスルホキシドおよび酢酸エチルの混合液であるが、この場合酢酸エチル 対 ジメチルスルホキシドの容積比は、50:1から0.05:1の範囲、好都合には20:1から0.5:1の範囲、例えば酢酸エチル1部およびジメチルスルホキシド1部、酢酸エチル6部およびジメチルスルホキシド1部、または酢酸エチル13部およびジメチルスルホキシド1部とする。
ジメチルスルホキシド、またはジメチルスルホキシドを1成分として含む混合溶媒中の、化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの溶液を、熱源から外して周囲温度まで冷却させることができる、またはさらに、例えば約0℃まで氷水浴中で冷却させることができる。あるいはこの溶液をコントロールされた速度で約0℃まで冷却させることができる。適切な冷却速度は、例えば1時間当たり約10℃である。
核生成は自然発生的にまたは1つまたはそれ以上の種結晶を加えることにより起こすことができる。
時々、多少の1型ZD1839多形が、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの溶液から結晶化することがあるが、このような物質は混合溶媒中のDMSOの存在下で、3型ZD1839DMSO溶媒和物に転換することが認められた。前記転換の速度は温度依存性であり、周囲温度で転換が認められたが、より高い温度、例えば約30から50℃の範囲、好都合には約40℃ではより速い転換が認められた。しかし約50℃以上の温度では3型ZD1839DMSO溶媒和物が1型ZD1839多形に戻る変換をすることが認められた。したがって実質的に3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形を製造するための上述の方法の改良バージョンにおいては、一度混合液を核生成が開始した温度以下の温度に維持した後、混合液を約30から50℃の範囲の温度に、好都合には約40℃に、例えば約1時間の間再加熱するステップを加えて、次に混合液の温度を約0℃まで下げて結晶化を完了させた。
結晶固体はあらゆる従来の方法、例えば濾過または遠心分離により単離することができる。
上述の方法はルーチーンの技術および知識を用いて変更できることは、当業者に理解されるだろう。例えば実質的に3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形を得る場合、処理する化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの量、DMSO溶媒の容量、あらゆる補助溶媒の性質および容量、混合溶媒を使用する場合にはその溶媒成分比率、および溶解相および冷却相の温度のいずれをも変更することができる。
当明細書で述べた方法手順のいずれかの間に、1つまたはそれ以上の種結晶を加えることにより核生成を誘導する場合、約1から500mgの範囲の重さの種結晶の量を用いることができることもまた理解されるだろう。好ましくは約1から100mgの範囲の重さの種結晶の量を用いることができる。
加えて3型ZD1839DMSO溶媒和物は、式Iの化合物、特に1型ZD1839多形に容易に変換することができる。全体として、DMSO溶媒和物の製造、その精製および1型ZD1839多形への変換のステップを含むことは、そうして得られる1型ZD1839多形の収量および純度の点から見て有益である。実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物を製造するためのこのような方法は、本発明のさらなる側面を提供し、そして例えば以下のステップ:−
(a)実質的にジメチルスルホキシドを除去するため、3型ZD1839DMSO溶媒和物を溶媒または混合溶媒で洗浄;および
(b)そうして生成された1型ZD1839多形の単離
を含む。
適切な溶媒として、例えば極性プロトン性溶媒 例えばエタノールもしくはイソプロパノール、または非プロトン性溶媒 例えばテトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチルもしくは−ジメチルホルムアミドを含む。このような溶媒の混合液もまた使用することができる。酢酸エチルはこの洗浄方法のための好ましい溶媒である。好都合な方法として、洗浄溶媒は例えば約30℃から50℃の温度に温めることができる。
“洗浄”ステップが適切な時間を必要とすることは理解されるはずである。例えば3型ZD1839DMSO溶媒和物をフィルター装置の上に保持し、洗浄溶媒をあまりにも早くその固体を通過させると、1型ZD1839多形への変換は不完全になる。固体および洗浄溶媒間の適切な接触時間は、約5分から1時間またはそれ以上の範囲である。より好都合には、接触時間は約30分から約2時間の範囲、例えば約1時間である。好都合な方法として、固体および洗浄溶媒のスラリーを調製する。好都合な方法として、スラリーを撹拌して洗浄液および固体の結晶間の接触を改善する。上述のように好都合な方法として洗浄溶媒を温めることができる。洗浄ステップの間、3型ZD1839DMSO溶媒和物が少しずつ洗浄溶媒に溶解し、その溶液から1型ZD1839多形の結晶がそうして形成される。しかし、1型ZD1839多形の結晶化が始まる前に、3型ZD1839DMSO溶媒和物のすべてが必ずしも溶液になっていなくてもよい。このように当明細書で述べた洗浄ステップは、3型ZD1839DMSO溶媒和物の少しずつの溶解および形の変換に関する。
結晶固体は従来のあらゆる方法で、例えば濾過または遠心分離により単離することができる。
好都合なことに、洗浄ステップから得られる実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物は、再結晶によりさらに精製することができる。例えば洗浄した固体を当明細書で先に定義した適切な溶媒中で溶解が起こるまで温め、溶液の温度を下げて自然発生的に、または1つもしくはそれ以上の種結晶を加えることにより核生成を誘導し、溶液の温度を核生成が開始した温度以下に維持し、そうして沈殿した結晶固体を単離することができる。
実質的に2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態の、好ましくはあらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形を実質的に含まない、式Iの化合物の結晶形を製造する方法もまた発見した。このような方法は本発明のさらなる側面を提供し、そして例えば以下のステップ:−
(a)メタノール中、またはメタノールおよび補助溶媒を含む混合溶媒中の化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの混合液を溶解が起こるまで加熱;
(b)溶媒系の温度を下げて核生成を誘導;
(c)核生成が開始した温度以下の温度に混合液を維持;および
(d)そうして沈殿した結晶固体の単離
を含む。
混合液は、例えば加熱して溶解が起こるまで還流することができる。次にこの混合液を
熱源から外して周囲温度まで冷却させることができる、またはさらに、例えば約0℃まで氷水浴中で冷却させることができる。あるいはこの溶液をコントロールされた速度で約0℃まで冷却させることができる。適切な冷却速度は、例えば1時間当たり約10℃である。
核生成は自然発生的に、または1つもしくはそれ以上の種結晶を加えることにより起こすことができることは理解されるだろう。
適切な混合溶媒として、メタノールおよび1つまたはそれ以上の補助溶媒、例えば弱い極性の溶媒、例えば芳香族炭水化物 例えばトルエン、ハロゲノ−(1−6C)アルカン 例えば1,2−ジクロロエタン、および脂肪族のジ−(1−6C)アルキルエーテルまたは(4−7C)環式エーテル 例えばテトラヒドロフラン、その他の極性プロトン性溶媒 例えばエタノールおよびイソプロパノール、極性非プロトン性溶媒 例えば脂肪族エステル 例えば酢酸エチル、脂肪族(3−6C)ケトン 例えばアセトン、および脂肪族アミド 例えば−ジメチルホルムアミドを含む。例えば適切な溶媒はメタノールである。さらに適切な溶媒はメタノール、およびトルエンおよび酢酸エチルから選択される補助溶媒の混合液であるが、この場合例えば補助溶媒 対 メタノールの容積比は、50:1から0.05:1の範囲、好都合には20:1から0.5:1の範囲とする。
メタノール、またはメタノールを1成分として含む混合溶媒中の、化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの溶液を熱源から外して、3型ZD1839DMSO溶媒和物の製造について上述したように冷却させることができる。
結晶固体はあらゆる従来の方法、例えば濾過または遠心分離により単離することができる。
上述の方法はルーチーンの技術および知識を用いて変更できることは、当業者に理解されるだろう。例えば、実質的に2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形を得る場合、処理する化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの量、メタノール溶媒の容量、あらゆる補助溶媒の性質および容量、混合溶媒を使用する場合にはその溶媒成分比率、および溶解相および冷却相の温度のいずれをも変更することができる。
加えて2型ZD1839MeOH溶媒和物は、式Iの化合物、特に1型ZD1839多形に変換することができる。1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物を製造するためのこのような方法は、本発明のさらなる側面を提供し、そして例えば以下のステップ:−
(a)実質的にメタノールを除去するため、2型ZD1839MeOH溶媒和物を溶媒または混合溶媒で洗浄;および
(b)そうして生成された1型ZD1839多形の単離
を含む。
適切な溶媒として、例えば極性プロトン性溶媒 例えばエタノールもしくはイソプロパノール、または非プロトン性溶媒 例えばテトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチルもしくはジメチルホルムアミドを含む。このような溶媒の混合液もまた使用することができる。酢酸エチルはこの洗浄方法のための好ましい溶媒である。好都合な方法として、洗浄溶媒は例えば約30℃から50℃の温度に温めることができる。
当明細書で述べた洗浄ステップは、2型ZD1839MeOH溶媒和物の少しずつの溶解および形態の変換に関することは理解されるだろう。
結晶固体はあらゆる従来の方法で、例えば濾過または遠心分離により単離することができる。
好都合なことに、洗浄ステップから得られる実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物を、再結晶によりさらに精製することができる。例えば洗浄した固体を当明細書で先に定義した適切な溶媒中で溶解が起こるまで温め、溶液の温度を下げて自然発生的にまたは1つもしくはそれ以上の種結晶を加えることにより核生成を誘導し、溶液の温度を核生成が開始した温度以下に維持し、そうして沈殿した結晶固体を単離することができる。
加えて2型ZD1839MeOH溶媒和物は、同化合物を温めることにより、例えば約125℃から150℃の温度に、より特には約135℃以上の温度に同化合物を加熱することにより、1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物に変換させることができる。
実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物の結晶形を製造する方法もまた得た。好ましくは、実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物の結晶形は、ZD1839のあらゆる他の多形相またはあらゆるZD1839溶媒和物を実質的に含まずに得る。このような方法は、例えば以下のステップ:−
(a)溶媒和物の生成を抑制する溶媒系に、化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンを溶解;
(b)溶媒系の温度を下げて核生成を誘導;
(c)核生成が開始した温度以下の温度に混合液を維持;および
(d)そうして沈殿した結晶固体の単離
を含む。
溶媒和物の生成を抑制する適切な溶媒系として、弱い極性の溶媒、例えば芳香族炭水化物 例えばトルエン、ハロゲノ−(1−6C)アルカン 例えば1,2−ジクロロエタン、および脂肪族のジ−(1−6C)アルキルエーテルまたは(4−7C)環式エーテル 例えばテトラヒドロフラン、より極性のあるプロトン性溶媒、例えば(2−6C)アルコール 例えばエタノールおよびイソプロパノール、ならびに極性非プロトン性溶媒 例えば脂肪族エステル 例えば酢酸エチル、脂肪族(3−6C)ケトン 例えばアセトン、および脂肪族アミド 例えば−ジメチルホルムアミドを含む。このような溶媒の混合液はまた、例えばトルエンおよびイソプロパノールの混合液も使用することができ、この場合例えばトルエン 対 イソプロパノールの容積比は、好都合には5:1から0.2:1の範囲、より好都合には2:1から0.5:1の範囲とする。
化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの溶液を熱源から外して周囲温度まで冷却させる、またはさらに、例えば約0℃まで氷水浴中で冷却させることができる。あるいはこの溶液をコントロールされた速度で約0℃まで冷却させることができる。適切な冷却速度は、例えば1時間当たり約10℃である。核生成は自然発生的にまたは種結晶を加えるかのいずれかにより起こすことができることは理解されるだろう。そうして得られた結晶固体はあらゆる従来の方法、例えば濾過または遠心分離により単離することができる。
好都合な方法として化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの溶液を、熱源から外し、約30℃に冷却させることができる。この混合液を約50℃に再度加熱することができる。この混合液を次に周囲温度まで冷却させる、またはさらに、例えば約0℃まで氷水浴中で冷却させることができる。あるいはこの溶液を約50℃からコントロールされた速度で約0℃まで冷却させることができる。適切な冷却速度は、例えば1時間当たり約10℃である。そうして得られた結晶固体はあらゆる従来の方法、例えば濾過または遠心分離により単離することができる。
上述の方法をルーチーンの技術および知識を用いて変更できることは、当業者に理解されるだろう。例えば1型ZD1839多形を、あらゆる他のZD1839の多形またはあらゆるZD1839溶媒物を実質的に含まずに得る場合、処理する化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの量、溶媒およびあらゆる補助溶媒の性質および容量、混合溶媒を使用する場合にはその溶媒成分比率、および溶解相および冷却相の温度のいずれをも変更することができる。例えば適切な溶媒、例えば(2−6C)アルコール 例えばエタノール中の式Iの化合物の溶液は、溶媒の一部を蒸発させることにより濃縮することができる。それにより1型ZD1839多形を結晶化させる過飽和溶液が得られる。
本発明のさらなる側面において、実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物(好ましくはあらゆる他のZD1839溶媒和物またはZD1839のあらゆる他の形を実質的に含まない)を製造する方法を提供する、この方法は:−
(a)4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンが5型水和物に変換するための十分な時間、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンを水と接触させる;および
(b)5型ZD1839三水和物の単離
を含む。
同方法のステップ(a)の出発物質として使用する4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンは、例えば先行技術の記載のように製造された、または当明細書に述べた形の一つとして製造された、式Iの化合物のいかなる形でもよい。
好都合なことに5型ZD1839三水和物への変換は、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン出発物質のスラリーを水中で、所望により1つまたはそれ以上の適切な有機溶媒の存在下で製造することにより達成することができる。一般に過剰のモルの水を使用して、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン出発物質の5型ZD1839三水和物への変換を実質的に確実に完了させる(すなわち水:4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンのモル比は、少なくとも3:1である)。水の濃度の上限は厳密ではないが、一般にかなり過剰なモルの水を使用する。例えば水 対 4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンのモル比は、適切には約3:1から1000:1またはそれ以上、特に約3:1から約400:1である。
特定の態様において、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン出発物質(例えば1型ZD1839多形)のスラリーは、水および1種類の有機溶媒、および所望により1つまたはそれ以上の補助溶媒の混合液中で作製する。有機溶媒を使用することで、出発物質の5型ZD1839三水和物への変換に必要な時間を顕著に短縮することを発見した。適切な有機溶媒は、水との混和性のある極性有機溶媒、例えば極性プロトン性溶媒 例えば(1−4C)アルコール、特にエタノールおよびイソプロパノール、極性非プロトン性溶媒 例えば脂肪族エステル、例えば(1−4C)アルキル(2−3C)アルカン酸エステル、特に酢酸エチル、脂肪族(3−6C)ケトン 例えばアセトン、または脂肪族アミド 例えばN,N−ジメチルホルムアミドである。特定の溶媒として、例えばイソプロパノールもしくは酢酸エチル、またはそれらの混合液を含む。
使用する有機溶媒の量は、その方法を通してスラリーが保持されるような、一般に4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン出発物質が完全に溶解するには不十分な量とする。式Iの化合物を同方法の間スラリーの状態で保持することにより、例えば混合液の冷却または溶媒の蒸発による結晶化を誘導する必要なく、ZD1839三水和物を生成させることができることを発見した。したがってスラリーの方法は、実質的に一定の温度で操作することができる。
理論に拘束されることを求めるわけではないが、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン出発物質の局所的な溶解、およびその後の5型ZD1839三水和物への再結晶化のメカニズムを経て、この変換方法が進行すると考えられる。このように当明細書で述べたスラリーの変換方法は、出発物質の少しずつの溶解、および5型ZD1839三水和物への変換であると考えられる。
使用する有機溶媒の限定的な量は、選択する有機溶媒、およびスラリーを水と接触させる条件に依存することになる。溶媒、例えばイソプロパノールまたは酢酸エチルの場合、0.1から20ml/g、例えば2から10ml/gの範囲、そして特に約5ml/gが適当である、ここで“ml/g”は、1gの4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン当たりの有機溶媒の容積をいう。
有機溶媒が、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンがそれにより溶媒和物を生成することのできるもの、例えばメタノールまたはイソプロパノールである場合、上述のスラリーの方法は、有機溶媒による溶媒和物の生成を抑制する条件下で操作しなければならない。イソプロパノールの場合、かなり過剰なイソプロパノールが準安定なイソプロパノール溶媒和二水和物の生成に至る可能性があることを発見した。このような望ましくない溶媒和物の生成は、上述のスラリーの方法において、イソプロパノール 対 水の容積比を10:1未満、特に8:1未満、特別には5:1未満を選択することにより、実質的に抑制される。特にイソプロパノール 対 水の容積比を約1:5から5:1、特に1:5から2:1、そしてより特には約1:1から1:2にすることで、準安定なイソプロパノール溶媒和物を上回って、5型ZD1839三水和物の生成が促進されることを発見した。
水と共に1種類の有機溶媒を使用することができる、または2つもしくはそれ以上の有機溶媒、例えば酢酸エチルとイソプロパノールの混合液(適切には約1:1の容積比)を使用することができる。
所望により補助溶媒を使用することができる。適切な補助溶媒は、例えば弱い極性の有機溶媒 例えば芳香族炭水化物(例えばトルエン)、ハロゲノ−(1−6C)アルカン(例えば1,2−ジクロロメタン)および脂肪族のジ−(1−6C)アルキルエーテルまたは(4−7C)環式エーテル(例えばテトラヒドロフラン)を含む。特定の補助溶媒はトルエンである。補助溶媒(例えばトルエン) 対 有機溶媒(例えばイソプロパノール)の適切な容積比は、50:1から0.05:1の範囲、好都合には10:1から0.5:1の範囲、そして特に約3:1から1:1である。
承知のように、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン、水、および所望による有機溶媒および補助溶媒のスラリーは、いかなる順序で調製することもできる。例えば出発物質を有機溶媒(および所望による補助溶媒)中のスラリーとして調製した後、水を加えることができる。あるいは出発物質を、水中のスラリーとして調製した後、溶媒(および加える場合には補助溶媒)を加える、または出発物質を直接水および有機溶媒中でスラリーとして調製することもできる。
所望により、5型ZD1839三水和物の1つまたはそれ以上の種結晶をスラリーに加え、5型ZD1839三水和物への変換速度、および/または5型ZD1839三水和物の収量をさらに高めることができる。種結晶は、1型ZD1839多形を水と接触させた後で、好ましくはその前に加えることができる。適切にはスラリーは該方法の間、例えば撹拌することによりかき混ぜる。
該方法は適切にはほぼ周囲温度で、例えば約15から30℃で、特に約20から25℃で行う。
5型ZD1839三水和物への変換に必要な時間は、使用する特定の反応条件、例えば温度、有機溶媒の存在、および種結晶を使用するかどうかに依存する。一般に例えば5分から48時間の反応時間が適切である。
結晶固体5型ZD1839三水和物は、あらゆる従来の方法、例えば濾過および遠心分離により単離することができる。
上述の方法をルーチーンの技術および知識を用いて変更できることは、当業者に理解されるだろう。例えば実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物の結晶形を得る場合、処理する化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの量、水の容量、あらゆる溶媒または補助溶媒の性質および容量、混合溶媒を使用する場合にはその溶媒成分比率、および該方法の温度のいずれをも変更することができる。
本発明のさらなる側面において、実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物(好ましくはあらゆる他のZD1839溶媒和物またはZD1839のあらゆる他の形を実質的に含まない)の結晶化(または再結晶化)の方法を提供する、この方法は以下のステップ:−
(a)水および有機溶媒を含む溶媒系に、化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの混合液を溶解;
(b)溶媒系の温度を下げて核生成を誘導;
(c)核生成が開始した温度以下の温度に混合液を維持;および
(d)結晶の5型ZD1839三水和物の単離
を含むものとする。
この溶媒系における適切な有機溶媒は、以下の条件:すなわち(i)該方法のステップ(a)出発物質の溶解する温度で水溶性である;および(ii)溶媒系で使用する場合、三水和物以外の溶媒和物の生成を抑制する有機溶媒である、ことを満たす有機溶媒を含む。適切な有機溶媒として、例えば弱い極性の溶媒 例えば脂肪族のジ−(1−6C)アルキルエーテルまたは(4−7C)環式エーテル 例えばテトラヒドロフラン、より極性のあるプロトン性溶媒、例えば(2−6C)アルコール 例えばエタノールおよびイソプロパノール、極性非プロトン性溶媒 例えば(1−4C)アルキル(2−3C)アルカン酸エステル 例えば酢酸エチル、脂肪族(3−6C)ケトン 例えばアセトン、脂肪族アミド 例えば−ジメチルホルムアミドまたは−メチルピロリジン−2−オン、およびニトリル 例えばアセトニトリルを含む。特定の有機溶媒は例えばイソプロパノールである。1種類の有機溶媒または上記溶媒の1つまたはそれ以上を含む混合液を使用することができる。
一般に過剰なモルの水を溶媒系に使用する(すなわち水:4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンのモル比は、少なくとも3:1である)。水の濃度の上限は厳密ではないが、一般にかなり過剰なモルの水を使用する。例えば水 対 4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンのモル比は、適切には約3:1から1000:1またはそれ以上、特に約3:1から約400:1である。
所望により補助溶媒を同溶媒系に使用することができる。適切な補助溶媒は、例えば芳香族炭水化物 例えばトルエン、脂肪族ハロゲン化炭水化物 例えばハロゲノ−(1−6C)アルカン、例えば1,2−ジクロロエタンを含む。同溶媒系で使用できる特定の有機溶媒/補助溶媒は、例えばトルエンおよびイソプロパノールの混合液であるが、この場合トルエン 対 イソプロパノールの容積比は、好都合には5:1から0.2:1の範囲、より好都合には2:1から0.5:1の範囲とする。
化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンは、該方法のステップ(a)において実質的にすべての化合物が溶解するまで、溶媒系中の化合物を加熱することにより溶解させることができる。好都合な方法として、該方法のステップ(a)における溶媒系の化合物は、化合物が完全に溶解するのに十分な時間、溶媒系の還流温度で加熱することができる。その後化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの溶液を次に熱源から外して周囲温度まで冷却させることができる、またはさらに、例えば約0℃まで氷水浴中で冷却させることができる。あるいはこの溶液をコントロールされた速度で約0℃まで冷却させることができる。適切な冷却速度は、例えば1時間当たり約10℃である。核生成は自然発生的に、または1つまたはそれ以上の種結晶を加えるかのいずれかにより起こすことができることは、理解されるだろう。そうして得られた結晶の5型ZD1839三水和物は、あらゆる従来の方法、例えば濾過または遠心分離により単離することができる。
上述のように一定の条件下では、式Iの化合物の準安定なイソプロパノール溶媒和二水和物の形を生成する可能性がある。イソプロパノールを含む溶媒系から式Iの化合物を結晶化または再結晶化させる場合、水 対 イソプロパノールの適切な容積比、および/または適切な補助溶媒、および/または適切な冷却速度、および/または核生成および結晶化を誘導するための適当な種の添加を選択することにより、5型ZD1839三水和物として実質的に高純度に、イソプロパノール溶媒和物を実質的に含まずに式Iの化合物を製造できることを発見した。
本方法の1つの態様において、溶媒系が水およびイソプロパノールおよび所望によりトルエンの補助溶媒を含む場合、水 対 イソプロパノールの容積比を約1.5:1から1:12(特に約1.3:1から1:10、より特に約1.2:1から1:2、そしてさらにより特に約1:1)として、5型ZD1839三水和物の核生成を誘導するための緩やかな冷却と組み合わせることにより、実質的に式Iの化合物の他の形を含まない、特にイソプロパノール溶媒和物を含まない、5型ZD1839三水和物を得ることができる。本態様における適切な緩やかな冷却速度は、例えば溶媒系の還流温度からほぼ周囲温度への冷却を、1時間当たり約10℃の冷却速度とする。あるいは本態様において、化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの溶液を熱源から外して約30℃まで冷却させ、5型ZD1839三水和物の核生成を助けることができる。混合液は約50℃に再度加熱した後、周囲温度まで冷却させる、またはさらに例えば0℃まで氷水浴中で冷却させることができる。あるいはこの溶液を約50℃からコントロールされた速度で約0℃まで冷却させることができる。適切な冷却速度は、例えば1時間当たり約10℃である。5型ZD1839三水和物の核生成はまた、1つまたはそれ以上の種結晶を加えることにより誘導することもできる。
そうして得られた結晶5型ZD1839三水和物はあらゆる従来の方法、例えば濾過または遠心分離により単離することができる。
上述の結晶化/再結晶化の方法において、1つまたはそれ以上の種結晶を核生成を開始させるために使用する場合、この種結晶は好ましくは5型ZD1839三水和物の結晶とする。種結晶は、5型ZD1839三水和物の製造に関する適切な方法を用いて、例えば先に述べたように1型ZD1839多形のサンプルを水中でスラリーとすることにより、製造することができる。
上述の方法はルーチーンの技術および知識を用いて変更できることは、当業者に理解されるだろう。例えば5型ZD1839三水和物を、あらゆる他のZD1839多形またはあらゆるZD1839溶媒物を実質的に含まずに得る場合、処理する化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの量、溶媒およびあらゆる補助溶媒の性質および容量、混合溶媒を使用する場合にはその溶媒成分比率、使用する水の容量、および溶媒に対する水の比率、および溶解相および冷却相の温度のいずれをも変更することができる。例えば該方法のステップ(b)において、適切な溶媒、例えば(2−6C)アルコール 例えばエタノール中の式Iの化合物の溶液の核生成は、例えばエタノール溶媒の一部を蒸発させることにより誘導することができる。あるいは核生成は、式Iの化合物の適切な抗溶媒を添加し、それにより5型ZD1839三水和物を結晶化させる溶液を過飽和として核生成を起こさせることにより誘導することができる。
5型ZD1839三水和物を製造するための結晶化の方法は、三水和物を高純度で製造することを可能とし、さらにそうして得られた5型ZD1839三水和物の再結晶化を上述の方法を用いて行うことができる。再結晶化は物質のさらなる精製の可能性を提供する。
5型ZD1839三水和物を容易に1型ZD1839多形に変換できることもまた発見した。したがって5型ZD1839三水和物の結晶化、およびその後の1型ZD1839多形への変換は、1型ZD1839多形を高純度で製造する手段を提供する。実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物(好ましくはあらゆる他のZD1839溶媒和物またはZD1839のあらゆる他の形を実質的に含まない)の製造のためのこのような方法は、本発明のさらなる側面を提供する、例えば以下の:−
(変換方法1)
(a)実質的に水を除去するため、実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物を、溶媒または混合溶媒で洗浄;および
(b)そうして生成された1型ZD1839多形の単離;または
(変換方法2)
実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物を十分な時間および十分な温度で加熱することにより、水を取り去り、1型ZD1839多形への転換を達成すること、
の方法を含む。
変換方法1において適切な溶媒は、例えば式Iの化合物が洗浄温度ではほとんど溶けない、水との混和性のある有機溶媒を含む。適切な溶媒の例として、わずかに極性のある有機溶媒 例えば脂肪族のジ−(1−6C)アルキルエーテルまたは(4−7C)環式エーテル 例えばテトラヒドロフラン、より極性のあるプロトン性溶媒、例えば(2−6C)アルコール 例えばエタノールおよびイソプロパノール、極性非プロトン性溶媒 例えば(1−4C)アルキル(2−3C)アルカン酸エステル 例えば酢酸エチル、およびニトリル 例えばアセトニトリルを含む。このような溶媒の混合液もまた使用することができる。特定の溶媒はイソプロパノールおよび/または酢酸エチルである。
3型ZD1839DMSO溶媒和物の変換に関して上述したように、‘洗浄’ステップは、1型ZD1839多形への変換を達成するための適切な時間を必要とすることは理解されるはずである。固体および洗浄溶媒間の適切な接触時間は、約5分から1時間またはそれ以上の範囲である。より好都合には、接触時間は約30分から約2時間の範囲、例えば約1時間である。好都合な方法として、固体および洗浄溶媒のスラリーを調製する。好都合な方法として、スラリーを撹拌して洗浄液および固体の結晶間の接触を改善する。洗浄溶媒は、例えば約30から50℃に温めることができるが、一般にほぼ周囲温度での洗浄で、1型ZD1839多形への変換を達成するには十分である。
変換方法(a)の特定の態様において、5型ZD1839三水和物はイソプロパノールで洗浄する、適切にはイソプロパノール中の5型ZD1839三水和物のスラリーを約5分から1時間またはそれ以上、特に約30分間撹拌することにより洗浄する。好都合にはイソプロパノールの洗浄はほぼ周囲温度で行う。次に得られる固体を、例えば先に述べたように(例えば濾過により)単離し、単離した固体を付加的な有機溶媒で二度目の洗浄をする。適切には付加的な有機溶媒は、イソプロパノールより揮発性のもの、例えば酢酸エチルとする。二度目の洗浄は、例えば付加的な有機溶媒中のスラリーとして固体を撹拌することにより行う。適切には二度目の洗浄はほぼ周囲温度で、固体物質からすべての残存する水を実質的に除去するための十分な時間、例えば5分から1時間またはそれ以上、特に約30分間行う。次に得られる1型ZD1839多形を、当明細書にて先に述べたような従来技術を用いて単離することができる。
所望により、変換方法1の溶媒洗浄ステップ(複数回)後に単離された物質を乾燥して、水の完全な除去および所望の1型ZD1839多形への変換を確実にする。適切な乾燥温度は、例えば45から150℃、特に60から80℃である。承知のように乾燥時間は、特に乾燥する物質の量、および使用する特定の乾燥法に依存することになる。一般に30分から100時間、例えば1から30時間の乾燥時間で十分である。好都合な方法として、不活性の雰囲気下、例えば温めた不活性ガス 例えば窒素の流れを物質上層または物質を通して通過させることにより、または真空下で乾燥させることにより行う。
変換方法2は、適切には5型ZD1839三水和物を50から150℃、特に80から140℃、より特に120から130℃の温度に加熱することにより行う。必要な加熱時間は、特にサンプルのサイズおよび使用する加熱方法に依存する。一般に5分から100時間、適切には1から30時間の加熱時間で、5型ZD1839三水和物から1型ZD1839多形への変換には十分である。5型ZD1839三水和物は従来技術を用いて、例えば適切なオーブンまたは真空オーブン中で、または従来の乾燥システム 例えば流動層乾燥機中で加熱することができる。
5型ZD1839三水和物を加熱することが、準安定の水和していないZD1839多形を含む、式Iの化合物の1つまたはそれ以上の準安定の形態の一過性の生成をもたらす可能性があると考えられる。このような準安定な形のいずれもが1型ZD1839多形より安定性で劣り、継続的な加熱で一過性の準安定の形からより安定な1型ZD1839多形への転換に至る。したがって変換方法2の加熱ステップは、所望の1型ZD1839多形への実質的に完全な変換を確実にするため、十分な時間および十分な温度で継続しなければならない。実質的に完全な変換により、式Iの化合物の少なくとも80%が1型ZD1839多形の形態であり、式Iの化合物の20%未満が、あらゆる他のZD1839溶媒和物またはあらゆる他のZD1839多形の形態であることを意味する。特に式Iの化合物の少なくとも90%、そして特に少なくとも95%が1型ZD1839多形の形態である。必要とする1型ZD1839多形への変換の程度は、ルーチーンの技術、例えば当明細書で述べたようなXRPDを用いて評価し、加熱温度および/または加熱時間をそれにより調整することができる。
本発明を以下の実施例、データおよび図により以下に説明する:−すなわち
(i)X線回折パターンは、Siemens D 5000 を用いて、0.02°2θの増加当たり4秒間暴露にて2°2θから40°2θまでのスキャン範囲にわたるθ−θ立体配置において得た。X線は銅のロング−ファインフォーカス管を40kVおよび40mAで作動させることにより発生させた。X線の波長は1.5406Åであった。実験はBragg-Brentano の立体配置で行い、X線ビームをV20でAutomatic Variable Divergence Slit (自動可変式発散スリット)を通して通過させた。サンプルはメノウ乳棒および乳鉢を用いて結晶の凝集を緩やかに砕くことにより調製した。サンプルを標準的なホルダー(フラットな注ぎ口付)に満たし、顕微鏡用のスライドグラスで圧縮してすりきり、過剰分を注ぎ口から除いた。サンプルはカウント量を改善するため、1分間当たり30回転(rpm)でスパンした。反射は重心の値(centroid values)として引用した(コンピューターパッケージ、例えばDIFFRAC/ATにより算出した)。約30ミクロン以上のサイズの粒状の不均一な外観比のサンプルの分析は、ピークの相対的強度に影響する可能性があることは理解されるべきであろう。当業者はまた反射の位置が、回折計にサンプルを設置する厳密な高さおよび回折計のゼロ値の較正により影響を受けることもまた理解するだろう。サンプルの表面の平面もまたわずかに影響し得る。したがって提示された回折パターンデータは絶対的な値とみなすべきではない。
(ii)実施例1から5の融点およびTGAは、Perkin Elmer Pyris 1 DSC/TGA 装置を用いて決定した。パンのタイプは穴のあるふた付のアルミニウム製(50μlサイズ)とした。サンプルの重量は約1から4mgとした。実施例6から8における5型ZD1839三水和物の融点および加熱中の重量喪失は、各々TSO891RO自動システムを装備したMettler DSC820E およびTG851 を用いて、DSCおよびTGAにより決定した。パンのタイプは穴のあるふた付のアルミニウム製(40μlサイズ)とした。この方法は窒素ガスの流れ(100ml/分)の下で行い、調べた温度範囲は、1分当たり10℃の一定の温度増加速度で40から300℃とした。当業者は、融点の正確な値は化合物の純度、サンプルの重量、加熱速度、および粒度により影響を受けることは理解するだろう。したがって、融点の別の実測値が、異なるタイプの装置により、または上述とは異なる条件を用いることにより得られる可能性があることは、理解されるだろう。TGAに関しては、各サンプル(約2mg)はふたのない陶製るつぼ中で、15℃から300℃まで1分当たり10℃の増加比率で加熱した。
(iii)DRIFT分光法は、Nicolet 20SCX 分光光度計で、粉末臭化カリウム中に2%w/wサンプルを分散させたものを用いて、4000から400cm−1の周波数の範囲にわたり測定した。
実施例1 3型ZD1839DMSO溶媒和物
4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの、ジメチルスルホキシドによる一溶媒和物
約75℃に温めることにより、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン(204kg)を、珪藻土濾過助剤(5kg)を含む、酢酸エチル(1021リットル)およびジメチルスルホキシド(181リットル)混合液中に溶解させた。得られた混合液を濾過し、酢酸エチル(78リットル)を用いて濾過助剤の固体を洗浄した。濾過および洗浄を組み合わせて行い、最初に約10℃に冷却した。次に混合液を1時間、40℃に加熱した。温めた混合液を1時間当たり約10℃の比率で0℃まで冷却した。得られた固体を濾過により集めた。このように得られた3型ZD1839DMSO溶媒和物を、XRPDおよびDCS分析により確認された。
出発物質として使用する4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンは国際特許出願WO 96/33980の実施例1および10に開示されている。この物質はまた、当明細書の実施例4に述べるように得ることもできる。
実施例2 2型ZD1839MeOH溶媒和物
4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン ヘミ−メタノール溶媒和物
4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン(25g)およびメタノール(250ml)の混合液を撹拌、加熱して30分間還流し、確実に固体が完全に溶けているようにした。この溶液を1時間当たり約10℃の比率で、還流温度から0℃の温度まで冷却し、その後0℃で1時間保持した。得られた結晶固体を吸引濾過で集め、フィルター上で吸引乾燥した。XRPD分析およびDSC熱量測定曲線およびTGA測定曲線は、そうして得られた2型ZD1839MeOH溶媒和物が、約1当量のメタノールに対して約2当量のZD1839を有すること、すなわちこの物質がほぼヘミ溶媒和物であることを示した。
実施例3 3型ZD1839DMSO溶媒和物の1型ZD1839多形への変換方法
3型ZD1839DMSO溶媒和物(実施例1より)を酢酸エチル(581リットル)で洗浄した。洗浄した固体を酢酸エチル(895リットル)と混合し、得られたスラリーを34℃に約1時間撹拌、加熱した。次に混合液を0℃に冷却し、変換を進行させるためその温度で2時間保持した。生成された固体を濾過で分離し、酢酸エチル(580リットル)で洗浄し、温めた窒素ガス(60℃)を流して乾燥させた。このようにして得られた1型ZD1839多形(161kg)を、XRPDおよびDCS分析により確認した。
実施例4 1型ZD1839多形
4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン
反応混合液を約50℃に維持しながら、7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(国際特許出願WO 01/04102の実施例25;220kg)、トリメチルアミン(105kg)およびトルエン(1790リットル)の撹拌したスラリーに、オキシ塩化リン(365kg)を加えた。得られた混合液を約50℃で5時間撹拌し、4−クロロ−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの生成を完了させた。
得られえた撹拌したスラリーを約0℃に冷却し、反応混合液の温度を0℃と5℃の間に維持しながら、イソプロパノール(527リットル)を加えた。反応混合液を次に約20℃に温め、その温度で約1時間保持した。イソプロパノール(228リットル)中の3−クロロ−4−フルオロアニリン(168kg)溶液を加え、得られた反応混合液を撹拌し約66℃まで温め、その温度で約1時間保持した。混合液を撹拌、約30℃に冷却し、今度はイソプロパノール(662リットル)および水(1486リットル)を加えた。水酸化ナトリウム水溶液(47%w/w、755kg)および水(40リットル)の混合液を、撹拌している反応混合液に少しずつ加えた。得られた混合液を約64℃に温め、2層に液体分離させた。下の水層を捨てた。残った有機溶媒層を1時間あたり約10℃の比率で、初めに約30℃に冷却し、約50℃に温め、最後に約20℃に冷却した。生成された固体を濾過により集めた。そうして得られた固体を約30分間撹拌して、イソプロパノール中の物質のスラリーを調製することにより、イソプロパノールで洗浄した。生成された固体を濾過により単離した。そうして得られた固体を約30分間撹拌して、酢酸エチル中の物質のスラリーを調製することにより、酢酸エチルで洗浄した。生成された固体を濾過により単離した。酢酸エチルの洗浄を繰り返し行った。精製された固体を温めた窒素ガス(60℃)で乾燥させた。このように得られた1型ZD1839多形の形態の4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン(224kg)をXRPDおよびDSC分析により確認した。
実施例5 1型ZD1839多形の単結晶X線データ
無水エタノール中の式Iの化合物の溶液を周囲温度でゆっくり蒸発させることにより、1型ZD1839多形の十分に生成された単結晶を得た。データ集積中の空気の影響を予め排除するため、選択した単結晶を膠 (glue)で保護した。X線回折強度は、κ軸ゴニオメーターおよび画像CCD面積検出器(Nonius BV; Kappa-CCD Server Software, Nonius, Delft, The Netherlands)を搭載したKappa Charged Coupled Device (CCD)単結晶X線回折計において、グラファイトによる単色MoK(α)放射線およびダブルパス法を用いて、200°Kで集積した。回折の生データはDenzo-SMN (Small Molecule Nonius)コンピュータープログラムパッケージを用いて処理し(Z Otwinowski & W Minor, Processing of X-ray Diffraction Data Collected in Oscillation Mode(オシレーションモードで集積したX線回折データの処理), Methods in Enzymology, 1997, 276, 302-326)、デジタル画像のフレームから、h、kおよびl指数、バックグラウンドおよび回折スポットのLpを補正した強度、エラーの見積もりを含むコンピューターファイルに情報を変換した。Ewald 球内の回折スポット(反射)をカバーするため、478の画像のフレームを1°のステップ間隔で35mmの結晶−カメラ距離で記録した。宇宙からの放射線により生じるスペアスポットを消去するため、各フレームは2回照射した。正確な単位胞の大きさを、反射に指数付けを行った実空間ベクトルの検索の結果として得た。最小単位の決定(単位胞の体積)による3本の独立した直線ベクトルを用いて、Denzo-SMN パッケージ中の単位胞のパラメータを定義した。構造は、X線回折データからの結晶構造の自動解析のためのSIR92コンピュータープログラムパッケージを用いて直接的方法により解析し(A Altomare, et al., 1992)、完全マトリックス最小二乗法により精密化した。精密化は、MaXus ソフトウェアパッケージ(S MacKay et al., 1997 the Chemistry Department, Glasgow University, Scotlandより;X線回折データからの結晶構造の解析、精密化および公表のためのコンピュータープログラム; Mac Science Co., Japan and Nonius, The Netherlandsのために開発された)およびPlaton ソフトウェアパッケージ(A Spek et al., 1992,立体化学のデータおよび分子の幾何学的データの作成および分析のために開発されたコンピュータープログラム)中のプログラムを活用して、Fに基づいて行った。精密化の算出の最終ステップで、水素以外のすべての原子を異方性熱変位因子を用いて割り当てた。水素原子の位置は幾何学的に算出し、母原子から0.96Åの相応の位置に固定した。すべての水素原子の等方性変位因子は、0.05Åに固定した。完全マトリックス二乗法において、281の変数を3184の反射に対して精密化した(F >3σF にて)。さらに最終的な信頼度の値は、R=0.0404およびRw=0.0440に収束した。関連する結晶データは、実験の詳細データおよび構造精密化パラメータと合わせて表A:1にまとめ、原子座標は表A:2に提供する。
Figure 2005525354
Figure 2005525354
実施例6 5型ZD1839三水和物:水を含む溶媒系におけるスラリーの方法による製造
4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン(1g;実施例4に述べたように製造した1型ZD1839多形)、イソプロパノール(5ml)、トルエン(10ml)および水(5ml)を混合したものを、スラリーとして室温で18時間撹拌した。生成された結晶固体を吸引濾過により集め、フィルター上で吸引乾燥した。生成物のXRPD、DSC熱量測定曲線およびTGA測定曲線の分析により、生成物が3当量の水に対して1当量のZD1839を含む5型ZD1839三水和物であることが確認された。この三水和物の化学量論は、当明細書で述べたように単結晶の研究およびKarl Fischerの水の分析により確認された。
上述と類似の方法により、表2に示した有機溶媒/補助溶媒系を用いて5型ZD1839三水和物を製造した:
Figure 2005525354
実施例6に使用した4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン出発物質もまた、国際特許出願WO 96/33980の実施例1および10に記載の方法を用いて製造した。
実施例7 5型ZD1839三水和物:水を含む溶媒系からの結晶化による製造
水(900ml)およびイソプロパノール(720ml)を4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン(60g)に加えた。混合液を撹拌して、還流まで(約82℃)加熱した。さらにイソプロパノール(90ml)を加え、固体の完全な溶解を達成した。この溶液をさらに2時間還流して維持し、約6時間かけて周囲温度まで冷却した。得られた5型ZD1839三水和物は針状結晶を生成しており、これを濾過により単離した。
XRPDにより確認した、三水和物として集めた固体、65.2g、97%の水の含有量は、Karl Fischer滴定により10.98%であると測定された(三水和物の理論値 10.78%)。TGAによる重量の喪失は、25および105℃の間に10.67%生じた。
実施例8 5型ZD1839三水和物:ラージスケールの合成
実施例4の方法の、1時間当たり約10℃の比率での、有機溶媒相の約30℃への冷却、約50℃への加熱、および約20℃への冷却の部分を除いて繰り返し、得られた固体を濾過により集めた。フィルターに集めた物質のXRPD分析は、それが5型ZD1839三水和物であることを示した。得られた物質が三水和物であることのさらなる確認は、DSC,TGAおよびKarl Fischer滴定により提供された。
フィルター上で単離された5型ZD1839三水和物は、結晶化している水と置き換わることのない適切な溶媒、たとえば冷却トルエン(適切には0から15℃の温度で)で洗浄することができる。次に洗浄した5型ZD1839三水和物を、結晶化している水を脱水することのない条件下で、例えば低温、例えば周囲温度での乾燥により、乾燥することができる。
実施例9 5型ZD1839三水和物:単結晶の分析
5型ZD1839三水和物の十分に生成された単結晶は、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンのエタノールおよび水の溶液から、室温でゆっくり蒸発させることにより得た。データ集積の間の空気の影響を予め排除するため、選択した単結晶を膠で保護した。X線回折の強度は、グラファイトによる単色MoK(α)放射線を設置したKappa Charged Coupled Device (CCD)単結晶X線回折計(Nonius BV; Kappa-CCD Server Software, Nonius, Delft, The Netherlands)にて、298°Kで集積した。単結晶のデータは、回折データの集積中Ewald 球内の回折スポット(反射)をカバーするため、251の画像のフレームを1°のステップ間隔で40mmの結晶−カメラ距離で記録したことを除いて、実施例5で述べた方法と類似の方法で作成、分析した。宇宙からの放射線により生じるスペアスポットを消去するため、各フレームは2回、20秒/フレームで照射した。
加えて完全マトリックス最小二乗法において、精密化の変数を反射1504に対して精密化した(F >3σF にて)。さらに最終的な信頼度の値は、R=0.0468およびRw=0.0526に収束した。関連する結晶データは、実験の詳細データおよび構造精密化パラメータと合わせて表B:1にまとめ、原子座標は表B:2に提供する。
Figure 2005525354
Figure 2005525354
実施例10 錠剤
3型ZD1839DMSO溶媒和物、2型ZD1839MeOH溶媒和物または1型ZD1839多形を含む、本発明の活性物質の錠剤製剤の限定的な実施例を、以下に述べる。
Figure 2005525354
実施例11 水溶性懸濁液
5型ZD1839三水和物の以下の水溶性懸濁液を後述のように製造することができる:
Figure 2005525354
微粉化した5型ZD1839三水和物をリン酸バッファー溶液中のポリソルベート溶液に加える。得られる混合液をホモゲナイザーで混合し、滑らかな懸濁液を得る。懸濁液をリン酸バッファー中の塩化ナトリウム溶液に加え、懸濁液を撹拌して混合する。さらにリン酸バッファーを加えて、必要な濃度の5型ZD1839三水和物の懸濁液を得る。懸濁液製剤に使用するpHリン酸バッファーは、滅菌した精製水に一塩基リン酸ナトリウム(NaHPO;17.3mg/ml(1.73重量%))および二塩基リン酸ナトリウム(NaHPO;9.36mg/ml(0.94重量%))を溶かすことにより調製することができる。
双方の懸濁液とも周囲温度での長期保存に安定である。
図1は、横軸にプロットした2θ値、および縦軸にプロットした相対的線強度(カウント)による、1型ZD1839多形のX線粉末回折パターンを示す。 図2は、横軸にプロットした温度(℃)、および2本の縦軸にプロットした吸熱の熱流動(ミリワット(mW))およびサンプル重量(最初の重量のパーセント)による、1型ZD1839多形のDSC熱量測定曲線およびTGA測定曲線を示す。 図3は、横軸にプロットした4000から400cm−1範囲の周波数、および縦軸にプロットした吸収により、1型ZD1839多形のDRIFTスペクトルを示す。 図4は、縦軸にプロットした相対的線強度値(カウント)の伸長したスケールに対して、横軸にプロットした2θ値による、2型ZD1839MeOH溶媒和物のX線粉末回折パターンを示す。 図5は、横軸にプロットした温度(℃)、および2本の縦軸にプロットした吸熱の熱流動(mW)およびサンプル重量(最初の重量のパーセント)による、2型ZD1839MeOH溶媒和物のDSC熱量測定曲線およびTGA測定曲線を示す。 図6は、2型ZD1839MeOH溶媒和物のDRIFTスペクトルを示す。 図7は、縦軸にプロットした相対的線強度値(カウント)に対して、横軸にプロットした2θ値による、3型ZD1839DMSO溶媒和物のX線粉末回折パターンを示す。 図8は、横軸にプロットした温度(℃)、および2本の縦軸にプロットした吸熱の熱流動(mW)およびサンプル重量(最初の重量のパーセント)による、3型ZD1839DMSO溶媒和物のDSC熱量測定曲線およびTGA測定曲線を示す。 図9は、3型ZD1839DMSO溶媒和物のDRIFTスペクトルを示す。 図10は、横軸にプロットした2θ値、および縦軸にプロットした相対的線強度値(カウント)による、5型ZD1839三水和物のX線粉末回折パターンを示す。 図11は、横軸にプロットした温度(℃)、および2本の縦軸に示した吸熱の熱流動(ミリワット(mW))およびサンプル重量(最初の重量のパーセント)による、5型ZD1839三水和物のDSC熱量測定曲線およびTGA測定曲線を示す。

Claims (35)

  1. 実質的に3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形。
  2. 2θスケールで約8.9、17.8、22.6および23.2°に特徴的なピークを有するX線回折パターンを特徴とする、請求項1に記載の溶媒和物。
  3. 実質的に図7に示すようなX線回折パターンを特徴とする請求項1に記載の溶媒和物。
  4. 約127℃から132℃の範囲の脱溶媒和温度を特徴とする請求項1に記載の溶媒和物。
  5. 実質的に図8に示すような示差走査熱量測定曲線および熱天秤分析測定曲線の一方または双方を特徴とする、請求項1に記載の溶媒和物。
  6. 約1640、1520、1450、880および560cm−1に識別されるピークのある拡散反射フーリエ変換赤外スペクトルを特徴とする請求項1に記載の溶媒和物。
  7. 実質的に図9に示すような拡散反射フーリエ変換赤外スペクトルを特徴とする請求項1に記載の溶媒和物。
  8. 請求項1に記載の実質的に3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形であって、他のあらゆるZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形を実質的に含まない前記結晶形。
  9. 請求項1に記載の実質的に3型ZD1839DMSO溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形を製造する方法であって、以下の:−
    (a)ジメチルスルホキシド中、またはジメチルスルホキシドおよび補助溶媒を含む混合溶媒中の化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの混合液を、溶解が起こるまで加熱;
    (b)溶媒系の温度を下げて核生成を誘導;
    (c)核生成が開始した温度以下の温度に混合液を維持;および
    (d)そうして沈殿した結晶固体の単離
    を含む前記方法。
  10. 実質的に2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形。
  11. 2θスケールで約6.5、10.0および13.2°に特徴的なピークを有するX線回折パターンを特徴とする請求項10に記載の溶媒和物。
  12. 実質的に図4に示すようなX線回折パターンを特徴とする請求項10に記載の溶媒和物。
  13. 約125℃から130℃の範囲の脱溶媒和温度を特徴とする請求項10に記載の溶媒和物。
  14. 実質的に図5に示すような示差走査熱量測定曲線および熱天秤分析測定曲線の一方または双方を特徴とする請求項10に記載の溶媒和物。
  15. 約3380、1650、1530、1450、1235、870および570cm−1に識別されるピークのある拡散反射フーリエ変換赤外スペクトルを特徴とする請求項10に記載の溶媒和物。
  16. 実質的に図6に示すような拡散反射フーリエ変換赤外スペクトルを特徴とする請求項10に記載の溶媒和物。
  17. 請求項10に記載の実質的に2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形であって、他のあらゆるZD1839溶媒和物またはあらゆる1型ZD1839多形を実質的に含まない前記結晶形。
  18. 請求項10に記載の実質的に2型ZD1839MeOH溶媒和物の形態の式Iの化合物の結晶形を製造する方法であって、以下の:−
    (a)メタノール中、またはメタノールおよび補助溶媒を含む混合溶媒中の化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンの混合液を、溶解が起こるまで加熱;
    (b)溶媒系の温度を下げて核生成を誘導;
    (c)核生成が開始した温度以下の温度に混合液を維持;および
    (d)そうして沈殿した結晶固体の単離
    を含む前記方法。
  19. 実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物を製造する方法であって、以下の:−
    (a)ジメチルスルホキシドを実質的に除去するため、請求項1に記載の3型ZD1839DMSO溶媒和物を溶媒または混合溶媒で洗浄;および
    (b)そうして形成された1型ZD1839多形の単離
    を含む前記方法。
  20. 実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物を製造する方法であって、以下の:−
    (a)メタノールを実質的に除去するため、請求項10に記載の2型ZD1839MeOH溶媒和物を溶媒または混合溶媒で洗浄;および
    (b)そうして形成された1型ZD1839多形の単離
    を含む前記方法。
  21. 実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物。
  22. 2θスケールで約6.1、7.1および25.7°に特徴的なピークを有するX線回折パターンを特徴とする、請求項21に記載の5型ZD1839三水和物。
  23. 2θスケールで約6.1、7.1、9.3、14.2、18.5、18.8、19.8、22.3、23.3、24.7および25.7°に特徴的なピークを有するX線回折パターンを特徴とする、請求項21に記載の5型ZD1839三水和物。
  24. 実質的に図10に示すようなX線回折パターンを特徴とする請求項21に記載の5型ZD1839三水和物。
  25. 約100℃にピークのある第1の吸熱、および約194℃から198℃にピークのある第2の吸熱を有する示差走査熱量測定曲線を特徴とする、請求項21に記載の5型ZD1839三水和物。
  26. 実質的に図11に示すような示差走査熱量測定曲線および熱天秤分析測定曲線の一方または双方を特徴とする、請求項21に記載の5型ZD1839三水和物。
  27. 請求項21に記載の5型ZD1839三水和物であって、他のあらゆるZD1839溶媒和物またはZD1839のあらゆる他の結晶形を実質的に含まない前記化合物。
  28. 高度の結晶性を有する、請求項21から27のいずれか1項に記載の5型ZD1839三水和物。
  29. 請求項21に記載の実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物を製造する方法であって、以下の:−
    (a)4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンを5型水和物に変換させるための十分な時間、4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンを水と接触させること;および
    (b)5型ZD1839三水和物の単離
    を含む前記方法。
  30. 請求項21に記載の実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物を結晶化させる方法であって、以下のステップ:−
    (a)水および有機溶媒を含む溶媒系に化合物4−(3’−クロロ−4’−フルオロアニリノ)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンを溶解;
    (b)溶媒系の温度を下げて核生成を誘導;
    (c)核生成が開始した温度以下の温度に混合液を維持;および
    (d)結晶の5型ZD1839三水和物の単離
    を含む前記方法。
  31. 実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物を製造する方法であって、以下の:
    (a)実質的に水を除去するため、請求項21に定義した実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物を、溶媒または混合溶媒で洗浄;および
    (b)そうして形成された1型ZD1839多形の単離
    を含む前記方法。
  32. 実質的に1型ZD1839多形の形態の式Iの化合物を製造する方法であって、実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物を、水を取り去り、1型ZD1839多形への転換を達成するための十分な時間および十分な温度で加熱することを含む前記方法。
  33. 請求項1、10または21のいずれか1項に記載の式Iの化合物の結晶形、および医薬的に受容可能な希釈剤または担体を含む医薬組成物。
  34. 経口投与に適する請求項33に記載の医薬組成物。
  35. 水性媒体中に請求項21で定義したような実質的に5型ZD1839三水和物の形態の式Iの化合物の懸濁液を含む、請求項33に記載の医薬組成物。
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