JP2005517741A - インシュリン及びigf−1レセプターのアゴニスト及びアンタゴニスト - Google Patents

インシュリン及びigf−1レセプターのアゴニスト及びアンタゴニスト Download PDF

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Abstract

アゴニストまたはアンタゴニスト活性を有し、インシュリンおよび/またはインシュリン様増殖因子受容体に結合でき、様々なペプチドライブラリーから同定されたペプチド配列を開示する。本発明はまた、インシュリンおよびインシュリン様増殖因子受容体に存在し、本発明のペプチドに選択的に結合する少なくとも2個の異なる結合部位を同定する。アゴニストとして、本発明の特定のペプチドは内在性ペプチドホルモンを補給または代替する治療薬として開発するために有用となり得る。アンタゴニストペプチドも、治療薬として開発し得る。

Description

本発明は、ホルモン受容体の活性化または阻害の分野に関する。より具体的には、本発明はインシュリンまたはインシュリン様増殖因子受容体にアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することができる分子構造、特にペプチドの同定に関する。本発明はまた、公知の構造から有用な分子モデルを得る分子モデリングの分野に関する。
本出願は、1998年9月2日出願の米国特許出願番号09/146127号の一部継続出願である2000年3月29日出願の米国特許出願番号09/538038号の一部継続出願である2002年9月24日出願の米国特許出願番号09/538038号の一部継続出願で、全て本明細書に全体を参考として援用した。
インシュリンは代謝可能な増殖促進ホルモンで、グルコース、タンパク質および脂質の代謝、並びにRNAおよびDNA合成を刺激するように細胞に働きかける。インシュリンのよく知られた効果は、グルコースの体内濃度の制御である。この効果は主に肝臓、脂肪および筋肉組織で発揮される。肝臓では、インシュリンはグルコースのグリコーゲンへの取り込みを刺激し、グルコースの産生を阻害する。筋肉および脂肪組織では、インシュリンはグルコースの取り込み、貯蔵、および代謝を刺激する。糖尿病を発症した集団では、非常に一般的にグルコース利用の不足が生じている。
インシュリンは、特異的細胞表面受容体、インシュリン受容体(IR)に結合することによって標的細胞にシグナル伝達を開始する。この結合によって、IRの細胞外ドメインに構造的変化が引き起こされ、細胞膜に伝えられ、受容体のチロシンキナーゼ活性の活性化が生じる。次に、これによって、IRのチロシンキナーゼの自己リン酸化と、ホスホイノシトール−3−キナーゼ、Ras GTPアーゼ活性化タンパク質、およびホスホリパーゼCγなどのSH2ドメインを含有する可溶性エフェクター分子のIRへの結合が引き起こされる(Lee and Pilch, 1994, Am. J. Physiol. 266:C319-C334)。
インシュリン様増殖因子1(IGF−1)は、組織増殖および修復の多くの側面に関与する1本鎖の小タンパク質(MW=7500Da)である。近年、IGF−1は、様々な形態で、前立腺、胸部、直腸、及び卵巣癌を含む癌に関連付けられている。インシュリンと大きさ、配列、および構造が同一であるが、IRに対する親和性が100〜1000倍低い(Mynarcik等、1997, J. Biol. Chem. 272:18650-18655)。
臨床的に、1型糖尿病(Carroll等、1997, Diuabetes 46:1453-1458; Crowne等、1998, Metabolism 47:31-38)、筋萎縮側索硬化(Lai等、1997, Neurology 49:1621-1630)及び糖尿病性運動神経障害(Apfel及びKessler, 1996, CIBA Found. Symp. 196:98-108)を含めた複数の疾病の治療について、組換えヒトIGF−1の研究が行われてきた。また、IGF−1のその他治療上可能性のある用途、例えば骨粗鬆症(Canalis, 1997, Bone 21:215-216)、免疫調節(Clark, 1997, Endocr. Rev. 18:157-179)及びネフローゼ症候群(Feld及びHirshberg, 1996, Pediatr. Nephrol. 10:355-358)が現在研究されている。
多くの研究により、様々な疾患状態における内因性IGF−1の役割が分析されてきた。IGF−1はin vitroおよびin vivoの両方で正常および癌の前立腺細胞の増殖を促進することがいくつかの報告によって示された(Angelloz-Nicoud and Binoux, 1995, Endocrinol 136:5485-5492; Figueroa等、1995, J. Clin. Endocrinol. Metab. 80:3476-3482; Torring等、1997, J. Urol. 158:222-227)。加えて、血清IGF−1値の上昇は前立腺癌の危険性の増大に関連しており、前立腺特異的抗原(PSA)よりも癌の早期前兆となり得る(Chan等、1998, Science 279:563-566)。最近の研究では、IGF−1値と、胸部、結腸、及び卵巣等のその他の癌との関連が示された。血清IGF−1値は、IGF−1に結合してIGF−1Rとの相互作用を妨害するIGF結合性タンパク質(IGFBP)の存在によって制御される(Conover, 1996, Endocr. J. 43S:S43-S48; Rajaram等、1997, Endocr. Rev. 18:801-831に概略されている)。PSAはIGFBP−3を切断するプロテアーゼで、血清中の遊離IGF−1の増加を引き起こすことが示された(Cohen等、1992, J. Clin. Endocrinol. Metab. 75:1046-1053; P. Cohen等、1994, J. Endocrinol. 142:407-415; Lilja, 1995, J. Clin. Lab. Invest. Suppl. 220:47-56)。明らかにIGF−1Rの調節は複数の病状で重要な役割を果たすことができる。これは、IGF−1アゴニスト及びIGF−1アンタゴニストの両方について、治療へ使用の可能性を示すものである。
IGF−1RおよびIRは、成長因子レセプターのチロシン−キナーゼスーパーファミリーの関連メンバーである。どちらのタイプのレセプターも、ジスルフィド結合ヘテロ四量体(β−α−α−β)を形成する2つのα及びβサブユニットから構成されている。これらのレセプターは、チロシンキナーゼ活性を示す細胞質ドメイン、単一膜貫通ドメイン、及び細胞外リガンド結合ドメインを有する。細胞外ドメインは、αサブユニット全体と、βサブユニットのN末端の一部からなり、βサブユニットの細胞間部分はチロシンキナーゼドメインを含む。別のファミリーメンバーはインシュリン関連レセプター(IRR)であり、これについて知られている天然リガンドは無い。
構造は類似しているものの、IGF−1RとIRは異なる生理学的機能を担う。IRは主に代謝機能に関与し、一方、IGF−1Rは成長と分化を媒介する。しかしながら、インシュリンとIGF−1の両方が、分裂促進的及び代謝的効果を誘発することができる。各リガンドがそれ自身のレセプターにより両方を誘発できるかどうか、又は、インシュリンがIGF−1Rに対するその弱い親和結合により分裂促進効果を発揮するかどうか、及びIGF−1がIRによりその代謝的効果を発揮するかどうかについては、依然として議論の余地がある(De Meyts, 1994, Horm. Res. 42:152-169)。
IRは、(グリコシル化の程度に応じて)分子量350〜400kDaの糖タンパク質である。これは、単一のポリペプチド鎖として合成され、タンパク質分解によって切断され、ジスルフィド結合モノマーα−βインシュリン受容体が生成される。2個のα−βモノマーは、αサブユニットの間でジスルフィド結合によって結合して、受容体の2量体型を形成する(β−α−α−β型構造)。αサブユニットは723個のアミノ酸から成り、システインの豊富な領域(アミノ酸156〜312)によって2個の大きな相同ドメイン、L1(アミノ酸1〜155)およびL2(アミノ酸313〜468)に分けることができる(Ward等、1995, Prot. Struct. Funct. Genet. 22:141-153)。インシュリン結合決定基の多くは、αサブユニットに存在するようである。IRに固有の特徴は、リガンド不在下で二量体であることである。
IRの配列は、IGF−1Rの配列と極めて相同的である。配列同一性のレベルは、αサブユニット内の位置に応じて、約40%〜70%である。したがって、両レセプターの三次元構造は類似している。IGF−Rの最初の3つのドメインの結晶構造は決定されている(Garrett等、1998, Nature 394:395-399)。Lドメインは一本鎖右旋回ベータ螺旋(β鎖の螺旋構造)からなり、一方、システイン濃度の高い領域は8ジスルフィド結合モジュールからなる。
インシュリンレセプターのβサブユニットは620個のアミノ酸残基および3個のドメイン、細胞外、膜貫通、および細胞質を有する。細胞外ドメインはジスルフィド結合によってαサブユニットに結合している。細胞質ドメインには、チロシンキナーゼドメインが含まれ、その3次構造は解明されている(Hubbard等、1994, Nature 372:746-754)。
創薬研究の一助として、IRの膜貫通ドメインおよび細胞内ドメインをイムノグロブリンの定常ドメインFcまたはλサブユニットと代替することによって可溶型の膜結合受容体を構築した(Bass等、1996, J. Biol. Chem. 271:19367-19375)。この組換え遺伝子は、ヒト胚腎293細胞で発現した。発現したタンパク質は、完全にヘテロテトラマーに処理され、インシュリンに結合する能力は完全長のホロ受容体と同様であった。
IGF−1及びインシュリンは、IGF−1R及びIRと競合的に交差反応する。(L. Schaffer, 1994, Eur. J. Biochem. 221:1127-1132を参照。)全体的なアミノ酸同一性が45%であるにもかかわらず、インシュリンとIGF−1は互いのレセプターに対する結合が弱い。起源の異なるレセプターに対する各ペプチドの親和性は、同起源のレセプターに対する親和性より大きさが3オーダー低い(Mynarcik等、1997, J. Biol. Chem. 272:18650-18655)。結合親和性の差異は、リガンドの固有の三次構造に寄与する固有ドメイン及びアミノ酸の差により部分的に説明できる(Blakesley等、1996, Cytokine Growth Factor Rev. 7(2):153-9)。
インシュリンとIGF−1はどちらも、特に、隣接するA、B、及びCペプチド領域を有する前駆タンパク質として発現し、ここでCペプチドがA及びBペプチドを繋ぐ中間ペプチドである。成熟インシュリン分子はジスルフィド結合により接続されたA及びB鎖からなり、接続するCペプチドが翻訳後処理の段階で除去されている。IGF−1は、その小さなCペプチド同様、A鎖のC末端の端部に小さなD延長部を有し、よって成熟IGF−1はインシュリンよりやや大きい(Blakesley, 1996)。ヒトIGF−1のC領域は、IGF−1Rに対する親和性の高い結合に必要と思われる(Pietrzkowski等、1992, Cancer Res. 52(23):6447-51)。特に、この領域内に位置するチロシン31は親和性の高い結合に不可欠と思われる。さらに、IGF−1のDドメインを削除すると、突然変異IGF−1のIRへの結合の親和性が増大する一方で、IGF−1Rに対するその親和性が低減する(Pietrzkowski等、1992)。2つのホルモンの更なる相違は、インシュリンと異なり、IGF−1の自己相互作用は非常に弱く、六量体化しない点である(De Meyts, 1994)。
αサブユニットは、アミノ酸全体について47〜67%の同一性が示されている。一般的な3個のドメインは、αサブユニットの配列分析によって両受容体で報告された。Cの豊富な領域のシステイン残基は、2種類の受容体の間で良く保存されているが、システインの豊富な領域はアミノ酸全体の同一性の48%のみしか占めていない。
これら2種類の受容体で同一性が認められたにもかかわらず、特定のリガンドの結合におけるドメインの役割は異なっている。キメラ受容体の研究によって(IRおよびIGF−1Rのαサブユニットのドメイン交換)、研究者等はリガンドと特異的受容体との相互作用部位は異なることを報告した(T. Kjeldsen等、1991, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:4404-4408; A.S. Andersen等、1992, J. Biol. Chem. 267:13681-13686)。たとえば、IGF−1Rのシステインの豊富なドメインは、高親和性のIGF結合に欠かせないが、インシュリン結合にはそうではないことが測定された。IGF−1R領域のアミノ酸191〜290をIRの対応する領域(アミノ酸198〜300)へ導入すると、調節されたIRは高い親和性でIGF−1およびインシュリンの両方に結合した。反対に、IRの対応する領域をIGF−1Rに導入すると、調節したIGF−1RはIRには結合したが、IGF−1には結合しなかった。
IRとIGF−1Rの結合領域の間のその他の違いは、N末端およびC末端領域に対する依存度の違いである。IRの(推定L1およびL2ドメイン内に位置する)N末端およびC末端領域の両方は、インシュリンの高親和性結合には重要であるが、IRまたはIGF−1RのいずれにおいてもIGF−1結合にほとんど影響を及ぼさないようである。IGF−1RのN末端残基(アミノ酸1〜62)を対応するIRの残基(アミノ酸1〜68)と代替すると、IGF−1Rのインシュリン結合能がもたらされる。この領域内の残基Phe−39、Arg−41およびPro−42は、インシュリンとの相互作用に主に寄与することが報告されている(Williams等、1995)。これらの残基をIGF−1Rの同等部位に導入すると、インシュリンに対する親和性が著しく増大し、一方これらの残基をIRのアラニンと代替するとインシュリン親和性が著しく減少した。同様に、IRのC末端のアミノ酸704〜717の間の領域は、インシュリン特異性に主要な役割を果たすことが示された。これらの残基をアラニンと代替するとまた、インシュリン結合性が喪失する(Mynarcik等、1996, J. Biol. Chem. 271(5):2439-42; C. Kristensen等、1999, J. Biol. Chem. 274(52):37351-37356)。
レセプターをアラニンスキャンするさらなる研究によって、インシュリンおよびIGF−1はいくつかの共通した接触部位を使用してIGF−1Rに結合することができるが、その接触部位はインシュリンがIRに結合するために使用する接触部位とは異なることが示唆されている(Mynarcik等、1997)。したがって、この文献のデータから、ある解説者は「インシュリンおよびIGF−1のそれぞれの受容体に対する結合接触部分は接触部分内では相同であるが、実際に接触させて特異性を決定する側鎖は2種類のリガンド−受容体系の間では全く異なる可能性がある」との説明を導き出した(De Meyts, 1994)。
インシュリンおよびインシュリン類縁体の様々なインシュリン受容体構造への結合についてのデータに基づいて、結合モデルが提案された。このモデルによって、受容体分子の2個の異なる表面に位置する2個のインシュリン結合部位を備えたインシュリン受容体が示され、したがって各アルファサブユニットはインシュリン結合に関与している。このように、インシュリン受容体の活性化は、インシュリンによるアルファサブユニットの交差結合に関与するものと考えられる。同様の機構がIGF−1Rで作動する可能性があるが、受容体結合相互反応の1つは異なるようである(Schaffer, 1994, Eur. J. Biochem. 221:1127-1132)。
1つの受容体またはその他の受容体に特異性の高い分子構造の同定は、効果的かつ安全な治療薬を開発するために重要である。たとえば、インシュリンアゴニストとして開発された分子は、IGF−1の分裂促進活性および新生物増殖を促進する可能性を排除するために、ほとんど、または全くIGF−1活性を有してはならない。したがって、インシュリンおよびIGF−1の3次構造は共通であるが、それぞれの受容体に対する選択性を備えるために十分異なっているかどうかを判定することが重要である。同様に、インシュリンおよび/またはIGF−1の活性結合領域に類似しており、選択的アゴニストまたはアンタゴニスト活性を与えるその他の分子構造を同定することが望ましいだろう。
ある種のタンパク質は重要な薬剤であるが、治療薬として使用するには製造および製剤コストが高いこと、通常注射によって投与すること、および血流中での安定性が制限されることを含めたいくつかの困難な問題が存在する。したがって、インシュリンまたはIGF−1を含めたタンパク質を分子量の小さい薬物に代替することは多くの注目を集めている。しかし、今までのところ、これらの努力によって効果的な薬剤代替の発見には至っていない。
タンパク質ホルモンと機能が類似したペプチドが今までに報告されている。Yanofsky等(1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:7381-7386)は、IL−1受容体にナノモルの親和性を有するIL−1のアンタゴニストであるモノマーの単離を報告している。この試みには、多くのファージディスプレイペプチドライブラリーの構築および使用と高度なファージパンニングの手法が必要とされる。
Wrighton等(1996, Science 273:458-464)およびLivnah等(1996, Science 273:464-471)は、in vivoで完全なアゴニスト活性を有するエリスロポエチン(EPO)受容体に結合する2量体ペプチドを報告した。これらのペプチドは環状で、IL−1受容体アンタゴニストのようにペプチド内にジスルフィド結合を有し、天然のリガンドとはあまり配列同一性が示されなかった。X線結晶解析によって、2個のEPO受容体の2量体化を可能にする非共有ペプチドホモダイマーペプチドが自然に形成されることが明らかになったことは重要である。
WO96/04557は、生物学的標的の活性部位に結合したペプチドおよび抗体の同定を報告しており、その後競合アッセイで使用して生物学的標的に対してアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する小分子が同定された。Renchler等(1994, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:3623-3627)は、ヒトB細胞リンパ腫で設定された細胞死を誘導する抗原結合受容体の合成ペプチドリガンドを報告した。
ごく最近、Cwirla等(1997, Science 276:1696-1698)はヒトトロンボポエチン(TPO)受容体に結合し、天然のTPOリガンドの結合と競合するペプチドの2種類のファミリーの同定を報告した。科学的手段によって2量体化したとき親和性の最も高いペプチドは、TPO、天然リガンドと同じようにin vivoでアゴニストの能力を有することがわかった。
本発明は、IRまたはIGF−1R活性化に関与する部位を特異的に認識するアミノ酸配列の同定に関する。特異的アミノ酸配列を同定し、IRおよび/またはIGF−1Rに対するアゴニストまたはアンタゴニスト活性を測定した。このような配列は、有効な治療薬として、またはその他のより効果的な治療薬を開発するための導入化合物として開発することができる。さらに、これらの配列はハイスループットスクリーニングで使用して、これらの部位に結合し、インシュリンまたはIGF−1の機能に類似した、または拮抗する小分子を同定し、情報を提供することができる。さらに、本発明によって提供されたペプチド配列を使用して、IRまたはIGF−1Rにおいて元のペプチドの結合および/または活性を増加させるか、そうでなければ調節する配列変種を同定するため使用できる第2のペプチドライブラリーを設計することができる。
本発明の一態様では、IRおよびIGF−1Rの結合および活性特性用に多数のペプチドをスクリーニングした。これらのアミノ酸配列を分析することによって、それ自体、またはアゴニストまたはアンタゴニスト活性を付与されたより大きなアミノ酸配列の核配列として使用できるある種のコンセンサス配列を同定した。各モチーフ群内で同定された様々なペプチドの特異的配列に応じて様々な程度でアゴニストまたはアンタゴニスト活性IRおよび/またはIGF−1Rに結合するいくつかの一般的なアミノ酸配列を開示した。より大きなアミノ酸配列の一部のとき、コンセンサス配列の親和性および/または薬理活性を調節できるアミノ末端またはカルボキシル末端の延長もまた提供する。
IRおよび/またはIGF−1Rに結合する本発明のアミノ酸配列には、
a.X、式中、X、X、XおよびXは芳香族アミノ酸で、Xは極性アミノ酸である(式1、群1、A6モチーフ)、
b.X10111213、式中、XおよびXは芳香族アミノ酸で、X、X、X11およびX12は任意のアミノ酸で、X10およびX13は疎水性アミノ酸である(式2、群3、B6モチーフ)、
c.X1415161718192021、式中、X14およびX17は疎水性アミノ酸で、X15、X16、X18およびX19は任意のアミノ酸で、X20およびX21は芳香族アミノ酸である(式3、逆B6、revB6)。
d.X2223242526272829303132333435363738394041、式中、X22、X25、X28、X29、X30、X33、X34、X35、X36、X37、X38、X40およびX41は任意のアミノ酸で、X35およびX37はIRに結合するための任意のアミノ酸であることが可能で、一方X35は好ましくは疎水性アミノ酸で、X37は好ましくはIGF−1Rに結合するためのグリシンで、アゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する。X23およびX26は、疎水性アミノ酸である。この配列はさらに、好ましくはX25およびX40に少なくとも2個のシステイン残基を含有し、X31およびX32は小アミノ酸である(式4、群7、E8モチーフ)。
e.X4243444546474849505152535455565758596061、式中、X42、X43、X44、X45、X53、X55、X56、X58、X60およびX61は任意のアミノ酸で、X43、X46、X49、X50、X54は疎水性アミノ酸で、X47およびX59は好ましくはシステインで、X48は極性アミノ酸で、X51、X52およびX57は小アミノ酸である(式5、ミニF8モチーフ)。
f.X6263646566676869707172737475767778798081、式中、X62、X65、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X80およびX81は任意のアミノ酸で、X63、X70、X74は疎水性アミノ酸で、X64は極性アミノ酸で、X67およびX75は芳香族アミノ酸で、X72およびX79は好ましくはループを形成できるシステインである(式6、群2、D8モチーフ)。
g.HX8283848586878889909192、式中、X82はプロリンまたはアラニンで、X83は小アミノ酸で、X84はロイシン、セリンまたはトレオニンから選択され、X85は極性アミノ酸で、X86、X88、X89およびX90は任意のアミノ酸で、X87、X91およびX92は脂肪族アミノ酸である(式7)。
h.X104105106107108109110111112113114、式中、X106からX111までの少なくとも1個のアミノ酸、好ましくは2個のアミノ酸は3個のアミノ酸によって分離されたトリプトファンで、X104、X105およびX106の少なくとも1個、およびX112、X113およびX114の少なくとも1個はシステインである(式8)、および
i.配列JBA5、DYKDLCQSWGVRIGWLAGLCPKK(配列番号1541)またはJBA5マイナスFLAG(登録商標)タグおよび末端リジン、LCQSWGVRIGWLAGLCP(配列番号1542)を含むアミノ酸配列(式9)。
j.WX123GYX124WX125126(配列番号1543)、式中、X123はプロリン、グリシン、セリン、アルギニン、アラニンまたはロイシンから選択され、より好ましくはプロリンで、X124は任意のアミノ酸であるが、好ましくは荷電した、または芳香族アミノ酸で、X125は疎水性アミノ酸で、好ましくはロイシンまたはフェニルアラニンで、最も好ましくはロイシンである。X126は任意のアミノ酸であるが、好ましくは小アミノ酸である(式10、群6モチーフ)が含まれる。
一実施形態では、IRの部位に競合的に結合する好ましいアミノ酸配列FYXWF(配列番号1544)(式1、群1、A6モチーフ)を含むペプチドを同定した。驚くべきことに、アミノ酸配列FYXWF(配列番号1544)を含むペプチドは、IRまたはIGF−1Rでアゴニストまたはアンタゴニスト活性を有することができる。
本発明はまた、IRへの結合について互いに、またインシュリンと競合するいくつかのペプチドの能力の違いに基づいて、IR上の少なくとも2個の異なる結合部位(部位1および部位2)を同定する。したがって、本発明はIRまたはIGF−1Rの1個または両方の部位に特異的に結合するアミノ酸配列を提供する。さらに、IRの特異的部位に結合する能力に基づいてアゴニストまたはアンタゴニスト特性を有する特異的アミノ酸配列を提供する。
本発明の他の実施形態では、IRまたはIGF−1Rの1個または複数の部位(たとえば、部位1または部位2)に結合するアミノ酸配列は一緒に共有結合して多価リガンドを形成する。これらの多価リガンドは、複数のIRまたはIGF−1Rと複合体を形成することができる。同一か、または異なるアミノ酸配列は、一緒に共有結合して、ホモ、またはヘテロ複合体を形成する。
本発明の様々な態様では、モノマーサブユニットはそれらのN末端またはC末端で共有結合して、N−N、C−C、N−C、またはC−N結合ダイマーペプチドを形成する。1例では、ダイマーペプチドを使用して同一の対応する部位によって結合した受容体複合体、たとえば、部位1−部位1または部位2−部位2ダイマーを形成する。あるいは、ヘテロダイマーペプチド、たとえば、部位1−部位2または部位2−部位1ダイマーを使用して、1受容体の異なる部位を結合するか、または異なる部位によって受容体複合化を引き起こす。本発明の新規の一態様では、部位2−部位1ダイマーはインシュリンアゴニストとしての用途が見いだされ、一方ある部位1−部位2ダイマーではインシュリンアンタゴニストとしての用途が見いだされる。
様々な実施形態において、本明細書で以下に説明するように、インシュリンアゴニストには部位1−部位1ダイマーペプチド配列S325、S332、S333、S335、S337、S353、S374〜S376、S378、S379、S381、S414、S415およびS418が含まれ、一方その他のインシュリンアゴニストには部位2−部位1ダイマーペプチド配列S455、S457、S458、S467、S468、S471、S499、S510、S518、S519およびS520が含まれる。好ましい一実施形態では、インシュリンアゴニストにはin vitroおよびin vivoアッセイの両方でインシュリン様活性を示すS519ダイマーペプチドの配列が含まれる。
本発明はまた、インシュリンまたはIGF−1の結合特性に類似した化合物を同定するアッセイ法を提供する。このような化合物は細胞を用いるアッセイでインシュリンまたはIGF−1機能のアンタゴニストまたはアゴニストとして作用することが可能である。
本発明はさらに、IRおよび/またはIGF−1Rに結合する化合物を同定するキットを提供する。インシュリン受容体またはIGF−1受容体に結合する治療化合物もまた提供する。
本発明の他の実施形態は、本発明のアミノ酸配列をコードする核酸配列である。この核酸を含有するベクター並びにIRおよび/またはIGF−1Rに結合し、アゴニストまたはアンタゴニスト活性を有するアミノ酸配列をコードする核酸を発現する宿主細胞もまた、本発明の範囲内である。
本発明はまた、IRおよび/またはIGF−1Rの活性部位に結合するアミノ酸配列を提供し、IRまたはIGF−1Rにおいてアゴニストまたはアンタゴニスト活性を与える構造基準を確認することを提供する。
本発明はさらに、IRまたはIGF−1Rにいずれかにおいてアゴニスト、部分的アゴニスト、またはアンタゴニスト活性を有する特異的アミノ酸配列を提供する。このようなアミノ酸配列は、それ自体治療薬として有用な可能性があり、またはIRまたはIGF−1Rにおいてアゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する他の分子、特に小さな有機分子を同定するために使用することが可能である。
さらに、本発明は本発明のアミノ酸配列から得られた構造情報を提供し、これは適切なIR結合部位において所望する活性を有するその他の分子を構築するために使用することが可能である。
図1A〜1O、2A〜2E、3A〜3E、4A〜4I、43A〜43B、44A〜44B:IGF−1Rおよび/またはIRに対するペプチドライブラリーのパンニングによって同定されたアミノ酸配列。このアミノ酸は1文字略号によって示す。バックグラウンドを上回る比は、405nm(E−Tag、IGF−1R、またはIR)でのシグナルを無脂乳の405nmでのシグナルで除することによって決定する。IGF−1R/IR比の比較は、IGF−1Rの比をIRの比によって除することによって決定する。IR/IGF−1Rの比の比較は、IRの比をIGF−1Rの比で除することによって決定する。HITは結合剤を示す。CANDは結合剤候補を示す。LDHは乳酸脱水素酵素への結合を示す(陰性対照)。Sp/Irrは、非特異的結合を上回る特異的結合の比を示す。
各ライブラリーの設計図は、最初に太字で示す。設計図において、記号「X」は任意の位置を示し、下線を引いたアミノ酸はヌクレオチドレベルのドープ位置を示し、その他の位置は一定に保持されている。B6Hライブラリーの他の略号では、「O」はNGYコドンを示し、YはCまたはTで、「J」はRHRコドンで、RはAまたはGで、HはA、CまたはTで、「U」はVVYコドンを示し、VはA、C、またはGで、YはCまたはTである。20E2ライブラリーの「h」は、NTNコドンを示す。
リストに挙げた配列の略号は、以下の通りである。QはTAG終止を、#はTAA終止を、はTGA終止を、及び?は未知のアミノ酸を示す。発現したときWはTGA終止コドンと代替すると考えられる。Q残基は、TAG終止コドンで読み過ごされた翻訳を示す。20CおよびA6Lライブラリーを除いて、全てのライブラリーはリストに挙げた配列のN末端に短いFLAG(登録商標)エピトープDYKD(配列番号1545、Hopp等、1988, Bid/Technology 6:1205-1210)を有し、C末端にAAAGAP(配列番号1546)を有するように設計する。20CおよびA6Lライブラリーは、完全長FLAG(登録商標)エピトープDYKDDDDK(配列番号1547)を有する。
本発明は、インシュリン受容体(IR)および/またはインシュリン様増殖因子受容体(IGF−1R)に結合するモチーフを含むアミノ酸配列に関する。IRおよび/またはIGF−1Rへの結合に加えて、このアミノ酸配列はまた、IRまたはIGF−1Rでアゴニスト、部分的アゴニストまたはアンタゴニスト活性のいずれかを有する。さらに、このアミノ酸配列はIRまたはIGF−1R上の結合部位(部位1または2)を分離するために結合する。
このアミノ酸はアゴニストまたはアンタゴニスト活性の付与に関与する部位でIRまたはIGF−1Rに結合することができるが、天然インシュリンおよびIGF−1配列をベースとしておらず、このような配列との明白な相同性も反映していない。
本発明のアミノ酸配列は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質であることが可能である。本明細書で使用したこれらの用語は、本明細書で述べた本発明の範囲内に含まれる様々なアミノ酸配列の大きさに関して限定されるものと考えてはならない。したがって、本明細書で開示したIRまたはIGF−1R結合モチーフを少なくとも1個を含み、IRまたはIGF−1Rに結合する任意のアミノ酸配列は本発明の範囲内である。好ましい実施形態では、アミノ酸配列はインシュリンまたはIGF−1アゴニストまたはアンタゴニスト活性をもたらす。本発明のアミノ酸配列は、一般的に人工的で、すなわち、天然には生じないペプチド、またはポリペプチドである。本発明で有用なアミノ酸配列は、化学合成、ファージディスプレイ、タンパク質またはポリペプチドの断片への切断、または結合能を有するために十分な長さのアミノ酸配列を形成するか、または得ることができる任意の手段などの様々な手段によって得ることが可能である。
本発明によって提供されたアミノ酸配列は、計画した目的に適した結合をもたらすために十分なIRに対する親和性を持っていなければならない。したがって、治療薬として使用するために、本発明によってもたらされたペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の親和性は、約10−7Mから約10−15Mの間でなければならない。より好ましくは、親和性は10−8Mから約10−12Mである。最も好ましくは、親和性は10−10Mから約10−12Mである。その他のリガンドを同定するための競合結合アッセイの試薬として使用するためには、このアミノ酸配列の受容体に対する親和性は、約10−5Mから約10−12Mの間であることが好ましい。
本発明は、IRまたはIGF−1Rの活性部位に結合するいくつかの異なる結合モチーフについて説明する。結合モチーフは、いくつかの異なるアミノ酸配列の分析、ならびに2000年3月29日出願のBeasley等の国際出願PCT/US00/08528、および2000年3月29日出願のBeasley等の米国出願番号09/538038号といった関連出願に記載されたように、特定の位置のアミノ酸配列で特定のアミノ酸またはアミノ酸の種類が生じる頻度の分析に基づいて同定する。
本発明の範囲にはまた、本明細書で開示した教示に基づいた代替、添加または欠失を含有し、IRまたはIGF−1Rに同様または調節された親和性で結合するアミノ酸配列が含まれる。たとえば、配列タグ(たとえば、FLAG(登録商標)タグ)または1個または複数のリジンなどのアミノ酸を本明細書で詳述したように本発明のペプチド配列に(たとえば、N末端またはC末端に)添加することができる。配列タグは、ペプチド精製またはビオチン化に使用することができる。あるいは、以下に説明した配列タグ(たとえば、FLAG(登録商標)タグ)を含むか、または特定のアミノ酸に対する強い選択性に関与しないアミノ酸残基を含有するコンセンサスモチーフのカルボキシ末端およびアミノ末端に位置するアミノ酸残基は、任意選択で除去して切断型配列をもたらすことが可能である。アミノ酸配列の安定性またはビオチン化を促進するリジンなどのある種のアミノ酸(たとえば、C末端またはN末端残基)は、配列の用途、たとえば、可溶性の、または固相支持体に結合したより大きな配列の一部として配列を発現することに応じて除去することが可能である。
IRまたはIGF−1Rに結合するペプチド、およびこのようなペプチドを同定する方法およびキットは、全体を参考として援用した2000年3月29日出願のBeasley等の国際出願PCT/US00/08528、および2000年3月29日出願のBeasley等の米国出願番号09/538038号に開示されている。
A.コンセンサスモチーフ
以下のモチーフは、IRおよび/またはIGF−1Rに対する結合活性を与えるものとして同定された。
1.X(式1、群1、A6モチーフ)、式中、X、X、XおよびXは芳香族アミノ酸で、好ましくはフェニルアラニンまたはチロシンである。最も好ましくはXおよびXはフェニルアラニンで、Xはチロシンである。Xは小さな極性アミノ酸であってよいが、好ましくはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから選択され、最も好ましくはアスパラギン酸またはグルタミン酸である。Xは、最も好ましくはトリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンで、最も好ましくはトリプトファンである。A6モチーフの特に好ましい実施形態は、FYDWF(配列番号1554)およびFYEWF(配列番号1555)である。A6モチーフは、IGF−1Rでアゴニスト活性を有するが、IRではA6に隣接したアミノ酸の個性に応じてアゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する。図5A参照。
A6モチーフを含み、IRでアゴニスト活性を有するアミノ酸配列には、D117/H2C:FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号:1556);D117/H2マイナス末端リジン:FHENFYDWFVRQVS(配列番号:1557);RP9:GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号:1558);RP9マイナス末端リジン:GSLDESFYDWFERQLG(配列番号:1559);およびS175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号:1560)が含まれるが、これだけに限定されはされない。好ましいRP9配列には、GLADEDFYEWFERQLR(配列番号:1561)、GLADELFYEWFDRQLS(配列番号:1562)、GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号:1563)、GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号:1564)、GFMDESFYEWFERQLR(配列番号:1565)、GFWDESFYAWFERQLR(配列番号:1566)、GFMDESFYAWFERQLR(配列番号:1567)、およびGFWDESFYEWFERQLR(配列番号:1568)が含まれる。群1(式1、A6)アミノ酸配列の非限定的を図1A〜1Oに示す。
2.X10111213(式2、群3、B6モチーフ)で、式中、XおよびXは芳香族アミノ酸で、好ましくはフェニルアラニンまたはチロシンである。最も好ましくは、Xはフェニルアラニンで、Xはチロシンである。X、X、X11およびX12は任意のアミノ酸である。X10およびX13は疎水性アミノ酸で、好ましくはロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファンまたはメチオニンであるが、より好ましいのはロイシンまたはイソロイシンである。X10は、IRに結合するためにはイソロイシンが最も好ましく、IGF−1Rに結合するためにはロイシンが最も好ましい。X13はロイシンが最も好ましい。式2のアミノ酸配列は、IGF−1Rでアンタゴニストとして、IRでアゴニストとして機能することができる。式2モチーフの好ましいコンセンサス配列は、FYXLX1112L(配列番号:1569)、FYXLX1112L(配列番号:1570)、FYXAIX1112L(配列番号:1571)、およびFYXYFX1112L(配列番号:1572)である。
本発明で使用するための他の式2モチーフには、FYXYFX1112L(配列番号1573)が含まれ、以下の式2A(「NNRP」)、X115116117118FYXYFX1112LX119120121122(配列番号1574)として示され、式中、X115〜X118およびX118〜X122は、IRまたはIGF−1Rへの結合を可能にする任意のアミノ酸であることが可能である。X115は、トリプトファン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびアルギニンから成る群から選択することが好ましい。アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、およびアルギニンはより好ましい。トリプトファンは最も好ましい。トリプトファンが好ましいのは、クローンにおける存在がランダム代替で期待される頻度よりも3から5倍高いことに基づき、一方、アスパラギン酸、グルタミン酸およびアルギニンは、ランダム代替で期待される代替よりも約2倍の頻度で存在する。
116は、アスパラギン酸、ヒスチジン、グリシン、およびアスパラギンから成る群から選択されることが好ましい。X117およびX118はグリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、またはアラニンが好ましい。より好ましくはX117はグリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸およびアスパラギンで、一方、X118はグリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸またはアラニンがより好ましい。Xは、式2Aモチーフに存在するときは、アルギニン、グリシン、グルタミン酸、またはセリンが好ましい。X11は、式2Aモチーフに存在するときは、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、またはトリプトファンが好ましいが、最も好ましいのはグルタミン酸である。X12は、式2Aモチーフに存在するときは、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、リジンまたはグルタミンが好ましいが、最も好ましいのはアスパラギン酸である。X119はグルタミン酸、グリシン、グルタミン、アスパラギン酸またはアラニンが好ましいが、最も好ましいのはグルタミン酸である。X120は、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシンまたはグルタミンが好ましいが、最も好ましいのはグルタミン酸である。X121は、トリプトファン、チロシン、グルタミン酸、フェニルアラニン、ヒスチジン、またはアスパラギン酸が好ましいが、最も好ましいのはトリプトファンまたはチロシンである。X122はグルタミン酸、アスパラギン酸またはグリシンが好ましいが、最も好ましいのはグルタミン酸である。好ましいアミノ酸残基は、ランダム現象で期待されるものよりも2倍を上回るクローンでの頻度に基づいて同定されるが、一方、より好ましい配列は期待される頻度の約3〜5倍で生じる。
3.X1415161718192021(式3、逆向きB6、revB6)、式中、X14およびX17は疎水性アミノ酸で、X14、X17はロイシン、イソロイシン、およびバリンが好ましく、最も好ましいのはロイシンである。X15、X16、X18およびX19は任意のアミノ酸であることが可能で、X20は芳香族アミノ酸で、好ましくはチロシンまたはヒスチジンであるが、最も好ましいのはチロシンである。X21は芳香族アミノ酸であるが、好ましくはフェニルアラニンまたはチロシンで、最も好ましいのはフェニルアラニンである。IGF−1R結合性リガンドとして使用するために、X18に非常に好ましいのは芳香族アミノ酸である。
4.X2223242526272829303132333435363738394041(式4、群7、F8モチーフ)で、式中、X22、X25、X26、X28、X29、X30、X33、X34、X35、X36、X37、X38、X40およびX41は任意のアミノ酸である。X35およびX37はF8モチーフをIR結合性リガンドまたはIR結合性リガンドの成分として使用するときは任意のアミノ酸であってよいが、IGF−1R結合性リガンドとして使用するときはグリシンがX37に非常に好ましく、疎水性アミノ酸、特にロイシンはX35に好ましい。X23は、疎水性アミノ酸である。メチオニン、バリン、ロイシンまたはイソロイシンは、X23に好ましいアミノ酸であるが、IGF−1R結合性リガンドの調製に最も好ましいロイシンは、IR結合性リガンドの調製に特に好ましい。少なくとも1個のシステインがX24からX27に位置し、もう1個がX39またはX40に位置する。システインが一緒になって、システイン架橋結合を形成して、ループアミノ酸配列を作ることができる。さらに、2個のシステイン残基の間に14個のアミノ酸が入ることが好ましく、IGF−1RまたはIRに対する結合を維持するならば、その他の間隔もまた使用することが可能である。したがって、システインがその他の位置を占めるならば、X24およびX39の位置のシステインをその他のアミノ酸で代替することが可能である。
一実施形態では、たとえば、X24の位置のシステインは、X27の位置にあってもよく、X39の位置のシステインが維持されているならば、小さなループを形成するだろう。これらの小さなループペプチドは、以下の式5として本明細書で説明する。X27は、任意の極性アミノ酸であるが、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン酸、アスパラギンから、または前記のシステインで述べたように選択することが好ましい。X27の位置にグルタミン酸が存在するとIRへの結合が減少するが、IGF−1Rへの結合に対する影響は少ない。X31は任意の芳香族アミノ酸であり、X32は任意の小アミノ酸である。IGF−1Rへの結合には、グリシンまたはセリンがX31の位置に好ましいが、トリプトファンがIRへの結合に非常に好ましい。X32の位置では、グリシンがIGF−1RとIRへの結合両方に好ましい。X36は芳香族アミノ酸である。F8の好ましいコンセンサス配列は、X22LCX2526EX282930WGX333435363738CX4041(配列番号1575)で、一方アミノ酸は前記で定義した通りである。より好ましいF8配列は、HLCVLEELFWGASLFGYCSG(「F8」、配列番号1576)である。F8配列モチーフを含むアミノ酸配列は、IGF−1RよりもむしろIRに結合する。図2A〜2Eに、式4アミノ酸配列の非限定的例を挙げる。
5.X4243444546474849505152535455565758596061(式5、ミニF8モチーフ)で、式中、X42、X43、X44、X45、X53、X55、X56、X58、X60およびX61は任意のアミノ酸である。X43、X46、X49、X50、X54は疎水性アミノ酸であるが、X43およびX46はロイシンが好ましく、一方X50はフェニルアラニンまたはチロシンが好ましいが、最も好ましいのはフェニルアラニンである。X47およびX59はシステインである。X48は極性アミノ酸が好ましく、すなわち、アスパラギン酸またはグルタミン酸であるが、最も好ましいのはグルタミン酸である。54の位置に小アミノ酸を使用するとIGF−1Rへの特異性が現れる可能性がある。X51、X52およびX57は小アミノ酸で、好ましくはグリシンである。ミニF8に好ましいコンセンサス配列は、X42434445LCEX49FGGX53545556GX58CX6061(配列番号1577)である。式5の配列を含むアミノ酸配列は、IGF−1RまたはIRに好んで結合する。
6.X6263646566676869707172737475767778798081(式6、群2、D8モチーフ)であって、式中、X62、X65、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X80およびX81は任意のアミノ酸であってよい。X66はまた、任意のアミノ酸であってよいが、グルタミン酸であることが非常に好ましい。X66をグルタミンまたはバリンと代替すると、結合が弱まる恐れがある。X63、X70およびX74は疎水性アミノ酸である。X63はロイシン、イソロイシン、メチオニン、またはバリンが好ましいが、最も好ましいのはロイシンである。X70およびX74は、バリン、イソロイシン、ロイシン、またはメチオニンが好ましい。X74はバリンが最も好ましい。X64は極性アミノ酸で、より好ましいのはアスパラギン酸またはグルタミン酸で、最も好ましいのはグルタミン酸である。X67およびX75は芳香族アミノ酸である。一方トリプトファンはX67に非常に好ましく、X75はチロシンまたはトリプトファンが好ましいが、最も好ましいのはチロシンである。X72およびX79は、やはりループを形成すると考えられるシステインで、この位置のアミノ酸は、アミノ酸配列のシステインを移すことによって調節することが可能である。
2、3個のD8配列のみがバックグラウンドを上回ってIGF−1Rに結合できることが検出されたので、D8はIRに選択的に結合するアミノ酸配列として最も有用である。IRに対する結合に好ましい配列は、X62LX646566WX68697071CX737475767778CX8081(配列番号1578)である。このモチーフを含む特異的ペプチド配列の例には、D8:KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号1579)およびD8マイナス末端リジン:KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号1580)が含まれる。好ましいD8モノマー配列には、SLEEEWAQIQCEIYGRGCRY(配列番号1581)およびSLEEEWAQIQCEIWGRGCRY(配列番号1582)が含まれる。好ましいD8ダイマー配列には、SLEEEWAQIECEVYGRGCPS(配列番号1583)およびSLEEEWAQIECEVWGRGCPS(配列番号1584)が含まれる。群2(式6、D8)アミノ酸配列の非限定的例を図3A〜3Eに示す。
7.HX8283848586878889909192(式7)、式中、X82はプロリンまたはアラニンであるが、最も好ましいのはプロリンである。X83は小アミノ酸で、プロリン、セリンまたはトレオニンがより好ましく、プロリンが最も好ましい。X84はロイシン、セリンまたはトレオニンから選択されるが、最も好ましいのはロイシンである。X85は極性アミノ酸で、グルタミン酸、セリン、リジンまたはアスパラギンが好ましく、セリンがより好ましい。X86は任意のアミノ酸であってよいが、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、またはグルタミンなどの極性アミノ酸が好ましい。X87は脂肪族アミノ酸で、ロイシン、メチオニンまたはイソロイシンが好ましく、ロイシンが最も好ましい。アミノ酸X88、X89およびX90は任意のアミノ酸であってよい。X91は脂肪族アミノ酸であるが、X92のようにロイシンが非常に好ましい。フェニルアラニンも、位置92に使用してよい。式7の好ましいコンセンサス配列は、HPPLSX86LX888990LL(配列番号1585)である。式7のモチーフは、IRに結合するが、IGF−1Rにはほとんど、または全く結合しない。
8.他の配列は、X104105106107108109110111112113114(式8)で、X106からX111までの少なくとも1個のアミノ酸、好ましくは2個のアミノ酸はトリプトファンである11個のアミノ酸を含む。さらに、2個のトリプトファンアミノ酸は、3個のアミノ酸によって分離された配列に存在するとき、好ましくはプロリン、トレオニンおよびチロシンの順番で、プロリンはアミノ末端のトリプトファンに隣接していることが好ましい。したがって、X107108109110111の最も好ましい配列はWPTYW(配列番号1586)である。アミノ末端の3個のアミノ酸(X104、X105、X106)の少なくとも1個、およびX107〜X111にすぐ隣接したカルボキシ末端(X112、X113、X114)の少なくとも1個のアミノ酸はシステイン残基が好ましく、それぞれX105およびX113が最も好ましい。理論に捕われることなく、ループ構造が形成できるようにシステイン間の間隔をとることが好ましい。X104およびX114はいずれも、たとえばアラニンおよびグリシンなどの小アミノ酸である。X104はアラニンで、X114はグリシンであることが最も好ましい。X105は任意のアミノ酸であってよいが、好ましくはバリンである。X112はアスパラギンが好ましい。したがって、最も好ましい配列は、ACVWPTYWNCG(配列番号1587)である。
9.JBA5、DYKDLCQSWGVRIGWLAGLCPKK(配列番号1541)、または末端リジンのないJBA5、LCQSWGVRIGWLAGLCP(配列番号1542)(式9)を含むアミノ酸配列。式9のモチーフは、IRおよびIGF−1Rの両方にアゴニスト活性を有するシステインループを形成すると考えられている他のモチーフである。IR結合はELISAによって検出できないが、式9のIRへの結合は、インシュリンと競合し、アゴニスト性である。
10.WX123GYX124WX125126(配列番号1543)(式10、群6)、式中、X123はプロリン、グリシン、セリン、アルギニン、アラニンまたはロイシンから選択されるが、より好ましくはプロリンで、X124は任意のアミノ酸であるが、好ましくは荷電した、または芳香族アミノ酸で、X125は疎水性アミノ酸で、好ましくはロイシンまたはフェニルアラニンで、最も好ましくはロイシンである。X126は任意のアミノ酸であるが、好ましくは小アミノ酸である。本発明の一実施形態では、式10、群6モチーフはWPGY(配列番号1588)である。このモチーフを含む特異的ペプチド配列の例には、E8:KVRGFQGGTVWPGYEWLRNAAKK(配列番号1589)およびE8マイナス末端リジン:KVRGFQGGTVWPGYEWLRNAA(配列番号1590)が含まれる。好ましい群6配列には、WAGYEWF(配列番号1591)、WEGYEWL(配列番号1592)、WAGYEWL(配列番号1593)、WEGYEWF(配列番号1594)、およびDSDWAGYEWFEEQLD(配列番号1595)が含まれる。群6アミノ酸配列の非限定的例を図4A〜4Bに示す。
代表的な群1(式1、A6)、群2(式6、D8)、および群6(式10)および群7(式4、F8)アミノ酸配列のIRおよびIGF−1R結合活性を図8および9A〜9Bに要約する。群1(式1、A6)アミノ酸配列には、コンセンサス配列FyxWF(配列番号1596)が含まれ、一般的に細胞を用いるアッセイでアゴニストである。群2(式6、D8)アミノ酸配列は、コンセンサス配列VYGR(配列番号1597)およびそれぞれ2個のシステイン残基を有する2個の内部配列から成る。したがって、群2ペプチドはジスルフィド結合で架橋した環状ペプチドを形成することができる。これらのコンセンサス配列はいずれも、成熟インシュリンとアミノ酸2個または3個以上の有意な直線的配列類似性を示さない。群7(式4、F8)のアミノ酸配列は、有意な配列相同性がない2個の代表的な内部配列から成るが、13〜14残基離れた2個のシステイン残基を有し、したがってジスルフィド架橋によって固定される長いループを有する環状ペプチドを形成することができる。
B.アミノ末端およびカルボキシル末端の延長はモチーフの活性を調節する
前述したモチーフに加えて、本発明はまた、IR、IGF−1Rのいずれか、またはその両方へのモチーフの結合を促進することができるアミノ末端またはカルボキシ末端に好ましい配列を提供する。さらに、以下に説明する延長の使用は、IR、IGF−1R、またはその両方への結合を可能にするその他の代替、添加または欠失を有するモチーフの使用の可能性を排除しない。
1.式1
任意のアミノ酸は、A6のアミノ末端を延長するために使用してよいが、アミノ末端の延長部で、活性を調節するある種のアミノ酸を同定することができる。A6に好ましいカルボキシ末端の延長は、A6−X9394959697で、式中、X93は任意のアミノ酸であってよいが、好ましくはアラニン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、およびアルギニンから成る群から選択することが好ましく、X94およびX97は任意のアミノ酸で、X95はグルタミン、グルタミン酸、アラニンまたはリジンであることが好ましいが、最も好ましいのはグルタミンである。しかし、X95にグルタミン酸が存在するといくらかのIR選択性がもたらされることが可能である。さらに、X95の位置にアスパラギンまたはアスパラギン酸を有する配列を得ることができないので、IRおよびIGF−1Rへの十分な結合を維持または促進するためにはこれらのアミノ酸を避けるべきであることが示唆される。X96は疎水性または脂肪族アミノ酸であることが好ましく、ロイシン、イソロイシン、バリン、またはトリプトファンであることがより好ましいが、ロイシンが最も好ましい。X96に疎水性残基、特にトリプトファンを使用してIR選択性を増強することが可能である。
2.式2
アミノ末端およびカルボキシ末端の延長を有するB6は、X9899−B6−X100で表すことができる。X98は任意選択でアスパラギンであり、X99は独立してグリシン、グルタミン、およびプロリンから成る群から選択したアミノ酸である。X98のアスパラギン酸およびX99のプロリンの存在は、IRおよびIGF−1Rの両方への結合の増強に関係する。疎水性アミノ酸は、X100のアミノ酸に好ましく、脂肪族アミノ酸はより好ましい。IRに最も好ましいのはロイシンで、IGF−1Rにはバリンである。負に荷電したアミノ酸は、式2Aのアミノ末端およびカルボキシ末端の両方に好ましい。
3.式3
式3のアミノ末端の延長は、X101102103−revB6と定義され、式中、X103は疎水性アミノ酸、好ましくはロイシン、イソロイシンまたはバリンであり、X102およびX101は好ましくは極性アミノ酸であり、より好ましくはアスパラギン酸またはグルタミン酸であり、IRおよびIGF−1Rへの結合を促進するために有用となり得る。式3のカルボキシ末端のアミノ酸に好ましいものは明らかではない。
4.式10
好ましい一実施形態では、式10の配列WX123GYX124WX125126(配列番号1543)には配列DSDを含むアミノ末端の延長および/または配列EQLD(配列番号1598)を含むカルボキシ末端が含まれ得る。
C.IR結合選択性
前述したように、本発明のモチーフを含むアミノ酸配列は、モチーフの特定またはそれらに隣接する領域の特定の位置に適切なアミノ酸を選択することによって、IRまたはIGF−1Rのいずれかに対する選択性を高めるように構築することができる。IRまたはIGF−1Rに好ましいアミノ酸を提供することによって、本発明は非同族受容体での活性を最小限に抑えるアミノ酸配列を構築する手段を提供する。たとえば、IRに対する親和性および活性が高く、IGF−1Rに対する親和性および活性が低い本明細書で開示したアミノ酸配列は、所望しない細胞増殖、IGF−1アゴニストの活性を促進する傾向が減少しているのでIRアゴニストとして望ましい。特異的配列のIGF−1R結合親和性に対するIR結合親和性の比を図1A〜1O、2A〜2E、3A〜3E、4A〜4I、44A〜44Bに挙げる。インシュリン治療薬としては、IR/IGF−1R結合親和性比は、100以上が好ましい。反対に、IGF−1R治療薬として使用するためには、IR/IGF−1R比は、0.01未満であるべきである。選択的にIGF−1Rに結合するペプチドの例を以下に示す。
Figure 2005517741
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IRまたはIGF−1Rへの相対的結合の他に、同族受容体への相対的効果もまた有効な治療薬を選択するために重要な考慮点である。したがって、IRで効果的であるが、IGF−1Rではほとんど、またはあまり顕著な活性を有さない配列はまた、IRおよびIGF−1Rでの相対的結合親和性にかかわりなく、重要なIR治療薬と見なすことができる。たとえば、IRに対するA6の選択性は、位置X95のカルボキシル末端の延長にグルタミン酸を含めることによって増強することができる。B6モチーフのIR選択性は、X11にトリプトファンまたはフェニルアラニンを有することによって増強することが可能である。X13のトリプトファンはまた、IRの選択性を支持する。X13のトリプトファンアミノ酸はまた、この位置のロイシンよりもIRの選択性を増強するために使用することが可能である。逆向きB6モチーフでは、X15の大きなアミノ酸がIR選択性を支持する。逆に、小さなアミノ酸はIGF−1Rへの選択性を与えることが可能である。F8モチーフでは、X23の位置のLは、IR結合に本質的に欠かせない。さらに、X31のトリプトファンはまた、非常に好ましい。X32では、グリシンはIR選択性に好ましい。
D.IRおよびIGF−1Rの複数の結合部位
本明細書で開示した競合データによって、少なくとも2個の別々の結合部位がIRおよびIGF−1R上に存在し、本発明によって提供した異なる配列モチーフを認識することが明らかになった。
図6に示したように、競合データによって、A6モチーフを含むペプチドはIR上の同一部位(部位1)に競合して結合し、一方D8モチーフは第2の部位(部位2)に競合することが示される。IRおよびIGF−1R上の別々の結合部位に結合するペプチドを同定することによって、その活性を増大または減少させるIRまたはIGF−1Rへの様々な結合機構がもたらされる。IRへのこのような機構の例を図7に例示する。
以下の表に、部位1または部位2に結合する、群に基づいた配列を示す。
Figure 2005517741
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**パンニングデータ全体の分析に基づいて、それぞれの位置のアミノ酸選択性を計算してこれらの「理想的な」ペプチドを定めた。合成し、現在精製中のペプチド。〜 計画中のペプチド。
本発明の様々な態様において、部位1モチーフを含むアミノ酸配列は、IRの部位1またはIGF−1Rの部位1に結合することが可能である。同様に、部位2モチーフを含むアミノ酸配列は、IRの部位2またはIGF−1Rの部位2に結合することが可能である。しかし、特異的ペプチドはIGF−1RよりもIRに対して高い結合親和性を示すことが可能で、一方その他のペプチドはIRよりもIGF−1Rに対して高い親和性を示すことが可能である。さらに、IRの部位1および部位2は干渉せず、すなわち、部位1結合配列はIRで部位2結合配列と競合しない。対照的に、IGF−1Rの部位1および部位2はいくらか干渉し、アロステリック効果が示唆された。これらの態様を以下に説明した実施例に例示する。
E.多価リガンド
本発明は、IRおよびIGF−1Rの異なる部位に優先的に結合するリガンドを提供する。A6アミノ酸配列モチーフによって、IRの部位1に対する結合がもたらされる(図6)。D8アミノ酸配列モチーフによって、IRの部位2に対する結合がもたらされる(図6)。したがって、多重体リガンドを、本発明に従って、アミノ酸配列を共有結合することによって調製してもよい。多価リガンドに対して意図する目的に応じて、同一または異なる部位に結合するアミノ酸配列を一緒にして単一分子を形成することが可能である。多価リガンドを異なる受容体の同一の対応する部位、または受容体の異なるサブユニットに結合するように構築する場合、受容体に結合するリガンドのアミノ酸配列は同一または異なっていることが可能で、異なるアミノ酸配列を使用するとしても、いずれも同一部位に結合する。
多価リガンドは、別々に個々の部位に結合するアミノ酸配列を発現させ、次に一緒に共有結合させるか、または内部に結合するための特異的アミノ酸配列の組み合わせを含む単一アミノ酸配列として多価リガンドを発現させるかによって調製することが可能である。
アミノ酸配列を様々に組み合わせて一緒にして、特異的な所望する特性を備えた多価リガンドを生成することが可能である。したがって、アゴニストはアゴニストと一緒にすることが可能で、アンタゴニストはアンタゴニストと一緒にすることが可能で、アゴニストをアンタゴニストと一緒にすることも可能である。同一部位に結合するアミノ酸配列を一緒にして、多価リガンドを形成すると、複数の受容体単位と一緒に架橋できる分子を生成するために有用となり得る。多価リガンドはまた、異なる部位に結合するアミノ酸配列を一緒にするように構築することが可能である(図7)。
本明細書でIRまたはIGF−1Rでアゴニスト特性を有するモノマーを開示した発見に関して、多価リガンドの調製は、単一分子上の複数結合部位の存在によってより望ましい薬物動態学的特性を有するリガンドを調製するために有用である。さらに、異なる部位に異なる親和性で結合するアミノ酸を組み合わせることによって、全体の能力およびIRまたはIGF−1Rへのリガンドの親和性を調節する手段がもたらされる。
1.ハイブリッドの構築
一実施形態では、少なくとも2個のペプチドのハイブリッド(たとえば、ダイマーペプチド)を任意の適切な発現系において発現する組換え融合タンパク質として生成することが可能である。これらのポリペプチドは、リガンド結合配列の他のアミノ酸配列を含有する融合構築体、あるいはシグナル配列またはリガンド結合に関係のないその他の配列を除去した切断タンパク質として受容体に結合する。融合タンパク質の精製を容易にする配列はまた、構築体の一部として発現することが可能である。このような配列は、任意選択でその後除去して、成熟結合性リガンドを生成することが可能である。組換え体の発現によってまた、大量のリガンドを生成する手段がもたらされる。さらに、組換え体の発現を使用して、組み合わせの異なるアミノ酸配列を発現させ、これらの組み合わせの方向、すなわちアミノ末端からカルボシル末端への方向を調節することが可能である。
以下の一実施形態では(図28)、MBP−FLAG(登録商標)−PEPTIDE−(GGS)(配列番号1777)−PEPTIDE−E−TAG、ペプチドダイマーを生成する融合構築体には、マルトース結合性タンパク質アミノ酸配列(MBP)または発現したペプチド配列のアフィニティークロマトグラフィー精製を可能にするために有用な同様の配列が含まれる。次に、この様な精製を容易にする配列にFLAG(登録商標)を結合させて、最初の配列を除去する切断部位を提供することが可能である。次に、介在リンカーを含むダイマーが生じ、タグ配列をカルボキシル末端部分に含めて、ペプチド発現の同定/精製を容易にすることが可能である。前記に示した代表的構築体において、GおよびSはグリシンおよびセリン残基で、リンカー配列を形成する。非限定的例として、nは1、2、3または4で、それぞれ3、6、9および12個のアミノ酸のリンカー配列を生じることができる。
組換えタンパク質発現によるダイマーペプチドの生成に加えて、ダイマーペプチドはまたペプチド合成によって生成することが可能で、それによってMerrifield合成(Merrifield, 1997)などの合成技術を使用して完全なペプチドを構築することができる。
ダイマーペプチドを構築するその他の方法には、ペプチドの末端を活性化して、したがって第2のペプチドと共有結合できるリンカー分子を導入することが含まれる。このようなリンカーの例には、オキシアミノ基で活性化したジアミノプロピオン酸が含まれるが、それだけに限定されない。好ましいリンカーは、式O=CH−(CH−CH=Oを有するジアルデヒドで、式中、nは少なくとも2から6であるが、好ましくは6で、長さが約25から30オングストロームのリンカーが生成される。その他の好ましいリンカーを表3に示す。たとえば、リンカーはカルボキシル末端またはアミノ末端のいずれかでモノマーに結合して、ダイマーペプチドを形成することが可能である。また、成分を逆転させることができ、すなわち、結合するペプチドに、N末端セリンの過ヨウ素酸ナトリウムによる酸化、またはその他の隣接した水酸基またはアミノ基の酸化のいずれかによってアルデヒド基を備えることができ、リンカーには(たとえば、ポリエチレングリコールリンカーの末端に)2個のオキシアミノ基または還元アミノ化によって結合したアミノ基を含めることができる。
特定の実施形態では、部位1−部位2および部位2−部位1方向が可能である。さらに、N−末端からN−末端(N−N)、C−末端からC−末端(C−C)、N−末端からC−末端(N−C)、およびC−末端からN−末端(C−N)結合が可能である。したがって、ペプチドの方向は、部位1から部位2、または部位2から部位1が可能で、N−末端とN−末端、C−末端とC−末端、N−末端とC−末端、またはC−末端とN−末端を結合することが可能である。場合によっては、特定の方向は、その他のために、たとえば最大限のアゴニストまたはアンタゴニスト活性に好ましい可能性がある。
予期せぬ驚くべき結果として、モノマーサブユニットの方向および結合は2量体活性を劇的に調節することを発見した(以下の実施例参照)。特に、ある種の部位1/部位2ヘテロダイマー配列は、構成要素モノマーサブユニットの方向および結合に応じてIRでアゴニストまたはアンタゴニスト活性を示す。たとえば、部位1−部位2方向(C−N結合)、たとえばS453ヘテロダイマーは、IRでアンタゴニスト活性を示す(図18A、表7)。対照的に、部位2−部位1方向(C−N結合)、たとえばS455ヘテロダイマーは、IRでアゴニスト活性を示す可能性がある(図18D、表7)。同様に、部位1−部位2(C−N結合)ヘテロダイマー、たとえば、S425およびS459は、IRでアンタゴニスト活性を示すが(表7)、一方部位1−部位2(C−CまたはN−N結合)ヘテロダイマー、たとえばS432〜S438、S454およびS456はアゴニスト活性を示す(表7)。
組換え遺伝子発現によって、または従来の化学的結合技術によって生成して、様々なアミノ酸配列を様々な長さのリンカーによって結合することができる。結合した配列を組換えによって、約4オングストロームの平均アミノ酸鎖長に基づいて発現する場合、2個のアミノ酸配列を連結するリンカーは一般的に約12から約48Åに対応する約3個から約12個の範囲のアミノ酸である。したがって、結合する配列の間の好ましい距離は、約2から約50Åである。より好ましくは4から約40である。アミノ酸配列の間のリンカーの柔軟性の程度は、リンカーを構築するために使用するアミノ酸の選択によって調節することができる。グリシンとセリンの組み合わせは、柔軟で、比較的非制限的なリンカーの生成に有用である。より堅いリンカーは、結合配列内により複雑な側鎖を有するアミノ酸を使用して構築することができる。
2.特異的ダイマーの特性決定
いずれもIRの同一部位に対して高い親和性で結合するモノマーサブユニット(たとえば、ホモ二量体)、またはIRの異なる部位に結合するモノマーサブユニット(たとえば、ヘテロ量体)を含む特異的ダイマーを本明細書で開示する。
その他のペプチドの組み合わせ本発明の範囲内で、本明細書で説明した実施例で示したように測定することが可能である。
F.ペプチド合成
分子生物学、タンパク質化学および免疫学における多くの従来技術を使用して本発明によるアミノ酸配列を生成することが可能である。本発明には、図1〜4、8および9および表7に示された、特に添加(たとえば、リンカーまたはスペーサー配列)、欠失、調節または修飾を含まない特異的配列が含まれる。本発明にはさらに、他の配列、調節配列、およびそれらの機能的断片を含む変種が含まれる。好ましい実施形態では、アミノ酸配列変種または断片は、参照配列の少なくとも1つの機能特性(たとえば、結合、アゴニスト、またはアンタゴニスト活性)を備えている。たとえば、変種ペプチドには、遺伝子操作した変異種が含まれ、適用の図および表に示したアミノ酸配列とは1個または複数のアミノ酸残基の添加、欠失、または代替によって異なることが可能である。調節は、参照アミノ酸配列のアミノ末端またはカルボキシ末端の位置、またはそれらの末端の間のいかなる位置においても、参照配列のアミノ酸の間に独立して点在するか、または参照配列内に1個または複数の連続した基で生じることが可能である。さらに、変種には、本発明に従って合成または天然には生じないアミノ酸を含めることが可能である。
アミノ酸配列変種は保存性の変化を有することが可能で、代替アミノ酸は同一の構造または化学的特性を備えており、たとえばロイシンはイソロイシンと代替されている。滅多に起こらないが、ペプチド変種は非保存性の変化を有することが可能で、たとえばグリシンはトリプトファンと代替される。どのアミノ酸残基が結合または生物学的活性を失わずに代替、挿入または欠失することができるかを決定する指針は、当業界で周知のコンピュータプログラム、たとえばDNASTARソフトウェア(DNASTAR、Inc.、Madison、WI)を使用して見いだすことができる。指針はまた、本明細書で開示したデータによって作成される。特に、図1〜4、8、9、43、44および表7は、特にアミノ酸配列のIRまたはIGF−1Rに関する機能(たとえば、結合、アゴニスト、またはアンタゴニスト活性)を維持しながら、どのアミノ酸残基が削除、添加、代替または調節できるかを教示する。
本発明の目的として、アミノ酸を以下の群に分ける。アルコール基を有するアミノ酸はセリン(S)およびトレオニン(T)である。脂肪族アミノ酸はイソロイシン(I)、ロイシン(L)、バリン(V)およびメチオニン(M)である。芳香族アミノ酸は、フェニルアラニン(F)、ヒスチジン(H)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)である。疎水性アミノ酸はアラニン(A)、システイン(C)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)である。陰性アミノ酸は、アスパラギン酸(D)およびグルタミン酸(E)である。以下のアミノ酸、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、ヒスチジン(H)、リジン(K)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、セリン(S)、およびトレオニン(T)は極性アミノ酸である。陽性アミノ酸は、ヒスチジン(H)、リジン(K)、およびアルギニン(R)である。小アミノ酸は、アラニン(A)、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、グリシン(G)、アスパラギン(N)、プロリン(P)、セリン(S)、トレオニン(T)、およびバリン(V)である。非常に小さいアミノ酸は、アラニン(A)、グリシン(G)およびセリン(S)である。折り返し形成に関与するらしいアミノ酸は、アラニン(A)、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、リジン(K)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アルギニン(R)、セリン(S)、プロリン(P)、およびトレオニン(T)である。非限定的例として、これら定義された群それぞれのアミノ酸は、前述の式で互いに保存的代替として代替することが可能で、本明細書で説明した特異的選択に含められる。
前記の定義された基に示されたものよりも保存性の乏しい代替基を選択することによって、実質的に機能を変化させることができる。たとえば、調節領域におけるペプチド構造、たとえばアルファへリックス、またはベータシート構造、標的部位の分子の電荷または疎水性、または側鎖の嵩の大きさにさらに著しい影響を与える非保存的代替を行うことができる。一般的にペプチドの特性に最も大きな変化をもたらすことが予測される代替は、1)親水性残基、たとえばセリルまたはトレオニルを疎水性残基、たとえばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリル、またはアラニルによって代替すること、2)システインまたはプロリンを任意の他の残基と(または、によって)代替すること、3)正に帯電した側鎖を有する残基、たとえばリジル、アルギニル、またはヒスチジルを負に帯電した残基、たとえばグルタミルまたはアスパルチルと代替すること、または4)嵩のある側鎖を有する残基、たとえばフェニルアラニンを側鎖のない残基、たとえばグリシンと代替することである。
アミノ酸選択性はある種のペプチドまたは本発明のペプチド群のために同定された。たとえば、RP9、D8、および群6(式10)ペプチドに好ましいアミノ酸を以下の表17〜19に示す。
1個または複数の残基が調節した(すなわち、リン酸化、硫酸化、アシル化、PEG化など)アミノ酸配列および1個または複数の調節残基を含む変異体はまた、変種に含まれる。アミノ酸配列はまた、放射性同位元素、蛍光、および酵素標識を含めるが、それだけに限定はされない直接的または間接的に検出可能なシグナルを提供することができる標識で調節することが可能である。蛍光標識には、たとえば、Cy3、Cy5、Alexa、BODIPY、フルオレセイン(たとえば、FluorX、DTAF、およびFITC)、ローダミン(たとえば、TRITC)、オーラミン、テキサスレッド、AMCAブルー、およびルシファーイエローが含まれる。好ましい同位体標識には、H、14C、32P、35S、36Cl、51Cr、57Co、58Co、59Fe、90Y、125I、131Iおよび186Reが含まれる。好ましい酵素標識には、ペルオキシダーゼ、β−グルクロニダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼとペルオキシダーゼ、およびアルカリホスファターゼ(米国特許第3654090号、第3850752号および4016043号を参照のこと)が含まれる。酵素は、カルボジイミド、ジイソシアネート、グルタルアルデヒドなどの分子架橋反応によって結合することができる。酵素標識は、視覚によって検出するか、または熱量計、分光光度計、蛍光光度計、電流測定、またはガス計量によって測定することができる。アビジン/ビオチン、チラミドシグナル増幅(TSA(商標))などのその他の標識系は当業界で公知で、市販されている(たとえば、ABCキット、Vector Laboratories、Inc.、Burlingame、CA、NEN(登録商標)Life Science Products、Inc.、Boston、MAを参照)。
1.ペプチドの組換え合成
組換えペプチドを得るために、これらのペプチドをコードするDNA配列を、当業界で周知の方法(Sambrook等、1989を参照)によって無傷宿主細胞または無細胞翻訳系で発現させるための任意の適切なベクターにクローニングすることが可能である。ベクター、宿主、または翻訳系の特定の選択は、本発明の実施に重要ではない。
細菌、酵母および哺乳類ベクターを含めた多数のベクターが様々な宿主細胞または無細胞系における複製および/または発現のために報告されており、遺伝子治療並びに簡単なクローニングまたはタンパク質発現のために使用することが可能である。本発明の一態様では、発現ベクターには、本明細書で説明したような少なくとも1個の制御配列に操作可能に結合したIRまたはIGF−1Rアゴニストまたはアンタゴニストペプチドをコードする核酸が含まれる。制御配列は当業界では公知で、適切な宿主細胞で所望するタンパク質を直接発現するために選択される。したがって、制御配列という用語には、プロモーター、エンハンサーおよびその他の発現制御因子が含まれる(D.V. Goeddel (1990) Methods Enzymol. 185:3-7参照)。エンハンサーおよびその他の発現制御配列は、Enhancers and Eukaryotic Gene Expression, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, NY (1983)に記載されている。発現ベクターの設計は形質移入する宿主細胞および/または発現を所望するペプチドの種類の選択などの要素に左右され得ることを理解されたい。
いくつかの制御因子(たとえば、プロモーター)は単離されており、様々な宿主における異種タンパク質の転写および翻訳に効果的であることが示された。このような制御領域、単離方法、操作方法などは、当業界で公知である。細菌プロモーターの非限定的例には、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)プロモーター、ラクトースプロモーター、トリプトファン(trp)プロモーター、araBAD(アラビノース)オペロンプロモーター、ラムダ由来PプロモーターおよびN遺伝子リボース結合部位、およびtrpおよびlacUV5プロモーターの配列から得られたハイブリッドtacプロモーターが含まれる。酵母プロモーターの非限定的例には、3−ホスホグリセレートキナーゼプロモーター、グリセルアルデヒド−3−ホスフェート脱水素酵素(GAPDH)プロモーター、ガラクトキナーゼ(GAL1)プロモーター、ガラクトエピメラーゼプロモーター、およびアルコール脱水素酵素(ADH1)プロモーターが含まれる。哺乳類細胞の適切なプロモーターには、ウイルスプロモーター、たとえば、シミアンウイルス40(SV40)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、アデノウイルス(ADV)、および牛パピローマウイルス(BPV)のプロモーターが含まれるが、限定はされない。好ましい複製および遺伝系には、M13、ColE1、SV40、バキュロウイルス、ラムダ、アデノウイルス、CEN ARS、2μm ARSなどが含まれる。発現ベクターは独自に複製することが可能であるが、宿主細胞のゲノムに挿入することによってまた、当業界で周知の方法で複製することが可能である。
真核細胞で発現を行うために、遺伝子発現を調節するターミネーター配列、ポリアデニル化配列、およびエンハンサー配列が必要とされ得る。遺伝子の増幅を引き起こす配列もまた、所望され得る。さらに、細菌、酵母および動物細胞を含めるが、それだけに限定されない細胞からの組換え生成物の分泌を容易にする配列、たとえば、分泌シグナル配列および/またはタンパク質前駆体またはタンパク質前駆体配列もまた、含めることが可能である。これらの配列は、当業界でよく報告されている。DNA配列は、所望するならば、所与の宿主生物または発現系でより効果的に発現するために、最適化することができる。たとえば、コドンを調節して、所与の宿主細胞または無細胞翻訳系で良く確立された技術を使用して好ましいコドン利用に順応させることができる。
コドン使用データは、入手可能な公開情報源、たとえば、http:/www.kazusa.or.jp/codon/のCodon Usage Databaseから得ることができる。さらに、コドン選択性にしたがってヌクレオチド配列情報にアミノ酸配列情報を翻訳するコンピュータプログラム(すなわち、バックトランスレーションプログラム)は広く入手できる。たとえば、Genetics Computer Group (GCG), Accelrys, Inc., Madison, WIのバックトランスレートプログラムおよびEntelechon GmbH, Regensburg, ドイツのバックトランスレーションアプレットを参照のこと。したがって、本命書で開示したペプチド配列を使用して、当業者は翻訳系または選択した宿主細胞で最適な発現濃度をもたらす核酸を設計することができる。
発現ベクターおよびクローニングベクターには、選択マーカー、ベクターで形質転換された宿主細胞の生存または増殖に必要なタンパク質をコードする遺伝子が含まれるようである。この遺伝子が存在することによって、挿入部分を発現する宿主細胞のみの増殖が保証される。一般的な選択遺伝子は、1)抗生物質またはその他の毒性物質、たとえばアンピシリン、ネオマイシン、メソトレキセートなどに対する耐性を与えるタンパク質、2)栄養要求性欠乏を補足するタンパク質、または3)天然培地から得られない重要な栄養素を供給するタンパク質をコードし、たとえば桿菌用にD−アラニンラセミ化酵素をコードする遺伝子である。マーカーは、誘導性または非誘導性遺伝子であってよく、一般的に正の選択を可能にする。マーカーの非限定的例には、アンピシリン耐性マーカー(すなわち、ベータ−ラクタマーゼ)、テトラサイクリン耐性マーカー、ネオマイシン/カナマイシン耐性マーカー(すなわち、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ)、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、グルタミン合成酵素などが含まれる。適切な選択マーカーの選択は宿主細胞に依存し、様々な宿主に適切なマーカーは当業者に理解されている。
本発明で使用するための適切な発現ベクターには、pUC、pBluescript(Stratagene)、pET(Novagen、Inc.、Madison、WI)およびpREP(Invitrogen)プラスミドが含まれるが、それだけに限定されない。ベクターは、クローニングまたは発現のための1種または複数の複製遺伝系、宿主で選択するための1種または複数のマーカー、たとえば抗生物質耐性、および1種または複数の発現カセットを含むことができる。挿入するコード配列は、標準的方法によって合成したり、天然の材料から単離したり、またはハイブリッドとして調製することができる。確立された方法を使用して、コード配列を転写調節因子(たとえば、プロモーター、エンハンサー、および/またはインスレーター)および/またはその他のアミノ酸をコードする配列に連結することを実施できる。
本発明で使用するために適切な無細胞発現系には、ウサギ網状赤血球溶解物、コムギ胚芽抽出物、イヌ膵臓ミクロソーム膜、E.coli S30抽出物、および共役転写/翻訳系(Promega Corp.、Madison、WI)が含まれるが、それだけに限定はされない。これらの系は、クローニングベクター、タンパク質コード領域および適切なプロモーター要素を含有するDNA断片またはRNA配列を添加して、組換えペプチドの発現を可能にする。
適切な宿主細胞の非限定的例には、細菌、古細菌(archea)、昆虫、菌類(たとえば、酵母)、植物、および動物細胞(たとえば、哺乳類、特にヒト)が含まれる。特に関心が持たれるのは、Escherichia coli、Bacillus subtilis、Saccharomyces cerevisiae、SF9細胞、C129細胞、293細胞、Neurosporaおよび不死化哺乳類骨髄細胞株およびリンパ球細胞株である。培養して哺乳類細胞を増殖させる技術は周知である(Jakoby and Pastan (著), 1979, Cell Culture. Methods in Enzymology, volume 58, Academic Press, Inc., Harcourt Brace Jovanovich, NY参照)。通常使用される哺乳類宿主細胞株の例は、VEROおよびHeLa細胞、CHO細胞、およびWI38、BHK、およびCOS細胞株であるが、その他の細胞株、たとえば発現性が高いか、またはその他の特性をもたらすものを使用できることは当業者であれば理解されよう。
宿主細胞は、エレクトロポレーション;塩化カルシウム、塩化リチウム、酢酸リチウム/ポリエチレングリコール、リン酸カルシウム、DEAE−デキストラン、リポソームを各々媒介とするDNA取り込み、スフェロプラスト、注入、微量注入、微粒子銃、ファージ感染、ウイルス感染、またはその他の確立された方法を含む任意の適切な方法によって適切に形質転換、形質移入、または感染することができる。あるいは、関心のある核酸を含有するベクターをin vitroで転写して、得られたRNAを周知の方法、たとえば注入によって宿主細胞に導入することができる(Kubo等、1988, FEBS Letts. 241:119参照)。前述の核酸を導入した細胞は、このような細胞の後代にもまた含んでいることを意味する。
本発明のペプチドをコードする核酸は、本明細書で説明した組換えファージライブラリー(たとえば、RAPIDLIB(登録商標)またはGRABLIB(登録商標)ライブラリー)から直接単離することが可能である。あるいは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を使用して、鋳型として組換えファージライブラリーを用いて本発明の核酸を生成することができる。PCRで使用したプライマーは、本明細書で提供した配列情報を使用して合成することができ、さらに所望するならば、適切な新規制限部位を導入して、組換え発現用の所与のベクターへの取り込みが容易になるように設計することができる。
本発明のペプチドをコードする核酸はまた、化学合成、たとえばBeaucage等、1981, Tetra. Letts. 22:1859-1862で記載されたホスホラミダイト法、またはMatteucci等、1981, J. Am. Chem. Soc., 103:3185によるトリエステル法によって生成することができ、市販の、自動オリゴヌクレオチド合成機で実施することができる。2本鎖断片は、相補鎖を合成して適切な条件下で一緒に鎖をアニーリングするか、またはDNAポリメラーゼと適切なプライマー配列を使用して相補鎖を添加することによって、化学合成1本鎖生成物から得ることができる。
本発明のペプチドをコードする核酸は、適切な宿主細胞で複製することによって大量に生成することができる。所望するアミノ酸配列をコードする少なくとも10個の隣接した塩基を含む天然または合成核酸断片を、原核細胞または真核細胞に導入して複製することができる組換え核酸構築体、通常DNA構築体に取り込ませることができる。通常、核酸構築体は、単細胞宿主、たとえば酵母または細菌での複製に適しているが、(ゲノムに組み込む、組み込まないにかかわらず)培養した哺乳類または植物または真核細胞、細胞株、組織、または生物への導入もまた目的とすることができる。本発明の方法によって生成した核酸の精製については、たとえば、Sambrook等、1989; F.M. Ausubel等、1992, Current Protocols in Molecular Biology, J. Wiley and Sons, New York, NYに記載されている。
これらの核酸は、ペプチドの変種または切断型ならびに特に図1〜4、8および9および表7に示した参照ペプチドをコードすることができる。ベクターまたはその他の発現媒体の核酸またはそれらの部分を適合する原核または真核宿主細胞で発現させることによって、本発明の核酸およびペプチドを大量に調製することができる。もっともよく使用される原核宿主は、Escherichia coli種であるが、その他の原核細胞、たとえばBacillus subtilisまたはPseudomonasもまた使用することができる。哺乳類またはその他の真核宿主細胞、たとえば酵母、糸状菌、植物、昆虫、または両生類または鳥類もまた、本発明のタンパク質の産生に使用することができる。たとえば、昆虫細胞系(すなわち、鱗翅類宿主細胞及びバキュロウイルス発現ベクター)は、大規模タンパク質生成に特に適している。
発現ベクターを有する宿主細胞(すなわち、形質転換体またはクローン)は、ベクター構築体の様式に応じたマーカー使用して選択される。このマーカーは、同一または異なるDNA分子、好ましくは同一のDNA分子に存在することが可能である。原核細胞宿主では、形質転換体は、たとえば、アンピシリン、テトラサイクリンまたはその他の抗生物質に対する耐性によって選択することができる。温度感受性に基づいた特定の生成物の産生はまた、適切なマーカーであり得る。
目的によっては、ペプチドに精製を容易にする他の配列(たとえば、エピトープまたはタンパク質)タグを含めて、組換え系でペプチドを生成することが好ましい。エピトープタグの非限定的例には、c−myc、赤血球凝集素(HA)、ポリヒスチジン(6X−HIS)(配列番号1778)、GLU−GLU、およびDYKDDDDK(配列番号1779)またはDYKD(配列番号1545、FLAG(登録商標))エピトープタグが含まれる。タンパク質タグの非限定的例には、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、緑色蛍光タンパク質(GFP)、およびマルトース結合性タンパク質(MBP)が含まれる。1つの取り組みとして、関心のある配列タグを備えた融合物を生成するベクターにペプチドのコード配列をクローニングすることができる。適切なベクターには、pRSET(Invitrogen Corp.、San Diego、CA)、pGEX(Amersham Pharmacia Biotech、Inc.、Piscataway、NJ)、pEGFP(CLONTECH Laboratories、Inc.、Palo Alto、CA)およびpMAL(商標)(New England BioLabs、Inc.、Beverly、MA)プラスミドが含まれるが、それだけには限定されない。発現後、エピトープまたはタンパク質タグの付いたペプチドは、適切な固相マトリックスのクロマトグラフィーによって翻訳系または宿主細胞の粗溶解物から精製することができる。場合によっては、精製後エピトープまたはタンパク質タグを(すなわち、プロテアーゼ切断によって)除去することが好ましい可能性がある。
細胞または細胞外溶解物などの原料から直接ペプチドを精製する方法は当業界では周知である(Harris and Angal, 1989参照)。このような方法には、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、調製用ディスクゲル電気泳動、等電点電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、逆相HPLC、ゲル濾過、イオン交換および分配クロマトグラフィー、向流分配、およびそれらの組み合わせが含まれるが、それだけに限定はされない。ペプチドは、多くの原料となり得るもの、たとえば、哺乳類、トリ、魚、および昆虫原料を含めたヒトまたは動物から得られた血漿、体組織、または体液溶解物から精製することが可能である。
抗体をベースとした方法もまた、ペプチドの精製に使用することができる。それらから得られたこれらのペプチドまたは断片を認識する抗体を生成し、単離することができる。次に、ペプチドを粗溶解物から抗体結合固相マトリックスのクロマトグラフィーによって精製することができる(Harlow and Lane, 1998参照)。
2.ペプチドの化学合成
あるいは、排他的固相合成、部分的固相合成、断片縮合または古典的な溶液合成を含めるが、それだけに限定されない市販の自動化方法によってペプチドを化学的に合成することができる。ペプチドは、たとえばMerrifield(1965、1997)によって記載されたような固相ペプチド合成によって調製することが好ましい。
当業界で公知の方法では、ペプチドは排他的固相合成、部分的固相合成、断片縮合または古典的な溶液合成を含めるが、それだけに限定されない市販の自動化方法によって化学的に合成することができる。さらに、組換え方法およびペプチド産生合成方法を組み合わせて、半合成ペプチドを生成することができる。本発明のペプチドは、Merrifield, 1963, J. Am. Chem. Soc. 85:2149; 1997によって記載された固相ペプチド合成によって調製することが好ましい。一実施形態では、アルファ−アミノ末端を保護したアミノ酸で合成を実施する。不安定な側鎖を有する3官能性アミノ酸はまた、適切な基で保護して、ペプチドの組み立ての間に生じる望ましくない化学反応を防御する。アルファ−アミノ保護基はその後の反応をアミノ末端に行うために選択的に除去する。アルファ−アミノ保護基の除去条件は、側鎖保護基を除去しない。
アルファ−アミノ保護基は、当業界の段階的ペプチド合成に有用であることが知られているものである。アシル型保護基、たとえば、ホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル、芳香族ウレタン型保護基、たとえば、ベンジルカルボニル(Cbz)、代替ベンジルオキシカルボニルおよび9−フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)、脂肪族ウレタン保護基、たとえば、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、およびアルキル型保護基、たとえば、ベンジル、トリフェニルメチルが含まれる。好ましい保護基はBocである。Tyrの側鎖保護基には、テトラヒドロピラニル、tert−ブチル、トリチル、ベンジル、Cbz、4−Br−Cbzおよび2,6−ジクロロベンジルが含まれる。Tyrの好ましい側鎖保護基は、2,6−ジクロロベンジルである。Aspの側鎖保護基には、ベンジル、2,6−ジクロロベンジル、メチル、エチル、およびシクロヘキシルが含まれる。Aspの好ましい側鎖保護基は、シクロヘキシルである。ThrおよびSerの側鎖保護基には、アセチル、ベンゾイル、トリチル、テトラヒドロピラニル、ベンジル、2,6−ジクロロベンジルおよびCbzが含まれる。ThrおよびSerの好ましい保護基はベンジルである。Argの側鎖保護基は、ニトロ、Tos、Cbz、アダマンチルオキシカルボニルおよびBocが含まれる。Argの好ましい保護基はTosである。Lysの側鎖保護基には、Cbz、2−Cl−Cbz、TosまたはBocが含まれる。2−Cl−Cbzは、Lysの好ましい保護基である。
選択された側鎖保護基は、結合の間は無傷のままで、アミノ末端保護基の脱保護中または結合条件中に除去されない。側鎖保護基はまた、最終ペプチドを調節しない反応条件を使用して、合成完了時に除去可能でなければならない。
固相合成は、通常適切な固相支持体にアルファ−アミノ保護(側鎖保護)アミノ酸を結合することによってカルボキシ末端で実施する。エステル結合は、クロロメチルまたはヒドロキシメチル樹脂に結合させるときに形成され、得られたペプチドはC末端に遊離のカルボキシル基を有する。あるいは、ベンズヒドリルアミンまたはp−メチルベンズヒドリルアミン樹脂を使用するとき、アミド結合が形成され、得られたペプチドはC末端にカルボキシアミド基を有する。これらの樹脂は市販されており、その調製はStewart等、1984, Solid Phase Peptide Synthesis (2nd Edition), Pierce Chemical Co., Rockford, ILに記載されている。
必要であれば側鎖およびアルファ−アミノ基を保護したC末端アミノ酸を、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピル−カルボジイミドおよびカルボニルジイミダゾールを含めた様々な活性剤を使用してベンズヒドリルアミン樹脂に結合する。樹脂支持体へ結合した後、アルファ−アミノ保護基は、ジオキサン中でトリフルオロ酢酸(TFA)またはHClを使用して0と25℃との間で除去する。メチオニン導入後ジメチルスルフィドをTFAに添加して、S−アルキル化の可能性を抑える。アルファ−アミノ保護基を除去した後、残存する保護アミノ酸を必要な順番で段階的に結合させて所望する配列を得る。様々な活性化剤を、DCC,N,N’−ジイソプロピル−カルボジイミド、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサ−フルオロホスフェート(BOP)およびDCC−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を含めた結合試薬に使用することができる。各保護アミノ酸を過剰に使用して(>2.0等量)、結合は通常N−メチルピロリドン(NMP)またはDMF、CHClまたはそれらの混合物中で実施する。結合反応の完了の範囲は、それぞれの段階で、たとえば、Kaiser等、1970, Anal. Biochem. 34:595によって記載されたようなニンヒドリン反応によってモニターする。不完全な結合が見いだされた場合、結合反応を繰り返す。結合反応は、市販の器具で自動的に実施することができる。
所望するペプチドを完全に組み合わせた後、ペプチド樹脂を液体HFなどの試薬で0℃で1〜2時間切断して、ペプチドを樹脂から切断して、側鎖保護基全てを除去する。通常アニソールなどの捕捉剤を液体HFと共に使用して、切断中に形成される陽イオンをペプチドに存在するアミノ酸残基のアルキル化から防御する。ペプチド樹脂は、所望するならば切断前にTFA/ジチオエタンで脱保護することができる。
固相支持体上の側鎖と側鎖の環化には、酸性アミノ酸(たとえば、Asp)および塩基性アミノ酸(たとえば、Lys)の側鎖官能基の選択的切断を可能にする直交保護機構を使用する必要がある。Aspの側鎖用の9−フルオロメチル(Fm)保護基およびLysの側鎖用の9−フルオロメチルオキシカルボニル(Fmoc)保護基をこの目的のために使用することができる。これらの場合、Boc−保護ペプチド樹脂の側鎖保護基をDMFに溶かしたピペリジンで選択的に除去する。環化は、DCC、DCC/HOBt、またはBOPを含めた様々な活性化剤を使用して固相支持体上で実施する。HF反応は、前述したような環化ペプチド樹脂上で実施する。
3.ペプチドライブラリー
本発明に従って作製し、スクリーニングしたペプチドライブラリーはIRおよびIGF−1Rの新規リガンドを提供するために有用である。ペプチドライブラリーは、本明細書で詳述した方法および当業界で一般的に使用可能な方法にしたがって設計してパンニングすることができる(Dower等の1998年3月3日出願米国特許第5723286号参照)。一態様では、市販のファージディスプレイライブラリーを使用することができる(たとえば、RAPIDLIB(登録商標)またはGRABLIB(登録商標)、DGI BioTechnologies、Inc.、Edison、NJ、Ph.D.C7C Disulfide Constrained Peptide Library、New England Biolabs)。他の態様では、オリゴヌクレオチドライブラリーは当業界で公知の方法にしたがって調製することができ、ペプチド発現用に適切なベクターに挿入することができる。たとえば、バクテリオファージ構造タンパク質をコードするベクター、好ましくは接触可能なファージタンパク質、たとえばバクテリオファージ外殻タンパク質を使用することができる。当業者は、本発明で様々なバクテリオファージを使用できることを理解するであろうが、好ましい実施形態では、ベクターは線状バクテリオファージ、たとえば、f1、fd、Pf1、M13であるか、それらから得られたものである。特に、fd−tetベクターは、文献で詳しく説明されている(たとえば、Zacher等、1980, Gene 9:127-140; Smith等、1985, Science 228:1315-1317; Parmley and Smith, 1988, Gene 73:305-318参照)。
ファージベクターは、バクテリオファージ構造タンパク質をコードする遺伝子の5’領域に位置するクローニング部位を含有するように選択、または含有するように構築し、したがってペプチドは以下に説明したように親和性に富んだ方法で受容体に接近することができる。構造ファージタンパク質は、外殻タンパク質が好ましい。適切な外殻タンパク質の例はpIIIである。適切なベクターは、ペプチドを成熟外殻タンパク質のN末端からアミノ酸残基約100個またはそれ以内の距離で発現するように、ペプチドをコードするオリゴヌクレオチド配列の定方向クローニングを行うことが可能である。外殻タンパク質は、一般的にリーダー配列を有するタンパク質前駆体として発現する。
したがって、加工したバクテリオファージ外部タンパク質のN末端がペプチドの最初の残基であるように、すなわち、リーダータンパク質をコードする配列の3’末端と成熟タンパク質をコードする配列の5’末端または5’末端の一部との間であるように、オリゴヌクレオチドライブラリーを挿入することが好ましい。ライブラリーは、ライブラリー要素の様々な領域(および以下に説明したような任意のスペーサー)を含有するオリゴヌクレオチドを選択したクローニング部位にクローニングすることによって構築する。公知の組換えDNA技術を使用して(Sambrook等、1989, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2d ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1989参照)、特に、1)望ましくない制限部位を除去し、所望する制限部位を添加し、2)除去した配列の正確な部分(たとえば、正確なシグナルペプチダーゼ部位)を再構築し、3)もしあるならばスペーサー残基を挿入し、かつ/または4)(必要であれば)翻訳フレームを修正して活性のある感染性のファージを生成するオリゴヌクレオチドを構築する。
オリゴヌクレオチドの中心部分は、一般的に1個または複数のIRおよび/またはIGF−1R結合配列、および任意選択で、スペーサー配列を含有する。この配列は最終的に、組み立てたバクテリオファージ粒子の外部の接触可能な表面上において、成熟した外郭タンパク質のN末端と融合した、または内部にある(スペーサーを有するか、または有さない)ペプチドとして発現する。ライブラリーの大きさは、可変コドンの数にしたがって変化し、したがって、所望するペプチドの大きさも変化する。一般的に、ライブラリーの構成要素は、少なくとも約10、通常は少なくとも10で、一般的に10以上である。無作為なアミノ酸集団をコードする一連のコドンを形成し、最終的にベクターにクローニングするオリゴヌクレオチド集団を作製するために、(NNK)(式中、NはA、C、GまたはTであり(名目上は等モルである))、KはGまたはT(名目上は等モルである)であり、xは一般的に約5、6、7、8またはそれ以上である)などのコドンモチーフを使用し、それによってペンタ、ヘキサ、ヘプタ、およびオクタペプチド、またはそれより大きいペプチドを生成する。したがって、NNKまたはNNSは1)全てのアミノ酸をコードし、2)1つの終止コドンだけをコードし、3)コドン偏奇を6:1から3:1に減少させる。
より長いペプチドでは、作製したライブラリーの大きさはクローニング過程において制約される可能性があることを理解されたい。適切な組換えベクターにおいて無作為に作製したオリゴヌクレオチド混合物からペプチドを発現させることは、当業界では公知である(Oliphant等、Gene 44:177-183参照)。たとえば、コドンモチーフ(NNK)は32個のコドンを生成し、1個は12個のアミノ酸それぞれのため、3個は5個のアミノ酸それぞれのため、3個は3個のアミノ酸それぞれのためであり、1個は(アンバー)終止コドンである。このモチーフ方法は、標準的オリゴヌクレオチド合成方法で使用できるくらい公平にコドン分配を行うことができるが、1コドン残基を含有するペプチドに対して偏りを引き起こす。特に、ヘキサコドンの完全な集合体はたった1コドンアミノ酸からなるペプチドそれぞれをコードする配列を1個であるが、たった3コドンのアミノ酸についてペプチドそれぞれをコードする配列は729(3)個ある。
1コドン残基に対する偏りを最小限に抑える他の試みには、20個の活性化トリヌクレオチドの合成が含まれ、それぞれは20個の遺伝子的にコードされたアミノ酸の1つのコドンを表す。これらは、通常の手段によって合成され、塩基および5−OH−保護基を維持しながら支持体から除去され、モノヌクレオシドの活性化に使用した方法によって(一般的に、McBride and Caruthers, 1983, Tetrahedron Letters 22:245参照)(b−シアノエチル基によってリン酸を保護して)3’O−ホスホルアミダイトを添加することによって活性化する。縮重オリゴヌクレオチドは、基礎単位としてこれらのトリマーを使用して調製する。トリマーを所望するモル比で混合して、合成機に投入する。比は通常ほぼ等モルであるが、縮合したオリゴヌクレオチド集合体によってコードされたある種のアミノ酸の過剰、または過小発現を行うために、等しくない比に制御することが可能である。オリゴコドンを形成するためのトリマーの縮重は、基礎単位として活性化モノヌクレオシドを使用した従来の合成の説明と本質的に同じように実施する(たとえば、Atkinson and Smith, 1984, Oligonucleotide Synthesis, M.J. Gait, Ed., p. 35-82参照)。この方法によって、可能性のあるペプチド配列を等しい配分で(または、制御した等しくない分配で)コードすることができるクローニング用オリゴヌクレオチド集団が作製される。有利なことに、(NNK)モチーフによって生じる偏りの範囲は、追加されるアミノ酸残基毎に3倍増加するので、この方法をより長いペプチド配列の作製に使用することができる。
前記で定義したようにコドンモチーフが(NNK)であるとき、またxは8と等しいとき、可能なペプチドは2.6x1010個である。オクタペプチドのほとんどを含有するライブラリーは、作製することが困難な可能性がある。したがって、オクタペプチドのサンプリングは、可能性のある配列の約10%までを使用したサブセットライブラリーを構築することによって実施することができ、その後組換えバクテリオファージ粒子のサブセットをスクリーニングする。所望するならば、サブセットライブラリーの多様性を拡大するために、回収されたファージサブセットに突然変異誘発を行い、次に次の段階のスクリーニングを行うことが可能である。この突然変異誘発段階は、2つの一般的方法で実施することができる。回収されたファージの可変領域を突然変異させるか、または最初の可変配列に隣接した領域に他の可変アミノ酸を添加することが可能である。
初回のパンニングで見いだされた活性ペプチド(すなわち、結合剤)の周りを多様化するために、陽性ファージを配列決定して活性ペプチドの正体を決定することができる。次に、これらのペプチド配列に基づいてオリゴヌクレオチドを合成することができる。主要なオリゴヌクレオチド配列にわずかな調節をもたらすために、各段階で取り込む塩基全ての濃度を低くして、合成を実施する。次に、この(少し)縮重したオリゴヌクレオチドの混合物を当業界で公知の方法によってアフィニティーファージにクローニングすることができる。この方法によって、第2ライブラリーの一部として計画的に制御して調節した開始ペプチド配列が生成する。しかし、個々の陽性ファージを突然変異前に配列決定することが必要で、したがって小数の回収されたファージの多様性を拡大するために有用である。
選択ファージを多様にするその他の取り組みによって、回収されたファージの集団、またはサブセットの突然変異誘発が可能になる。この取り組みに従って、パンニングによって回収されたファージを集め、1本鎖DNAを単離する。たとえば、亜硝酸、蟻酸またはヒドラジンで処理することによってDNAを突然変異させる。これらの処理によって、様々な損傷をDNAにもたらす。次に、損傷を受けたDNAを逆転写酵素でコピーして、損傷部位に遭遇すると間違って塩基が取り込まれる。次に、ペプチドコード配列に隣接する部位に特異的な制限酵素で切断することによって、受容体結合性ペプチドをコードする配列を含有する部分を単離する。次に、この突然変異部分を損傷を受けていないベクターDNAに再クローニングして、このDNAを細胞に形質転換して、公知の方法に従って第2ライブラリーを作る。一般的な突然変異誘発方法は当業界で公知である(Myers等、1985, Nucl. Acids Res. 13:3131-3145; Myers等、1985, Science 229:242-246; Myers, 1989, Current Protocols in Molecular Biology Vol. l, 8.3.1-8.3.6, F. Ausubel等著、J. Wiley and Sons, New York参照)。
他の一般的取り組みでは、活性であることが見いだされたペプチドへのアミノ酸の添加は、様々な方法を使用して実施することができる。1つには、初期パンニングで選択されたペプチドの配列を個々に決定して、決定された配列に取り込まれ、縮重した配列に隣接した新規オリゴヌクレオチドを合成する。次に、これらをクローニングして第2ライブラリーを作製する。あるいは、ペプチドを有するファージ集団に第2のIRまたはIGF−1R結合配列を添加する方法を使用することができる。一方法に従って、制限部位を第1IRまたはIGF−1R結合配列の隣に挿入する。この酵素は、その認識配列の外側を切断することが好ましい。認識部位は最初の結合配列から塩基数個分離れていてよい。第2のIRまたはIGF−1R結合配列を挿入するために、ファージDNAの集団を消化して、クレノウフラグメントでオーバーハングを充填することによって平滑末端にする。次に、2本鎖の、平滑末端の縮重合成オリゴヌクレオチドをこの部位に連結して、第1結合配列に並置した第2結合配列を生成する。次に、この第2ライブラリーを増幅して、前記のようにスクリーニングする。
場合によっては、ある種の受容体に結合するより長いペプチドを合成することが適切であり得るが、その他の場合では、スペーサー(たとえば、リンカー)残基によって分離された2個以上のIRまたはIGF−1R結合配列を有するペプチドを提供することが望ましい可能性がある。たとえば、結合配列は、ペプチド領域を異なる方法で受容体に提示させるスペーサーによって分離することが可能である。結合領域の間の距離は、1残基と少なくてもよく、少なくとも2〜20残基で、あるいは少なくとも100残基までであることが可能である。好ましいスペーサーの長さは、3、6、9、12、15または18残基である。大きな結合部位または直列型結合部位(たとえば、IRの部位1および部位2)を探査するために、結合領域を20個から30個までのアミノ酸残基のスペーサーによって分離することが可能である。存在するとき、スペーサー残基の数は、一般的には少なくとも2残基で、20残基未満であることも多い。
オリゴヌクレオチドライブラリーは、スペーサー(たとえば、リンカー)によって分離された結合配列を有することが可能で、したがって式(NKK)−(abc)−(NNK)によって表すことが可能で、式中、NおよびKは以前定義したとおりであり(以前定義したようにSはKで代替できることに注意されたい)、y+zは約5、6、7、8またはそれ以上に等しく、a、bおよびcはスペーサーアミノ酸をコードするコドンを含む同一または異なるヌクレオチドを表し、nは約3、6、9または12個まで、またはそれ以上のアミノ酸である。スペーサー残基は多少柔軟性があり、たとえば、オリゴ−グリシン、またはオリゴ−グリシン−グリシン−セリンを含み、ファージタンパク質に結合することによって比較的制約されない大きな結合部位の部位と相互反応する能力を備えたライブラリーの異なるドメインをもたらす。固いスペーサー、たとえば、オリゴ−プロリンはまた、別々に挿入するか、またはグリシンスペーサーを含めたその他のスペーサーと組み合わせることが可能である。互いに近接したIRまたはIGF−1R結合配列を有し、互いに結合配列を向き合わせるスペーサーを使用して、たとえば、配列グリシン−プロリン−グリシンのスペーサーによってもたらされように、2個の配列の間の折り返しを使用することが望ましい。このような折り返しを安定化するために、それぞれの可変領域の片端または両端にシステイン残基を添加することが望ましいか、または必要である可能性がある。システイン残基は、その後ジスルフィド結合を形成し、ループ内に一緒に可変領域を保持し、このようにしてまた、環状ペプチドに類似させることが可能である。もちろん、当業者は環化のために様々な他の種類の共有結合もまた使用できることを理解するであろう。
前述のようなスペーサー残基はまた、IRまたはIGF−1R結合配列の片端または両端に配置することが可能である。たとえば、ペプチドの両端にシステイン残基を備えることによって、介在スペーサーのない環状ペプチドを設計することができる。前述のように、柔軟性のあるスペーサー、たとえば、オリゴ−グリシンは、ペプチドと選択した受容体との相互作用を容易にすることが可能である。あるいは、固いスペーサーは、ペプチドをまるで固いアームの末端に存在するようにさせることが可能で、残基、たとえばプロリン残基の数は、アームの長さだけでなく、ペプチドをアームに入れる方向もまた決定する。荷電した、および/または非荷電の親水性アミノ酸(たとえば、Thr、His、Asn、Gln、Arg、Glu、Asp、Met、Lysなど)によって構成された親水性スペーサー、または疎水性アミノ酸(たとえば、Phe、Leu、Ile、Gly、Val、Alaなど)の疎水性スペーサーを使用して、ペプチドを様々な局所環境で受容体結合部位に提示することが可能である。
注目すべきことは、いくつかのペプチドは、大きさおよび/または配列のために、キャリアファージの感染性に重大な欠陥を引き起こす可能性がある。これは、各回のパンニングの後の再感染および増幅の間に、集団からファージが失われる原因となる。感染性の欠陥に伴う問題を最小限に抑えるために、溶出したファージから調製したDNAを適切な宿主細胞、たとえば、E.coliに好ましくはエレクトロポレーション(たとえば、Dower等、 Nucl. Acids Res. 16:6127-6145)または周知の化学的手段によって形質転換することができる。細胞は、マーカーが発現するために十分な期間培養し、選択はDNA形質転換で一般的に行われるように適用する。コロニーを増幅して、確立した方法に従って親和性濃縮のためにファージを収穫する。親和性濃縮で同定されたファージを宿主細胞に感染させて再度増幅することが可能である。適切な抗生物質、たとえば、テトラサイクリンまたはアンピシリンで増殖させることによって、うまくいった形質転換体を選択する。これは、固体または液体増殖培地で実施することができる。
固体培地での増殖では、細胞は高密度で、たとえば、選択的抗生物質を含有するL−寒天の大きな表面上に増殖し(m当たり約10から10個の形質転換体)、本質的に集密地を形成する。細胞および押し出されたファージは、表面から掻き取って、ファージは初回のパンニングのために調製する(Parmley and Smith, 1988, Gene 73:305-318参照)。液体培地での増殖では、細胞はL−ブロスおよび抗生物質中で約10倍以上の倍加で増殖することができる(Sambrook等、1989, Molecular Cloning, 2nd ed参照)。液体培地における増殖は、ライブラリーの大きさのためにより便利で、一方固体培地での増殖は、増幅過程中に生じる偏りの機会が少ない。
所望するクローンの親和性濃縮のために、一般的に約10から10個のライブラリー等価物(ライブラリー等価物は各組換え体の1つである、構成要素10個のライブラリーの10個の等価物は、10x10=1013ファージである)、一般的に少なくとも10個のライブラリー等価物、約10から10個までを所望するペプチドを探し出す受容体(またはその一部)と共にインキュベートする。受容体は、親和性濃縮機構に適したいくつかの形態の1つである。1実施例では、受容体を粒子表面上に固定し、次に一般的に当業界で公知の方法に従ってペプチドを有するファージライブラリーを固定受容体上でパンニングする。他の機構では、受容体を認識可能なリガンドに結合させる(つなぎ鎖を介して結合することが可能である)。このようなリガンドの特異的な例は、ビオチンである。受容体は、調節されているので、ファージライブラリーとインキュベートすると、溶液中の量反応物との結合が生じる。次に、得られた複合体をビオチン部分によってストレプトアビジンに結合させる。ストレプトアビジンをプラスティックプレート上または粒子上に固定することが可能で、この場合、複合体(ファージ/ペプチド/受容体/ビオチン/ストレプトアビジン)は物理的に維持される。または、ストレプトアビジンをたとえば蛍光体で標識して、検出のため、および/または蛍光活性化セルソータなどの分類方法による単離のために活性化ファージ/ペプチドにタグを付けることが可能である。
非特異的相互反応によってIRまたはIGF−1Rに結合したファージは、洗浄によって除去する。必要な洗浄の程度および厳密性は、関心のある受容体/ペプチドそれぞれについて決定する。結合インキュベーションおよびその後の洗浄条件を調節することによって、回収されたペプチドの結合特性にある程度の制御を行うことができる。温度、pH、イオン強度、2価陽イオン濃度、および洗浄量および期間は、受容体に対するペプチドの親和性が特定の範囲内になるように選択する。ゆっくりした解離速度に基づいて選択することは、通常高い親和性が予測され、最も実際的な方法である。これは、飽和量の遊離リガンドの存在下でインキュベーションを継続すること、または量、数、および洗浄の長さを増加することにのいずれかによって実施することが可能である。それぞれの場合において、解離したペプチド−ファージの再結合を回避し、時間を長くすると、ますます高い親和性のペプチド−ファージが回収される。特定の条件下で受容体を結合するペプチドを見いだすために、結合および洗浄方法をさらなる調節を適用すること可能である。受容体分子に対していくらかの親和性および特異性をもたらすペプチド配列がわかったら、この結合モチーフ周辺の多様性を修飾することが可能である。たとえば、様々なペプチド領域を同定された配列の片端または両端に置くことが可能である。公知の配列は文献から同定するか、または本発明の状況では初回のパンニングから得ることが可能である。
G.スクリーニングアッセイ
本発明の他の実施形態では、IRおよび/またはIGF−1Rで薬理学的に活性のあるリガンドを同定するスクリーニングアッセイを提供する。リガンドには数多くの化学的種類が含まれる可能性があるが、一般的には有機分子、好ましくは分子量が50ダルトンを上回り、約2500ダルトン未満の小さな有機化合物である。このようなリガンドには、タンパク質との構造的相互作用に必要な官能基、特に水素結合を含めることができ、一般的に少なくともアミン、カルボニル、ヒドロキシルまたはカルボキシル基、好ましくは少なくとも2個の官能化学基が含まれる。リガンドは、環状炭素構造または複素環構造および/または1個または複数の前記官能基で代替された芳香族またはポリ芳香族構造を含むことが多い。リガンドはまた、ペプチド、糖類、脂肪酸、ステロイド、プリン、ピリミジン、誘導体、構造類縁体、またはそれらの組み合わせを含めた生体分子を含むことができる。
リガンドには、たとえば、1)Igの付いた融合ペプチドおよびランダムペプチドライブラリー(たとえば、Lam等、1991, Nature 354:82-84; Houghten等、1991, Nature 354:84-86参照)およびD型および/またはL型立体配置のアミノ酸から成るコンビナトリアルな化学的に得られた分子ライブラリーの構成要素を含む可溶性ペプチドなどのペプチド、2)ホスホペプチド(たとえば、ランダムおよび部分的に縮重した、直接的ホスホペプチドライブラリーの構成要素、たとえば、Songyang等、1993, Cell 72:767-778)、3)抗体(たとえば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、人化抗体、抗イディオタイプ抗体、キメラ抗体、および一本鎖抗体ならびにFab、F(ab)’、Fab発現ライブラリー断片、および抗体のエピトープ結合断片)、および4)小さな有機および無機分子が含まれる。
リガンドは、合成または天然化合物のライブラリーを含めた多種多様な原料から得ることができる。合成化合物ライブラリーは、たとえばMaybridge Chemical Co.(Trevillet、Cornwall、UK)、Comgenex(Princeton、NJ)、Brandon Associates(Merrimack、NH)、およびMicrosource(New Milford、CT)から市販されている。希少化学物質ライブラリーは、Aldrich Chemical Company、Inc.(Milwaukee、WI)から市販されている。細菌、菌類、植物または動物抽出物を含めた天然化合物ライブラリーは、たとえば、Pan Laboratories(Bothell、WA)から市販されている。さらに、数多くの手段が無作為化オリゴヌクレオチドの発現を含めた多種多様な有機化合物および生体分子の無作為な、および目的にかなった合成に有用である。
あるいは、細菌、菌類、植物および動物抽出物の形態の天然化合物のライブラリーは、容易に作製することができる。分子ライブラリーの合成方法は、容易に使用できる(たとえば、DeWitt等、1993, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6909; Erb等、1994, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 91:11422; Zuckermann等、1994, J. Med. Chem. 37:2678; Cho等、1993, Science 261:1303; Carell等、1994, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33:2059; Carell等、1994, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33:2061; and in Gallop等、1994, J. Med. Chem. 37:1233参照)。さらに、天然または合成化合物ライブラリーおよび化合物は従来の化学的、物理的および生化学的手段によって容易に調節することができ(たとえば、Blondelle等、1996, Trends in Biotech. 14:60参照)、コンビナトリアルライブラリーを作製するために使用することができる。他の取り組みでは、既に同定された薬物にアシル化、アルキル化、エステル化、アミド化などの目的にかなった、または無作為な化学調節を行うことができ、類縁体はIR調節活性でスクリーニングすることができる。
コンビナトリアルライブラリーを作製する数多くの方法が当業界では公知で、生物学的ライブラリー、空間的に接近できる並行固相または液相ライブラリー、逆重畳積分を必要とする合成ライブラリー法、「1ビーズ1化合物」ライブラリー法、およびアフィニティークロマトグラフィー選択を使用した合成ライブラリー法に関与するものが含まれる。生物学的ライブラリーの取り組みは、ポリペプチドまたはペプチドライブラリーに限定されるが、一方その他の4種類の取り組みはポリペプチド、ペプチド、非ペプチドオリゴマー、または化合物の小分子ライブラリーに適用できる(K. S. Lam, 1997, Anticancer Drug Des. 12:145)。
リガンドが共通の結合部位に競合して結合するかどうかを決定するために、ライブラリーは一般的に当業界で公知の方法によって溶液中でスクリーニングすることができる。このような方法には、溶液中で(たとえば、Houghten, 1992, Biotechniques 13:412-421)、またはビーズ上で(Lam, 1991, Nature 354:82-84)、チップ(Fodor, 1993, Nature 364:555-556)、細菌または胞子(Ladnerの米国特許5,223,409)、プラスミド(Cull等、1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:1865-1869)、またはファージ上で(Scott and Smith, 1990, Science 249:386-390; Devlin, 1990, Science 249:404-406; Cwirla等、1990, Proc. Nati. Acad. Sci. USA 97:6378-6382; Felici, 1991, J. Mol. Biol. 222:301-310; 上掲のLadner)ライブラリーをスクリーニングすることを含めることができる。
スクリーニングアッセイが結合アッセイの場合、IR、または本明細書で開示したIR結合性ペプチドの1つに標識を結合させることが可能で、この標識は検出可能なシグナルを直接的または間接的にもたらすことができる。様々な標識には、放射性同位元素、蛍光分子、化学ルミネセンス分子、酵素、特異的結合分子、粒子、たとえば、磁気粒子などが含まれる。特異的結合分子には、対、たとえばビオチンとストレプトアビジン、ジゴキシンとアンチジゴキシンなどが含まれる。特定の結合要素として、相補的要素は通常、公知の方法にしたがって検出できる分子で標識する。
様々なその他の試薬をスクリーニングアッセイに含めることが可能である。これらには、塩、天然タンパク質、たとえば、アルブミン、界面活性剤などの試薬が含まれ、最適なタンパク質−タンパク質結合を可能にし、かつ/または非特異的またはバックグラウンド相互反応を減少させるために使用される。アッセイの効率を高める試薬、たとえばプロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、抗菌剤などを使用することができる。これらの成分は、必要とされる結合を引き起こす順番で添加する。インキュベーションは、最適な活性を促進する温度、一般的に4℃と40℃との間で実施する。インキュベーション時間は、最適な活性のために選択するが、迅速なハイスループットスクリーニングを促進するために最適化することもまた可能である。通常、0.1時間と1時間の間で十分である。一般に、複数のアッセイ混合物を異なる試験薬濃度で並行して測定し、これらの濃度に対する異なる応答を得る。一般的に、これらの濃度の1つは陰性対照で、すなわち、ゼロ濃度または検出濃度未満である。
本発明にしたがって提供されたスクリーニングアッセイは、本明細書に全体を援用した国際出願WO96/04557に開示されたアッセイに基づく。簡単に説明すると、WO96/04557は、標的上の活性部位に結合し、標的にアゴニストまたはアンタゴニスト活性を有するレポーターペプチドの使用を開示している。これらのレポーターは、組換えライブラリーから同定され、ランダムアミノ酸配列を有するペプチドか、または無作為化した少なくとも1個のCDR領域を有する可変抗体領域(rVab)のいずれかである。このレポーターペプチドは、細胞組換え発現系、たとえばE.coli、またはファージディスプレイ(WO 96/04557 and Kay等、1996, Mol. Divers. 1(2):139-40参照、いずれも本明細書に参考として援用する)で発現することが可能である。ライブラリーから同定されたレポーターは次に、本発明に従ってそれ自体治療薬として、またはその他の分子、好ましくはレポーターと同じ特性を有し、アゴニストまたはアンタゴニスト活性をもたらす薬剤候補として開発することが可能な小さな活性分子をスクリーニングするための競合結合アッセイで使用することができる。これらの小さな有機分子は経口的に活性を有することが好ましい。
インシュリンを有機小分子によって代替する異種スクリーニングの基礎となるin vitroでの競合受容体結合アッセイの基本的な様式は、以下の通りである。IRの活性部位の占有は、時間分解蛍光検出(TRFD)によってビオチン化ペプチド(bP)に結合したストレプトアビジン標識ユーロピウム(saEu)で定量する。このアッセイで、saEuはbPおよびIRと3要素複合体(すなわち、IR:bP:saEu複合体)を形成する。TRFDアッセイ様式は良く確立されており、感受性が高く、定量的である(Tompkins等、1993, J. Immunol Methods 163:209-216)。このアッセイでは1本鎖抗体またはビオチン化ペプチドを使用することができる。さらに、いずれのアッセイ様式も、IRの活性部位に結合するビオチン化リガンドとインシュリンの競合を忠実に表す。
これらのアッセイでは、可溶性IRをマイクロタイターウェルの表面上にコーティングし、PBSに溶かしたウシ血清アルブミン(BSA)0.5%および無脂乳2%の溶液でブロックし、次にビオチン化ペプチドまたはrVabでインキュベートする。次に、未結合bPを洗い流し、saEuを受容体結合bPの複合体に添加する。酸性促進溶液を添加すると、結合ユーロピウムが遊離Eu3+として遊離し、促進溶液の成分と蛍光の強い安定な複合体を形成する。次に、IR:bP結合saEuを高い蛍光状態に変換し、Wallac Victor II(EG&G Wallac、Inc.)などの検出器によって検出する。
ファージディスプレイライブラリーはまた、前述のようにIRまたはIGF−1Rに結合するリガンドについてスクリーニングすることができる。これらのライブラリーの構築および分析、ならびに結合剤のバイオパンニングまたは選択の基本的な方法の詳細は、発表されている(たとえば、WO 96/04557; Mandecki等、1997, Display Technologies - Novel Targets and Strategies, P. Guttry (ed), International Business Communications, Inc. Southborogh, MA, pp. 231-254; Ravera等、1998, Oncogene 16:1993-1999; Scott and Smith, 1990, Science 249:386-390); Grihalde等、1995, Gene 166:187-195; Chen等、1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:1997-2001; Kay等、1993, Gene 128:59-65; Carcamo等、1998, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:11146-11151; Hoogenboom, 1997, Trends Biotechnol. 15:62-70; Rader and Barbas, 1997, Curr. Opin. Biotechnol. 8:503-508参照、いずれも本明細書に参考として援用する)。
公知の薬剤活性化合物の模倣物質の設計は、「リード」化合物を基にした薬剤開発への既知の手法である。活性化合物を合成することが困難であるか、または高価な場合、あるいは特定の投与方法に適さない場合にこれは望ましい可能性があり、たとえば、ペプチドは消化管でプロテアーゼによって迅速に分解される傾向があるので、一般的に経口組成物には適さない活性剤である。模倣物質の設計、合成、および試験は、一般的に分子の標的特性を大規模スクリーニングすることを回避するために使用される。
所与の標的特性を有する化合物から模倣物質を設計するためには、通常いくつかの段階が用いられる。まず、標的特性の決定に不可欠かつ/および重要な化合物の特定部分を決定する。ペプチドの場合、これはペプチドのアミノ酸残基を系統立てて変化させることによって(たとえば、各残基を次々と代替することによって)実施することができる。化合物の活性領域を構成するこれらの部分または残基は、「ファルマコフォア」として知られている。
ファルマコフォアが発見されたら、その物理特性(たとえば、立体化学、結合、大きさ、および/または電荷)に従って、各種のデータ(たとえば、分光技術、X線回折データ、およびNMR)を使用して、構造を設計する。コンピュータ分析、(元素間の結合よりもファルマコフォアの電荷および/または量を設計する)類似性マッピング、およびその他の技術をこの設計方法に使用することができる。
この取り組みの一種では、リガンドおよびその結合相手の3次元構造を設計する。これは、リガンドおよび/または結合相手が結合の構造を変化させる場合に特に有用で、模倣物質の設計においてはモデルでこのことを考慮する。
次に鋳型分子を選択して、ファルマコフォアに類似した化学基をこの鋳型に繋げる。この鋳型分子およびそれに繋げられた化学基は、模倣物質が容易に合成されるように選択すると便利で、薬理学的に許容されるようであり、in vivoでは分解されず、導入化合物の生物学的活性を保持している。次に、発見された模倣物質をスクリーニングして、標的特性を示す範囲を確かめ、またはそれを阻害する範囲を確かめる。次に、さらに最適化または調節を実施して、in vivoでの、または臨床試験用の1個または複数の最終模倣物質に到達することができる。
本発明は、IRおよび/またはIGF−1Rでアゴニストまたはアンタゴニストとして機能するIRおよびIGF−1R特異的アミノ酸配列を提供する。本明細書で説明した方法に従って他の配列を得ることも可能である。
H.本発明によって提供されるペプチドの使用
本発明によって提供されたIRおよびIGF−1Rアゴニストおよびアンタゴニストは、その他のより有望な、または選択的な治療薬を同定するための導入化合物として、たとえば、競合スクリーニングアッセイによってその他の有用なリガンドを同定するためのアッセイ試薬として、さらにIRおよびIGF−1Rを分析するための研究手段として、および薬剤組成物の有効な治療薬として有用である。一実施形態では、1個または複数の開示ペプチドはIRまたはIGF−1Rに結合するその他のリガンド(たとえば、小さな、有機分子)を同定するためのキットの成分として提供することができる。このようなキットにはまた、IRまたはIGF−1R、またはそれらの機能的断片を含めることができる。このキットのペプチドおよび受容体成分は、(たとえば、放射性同位元素、蛍光分子、化学ルミネセンス分子、酵素またはその他の標識で)標識されていてよく、または標識されていなくてもよく、標識試薬も提供することが可能である。キットにはまた、緩衝液、安定剤などの周辺試薬を含めることができる。使用説明書も提供することができる。
他の実施形態では、本発明によって提供されるペプチド配列は、ペプチド配列から得られ、IRまたはIGF−1Rの部位1および/または部位2に結合する要素を含んだ第2のペプチドライブラリーを設計するために使用することができる。このようなライブラリーを使用して、良く確立された方法で、関連出願、2000年3月29日出願のBeasley等の国際出願PCT/US00/08528、および2000年3月29日出願のBeasley等の米国出願番号09/538038号に記載されたように、IRまたはIGF−1Rで元のペプチドの結合および/または活性を増加させるか、そうでなければ調節する配列変種を同定することができる。
本発明によって提供されたIRアゴニストアミノ酸配列は、インシュリン類縁体として有用で、したがって糖尿病またはその他のインシュリンの応答または産生減少に関連した疾患の治療として開発することが可能である。インシュリン補給物または代替物として使用するためのアミノ酸配列には、D117/H2C:FHENFYDWFVRQVSK(配列番号:1780);D117/H2Cマイナス末端リジン:FHENFYDWFVRQVS(配列番号:1557);D118:DYKDFYDAIQLVRSARAGGTRDKK(配列番号:1781);D118マイナスFLAG(登録商標)タグおよび末端リジン:FYDAIQLVRSARAGGTRD(配列番号:1782);D119:KDRAFYNGLRDLVGAVYGAWDKK(配列番号:1733);D119マイナス末端リジン:KDRAFYNGLRDLVGAVYGAWD(配列番号:1733の残基1〜21);D116/JBA5:DYKDLCQSWGVRIGWLAGLCPKK(配列番号:1541);D116/JBA5マイナスFLAG(登録商標)タグおよび末端リジン:LCQSWGVRIGWLAGLCP(配列番号:1542);D113/H2:DYKDVTFTSAVFHENFYDWFVRQVSKK(配列番号:1783);D113/H2マイナスFLAG(登録商標)タグおよび末端リジン:VTFTSAVFHENFYDWFVRQVS(配列番号:1784);およびS175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号:1560)が含まれる。好ましいペプチドダイマー配列は、S325、S332、S333、S335、S337、S353、S374−S376、S378、S379、S381、S414、S415およびS418によって示される(表7参照)。その他の好ましいダイマー配列は、S455、S457、S458、S467、S468、S471、S499、S510、S518、S519およびS520配列によって表される。(表7参照)。特に好ましいのは、S519ダイマー配列で、in vitroおよびin vivoでインシュリンに匹敵する活性を示す(図31A〜C、32A〜B、および33)。
本発明によって提供されるIGF−1Rアンタゴニストアミノ酸配列は、乳癌、前立腺癌、結腸癌、および卵巣癌を含めるが、それだけには限定されない癌の治療に有用である。乳癌によって亡くなる人は、毎年40000人を超え、手術、化学療法、放射線治療、および免疫治療などの現在の治療による成功には限りがある。本明細書で開示されたIGF−1Rアンタゴニストアミノ酸配列はまた、糖尿病性網膜炎の治療または予防に有用である。最近の報告で、既に同定されたIGF−1Rアンタゴニストは、糖尿病性網膜炎の原因となる網膜新生血管形成を抑制できることが示された(Smith等、1999, Nat. Med. 5:1390-1395)。
本発明によって提供されたIGF−1Rアゴニストアミノ酸は、脳卒中および糖尿病性神経障害を含めた神経障害の治療薬として開発するために有用である。いくつかの別々のグループの報告によって、IGF−1Rは広範な脳虚血の減少に関与していることが示され、糖尿病性神経障害の治療にIGF−1を使用することが裏付けられた(Auer等、1998, Neurology 51:S39-S43; Apfel, 1999, Am. J. Med. 107:34S-42Sに概略されている)。
I.ペプチドの修飾
本発明のペプチドに、従来技術に既知の1又は複数の修飾を行ってもよい。これは、ペプチドの保存時の安定性、薬物動力学、及び/又は生物活性の任意の側面、例えば、潜在能、選択性、及び薬剤相互作用を操作するのに有用である場合がある。ペプチドに対して行われる化学的修飾には、限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、モノメトキシ−ポリエチレングリコール、デキストラン、ポリ−(N−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレン・オキシド/エチレン・オキシドコポリマー、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)及びポリビニルアルコール、コロミン酸又はその他炭水化物に基づくポリマー、アミノ酸のポリマー、及びビオチン誘導物のうち1つ以上が含まれる。Cy残基におけるタンパク質へのPEG接合は、例えばGoodson, R. J.及びKatre, N. V. (1990) Bio/Technology 8, 343、並びにKogan, T. P. (1992) Synthetic Comm. 22, 2417に開示されている。
その他有用な修飾には、限定されないが、例えば米国特許第6,251,856号及びWO00/55119に開示されているような方法と組成物を使用したアシル化が含まれる。
J.治療のための投与
本発明のペプチドは、単独で、又はその他薬学的に活性な薬剤と組み合わせて投与できる。このような組み合わせ療法は、限定しないが、一回に、又はそれぞれ別々に複数の薬剤を投与することを含め、異なる投薬計画を包含することを理解されたい。異なる投与形式で複数の薬剤が投与される場合、投与は同時、又はほぼ同時に行われても、又は異なる薬剤の投与を含む任意の所定の計画に従って行われてもよい。
例えば、糖尿病、或いは、インシュリンの産生又は反応の低下、高脂血症、肥満症、食欲関連の症候群等に関連するその他疾病又は症候群の治療に使用するとき、本発明のペプチドを、限定しないが、インシュリン、インシュリン類似体、インシュリン誘導体、グルカゴン様ペプチド−1又は−2(GLP−1、GLP−2)、GLP−1又はGLP−2の誘導体又は類似体(例えばWO00/55119に開示されているようなもの)を含む1以上の薬剤と組み合わせる投与計画において、効果的に投与することができる。本明細書で使用する、インシュリン、GLP−1、又はGLP−2の「類似体」とは、用途に応じて、インシュリン、GLP−1、又はGLP−2の天然配列に対し、1以上のアミノ酸置換を含むペプチドを指す。また、本明細書で使用するインシュリン、GLP−1、又はGLP−2の「誘導体」とは、アミノ酸配列、特に自然の配列に1以上の化学的修飾を加えられた天然又は類似のインシュリン、GLP−1又はGLP−2ペプチドである。インシュリン誘導体及び類似体は、例えば米国特許第5,656,722号、同第5,750,497号、同第6,251,856号、及び同第6,268,335号に開示されている。いくつかの実施形態では、組み合わせる薬剤は、LysB29(−ミリストイル)des(B30)ヒトインシュリン、LysB29(−テトラデカノイル)des(B30)ヒトインシュリン、及びB29−N−(N−リトコール−グルタミル)−des(B30)ヒトインシュリンの一つである。また、当技術分野において周知の非ペプチド抗高血糖薬、抗高脂血症薬、等も組み合わせ療法に適している。
一実施形態では、本発明は、ペプチドS597又はペプチドS557の第一の量と、長時間作用型のインシュリン類似体、例えばLysB29(−ミリストイル)des(B30)ヒトインシュリン、LysB29(−テトラデカノイル)des(B30)ヒトインシュリン、又はB29−N−(N−リトコール−グルタミル)−des(B30)ヒトインシュリンの第二の量を投与することを含む、糖尿病又は関連症候群の治療法を包含し、本方法では、第一及び第二の量を併せることで症候群の治療に効果を上げる。ここで使用される、長時間作用型インシュリン類似体は、例えば米国特許第6,451,970号に開示されているように、天然ヒトインシュリンと比較して作用が遅延するという特性を示すものである。
本発明のペプチドは、単独で投与しても、他の薬理学的に活性な薬剤と組み合わせて投与してもよい。このような組み合わせ療法は、限定しないが、一回に、又はそれぞれ別々に複数の薬剤を投与することを含め、異なる投薬計画を包含することを理解されたい。異なる投与形式で複数の薬剤が投与される場合、投与は同時、又はほぼ同時に行われても、又は異なる薬剤の投与を含む任意の所定の計画に従って行われてもよい。
例えば、糖尿病、或いは、インシュリンの産生又は反応の低下、高脂血症、肥満症、食欲関連の症候群等に関連するその他疾病又は症候群の治療に使用するとき、本発明のペプチドを、限定しないが、インシュリン、インシュリン類似体、インシュリン誘導体、グルカゴン様ペプチド−1又は−2(GLP−1、GLP−2)、GLP−1又はGLP−2の誘導体又は類似体(例えばWO00/55119に開示されているようなもの)を含む1以上の薬剤と組み合わせる投与計画において、効果的に投与することができる。本明細書で使用する、インシュリン、GLP−1、又はGLP−2の「類似体」とは、用途に応じて、インシュリン、GLP−1、又はGLP−2の天然配列に対し、1以上のアミノ酸置換を含むペプチドを指す。また、本明細書で使用するインシュリン、GLP−1、又はGLP−2の「誘導体」とは、アミノ酸配列、特に自然の配列に1以上の化学的修飾を加えられた天然又は類似のインシュリン、GLP−1又はGLP−2ペプチドである。インシュリン誘導体及び類似体は、例えば米国特許第5,656,722号、同第5,750,497号、同第6,251,856号、及び同第6,268,335号に開示されている。いくつかの実施形態では、組み合わせる薬剤は、LysB29(−ミリストイル)des(B30)ヒトインシュリン、LysB29(−テトラデカノイル)des(B30)ヒトインシュリン、及びB29−N−(N−リトコール−グルタミル)−des(B30)ヒトインシュリンの一つである。また、従来技術に既知の非ペプチド抗高血糖薬、抗高脂血症薬、等も組み合わせ療法に適している。
一実施形態では、本発明は、ペプチドS597又はペプチドS557の第一の量と、長時間作用型のインシュリン類似体、例えばLysB29(−ミリストイル)des(B30)ヒトインシュリン、LysB29(−テトラデカノイル)des(B30)ヒトインシュリン、又はB29−N−(N−リトコール−グルタミル)−des(B30)ヒトインシュリンの第二の量を投与することを含む、糖尿病又は関連症候群の治療法を包含し、本方法では、第一及び第二の量を併せることで症候群の治療に効果を上げる。ここで使用される、長時間作用型インシュリン類似体は、例えば米国特許第6,451,970号に開示されているように、天然ヒトインシュリンと比較して作用が遅延するという特性を示すものである。
K.投与方法
本発明のアミノ酸は、タンパク質およびペプチドの送達および遺伝子治療で当業界で公知の標準的担体を含む薬剤組成物として投与することが可能である。好ましくは、薬剤組成物には、薬剤として(すなわち、生理的に)許容される担体、薬剤品添加物、または希釈剤、および活性成分として複数のIRまたはIGF−1Rのアゴニストまたはアンタゴニストペプチドが混合して含まれる。活性成分としてペプチドを含有する薬剤組成物の調製は、当業界でよく理解されている。一般的に、このような組成物は注入物質として、液体溶液または懸濁物のいずれかで調製するが、固形製剤は溶液、または懸濁液に入れるのに適しており、液体はまた、注射前に調製することができる。調製物はまた、乳化することができる。活性治療成分は、薬剤として(すなわち、生理的に)許容され、活性成分に適合した薬剤品添加物と混合することが多い。適切な薬剤品添加物は、たとえば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなど、およびそれらの組み合わせである。さらに、所望するならば、この組成物には活性成分の有効性を高める少量の湿潤剤または乳化剤、pH−緩衝剤などの補助物質を含めることができる。
IRまたはIGF−1Rアゴニストまたはアンタゴニストペプチドは、中和した生理的に許容される塩の形態で薬剤組成物に製剤することができる。適切な塩には、酸添加塩(すなわち、ペプチド分子の遊離アミノ基で形成されたもの)が含まれ、それらは、たとえば、塩酸またはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸で形成される。遊離カルボキシル基によって形成された塩はまた、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、または水酸化鉄などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2−エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基から得ることができる。
薬剤組成物は、経口または非経口経路によって全身投与することができる。非限定的な非経口投与経路には、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、経皮、吸入、経鼻、動脈内、クモ膜下、経腸、舌下、または経直腸が含まれる。アミノ酸配列の性質は不安定なため、非経口投与が好ましい。好ましい投与様式には、鼻内または気管支吸収用のエアロゾル、静脈内、筋肉内、胸骨内または皮下注射用の懸濁液および経口投与用の化合物が含まれる。
たとえば、静脈内投与は、単回用量を注射することによって実施することができる。本発明の薬剤組成物に関して使用したとき、「単回用量」という用語は、ヒトへの1回用量に適した物理的に区分された単位を意味しており、それぞれの単位には、必要な希釈剤、すなわち、濃縮された、または純粋な物質を希釈するために使用する液体で、その物質を使用するために正確な(希釈)濃度にする液体と関連して所望する治療効果をもたらすように計算された予め決定した量の活性物質が含まれる。注射による投与のために、組成物を滅菌溶液または懸濁液に溶かすか、または保存剤、安定化剤、および受容者の体液(すなわち、血液)と等張の溶液または懸濁液にさせるための物質を含むことが可能な、薬剤として、生理的に許容される水性または油性溶媒で、エマルジョンにすることが可能である。
使用に適した薬剤品添加物は、水、リン酸緩衝生理食塩水、pH7.4、0.15M 塩化ナトリウム水溶液、デキストロース、グリセロール、希釈エタノールなど、およびそれらの混合物である。安定剤の例は、ポリエチレングリコール、タンパク質、糖類、アミノ酸、無機酸および有機酸で、それ自体または混合物として使用できる。使用する量または分量、ならびに投与経路は、個々に決定し、当業者に公知の同種類の適用または指示で使用する量に対応する。
薬剤品組成物は、製剤に適合した方法および治療有効量で投与する。投与量は治療する対象、活性成分を利用する対象の免疫系の能力、および所望するIRまたはIGF−1R活性の調節程度に左右される。投与に必要な活性成分の正確な量は、医師の判断に任されており、個々の固体に特異的である。しかし、適切な用量の範囲は、固体の体重1キログラム当たり1日当たり活性ペプチド約10から200nmolであり、投与経路に左右され得る。初回投与および追加投与の適切な計画はまた、調節可能であるが、一般的に初回投与の後1時間以上の間隔でその後の注射またはその他の投与を繰り返す。あるいは、血中のピコモル濃度(たとえば、約1pMから約10nM)を維持するために十分な連続的静脈内注入も考慮される。製剤の例には、亜硫酸水素ナトリウムUSP(3.2mg/ml)、エデト酸2ナトリウムUSP(0.1mg/ml)およびq.s.a.d.(1ml)注射用の水の混合物にIRまたはIGF−1Rアゴニストまたはアンタゴニストペプチドが含まれる。
薬剤製剤を調製する他の指針は、たとえば、Gilman等(編), 1990, Goodman and Gilman's: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th ed., Pergamon Press;およびRemington's Pharmaceutical Sciences, 17th ed., 1990, Mack Publishing Co., Easton, PA; Avis等(eds), 1993, Pharmaceutical Dosage Forms: Parenteral Medications, Dekker, New York; Lieberman等(eds), 1990, Pharmaceutical Dosage Forms: Disperse Systems, Dekker, New Yorkに見いだすことができる。
本発明はさらに、本明細書で説明したIRまたはIGF−1Rアゴニストまたはアンタゴニストペプチド、および生理的に許容される担体、薬剤品添加物、または希釈剤を含む組成物について考慮する。
本明細書で説明した構築体はまた、1種または複数の本発明のアミノ酸配列の発現を可能にする遺伝子移入および遺伝子治療方法で使用することができる。本発明のアミノ酸配列は、遺伝子治療で使用して、それによってインシュリンの投与または発現に依らずに糖尿病を治療する代替方法を提供することができる。遺伝子治療で使用するインシュリンの発現には、前駆体生成物の発現が必要で、これはその後切断およびジスルフィド結合形成を含めたプロセシングを受けて活性生成物を形成するはずである。活性を有する本発明のアミノ酸配列は比較的小さく、したがって活性になるために複合体プロセシング段階は必要とされない。したがって、これらの配列はより遺伝子治療に適した生成物を提供する。
当業界で公知の遺伝子移入系は、本発明の遺伝子治療方法を実用するために有用となり得る。これらには、ウイルスおよび非ウイルス移入方法が含まれる。ポリオーマ、すなわちSV40(Madzak等、1992, J. Gen. Virol., 73:1533-1536)、アデノウイルス(Berkner, 1992, Curr. Top. Microbiol. Immunol, 158:39-6; Berkner等、1988, Bio Techniques, 6:616-629; Gorziglia等、1992, J. Virol., 66:4407-4412; Quantin等、1992, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:2581-2584; Rosenfeld等、1992, Cell, 68:143-155; Wilkinson等、1992, Nucl. Acids Res., 20:2233-2239; Stratford-Perricaudet等、1990, Hum. Gene Ther., 1:241-256)、ワクシニアウイルス(Mackett等、1992, Biotechnology, 24:495- 499)、アデノ関連ウイルス(Muzyczka, 1992, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 158:91- 123; Ohi等、1990, Gene, 89:279-282)、HSVおよびEBVを含めたヘルペスウイルス(Margolskee, 1992, Curr. Top. Microbiol. Immunol. 158:67-90; Johnson等、1992, J. Virol., 66:2952-2965; Fink等、1992, Hum. Gene Ther. 3:11-19; Breakfield等、1987, Mol. Neurobiol., 1:337-371; Fresse等、1990, Biochem. Pharmacol. 40:2189-2199)およびトリのレトロウイルス(Brandyopadhyay等、1984, Mol. Cell Biol., 4:749-754; Petropouplos等、1992, J. Virol., 66:3391-3397)、マウス(Miller,
1992, Curr Top. Microbiol. Immunol. 158:1-24; Miller等、1985, Mol. Cell Biol., 5:431-437; Sorge等、1984, Mol. Cell-Biol., 4:1730-1737; Mann等、1985, J. Virol., 54:401-407)およびヒト由来(Page等、1990, J. Virol., 64:5370-5276; Buchschalcher等、1992, J. Virol., 66:2731-2739)を含めたいくつかのウイルスは遺伝子移入ベクターとして使用されてきた。ほとんどのヒト遺伝子治療方法は、望ましいマウスレトロウイルスをベースとしてきた。
当業界で公知の非ウイルス遺伝子移入方法には、リン酸カルシウム共沈(Graham等、1973, Virology, 52:456-467; Pellicer等、1980, Science, 209:1414-1422)、機械的方法、たとえば微量注入(Anderson等、1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:5399-5403; Gordon等、1980, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 77:7380-7384; Brinster等、1981, Cell, 27:223-231; Constantini等、1981, Nature, 294:92-94)、リポソームによる膜融合移入(Felgner等、1987, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:7413-7417; Wang等、1989, Biochemistry, 28:9508-9514; Kaneda等、1989, J. Biol. Chem., 264:12126-12129; Stewart等、1992, Hum. Gene Ther. 3:267-275; Nabel等、1990, Science, 249:1285-1288; Lim等、1992, Circulation, 83:2007-2011; U.S. Patent Nos. 5,283,185 and 5,795,587)およびDNAの直接取り込みおよび受容体によるDNA移入(Wolff等、1990, Science, 247:1465-1468; Wu等、1991, BioTechniques, 11:474-485; Zenke等、1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:3655-3659; Wu等、1989, J. Biol. Chem., 264:16985-16987; Wolff等、1991, BioTechniques, 11:474-485; Wagner等、1991, Proc. Nati. Acad. Sci. USA, 88:4255-4259; Cotten等、1990, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87:4033-4037; Curiel等、1991, Proc. N
atl. Acad. Sci. USA, 88:8850-8854; Curiel等、1991, Hum. Gene Ther. 3:147-154)などの化学的技術が含まれる。
多種の細胞および細胞株(たとえば、初代細胞株または確立された細胞株)および組織は、本発明の構築体を安定して形質移入するか、または受容することができる。使用可能な細胞の例には、幹細胞、Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージ、その他の白血球(たとえば、骨髄細胞、マクロファージ、または単球)、異なる発生段階の免疫系細胞、赤血球系列細胞、膵臓細胞、肺細胞、筋肉細胞、肝細胞、脂肪細胞、神経細胞、グリア細胞、その他の脳細胞、同等の正常細胞に対応する様々な細胞系列の形質転換細胞(たとえば、K562、HEL、HL60、およびMEL細胞)、および前記の全てから得られた樹立細胞または形質転換細胞が含まれるが、それだけに限定はされない。さらに、本発明の構築体は、様々な手段によって直接組織に移入することが可能で、その細胞を含む組織に安定して組み込まれる。さらに、本発明のペプチドのDNA配列を含有する構築体は、発生の初期段階で遺伝子治療を実施するために、胚段階および胎児段階を含めた様々な発生段階の初代細胞に導入することができる。
1つの取り組みとして、プラスミドDNAをアデノウイルスヘキソンタンパク質に特異的な抗体と複合したポリリジンと複合させ、得られた複合体をアデノウイルスベクターに結合させる。次に、3分子複合体を使用して細胞を感染させる。アデノウイルスベクターは、DNAが損傷を受ける前にエンドソームを効果的に結合させ、内部移行し、分解させる。
他の取り組みとして、リポソーム/DNAを使用してin vivoでの遺伝子移入を行う。標準的リポソーム調製では、遺伝子移入方法は非特異的であるが、局在的なin vivoでの取り込みおよび発現は、たとえば、直接in situで投与した後の腫瘍堆積物で報告されている(Nabel, 1992, Hum. Gene Ther. 3:399-410)。
適切な遺伝子移入ベクターは、プロモーター配列、好ましくは細胞特異的で発現させる配列の上流に位置するプロモーターを有する。このベクターはまた、任意選択で、ベクターに含まれる核酸配列がうまく形質移入し、発現したことを示すものとして、発現用の1種または複数の発現可能なマーカー遺伝子を含むことが可能である。さらに、ベクターは望ましくない免疫原性を最小限に抑え、所望する遺伝子生成物の長期発現を最大限にするために最適化することができる(Nabe, 1999, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 96:324-326参照)。さらに、ベクターは、治療のために標的とする細胞の種類に基づいて選択することができる。
宿主細胞のトランスフェクションまたは感染のための媒体またはベクター構築体の例には、複製に欠陥のあるウイルスベクター、DNAウイルスまたはRNAウイルス(レトロウイルス)ベクター、たとえば、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルスおよびアデノ関連ウイルスベクターが含まれる。アデノ関連ウイルスベクターは1本鎖で、効率的に複数コピーの核酸を細胞核に送達させる。好ましいのはアデノウイルスベクターである。通常、ウイルスはいかなる原核DNAも実質的に含まず、いくつかの異なる機能的核酸配列を含むことができる。このような機能的配列の例は、プロモーター(たとえば、強力なプロモーター、誘導性プロモーターなど)および宿主細胞で活性のあるエンハンサーを含めた転写および翻訳開始および終止制御配列を含むDNA領域であることが可能である。機能的配列の一部としてまた、関心のあるタンパク質をコードするオープンリーディングフレーム(ポリヌクレオチド配列)が含まれる。部位特異的組み込みのために隣接する配列もまた含めることができる。状況によっては、5’隣接配列は相同的組換えが可能で、したがって、たとえば転写濃度を増加または減少させる誘導性または非誘導性転写をもたらすために、転写開始領域の性質を変化させる。
一般的に、コードされ発現したペプチドは、細胞内、すなわち細胞質、核、または細胞小器官に保持されているか、または細胞によって分泌されることが可能である。分泌するために、シグナル配列をペプチド配列に融合させることができる。既に説明したように、マーカーはベクター構築体を含有する細胞で分泌させるために存在させることが可能である。マーカーは誘導性または非誘導性の遺伝子で、一般的に誘導下、または非誘導下それぞれにおいて、陽性選択を可能にする。マーカー遺伝子の例には、ネオマイシン、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、グルタミン合成酵素などが含まれる。使用したベクターはまた、当業者によって通常使用されるように、一般的に複製起点および宿主細胞での複製に必要なその他の遺伝子を含む。一例として、複製起点を含む複製系および特定のウイルスによってコードされたる製関連タンパク質は、構築体の一部として含まれる。複製に必要な生成物をコードする遺伝子が最終的に細胞に形質転換されないように複製系を選択すべきである。このような複製系は、複製欠損アデノウイルス(G. Acsadi等、1994, Hum. Mol. Genet. 3:579-584参照)およびエプスタイン−バーウイルスによって示される。複製欠損ベクター、特に複製を欠損したレトロウイルスベクターの例は、BAG(Price等、1987, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 84:156; Sanes等、1986, EMBO J., 5:3133)である。最終的遺伝子構築体は、1種または複数の関心のある遺伝子、たとえば、生体活性代謝分子をコードする遺伝子を含むことが可能である。さらに、cDNA、合成的に生成したDNAまたは染色体DNAは、当業者に公知で、実施されている方法および手法を利用して使用することができる。
遺伝子治療の1つの取り組みでは、IRまたはIGF−1Rアゴニストまたはアンタゴニストペプチドをコードするベクターを直接受容細胞に注射する(in vivo遺伝子治療)。あるいは、目的とする受容物の細胞を体外培養して、IRまたはIGF−1Rアゴニストまたはアンタゴニストペプチドをコードするように遺伝子的に調節して、供与者に再度移植する(ex vivo遺伝子治療)。ex vivo方法では、in vivo遺伝子移入方法よりも優れて効果的にウイルス遺伝子が移入されるという利点がある。ex vivo遺伝子治療によれば、宿主細胞をまずIRまたはIGF−1Rアゴニストまたはアンタゴニストペプチドをコードする少なくとも1個の遺伝子を含有する操作ベクターで形質移入して、生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水などの生理的に許容される担体または薬剤品添加物に懸濁して、次に宿主または宿主細胞に投与する。所望する遺伝子産物は注射した細胞で発現し、したがって遺伝子産物は宿主に導入される。それによって、導入された遺伝子産物は、インシュリンまたはIGF−1濃度変化に関連する障害(たとえば、糖尿病)を治療または改善するために使用することができる。
説明した構築体は、薬剤調製物または薬剤として許容される担体および生理的薬剤品添加物を含有する組成物の形態で投与することが可能で、この調製物では、ベクターはヒトおよび非ヒト哺乳類を含めた関心のある受容生物の細胞、組織、または器官を標的とするウイルスベクター構築体などであり得る。この組成物は、滅菌した生理的食塩水またはその他の注射可能な水溶液などの適切な薬剤として許容される液体または溶液に成分を分散させることによって形成することができる。このような組成物で使用した成分の量は、当業者によって日常的に決定することができる。この組成物は、皮下、静脈内、筋肉内および胸骨内を含めた非経口注射経路によって投与することができる。
本明細書で説明した実施例は、本発明の様々な態様を例示することを意味し、本発明をいかなる方法においても限定するものではない。
以下の物質は、以下に説明した実施例で使用した。可溶性IGF−1RはR&D Systems(Minneapolis、MN、カタログ番号391−GR/CF)から入手した。インシュリン受容体は、Bass等、1996に従って調製した。インシュリンはSigma(St.Louis、MO、カタログ番号1−0259)またはBoehringerのいずれかから入手した。IGF−1Rは、PeproTechから入手した(カタログ番号100−11)。合成ペプチドは、Novo Nordisk、AnaSpec.Inc.(San Jose、CA)、PeptioGenics(Livermore、CA)またはResearch Genetics(Huntsville、AL)によって>80%の純度で合成された。Maxisorb Plateは、Fisherを介してNUNCから入手した(カタログ番号12565347)。HRP/抗M13複合体は、Pharmaciaから入手した(カタログ番号27−9421−01)。ABTS溶液は、BioF/Xから入手した(カタログ番号ABTS−0100−04)。
(実施例1)
モノマーおよびダイマーペプチド
A.クローニング
モノマーおよびダイマーペプチドを構築して、IMPACT(商標)−CNシステム(New England Biolabs(NEB)、Beverly、MA)のpTYB2ベクターを使用してキチン結合ドメイン(CBD)との融合タンパク質として発現させた。pTYB2ベクターは、DTTを添加すると自己切断を開始するタンパク質スプライシング因子(インテインと称する)をコードする。インテイン自己切断は、親和性タグからダイマーを分離して、精製を可能にする。
pTYB2構築体では、ペプチド配列のC末端はインテイン/CBD配列のN末端と融合した。2個のペプチド隣接エピトープタグには、N末端の短縮FLAG(登録商標)およびC末端のEタグが含まれた。この融合物は、インテイン/CBDコードするベクター断片を関心のあるペプチドをコードするPCR生成物と連結することによって作製した。
ベクター断片は、pTBY2ベクターを適切な制限部位で消化することによって得られた。消化したDNA断片を1%アガロースゲルで分離し、切り出して、QIAEXII(QIAGEN、Valencia、CA)によって精製した。標的タンパク質のPCR生成物を得るために、適切な配列にアニーリングするプライマーを合成した。ベクターと挿入物を15℃で一晩連結させた。連結生成物はQIAquickスピンカラム(QIAGEN)を使用して精製して、エレクトロポレーションはDNA 10ngおよびE.coli株BL21 40μlを含有するエレクトロポレーションキュベット(ギャップ 0.1mm、容量 0.5ml)において1500Vで実施した。
エレクトロポレーション直後に、グルコース 2%を含有する予備加温した(40℃)2xYT培地(2xYT−G)1mlを形質転換体に添加した。形質転換体は37℃で1時間増殖させ、次に2xYT−AG上に播種し、37℃で一晩インキュベートした。個々のクローンを単離して、2xYT−Gに接種するために使用した。培養は37℃で一晩行った。プラスミドDNAを培養物から単離して、正確な構築体が得られたことを確認するために配列決定を実施した。
B.ペプチド−CBD融合タンパク質の小規模発現
ペプチド−CBD融合タンパク質をコードするプラスミドを含有するE.coli ER2566(New England Biolabs)は、2xYT−AGにおいて37℃で撹拌しながら(250rpm)一晩増殖させた。翌日、培養物を使用して培地(2xYT−G)に接種して、OD600 0.1を得た。OD600が0.6に達したら、IPTG(イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド)を最終濃度0.3mMで添加して、融合タンパク質の発現を誘導した。細胞は、3時間増殖させた。翌日、遠心によって細胞をペレットにして、細胞ペレットをSDS−PAGE電気泳動によって分析した。正確な分子量の融合タンパク質の産生は、モノクローナル抗体抗E−Tag−HRP複合体を使用したウェスタンブロット分析によって確認した(Amersham Pharmacia)。
C.可溶性ペプチド−CBD融合タンパク質の大規模発現および精製
融合タンパク質をコードするプラスミドを有するE.coli ER2566を2xYT−AG培地で撹拌しながら(250rpm)37℃で8時間増殖させた。培養物を2L量の2xYT−Aで希釈し直してOD600 0.1を実現した。OD600が0.5に達したら、IPTGを最終濃度0.3mMで添加した。細胞を30℃で一晩増殖させた。翌日、細胞を遠心によって単離した。細胞ペレットの試料をSDS−PAGEし、次にマウスモノクローナル抗体抗E−Tag−HRP複合体(Pharmacia)を使用したウェスタンブロット分析を行って発現した生成物を視覚化して分析した。
D.精製
細胞ペレットは超音波によって機械的に、または弱い界面活性剤で化学的に処理することによって粉砕した。細胞残渣を遠心によって除去した後、透明な溶解物中の可溶性タンパク質をクロマトグラフィー精製用に適切な開始緩衝液での希釈または透析によって調製した。CBD融合物はキチンアフィニティークロマトグラフィーによって製造者の指示に従って(New England Biolabs)精製した。溶解物をキチンアフィニティーカラムに添加して、カラムを10倍量のカラム緩衝液で洗浄した。総容積の3倍量のDTT含有切断緩衝液をカラムに添加して、カラムを一晩インキュベートした。翌日、DTTを含まない切断緩衝液を流し続けることによって標的タンパク質を溶出した。精製したタンパク質の純度および強度をSDS−PAGEおよび標準的方法によるウェスタンブロット分析によって分析した。
(実施例2)
PEGをベースとした2量体ペプチド
A.アルデヒド含有ペプチドの合成
このペプチドは、Rink amide Tentagel(0.21mmol/g)での段階的固相合成によって合成した。3等量のFmoc−アミノ酸を使用した。Fmoc−Ser(tBu)−OHをN末端ペプチドに結合させるか、Boc−Ser(tBu)を選択的に保護したリジン側鎖に結合させるかによって、セリン残基をペプチドに導入した。次に、ペプチドを脱保護して、TIS(トリイソプロピルシラン)を含有する95%TFA(トリフルオロ酢酸、水溶液)で処理することによって樹脂から切断した。20%DMSO(ジメチルスルホキシド)−80%リン酸緩衝液 pH7.5(45μl/μmol ペプチド)に溶かした2等量のNaIOを室温(RT)で5分間使用する過ヨウ素酸酸化によって、2−アミノアルコール部分がα−オキソアシル基に変換された。酸化の直後に、ペプチドを精製した。
B.PEGをベースとしたダイマーの合成
未保護の酸化ペプチド(4.2等量)は、DMSO 90%−NaOAc緩衝液 20mM、pH5.1 10%に溶かしたジオキシアミノ−PEG(ポリエチレングリコール)−リンカー(1等量)で2量体化した(4.2μl/μmolペプチド)。この溶液を38℃で1時間放置して、反応の進行はMALDI−MS(マトリックス支援レーザー脱着/イオン化質量分析計)によってモニターした。この後、粗ダイマーを半分取HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によって精製した。
様々なリンカーの分子量および挿入ペプチド距離は以下の表3に示す。
Figure 2005517741
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(実施例3)
インシュリン受容体結合の決定
IRを様々な濃度の試験物質で125I標識インシュリンと共にインキュベートして、Kを計算した。この方法では、ヒトインシュリン受容体(HIR)またはヒトIGF−1受容体(HIGF−1R)は、TritonX−100で可溶化した後に形質移入細胞から精製した。アッセイ緩衝液は、HEPES(pH7.8)100mM、NaCl 100mM、MgCl 10mM、ヒト血清アルブミン(HSA) 0.5%、ガンマグロブリン 0.2%およびTritonX−100 0.025%を含有した。125I標識リガンド(TyrA14−125I−HIまたはTyr31−125I−IGF1)の2000cpm(3pM)の30〜60%が結合するように受容体濃度を選択して、試験物質の希釈系列を添加した。4℃で2日間平衡化させた後、各試料(200μl)に25% PEG6000 400μlを添加することによって沈殿させ、遠心して、15% PEG6000 1mlで洗浄して、ガンマカウンタで計数した。
インシュリン/IGF−1競合曲線は、1部位結合モデルに合致しており、受容体濃度、インシュリン親和性、および非特異的結合について計算した変数を試験物質の結合定数の計算に使用した。インシュリン競合の代表的曲線を図10A〜10C、11A〜11Dに示す。定量データは以下の表4に示す。
表4は、RP9モノマーペプチドおよび様々なRP9モノマー切断型のIR親和性を示す。結果は、RP9のN末端配列(GSLD、配列番号1785)およびC末端配列(LGKK、配列番号1786)は実質的にHIR結合親和性に影響を及ぼすことなく除去できることを示している(表4)。
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図10A〜10Cは、部位1−部位2ヘテロダイマーペプチド537、538および539は対応するモノマー(D117および540)およびホモダイマー(521および535)よりも実質的に高い親和性で(数桁の規模で)IRに結合したことを示している。図11A〜11Dは、部位1−部位2ヘテロダイマーペプチド、537および538がモノマーペプチドD117よりも著しく高い親和性でIRに結合したことを示している。
(実施例4)
インシュリンアゴニスト活性を測定するための脂肪細胞アッセイ
インシュリンはHグルコースの脂肪細胞への取り込みおよび脂質への変換を増大させる。Hの脂質相への取り込みは、脂質相をシンチレーション混合物に分配し、水溶性H生成物を除去することによって測定された。最大下のインシュリン投与量でのHグルコースの取り込みに対する化合物の影響を測定し、結果は完全なインシュリン応答に対する増加として表した。この方法は、Moody等、1974, Horm. Metab. Res. 6(1):12-6を適合化させた。
マウス精巣上体脂肪体を切除して、消化緩衝液(クレブス−リンガー HEPES 25mM、HSA 4%、グルコース 1.1mM、1型コラゲナーゼ 0.4mg/ml、pH7.4)で細分して、36.5℃で1.5時間まで消化した。濾過後、洗浄して(クレブス−リンガー HEPES、HSA 1%)、アッセイ緩衝液(クレブス−リンガー HEPES、HSA 1%)に再懸濁して、遊離脂肪細胞を試験溶液および約ED20インシュリンを含有する96ウェルピコプレート(Packard)にピペットで入れた。
Hグルコース(Amersham TRK239)をグルコース最終濃度0.45mMで添加することによってアッセイを開始した。アッセイは、Labshakerインキュベーションタワーで400rpmにて36.5℃で2時間インキュベートし、次にPermablend/トルエンシンチレーション(または同等物)を添加することによって停止させ、プレートを密封して、少なくとも1時間放置して、Packard Topカウンターまたは同等物で検出した。完全なインシュリンの標準曲線(8用量)を各プレートの対照とした。
データは、(約)ED20インシュリン応答に対する化合物の影響として図によって示し、データは完全なインシュリン応答に正規化した。アッセイはまた、基準または最大インシュリン濃度で実施することができる。インシュリンおよびIGF−1の代表的な用量−応答曲線を図12〜18に示す。定量的データを表5〜7に示す。
遊離脂肪細胞(FFC)アッセイでは、切断型合成RP9モノマーペプチドS390およびS394は、完全長RP9モノマーペプチドと同様の能力を示した(図12A〜12D)。切断型合成RP9ホモダイマーペプチドS415およびS417はFFCアッセイで高い能力を示したが、完全長RP9ホモダイマーペプチドよりは能力は下回っていた(図13A〜13C、ペプチド521および535と比較、以下に説明したとおり)。FFCアッセイにおける組換えRP9ホモダイマーペプチド521および535の能力は図14A〜14Cに示す。曲線は平坦で、結合機構は単純な分子内結合によって生じる可能性はないことが示唆される(図14A〜14C)。
結果はさらに、合成RP9ホモダイマーペプチドS337およびS374では、合成RP9モノマー、S371と比較してHIR結合アッセイの増加およびFFCアッセイにおける能力の増加を示した(表5)。同様に、合成RP9ホモダイマーペプチドS314およびS317では、合成RP9モノマー、S371、および様々なRP9切断型と比較してHIR結合親和性の増加およびFFCアッセイでの能力の増加が示された(表6)。
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M=モノマー、D=ダイマー、C−Term=C末端リンカー(C−C)、N−Term=N末端リンカー(N−N)、23および17は特異的化学リンカーを示す(表3参照)。FFCでは、0は効果無し、+はアゴニスト、−はアンタゴニストである。
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M=モノマー、D=ダイマー、C−Term=C末端リンカー(C−C)、N−Term=N末端リンカー(N−N)、23は特異的化学リンカーを示す(表3参照)。FFCでは、0は効果無し、+はアゴニスト、−はアンタゴニストである。Form.=式、Mon.=モノマー
部位1−部位1ダイマーペプチド537および538は、標準濃度のインシュリンを使用したFFCでは不活性であった(図15A〜15C)。しかし、部位1−部位2ダイマーペプチド537および538は、誘発濃度のインシュリンの存在下でのFFCアッセイではアンタゴニストであった(図16A〜16C)。対照的に、部位2−部位1ダイマーペプチド539は、FFCアッセイで完全なアゴニストで、傾斜はインシュリンと同様であった(図17A〜17B)。
部位1−部位2ダイマーペプチドのFFCアッセイ活性は、モノマーサブユニットの方向によって影響を受けることが他の実験で確かめられた(図18A〜18D)。特に、部位1(S372またはS373)および部位2(S451またはS452)モノマーサブユニットを含むダイマーペプチドは、部位1−部位2方向(C−N結合)(ダイマーペプチドS453)ではアンタゴニスト活性、部位1−部位2方向(N−NまたはC−C結合)(ダイマーペプチドS454およびS456)では中程度のアゴニスト活性、部位2−部位1方向(C−N結合)(ダイマーペプチドS455)では高濃度のアゴニスト活性が示された(図18A〜18D)。
以下の表7は、部位1−部位1ダイマーペプチドS325、S329、S332、S333、S334、S335、S336、S337、S349、S350、S351、S352、S353、S354、S361、S362、S363、S374、S375、S376、S378、S379、S380、S381、S414、S415、S416、S417、S418、S420、およびS424を含めた様々合成ペプチドのHIR結合親和性およびFFCアッセイ能力を示す。これらの合成ダイマーペプチドは、モノマーサブユニットの方向に関係なく、ダイマーペプチド521および535に匹敵する特性を示した。特に、合成部位1−部位2ダイマーペプチドS425、S453およびS459は、部位1−部位2のダイマーペプチド537および538に匹敵するアンタゴニスト特性を示した。合成部位1−部位2のダイマーペプチドS455、S457およびS458は、ダイマーペプチド539に匹敵するアゴニスト特性を示した。合成部位1−部位2ダイマーペプチドS436、S437、S438、S454、S456はFFCアッセイにおいて部分的アゴニストとして作用し(すなわち、これらのペプチドはインシュリンの100%未満の最大応答を示す)、表では「++」および「+++」として示してある。
表7はまた、切断型モノマーおよびダイマーペプチドの特性を示しており、それによってHIR結合親和性を実質的に損なうことなくNまたはC末端残基を切除することができることが示される(たとえば、合成ペプチドS386からS392、S394からS403、およびS436からS445を参照)。特に、ある部位2−部位1ダイマーはIR親和性が210−11である(たとえば、S519およびS520参照)。これらのペプチドはまた、脂肪細胞アッセイで非常に効果があり(図31A〜31B)、HIRキナーゼアッセイでも強い効果を示す(図32A〜32B)(以下に説明したキナーゼアッセイ)。
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7、9、12、13、14、17、19、20、21、22、23および24は、特異的な化学リンカーを表す(表3参照)。FFCでは、0は効果無し、+はアゴニスト、−はアンタゴニストである。3列で示したペプチドは、化学結合によって、またはたとえばリジンなどの2個のアミノ基を有するアミノ酸の2本の枝に合成することによって、N−NまたはC−Cを結合させた異なる2種類のペプチドから成る。Acy=1−アミノ−1−シクロヘキサンカルボン酸、Cha=シクロヘキシルアラニン、Aib=2−アミノイソブチル酸、Hyp=ヒドロキシプロリン、大文字ではないアミノ酸はDアミノ酸である。Lig=側鎖アミノ基に2−アミノヒドロキシアセチル基(CO−CH2−O−NH2)を有するジアミノプロピオン酸、Lig’=側鎖アミノ基に2−アミノヒドロキシアセチル基(CO−CH2−O−NH2)を有するリジン、Ald=N末端またはリジンの側鎖アミノ基に結合したセリンの過ヨウ素酸酸化によって得られたアルデヒド基。
結果によって、さらにS175−S175ダイマーペプチドがS175モノマーペプチド(++対+++)よりもアゴニスト活性が少ないことが示された。C−N結合を有するS175−S175ダイマーペプチドは、C−CまたはN−N結合を有するS175−S175ダイマーペプチドと比較してアゴニスト活性が少ないか、または同等であった。F8−F8ダイマーペプチドは親モノマーのように、アゴニスト活性を示さなかった。
表7は、有効なインシュリンミメティックであるペプチドS519に対して、レセプターの親和性及び有効性を増大させるのに最も影響力の大きい変更は、N末端アミノ基のアセチル化、位置9においてVをIで置換すること、位置10においてEをQで置換すること、位置14においてYをWで置換すること、及び位置21〜24において配列GSLDを削除することである。
(実施例5)
基質リン酸化アッセイ(HIRキナーゼ)
WGA(コムギ麦芽凝集素)−精製組換えヒトインシュリン受容体を、基質リン酸化緩衝液(HEPES 50mM(pH8.0)、MnCl 3mM、MgCl 10mM、TritonX−100 0.05%、BSA 0.1%、ATP 12.5μM)中で様々な濃度のインシュリンまたはペプチドと混合した。合成ビオチン化基質ペプチド(ビオチン−KSRGDYMTMQIG)を添加して最終濃度2μg/mlにした。RTで1時間インキュベートした後、EDTA 50mMを添加して反応を停止させた。反応物をストレプトアビジンでコーティングした96ウェルマイクロタイタープレート(NUNC、カタログ番号236001)に移して、RTで1時間インキュベートした。プレートはTBSで3回洗浄した(Tris 10mM(pH8.0)、NaCl 150mM)。
その後、TBSに溶かした西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRPO)結合ホスホチロシン抗体(Transduction Laboratories、カタログ番号E120H)2000倍希釈物を添加した。プレートを30分間インキュベートして、TBSで3回洗浄した。TMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、Kem−En−Tec、Copenhagen、デンマーク)を添加した。Kem−En−Tecの1基質を添加した。10〜15分後、1%酢酸添加することによって反応を停止した。基質リン酸化の程度を示す吸光度は、分光光度計で波長450nMで測定した。
結果から、部位1−部位2ダイマー、ペプチド539の能力は、試験したアッセイ全てにおいてインシュリンの0.1%から1%であり(表8)、用量−応答曲線(図17A〜17B)の形状はインシュリンの用量−応答曲線と同様であることが示され、インシュリン様作用機構であることが示唆された。さらに、部位1−部位2ダイマーペプチド537および538はまた、特異的インシュリン受容体アンタゴニストとしての活性があった(表8、図16A〜16C)。特に、部位2−部位1ダイマーペプチド539は部位1−部位1ホモダイマーペプチド521および535よりもキナーゼアッセイで活性があったが(図19A〜19B)、FFC能力は低かった(図14A〜14C、図17A〜17B)。同様の結果が図20A〜Bおよび図21A〜Bに示されている。このデータによって、ホモダイマーおよびヘテロダイマーペプチドは異なる作用機構を使用することが示唆された。
Figure 2005517741
A=アゴニスト、N=アンタゴニスト、na=適用せず、Form.=式、Mon.=構成モノマー、Link.=リンカー、Pot.=能力、HIおよびHIGF−1Rは対照である。いずれも両端にタグを有する。ダイマーは全てC−N結合である。リンカー配列には下線が引いてある。
(実施例6)
IR自己リン酸化アッセイ
IR活性化は、32D細胞に形質移入したインシュリン受容体構築体の自己リン酸化を検出することによってアッセイした(Wang等、1993, Science 261:1591-1594; clone 969)。IR形質移入32D細胞を96ウェル組織培養用プレートに5x10細胞/ウェルで接種し、37℃で一晩インキュベートした。試料は刺激用培地(HEPES 25nMを含むRPIM1640 pH7.2)プラス、またはマイナスインシュリンで1:10に希釈した。細胞培養プレートから培養培地を傾瀉し、希釈した試料を細胞に添加した。プレートは、37℃で30分間インキュベートした。刺激用培地をプレートから傾瀉して、細胞溶解緩衝液(HEPES 50mM pH7.2、NaCl 150mM、Triton X−100 0.5%、AEBSF 1mM、アプロチニン 10KIU/ml、ロイペプチン 50μM、およびオルトバナジン酸ナトリウム 2mM)を添加した。細胞を30分間溶解した。
アッセイのELISA部分では、細胞溶解物をBSA−ブロックした抗IR単位mAb(Upstate Biotechnology、Lake Placid、NY)でコーティングしたELISAプレートに添加した。2時間インキュベートした後、プレートをPBSTで6回洗浄して、ビオチン化抗ホスホチロシン抗体(Upstate Biotechnology)を添加した。さらに2時間インキュベートした後、プレートを再度6回洗浄した。次にストレプトアビジン−Euを添加して、プレートを1時間インキュベートした。プレートを再度洗浄後、EG&G Wallac増強溶液(アセトン−フタル酸水素カリウム、100mM、pH3.2、2−ナフチルトリフルオロ酢酸 15mM、トリ(n−オクチル)−ホスフィンオキシド 50mM、TritonX−100 0.1%)を各ウェルに添加して、プレートを振盪機にRTで20分間置いた。各ウェルの試料の蛍光は、VICTOR 1420 Multilabel Counter(EG&G Wallac)を使用して615nmで測定した。
あるいは、IR自己リン酸化は、ホロ酵素リン酸化アッセイを使用して測定した。このアッセイでは、精製インシュリン受容体(コムギ麦芽凝集素発現系から単離)をATP 10μMを含有する自己リン酸化緩衝液(HEPES50mM、pH.8.0、NaCl 150mM、Triton−X−100 0.025%、MnCl 5mM、オルトバナジウム酸ナトリウム 50μM)50μlに溶かしたインシュリン 25nM、またはペプチド 10μMまたは50μMと22℃で45分間インキュベートした。β−メルカプトエタノールを含有するゲル添加緩衝液(Bio−Rad Laboratories、Inc.、Hercules、CA)50μlを添加することによって反応を停止させた。試料は4〜12%SDS−ポリアクリルアミドゲルで泳動した。タンパク質をニトロセルロース膜に移すことによってウェスタンブロット分析を実施した。この膜をミルク 3%を含有するPBSで一晩ブロックした。この膜を抗ホスホチロシン4G10 HRP標識抗体(Upstate Biotechnology)で2時間インキュベートした。タンパク質バンドはSuperSignal West Dura Extended Duration Substrate Chemiluminescence Detection System(Pierce Chemical Co.)を使用して視覚化した。
(実施例7)
蛍光をベースとしたHIR結合アッセイ
A.時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ
時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ(TR−FRET)は、ペプチド競合研究のために使用した。一連のアッセイでは、モノマーおよびダイマーペプチドがビオチン化RP9モノマーペプチド(b−RP9)とHIR−イムノグロブリン重鎖キメラへの結合を競合する能力について試験した(sIR−Fc、Bass等、1996)。このアッセイは、最終量30μlで384ウェル白色マイクロプレート(NUNC)を使用して実施した。最終的なインキュベーション条件は、b−RP9 22nM、SA−APC 1nM(ストレプトアビジン−アロフィコシアニン)、Eu3+−sIR−Fc(LANCE(商標)標識、PE Wallac、Inc.)1nM、Tris−HCl 0.05M(pH8 25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M、およびBSA 0.1%(Cohn画分V)であった。RTで16〜24時間インキュベートした後、665nmおよび620nmでの蛍光シグナルをVictor1420プレートリーダー(PE Wallac、Inc.)で読み取った。一次データのバックグラウンドを修正して、緩衝液対照に正規化して、次に特異的結合の割合として表した。
結果を図22A〜22Bに示す。図21Aはb−RP9競合データを示す。これらの図では、Z’−因子は0.5より大きく(Z’=1−(3σ+3σ)/|μ−μ|;Zhang等、1999, J. Biomol. Screen. 4:67-73)、シグナル対バックグラウンド(S/B)の比は、約4〜5であった。図22Aでは、各データ点は2連のウェルの平均を表す。線は以下の式、y=min+(max−min)/(1+10^((logIC50−XHillslope))によるデータの4変数非線形回帰分析に最も合致することを表す。これを使用してIC50値を決定した。
他の一連のアッセイでは、モノマーおよびダイマーペプチドがビオチン化S175(b−S175)またはb−RP9とsIR−Fcへの結合を競合する能力について試験した。TR−FRETアッセイは、最終量30μlで384ウェル白色マイクロプレートで実施した。最終的なインキュベーション条件は、b−S175 33nMまたはb−RP9 22nM、SA−APC 1nM、Eu3+−sIR−Fc 1nM、Tris−HCl 0.05M(pH8 25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M、およびBSA 0.1%であった。RTで16〜24時間インキュベートした後、665nmおよび620nmでの蛍光シグナルをVictor1420プレートリーダーで読み取った。一次データのバックグラウンドを修正して、緩衝液対照に正規化して、次に特異的結合の%として表した。
結果を図23A〜23Bに示す。これらの図では、各データ点は2連のウェルの平均を表す。線はデータの4変数非線形回帰分析に最も合致することを表し、IC50値を決定するために使用した。図23Aはb−S175競合データを示し、図23Bはb−RP9競合データを示す。
B.蛍光偏光アッセイ
蛍光偏光アッセイ(FP)は、ペプチド競合研究のために使用した。一連のアッセイでは、モノマーおよびダイマーペプチドがフルオレセイン−RP9(FITC−RP9)と可溶性HIR外部ドメインへの結合を競合する能力について試験した(sIR、Kristensen等、1998, J. Biol. Chem. 273:17780-17786)。このアッセイは、最終量30μlで384ウェル白色マイクロプレート(NUNC)を使用して実施した。最終的なインキュベーション条件は、FITC−RP9 1nM、sIR 10nM、Tris−HCl 0.05M(pH8、25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M、BGG(ウシガンマグロブリン)0.05%、Tween−20(登録商標)0.005%であった。RTで16〜24時間インキュベーションした後、520nmでの蛍光シグナルをAnalyst(商標)ADプレートリーダー(LJL BioSystems、Inc.)で読み取った。1次データはFITC−RP9を添加しないでsIR 10nMを使用してバックグラウンド修正して、緩衝液対照に対して正規化して、次に特異的結合の割合として表した。Z’因子は0.5より大きく、アッセイのダイナミックレンジは約125mPであった。図24〜27では、各データ点は2連のウェルの平均を表す。線はデータの4変数非線形回帰分析に最も合致することを表し、IC50値を決定するために使用した。Z’因子は0.5より大きく、アッセイのダイナミックレンジは約125mPであった。結果を図24A〜24Bに示す。
他の一連のアッセイでは、モノマーおよびダイマーペプチドがFITC−RP9と可溶性ヒトインシュリンミニ受容体(mIR、Kristensen等、1999, J. Biol. Chem. 274:37351-37356)への結合を競合する能力について試験した。FPアッセイは、最終量30μlで384ウェル白色マイクロプレートを使用して実施した。最終的なインキュベーション条件は、FITC−RP9 2nM、mIR 20nM、Tris−HCl 0.05M(pH8、25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M、BGG 0.001%、Tween−20(登録商標)0.005%であった。RTで16〜24時間インキュベーションした後、520nmでの蛍光シグナルをAnalyst(商標)ADプレートリーダーで読み取った。1次データはFITC−RP9を添加しないでmIR 20nMを使用してバックグラウンド修正して、緩衝液対照に対して正規化して、次に特異的結合の割合として表した。結果を図25A〜25Bに示す。
モノマーおよびダイマーペプチドはまた、フルオレセイン−インシュリン(FITC−インシュリン)とsIRへの結合を競合する能力について試験した。FPアッセイは、最終量30μlで384ウェル白色マイクロプレートを使用して実施した。最終的なインキュベーション条件は、FITC−インシュリン 2nM、sIR 20nM、Tris−HCl 0.05M(pH8、25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M、BGG 0.05%、Tween−20(登録商標)0.005%であった。RTで16〜24時間インキュベーションした後、520nmでの蛍光シグナルをAnalyst(商標)ADプレートリーダーで読み取った。1次データはFITC−インシュリンを添加しないでsIR 20nMを使用してバックグラウンド修正して、緩衝液対照に対して正規化して、次に特異的結合の割合として表した。結果を図26A〜26Bに示す。
その他のアッセイでは、ペプチドモノマーおよびダイマーペプチドがフルオレセイン−インシュリンとmIRへの結合を競合する能力について試験した。FPアッセイは、最終量30μlで384ウェル白色マイクロプレートを使用して実施した。最終的なインキュベーション条件は、FITC−インシュリン 2nM、mIR 20nM、Tris−HCl 0.05M(pH8、25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M、BGG(ウシガンマグロブリン)0.05%、Tween−20(登録商標)0.005%であった。RTで16〜24時間インキュベーションした後、520nmでの蛍光シグナルをAnalyst(商標)ADプレートリーダーで読み取った。1次データはFITC−RP9を添加しないでmIR 20nMを使用してバックグラウンド修正して、緩衝液対照に対して正規化して、次に特異的結合の%として表した。結果を図27A〜27Bに示す。
C.概要
以下の表9は、TR−FRETおよびFP方式でIR構築体、sIR−Fc、sIR、およびmIRを使用した競合アッセイによって計算した結合データをまとめた表である。表9のデータは、ほとんどのダイマーペプチド(たとえば、S291およびS375またはS337)はFFCアッセイにおいて対応するモノマーペプチド(たとえば、それぞれH2CまたはRP9)よりも大きなアゴニスト活性を示すことを示す。アッセイレポーターがモノマーペプチド(すなわち、RP9またはS175)である場合、競合アッセイにおいてモノマーペプチドとインシュリンとの間に差があることが既に示された。この差はまた、表9で示したようにダイマーペプチドによっても示された。表9はさらに、E8(D120)などの群6モノマーペプチドはFITC−RP9またはb−RP9ペプチドとsIR−Fcへの結合を競合することができるが、FITC−RP9などのペプチドリガンドとはmIRへの結合を競合しなかったことを示す。異なるIR構築体を使用した実験によって、配列モチーフに基づいた部位1ペプチドの区別が可能になった(すなわち、群6(式10)対群1(式1、A6)。
Figure 2005517741
FRET−時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ、FP=蛍光偏光アッセイ、RRA=放射受容体アッセイ、FFC=遊離脂肪細胞アッセイ、N−N=N末端結合、C−C=C末端結合、いずれも部位1(式1)モノマーまたは部位1−部位1(式1−式1)ダイマーである。
前記に概略した機能的研究に基づいて、以下のペプチドダイマーを設計した。
Figure 2005517741
リンカー配列には下線を引き、太字である。モノマー配列は以下に示す。ダイマーは全てC−N結合である。
Figure 2005517741
(実施例8)
マルトース結合性タンパク質へのペプチド融合
A.クローニング
ファージディスプレイの関心のあるペプチド配列をマルトース結合性タンパク質(MBP)融合物へ移すことが望ましいのは、いくつかの理由による。第1に、より敏感な親和性を判断するために、多価のファージディスプレイペプチドを単価系に変換するべきである。この目的のために、ペプチド配列を一般的にシステイン残基を含まないモノマーとして存在するMBPに融合する。第2に、競合実験は、同一または異なるペプチドに実施することができ、1個はファージディスプレイし、他方はMBPに融合した。最後に、精製したペプチドはDNA配列で操作した部位で融合タンパク質を切断することによって得ることができる。
図28は、MBP−ペプチド構築体の概略を示した図である。この構築体では、ペプチド配列のN末端をMBPのC末端に融合させる。2個のペプチド隣接エピトープタグ、N末端に短縮したFLAG(登録商標)およびC末端にE−Tagを含める。対応する遺伝子融合物は、関心のあるペプチドをコードするPCR産物とフレーム内のMBPをコードするベクター断片とを連結することによって作製した。ベクター断片は、プラスミドpMAL−c2(New England Biolabs)をEcoRIおよびHindIIIで消化して、この断片を小エビアルカリホスファターゼ(SAP、Amersham)で処理することによって得られた。消化したDNA断片を1%アガロースゲルで分離して、切り出して、QIAEXII(QIAGEN)で精製した。関心のある20個のアミノ酸ペプチド配列は最初に、ファージディスプレイベクターpCANTAB5E(Pharmacia)でコード化した。これらの配列を得るために、短縮FLAG(登録商標)をコードする配列またはE−Tagエピトープにアニールし、必要な制限酵素部位EcoRIおよびHindIIIもまた含有するプライマーを合成した。PCR生成物は、個々のファージクローンから得られ、制限酵素で消化して、挿入断片を作製した。ベクターおよび挿入物を15℃で一晩連結した。連結生成物はQIAquickスピンカラム(QIAGEN)を使用して精製し、エレクトロポレーションはDNA 10ngおよびE.coli株ER2508(RR1 lon:miniTn10(Tet)(malB)(argF−lac)U169 Pro zjc::Tn5(Kan) fhuA2)エレクトロポレーション細胞(New England Biolabs)40μlを含有するエレクトロポレーション容器(ギャップ 0.1mm、容量0.5ml)内で1500vで実施した。パルス直後に、グルコース 2%を含有する予備加温した(40℃)2xYT培地(2xYT−G)1mlを添加して、形質転換体を37℃で1時間増殖させた。細胞形質転換体を2xYT−AGプレートに播種し、37℃で一晩増殖させた。配列決定によって正確な構築体を含有するクローンを確認した。
B.可溶性MBP−ペプチド融合タンパク質の小規模発現
MBP−ペプチド融合タンパク質をコードするプラスミドを有するE.coli ER2508(New England Biolabs)は、2xYT−AGで37℃で一晩(250rpm)増殖させた。翌日、この培養物を使用して培地(G含有2xYT)に接種して、OD600 0.1を実現した。OD600が0.6に達したら、IPTGを最終濃度0.3mMで添加して発現を誘導して、次に細胞を3時間増殖させた。この細胞を遠心によってペレットにして、全細胞の試料をSDS−PAGEによって分析した。分子量の正確な融合タンパク質の産生は、モノクローナル抗体抗E−Tag−HRP複合体を使用したウェスタンブロット分析によって確認した(Pharmacia)。
C.可溶性MBP−ペプチド融合タンパク質の大規模発現
MBP−ペプチド融合タンパク質をコードするプラスミドを有するE.coli ER2508は、2xYT−AG培地で37℃で8時間(250rpm、37℃)増殖させた。培養物を2xYT−AGで2次培養してOD600 0.1を実現し、30℃で一晩増殖させた。この培養物を使用して以下の組成物(g/l)、グルコース(3.00)、(NHSO 5.00、MgSO・7HO(0.25)、KHPO(3.00)、クエン酸(3.00)、ペプトン(10.00)、および酵母抽出物(5.00)、pH6.8の培地を有する発酵容器に接種した。
培地のグルコースが消費されるまで(OD600=約6.0〜7.0)、培養物を700rpm、37℃で増殖させた。融合タンパク質の発現は、IPTG 0.3mMを添加することによって誘導し、培養物はグルコース50%を一定速度2g/l/hで供給した供給バッチ様式の発酵で2時間増殖させた。細胞は、遠心によって培地から取り出した。細胞ペレットの試料は、SDS−PAGEによって分析し、その後マウスモノクローナル抗体抗E−Tag−HRP複合体を使用したウェスタンブロット分析を行い発現した生成物を視覚化した。
D.精製
細胞ペレットは超音波によって機械的に、または弱い界面活性剤Triton X−100で化学的に処理することによって粉砕した。細胞残渣を遠心によって除去した後、可溶性タンパク質を適切な開始緩衝液で希釈または透析してクロマトグラフィー精製用に調製した。MBP融合物は最初にアミロースアフィニティークロマトグラフィーまたは陰イオン交換クロマトグラフィーのいずれかによって精製した。最終的な精製は、抗E−Tag抗体アフィニティーカラム(Pharmacia)を使用して実施した。親和性樹脂は、TBS(Tris緩衝生理食塩水 0.025M、pH7.4)で平衡化して、結合したタンパク質はElution緩衝液(グリシン 100mM、pH3.0)で溶出した。精製タンパク質の純度および強度は、標準的方法によってSDS−PAGEおよびウェスタンブロット分析によって分析した。
MBP融合では、IRアゴニスト活性は以下の表10に示した部位1−部位1ダイマーペプチドで認められた。MBP融合物の他の結合データはまた、以下の表11に示す。
Figure 2005517741
Figure 2005517741
MBP(融合物の陰性対照)は、ベータ−ガラクトシダーゼ(lacZ)の小断片に融合させる。**MBP−lacZ融合タンパク質は購入形態NEBとしてプラスミドpMal−c2から得られた。Fus.=融合物、Act.=活性、Conc.=濃度、N=アンタゴニスト、A=アゴニスト、LF=長いFLAG(登録商標)エピトープ(DYKDDDDK、配列番号1777)、SF=短いFLAG(登録商標)エピトープ(DYKD、配列番号1545)、na=適用せず、Form.=式、ダイマーはいずれもC−N結合である。リンカー配列には下線を引いてある。
Figure 2005517741
これらの融合物の濃度は、発現特性に応じて変化する。各融合物には2種類、非切断のもの(−)および因子Xa(+)によって切断したものがある。融合タンパク質はTris緩衝液(Tris 20mM、NaCl 200mM、EDTA 1mM、マルトース 50mM、pH7.5)に溶かしており、切断融合物(+)は同様のTris緩衝液(500μl)+因子Xa 12μgに溶かしてある。(因子Xaの製造元:New England Biolabs)。Conc.=濃度、Form.=式、ダイマーはいずれもC−N結合である。リンカー配列には下線を引いてある。
E.BIAcore分析
インシュリン受容体に結合する融合タンパク質および合成ペプチドのBIAcore分析では、インシュリン(酢酸ナトリウム緩衝液 10mM pH5に50μg/mlで溶かす)をアミン結合によってCM5センサーチップ(フローセル−2)に固定した。いかなる非特異的結合も修正するために、フローセル−1はバックグラウンド用に使用した。インシュリン受容体(450nM)をフローセルに注入して、IRのインシュリンへの結合は共鳴単位(RU)で測定した。インシュリンに結合した受容体は、220RUで読み取った。表面はNaOH 25mMで再生させた。試験管内で室温で受容体とインシュリンを予備インキュベートすると、共鳴単位が16RUに成るのが完全に阻害された。したがって、競合研究のために系を確認した。いくつかのマルトース結合融合タンパク質、ペプチド、およびrVabは、予めインシュリン受容体とインキュベートしてから、競合研究のためにインシュリンチップに注射した。結合/共鳴単位の減少は、いくつかのMBP−融合タンパク質はインシュリン結合部位をブロックすることができることを示している。結果を表12および13に示す。表のアミノ酸配列は、以下に示した447および2A9配列以外は、図8および9A〜9Bに同定する。
Figure 2005517741
A7(20A4)、D8、およびD10ペプチド配列は図8および図9A〜9Bに示す。447ペプチド配列は、LCQRLGVGWPGWLSGWCA(配列番号2156)である。
Figure 2005517741
各ペプチドの濃度は約40μMで、IRの濃度は450nMであった。20D1、20A4、およびD8ペプチド配列は図8および9A〜9Bに示す。残りのペプチド配列は以下の通りである。447=LCQRLGVGWPGWLSGWCA(配列番号2156)、2A9=LCQSWGVRIGWLTGLCP(配列番号2157)、20C11=DRAFYNGLRDLVGAVYGAWD(配列番号1659)、H2=VTFTSAVFHENFYDWFVRQVS(配列番号1784)。
2個のD117(H2C)ペプチドを含む部位1アゴニストの調製に関して、ほんの3個のアミノ酸のリンカー(12Å)は、9個のアミノ酸(36Å)結合領域で調製した対応するリガンドよりもIRの部位1に対する親和性が大きい(図29)。
F.MBP融合タンパク質によるIRの自己リン酸化の刺激
MBP融合ペプチドは前述のように調製し、次に32D細胞に形質移入したインシュリン受容体構築体の自己リン酸化をアッセイした(Wang等、1993、クローン969)(前記の実施例参照)。図30に示したこれらの実験の結果は、H2CモノマーおよびH2C−H2Cホモダイマーペプチドがin vivoでIRの自己リン酸化を刺激することを示す。6個のアミノ酸リンカーを有するH2Cダイマーペプチド(部位1−部位1)(H2C−6aa−H2C)は自己リン酸化アッセイで最も活性があった。その他の活性ダイマーペプチド、特にH2C−9aa−H2C、H2C−12aa−H2C、H2C−3aa−H2CおよびF8はまた、図30に示す。
G.MBP融合ペプチドのインシュリン受容体結合親和性および脂肪細胞能力
MBP融合ペプチドのインシュリン受容体への結合親和性および脂肪細胞能力を測定するアッセイの結果を以下の表14に示す。
Figure 2005517741
Figure 2005517741
Figure 2005517741
ETAG=GAPVPYPDPLEPR(配列番号2205)、MBP...NNNNL=MBPのc末端におけるMBPへの融合結合部分、いずれのダイマーもC−N結合である。
(実施例9)
インシュリンアゴニストのin vivoアッセイ
ダイマーペプチドS519のin vivo活性を試験するために、静脈血グルコース試験をWistarラットで実施した。体重約300gのオスのMol:Wistarラットを2群に分けた。血液グルコース濃度を測定するために、血液試料10μlを尾静脈から採取した。ラットをHypnorm/Dormicumでt=−30分に麻酔し、血液グルコースをt=−20分およびt=0分に再度測定した。t=0で試料を採取した後、ラットの尾静脈に溶剤または等張水性緩衝液に溶かした試験物質を注射量1ml/kgに対応する濃度で注射した。血液グルコースは、10、20、30、40、60、80、120および180分の時点で測定した。Hypnorm/Dormicum投与は20分間隔で繰り返した。図33に示した結果では、(20nmol/kgの)S519ペプチドは、(2.5nmol/kgでの)ヒトインシュリンで認められるのと同様の濃度まで血液グルコースを低下させることが示された(n=8)。S519ペプチドおよびヒトインシュリンは、in vivo効果において、大きさも応答の開始も同等であることが示された(図33)。
(実施例10)
IGF−1結合性ペプチド
3種類の主要なペプチドIGF−1サロゲート、部位1 A6(FyxWF)(配列番号1596)、部位1 B6(FyxxLxxL)(配列番号1732)、および部位2(システインループ)はIGF−1Rパンニング実験によって得られた。2000年3月29日出願のBeasley等、国際出願PCT/US00/08528号、および2000年3月29日出願のBeasley等、米国出願第09/538038号を参照のこと。活性サロゲートには、20E2およびRP6(B6−様、式2)、S175(A6−様、式1)、G33(A6−様、式1)、RP9(A6−様、式1)、D815(部位2)、およびD8B12(部位2)ペプチドが含まれる。IGF−1サロゲートは、以下に説明した様々なアッセイによって分析した。
A.ファージ競合
ファージ競合研究は、部位1(RP9)および部位2(D815)モノマーペプチドで実施した。プレートをIGF−1R(炭酸塩緩衝液、pH9.6に100ng/ウェルで溶かす)で4℃で一晩コーティングした。ウェルをPBSに溶かした4%無脂乳で室温で60分間ブロックした。救出ファージ 100マイクロリットルを各ウェルに添加した。様々な濃度のペプチドを添加し、混合物を室温で2時間インキュベートした。プレートをPBSで3回洗浄して、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合した抗M13抗体を各ウェルに添加した。標識抗体を室温で60分間インキュベートした。洗浄後、ABTS 100μlをウェル毎に添加し、プレートをマイクロタイターリーダーで450nMで読み取った。
ファージには、RP9(A6様、式1)、RP6(B6様、式2)、D8B12(部位2)、およびD815(部位2)が含まれる。ペプチドにはRP9およびD815が含まれる。
Figure 2005517741
図34A〜34Eに示した結果によって、RP9およびD815ペプチドは、部位1および部位2ファージの両方と競合することが示された。これらの結果は、IGF−1Rとの相互反応のアロステリック的な性質を示している。
ファージ競合研究はまた、6または12アミノ酸リンカーを含有する部位2−部位1ダイマーペプチドで実施した。プレートはIGF−1R(炭酸緩衝液、pH9.6に100ng/ウェルで溶かす)で4℃で一晩コーティングした。ウェルをPBSに溶かした4%無脂乳で室温で60分間ブロックした。救出ファージ 100マイクロリットルを各ウェルに添加した。様々な濃度のペプチドを添加し、混合物を室温で2時間インキュベートした。プレートをPBSで3回洗浄して、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合した抗M13抗体 100μlを各ウェルに添加した。標識抗体を室温で60分間インキュベートした。洗浄後、ABTS 100μlをウェル毎に添加し、プレートをマイクロタイターリーダーで450nMで読み取った。ファージには、RP9、RP6、D8B12およびD815が含まれていた。ペプチドには、D815−6L−RP9およびD815−12L−RP9が含まれる。リンカー配列には下線を引き、以下に示す。
Figure 2005517741
D8B12、D815、RP6およびRP9アミノ酸配列は前の項で示す。図35A〜35Eで示した結果は、ダイマーは部位1および部位2ファージの両方と競合することを示している。このことは、両ダイマー単位はIGF−1Rで活性であることを示している。
B.IGF−1増殖アッセイ
IL−3およびヒトIGF−1R受容体を発現するFDC−P2細胞は、通常の方法に従って、ウシ胎児血清(FBS) 15%および(1L−3を含有する)WEHI調整培地 5%を補給したRPMIk−1640培地で増殖させた。実験の前に、細胞をプレートに撒き、PBSで2回洗浄した。この後、細胞を2% FBSを含むRPMI−1640に再懸濁し、96ウェルプレートに75μl中2x10細胞/ウェルで添加した。これは、細胞プレートと称した。
ペプチドはRPMI−FBS 15%(試験培地)に懸濁した。アゴニストアッセイでは、培地は96ウェルプレートの列2〜12に添加した。ペプチドは、試験培地200μl中最終濃度60μMで列1に添加した。ペプチドは、列2〜11に連続希釈(1:1)した。列12にはいかなるペプチドも添加しなかった(対照、IGF−1を有さない細胞)。アンタゴニストアッセイでは、IGF−1 10ng/mlを含有する培地(ED50試験培地)を96ウェルプレートのウェル全てに添加した。列1にはED50試験培地に溶かしたペプチド 100μlを120μMの濃度で添加した。ペプチドは列2〜11に連続希釈(1:1)した。列12にはいかなるペプチドも添加しなかった(対照、IGF−1を有さない細胞)。
アゴニストおよびアンタゴニストアッセイでは、作業プレートから75μlを比較細胞プレートの適切な列に移した。アゴニストおよびアンタゴニスト両アッセイのための開始ペプチド濃度は、30μMであった。各ペプチドは、2連で実施した。プレートを37℃で45〜48時間インキュベートした。WST−1(細胞増殖試薬、Rocheカタログ番号1644807)10マイクロリットルを各ウェルに添加し、プレートはELISAリーダーで(440/770の2波長)で1時間毎に4時間にわたって読み取った。図は、シグマプロットを使用して生データから作製した。ペプチドには以下のものが含まれる。
Figure 2005517741
IGF−1増殖アッセイの結果は図36〜42に示す。図36によって、ペプチドG33(部位1、ED50約10μM)およびD815(部位2、ED50約2μM)はIGF−1Rでアゴニスト活性を示し、一方ペプチドRP9およびRP6はアゴニスト活性を示さないことが示された。図37によって、ペプチドRP6(部位1、ED50約1μM)およびRP9(部位1、ED50約7μM)はIGF−1Rでアンタゴニスト活性を示し、一方ペプチドG33およびD815はアンタゴニスト活性を示さないことが示された。図38によって、ペプチドS175および20E2はIGF−1Rで弱いアゴニスト活性を表すことが(ED50>10μM)示された。図39によって、6個または12個のアミノ酸リンカーを有するD815−RP9ダイマーは、IGF−1Rでアゴニストとして作用することが示された。図40によって、ダイマーペプチドD815−6−G33は、IGF−1Rでアゴニストとして不活性であることが示される。図41によって、モノマーペプチドRP6はIGF−1Rでアンタゴニストとして作用することが示された。FDC−2Pで測定したIGF−1標準曲線を図42に示す。
部位1および部位2ペプチドのIGF−1Rデータを以下の表15にまとめて示す。
Figure 2005517741
A=アゴニスト、N=アンタゴニスト、nd=測定せず、NA=適用せず、Form.=式、Mon.=モノマー、Antag.=アンタゴニスト活性、Link.=リンカー、リンカー配列には下線を引いてある。
(実施例11)
ペプチドライブラリーのパンニング
A.IGF−1サロゲートの第2ライブラリーのパンニング
可溶性IGF−1R(「sIGF−1R」)はR&D Systemsから入手した。可溶性タンパク質(純度>95%)には、マウス骨髄腫細胞株から単離したIGF−1Rのヘテロテトラマー(アルファ2−ベータ2)細胞外ドメインが含まれる。sIGF−1R(500ng/ウェル)を96ウェルマイクロタイタープレート(MaxiSorpプレート、NUNC)の適切な数のウェルに添加して、4℃で一晩インキュベートした。次に、ウェルをMPBS(Carnation(登録商標)無脂粉乳 2%を含有するPBS緩衝液 pH7.5)で室温(RT)で1時間ブロックした。G33およびRP6第2ライブラリー用の各回のパンニングに8個のウェルを使用した。ファージはMPBSとRTで30分間インキュベートして、100μlを各ウェルに添加した。
第1回目に投入したファージの力価は4x1013cfu/mlであった。2回目および3回目に投入したファージの力価は約1011cfu/mlであった。ファージは室温で2から3時間結合させた。次にウェルをMPBS 200μl/ウェルで13回迅速に洗浄した。結合したファージは、グリシン−HCl 20mM、pH2.2 100μl/ウェルで30秒間インキュベートすることによって溶出した。次に、得られた溶液をTris−HCl、pH8.0で中和した。対数増殖期のTG1細胞に溶出したファージを感染させ、次に2xYT−AGを含有する24cmx24cmプレート2枚に撒いた。プレートを30℃で一晩インキュベートした。翌朝、細胞を掻き取って取り出し、10%グリセロール中で−80℃で保存した。その後のアフィニティー濃縮では、これらの保存ストックから細胞を増殖させ、ファージは前述したように調製した。最小限72個のクローンを第2、第3および第4回のパンニングによって無作為に採取し、結合活性をスクリーニングした。アミノ酸配列を決定したクローンのDNA配列決定を図43A〜43Bにまとめて示した。
B.ペプチドダイマーライブラリーのパンニング
マイクロタイタープレートは、以下の通りに標準的方法によってコーティングしてブロックした。プレートをNaHCO 0.2M、pH9.4に溶かしたsIGF−1R(前記の実施例参照)または可溶性IR(Bass構築体、Bass等、1996, J. Biol. Chem. 271:19367-19375)でコーティングした。IRまたはIGF−1R(1回および2回)50ng、IRまたはIGF−1R(3回)25ng、またはIRまたはIGF−1R(4回)12.5ngを含有する溶液100マイクロリットルを96ウェルマイクロタイタープレート(MaxiSorpプレート、Nalge NUNC)の適切な数のウェルに添加して、4℃で一晩インキュベートした。次に、ウェルをPBSに溶かした無脂乳2%溶液(MPBS)によってRTで少なくとも1時間ブロックした。
IRまたはIGF−1Rでコーティングした8個のウェルを各回のパンニングに使用した。ファージ100マイクロリットルを各ウェルに添加した。第1回目に投入したファージの力価は3x1013cfu/mlであった。次の回に投入したファージの力価は約1012cfu/mlであった。ファージは室温で2〜3時間インキュベートした。次にウェルをPBS 300μl/ウェルで13回迅速に洗浄した。結合したファージは、グリシン−HCl 50mM、pH2.0 150μl/ウェルで15分間インキュベートすることによって溶出した。得られた溶液を収集して、次にTris−HCl、pH8.0で中和した。対数増殖期のTG1細胞は、ヘルパーファージ、アンピシリン、およびグルコース(最終濃度2%)を添加する前に2xYT培地中で37℃で1時間溶出したファージで感染させた。
37℃で1時間インキュベートした後、細胞を遠心して、2xYT−AK培地に再懸濁した。次に、細胞を振盪機に戻して37℃で一晩インキュベートした。次に一晩増幅したファージを沈殿させ、次のパンニングを行った。全部で96個のクローンを3回および4回から無作為に採取して、結合活性をスクリーニングした。2000年3月29日出願のBeasley等の国際出願PCT/US00/08528および2000年3月29日出願のBeasley等の米国特許第09/538038号で記載されたように、各回のいくつかのクローンのIRまたはIGF−1Rへの結合を可溶性ペプチドとの競合によるファージELISAでさらに試験した。競合は、ウェル当たりRP9ペプチド、組換えD8ペプチド、または両者を5μl添加することによって競合を実施し、その後ウェル当たりファージ100μlを添加した。代表的なペプチドを以下の図44A〜44Bおよび表16に示す。
Figure 2005517741
Pep.=ペプチド、Form.=式、リンカー配列は太字で示し、下線を引いてある。ダイマーはいずれもC−N結合である。
C.好ましいアミノ酸の決定
モノマーおよびダイマーペプチドの両方について、各ペプチドに好ましいアミノ酸を以下の通りに決定した。その位置で20個のアミノ酸それぞれの予想される頻度はライブラリーのコドン利用および%ドーピングに基づいて計算した。次に、これを4回のバイオパンニングの後で各位置での各アミノ酸の実際の出現率と比較した。頻度>2倍で出現したアミノ酸は好ましいと考えた。最も好ましいアミノ酸(類)は、パンニング後最も濃縮倍率の高いものであった。RP9、D8および式10(群6)ペプチドに好ましいアミノ酸配列は、以下に示す。
Figure 2005517741
表17は、RP9ペプチドに好ましいアミノ酸配列を示す。太字の残基は非常に好ましいことを示す。下線を引いた残基は、複数のアミノ酸が好ましい位置を示す。第1の列はパンニング方法に使用した条件を示す。「RP9」は親RP9の配列を示す。「基準」は、無作為ライブラリーのパンニング方法で説明したように、通常のパンを示す。「w/ペプチド」は、RP9ペプチド 2nMの存在下でのパンニングを示す。「w/インシュリン」は、インシュリン 2nMの存在下でのパンニングを示す。
Figure 2005517741
表18は、D8ペプチドに好ましいアミノ酸配列を示す。太字の大文字の残基は、非常に好ましいものを示し(頻度>90%)、太字ではない大文字はいくらか好ましいものを示し(頻度が予測よりも5〜15%高い)、小文字は少し好ましくないものを示す(頻度が予測よりも2〜5%高い)。同様の好ましさは、D8でモノマーおよびダイマーライブラリーの両方に認められた。下線のY/Wは、両残基のその位置での好ましさが等しいことを示す。元のD8配列では、この位置はYによって占められている。
Figure 2005517741
表19は、群6ペプチドに好ましい配列を示す。下線の残基は、好ましいN末端およびC末端の延長を示す。
(実施例12)
蛍光をベースとしたhIGF−1R結合アッセイ
A.異種時間分解蛍光アッセイ
組換えヒトIGF−1R(rhIGF−1R)へのビオチン化組換えヒトIGF−1(b−rhIGF−1)の結合に対する組換えペプチドG33(rG33)の影響は、異種時間分解蛍光アッセイ(TRF、DELFIA(登録商標)、PE Wallac、Inc.)を使用して測定した。rhIGF−1Rタンパク質には、アミノ酸残基932個までの受容体プレプロペプチドの細胞外ドメインが含まれた(A. Ullrich等、1986, EMBO J. 5:2503-2512)。2連のデータ点を競合剤各濃度で収集して、データの4変数非線形回帰分析(y=min+(max−min)/(1+10^((logIC50−x)Hillslope))に最も合致するように線を設定し、IC50値を測定するために使用した。
アッセイは、96ウェルの透明なマイクロプレート(NUNC MaxiSorp)を使用して最終量100μlで実施した。マイクロタイタープレートをNaHCO、pH8.5緩衝液 100μlに溶かしたrhIGF−1R 0.1μgでコーティングして、室温(RT)で一晩インキュベートした。このプレートをTris−HCl 0.05M(pH8、25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M(TBS)で3回洗浄した。この後に、ブロッキング緩衝液(ウシ血清アルブミン(BSA、Cohn画分V)0.05%を含有するTBS)200μlを添加して、RTで1時間インキュベートした。このプレートをWallac’s DELFIA(登録商標)洗浄濃縮物1x溶液で6回洗浄した。競合物を50μlの量で添加し、BSA 0.05%を含有するTBSでマイクロタイタープレートにおいて連続希釈した。非特異的結合(バックグラウンド)は、hIGF−1 60μMの存在下で測定した。
BSA 0.05%を含有するTBSで希釈したb−rhIGF−1、10nM、50マイクロリットルを添加した。このプレートをRTで2時間インキュベートした。インキュベート後、プレートをWallac’s DELFIA(登録商標)洗浄濃縮物1x溶液で6回洗浄した。次に、プレートをユーロピウム標識ストレプトアビジン1:1000希釈物を含有するWallac’s DELFIA(登録商標)アッセイ緩衝液 100μlで処理し、RTで2時間インキュベートした。その後、Wallac’s DELFIA(登録商標)洗浄濃縮物の1X溶液を用いて6回洗浄した。Wallac’s DELFIA(登録商標)エンハンサー 100μlを添加して、プレートをRTで30分間振盪した。振盪後、620nmの蛍光シグナルをVictor 1420プレートリーダー(PE Wallac、Inc.)で読み取った。1次データをバックグラウンド修正して、緩衝液対照で正規化し、次に%特異的結合として表した。Z’因子は0.5以上で(Z’=1−(3σ+3σ)/|μ−μ|;Zhang等、1999, J. Biomol. Screen. 4:67-73)、シグナル対バックグラウンド(S/B)の比は、約20であった。これらの実験の結果を図45に示す。rG33について計算したIC50値を以下の表20に示す。
b−rhIGF−1のrhIGF−1Rへの結合に対する組換えペプチドD815(rD815)、RP9、D815−6aa−G33、D815−6aa−RP9およびD815−12aa−RP9の影響を前記の蛍光アッセイを使用して測定した。IGF−1を対照として使用した。2連のデータ点を各濃度の競合物質で収集し、線はデータの4変数非線形回帰分析に最も合致することを表し、IC50値を決定するために使用した。rD815の結果を図46に示す。RP9の結果を図47に示す。D815−6−G33の結果を図48に示す。D815−6−RP9の結果を図49に示す。D815−12−RP9の結果を図50に示す。IGF−1の結果を図51に示す。rD815、RP9、D815−6aa−G33、D815−6aa−RP9、D815−12aa−RP9ペプチドおよびIGF−1のIC50値を以下の表20に示す。リンカー配列には下線を引いてある。
Figure 2005517741
IGF−1と比較したペプチドまたはダイマー全ての能力の順番は、以下の通りに測定された。IGF−1>D815−12aa−RP9>>D815−6aa−RP9>RP9≒D815−6aa−G33>rG33>rD815。これらの結果から、延長リンカー(12個対6個のアミノ酸)を使用したD815とRP9との結合によってIGF−1のそれ自体の受容体に対する結合に類似した能力を備えた競合物質が得られることが示唆される。
B.時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ
組換えヒトIGF−1Rからのビオチン化20E2(b−20E2、部位1)の解離に対する部位1ペプチド、部位2ペプチド、およびrhIGF−1の影響は、時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイ(TR−FRET)を使用して測定した。最も合致したデータの非線形回帰分析を使用して解離速度定数を決定した。各データ点は1回測定値を示す。
アッセイは、96ウェル白色マイクロプレート(NUNC)で最終量100μlで実施した。最終のインキュベーション条件は、b−20E2 16.5nM、SA−APC(ストレプトアビジン−アロフィコシアニン) 2.2nM、Eu3+−rhIGF−1R(LANCE(商標)標識、PE Wallac、Inc.)、Tris−HCl 0.05M(pH8、25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M、およびBSA 0.1%(Cohn画分V)であった。反応はRTで6時間行い、平衡に到達させた。この後、様々なペプチドサロゲート 最終濃度100μMまたはIGF−1 最終濃度30μMを添加した。ペプチドまたはIGF−1を添加して、解離の測定を開始した(時間ゼロ、秒)。665nmでの蛍光シグナルは、Victor 1420プレートリーダー(PE Wallac、Inc.)によって30秒間隔で読み取った。
これらの実験の結果を図52に示す。緩衝液対照は、研究した時間の間には変化せず、平衡は時間ゼロでの希釈物の添加によって妨害されないことが示された。過剰な(>IGF−1Rの20E2 Kの1000倍)部位1ペプチド、たとえばH2C、20E2、またはRP6は、使用した特定なペプチドに応じては変化せず、b−20E2の解離速度はこれらのペプチドについて同様であった。D8B12(部位2ペプチド)およびIGF−1(部位1および部位2両方に結合する)は、b−20E2の解離速度に有意な差を示す。このことは、これらの薬剤が部位1結合の非競合またはアロステリック調節剤として作用することを示唆する。
ビオチン化20E2(B−20E2)の組換えヒトIGF−1Rへの結合に対する様々なペプチドまたはペプチドダイマーの影響は、前述のようにTR−FRETアッセイを使用して測定した。これらの実験では、各データ点は2連のウェルの平均を示す。線はデータの4変数非線形回帰分析(y=min+(max−min)/(1+10^((logIC50−XHillslope))に最も合致することを表し、IC50値の決定に使用した。
このアッセイは、最終量30μlで384ウェル白色マイクロプレート(NUNC)を使用して実施した。最終的なインキュベーション条件は、b−20E2 15nM、SA−APC 2nM、Eu3+−rhIGF−1R(LANCE(商標)標識、PE Wallac、Inc.)2nM、Tris−HCl 0.05M(pH8 25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M、およびBSA 0.1%(Cohn画分V)であった。RTで16〜24時間インキュベートした後、665nmおよび620nmでの蛍光シグナルをVictor 1420プレートリーダー(PE Wallac、Inc.)で読み取った。一次データをバックグラウンド修正して、緩衝液対照に正規化して、次に%特異的結合として表した。Z’−因子は0.5より大きく(Z’=1−(3σ+3σ)/|μ−μ|;Zhang等、1999, J. Biomol. Screen. 4:67-73)、シグナル対バックグラウンド(S/B)の比は、約4であった。これらの実験の結果を図53に示す。以下の表21は、これらの実験で計算したIC50値を示す。特に、これらのアッセイにおいてC1ペプチドのIGF−1R親和性は約1nM(図53)および約10nM(表21)であることが示された。
Figure 2005517741
Figure 2005517741
C.蛍光偏光アッセイ
蛍光−RP9(FITC−RP9)の可溶性ヒトインシュリン受容体−イムノグロブリン重鎖キメラ(sIR−Fc、Bass等、1996, J. Biol. Chem. 271:19367-19375)への結合に対する様々なペプチドモノマーおよびダイマーの影響は、蛍光偏光アッセイ(FP)を使用して測定した。これらの実験では、各データ点は2連のウェルの平均を示す。線はデータの4変数非線形回帰分析に最も合致することを表し、IC50値の決定に使用した。
このアッセイは、最終量30μlで384ウェル白色マイクロプレート(NUNC)を使用して実施した。最終的なインキュベーション条件は、FITC−RP9 1nM、sIR 10nM、Tris−HCl 0.05M(pH8、25℃)、NaCl 0.138M、KCl 0.0027M、BGG 0.05%(ウシガンマグロブリン)、Tween−20(登録商標)0.005%であった。RTで16〜24時間インキュベーションした後、520nmでの蛍光シグナルをAnalyst(商標)ADプレートリーダー(LJL BioSystems、Inc.)で読み取った。1次データはFITC−RP9を添加しないでsIR 10nMを使用してバックグラウンド修正して、緩衝液対照に対して正規化して、次に%特異的結合として表した。Z’因子は0.5より大きく、(Z’=1−(3σ+3σ)/|μ−μ|;Zhang等、1999, J. Biomol. Screen. 4:67-73)アッセイのダイナミックレンジは約125mPであった。これらの実験と並行して、rhIGF−1Rおよびb−20E2を使用してTR−FRETアッセイを前述のように実施した。FPおよびTR−FRET実験の結果を、以下の表22に示す。
Figure 2005517741
FP sIR−Fc列は、得られたIC50(nM)値を示す(対FITC−RP9)。TR−FRET rhIGF−1R列は、得られたIC50(nM)値を示す(対b−20E2)。結合比:値が高ければ高いほど、IGF−1RよりもIRに高い親和性を示す。Form.=式、Bndg.=結合。
これらの結果は、S175、RP4、およびRP15はIRに対して高い親和性を示し、IRよりもIGF−1Rに対して高い結合比を示すことを示唆した。H2C、20E2、RP9およびC1は、IRでS175、RP4、およびRP15よりも少し能力が弱く、これらのペプチドはIRよりもIGF−1Rに対して低い結合比を有していた。G33およびE8は、IRでS175、RP4、およびRP15よりも能力が弱く、IGF−1RおよびIRに同じような結合を示した。RP16は、IRおよびIGF−1Rで能力が乏しいが、IRよりもIGF−1Rに対して高い親和性を有していた。
(実施例13)
特異性を亢進したインシュリンレセプターサロゲート
ペプチドS597のインシュリンに対する生物活性を試験した。SGBS細胞(ヒト含脂肪細胞系)を様々な濃度のヒトインシュリン又はペプチドS597でインキュベートし、14C−グルコースの細胞摂取量を、基本的に実施例4に記載したようにして測定した。結果(図54に示す)は、グルコース摂取を刺激する際のS597の有効性が、少なくともヒトインシュリンと同程度に有効であることを示すものであった。
ラットにおけるペプチドS597とS557のグルコース低下効果をインシュリンの同効果と次のようにして比較した。18匹のオスのウィスターラット、200−225gを、18時間絶食させてから、Hypnorm/Dormicum(Dormicum1.25mg/ml、フルアニソン2.5mg/ml、クエン酸フェンタニル0.079mg/ml)2ml/kgを使用して麻酔した。Hypnorm/Dormicumは、試験物質投与の30分前に初回投与を行い、その後20分毎に1ml/kg投与した(試験物質投与に対し、−10分、10分、及び30分の時点にて)。
ラットを3つのグループに分けたヒトインシュリン1.25nmol/kg(n=6)、又はS557ペプチド5nmol/kg(n=6)、又はS597ペプチド5nmol/kg(n=6)のいずれか2ml/kgを、動物に静脈注射(尾部静脈)した。−20分及び0分(投与前)の時点、及び投与後の10、20、30、40、60、80、120、及び180分の時点で、尾の先端の毛細血管に穿刺することにより、全血糖濃度を測定するための血液試料を採取した。EBIO Plus自動分析器(Eppendorf, Germany)を使用する固定グルコースオキシダーゼ法により分析用緩衝液に希釈した後、血糖濃度を測定した。
結果(図55に示す)は、ラットにおけるS597の血中グルコース低下効果は、ヒトインシュリンより約4倍低いことを示す。S557に比較してS597の改善された効果は、N末端アセチル化の効果示す。
また、異なる濃度のペプチドS597のグルコース低下効果を、絶食させた約15kgのGoettingenミニブタに静脈注射することにより試験した。結果(図56に示す)は、3nmol/kgのS597のグルコース低下効果が、0.3nmol/kgのヒトインシュリンの同効果に匹敵するものであることを示した。
(実施例14)
治療ペプチドの同時投与
同時に投与される2つのペプチドの消滅速度を以下のように試験した。
125I標識したペプチドに含まれる600nmol/mlのペプチドS557及び1800nmol/mlのB29−N−(N−リトコール−グルタミル)−des(B30)ヒトインシュリンを有する混合物を、ブタの首部に注入した。注入部位における放射能を、外部ガンマカウンタを使用して、一定期間に亘りモニターした。
結果(図57に示す)は、いずれのペプチドの消滅も、他方のペプチドの存在に影響されないことを示した。
本明細書に全体を参考として援用したのは、配列番号1から配列番号2227までが含まれる適用配列リストである。配列リストは、「CRF]、「コピー1」および「コピー2」と称する3個のCD−ROMに明示する。配列リストは、コンピュータで読み取れる「18784056PC.app.txt」と称するASCIIファイルで、2002年9月23日にMS−Windows(登録商標)98オペレーティングシステムでIBM−PC機器形式で作製された。18784056PC.app.txtの大きさは、927476バイトである。
前記の組成および方法は、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、様々な調節を行うことが可能で、前記の説明に含まれるか、添付した図面に示すか、または添付のクレームで定義した対象物全ては、例示として解釈されるものであり、限定を意味するものではない。
本明細書で引用した特許、特許出願、出版物、本、参考マニュアル、教科書および要約の全ては、本発明が関係する従来技術をより完全に説明するために全体を参考として援用した。
IRに対してパンニングしたランダムな40マーライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号1〜3)を示した図である。 IGF−1Rに対してパンニングしたランダムな40マーライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号4〜6)を示した図である。 IRに対してパンニングしたランダムな20マーライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号7〜29)を示した図である。 IGF−1Rに対してパンニングしたランダムな20マーライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号30〜33)を示した図である。 IRに対してパンニングしたX1〜10NFYDWFVX18〜21(配列番号34、「A6S」とも称する)を含有するように構築した21マーライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号35〜98)を示した図である。 図1E−1の続きである。 図1E−2の続きである。 IGF−1Rに対してパンニングしたX1〜10NFYDWFVX18〜21(配列番号34、「A6S」とも称する)を含有するように構築した21マーライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号99〜166)を示した図である。 図1F−1の続きである。 図1F−2の続きである。 IRに対してパンニングした、指示したようなA6ペプチド(「A6L」(配列番号167)とも称する)のコンセンサス核の外側に調節を含む様に構築されたライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号168〜216)を示した図である。 図1G−1の続きである。 IGF−1Rに対してパンニングした、指示したようなA6ペプチド(「A6L」(配列番号167)とも称する)のコンセンサス核の外側に調節を含む様に構築されたライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号217〜244)を示した図である。 IRに対してパンニングした(指示したような)E4Dペプチド(配列番号245)のコンセンサス核に調節を含む様に構築されたライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号246〜305)を示した図である。 図1I−1の続きである。 図1I−2の続きである。 IGF−1Rに対してパンニングした(指示したような)E4Dペプチド(配列番号245)のコンセンサス核に調節を含む様に構築されたライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号306〜342)を示した図である。 図1J−1の続きである。 IRに対してパンニングした配列X1〜6FHENFYDWFVRQVSX21〜26(配列番号343、H2C−A)を使用して構築したライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号344〜430)を示した図である。 図1K−1の続きである。 図1K−2の続きである。 図1K−3の続きである。 IGF−1Rに対してパンニングした配列X1〜6FHENFYDWFVRQVSX21〜26(配列番号343、H2C−A)を使用して構築したライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号431〜467)を示した図である。 図1L−1の続きである。 配列X1〜6FHXXFYXWFX16〜21(配列番号468、H2C−B)を使用して構築し、IRに対してパンニングしたライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号469〜575)を示した図である。 図1M−1の続きである。 図1M−2の続きである。 図1M−3の続きである。 図1M−4の続きである。 配列X1〜6FHXXFYXWFX16〜21(配列番号468、H2C−B)を使用して構築し、IGF−1Rに対してパンニングしたライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号576〜657)を示した図である。 図1N−1の続きである。 図1N−2の続きである。 IRに対してパンニングしたその他のライブラリーから得られた式1モチーフペプチド配列(配列番号658〜712)を示した図である。 図1O−1の続きである。 図1O−2の続きである。 IRに対してパンニングしたランダム20マーライブラリーから同定された式4モチーフペプチド配列(配列番号713)を示した図である。 IRに対してパンニングした、指示したように(15%予測、「F815」と称する)F8ペプチド(配列番号713)における調節を含有する様に構築されたライブラリーから同定された式4モチーフペプチド配列(配列番号714〜796)を示した図である。 図2B−1の続きである。 図2B−2の続きである。 IGF−1Rに対してパンニングした、指示したように(15%ドープ、「F815」と称する)F8ペプチド(配列番号713)における調節を含有するように構築されたライブラリーから同定された式4モチーフペプチド配列(配列番号797〜811)を示した図である。 IRに対してパンニングした、指示したように(20%ドープ、「F820」と称する)F8ペプチド(配列番号713)における調節を含有するように構築されたライブラリーから同定された式4モチーフペプチド配列(配列番号812〜861)を示した図である。 図2D−1の続きである。 IRに対してパンニングしたその他のライブラリーから同定した式4モチーフペプチド配列(配列番号862〜925)を示した図である。 図2E−1の続きである。 図2E−2の続きである。 IRに対してパンニングして、ランダム20マーから同定した式6モチーフペプチド配列(配列番号926〜928)を示した図である。 IRに対してパンニングした、指示したような(15%ドープ、「D815」と称する)D8ペプチド(配列番号929)における調節を含有するように構築されたライブラリーから同定された式6モチーフペプチド配列(配列番号930〜967)を示した図である。 図3B−1の続きである。 IRに対してパンニングした、指示したように(20%ドープ、「D820」と称する)D8ペプチド(配列番号929)における調節を含有するように構築されたライブラリーから同定された式6モチーフペプチド配列(配列番号968〜1010)を示した図である。 図3C−1の続きである。 IGF−1Rに対してパンニングした、指示したように(20%ドープ、「D820」と称する)D8ペプチド(配列番号929)における調節を含有するように構築されたライブラリーから同定された式6モチーフペプチド配列(配列番号1011〜1059)を示した図である。 図3D−1の続きである。 IRに対してパンニングしたその他のライブラリーから同定した式6モチーフペプチド配列(配列番号1060〜1061)を示した図である。 IGF−1Rに対してパンニングしたランダム20マーライブラリーから同定した式10モチーフペプチド配列(配列番号1062〜1077)を示した図である。 IGF−1Rに対してパンニングしたランダム20マーライブラリーから同定した式10モチーフペプチド配列(配列番号1062〜1077)を示した図である。 IRに対してパンニングしたランダム20マーライブラリーから同定した式10モチーフペプチド配列(配列番号1078〜1082)を示した図である。 IRに対してパンニングしたランダム20マーライブラリーから同定した式10モチーフペプチド配列(配列番号1078〜1082)を示した図である。 IRに対してパンニングしたランダム20マーライブラリーから同定した多種多様なペプチド配列(配列番号1083〜1086)を示した図である。 IRに対してパンニングしたランダム40マーライブラリーから同定した多種多様なペプチド配列(配列番号1087〜1088)を示した図である。 IGF−1Rに対してパンニングしたランダム20マーライブラリーから同定した多種多様なペプチド配列(配列番号1089〜1092)を示した図である。 IGF−1Rに対してパンニングしたX1〜4CX6〜20ライブラリーから同定した多種多様なペプチド配列(配列番号1093〜1113)を示した図である。 IGF−1Rに対してパンニングしたX1〜4CX6〜20ライブラリーから同定した多種多様なペプチド配列(配列番号1093〜1113)を示した図である。 IGF−1Rに対してパンニングした、指示したように(F815)F8ペプチド(配列番号1114)の変種を含有するように構築したライブラリーから同定した多種多様なペプチド配列(配列番号1115〜1118)を示した図である。 IRに対してパンニングした、指示したように(「NNKH」と称する)F8A11ペプチド(配列番号1119)の変種を含有するように構築したライブラリーから同定された多種多様なペプチド配列(配列番号1120〜1142)を示した図である。 IGF−1Rに対してパンニングした、指示したように(「NNKH」と称する)F8A11ペプチド(配列番号1119)の変種を含有するように構築したライブラリーから同定された多種多様なペプチド配列(配列番号1143〜1154)を示した図である。 式1、4、6および10の代表的な特異的アミノ酸配列の概要(配列番号1155〜1180)を示した図である。 式1、4、6および10の代表的な特異的アミノ酸配列の概要(配列番号1181〜1220)を示した図である。 競合データに基づいてIR上の2個の結合部位ドメインを示した図である。 IR上の複数の結合部位に対して起こり得る結合様式を示した概略図である。 1群のIR結合性ペプチド(配列番号1221〜1243)のバイオパンニングの結果および配列アラインメントを示した図である。発見された配列の数はIRまたはIGF−1R受容体のいずれかに結合するファージのデータと共に図の右側に示す。吸収シグナルは、++++、>バックグラウンドの30倍、+++15〜30倍、++、5〜15倍、+、2〜5倍、および0、<2倍で示す。 2、6および7群のIR結合性ペプチド(配列番号1244〜1261)のバイオパンニングの結果および配列アラインメントを示した図である。発見された配列の数はIRまたはIGF−1R受容体のいずれかに結合するファージのデータと共に図の右側に示す。吸収シグナルは、++++、>バックグラウンドの30倍、+++15〜30倍、++、5〜15倍、+、2〜5倍、および0、<2倍で示す。 図9Aの続きである。 図10A−10Cは、様々なモノマーおよびダイマーペプチドで測定したインシュリン競合データを示した図である。図10Aは、競合曲線である。図10Bは、ペプチドを示す印を示す。図10Cは、ペプチドの説明である。 図11A−11Dは、様々なモノマーおよびダイマーペプチドで測定したインシュリン競合データを示した図である。図11Aは、競合曲線である。図11Bは、ペプチドを示す印を示す。図11Cは、ペプチドの説明である。図11Dは、ペプチドのIR結合親和性を示した図である。 図12A−21Dは、切断型合成RP9モノマーペプチド、S390およびS394の遊離脂肪細胞アッセイの結果を示した図である。図12Aは、ペプチドS390の結果を示した図である。図12Bは、ペプチドS394の結果を示した図である。図12Cは、ペプチドS390およびS394(配列番号1794および1788、それぞれ出現順)のアミノ酸配列を示した図である。図12Dは、完全長RP9ペプチドの結果を示した図である。 図13A−13Cは、切断型合成RP9ダイマーペプチド、S415およびS417の遊離脂肪細胞アッセイの結果を示した図である。図13Aは、ペプチドS415の結果を示した図である。図13Bは、ペプチドS417の結果を示した図である。図13Cは、ペプチドS415およびS417(配列番号1795および1796)のアミノ酸配列を示した図である。 図14A−14Cは、RP9ホモダイマーペプチド、521および535の遊離脂肪細胞アッセイの結果を示した図である。図14Aは、ペプチド521の結果を示した図である。図14Bは、ペプチド535の結果を示した図である。図14Cは、ペプチド521および535のアミノ酸配列を示した図である。 図15A−15Cは、RP9−D8ヘテロダイマーペプチド、537および538の遊離脂肪細胞アッセイの結果を示した図である。図15Aは、ペプチド537の結果を示した図である。図15Bは、ペプチド538の結果を示した図である。図15Cは、ペプチド537および538のアミノ酸配列を示した図である。 図16A−16Cは、RP9−D8ヘテロダイマーペプチド、537および538の遊離脂肪細胞アッセイの結果を示した図である。図16Aは、ペプチド537の結果を示した図である。図16Bは、ペプチド538の結果を示した図である。図16Cは、ペプチド537および538のアミノ酸配列を示した図である。 図17A−17Bは、D8−RP9ヘテロダイマーペプチド、539の遊離脂肪細胞アッセイの結果を示した図である。図17Aは、ペプチド539の結果を示した図である。図17Bは、ペプチド539のアミノ酸配列を示した図である。 図18A−18Dは、方向および結合がそれぞれ部位1−部位2C−N(図18A)、部位1−部位2、N−N(図18B)、部位1−部位2、C−C(図18C)および部位2−部位1、C−N(図18D)である構成モノマーペプチドを有する部位1/部位2ダイマーペプチドの遊離脂肪細胞アッセイの結果を示した図である。 図19A−19Bは、様々なモノマーおよびダイマーペプチドのヒトインシュリン受容体キナーゼアッセイの結果を示した図である。図19Aは、基質リン酸化曲線を示した図である。図19BはEC50値を示した図である。 図20A−20Bは、部位1−部位2および部位2−部位1ダイマーペプチドのヒトインシュリン受容体キナーゼアッセイの結果を示した図である。図20Aは、基質リン酸化曲線を示した図である。図20BはEC50値を示した図である。 図21A−21Bは、部位1−部位2および部位2−部位1ペプチドのヒトインシュリン受容体キナーゼアッセイの結果を示した図である。図21Aは、基質リン酸化曲線を示した図である。図21BはEC50値を示した図である。 図22A−22Bは、様々なモノマーおよびダイマーペプチドが可溶性ヒトインシュリン受容体−イムノグロブリン重鎖キメラに対する結合をビオチン化RP9モノマーペプチドと競合する能力を評価するための時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイの結果を示した図である。図22Aは結合曲線を示した図である。図22Bはペプチド配列(それぞれ出現順に配列番号2117、1916〜1917、1558、1994、1960〜1961、2008、1794、2015〜2016、1560および2001〜2002)を示す印および説明を示した図である。 図23A−23Cは、様々なモノマーおよびダイマーペプチドが可溶性ヒトインシュリン受容体−イムノグロブリン重鎖キメラに対する結合をビオチン化S175モノマーペプチドあるいはビオチン化RP9モノマーペプチドと競合する能力を示す時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイの結果を示した図である。図23A〜23Bは結合曲線を示した図である。図23Cはペプチド配列(それぞれ出現順に配列番号2117、1916〜1917、1558、1994、1960〜1961、2008、1794、2015〜2016、1560および2001〜2002)を示す印および説明を示した図である。 図24A−24Bは、様々なモノマーおよびダイマーペプチドが可溶性ヒトインシュリン受容体外部ドメインに対する結合を蛍光標識RP9モノマーペプチドと競合する能力を示す蛍光偏光アッセイの結果を示した図である。図24Aは結合曲線を示した図である。図24Bはペプチド配列(それぞれ出現順に配列番号2117、1916〜1917、1558、1994、1960〜1961、2008、1794、2015〜2016、1560および2001〜2002)を示す印および説明を示した図である。 図25A−25Bは、様々なモノマーおよびダイマーペプチドが可溶性ヒトインシュリン受容体ミニドメインに対する結合を蛍光標識RP9モノマーペプチドと競合する能力を示す蛍光偏光アッセイの結果を示した図である。図25Aは結合曲線を示した図である。図25Bはペプチド配列(それぞれ出現順に配列番号2117、1916〜1917、1558、1994、1960〜1961、2008、1794、2015〜2016、1560および2001〜2002)を示す印および説明を示した図である。 図26A−26Bは、様々なモノマーおよびダイマーペプチドが可溶性ヒトインシュリン受容体外部ドメインに対する結合を蛍光標識インシュリンと競合する能力を示す蛍光偏光アッセイの結果を示した図である。図26Aは結合曲線を示した図である。図26Bはペプチド配列(それぞれ出現順に配列番号2117、1916〜1917、1558、1994、1960〜1961、2008、1794、2015〜2016、1560および2001〜2002)を示す印および説明を示した図である。 図27A−27Bは、様々なモノマーおよびダイマーペプチドが可溶性ヒトインシュリン受容体ミニドメインに対する結合を蛍光標識インシュリンと競合する能力を示す蛍光偏光アッセイの結果を示した図である。図27Aは結合曲線を示した図である。図27Bはペプチド配列(それぞれ出現順に配列番号2117、1916〜1917、1558、1994、1960〜1961、2008、1794、2015〜2016、1560および2001〜2002)を示す印および説明を示した図である。 マルトース結合性タンパク質の融合タンパク質を構築するための概略図である。 IRとマルトース結合性タンパク質融合ペプチドH2C−9aa−H2C、H2C、およびH2C−3aa−H2Cとの間の競合結合のBIAcore分析を示した図である。 マルトース結合性タンパク質融合ペプチドによるin vivoでのIR自己リン酸化の刺激を示した図である。 図31A−31Cは、インシュリンおよび部位2−部位1ペプチド、S519およびS520の遊離脂肪細胞アッセイの結果を示した図である。図31Aは、S519の結果を示した図である。図31BはS520の結果を示した図である。図31CはEC50値を示した図である。 図32A−32Bは、インシュリンおよび部位2−部位1ペプチドS519およびS520のヒトインシュリン受容体キナーゼアッセイの結果を示した図である。図32Aは、基質リン酸化曲線を示した図である。図32Bは、算出したベストフィット値を示した図である。 ウィスターラットに静脈内投与した部位2−部位1ペプチドS519の効果を示したin vivo実験の結果を示した図である。 図34A−34Eは、IGF−1サロゲート(surrogates)のRP9(部位1)およびD815(部位2)のファージ競合実験の結果を示した図である。ファージ:RP9(A6様)、RP6(B6様)、D8B12(部位2)、およびD815(部位2)、ペプチド:RP9およびD815。図34A〜34Bは、競合曲線を示した図である。図34C〜34Eは印およびペプチド群を示した図である。 図35A−35Eは、6〜12個のアミノ酸リンカーを含有する部位2−部位1ダイマーペプチドのファージ競合実験を示した図である。ファージ:RP9、RP6、D8B12、およびD815、ペプチド:D815−6L−RP9およびD815−12L−RP9。図35A〜35Bは、競合曲線を示した図である。図35C〜35Eは印およびペプチド群を示した図である。 FDC−P2細胞を使用したIGF−1アゴニストアッセイの結果を示した図である。部位1ペプチドRP6、RP9、G33、および部位2ペプチドD815をアゴニストアッセイで試験した。 FDCP−2細胞を使用したIGF−1アゴニストアッセイの結果を示した図である。部位1ペプチドRP6、RP9、G33および部位2ペプチドD815をアンタゴニストトアッセイで試験した。 FDCP−2細胞を使用したIGF−1アゴニストアッセイの結果を示した図である。部位1ペプチド20E2、S175、およびRP9をアゴニストアッセイで試験した。 サロゲートのモノマーおよびダイマーのアゴニストおよびアンタゴニスト実験の結果を示した図である。モノマー:D815およびRP9、ダイマー:D815−6aa−RP9およびD815−12aa−RP9。 サロゲートのモノマーおよびダイマーのアゴニストおよびアンタゴニスト実験の結果を示した図である。モノマー:G33およびD815、ダイマー:D815−6aa−G33。 サロゲートのペプチドおよびダイマーのアゴニストおよびアンタゴニスト実験の結果を示した図である。モノマー:G33、D815およびRP9、ダイマー:D815−6aa−RP9およびD−815−12aa−RP9。 FDC−P2細胞を使用したIGF−1標準曲線を示した図である。 図43A−43Bは、IGF−1Rに対してパンニングしたG33およびRP6第2ライブラリーから同定されたペプチドモノマー(配列番号1262〜1432)を示した図である。図43Aは、G33第2ライブラリーのペプチドを示した図である。 図43A−1の続きである。 図43A−2の続きである。 図43Bは、RP6第2ライブラリーのペプチドを示した図である。 図43B−1の続きである。 図43B−2の続きである。 図44A−44Bは、IRまたはIGF−1Rに対してパンニングしたライブラリーから同定されたペプチドダイマー(配列番号1433〜1540)を示した図である。図44Aは、IRに対してパンニングしたダイマーペプチドを示した図である。 図44A−1の続きである。 図44Bは、IGF−1Rに対してパンニングしたダイマーペプチドを示した図である。 図44B−1の続きである。 図44B−2の続きである。 ビオチン化組換えヒトIGF−1(b−rhIGF−1)の組換えヒトIGF−1R(rhIGF−1R)への結合に対する組換えペプチドサロゲートG33(rG33)の影響を示す異種時間分解蛍光アッセイの結果を示した図である。 ビオチン化組換えヒトIGF−1(b−rhIGF−1)の組換えヒトIGF−1R(rhIGF−1R)への結合に対する組換えペプチドサロゲートD815(rD815)の影響を示す異種時間分解蛍光アッセイの結果を示した図である。 ビオチン化組換えヒトIGF−1(b−rhIGF−1)の組換えヒトIGF−1R(rhIGF−1R)への結合に対する組換えペプチドサロゲートRP9の影響を示す異種時間分解蛍光アッセイの結果を示した図である。 ビオチン化組換えヒトIGF−1(b−rhIGF−1)の組換えヒトIGF−1R(rhIGF−1R)への結合に対する組換えペプチドサロゲートD815−6−G33の影響を示す異種時間分解蛍光アッセイの結果を示した図である。 ビオチン化組換えヒトIGF−1(b−rhIGF−1)の組換えヒトIGF−1R(rhIGF−1R)への結合に対する組換えペプチドサロゲートD815−6−RP9の影響を示す異種時間分解蛍光アッセイの結果を示した図である。 ビオチン化組換えヒトIGF−1(b−rhIGF−1)の組換えヒトIGF−1R(rhIGF−1R)への結合に対する組換えペプチドサロゲートD815−12−RP9の影響を示す異種時間分解蛍光アッセイの結果を示した図である。 ビオチン化組換えヒトIGF−1(b−rhIGF−1)の組換えヒトIGF−1R(rhIGF−1R)への結合に対するIGF−1の影響を示す異種時間分解蛍光アッセイの結果を示した図である。 組換えヒトIGF−1Rからのビオチン化20E2(b−20E2、部位1)の解離に対する部位1ペプチドサロゲート、部位2ペプチドサロゲートおよびrhIGF−1の影響を示す時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイの結果を示した図である。 組換えヒトIGF−1Rからのビオチン化20E2(b−20E2、部位1)の解離に対する様々なペプチドモノマーおよびダイマーの影響を示す時間分解蛍光共鳴エネルギー移動アッセイの結果を示した図である。 ヒトインシュリンと比較したペプチドS597の有効性を示す、SGBS細胞におけるグルコース摂取アッセイの結果を示した図である。 ヒトインシュリンと比較したペプチドS557及びS597の有効性を示す、ラットにおけるグルコース低下アッセイの結果を示した図である。 ヒトインシュリンと比較したペプチドS597の有効性を示す、絶食させたゲッチンゲンミニブタにおけるグルコース低下アッセイの結果を示した図である。 注入部位からのI125−標識ペプチドの消滅試験の結果を示した図である。

Claims (189)

  1. 哺乳類細胞におけるインシュリン受容体活性の減少方法であって、前記細胞にインシュリンの活性を減少するために十分な量のあるアミノ酸配列を投与することを含み、アミノ酸配列は、インシュリン受容体の部位1に結合する一配列を有する部分配列と、インシュリン受容体の部位2に結合する一配列を有する部分配列とを有し、前記部分配列はC末端からN末端に結合され、且つ部位1から部位2に方向付けられており、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではない、方法。
  2. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式6の配列X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81からなり、およびX、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X62、X65、X66、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X78、X79、X80、X81は任意のアミノ酸であり、X63、X70、およびX74は疎水性アミノ酸であり、X64は極性アミノ酸であり、X67およびX75は芳香族アミノ酸であり、X72およびX79はシステインである請求項1に記載の方法。
  3. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項2に記載の方法。
  4. 63はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X70およびX74はバリン、イソロイシン、ロイシン、およびメチオニンから成る群から選択され、X64はアスパラギン酸およびグルタミン酸から成る群から選択され、X67はトリプトファンで、X75はチロシンおよびトリプトファンから成る群から選択される請求項2に記載の方法。
  5. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項2に記載の方法。
  6. 式6の配列、X626364656667686970X7172X737475767778798081はWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号2129)である請求項2に記載の方法。
  7. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項2に記載の方法。
  8. 式6の配列が配列番号926〜1061(図3A〜3E);配列番号1244〜1253(図9A);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項2に記載の方法。
  9. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項2に記載の方法。
  10. 式6の配列が配列S256(配列番号1893)、S263(配列番号1899)、S266(配列番号1902)、S284〜285(配列番号1909〜1910)、S515(配列番号2102)、およびRB426(配列番号2158)から成る群から選択される請求項2に記載の方法。
  11. 式1の配列は、配列
    H2C/D117:
    FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2130);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項2に記載の方法。
  12. 式6の配列は:
    WLDQEWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号2227); KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号1579); KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号1580);
    SLEEEWAQIQCEIYGRGCRY(配列番号1581);
    SLEEEWAQIQCEIWGRGCRY(配列番号1582);
    SLEEEWAQIECEVYGRGCPS(配列番号1583);および
    SLEEEWAQIECEVWGRGCPS(配列番号1584)から成る群から選択されるD8配列である請求項2に記載の方法。
  13. アミノ酸配列が、配列537〜538(配列番号2114〜2115)から成る群から選択される請求項2に記載の方法。
  14. アミノ酸配列が、配列S425(配列番号2031)、S454(配列番号2058〜2059)、S459(配列番号2065)、およびRB537〜RB538(配列番号2197〜2198)から成る群から選択される請求項2に記載の方法。
  15. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式4の配列X2223242526272829303132333435363738394041からなり、およびX、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X222526282930333435373840およびX41は任意のアミノ酸であり、X23は疎水性アミノ酸であり、X27は極性アミノ酸であり、X31は芳香族アミノ酸であり、X32は小アミノ酸であり、および、少なくとも1つのシステインがX24からX27位に位置し、X39またはX40に1つのシステインが位置している請求項1に記載の方法。
  16. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項15に記載の方法。
  17. 24およびX39はシステインであり、X23はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X27はグルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、およびグルタミンから成る群から選択され、X31はチロシン、X32はグリシン、およびX36は任意の芳香族アミノ酸から成る群から選択される請求項15に記載の方法。
  18. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項15に記載の方法。
  19. 式4の配列X2223242526272829303132333435363738394041はHLCVLEELFWGASLFGYCSG(配列番号1576)である請求項15に記載の方法。
  20. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項15に記載の方法。
  21. 式4の配列が配列番号713〜925(図2A〜2E);配列番号1254〜1261(図9B);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項15に記載の方法。
  22. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170AA)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項15に記載の方法。
  23. 式4の配列が配列S262(配列番号1898)、S282〜S283(配列番号1907〜1908)、S331(配列番号1949)、RB505M(配列番号2160)、RB446(配列番号2180)、およびRB505(配列番号2191)から成る群から選択される請求項15に記載の方法。
  24. 式4の配列が配列RB517M(配列番号2161)、RB515(配列番号2162)、およびRB510(配列番号2163)から成る群から選択される請求項15に記載の方法。
  25. 式1の配列は、配列
    H2C/D117:
    FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2130);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項15に記載の方法。
  26. アミノ酸配列が、配列431〜433(配列番号2135〜2137)から成る群から選択される請求項15に記載の方法。
  27. アミノ酸配列が、配列RB431〜RB433(配列番号2184、2186および2188)から成る群から選択される請求項15に記載の方法。
  28. 哺乳類細胞におけるインシュリン受容体活性の増加方法であって、前記細胞にインシュリンの活性を増加するために十分な量のあるアミノ酸配列を投与することを含み、アミノ酸配列は、インシュリン受容体の部位1に結合する一配列を有する部分配列と、インシュリン受容体の部位2に結合する一配列を有する部分配列とを有し、前記部分配列はC末端からN末端に結合され、且つ部位2から部位1に方向付けられており、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではない、方法。
  29. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式6の配列X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81からなり、およびX、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X62、X65、X66、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X78、X79、X80、X81は任意のアミノ酸であり、X63、X70、およびX74は疎水性アミノ酸であり、X64は極性アミノ酸であり、X67およびX75は芳香族アミノ酸であり、X72およびX79はシステインである請求項28に記載の方法。
  30. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項29に記載の方法。
  31. 63はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X70およびX74はバリン、イソロイシン、ロイシン、およびメチオニンから成る群から選択され、X64はアスパラギン酸およびグルタミン酸から成る群から選択され、X67はトリプトファンで、X75はチロシンおよびトリプトファンから成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  32. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項29に記載の方法。
  33. 式6の配列、X626364656667686970X7172X737475767778798081はWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号2129)である請求項29に記載の方法。
  34. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  35. 式6の配列が配列番号926〜1061(図3A〜3E);配列番号1244〜1253(図9A);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  36. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  37. 式6の配列が配列S256(配列番号1893)、S263(配列番号1899)、S266(配列番号1902)、S284〜285(配列番号1909〜1910)、S515(配列番号2102)、およびRB426(配列番号2158)から成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  38. 式1の配列は、配列
    H2C/D117:
    FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2130);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  39. 式6の配列は:
    WLDQEWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号2227); KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号1579); KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号1580);
    SLEEEWAQIQCEIYGRGCRY(配列番号1581);
    SLEEEWAQIQCEIWGRGCRY(配列番号1582);
    SLEEEWAQIECEVYGRGCPS(配列番号1583);および
    SLEEEWAQIECEVWGRGCPS(配列番号1584)から成る群から選択されるD8配列である請求項29に記載の方法。
  40. アミノ酸配列が配列539(配列番号2116)である請求項29に記載の方法。
  41. アミノ酸配列が、配列RP27(配列番号2213)、RP28(配列番号2214)、RP29(配列番号2215)、RP30(配列番号2216)、RP31(配列番号2217)、RP32(配列番号2218)、RP33(配列番号2219)、RP34(配列番号2220)、RP35(配列番号2221)、およびRP36(配列番号2222)から成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  42. アミノ酸配列が、配列D8−6aa−S175(配列番号2121)、D8−12aa−S175(配列番号2122)、D8−6aa−RP6(配列番号2126)、およびD8−6aa−RP17(配列番号2127)から成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  43. アミノ酸配列が、配列S429(配列番号2032)、S455(配列番号2060)、S457〜S458(配列番号2063〜2064)、S467〜S468(配列番号2066〜2067)、S471(配列番号2068)、S481〜S513(配列番号2069〜2101)、S517〜S520(配列番号2104〜2107)、S524(配列番号2111)、RP539(配列番号2196)、RB625〜RB626(配列番号2200および2199)、およびRB622(配列番号2201)から成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  44. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式4の配列X2223242526272829303132333435363738394041からなり、およびX、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X222526282930333435373840およびX41は任意のアミノ酸であり、X23は疎水性アミノ酸であり、X27は極性アミノ酸であり、X31は芳香族アミノ酸であり、X32は小アミノ酸であり、および、少なくとも1つのシステインがX24からX27位に位置し、X39またはX40に1つのシステインが位置している請求項28に記載の方法。
  45. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項44に記載の方法。
  46. 24およびX39はシステインであり、X23はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X27はグルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、およびグルタミンから成る群から選択され、X31はチロシン、X32はグリシン、およびX36は任意の芳香族アミノ酸から成る群から選択される請求項45に記載の方法。
  47. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項45に記載の方法。
  48. 式4の配列X2223242526272829303132333435363738394041はHLCVLEELFWGASLFGYCSG(配列番号1576)である請求項45に記載の方法。
  49. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項45に記載の方法。
  50. 式4の配列が配列番号713〜925(図2A〜2E);配列番号1254〜1261(図9B);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項45に記載の方法。
  51. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170AA)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号204)から成る群から選択される請求項45に記載の方法。
  52. 式4の配列が配列S262(配列番号1898)、S282〜S283(配列番号1907〜1908)、S331(配列番号1949)、RB505M(配列番号2160)、RB446(配列番号2180)、およびRB505(配列番号2191)から成る群から選択される請求項45に記載の方法。
  53. 式4の配列が配列RB517M(配列番号2161)、RB515(配列番号2162)、およびRB510(配列番号2163)から成る群から選択される請求項45に記載の方法。
  54. 式1の配列は、配列
    H2C/D117:
    FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2130);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項45に記載の方法。
  55. アミノ酸配列が、配列F8−6aa−RP9(配列番号2119)、F8−12aa−RP9(配列番号2120)、F8−6aa−S175(配列番号2123)、F8−12aa−S175(配列番号2124)、S516(配列番号2103)、S512(配列番号2108)、およびS522(配列番号2109)、から成る群から選択される請求項45に記載の方法。
  56. 哺乳類細胞におけるインシュリン受容体活性の増加方法であって、前記細胞にインシュリンの活性を増加するために十分な量のあるアミノ酸配列を投与することを含み、アミノ酸配列は、各々がインシュリン受容体の部位1に結合する一配列を有する複数の部分配列を有し、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではない、方法。
  57. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、およびX、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸である請求項56に記載の方法。
  58. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項57に記載の方法。
  59. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項57に記載の方法。
  60. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項57に記載の方法。
  61. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項57に記載の方法。
  62. 式1の配列は、配列
    H2C/D117:
    FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2130);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項57に記載の方法。
  63. アミノ酸配列が配列521(配列番号2112)および535(配列番号2113)から成る群から選択される請求項57に記載の方法。
  64. アミノ酸配列が配列434(配列番号2138)、436(配列番号2139)、427(配列番号2141)、435(配列番号2142)、439(配列番号2143)、449(配列番号2144)および463(配列番号2146)から成る群から選択される請求項57に記載の方法。
  65. アミノ酸配列が、配列S128(配列番号1817〜1818)、S145(配列番号1822〜1823)、S169〜S170(配列番号1827〜1830)、S172(配列番号1832〜1833)、S218(配列番号1850〜1851)、S228(配列番号1859〜1860)、S231〜S232(配列番号1863〜1866)、S253(配列番号1889〜1890)、S267(配列番号)、S290〜S293(配列番号1914〜1921)、S300〜S301(配列番号1924〜1927)、S312(配列番号1933〜1934)、S325(配列番号1944〜1945)、S349〜S354(配列番号1965〜1976)、S359〜S363(配列番号1977〜1986)、S374〜S376(配列番号1992〜1996)、S378〜S381(配列番号1997〜2004)、S414〜S418(配列番号2015〜2024)、S420(配列番号2027〜2028)、RB463(配列番号2165)、RB439(配列番号2166)、RB436(配列番号2167)、RB449(配列番号2168)、RB508M〜RB509M(配列番号2171〜2172)、RB508〜RB509(配列番号2189〜2190)、RB521(配列番号2193)、およびRB535(配列番号2194)から成る群から選択される請求項57に記載の方法。
  66. 哺乳類細胞におけるインシュリン受容体活性の増加方法であって、前記細胞にインシュリンの活性を増加するために十分な量のあるアミノ酸配列を投与することを含み、アミノ酸配列は、インシュリン受容体の部位1に結合する一配列を有する部分配列と、インシュリン受容体の部位2に結合する一配列を有する部分配列とを有し、前記部分配列はC末端からC末端またはN末端からN末端に結合されており、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではない、方法。
  67. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式6の配列X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81からなり、およびX、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X62、X65、X66、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X78、X79、X80、X81は任意のアミノ酸であり、X63、X70、およびX74は疎水性アミノ酸であり、X64は極性アミノ酸であり、X67およびX75は芳香族アミノ酸であり、X72およびX79はシステインである請求項66に記載の方法。
  68. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項67に記載の方法。
  69. 63はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X70およびX74はバリン、イソロイシン、ロイシン、およびメチオニンから成る群から選択され、X64はアスパラギン酸およびグルタミン酸から成る群から選択され、X67はトリプトファンで、X75はチロシンおよびトリプトファンから成る群から選択される請求項67に記載の方法。
  70. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項67に記載の方法。
  71. 式6の配列、X626364656667686970X7172X737475767778798081はWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号2056)である請求項67に記載の方法。
  72. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項67に記載の方法。
  73. 式6の配列が配列番号926〜1061(図3A〜3E);配列番号1244〜1253(図9A);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項67に記載の方法。
  74. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項67に記載の方法。
  75. 式6の配列が配列S256(配列番号1893)、S263(配列番号1899)、S266(配列番号1902)、S284〜285(配列番号1909〜1910)、S515(配列番号2102)、およびRB426(配列番号2158)から成る群から選択される請求項67に記載の方法。
  76. 式1の配列は、配列
    H2C/D117:
    FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2130);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項67に記載の方法。
  77. 式6の配列は:
    WLDQEWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号2227); KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号1579); KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号1580);
    SLEEEWAQIQCEIYGRGCRY(配列番号1581);
    SLEEEWAQIQCEIWGRGCRY(配列番号1582);
    SLEEEWAQIECEVYGRGCPS(配列番号1583);および
    SLEEEWAQIECEVWGRGCPS(配列番号1584)から成る群から選択されるD8配列である請求項67に記載の方法。
  78. アミノ酸配列が配列S432〜S433(配列番号2033〜2036)、S436〜S445(配列番号2037〜2056)、およびS456(配列番号2061〜2062)から成る群から選択される請求項67に記載の方法。
  79. インシュリン受容体アゴニストであるアミノ酸配列であって、インシュリン受容体の部位1に結合する一配列を有する部分配列と、インシュリン受容体の部位2に結合する一配列を有する部分配列とを有し、前記部分配列はC末端からN末端に結合され、且つ部位2から部位1に方向付けられており、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではないアミノ酸配列。
  80. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式6の配列X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81からなり、およびX、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X62、X65、X66、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X78、X79、X80、X81は任意のアミノ酸であり、X63、X70、およびX74は疎水性アミノ酸であり、X64は極性アミノ酸であり、X67およびX75は芳香族アミノ酸であり、X72およびX79はシステインである請求項79に記載のアミノ酸配列。
  81. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  82. 63はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X70およびX74はバリン、イソロイシン、ロイシン、およびメチオニンから成る群から選択され、X64はアスパラギン酸およびグルタミン酸から成る群から選択され、X67はトリプトファンで、X75はチロシンおよびトリプトファンから成る群から選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  83. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項80に記載のアミノ酸配列。
  84. 式6の配列、X626364656667686970X7172X737475767778798081はWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号2056)である請求項80に記載のアミノ酸配列。
  85. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  86. 式6の配列が配列番号926〜1061(図3A〜3E);配列番号1244〜1253(図9A);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  87. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  88. 式6の配列が配列S256(配列番号1893)、S263(配列番号1899)、S266(配列番号1902)、S284〜285(配列番号1909〜1910)、S515(配列番号2102)、およびRB426(配列番号2158)から成る群から選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  89. 式1の配列は、配列
    H2C/D117:
    FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2057);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  90. 式6の配列は:
    WLDQEWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号2227); KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号1579); KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号1580);
    SLEEEWAQIQCEIYGRGCRY(配列番号1581);
    SLEEEWAQIQCEIWGRGCRY(配列番号1582);
    SLEEEWAQIECEVYGRGCPS(配列番号1583);および
    SLEEEWAQIECEVWGRGCPS(配列番号1584)から成る群から選択されるD8配列である請求項80に記載のアミノ酸配列。
  91. アミノ酸配列が配列539(配列番号2116)である請求項80に記載のアミノ酸配列。
  92. アミノ酸配列が、配列S429(配列番号2032)、S455(配列番号2060)、S457〜S458(配列番号2063〜2064)、S467〜S468(配列番号2066〜2067)、S471(配列番号2068)、S471(配列番号2068)、S481〜S513(配列番号2069〜2101)、S517〜S520(配列番号2104〜2107)、S524(配列番号2111)、RB539(配列番号2196)、RB625〜RB626(配列番号2200および2199)、およびRB622(配列番号2201)から成る群から選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  93. アミノ酸配列が、配列RP27(配列番号2213)、RP28(配列番号2214)、RP29(配列番号2215)、RP30(配列番号2216)、RP31(配列番号2217)、RP32(配列番号2218)、RP33(配列番号2219)、RP34(配列番号2220)、およびRP35(配列番号2221)から成る群から選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  94. アミノ酸配列が、配列D8−6aa−S175(配列番号2121)、D8−12aa−S175(配列番号2122)、D8−6aa−RP15(配列番号2126)、およびD8−6aa−RP17(配列番号2127)から成る群から選択される請求項80に記載のアミノ酸配列。
  95. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式4の配列X2223242526272829303132333435363738394041からなり、およびX、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X222526282930333435373840およびX41は任意のアミノ酸であり、X23は疎水性アミノ酸であり、X27は極性アミノ酸であり、X31は芳香族アミノ酸であり、X32は小アミノ酸であり、および、少なくとも1つのシステインがX24からX27位に位置し、X39またはX40に1つのシステインが位置している請求項79に記載のアミノ酸配列。
  96. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項95に記載のアミノ酸配列。
  97. 24およびX39はシステインであり、X23はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X27はグルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、およびグルタミンから成る群から選択され、X31はチロシン、X32はグリシン、およびX36は任意の芳香族アミノ酸から成る群から選択される請求項95に記載のアミノ酸配列。
  98. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項95に記載のアミノ酸配列。
  99. 式4の配列X2223242526272829303132333435363738394041はHLCVLEELFWGASLFGYCSG(配列番号1576)である請求項95に記載のアミノ酸配列。
  100. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項95に記載のアミノ酸配列。
  101. 式4の配列が配列S262(配列番号1898)、S282〜S283(配列番号1907〜1908)、S331(配列番号1949)、RB505M(配列番号2160)、RB446(配列番号2180)、およびRB505(配列番号2191)から成る群から選択される請求項95に記載のアミノ酸配列。
  102. 式4の配列が配列RB517M(配列番号2161)、RB515(配列番号2162)、およびRB510(配列番号2163)から成る群から選択される請求項95に記載のアミノ酸配列。
  103. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170AA)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項95に記載のアミノ酸配列。
  104. 式1の配列は、配列
    H2C/D117:
    FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2057);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項95に記載のアミノ酸配列。
  105. アミノ酸配列が、配列D8−6aa−RP9(配列番号2119)、D8−12aa−RP9(配列番号2120)、D8−6aa−S175(配列番号2123)、D8−12aa−S175(配列番号2124)、S516(配列番号2103)、S521(配列番号2108)、およびS522(配列番号2109)から成る群から選択される請求項95に記載のアミノ酸配列。
  106. インシュリン受容体アゴニストであるアミノ酸配列であって、各々がインシュリン受容体の部位1に結合する一配列を有する複数の部分配列を有し、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではないアミノ酸配列。
  107. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、およびX、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸である請求項106に記載のアミノ酸配列。
  108. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項107に記載のアミノ酸配列。
  109. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項107に記載のアミノ酸配列。
  110. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項107に記載のアミノ酸配列。
  111. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項107に記載のアミノ酸配列。
  112. 式1の配列は、配列
    H2C/D117:
    FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2057);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項107に記載のアミノ酸配列。
  113. アミノ酸配列が配列521(配列番号2112)および535(配列番号2113)から成る群から選択される請求項107に記載のアミノ酸配列。
  114. アミノ酸配列が配列434(配列番号2138)、436(配列番号2139)、427(配列番号2141)、435(配列番号2142)、439(配列番号2143)、449(配列番号2144)および463(配列番号2146)から成る群から選択される請求項107に記載のアミノ酸配列。
  115. アミノ酸配列が、配列S128(配列番号1817〜1818)、S145(配列番号1822〜1823)、S169〜S170(配列番号1827〜1830)、S172(配列番号1832〜1833)、S218(配列番号1850〜1851)、S228(配列番号1859〜1860)、S231〜S232(配列番号1863〜1866)、S253(配列番号1889〜1890)、S267(配列番号)、S290〜S293(配列番号1914〜1921)、S300〜S301(配列番号1924〜1927)、S312(配列番号1933〜1934)、S325(配列番号1944〜1945)、S349〜S354(配列番号1965〜1976)、S359〜S363(配列番号1977〜1986)、S374〜S376(配列番号1992〜1996)、S378〜S381(配列番号1997〜2004)、S414〜S418(配列番号2015〜2024)、S420(配列番号2027〜2028)、RB463(配列番号2165)、RB439(配列番号2166)、RB436(配列番号2167)、RB449(配列番号2168)、RB508M〜RB509M(配列番号2171〜2172)、RB508〜RB509(配列番号2189〜2190)、RB521(配列番号2193)、およびRB535(配列番号2194)から成る群から選択される請求項107に記載のアミノ酸配列。
  116. インシュリン受容体アゴニストであるアミノ酸配列であって、インシュリン受容体の部位1に結合する一配列を有する部分配列と、インシュリン受容体の部位2に結合する一配列を有する部分配列とを有し、前記部分配列はC末端からC末端またはN末端からN末端に結合されており、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではないアミノ酸配列。
  117. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式6の配列X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81からなり、およびX、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X62、X65、X66、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X78、X79、X80、X81は任意のアミノ酸であり、X63、X70、およびX74は疎水性アミノ酸であり、X64は極性アミノ酸であり、X67およびX75は芳香族アミノ酸であり、X72およびX79はシステインである請求項116に記載のアミノ酸配列。
  118. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項117に記載のアミノ酸配列。
  119. 63はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X70およびX74はバリン、イソロイシン、ロイシン、およびメチオニンから成る群から選択され、X64はアスパラギン酸およびグルタミン酸から成る群から選択され、X67はトリプトファンで、X75はチロシンおよびトリプトファンから成る群から選択される請求項117に記載のアミノ酸配列。
  120. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項117に記載のアミノ酸配列。
  121. 式6の配列、X626364656667686970X7172X737475767778798081はWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号2056)である請求項117に記載のアミノ酸配列。
  122. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項117に記載のアミノ酸配列。
  123. 式6の配列が配列番号926〜1061(図3A〜3E);配列番号1244〜1253(図9A);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項117に記載のアミノ酸配列。
  124. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項117に記載のアミノ酸配列。
  125. 式6の配列が配列S256(配列番号1893)、S263(配列番号1899)、S266(配列番号1902)、S284〜285(配列番号1909〜1910)、S515(配列番号2102)、およびRB426(配列番号2158)から成る群から選択される請求項117に記載のアミノ酸配列。
  126. 式1の配列は、配列
    H2C/D117: FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2057);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項117に記載のアミノ酸配列。
  127. 式6の配列は:
    WLDQEWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号2227);
    KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号1579);
    KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号1580);
    SLEEEWAQIQCEIYGRGCRY(配列番号1581);
    SLEEEWAQIQCEIWGRGCRY(配列番号1582);
    SLEEEWAQIECEVYGRGCPS(配列番号1583);および
    SLEEEWAQIECEVWGRGCPS(配列番号1584)から成る群から選択されるD8配列である請求項117に記載のアミノ酸配列。
  128. アミノ酸配列が配列S432〜S433(配列番号2033〜2036)、S436〜S445(配列番号2037〜2056)、およびS456(配列番号2061〜2062)から成る群から選択される請求項117に記載のアミノ酸配列。
  129. インシュリン受容体アンタゴニストであるアミノ酸配列であって、インシュリン受容体の部位1に結合する一配列を有する部分配列と、インシュリン受容体の部位2に結合する一配列を有する部分配列とを有し、前記部分配列はC末端からN末端に結合され、且つ部位1から部位2に方向付けられており、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではないアミノ酸配列。
  130. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式6の配列X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81からなり、ここでX、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X62、X65、X66、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X78、X79、X80、X81は任意のアミノ酸であり、X63、X70、およびX74は疎水性アミノ酸であり、X64は極性アミノ酸であり、X67およびX75は芳香族アミノ酸であり、X72およびX79はシステインである請求項129に記載のアミノ酸配列。
  131. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項130に記載のアミノ酸配列。
  132. 63はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X70およびX74はバリン、イソロイシン、ロイシン、およびメチオニンから成る群から選択され、X64はアスパラギン酸およびグルタミン酸から成る群から選択され、X67はトリプトファンで、X75はチロシンおよびトリプトファンから成る群から選択される請求項130に記載のアミノ酸配列。
  133. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項130に記載のアミノ酸配列。
  134. 式6の配列、X626364656667686970X7172X737475767778798081はWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号2056)である請求項130に記載のアミノ酸配列。
  135. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項130に記載のアミノ酸配列。
  136. 式6の配列が配列番号926〜1061(図3A〜3E);配列番号1244〜1253(図9A);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項130に記載のアミノ酸配列。
  137. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項130に記載のアミノ酸配列。
  138. 式6の配列が配列S256(配列番号1893)、S263(配列番号1899)、S266(配列番号1902)、S284〜285(配列番号1909〜1910)、S515(配列番号2102)、およびRB426(配列番号2158)から成る群から選択される請求項130に記載のアミノ酸配列。
  139. 式1の配列は、配列
    H2C/D117: FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2057);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項130に記載のアミノ酸配列。
  140. 式6の配列は:
    WLDQEWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号2227);
    KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPSKK(配列番号1579);
    KWLDQEWAWVQCEVYGRGCPS(配列番号1580);
    SLEEEWAQIQCEIYGRGCRY(配列番号1581);
    SLEEEWAQIQCEIWGRGCRY(配列番号1582);
    SLEEEWAQIECEVYGRGCPS(配列番号1583);および
    SLEEEWAQIECEVWGRGCPS(配列番号1584)から成る群から選択されるD8配列である請求項130に記載のアミノ酸配列。
  141. アミノ酸配列が配列537〜538(配列番号2114〜2115)である請求項130に記載のアミノ酸配列。
  142. アミノ酸配列が、配列S425(配列番号2031)、S454(配列番号2058〜2059)、S459(配列番号2065)、およびRB537〜RB538(配列番号2197〜2198)から成る群から選択される請求項130に記載のアミノ酸配列。
  143. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式4の配列X2223242526272829303132333435363738394041からなり、ここでX、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X222526282930333435373840およびX41は任意のアミノ酸であり、X23は疎水性アミノ酸であり、X27は極性アミノ酸であり、X31は芳香族アミノ酸であり、X32は小アミノ酸であり、および、少なくとも1つのシステインがX24からX27位に位置し、X39またはX40に1つのシステインが位置している請求項129に記載のアミノ酸配列。
  144. 、XおよびXはフェニルアラニンおよびチロシンから成る群から選択され、Xはアスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、またはセリンから成る群から選択され、Xは、トリプトファン、チロシン、またはフェニルアラニンから成る群選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  145. 24およびX39はシステインであり、X23はロイシン、イソロイシン、メチオニン、およびバリンから成る群から選択され、X27はグルタミン酸、アスパラギン酸、アスパラギン、およびグルタミンから成る群から選択され、X31はチロシン、X32はグリシン、およびX36は任意の芳香族アミノ酸から成る群から選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  146. 式1の配列XはFYDWF(配列番号1554)である請求項143に記載のアミノ酸配列。
  147. 式4の配列X2223242526272829303132333435363738394041はHLCVLEELFWGASLFGYCSG(配列番号1576)である請求項143に記載のアミノ酸配列。
  148. 式1の配列が配列番号1〜712(図1A〜1O);配列番号1221〜1243(図8);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  149. 式4の配列が配列番号713〜925(図2A〜2E);配列番号1254〜1261(図9B);および配列番号1596、1718〜1719、1556、1560及び1720〜1776(表2)から成る群から選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  150. 式1の配列が配列番号S105〜S116(配列番号1791〜1805、1556、および1806〜1807、S131(配列番号1820)、S137(配列番号1821)、S158(配列番号1780)、S165〜S168(配列番号1554、および1824〜1826)、S171(配列番号1831)、S175〜S176(配列番号1560及び1836)、S179〜S184(配列番号1839〜1844)、S214〜S216(配列番号1845〜1847)、S219〜223(配列番号1852〜1856)、S227(配列番号1858)、S234〜S245(配列番号1869〜1880)、S248〜S251(配列番号1883〜1886)、S264〜S265(配列番号1900〜1901、S268(配列番号1903)、S278(配列番号1905)、S287(配列番号1911)、S294〜S295(配列番号1922〜1923)、S315(配列番号1937)、S319〜322(配列番号1940〜1943)、S326(配列番号1600)、S342(配列番号1962)、S365〜S366(配列番号1987〜1988)、S371〜S373(配列番号1558、および1990〜1991)、S386〜S403(配列番号1559、2005〜2007、1794、2008〜2009、1788、1787、1789、2010〜2011、1791、および2012〜2014)、RB437(配列番号2164)、RB502(配列番号2170AA)、RB452(配列番号2173)、RB513(配列番号2176)、RB464(配列番号2179)、RB596(配列番号2202)、RB569(配列番号2203)、およびRB570(配列番号2204)から成る群から選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  151. 式4の配列が配列S262(配列番号1898)、S282〜S283(配列番号1907〜1908)、S331(配列番号1949)、RB505M(配列番号2160)、RB446(配列番号2180)、およびRB505(配列番号2191)から成る群から選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  152. 式4の配列が配列RB517M(配列番号2161)、RB515(配列番号2162)、およびRB510(配列番号2163)から成る群から選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  153. 式1の配列は、配列
    H2C/D117: FHENFYDWFVRQVSKK(配列番号1556);
    FHENFYDWFVRQVS(配列番号1557);
    RP9: GSLDESFYDWFERQLGKK(配列番号1558);
    GSLDESFYDWFERQLG(配列番号1559);
    GLADEDFYEWFERQLR(配列番号1561);
    GLADELFYEWFDRQLS(配列番号1562);
    GQLDEDFYEWFDRQLS(配列番号1563);
    GQLDEDFYAWFDRQLS(配列番号1564);
    GFMDESFYEWFERQLR(配列番号1565);
    GFWDESFYAWFERQLR(配列番号1566);
    GFMDESFYAWFERQLR(配列番号1567);
    GFWDESFYEWFERQLR(配列番号1568);
    RP15: SQAGSAFYAWFDQVLRTV(配列番号2057);および
    S175:GRVDWLQRNANFYDWFVAELG(配列番号1560)から成る群から選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  154. アミノ酸配列が、配列431〜433(配列番号2135〜2137)から成る群から選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  155. アミノ酸配列が、配列RB431〜RB433(配列番号2184、2186および2188)から成る群から選択される請求項143に記載のアミノ酸配列。
  156. 賦形剤または希釈剤である、請求項79に記載のアミノ酸配列および生理学的に許容可能な担体から成る製薬的組成物。
  157. 賦形剤または希釈剤である、請求項106に記載のアミノ酸配列および生理学的に許容可能な担体から成る製薬的組成物。
  158. 賦形剤または希釈剤である、請求項116に記載のアミノ酸配列、および生理学的に許容可能な担体から成る製薬的組成物。
  159. 賦形剤または希釈剤である、請求項129に記載のアミノ酸配列、および生理学的に許容可能な担体から成る製薬的組成物。
  160. 治療を必要とする個体に対し、請求項156に記載の製薬的組成物の製薬的有効量を投与することにより糖尿病を治療する、糖尿病治療法。
  161. 治療を必要とする個体に対し、請求項157に記載の製薬的組成物の製薬的有効量を投与することにより糖尿病を治療する、糖尿病治療法。
  162. 治療を必要とする個体に対し、請求項158に記載の製薬的組成物の製薬的有効量を投与することにより糖尿病を治療する、糖尿病治療法。
  163. 治療を必要とする個体に対し、請求項159に記載の製薬的組成物の製薬的有効量を投与することにより糖尿病を治療する、糖尿病治療法。
  164. 1)請求項79に記載のアミノ酸配列由来のペプチドを含む第2のライブラリを生産すること;
    2)インシュリン受容体に結合するペプチドについてライブラリをスクリーニングすること;および
    3)インシュリン受容体のためのアゴニスト活性について(2)からインシュリン結合ペプチドをスクリーニングすること、
    を含み、アゴニスト活性がインシュリン受容体アゴニストの同定を示唆するインシュリンアゴニスト同定方法。
  165. 1)請求項106に記載のアミノ酸配列由来のペプチドを含む第2のライブラリを生産すること;
    2)インシュリン受容体に結合するペプチドについてライブラリをスクリーニングすること;および
    3)インシュリン受容体のためのアゴニスト活性について(2)からインシュリン結合ペプチドをスクリーニングすること、
    を含み、アゴニスト活性がインシュリン受容体アゴニストの同定を示唆するインシュリンアゴニスト同定方法。
  166. 1)請求項116に記載のアミノ酸配列由来のペプチドを含む第2のライブラリを生産すること;
    2)インシュリン受容体に結合するペプチドについてライブラリをスクリーニングすること;および
    3)インシュリン受容体のためのアゴニスト活性について(2)からインシュリン結合ペプチドをスクリーニングすること、
    を含み、アゴニスト活性がインシュリン受容体アゴニストの同定を示唆するインシュリンアゴニスト同定方法。
  167. 1)請求項129に記載のアミノ酸配列由来のペプチドを含む第2のライブラリを生産すること;
    2)インシュリン受容体に結合するペプチドについてライブラリをスクリーニングすること;および
    3)インシュリン受容体のためのアンタゴニスト活性について(2)からインシュリン結合ペプチドをスクリーニングすること、
    を含み、アンタゴニスト活性がインシュリン受容体アンタゴニストの同定を示唆するインシュリンアゴニスト同定方法。
  168. 哺乳類細胞におけるインシュリン受容体活性の増加方法であって、賦形剤又は希釈剤の、SLEEEWAQVECEVYGRGCPSGSLDESFYDWFERQLG(S519;配列番号2033)およびSIEEEWAQIKCDVWGRGCPPGLLDESFYHWFDRQLR(S520;配列番号2034)、および生理学的に許容可能な担体を含むアミノ酸配列を、前記細胞に対し、インシュリンの活性を増加するために十分な量で投与することを含む方法。
  169. SLEEEWAQVECEVYGRGCPSGSLDESFYDWFERQLG(S519;配列番号2033)およびSIEEEWAQIKCDVWGRGCPPGLLDESFYHWFDRQLR(S520;配列番号2034)を含むインシュリン受容体アゴニストであるアミノ酸配列。
  170. 賦形剤または希釈剤である、請求項169に記載のアミノ酸配列、および生理学的に許容可能な担体から成る製薬的組成物。
  171. 治療を必要とする個体に対し、請求項170に記載の製薬的組成物の製薬的有効量を投与することにより糖尿病を治療する、糖尿病治療法。
  172. 1)請求項169に記載のアミノ酸配列由来のペプチドを含む第2のライブラリを生産すること;
    2)インシュリン受容体に結合するペプチドについてライブラリをスクリーニングすること;および
    3)インシュリン受容体のためのアゴニスト活性について(2)からインシュリン結合ペプチドをスクリーニングすること、
    を含み、アゴニスト活性がインシュリン受容体アゴニストの同定を示唆するインシュリンアゴニスト同定方法。
  173. 哺乳類細胞におけるインシュリン様成長因子受容体活性の増加方法であって、前記細胞にインシュリン様成長因子の活性を増加するために十分な量のあるアミノ酸配列を投与することを含み、ここで、アミノ酸配列は、インシュリン様成長因子受容体の部位1に結合する一配列を有する部分配列と、インシュリン様成長因子受容体の部位2に結合する一配列を有する部分配列とを有し、前記部分配列はC末端からN末端に結合され、且つ部位2から部位1に方向付けられており、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではない方法。
  174. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式6の配列X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81からなり、ここでX、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X62、X65、X66、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X78、X79、X80、X81は任意のアミノ酸であり、X63、X70、およびX74は疎水性アミノ酸であり、X64は極性アミノ酸であり、X67およびX75は芳香族アミノ酸であり、X72およびX79はシステインである請求項173に記載の方法。
  175. インシュリン様成長因子受容体アゴニストであるアミノ酸配列であって、インシュリン様成長因子受容体の部位1に結合する一配列を有する部分配列と、インシュリン様成長因子受容体の部位2に結合する一配列を有する部分配列とを有し、前記部分配列はC末端からN末端に結合され、且つ部位2から部位1に方向付けられており、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではないアミノ酸配列。
  176. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、部位2の配列が基本的に式6の配列X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81からなり、ここで、X、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸であり、X62、X65、X66、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X78、X79、X80、X81は任意のアミノ酸であり、X63、X70、およびX74は疎水性アミノ酸であり、X64は極性アミノ酸であり、X67およびX75は芳香族アミノ酸であり、X72およびX79はシステインである請求項175に記載のアミノ酸配列。
  177. インシュリン様成長因子受容体に結合するアミノ酸配列であって、インシュリン様成長因子受容体の部位1に結合する一配列と、インシュリン様成長因子受容体の部位2に結合する一配列とからなる群から選択される配列を有し、アミノ酸配列がインシュリン、インシュリン様成長因子、又はその断片ではないアミノ酸配列。
  178. 部位1の配列が基本的に式1の配列Xからなり、ここで、X、X、X、およびXは芳香族アミノ酸であり、Xは任意の極性アミノ酸である請求項177に記載のアミノ酸配列。
  179. 部位1の配列が基本的に式2の配列X610111213からなり、ここで、XおよびXは芳香族アミノ酸であり、X11およびX12は任意のアミノ酸であり、X10およびX13は疎水性アミノ酸である請求項177に記載のアミノ酸配列。
  180. 部位2の配列が基本的に式6の配列X62、X63、X64、X65、X66、X67、X68、X69、X70、X71、X72、X73、X74、X75、X76、X77、X78、X79、X80、X81からなり、ここで、X62、X65、X66、X68、X69、X71、X73、X76、X77、X78、X79、X80、X81は任意のアミノ酸であり、X63、X70、およびX74は疎水性アミノ酸であり、X64は極性アミノ酸であり、X67およびX75は芳香族アミノ酸であり、X72およびX79はシステインである請求項177に記載のアミノ酸配列。
  181. アミノ酸配列がS527〜S546;S549、D551〜S591;S594〜S624;S626〜S639;およびS641〜S648から成る群から選択される請求項29に記載の方法。
  182. アミノ酸配列がS557およびS597から成る群から選択される請求項181に記載の方法。
  183. 哺乳類細胞におけるインシュリン受容体活性の増加方法であって、前記細胞にS527〜S546;S549、D551〜S591;S594〜S624;S626〜S639;およびS641〜S648から成る群から選択されるアミノ酸配列と生理学的に許容可能な担体を含む賦形剤または希釈剤をインシュリン受容体活性を増加するために十分な量で投与することを含む方法。
  184. アミノ酸配列がS557およびS597から成る群から選択される請求項183に記載の方法。アミノ酸配列。
  185. インシュリン受容体アゴニストであるアミノ酸配列であって、S527〜S546;S549、D551〜S591;S594〜S624;S626〜S639;およびS641〜S648から成る群から選択される配列を含むアミノ酸配列。
  186. S557およびS597から成る群から選択される請求項185に記載の配列。
  187. 治療を必要とする患者に対し、(i)ペプチドS519、S520;S524、S527〜S546、S549、D551〜S591、S594〜S624、S626〜S639、およびS641〜S648から成る群から選択される第一の化合物の第一の量、および(ii)長時間作用型インシュリン類似体を含む第2の化合物の第二の量を投与することを含む糖尿病治療法であって、第一の量と第二の量を組み合わせたときに前記糖尿病の治療に有効である治療法。
  188. 前記第一の化合物はS557とS597から成る群から選択される請求項187に記載の方法。
  189. 前記長時間作用型インシュリン類似体は、LysB29(ミリストイル)des(B30)ヒトインシュリン、LysB29(−テトラデカノイル)des(B30)ヒトインシュリン、およびB29−N−(N−リトコール−グルタミル)−des(B30)ヒトインシュリンからなる群から選択される請求項187に記載の方法。
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