JP2005522729A - レトロクロミックビーズの製造方法およびそのキット - Google Patents

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Abstract

本発明は、複数の本質的にレトロクロミックなビーズを製造する方法を提供する。本発明は、種々の再帰反射色を有する本質的にレトロクロミックなビーズを含むキットをさらに提供する。

Description

本発明は広くは、再帰反射された光の色を変化させる再帰反射ビーズ、その製造方法、およびそれを含む物品に関する。
「再帰反射性」とは、光線が入ると、その光源方向に光が実質的に戻るように反射させる能力を意味する。たとえば、透明接着剤が裏面に設けられたオーバーレイフィルムなど隠された再帰反射パターンを有するフィルムが、認証補償物品(たとえば、パスポート、識別バッジ)に使用されている。典型的には、このようなオーバーレイフィルムは、拡散照明の条件下では容易に識別できない隠された再帰反射パターンを有するが、再帰反射モード(たとえば、フラッシュライトまたはレトロビューア(retroviewer)などの専用装置を使用)で観察すると容易に識別できるようになる。
用途に依存するが、再帰反射物品に隠された色を付与することによって、さらなる保証的特徴が得られたり(たとえば、パスポートまたは識別バッジの確認の場合など)、または新しい視覚的効果(たとえば、グラフィック物品の設計および製造に使用される場合など)が得られたりすることがある。
本明細書で使用される場合、用語「レトロクロミズム(retrochromism)」は、再帰反射モード(すなわち、照射源が視線と実質的に同一線状にあり、典型的には反射角が10°以下となる)で観察した場合に、再帰反射モード以外で物体または領域を観察した場合の色と異なる反射色となる物体または物体の領域の性質を意味する。レトロクロミズムを示す種々の構成が知られている。たとえば、そのような構成の1つでは、高屈折率ガラスビーズが材料(たとえば誘電体ミラーなど)の1つ以上の層に部分的に組み込まれている。再帰反射された光の色の変化は、光と、ビーズと、ビーズが部分的に埋め込まれた層との間の相互作用によって生じる。このような物品は、層のコーティング厚さのばらつき、および層に貫入するビーズの深さの差のために、レトロクロミズムが失われたり不規則になったりする傾向が生じる場合がある。さらにこのような物品では、使用中の物品の湾曲による損傷、熱収縮性不正表示フィルムとして使用される場合の損傷が起こりやすい場合がある。さらに、複数の再帰反射色の複雑なパターンを有するこのようなレトロクロミック(retrochromic)な物品を製造することは面倒であり困難である。
これらの欠点は、方向または位置とは無関係にレトロクロミックであるレトロクロミックビーズを使用することで克服可能であった。したがって、種々の再帰反射色でこのような本質的にレトロクロミックなビーズを製造する簡単で経済的な方法が提供されることが望ましい。本質的にレトロクロミックなビーズを含み、それらのビーズを混合することで特化された再帰反射色を得ることができるキットが提供されることも望ましい。
一態様において、本発明は、本質的にレトロクロミックなビーズを製造する方法であって、
ビーズの流動床を提供するステップと、
複数の各ビーズのそれぞれの表面上に同心光学干渉層を付着させて、複数の被覆付ビーズを形成するステップと、
前記流動床から被覆付ビーズの第1部分を取り出すステップとを含み、
前記第1部分を含む前記同心光学干渉層が第1平均厚みを有し、前記第1部分が本質的にレトロクロミックなビーズを含む方法を提供する。
ある実施形態においては、被覆付ビーズを再帰反射モードで観察することによって、同心光学干渉層の付着を監視することができる。
別の態様においては、本発明は、第1の平均再帰反射色を有する第1の複数の本質的にレトロクロミックなビーズと、第2の平均再帰反射色を有する第2の複数の本質的にレトロクロミックなビーズと、第3の平均再帰反射色を有する第3の複数の本質的にレトロクロミックなビーズとを含むキットであって、前記再帰反射色が別個のものであり、再帰反射色パレットを含むキットを提供する。
さらに別の態様においては、本発明は、特化された再帰反射色を有する複数の再帰反射ビーズを製造する方法であって、
第1の平均再帰反射色を有する第1の複数の本質的にレトロクロミックなビーズを提供するステップと、
第2の平均再帰反射色を有する第2の複数の本質的にレトロクロミックなビーズを提供するステップと、
前記第1および第2の複数のレトロクロミックなビーズを混合しながら組み合わせるステップとを含む方法を提供する。
本発明の種々の態様によると、広範囲のレトロクロミック色を有する本質的にレトロクロミックなビーズを容易に、かつ経済的に製造することができる。このようなビーズは、たとえば機密文書の認証や、グラフィックアートなどの用途に有用である。
本明細書および特許請求の範囲全体で以下の定義が使用される:
「本質的にレトロクロミックなビーズ」とは、少なくとも1種類の等方性媒体中に全体を浸漬した場合に、実質的にあらゆる方向でレトロクロミズムを示すビーズを意味する。
「光」とは、電磁スペクトルの可視領域(すなわち400nm〜700nm)、紫外領域(すなわち200nm〜400nm)、および/または赤外領域(すなわち700nm〜100μm)に1つ以上の波長を有する電磁放射線を意味する。
「金属酸化物」とは、主として1種類以上の金属および/または半金属の陽イオンと酸素とで構成され、少量の他の元素および化合物を含むことができる材料を意味する。
「屈折率」とは、他に明記しない限りは、ナトリウムの黄色d線に対応する589.3ナノメートル(すなわちnm)、および20℃の温度における屈折率を意味する。
「レトロクロミック」とは、そのように称される物体がレトロクロミズムを示すことを意味する。
「レトロクロミックパターン」とは、1つ以上のレトロクロミック領域を含むパターンを意味する。
「再帰反射色」とは、再帰反射された光の外観を意味する。本明細書および特許請求の範囲全体で使用される場合、複数の再帰反射色間の差は、同一の照射源を使用して決定される。
「再帰反射色パレット」とは、再帰反射色と関連する差スペクトルが、少なくとも20nmの波長で間隔が開いた複数の相対的極大または極小を示す、少なくとも3つの再帰反射色を意味する。「差スペクトル」とは、最大強度が100%と規定されるように各スペクトルが規格化された後の、照射源の光と再帰反射された光との強度対波長スペクトルの差を意味する。
「観察可能な」とは、観察される物体からある距離離れて視覚的に観察できることを意味する。
「観察可能領域」とは、境界を有する物体の一部、または観察者によって実質的に識別または認識可能な全体的範囲を意味する。
本質的にレトロクロミックなビーズは、たとえば、本明細書においてタイプIおよびタイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズと呼ばれる少なくとも2つの種類であってよい。
タイプIの本質的にレトロクロミックなビーズ
ここで図1を参照すると、タイプIの本質的にレトロクロミックなビーズ100は、透明で実質的に球形のコア110を含み、その上には外面125を有する同心光学干渉層120を有する。コア110は界面115で光学干渉層120と接触している。
典型的には、同心光学干渉層120は、球状コア110の全面上で実質的に均一で完全な層を形成している。望ましくは、同心光学干渉層は均一で完全であるが、十分な大きさではない、またはビーズが本質的なレトロクロミックとならない量ではない限りは、層のわずかな不完全(たとえば、ピンホールおよび/またはわずかな厚さのばらつき)は許容することができる。
典型的には光は、異なる屈折率(たとえば、屈折率差が少なくとも0.1である)を有する材料の間の界面で反射される。したがって、コア110と、実質的に透明な光学干渉層120との間に十分な屈折率差があると、界面115で第1の反射が発生する。同様に、光学干渉層120と、光学干渉層120と接触するあらゆる背景媒体(たとえば、真空、気体、液体、固体)との間の屈折率差によって、外面125で第2の反射が発生する。光学干渉層の厚さおよび屈折率を適切に選択することによって、これら2種類の反射を互いに光学的に干渉させることができ、その結果、このような干渉がない場合に観察される色とは異なる再帰反射色を得ることができる。
たとえば、レトロクロミックな挙動は、光学干渉層の厚さおよび屈折率によって決定される光学スペクトルの一部の弱め合う干渉によって得ることができる。この効果は、再帰反射モードで観察した場合に主に見ることができ、再帰反射モード以外で観察した場合には実質的に観察することができない。
再び図1を参照すると、タイプIの本質的にレトロクロミックなビーズ100に入射する光130は、大部分が光学干渉層120を透過して、コア110に入る。入射光130の一部は外面125または界面115で反射されることもある。コア110に入る光130の一部で再帰反射が起こり、屈折によってコア110の裏面上に少なくとも部分的に集束する。屈折した光135がコア100の裏面の界面115に入ると、屈折した光135の一部は、ビーズの前部に向かう反射光140として反射して戻り、ここで最終的に、入射光130と実質的に反平行方向の再帰反射光150としてビーズから出現する。同様に、集束した光の別の部分は、光学干渉層120を透過して、タイプIの本質的にレトロクロミックなビーズ100が配置されるあらゆる媒体(たとえば、気体、液体、固体、または真空)との界面を形成する外面125で反射光142として反射して戻る。最終的に反射光142は、入射光130と実質的に反平行方向の再帰反射光152としてビーズから出現する。反射されない残りの光は、本質的にレトロクロミックなビーズを完全に透過する。反射光140と反射光142との間の干渉、続く再帰反射光150と再帰反射光152との間の干渉によって、再帰反射光の色の変化が生じる。たとえば、入射白色光のスペクトル中央からの波長の減算によって、赤紫色の再帰反射光が得られる(すなわち、レトロクロミズム)。わずかにより厚い光学干渉層からは、より長い波長が減算され、その結果、たとえば緑色または青緑色が得られる。
2つの材料の間の界面における反射は、それら2つの材料の屈折率差に依存するので、十分な屈折率差が維持されるのであれば、高屈折率材料または低屈折率材料を含むコアおよび/または光学干渉層を使用する必要は本質的にない。コア110と光学干渉層120との屈折率差、および光学干渉層120とレトロクロミックビーズの使用が意図される媒体との屈折率差は、少なくとも0.1、望ましくは少なくとも0.2、より望ましくは少なくとも0.3、最も望ましくは少なくとも0.4となるべきである。光学干渉層120の屈折率は、コア110の屈折率よりも大きい場合もあるし、小さい場合もある。一般に、屈折率の選択、および対応する使用材料の選択は、反射の発生が意図される領域において外面125と接触する媒体の個別の選択によって決定される。
コア110、同心光学干渉層120、および本質的にレトロクロミックなビーズの使用が意図される媒体の屈折率は、ビーズの集光力と、界面115および125からの反射強度とが制御されるように選択されることが望ましい。典型的には、再帰反射光の彩度は、界面115および125における屈折率差が均衡する(すなわち実質的に等しい)場合に最大となる。2つの界面における屈折率差が均衡していない場合は、典型的には再帰反射光は薄くなり、すなわち「色あせる」。同時に、典型的には、均衡した屈折率差ができるだけ大きくなれば再帰反射色の明るさが最大となる。
高い再帰反射性を実現するために、望ましくは1.5を超え、より望ましくは1.8を超える比較的高い屈折率のコア110が選択されることが通常は望ましい。これによって、コア110の裏面(すなわち入射光源とは反対側)に入射光を少なくとも部分的に集束させることができる。
たとえば、直径が20〜200μmの範囲であり屈折率が1.9であり空気露出面を有するガラスビーズは、通常は、入射可視光の場合に高い効率の再帰反射性マイクロレンズとなる。屈折率が1.9のガラスビーズに屈折率が約1.4のシリカの薄層(すなわち光学干渉層)をコーティングすると、被覆付ビーズは、空気中で、屈折率差が約0.5のガラスビーズ−シリカ層界面と、屈折率差が約0.4のシリカ層−空気界面を有することになる。このように被覆付ビーズは、レトロビューアを使用して観察すると強力な色の効果を得ることができる。しかし、このように被覆付ビーズが、シリカ層の屈折率にはるかに近い屈折率を有する有機材料中に部分的に埋め込まれる場合は、シリカ層−背景媒体界面における屈折率差は非常に小さくなり、彩度および再帰反射強度は非常に低下する。
チタニアなどの高い屈折率を有する光学干渉層を使用すると、この種の構造体の場合に両方の界面で大きな屈折率差を得ることができる。多層コーティングを使用して、干渉作用を調整したり、界面の屈折率を単に固定したりすることもできる(たとえば、はるかに厚い外部コーティングによって)。
同心光学干渉層の厚さは、あらかじめ決定された色の効果が得られるように選択できることが好ましい。
界面で反射される光は、反射時に位相反転が起こる場合も起こらない場合もある。より高い屈折率を有する媒体を透過し、より低い屈折率を有する媒体との界面に到達する光は、位相反転が起こらずに反射される。対照的に、より低い屈折率を有する媒体を透過し、より高い屈折率を有する媒体との界面に到達する光は、位相反転が起こって反射される。結果として、光学干渉層の厚さの適切な選択は、コア110の屈折率、光学干渉層120の屈折率、および光学干渉層が入れられることが意図される媒体の屈折率に依存する。いずれの場合でも、外面125からの反射光が、界面115から反射される同じ波長の光とπラジアン(すなわち180°)だけ位相がずれるように厚さを選択すべきである。
ビーズの屈折率が光学干渉層の屈折率よりも大きく、光学干渉層の屈折率が媒体の屈折率よりも大きい場合、たとえば、減算される波長の1/4(すなわち1/4波長)の奇数倍である光学的厚さ(すなわち、厚さを屈折率で割ったもの)を光学干渉層120が有する場合には、典型的には弱め合う干渉が起こる。屈折率のこのような関係の例として、光学干渉層厚さが137.5nmであると、白色光照明を使用して再帰反射モードで観察する場合に赤紫色を得ることができる。光学干渉層の厚さが増加すると、弱め合う中心が長波長側に移動し、青、青緑、および黄緑の再帰反射色が徐々に観察されるようになる。
ビーズの屈折率が光学干渉層の屈折率より小さく、光学干渉層の屈折率が媒体の屈折率よりも大きい場合、減算される波長の1/2の整数倍である光学的厚さを光学干渉層120が有する場合に、通常は弱め合う干渉が起こる。
屈折率、追加の層、および層厚さの可能な順列の数は非常に大きいが、屈折率および厚さの個別の選択は、以上の説明を再検討すれば当業者には容易に明らかとなるであろう。
タイプIの本質的にレトロクロミックなビーズは、透明なビーズの流動床および蒸着技術を使用して好都合にかつ経済的に製造することができる。一般に、本発明で使用される、複数のビーズの流動させた(すなわち撹拌した)層上に気相材料を付着させる方法は、一括して「蒸着法」と呼ぶことができ、この方法では、それぞれの透明なビーズの表面に気体の形態から同心層が付着させられる。ある実施形態においては、気相前駆材料は透明なビーズと近接して混合され、その場で化学的に反応して、透明なビーズのそれぞれの表面上に材料の層が付着する。別の実施形態においては、材料が気体の形態で提供され、化学反応は実質的に起こらずに透明なビーズのそれぞれの表面上に層として付着する。
使用される付着方法に依存するが、典型的には気相である前駆材料(反応系付着方法の場合)または層材料(非反応系方法の場合)は、透明なビーズとともに反応器に入れられる。本発明では、同心光学干渉層(たとえば、金属酸化物の層)をそれぞれのコアの表面上に付着させるために、気相加水分解反応を使用することが望ましい。このような方法は、化学蒸着(「CVD」)反応と呼ばれる場合もある。
望ましくは、低温で大気圧の化学蒸着(「APCVD」)方法が使用される。このような方法は減圧装置を必要とせず、速いコーティング速度を得ることができる。低温、たとえば典型的には300℃をかなり下回る温度で非常に均一な層を得ることができるので、加水分解系のAPCVD(すなわち、水を反応性前駆体と反応させるAPCVD)が最も望ましい。
気相加水分解系反応の例は以下の通りである:
TiCl4+2H2O→TiO2+4HCl
この例の反応において、水蒸気および四塩化チタンはともに、金属酸化物の前駆材料と見なされる。
有用な流動床蒸着技術は、たとえば米国特許第5,673,148号明細書(モリス(Morris)ら)に記載されている。
十分な流動床は、所与の粒子、および粒子全体の集団の両方で均一な層を形成することができる。透明なビーズの実質的に全面を覆う実質的に均一な層を形成するために、透明なビーズを流動床反応器中で浮遊させる。典型的には、流動化によって、透明なビーズの凝集が効果的に防止され、透明なビーズと反応前駆材料との均一な混合が実現され、より均一な反応条件が実現される傾向にあるので、非常に均一な同心光学干渉層が得られる。透明なビーズを撹拌することによって、各集合体の実質的に全面が付着中に露出し、集合体と反応前駆体または層材料とを十分混合することができ、それによって各ビーズの実質的に均一で換算なコーティングが実現される。
凝集しやすい透明ビーズを使用する場合は、少量のヒュームドシリカ、沈降シリカ、商品名「ボラン」(VOLAN)(オハイオ州クリーブランドのザクロン・インコーポレイテッド(Zaclon,Inc.,Cleveland,OH)より入手可能)を有するメタクリラトクロム塩化物などの流動化助剤で透明なビーズをコーティングすることが望ましい。このような助剤の選択およびその有用な量は、当業者によって容易に決定することができる。
前駆材料を気相にして、それらを反応器に加えるための方法の1つは、本明細書ではキャリアガスと呼ぶ非反応性気体が好ましい気体の流れを、前駆材料の溶液またはそのままの液体に通し、続いて反応器に流すことによって気泡を発生させることである。代表的なキャリアガスとしてはアルゴン、窒素、酸素、および/または乾燥空気が挙げられる。
個々の用途におけるキャリアガスの最適な流量は、典型的には、反応器内の温度、前駆体の流れの温度、反応器内での集合体の撹拌の程度、および使用される個々の前駆体に少なくとも部分的に依存するが、有用な流量は、通常の最適化方法によって容易に決定することができる。望ましくは、前駆材料を反応器に移送するために使用されるキャリアガスの流量は、透明なビーズを撹拌し、最適な量の前駆材料を反応器に移送するために十分となる流量である。
本質的にレトロクロミックなビーズを製造するための代表的な方法が示されている図2を参照すると、キャリアガス202はウォーターバブラー204を介して気泡を発生して、水蒸気を含有する前駆体の流れ208が得られる。キャリアガス202は、四塩化チタンバブラー206を介しても気泡を発生し、四塩化チタン含有する前駆体の流れ230が得られる。次に、前駆体の流れ208および230は反応器220に送られる。コア110が反応器220に投入され、本質的にレトロクロミックなビーズ100がこれより取り出される。
典型的には前駆体流量は、十分な付着速度が得られ、所望の品質および性質の金属酸化物層が得られるように調整される。望ましくは、反応チャンバー中に存在する前駆材料の比率が、透明なビーズ表面における金属酸化物の付着を促進させ、チャンバーの他の場所での分離した、すなわち浮動性の金属酸化物粒子の形成が最小限となるように、流量が調整される。たとえば、四塩化チタンおよび水からチタニア層を付着させる場合、四塩化チタン1分子当たり水約8分子から、四塩化チタン2分子当たり水1分子までの間の比率が一般に好適であり、四塩化チタン1分子当たり水約2分子が好ましい。これらの条件下で、大部分の四塩化チタンと反応するための水は十分となり、大部分の水は再帰反射ビーズの表面上に吸着される。はるかに高い比率では、吸着されない水が多量に発生する傾向にあり、所望の酸化物層ではなく酸化物粒子が形成されることがある。
望ましくは、十分な量の前駆材料が反応器に移送されて、好都合な高速で加水分解反応および層付着過程が進行するように、前駆材料は十分高い蒸気圧を有する。たとえば、典型的には、比較的高い蒸気圧を有する前駆材料は、比較的低い蒸気圧を有する前駆材料よりも付着速度が速くなり、そのため、付着時間の短縮が可能となる。前駆体源を冷却することによって、材料の蒸気圧を下げたり、加熱することによって蒸気圧を上昇させたりすることができる。後者の場合には、供給源と反応器の間での凝縮を防止するために、前駆材料を反応器に移送するために使用される管材料またはその他の手段を加熱する必要が生じることがある。多くの場合、前駆材料は室温で純粋な液体の形態である。場合によっては、前駆材料を昇華性固体として使用することができる。
300℃よりも低温、典型的には200℃よりも低温における加水分解反応によって高密度の金属酸化物コーティングを形成可能な前駆材料が、ガラスビーズのコーティングには望ましい。望ましくは、四塩化チタンおよび/または四塩化ケイ素と、水とが前駆材料として使用される。揮発性金属塩化物以外に、有用な前駆材料としては、たとえば、水と、金属アルコキシド(たとえば、チタンイソプロポキシド、ケイ素エトキシド、ジルコニウムn−プロポキシド)、および金属アルキル(たとえば、トリメチルアルミニウム、ジエチル亜鉛)の少なくとも1種類との混合物が挙げられる。コーティング工程中に数種類の前駆体を同時に使用することが望ましい場合もある。
移送系内部での早期の反応を防止するために、TiCl4およびH2Oなどの相互反応性の前駆材料は、反応器に加えられるまえに混合されないことが望ましい。したがって、通常は反応チャンバー中に複数の気体の流れが形成される、
蒸着方法としては、加水分解系CVDおよび/またはその他の方法が挙げられる。このような方法においては、典型的には、ビーズ上で所望の性質を有する同心光学干渉層が効率的に付着し形成されるのを促進するために好適な温度にビーズが維持される。蒸着方法が実施される温度を上昇させると、典型的には、得られる同心層はより高密度になり、不安定な未反応前駆体はより少なくなる。スパッタリングまたはプラズマを使用する化学蒸着方法が使用される場合には、コーティングされる物品の加熱を最小限にする必要が生じる場合が多いが、通常は減圧装置が必要であり、小さなガラスビーズなどの粒子材料をコーティングする場合にはこの方法の使用は困難となる。
通常は、透明なビーズの望ましくない劣化が起こらないよう十分低温で実施される付着方法が選択されるべきである。したがって、光学干渉層の付着は、300℃よりも低温、より望ましくは200℃よりも低温における加水分解系APCVD法を使用して実施されることが望ましい。
四塩化物から付着されるチタニアおよびチタニア−シリカ層が特に望ましく、これらは低温、たとえば120℃〜160℃の間の温度におけるAPCVDによって容易に付着される。
典型的には、寸法安定性で実質的に球形のあらゆる透明ビーズを、本発明の実施におけるコアとして使用することができる。可視光の少なくとも1つの波長、望ましくは全波長に対して実質的に透明となるのであれば、コアは無機、ポリマー、またはその他であってよい。典型的には、コアの直径は20〜500μmであり、望ましくは50〜100μmであるが、その他の直径も可能である。
1.5〜2.5またはそれを超える屈折率、望ましくは1.7〜1.9の屈折率を有する材料、望ましくはシリカを含有する無機ガラスを、コアが含むことが望ましい。個々の意図する用途および同心光学干渉層の組成に応じて、コアは、より低い屈折率値を有することもできる。たとえば、ソーダライム−シリカ(すなわち窓ガラス)が低コストで非常に入手しやすいので、屈折率が1.50まで低いシリカガラスビーズをコアとして使用することが望ましい。場合によっては、コアは着色剤をさらに含んでもよい。望ましくは、コアはガラスを含む。
コアとして使用することができる代表的な材料としては、ガラス(たとえば、SiO2、B23、TiO2、ZrO2、Al23、BaO、SrO、CaO、MgO、K2O、Na2Oなどの金属酸化物の混合物)、ならびに米国特許第4,564,556号明細書(ラング(Lange))および同第4,758,469号明細書(ラング(Lange))などの記載される固体で透明な非ガラス質セラミック粒子が挙げられる。
代表的な有用な着色剤としては、遷移金属、染料、および/または顔料が挙げられ、通常はコアの化学組成との適合性、および使用される加工条件に従って選択される。
本発明の実施に使用される同心光学干渉層は、この層を支持するコアと異なる屈折率を有するあらゆる透明な材料で構成されてよい。望ましくは、同心光学干渉層は、光学的に透明になるように十分平滑であるべきである。望ましくは、同心光学干渉層は強靭であり、容易に欠けたり剥離したりすることがない。
同心光学干渉層は金属酸化物を含むことが望ましい。同心光学干渉層に有用である代表的な金属酸化物としては、チタニア、アルミナ、シリカ、酸化スズ、ジルコニア、酸化アンチモン、およびそれらの混合酸化物が挙げられる。望ましくは、光学干渉層は、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、またはそれらの組み合わせの1つを含む。容易に付着させることができ耐久性の層が形成されるので、チタニアおよびチタニア/シリカ層が最も望ましい。
種々の光学干渉層厚さおよび再帰反射色を有するレトロクロミックビーズの一部を、反応器から順次取り出せると好都合である。したがって、反応器に大量のビーズを投入し、連続コーティング作業中にビーズの2、3、またはより多くの部分を順次取り出すことによって、1、2、3、またはそれより多くの種類の複数のレトロクロミック被覆付ビーズであって、各複数が異なる再帰反射色を有し集合的に再帰反射色パレットを含むビーズを容易に得ることができ、各部分は、先行する部分よりも平均光学干渉層厚さが大きいビーズを含む。
望ましい一実施形態においては、たとえばレトロビューア(たとえば、米国特許第3,767,291号明細書(ジョンソン(Johnson))および同第3,832,038号明細書(ジョンソン(Johnson))に記載されるもの)を使用して、ガラス壁面を有する反応器を使用してその場で、または反応器から取り出すことによって、ビーズを再帰反射モードで観察することで、層の付着の進行を監視することができる。本質的にレトロクロミックなビーズおよびそれらを含む物品の観察に有用なレトロビューアは、たとえば、商品名「3Mビューア」(3M VIEWER)としてミネソタ州セントポールの3Mカンパニーより市販されている(3M Company,St.Paul,MN)。
タイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズ
タイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズは、内部に微結晶領域を有する部分的に透明なビーズを含む。典型的には微結晶領域の寸法は、可視光の波長範囲よりも小さい。微結晶領域は、可視スペクトルの異なる波長の光を異なる程度で散乱させる。微結晶領域は、可視波長スペクトルの短波長側の光を、可視波長スペクトルの長波長側の光よりも実質的に多く散乱させる。入射スペクトルのより短波長の成分が優先的に散乱されると、より長波長の成分はビーズ内まで透過し、最終的には再帰反射される。典型的には、微結晶領域の寸法は10〜500nmの範囲である。望ましくは、微結晶領域の寸法は50〜250nmであり、実質的にすべての微結晶領域が250nm以下である。
入射スペクトルと比較すると、再帰反射スペクトルは変化する。スペクトルの変化とは、異なる入射波長の相対強度に生じる変化を意味する。典型的には、白色の入射光の場合、無色のタイプIIレトロクロミックビーズは実質的に黄色、オレンジ色、または赤色の光を再帰反射する。ビーズ内部での光の散乱によって、入射スペクトルと比較すると再帰反射スペクトルの変化が起こる。50〜250nmの範囲の大きさにクリスタリットが成長する場合、黄色、オレンジ色、および赤色の光はビーズ内部まで透過し最終的には再帰反射され、可視スペクトルの紫端付近の波長の光は再帰反射される光路から優先的に散乱される。可視スペクトルの紫端付近の波長が優先的に散乱されることによって、それらが入射スペクトルから減算され、そのためそれらは再帰反射されない。
代表的な方法の1つでは、タイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズは以下のように製造することができる。最初に、少なくとも2種類の金属酸化物を含む粒子成分から水性スラリーを調製する。場合によっては、光の吸収によって最終ビーズに色を付与する無機酸化物ドーパント(たとえば着色剤)がスラリー中に存在してもよい。望ましくは、スラリーの粒子成分は、溶融および急冷によって非晶質で透明なビーズが形成されるように選択すべきである。透明なビーズは小さな結晶(たとえば10nm未満)を含んでもよいが、急冷してガラス状材料を得ることができるように十分ゆっくりと結晶化するようにその組成が選択されるべきである。
タイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズの形成に有用な金属酸化物は当技術分野で公知である。代表的な金属酸化物としてはSiO2、Al23、B23、Na2O、K2O、CaO、MgO、BaO、SrO、TiO2、ZrO2が挙げられる。ある種の金属酸化物は強力なガラス形成剤として知られている(たとえば、SiO2、GeO2、As25、P25、B23)。強力なガラス形成剤は、溶融物から比較的に容易に急冷して固体非晶質状態にすることができる金属酸化物である。望ましくは、スラリーの粒子成分は強力なガラス形成剤を含む。ある化学種(中間体として知られる)および強力なガラス形成剤と併用するのであれば、単独では容易にガラスを形成しない金属酸化物をタイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズに混入することができる。代表的な中間体としてはAl23およびPbOが挙げられる。改質剤の金属酸化物と併用される強力なガラス形成剤(たとえばSiO2)に加えられるのであれば、Al23をタイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズに混入することができる。このような改質剤としては、たとえばアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類酸化物(たとえば、Na2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO)が挙げられる。
ある種の金属酸化物(たとえば、TiO2、ZrO2)は、ガラス組成物中に含めると結晶化の核としての機能を果たすことができる。このような金属酸化物は、たとえば後のガラスの熱処理による結晶化の核剤として有用である。
好都合には、タイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズの形成に使用される火炎形成方法によって、ガラス物品の従来の製造方法で形成可能なものより、広範囲のガラス組成を使用することができる。たとえば、TiO2および/またはZrO2の含有率が非常に高い酸化物の溶融物は冷却中に結晶を形成しやすいため、TiO2およびZrO2の含有率が高い(たとえば50重量%を超える)組成物は通常は不適切であると見なされる。しかし、タイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズの製造においては、水性スラリー中に、たとえば酸化チタンまたは酸化ジルコニウムなどの少なくとも1種類の核剤を含むことが望ましい。
さらなる特徴として、ガラスビーズを製造するための火炎形成方法に一般的な急冷速度によって、より遅い冷却速度の方法を使用して形成できるガラスよりも広範囲の組成物を製造することができる。特に、従来は非ガラス形成性であった酸化物の共晶組成物を、ガラスビーズとして製造することができる。したがって、スラリー中の粒子状金属酸化物成分は、ほぼ共晶点の比率で存在することが望ましい。
一般にガラスを形成すると予想されていない組成物をガラスビーズとして成形できることから、タイプIIの微結晶性レトロクロミック ビーズの形成に有用となりうる組成の範囲が広がった。したがって、有用な組成の範囲は、ガラス、さらにはガラス−セラミックの形成に好都合であると一般に考えられている組成に限定されるものではない。
微結晶性レトロクロミックビーズは、ガラス形成性金属酸化物を含むことが望ましい。たとえばSiO2は、ビーズの全重量を基準にしてたとえば2〜40重量%の範囲の量でビーズに混入した場合に、初期のガラス形成を促進することができる。熱処理中に高密度の微結晶を形成するためには、ビーズの全重量を基準にしてたとえば5重量%を超え80重量%未満となる範囲の量の核剤(たとえば、TiO2および/またはZrO2)が有用である。高屈折率(1.8〜2.3)を実現するためにはTiO2およびZrO2も有用である。高屈折率は強い再帰反射を得るために有用である。
微結晶性の本質的にレトロクロミックなビーズ中に存在することができる追加成分としては、たとえば、B23、Al23、MgO、CaO、BaO、Na2O、およびK2Oが挙げられる。組成物の溶融温度を低下させるためには、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類酸化物が特に有用であり、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類酸化物を合わせた含有率が、微結晶性の本質的にレトロクロミックなビーズの全重量の25重量%までで混入することができる。
高含有率(すなわちビーズの全重量を基準にして>60重量%)のTiO2がタイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズ組成物中に含まれる場合、アルカリ土類酸化物がビーズの全重量を基準にして10重量%を超える量で含まれ、火炎形成方法中の透明ビーズの急冷が容易になることが好ましい。
次に、このスラリーを粉砕および乾燥して粉末ケーキにして、続いて粒子まで粉砕する。たとえば米国特許第6,245,700号明細書(バッド(Budd)ら)に記載されるように、粒子を水素/酸素トーチの火炎中に供給すると、粒子が溶融して、中間ビーズが形成される。中間ビーズは水槽中などで急激に冷却(すなわち急冷)されて、ガラス状のビーズが得られる。冷却されたガラス状ビーズは、場合によっては、透明性を向上させるために再び水素トーチに通すことができる。
続いて、冷却されたガラス状ビーズをるつぼ(たとえばアルミナるつぼ)中に入れ、ビーズが失透するのに十分な温度までゆっくりした温度上昇(たとえば、10℃/分の速度)で加熱炉内で加熱する。この高温は、ガラス状ビーズが失透するのに十分な高さであるが、ビーズが互いに融合するほど高くなるべきではない。望ましくは、この高温は400℃〜1200℃の範囲であり、より望ましくは700℃〜1100℃の範囲である。高温は、ビーズが実質的に失透するのに十分な時間維持され、望ましくは15〜120分の範囲である。続いて温度は室温まで下げられる。
望ましくは、着色剤の量は、金属酸化物成分の全重量を基準にして、0.01〜5重量%の範囲であり、より望ましくは0.5〜3重量%の範囲である。
タイプIIの本質的にレトロクロミックなビーズを所与の化学組成を有する透明なビーズから製造するための適切な加工条件は、以下のようにして容易に決定することができる。
第1の手順においては、たとえば、10℃/分の上昇速度で、室温から組成物の融点までの範囲の多数の等間隔の温度まで加熱炉に入れることによって、ビーズの別々の部分を熱処理する。このような熱処理温度の間の間隔は、たとえば50℃または100℃であってよい。ビーズのそれぞれの部分を所望の温度(すなわち均熱温度)まで上昇させた後、すべての部分で同じ時間、たとえば1時間その温度で維持する。これらの部分を加熱炉から取り出し、室温まで冷却する。均熱温度が上昇すると、溶融前に組成物の結晶化が起こり、典型的には熱処理したビーズは透明から不透明になる。
第1の手順で処理した部分がいずれも所望のレトロクロミック効果を示さなかった場合は、透明なビーズが観察される最高温度から、不透明なビーズが観察される最低温度までの範囲の均熱温度で、この手順を繰り返す。この第2の手順においては、均熱温度の間隔はたとえば5℃または10℃の間隔の均熱温度によって、一連の熱ビーズ試料が得られ、これらによって、高透明状態と不透明状態との間の遷移がより詳細に決定される。
第2の手順で処理した部分がいずれも所望のレトロクロミック効果を示さなかった場合は、第2の手順において透明なビーズが観察される最高温度から、不透明なビーズが観察される最低温度までの範囲の均熱温度で第3の手順を実施した。第3の手順においては、均熱温度の間隔はたとえば1℃または2℃である。
適切な条件が見つかれば、微結晶領域の大きさを細かく制御するために、均熱時間の長さをさらに調整することができる。
本質的にレトロクロミックなビーズがタイプIまたはタイプIIのいずれであるかとは無関係に、レトロクロミック効果の大きさは、一般に、レトロクロミックビーズの照射に使用される光源のスペクトル幅に依存する。望ましくは、光源は広いスペクトル(たとえば白色光)を有するが、より狭いスペクトル範囲も使用することができる。
どの種類の本質的にレトロクロミックなビーズが本発明の実施に使用される場合でも、再帰反射の大きさは、本質的にレトロクロミックなビーズ上に、たとえば米国特許第2,963,378号明細書(パームクイスト(Palmquist)ら)に記載される一体型半球形反射体をコーティングすることによって増加させることができる。
異なる再帰反射色を有する複数の本質的にレトロクロミックなビーズをホルダーと組み合わせてキットを作製すると好都合となる場合がある。望ましくは、再帰反射色は、白色光照明を使用して観察した場合に再帰反射色パレットを形成するように選択される。ある実施形態においては、白色光照明を使用した場合に、再帰反射色パレットは、紫、青、緑、オレンジ、黄、赤、または緑の再帰反射色の少なくとも3つを含む。ある実施形態においては、白色光照明を使用した場合に、再帰反射色パレットは、黄、マゼンタ、およびシアンの再帰反射色を含むことができる。
このキットは、たとえば、集合的に異なる再帰反射色に対応する別の複数の本質的にレトロクロミックなビーズを含み、少なくとも1つの再密閉可能な容器に別々に収容することができる。たとえば箱が、異なる再帰反射色を有する個々の複数の本質的にレトロクロミックなビーズが閉じこめられる区画を有することができる。
ある実施形態においては、複数の本質的にレトロクロミックなビーズを、別々の容器、望ましくは再密閉可能な容器野中に閉じこめて、ホルダー、望ましくは別々の容器を収容するよう適合されたホルダーを有するグループとして組み立てることができる。代表的なホルダーとしては、箱、ブリスターパック、棚(たとえば、試験管立て)、および袋が挙げられる。
本発明のある実施形態においては、異なる再帰反射色を有する本質的にレトロクロミックなビーズを組み合わせることで、個々のビーズを分解できない比較的低解像度で観察した場合に、特化された再帰反射色を有する複数のビーズを形成することができる。しかし、このような特化された再帰反射色を有する複数のビーズが、個々のビーズに分解できる比較的高い倍率で観察される場合には、異なる再帰反射色を有するビーズの混合物として見える。したがって、前述したように、このような特化された色を有する複数のビーズが機密文書の認証に使用される場合、さらに別のレベルの隠された保証を与えることができる。
単独またはキットの形態の本質的にレトロクロミックなビーズは、たとえば、レトロクロミックパターンを有する物品の製造に有用である。
以下の実施例により、本発明の特定の実施形態を説明する。これらの実施例は、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の限定を意図するものではない。
以下の実施例において、観察された再帰反射色は、商品名「3Mビューア」(3M VIEWER)の再帰反射観察装置を使用して観察することによって決定した。
以下の実施例および表において:
「mL」はミリリットルを意味し、
「rt」は室温(すなわち約20℃)を意味し、
「min」は分を意味する。
タイプIビーズを製造するための一般手順
実施例1〜182シリカをコーティングしたガラスビーズの製造は、図2に示される装置と類似の装置を使用して実施した。屈折率が1.9であり平均粒径が65μmである80グラム(g)のガラスビーズ(商品名「フレックス−O−ライト831サインビーズ」(FLEX−O−LITE 831 SIGN BEADS)で、ミズーリ州チェスターフィールドのフレックス−O−ライト・インコーポレイテッド(Flex−O−Lite,Inc.,Chesterfield,MO)より入手可能)を、内径30ミリメートル(すなわちmm)の反応器を有するガラスフリット加熱炉型流動床CVD反応器(たとえば、米国特許第5,673,148号明細書(モリス(Morris)ら)の実施例1に記載されている)に投入した。反応温度が50℃以上であった実施例の場合、反応器に電熱テープを巻き付け、流動床中に熱電対を使用することによって監視した。反応温度が室温(すなわち約20℃)であった実施例の場合には、加熱テープを使用しなかった。ガラスフリットを通して(すなわちビーズ床の底部から)反応器に窒素ガスの流れを供給することによって、ビーズ床を流動化させた。反応器から独立したチャンバー中の水にキャリアガスの気泡を発生させることによって、窒素キャリアガスの流れとして、ガラスフリットを通して反応器に同時に水蒸気を供給した。
反応器から独立したチャンバー中の液体前駆化合物にキャリアガスの気泡を発生させることによって、窒素キャリアガスの流れとして、ビーズ流動床に向かって下方に延在するガラス管を介して、SiCl4(実施例1〜174)、SiCl4およびオルトケイ酸テトラエチルの混合物(TEOS、実施例175〜182)のいずれかの金属酸化物前駆化合物を反応器に供給した。実施例175〜182の場合、それぞれの液体前駆化合物用である2つの独立したチャンバーを使用した。反応器を通過する反応物質含有窒素キャリアガスが流し始めてから実施例1〜182におけるガラスビーズ上への同心コーティングの付着を開始した。
同心円状にコーティングされたガラスビーズの試料を、反応器から定期的に取り出し、再帰反射モードで試料を観察することによって評価を行った。同心コーティングの厚さは、同心円状にコーティングされたガラスビーズを破壊し走査型電子顕微鏡を使用して検査することによって求めた。
反応物質含有キャリアガスの流量、ガラスビーズ上に得られた同心コーティングの厚さ、および被覆付ビーズの再帰反射色などの実験的詳細は、表1および2(後出)に示している。
実施例183〜191のチタニアがコーティングされたガラスビーズの製造は、内径80mmの反応器を使用し、チタニア前駆化合物がTiCl4であったことを除けば、実施例1〜182で使用した手順によって実施した。屈折率が1.9であり平均粒径が65μmのガラスビーズ(1800g)(商品名「フレックス−O−ライト831サインビーズ」(FLEX−O−LITE 831 SIGN BEADS)で、ミズーリ州チェスターフィールドのフレックス−O−ライト・インコーポレイテッド(Flex−O−Lite,Inc.,Chesterfield,MO)より入手可能)を反応器に投入した。反応器に電熱テープを巻き付け、これを使用して、流動床中の熱電対で測定される流動床温度を約175℃に維持した。独立した各反応物質チャンバーを通る窒素キャリアガスの流量は7リットル/分であった。
同心円状にコーティングされたガラスビーズの試料を、反応器から定期的に取り出し、前述のレトロビューアを使用して再帰反射モードで試料を観察することによって評価を行った。付着した同心コーティング(すなわち光学干渉層)の厚さも、同心円状にコーティングされたガラスビーズを破壊し走査型電子顕微鏡を使用して検査することによって求めた。付着時間、および、チタニアがコーティングされたガラスビーズの「3Mビューア」(3M VIEWER)を使用して目視観察される再帰反射色を表3(後出)に示す。
Figure 2005522729
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タイプIIビーズを製造するための一般手順
1600gの1cm酸化ジルコニウム粉砕媒体(商品名「3/8インチ(0.95cm)レイディアス・エンド・ジルコニア・シリンダー」(3/8 INCH(0.95 CM)RADIUS END ZIRCONIA CYLINDER)、商品番号MEDZOC.37を、ニュージャージー州リトルフォールズのポール・O・アッベ・インコーポレイテッド(Paul O.Abbe,Inc.,Little Falls,NJ)より入手した);水;酸化ジルコニウム(商品名「CF−PLUS−HM」でニューハンプシャー州ボウのカーペンター・エンジニアリング・プロダクツ・Z−テック・ディビジョン(Z−TECH division of Carpenter Engineering Products,Bow,NH)より入手した);酸化アルミニウム(商品名「16SG」をペンシルバニア州ピッツバーグのALCOAインダストリアル・ケミカルズ(ALCOA Industrial Chemicals,Pittsburgh,PA)より入手した);酸化チタン(商品名「クロノス1000」をニュージャージー州クランバリーのクロノス(KRONOS,Cranbury,NJ)より入手した);珪灰石(商品名「バンシルW−30」(VANSIL W−30)をコネチカット州ノーウォークのR.T.バンダービルト(R.T.Vanderbilt,Norwalk,CT)より入手した);タルク(商品名「スプラフィノH」(SUPRAFINO H)をコロラド州エングルウッドのルゼナク・アメリカ(Luzenac America,Englewood,CO)より入手した);ならびに硝酸コバルト(II)六水和物(商品名「硝酸コバルト結晶LotKMDJ」(COBALT NITRATE CRYSTALS,Lot KMDJ」をケンタッキー州パリスのマリンクロット(Mallinckrodt,Paris,KY)より入手した)およびカルボキシメチルセルロース(調製例1〜2、商品名「CMC 7L2C」をバージニア州ホープウェルのハーキュリーズ・インコーポレイテッド・アクアロン・ディビジョン(Aqualon Division of Hercules Incorporated,Hopewell,VA)より入手した)、または硝酸鉄(III)九水和物(調製例3〜4、商品名「I110−500」をニュージャージー州フェアローンのフィッシャー(Fisher,Fairlawn,NJ)より入手した)のいずれかを、磁器製粉砕瓶中で混合することによって、微結晶領域を内部に有するレトロクロミックビーズを製造した。それぞれの混合物を3時間粉砕した後、それぞれを乾燥して粉末ケーキにして、それを次に乳鉢および乳棒で粉砕した。
ペンシルバニア州ヘラータウンのベスレヘム・アパラタス・カンパニー(Bethlehem Apparatus Company,Hellertown,PA)より商品名「ベスレヘム・ベンチ・バーナー・PM2D・モデルB」(BETHLEHEM BENCH BURNER PM2D MODEL B)で入手した水素/酸素トーチ(以降は「ベスへレムバーナー」(Bethlehem Burner)と記載する)の火炎に、粉砕した粉末を供給した。ベスへレムバーナーは、水素および酸素を、内側の環にそれぞれ8.0および3.0標準リットル/分で供給し、外側の環にそれぞれ23.0および9.8標準リットル/分で供給した。溶融した粒子は火炎に取り込まれ、続いて水浴に供給されて急速に冷却(すなわち急冷)した。光学品質を向上させるため、急冷されたビーズをもう1回火炎に通し、再び急冷した。
急冷したガラスビーズを、アルミナるつぼに入れ、加熱炉中、10℃/分の速度で室温から所望の温度まで上昇させ、所望の「保持」時間のあいだ所望の温度で維持し、続いて室温まで加熱炉をゆっくりと冷却する熱処理によって失透させた。室温まで冷却してから、ビーズをるつぼから取り出した。調製例1〜4のビーズの反応物質の重量、保持温度および保持時間、ならびに周囲光および再帰反射色を表4(下記)に示す。これによって得られたタイプIIの本質的なレトロクロミックは、本発明による物品の製造に有用となる。
Figure 2005522729
実施例192
本質的にレトロクロミックなビーズのキットを以下のようにして作製した。実施例37〜49に従って調製した本質的にレトロクロミックなビーズ(それぞれ約1g)を、13個の2mL(0.5ドラム)蓋付きガラス瓶(商品名「ゴムがライニングされた蓋付きのクラスA透明ガラスねじ付き瓶」(CLASS A CLEAR GLASS THREADED VIALS WITH RUBBER−LINED CLOSURES」で、ペンシルバニア州ピッツバーグのフィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)より入手可能)に別々に供給した。〆これらの瓶を、ボール紙容器(商品名「ホイートン・ラボ・ファイル・ストレージ・システム」(WHEATON LAB FILE STORAGE SYSTEM)でフィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific)より入手可能)のスロットに入れた。
実施例193
本質的にレトロクロミックなビーズのキットを以下のようにして作製した。実施例37〜49に従って調製した本質的にレトロクロミックなビーズ(それぞれ約1g)を、13個の2mL(0.5ドラム)蓋付きガラス瓶(商品名「ゴムがライニングされた蓋付きのクラスA透明ガラスねじ付き瓶」(CLASS A CLEAR GLASS THREADED VIALS WITH RUBBER−LINED CLOSURES」で、ペンシルバニア州ピッツバーグのフィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific,Pittsburgh,PA)より入手可能)に別々に供給した。これらの瓶を、透明テープ(3Mカンパニー(3M Company)より商品名「スコッチ・ブランド・トランスパレント・テープ600」(SCOTCH BRAND TRANSPARENT TAPE 600)を入手した)を使用して、厚紙(商品名「レギュラー・マット・ボード・CR−SRM989レイブン・ブラック」(REGULAR MAT BOARD CR−SRM 989 RAVEN BLACK)で、イリノイ州ホイーリングのクレセント・カードボード・カンパニーLLC(Crescent Cardboard Co.LLC,Wheeling,IL)で市販される)に固定した。
再帰反射された光の代表的経路を示すタイプIのレトロクロミックビーズの断面図である。 タイプIのレトロクロミックビーズを製造するための本発明による代表的方法の流れ図である。

Claims (31)

  1. 本質的にレトロクロミックなビーズを製造する方法であって、
    ビーズの流動床を用意することと、
    複数のビーズのそれぞれの表面に同心光学干渉層を付着させて、複数の被覆付ビーズを形成することと、
    被覆付ビーズの第1部分であって、該第1部分を構成する前記同心光学干渉層が第1平均厚みを有し、本質的にレトロクロミックなビーズを含んでなる第1部分を、前記流動床から取り出すステップと、
    を含む方法。
  2. 前記被覆付ビーズの少なくとも1つが第1屈折率を有し、前記少なくとも1つのビーズの前記同心光学干渉層が第2屈折率を有し、前記第2屈折率が前記第1屈折率よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  3. 前記被覆付ビーズの少なくとも1つが第1屈折率を有し、前記少なくとも1つのビーズの前記同心光学干渉層が第2屈折率を有し、前記第2屈折率が前記第1屈折率よりも小さい、請求項1に記載の方法。
  4. 被覆付ビーズの第2部分であって、該第2部分を構成する前記同心光学干渉層が第2平均厚みを有し、該第2部分が本質的にレトロクロミックなビーズを含んでなり、該第2平均厚みが前記第1平均厚みよりも大きい第2部分を、前記流動床から取り出すステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記同心光学干渉層が金属酸化物を含んでなる、請求項1または4に記載の方法。
  6. 前記金属酸化物がシリカ、チタニアおよびアルミナのうち少なくとも1種類を含んでなる、請求項5に記載の方法。
  7. 付着ステップが化学蒸着を含む、請求項1または4に記載の方法。
  8. 付着ステップが加水分解をさらに含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記第1部分と前記第2部分とが異なる再帰反射色を有する、請求項4に記載の方法。
  10. 前記ビーズが着色剤を含む、請求項1または4に記載の方法。
  11. 被覆付ビーズの第3部分であって、該第3部分を構成する前記同心光学干渉層が第3平均厚みを有し、該第3部分が本質的にレトロクロミックなビーズを含んでなり、該第3平均厚みが前記第2平均厚みよりも大きい第3部分を、前記流動床から取り出すステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
  12. 前記被覆付ビーズを再帰反射モードで観察することによって、前記同心光学干渉層の前記付着を監視するステップをさらに含む、請求項1、4および11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分が、異なる再帰反射色を有する、請求項11に記載の方法。
  14. 前記異なる再帰反射色が再帰反射色パレットを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 第1の平均再帰反射色を有する第1の複数の本質的にレトロクロミックなビーズと、第2の平均再帰反射色を有する第2の複数の本質的にレトロクロミックなビーズと、第3の平均再帰反射色を有する第3の複数の本質的にレトロクロミックなビーズとを備えるキットであって、それら再帰反射色が、互いに別個のものであって、再帰反射色パレットを含んでなる、キット。
  16. 前記第1、第2および第3の複数の本質的にレトロクロミックなビーズが、少なくとも1つの再閉鎖可能な容器の内部に別々に閉じこめられる、請求項15に記載のキット。
  17. 前記複数の本質的にレトロクロミックなビーズが、それぞれの再閉鎖可能な容器の内部に閉じこめられる、請求項15に記載のキット。
  18. 前記ホルダが、前記再閉鎖可能な容器を受容するようになっている、請求項17に記載のキット。
  19. 白色光照明を使用して観察した場合に、前記再帰反射色パレットが、紫、青、オレンジ、黄、赤および緑の再帰反射色のうち、少なくとも3つを含む、請求項15に記載のキット。
  20. 白色光照明を使用して観察した場合に、前記再帰反射色パレットが、黄、マゼンタおよびシアンの再帰反射色を含む、請求項15に記載のキット。
  21. 前記複数が、非再帰反射モードで観察した場合に、実質的に同じ平均色を有する、請求項15に記載のキット。
  22. 前記本質的にレトロクロミックなビーズの少なくとも1つが、コアと同心光学干渉層とを有する、請求項15に記載のキット。
  23. 前記同心光学干渉層の屈折率が前記コアの屈折率よりも小さい、請求項22に記載のキット。
  24. 前記同心光学干渉層の屈折率が前記コアの屈折率よりも大きい、請求項22に記載のキット。
  25. 前記本質的にレトロクロミックなビーズの少なくとも1つが微結晶領域を有する、請求項22に記載のキット。
  26. 第4の複数の再帰反射ビーズをさらに備え、該第4の複数が、前記第1、第2および第3の複数とは別個のものであって、本質的にレトロクロミックではない、請求項22に記載のキット。
  27. 白色光照明を使用して観察した場合に、前記再帰反射色パレットが、紫、青、オレンジ、黄、赤および緑の再帰反射色のうち、少なくとも3つを含む、請求項22に記載のキット。
  28. 白色光照明を使用して観察した場合に、前記パレットが、黄、マゼンタおよびシアンの再帰反射色を含む、請求項22に記載のキット。
  29. 前記複数が、非再帰反射モードで観察した場合に、実質的に同じ平均色を有する、請求項22に記載のキット。
  30. 特化された再帰反射色を有する複数の再帰反射ビーズを製造する方法であって、
    第1の平均再帰反射色を有する第1の複数の本質的にレトロクロミックなビーズを用意することと、
    第2の平均再帰反射色を有する第2の複数の本質的にレトロクロミックなビーズを用意することと、
    前記第1および第2の複数のレトロクロミックなビーズを混合しながら組み合わせることと、
    を含む方法。
  31. 第3の再帰反射色を有する第3の複数の本質的にレトロクロミックなビーズを用意することと、
    前記第3の複数の本質的にレトロクロミックなビーズを前記第1および第2の複数のレトロクロミックなビーズと混合しながら組み合わせることと、
    をさらに含む請求項30に記載の方法。
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