JP4308025B2 - 異なる再帰反射色の領域を有するレトロクロミック物品 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的には、再帰反射光の色の変化を引き起こす再帰反射性物品およびその製造方法に関する。
「再帰反射性」とは、光線が作用した場合に光源の方向に実質的に戻すようにその光を反射する能力を意味する。隠れた再帰反射パターンを有するフィルム、たとえば、透明接着剤付きオーバーレイフィルムは、セキュリティ物品(たとえば、パスポート、識別バッジ)を認証するために使用されてきた。典型的には、そのようなオーバーレイフィルムは、拡散照明の条件下では容易に識別できないが再帰反射モードで目視した場合には(たとえば、フラッシュライトまたはレトロビューアーのような専用デバイスを用いて)容易に識別できるようになる隠れた再帰反射パターンを有する。
用途に応じて、再帰反射性物品に隠れた色を付加すれば、追加のセキュリティ機能(たとえば、パスポートもしくは識別バッジの認証の場合のように)または新規な視覚的効果(たとえば、グラフィック物品のデザインおよび製造に使用されるように)を提供することが可能である。
本明細書中で使用する場合、「レトロクロミズム」という用語は、物体または物体の領域が、再帰反射モードで(すなわち、視線と実質的に共線的な照明源を用いて、典型的には、10度以下の反射角を形成して)目視した場合に、再帰反射モード以外で物体または領域を目視した場合に呈する色と異なる反射色を呈する能力を意味する。レトロクロミズムを呈する種々の構成体が知られている。たとえば、一つのそのような構成体では、高屈折率ガラスビーズが1層または複数層の材料層に部分的に埋め込まれる(たとえば、誘電体ミラーなど)。再帰反射光の色の変化は、光とビーズとそれが部分的に埋め込まれた層との相互作用の結果として生じる。そのような物品は、層のコーティング厚さの変動および層中へのビーズの侵入深さの差異に起因して、レトロクロミズムが損なわれたりまたは不規則になったりする傾向がある。さらに、そのような物品は、使用時に物品を屈曲させたりまたは熱収縮タンパーインジケーティングフィルムとして使用したりすると損傷を受けやすくなる傾向がある。
そのような欠点を克服するために、そのような変動因子の影響を受けないレトロクロミック物品を備えることが望ましいであろう。また、複数の再帰反射色を含む隠れたレトロクロミックパターンをそのような物品にもたせることも望ましいであろう。
一態様において、本発明は、レトロクロミックパターンを有する物品であって、該パターンが、同一の照明源を用いて目視した場合に実質的に異なる再帰反射色を有する第1および第2の目視可能再帰反射領域を含み、該目視可能再帰反射領域の少なくとも一方が、少なくとも10個の真性レトロクロミックビーズを含みかつレトロクロミックである、物品を提供する。
他の態様において、本発明は、レトロクロミックパターンを有する物品を製造する方法であって、
基体を提供することと、
第1の目視可能再帰反射領域を形成するように、該基体に第1の再帰反射材料を固着させることと、
第2の目視可能再帰反射領域を形成するように、該基体に第2の再帰反射材料を固着させることと、
を含み、
該第1および第2の再帰反射材料がレトロクロミックパターンを形成し、該パターンが、同一の照明源を用いて目視した場合に実質的に異なる再帰反射色を有する第1および第2の目視可能再帰反射領域を含み、該目視可能再帰反射領域の少なくとも一方が、少なくとも10個の真性レトロクロミックビーズを含みかつレトロクロミックである、上記方法を提供する。
他の態様において、本発明は、レトロクロミックパターンを有する物品であって、該パターンが、同一の照明源を用いて目視した場合に実質的に異なる再帰反射色を有する第1および第2の目視可能再帰反射領域を含み、該目視可能再帰反射領域の少なくとも一方が、隣接するビーズに対して非ランダムに配置された真性レトロクロミックビーズを含む、物品を提供する。
本発明に係る物品は、真性レトロクロミックビーズを組み入れることにより、先述の欠点を克服する。ここで、レトロクロミズムは、特定の構成体から生じるのではなく、ビーズ自体の固有の性質である。本発明によれば、複数の再帰反射色を含む隠れたレトロクロミックパターンをもたせて、容易に物品を製造することができる。
本明細書および特許請求の範囲全体にわたり、以下の定義を使用する。
「真性レトロクロミックビーズ」とは、少なくとも1種の等方性媒質中にその全体を浸漬させた場合に実質的にすべての方向にレトロクロミズムを呈するビーズを意味する。
「光」とは、電磁スペクトルの可視(すなわち、400nm〜700nm)、紫外(すなわち、200nm〜400nm)、および/または赤外(すなわち、700nm〜100マイクロメートル)の領域に1つ以上の波長を有する電磁放射線を意味する。
「金属酸化物」とは、主に、1つ以上のタイプの金属および/またはメタロイドのカチオンと、酸素と、で構成された材料を意味し、副次量の他の元素および化合物を含有していてもよい。
「屈折率」とは、別段の記載がないかぎり、ナトリウムの黄色のd線に対応する589.3ナノメートル(すなわち、nm)の波長および20℃の温度における屈折率を意味する。
「レトロクロミック」とは、物体がレトロクロミズムを呈するとみなれることを意味する。
「レトロクロミックパターン」とは、1つ以上のレトロクロミック領域を含むパターンを意味する。
「再帰反射色」とは、再帰反射光の外観を意味する。本明細書および特許請求の範囲全体にわたり使用する場合、再帰反射色間の差異は、同一の照明源を用いて測定されるものとする。
「目視可能」とは、目視対象の物体からいくらか離れた距離で視覚的に観察可能であることを意味する。
「領域」とは、物体の連続的部分を意味する。望ましくは、領域は、目視者に実質的に明瞭であるかもしくは識別可能である境界またはおよその範囲を有する。
本発明の物品は、場合により非レトロクロミック再帰反射(retroflective)材料(たとえば、高屈折率を有するガラスビーズ)と組み合わせて、真性レトロクロミックビーズを利用したレトロクロミックパターンを形成することにより、都合よく製造される。望ましくは、基体の内部および/または表面にレトロクロミックパターンを形成する。
本発明を実施するのに有用なレトロクロミックパターンは、再帰反射モードで目視した場合、拡散照明条件(たとえば、蛍光室内照明)下で目視した場合と異なって見える。本明細書中で使用する場合、「パターン」は、複数の領域により規定され、かつその領域で構成される。
いくつかの実施形態では、レトロクロミックパターンは、再帰反射モードおよび他のモードのいずれで目視した場合にもそれぞれ識別可能なレトロクロミック領域を含む。
いくつかの実施形態では、レトロクロミックパターンは、再帰反射モードで目視した場合に実質的に識別可能であるにすぎない1つ以上のレトロクロミック領域を含む。そのようなレトロクロミックパターンは、本明細書および特許請求の範囲全体にわたり、「隠れている」と呼ばれる。
本発明を実施するのに有用なレトロクロミックパターンは、いかなるサイズおよび/または形状であってもよい(たとえば、実質的に一、二、または三次元であってもよい)。望ましくは、レトロクロミックパターンは、1つ以上のレトロクロミックな明確に規定された幾何形状、たとえば、円、線(たとえば、波線、直線、もしくは曲線)、多角形(たとえば、三角形、正方形、長方形)、多面体(たとえば、立方体、四面体、角錐、球)、または他の表示、たとえば、1つ以上の英数字(たとえば、文字、数、商標、ロゴ、公印)および/もしくはグラフィックスを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、レトロクロミックパターンは、微視的なサイズ、たとえば、拡大補助具または他の目視補助具を必要とするサイズであってもよいが、より大きいレトロクロミックパターンも有用である。より大きいレトロクロミックパターン内に微視的なレトロクロミックパターンを提供することも本発明の範囲内である。
レトロクロミックパターンは、典型的には、以下に記載されているような真性レトロクロミックビーズ(たとえば、I型またはII型)ならびに場合によりたとえば米国特許第2,326,634号明細書(ゲプハルト(Gebhard)ら)および同第5,620,775号明細書(ラペール(LaPerre))に記載されているような再帰反射性非レトロクロミックビーズを利用して形成される。
目視可能再帰反射領域は、重畳されていても、オーバーラップしてしても、または識別可能(すなわち、交差していない)であってもよい。目視可能再帰反射領域は、隣接していてもまたは隣接していなくてもよい。本発明のいくつかの実施形態では、目視可能再帰反射領域は、望ましくは、実質的に交差していない。目視可能再帰反射領域は、物品の表面および/または内部に存在しうる。
望ましくは、2つ以上の再帰反射領域は、それぞれ、真性レトロクロミックビーズを含み、該ビーズは、それぞれ、異なる再帰反射色および/または真性レトロクロミックビーズタイプを有する。
本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の目視可能再帰反射領域は、それぞれ、いくつかの真性レトロクロミックビーズを含む。たとえば、再帰反射領域は、少なくとも10個の真性レトロクロミックビーズ、望ましくは少なくとも100個の真性レトロクロミックビーズ、より望ましくは少なくとも500個の真性レトロクロミックビーズを含みうる。
いくつかの実施形態では、パターンは、真性レトロクロミックビーズを隣接するビーズに対して非ランダムに配置してなるレトロクロミックマイクロパターンを含みうる。
代表的な一実施形態では、レトロクロミックマイクロパターンは、規則的な形状および/またはアレイを形成するように個々のビーズを配置することにより、形成可能である(たとえば、パターンは、真性レトロクロミックビーズの交互ロウを有し、各列のビーズは、それぞれ、その列の他のビーズと実質的に同一の再帰反射色を呈する)。
他の代表的実施形態では、レトロクロミックマイクロパターンは、規則的な色の順序(たとえば、赤色−緑色−赤色−緑色−...)を有する真性レトロクロミックビーズのロウを含みうる。この実施形態では、個々のビーズが、マイクロパターンの領域を構成しうる。
マイクロパターンは、いかなるサイズであってもよく、たとえば、より大きいレトロクロミックパターンを構成したり、またはより大きいレトロクロミックパターン内に収容したりすることが可能である(たとえば、より大きい高解像度の隠れた画像のピクセルを個々のビーズにより構成してなるレトロクロミックパターン)。
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの目視可能領域は、基体の1つ以上の内部キャビティーに含まれる。本明細書中で使用する場合、「内部領域」という表現は、基体の外表面の内側に完全に含まれる領域を意味する。目視可能内部領域は、実質的に充填されていてもよい(たとえば、透明ポリカーボネートのブロックに閉じ込められたビーズ)。他の選択肢として、目視可能内部領域は、たとえば、1個以上の真性レトロクロミックビーズと、追加量の1種以上の他の媒質(たとえば、空気、液体、真空)と、を含む。
このタイプの代表的物品を図3に示す。この実施形態では、物品300は、2つの目視可能内部領域340および342を有する基体310を備える。内部領域340は、真性レトロクロミックビーズ330を含み、第1の再帰反射色を呈する。内部領域342は、真性レトロクロミックビーズ332を含み、第2の再帰反射色を呈する。
本発明のいくつかの実施形態では、基体は、目視可能なバブルまたはセルを含みうる。
本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の目視可能再帰反射領域は、再帰反射層を含む。再帰反射層は、たとえば、基体の表面に部分的に埋め込まれた(たとえば、熱および/もしくは圧力により)ビーズ(たとえば、真性レトロクロミックビーズおよび/もしくは再帰反射性非レトロクロミックビーズ)の層として、またはたとえば、再帰反射性ビーズとバインダー材料とを含むコーティングとして、基体の表面、典型的には主面に固着可能である。代表的なそのような実施形態を図4に示す。物体400は、基体410と、目視可能領域440および442を含む再帰反射層415と、を備える。再帰反射層415は、バインダー420と、真性レトロクロミックビーズ430および432と、を含む。ここで、目視可能領域440および442は、それぞれ、第1および第2の再帰反射色を呈する。
本発明はまた、少なくとも1つの一体化トポグラフィカル特徴部を有する表面(すなわち、この表面は、特徴部に隣接する表面領域と比較して隆起しているかまたは陥没している少なくとも1つの特徴部を含み、該特徴部は、基体に一体化されている)を有しかつレトロクロミックパターンを有する基体を備えた物品を提供する。レトロクロミックパターンは、少なくとも2つの目視可能再帰反射領域を有し、少なくとも1つの領域は、複数の真性レトロクロミックビーズを含む。
このタイプの代表的物品を図5に示す。物品500は、2つの目視可能領域540および542を含みかつウェル520のアレイを含むトポグラフィカル表面515を有する基体510を備える。ウェル520のいくつかは、真性レトロクロミックビーズ530および532を収容している。目視可能領域540および542は、レトロクロミックパターンを形成するように、それぞれ、第1および第2の再帰反射色を有する。ウェル520は、場合により、液体560を収容していてもよい。オプションのカバー層570は、ウェルのエッジに固着され、場合により、ハーメチックシールを形成する。
本発明を実施する際に利用される一体化トポグラフィカル特徴部は、いかなるサイズまたは形状であってもよい。典型的には、そのような特徴部は、真性レトロクロミックビーズを含むことのできる領域が確保されるようなサイズである。トポグラフィカル特徴部の高さは、典型的には、少なくとも50マイクロメートルである。トポグラフィカル特徴部は、典型的には、5センチメートル未満の高さを有する。一体化トポグラフィカル特徴部は、たとえば、角錐、柱、隆起部、チャネル、溝(グルーブ)、ウェル(たとえば、半球形の窪みまたは切頭四角錐形の窪み)およびそれらの組合せであってもよい。少なくとも1つの一体化トポグラフィカル特徴部を含む表面に関して、複数の一体化トポグラフィカル特徴部は、望ましくは、繰返しパターン(たとえば、ウェルのアレイ)を形成しうるが、一体化トポグラフィカル特徴部のランダム配置を利用することも可能である。繰返しパターンに関して、類似の一体化トポグラフィカル特徴部の中心間距離は、望ましくは、0.1ミリメートル〜1cmの範囲であるが、他の中心間距離を使用することも可能である。
一体化トポグラフィカル特徴部は、任意の技術により製造可能である。熱可塑性基体に関して、有用な技術は、たとえば、PCT公開国際公開第99/55537A1号(イリタロ(Ylitalo)ら)に記載されているように、基体を射出成形するかまたはエンボス加工することにより、基体を形成することを包含する。
いくつかの望ましい実施形態(望ましくは、基材表面は、一体化トポグラフィカル特徴部の複数のアレイ含む)では、透明カバー層を一体化トポグラフィカル特徴部の実質的にすべてに固着させることにより、複数の密閉キャビティーを規定し、実質的にすべての密閉キャビティーが少なくとも1個の真性レトロクロミックビーズを収容するようにすることが可能である。カバー層は、たとえば、接着剤(たとえば、感圧接着剤、ホットメルト)および/または熱ラミネーションなどの一時的または永続的な手段を用いて固着させることが可能である。いくつかの望ましい実施形態では、密閉キャビティーは、液体をさらに収容する。代表的液体としては、油(たとえば、鉱油)および水が挙げられる。いくつかの実施形態では、オプションのシールをカバー層の周辺に固着させることが可能である。この場合、シールは、該周辺で基体に接触する。シールは、たとえば、熱可塑性材料または熱硬化性材料を含んでいてもよい。
本発明のいくつかの望ましい実施形態では、レトロクロミックパターンは、少なくとも1つの識別マークを含む。代表的識別マークとしては、商標、ブランド名、製造者名、政府紋章(たとえば、大統領紋章、機関紋章)が挙げられる。
本発明に係る物品は、任意のアイテム、たとえば、セキュリティ物品に固着させることが可能である。セキュリティ物品は、たとえば、法律上、行政上、および/または金融上重要なアイテムであってもよい。代表的セキュリティ物品としては、権利書(たとえば、家または車に与えられる権利書)、株券、金融証書(たとえば、貸付契約書)、チケット(たとえば、航空券または宝籤券)、小切手、報告書、金融カード(たとえば、クレジットカードまたはデビットカード)、身分証明書、通貨、パスポート、または許可証が挙げられる。本発明に係る物品は、他のアイテムに固着させて、たとえば、リクローザブル容器(酒瓶、投薬瓶など)に対するタンパーインジケーティングシールとして使用することが可能である。
レトロクロミックパターンは、さまざまな方法で形成可能である。代表的な一方法において、たとえば、米国特許第4,367,920号明細書(タング(Tung)ら)に記載されている方法により、部分的に露出した再帰反射ビーズ(たとえば、ガラスビーズまたは真性レトロクロミックビーズ)の単層を有するキャリヤーシート(たとえば、ポリエチレンフィルム)が製造される。接着剤バインダー材料(たとえば、グルー、感圧接着剤、またはホットメルト接着剤)は、たとえば、米国特許第5,612,119号明細書(オルセン(Olsen)ら)または同第5,916,399号明細書(オルセン(Olsen))に記載されているように、画像様に(たとえば、スクリーン印刷、インクジェット印刷、または熱転写印刷により)、露出した再帰反射ビーズに適用される。画像化接着剤バインダーを基体に接触させることにより、バインダーは、基体に固着された状態になる。その後、キャリヤーシートを取り除くことにより再帰反射ビーズを露出させると、バインダーに固着させた状態に保持される。異なる再帰反射ビーズを用いてこの転写印刷プロセスを随意に繰り返することが可能であり、これにより、たとえば、再帰反射モードで目視した場合に特有な外観を呈する3、4、5、またはそれ以上の領域を有するレトロクロミックパターンを得ることができる。
他の方法では、先に記載したような接着剤バインダーを基体に画像様に直接適用することが可能である(たとえば、熱ラミネーション、スクリーン印刷、圧力ラミネーション、インクジェット印刷、またはスプレーイングにより)。再帰反射ビーズ、望ましくは、真性レトロクロミックビーズで接着剤画像にフラッドコーティングすれば、接着剤に固着されたビーズが得られる。続いて、他の接着剤バインダーを画像様に適用し、基体にすでに固着されている再帰反射ビーズとは異なる真性レトロクロミックビーズでフラッドコーティングすれば、基体の表面上に2つの目視可能再帰反射領域を有するパターンが得られる。このプロセスの繰返しにより、たとえば、再帰反射モードで目視した場合に特有な外観を呈する3、4、5、またはそれ以上の領域を有するレトロクロミックパターンを得ることができる。
真性レトロクロミックであってもなくてもよい露出した再帰反射ビーズに、オプションの保護層(たとえば、透明熱可塑性フィルム)をボンディングさせることが可能である(たとえば、熱ラミネートするかまたは接着結合させることが可能である)。
他の方法では、液体ビヒクル中の再帰反射ビーズのディスパージョンを、ウェルのアレイを含むトポグラフィカル表面上に印刷することが可能である。ディスパージョンは、バインダー材料をさらに含んでいてもよい。液体、再帰反射ビーズ、およびオプションのバインダーは、印刷時にウェル中に集められる。液体は、蒸発させてもよいが、所望により、蒸発させなくてもよい。既に印刷された再帰反射ビーズとは異なる真性レトロクロミックビーズを使用して、印刷プロセスを所望の回数だけ繰り返すことが可能である。オプションのカバー層をトポグラフィカル表面にラミネートすることによりウェルの上端をシールし、再帰反射ビーズを収容する完全密閉キャビティーのアレイを製造することが可能である。
有用な基体は、典型的には、1種以上の固体材料(たとえば、金属、木材、プラスチック、ガラス、セラミックス、紙、およびそれらの混合物)を含む。基体は、少なくとも部分的に透明、半透明、および/または不透明でありうる。望ましくは、基体は、その全体にわたり透明である。基体は、組成が均一であってもまたは不均一であってもよい。基体は、いかなる形状であってもよいが、望ましくは、実質的に二次元であり、たとえば、第1および第2の対向主面を有する。所望の基体は、熱可塑性フィルム(たとえば、ポリウレタンフィルム)、金属フォイル、および/または紙を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、オプションの接着剤層を基体に固着(たとえば、接着結合)させる。接着剤層はまた、場合により、剥離ライナー(たとえば、ポリエチレンまたはシリコーンでコーティングされた紙またはフィルム)に接触させることも可能である。接着剤層は、典型的には、ホットメルト接着剤、熱硬化接着剤、または感圧接着剤の少なくとも1つを含む。代表的ホットメルト接着剤としては、熱可塑性ホットメルト接着剤(たとえば、ポリエステル、ポリウレタン、ビニルアセテートコポリマー、またはポリオレフィン)および熱硬化性ホットメルト接着剤(たとえば、湿分活性化接着剤、光活性化接着剤、放射線活性化接着剤、またはそれらの組合せ)が挙げられる。代表的熱硬化接着剤としては、グルー、ウレタン、エポキシ、およびアミノプラストが挙げられる。代表的感圧接着剤としては、望ましくは、たとえば、米国特許第4,630,891号明細書(リー(Li))に記載されているようなラテックスとして基体に適用されるアクリレートコポリマー(たとえば、イソオクチルアクリレートとアクリル酸とのコポリマー)が挙げられる。
再帰反射ビーズは、バインダーを介して基体に固着させることも可能である。有用なバインダーは、熱硬化性材料、熱可塑性材料、または感圧接着性材料(たとえば、既に上述したような材料)の少なくとも1つを含みうる。代表的バインダーとしては、脂肪族もしくは芳香族ポリウレタン、ポリエステル、ビニルアセテートポリマー、ポリビニルクロリド、アクリレートポリマー、およびそれらの組合せが挙げられる。
個々のビーズを解像することができない比較的低い解像度で目視した場合にカスタム再帰反射色を有する領域が形成されるように、異なる再帰反射色を有する真性レトロクロミックビーズを組み合わせることが可能である。しかしながら、そのようなカスタム再帰反射色を有する領域を、個々のビーズを解像することができる比較的高い倍率で目視する場合、それは、異なる再帰反射色を有するビーズの混合物のように見えるであろう。したがって、そのような領域をセキュリティ文書の認証に使用すれば、先に記載したように追加レベルの隠れたセキュリティを付与することが可能である。
真性レトロクロミックビーズは、たとえば、本明細書中でI型およびII型の真性レトロクロミックビーズと呼ばれる少なくとも2つのタイプでありうる。
I型の真性レトロクロミックビーズ
次に、図1について説明する。I型の真性レトロクロミックビーズ100は、外部表面125を有する同心状光学干渉層120を表面に有する透明で実質的に球状のコア110を含む。コア110は、境界面115で光学干渉層120に接触する。
典型的には、同心状光学干渉層120は、球状コア110の全表面を覆うように実質的に均一かつ完全な層を形成する。望ましくは、同心状光学干渉層は均一かつ完全であるが、ビーズの真性レトロクロミック性を損なうほどのサイズまたは量でない限り、層中の副次的な不完全さ(たとえば、ピンホールおよび/または副次的な厚さ変動)は許容しうる。
光は、典型的には、異なる屈折率を有する(たとえば、少なくとも0.1の屈折率差を有する)材料間の境界面で反射される。したがって、コア110と実質的に透明な光学干渉層120との屈折率差が十分であれば、境界面115で第1の反射が起こる。同様に、光学干渉層120と光学干渉層120に接触する任意のバックグラウンド媒質(たとえば、真空、ガス、液体、固体)との屈折率差が十分であれば、外部表面125で第2の反射が起こる。光学干渉層の厚さおよび屈折率を適切に選択することにより、2つの反射を互いに光学的に干渉させて、そのような干渉の不在下で別の形で観測されるものとは異なる再帰反射色を得ることが可能である。
たとえば、レトロクロミック挙動は、光学干渉層の厚さおよび屈折率により決定される光スペクトルの一部分の弱め合う干渉の結果として生じうる。この効果は、主に、再帰反射モードで目視した場合に目に見え、再帰反射モード以外で目視した場合には実質的に観察可能でない。
図1について再度説明する。I型の真性レトロクロミックビーズ100に入射した光130は、大部分が光学干渉層120を透過して、コア110に入る。入射光130の一部分は、外部表面125または境界面115で反射される可能性がある。再帰反射は、コア110に入って屈折により少なくとも部分的にコア110の背面上に集束される光130の一部分から生じる。屈折光135がコア110の背面で境界面115に遭遇すると、屈折光135の一部分は、ビーズの前面の方向に反射光140として反射されて戻され、最終的に、入射光130に対して実質的に逆平行の方向に再帰反射光150としてビーズから出現する。同様に、集束光の他の部分は、光学干渉層120を透過し、外部表面125で反射光142として反射されて戻される。この外部表面は、I型の真性レトロクロミックビーズ100を内部に配設してなるいかなる媒質(たとえば、気体、液体、固体、または真空)とも境界面を形成する。反射光142は、最終的に、入射光130に対して実質的に逆平行の方向に再帰反射光152としてビーズから出現する。反射されない残りの光は、真性レトロクロミックビーズを完全に貫通する。反射光140と反射光142との間、さらには再帰反射光150と再帰反射光152との間の干渉により、再帰反射光の色の変化が起こる。たとえば、入射白色光のスペクトルの中央部の波長を取り去ると、赤紫色の色相を有する再帰反射光を生じる(すなわち、レトロクロミズム)。わずかに厚い光学干渉層によってより長い波長を取り去ると、たとえば、緑色または青緑色の色相を生じる。
2つの材料間の境界面における反射は、2つの材料の屈折率差に依存するので、十分な屈折率差が保持されるかぎり、高屈折率または低屈折率の材料のいずれかを含むコアおよび/または光学干渉層を使用するという必要性は本質的に存在しない。コア110と光学干渉層120との屈折率差および光学干渉層120と内部でのレトロクロミックビーズの使用が意図される媒質との屈折率差は、少なくとも0.1、望ましくは少なくとも0.2、より望ましくは少なくとも0.3、最も望ましくは少なくとも0.4でなければならない。光学干渉層120の屈折率は、コア110の屈折率よりも大きくてもまたは小さくてもよい。一般的には、屈折率の選択および対応する使用材料の選択は、反射の発生が意図される領域で外部表面125に接触する媒質の特定の選択により決定されるであろう。
コア110、同心状光学干渉層120、および内部での真性レトロクロミックビーズの使用が意図される媒質の屈折率は、望ましくは、ビーズの集束能ならびに境界面115および125からの反射強度を制御するように選択される。境界面115および125における屈折率差のバランスがとれていれば(すなわち、実質的に同等であれば)、典型的には、再帰反射光の色飽和度は最大化される。2つの境界面における屈折率差のバランスがとれていなければ、典型的には、再帰反射光は、淡色化または「ウォッシュアウト」したように見える。同時に、バランスのとれた屈折率差をできるかぎり大きくすれば、典型的には、再帰反射色の輝度は最大化される。
高レベルの再帰反射率を得るために、典型的には、比較的高い屈折率、望ましくは1.5よりも大きい屈折率、より望ましくは1.8よりも大きい屈折率を有するコア110を選択することが望ましい。これにより、入射光をコア110の背面(すなわち、入射光源と反対側の面)上に少なくとも部分的に集束させることが可能になる。
たとえば、20〜200マイクロメートルの範囲の直径および1.9の屈折率ならびに空気に露出した表面を有するガラスビーズは、典型的には、入射可視光に対して高効率の再帰反射マイクロレンズである。1.9の屈折率を有するガラスビーズを1.4の屈折率を有するシリカ薄層(すなわち、光学干渉層)でコーティングした場合、空気中における被覆ビーズは、0.5の屈折率差を有するガラスビーズ−シリカ層境界面および0.4の屈折率差を有するシリカ層−空気境界面を備える。そのような被覆ビーズは、レトロビューアーを用いて目視した場合、強い色効果を生成しうる。しかしながら、そのような被覆ビーズを、シリカ層の屈折率にかなり近い屈折率を有する有機材料中に部分的に埋め込んだ場合、シリカ層−バックグラウンド媒質境界面における屈折率差は、非常に小さくなり、色飽和度および再帰反射強度は、劇的に減少する。
チタニアのように高屈折率をもつ光学干渉層を用いれば、このタイプの構成体の両方の境界面においてかなりの屈折率差を提供することができる。干渉作用を調整したりまたは境界面の屈折率差を簡単に固定したりするために、多層コーティングを使用することもできる(たとえば、はるかに厚に外側コーティングを用いることにより)。
望ましくは、あらかじめ決められた色効果を生成するように、同心状光学干渉層の厚さを選択することができる。
境界面で反射される光は、位相反転を伴ってまたは伴わずに反射される可能性がある。より高い屈折率を有する媒質を透過し、より低い屈折率を有する媒質との境界面に遭遇した光は、位相反転を伴わずに反射されるであろう。これとは対照的に、より低い屈折率を有する媒質を透過し、より高い屈折率を有する媒質との境界面に遭遇した光は、位相反転を伴って反射されるであろう。したがって、光学干渉層の厚さの適切な選択は、コア110の屈折率、光学干渉層120の屈折率、およびそれが内部に配設される対象の媒質の屈折率に依存するであろう。いずれの場合においても、外部表面125からの反射光が、境界面115から反射された同一波長の光とπラジアン(すなわち、180°)位相がずれるように、厚さを選択すべきである。
ビーズの屈折率が光学干渉層の屈折率よりも大きい場合、さらには媒質の屈折率よりも大きい場合、たとえば、光学干渉層120が、差し引かれる波長の四分の一(すなわち、1/4波長)の奇数倍の光学的厚さ(すなわち、屈折率で割った厚さ)を有していれば、典型的には、弱め合う干渉を生じる。実例として、屈折率がそのような関係をもつ場合、光学干渉層の厚さが137.5ナノメートル(すなわち、nm)であると、白色光照明を用いて再帰反射モードで目視したときに赤紫色の色相を生じるであろう。光学干渉層の厚さが増加するにつれて、弱め合う中心は、より長い波長に移動し、青色、青緑色、および黄緑色の再帰反射色が順次観測される。
ビーズの屈折率が光学干渉層の屈折率よりも小さい場合、さらには媒質の屈折率よりも大きい場合、光学干渉層120が、差し引かれる波長の二分の一の倍数の光学的厚さを有していれば、典型的には、弱め合う干渉を生じる。
屈折率、追加の層、および層の厚さの可能な順列の数は、きわめて大きいが、屈折率および厚さの特定の選択は、以下の考察を検討すれば当業者に自明なものとなろう。
I型の真性レトロクロミックビーズは、透明ビーズの流動床および気相堆積法を用いて、便利にかつ経済的に製造可能である。一般的には、複数のビーズの流動床(すなわち、攪拌床)に気相材料を堆積させる方法は、本明細書中で使用する場合、蒸気形態からそれぞれの透明ビーズの表面上に同心状の層を堆積させる「気相堆積法」と総称しうる。いくつかの実施形態では、気相前駆体材料を透明ビーズに近接させて混合し、その場(in situ)で化学反応させて透明ビーズのそれぞれの表面に材料層を堆積させる。他の実施形態では、材料を蒸気の形態で提供し、本質的に化学反応を行うことなく、透明ビーズのそれぞれの表面上に層として堆積させる。
使用される堆積プロセスにもよるが、透明ビーズの入った反応器中に典型的には気相の前駆体材料(反応型堆積プロセスの場合)または層材料(非反応型プロセスの場合)を仕込む。本発明では、それぞれのコアの表面上に同心状光学干渉層(たとえば、金属酸化物の層)を堆積させるために、望ましくは、気相加水分解反応を利用する。そのようなプロセスは、化学気相堆積(「CVD」)反応と呼ばれることもある。
望ましくは、低温大気圧化学気相堆積(「APCVD」)プロセスを使用する。そのようなプロセスは、真空系を必要とせず、速いコーティング速度を提供することができる。加水分解型APCVD(すなわち、水を反応性前駆体と反応させるAPCVD)が最も望ましい。なぜなら、低い温度で、たとえば、典型的には300℃よりも十分に低い温度で、きわめて均一な層を得ることができるからである。
以下は、例示的な気相加水分解型反応である。
TiCl4+2H2O→TiO2+4HCl
例示的反応では、水蒸気と四塩化チタンは、一緒にして、金属酸化物前駆体材料とみなされる。
有用な流動床気相堆積法は、たとえば、米国特許第5,673,148号明細書(モリス(Morris)ら)に記載されている。
十分に流動化された床を用いれば、所与の粒子および粒子の全集団のいずれに対しても均一な層が形成されるようにできる。透明ビーズの全表面を本質的にカバーする実質的に連続した層を形成するために、透明ビーズを流動床反応器中で懸濁させる。流動化させると、典型的には、効果的に透明ビーズの凝集が防止され、透明ビーズと反応前駆体材料との均一な混合が達成され、より均一な反応条件が提供されるようになるので、きわめて均一な同心状光学干渉層が得られる。透明ビーズを攪拌することにより、各集成体の本質的に全表面が堆積時に露出され、集成体と反応前駆体または層材料とが十分に混合され、その結果として、各ビーズの実質的に均一かつ完全なコーティングが達成される。
凝集する傾向のある透明ビーズを使用する場合、流動化助剤、たとえば、少量のヒュームドシリカ、沈降シリカ、商品名「ボラン(VOLAN)」を有するメタクリラトクロミッククロリド(オハイオ州クリーブランドのザクロン・インコーポレーテッド(Zaclon,Inc.,Cleveland,OH)から入手可能)で透明ビーズをコーティングすることが望ましい。そのような助剤の選択およびその有用な量は、当業者であれば、容易に決定することが可能である。
前駆体材料を気相にしてそれを反応器に添加する一方法は、本明細書中でキャリヤーガスと呼ばれるガス(望ましくは、非反応性ガス)のストリームを前駆体材料の溶液またはニートな液体に通してバブリングしてから反応器に導入する方法である。代表的キャリヤーガスとしては、アルゴン、窒素、酸素、および/または乾燥空気が挙げられる。
特定用途でのキャリヤーガスの最適流量は、典型的には、反応器内の温度、前駆体ストリームの温度、反応器内の集成体攪拌の度合、および使用される特定の前駆体に、少なくとも部分的に依存するが、有用流量は、常用的な最適化法により容易に決定しうる。望ましくは、反応器への前駆体材料の輸送に使用されるキャリヤーガスの流量は、透明ビーズの攪拌および反応器への最適量の前駆体材料の輸送の両方に十分な量である。
図2について説明する。真性レトロクロミックビーズを製造するための代表的方法を示しており、キャリヤーガス202を水バブラー204に通してバブリングすることにより、水蒸気含有前駆体ストリーム208を生成させる。また、キャリヤーガス202を四塩化チタンバブラー206に通してバブリングすることにより、四塩化チタン含有前駆体ストリーム230を生成させる。その後、前駆体ストリーム208および230を反応器220中に輸送する。コア110を反応器220中に導入し、真性レトロクロミックビーズ100をそこから取り出す。
典型的には、適切な堆積速度を提供し、かつ所望の品質と特徴をもつ金属酸化物層を提供するように、前駆体流量を調整する。望ましくは、反応器チャンバー中に存在する前駆体材料の比率でチャンバー内の他の場所における個別的な(すなわち、浮動性の)金属酸化物粒子の生成が最小限に抑えられ透明ビーズの表面における金属酸化物の堆積が促進されるように、流量を調整する。たとえば、四塩化チタンと水からチタニアの層を堆積させる場合、各四塩化チタン分子あたり8個の水分子と、四塩化チタン分子2個あたり1個の水分子と、の間の比率が、一般的には好適であるが、四塩化チタン分子1個あたり2個の水分子の水が好ましい。これらの条件下では、ほとんどの四塩化チタンと反応する十分な水が存在し、ほとんどの水が再帰反射ビーズの表面上に吸着される。さらに比率を高くすると、実質量の非吸着水を生じる傾向を示し、その結果として、所望の酸化物層ではなく酸化物微粒子が形成されるおそれがある。
望ましくは、十分量の前駆体材料が加水分解反応用の反応器に輸送され、層堆積プロセスが都合のよい速い速度で進行するように、前駆体材料は、十分に高い蒸気圧を有する。たとえば、比較的高い蒸気圧を有する前駆体材料は、典型的には、比較的低い蒸気圧を有する前駆体材料よりも速い堆積速度を提供し、それにより、より短い堆積時間の使用を可能にする。蒸気圧を減少させるために前駆体源を冷却させたり、または材料の蒸気圧を増大させるために加熱したりすることも可能である。後者の場合、供給源と反応器との間での凝縮を防止するために、チューブまたは前駆体材料を反応器に輸送するのに使用される他の手段を加熱することが必要になることもある。多くの場合、前駆体材料は、室温でニートな液体の形態であろう。いくつかの場合には、昇華性固体として前駆体材料を入手することが可能である。
300℃未満、典型的には200℃未満の温度で加水分解反応により稠密金属酸化物コーティングを形成することのできる前駆体材料は、ガラスビーズをコーティングするのに望ましい。望ましくは、四塩化チタンおよび/または四塩化ケイ素ならびに水が、前駆体材料として使用される。揮発性金属塩化物のほかに、有用な前駆体材料としては、たとえば、水と、金属アルコキシド(たとえば、チタンイソプロポキシド、シリコンエトキシド、ジルコニウムn−プロポキシド)、金属アルキル(たとえば、トリメチルアルミニウム、ジエチル亜鉛)のうちの少なくとも1つと、の混合物が挙げられる。コーティングプロセスにおいていくつかの前駆体を同時に利用することが望ましいこともある。
望ましくは、互いに反応する前駆体材料、たとえば、TiCl4とH2Oは、輸送系内での早期反応を防止するために、反応器に添加する前に混合されることはない。したがって、典型的には、反応チャンバー中に複数のガスストリームが提供される。
気相堆積法には、加水分解型CVDおよび/または他の方法が包含される。そのような方法では、ビーズは、典型的には、ビーズ上への所望の性質を有する同心状光学干渉層の効果的な堆積および形成を促進するのに好適な温度に保持される。気相堆積法を行う温度を上昇させると、典型的には、得られる同心状の層は、より稠密になり、かつより少量の逃散性未反応前駆体を保持するようになる。スパッタリングまたはプラズマ支援化学気相堆積法を利用する場合、しばしば、コーティングされる物品の最小限の加熱が必要とされるが、典型的には真空系が必要とされ、小さいガラスビーズのような微粒子状材料をコーティングするのに使用するのは困難である可能性がある。
典型的には、不適切に透明ビーズを分解することのない十分に低い温度で操作される堆積法を選択しなければならない。したがって、光学干渉層の堆積は、望ましくは300℃未満、より望ましくは200℃未満の温度で加水分解型APCVD法を用いて達成される。
四塩化物から堆積されるチタニア層およびチタニア−シリカ層は、とりわけ望ましく、低温で、たとえば、120℃〜160℃でAPCVDにより容易に堆積される。
典型的には、寸法安定性のある実質的に球状の透明ビーズであれば、いずれも、本発明を実施する際にコアとして使用することが可能である。可視光の少なくとも1つの波長、望ましくはすべての波長を実質的に透過するかぎり、コアは、無機であっても、高分子であっても、またはそれ以外であってもよい。典型的には、コアは、20〜500マイクロメートル、望ましくは50〜100マイクロメートルの直径を有するが、他の直径も可能である。
望ましくは、コアは、1.5〜2.5またはそれ以上、望ましくは1.7〜1.9の屈折率を有する材料、望ましくはシリカを含む無機ガラスを含む。コアはまた、特定の対象用途に応じてより低い屈折率値および同心状光学干渉層の組成を有しうる。たとえば、望ましくは、1.50程度の低い屈折率を有するシリカガラスビーズをコアとして使用可能である。なぜなら、ソーダ石灰シリカ(すなわち、窓ガラス)は低コストであり、利用可能性が高いからである。場合により、コアは、着色剤をさらに含んでいてもよい。望ましくは、コアは、ガラスを含む。
コアとして利用しうる代表的材料としては、ガラス(たとえば、SiO2、B23、TiO2、ZrO2、Al23、BaO、SrO、CaO、MgO、K2O、Na2Oのような金属酸化物の混合物)ならびにたとえば米国特許第4,564,556号明細書(ランゲ(Lange))および同第4,758,469号明細書(ランゲ(Lange))に記載されているような固体の透明な非ガラス質セラミック粒子が挙げられる。
代表的かつ有用な着色剤は、遷移金属、染料、および/または顔料を含み、典型的には、コアの化学組成および利用される加工条件との適合性に従って選択されている。
本発明に従って実施する際に利用される同心状光学干渉層は、層を支持するコアとは異なる屈折率を有する任意の透明材料であってよい。望ましくは、同心状光学干渉層は、光学的に清澄になるように十分に平滑でなければならない。望ましくは、同心状光学干渉層は、強靭であり、容易に削り取られたりまたは剥落したりしない。
望ましくは、同心状光学干渉層は、金属酸化物を含む。同心状光学干渉層に有用な代表的金属酸化物としては、チタニア、アルミナ、シリカ、酸化スズ、ジルコニア、酸化アンチモン、およびそれらの混合酸化物が挙げられる。望ましくは、光学干渉層は、次のもの:二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、またはそれらの組合せのうちの1つを含む。チタニア層およびチタニア/シリカ層は、容易に堆積され、耐久性のある層を形成するので、最も望ましい。
有利には、種々の光学干渉層の厚さおよび再帰反射色を有するビーズの一部分を反応器から逐次的に取り出すことができる。したがって、大量のビーズを反応器に仕込み、連続コーティング操作時にビーズの一部分を逐次的に取り出すことにより、1個、2個、3個、またはそれ以上の被覆ビーズ(それぞれが異なる再帰反射色を有し、全体としてレトロクロミック色パレットを構成する)を容易に取得することが可能である。
望ましい一実施形態では、ガラス製反応器を用いてin situで行うかまたは反応器から取り出すかのいずれかにより、たとえば、レトロビューアー(米国特許第3,767,291号明細書(ジョンソン(Johnson))および同第3,832,038号明細書(ジョンソン(Johnson))に記載のもの)を使用することにより、再帰反射モードでビーズを目視して、層堆積の進行をモニターすることが可能である。また、真性レトロクロミックビーズおよびそれらを含有する物品を目視するのに有用なレトロビューアーは、たとえば、ミネソタ州セントポールのスリーエム・カンパニー(3M Company,St.Paul,MN)から商品名「スリーエム・ビューアー(3M VIEWER)」として容易に市販品を入手することができる。
II型の真性レトロクロミックビーズ
II型の真性レトロクロミックビーズは、微結晶性領域を内部に有する部分透過性ビーズを含む。微結晶性領域は、典型的には、可視光の波長域よりも小さいサイズである。微結晶性領域は、可視スペクトル中のさまざまな波長の光をさまざまな度合で散乱する。微結晶性領域は、可視波長スペクトルの長波長側の光を散乱するときよりも効果的に可視波長スペクトルの短波長側の光を散乱する。入射スペクトルのより短い波長成分が優先的に散在される場合、より長い波長成分は、ビーズ内を透過して最終的に再帰反射される。典型的には、微結晶性領域は、10〜500nmの範囲のサイズを有する。望ましくは、微結晶性領域は、50〜250nmのサイズを有し、250nmよりも大きい微結晶性領域は実質的に含まれない。
入射スペクトルと比較して、再帰反射スペクトルは改変される。スペクトルの改変とは、さまざまな入射波長の相対強度の変化を意味する。典型的には、白色の入射光に対して、無色のII型のレトロクロミックビーズは、本質的に黄色、橙色、または赤色の光を再帰反射する。ビーズ内部で光散乱が起こると、入射スペクトルと比較して、再帰反射スペクトルの改変が起こる。50〜250nmのサイズ範囲に成長させた微結晶では、黄色、橙色、または赤色の光は、ビーズ内を透過して最終的に再帰反射されるが、可視スペクトルの紫外端近傍の波長の光は、再帰反射光路から優先的に散乱される。可視スペクトルの紫外端近傍の波長が優先的に散乱されると、入射スペクトルからそれらが差し引かれので、再帰反射されない。
代表的な一方法では、II型の真性レトロクロミックビーズを次のように製造することができる。最初に、少なくとも2種の金属酸化物を含む微粒子状成分から水性スラリーを調製する。場合により、光吸収により完成ビーズに色を付与する無機酸化物ドーパント(たとえば、着色剤)をスラリー中に存在させてもよい。望ましくは、溶融および急冷を行ったときにアモルファス透明ビーズが形成されるように、スラリーの微粒子状成分を選択すべきである。透明ビーズは、小さい結晶(たとえば、10nm未満)を含んでいてもよいが、急冷によりガラス状物質を形成するのに十分な程度に徐々に結晶化させるように、組成を選択すべきである。
II型の真性レトロクロミックビーズを形成するのに有用な金属酸化物は、当技術分野で周知である。代表的金属酸化物としては、SiO2、Al23、B23、Na2O、K2O、CaO、MgO、BaO、SrO、TiO2、ZrO2が挙げられる。特定の金属酸化物は、強力なガラス形成剤として知られている(たとえば、SiO2、GeO2、As25、P25、B23)。強力なガラス形成剤とは、急冷により溶融体から固体アモルファス状態に比較的容易に変換することができる金属酸化物である。望ましくは、スラリーの微粒子状成分は、強力なガラス形成剤を含む。単独では容易にガラスを形成しない金属酸化物は、特定の種(中間体として知られる)および強力なガラス形成剤と組み合わせて使用するのであれば、II型の真性レトロクロミックビーズに包含されうる。代表的中間体としては、Al23およびPbOが挙げられる。Al23は、たとえば、改変剤金属酸化物と組み合わせて強力なガラス形成剤(たとえば、SiO2)に添加されるのであれば、II型の真性レトロクロミックビーズに包含されうる。そのような改変剤としては、たとえば、アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類酸化物(たとえばNa2O、K2O、MgO、CaO、SrO、BaO)が挙げられる。
特定の金属酸化物(たとえば、TiO2、ZrO2)は、ガラス組成物に組み入れた場合、結晶化の核を形成するのに役立ちうる。そのような金属酸化物は、たとえば、後で熱処理によりガラスを結晶化させるための核剤として有用である。
有利には、II型の真性レトロクロミックビーズを形成するのに使用される火炎成形法は、ガラス物品の伝統的な製造方法により形成しうるより広幅囲のガラス組成物の使用を可能にする。たとえば、TiO2およびZrO2を多く含む組成物(たとえば、50重量パーセントよりも多い)は、典型的には、不適当であるとみなされるであろう。なぜなら、TiO2および/またはZrO2を非常に多く含む酸化物溶融体は、冷却時に結晶を形成する傾向があるからである。しかしながら、II型の真性レトロクロミックビーズの製造では、たとえば酸化チタンまたは酸化ジルコニウムのような少なくとも1種の核剤を水性スラリーに組み入れることが望ましい。
追加の機能として、ガラスビーズを製造する火炎成形法に特有な急冷速度は、より遅い冷却速度プロセスを用いて形成しうるよりもガラスとして広範囲の組成物の製造を可能にする。とくに、伝統的に非ガラス形成性の酸化物の共融組成物をガラスビーズとして調製することができる。したがって、スラリー中の微粒子状金属酸化物成分は、ほぼ共融比率であることが望ましい。
一般的にはガラスを形成することが期待されない組成物をガラスビーズとして形成することができるという事実により、II型の微結晶性レトロクロミックビーズの形成に有用である可能性をもつ組成物の範囲が拡大される。したがって、有用な組成物の範囲は、ガラスまたはさらにはガラスセラミックスを形成するのに便利であると一般に見なされる組成物に限定されない。
望ましくは、微結晶性レトロクロミックビーズは、ガラス形成性金属酸化物を含む。たとえば、SiO2は、たとえば、ビーズの全重量を基準にして2〜40重量パーセントの範囲の量でビーズに組み入れた場合、初期のガラス形成を支援することができる。熱処理時に高密度の微結晶を生成させるために、核剤(たとえば、TiO2および/またはZrO2)は、ビーズの全重量を基準にして5重量パーセント超だが80重量パーセント未満の範囲のレベルが有用である。TiO2およびZrO2はまた、高屈折率(1.8〜2.3)を達成するのに有用である。高屈折率は、強力な再帰反射に有用である。
微結晶性真性レトロクロミックビーズ中に存在させうる追加の成分としては、たとえば、B23、Al23、MgO、CaO、BaO、Na2O、およびK2Oが挙げられる。アルカリ金属酸化物およびアルカリ土類酸化物は、組成物の融解温度を減少させるのにとりわけ有用であり、微結晶性真性レトロクロミックビーズの全組合せ重量の25重量パーセントまでのアルカリ金属酸化物およびアルカリ土類酸化物の組合せ含有率で組み入れることができる。
望ましくは、高レベル(すなわち、ビーズの全重量を基準にして>60重量パーセント)のTiO2をII型の真性レトロクロミックビーズ組成物に組み入れた場合、アルカリ土類酸化物は、ビーズの全重量を基準にして10重量パーセント超のレベルで組み入れられ、火炎成形プロセス時における透明ビーズの急冷を支援する。
このとき、典型的にはスラリーをミリングし、乾燥させて粉末ケーキを形成し、その後、粒子に粉砕する。たとえば、米国特許第6,245,700号明細書(バッド(Budd)ら)に記載されているように、粒子を水素/酸素トーチの火炎中に供給し、そこで溶融し、中間ビーズを形成する。中間ビーズを、たとえば、水槽中で、急速に冷却(すなわち、急冷)すると、ガラス質ビーズが形成される。場合により、冷却されたガラス質ビーズを水素トーチにもう一度通して、その透明性を改良することが可能である。
次に、冷却されたガラス質ビーズをるつぼ(たとえば、アルミナるつぼ)に入れ、それを脱ガラス化するのに十分な温度まで徐々に温度を上昇させることにより(たとえば、10℃/分の速度で)、ファーネス中で加熱する。高温は、ガラス質ビーズの脱ガラス化を引き起こすのに十分な程度に高くなければならないが、ビーズが融着一体化されるほど高くてはならない。望ましくは、高温は、400℃〜1200℃、より望ましくは700℃〜1100℃の範囲である。高温は、実質的にビーズを脱ガラス化するのに十分な時間、望ましくは15〜120分間の範囲にわたり、保持される。続いて、温度を低下させて室温に戻す。
望ましくは、着色剤の量は、金属酸化物成分の全重量を基準にして、0.01〜5重量パーセントの範囲、より望ましくは0.5〜3重量パーセントの範囲である。
所与の化学組成を有する透明ビーズからII型の真性レトロクロミックビーズを生成させるのに適した加工条件は、次のようにして容易に決定することができる。
第1の手順では、たとえば、10℃/分のランプ速度のファーネスに入れて室温から組成物の融点までの範囲のいくつかの等間隔の温度まで上昇させることにより、ビーズをいくつかの部分に分けて熱処理する。熱処理温度のそのような間隔は、たとえば、50℃または100℃であってよい。ビーズの各部分がその所望の温度(すなわち、ソーク温度)に達したら、すべての部分に対して等しい時間(たとえば、1時間)にわたり、その温度を保持する。該部分をファーネスから取出し、室温まで冷却させる。ソーク温度の増加に伴って、溶融前に結晶化する組成物では、典型的には、熱処理されたビーズは、透明から不透明まで変化する。
第1の手順で加工された部分がいずれも所望のレトロクロミック効果を示さない場合、透明ビーズが観測された最高温度から不透明ビーズが観測された最低気温までの範囲のソーク温度を用いて手順を繰り返す。この第2の手順では、たとえば、5℃または10℃間隔のソーク温度により、高透明状態と不透明状態との間の移行部をより厳密に解像する一連の熱処理されたビーズサンプルを生成させる。
第2の手順で加工された部分がいずれも所望のレトロクロミック効果を示さない場合、第2の手順で透明ビーズが観測された最高温度から不透明ビーズが観測された最低気温までの範囲のソーク温度を用いて第3の手順を行う。この第3の手順では、ソーク温度は、たとえば、1℃または2℃間隔である。
適切な条件が判明したら、微結晶性領域のサイズを細かく制御するために、ソーク時間の長さをさらに調整することも可能である。
真性レトロクロミックビーズがI型であるかまたはII型であるかに関係なく、レトロクロミック効果の大きさは、典型的には、レトロクロミックビーズを照明するために使用する光源のスペクトル幅に依存する。望ましくは、光源は、広いスペクトル(たとえば、白色光)を有するが、より狭いスペクトル範囲を使用することも可能である。
本発明を実施する際に使用される真性レトロクロミックビーズのタイプがどちらであっても、たとえば、米国特許第2,963,378号明細書(パームクィスト(Palmquist)ら)に記載されているように、真性レトロクロミックビーズ上に一体化半球形リフレクターをコーティングすることにより、再帰反射の大きさを増大させることが可能である。
以下の実施例により、本発明の特定の実施形態について具体的に説明する。これらの実施例は、添付の特許請求の範囲に規定されている本発明を限定しようとするものではない。
以下の実施例では、商品名「スリーエム・ビューアー(3M VIEWER)」を有する再帰反射ビューアーを介して見ることにより、観測再帰反射色を決定した。
以下の実施例および表において、
「mL」とは、ミリリットルを意味し、
「rt」とは、室温(すなわち、約20℃)を意味し、
「min」とは、分を意味する。
I型のビーズを製造するための一般的手順
製造例1〜182のシリカ被覆ガラスビーズの製造は、図2に示されるのと同じような装置を用いて行った。1.9の屈折率および約65ミクロンの平均直径を有する80グラム(g)のガラスビーズ(ミズーリ州チェスターフィールドのフレックス・オー・ライト・インコーポレーテッド(Flex−O−Lite,Inc.,Chesterfield,MO)から商品名「フレックス・オー・ライト831サイン・ビーズ(FLEX−O−LITE 831 SIGN BEADS)」として入手可能)を、内径30ミリメートル(すなわち、mm)の反応器を備えたガラスフリットファンネル型流動床CVD反応器(たとえば、米国特許第5,673,148号明細書(モリス(Morris)ら)の実施例1に記載されているような反応器)中に仕込んだ。反応温度が50℃以上である実施例では、反応器を電気加熱テープでラッピングし、流動床中で熱電対を用いてモニターした。反応温度が室温(すなわち、約20℃)である実施例では、加熱テープを使用しなかった。ガラスフリットを通過するように(すなわち、ビーズ床の底部から)反応器中に導入された窒素ガスのストリームを用いて、ビーズ床を流動化させた。反応器とは別のチャンバー内の水にキャリヤーガスを通してバブリングすることにより窒素キャリヤーガスのストリーム中に加えた形で、ガラスフリットを通過するように、水蒸気を反応器中に同時に導入した。
反応器とは別のチャンバー内の液体前駆体化合物にキャリヤーガスを通してバブリングすることにより窒素キャリヤーガスのストリーム中に加えた形で、ビーズ流動床中に下向きに延在するガラス管を介して、金属酸化物前駆体化合物(SiCl4(製造例1〜174)またはSiCl4とテトラエチルオルトシリケートとの混合物(TEOS、製造例175〜182)のいずれか)を反応器中に導入した。製造例175〜182では、2つの個別チャンバーを使用し、各液体前駆体化合物を1つのチャンバーに対応させた。反応器を通過する反応物を含んだ窒素キャリヤーガスの流動が開始されたときに、製造例1〜182においてガラスビーズ上への同心状コーティングの堆積が始まった。
同心状被覆ガラスビーズのサンプルを反応器から周期的に取り出し、再帰反射モード中でサンプルを目視することにより評価した。また、破壊した同心状被覆ガラスビーズを走査型電子顕微鏡で調べることにより、同心状コーティングの厚さも決定した。
反応物を含んだキャリヤーガスの流量、ガラスビーズ上の同心状コーティングの得られた厚さ、および被覆ビーズの再帰反射色のような実験の詳細を、表1および2に報告する(以下参照)。
製造例183〜191のチタニア被覆ガラスビーズの製造は、80mmの内径を有する反応器を使用したことおよびチタニア前駆体化合物がTiCl4であったこと以外は製造例1〜182で使用した手順により行った。1.9の屈折率および約65マイクロメートルの平均直径を有するガラスビーズ(1800g)(ミズーリ州チェスターフィールドのフレックス・オー・ライト・インコーポレーテッド(Flex−O−Lite,Inc.,Chesterfield,MO)から商品名「フレックス・オー・ライト831サイン・ビーズ(FLEX−O−LITE 831 SIGN BEADS)」として入手可能)を反応器に仕込んだ。反応器を電気加熱テープでラッピングした。このテープを用いて、流動床中の熱電対により測定したときの流動床の温度を約175℃に保持した。各個別反応物チャンバーに通した窒素キャリヤーガスの流量は、毎分7リットルであった。
同心状被覆ガラスビーズのサンプルを反応器から周期的に取り出し、上記のレトロビューアーで再帰反射幾何形状のサンプルを目視することにより評価した。また、破壊した同心状被覆ガラスビーズを走査型電子顕微鏡で調べることにより、同心状コーティング(すなわち、光学干渉層)の厚さも決定した。堆積時間およびスリーエム・ビューアー(3M VIEWER)を用いて視覚的に観察したチタニア被覆ガラスビーズの得られた再帰反射色を、表3に報告する(以下参照)。
Figure 0004308025
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II型のビーズを製造するための一般的手順
1600gの1cm酸化ジルコニウムミリングメディア(ニュージャージー州リトルフォールのポール・オー・アッベ・インコーポレーテッド(Paul O.Abbe,Inc.,Little Falls,NJ)から商品名「3/8インチ(0.95CM)ラジアス・エンド・ジルコニア・シリンダーズ(3/8INCH(0.95CM)RADIUS END ZIRCONIA CYLINDERS)」,商品番号MEDZOC.37として入手した)の入った磁器ミリングジャー中で、水と、酸化ジルコニウム(ニューハンプシャー州ボウのカーペンター・エンジニアリング・プロダクツ(Carpenter Engineering Products,Bow,NH)のZ−TECH事業部から商品名「CF−PLUS−HM」として入手した)と、酸化アルミニウム(ペンシルバニア州ピッツバーグのアルコア・インダストリアル・ケミカルス(ALCOA Industrial Chemicals,Pittsburgh,PA)から商品名「16SG」として入手した)と、酸化チタン(ニュージャージー州クランベリーのクロノス(KRONOS,Cranbury,NJ)から商品名「クロノス(KRONOS)1000」として入手した)と、珪灰石(コネチカット州ノーウォークのアール・ティー・バンダービルト(R.T.Vanderbilt,Norwalk,CT)から商品名「バンシル(VANSIL)W−30」として入手した)と、タルク(コロラド州エングルウッドのルゼナック・アメリカ(Luzenac America,Englewood,CO)から商品名「スプラフィノ(SUPRAFINO)H」として入手した)と、硝酸コバルト(II)六水和物(ケンタッキー州パリスのミリンクロッズ(Mallinckrodt,Paris,KY)から商品名「コバルト・ニトレート・クリスタルス(COBALT NITRATE CRYSTALS),Lot KMDJ」として入手した)およびカルボキシメチルセルロース(製造例192〜193,バージニア州ホープウェルのアクアロン・ディビジョン・オブ・ハーキュレス・インコーポレーテッド(Aqualon Division of Hercules Incorporated,Hopewell,VAから商品名「CMC 7L2C」として入手した)、または硝酸鉄(III)九水和物(製造例194〜195、ニュージャージー州フェアローンのフィッシャー(Fisher,Fairlawn,NJ))から商品名「I110−500」として入手した)と、を組み合わせることにより、微結晶性領域を内部に有するレトロクロミックビーズを製造した。それぞれの混合物を3時間ミリングした後、それぞれを乾燥させて粉末ケーキを取得し、その後、乳鉢と乳棒を用いて粉砕した。
ペンシルバニア州ヘラートタウンのベスレヘム・アパラタス・カンパニー(Bethlehem Apparatus Company,Hellertown,PA)から商品名「ベスレヘム・ベンチ・バーナー・PM2DモデルB(BETHLEHEM BENCH BURNER PM2D MODEL B)」(これ以降、「ベスレヘムバーナー」と記す)として入手した水素/酸素トーチの火炎中に、粉砕粉末を供給した。ベスレヘムバーナーは、水素および酸素を、内側リングにそれぞれ8.0および3.0標準リットル毎分で、外側リングにそれぞれ23.0および9.8標準リットル毎分で、送給した。溶融された粒子を火炎中に連行し、水浴中に送出し、そこで急速に冷却させた(すなわち、急冷した)。光学品質を改良するために、急冷されたビーズを火炎にもう一度通し、再び急冷した。
アルミナるつぼに入れて、毎分10℃の速度で室温から所望の温度まで昇温させ、所望の「保持」時間にわたり所望の温度に保持し、次に、ファーネスを徐々に室温まで冷却させることにより、ファーネス中で熱処理を施し、急冷されたガラスビーズを脱ガラス化させた。室温まで冷却させた後、ビーズをるつぼから取り出した。反応物の重量、保持温度および保持時間、ならびに周囲光および製造例192〜195のビーズの再帰反射色を、表4に報告する(以下参照)。得られたII型の真性レトロクロミック体は、本発明に係る物品を製造するのに有用である。
Figure 0004308025
実施例1
この実施例では、パターンを有する物品の製造について説明する。
スリーエム・カンパニー(3M Company)から入手した商品名「スコッチ・ブランド・ホワイト・ビニル・テープ471(SCOTCH BRAND WHITE VINYL TAPE 471)」を有する感圧接着テープの3cm×3cm片を製造した。周囲光下での外観が実質的に類似している製造例192および193のビーズを、グラフィックス上の別々の領域に配列し、PSAで所定の位置に保持した。すなわち、2種の異なるビーズは、テープの別々の領域にパターンを形成した。
パターンを製造するために、ポリエステル(PET)フィルムの選択された領域を切り抜いて、ビーズをPSAに移すためのウィンドウを形成した。選択された開口領域を有するポリエステルフィルムを、裸のPSAテープに接触させた状態で配置した。マスキングされたPSA上に製造例193のビーズをフラッドコーティングし、ポリエステルマスクの開口領域のPSAだけに結合されたこれらのビーズの単層を残存させた。ポリエステルマスクを除去し、裸のPSA領域の残りの部分を露出させた後、実施例192のビーズを基体上にフラッドコーティングした。2回目のフラッドコーティングにより、最初はポリエステルフィルムによりマスキングされていたグラフィックスの領域だけが製造例192のビーズでコーティングされた基体を残存させた。
物品の周囲光下での外観は、両方のタイプの領域を横切って実質的に均一な灰青色であった。しかしながら、再帰反射モードで観察したところ、2つのタイプの領域間で以下のような明瞭な色対比が現れた。製造例192のビーズでコーティングされた領域は、レトロビューアーで見たときに銀青色に見え、一方、製造例193のビーズでコーティングされた領域は、レトロビューアーで見たときに褐色に見えた。
実施例2
以下の変更を加えて実施例1のときと同様に、パターンを有する物品を製造した。
製造例192および193に従って製造したビーズを、製造例194および195に従って製造したビーズで置き換えた。物品の周囲光下での外観は、ビーズの両方の領域を横切って実質的に均一な淡黄/灰白色であった。しかしながら、レトロビューアーで観察したところ、2つのタイプの領域間で以下のような明瞭な色対比が現れた。実施例194のビーズでコーティングされた領域は、レトロビューアーで見たときに鮮黄色に見え、一方で、実施例195のビーズでコーティングされた領域は、レトロビューアーで見たときに橙褐色に見えた。
実施例3
この実施例では、パターンを有する物品の製造について説明する。
実施例1で使用した感圧接着テープの5cm×5cm片を製造した。直径約1cmのプラスチックディスクを用いて、PSAテープの選択された領域を物理的にマスキングして除外した。マスキングされたPSA上に製造例185のビーズをフラッドコーティングし、プラスチック片でマスキングされていない領域に結合されたこれらのビーズの単層を残存させた。ディスクを除去し、残りの裸のPSA領域を露出させた後、製造例189のビーズを基体上にフラッドコーティングした。2回目のフラッドコーティングにより、最初はマスキングされていたグラフィックスの領域だけが製造例189のビーズでコーティングされた基体を残存させた。物品の周囲光下での外観は、ビーズでカバーされた全領域を横切って実質的に均一かつ無彩色であった。製造例185のビーズでコーティングされた領域は、レトロビューアーを用いて見たときに紫色に見え、一方、製造例189のビーズでコーティングされた領域は、レトロビューアーを用いて緑色に見えた。
実施例4
ウェルのアレイを有する基体を次のように製造した。ミシガン州ミッドランドのダウ・コーニング(Dow Corning,Midland,MI)から商品名「シラスティックJ・RTV・シリコーン・ラバー(SILASTIC J RTV SILICONE RUBBER)」として入手したキュア性シリコーンゴムを、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)成形型中に送出した。成形型は、半球形突起の正方形アレイを備えた真空成形ABSシートであった。正方形アレイは、0.63センチメートル(cm)の周期を有していた。半球形突起は、0.56cmの直径を有していた。アレイは全体で28×24突起を有していた。ゴムをABS成形具に当接させて室温(約20℃)でキュアさせ、半球形ウェルの相補的アレイを有する厚さ0.32cmのシリコーンゴムシートを形成した。製造例41および53に従って製造した真性レトロクロミックビーズを、次のように個々のウェル中に小分けした。スパチュラを用いてビーズのアリコート(0.02g)を個々のウェル中に小分けした。アレイの中央の6×6ウェル部分を用いて、以下のパターンを製造した。実施例41に従って製造した真性レトロクロミックビーズのアリコート(0.02g)を、6×6ウェル部分の中央の2×2部分にスパチュラで小分けした。6×6ウェル部分の残りの32ウェル中に、実施例53に従って製造した真性レトロクロミックビーズの0.02gのアリコートをスパチュラで小分けした。拡散周囲照明下で目視したところ、物品は、緑色ゴムシートの外観を有していたが、透明ビーズが充填されたそのウェルのアレイの中央の正方形部分は、本質的に白色を呈した。再帰反射目視条件下では、物品は、緑色ゴムシートの外観を有していたが、ビーズが充填されたそのアレイの中央の正方形部分は、次のような再帰反射色を呈した。ウェルのアレイの中央の正方形部分の中央領域は、紫赤色の再帰反射色を有し、青色の再帰反射色を有する隣接した周辺領域内に閉じ込められ、レトロクロミックパターンを形成した。
再帰反射光の代表的経路を示すI型の真性レトロクロミックビーズの断面図である。 I型のレトロクロミックビーズを製造するための本発明に係る代表的方法のフロー図である。 本発明に係るレトロクロミック物品の代表的実施形態の断面等角図である。 本発明に係るレトロクロミック物品の代表的実施形態の断面等角図である。 本発明に係るレトロクロミック物品の代表的実施形態の断面等角図である。

Claims (3)

  1. レトロクロミックパターンを有する物品であって、該パターンが、同一の照明源を用いて目視した場合に実質的に異なる再帰反射色を有する第1および第2の目視可能再帰反射領域を含み、該目視可能再帰反射領域の少なくとも一方が、少なくとも10個の真性レトロクロミックビーズを含みかつレトロクロミックであり、前記真性レトロクロミックビーズはi)球状コアを有し、該球状コアがその上に均一かつ完全な同心状光学干渉層を有しそして該球状コアが少なくとも1.8の屈折率を有する真性レトロクロミックビーズ、及び、ii)50〜250nmのサイズを有する微結晶領域であって、250nmよりも大きい微結晶領域を含まない、前記微結晶領域を内部に有する真性レトロクロミックビーズからなる群より選ばれる、物品。
  2. レトロクロミックパターンを有する物品であって、該パターンが、同一の照明源を用いて目視した場合に実質的に異なる再帰反射色を有する第1および第2の目視可能再帰反射領域を含み、該目視可能再帰反射領域の少なくとも一方が、隣接するビーズに対して非ランダムに配置された真性レトロクロミックビーズを含み、前記真性レトロクロミックビーズはi)球状コアを有し、該球状コアがその上に均一かつ完全な同心状光学干渉層を有しそして該球状コアが少なくとも1.8の屈折率を有する真性レトロクロミックビーズ、及び、ii)50〜250nmのサイズを有する微結晶領域であって、250nmよりも大きい微結晶領域を含まない、前記微結晶領域を内部に有する真性レトロクロミックビーズからなる群より選ばれる、物品。
  3. レトロクロミックパターンを有する物品を製造する方法であって、
    基体を提供することと、
    第1の目視可能再帰反射領域を形成するように、該基体に第1の再帰反射材料を固着させることと、
    第2の目視可能再帰反射領域を形成するように、該基体に第2の再帰反射材料を固着させることと、を含み、
    該第1および第2の再帰反射材料がレトロクロミックパターンを形成し、該パターンが、同一の照明源を用いて目視した場合に実質的に異なる再帰反射色を有する第1および第2の目視可能再帰反射領域を含み、該目視可能再帰反射領域の少なくとも一方が、少なくとも10個の真性レトロクロミックビーズを含みかつレトロクロミックであり、前記真性レトロクロミックビーズはi)球状コアを有し、該球状コアがその上に均一かつ完全な同心状光学干渉層を有しそして該球状コアが少なくとも1.8の屈折率を有する真性レトロクロミックビーズ、及び、ii)50〜250nmのサイズを有する微結晶領域であって、250nmよりも大きい微結晶領域を含まない、前記微結晶領域を内部に有する真性レトロクロミックビーズからなる群より選ばれる、上記方法。
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