JP2005523715A - 喫煙品およびそのための喫煙可能な充填材の改良 - Google Patents

Abstract

本発明は、3つの主成分、即ち、非燃焼性無機充填材と、アルギン酸系バインダーと、エアゾール発生手段と、からなる喫煙材を含む喫煙品に関する。この喫煙品は、エアゾール移動効率が4.0を越える喫煙品を供するために別の湿潤剤で処理されたタバコ材と組み合わせて使用される。

Description

本発明は、タバコ代替材料（tobacco substitute material）である喫煙可能な充填材およびこれを含む喫煙品に関する。

生体物質、即ちタバコの燃焼に関連すると考えられている潜在的な健康への悪影響を低下させるために当該生体物質の量の少ない喫煙可能な充填材を提供することが長年に亘って目的とされている。この目的を達成するためにタバコ代替材料または代替喫煙材料に関する非常に多くの先行技術が存在している。このような代替材料には、喫煙材中の燃焼性材料の量が減少すると、代替材料の燃焼特性を制御することが困難になるという問題がある。例えば、燃焼速度を制御するために有機酸のアルカリ金属塩、酢酸ナトリウムもしくは酢酸カリウムなどの燃焼添加剤または塩化カルシウムもしくは塩化マグネシウムなどの燃焼抑制剤などの特定の公知の燃焼変性剤をタバコ代替品または代替材料に添加する必要がある。

下記特許文献１、２および３には（以下、場合により特許文献３と総称する）、無機充填材、バインダーおよびエアゾール形成手段からなるエアゾール発生手段を用いた喫煙材料について記載されている。これら特許文献のいずれにも喫煙品の喫煙可能な充填材として利用した場合に従来の刻みタバコ（cut tobacco）と比較して当該材料のエアゾール形成剤の移動効率（transfer efficiency）については触れていない。当然のことながら、主流煙を希釈するために多量のエアゾール形成剤を送り出すことはこれらの文献では実施されていない。例えば、特許文献１の実施例中のグリセロールの量は、4％以下である。さらにこれら特許文献のいずれにも無機充填材の粒子径およびこのような無機充填材を含む喫煙材からなる喫煙品の静的燃焼速度および／または灰特性に関する有利な効果についても触れられていない。さらに特許文献１のシート材は、シート形成工程中の処理特性、即ち脆性に劣る。
米国特許第４，１０９，６６４号 国際公開第ＷＯ９６／０７３３６号パンフレット 欧州特許公報第０４１９９７５号

本発明の１つの態様では、喫煙材を提供し、この喫煙材は、これを含む喫煙品においてこれと同程度の量のエアゾール形成剤で処理された従来の刻みタバコからなる喫煙材よりエアゾール形成剤移動効率が高い。エアゾール形成剤移動効率は、従来の刻みタバコのみからなる喫煙材ブレンドと比較して本発明の喫煙材のみからなる喫煙材ブレンドが40％超高いと有利である。

さらに本発明の喫煙材は、その燃焼特性に有利な効果を有する平均粒径を有する非燃焼性無機充填材を含むので有利である。

本発明の目的は、主流煙成分の発生量が同等の主流煙を送出する従来の喫煙品と比較して少ない本発明の喫煙材を含む喫煙品を提供することである。

本発明の別の目的は、本発明の喫煙材と、例えばカルボニル化合物またはシアン化水素などの主流煙中の特定の成分を著しく減少することができるタバコ煙用フィルターエレメントとからなり、これらの組み合わせによりいくつかの主流煙成分の減少効果が高められた喫煙品を提供することである。

本発明のさらなる目的は、タバコ特有のニトロサミンの量が少ない喫煙品を提供することである。

本発明は、また喫煙品の味、煙の風味または灰特性の内の1つ以上に効果を有する喫煙品を提供することも目的としている。

さらに本発明は、上記新規な喫煙材を含む喫煙品のパフ基準で煙の排出量を制御する方法を提供することも目的としている。

さらに本発明は、所定の処方を有する喫煙材の静的燃焼速度を制御する方法を提供することを目的としている。

本発明は、非燃焼性無機充填材と、アルギン酸系バインダーと、エアゾール発生手段とからなる喫煙材を提供する。

本発明の喫煙材は、好ましくはその主成分として非燃焼性無機充填材と、バインダーと、エアゾール発生手段とからなる。これら３つの成分は、喫煙材料の少なくとも85重量％、好ましくは90％超、さらに好ましくは約94％超を構成することが好ましい。これら３つの成分が喫煙材の100％を構成してもよい。

これ以外の成分は、着色料、木材パルプなどの繊維または風味料の内の１つ以上であることが好ましい。他の微量成分としては、当業者に知られているものである。従って、本発明の喫煙材は、その構造において非常に簡単なシート状材料である。

ここで言う「喫煙材」とは喫煙品に使用することができるあらゆる材料を意味する。材料自身が必然的に燃焼を維持することを必ずしも意味するものではない。喫煙材は、シートとして製せられ、その後裁断される。喫煙材は、喫煙可能な充填材を製するために他の材料とブレンドしてもよい。

本発明は、さらにラッパーで巻かれた喫煙可能な充填材のロッドからなる喫煙品を提供し、この喫煙可能な充填材は、非燃焼性無機充填材と、アルギン酸系バインダーとエアゾール発生手段と、からなる喫煙材を含むブレンドから構成され、この喫煙品のエアゾール移動効率比は、4.0超である。

ここで言うエアゾール移動効率とは、喫煙可能な充填材中のエアゾールのパーセンテージで煙中のエアゾールパーセンテージを除して得られた値である。

エアゾール移動効率は、好ましくは5超、より好ましくは6超である。

喫煙可能な充填材は、75重量％以下の本発明の喫煙材を含むブレンドからなるものであってもよい。

無機充填材は、60乃至90％の範囲で、好ましくは70％超含有されるのが好ましい。また無機充填材は、最終的なシート材料の約74重量％含有されると有利であるが、より多く、例えば最終的なシート材料の80重量％、85重量％または90重量％含有されてもよい。

非燃焼性充填材は、500μm乃至75μmの範囲の平均粒径を有する材料をある割合含むのが好ましい。

無機充填材の平均粒径は、400μm乃至100μmの範囲内にあり、125μm超、好ましくは150μm超であることが好ましい。また平均粒径は、170μmまたは約170μmであるのが有利であり、170μm乃至200μmの範囲内にあってもよい。この平均粒径は、代替タバコ材料中の食品用無機充填材として使用される従来のもの、即ち約2乃至3μmと対照的である。各個々の無機充填材の粒径の範囲は、1μm乃至1mm（1000μm）である。無機充填材は、所望の粒径になるように粉砕してもよくまた挽いたり沈降させたりしてもよい。

無機充填材は、パーライト、アルミナ、珪藻土、炭酸カルシウム（チョーク）、蛭石、酸化マグネシウム、硫化マグネシウム、酸化亜鉛、硫化カルシウム（ジプサム）、酸化鉄、パミス、二酸化チタン、アルミン酸カルシウムもしくはその他の不溶性アルミン酸塩またはその他の無機充填材料の内の１つ以上であることが好ましい。これら材料の密度の範囲は、0.1乃至5.7g／cm³の範囲であるのが好適である。無機充填材の密度は、3g／cm³未満、好ましくは2.5g／cm³未満、より好ましくは2.0g／cm³未満、さらに好ましくは1.5g／cm³未満である。無機充填材の密度は、1g／cm³未満であるのが望ましい。無機充填材の密度が小さいほど、製品の密度が小さくなり、灰特性を向上させることができる。

何種類かの無機充填材を組み合わせて使用した場合、１種類以上の充填材は、小さい粒径のものでもよく、別の充填材の粒径をそれより大きくしてもよく、所望の平均粒径が得られるように各充填材の割合を調整してもよい。最終的な喫煙品に要求される静的燃焼速度は、喫煙可能な充填材中のタバコと喫煙材を適度にブレンドすることによって得られる。

無機充填材は、凝集体ではないほうが好ましい。無機充填材は、使用前にサイズの等級付け以外の予備処理を殆ど必要としない。

バインダーは、最終シート材料の重量で約5乃至13％の範囲で、好ましくは10％未満、より好ましくは8％未満、含有されるのが好ましい。またバインダーは最終シート材料の約7.5％以下含有されると有利である。

バインダーがアルギン酸系バインダーと非アルギン酸系バインダーの混合物である場合、そのバインダーは、少なくとも50％のアルギン酸塩から、好ましくは少なくとも60％のアルギン酸塩から、より好ましくは少なくとも70％のアルギン酸塩から構成されるのが好ましい。バインダー混合物の必要とされる量は、非アルギン酸系バインダーが使用される場合、少なくなる。バインダー混合物中のアルギン酸塩の量は、バインダー混合物の量が減少するにつれて増加するのが好ましい。好適なアルギン酸系バインダーの例としては、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウムナトリウム、アルギン酸アンモニウムカルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸トリエタノール−アミンおよびアルギン酸プロピレングリコールなどの可溶性アルギン酸塩などが挙げられる。セルロース系バインダー、ゴムまたはゲルなどの他の有機バインダーもアルギン酸系バインダーと組み合わせて使用することができる。好適なセルロース系バインダーとしては、セルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースまたはセルロースエーテルなどのセルロース誘導体などが挙げられる。好適なゴムとしては、アラビアゴム、ガッチゴム、トラガカントゴム、カラヤゴム、イナゴマメゴム、アカシアゴム、グアールゴム、マルメロ種（quince seed）ゴムまたはキサンゴムなどが挙げられる。好適なゲルとしては、寒天、アガロース、カラゲーニン、フロイダン（furoidan）およびフルセララン（furcellaran）などが挙げられる。澱粉も有機バインダーとして使用することができる。他の好適なゴムは、E. Whistler著「Industrial Gums（Academic Press社刊）」などを参考に選択することができる。バインダーの大半をアルギン酸系バインダーが占めることが特に好ましい。アルギン酸塩は、本発明において燃焼の際に味にあまり影響を与えないので好ましい。

エアゾール発生手段は、5乃至20％の範囲で、好ましくは15％未満、より好ましくは7％超、さらに好ましくは10％超含有されるのが好ましい。最も好ましくはエアゾール発生手段が、最終シート材料の重量で11％乃至13％、そして11.25％または12.5％であると有利である。好適にはエアゾール発生手段の量は、喫煙品の喫煙可能な充填材とブレンドされるタバコ材の量と併せて選択される。例えば、シート材料を多く含み、タバコ材を少なく含むブレンドにおいて、エアゾール発生手段をシート材中に多く充填することが要求される。これとは別にシート材料を少なく、タバコ材料を多く含むブレンドでは、エアゾール発生手段がシート材中に多く充填されることが要求される。

好適なエアゾール発生手段としてはグリセロール、プロピレングリコールおよびトリエチレングリコールなどの多価アルコール、クエン酸トリエチルまたはトリアセチンなどのエステル、高沸点炭化水素、グリコール、ソルビトールまたは乳酸などの非ポリオールから選択されるエアゾール形成手段などが挙げられる。これらを組み合わせたものもエアゾール発生手段として使用してもよい。これらエアゾール発生手段の別の機能は、シート材料の可塑化である。好適な可塑剤としては水が挙げられる。

シート材は、好適にはエアレーション処理される。これによりキャストスラリーによって気泡構造を有するシート材が形成される。

エアゾール発生手段をまたはその一部をカプセル化、好ましくはマイクロカプセル化またはその他の方法で安定化させてもよい。このような場合、エアゾール発生手段の量は、所定の範囲を超えてもよい。

本発明の喫煙材は、材料の色を暗くする着色料と特定の風味を付与する風味料とを含む。好適な風味料または着色料としては、ココア、甘草、キャラメル、チョコレートまたはトッフィーなどが挙げられる。微細粉砕、粉末化または微細に均一化されたタバコも使用してもよい。産業的に認められている食品着色料を使用してもよく、そのような着色料としてはE150a（キャラメル）、E151（ブリリアントブラックBN）、E153（植物炭素）またはE155（ブラウンHT）などが挙げられる。好適な風味料としては、メンソールおよびバニリンなどが挙げられる。その他のケーシング材料も好適に使用することができる。これとは別にバーミキュライトまたはその他の無機充填材が存在すると喫煙材の色は暗くなる。

着色料は、最終喫煙材の重量の0乃至10％存在し、最大で5乃至7％存在するのが好ましい。着色料は、最終喫煙材の7％未満、好ましくは6％未満、より好ましくは5％未満であると有利である。最も好ましい着色料の使用は4％未満、3％未満および2％未満である。ココアは最終喫煙材の0乃至5％の範囲で含ませてもよく、甘草は、0乃至4％の範囲で含ませてもよい。着色料がココアまたは甘草である場合、所望の色のシートを得るためにココアの最少量は、最終喫煙材の重量の約3％であり、甘草の場合、約2％である。同様にキャラメルは、最終喫煙材の重量の0乃至5％の範囲で、好ましくは2％未満、より好ましくは約1.5％含ませてもよい。その他の好適な着色料としては、糖蜜、麦芽エキス、コーヒーエキス、茶の樹脂（tea resinoids）、イナゴマメのさや、プルーンエキスまたはタバコエキスなどが挙げられる。これら着色料の混合物も使用可能である。

風味料は、また喫煙材料の味および風味特性を変えるために添加してもよい。

これとは別に食用色素を使用する場合、それは最終喫煙材料の0.5重量％以下含まれる。着色料はシート製造後にシート内にまぶしてもよい。

例えばウッドパルプ、麻、大麻または靭皮のようなセルロース繊維などの繊維を加えて、シート材料の強度を高める、密度を低くするまたは充填値を高くすることができる。繊維を加える場合、最終シート材料の重量で0.5乃至10％、好ましくは5％未満、さらに好ましくは約3％未満、含ませることができる。またシート材は繊維材料を含まないのが好ましい。

また本発明のタバコ材料は、非タバコ含有シートであると有利である。

ブレンドに多量のシート材が含まれると、例えばブレンドの75重量％超含まれるとブレンドの燃焼が悪くなることは理解されている。この燃焼の悪化は、例えば喫煙材に最大で5乃至10％の粒状炭素を少量混入させることによって克服される。この炭素は、凝集した炭素材料でないことが好ましく、即ち凝集体となるように別の材料との混合による予備処理されていないものが好ましい。

本発明の喫煙材料は、好ましくは喫煙可能な充填材となるようにタバコ材とブレンドされる。ブレンドのタバコ材成分は、高品質葉片（lamina）グレードのものであることが好ましい。タバコ材の大半は、刻みタバコであると有利である。タバコ材は、DIET（dry ice expanded tobacco）などの高度膨張工程を経た膨張タバコを20乃至100％含む。このような材料の充填力（filling power）は、典型的には6乃至9cc／gの範囲である（例えば、下記特許文献４および５参照）。
英国特許第１，４８４，５３６号 米国特許第４，３４０，０７３号

このブレンドは、好ましくは葉片以外の他のブレンド成分を30％未満含み、その他のブレンド成分としては、カットステムロールドステム（CRS）、水処理されたステム、スチーム処理されたステムまたは再生タバコなどである。これらその他の成分は、タバコ材料の最終重量の好ましくは20％未満、より好ましくは10％未満、さらに好ましくは5％未満を構成する。

本発明による喫煙品は、エアゾール発生手段で処理されたタバコ材料を含むと好適である。タバコ材料はエアゾール発生手段で処理されるが、これはタバコ材およびシート材の全てのブレンドに必須ではない。タバコに添加されるエアゾール発生手段の量は、タバコの重量で2乃至6％の範囲である。処理された後のタバコ材とシート材とのブレンドのエアゾール発生手段の総量は、喫煙材料の4乃至12％、好ましくは10％未満で5％超である。

ブレンドがUSブレンドである場合、タバコ材料は、さらにケーシング材を含んでもよく、このケーシング材料は、ブレンドのバーリー（Burley）部分をケーシングするものであり、ブレンドの残りの部分のケーシング材料を含んでも含んでなくともよい。

タバコ材料は、下記特許文献６、７、８または９（ここに参照として包含する）に記載された方法で処理され、タバコ特有のニトロサミン（TSNA）量の少ないタバコであってもよい。このようなタバコを含む本発明による喫煙品は、同じタバコを含む現在市販されている製品よりさらにTSNA含有量が少ない。このタバコをある割合で含む喫煙品は、タバコ特有のニトロサミンの量をさらに減らす効果が加えられる。タバコ特有のニトロサミンとしては、N-ニトロソノルニコチン（NNN）、N-ニトロソアナタビン（NAT）、N-ニトロソアナバシン（NAB）および4−（N−ニトロソメチルアミノ）−1−（3−ピリジル）−1−ブタノン（NNK）などが挙げられる。
米国特許第５，８０３，０８１号 米国特許第６，１３５，１２１号 米国特許第６，３３８，３４８号 米国特許第６，２０２，６４９号

本発明に有用なさらなるタバコ材は、下記特許文献１０、１１および１２に記載された酵素処理されたタバコである。ここでこれら特許文献を参照として包含する。特許文献１１および１２は、タバコから蛋白質を除去するために界面活性剤と共にまたはこれを用いずに酵素（プロテアーゼ）を使用することが記載されている。特許文献１は、水抽出によって抽出された抽出物からポリフェノールを除去するためにポリビニルポリピロリドン（PVPP）の代わりにラッカーゼを使用することが記載されている。
国際公開第ＷＯ００／０２４６４号パンフレット 米国特許第５，３１１，８８６号 米国特許第５，５６０，０９７号

本発明による喫煙材とタバコ材の含有量は、25：75（喫煙材：タバコ）乃至75：25の範囲内にあれば有利であり、好ましくは50：50乃至60：40の範囲内であり、約60：40であると有利である。この比は、また必要とされる喫煙成分希釈剤に応じて50：50または50：45であってもよい。しかしながら、急激に減少させない程度に喫煙成分を減少させるために本発明による喫煙材とタバコ材の含有量は、10：90乃至25：75の範囲内にあってもよい。喫煙材またはタバコのいずれかを5％ずつ増加または減少させた比も本発明の範囲に含まれる。本発明の発明者等によってこのような量でさえもエアゾール移動効率は、刻みタバコに単にエアゾール形成剤を塗布した場合と同様に改善されることが発見されている。

タバコ材とシート材との混合物の製品密度は、300乃至360mg／cm³ほどであり、320乃至350mg／cm³の範囲である。タバコ材と喫煙材シートの量は、最終的な密度が300mg／cm³未満となるように選択されると有利である。タバコとシート材の混合物の製品密度は、従来品の範囲、即ち約220乃至240mg／cm³であるのが好ましい。

送出量（deliveries）の範囲は、本発明を用いることによって得られる。送出量をニコチンを除いた乾燥粒状物質（nicotine free dried particle matters、（NFDPM））で9mg未満に減少させるために換気手段を本発明による喫煙品に使用すると有利である。送出量はNFDPMで2乃至6mgの範囲内であり、3、4または5mgである。この送出量は、エアゾール形成剤に原因する量である。これとは別にまたは加えて、煙成分送出量を減少させるために本発明の喫煙材の量を増加させるなどして喫煙可能な充填材のブレンドを変えてもよい。換気度（ventilation degree）は、好適には30％超であり、40％超であると有利であり、約50％超であってもよい。予め穿孔されたチッピング紙を使用するのが好ましい。

本発明の喫煙品を包むラッパーは、例えばクエン酸ナトリウムまたはクエン酸カリウムなどの燃焼添加剤を含む。アセテートおよびタルトレートなどのナトリウム塩またはカリウム塩、モノアンモニウムホスフェートおよびリン酸水素二ナトリウムなどのその他の好適な燃焼添加剤が、当業者に知られている。この燃焼添加剤は、ラッパーの重量で0.5乃至2.5％の範囲で存在する。ラッパーは、20乃至40g／m²の坪量（basis weight）を有する。

本発明の喫煙品は、僅かに小さい径のものであってもよく、22乃至25mmの範囲内であれば有利である。さらに細い径のもの、例えば22mmのものでも使用可能である。

本発明は、さらに本発明によるある割合の喫煙材とさらに煙のいくつかの主流煙成分を選択的に減少するように作用するフィルターエレメントとを含む喫煙品を提供する。特にこのフィルターエレメントによって主流煙の揮発性または半揮発性成分が減少する。

本発明ではカルボニル化合物が同じ粒状物質送出量の従来のタバコと比較して著しく減少される。

フィルターエレメントは、粒状炭素、好ましくは活性炭などの粒状材料を含むのが好ましい。活性炭は、下記に詳述するトリオニック（Trionic）フィルターに使用される一般的な吸着材に関して下記に詳述されているカーボンのいずれか１つであってもよい。活性炭は、活性ココナッツカーボンであることが好ましい。粒状材料を含むフィルターは、例えばセルロースアセテート吸い口部とフィルターのタバコ側端部に位置するダルメシアン（dalmatian）ロッドからなる2つの部分からなるいわゆるデュアル構造のフィルターであってもよい。また紙からなる部分が複数のフィルターの一部を形成してもよい。これとは別にフィルターは、下記特許文献１３に記載されているようなアクティブパッチフィルター（Active Patch Filter）として知られているフィルターの構造設計に従って製せられたフィルターであってもよい。またさらにこれとは別にフィルターエレメントは、粒状材料を含む中央に位置するキャビティー部を有する2つの端部部分からなるキャビティーフィルターであってもよい。
英国特許明細書第２，２４９，９３６号

またこれとは別にフィルターエレメントは、2001年8月１日出願の下記特許文献１４および１５（図１乃至３参照）に詳述されているトリオニックフィルターとして知られている選択的に成分を減少させるフィルターであってもよい。図１に示すフィルターは、3重フィルター（130）からなり、その第１部分は、タバコロッド（20）に隣接して位置し、かつ、選択的吸着材である上流フィルター部（136）であり、第2部分は、一般的な吸着材である中央フィルター部（134）であり、第3部部は、通常セルロースアセテートの従来の繊維部である下流または吸い口端に位置する部分（132）である。これら3つの部分は、プラグラッパー（135）によって相互に連結される。このような構成により予め定められた煙成分を相乗的に減少させる。このフィルターエレメントでは、選択的吸着材料部分（134）と（136）は図2に示すように逆にしてもよい。
米国特許出願（Provisional）第６０／３０９，３８８号 米国特許出願（Provisional）第６０／３０９，４３５号

選択的吸着材料は、特定の煙成分を吸着するのに充分な表面積を有する実質的に不活性なキャリアーからなる種々の表面機能樹脂から選択されるのが好ましい。選択的吸着材料は、Duolite A7（米国ペンシルバニア州、19137、フィラデルフィア市、リッチモンドストリート5000に所在のRohm and Haas社から入手可能である）などのイオン交換樹脂またはこれと類似の官能基および結合親和性（binding affinities）を有する材料であることが好ましい。Duolite A7は、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂マトリックスを有し、1級および2級アミン基を有する表面機能化されており、これによりタバコ煙中に見られるアルデヒドおよびシアン化水素に対する樹脂の特定性が高められている。

選択的吸着材は、表面機能箇所が確実に分散に対する最少の抵抗で容易に得られる充分な表面積を有すると有利である。例えば、約35m²／g超の表面積を有する樹脂は、樹脂充填値が煙流がフィルターを通過する際に邪魔をされない程度に高くなければ煙成分を吸着することができる。さらにより大きな表面積を有する材料は、その表面の一部が可塑剤で覆われている場合、吸着材がフィルタープラグ中に分散されているときに見られるような著しい性能の低下は見られない。

一般的吸着材は、高度な特定性を有さずにいくつかの煙成分を吸着することが可能な比較的表面積の広い材料の群から選択されると有利である。好適な一般的吸着材は、活性化されたチャコール、活性化されたココナッツカーボン、活性化されたコールベースのカーボンまたはチャコール、ゼオライト、シリカゲル、海泡石、酸化アルミニウム（活性化されたまたはされていない）、炭素繊維またはこれを組み合わせたものから選択することができる。好適なコールベースのチャコールの一例としては、ココナッツベースのチャコールより約50％高い密度を有する半無煙炭コールから製せられるものが挙げられる（ペンシルベニア州、ピッツバーグ所在のCalgen Carbon社より入手可能）。好適な炭素繊維の例としては、Ambersorb 572またはAmbersorb 563（Rohm and Haas社より入手可能）などのスルホン化されたスチレン−ジビニルベンゼンの熱分解によって得られるものが挙げられる。一般的な吸着材の効率を高めるために金属酸化物またはその他の金属ベースの錯体を吸着材に含ませてもまたは含浸させてもよい。

一般的な吸着材および選択的な吸着材は、繊維フィルタープラグ材料を介して、即ちダルメシアンフィルターとしてのフィルターを介して分散させてもよく（図1および2に示すように）、吸着材料の密閉された床（bed）または薄層部分として繊維フィルタープラグ材料内に、即ち2つまたは3つの隣接する繊維フィルタープラグ（142）の間に位置するキャビティー部または繊維フィルタープラグ内に形成されたキャビティーまたはポケット（図3に示すように）内に充填してもよい。これら床または薄層部（144、166）は、種々の異なるフィルター効果のためにダルメシアン部で互いに噛み合うように構成してもよい。

各吸着材の充填量は、ろ過される各成分に必要なろ過効果に応じて10乃至80mgの範囲、好ましくは20乃至60mgの範囲、最も好ましくは少なくとも40mgである。フィルターの両吸着材の総充填量は、60乃至110mgの範囲内である。

吸い口端に位置するフィルタープラグは、例えばセルロースアセテートトウ、セルロース、紙、コットン、ポリプロピレンウェブ、ポリプロピレントウ、ポリエステルウェブ、ポリエステルトウまたはこれらを組み合わせたものなどの種々の材料から製することができる。

さらにフィルタープラグ部の圧力降下および／または機械的ろ過効率は、所望の具体的な製品設計で必要とされるような所望の喫煙力学（smoking mechanics）およびろ過特性を達成するように選択することができる。

喫煙可能な充填材とフィルターエレメントを組み合わせることによって多くの主流煙成分、特にホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、クロトンアルデヒド、メチルエチルケトンおよびブチルアルデヒドなどのカルボニル煙成分、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、レゾルシノールおよびヒドロキノンなどのフェノール類、１−アミノナフタレン、２−アミノナフタレン、３−アミノナフタレンおよび４−アミノナフタレンなどの芳香族アミン類を大幅に減少することができる。シアン化水素も好適に減少する。

ニコチンを除く乾燥粒状物質（NFDPM）に対して標準化した場合の上記化合物の減少率は、多くの化合物の場合、15％以上、好ましくは20％以上、より好ましくは25％以上であり、かつ、いくつかの化合物では30％以上であり、35％以上、さらには40％以上である。ある割合のタバコとある割合の本発明による喫煙材を含む特定のブレンドの場合、60％を超える減少率が得られる。

下記特許文献１６に記載されているフィルター構造も本発明で有用である。この特許文献に記載されているフィルターは、均一化されたフィルター材からなるフィルタープラグ（16）と、このフィルタープラグを覆うプラグラッパー（18）と、フィルタープラグの長手方向に延び、かつ、円周方向に間隔をおいて形成された溝と、フィルターエレメントをタバコロッド（12）に連結する換気孔付きチッピング紙とからなり、複数の溝（20）がタバコロッドの側で開口し、フィルターエレメント（14）の長さの一部に亘ってのみ連続的に延び、従ってフィルターエレメントの吸い口端まで延びてなく、これら溝はフィルター軸に対して軸方向に整列し、これら軸方向に延びた溝（20）内に換気孔付きチッピング紙を介して換気空気が入り、吸い口端に延びる溝はいずれも換気されない。
国際特許出願第PCT/GB02/005603号

この溝構造によって換気空気が、タバコ端部に向かって延びた溝に入り、吸い口端に向かって再び案内される。その結果、CO／タール比が減少する。また選択的に蒸気相を減少させる粒状添加剤との組み合わせにより、蒸気相成分を大幅に減少することができる。

さらに本発明による喫煙材を含む喫煙品の着火傾向もかなり減少することが観察された。着火傾向のための後述するNIST標準試験方法によって試験されたすべのサンプルは、ワットマン（Whatman）フィルター紙または帆布（duck fabric）上に放置した際に消火したが、対照紙巻タバコは燃焼し続けた。

本発明は、さらに喫煙品の静的燃焼速度を制御する方法を提供し、この方法では、喫煙品は、ラッパーで巻かれた喫煙可能な充填材のロッドからなり、この充填材は、非燃焼性無機充填材と、アルギン酸系バインダーと、エアゾール発生手段とからなるある割合の喫煙材を含み、無機充填材は、平均粒径が500μm乃至20μmの範囲内にある材料をある割合で含み、無機充填材の粒径は、所望の静的燃焼速度を供するために選択されおよび／または喫煙材の量は、所望の静的燃焼速度を供するために喫煙可能な充填材のブレンド中のタバコ材の量と併せて選択される。

本出願人は、所定の処方例で無機充填材の粒径を厳密に選択することによって本発明の喫煙材の静的燃焼速度を処方例を変更することなく変更することができるということを発見した。これは製品開発者および紙巻タバコ設計者に非常に有効な道具となる。さらに本発明による喫煙材を含む喫煙品の煙の味および風味特性および／または物理的特性は、無機充填材の粒径を選択することで大幅に変えることができる。

本発明によるシート材からなる喫煙品の静的燃焼速度は、3mm／分乃至8mm／分の範囲内であることが好ましい。また静的燃焼速度は、4mm／分乃至7.5mm／分の範囲内であることがより好ましい。そして4mm／分乃至6mm／分の範囲内であることが最も好ましい

喫煙品は、2枚のシガレットペーパーで包んでもよく、この場合一方の紙が他方の紙より重く、重い方が外側に配される。

喫煙品のラッパーは、これとは別にまたはこれに加えて下記特許文献１７および１８に記載されているラッパーのようなものでもよい。これらのラッパーは、副流煙成分の減少に貢献するが、従来の製品と同等の燃焼および灰特性を有する喫煙品を供する、即ち、これらのラッパーは、従来品と同じように喫煙品を燃焼させ、灰を形成させる。ラッパーは、所定の形状の粒状セラミックフィラーと、バインダーと、任意ではあるが燃焼添加剤と、灰形成向上剤と、からなり、この粒状セラミックフィラーは、ラッパーを製するスラリー中の乾燥材料の重量で50乃至95％の範囲内で含まれる。セラミックフィラーの粒径は、好ましくは2乃至90μmの範囲内であり、より好ましくは2乃至75μmであり、さらに好ましくは25乃至70μmである。平均粒径は、好ましくは30μm超であり、より好ましくは35μm超であり、さらに好ましくは40μm超である。平均粒径が約50μm超であると特に有利である。
国際公開第ＷＯ９６／０７３３６号パンフレット 国際公開第０１／４１５９０号パンフレット号

セラミックフィラーは、規則的または不規則的な非板状の粒子形状を有するのが好ましい。またセラミックフィラーは、不溶性または低溶性の金属酸化物または金属塩であると有利である。セラミックフィラーは、アルミナ、シリカ、アルミノ−シリケート、炭化珪素、安定化または非安定化酸化ジルコニウム、ジルコン、ガーネット、長石、または当業者に知られ、かつ、必要な粒径を有するその他の材料、または必要な粒径に粉砕されたその他の好適なセラミック材料の内の１つ以上であってもよい。

セラミックフィラーは、ラッパーを製するスラリー中の乾燥材料の重量で40％超存在するのが好ましく、50乃至95％の範囲内で存在するのがより好ましく、70乃至90％の範囲内で存在するのがより好ましく、70乃至87.5％の範囲内で存在するのがさらに好ましい。

セラミックフィラーは活性化されたフィラーであるのが好ましく、従って低表面積を有するが、活性化されたセラミックフィラーでも本発明で機能する。

バインダーは、アルギン酸カルシウム、アルギン酸プロピレングリコールなどのアルギン酸塩、ゴム、セルロース（変性または天然のもの）、ペクチンまたはペクチン系バインダー、澱粉またはカルボキシメチルセルロースナトリウムまたはアルギン酸ナトリウムなどのこれらバインダーのI族またはII族の金属塩の内の１つ以上から選択される有機バインダーである。

さらにまたはこれとは別にバインダーは、セラミックフィラーの粒子を固めることができる無機バインダーであってもよい。無機バインダーは、活性化された無機材料であることが好ましい。無機バインダーは、活性化されたアルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウムまたは不活性クレーのうちの1つ以上であってもよい。

無機バインダーの粒径は、2乃至90μmの範囲内であるのが好ましく、2乃至50μmの範囲内であるのがより好ましく、2乃至15μmの範囲内であるのがさらに好ましい。無機バインダーは、疎水性であるのが好適である。

バインダーは、ラッパーを製するスラリー中の乾燥材料の重量で２％超、含有されるのが好ましく、3乃至30％の範囲で含まれるのが好ましく、より好ましくは20％未満、さらに好ましくは10％未満含有される。最も好ましくはバインダーは、3乃至10％の範囲で含有される。セラミックフィラーおよび選択されたバインダーの量は、選択されたバインダーの結合特性に依存する。

燃焼添加剤は、通常紙のラッパーよりも多く含まれる。燃焼添加剤は、ラッパーを製するために使用されるスラリー中の乾燥材料の重量で1乃至15の範囲で含まれるのが好ましく、10％未満含まれるのがより好ましく、5％未満含まれるのがさらに好ましい。最も好ましくは燃焼添加剤は、2乃至5％の範囲で含まれる。燃焼添加剤は、燃焼促進剤（burn promoter）であることが好ましい。好適な燃焼添加剤は、酢酸塩またはクエン酸塩などのI族またはII族の金属塩および当業者に知られているその他の燃焼促進剤の内の１つ以上から選択されるのが好ましい。

灰形成向上剤は、セラミックフィラー粒子間の架橋（bridging）手段または充填向上（packing improvement）手段を供するために含有される。本発明は、従来の喫煙品のように燃え落ちず、灰を形成することができるラッパーを提供することも目的としている。ラッパーの成分、特にセラミックフィラーおよび灰形成向上剤は、燃焼前にはラッパーに必要な強度を供するが、燃焼した際には許容できる灰を形成するために燃焼中にその強度が失われるような粒径および／または形状を有する。

無機灰形成向上剤は、板状形態を有し、かつ、透過性、灰強度、色および燃焼性を制御するためにセラミックフィラーと混合されるのが好適である。灰形成向上剤の添加は任意であるが、0乃至5％の範囲でラッパーに含まれると有利である。より丸みを帯びた形状のセラミックフィラーと比較してより好適な板状形態を有する材料としては、マイカ、チョーク、パーライト、クレー、蛭石、カオリナイトおよびタルクの内の１つ以上が挙げられる。これらの材料は、それらが適した大きさおよび形状に粉砕することが可能であるならば、セラミックフィラーとしても好適である。

これとは別に灰形成向上剤は、その粒子がそれより大きいセラミックフィラー粒子間の空隙を架橋するように非常小さい粒径を有する材料であってもよい。

ラッパーは、透過性であると有利であり、200コレスタ単位（CU）未満の透過性を有し、2乃至100CUの範囲内の透過性を有するのがさらに好ましい。

ラッパーは、0.5乃至3.0g／cm³、好ましくは0.8乃至1.2g／cm³、より好ましくは1.0g/cm³の密度を有し、かつ、喫煙者の取り扱いに耐え得る引張強さを有する必要がある。ラッパーは、0.2乃至0.6mmの厚さを維持することができると有利である。

本発明を容易に理解し、かつ、実施できるように図面を参照し本発明を説明する。

本発明による喫煙材を74％のチョーク（無機充填材）、12％のグリセロール（エアゾール発生手段）、8％のアルギン酸ナトリウム（バインダー）、4％のココアと2％の甘草（着色剤／風味料）からなる乾燥処方を3kg秤量して作製した。水8リットルをチョーク、グリセロール、ココアと甘草の乾燥混合物に徐々に添加した。アルギン酸ナトリウムを水と一緒にこの混合物に加えた。この混合物をシルバーソン（Silverson）ミキサーを用いて、スラリーが適当な粘度（30,000cps）になるまで混合した。得られたスラリーを厚さ１ｍｍの湿潤シートに形成するためにキャストし、加熱されたドラムキャスターを使用して乾燥させた。得られたシート状材料をシュレッダーを用いて37cpiで裁断し、刻みタバコとブレンドし、紙巻きタバコを作製した。27ｍｍの長さのフィルターを含む84ｍｍ長の紙巻タバコを50CUの紙で巻いて作製した。表１に使用したチョークの組成および物性の詳細を示す。100％タバコ葉のブレンドからなる対照紙巻タバコを使用した。使用したタバコ葉は、熱気によって煙にあてずに乾燥処理した（フルーキュアー（flue−cured））バーリーおよびオリエンタルグレードからなるすべて葉身からなり、その内の40％はダイエット（DIET）膨張タバコである。各組の試験紙巻きタバコは、タバコ葉40％と60％の本発明による喫煙材シートで構成した。これら紙巻きタバコを毎分、２秒間35cm³吸煙するというISO標準機械喫煙条件で喫煙した。

表１から明らかなように粒径が小さくなると喫煙品の静的燃焼速度は、速くなる。粒径および異なる粒径の混合物を最適化することによって紙巻きタバコ設計者に新しい有効な手段が提供される。

さらに本発明の喫煙材料のサンプルを作製した。これらのサンプルには異なる粒径のチョークを使用した。シートに調整し、裁断した後、本発明の喫煙材を刻みタバコ材ブレンドと混合した。S568で使用したのと同じタバコブレンドを100の量で対照ブレンドとして混合した。これらの材料を21ｍｍのセルロースアセテートトウのフィルターを有する円周が24.7mmで長さが83.5mmの紙巻きタバコを作製するために使用した。各紙巻きタバコの紙の透過率は、50CUであった。すべての紙巻きタバコを最短で48時間、温度22℃±1℃および相対湿度60％RH（±2％）で状態調整（conditioned）した。また各紙巻きタバコの静的燃焼速度をフィルトローナ（Filtrona）自由燃焼速度測定器（FBR100）を用いて測定した。結果を表２に示す。

表２の結果は、タバコのみのブレンドが最も燃焼速度の速い材料であったことを示している。チョークの粒径が大きくなると静的燃焼速度は、遅くなる。さらにブレンド中の喫煙材の量が増えると、そのブレンドの静的燃焼速度は、速くなる。この結果は、実施例１の結果を支持している。

さらに別のシート材料を78.5％のチョーク、12.5％のグリセロール、7.5％のバインダーおよび1.5％のキャラメル（E150a）からなる処方をドラムキャスティングして作製した。チョークの平均粒径は、約170μｍであった。このシート材料は、許容できるくすぶり特性および灰化などの物理的特性を示した。

さらに別のシート材料を75.25％のチョーク、11.25％のグリセロール、7.5％のバインダー、4％のココアおよび2％の甘草からなる処方をドラムキャスティングして作製した。チョークの平均粒径は、約170μmであった。このシート材料は、許容できるくすぶり特性および灰化などの物理的特性を示した。静的燃焼速度は、4.72mm／分であった。

３組の紙巻タバコを作製した。S295は、ロッド長が83.5ｍｍ、円周が24.7ｍｍ、フィルター長が20mm、密度が199mg／cm³であった。S384とS382は、ロッド長が84mm、円周が24.7mm、フィルター長が20mm、密度がそれぞれ229mg／cm³と340mg／cm³であった。S295は、100％タバコ（実施例1のタバコ）で構成され、S384は、チョークとして100％V100チョークを利用したシート材で構成し、S382は、チョークとして100％沈降チョークを利用したシート材で構成した。シート材の処方は、実施例４と同じにした。

表３の結果から本発明による喫煙品は、本発明によるシート材料を60％含む喫煙充填材から構成されるにもかかわらず100％タバコから構成される紙巻タバコと同じまたは同等の燃焼機構を維持することが明らかである。

タバコと混合した際の本発明のシート材料のエアゾール移動効率（aerosol transfer efficiency (ATE)）を種々の量の湿潤剤で処理された刻みタバコと比較するために種々のサンプルを調整した。
100％タバコから構成される１群のUSブレンド紙巻タバコを調整した（シガレットコードBW007）。サンプルBW-007-2、BW-007-3およびBW-007-4の密度は、それぞれ264、263、264mg／cm³であった。このブレンドのグリセロールの量は、約4％から約12％の範囲であった。また同じようなタバコブレンド40％と本発明による喫煙材60％とを混合して種々のサンプルを調整した（サンプルS480、S408、S481、S479、S559、S483、S407）。タバコとシート材のブレンドのグリセロールの総量は、約3.5％から約8％であった。これら特定のブレンドのタバコ部分にはグリセロールを添加しなかった。これらサンプルの密度は、それぞれ315、207、321、324、320、312、227mg／cm³であった。さらに同じ40：60の比でフルーキュアーされたタバコと本発明による喫煙材とで別のサンプルを調整した（サンプルS619、S623、S621、S549、S620）。これらサンプルの密度は、333、299、320、328、255mg／cm³。得られた結果を表４に示す。

この表からエアゾール移動効率、この場合グリセロール移動効率（GTE）は、100％タバコからなるブレンドの場合、グリセロールの量が増加すると減少する。これとは対照的に本発明の紙巻タバコのGTEは、グリセロールを少ない割合で含んでいたS620を除いて、100％タバコの対照紙巻タバコより高い。同じような量のグリセロールを含むサンプル（S559とBW-007-3）を比較した場合、S559は対照サンプルに対して43％高いGTEを得ることができる。グリセロールの充填量が少ない（3.77％）S620でも4.28または4.77のグリセロール充填量の対照100％タバコブレンドと比較した場合、同等のGTEを得ることができ、これは本発明を利用した際のグリセロールの利用効率が高いことを示している。
表４の数値を図４および図５でグラフ化した。

標準ＩＳＯ機械喫煙条件下での主流煙測定を実施例６で使用した１つのサンプルS479を用いて行った。上述したようにS479は、USブレンドスタイルの製品であり、S479で使用したものと同じタバコブレンド100％からなる対照紙巻タバコ（S484）を使用し、同じまたは同様の粒状物送出量の市販紙巻タバコ、マルボロライトと比較した。実際の送出量を表5に示す、またニコチンを除いた乾燥粒状物質（NFDPM）1mgに対して標準化された送出量も併せて示す。

表５の結果は、いくつかの芳香族アミンおよびカルボニルだけでなく、タバコ特有のニトロサミンおよびフェノールが著しく減少したことを示している。ある煙成分は、30％超減少し、他の煙成分は60％超、成分によっては80％程度減少したものもある。
明らかに本発明は、許容可能な煙の味および風味を維持しながら、いくつかの煙成分を減少させる手段を提供している。

標準ISO機械喫煙条件下での主流煙測定をフルーキュアーされた製品（J473）とこれと同じタバコブレンド100％からなる対照紙巻タバコ（T431）を用いて行った。対照紙巻タバコは、下記実施例10で使用したのと同じフルーキュアーされたブレンドを含む。J473のシートは、75％のチョークと、7.5％のアルギン酸ナトリウムと、12.5％グリセロールおよび5％のE150aキャラメルとで構成した。同じまたは同等の粒状物送出量の市販の紙巻タバコ、即ちシルクカットキングサイズ（SCKS）と比較した。実際の送出量を表６に示す、またニコチンを除いた乾燥粒状物質（NFDPM）1mg対して標準化された送出量も併せて示す。

表６の結果は、いくつかの芳香族アミンおよびカルボニルだけでなく、タバコ特有のニトロサミンおよびフェノールが著しく減少したことを示している。ある煙成分は、30％超減少し、他の煙成分は60％超、成分によっては80％または90％程度減少したものもある。
明らかに本発明は、許容可能な煙の味および風味を維持しながら、いくつかの煙成分を減少させる手段を提供している。

本発明の別の特徴は、喫煙材がタバコとブレンドされ、かつ、選択的に煙成分を減少させるフィルターエレメントを使用して揮発性および半揮発性煙相を選択的にろ過する場合に上記成分をさらに減少することができるということである。得られる効果を評価するために次のフィルターサンプルを評価した。標準モノセルロースアセテート（mono CA）サンプルとデュアルセルロースアセテート（Dual CA）サンプルを次に説明する各異なるフィルターの対照として60：40USブレンドタバコブレンドを用いて調整した。セルロースアセテート吸い口部とカーボンダルメシアンタバコロッド部を有するデュアルフィルターエレメント（Carbon Dual、RS164）を作製し、これとは異なるカーボンパッチ（Carbon patch）からなるフィルター（アクティブパッチフィルター（Active Patch Filter））も作製した。表７にこれら紙巻タバコの物理的パラメータの詳細を示す。いくつかの成分の実際の送出量ならびにニコチンを除いた乾燥粒状物質（NFDPM）1mgに対して標準化された送出量も併せて表８に示す。

60：40タバコブレンドにおける本発明の喫煙材とTrionic（登録商標）フィルターを併せた効果を評価するために同じ60：40のブレンドをモノセルロースアセテートトウフィルター、デュアルカーボンフィルターフィルターおよびTrionicフィルターに使用した。対照紙巻タバコとして従来の刻み葉片バージニアタバコ100％とモノセルロースアセテートフィルターからなる紙巻タバコと同じ粒状物質送出量の市販紙巻タバコであるシルクカットエキストラマイルドを使用した。
表９は、メタンとなる炭化水素および総粒状物質（TPM）を示し、表１０は、煙の特定のカルボニル成分のどの程度減少したかを示す。各表は、Trionicフィルターを使用して得られた成分の減少をその他のフィルターエレメントおよび対照サンプルと比較してパーセントで示している。これらの表からTPM1mg当たりのメタンの量が著しく減少し、NFDPM1mg当たりの総カルボニル成分の量も減少していることが確認できる。

米国、メリーランド州、ゲーサーズバーグ所在のナショナルインスティテュートオブスタンダードアンドテクノロジー（National Institute of Standards and Technology （NIST））のOhlemiller, T.J; Villa, K.M, Braun. E., Eberhardt, K. R., Harris R. H., Lawson, J. R. and Gann, R. G等によるNIST Special Report 851（1993）に掲載された「室内装飾品を着火する紙巻タバコの傾向を測定する方法（”Test methods for quantifying the propensity of Cigarettes to ignite soft furnishings”）に記載された方法論を用いてNISTによって特定された試験方法に従って着火傾向試験を実施した。

試験は、本発明による喫煙品からなる40本の非換気紙巻タバコ（S558）を用いて10層のフィルターペーパーに対して行った。40本全てのサンプルが自己消火した。S558紙巻タバコは、27mmのセルロースアセテートフィルターを有し、円周が24.7mmで全長が83.5mmであり、50CUペーパーの密度は、320mg／cm³であった。喫煙材は、タバコ40％と本発明によるシート材料60％で構成した。対照USブレンド（上記コードS484）からなる16本の紙巻タバコも同様に試験した。40本のサンプルS558を３つの異なる重量、即ち1.8Kgおよび2.7Kgおよび4.5kgの3種類のダックファブリック上で試験した。このサンプルは、3種類の全てのダックファブリック上で自己消火した。すべての対照サンプル（S484）は最も重いダックファブリック上では燃えなかったが、これより軽い２つのダックファブリック上では燃えた。

本発明による喫煙品に有用なフィルターエレメントを示す。 本発明による喫煙品に有用なフィルターエレメントを示す。 本発明による喫煙品に有用なフィルターエレメントを示す。 表４の結果を表すグラフ。 表４の結果を表すグラフ。

Claims (67)

1. ラッパーで巻かれた喫煙可能な充填材ロッドからなる喫煙品であって、この喫煙可能な充填材は、非燃焼性無機充填材と、アルギン酸系バインダーと、エアゾール発生手段とからなる喫煙材を含むブレンドであり、前記無機充填材は、凝集体ではなく、エアゾール移動効率がが4.0を越える喫煙品。
2. 前記喫煙材が、その主成分として非燃焼性無機充填材と、バインダーとエアゾール発生手段と、からなり、これら３つの成分が喫煙材の少なくとも85重量％を構成することを特徴とする請求項1記載の喫煙品。
3. 前記３つの成分が、喫煙材の90重量％超を構成することを特徴とする請求項2記載の喫煙品。
4. 前記３つの成分が、喫煙材の94重量％以上を構成することを特徴とする請求項3記載の喫煙品。
5. 前記３つの成分が、喫煙材の100重量％を構成することを特徴とする請求項3記載の喫煙品。
6. 前記無機充填材が、喫煙材の60乃至90重量％の範囲で含有されることを特徴とする先行請求項いずれか1項記載の喫煙品。
7. 前記無機充填材が、喫煙材の70重量％超含有されることを特徴とする請求項6記載の喫煙品。
8. 前記無機充填材が、喫煙材の74重量％超含有されることを特徴とする請求項7記載の喫煙品。
9. 前記無機充填材が、500μm乃至75μmの範囲内の平均粒径を有する材料からなることを特徴とする請求項5乃至8いずれか1項記載の喫煙品。
10. 前記無機充填材の平均粒径が、400μm乃至100μmの範囲内であることを特徴とする請求項9記載の喫煙品。
11. 前記無機充填材の平均粒径が、125μm超であることを特徴とする請求項10記載の喫煙品。
12. 前記無機充填材の平均粒径が、150μm超であることを特徴とする請求項11記載の喫煙品。
13. 前記無機充填材の平均粒径が、170μmであることを特徴とする請求項12記載の喫煙品。
14. 前記無機充填材が、パーライト、アルミナ、珪藻土、炭酸カルシウム（チョーク）、蛭石、酸化マグネシウム、硫化マグネシウム、酸化亜鉛、硫化カルシウム（ジプサム）、酸化鉄、パミス、二酸化チタン、アルミン酸カルシウムもしくはその他の不溶性アルミン酸塩またはその他の無機充填材料の内の１つ以上であることを特徴とする先行請求項いずれか1項に記載の喫煙品。
15. 前記無機充填材の密度の範囲は、0.1乃至5.7g／cm³の範囲であることを特徴とする請求項14記載の喫煙品。
16. 前記無機充填材の密度が、3g／cm³未満であることを特徴とする請求項15記載の喫煙品。
17. 前記無機充填材の密度が、2.5g／cm³未満であることを特徴とする請求項16記載の喫煙品。
18. 前記無機充填材の密度が、2.0g／cm³未満であることを特徴とする請求項17記載の喫煙品。
19. 前記無機充填材の密度が、1.5g／cm³未満であることを特徴とする請求項18記載の喫煙品。
20. 前記バインダーが、喫煙品の5乃至13重量％の範囲内で含有されることを特徴とする先行請求項いずれか1項記載の喫煙品。
21. 前記バインダーが、喫煙品の10重量％未満含有されることを特徴とする請求項20記載の喫煙品。
22. 前記バインダーが、喫煙品の8重量％未満含有されることを特徴とする請求項21記載の喫煙品。
23. 前記バインダーが、喫煙品の7.5重量％未満含有されることを特徴とする請求項22記載の喫煙品。
24. 前記アルギン酸系バインダーが、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウムナトリウム、アルギン酸アンモニウムカルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸マグネシウム、アルギン酸トリエタノール−アミンおよびアルギン酸プロピレングリコールなどの可溶性アルギン酸塩から選択される1つ以上であることを特徴とする請求項20乃至23いずれか1項記載の喫煙品。
25. セルロース系バインダー、ゴムまたはゲルが、前記アルギン酸系バインダーと組み合わせて使用されることを特徴とする請求項20乃至24いずれか1項記載の喫煙品。
26. 前記エアゾール発生手段が、シート材の5乃至20重量％の範囲で含有されることを特徴とする先行請求項いずれか１項に記載の喫煙品。
27. 前記エアゾール発生手段が、シート材の15重量％含有されることを特徴とする請求項26記載の喫煙品。
28. 前記エアゾール発生手段が、シート材の13重量％未満含有されることを特徴とする請求項27記載の喫煙品。
29. 前記エアゾール発生手段が、シート材の７重量％超含有されることを特徴とする請求項26、27または28いずれか1項記載の喫煙品。
30. 前記エアゾール発生手段が、シート材の10重量％超含有されることを特徴とする請求項29記載の喫煙品。
31. 前記エアゾール発生手段が、グリセロール、プロピレングリコールおよびトリエチレングリコールなどの多価アルコール、クエン酸トリエチルまたはトリアセチンなどのエステル、高沸点炭化水素、グリコール、ソルビトールまたは乳酸などの非ポリオールの内の1つ以上から選択されるエアゾール形成手段であることを特徴とする請求項26乃至30いずれか1項記載の喫煙品。
32. 前記喫煙材が、、ココア、甘草、キャラメル、チョコレートおよびトッフィーから選択される着色料および／または風味料を含むことを特徴とする先行請求項いずれか１項に記載の喫煙品。
33. 前記着色料が、前記喫煙材の0乃至10重量％の範囲で含有されることを特徴とする請求項32記載の喫煙品。
34. 前記喫煙可能な充填材の前記タバコ材が、タバコ2乃至6重量％の範囲でエアゾール発生手段を含むことを特徴とする先行請求項いずれか１項に記載の喫煙品。
35. 処理後のタバコ材とシート材のブレンドのエアゾール発生手段の量が、喫煙可能な充填材の4乃至12重量％の範囲内であることを特徴とする先行請求項いずれか1項に記載の喫煙品。
36. 前記喫煙可能な充填材中の喫煙材とタバコ材の含有量が、25：75乃至75：25（喫煙材：タバコ）の範囲内であることを特徴とする先行請求項いずれか1項に記載の喫煙品。
37. 前記ロッドのラッパーが、ラッパーの0.5乃至2.5重量％の範囲の燃焼添加剤を含むことを特徴とする先行請求項いずれか1項に記載の喫煙品。
38. 主流煙のいくつかの揮発性および半揮発性成分を選択的に減少させるように作用するフィルターエレメントをさらに含むことを特徴とする先行請求項いずれか1項に記載の喫煙品。
39. 同じ粒状物質送出量の従来の喫煙品と比較してカルボニル成分が著しく減少することを特徴とする請求項38記載の喫煙品。
40. 前記フィルターエレメントが、セルロースアセテート吸い口部と粒状の吸着材を含むフィルターのタバコ側端部に位置するダルメシアンロッド部と、からなることを特徴とする請求項38記載の喫煙品。
41. 前記フィルターエレメントが、粒状材料を含む中央に位置するキャビティー部を有する2つの端部部分からなるキャビティーフィルターであることを特徴とする請求項38記載の喫煙品。
42. 前記フィルターエレメントが、粒状吸着材または吸着材料が付着したラッパーを含むことを特徴とする請求項38記載の喫煙品。
43. 前記フィルターエレメントが、3重フィルターからなり、その第１部分は、タバコロッドに隣接して位置し、かつ、選択的吸着材料である上流フィルター部であり、第２部分は、一般的な吸着材料である中央フィルター部であり、第3部部は、セルロースアセテートの従来の繊維部である下流または吸い口端に位置する部分であることを特徴とする請求項38記載の喫煙品。
44. 前記フィルターエレメントが、3重フィルターからなり、その第１部分は、タバコロッドに隣接して位置し、かつ、一般的な吸着材料である上流フィルター部であり、第２部分は、選択的吸着材料である中央フィルター部であり、第3部部は、セルロースアセテートの従来の繊維部である下流または吸い口端に位置する部分であることを特徴とする請求項38記載の喫煙品。
45. 前記選択的吸着材料が、特定の煙成分を吸着するために充分な表面積を有する実質的に不活性なキャリアーから構成される表面機能樹脂であることを特徴とする請求項43または44記載の喫煙品。
46. 前記樹脂が、イオン交換樹脂であることを特徴とする請求項45記載の喫煙品。
47. 前記樹脂が、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂マトリックスを含み、１級または2級アミン基で表面機能化されていることを特徴とする請求項46記載の喫煙品。
48. 前記選択的吸着材が、35m²／g超の表面積を有することを特徴とする請求項44乃至47いずれか1項記載の喫煙品。
49. 前記一般的吸着材が、高度な特定性を有さずに煙成分を吸着することが可能な比較的表面積の広い材料の群から選択されることを特徴とする請求項43または44記載の喫煙品。
50. 前記一般的吸着材が、活性化されたチャコール、活性化されたココナッツカーボン、活性化されたコールベースのカーボンまたはチャコール、ゼオライト、シリカゲル、海泡石、活性化されたまたは活性化されていない酸化アルミニウム、炭素繊維またはこれを組み合わせたものから選択されることを特徴とする請求項49記載の喫煙品。
51. 前記吸着材のそれぞれの充填量が、10乃至80mgであることを特徴とする請求項43乃至50いずれか1項記載の喫煙品。
52. 前記充填量が、20乃至60mgの範囲内であることを特徴とする請求項51記載の喫煙品。
53. 前記吸い口端に位置するフィルターが、セルロースアセテートトウ、セルロース、紙、コットン、ポリプロピレンウェブ、ポリプロピレントウ、ポリエステルウェブ、ポリエステルトウまたはこれらを組み合わせたもののいずれかであることを特徴とする請求項43乃至52のいずれか1項記載の喫煙品。
54. 前記フィルターエレメントが、均一化されたフィルター材からなるフィルタープラグと、このフィルタープラグを覆うプラグラッパーと、フィルタープラグの長手方向に延び、かつ、円周方向に間隔をおいて形成された溝と、フィルターエレメントをタバコロッドに連結する換気孔付きチッピング紙とからなり、複数の溝がタバコロッドの側で開口し、フィルターエレメントの長さの一部に亘ってのみ連続的に延び、従ってフィルターエレメントの吸い口端まで延びてなく、これら溝はフィルター軸に対して軸方向に整列し、これら軸方向に延びた溝内に換気孔付きチッピング紙を介して換気空気が入り、吸い口端に延びる溝はいずれも換気されないことを特徴とする請求項38記載の喫煙品。
55. 喫煙品の静的燃焼速度を制御する方法であって、前記喫煙品は、ラッパーで巻かれた喫煙可能な充填材のロッドからなり、この充填材は、非燃焼性無機充填材と、アルギン酸系バインダーと、エアゾール発生手段とからなるある割合の喫煙材料を含み、前記無機充填材料は、平均粒径が500μm乃至20μmの範囲内にある材料をある割合で含み、前記無機充填材の粒径は、所望の静的燃焼速度を供するために選択されおよび／または前記喫煙材料の量は、所望の静的燃焼速度を供するために喫煙可能な充填材のブレンド中のタバコ材料の量と併せて選択されることを特徴とする方法。
56. 前記静的燃焼速度が、3mm／分乃至8mm／分の範囲内であることを特徴とする請求項55記載の方法。
57. 前記ラッパーが、所定の形状の粒状セラミックフィラーと、バインダーと、任意ではあるが燃焼添加剤と、灰形成向上剤と、からなり、前記粒状セラミックフィラーは、ラッパーの乾燥材料の重量で50乃至95％の範囲内で含有されることを特徴とする請求項1乃至54いずれか1項に記載の喫煙品。
58. 前記セラミックフィラーの粒径が、2乃至90μmの範囲内であることを特徴とする請求項57記載の喫煙品。
59. 前記セラミックフィラーの平均粒径が、50μmであることを特徴とする請求項58記載の喫煙品。
60. 前記無機充填材が、アルミナ、シリカ、アルミノ−シリケート、炭化珪素、安定化または非安定化酸化ジルコニウム、ジルコン、ガーネット、長石の内の１つ以上であることを特徴とする請求項57乃至59いずれか1項記載の喫煙品。
61. 前記バインダーが、アルギン酸カルシウム、アルギン酸プロピレングリコールなどのアルギン酸塩、ゴム、変性または天然セルロース、ペクチンまたはペクチン系バインダーおよびこれらバインダーのI族またはII族の金属塩の内の１つ以上から選択される有機バインダーであることを特徴とする請求項57乃至60いずれか1項に記載の喫煙品。
62. 前記バインダーが、活性化されたアルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウムまたは不活性クレーのうちの1つ以上から選択される無機バインダーであることを特徴とする請求項61記載の喫煙品。
63. 前記バインダーが、ラッパーの乾燥材料の重量の3乃至30％の範囲で含有されることを特徴とする請求項57乃至62いずれか1項記載の喫煙品。
64. 燃焼添加剤が、ラッパーの乾燥材料の重量の1乃至15％の範囲内でラッパーに含有されることを特徴とする請求項57乃至63いずれか1項に記載の喫煙品。
65. 本明細書中の実施例のいずれか１つに記載の喫煙材料。
66. 本明細書中の実施例のいずれか１つに記載の喫煙品。
67. 添付図面の1、２または3に示すフィルターを含む喫煙品。
    
    

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