JP2005523360A - 共役分子の製造および製造において使用するための物質 - Google Patents

共役分子の製造および製造において使用するための物質 Download PDF

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Abstract

第2のモノマーにカップリングされた第1のモノマーを含む共役分子の製造法であって、前記製造法は、(i)ゲルミル連結基のゲルマニウム原子を介して固体担体に第1のモノマーを連結する工程;(ii)前記第1のモノマーをカップリング位置において第2のモノマーにカップリングして結合した共役分子を形成させる工程、このとき前記第2のモノマーは、カップリングがなされない位置に保護基を有する;(iii)所望により、第3、第4、...および第nのモノマーを、それぞれ前記の第2、第3、...および第(n−1)のモノマーに逐次カップリングさせる工程;(iv)前記保護基を除去する工程;および(v)ipso-脱ゲルミル化を行って、前記結合した共役分子を放出させる工程;を含む。

Description

発明の分野
本発明は、改良されたカップリング工程を含む、共役ポリマーまたは共役オリゴマー〔特に、ポリアリール、ポリヘテロサイクル(例えばポリヘテロアリール)、またはブロックオリゴヘテロサイクルを含めたオリゴヘテロサイクル〕等の共役分子の製造法に関する。
ポリヘテロアリールやオリゴヘテロアリール等の電気活性物質は、トランジスタ(例えば、携帯電話、電卓、およびスマートカード等に使用可能な電界効果トランジスタ(FET))やLED等の電子デバイスへの活用を可能にする光学的および電子的特性によって、広範な学術的・商業的関心を引き起こしている。例えば、有機半導体は、加工とパターニングに対するコストが低い、大きな面積での加工が可能、および同調に対する範囲がより広いという点で、無機半導体を凌ぐ潜在的な利点を有する。これとは別に、アクリル前駆体から合成することで高純度の化合物が得られるが、構成が極めて複雑になることがあり、相当量の物質損失を容認しなければならない。
優れた有機半導体は、ソリッドステートにおいて効率的な整列と配列が可能になるよう、部位規則性において相当な統制度を有するようである。このような物質の電気的性能が向上するにつれて、こうした物質を製造することが、21世紀におけるスペシャリティケミカルの大きな可能性の1つになってきている。
繰り返しカップリング反応を使用してポリヘテロサイクルやオリゴヘテロサイクルを標的にするために液相化学を利用することができるけれども、要求される純度レベルを満たすのに必要とされる精製方法が非効率的であり、商業的な適用可能性の点で問題のある方法となる。さらに、液相クロスカップリング反応(例えば、Suzuki、Kharasch、Stille、またはNegishiタイプのプロセス)を使用してオリゴヘテロサイクル(例えばオリゴチオフェン)を製造するための従来の方法は、ホモカップリングや官能基の消失等の望ましくない副反応によって悩まされ、このため精製が困難で且つ非効率的となる。
したがって、オリゴマー鎖中に組み込まれるモノマー単位の数、および/または、モノマー単位の配列順序(2種以上のモノマーが存在する場合)に対する制御が可能なプロセスを提供することが望ましい。
液相化学を凌ぐ固相化学(すなわち、固体担体を使用する化学)の利点としては、精製が容易であること、自動化しやすいこと、精製を面倒なものにするという不利益をきたすことなく、反応を完全に進行させるために過剰の試剤を使用できること、およびホモカップリングを防止する希釈効果(部位隔離)をもたらすこと、などがある。これらの理由から、固相合成は、ポリヘテロサイクルやオリゴヘテロサイクルを大規模に製造するための魅力的な代替法と考えられるが、これまでのところ殆ど研究が進められていない。固体ポリマー担体による合成は、液相合成に2つの工程を追加する必要がある。すなわち、リンカーを介して、第1のモノマーを担体に共有結合させること、および担体からポリマーを開裂させること、である。
開裂に際しては、共役分子からリンカー基を取り除き、さらなる反応において使用するための官能基で必要に応じて置換するのが望ましい。
固相合成を使用する上での1つの欠点は、樹脂/リンカーからの開裂に際して、ポリマー物質の性能に対して有害になる望ましくない官能基が分子上に残ることがある、ということである。公知のプロセスにおける結合は、一般には“保護基”をベースとするリンカーを介してなされ、このことは、第1のモノマー中に組み込まれていた官能基(例えば、OHやCOOH)がポリマー開裂に際して再生される、ということを意味している。このような官能価は、意図している応用に対して望ましくない場合がある。例えば、「Malenfant and Frechet,Chem.Commun,1998,2657-2658」は、臭素化とStille反応を交互に行うことで、エステル結合によってクロロメチル化マクロポーラス樹脂に結合された不斉オリゴチオフェンを合成することを開示している。MalenfantはWang樹脂(図1における1)を利用しており、この樹脂には、その後の脱炭酸反応を必要とするエステルが残存している。ベンジルエステルでキャップしたポリチオフェンの類似の樹脂担持合成(Suzukiカップリング工程とヨウ素化カップリング工程を交互に行う)が「Kirchbaum et al,Synthetic Metals,119(2001),127-128」に開示されている。「Bauerle et al,J.Org.Chem.,2000,65,352-359」は、ipso-プロト脱シリル化(ipso-protodesilylation)(すなわち、シリル基がプロトンで置き換わる)によって、跡を残さない開裂を可能にしたケイ素ベースのリンカー(図1における2)を使用することでこの複雑さを回避した。
したがって1つの態様においては、本発明は、第2のモノマーにカップリングされた第1のモノマーを含む共役分子の製造法を提供し、前記製造法は、
(A) ゲルミル連結基のゲルマニウム原子を介して固体担体に第1のモノマーを連結すること;
(B) 必要に応じて前記第1のモノマー上のある位置を活性化し、前記第1のモノマーをカップリング位置にて第2のモノマーにカップリングさせて結合した共役分子を形成させること、このとき前記第2のモノマーは、カップリングがなされない位置に保護基を有する、そして必要に応じてこのカップリングを繰り返してより高度の転化を果たすこと;
(C) 所望により、前記保護基を除去して、1種以上のさらなるモノマー分子を使用して(B)を1回以上繰り返す、所望により、保護基をもたないモノマー分子を使用するか又は保護基が存在する場合は必要に応じて保護基を除去する工程;
(D) 必要に応じて保護基を除去する工程;および
(E) ipso-脱ゲルミル化を行って、前記結合した共役分子を放出させる工程;
を含む。
ipso-脱ゲルミル化(ipso-degermylation)とは、ゲルミル基を、水素またはさらなる反応が可能な官能基であってよい他の基で置き換えることを意味している。
得られる生成物は、ホモポリマーであっても、あるいはコポリマーであってもよい。
共役分子(例えば、ポリアリールやポリヘテロサイクル)の固相合成は、カップリングのレベルを高いレベルに推し進めて最終生成物の純度を高めることができるよう、単一のカップリング工程に対して複数のカップリング反応を可能にする“ダブルカップリング法(double coupling strategy)”を使用することによって改良するのが好ましい。本発明はさらに、ゲルミル連結基によって固体担体に連結された第1のモノマーを保護された第2のモノマー(この保護基により、カップリング生成物はその後のカップリング反応に対して不活性になる)にカップリングさせる、という共役分子の固相合成を提供する。
したがって、このような固相化学においては、結合したゲルミル連結基を含む固体担体を、所望により少なくとも2つの連続した段階にて第1のモノマーとカップリングさせて、第1のモノマーとカップリングしたゲルミル基の割合を最大にし、そして担体に連結された各モノマー(またはその後のオリゴマー)の、その後の保護されたモノマーへのカップリングを少なくとも2つの連続した段階にて行って、連結したモノマーまたはオリゴマー(その後の反応に使用される)の割合を最大にすることができる。第2の又はその後のモノマーとの反応が完了する前にカップリング基が失われた場合は、可能であれば、カップリング基を再形成させ、所望の生成物が得られるまで前記モノマーと再び反応させるのが好ましい。こうした手段により、生成物の均一性が可能な限り高められる。
“共役分子”という用語は、オリゴマーとコオリゴマーを含めた、高分子量もしくは低分子量のポリマーおよびコポリマーを含むよう意図されている。共役分子は共役オリゴマーであるのが好ましい。一般には、本発明の方法を使用して、単純なダイマーからより複雑なブロックコポリマー(例えばブロックコオリゴマー)までの範囲の共役分子を合成することができる。
“モノマー”という用語は、単一のモノマー単位または複数のモノマー単位のブロックを含むよう意図されている。
本発明の1つの実施態様においては、第1、第2、および第nのモノマーのそれぞれが、共役分子の−系に寄与することができる。例えば、第1、第2、および第nのモノマーは、環置換されていてもよい単環式もしくは多環式(例えば縮合多環式)の不飽和炭化水素(例えば炭素芳香族)モノマー単位、環置換されていてもよい単環式もしくは多環式(例えば縮合多環式)の不飽和複素環式(例えばヘテロ芳香族)モノマー単位、非環式の不飽和炭化水素架橋モノマー単位、およびヘテロ原子(またはポリヘテロ原子)架橋モノマー単位からなるモノマー単位の群から独立的に選択することができる。第1、第2、および第nのモノマーは、同一であっても異なっていてもよい。任意の環置換基は、共役分子の電子特性(または他の特性)を向上させるように選択することができる(例えば、電子吸引効果または電子供与効果を有する置換基)。
共役ポリマーは、第1、第2、および第nのモノマーの少なくとも1種(好ましくは少なくとも第1のモノマー)が、環置換されていてもよい複素環式モノマー単位である、という場合のポリヘテロサイクルであるのが好ましい。第1、第2、および第nのモノマーの2種以上(例えば全て)が、環置換されていてもよい複素環式モノマー単位であるのが好ましい。第1、第2、および第nのモノマーの少なくとも1種が、5員もしくは6員の環置換されていてもよい複素環式モノマー単位であるのが好ましい。環置換されていてもよい複素環式モノマー単位は、1つ、2つ、または3つの複素環原子(heterocyclic atom)を含んでよく、複素環原子は同一であっても異なっていてもよい。複素環原子(または各複素環原子)は、窒素、イオウ、酸素、リン、およびセレンからなる群から選択されるのが好ましく、窒素、酸素、およびイオウからなる群から選択されるのが好ましく、窒素とイオウからなる群から選択されるのが特に好ましい。
“ポリヘテロサイクル”という用語は、オリゴマーとコオリゴマーを含めた、高分子量または低分子量のポリマーとコポリマーを含むよう意図されている。ポリヘテロサイクルはオリゴヘテロサイクルであるのが好ましい。一般には、本発明の方法を使用して、単純なダイマーからより複雑なブロックコポリマー(ブロックコオリゴマーを含む)までの範囲のポリヘテロサイクルを合成することができる。
第1、第2、および第nのモノマーの少なくとも1種(好ましくは少なくとも第1のモノマー)が、環置換されていてもよい単環式もしくは多環式(例えば縮合多環式)の不飽和炭化水素(例えば炭素芳香族)モノマー単位であるのが好ましい。例えば、共役分子はポリアリールであってよい。第1、第2、および第nのモノマーの少なくとも1種が、環置換されていてもよいフェニレンモノマー単位、スチリルモノマー単位、またはアニリノモノマー単位であるのが特に好ましく、式-Ar’NAr”’Ar”-で示される少なくとも1種のモノマーが存在するのが適切であり、このとき基Ar’、Ar”、およびAr”’はアリール基であり、前記アリール基はフェニル基であってよい。Ar”’は、電子吸引効果または電子供与効果を有する基で置換(例えば、オルト置換またはパラ置換)されていてもよい。
第1、第2、および第nのモノマーの少なくとも1種が、アルケノ架橋モノマー単位およびアルキノ架橋モノマー単位からなる群から選択される非環式の不飽和炭化水素架橋モノマー単位であるのが好ましい。非環式の不飽和炭化水素架橋モノマー単位は、式[CR=CR]n(式中、nは1〜5、好ましくは1〜3であり、Rは水素またはC1-6-アルキル基である)で示されるモノマー単位、または式[C≡C]m(式中、mは1〜3である)で示されるモノマー単位であるのが好ましい。好ましい例は、エテノ架橋モノマー単位、エチノ架橋モノマー単位、およびブタ[1,3]ジエノ架橋モノマー単位である。
第1、第2、および第nのモノマーの少なくとも1種(すなわち、モノマーのいずれか)は、例えば、環置換されていてもよいチオフェン、フラン、ピリジン、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラン、ピラジン、ピリダジン、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、トリアゾール、オキサジアゾール、ピロール、インダゾール、インドール、インドリジン、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、およびフェニルからなるモノマー単位の群から選択される。第1、第2、および第nのモノマー単位の少なくとも1種(好ましくは2種以上)が、環置換されていてもよいチオフェンとピリジンからなる群から選択されるのが好ましく、特に好ましいのは、3位または4位がアルキル基(例えば、ヘキシルやオクチル等のC1-12-アルキル)またはアリール基(例えばフェニル基)で置換されていてもよいチオフェンである。
必要に応じて、第1、第2、および第nのモノマーの少なくとも1種(好ましくは第1と第2のモノマー)がモノマー単位のブロックであってよく、このとき各モノマー単位は前記にて定義した通りである。
共役分子は一般に、最大20までの、好ましくは最大10までのモノマー単位を含む。
第1のモノマーが2つの反応性部位を有していれば、二方向の合成が可能である。例えば、第1のモノマーが3位においてゲルマニウムに結合したチオフェンである場合、別個の合成工程を必要とすることなく、2位と5位において同時にカップリングさせることが可能である。
任意の適切な保護基を使用して、第2のモノマーのカップリングがなされない位置を保護することができるけれども、ゲルマニウムとケイ素との反応性の好都合な差異を利用するためにはシリルベースの保護基が好ましい。例としては、Me3Si(TMS)、Et3Si、iPr3Si、Me2 tBuSi、およびMe2PhSiなどがある。特に好ましい例は、TMS(トリメチルシラン)またはtert-ブチルジメチルシランである。対応するシリルオキシ基も使用することができる。
工程(D)は、工程(E)の前に行っても、工程(E)の後に行っても、あるいは工程(E)と同時に行ってもよく、これにより、有用な末端官能価を有する対称的に末端官能化された分子、すなわちテレケリック分子が得られる。シリル保護基は、工程(C)において、塩基供給源(basic sources)(例えば、K3PO4やCs2CO3)および/またはフッ化物供給源(fluoride sources)(例えば、CsFやnBu4NF)を使用して求核反応により除去することもできるし、あるいは例えば後述の求電子試剤試剤を使用して求電子反応により除去することもできる。
工程(D)のipso-脱ゲルミル化は、ipso-プロト脱ゲルミル化であっても、あるいは求電子ipso-脱ゲルミル化(例えばipso-ハロ脱ゲルミル化)であってもよい。
例えば、ipso-プロト脱ゲルミル化は、保護基(例えばシリル基)の除去に対して使用される条件より一般には温和な条件下にて、強い有機酸(例えば、トリフルオロ酢酸(TFA)、HCO2H、AcOH、ClCH2CO2H、またはCl2CHCO2H)、無機酸(例えば、HCl、H2SO4、またはHF)、またはフッ化物イオン供給源(例えば、CsFやBu4NF)を使用して行うことができる。
求電子ipso-脱ゲルミル化は、ハロニウムイオン(F+、Cl+、Br+、またはI+)、NO+、NO2 +、SO3 +、RCO+、RSO2 +、BHal2 +(例えばBCl2 +)、またはB(OH)2 +の供給源を使用して行うことができる。条件が温和な場合は、保護基が完全な状態で残って、保護された共役分子が放出される。工程(C)において異なった求電子試剤を使用して保護基を引き続き除去することにより、好ましい形で不斉共役分子が得られる。より強制的な条件(more forcing conditions)下では、保護基を同時に除去することができ(例えば、求電子ipso-脱シリル化)、対称的に末端官能化された共役分子が有利な形で放出される。
ipso-ハロ脱ゲルミル化は、ハロニウムイオン(X+)の供給源を使用して行うことができる。例えば、ipso-ブロモ脱ゲルミル化は、ブロモニウムイオン(Br+)の供給源(例えば、臭素やN-ブロモスクシンイミド(NBS))を使用して行うことができ、ipso-ヨード脱ゲルミル化は、ヨードニウムイオン(I+)の供給源(例えば、ヨウ素、ICl、またはN-ヨードスクシンイミド(NIS))を使用して行うことができ、そしてipso-クロロ脱ゲルミル化は、クロロニウムイオン(Cl+)の供給源(例えば、N-クロロスクシンイミド(NCS)、ジクロラミン-T、または塩素)を使用して行うことができる。酸化性条件によって悪影響を受けないポリマーやオリゴマーの場合、ハロニウムイオンを調製するための低コストで好ましい工程は、第I族金属のハロゲン化物を酸化剤と共に使用するという工程である。例えば、NaBrをH2O2または好ましくはジクロラミン-T等の酸化剤と共に使用して、ブロモニウムイオンを生成させることができる。
好ましい実施態様においては、工程(E)は、官能化されたブロック共役ポリマーAYを使用してipso-脱ゲルミル化することを含む。
本実施態様は、種々の(しかし正確には解明されていない)トポロジーを有するブロックコオリゴマーを放出する点で有利である。化合物AYは、官能化されたブロック共役ポリマー(または官能化されたブロック共役オリゴマー)であるのが好ましく、ブロック共役ポリマー基Yは、前記にて定義したモノマー単位のブロックであるのが好ましい。例えば、基Yは、二量体、三量体、四量体、五量体、もしくは六量体のチオフェンブロックまたはピリジンブロックであってよい。官能価Aは、一般には臭素またはヨウ素であり、好ましいのは臭素である。
ipso-脱ゲルミル化開裂によって新たなC-C結合を有利に結成させて、共役分子に望ましい電子特性を導入すべく適応させることのできる末端キャップ基を残すことができる。例えば、フリーデル・クラフツ試剤(例えば、カルボン酸塩化物とルイス酸)等のアシリウムイオン供給源を使用してipso-脱ゲルミル化を行って、ケトン末端基を残すことができる。例えば、適切なリガンド(例えばホスフィンリガンド)を有する触媒量のPd(0)と、ゲルマニウムを超原子価にすることができる試剤(例えば、CsFやBu4NF等のフッ化物イオン供給源)との存在下にて、アリールハライド、ヘテロアリールハライド、ビニルハライド、ベンジルハライド、アリルハライド、アルキニルハライド、プロパルギルハライド(I、Br、またはCl)、スルホン酸エステル(トリフラート、ノシラート、メシラート、またはトシラート)、またはジアゾニウム塩(N2 +)を使用して、ゲルミル-Stilleタイプの開裂にしたがってipso-脱ゲルミル化を行って、それぞれアリール末端基、ヘテロアリール末端基、ビニル末端基、ベンジル末端基、アリル末端基、アルキニル末端基、またはプロパルギル末端基を残すことができる。一般には、ipso-脱ゲルミル化開裂は、保護基を完全な状態で残すのに適した条件下で行うことができる。次いで、前記したような求電子基を使用して求電子反応による保護基の除去を、あるいは塩基(例えばCsFやK3PO4)を使用して求核反応による保護基の除去を行って、非対称の共役分子を得ることができる。
求電子ipso-脱ゲルミル化は共役分子上に末端官能価を残すという点で有利であり、引き続きこの末端官能価を、共役分子の特性(例えば電気活性)を高めるように選定された基で置き換えることができる。例えば、末端官能価を、ブロックコオリゴヘテロサイクル(block co-oligoheterocycles)の液相合成が容易になるよう調整することができ、これにより有望と思われる電気活性材料を作製する上での多用性がより大きくなる。
したがって好ましい実施態様においては、工程(E)は
(E1)求電子基Eを使用してipso-脱ゲルミル化を行って、末端官能価Eを有する結合した共役分子(P)を放出させること;
を含み、本発明の方法はさらに
(E)末端官能価Eを有する共役分子(P)と化合物A’Y’(式中、基Y’は、末端官能価Eに置き換わることができる)とを反応させること;
を含む。
末端官能価Eは、末端カルボキシル〔またはその誘導体(例えばエステル)〕以外であるのが好ましい。末端官能価Eは、臭素、ヨウ素、またはホウ素基(a boronic group)〔例えばボロン酸またはその誘導体(例えばエステル誘導体)〕であるのが特に好ましい。好ましいのは式-B(OR)n(後述)で示されるボロン酸基であり、特に好ましいのはB(OH)2である。
基Y’は、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基(例えばC1-6-アルキル基)、アリール基、ベンジル基、ビニル基、プロパルギル基、アリル基、またはアルキニル基であってもよいし、あるいはオリゴヘテロサイクル基等の共役分子であってもよい。
化合物A’Y’は、官能化されたブロック共役ポリマー(または官能化されたブロック共役オリゴマー)であるのが好ましく、このときブロック共役ポリマー基Y’は、前記した共役分子のブロックであるのが好ましい。例えば、基Y’は、二量体、三量体、四量体、五量体、もしくは六量体のチオフェンブロックまたはピリジンブロックであってよい。官能価A’は、一般には臭素、ヨウ素、または金属例えば有機金属官能価(例えば、有機ホウ素官能価、有機マグネシウム官能価、有機亜鉛官能価、または有機スズ官能価)である。好ましいのはホウ素官能価(a boronic functionality)(例えば、後述する有機ホウ素官能価-B(OR)n)であり、特に好ましいのはB(OH)2である。本実施態様においては、工程(D)は、パラジウムやニッケル等の触媒の存在下で行うことができる。
言うまでもないが、本実施態様により、種々の明確なトポロジーを有するブロック共役分子の合成が可能となる。例えば、PY’、PY’P、およびPY’P’(PとY’は前記した通りであり、Pと異なるP’は、前記したモノマー単位のブロックである)等のある範囲のブロック共役コオリゴマーを合成することが可能となる。
工程(E)のipso-脱ゲルミル化に対する正確な条件は、共役(例えば複素環)系の電子特性に対する感度を反映するよう当業者によって最適化することができる。例えば、一般にはチオフェン等の電子リッチなヘテロサイクルは極めて容易に開裂するが、ピリジン等の電子不足のヘテロサイクルはより強制的な条件を必要とする。さらに、工程(E)の前または後に、あるいは工程(E)と同時に工程(D)を行うよう条件を調整することもできる。
工程(B)は、適切なカップリングプロトコルを使用して行うことができる。このようなプロトコルの多くは当業界に確立されており、当業者には周知のことである(特に、「Loewe et al.,Adv.Mater.1999,11,250-257」を参照)。こうしたプロトコルとしては、Suzukiタイプ、Kharasch(例えばMcCullough)タイプ、Stilleタイプ、およびNegishiタイプの反応があり、好ましいのはSuzukiタイプまたはKharaschタイプの反応である。工程(B)は一般に、ニッケルや(好ましくは)パラジウム等の遷移金属触媒の存在下で行われる。
好ましい実施態様においては、工程(B)がさらに、
(B1)例えば、第1のモノマーのカップリング位置をハロゲン化することによって活性化すること;および
(B2)工程(B1)の生成物と、カップリング位置がメタル化された第2のモノマーとを反応させること;
を含む。
本実施態様は、不動態化された第1のモノマーを、ipso-脱ゲルミル化開裂を起こすことなくカップリング位置において選択的にハロゲン化できる、という事実に基づいている。
本発明の方法は、工程(B1)の前に、
(B0) 例えばnBuLiまたはリチウムジイソプロピルアミド(LDA)を使用して、第1のモノマーのカップリング位置をリチウム化すること;
をさらに含んでよい。
工程(B1)は、例えば、酢酸塩やヘキサン酸塩等の水銀塩の存在下にて臭素やヨウ素を使用して、あるいは好ましくはより温和なヨードニウムイオン供給源を使用して行うことができる。ヨードニウムイオン供給源は1,2-ジヨードエタンであるのが好ましい。1,2-ジヨードエタンによるハロゲン化は、周囲の明るさを抑えた状態で(例えば暗所で)行うのが特に好ましい。ハロゲン化は、工程(B0)において使用されるリウウム化剤(好ましくはLDA)の量の少なくとも1倍過剰量の1,2-ジヨードエタンを使用して行うのが特に好ましい。
他の実施態様においては、工程(B)が、
(B1’)第1のモノマーのカップリング位置をメタル化すること;および
(B2’)工程(B1’)の生成物と、カップリング位置がハロゲン化された第2のモノマーとを反応させること;
を含む。
本実施態様は、不動態化された第1のモノマーを、ipso-脱ゲルミル化開裂を起こすことなくカップリング位置において選択的にメタル化(すなわちトランスメタル化)することができる、という事実に基づいている。例えば、不動態化された第1のモノマーは、nBuLiやトランスメタル化用の有機金属化合物を使用してトランスメタル化することができる。
他の好ましい実施態様においては、工程(B1’)が、(B1’a)例えばnBuLiの存在下にて第1のモノマーのカップリング位置をリチウム化すること;および(B1’b)第1のモノマーのカップリング位置をトランスメタル化すること;を含む。第1のモノマーは、nBuLi等の強塩基に対して安定であるのが好ましい。ピリジンとチオフェンの場合、本実施態様により、一般には、複素環原子に隣接したカップリング位置においてリチウム化とトランスメタル化が引き起こされる。
第1のモノマーまたは第2のモノマーは、そのカップリング位置を金属性基(a metallic group)(例えば有機金属基)でメタル化(すなわちトランスメタル化)することができる。例えば、金属性基は、有機ホウ素基、有機マグネシウム基、有機スズ基、および有機亜鉛基から選択することができる。好ましいのは、ボロン酸基やそれらの誘導体(例えばそれらのエステル誘導体)等の有機ホウ素基である。有機ホウ素基は、式
-B(OR)n
(式中、nは2または3であり;各Rは独立的に、水素または置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状のC1-6-アルキル基であるか、あるいは2つのR基が、2つの酸素原子間を繋ぐ置換されていてもよいアルカノ架橋基を示す)で示される基であるのが特に好ましい。
本明細書の目的に適合するよう、我々はホウ素を金属であると規定する。
例えば、2つのR基は、2つの酸素原子間を繋ぐ置換されていてもよいエタノ架橋基もしくはプロパノ架橋基を示してもよい。好ましいのは、2つの酸素原子間を繋いでいて、各炭素がジアルキル(例えばジメチル)置換されたエタノ架橋基である。
好ましいのは、超原子価のボロネート錯体またはボロン酸エステル群(もしくはそれらの超原子価錯体)である。弱塩基(例えばNaHCO3)を使用するのが有利である。特に好ましいのは、塩基を加える必要がない(したがってシリル保護基が実質的に除去されない)という点で有利な超原子価のボロネート錯体である。超原子価のボロネート錯体は、適切な金属対イオン(例えばNaやLi、好ましいのはLi)を有する超原子価のアルキルボロネート錯体であってよい。好ましいのは超原子価のエチルボロネート錯体であり、塩基が存在しないのが特に好ましい。
本発明の方法における第1および/または第2のモノマーとして有用な特定の超原子価有機ホウ素中間体は改良されたカップリングをもたらすことがあり、したがって新規であることそれ自体に特許性がある。
さらに他の態様においては、本発明は、式
[X-B(OR)3]M
〔式中、Mは対イオンであり;Xは、環置換されていてもよい単環式もしくは多環式(例えば縮合多環式)の不飽和炭化水素成分または不飽和複素環式成分であり;各R基は独立的に、水素または置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状のC1-6-アルキル基であるか、あるいは2つのR基が、2つの酸素原子間を繋ぐ置換されていてもよいアルカノ架橋基を示す〕で示される化合物を提供する。
基B(OR)3はピナコラート基を含んでよい。例えば、2つのR基が、2つの酸素原子間を繋ぐ置換されていてもよいエタノ架橋基またはプロパノ架橋基を示してもよい。好ましいのは、2つの酸素原子間を繋ぐエタノ架橋基であり、各炭素がジアルキル(例えばジメチル)置換されているのが好ましい。
好ましい実施態様においては、各Rが同一であって、C1-6-アルキル基である。本実施態様の超原子価のボロネート錯体は、塩基の添加を必要としない(したがって、シリル保護基が除去されにくい)のが有利である。特に好ましいのは超原子価のエチルボロネート錯体(すなわちRがエチル)である。
基Xは、環置換されていてもよい複素環成分であってよい。複素環成分は、1つ、2つ、または3つの複素環原子を含んでよく、複素環原子は、同一であっても異なっていてもよい。複素環原子(または各複素環原子)は、窒素、イオウ、酸素、リン、およびセレンからなる群から選択され、好ましくは窒素、酸素、およびイオウからなる群から選択され、特に好ましくは窒素とイオウからなる群から選択される。複素環成分は、5員または6員の環置換されていてもよい複素環成分であるのが好ましい。
例えば、複素環成分は、環置換されていてもよいチオフェン、フラン、ピリジン、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラン、ピラジン、ピリダジン、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、トリアゾール、オキサジアゾール、ピロール、インダゾール、インドール、インドリジン、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、およびフェニルからなる群から選択することができる。複素環成分は、環置換されていてもよいチオフェンとピリジンからなる群から選択されるのが好ましく、3位がアルキル基(例えば、ヘキシルやオクチル等のC1-8-アルキル基)またはアリール基(例えばフェニル基)で置換されていてもよいチオフェンであるのが特に好ましい。
対イオンMは、適切な金属対イオン(例えばNaやLi、好ましいのはLi)であってよい。固体担体は、選定されたパラメーター(例えば、溶媒、温度、試剤)およびカップリング反応の進行をモニターするための選定された手段(例えば、IRやMAS NMR)に対して適合したいかなる担体であってもよい。適切な固体担体は、表面(surfaces)、ビーズ、またはファイバーであってよく、一般には、樹脂(好ましくはマクロポーラス樹脂)、テンタゲル(tentagels)、またはポリスチレンを含めたポリマーである。樹脂は、連結工程(A)を容易にするためにヒドロキシ官能化してもよいし(例えば、ARGOGEL(商標)等のポリエチレングリコールベースの樹脂)、あるいはクロロメチル化してもよい(例えばクロロメチル化ポリスチレン)。
好ましい実施態様においては、工程(A)は、
(A1)不動態化されたゲルミル連結基を固体担体上に得ること;および
(A2)不動態化されたゲルミル連結基のゲルマニウムに第1のモノマーを連結すること;
を含む。
不動態化されたゲルミル連結基は、固体担体上にあらかじめ作製しておくこともできるし、あるいは必要に応じてその場で作製することもできる。例えば、不動態化されたゲルミル連結基は、ゲルマニウムであらかじめ官能化された固体担体(例えば樹脂)から作製することができる。例えば、あらかじめ作製されたゲルマニウム含有スチレニルモノマー(a pre-prepared germane-containing styrenyl monomer)を架橋剤を使用して共重合させて、ゲルマニウム官能化ポリスチレン(germanium functionalized polystyrene)(工程(A2)を行うべく直接活性化することができる)を得ることができる。
工程(A)に関して、適切な試剤と条件は当業者によく知られており、特に、「Denat et al,Synthesis 1992,954-956」および「Lukevics et al,J.Organomet.Chem.,1988,20,69-210」に記載されている。
第1のモノマーをメタル化(好ましくはリチウム化)し、工程(A2)において不動態化されたゲルミル連結基と反応させることができる。この目的に適うよう、不動態化されたゲルミル連結基は適切な離脱基(好ましくは塩化物(chloride))を有する。第1のモノマーに対し、選定された位置(例えば、チオフェン、ピロール、およびフランの2位、3位、または2位と5位、およびピリジンの2位または3位)をメタル化することができ、このとき必要に応じて他の位置を保護することができる。選定された位置は、例えば、直接メタル化(例えば、LDAを使用して直接リチウム化)することもできるし、あるいはハロゲン置換(例えばブロモ置換)された第1のモノマーのハロゲン-金属交換によって(例えばn-BuLiを使用して)メタル化することもできる。不動態化されたゲルミル連結基のゲルマニウムを電気陰性基に結合して、連結工程(A2)を促進させることができる。
これとは別に、第1のモノマーを、工程(A2)においてクロスカップリングによって連結することもできる。この目的に適うよう、第1のモノマーをハロゲン化することができる。

第1のモノマーに対し、選定された位置(例えば、チオフェン、ピロール、およびフランの2位、3位、または2位と5位、およびピリジンの2位または3位)をハロゲン化することができ、このとき必要に応じて他の位置を保護することができる。このようなクロスカップリング反応は一般に、温和な塩基の存在下にてPd(0)触媒によって促進される。
工程(A1)は、
(A1’)不動態化可能なゲルミルリンカーを固体担体上に不動態化して、不動態化されたゲルミル連結基を形成させること;
を含んでよい。
不動態化可能な適切なゲルミルリンカー、ならびに工程(A1)、(A1’)、および(A2)を行うための方法は当業者によく知られており、特に、「Spivey et al,Chem Commun.,1999,835-836」および「Spivey et al,J.Org.Chem.,2000,65,5253-5263」に記載されている。
一般には、不動態化可能なゲルミルリンカーはGeCl4から誘導可能であり、式
ZGeR2X
〔式中、各R基は同一であっても異なっていてもよく、アルキル(例えば、メチル、エチル、ブチル、またはイソプロピル)、アリール、CF3、電気陰性基、またはこれらの前駆体であり;Xは、H、離脱基(例えば、OCOCF3、OSO3H、またはハロゲン化物(例えば塩化物)、または基MR’nであり;Mは、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、またはホウ素であり;R’は、アルキル(例えばC1-6-アルキル)、アリール、またはアルコキシ(例えばC1-6-アルコキシ)であり;Zは不動態化用の基(an immobilizing group)である〕で示される。
XがHまたは基MR’nである場合、第1のモノマーは、工程(A2)においてクロスカップリング反応によって結合することができる。この目的に適うよう、第1のモノマーをハロゲン化し、不動態化されたゲルミル連結基と反応させることができる。Mは、ケイ素、ゲルマニウム、またはホウ素であるのが好ましい。
R基の1つは、連結工程(A2)におけるその後のゲルマニウム開裂(例えば、ゲルミル-Stilleタイプの開裂)の効率を有利に向上させる電気陰性基であるのが好ましい。電気陰性基は、酸素結合基、窒素結合基、またはハロゲン化物等の非炭素結合基であってよい。電気陰性基は、アルコキシ基またはアミノ基であるのが好ましい。好ましいアルコキシ基RはOR1(式中、R1はC1-6-アルキルである)である。好ましいアミノ基RはNR2 2(式中、R2はC1-6-アルキルである)である。
R基の1つが電気陰性基の前駆体である場合、工程(A2)の前に、
(A0)式ZGeR2Xの不動態化可能なゲルミルリンカーを、R基の1つが電気陰性基である場合の式ZGeR2Xの不動態化可能なゲルミルリンカーに転化させること;
を行う。
本実施態様は、不動態化可能な安定なゲルミルリンカー前駆体が、工程(A2)においてより効率的な開裂を受ける不動態化ゲルミルリンカー基に転化されるのを可能にするので有用である。工程(A0)は、酸化性の条件下で行うことができる(例えば、Germa-PolonovoskiタイプまたはGerma-Pummererタイプの反応)。
不動態化用の基Zは、固体担体へのMitsunobuタイプまたはWilliamsonタイプの不動態化を受けるよう適合させることができる。適切な不動態化用基Zとしては、例えば、適切に官能化された樹脂上にエーテル化によって不動態化するための、ヒドロキシル化された基(例えば末端ヒドロキシ含有基)等のエーテル化可能な基がある。この目的に適うよう、固体担体(例えばポリマー担体)を官能化(例えば、ヒドロキシル官能化またはクロロメチル官能化)する。不動態化用基Zと不動態化条件が適切であるかどうかは、例えばエトキシエタノールを使用するMitsunobu反応によって、あるいは例えば2-クロロエチルエタノールを使用するWilliamson反応によって、溶液状態にて簡便にあらかじめ調べることができる。
本発明の方法を実施するのに特に有用な固体担体は、式X(OR-GeR1R2Hal)nで示される固体担体であり、このときXは、水と有機溶媒に対する溶解度が低い高分子量物質であり、適切にはアルコキシ鎖で置換された炭化水素樹脂であり、例えばアルコキシ鎖(好ましくはプロポキシ鎖、さらに好ましくはエトキシ鎖またはプロポキシ/エトキシ鎖)で置換されたポリスチレンであり;Rは、適切には1〜12個の炭素原子を、さらに好ましくは3〜10個の炭素原子を有する炭化水素基であり、例えば、アルキル基、アリール基、またはアリールアルキル基であり、前記アリール基は、アルキル基で置換されていてもよいベンゼン環を含むのが適切であり;Geはアルキル基に連結されているのが好ましく;R1とR2は独立的に、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基であり;Halはハロゲン化物を、例えば塩化物、臭化物、またはヨウ化物を表わしており、好ましいのは塩化物原子であり;nは大きな整数である。
第1のモノマーを保護/脱保護すると、連結工程(A)が容易になることがある。例えば、工程(A2)の前において、保護基を使用して特定の位置(例えばα位)での望ましくないリチウム化を防ぐことができる。適切ないかなる保護基も使用することができるけれども、トリメチルシリル(TMS)基またはtert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)基が好ましく、カップリング工程(B)の前に、塩基(例えば、K3PO4やCsF)等の通常の試剤で除去することができる。
したがって本発明は、第2のモノマーにカップリングされた第1のモノマーを含む共役分子の製造法を提供し、前記製造法は、
(i)ゲルミル連結基のゲルマニウム原子を介して固体担体に前記第1のモノマーを連結する工程;
(ii)前記第1のモノマーをカップリング位置において第2のモノマーにカップリングして結合した共役分子を形成させる工程、このとき前記第2のモノマーは、カップリングがなされない位置に保護基を有する;
(iii) 所望により、第3、第4、...および第nのモノマーを、それぞれ前記の第2、第3、...および第(n−1)のモノマーに逐次カップリングさせる工程;
(iv) 前記保護基を除去する工程;および
(v) ipso-脱ゲルミル化を行って、前記結合した共役分子を放出させる工程;
を含む。
下記の実施例と図面を参照しつつ本発明を説明するが、本発明がこれらの実施例や図面によって限定されることはない。
(実施例1)
実施例1は、明確な位置化学を有する高純度チオフェンオリゴマーに対する、ゲルミルリンカーを使用する固相合成の液相モデルに関する。オリゴマーの集成は、それぞれのモノマー単位を、遷移金属媒介による繰り返しカップリングによって逐次に付け加えて、高純度で明確な構造体を得る、という段階的なプロセスである。
本発明の方法で得られる物質と、従来の方法で得られる物質とを比較するために、図3に概略的に記載されている固相合成に対するモデルとして、ゲルミルリンカー3(図2を参照)を使用するヘキシルチオフェンオリゴマーの液相合成について検討した。固相合成の工程は以下のように要約することができる:
工程1:TMSでブロックされた第1のモノマーを結合させる工程、
工程2:TMSブロック基を開裂させる工程、
工程3:−ヨウ化物のカップリング前駆体に転化させる工程、
工程4:TMSでブロックされた第2のモノマーのクロスカップリングを行う工程、
工程5:オリゴマーをゲルマニウムベースのリンカーから取り外す工程。
工程2、3、および4は、オリゴマーの構築に対する繰り返し工程を表わしている。TMS基の役割は、繰り返しオリゴマーの末端−位置(terminal -position)をブロックすることにあり、これにより、未反応のヨウ素と未ヨウ素化物質/脱ヨウ素物質とを繰り返し生成物へと推し進めるように、二重カップリングサイクルにおいて工程3-4を繰り返すことが可能となる。
工程1:(図4)
リンカーモデル3とリチウム化されたチオフェン4とのトランスメタル化によってチオフェン51を53%の収率で製造した。このとき、TMS保護基により、望ましくない交互リチウム化チオフェン(alternate-lithiated thiophene)の形成が確実に抑えられ、そしてさらに、SPSという関係にて、繰り返しトランスメタル化によって不動態化を完全に進行させることができる。
工程2:(図5)
チオフェン51中のTMS保護基の開裂をDMF中にて60℃でCsFを使用して行い、ゲルミルチオフェン61を殆ど定量的に得た。ゲルミルリンカーの検出可能な開裂は起こらなかった。
工程3:(図6)
−ヨウ素化を−50℃にて過剰のn-BuLiを使用して行い、次いで暗所にて過剰の1,2-ジヨードエタンで処理した。これらの条件下における、ゲルミルチオフェン61の対応するヨードチォフェン71への転化は98%の収率で達成された。
工程4:(図7)
‘塩基を含まない(base-free)’Suzukiタイプの新規クロスカップリングプロトコルを使用して、ヨードチオフェン71をトリエチルボレート塩10にカップリングさせた。この塩は、チオフェン4をTHF中−50℃にてn-BuLi/B(OEt)3でリチウム化/トランスメタル化した後に揮発分を直接蒸発除去することによって、取り扱いの容易な白色粉末として得られる。塩基の非存在下にて、DMF中60℃で5モル%のPd(PPh3)4を使用すると、この塩はヨードチオフェン71とクロスカップリングして、ジチオフェン52を90%の収率で生成する。これらの条件下では、TMS基のipso-プロト脱シリルカ化は全く起こらない。
二重カップリング(工程3-4、繰り返し)
二重カップリングが適切に進行するには、TMSブロック基自体が工程3に対して不活性でなければならず、したがってカップリング後に残留している未カップリング物質および/または脱ヨウ素物質のヨウ素化を可能にするほどに充分に安定でなければならない。ヨードチオフェン71と過剰のトリエチルボレート塩10(図7)との間のクロスカップリング後の‘クルード’反応混合物を1H-NMRで分析すると、90%を超えるクロスカップリング生成物52のほかに、少量の未反応ヨードチオフェン71と脱ヨウ素チオフェン61が観察される。したがって、二重カップリングの概念を実証するために、我々はこの物質を繰り返し−ヨウ素化/カップリングサイクル(a repeat -iodination/coupling cycle)(工程3-4)に付し、反応混合物を再度調べた。このシミュレートした二重カップリングの後、副生物71と61は、1H-NMRによってはもはや検出されなかった。
ジチオフェン52に対して第2の繰り返し(n=2、工程2-4、シミュレートした二重カップリングを含める)を行い、類似の結果を有するトリチオフェン53が得られた。
工程5:(図9)
開裂オリゴマーの意図する用途に応じて、工程5に対して利用可能な多くのオプションがある。種々の有用な末端官能価を有する、対称的に末端官能化されたオリゴマーおよび−テレケリックオリゴマーの開裂を引き起こすプロトコルが可能である。
求電子試剤E+(例えば、H+、I+、Br+、Cl+、F+、NO+、NO2 +、SO3 +、RCO+、RSO2 +、BHal2 +(例えばBCl2 +)、またはB(OH)2 +)によって開裂を行うと、求電子ipso-脱ゲルミル化が起こって置換基YEが導入され、TMSブロック基が完全な状態で残る(Y=RMe2GeからY=YEへ;Z=TMS)。より強制的な条件下では、求電子ipso-脱ゲルミル化とipso-脱シリル化の両方が起こり、対称的に末端官能化されたオリゴマー〔Y=RMe2GeからY=YEへ、およびZ=TMSからZ=ZEへ(このときYE=ZE)〕が得られる。2種の異なった求電子試剤を逐次に使用すると、−テレケリックオリゴマー〔8n+1、Y=YE、およびZ=ZE(このときYE=ZE)〕が得られる。フリーデル・クラフツ型のipso-脱ゲルミル化において求電子試剤RCO+を使用するのが特に魅力的である。なぜなら、生じるケトンカルボニルをメチレン基へ引き続き還元(例えばLiAlH4-AlCl3を使用)することで、アルキル末端の官能化された共役分子が得られるからである。これらの共役分子は、好ましい電子特性を有することが知られている(例えば「Katz,Acc.Chem.Res.,2001,45,11」を参照)。
ゲルミル-Stilleタイプのクロスカップリングプロトコルによって開裂を行うと、C-Ge結合の場所にC-C結合が導入され、TMSブロック基が完全な状態で残る(Y=RMe2GeからY=YCCへ;Z=TMS)。このタイプの開裂に対する有望なクロスカップリング・パートナーは、Pd(0)の酸化的挿入(oxidative insertion)を受けて、標準的なStilleタイプのクロスカップリングの場合と同様の活性なPd(II)中間体を生成することができる基質(substrates)である。これらの基質としては、ハロゲン化アリール、ハロゲン化ヘテロアリール、ハロゲン化ベンジル、ハロゲン化アリル、ハロゲン化プロパルギル、ハロゲン化アルキニル(例えば、I、Br、Cl);スルホン酸エステル(例えば、OSO2CF3、OSO2CH3、OSO2p-Tol);およびジアゾニウム塩(N2 +);がある。この方式での開裂の後に、前述のような求電子ipso-脱シリル化(Z=TMSからZ=ZEへ)、あるいは塩基(例えば、CsFやK3PO4)を使用する求核ipso-プロト脱シリル化(工程2を参照、例えば図5)を行って、TMSブロック基の場所に水素を導入することができる(Z=TMSからZ=Hへ)。
求核ipso-プロト脱シリル化(Z=TMSからZ=Hへ)を果たすための塩基(例えば、CsFやK3PO4)での処理も開裂の前に行うことができる。求電子試剤E+による、あるいは2種の求電子試剤の逐次使用(前述)によるこのような開裂の結果、他の末端において引き続き求電子置換を行う場合も、あるいは行わない場合も、求電子ipso-脱ゲルミル化によって−テレケリックオリゴマーまたは対称リゴマーが生成する〔(Y=RMe2GeからY=YEへ;Z=H)あるいは(Y=RMe2GeからY=YEへ、およびZ=HからZ=ZEへ(このときYE=ZE))〕。同様に、ゲルミル-Stilleタイプのクロスカップリング(前述)によるこのような開裂の結果、−テレケリックオリゴマー(Y=RMe2GeからY=YCCへ;Z=H)が生成し、このオリゴマーの他の末端が引き続き求電子置換を受けることができる(Z=HからZ=ZEへ)。
このように、それ自体で有用な電気活性特性を有しており、および/または、より複雑な構造(例えばブロックコオリゴマー)へと引き続き構築していくための有用な基質であるような、広い範囲の適切に末端官能化されたオリゴマーを生成させることができる。
ブロックコオリゴマーの製造(図10)
上記のようにして製造されるオリゴヘテロサイクルブロックは、ブロックコオリゴマー構造へと構築していくための有利な形態をとっている。ブロックカップリング(block coupling)は、利用可能な多くのプロトコルによって果たすことができる:
タイプ1. 前述の繰り返しサイクルから類推して、単一のチオフェン単位9の代わりにオリゴヘテロサイクルブロックのカップリングによって;
タイプ2. リンカーから離れた、直接的なゲルミル-Stilleタイプのクロスカップリングによって;
タイプ3. 適切なハロ官能化ブロックとメタル化ブロックとの間の溶液中でのSuzukiタイプのクロスカップリング、Kharasch(例えばMcCullough)Stilleタイプのクロスカップリング、またはNegishiタイプのクロスカップリングによって。この方式のブロックカップリングに対する両方のタイプのカップリングパートナーは、前述のように製造されたオリゴヘテロサイクルブロックの適切な求電子ipso-脱ゲルミル化によって製造することができる。
これらの一般的な実現性が、例えば図10に例示されている。
実験手順
反応は全て、無水の条件下および火炎乾燥したガラス製品(flame-dried glassware)中で窒素雰囲気下にて行った。特に明記しない限り、収率は、クロマトグラフィー的および分光学的(1H-NMR)に均一な物質について表わしている。
溶媒と試剤: 溶媒は全て、使用する前に蒸留した。‘ペトロール’は、40〜60℃で沸騰する軽質石油エーテルのフラクションを表わしている。フラッシュクロマトグラフィーに使用する商用銘柄の溶媒は、使用する前に蒸留した。無水の溶媒は以下のようにして得た:DMF:窒素雰囲気下にてMgSO4上で24時間攪拌し、減圧蒸留し、窒素雰囲気下にてモレキュラーシーブ(4Å)上で保存した。MeNO2:使用する直前に、窒素雰囲気下にてCaH2から蒸留した。THFとEt2O:使用する直前に、窒素雰囲気下にてナトリウム/ベンゾフェノンケチルから蒸留した。‘脱気した(degassed)’は、窒素/高真空ラインで連続3回の凍結-融解サイクルに付した溶液を表わしている。化学物質は全て、COSHHの規制に従って取り扱った。試剤は全て市販品を使用した。クロマトグラフィー:フラッシュクロマトグラフィーは、メルク・キーゼルゲル(Merck Kieselgel)60F254(230-400メッシュ)シリカゲルを使用して行った。蒸留済みの溶媒だけを溶離液として使用した。紫外線蛍光(λmax=254nm)のクエンチングによって、または1MのH2SO4中での10%KMnO4による炭化(charring)によって視覚化されたメルクに対して薄層クロマトグラフィー(TLC)を行った。赤外線スペクトル:これらのスペクトルは、薄いフィルム、ヌジョール(nujol)、またはマル(mulls)として、あるいはCHCl3溶液として、パーキン-エルマー社製のパラゴン1000フーリエ変換スペクトロメーターによって測定した。選定した吸光度(λmax)だけを記録した。1H-NMRスペクトル:これらのスペクトルは、ブルカー社製のAM-250機器により250MHzにて、ならびにバリアン社製のイノーバ-300およびイノーバ-400機器により300MHzおよび400MHzにて記録した。化学シフト(δH)は、適切な残留溶媒のピークを基準としてパーツ・パー・ミリオン(ppm)にて記載されている。カップリング定数(J)は、最も近いHzに対して記載されている。13C-NMR:これらのスペクトルは、ブルカー社製のAM-250機器により63MHzにて、およびバリアン社製のイノーバ-300により100MHzにて記録した。化学シフト(℃)は、適切な溶媒のピークを基準としてppmにて記載されている。質量スペクトル:低分解能の質量スペクトル(m/z)を、VGプラットフォーム・スペクトロメータ(VG platform spectrometer)またはVGプロスペック・スペクトロメータ(VG prospec spectrometer)により記録した。分子イオン(M+またはMH+)と主要なピークだけが、ベースピークのパーセント値として引用される強度と共に記載されている。高分解能質量分析法(HRMS)による測定値は±5ppmの程度まで正確である。
{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルミル-クロライド3
Figure 2005523360
{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-トリメチル-ゲルマン(421mg,1.4ミリモル)のニトロメタン(2ml)溶液に、室温にて塩化スズ(IV)(1.50ml,12.8ミリモル)を滴下してピンク色の溶液を得た。反応混合物を50℃で16時間加熱した。揮発性物質を蒸留(90℃,0.5mmHg)によって除去して、クロロジメチルゲルマン3を褐色の油状物として得た(440mg,91%)。
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C14H23ClGe74O2(M)に対する計算値332.0598,実測値332.0586
(3-ヘキシル-チオフェン-2-イル)-トリメチル-シラン4
Figure 2005523360
2-ブロモ-3-ヘキシルチオフェン1(387mg,1.57ミリモル)をTHF(3ml)中に混合して得た溶液を脱気し、この溶液に、−78℃にてn-BuLiのヘキサン溶液(0.787ml,2.2M,1.73ミリモル)を滴下した。本混合物をこの温度で40分攪拌し、次いでトリメチルクロロシラン(0.600ml,4.71ミリモル)を−78℃にて滴下した。得られた混合物をこの温度で1時間攪拌し、室温に加温し、さらに1時間攪拌した。NH4Cl飽和水溶液(100ml)でクエンチした後、混合物をEt2O(3×100ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を蒸発除去した。フラッシュクロマトグラフィー(ペンタン)によって精製して、シリルチオフェン4を無色の油状物として得た(329mg,87%)。Rf 0.85(ペンタン);
Figure 2005523360
HRMS(CI+) C13H24SiS(M)に対する計算値240.1368,実測値240.1361
[5-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-3-ヘキシル-チオフェン-2-イル)-トリメチル-シラン5 1
Figure 2005523360
シリルチオフェン4(144mg,0.60ミリモル)をTHF(2ml)中に混合して得た溶液を脱気し、この溶液に、−78℃にてLDA(0.315ml,2.0M,0.63ミリモル)のヘキサン/THF/エチルベンゼン溶液を滴下した。本溶液をこの温度で40分攪拌し、クロロジメチルゲルマン3(100mg,0.30ミリモル)のTHF(1ml)溶液を脱気して得られた溶液に、−78℃にてカニューレによって移した。得られた混合物をこの温度で1時間攪拌し、室温に加温し、さらに1時間攪拌した。NH4Cl飽和水溶液(50ml)でクエンチした後、混合物をEt2O(3×50ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を蒸発除去した。フラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、シリルチオフェンジメチルゲルマン51を黄色油状物として得た(86.0mg,53%)。Rf 0.61(9/1,ペトロール/EtOAc);
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C27H46O2SiSGe74(M)に対する計算値536.2200,実測値536.2214
{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-(4-ヘキシル-チオフェン-2-イル)-ジメチル-ゲルマン6 1
Figure 2005523360
TMSで保護されたゲルミルチオフェン51(5.7mg,0.011ミリモル)のDMF(1ml)溶液にフッ化セシウム(8.1mg,0.053ミリモル)を加え、本混合物を60℃で24時間攪拌した。反応混合物をEt2O(40ml)と水(75ml)とに分配し、Et2O層を水(3×40ml)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)で精製してゲルミルジチオフェン61を褐色油状物として得た(4.8mg,97%)。Rf 0.38(ペトロール/EtOAc,9/1);
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C24H38Ge74O2S(M)に対する計算値464.1804,実測値464.1798
{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-(4-ヘキシル-5-ヨード-チオフェン-2-イル)-ジメチル-ゲルマン7 1
Figure 2005523360
ゲルミルチオフェン61(512mg,1.10ミリモル)のTHF(3ml)溶液を脱気し、この溶液にn-BuLiのヘキサン溶液(2.2ml,1.5M,3.30ミリモル)を−78℃にて滴下した。この温度で40分攪拌した後、1,2-ジヨードエタン(1.56g,5.52ミリモル)のTHF(2ml)溶液を脱気して得た溶液を−78℃にてカニューレによって加えた。得られた混合物を、暗所にてこの温度で1時間攪拌し、室温に加温し、さらに1時間攪拌した。反応混合物をNa2S2O3飽和水溶液(200ml)とEt2O(100ml)とに分配し、Et2O(2×100ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥した。減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、ヨウ化ゲルミルチオフェン71を黄色油状物として得た(632mg,98%)。Rf 0.41(ペトロール/EtOAc,9/1);
Figure 2005523360
HRMS(ES+) C24H38O2SGe74(MH)に対する計算値591.0849,実測値591.0870
2-(4-ヘキシル-5-トリメチルシラニル-チオフェン-2-イル)-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン8
Figure 2005523360
TMSチオフェン4(166mg,0.69ミリモル)のTHF(2ml)溶液を脱気し、この溶液にLDA(0.690ml,2.0M,1.38ミリモル)のヘキサン/エチルベンゼン/THF溶液を−50℃にて滴下した。この温度で40分攪拌した後、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン(334mg,1.79ミリモル)のTHF(2ml)溶液を脱気した溶液を−78℃にてカニューレによって加えた。得られた混合物をこの温度で30分攪拌し、室温に加温し、さらに15分攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、無水のEt2O中HCl(1.79ml,1.0M,1.79ミリモル)を加えた。反応混合物をこの温度で15分攪拌し、次いで室温に自然加温した。減圧にて溶媒を除去し、残留物を乾燥Et2O中に溶解した。乾燥セライトのパッドに溶液を通し、MgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,19/1)で精製して、チオフェンピナコラートボロン酸エステルを無色油状物として得た(131mg,52%)。
Figure 2005523360
(4-ヘキシル-5-トリメチルシラニル-チオフェン-2-イル)-トリエチルボレートリチウム塩9
Figure 2005523360
シリルチオフェン4(97.6mg,0.41ミリモル)のTHF(2ml)溶液に−50℃にてn-BuLiのヘキサン溶液(0.298ml,1.5M,0.45ミリモル)を滴下し、この温度で40分攪拌した。この溶液に、トリエチルボレート(0.207ml,1.22ミリモル)を−50℃にて滴下した。反応混合物をこの温度で1時間攪拌し、室温に加温し、さらに30分攪拌した。減圧にて溶媒を除去してトリエチルボレートリチウム塩9を白色粉末として得た。mp95-98℃。
Figure 2005523360
[5’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-4,3’-ジヘキシル-[2,2’]ビチオフェニル-5-イル]-トリメチル-シラン5 2
Figure 2005523360
トリエチルボレート塩9(63.0mg,0.101ミリモル)とヨウ化ゲルミルチオフェン71(30.0mg,0.051ミリモル)をTHF(1ml)中に混合して得た溶液を脱気し、この溶液に、−78℃にてPd(PPh3)4(6.0mg,0.0051ミリモル)を加え、得られた混合物を60℃で24時間攪拌した。反応混合物を水(100ml)とEt2O(50ml)とに分配し、Et2O(2×50ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥した。減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、シリルで保護されたゲルミルジチオフェン52を黄色油状物として得た(29.0mg,90%)。Rf 0.50(ペトロール/EtOAc,9/1);
Figure 2005523360
HRMS(ES+) C37H61O2SiS2Ge74(MH)に対する計算値703.3094,実測値703.3089
(3,4’-ジヘキシル-[2,2’]ビチオフェニル-5-イル)-{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチルゲルマン6 2
Figure 2005523360
TMSで保護されたゲルミルジチオフェン52(60.0mg,0.086ミリモル)のDMF(1ml)溶液にフッ化セシウム(63.4mg,0.42ミリモル)を加え、本混合物を60℃で24時間攪拌した。反応混合物をEt2O(50ml)と水(100ml)とに分配し、Et2O層を水(3×50ml)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)で精製して、ゲルミルジチオフェン62を褐色油状物として得た(54.0mg,99%)。Rf 0.40(9/1,ペトロール/EtOAc);
Figure 2005523360
HRMS(CI+) C34H52O2S2Ge74(M)に対する計算値630.2621,実測値630.2642
(3,4’-ジヘキシル-5’-ヨード-[2,2’]ビチオフェニル-5-イル)-{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチルゲルマン7 2
Figure 2005523360
ゲルミルジチオフェン62(19.0mg,0.030ミリモル)のTHF(1ml)溶液を脱気し、この溶液に−78℃にてn-BuLiのヘキサン溶液(0.060ml,2.5M,0.149ミリモル)を滴下した。この温度で40分攪拌した後、1,2-ジヨードエタン(67.2mg,0.238ミリモル)のTHF(1ml)溶液を脱気した溶液を−78℃にてカニューレによって加えた。得られた混合物を、暗所にてこの温度で1時間攪拌し、室温に加温し、さらに1時間攪拌した。反応混合物をNa2S2O3飽和水溶液(50ml)とEt2O(50ml)とに分配し、Et2O(2×50ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥した。減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、ヨウ化ゲルミルジチオフェン72を黄色油状物として得た(23.1mg,98%)。Rf 0.42(9/1,ペトロール/EtOAc);
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C34H51O2S2Ge74I(M)に対する計算値756.1587,実測値756.1571
[5”-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-4,3’,3”-トリヘキシル-[2,2’;5’,2”]ターチオフェン-5-イル]-トリメチル-シラン5 3
Figure 2005523360
トリエチルボレート塩9(118mg,0.30ミリモル)とヨウ化ゲルミルジチオフェン72(29.7mg,0.039ミリモル)をTHF(1ml)中に混合して得た溶液を脱気し、この溶液に−78℃にてPd(PPh3)4(6.0mg,0.0051ミリモル)を加え、得られた混合物を60℃にて24時間攪拌した。反応混合物を水(100ml)とEt2O(50ml)とに分配し、Et2O(2×50ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥した。減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、シリルで保護されたゲルミルトリチオフェン53を黄色油状物として得た(31.6mg,93%)。Rf 0.52(ペトロール/EtOAc,9/1);
Figure 2005523360
HRMS(ES+) C47H74O3S2Ge74I(MH)に対する計算値869.3910,実測値869.3901
tert-ブチル-(4-ヘキシル-チオフェン-2-イル)-ジメチル-シラン10
Figure 2005523360
3-ヘキシル-チオフェン(1.00g,5.94ミリモル)のTHF(10ml)溶液を脱気し、この溶液にLDA(3.12ml,2.0M,6.24ミリモル)のヘキサン/エチルベンゼン/THF溶液を滴下してオレンジ色の溶液を得た。この温度で40分攪拌した後、塩化tert-ブチルジメチルシリル(1.34g,0.89ミリモル)のTHF(5ml)溶液を脱気した溶液をカニューレによって−50℃にて加えた。得られた混合物を−40℃に加温し、この温度で30分攪拌し、室温に加温し、さらに40分攪拌して黄色溶液を得たNH4Cl飽和水溶液(50ml)でクエンチした後、本混合物をEt2O(3×50ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を除去した。減圧蒸留(105℃,10-3トル)によって出発物質を除去し、次いで逆相HPLC(MeOH/H2O,19/1)によって精製して、シリルチオフェン10を無色油状物として得た(1.05g,63%)。
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C16H30SSi(M)に対する計算値282.1838,実測値282.1827;元素分析C16H30SSiに対する計算値C68.01,H10.70,S11.35,実測値C68.45,H11.04,S11.45;HPLCによる純度100.0%
2-[5-(tert-ブチル-ジメチル-シラニル)-3-ヘキシル-チオフェン-2-イル]-4,4,5,5-テトラメチル-[1,2,3]ジオキサボララン11
Figure 2005523360
シリルチオフェン10(501mg,1.77ミリモル)のTHF(5ml)溶液に−50℃にてLDA(1.33ml,2.0M,2.66ミリモル)のヘキサン/ベンゼン/THF溶液を滴下し、次いで−40℃に加温してオレンジ色の溶液を得た。この温度で40分攪拌した後、反応混合物を−50℃に冷却し、2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン(162mg,0.87ミリモル)のTHF(1ml)溶液(×3)をカニューレによって滴下した。得られた混合物を−40℃で30分攪拌し、室温に加温し、さらに15分攪拌した。反応混合物を0℃に冷却し、無水のエーテル中HCl(0.71ml,1.0M,0.71ミリモル)を加えた。反応混合物をこの温度で15分攪拌し、次いで室温に自然加温した。減圧にて溶媒を除去し、残留物を乾燥Et2O中に溶解した。この溶液を乾燥セライトのパッドに通し、MgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を除去した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/DCM,3/1)によって精製して、シリルチオフェンピナコラート-ボロン酸エステル11を淡黄色油状物として得た(371mg,51%)。Rf 0.40(3:1,ペトロール/DCM);
Figure 2005523360
HRMS(ES+) C22H42BO2SSi(MH)に対する計算値409.2768,実測値409.2770
4-{2-[ジクロロ-(4-メトキシ-フェニル)-ゲルマニル]-エチル}-フェノール12
Figure 2005523360
マグネシウム(1.0g,42ミリモル)をTHF(25ml)中に混合して得た混合物に4-ブロモアニソール(5.21ml,42ミリモル)を加え、本混合物を短時間加熱してグリニャール形成を開始させた。1時間攪拌した後、得られた灰色溶液を、塩化ゲルミル(1.25g,4.2ミリモル)のTHF溶液に室温にて滴下した。黄色の反応混合物をこの温度で16時間攪拌してから、泡立ちが起こらなくなるまで、水を滴下してクエンチした。減圧にて溶媒を除去し、残留物をDCM(30ml)中に溶解した。この溶液に攪拌しながら1N HCl(5ml)を加え、次いで濃塩酸(60ml)を加えた。得られた混合物を40分激しく攪拌してから、HCl層をDCM(3×50ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を除去した。残留物をDCM(50ml)と0.5MのNaOH水溶液(100ml)中に溶解し、水性層をDCM(3×50ml)で抽出した。水性層に攪拌しながら1N HCl(15ml)を加え、次いで濃塩酸(100ml)を加えた。次いで水性層をDCM(3×100ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を除去して12をオレンジ色/褐色の油状物として得た(1.25g,84%)。
Figure 2005523360
HRMS C15H16Cl2Ge74O2(M)に対する計算値371.9739,実測値371.9749
4-{2-[(4-メトキシ-フェニル)-ジメチル-ゲルマニル]-エチル}-フェノール13
Figure 2005523360
ジクロロゲルマン12(184mg,0.49ミリモル)のTHF(3ml)溶液にMeMgBrのEt2O溶液(1.01ml,3.0M,3.03ミリモル)を加えた。本混合物を110℃で16時間環流してから、NH4Cl飽和水溶液(100ml)とEt2O(100ml)とに分配した。Et2O(2×100ml)でさらに抽出してから、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、減圧にて濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,3/1)によって精製して、ジメチルゲルマン13を淡黄色油状物として得た(125mg,74%)。Rf 0.4(ペトロール/EtoAc,3/1);
Figure 2005523360
HRMS C17H22Ge74O2(M)に対する計算値332.0832,実測値332.0824
{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-(4-メトキシ-フェニル)-ジメチル-ゲルマン14
Figure 2005523360
ジメチルゲルマン13(96.1mg,0.29ミリモル)のアセトニトリル(1ml)溶液に、2-クロロジエチルエーテル(0.070ml,0.64ミリモル)、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(10.7mg,0.03ミリモル)、および炭酸セシウム(153mg,0.44ミリモル)を加えた。本混合物を85℃で17時間環流してから、冷却して濾過した。減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、表記化合物14を淡黄色油状物として得た(106mg,90%)。Rf0.3(ペトロール/EtOAc,9/1);
Figure 2005523360
HRMS C21H30Ge74O3(M)に対する計算値404.1407,実測値404.1393
4-{2-[(4-メトキシ-フェニル)-ジ-p-トリル-ゲルマニル]-エチル}-フェノール15
Figure 2005523360
オーブン乾燥したMg(120mg,5.00ミリモル)をTHF(3ml)中に混合して得た混合物に4-ブロモトルエン(855mg,5.00ミリモル)を滴下した。加熱することによってグリニャール形成を開始させ、マグネシウムが消失した後、ジクロロゲルマン12(186mg,0.50ミリモル)のTHF(3ml)溶液に加えた。本混合物を110℃で16時間環流してから、NH4Cl飽和水溶液(100ml)とEt2O(100ml)とに分配した。Et2O(2×100ml)でさらに抽出した後、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、減圧にて濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,3/1)によって精製して、ジトリルゲルマン15を黄色油状物として得た(280mg,92%)。Rf 0.4(ペトロール/EtOAc,3/1);
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C29H30Ge74O2(M+)に対する計算値484.1458,実測値484.1446
{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-(4-メトキシ-フェニル)-ジ-p-トリル-ゲルマン16
Figure 2005523360
ジトリルゲルマン15(9.57g,20.0ミリミル)のアセトニトリル(40ml)溶液に、2-クロロジエチルエーテル(4.56ml,41.5ミリモル)、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(739mg,2.0ミリモル)、および炭酸セシウム(14.1g,40.0ミリモル)を加えた。本混合物を85℃で17時間環流し、次いで冷却して濾過した。減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、表記化合物16を無色油状物として得た(7.81g,70%)。Rf0.5(ペトロール/EtOAc,9/1);
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C33H38Ge74O3(M+)に対する計算値556.2033,実測値556.2042
クロロ-{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジ-p-トリル-ゲルマン17
Figure 2005523360
アニソールゲルマン16(100mg,0.18ミリモル)にEt2O中HCl(7.0ml,1.0M,7.0ミリモル)を加え、反応混合物を16時間攪拌した。減圧にて溶媒を除去してクロロゲルマン17を無色油状物として得た(85.3mg,98%)。
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C26H31ClGe74O2(M+)に対する計算値484.1224,実測値484.1207;元素分析 C26H31ClGe74O2に対する計算値:C64.58,H6.46,Cl7.33,実測値:C64.12,H6.56,Cl7.68
tert-ブチル-[5-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジ-p-トリル-ゲルマニル)-4-ヘキシル-チオフェン-2-イル]-ジメチル-シラン18
Figure 2005523360
シリルチオフェン10(1.18g,6.28ミリモル)のTHF(20ml)溶液を脱気し、この溶液に−50℃にてLDAのヘキサン/THF/エチルベンゼン溶液(4.17ml,2.0M,1.13ミリモル)を滴下した。本溶液を−40℃に加温し、この温度で40分攪拌し、再び−50℃に冷却した。本溶液を、クロロジトリルゲルマン17(2.69g,5.56ミリモル)のTHF(20ml)溶液を脱気した溶液に−50℃にてカニューレによって移した。得られた混合物を−40℃にて1時間攪拌し、室温に加温し、さらに1時間攪拌した。NH4Cl飽和水溶液(50ml)でクエンチした後、本混合物をEt2O(3×50ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を除去した。フラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、シリルチオフェンジトリルゲルマン18を淡黄色油状物として得た(803mg,80%)。Rf 0.3(9/1,ペトロール/EtOAc);
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C42H60Ge74O2SSi(M+)に対する計算値730.3295,実測値730.3298
{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-(3-ヘキシル-チオフェン-2-イル)-ジ-p-トリル-ゲルマン19
Figure 2005523360
シリルで保護されたゲルマルチオフェン18(225mg,0.31ミリモル)のDMF(3ml)溶液にフッ化セシウム(234mg,1.54ミリモル)を加え、本混合物を110℃で24時間攪拌した。反応混合物をEt2O(40ml)と水(75ml)とに分配し、Et2O層を水(3×40ml)で抽出した。有機層をMgSO4で乾燥し、減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、ゲルミルチオフェン19を淡黄色油状物として得た(182mg,95%)。Rf 0.3(ペトロール/EtOAc,9/1);
Figure 2005523360
HRMS(EI+) C36H46Ge74O2S(M+)に対する計算値616.2430,実測値616.2435
{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-(3-ヘキシル-5-ヨード-チオフェン-2-イル)-ジ-p-トリル-ゲルマン20
Figure 2005523360
ゲルミルチオフェン19(224mg,0.36ミリモル)のTHF(3ml)溶液に、−50℃にてLDAのヘキサン/THF/エチルベンゼン溶液(0.545ml,2.0M,1.09ミリモル)を滴下した。−40℃で40分攪拌した後、1,2-ジヨードエタン(1.56g,5.52ミリモル)のTHF(2ml)溶液の脱気溶液を−50℃にてカニューレによって加えた。得られた混合物を暗所にて−40℃で1時間攪拌し、室温に加温し、さらに1時間攪拌した。反応混合物をNa2S2O3飽和水溶液(200ml)とEt2O(100ml)とに分配し、Et2O(2×100ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥した。減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/EtOAc,9/1)によって精製して、ヨウ化ゲルミルチオフェン20を淡黄色油状物として得た(251mg,94%)。Rf 0.5(ペトロール/EtOAc,9/1);
Figure 2005523360
HRMS(ES+) C36H45Ge74INaO2S(MNa)に対する計算値765.1295,実測値765.1266
tert-ブチル-[5’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジ-p-トリル-ゲルマニル)-4,3’-ジヘキシル-[2,2’]ビチオフェン-5-イル]-ジメチル-シラン21
Figure 2005523360
シリルチオフェンピナコラート-ボロン酸エステル11(256mg,1.05ミリモル)とヨウ化ゲルミルチオフェン20(155mg,0.21ミリモル)をDMF(1ml)中に混合して得た溶液を脱気し、この溶液にPd(PPh3)4(23.1mg,0.02ミリモル)を加え、得られた混合物を60℃で24時間攪拌した。反応混合物を水(100ml)とEt2O(50ml)とに分配し、Et2O(2×50ml)で抽出し、有機抽出物を合わせてMgSO4で乾燥した。減圧にて溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ペトロール/DCN,2/1)によって精製して、シリルで保護されたゲルミルジチオフェン21を黄色油状物として得た(112mg,60%)。Rf 0.5(ペトロール/DCM,2/1);
Figure 2005523360
HRMS(ES+) C52H74Ge74NaO2S2Si(MNa+)に対する計算値919.4009,実測値919.4001
(実施例2)
本発明をさらに詳細に例示する。実施例2は、ゲルミルリンカーを使用する、高純度アリールアミンオリゴマーの液相モデルに関する。オリゴマーの集成は、高純度で且つ明確な構造を得るために、各モノマー単位を、遷移金属媒介による繰り返しカップリングによって逐次加えていく、という段階的なプロセスである。固相合成に対するモデル反応が図11に概略的に示されており、それらの工程を下記のように要約することができる:
工程1:ゲルミルリンカーの結合と官能化
工程2:TBDMSで保護された第1のモノマーの結合
工程3:TBDMS保護基の開裂
工程4:トリフラートカップリング前駆体への転化
工程5:第2のモノマーのクロスカップリング
工程6:ゲルマニウムベースのリンカーからのオリゴマーの取り外し
工程3と4と5は、オリゴマーを構築していくための繰り返し工程を表わしている。TBDMS基の役割は、Suzukiタイプのクロスカップリング時においてフェノールを保護することにある。
工程1:(図12)
アリールゲルマン3は、リチウム化(4-ブロモ-フェノキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シラン22とのトランスメタル化によって77%の収率で製造した。次いで、tert-ブチル-[4-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-フェノキシ]-ジメチル-シラン28におけるTBDMS保護基を、THF中にてフッ化テトラブチルアンモニウムを使用して開裂してゲルミルフェノール29を76%の収率で得、このときゲルミルリンカーの開裂は全く起こらなかった。無水ピリジン30中にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物を使用することによる、ゲルミルフェノール29のゲルミルトリフルオロメタンスルホネートへの転化は87%の収率で達成された。
工程2:(図13)
Suzukiタイプのプロトコルに従って、5モル%のPd(PPh3)4を使用して1,2-ジメトキシエタン中にて80℃で、TBDMSで保護された第1のアミンモノマー34をゲルミルトリフルオロメタンスルホネート33にクロスカップリングによって結合させて、ゲルミルアミン31を84%の収率で得た。これらの条件下では、ゲルミルリンカーとTBDMS保護基の検出可能な開裂は起こらなかった。
工程3:(図14)
ゲルミルアミン31中のTBDMS保護基の開裂は、THF中にてフッ化テトラブチルアンモニウムを使用して達成され、ゲルミルフェノール32を90%の収率で得た。ゲルミルリンカーの検出可能な開裂は起こらなかった。
工程4:(図15)
ゲルミルフェノール32のゲルミルトリフルオロメタンスルホネート33への転化は、無水ピリジン中にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物を使用して達成された。これらの条件下では、化合物33は86%の収率で得られた。
工程5:(図16)
5モル%のPd(PPh3)4を使用して1,2-ジメトキシエタン中にて80℃で、ゲルミルトリフルオロメタンスルホネート33とアミンモノマー25とをカップリングさせて、ゲルミルアミン34を71%の収率で得た。これらの条件下では、ゲルミルリンカーの検出可能な開裂は起こらなかった。
工程6:(図17)
この工程は、実施例1の工程5に記載のように行った。
実験手順
化合物はいずれも、NMR分光分析法、元素分析、および/または質量分析法によって特性決定し、予測される構造と矛盾のないことが判明した。
(4-ブロモ-フェノキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シラン22
Figure 2005523360
本化合物は、「G.R.Pettit,M.P.Grealish,M.K.Jung,E.Hamel,R.K.Robin,J.-C.Chapuis,J.M.Schmidt,J.Med.Chem,45,12,2002,2534-2542」に記載の方法と類似の方法にて製造した。
4-ブロモフェノール(19.99g,11.6×10-2モル)とイミダゾール(16.2g,23.8×10-2モル)をN,N-ジメチルホルムアミド(50ml)中に混合して得た溶液に、室温にて塩化tert-ブチルジメチルシリル(18.40g,12.2×10-2モル)を徐々に加えた。本混合物を室温にて24時間攪拌した。本混合物を水とヘキサンとに分配した。有機層を分離し、水性相をヘキサンでさらに抽出した。有機フラクションを合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して無色油状物を得た(32.89g,11.5×10-2モル)。収率99%。
[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-p-トリル-アミン23
Figure 2005523360
手順A
p-トルイジン(6.41g,5.98×10-2モル)、(4-ブロモ-フェノキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シラン22(15.64g,5.44×10-2モル)、ナトリウムtert-ブトキシド(6.73g,7.00×10-2モル)、rac-binap(0.23g,0.37×10-3モル)、およびPd2(dba)3(dba=ジベンジリデンアセトン)(0.48g,0.52×10-3モル)をトルエン(200ml)中に混合して得た溶液を100℃で一晩激しく攪拌した。粗生成物は褐色の油状物であった。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/ヘキサン(1/3))によって精製して、予測される生成物を無色油状物として得た(12.6g,4.02×10-2モル)。収率74%。
(4-ブロモ-フェニル)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-p-トリル-アミン24
Figure 2005523360
本化合物は、[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-p-トリル-アミン23(7.00g,1.80×10-2モル)、4-ブロモ-ヨード-ベンゼン(5.53g,1.95×10-3モル)、ナトリウムtert-ブトキシド(3.71g,3.86×10-2モル)、rac-binap(0.11g,0.17×10-3モル)、およびPd2(dba)3(0.05g,0.06×10-3モル)をトルエン(150ml)中に混合して得た溶液から、手順Aに従って製造した。次いで、反応混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液をジエチルエーテル中に溶解し、水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して褐色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/ヘキサン,1/5)によって精製して、予測される生成物を無色の固体として得た(5.4g,1.15×10-2モル)。収率52%。
[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-p-トリル-アミン25
Figure 2005523360
手順B
(4-ブロモ-フェニル)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル-p-トリル-アミン24(2.04g,4.35×10-3モル)のテトラヒドロフラン溶液に、−78℃にてn-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M)(2.61ml,6.53×10-3モル)を滴下した。得られた混合物を−78℃で1時間攪拌した。本溶液に2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]-ジオキサボロラン(1.21g, 6.50×10-3モル)を加え、15分後に反応混合物を室温に自然加温し、一晩攪拌した。反応混合物を水とジクロロメタンとに分配した。有機層を分離し、水性相をジクロロメタンで抽出した。有機フラクションを合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して黄色固体を得た。MeOHから再結晶して、予測される生成物を白色針状結晶として得た(1.58g,3.06×10-3モル)。収率70%。
(4-ブロモ-フェニル)-ジ-p-トリル-アミン26
Figure 2005523360
ジ-p-トリル-アミン(25.00g,12.7×10-2モル)、4-ブロモ-ヨードベンゼン(43g,15.2×10-2モル)、および水酸化カリウム(79.6g,141.9×10-2モル)をo-キシレン(100ml)中に懸濁し、本混合物を100℃に加熱した。この懸濁液に塩化銅(2.51g,2.5×10-2モル)と1,10-フェナントロリン(4.57g,2.5×10-2モル)を加え、本混合物を145℃で1時間激しく攪拌した。次いでトルエンを加え、反応混合物を濾過した。濾液を減圧にて濃縮して褐色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン)によって精製し、メタノールから再結晶して、予測される生成物を白色固体として得た(24.4g,6.92×10-2モル)。収率55%。
[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-ジ-p-トリル-アミン27
Figure 2005523360
本化合物は、(4-ブロモ-フェニル)-ジ-p-トリル-アミン26(2.00g,5.68×10-3モル)、n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)(3.4ml,8.50×10-3モル)、および2-イソプロポキシ-4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]-ジオキサボロラン(1.58g,8.50×10-3モル)から手順Bに従って製造した。有機フラクションを合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して淡黄色固体を得た。これをメタノールから再結晶して、予測される生成物を白色針状結晶として得た(1.60g,4.00×10-3モル)。収率71%。
tert-ブチル-[4-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-フェノキシ]-ジメチル-シラン28
Figure 2005523360
(4-ブロモ-フェノキシ)-tert-ブチル-ジメチル-シラン22(4.16g,1.45×10-2モル)のテトラヒドロフラン(40ml)溶液に−78℃にてn-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M)(5.8ml,1.45×10-2モル)を滴下した。45分攪拌した後、本混合物を、塩化{2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルミル(2.25g,6.79×10-3モル)のトルエン(50ml)溶液に、−78℃にてカニューレによって移した。本混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物をHClの水溶液(1M)でクエンチし、ジエチルエーテルで抽出した。有機フラクションを合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して黄色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(10/1))によって精製して予測される生成物を無色液体として得た(2.63g,5.23×10-3モル)。収率77%。
4-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-フェノール29
Figure 2005523360
手順C
tert-ブチル-[4-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-フェノキシ]-ジメチル-シラン28(2.45g,4.88×10-3モル)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液に、室温にてフッ化テトラブチルアンモニウム(1.54g,4.88×10-3モル)のテトラヒドロフラン(50ml)溶液を滴下した。得られた混合物を室温で30分攪拌した。減圧にて溶媒を除去し、残留物をジクロロメタン中に溶解し、水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して黄色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(4/1))によって精製して、予測される生成物を無色液体として得た(1.42g,3.70×10-3モル)。収率76%。
4-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-フェニル-トリフルオロメタンスルホネート30
Figure 2005523360
手順D
4-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-フェノール29(1.22g,3.14×10-3モル)のピリジン(6ml)溶液に、0℃にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.88g,3.12×10-3モル)を徐々に加えた。得られた混合物を0℃にて5分攪拌し、室温に自然加温し、室温でさらに16時間攪拌した。反応混合物を水中に注ぎ込み、ジエチルエーテルで抽出した。有機フラクションを合わせて、水、10%HCl水溶液、水、およびブラインで逐次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して黄色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(5/1))によって精製して、予測される生成物を無色液体として得た(1.42g,2.72×10-3モル)。収率87%。
[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミン31
Figure 2005523360
手順E
4-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-フェニル-トリフルオロメタンスルホネート30(0.40g,0.77×10-3モル)、[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-p-トリル-アミン25(0.40g,0.77×10-3モル)、Pd(PPh3)4(44mg,3.8×10-5モル)、およびNa2CO3水溶液(2M)(8ml)を1,2-ジメトキシエタン(8ml)中に混合して得た混合物を激しく攪拌しながら80℃にて加熱した。2時間後、反応混合物を室温に冷却し、減圧にて溶媒を除去した。残留物をジクロロメタンと2MのNa2CO3水溶液とに分配した。有機相を分離し、水性相をジクロロメタンでさらに抽出した。ジクロロメタンのフラクションをあわせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して褐色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(19/1))によって精製して、予測される生成物を無色油状物として得た(0.49g,0.64×10-3モル)。収率84%。
4-{[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミノ}-フェノール32
Figure 2005523360
本化合物は、[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミン31(0.46g,0.60×10-3モル)とフッ化テトラブチルアンモニウム(0.20g,0.63×10-3モル)をテトラヒドロフラン(23ml)中に混合して得た溶液から手順Cに従って製造した。減圧にて溶媒を除去した後、残留物をジクロロメタン中に溶解し、有機溶液を水で洗浄した。有機相を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して黄色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(7/3))によって精製して、予測される生成物を無色油状物として得た(0.35g,0.54×10-3モル)。収率90%。
4-{[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミノ}-フェニル-トリフルオロメタンスルホネート33
Figure 2005523360
本化合物は、4-{[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミノ}-フェノール32(0.33g,0.50×10-3モル)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.14g,0.50×10-3モル)をピリジン(5ml)中に混合して得た溶液から手順Dに従って製造した。反応混合物を水中に注ぎ込み、Et2Oで抽出した。有機フラクションを合わせて、水、10%HCl水溶液、水、およびブラインで逐次洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して黄色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(10/1))によって精製して、予測される生成物を無色のガラス質固体として得た(0.34g,0.44×10-3モル)。収率86%。
N 4’ -[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-N 4 -[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-N 4 ,N 4’ -ジ-p-トリル-ビフェニル-4,4’-ジアミン34
Figure 2005523360
本化合物は、4-{[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミノ}-フェニル-トリフルオロメタンスルホネート33(0.30g,0.39×10-3モル)、[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-p-トリル-アミン25(0.20g,0.39×10-3モル)、Pd(PPh3)4(22mg,1.90×10-5モル)、およびNa2CO3(2M)(4ml)を1,2-ジメトキシエタン(8ml)中に混合して得た溶液から手順Eに従って製造した。減圧にて溶媒を除去した後、残留物をジクロロメタンと2MのNa2CO3水溶液とに分配した。有機相を分離し、水性相をジクロロメタンでさらに数回抽出した。有機フラクションを合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して褐色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(20/1))によって精製して、予測される生成物を無色油状物として得た(0.28g,0.28×10-3モル)。収率71%。
4-[(4’-{[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミノ}-ビフェニル-4-イル)-p-トリル-アミノ]-フェノール35
Figure 2005523360
本化合物は、N4’-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-N4-[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-N4,N4’-ジ-p-トリル-ビフェニル-4,4’-ジアミン34(0.27g,0.26×10-3モル)とフッ化テトラブチルアンモニウム(0.09g,0.28×10-3モル)をテトラヒドロフラン(7ml)中に混合して得た溶液から手順Cに従って製造した。減圧にて溶媒を除去した後、残留物をジクロロメタン中に溶解し、水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して黄色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(3/1))によって精製して、予測される生成物を無色のガラス質固体として得た(0.18g,0.20×10-3モル)。収率75%。
4-[(4’-{[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミノ}-ビフェニル-4-イル)-p-トリル-アミノ]-フェニル-トリフルオロメタンスルホネート36
Figure 2005523360
本化合物は、4-[(4’-{[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミノ}-ビフェニル-4-イル)-p-トリル-アミノ]-フェノール35(0.18g,0.20×10-3モル)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.06g,0.20×10-3モル)をピリジン(5ml)中に混合して得た溶液から手順Dに従って製造した。反応混合物を水中に注ぎ込み、ジエチルエーテルで抽出した。有機フラクションを合わせて、水、10%HCl水溶液、水、およびブラインで逐次洗浄した。有機溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して黄色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(10/1))によって精製して、予測される生成物を無色のガラス質固体として得た(0.19g,0.18×10-3モル)。収率92%。
N 4’ -[4’-(ジ-p-トリルアミノ-ビフェニル-4-イル]-N 4 -[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-N 4 ,N 4’ -ジ-p-トリル-ビフェニル-4,4’-ジアミン37
Figure 2005523360
本化合物は、4-[(4’-{[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-p-トリル-アミノ}-ビフェニル-4-イル)-p-トリル-アミノ]-フェニル-トリフルオロメタンスルホネート36(0.16g,0.15×10-3モル)、[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-ジ-p-トリル-アミン27(0.06g,0.15×10-3モル)、Pd(PPh3)4(9mg,0.78×10-5モル)、および2MのNa2CO3水溶液(2ml)を1,2-ジメトキシエタン(5ml)中に混合して得た混合物から手順Eに従って製造した。減圧にて溶媒を除去した後、残留物をジクロロメタンと2MのNa2CO3水溶液とに分配した。有機相を分離し、水性相をジクロロメタンでさらに数回抽出した。有機フラクションを合わせて硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧にて濃縮して褐色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(17/1))によって精製して、予測される生成物を白色固体として得た(0.13g,0.11×10-3モル)。収率75%。
N 4’ -[4’-(ジ-p-トリルアミノ-ビフェニル-4-イル]-N 4 -(4’-ビフェニル)-N 4 ,N 4’ -ジ-p-トリル-ビフェニル-4,4’-ジアミン38
Figure 2005523360
N4’-[4’-(ジ-p-トリルアミノ-ビフェニル-4-イル]-N4-[4’-({2-[4-(2-エトキシ-エトキシ)-フェニル]-エチル}-ジメチル-ゲルマニル)-ビフェニル-4-イル]-N4,N4’-ジ-p-トリル-ビフェニル-4,4’-ジアミン37(0.13g,0.11×10-3モル)をトリフルオロ酢酸(ジクロロメタン中1%)(5ml)中に混合して得た溶液を室温で16時間攪拌した。減圧にて溶媒を除去し、粗製物質をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル(10/1))によって精製して、予測される生成物を白色固体として得た(0.08g,0.07×10-3モル)。収率72%。
(実施例3)
本発明をさらに例示する。実施例3は、固体担体に各モノマー単位を逐次加えるという段階的プロセスでのビチオフェン単位の集成に関する。
実験の部
化合物はいずれも、ゲル相NMR分光分析法(gel phase NMR spectroscopy)と元素分析よって特性決定し、予測される構造と矛盾のないことが判明した。ハイポゲル(Hypogel)200-OHは低分子量の架橋ポリスチレン樹脂であり、フルカケミカルズ社(Fluka chemicals)から購入した。
“ハイポゲル200-OH”の臭素化39
Figure 2005523360
ハイポゲル200-OH(24.55g,19.6ミリモル)をジクロロメタン(250ml)中に混合して得た懸濁液に四臭化炭素(26g,78.4ミリモル)を加えた。本混合物を0℃に冷却し、トリフェニルホスフィン(10.30g,39.3ミリモル)を加えた。本混合物を、窒素雰囲気下にて室温で24時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド(1×300ml)、テトラヒドロフラン/水(1:1)(2×300ml)、テトラヒドロフラン(2×300ml)、およびメタノール(2×300ml)で逐次洗浄し、減圧にて50℃で16時間乾燥して39を淡黄色顆粒として得た(25g)。担持レベル(loading level):0.8ミリモルg-1(Brの分析から推定)。元素分析:C,76.1;H,7.9;Br,6.5%
リンカーの不動態化40
Figure 2005523360
樹脂39(5.45g,4.38ミリモル)をアセトニトリル(30ml)中に混合して得た懸濁液に、4-{2-[(4-メトキシ-フェニル)-ジ-p-トリル-ゲルマニル]-エチル}-フェノール(4.12g,8.51ミリモル)、ヨウ化テトラ-n-ブチルアンモニウム(0.485g,1.31ミリモル)、および炭酸セシウム(4.28g,13.1ミリモル)を加えた。本混合物を85℃で22時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を、アセトニトリル(3×100ml)、N,N-ジメチルホルムアミド(2×100ml)、テトラヒドロフラン/水(1:1)(3×100ml)、テトラヒドロフラン(2×100ml)、およびメタノール(2×100ml)で逐次洗浄し、減圧にて50℃で16時間乾燥して、40を淡黄色顆粒として得た(7.71g)。担持レベル:0.5ミリモルg-1(Geの分析から推定)。元素分析:C,78.0;H,7.7;Ge,3.5;Br,<1.5%
求電子ipso-開裂によるアリールゲルマン41
Figure 2005523360
樹脂40(7.30g,6.3ミリモル)にジエチルエーテル中1.0M HCl(35ml,35ミリモル)を加えた。本混合物を窒素雰囲気下にて室温で20時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を無水ジエチルエーテル(2×50ml)で洗浄し、減圧にて50℃で16時間乾燥して樹脂41を淡黄色顆粒として得た(6.4g)。担持レベル:0.5ミリモルg-1(GeとClの組み込み量から推定)。元素分析:C,76.7;H,7.9;Ge,3.6;Cl,2.2%
チオフェンモノマー10を不動態化して樹脂42を得る
Figure 2005523360
シリルチオフェン10(1.80g,6.4ミリモル)のTHF(10ml)溶液を脱気し、この溶液に−50℃にてLDAのヘキサン/THF/エチルベンゼン溶液(3.26ml,2.0M,6.5ミリモル)を滴下した。本溶液を−40℃に加温し、この温度で40分攪拌し、再び−50℃に冷却した。塩化ゲルミル樹脂41(3.35g,LL=0.6ミリモルg-1,2.1ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た懸濁液を脱気し、この懸濁液に前記溶液を−50℃にてカニューレによって移した。得られた混合物を−40℃にて1時間攪拌し、室温に加温し、さらに16時間攪拌した。NH4Cl飽和水溶液(100ml)でクエンチした後、溶媒を濾過によって除去し、樹脂を、DMF(100ml×3)、THF:H2O 1:1(100ml×3)、THF(100ml×3)、およびMeOH(100ml×3)で洗浄した。次いで樹脂を減圧にて60℃で乾燥して、必要とする樹脂42を黄色粒子として得た(2.67g)。元素分析:C,83.3;H,7.7;N,0.2;S,0.4;Ge,1.9%
シリルで保護されたチオフェンを脱保護して樹脂43を得る
Figure 2005523360
シリルで保護されたゲルミルチオフェン樹脂42(2.00g,LL=0.6ミリモルg-1,1.24ミリモル)をDMF(5ml)中に混合して得た混合物にフッ化セシウム(1.32g,8.68ミリモル)を加え、本混合物を110℃で72時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去し、樹脂を、DMF(75ml×2)、THF:H2O 1:1(75ml×3)、THF(75ml×3)、およびMeOH(75ml×3)で洗浄した。次いで樹脂を減圧にて60℃で乾燥して、必要とする樹脂43をベージュ色の粒子として得た(1.58g)。元素分析:C,84.0;H,7.9;N,0.2;S,0.5;Ge,1.8%
樹脂結合したチオフェンをヨウ素化して樹脂44を得る
Figure 2005523360
ゲルミルチオフェン樹脂43(1.18g,LL=0.6ミリモルg-1,0.73ミリモル)をTHF(10ml)中に混合して得た懸濁液に、−50℃にてLDAのヘキサン/THF/エチルベンゼン溶液(1.10ml,2.0M,2.19ミリモル)を滴下した。−40℃で40分攪拌した後、1,2-ジヨードエタン(1.03g,3.65ミリモル)をTHF(10ml)中に溶解して得た溶液を脱気した溶液を、−50℃にてカニューレによって加えた。得られた混合物を暗所にて−40℃で1時間攪拌し、室温に加温し、さらに1時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去し、樹脂を、Ns2S2O3水溶液(75ml×3)、THF:H2O 1:1(75ml×3)、THF(75ml×3)、およびMeOH(75ml×3)で洗浄した。次いで樹脂を減圧にて60℃で乾燥して、必要とする樹脂44をベージュ色の粒子として得た(0.98g)。元素分析:C,83.0;H,7.7;N,0.3;S,0.4;Ge,1.7%
樹脂44上のSuzuliクロスカップリングによって樹脂45を得る
Figure 2005523360
シリルチオフェンピナコラート-ボロン酸エステル11(502mg,1.23ミリモル)とヨウ化ゲルミルチオフェン樹脂44(655mg,LL=0.6,0.41ミリモル)をDMF(5ml)中に混合して得た溶液を脱気し、この溶液にPd(PPh3)4(23.1mg,0.02ミリモル)を加え、得られた混合物を60℃で24時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去し、樹脂を、DMF(50ml×2)、THF:H2O 1:1(50ml×3)、THF(50ml×3)、およびMeOH(50ml×3)で洗浄した。樹脂を減圧にて60℃で乾燥して、必要とする樹脂45をベージュ色の粒子として得た(595mg)。IR(ニート)3024,2919,1600,1509,1492,1451,1244,1104,1028cm-1。元素分析:C,82.6;H,7.4;N,0.2;S,0.8%
下記の工程は、樹脂上での“二重カップリング”を実証するために行った。
樹脂結合したチオフェンのヨウ素化46
Figure 2005523360
ゲルミルチオフェン樹脂45(314mg,LL=0.6ミリモルg-1,0.19ミリモル)をTHF(2ml)中に混合して得た懸濁液に、−50℃にてLDAのヘキサン/THF/エチルベンゼン溶液(1.10ml,2.0M,2.19ミリモル)を滴下した。−40℃にて40分攪拌した後、1,2-ジヨードエタン(267mg,0.95ミリモル)のTHF(1ml)溶液を脱気した溶液を−50℃にてカニューレによって加えた。得られた混合物を暗所にて−40℃で1時間攪拌し、室温に加温し、さらに1時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去し、樹脂を、Na2S2O3水溶液(50ml×3)、THF:H2O 1:1(50ml×3)、THF(50ml×3)、およびMeOH(50ml×3)で洗浄した。樹脂を減圧にて60℃で乾燥して、必要とする樹脂46をベージュ色の粒子として得た(272mg)。
樹脂結合したチオフェン上のSuzukiクロスカップリング47
Figure 2005523360
シリルチオフェンピナコラート-ボロン酸エステル11(208mg,0.51ミリモル)とヨウ化ゲルミルチオフェン樹脂46(272mg,LL=0.6,0.17ミリモル)をDMF(2ml)中に混合して得た溶液を脱気し、この溶液にPd(PPh3)4(9.8mg,0.008ミリモル)を加え、得られた混合物を60℃で24時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去し、樹脂を、DMF(50ml×2)、THF:H2O 1:1(50ml×3)、THF(50ml×3)、およびMeOH(50ml×3)で洗浄した。樹脂を減圧にて60℃で乾燥して、必要とする樹脂47をベージュ色の粒子として得た(262mg)。元素分析:C,81.8;H,7.0;N,0.2;S,0.8%
(実施例4)
本発明をさらに例示する。実施例4は、固体担体に各モノマー単位を逐次加えるという段階的プロセスでのトリアリールアミントリマー単位の集成に関する。
実験の部
化合物はいずれも、ゲル相NMR分光分析法と元素分析よって特性決定し、予測される構造と矛盾のないことが判明した。
アリールアミンモノマー24を結合させて樹脂48を得る
Figure 2005523360
(4-ブロモ-フェニル)-[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-p-トリル-アミン24(2.53g,5.4×10-3モル)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に、−78℃にてn-ブチルリチウムの溶液(ヘキサン中2.5M)(3.4ml,5.4×10-3モル)を滴下した。45分攪拌した後、本混合物を、樹脂C(3.00g,1.5×10-3モル)をトルエン(30ml)中に混合して得た懸濁液に、−78℃にてカニューレによって移した。得られた混合物を室温で18時間攪拌した。HClの水溶液(1M)を加え、本混合物をさらに30分攪拌した。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド(1×75ml)、テトラヒドロフラン/水(1:1)(2×75ml)、テトラヒドロフラン(2×75ml)、およびメタノール(2×75ml)で逐次洗浄し、減圧にて50℃で18時間乾燥して、樹脂48を淡黄色顆粒として得た(3.23g)。元素分析:C,80.2%;H,8.0%;N,0.5%;Ge,2.7%;Cl,<0.5%
シリルで保護された樹脂48を脱保護して樹脂49を得る
Figure 2005523360
手順F
樹脂48(2.43g,1.22×10-3モル)をテトラヒドロフラン(20ml)中に混合して得た懸濁液にフッ化テトラブチルアンモニウム(1.34g,4.25×10-3モル)を加えた。本混合物を、窒素雰囲気下にて室温で20時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド(1×75ml)、テトラヒドロフラン/水(1:1)(2×75ml)、テトラヒドロフラン(2×75ml)、およびメタノール(2×75ml)で逐次洗浄し、減圧にて50℃で16時間乾燥して、樹脂49を淡黄色顆粒として得た(2.33g)。元素分析:C,80.8%;H,7.7%;N,0.7%;Ge,2.8%
樹脂結合したアリールアミン49をトリフラート化して樹脂50を得る
Figure 2005523360
手順G
樹脂49(1.61g,0.81×10-3モル)をピリジン(10ml)中にて膨潤させて得た懸濁液に、0℃にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.50ml,2.97×10-3モル)を徐々に加えた。得られた混合物を0℃で5分攪拌し、次いで室温に自然加温し、この温度でさらに16時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド(1×75ml)、テトラヒドロフラン/水(1:1)(2×75ml)、テトラヒドロフラン(2×75ml)、およびメタノール(2×75ml)で逐次洗浄し、減圧にて50℃で16時間乾燥して、樹脂50を淡黄色顆粒として得た(1.73g)。元素分析:C,76.3%;H,6.7%;N,0.7%;S,1.3%;F,2.2%;Ge,2.7%;N,0.7%
樹脂50上のSuzuliクロスカップリングによって樹脂51を得る
Figure 2005523360
手順H
樹脂50(1.34g,0.67×10-3モル)、[4-(tert-ブチル-ジメチル-シラニルオキシ)-フェニル]-[4-(4,4,5,5-テトラメチル-[1,3,2]ジオキサボロラン-2-イル)-フェニル]-p-トリル-アミン25(1.73g,3.35×10-3モル)、Pd(PPh3)4(0.15g,0.13×10-3モル)、およびNa2CO3水溶液(2M)(10ml)を1,2-ジメトキシエタン(10ml)中に混合して得た混合物を80℃で18時間攪拌した。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド(1×50ml)、テトラヒドロフラン/水(1:1)(2×50ml)、テトラヒドロフラン(2×50ml)、およびメタノール(2×50ml)で逐次洗浄し、減圧にて50℃で16時間乾燥して、樹脂51を暗褐色顆粒として得た(1.25g)。元素分析:C,77.1%;H,7.0%;N,1.0%;F,2.2%;Ge,2.5%
シリルで保護された樹脂51を脱保護して樹脂52を得る
Figure 2005523360
本化合物は手順Fに従って製造した。樹脂51(0.94g,0.47×10-3モル)とフッ化テトラブチルアンモニウム(0.74g,2.35×10-3モル)をテトラヒドロフラン(10ml)中に一緒に加えた。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド(1×30ml)、テトラヒドロフラン/水(1:1)(2×30ml)、テトラヒドロフラン(2×30ml)、およびメタノール(2×30ml)で逐次洗浄し、減圧にて50℃で16時間乾燥して、樹脂52を暗褐色顆粒として得た(0.91g)。元素分析:C,78.5%;H,7.0%;N,1.0%;Ge,2.4%
樹脂結合したアリールアミン52をトリフラート化して樹脂53を得る
Figure 2005523360
本化合物は手順Gに従って製造した。樹脂52(0.70g,0.35×10-3モル)とトリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.30ml,1.75×10-3モル)をテトラヒドロフラン(10ml)中に一緒に加えた。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド(1×30ml)、テトラヒドロフラン/水(1:1)(2×30ml)、テトラヒドロフラン(2×30ml)、およびメタノール(2×30ml)で逐次洗浄し、減圧にて50℃で16時間乾燥して、樹脂53を褐色顆粒として得た(0.65g)。元素分析:C,67.9%;H,6.3%;N,1.1%;S,1.1%;Ge,2.2%
樹脂53上のSuzuliクロスカップリングによって樹脂54を得る
Figure 2005523360
本化合物は手順Hに従って製造した。1,2-ジメトキシエタン(5ml)中にて、樹脂53(0.53g,0.35×10-3モル)を、27(1.73g,3.35×10-3モル)、Pd(PPh3)4(0.15g,0.13×10-3モル)、およびNa2CO3水溶液(2M)(5ml)と反応させた。溶媒を濾過によって除去した後、樹脂を、N,N-ジメチルホルムアミド(1×30ml)、テトラヒドロフラン/水(1:1)(2×30ml)、テトラヒドロフラン(2×30ml)、およびメタノール(2×30ml)で逐次洗浄し、減圧にて50℃で16時間乾燥して、樹脂54を褐色顆粒として得た(0.47g)。元素分析:C,72.0%;H,6.2%;N,1.3%;Ge,2.2%
樹脂54を開裂してN 4’ -[4’-(ジ-p-トリルアミノ-ビフェニル-4-イル]-N 4 -(4’-フェニル)-N 4 ,N 4’ -ジ-p-トリル-ビフェニル-4,4’-ジアミン55を得る
Figure 2005523360
樹脂54(0.33g)をトリフルオロ酢酸(ジクロロメタン中10%)(5ml)中に混合して得た懸濁液を室温で16時間攪拌した。濾過によって樹脂を分離し、ジクロロメタンで洗浄した。有機洗浄液を減圧にて50℃で濃縮して暗褐色油状物を得た。カラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル:ヘキサン 1:20)によって精製して予測される生成物を得た。1H-NMR分光分析法と13C-NMR分光分析法によって構造を確認した。
Frechet1とBauerle2による、先行技術において採用されている樹脂/リンカーを示している。 固相合成の液相モデルに関連して、実施例1において使用されているゲルミルリンカー3を示している。 オリゴチオフェンの繰り返し固相合成における、重要と考えられる幾つかの工程を示している。 保護されたチオフェンモノマーのゲルミルリンカーへの結合を示している(4から51へ)。 提唱されている脱保護プロトコルを示している(51から61へ)。 提唱されているヨウ素化プロトコルを示している(61から71へ)。 提唱されているカップリングプロトコルを示している(71から52へ)。 ‘二重カップリング’を含めた完全な繰り返しサイクルを示している(52から53へ)。 ゲルミルリンカーからの開裂プロトコルによって得られる可能性のある生成物を示している(5n+1から8n+1へ)。 ブロックオリゴマーの製造を概略的に示している。 アリールアミンの繰り返し固相合成における、重要と考えられる幾つかの工程を示している。 ゲルミルリンカーの結合と官能化を示している。 保護されたアリールアミンモノマーのゲルミルリンカーへの結合を示している。 提唱されている脱保護プロトコルを示している。 トリフルオロメタンスルホネートへの転化の、提唱されているプロトコルを示している。 提唱されているカップリングプロトコルを示している。 提唱されている開裂プロトコルを示している。

Claims (44)

  1. 第2のモノマーにカップリングされた第1のモノマーを含む共役分子の製造法であって、
    (i) ゲルミル連結基のゲルマニウム原子を介して固体担体に第1のモノマーを連結する工程;
    (ii) 前記第1のモノマーをカップリング位置において第2のモノマーにカップリングして結合した共役分子を形成させる工程、このとき前記第2のモノマーは、カップリングがなされない位置に保護基を有する;
    (iii) 所望により、第3、第4、...および第nのモノマーを、それぞれ前記の第2、第3、...および第(n−1)のモノマーに逐次カップリングさせる工程;
    (iv) 前記保護基を除去する工程;および
    (v) ipso-脱ゲルミル化を行って、前記結合した共役分子を放出させる工程;
    を含む前記製造法。
  2. 第2のモノマーにカップリングされた第1のモノマーを含む共役分子の製造法であって、
    (A) ゲルミル連結基のゲルマニウム原子を介して固体担体に前記第1のモノマーを連結し、必要に応じて前記第1のモノマー上のある位置を活性化させる工程;
    (B) 前記第1のモノマーをカップリング位置にて第2のモノマーにカップリングさせて結合した共役分子を形成させる工程、このとき前記第2のモノマーは、カップリングがなされない位置に保護基を有する;
    (C) 所望により、前記保護基を除去して、1種以上のさらなるモノマー分子を使用して(B)を1回以上繰り返す、所望により、保護基をもたないモノマー分子を使用するか又は保護基が存在する場合は必要に応じて保護基を除去する工程;
    (D) 保護基が存在する場合は、必要に応じて保護基を除去する工程;および
    (E) ipso-脱ゲルミル化を行って、前記結合した共役分子を放出させる工程;
    を含む前記製造法。
  3. (B)のカップリングを少なくとも1回繰り返してより高度の転化を果たす、請求項2記載の製造法。
  4. モノマーのそれぞれが共役分子の−系に寄与する、請求項1、2、または3に記載の製造法。
  5. モノマーのそれぞれが、単環式もしくは多環式の、例えば縮合多環式の、環置換されていてもよい芳香族炭素環式モノマー;単環式もしくは多環式の、例えば縮合多環式の、環置換されていてもよい不飽和複素環式モノマー、例えば不飽和ヘテロ芳香族モノマー;および不飽和非環式の炭化水素架橋モノマー;からなる群から独立的に選択される、請求項1〜4の4いずれかに記載の製造法。
  6. 前記モノマーの1種以上が、共役分子の特性、例えば電子特性を高める環置換基を有する、請求項5記載の製造法。
  7. 共役ポリマーがポリヘテロサイクルであり、前記モノマーの少なくとも1種が、好ましくは少なくとも第1のモノマーが環置換されている、請求項1〜6のいずれかに記載の製造法。
  8. 前記モノマーの少なくとも1種が、同一であっても異なっていてもよい1つ、2つ、もしくは3つの複素環原子を含有してよい、5員または6員の環置換されていてもよい複素環モノマー単位である、請求項5〜7のいずれかに記載の製造法。
  9. 前記の複素環原子または各複素環原子が、窒素、イオウ、酸素、リン、およびセレンからなる群から選択される、請求項5〜8のいずれか一項に記載の製造法。
  10. 前記の複素環原子または各複素環原子が窒素またはイオウである、請求項9のいずれかに記載の製造法。
  11. 式-Ar’NAr”’Ar”-で示される少なくとも1種のモノマー群が存在し、このとき基Ar’、Ar”、およびAr”’はアリール基であり、前記アリール基はフェニル基であってよい、請求項1〜4に記載の製造法。
  12. Ar”’が、電子吸引効果もしくは電子供与効果を有する基で置換、例えばo-置換またはp-置換されている、請求項11記載の製造法。
  13. Ar”’が、芳香族溶媒または塩素化溶媒に対する共役化合物の溶解度を高める置換基を有する、請求項11記載の製造法。
  14. 前記モノマーの少なくとも1種が、3-位置もしくは4-位置がアルキル基で、例えばヘキシルやオクチル等のC1-12-アルキルで、または例えばフェニル等のアリール基で置換されていてもよいチオフェンである、請求項1〜13のいずれかに記載の製造法。
  15. 前記保護基が、式SiR’R”R”’(式中、R’、R”、およびR”’は独立的に、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基もしくはフェニル基である)で示されるシリル基、例えばMe3Si、Et3Si、iPr3Si、Me2PhSi、および好ましくはMe2 tBuSi(TBDMS)であるか、あるいは対応するシリルオキシ基である、請求項1〜14のいずれかに記載の製造法。
  16. 前記シリル保護基が、工程(D)において、例えばK3PO4やCs2CO3等の塩基供給源、および/または、例えばCsFやnBu4NF等のフッ化物供給源を使用して求核反応により除去される、請求項11記載の製造法。
  17. 工程(E)のipso-脱ゲルミル化がipso-プロト脱ゲルミル化、すなわちゲルマニウム結合がプロトンで置き換えられる開裂である、請求項1〜16のいずれかに記載の製造法。
  18. 例えばipso-ハロ脱ゲルミル化等の求電子ipso-脱ゲルミル化が行われる、請求項1〜17のいずれか一項に記載の製造法。
  19. ipso-プロト脱ゲルミル化が、例えばトリフルオロ酢酸(TFA)、HCO2H、AcOH、ClCH2CO2H、もしくはCl2CHCO2H等の強い有機酸;例えばHCl、H2SO4、もしくはHF等の無機酸;または、例えばCsFもしくはBu4NF等のフッ化物イオン供給源;を使用して行われる、請求項18記載の製造法。
  20. シリル基が除去されない温和な条件下で行われる、請求項19記載の製造法。
  21. 求電子ipso-脱ゲルミル化が、F+、Cl+、Br+、もしくはI+等のハロニウムイオンの供給源;NO+の供給源;NO2 +の供給源;SO3 +の供給源;RCO+の供給源;RSO2 +の供給源;例えばBCl2 +等のBHal2 +の供給源;またはB(OH)2 +の供給源;を使用して行われる、請求項19または20に記載の製造法。
  22. 保護された共役分子が放出されるよう、保護基が完全な状態のままで保持される温和な条件下で脱ゲルミル化を行う、請求項1〜21のいずれかに記載の製造法。
  23. 不斉共役分子が得られるよう、前記保護基を、工程(D)において異なった求電子試剤を使用して引き続き除去する、請求項21記載の製造法。
  24. 前記保護基を、例えば求電子ipso-脱シリル化等の脱ゲルミル化と同時に除去して、対称末端の官能化共役分子を放出させる、請求項1〜23のいずれかに記載の製造法。
  25. 工程(E)が、求電子性基Eを使用してipso-脱ゲルミル化を行って、末端官能価Eを有する結合した共役分子を放出させること;次いで、末端官能価Eを有する共役分子と化合物A’Y’(式中、基Y’は、末端官能価Eに置き換わることができる)とを反応させること;を含む、請求項1〜25のいずれかに記載の製造法。
  26. 前記末端官能価Eが、臭素;ヨウ素;またはボロン酸基もしくはその誘導体、例えばエステル誘導体、例えば式-B(OR)n(式中、nは2または3であり;各Rは独立的に、水素または置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状のC1-6-アルキル基であるか、あるいは2つのR基が、2つの酸素原子間を繋ぐ置換されていてもよいアルカノ架橋基、例えば置換されていてもよいエタノ架橋基もしくはプロパノ架橋基を示す)で示されるボロン酸基等のホウ素基;である、請求項25記載の製造法。
  27. 基Y’が、末端キャップ基、例えば、C1-6-アルキル等の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、アリール基、ベンジル基、ビニル基、プロパルギル基、アリル基、アルキニル基、またはオリゴ複素環基のような共役分子である、請求項25記載の製造法。
  28. Y’が、官能化ブロック共役ポリマー基または官能化ブロック共役オリゴマー基、例えばチオフェン単位またはピリジン単位のブロックであり、A’が、臭素、ヨウ素、または有機金属官能価、例えば有機マグネシウム官能価、有機亜鉛官能価、もしくは有機スズ官能価、または好ましくは例えばB(ORy)n(式中、nは2または3であり;各Rは独立的に、水素または置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状のC1-6-アルキル基であるか、あるいは2つのR基が、2つの酸素原子間を繋ぐ置換されていてもよいアルカノ架橋基を示す)で示される有機ホウ素官能価であり、特に好ましくはB(OH)2である、請求項25または27に記載の製造法。
  29. 工程(B)が、第1のモノマーをカップリング位置にてハロゲン化すること;得られた生成物とカップリング位置がメタル化された第2のモノマーとを反応させること、または第1のモノマーをカップリング位置にてメタル化すること;および得られた生成物とカップリング位置がハロゲン化された第2のモノマーとを反応させること;を含む、請求項1〜28のいずれかに記載の製造法。
  30. 前記ハロゲン化が、所望により、例えば酢酸水銀やヘキサン酸水銀等の水銀塩の存在下にて、臭素、ヨウ素、またはこれらの供給源、好ましくは1,2-ジヨードエタンを使用して行われる、請求項29記載の製造法。
  31. 第1のポリマーまたは第2のポリマーのカップリング位置が、例えば有機ホウ素基、有機マグネシウム基、有機スズ基、および有機亜鉛基から選択される金属性基でメタル化される、請求項29または30に記載の製造法。
  32. 前記ホウ素基が、ボロン酸エステル基または好ましくは超原子価ボロネート錯体である、請求項31記載の製造法。
  33. 前記ホウ素基がボロン酸基またはその誘導体である、請求項31記載の製造法。
  34. 前記ホウ素基が式
    -B(ORy)n
    (式中、nは2または3であり;各Ryは独立的に、水素または置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状のC1-6-アルキル基であるか、あるいは2つのRy基が、2つの酸素原子間を繋ぐ置換されていてもよいアルカノ架橋基を示す)で示される基である、請求項31、32、または33に記載の製造法。
  35. 前記超原子価ボロネート錯体が、適切な金属対イオン、例えばNaイオン、好ましくはLiイオンとの超原子価アルキルボロネート錯体である、請求項32記載の製造法。
  36. 前記第1のモノマーの選択された位置をメタル化、好ましくはリチウム化し、メタル化された第1のモノマーと、好ましくはクロライドである適切な離脱基を有する不動態化されたゲルミル連結基とを反応させる、請求項1〜35のいずれかに記載の製造法。
  37. 1種のモノマーが式
    [X-B(OR)3]M
    (式中、Mは対イオン、例えばアルカリ金属イオン、例えば、NaイオンやLiイオンであり;Xは、単環式もしくは多環式の、例えば縮合多環式の、環置換されていてもよい不飽和炭化水素成分または不飽和複素環成分であって、ゲルマニウム原子に連結させることができ;各R基は独立的に、水素または置換されていてもよい直鎖状もしくは分岐鎖状のC1-6-アルキル基であるか、あるいは2つのR基が、2つの酸素原子間を繋ぐ置換されていてもよいアルカノ架橋基を示す)で示される化合物である、請求項1〜36のいずれかに記載の製造法。
  38. 基Xが、1つ、2つ、または3つの複素環原子を含有してよい環置換された複素環成分であって、前記複素環原子が同一であっても異なっていてもよく、好ましくは窒素、イオウ、酸素、リン、およびセレンからなる群から選択され、好ましくは窒素、酸素、およびイオウからなる群から選択され、さらに好ましくは窒素とイオウからなる群から選択される、請求項37記載の製造法。
  39. 前記複素環成分が、好ましくは、環置換されていてもよいチオフェン、フラン、ピリジン、イミダゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピラン、ピラジン、ピリダジン、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、トリアゾール、オキサジアゾール、ピロール、インダゾール、インドール、インドリジン、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、およびフェニルからなる群から選択される、5員または6員の環置換されていてもよい複素環成分である、請求項37または38に記載の製造法。
  40. 前記複素環成分が、環置換されていてもよいチオフェンと環置換されていてもよいピリジンとからなる群から選択され、好ましくは、3-位がアルキル基、例えばヘキシルやオクチル等のC1-8-アルキルで、またはアリール基、例えばフェニル基で置換されていてもよいチオフェンである、請求項37、38、または39に記載の製造法。
  41. 式X(ORX-GeR1R2Hal)n(式中、Xは、水と有機溶媒に対する溶解度が低い高分子量物質であって、適切にはアルコキシ鎖で置換された炭化水素樹脂、例えばアルコキシ鎖で置換されたポリスチレン、好ましくはプロポキシ鎖で、さらに好ましくはエトキシ鎖もしくはプロポキシ/エトキシ鎖で置換されたポリスチレンであり;RXは、適切には1〜12個の、さらに好ましくは3〜10個の炭素原子を有する炭化水素基、例えばアルキル基、アリール基、またはアリールアルキル基であり、前記アリール基は、アルキル基で置換されていてもよいベンゼン環を含むのが適切であり;Geはアルキル基に連結されているのが好ましく;R1とR2は独立的にアルキル基またはアリール基であって、例えばフェニル基またはトリル基であり、1〜10個の炭素原子を有するのが好ましく;Halはハライドを、例えばブロマイド原子、ヨーダイド原子、または好ましくはクロライド原子を表わしており;nは大きい整数である)で示される、請求項1〜40のいずれか一項に記載の製造法を実施するための固体担体。
  42. R1および/またはR2が、その後のゲルマニウム開裂の効率を有利に高める電気陰性基で置換されたアリール基である、請求項41記載の固体担体。
  43. 前記電気陰性基がアルコキシ基またはハロゲン基であり、前記アルコキシ基が1〜6個の炭素原子を含有する、請求項42記載の固体担体。
  44. 前記固体担体が請求項41〜43のいずれか一項に記載の通りである、請求項1〜40のいずれかに記載の製造法。
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