JP2005519848A - Hsp90に結合するための小分子組成物 - Google Patents

Hsp90に結合するための小分子組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005519848A
JP2005519848A JP2002538887D JP2002538887D JP2005519848A JP 2005519848 A JP2005519848 A JP 2005519848A JP 2002538887 D JP2002538887 D JP 2002538887D JP 2002538887 D JP2002538887 D JP 2002538887D JP 2005519848 A JP2005519848 A JP 2005519848A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hsp90
compound
binding moiety
binding
family
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002538887D
Other languages
English (en)
Inventor
チオシス,ガブリエラ
ローゼン,ニール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sloan Kettering Institute for Cancer Research
Original Assignee
Sloan Kettering Institute for Cancer Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sloan Kettering Institute for Cancer Research filed Critical Sloan Kettering Institute for Cancer Research
Publication of JP2005519848A publication Critical patent/JP2005519848A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D487/04Ortho-condensed systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D473/00Heterocyclic compounds containing purine ring systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/519Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim ortho- or peri-condensed with heterocyclic rings
    • A61K31/52Purines, e.g. adenine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D209/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom
    • C07D209/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings, condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom condensed with one carbocyclic ring
    • C07D209/04Indoles; Hydrogenated indoles
    • C07D209/30Indoles; Hydrogenated indoles with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, directly attached to carbon atoms of the hetero ring
    • C07D209/32Oxygen atoms
    • C07D209/36Oxygen atoms in position 3, e.g. adrenochrome
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D473/00Heterocyclic compounds containing purine ring systems
    • C07D473/26Heterocyclic compounds containing purine ring systems with an oxygen, sulphur, or nitrogen atom directly attached in position 2 or 6, but not in both
    • C07D473/32Nitrogen atom
    • C07D473/34Nitrogen atom attached in position 6, e.g. adenine
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D473/00Heterocyclic compounds containing purine ring systems
    • C07D473/40Heterocyclic compounds containing purine ring systems with halogen atoms or perhalogeno-alkyl radicals directly attached in position 2 or 6

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

HSP90ファミリーの成員の結合ポケットにおける構造的差異は、少なくとも1種のHSP90ファミリーに関して、ADPよりも高くかつアンサマイシン系抗生物質と異なる親和性で、N末端結合ポケットと相互作用する設計小分子の使用により、キナーゼおよび他のシグナル伝達タンパク質の差次的分解を達成するのに利用することができる。さらに、これらの小分子は、水性媒質に可溶性であるように設計することができ、したがってアンサマイシン系抗生物質の使用を上回るさらなる利点を提供する。薬学的に許容可能なキャリアおよびHSP90ファミリーのタンパク質の少なくとも1つの成員のN末端ポケットに結合する結合部分を含む小分子を含有する薬学的組成物を配合することができる。かかる結合部分は、機能にとって、HSP90のシャペロンが必要であるタンパク質に依存する腫瘍細胞に対する抗増殖活性を有することが見出された。しかしながら、異なる化学種は、異なる活性を有し、例えばRafキナーゼの分解なしでのHer2分解の選択を可能とする。したがって、結合部分は、固有のターゲッティング能力を保有する。さらに、小分子をターゲッティング部分と連結させて、特定種類の細胞に対する活性のターゲッティングを提供することができる。したがって、本発明はさらに、これらの組成物の投与による、癌を含めた疾患の治療方法を提供する。二量体形態の結合部分を使用してもよい。

Description

【0001】
本出願は、2000年11月2日に提出された米国仮出願第60/245,177号(これは、参照により本明細書に援用される)の利益を主張する。
【0002】
[発明の背景]
本出願は、HSP90ファミリーのタンパク質に結合する小分子、ならびにかかる小分子の作製方法および使用方法に関する。
【0003】
HSP90ファミリーのタンパク質には、哺乳類細胞では4つの認識される成員:Hsp90αおよびβ、Grp94ならびにTrap−1がある。Hsp90αおよびβは、多数の他のタンパク質と関連して、細胞質ゾルおよび核に存在する。Hsp90は、最も豊富な細胞シャペロンであり、変性タンパク質すなわち「アンフォールディングされた」タンパク質のATP依存性リフォールディングに必要とされることが実験系でわかっている。したがって、HSP90は、ストレスに対する細胞防御の一部として機能することが提唱されている。細胞が、熱または他の環境ストレスに暴露される場合、アンフォールディングされたタンパク質の凝集は、それらのリフォールディングまたは分解を触媒する経路により阻止される。このプロセスは、複数のシャペロン(Hsp60、90および70、ならびにp23)との、規則正しい様式でのアンフォールディングされたタンパク質の会合、「リフォールドソーム(refoldosome)」の形成、および最終的にはリフォールディングされたタンパク質からのシャペロンのATP依存性放出に依存する。
【0004】
Hsp90はまた、突然変異タンパク質の安定性および機能を維持するのにも役割を果たし得る。Hsp90は、突然変異p53およびv−srcの発現にとって、それらの野生型対応物よりも相当高い程度で必要とされると思われる、このことは、タンパク質アンフォールディングを引き起こす突然変異の表現型のhsp90媒介性抑制の結果として起きると示唆されている。
【0005】
Hsp90はまた、細胞外因子に対する細胞の成長応答に関与する幾つかの重要なタンパク質の立体配座的成熟に必須である。これらとしては、ステロイド受容体ならびに特定の膜貫通キナーゼ(すなわち、Rafセリンキナーゼ、v−srcおよびHer2)が挙げられる。hsp90がこれらのタンパク質に影響を及ぼす機構は完全には理解されていないが、タンパク質のリフォールディングでのその役割と類似していると思われる。プロゲステロン受容体の場合では、hsp90の結合および受容体からの放出は、他のシャペロンおよびイムノフィリンの放出と呼応して、循環的様式で起き、受容体へのステロイドの高親和性の結合に必要であることがわかっている。したがって、hsp90は、ストレスの非存在下でさえも、シグナル伝達経路の生理学的調節因子として機能することができる。
【0006】
Hsp90はまた、複数の腫瘍型において、また発癌遺伝子の悪性転換の機能として過剰発現されることがわかっている。Hsp90が、悪性転換を維持するのに必須の役割を果たすかどうかは未知であるが、それは、この点に関して少なくとも3つの機能を有し得る。癌細胞は、低酸素、低pH、および低栄養濃度の環境で成長する。それらはまた、放射線および細胞障害性化学療法剤に迅速に順応するか、またはそれらに対して耐性となるように選択される。したがって、ストレス下でのタンパク質の安定性を維持する際のhsp90の一般的な役割は、これらの条件下での細胞生存度に必須であり得る。第2に、癌細胞は、突然変異発癌遺伝子タンパク質を保有する。これらの幾つかは、悪性転換した表現型に必須の機能獲得型突然変異である。Hsp90は、これらのタンパク質のフォールディングされた機能的に活性な立体配座を維持するのに必要とされ得る。第3に、ステロイド受容体、Rafおよび他のhsp90標的に媒介されるシグナル伝達経路の活性化は、多くの腫瘍の成長および生存に必須であり、したがって機能性hsp90を必要とする可能性が高い。
【0007】
hsp90のこれらの特徴は、hsp90を、治療薬の実行可能な標的としている。HSP90ファミリー成員は、細菌から哺乳類までのすべてのhsp90に特異的であり、かつそれらに保存されるが、他の分子シャペロンには存在しないそれらのN末端領域中の特有のポケットを保有する。このポケットに関する内因性リガンドは知られていないが、それは、低親和性でATPおよびADPを結合し、弱いATP分解酵素活性を有する。さらに、アンサマインン系抗生物質であるゲルダナマイシン(GM)およびハービマイシン(HA)は、この保存ポケットに結合することがわかっている。この結合親和性は、HSP90ファミリーの成員すべてに関してわかっている。国際特許公開公報第98/51702号(これは、参照により本明細書に援用される)は、標的細胞におけるタンパク質の分解および標的細胞の死を引き起こすアンサマイシンの標的送達を提供するためのターゲッティング部分に結合したアンサマイシン系抗生物質の使用を開示する。国際特許公開公報第00/61578号は、特にアンサマイシン系抗生物質のホモ二量体およびヘテロ二量体を含む、シャペロンタンパク質hsp90と相互作用する2つの部分を有する二官能性分子に関する。これらの二官能性分子は、HERファミリーのチロシンキナーゼの分解および/または阻害を促進するように作用し、Herキナーゼを過剰発現する癌の治療に効果的である。
【0008】
ゲルダナマイシンおよび他のアンサマイシン系抗生物質ならびにそれらの誘導体の使用は、多数のキナーゼおよび他のシグナル伝達タンパク質の効果的な分解を提供するものの、それらは一般に、有意な選択性を欠如しており、むしろ広範囲のタンパク質を分解するのに有効である。これは、望ましくない副作用の危険性を増大させ得る。さらに、アンサマイシン系抗生物質は、水性媒質に不溶性であるか、またはせいぜい難溶性である。このことが、投与を複雑にする。したがって、HSP90ファミリーのシャペロンタンパク質の成員との相互作用を介した、キナーゼおよび他のシグナル伝達タンパク質の分解をもたらす治療薬には依然として改良の余地がある。
【0009】
[発明の概要]
HSP90ファミリーのタンパク質の成員は、高度に保存された特有のN末端結合ポケットを特徴とするものの、各種成員のポケット間には構造的差異が存在する。今回、これらの構造的差異が、ADPよりも高くかつアンサマイシン系抗生物質と異なる親和性で、N末端結合ポケットと相互作用する設計小分子の使用により、キナーゼおよび他のシグナル伝達タンパク質の差次的分解を達成するのに利用することができることを見出した。さらに、これらの小分子は、水性媒質に可溶性であるように設計することができ、したがって、アンサマイシン系抗生物質の使用を上回るさらなる利点を提供する。
【0010】
HSP90ファミリーのタンパク質のN末端ポケットは、5つの潜在的結合部位を含有する。hsp90αの場合、これらの結合部位は、以下の:
(a)Lys112を含む上部の結合部位、
(b)Lys58、Asp54、Phe138骨格、Gly135、およびAsn106を含む第2の上部の結合部位、
(c)Asp93、Ser52、およびAsn51を含む底部結合部位、
(d)Val150、Met98、Val186、Phel138、Leu107、Leu103、Val186、およびTrp162を含む疎水性側方結合部位、および
(e)Thr184、Val186、Val150、およびIle91を含む小疎水性底部結合部位
である。本発明は、薬学的に許容可能なキャリア、およびHSP90ファミリーのタンパク質の少なくとも1つの成員のN末端ポケットに結合する結合部分を含む分子を含む薬学的組成物を提供する。この結合部位は、HSP90ファミリー中の少なくとも1つの特定タンパク質に関して、ADPよりも高いが、ゲルダナマイシンよりも低い親和性で、N末端ポケットと相互作用する。さらに、結合部分は、HSP90ファミリーのタンパク質の成員のN末端ポケット内に配置されると、フォールディングされたC配置を達成することができる主鎖を有する。結合部分はまた、N末端ポケット内の複数の潜在的結合部位と相互作用するための配向性で方向付けられた主鎖上の置換基を有する。
【0011】
本発明の結合部分は、機能にとって、HSP90ファミリーのシャペロンが必要であるタンパク質に依存する腫瘍細胞に対する抗増殖活性を有することが見出された。しかしながら、異なる化学種は、異なる活性を有し、例えばRafキナーゼの分解なしでのHer2分解の選択を可能とする。したがって、本発明の結合部分は、固有のターゲッティング能力を保有する。さらに、小分子をターゲッティング部分に連結させて、特定種類の細胞の活性のターゲッティングを提供することができる。したがって、本発明はさらに、これらの組成物の投与により、癌を含めた疾患の治療方法を提供する。二量体形態の結合部分を使用してもよい。
【0012】
[発明の詳細な説明]
本発明は、1つまたは複数のHSP90ファミリーのタンパク質の成員、例えば、1つまたは複数のhsp90αまたはβ、Grp94およびTrap−1、あるいは同様のポケットを有するタンパク質、例えば、DNAジャイレースおよびMutLのN末端ポケットと、優先的に、ADPよりも高くかつゲルダナマイシンよりも低い親和性で結合する小分子に関する。本出願の明細書および特許請求の範囲において用いられるとき、「HSP90のN末端ポケット」との用語は、ゲルダナマイシンおよび他のアンサマイシン系抗生物質が結合し、ATP/ADPによって占められているポケットを指す。
【0013】
図1は、HSP90ファミリーのタンパク質の既知の成員それぞれの構造を比較する、整列配列を示す。hsp90αの場合、5つの潜在的結合部位は、
(a)Lys12を含む上部結合部位、
(b)Lys58、Asp54、Phe138骨格、Gly135およびAsn106を含む第2の上部結合部位、
(c)Asp93、Ser52およびAsn51を含む底部結合部位と、
(d)Val150、Met98、Val186、Phe138、Leu107、Leu103、Val186およびTrp162を含む疎水性側方結合部位と、
(e)Thr184、Val184、Val186、Val150およびIle91を含む小疎水性底部結合部位
である。
図1に示されているように、HSPファミリーのタンパク質では高度に保存されているものの、N末端ポケットは種々の成員間で違いを有する。本発明の結合部分は、これらの違いを利用して、キナーゼおよび他のシグナル伝達タンパク質の差次的分解を可能とする組成物を提供する。本出願の明細書および請求の範囲において用いられるとき、「差次的分解」との用語は、キナーゼまたはシグナル伝達タンパク質の、別のキナーゼまたはシグナル伝達タンパク質よりも多量の分解(ともにゲルダナマイシンの存在下で分解される)か、またはキナーゼまたはシグナル伝達タンパク質のゲルダナマイシンの存在下で得られる異なった産物への分解のいずれかを指す。
【0014】
N末端結合ポケットのサイズおよび形状は、Stebbins et al., 「Crystal Structure of an Hsp90-Geldanamycin Complex: Targeting of a Protein Chaperone by an Antitumor Agent」 Cell 89: 239-250 (1997)に記載されている。これには、「ポケットは平坦な底部を有する三角錐として表すことができ、その深さは約15Å、直径は表面付近で12Å、中ほどまで下がった所で8Åであり、底部は3つの水分子を保有するのに十分な広さを有する。」と観察されている。本発明の薬学的組成物中の結合部分は、このポケット内部に適合するように、かつN末端ポケット内の複数の潜在的結合部位と相互作用するように設計されている。
【0015】
図2は、分子設計工程の可視化を補助するために配置された、図4中に示される種類の結合部分を有するポケットの3次元図を示す。図3AおよびBは、X線結晶学により決定された、hsp90ポケット内部のプリン核(PU3)に基づく設計された結合部分の立体配座を示し、これらはそれぞれポケット内部と、ポケットを示していないものとである。ポケットの開口10は図の下方付近に配置されている。ポケット自体は4本のアームを有し、ここで、アーム11は開口10の最も近くにあり、底部結合部位を含む。図4に反映されているように、このアームの内部はプリン核のアミノ置換基と相互作用する。
【0016】
第2のアーム13は、第1のアームと約95〜110°の角度で接続している。第3のアーム12は、第1のアーム11と約100〜120°の角度で接続している。これら2本のアームは2つの結合部位を保存し、かつ一般的に元来親水性である。置換基X2(図4)は、これら2本のアームの一方の内部に適合し、これにより結合部分の屈曲は特徴的なC形となる。結合部分として働く分子を選択するときには、このC形を受け入れる能力を考慮に入れなければならない。図2に記すように、アーム11と13との間の分離間隔(9.5〜11Å)は、アーム11と12との間の分離間隔(8〜9Å)よりも大きい。したがって、より長い置換基(X2)を選択する場合には、アーム12よりもアーム13への分子の挿入が好ましい。第4のアームは、側方の疎水性ポケットを保持し、かつ置換基X3を受容する(図4)。このポケットはおよそ100Å3の容積を有し、特性は一般的に疎水性である。したがって、置換基X1(図4)はこのポケットを充填し、かつ疎水性残基と相互作用するように選択される。
【0017】
本発明の第1の実施形態では、結合部分は完全な分子である。図4は、プリン核に基づくこの種類の例示的構造を示し、置換基とN末端結合ポケット内部の結合部位との間の相互作用を示す。図4中、置換基X1は任意の疎水性鎖(線状、分枝状脂肪族、芳香族、非環式または環式であって、ポケット内部に適合するC、H、N、Oおよび/またはS原子を含むもの)であり、X2は、ポケット内部に適合し、かつ、かかる基の活性を強めることのできるハロゲンのような電子供与基を任意に加えたOR、OCOR、NCOR等のような1〜5個の水素受容体官能基であり、X3は、ポケット内部に適合する任意の小型置換基、例えば、フッ素のような基である。本発明の実施形態では、本発明の分子とゲルダナマイシン抗生物質およびその誘導体との間の構造的差異は、これらの結合部分と疎水性側方結合部位および小疎水性結合部位との間の相互作用である。Stebbinsらにおいて観察されているように、これらの部位はポケットの底部に位置し、ゲルダナマイシンはこれらの部分を充填しない。むしろ、ゲルダナマイシンのメチル基は側方のポケット中に部分的にのみ延伸し、ポケットの底部には水分子のための余地が残される。逆に、本発明の組成物においては、置換基はポケット内の少なくとも疎水性側方結合部位を充填するように選択され得る。本明細書中で用いられるとき、「充填する」との用語は、水分子の収容のために残されている余地がない程度に、結合部位が占められていることを指す。
【0018】
HSP90タンパク質のN末端ポケット内部に適合し、かつ、少なくとも1つのHSPファミリーの成員に関してADPとゲルダナマイシンとの間の親和性でポケットと相互作用する、本発明の範囲内の結合部分の付加的な例が、図5に示されている。これらの組成物において、X1は疎水性鎖(線状、分枝状脂肪族、芳香族、非環式または環式であって、ポケット内部に適合するC、H、N、Oおよび/またはS原子を含むもの)またはCOR(Rは疎水性鎖)であり、1〜5個の水素受容体/供与体官能基(X2は、同じでも異なっていてもよい)であり、X3は、アルキル(飽和、不飽和、環式または線状)、アルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)、ハロゲンまたはSR(Rはメチルまたはエチル)のような小型基であり、X4はHであるかまたはX3と同様であり、X5はHであるかまたはX1と同様であり、X6は−NH2、−OR(RはHまたはアルキル)、または−CONH2あるいは同様の水素供与体官能基であり、R1はHまたはアルキルである。これらの分子はすべてC形の配置にフォールディングすることが可能であり、疎水性側方部位を含む少なくとも3つの潜在的結合部位と相互作用する。異なる核を有するがこれに匹敵する全体の容積(およそ200〜500Å3未満)および寸法を有する他の化合物が同じように設計可能であり、本発明の範囲内にあることは理解されるであろう。
【0019】
図5中でPUファミリーとして示す構造を有する組成物は、図6Aに略述した手順を用いて合成可能である。出発原料であるカルボン酸は、ピリジン/DCM中でシアヌル酸フッ化物との反応により酸フッ化物に、あるいは、SOCl2との反応により酸塩化物に変換される。この酸ハロゲン化物はアミノ置換ピリミジン(例えば、DIEA/DMF中の4,5,6−トリアミノピリミジン硫酸塩またはNaOH水溶液中の2,4,5,6−テトラアミノピリミジン硫酸塩、あるいはDMF中のK2CO3を含むいずれかの硫化物)と反応され、中間生成物(図1中のPY−A、PY−B、PY−C)が生成され、これは閉環して置換8−ベンジルプリン誘導体(PU−A、PU−B、PU−C)を生成し、これは本発明による有用な組成物である。所望の場合には、光延アルキル化のようなアルキル化反応を行って、アルキル基R(官能置換基の有無は問わない)を9位の窒素に付加してもよい。PUファミリー前駆体PU−Cの9−Nアルキル化により作られる例示的化合物は、図6Bに示されている。
【0020】
図7Aおよび図7Bは、小疎水性結合部位との相互作用のための、X3位置における官能基の導入のための合成スキームを示す。図8Aおよび図8Bは、X2部位での導入の変化のための合成スキームを示す。
【0021】
図9は、図5からの化合物のRD類の合成のための合成スキームを示す。図5中に示される他の種類は、これと似た合成アプローチを用いて作成可能である。
【0022】
本発明の組成物は、癌および他の疾患の治療における治療的利益を提供するために直接用いられ得る。以下の実施例に示されるように、本発明の組成物は、SKBr3中のHer2キナーゼ、MCF−7およびBT474乳癌細胞の分解を誘発することが示されている。加えて、本発明の組成物は、Rb−陽性SKBr3およびMCF−7乳癌細胞系のG1停止の発生に有効であり、かつ、これらの細胞系ならびにBT474、MDA−MB468および前立腺癌細胞系TSUPrおよびLNCaPに対する抗増殖効果を有することが示されている。
【0023】
PUファミリーの化合物について、Hsp90への結合、Her2の全タンパク質の分解およびその抗増殖効果を試験した。表1は、9−N鎖がこの活性に与える影響をまとめたものである。表に挙げられていないPUファミリー化合物(図6B)は、不活性または不溶性であった。
【0024】
PUファミリー化合物は、図7Bに示す反応プロトコルを用いて置換基X3としてフッ素基を付加することにより(C−2フッ素化)修飾した。結果は表2にまとめた。示されているように、フッ素置換基の導入により、共通のX1基を有する組成物の活性は上昇し、その活性が表1には報告されていないX1置換基を有する組成物の活性/可溶性は増強された。
【0025】
活性の変化は、図8Bに示される反応スキームを用いてフェニル環に付加的なハロゲン置換基を付加したときにも観察される。表3に示されるように、PU3中のメトキシ基により占められていない一方の(両方ではない)位置でのハロゲン化物の導入は、PU3と比較して活性の上昇をもたらす。
【0026】
化合物PU3PhCl中のような塩素置換基、および、PU24FまたはPU29F中のようなフッ素置換基で、化合物を調製した。表4に示されるように、これらの化合物は、これまで試験したもののうちで最も活性があった。
【0027】
PUファミリー分子における可能な変化の別の位置は、プリンとフェニル基の間の架橋の長さおよび性質中にある。図10は、かかる変化を達成するための合成スキームを示す。化合物69を試験すると、hsp90−βに対して弱い結合を有したが、hsp90−αに対して検出可能な結合を有しなかった。これは、化合物18に関して観察される結合選択性の逆である。これは、これら2つのタンパク質間の選択性を提供する。
【0028】
本発明の組成物を個別に使用する代わりとして、組成物は、図5に一般構造で示されるhsp結合核が、細胞の標的母集団に見出されるタンパク質、受容体またはマーカーに特異的に結合するよう選択された標的部分と連結することにより誘導体化される連結組成物であってもよく、またはそれは、二量体化してもよい(図11参照)。標的部分は、ホルモン、ホルモン類似体、タンパク質受容体またはマーカー特異的抗体、あるいは所定の標的に特異的に結合する任意の他のリガンドであってもよい。特定の標的部分は、ステロイド受容体に結合し、これには、エストロゲンおよびアンドロゲンならびにプロゲステロン受容体、および膜貫通チロシンキナーゼ、src関連チロシンキナーゼ、rafキナーゼおよびPI−3キナーゼが含まれる。特異的チロシンキナーゼには、HER−2受容体および表皮成長因子(EGF)受容体ファミリーの他の成員、ならびにインシュリンおよびインシュリン様成長因子受容体が含まれる。特異的標的部分の例には、エストロゲン、エストラジオール、プロゲスチン、テストステロン、タモキシフェンおよびウォルトマニン(wortmannin)が含まれる。標的部分はまた、受容体に特異的に結合する抗体、例えば、国際特許公開WO96/32480号、WO96/40789号およびWO97/04801号(参照により本明細書に援用される)に開示されているようなHer2受容体に結合する抗体であってもよい。
【0029】
細胞的機能に不可欠なタンパク質の分解をもたらす、すなわち、成長を遅らせ、かつ/または細胞死を促進するその能力のため、本発明のhsp結合化合物は、標的部分の有無にかかわらず、種々の疾患症状の治療上の処置に使用可能である。適切な治療は、疾患関与細胞中で増強量で見いだされるかまたは突然変異されるキナーゼまたはタンパク質を分解するもの、または、かかる細胞の生存能力に依存するものである。たいていの癌細胞の悪性の維持におけるHSP90タンパク質の一般的役割は、抗癌作用物質の発達におけるこの標的の重要性を指摘する。このため、治療的な本発明の小分子は、HSP90タンパク質により必要とされるかまたは容易とされるすべての癌の治療に関する新規な様式を提供する。例えば、本発明の組成物は、種々の形態の癌の治療、特に、Her2あるいは突然変異または野生型ステロイド受容体を過剰発現するもの、または、機能的RBタンパク質が欠損したものの処置に使用可能である。かかる癌には、乳癌および前立腺癌が含まれるがこれに限られない。加えて、本発明の組成物は、選択的分解に関する病気の発生に関与する標的タンパク質による他の疾患の治療に用いられ得る。かかる標的とすることができるタンパク質の例には、自己免疫疾患に関与する抗体およびアルツハイマー病に関与する病原性タンパク質が含まれる。
【0030】
本発明の組成物は、所定の疾患状態または症状に関与する特異的タンパク質の分解に適切に利用され得る。本発明の組成物は特異的キナーゼまたはシグナル伝達タンパク質を分解するために選択され得るため、適切な治療は、疾患細胞中の増強量で見出されるキナーゼまたはタンパク質を分解するものである。このため、例えば、Her2キナーゼを分解するが、他のキナーゼまたはRafキナーゼを分解しない結合部分の選択が、Her2陽性乳癌の治療に適切であろう。以下の実施例は、in vitroで観察される特異性に基づいた特異的化合物の選択についての手引きを提供する。加えて、スクリーニング技法が、結合親和性および差次的分解についての構造の評価を容易とするため、以下に記載されている。
【0031】
本発明の組成物は、ヒト患者を含む治療の必要がある被験体に、所望の治療結果をもたらすのに効果的な量で投与される。適切な投与経路は、静脈投与であり、これは、今では化学療法に一般的に用いられている。加えて、本発明の組成物は小型の可溶性分子であるため、経口投与に適している。経口的投与経路の使用可能性は、頻繁な、例えば、毎日のスケジュールの治療を提供する必要がある場合に、特に望ましい。投与されるべき任意の所与の化合物の量は、毒性試験および標準設計の臨床試験を用いて決定され、リスク便益分析から導かれる結果を表すであろう。かかる分析は、当業者により日常的に行われ、過度の実験を伴わない。
【0032】
本発明による結合部分としての使用のための分子設計の代わりまたは付属として、本発明者らは、HSP90のN末端ポケットに対するその結合親和性に関して化合物を試験するのに、または、HSP90型ポケットの存在に関してタンパク質を試験するのに用いられ得る迅速なスクリーニングアッセイを開発した。図12にまとめるように、固体基板(例えば、96ウェルマイクロタイタープレート)の表面は、N−オキシスクシンイミジル(N-oxysuccinimidyl)官能基で官能基化される。これらは、アミノ官能基化GM(または他のアンサマイシン系抗生物質)を含むイソプロパノール中で反応する。ウェルに結合するGMの量は、345nmでの分光光度吸光測定により評価可能である。結合したGMをウサギ網状赤血球溶解産物とともにインキュベートすると、比色法により検出可能なhsp90が捕捉されるが、より明確な検出方法が好ましい。例えば、結合したhsp90は、標識抗HRP抗体を用いて検出可能である。HSP90結合効力のアッセイのため、試験化合物をウサギ網状赤血球溶解産物(または他のhsp90源)とともにウェルに添加し、捕捉したhspの量の任意の差異に留意する。試験化合物がhsp90とGMよりも強い親和性で結合する場合には、それは固定されたGMに匹敵し、捕捉されたhsp90の量は低減するであろう。アッセイに用いるHSP90ファミリーの成員を変えることにより、これらの同じプレートを、試験化合物の特異性の差異の評価に用いることができる。プレートは、HSP90型の結合ポケットを保有するタンパク質の、タンパク質/ペプチドライブラリーのスクリーニングにも使用可能である。
【0033】
Hsp90−αおよびHSP90−βと差次的に相互作用する化合物の同定を可能とする試験もまた設計された。この試験では、ゲルダナマイシン(あるいは、他のアンサマイシン系抗生物質またはラディシコールのような他の強い非特異的hsp90バインダー)は必要に応じて修飾され、固体支持体、例えば、ビーズに固定される。αおよびβ型を含有するHsp90タンパク質の調製物を、評価される化合物の存在下または非存在下で支持体とともにインキュベートする。化合物がHsp90タンパク質に結合するときには、それはタンパク質の固体支持体への結合を競争的に阻害する。洗浄後、支持体に結合した物質を溶出し、溶出物をSDS/PAGEゲル上で分離し、抗Hsp90−αおよび抗Hsp90−βとともに免疫ブロット法により可視化し、結合した物質の量を決定する。あるいは、Hsp90タンパク質調製物の定量的量またはHsp90のα型とβ型との既知の比を最初に用いるときには、非結合物質を同様の技法により分析可能である。
【0034】
本発明による候補化合物もまた、Stockwellet al., Chem Biol. 6: 71-83 (1999)の細胞ベースアッセイを用いて、癌細胞系パネルにおける、癌細胞中に増強量で見出されるタンパク質、または生存能力に関して依存する細胞のタンパク質(例えば、Her2、Her3、Raf−1、ER、Rb、cdk−4、Hsp90、Trap−1およびGrp94)を減少または誘発する能力について評価することができる。このアッセイでは、細胞はウェルの底で育成され、固定される。固定された細胞は、溶液中の特異的な一字抗体を用いて、特異的な一次抗原(発癌遺伝子タンパク質)の存在についてプローブされる。ホースラディッシュペルオキシダーゼに共有結合させた二次抗体が添加され、得られる複合体は、ルミノール、過酸化水素およびp−ヨードフェノールのようなエンハンサーの添加により引き起こされる化学発光反応を介して検出される。薬物の存在下での検出された発光レベルの違いは、標的タンパク質の分解または誘導に関する薬物の活性を示す。
【0035】
薬物もまた、細胞形態学において、観察される非常に特徴的な変化に基づいてアッセイ可能である。PU3に暴露されたMCF−7細胞は、平坦化し、サイズが増大し、明確な細胞境界を有する。サイズの増大は、ほとんどは細胞質中のアバンダンスによるものである。これらの形態学的変化は、成熟上皮の分化および形質変換の逆転の特徴である。
【0036】
第3の代案として、免疫蛍光検査(IF)およびヘマトキシリン・エオシン染色(H&E)を、薬物の効果の評価に用いることができる。細胞を8ウェルチャンバースライド(Fisher Scientific)に平板培養し、24時間接種した。薬物またはビヒクルをその後5日間添加し、ここで、IFについては、スライドは氷冷したPBSで2度洗浄し、メタノール/アセトン溶液(1:1)で15秒間固定した。固定された単層を蒸留水で洗浄し、5%BSAを含むPBS溶液でブロックした。ブロック後、細胞を一次抗体(抗MFMG、Chemicon、5%BSAを含むPBS中1:100)とともに37℃でインキュベートし、1%BSAを含むPBSで3度洗浄し、続いて、ローダミンで標識した二次抗体とともに37℃で1時間インキュベートした。核は、DAPI1mg/mlで染色した。H&Eについては、細胞をパラホルムアルデヒド(4%)で10分間室温で固定させ、標準的H&E染色プロトコルに従って染色した。種々の操作によるG1停止の誘発は、いくつかの乳タンパク質の発現の誘発に十分である。しかし、アンサマイシン、HDAC阻害剤SAHAおよびhsp90結合分子のみが、大きな形態学的よおび生物学的変化を引き起こす。
【0037】
本発明の治療方法での使用に関して、本発明の組成物は、薬学的に許容可能なキャリアとして製剤される。注射可能な配合物について、これは滅菌溶液(例えば、滅菌生理食塩水)であってもよく、またはこの化合物は脂質性担体に配合されてもよい。経口配合物用に、本発明の組成物は、例えば、適切な賦形剤を含む錠剤またはカプセルとして、または液体配合物として、便利な投薬単位形態でパッケージ化されてもよい。後者の場合には、液体医薬品は、風味を増すための香料物質を適切に含むであろうし、着色料および他の慣例的な添加剤を含んでもよい。
【0038】
実施例1
一般式1を有する組成物を、図6Aに示すスキームに従って合成した。酸フッ化物を精製するため、フェニル酢酸誘導体(3mmol)のCH2Cl2(不活性雰囲気下)15mL溶液に、1.5等量のシアヌル酸フッ化物およびピリジン(3mmol)を添加した。混合物を室温で1.5時間攪拌し、その後、さらにCH2Cl230mLを添加した。得られた溶液を水0.5mLで一度洗浄し、溶媒の除去から得られた粗製酸フッ化物物質を次の工程に用いた。
【0039】
酸フッ化物を、以下のように、PY−A、PY−BおよびPY−C誘導体の生成に用いた。DMA1.5mL中の4,5,6−トリアミノピリミジン硫酸塩675mg(2.8mmol)に、DIEA1.5mL(9mmol)、CH2Cl25mLに溶かした酸フッ化物(上記のようにして得たもの)および触媒量のDMAP(0.28mmol)を添加した。この反応混合物をアルゴン下で1時間攪拌した。形成した固体をろ別し、ろ液を乾燥するまで濃縮した。残留物質にEtOAc10mLを添加し、形成した沈殿物をEtOAcおよびCH2Cl2で数度洗浄し、わずかに黄色の物質を、収率60〜80%で得た。この物質を次の工程に用いた。より高い純度を望むときには、EtOAc:MeOH=7:1(1%TEA)を用いたフラッシュクロマトグラフィーを行うことができる。
【0040】
PY化合物から、PU−A、PU−BおよびPU−C誘導体を以下のように生成した。MeOH13mL中の5−アセチル化−4,5,6−ピリミジン500mg(1.5mmol)に、NaOMeの25%MeOH溶液13mLを添加し、得られた溶液を5時間還流させた。冷却後、水5mLを添加し、溶液を5mLまで濃縮した。得られた水溶液をTHF4×10mLおよびEtOAc2×10mLで抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、乾燥するまで濃縮し、わずかに黄色の固体を、収率80〜90%で得た。より高い純度を望むときには、得られた生成物をシリカゲルカラムに添加して、CH2Cl2:EtOAc:MeOH=4:4:1で溶出させることができる。
【0041】
置換基を、以下のように、光延アルキル化を用いて9−N位置に付加させた。トルエン5mLおよびCH2Cl21mL中のプリン誘導体0.16mmolに、2.2等量のPPh3および1.3等量のROH、次いで、5等量のDEADを添加した。反応はTLCでモニターし、15分〜1時間進行させた。混合物をISCO CombiFlash系(シリカゲルカラム)にかけて、CH2Cl2/アセトンの勾配で溶出させ、30〜75%の単離生成物を得た。この手順は、図6に示す、40の非分枝状および分枝状、線状および環式、飽和および不飽和第一および第二アルコールを用いて行った。これらの合成では、2つのアルコール、ネオペンチルアルコールおよびシクロヘキサノールのみが、この反応により生成物を得ないことがわかった。
【0042】
4つの化合物(PU−A−4、PU−B−4、PU−C−4およびPU−C−15)を初期試験に用いた。便宜的に、これらの4つの構造は、それぞれ図13に示すように、PU1、PU2、PU3およびPU4と示す。
【0043】
実施例2
ヒト癌細胞系MCF−7、SKBr3およびMDA−MB−468を、American Type Culture Collection (Manassas, VA)から得て、2mMのグルタミン、50ユニット/mLのペニシリン、50ユニット/mLのストレプトマイシンおよび5%(MCF−7およびMDA−MB−468について)または10%(SKBr3について)の熱不活性化ウシ胎児血清(Gemini Bioproducts)を補足したDME:F12の1:1混合物中に保持し、37℃、5%CO2中でインキュベートした。
【0044】
タンパク質レベルのアッセイのため、指示された期間薬物およびDMSOビヒクルに暴露される、60〜70%集密にまで細胞を成長させた。溶解産物は、50mM Tris(pH7.4)、2%SDSおよび10%グリセロール溶解緩衝液を用いて調製した。タンパク質濃度は、製造業者の説明書に従って、BCAキット(Pierce Chemical Co.)を用いて決定した。清澄化したタンパク質溶解産物(20〜50mg)を、変性SDS−PAGEで電気泳動的に分離し、ニトロセルロースに転写し、以下の一次抗体でプローブした。抗Her2(C−18)、抗Her3(C−17)、抗Raf−1、抗サイクリンD1、抗Rb(C−15)(Santa Cruz)、抗hsp90、抗hsp70、抗ER(Stressgen)、抗Trap−1(MSK81)、抗b−アクチン、抗チューブリン(Sigma)、抗PI3K(p85)(Upstate Biotechnologies)。
【0045】
抗増殖指数を決定するため、6ウェル皿にウェル当り10,000細胞を接種し、薬物処置前に24時間インキュベートすることにより、成長アッセイを行った。薬物またはビヒクルは、各実験について略述されたように投与し、細胞は記載された期間インキュベートし、次いで、クールター計数器でカウントした。
【0046】
細胞周期分布は、Becton Dickinson蛍光活性化細胞分類器を用いてNusseらに従ってアッセイし、Cell Cycle Multi−cycle system(Phoenix Flow System, San Diego, CA)により分析した。
【0047】
実験1
MCF−7細胞を種々の濃度(0、10、50、100または250μm)のPU3または対照プリンAd−Butで24時間で処置し、溶解させた。Hsp90、Trap1およびHsp70のレベルを、ウエスタンブロットにより評価した。結果は、PU3が、GMのように、Hsp90およびHsp70の細胞レベルを上昇させることを示した。PU3での細胞の処置では、Trap−1よりも速く移動し、抗Trap−1抗体により認識されるタンパク質バンドが誘発される。このタンパク質バンドの正体は未知であるが、その出現はHsp90阻害剤への細胞の暴露のマーカーであると思われる。Ad−Butは、同一の濃度で研究したタンパク質レベルに何の影響も与えなかった。
【0048】
実験2
MCF−7、SKBrおよびMDA−MB−468細胞の細胞培養物を、いくつかの濃度のうちの1つのPU3で、または、DMSO対照で処置し、抗増殖効果の発生について試験した。図14A〜図14Cは、細胞数と時間の相関関係の結果を示す。示されるように、PU3は、これらの胸部癌細胞系の成長を明白に阻害する。
【0049】
実験3
SKBr3細胞の細胞培養物を、濃度0、10、50、100および250μMのPU1、PU2、PU3またはPU4で処置した。24時間後、細胞を溶解させ、細胞中のHer2およびRaf−1の量を評価した。化合物は構造的に非常に類似するものの、これらは2つのタンパク質の分解の促進において異なった効力を有することがわかった。PU1は試験したどの濃度でもいずれのタンパク質の分解もほとんど示さず、PU2はHer2を分解したが、250μMではRaf−1を分解しなかった。PU3は100μMを超える濃度ではHer2を分解したが、250μMではRaf−1は部分的にしか失われなかった。PU4は、50μMを超える濃度でHer2を分解し、250μMの濃度でRaf−1を分解した。
【0050】
実験4
分解の時間経過を試験するため、MCF−7細胞を100μMのPU3で処置した。細胞のアリコートを1.5、3、6、12および24時間で回収し、Her2、Raf−1、Hsp90およびTrap−1の量を評価した。化合物は、Her2の急速な分解(投与3時間以内で50%超が失われた)、および、Hsp90および24時間以内のHsp70の有意な合成を誘発することがわかった。Raf−1の量は、この時間内では有意に変化しなかった。
【0051】
実験5
MCF−7細胞の細胞培養物を、濃度0、10、50、100および250μMのPU1、PU2、PU3またはPU4で処置した。24時間後、細胞を溶解させ、細胞中のHer2の量を評価した。化合物は構造的に非常に類似するものの、これらはHer2の分解の促進において異なった効力を有することがわかった。PU1は50μMを超える濃度で部分的な分解のみを示したが、PU2は250μMでHer2を完全に分解した。PU3は、10μMを超える濃度でHer2を実質的に分解した。PU4は、100μMを超える濃度でHer2を実質的に分解した。
【0052】
実験6
MCF−7細胞の細胞培養物を、濃度0、10、50、100および250μMのPU1、PU2、PU3またはPU4で処置した。24時間後、細胞を溶解させ、細胞中のエストロゲン受容体の量を評価した。化合物は構造的に非常に類似するものの、これらはエストロゲン受容体の分解の促進において異なった効力を有することがわかった。PU1は試験した濃度で実質的に全く分解を示さなかったが、PU2は250μMでエストロゲン受容体を完全に分解した。PU3は50μMを超える濃度でエストロゲン受容体を部分的に分解した。PU4は、100μMを超える濃度でHer2を実質的に分解した。
【0053】
実験7
SKBr3およびMCF−7細胞の培養物を、種々の濃度(0、10、50、100または250μM)のPU3で24時間処置した。細胞を溶解させ、Her2、Raf1、Her3、エストロゲン受容体(ER)、p85(PI3K)、チューブリンおよびアクチンのレベルをウェスタンブロットにより分析した。その機能(Her2、Raf1、Her3およびER)がhsp90に依存するシグナル伝達タンパク質の量の低減が観察された。PI3K、チューブリンまたはアクチンについての影響は観察されず、これらのタンパク質は、他のシグナル経路に関係する。
【0054】
実施例3
実施例2の実験は、本発明による合成化合物PU1、PU2、PU3およびPU4の、キナーゼHER3、エストロゲン受容体(ER)、Her2、Raf、Rbおよびp85(分解されるべきではない、または分解されない参照タンパク質として)の差次的分解を提供する能力を示す。いくつかの重要な観察が、このデータからなされ得る。
【0055】
PU3は、エストロゲン受容体複合体を不安定化し、タンパク質の用量依存性分解を誘発する。PU3はまた、Her2レベルの急速な減少を引き起こし、かつ、低分子量(170kDa対180kDaの成熟タンパク質)のHer−2バンドの蓄積を引き起こすが(GMについても同様に見られる)、これは、小胞体中でin vivoで隔絶される、不完全にグリコシル化されたHer2であると考えられる。RafおよびHer3のレベルはPu3に対してより感受性が低いが、より高濃度で分解される。PU2はまた、高リン酸化Rbと考えられる、より低分子量のRbバンドを誘発する。
【0056】
これに反し、PU2は、低分子量バンドの蓄積なくHer2の実質的な分解を示し、かつ、Rafキナーゼの分解により効果的でなかった。低分子量バンドは、PU1が結合部分として用いられるときにも存在しない。PU2はERの分解により効果的でないが、PU1は、ERに実質的に全く影響を与えなかった。これらの違いは、PU3がHSP90ファミリーのPU1およびPU2とは異なる成員に結合することを示唆する証拠を提供し、これにより異なった特異性が説明される。PU4はまた、Her2をERまたはRafよりも分解する能力を示す。
【0057】
実施例4
PU−Cファミリーの6つの化合物(X4=H、X2=1、2、3OMe、X3=H、および図15に示されるような可変のX1基)を調製し、MCF−7細胞中のHer2、HER3およびTRAP−1への効果について試験した。細胞は、24時間、各化合物10、50、100および250μMで処置した。X1基の性質およびサイズは、化合物の活性に有意な効果を有する。N末端ポケットをより十分に充填するであろう大型の、疎水性基は、Her2を分解する能力を示すが、Her3についてはそうではなかった。加えて、これらの化合物について、Her2を分解する能力とTrap−1合成の誘発との間には相関関係がある。
【0058】
一方、巨大な、剛性の、いくぶん極性のX1基を有する化合物は、あまり有利に相互作用せず、試験した濃度ではHer2を有意に分解しない。
【0059】
実施例5
PU3を、図16AおよびBに示される合成スキームに従って中間のOHを介してビオチンに結合させた。PU3−ビオチンは、セファロース−ストレプトアビジンビーズ上に固定化させた。これらのビーズをPU3の、Trap−1およびHsp90αとの相互作用を示すために用いた。
【0060】
実施例6
PU3を、MCF−7異種移植片中で、その安全性および効力について試験した。化合物は、IPを500mg/kgまで有意な毒性を示すことなく投与された。樹立腫瘍を有するマウスを、50、100および500mg/kgの用量で、腹腔内にPU3の単回用量で処置した。対照マウスは、DMSO単独で処置した。マウスは、処置後12時間で屠殺した。免疫ブロット法のため、腫瘍組織を2%SDS溶解緩衝液(pH7.4)中で均質化した。すべての場合で、Her2レベルの低減が、免疫ブロット法の結果で観察された。PI3キナーゼ(p85)のレベルには変化は観察されなかった。
【0061】
実施例7
いくつかの9−アルキル−8−9H−プリン−6−イルアミン(4〜46)を、PU−C(図6B)の9−N−アルキル化により作成した。さらに、3(図7B)の2−アミノ基を、HF/ピリジン中の亜硝酸tert−ブチルを用いる非水性媒質中でのジアゾ化反応を介してフッ素に変換した。得られるプリンをアルキル化して、2−フルオロ−9−アルキル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン47〜59を得た。アルキル化は、光延反応を用いて行ったが、その方法論は多くの第1および第2アルコールに適応可能である。2−フルオロ誘導体を、対応するアルコールとNaOMe中で還流することにより、2−アルコキシプリン60および61に変換した。プリン部分の位置2での修飾の大部分は、(3)で開始した。ヨウ素を、ジヨードメタン中の亜硝酸イソアミルを用いてその位置に導入し、62を得た。2−ヨウ素誘導体を、DMF中のトリ−n−ブチルシアノスタナンとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を用いてシアン誘導体63に変換し、ビニルトリブチルスズと(MeCN)2PdCl2を用いてビニル誘導体64に変換する。
【0062】
ベンジル部分を、ポケットのリシンとの相互作用を強めるため、電子供与基に富ませた。塩素および臭素を、t−ブチルヒドロペルオキシドおよび対応する酸ハロゲン化物を用いるラジカル反応を介して添加した。塩素の場合には、一置換体のみが観察され(65)、臭素からは一置換体(66)および少量の二臭素置換生成物(67)を得た。
【0063】
プリンとフェニル環との間の架橋の性質および長さを、付加的に修飾した。出発原料として、8−Br−アデニンを利用した。これを、アニリン−、フェノール−またはベンジル誘導体と高温で反応して、対応する生成物68〜70を得た(図10)。
【0064】
十分に置換された誘導体71および72の組立てを、3で開始した。上記ラジカル反応により塩素を最初に付加し、73を得た。その後、2−アミノ基をフッ素に変換し、得られるプリン(74)は光延反応を介してアルキル化した。
【0065】
種々の化合物についての具体的な反応を以下に示す。
3(DAAC):8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−2,6−ジアミン:DCM(20mL)中のトリメトキシフェニル酢酸(1.0g、4.4mmol)(不活性雰囲気下)に、シアヌル酸フッ化物(371mL、4.4mmol)とピリジン(356mL、4.4mmol)を添加した。混合物を1時間室温で攪拌し、その後、さらに30mLのDCMを添加した。得られた溶液を水(5mL)で一度洗浄し、溶媒の除去から得られた酸フッ化物をDMF(10mL)中から取り出し、次の工程に用いた。別に、2,4,5,6−テトラアミノピリミジン硫酸塩(0.9g、3.8mmol)をNaOH(456mg、11.4mmol)を含有する水(40mL)に溶解させた。得られた溶液を70℃に加熱し、酸フッ化物を20分間かけて滴下した。反応混合物を1.5時間、70℃で攪拌し、その後、乾燥するまで濃縮させた。粗製物質に、MeOH(16mL)およびMeOH(16mL)中のNaOMeの25%溶液を添加し、得られた溶液を90℃で18時間加熱した。冷却後、濃HClの添加により溶液のpHを7に調整した。この水溶液を除去し、粗製物質をDCM(100mL)およびMeOH(50mL)中に取り出した。不溶固体をろ別し、生成物(470mg、37%)をシリカゲルカラム上でEtOAc:DCM:MeOH=4:4:2で精製した。
【0066】
FAC:2−フルオロー8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:3(500mg、1.5mmol)に、ピリジン(2mL)中のHFの70%溶液、ピリジン(8mL)、続いて亜硝酸t−ブチル(200mL、2.0mmol)をゆっくり添加した。混合物を2時間攪拌し、次いで、水(15mL)およびMeOH(10mL)中、CaCO38gで一晩クエンチした。溶液を乾燥するまで濃縮し、得られた粗製物質をMeOH(30mL)およびDCM(10mL)中に取り出した。不溶固体をろ別し、溶媒を除去して粗製生成物を得た。これをシリカゲルカラム上でヘキサン:DCM:EtOAc:MeOH=10:5:5:0.75で溶出させて精製した(240mg、50%)。
【0067】
アルキル化は、上述したように(参照)、光延反応により行った。基本的には、トルエン:DCM=5:1のFACに、1.3等量の対応するアルコール、2等量のPPh3、3等量のアゾジカルボン酸ジ−tert−ブチルを添加し、得られた溶液を室温で10分間〜1時間(転化率をTLCによりモニタする)攪拌して、以下のものを得た。
48(PU3F):2−フルオロ−9−ブチル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率60%
52(PU29F):2−フルオロ−9−(2−イソプロポキシ−エチル)−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率86%
54(PU47F):2−フルオロ−9−ペンタ−4−エニル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率86%
59(PU20F):2−フルオロ−9−(テトラヒドロフラン−2−イルメチル)−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリンー6−イルアミン:収率53%
50(PU44F):2−フルオロ−9−(2−メトキシ−エチル)−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率28%
47(PU43F):2−フルオロ−9−プロピルー8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率66%
57(PU24F):2−フルオロ−9−ペンタ−4−イニル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率76%
53(PU8F)2−フルオロ−9−ブタ−3−エニル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率42%
55(PU48F):2−フルオロ−9−ブタ−3−イニル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率36%
56(PU49F):2−フルオロ−9−ペンタ−3−イニル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率25%
58(PU16F):2−フルオロ−9−シクロブチルメチル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率33%
51(PU26F):2−フルオロ−9−[(S)−2−メチル−ブチル]−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率68%
49(PU21F):2−フルオロ−9−ペンチル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:収率65%
PU24DA:9−ペンタ−4−イニル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−2,6−ジアミン:トルエン(20mL)およびDCM(4mL)中のDAAC(200mg、0.61mmol)に、PPh3(330mg、1.3mmol)、4−ペンチン−1−オール(75mL、0.8mmol)およびアゾジカルボン酸ジ−t−ブチル(600mg、2.5mmol)を添加した。混合物を室温で2時間攪拌した。生成物を、シリカゲルカラム上でヘキサン:CHCl3:EtOAc:EtOH=10:8:4:4で溶出させるカラムクロマトグラフィーにより単離した(120mg固体、49%)。
62(PU24I):2−ヨード−9−ペンタ−4−イニル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:PU24DA(50mg、0.13mmol)に、CH22(2.5mL)および亜硝酸イソアミル(100mL、0.78mmol)を添加し、得られた溶液を80℃で1時間加熱した。冷却後、溶液を濃縮し、次いで、シリカゲルカラムに添加した。生成物を、溶出液ヘキサン:CHCl3:EtOAc:EtOH=10:4:4:0.75を用いて単離した(40mg、61%)。
63(PU24CN):2−シアノ−9−ペンタ−4−イニル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:乾燥DMF(2.5mL)中のPU24I(20mg、0.04mmol)、Pd(PPh34(7mg、6.3x10-3mmol)およびトリブチルスズシアン化物(14mg、0.043mmol)を、180℃で6時間加熱した。冷却および溶媒の除去の後、生成物(13mg、81%)を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:CHCl3:EtOAc:EtOH=10:8:40.75)により単離した。
64(PU24V):9−ペンタ−4−イニル−8−(3,4,5−トリメチル−ベンジル)−2−ビニル−9H−プリン−6−イルアミン:乾燥DMF(3mL)中のPU24I(20mg、0.04mmol)、(MeCN)2PdCl2(2×10-3mmol)およびトリブチルビニルスズ(12.5mL、0.041mmol)を、100℃で1時間加熱した。冷却および溶媒除去の後、生成物(15mg、92%)をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:CHCl3:EtOAc:EtOH=10:8:4:1)により単離した。
60(PU3OMe):2−メトキシ−9−ブチル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:MeOH(1mL)中のPU3F(20mg、0.051mmol)の溶液に、MeOH(1.5mL)中のNaOMeの25%溶液を添加した。得られた混合物を85℃で2時間加熱した。冷却後、混合物を4N HClで中和し、次いで、乾燥するまで濃縮させた。粗製物質を、シリカゲルカラム上でヘキサン:EtOAc:DCM:MeOH=10:5:5:1を用いて精製し、固体(11mg、51%)を得た。
61(PU3OEt):2−エトキシ−9−ブチル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:EtOH(2mL)中のPU3F(20mg、0.051mmol)に、NaOMe(15mg、0.28mmol)を添加し、混合物を2時間還流させた。冷却およびHClでの中和の後、溶液を乾燥するまで濃縮させた。生成物(12mg、56%)を上記のように精製した。
65(PU3Cl):9−ブチル−8−(2−クロロ−3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン:MeOH(3mL)中のPU3(37mg、0.1mmol)に、濃HCl(33mL、0.4mmol)を添加した。溶液を0℃まで冷却し、t−ブチルヒドロペルオキシドの90%水溶液(44mL、0.4mmol)を添加した。得られた溶液を一晩還流させた。冷却および溶媒除去の後、生成物(31mg固体、72%)を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:DCM:MeOH=10:5:5:1.5で溶出)により単離した。
66および67(PU3PhBrおよびPU3PhBr2):MeOH(3mL)中のPU3(37mg、0.1mmol)に、HBr(45mL、0.4mmol)の48%水溶液を添加した。混合物を0℃まで冷却し、t−ブチルヒドロペルオキシド(44mL、0.4mmol)を滴下した。得られた溶液を30分間0℃で攪拌し、次いで、さらに1時間還流させた。冷却および溶媒除去の後、混合物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc:DCM:MeOH=10:5:5:1.5で溶出)により分離し、主として一臭素化生成物(31mg、69%)、および微量の二臭素化生成物(2.3mg、4.4%)を得た。66(PU3Br):9−ブチル−8−(2−ブロモ−3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン、67(PU3Br2):9−ブチル−8−(2,6−ジブロモ−3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン。
73(DAACPhCl):MeOH(50mL)中のDAAC(1g、3.0mmol)のスラリーに、濃HCl(1.5mL、18mmol)を添加した。得られた溶液を0℃まで冷却し、t−ブチルヒドロペルオキシドの70%水溶液(2.5mL、8mmol)をゆっくり添加した。混合物を30分間0℃で攪拌し、次いで、20時間還流させた。溶媒を高真空下で除去し、清澄な生成物(1.09g、98%)を得た。
74(FDAACPhCl):ピリジン(6.5mL)中のHFの20%溶液に、ピリジン(13.5mL)を、続いてDAACPhCl(1g、2.7mmol)を添加した(不活性雰囲気下)。混合物を5時間攪拌し、その後、亜硝酸t−ブチル(450mL、3.5mmol)をゆっくり添加した。攪拌はさらに30分間続けた。反応物を、水(10mL):MeOH(10mL)中CaCO3(16.5g)の添加によりクエンチし、2時間攪拌した。溶液を濃縮し、得られたスラリーをDCM(50mL):MeOH(50mL)中に取り出した。不溶の固体をろ別し、DCM:MeOH=1:1(2×25mL)で洗浄した。溶媒の除去後、生成物をシリカゲルカラム上でヘキサン:EtOAc:DCM:MeOH=10:5:5:1で溶出させて精製した(370mg固体、37%)。71(PU24Cl):2−フルオロ−9−ペンタ−4−イニル−8−(2−クロロ−3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン(308mg、76%)。
72(PU29FCl):2−フルオロ−9−(2−イソプロポキシ−エチル)−8−(2−クロロ−3,4,5−トリメトキシ−ベンジル)−9H−プリン−6−イルアミン。
68(PAM3):9−ブチル−N**−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−9H−プリン−6,8−ジアミン:BrAd3(50mg、0.186mmol)およびトリメトキシアニリン(120mg、0.65mmol)の混合物を160度で30分間加熱した。冷却後、固体をDCM(20mL)およびMeOH(5mL)中に取り出し、すべての不溶固体をろ別した。生成物(57mg、83%)をシリカゲルカラム上でDCM:EtOAc:MeOH=7:4:1で溶出させて精製した。
70(PU3OBn):9−ブチル−8−(3,4,5−トリメトキシ−ベンジルオキシ)−9H−プリン−6−イルアミン:ベンジルアルコール(250mL、2.5mmol)の25%NaOMeを含むMeOH溶液(50mL)を、5分間攪拌する。メタノールの除去後、BrAd3(26mg、0.096mmol)およびCu粉末(10mg、0.16mmol)を添加し、混合物を2分間180℃で加熱した。生成物をシリカゲルカラム上でヘキサン:DCM:EtOAc:MeOH=10:5:5:1(5.5mg、14%)で精製した(5.5mg、14%)。
69(PU3OPh):9−ブチル−8−(3,4,5−トリメトキシ−フェノキシ)−9H−6−イルアミン:トリメトキシフェノール(75mg、0.4mmol)、t−BuOK(34mg、0.3mmol)、Cu粉末(10mg、0.64mmol)およびBrAd3(26mg、0.1mmol)の混合物を1時間140℃で加熱した。生成物(13mg固体、35%)を、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:DCM:EtOAc:MeOH=10:5:5:1)で単離した。
【0068】
実施例8
ヒト癌細胞系MCF−7、SKBr3およびMDA−MB−468をAmerican Type Culture Collection (Manassas, VA)から取得し、2mMのグルタミン、50ユニット/mLのペニシリン、50ユニット/mLのストレプトマイシンおよび5%(MCF−7およびMDA−MB−468について)または10%(SKBr3について)の熱不活性化ウシ胎児血清(Gemini Bioproducts)を補足したDME:F12の1:1混合液中に保持し、37℃で5%CO2中でインキュベートした。
【0069】
タンパク質アッセイ:細胞を60〜70%集密にまで成長させ、薬物またはDMSOビヒクルに指示された期間暴露させた。50mMTris(pH7.4)、2%SDSおよび10%グリセロール溶解緩衝液を用いて、溶解産物を調製した。タンパク質濃度は、BCAキット(Pierce Chemical Co.)を用い、製造業者の説明書に従って決定した。清澄化されたタンパク質溶解産物(20〜50mg)を、変性SDS−PAGE上で電気泳動的に分離し、ニトロセルロース上に転写し、以下の一時抗体でプローブした。抗Her2(C−18)、抗Her3(C−17)、抗Raf−1、抗サイクリンD1、抗Rb(C−15)(Santa Cruz Biotechnology)、抗hsp90、抗hsp70(Stressgen)、抗Trap−1(MSK81)、抗b−アクチン、抗チューブリン(Sigma)、ER、抗PI3K(p85)(Upstate Biotechnologies)。
【0070】
抗増殖指数:6ウェル皿にウェル当り10000細胞(MCF−7およびMDA−MB−468)および20000細胞(SKBr3)を接種し、薬物処置前に24時間インキュベートすることにより、成長アッセイを行った。薬物またはビヒクルを各実験毎に略述したように投与し、細胞を記述した期間インキュベートし、次いで、数をクールター計数器で定量化した。
【0071】
組織培養物IC50の研究:成長阻害研究を、上述したスルホロダミンBアッセイを用いて行った。実験は、BT−474、MDA−MB−468、MCF−7およびTSU−Pr1を用いて行った。貯蔵培養物を、30mLのDME(HG、F−12、非必須アミノ酸ならびペニシリンおよびストレプトマイシン)、グルタミン、および10%FBSを含むT−175のフラスコ中で成長させた。TSU−Pr1は、グルタミンおよび10%FBSとともにRPMI1640中で成長させた。細胞は、PBS中に0.05%トリプシンおよび0.02%EDTAで、カルシウムおよびマンガンなしで解離させた。
【0072】
実験培養物を、ウェル当り1000の密度で、100μLの成長培地でマイクロタイタープレート(Nunc)に平板培養したが、BT−474については、ウェル当り3000の細胞濃度で平板培養した。ウェルの1行は、細胞を入れずにおき、ブランク対照として用いた。細胞を一晩付着させた(BT−474は48時間付着させた)。翌日、さらに成長培地100μLを各ウェルに添加した。貯蔵薬物またはDMSOを成長培地中に、所望の初期濃度の二倍で溶解させた。薬物またはDMSOを、マイクロタイタープレート中で1:1の比で順次希釈し、元のウェルに添加した。72時間の成長後、処置ウェルと対照ウェルとにおける細胞数を、10%トリクロロ酢酸で処置し、かつ1%酢酸中の0.4%スルホロダミンBで染色した後、見積もった。IC50は、対照の成長と比較して50%細胞成長を阻害する薬物濃度として算出される。
【0073】
Her2分解。全タンパク質アッセイ:細胞を、60〜70%集密にまで成長させ、薬物またはDMSOビヒクルに指示された期間暴露した。50mMTris(pH7.4)、2%SDSおよび10%グリセロール溶解緩衝液を用いて、溶解産物を調製した。タンパク質濃度は、BCAキット(Pierce Chemical Co.)を用いて、製造業者の説明書に従って決定した。清澄化タンパク質溶解産物(20〜50μg)を変性SDS−PAGE上で電気泳動的に分離し、ニトロセルロースに転写し、抗Her2一次抗体(C−18)(Santa Cruz Biotechnology)でプローブした。
【0074】
結合の研究。固相競合アッセイ:GMを、Affigel10樹脂(BioRad)上に記載のように2固定化した。GMビーズを、プロテアーゼ阻害剤を含有するTEN緩衝液(50mM Tris(pH7.4)、1mM EDTA、1%NP−40)で洗浄し、次いで、0.5%BSAを含むTEN緩衝液中で45分間4℃で遮断した。StressgenからのHsp90タンパク質(SPP−770)を、氷上で17分間、薬物とともに、または薬物なしでインキュベートした。各サンプルに、GMビーズ20μLを添加し、混合物を4℃で1時間回転させ、その後、氷冷TEN500μLでそれぞれ3回洗浄した。タンパク質に結合したGMビーズは、1×SDS65μL中での加熱により固相から溶出した。サンプルを、Hsp90αの分析用の20μLのアリコートと、Hsp90βの分析用の40μLのアリコートとに分け、SDS/PAGEゲルにかけて、Hsp90α(Stressgen # SPA-840)およびHsp90β(NeoMarkers # RB-118)でそれぞれ免疫ブロット法により可視化した。
【0075】
化合物PU4〜72を、Hsp90との結合、Her2全タンパク質の分解、およびその抗増殖効果について試験した。結果を表1、2、3および4にまとめる。
【0076】
表1
Figure 2005519848
【0077】
表2
Figure 2005519848
【0078】
プリン部分の位置2への、CN、ビニル、ヨウ素、メトキシ、エトキシ、NH2のいずれかの付加は、活性を低下させるかまたはなくさせた。
【0079】
表3
Figure 2005519848
【0080】
最適置換基の同化により、誘導体71および72を得た(表4)。
【0081】
表4
Figure 2005519848
【0082】
実施例9
PU3およびPU24FClがAktタンパク質の分解を誘発する能力。図17Aおよび図17Bに示されるように、Her2の分解について観察された活性の30倍の差はまた、Aktの分解にも反映された。約30倍の差が、Hsp90の結合親和性においても同様に見られた。
【0083】
実施例10
データを分析し、Her2分解の誘発に効果的なPUシリーズの化合物の濃度とMCF−7細胞系の成長阻害に必要な濃度との間に、そして、Hsp90の結合定数と成長阻害に必要な濃度との間に、相関関係があるかどうかを見た。図18Aおよび図18Bに示されるように、実験結果は、成長の停止と、Her2全体タンパク質の分解と、Hsp90の結合効力との間の良好な相関関係を示唆した。
【0084】
実施例11
細胞培養物:ヒト癌細胞系MCF−7、SKBr3およびBT−474を、American Type Culture Collection (Manassas, VA)から取得し、2mMのグルタミン、50ユニット/mLのペニシリン、50ユニット/mLのストレプトマイシンおよび5%(MCF−7について)または10%(SKBr3およびBT−474について)の熱不活性化ウシ胎児血清(Gemini Bioproducts)を補足したDME:F12の1:1混合液中に保持し、37℃で5%CO2中でインキュベートした。
【0085】
Her2分解。全体タンパク質アッセイ:細胞を60〜70%集密にまで成長させ、薬物またはDMSOビヒクルに指示された期間暴露した。50mM Tris(pH7.4)、2%SDSおよび10%グリセロール溶解緩衝液を用いて溶解産物を調製した。タンパク質濃度を、BCAキット(Pierce Chemical Co.)を用い、製造業者の説明書に従って決定した。清澄化タンパク質溶解産物(20〜50μg)を変性SDS−PAGE上で電気泳動的に分離し、ニトロセルロースに転写し、抗Her2一次抗体(C−18)(Santa Cruz Biotechnology)でプローブした。図19に示すように、PU24FClは、低濃度(SKBr3、MCF−7およびBT−474についてそれぞれIC50:1.7、2、4.5μM)で、発癌遺伝子タンパク質Her2の効果的分解を誘発する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
HSP90ファミリーのシャペロンタンパク質の既知の成員であるHsp90α(配列番号1)、GRP94(配列番号2)、Hsp90β(配列番号3)、およびTrap1(配列番号4)中のN末端結合ポケットに寄与するアミノ酸の整列配列を示す。
【図2】
ポケットに配置させた本発明の結合部分を有するポケットの三次元図を示す。
【図3AおよびB】
分子モデリングにより決定される場合のhsp90ポケット内部、およびx線結晶学により決定される場合のポケットの外部のPU3の立体配座を示す。
【図4】
プリン核に基づく例示的結合部分/化合物を示し、HSP90ファミリーの成員のN末端ポケット中の結合部位との様々な置換基の相互作用を示す。
【図5】
本発明に係る化合物の構造を示す。
【図6A】
本発明に係る化合物を作製する合成手順を示す。
【図6B】
本発明に係る例示的9−Nアルキル化化合物を示す。
【図7A】
小さな疎水性結合部位と相互作用するためのX3位での官能基の導入に関する合成スキームを示す。
【図7B】
小さな疎水性結合部位と相互作用するためのX3位での官能基の導入に関する第2の合成スキームを示す。
【図8AおよびB】
X2部位での変形の導入に関する合成スキームを示す。
【図9】
本発明に係る結合部分の製造に関する合成スキームである。
【図10】
PUファミリー化合物中のプリンおよびフェニル基との間の架橋の長さおよび性質における変形の導入に関する合成スキームを示す。
【図11】
二量体化またはターゲッティング部分の付加を示す。
【図12】
結合部分の相対的親和性を評価するための模式的方法論を示す。
【図13】
PU1〜PU4の特定構造を示す。
【図14A〜C】
乳癌細胞系に対するPU3の抗増殖効果を示す。
【図15】
一実施例で試験した化合物のX置換基を示す。
【図16AおよびB】
固定化のためにPU3を修飾すること、およびビオチン化を使用することに関する手順を示す。
【図17】
PU3およびPU24FClによるAktタンパク質の分解を示す。
【図18】
成長停止、Her2全タンパク質分解、およびHsp90結合効率との間の相関関係を示す。
【図19】
PU24FClによるHer2の分解を示す。

Claims (26)

  1. HSP90ファミリーのタンパク質の成員のN末端ポケットに結合する結合部分を含む化合物であって、該化合物は、合成分子であり、該結合部分は、アンサマイシン系抗生物質またはラディシコール(radicicol)あるいはそれらの誘導体ではない化合物。
  2. 前記化合物は、水溶性である、請求項1に記載の化合物。
  3. 前記結合部分は、置換プリンである、請求項1に記載の化合物。
  4. 前記結合部分は、タンパク質受容体またはマーカーに特異的に結合するターゲティング部分に結合される、請求項1に記載の化合物。
  5. 前記結合部分は、以下の:
    Figure 2005519848
    (式中、Xは、O、S、NH、CH、またはCOであり、Xは、疎水鎖またはCORであり、Rは、疎水鎖であり、Xは、1〜5個の水素受容体/供与体官能基(同じであっても異なってもよい)であり、Xは、アルキル基(飽和、不飽和、環式または線状)、アルコキシ基、ハロゲン、SMe、およびSEtの中から選択される小型基であり、Xは、HであるかまたはXと同様であり、Xは、HであるかまたはXと同様であり、Xは、−NH、−OH、−Oアルキル、−CONH、または同様の水素供与体官能基であり、Rは、Hまたはアルキルである)
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  6. 前記結合部分は、下記式:
    Figure 2005519848
    (式中、Yは、C、O、N、またはO−Cであり、Xは、疎水鎖またはCORであり、Rは、疎水鎖であり、Xは、1〜5個の水素受容体/供与体官能基(同じであっても異なってもよい)であり、Xは、アルキル基(飽和、不飽和、環式または線状)、アルコキシ基、ハロゲン、SMe、およびSEtの中から選択される小型基であり、Xは、HであるかまたはXと同様であり、Xは、HであるかまたはXと同様であり、Xは、−NH、−OH、−Oアルキル、−COH、または同様の水素供与体官能基であり、Rは、Hまたはアルキルである)
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  7. 前記結合部分は、下記構造:
    Figure 2005519848
    (式中、Xは、水素またはハロゲンであり、Xは、ハロゲンである)
    を有する、請求項6に記載の化合物。
  8. 前記結合部分は、下記構造:
    Figure 2005519848
    を有する、請求項7に記載の化合物。
  9. 前記結合部部分は、下記構造:
    Figure 2005519848
    を有する、請求項7に記載の化合物。
  10. 第1の結合部分は、二量体を形成するために第2の結合部分に結合される、請求項1ないし9のいずれかに記載の組成物。
  11. 薬学的に許容可能なキャリア、およびHSP90ファミリーのタンパク質の成員のN末端ポケットに結合する結合部分を含む化合物を含む薬学的組成物であって、前記結合部分は、該HSP90ファミリーのタンパク質の成員のN末端ポケット内に配置されるとフォールディングされたC配置を達成することができる主鎖、および該結合部分が、該HSP90ファミリーのタンパク質の少なくとも1つの成員に関して、ADPよりも高くかつゲルダナマイシンと異なる該N末端ポケットに対する親和性を有し、また該HSPファミリーのシャペロンを必要とするタンパク質の差次的分解を提供する程度に、該N末端ポケット中の複数の潜在的結合部位と相互作用するための配向性で方向付けられた該主鎖上の置換基を有する組成物。
  12. 前記結合部分は、請求項1ないし8のいずれかに記載の化合物の一部または全部である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記結合部分は、請求項9に記載の化合物の一部または全部である、請求項11に記載の組成物。
  14. 機能にとってHSPファミリーの成員が必要であるタンパク質または受容体に依存する細胞の成長を阻害する方法であって、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物で該細胞を処理する工程を含む方法。
  15. 機能にとってHSPファミリーの成員が必要であるタンパク質または受容体に依存する細胞の成長を阻害する方法であって、請求項9に記載の組成物で該細胞を処理する工程を含む方法。
  16. 下記式:
    Figure 2005519848
    (式中、Xは、O、S、NH、CH、またはCOであり、Xは、疎水鎖またはCORであり、Rは、疎水鎖であり、Xは、1〜5個の水素受容体/供与体官能基(同じであっても異なってもよい)であり、Xは、アルキル基(飽和、不飽和、環式または線状)、アルコキシ基、ハロゲン、SMe、およびSEtの中から選択される小型基であり、Xは、HであるかまたはXと同様であり、Xは、HであるかまたはXと同様であり、Xは、−NH、−OH、−Oアルキル、−CONH、または同様の水素供与体官能基であり、Rは、Hまたはアルキルである)
    を有する化合物。
  17. 下記式:
    Figure 2005519848
    (式中、Yは、C、O、N、またはO−Cであり、Xは、疎水鎖またはCORであり、Rは、疎水鎖であり、Xは、1〜5個の水素受容体/供与体官能基(同じであっても異なってもよい)であり、Xは、アルキル基(飽和、不飽和、環式または線状)、アルコキシ基、ハロゲン、SMe、およびSEtの中から選択される小型基であり、Xは、存在しないか、HであるかまたはXと同様であり、Xは、HであるかまたはXと同様であり、Xは、−NH、−OH、−Oアルキル、−CONH、または同様の水素供与体官能基であり、Rは、Hまたはアルキルである)
    を有する化合物。
  18. 8−ベンジルプリン組成物を作製する方法であって、以下の:
    (a)カルボン酸出発原料を酸ハロゲン化物に変換する工程と、
    (b)該酸ハロゲン化物を、アミノ置換ピリミジンと反応させる工程であって、それによって、中間生成物を生成し、それを閉環して8−ベンジルプリンを製造する、反応させる工程と
    を含む方法。
  19. 9位の窒素にて前記8−ベンジルプリンをアルキル化する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記アルキル化は、光延アルキル化反応を用いて実施される、請求項19に記載の方法。
  21. HSP90ファミリーの成員のN末端ポケットの結合親和性に関して試験化合物をスクリーニングする方法であって、以下の:
    (a)該試験化合物および該HSP90ファミリーの成員を、基板上に固定化されたhsp結合部分を有する該基板と接触させる工程と、
    (b)固定化されたアンサマイシン系抗生物質により結合される該HSPファミリーの成員の量を観察する工程であって、該試験化合物の非存在下で結合される量と比較した場合に、結合される該HSPの成員の量の減少は、該試験化合物が、該HSP90ファミリーの成員に結合することを示す、観察する工程と
    を含む方法。
  22. 前記hsp結合部分は、アンサマイシン系抗生物質またはラディシコールである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記hsp結合部分は、ゲルダナマイシンである、請求項21に記載の方法。
  24. 前記hsp結合部分は、請求項1ないし9、16、または17のいずれかに記載の化合物である、請求項21に記載の方法。
  25. Hsp90−αまたはβへの選択的結合に関して化合物をスクリーニングする方法であって、以下の:
    (a)非特異的HSP90結合部分を有する支持体を、スクリーニングされるべき該化合物の存在下にて、Hsp90−αおよびβの両方を含むHsp90調製物を含有する溶液と組み合わせる工程と、
    (b)該支持体に結合するHsp90−αおよびβの量を検出する工程であって、差次的結合選択性を有する化合物は、異なる度合いで該支持体へのHSp90−αおよびβの結合を阻害する、検出する工程と
    を含む方法。
  26. 前記非特異的HSP90結合部分は、ゲルダナマイシンである、請求項25に記載の方法。
JP2002538887D 2000-11-02 2001-11-01 Hsp90に結合するための小分子組成物 Pending JP2005519848A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US24517700P 2000-11-02 2000-11-02
PCT/US2001/046303 WO2002036075A2 (en) 2000-11-02 2001-11-01 Small molecule compositions for binding to hsp90

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005519848A true JP2005519848A (ja) 2005-07-07

Family

ID=22925604

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002538887A Expired - Fee Related JP4406205B2 (ja) 2000-11-02 2001-11-01 Hsp90に結合するための小分子組成物
JP2002538887D Pending JP2005519848A (ja) 2000-11-02 2001-11-01 Hsp90に結合するための小分子組成物

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002538887A Expired - Fee Related JP4406205B2 (ja) 2000-11-02 2001-11-01 Hsp90に結合するための小分子組成物

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7439359B2 (ja)
EP (1) EP1335920B1 (ja)
JP (2) JP4406205B2 (ja)
KR (1) KR100850727B1 (ja)
CN (2) CN1501928A (ja)
AU (2) AU2002228771B2 (ja)
CA (1) CA2426952C (ja)
WO (1) WO2002036075A2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009542716A (ja) * 2006-06-30 2009-12-03 スローン − ケッタリング インスティチュート フォー キャンサー リサーチ Hsp90の阻害による神経変性疾患の処置
JP2010522184A (ja) * 2007-03-20 2010-07-01 キュリス,インコーポレイテッド Hsp90インヒビターとしての縮合アミノピリジン
JP2011503206A (ja) * 2007-11-14 2011-01-27 ミレクシス, インコーポレイテッド 疾患および障害の治療における治療化合物およびその使用方法
JP2015143698A (ja) * 2007-09-19 2015-08-06 ユニヴァーシティ コート オブ ザユニバーシティ オブ エディンバラ 核酸塩基の特徴づけ

Families Citing this family (63)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7235649B2 (en) * 2000-03-24 2007-06-26 Duke University Isolated GRP94 ligand binding domain polypeptide and nucleic acid encoding same, and screening methods employing same
EP1423080A4 (en) * 2001-03-01 2009-06-03 Conforma Therapeutics Corp PROCESS FOR TREATING PROLIFERATIVE GENETIC DISORDERS WITH HSP90 INHIBITORS
EP1551957A4 (en) * 2001-10-01 2007-01-24 Univ Duke LIGAND GRP94 ISOLATED BINDING DOMAIN POLYPEPTIDE AND NUCLEIC ACID ENCODING SAME, CRYSTALLINE FORM OF THE POLYPEPTIDE AND RESEARCH TECHNIQUE USING THE POLYPEPTIDE
EP1440072A4 (en) * 2001-10-30 2005-02-02 Conforma Therapeutic Corp PURINE ANALOGS HAVING HSP90 INHIBITORY ACTIVITY
DE60327994D1 (de) 2002-02-08 2009-07-30 Conforma Therapeutics Corp Ansamycine mit verbesserten pharmakologischen und biologischen eigenschaften
EP1572933A4 (en) * 2002-02-13 2007-09-05 Univ Duke MODULATION OF IMMUNE RESPONSE BY POLYPEPTIDES OF RESPONSE TO STRESS BINDING TO NON PEPTIDES
US7138402B2 (en) * 2003-09-18 2006-11-21 Conforma Therapeutics Corporation Pyrrolopyrimidines and related analogs as HSP90-inhibitors
GB0228417D0 (en) * 2002-12-05 2003-01-08 Cancer Rec Tech Ltd Pyrazole compounds
WO2004069999A2 (ja) * 2003-02-04 2004-08-19 Takeda Pharmaceutical Company Limited スクリーニング方法
GB0309637D0 (en) * 2003-04-28 2003-06-04 Cancer Rec Tech Ltd Pyrazole compounds
EP1642880B1 (en) 2003-06-27 2013-09-04 Kyowa Hakko Kirin Co., Ltd. Hsp90 family protein inhibitors
DE102004039280A1 (de) 2004-08-13 2006-02-23 Merck Patent Gmbh 1,5-Diphenyl-pyrazole
DE102004049078A1 (de) 2004-10-08 2006-04-13 Merck Patent Gmbh Phenylpyrazole
WO2006052795A2 (en) * 2004-11-05 2006-05-18 University Of Rochester Methods of inhibiting the activity of hsp90 and/or aryl hydrocarbon receptor
GB0501535D0 (en) * 2005-01-25 2005-03-02 Vernalis R&D Ltd Pyrimidothiophene compounds
US9403828B2 (en) 2005-02-01 2016-08-02 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Small-molecule Hsp90 inhibitors
US7834181B2 (en) 2005-02-01 2010-11-16 Slaon-Kettering Institute For Cancer Research Small-molecule Hsp90 inhibitors
DE102005009440A1 (de) 2005-03-02 2006-09-07 Merck Patent Gmbh Thienopyridinderivate
US8399464B2 (en) 2005-03-09 2013-03-19 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha HSP90 inhibitor
CN101160291B (zh) 2005-03-09 2012-09-05 日本化药株式会社 作为hsp90抑制剂的三唑衍生物
JP2008534609A (ja) * 2005-03-30 2008-08-28 コンフォーマ・セラピューティクス・コーポレイション Hsp90阻害剤としてのアルキニルピロロピリミジンおよび関連類似体
CA2607780A1 (en) * 2005-05-04 2006-11-09 Pfizer Limited Purine derivatives
JP2008540626A (ja) * 2005-05-19 2008-11-20 アステックス、セラピューティックス、リミテッド 医薬化合物
WO2006130469A1 (en) * 2005-05-27 2006-12-07 Oregon Health & Science University Stimulation of neurite outgrowth by small molecules
EP1904452A2 (en) 2005-07-14 2008-04-02 Takeda San Diego, Inc. Histone deacetylase inhibitors
US20070105874A1 (en) * 2005-09-23 2007-05-10 Conforma Therapeutics Corporation Anti-Tumor Methods Using Multi Drug Resistance Independent Synthetic HSP90 Inhibitors
AU2006331917A1 (en) * 2005-12-22 2007-07-05 Conforma Therapeutics Corporation Orally active purine-based inhibitors of heat shock protein 90
WO2007134298A2 (en) 2006-05-12 2007-11-22 Myriad Genetics, Inc. Therapeutic compounds and their use in cancer
AR061185A1 (es) 2006-05-26 2008-08-13 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Compuestos heterociclicos como inhibidores de hsp90. composiciones farmaceuticas.
WO2008021213A1 (en) 2006-08-11 2008-02-21 Nicolas Winssinger Macrocyclic compounds useful as inhibitors of kinases and hsp90
CL2007002994A1 (es) * 2006-10-19 2008-02-08 Wyeth Corp Compuestos derivados heterociclicos que contienen sulfamoilo, inhibidores de hsp90; composicion farmaceutica; y uso para el tratamiento del cancer, tal como cancer de mama, de colon y prostata, entre otros.
FR2907453B1 (fr) 2006-10-24 2008-12-26 Sanofi Aventis Sa Nouveaux derives du fluorene,compositions les contenant et utilisation
GB0622084D0 (en) 2006-11-06 2006-12-13 Chroma Therapeutics Ltd Inhibitors of HSP90
DE102007002715A1 (de) 2007-01-18 2008-07-24 Merck Patent Gmbh Triazolderivat
CN101652365A (zh) 2007-02-01 2010-02-17 阿斯利康(瑞典)有限公司 作为hsp90抑制剂的5,6,7,8-四氢蝶啶衍生物
CL2008000629A1 (es) 2007-03-01 2008-08-29 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Compuestos macrociclicos derivados de 6-aril-4-mercapto-[1.3.5]triazina/[1.3]pirimidin-2-amina; composicion farmaceutica, utiles en el tratamiento del cancer.
EP2133094A4 (en) 2007-03-05 2010-10-13 Kyowa Hakko Kirin Co Ltd PHARMACEUTICAL COMPOSITION
NZ580313A (en) 2007-04-12 2011-11-25 Joyant Pharmaceuticals Inc Smac mimetic dimers and trimers useful as anti-cancer agents
US7960420B2 (en) 2007-12-21 2011-06-14 Joyant Pharmaceuticals, Inc Diazonamide analogs with improved solubility
US8895701B2 (en) 2008-01-05 2014-11-25 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Peptide-conjugated oligonucleotide therapeutic and method of making and using same
US20110190237A1 (en) * 2008-01-15 2011-08-04 Nexgenix Pharmaceuticals Macrocyclic Prodrug Compounds Useful as Therapeutics
NZ587207A (en) * 2008-02-01 2012-05-25 Takeda Pharmaceutical Oxim derivatives as hsp90 inhibitors
US7989482B2 (en) 2008-04-29 2011-08-02 Joyant Pharmaceuticals, Inc. Indoline anti-cancer agents
LT5623B (lt) 2008-04-30 2010-01-25 Biotechnologijos Institutas, , 5-aril-4-(5-pakeistieji 2,4-dihidroksifenil)-1,2,3-tiadiazolai kaip hsp90 šaperono slopikliai ir tarpiniai junginiai jiems gauti
WO2009143485A1 (en) 2008-05-22 2009-11-26 Joyant Pharmaceuticals, Inc. Diazonamide analogs
WO2010001989A1 (ja) * 2008-07-03 2010-01-07 協和発酵キリン株式会社 癌幹細胞及び/または癌前駆細胞の減少剤並びに癌の再発及び/または転移の予防剤
CA2786715C (en) * 2009-01-16 2019-05-21 Curis, Inc. Fused amino pyridines for the treatment of brain tumors
AR077405A1 (es) 2009-07-10 2011-08-24 Sanofi Aventis Derivados del indol inhibidores de hsp90, composiciones que los contienen y utilizacion de los mismos para el tratamiento del cancer
FR2949467B1 (fr) 2009-09-03 2011-11-25 Sanofi Aventis Nouveaux derives de 5,6,7,8-tetrahydroindolizine inhibiteurs d'hsp90, compositions les contenant et utilisation
US20120283120A1 (en) 2009-09-29 2012-11-08 Takeda Pharmaceutical Company Limited Screening method
ES2733131T3 (es) 2009-10-07 2019-11-27 Sloan Kettering Inst Cancer Res Derivados de purina útiles como inhibidores de hsp90
WO2012003281A2 (en) 2010-06-30 2012-01-05 Brandeis University Small-molecule-targeted protein degradation
CN103476258B (zh) * 2011-02-25 2017-04-26 默沙东公司 用作抗糖尿病药剂的新的环状氮杂苯并咪唑衍生物
AU2012240079B2 (en) 2011-04-05 2017-05-18 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Hsp90 inhibitors
MX360390B (es) 2011-04-05 2018-10-31 Sloan Kettering Inst Cancer Res Inhibidores de la proteina 90 de choque termico (hsp90).
KR101839642B1 (ko) 2011-04-22 2018-03-16 조얀트 파마슈티컬스, 아이엔씨. 디아존아미드 유사체
EP2904119B1 (en) 2012-10-02 2020-06-17 The General Hospital Corporation d/b/a Massachusetts General Hospital Methods relating to dna-sensing pathway related conditions
CN111596054A (zh) * 2013-06-27 2020-08-28 清华大学 一种肿瘤标志物
BR112016003201A2 (pt) * 2013-08-16 2017-11-21 Memorial Sloan Kettering Cancer Center inibidores de grp94 seletivos e usos dos mesmos
CN105147693B (zh) * 2015-09-23 2018-01-12 昆明理工大学 一种小分子化合物在制备抗肺癌药物中的应用
ES2747768T3 (es) 2017-03-20 2020-03-11 Forma Therapeutics Inc Composiciones de pirrolopirrol como activadores de quinasa de piruvato (PKR)
US20200129485A1 (en) 2018-09-19 2020-04-30 Forma Therapeutics, Inc. Treating sickle cell disease with a pyruvate kinase r activating compound
WO2020061255A1 (en) 2018-09-19 2020-03-26 Forma Therapeutics, Inc. Activating pyruvate kinase r

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2729642A (en) * 1954-08-13 1956-01-03 Chattanooga Medicine Co Water soluble salts of 8-(para-aminobenzyl) caffeine and method for their preparation
US3930005A (en) * 1973-06-15 1975-12-30 Squibb & Sons Inc Antiinflammatory agents and their use
US4172829A (en) * 1978-05-09 1979-10-30 Bristol-Myers Company 2,9-Disubstituted adenine derivatives and their use as non-adrenergic bronchodilators
EP0193454A1 (en) * 1985-02-25 1986-09-03 Merck & Co. Inc. 8-Substituted-9-hydroxyalkyl and hydroxyalkoxymethyl-guanines and pharmaceutical compositions containing them
US5565566A (en) * 1987-04-24 1996-10-15 Discovery Therapeutics, Inc. N6 -substituted 9-methyladenines: a new class of adenosine receptor antagonists
EP0363320A3 (de) * 1988-10-06 1991-11-21 Ciba-Geigy Ag Substituierte 9H-Purine
DE4216846A1 (de) * 1992-05-21 1993-11-25 Basf Ag Verfahren zur Fixierung großer zeolithischer und zeolithanaloger Molekularsieb-Kristalle auf Formkörper
US5387584A (en) * 1993-04-07 1995-02-07 Pfizer Inc. Bicyclic ansamycins
US5932566A (en) * 1994-06-16 1999-08-03 Pfizer Inc. Ansamycin derivatives as antioncogene and anticancer agents
US5736549A (en) * 1994-10-05 1998-04-07 Chiroscience Limited Hypoxanthine and guanine compounds
US5783404A (en) 1995-04-13 1998-07-21 Amgen Inc. Methods and compositions for determining HER-2/neu expression using monoclonal antibodies
US6410690B1 (en) 1995-06-07 2002-06-25 Medarex, Inc. Therapeutic compounds comprised of anti-Fc receptor antibodies
EP0845997A1 (en) 1995-07-27 1998-06-10 Genentech, Inc. Stabile isotonic lyophilized protein formulation
DE19535504A1 (de) * 1995-09-25 1997-03-27 Bayer Ag Substituierte Xanthine
US6294541B1 (en) * 1996-06-06 2001-09-25 Euro-Celtique S.A. Purine derivatives having phosphodiesterase IV inhibition activity
ATE460423T1 (de) 1997-05-14 2010-03-15 Sloan Kettering Inst Cancer Verfahren und zubereitungen zur zerstörung bestimmter proteine
US5968921A (en) * 1997-10-24 1999-10-19 Orgegon Health Sciences University Compositions and methods for promoting nerve regeneration
IL145701A0 (en) 1999-04-02 2002-07-25 Euro Celtique Sa Purine derivatives having phosphodiesterase iv inhibition activity
JP2002541255A (ja) 1999-04-09 2002-12-03 スローン − ケッタリング インスティチュート フォー キャンサー リサーチ Her族チロシンキナーゼの分解および/または阻害方法および組成物
US6335157B1 (en) * 1999-05-07 2002-01-01 The European Molecular Biology Laboratory Method based on localization of Hsp90 to the centrosome
GB9924020D0 (en) 1999-10-11 1999-12-15 Pfizer Ltd Pharmaceutically active compounds
JP2004505044A (ja) * 2000-07-28 2004-02-19 スローン−ケッタリング・インスティテュート・フォー・キャンサー・リサーチ 細胞増殖性障害およびウイルス感染の治療方法
EP1440072A4 (en) * 2001-10-30 2005-02-02 Conforma Therapeutic Corp PURINE ANALOGS HAVING HSP90 INHIBITORY ACTIVITY
US20070129334A1 (en) * 2001-10-30 2007-06-07 Conforma Therapeutics Corporation Orally Active Purine-Based Inhibitors of Heat Shock Protein 90
US7138402B2 (en) * 2003-09-18 2006-11-21 Conforma Therapeutics Corporation Pyrrolopyrimidines and related analogs as HSP90-inhibitors

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009542716A (ja) * 2006-06-30 2009-12-03 スローン − ケッタリング インスティチュート フォー キャンサー リサーチ Hsp90の阻害による神経変性疾患の処置
JP2013177389A (ja) * 2006-06-30 2013-09-09 Sloan-Kettering Inst For Cancer Research Hsp90の阻害による神経変性疾患の処置
JP2016028063A (ja) * 2006-06-30 2016-02-25 スローン − ケッタリング インスティチュート フォー キャンサー リサーチ Hsp90の阻害による神経変性疾患の処置
US10336757B2 (en) 2006-06-30 2019-07-02 Sloan-Kettering Institute For Cancer Research Treatment of neurodegenerative diseases through inhibition of HSP90
JP2010522184A (ja) * 2007-03-20 2010-07-01 キュリス,インコーポレイテッド Hsp90インヒビターとしての縮合アミノピリジン
JP2015143698A (ja) * 2007-09-19 2015-08-06 ユニヴァーシティ コート オブ ザユニバーシティ オブ エディンバラ 核酸塩基の特徴づけ
JP2011503206A (ja) * 2007-11-14 2011-01-27 ミレクシス, インコーポレイテッド 疾患および障害の治療における治療化合物およびその使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101928288A (zh) 2010-12-29
US20040102458A1 (en) 2004-05-27
WO2002036075A2 (en) 2002-05-10
AU2877102A (en) 2002-05-15
KR20030071767A (ko) 2003-09-06
WO2002036075A3 (en) 2003-06-05
JP4406205B2 (ja) 2010-01-27
CA2426952A1 (en) 2002-05-10
US7439359B2 (en) 2008-10-21
AU2002228771B2 (en) 2007-10-25
CN1501928A (zh) 2004-06-02
KR100850727B1 (ko) 2008-08-06
EP1335920A2 (en) 2003-08-20
CN101928288B (zh) 2013-09-11
EP1335920A4 (en) 2005-08-17
JP2004514660A (ja) 2004-05-20
EP1335920B1 (en) 2013-04-03
CA2426952C (en) 2012-06-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4406205B2 (ja) Hsp90に結合するための小分子組成物
AU2002228771A1 (en) Small molecule compositions for binding to HSP90
US20210403475A1 (en) Novel selective pi3k delta inhibitors
JP6385966B2 (ja) 新規キナーゼモジュレーター
Chiosis et al. Development of a purine-scaffold novel class of Hsp90 binders that inhibit the proliferation of cancer cells and induce the degradation of Her2 tyrosine kinase
CA2921571C (en) Selective grp94 inhibitors and uses thereof
KR102292853B1 (ko) 이중 선택적 pi3 델타 및 감마 키나아제 억제제
Chiosis Discovery and development of purine-scaffold Hsp90 inhibitors
KR20080070079A (ko) mTOR 억제제로서 피리도피리미딘, 피라조피리미딘 및피리미도피리미딘 유도체
CA3169315A1 (en) Glucose triptolide conjugates and uses thereof
TW561156B (en) Pharmaceutical composition of cysteine derivative for treating pathologies which result from the formation of the heterotrimeric G protein
WO2022206705A1 (zh) 作为tyk2假激酶结构域抑制剂的杂环化合物及合成方法和用途
Zuo et al. Identification of a potent and selective phosphatidylinositol 3-kinase δ inhibitor for the treatment of non-Hodgkin's lymphoma
CN114423762A (zh) 大环类衍生物及其制备方法和用途
Lei et al. Discovery of potent and selective PI3Kδ inhibitors bearing amino acid fragments
WO2023030335A1 (zh) 作为tyk2/jak1假激酶结构域抑制剂的化合物及合成和使用方法
WO2017184956A1 (en) Compounds and methods for targeting hsp90
CN114773345B (zh) 一种哌嗪二酮衍生物及其制备方法
Alhadad et al. Development of nimesulide analogues as dual tubulin and HSP27 inhibitor for treating female cancers
ES2729151T3 (es) Inhibidores de PI3K delta selectivos
Rosen et al. Development of Targeted Ansamycins as Noval Antiestrogens and Tyrosine Kinase Inhibitors