JP2005517030A - ビスピリジニウムアルカンに基づく水性防腐薬 - Google Patents

ビスピリジニウムアルカンに基づく水性防腐薬 Download PDF

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Abstract

アルコールフリー、アリールオキシアルコールフリーの防腐薬であって、a)ビスピリジニウムアルカン、特にオクテニジンジヒドロクドライド0.01〜10重量%、及び
b)アルコールポリアルコキシレート、ポリソルベート及びアルキルグリコシドから選択される非イオン性界面活性剤0.01〜20重量%を含有し、並びに1以上の賦形剤を任意に含有することを特徴とする防腐薬、特に等張性防腐薬、及び皮膚、粘膜、創傷又は内臓の防腐性処置のための、皮膚消毒または洗浄溶液としての前記防腐薬の使用。

Description

本発明は、ビスピリジニウムアルカン、特にオクテニジンジヒドロクロライド(1,1’−デカメチレンビス[1,4−ジヒドロ−4−(オクチルイミノ)ピリジン]ジヒドロクロライド)に基づく水性の等張調節可能な防腐薬、及び皮膚、粘膜、創傷または内臓を防腐性にするための水性防腐薬の使用に関する。
外科的処置、注射、穿刺、中空内臓の検査の前で、皮膚又は粘膜を消毒する必要がある際に、消毒薬が用いられる。加えて、防腐薬は、創傷治療(手術創、慢性創傷、火傷、咬創、切り傷、外傷性創傷)、及び局所表皮感染症(例えば真菌感染症)に対しても用いられる。洗浄(例えば膀胱及び腹腔洗浄)も防腐薬を用いて行われる。さらに予防、術前及び治療のための眼の防腐、並びに上顎外科処置及び抜歯前、虫歯の予防、及び頸部と咽頭腔の感染症での口腔防腐薬が特別な適用範囲である。
上述の適用範囲で以前から知られている防腐薬は、毒物学的及び/または生態学的な理由のために、またはその不適当な活性故に、使用において不都合を生じていた。このことは、特に、活性化合物としてポリビニルピロリドン−ヨード(PVP−iodine)、フェニル水銀塩、タウロリン(tauroline)、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム又はHを含有する製品に当てはまる。特に局所皮膚感染症の治療に用いられる抗生物質は、起こり得る抵抗力の発生故に、制限された範囲にのみしか適さない。
DE 27 08 331 C2は、種々のビス[4−(置換アミノ)−1−ピリジニウム]アルカン(簡略化すると、ビスピリジニウム−アルカン)、及びこの種の物質のいくつかの代表物の静菌活性と歯垢防止活性を記述している。ビスピリジニウムアルカンから成るこの物質の種類には、特にオクテニジンジヒドロクロライドが含まれる。
オクテニジンジヒドロクロライドに基づく組成物は知られており、創傷及び縫合治療、並びに衛生学的で外科的な手の消毒のために使用されている。その抗菌作用は迅速に起こり、長時間持続する。
EP 0 411 315 A1は、特に粘膜防腐薬として、及び創傷治療に適し、オクテニジンジヒドロクロライドとフェノキシエタノール(POE)及び/又はフェノキシプロパノール(POP)を、0.005〜0.5重量%のオクテニジンジヒドロクロライド濃度、及び5〜0.5重量%のPOE又はPOP濃度において、オクテニジンとPOE又はPOPの重量比1:20〜1:11で含有する水性防腐薬を開示している。さらに、例えば種々の界面活性剤、ココスアミノプロピルベタイン(cocosaminopropyl betaine)、脂肪酸モノグリセリド、エトキシ化脂肪酸ポリグリコールエーテル、及びポリオキシエチレン脂肪酸モノグリセリドとの混合物も開示されている。
EP 0 161 425 A2も、オクテニジンジヒドロクロライド含有組成物と、人間の皮膚を含む表面処置のためのその使用を開示している。ここに開示された水性組成物は、さらにアルコールや表面活性剤を含み得る。
DE 196 47 692 A1は、オクテニジンジヒドロクロライド、C〜C−アルキルアルコール、非イオン性及び(または)陽イオン性表面活性剤、及び皮膚適合性のα−ヒドロキシカルボン酸を含有する水溶液を含む手の洗浄殺菌剤を開示している。
しかしながら、ビスピリミジニウム−アルカン、特にオクテニジンジヒドロクロライドに基づく等張溶液の調製は、現在に至るまで可能ではなかった。等張性はしばしば望ましいものであり、とりわけ内臓の洗浄及び創傷の洗浄の為に、(高)希釈された抗菌性等張溶液が要求されてきた。オクテニジンジヒドロクロライドに基づく既知の組成物の等張調節の試みは、塩を加えた後に沈殿物が生じることを示した。上述の組成物を等張食塩水又はリンゲル液で希釈すると、特に低温で、沈殿が生じ、これはそのような希釈溶液の処置に特に不都合である。一般に低張又は高張溶液は、防腐薬の適合性の減少をもたらし得る。従って、ある状況下で、短期の貯蔵でも沈降物が堆積する曇った組成物は、使用に適さない。
よって本発明は、ビスピペリジニウムアルカン、特にオクテニジンジヒドロクロライドに基づいた防腐薬を利用可能にするという目的に基づいており、この防腐薬は等張調節が可能であるだけでなく、また等張調節が成されたか否かに係わらず、沈殿を生じることなく等張溶液を与えるように塩類溶液で希釈され得る。この点で、活性化合物の量が同じで改善された活性を示す組成物が常に要求されている。
このたび、驚くべきことに、この目的は、
a)ビスピリジニウムアルカン、特にオクテニジンジヒドロクロライド0.01〜10重量%、及び
b)アルコールポリアルコキシレート、ポリソルベート及びアルキルグリコシドから選択される、非イオン性界面活性剤0.01〜20重量%
を含有し、1以上の賦形剤を任意に含有し得るアルコールフリー、アリールオキシアルコールフリーの防腐薬により達成されることが見出された。
好ましい態様は、従属項の主題である。
本発明の記述の意図上、「アルコールフリー」という用語は、本発明による防腐薬が、モノヒドロキシアルキルアルコールを全く含有しないという意味であり、例えば、DE 196 47 692 A1に開示されたC〜C−アルキルアルコールであるエタノール、プロパン−1−オール及びプロパン−2−オールを含まない。
「アリールオキシアルコールフリー」という用語は、本発明による防腐薬がアリールオキシアルコール、例えばEP 0 411 315 A1に開示されたフェノキシアルキルアルコール、フェノキシエタノール及びフェノキシプロパノールを全く含有しないという意味である。
ビスピリジニウムアルカンという用語は、DE 27 08 331に開示された、一般式(I)又は(II)のビス[4−(置換アミノ)−1−ピリジニウム]アルカンを含む。
Figure 2005517030
式中、
Yは、4〜18の炭素原子を有するアルキレン基であり、
Rは、6〜18の炭素原子を有するアルキル基、または5〜7の炭素原子を有するシクロアルキル基、またはハロゲン原子で置換されたフェニル基であり、及び
Aは、単一のアニオン、又は複数のアニオンである。
厳格に解したAについての上記の定義には、一価及び二価アニオンが当てはまるが、またAは、例えばホスフェートまたはオルトシリケート等の多価アニオンでも当然あり得る。
ビスピリジニウムアルカンという用語は、例えばDE 196 47 692 A1に開示された式(I)の化合物の種々のプロトトロピー体もさらに包含する。
ビスピリジニウムアルカンについての全情報は当該物質種全体に当てはまるが、本発明の全態様において、好ましくはオクテニジンジヒドロクロライドについて特に当てはまる。
本発明は、ビスピリジニウムアルカン、特にオクテニジンジヒドロ−クロライドと、アルコールポリアルコキシレート、ポリソルベート及びアルキルグリコシドから選択される非イオン性界面活性剤とに基づく防腐薬が、それらがアルコールフリーでアリールオキシアルコールフリーであるならば、等張調節されることが可能であり、及び/または等張溶液で希釈され得るということが驚くべきことに見いだされた事実にとりわけ基づいている。
好ましい濃度範囲は、0.01〜2重量%のビスピリジニウムアルカン、及び0.05〜5重量%の非イオン性表面活性剤、特に好ましくは0.02〜0.5重量%のビスピリジニウムアルカン、及び0.1〜2重量%の非イオン性界面活性剤である。
アルコールポリアルコキシレートには、脂肪アルコールアルコキシレート、例えば種々の割合のエチレンオキシドを含有するイソデシルエトキシレート、イソトリデシルエトキシレート、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール及びセチルアルコール及びオレイルアルコールのポリエチレングリコールエーテルが含まれる。この場合、前記アルコールは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドの任意の所望の混合物でアルコキシル化され得る。アルコールポリアルコキシレートは、とりわけLutensol(登録商標)、Marlipal(登録商標)、Marlox(登録商標)、Brij(登録商標)、及びPlurafac(登録商標)という名で知られている。
さらに、用いられた非イオン性界面活性剤は、通常オレイン酸エステル、ステアリン酸エステル、ラウリン酸エステル及びパルミチン酸エステルとして存在するソルビタンエステルであり、ポリソルベート(例えばTween(登録商標))と呼ばれる。
好ましくは、非イオン性界面活性剤は、アルキルグルコシド等のアルキルグリコシド(すなわちグルコースのアルキルグリコシド)であり、さらに好ましくはC〜C20−アルキルポリグルコース、特にC〜C12−アルキルポリグルコース、ラウリルポリグルコース、デシルポリグルコース又はこれらの組み合わせが好ましい。ココイルポリグルコースの場合、C鎖の長さは、8〜16原子であり、ラウリルポリグルコースの場合は12〜16C原子、及びデシルポリグルコースの場合は同様に8〜16C原子である。特に好ましい、用いられる非イオン性界面活性剤は、Plantacare(登録商標)1200という名で市販されているラウリルポリグルコースである。
本発明による防腐薬は、好ましくは、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を含まない。カチオン性、アニオン性、および両性界面活性剤を全く含有しない防腐薬が、特に好ましい。防腐薬は、さらに好ましくは、ニトロソアミンの形成の危険が付随するために、アミンオキシド(これはしばしば非イオン性界面活性剤として用いられる)を全く含有しない。
ビスピリミジニウムアルカン、特にオクテニジンジヒドロクロライド、並びにアルコールポリアルコキシレート、ポリソルベート及びアルキルグリコシドから選択される非イオン性界面活性剤に加えて、本発明による防腐薬は、アラントイン等の皮膚保護性(dermoprotective)物質、グリセロール等の湿潤剤、ヒドロキシエチルセルロース及びその他のセルロース誘導体等の増粘剤、矯味剤(taste corrigent)(例えば経口防腐薬として使用される際)、2モルのエチレンオキシドを含有するポリオール脂肪酸エステル又はラウリルアルコール等の再脂肪化剤(refatting agent)、緩衝剤物質、消泡剤及び着色剤から選択される1以上の賦形剤を任意に含有し得る。本発明によると、特に好ましい賦形剤は、グルコン酸ナトリウム及びグリセロール(水中85%濃度)である。
好ましくは、本発明による防腐薬は、等張溶液の形態で存在する。血液の等張性は約290 mos/mol/kgである(これは、0.9%濃度の塩化ナトリウム溶液に相当する)。等張性は、適切な量の塩化ナトリウムを用いて、又はリンゲルによる等張溶液が望まれる場合には、8.60 g/lの塩化ナトリウム、0.30 g/lの塩化カリウム及び0.33 g/lの塩化カルシウム・2HOを用いて調節することができる。
一方で、本発明による防腐薬は、それ自体が等張溶液として存在しているかどうかに関わらず、塩類溶液、例えばNaCl溶液又はリンゲル液で、希釈により得られた防腐薬溶液が等張であるように希釈することができる。本発明による防腐薬が等張溶液である場合、本溶液は、例えば等張NaCl溶液又はリンゲル液等の等張希釈溶液により行われ得る。本発明による防腐薬が等張溶液として存在していない場合は、例えば比較的高濃度のNacl溶液、または比較的高濃度のリンゲル液等の比較的高濃度の塩溶液を用いて、希釈を同様に行うことができる。本発明による等張防腐薬の希釈は、好ましくは、等張溶液を用いて、すなわち等張防腐薬:等張溶液の体積比が1:0.5〜1:10の範囲において、特に体積比1:1において行われる。
本発明による防腐薬は、次の利点を有する:
オクテニジンジヒドロクロライドに基づく防腐薬の例により示されるように、これらは優れた抗菌活性を有する;本発明による防腐薬には、活性化合物ビスピリジニウムアルカンの既知の製剤(同濃度)と、少なくとも同等の活性がある。
防腐薬は、等張調節されているか否かに関わらず、透明な溶液であり、8℃〜40℃の温度での60ヶ月の期間に渡る貯蔵によってさえも、透明なままである。
防腐薬は、すでに等張調節されているか否かに関わらず、例えばNaCl溶液又はリンゲル液等の塩溶液で、等張溶液を与えるように希釈することができる。この得られた等張溶液は透明であり、8℃〜40℃の温度での60ヶ月の期間に渡る貯蔵によってさえも、透明なままである。
抗菌活性は、賦形剤の添加によっても影響を受けない;慣例の賦形剤の添加による濁りも生じない。
アルコール及びアリールオキシアルコールの吸収は排除され、それによって、使用において可能性のある合併症が、初めから回避される。
1種の抗菌活性化合物のみが存在することで、特に国際市場において、薬品としての認可のための申請手続の単純化がもたらされる。
本発明の利点は、次に示す例によって明らかにされる。

溶液の等張性は、浸透圧計(クナウル(Knaur)のセミオスモメータ)によって、調節した。計測は、氷点降下の測定によって、本装置を用いて行う。
濁度測定は、「ハック(Hach)濁度計2100AN」装置を用いて行った。
以下に示す例において、活性の測定は、例Aのもとに記載された試験に従って行った。
A:活性試験
試験した防腐薬の組成は、以下の通りである(項目は重量%)。
Figure 2005517030
上述した界面活性剤を含有し、オクテニジンジヒドロクロライドを含有した水性防腐薬を、その殺菌活性について、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、緑膿菌(P.aeruginosa)、及び鵞口瘡カンジダ(C.albicans)を用いて調べ、作用の測定は、12.7.1991付のGerman Society for Hygiene and Microbiology(DGHM)のガイドラインに従って行った。防腐薬1、A及びBは、フェノキシエタノールの存在又は不存在の他には、界面活性剤の種類のみが異なり、純粋な界面活性剤含有量は同じであった。防腐薬1から調製された溶液の作用時間を、30秒、1分、2分及び5分とした。試験した防腐薬の適用濃度は、標準化された硬度の水中で、0.25、0.5、0.75、1.5、3.125、6.25、12.5、25、50及び100重量%であった。
実験を、以下の通りに行った。
CSL(カゼインペプトン−大豆ミールペプトン溶液)中の0.1mlの微生物の懸濁液を、10mlの防腐薬(又は上述した濃度である防腐薬希釈物)と室温で十分に混合した。上述の作用時間が経過した後、いずれの場合も1mlの防腐薬(希釈物)/微生物混合物を取り出し、9mlの中和溶液(二回蒸留した水中、0.1重量%トリプトン、0.85重量%NaCl、3重量%Tween(登録商標)80、3重量%サポニン、0.3重量%レシチン、0.1重量%ヒスチジン)に接種した。ついで微生物数測定を、減少率を決定するために行った(12.7.1991のDGHMのガイドライン参照)。
試験溶液の作用は、次式により計算した:
KR=logKBE(Ko)−logKBE(P)
式中、
KBE(Ko)は、上述の防腐薬(希釈物)の作用を伴わない微生物/mlの数であり、
KBE(P)は、上述の防腐薬(溶液)の作用を伴う微生物/ml数であり、及び
KRは、対数の減少率である。
次に示す表において、活性を作用時間と防腐薬希釈度の関数として表す(’=分、’’=秒)。
Figure 2005517030
Figure 2005517030
Figure 2005517030
上に示した活性試験の結果から明らかなように、アルコールを含まないこと、及び特定の非イオン性界面活性剤の選択により特徴づけられる本発明による防腐薬は、高活性であり、本発明による防腐薬の抗菌活性は、比較防腐薬と比べて、少なくとも同程度に良好か、いくつかの場合ではより良好である。
B:等張調節された防腐薬の調製
防腐薬2は、次に示す組成を有するものであった(項目は重量%)。
Figure 2005517030
防腐薬2は、透明な溶液であり、これは60か月間、8℃〜40℃での貯蔵によってさえも透明なままである。
防腐薬2は、等張食塩水(0.9%濃度のNaCl溶液)を用いて、体積比1:1で希釈した。よって、得られた配合物防腐薬3は、次の組成を有する(項目は重量%)。
Figure 2005517030
防腐薬3は、透明な溶液であり、これは60か月間、8℃〜40℃の温度での貯蔵後でさえも透明なままである。
Figure 2005517030
Figure 2005517030
Figure 2005517030
Figure 2005517030
Figure 2005517030
このことから、本発明によるフェノキシエタノールフリーの防腐薬とNaClを用いて等張調節された本発明によるフェノキシエタノールフリーの防腐薬の活性は、フェノキシエタノールを含有し、等張調節されていない防腐薬の活性とほぼ一致するということが帰着する。
D:防腐薬の活性(種々の糖を用いた等張調節)
NaClを用いた等張調節ではなく、種々の糖を等張調節のために防腐薬に加えた。緑膿菌に対する定量懸濁試験を、対応する50%濃度希釈物を用いて行った。
Figure 2005517030
E:等張調節された防腐薬の活性(他の添加剤を用いる)
防腐薬1中にすでに存在する添加剤の増加によって、等張性を、防腐薬4及び5において調節した。
Figure 2005517030
この防腐薬を、緑膿菌に対するその活性に関して、硬水中50%濃度で調べた。
Figure 2005517030
このことから、防腐薬1中にすでに存在する添加剤の含有量を増加させることにより等張調節した、本発明によるフェノキシエタノールフリーの防腐薬1の活性は、フェノキシエタノールを含有し、等張調節されていない防腐薬の活性に匹敵するということが帰着する。
F:50%濃度の希釈物に等張調節された防腐薬の活性
等張性が防腐薬1中にすでに存在する添加剤の含有量の増加によって調節された、例Eに記述した防腐薬4及び5を、一方では硬水中での、もう一方では等張グルコース溶液中での50%濃度の希釈物としてその活性に関して調べた。
Figure 2005517030
Figure 2005517030
使用した5%濃度の等張グルコース溶液は、市販の製品であった。
このことから、等張グルコース溶液を用いた本発明によるフェノキシエタノールフリーの防腐薬の希釈では、硬水を用いた本発明によるフェノキシエタノールフリーの防腐薬の希釈と比べて、活性の増加が達成されるということが帰着する。
G:濁度測定
次に示す結果は、上述の防腐薬の+8℃での24時間の貯蔵後に得たものである。ここで、NTUは、「比濁分析の濁度単位」を表す(EPA、すなわち米国環境保護庁の規定による90°での測定単位)。20のNTUでさえ、肉眼でわずかに不透明であると認識できる。
Figure 2005517030
この結果から、比較防腐薬Aは、寒冷中で等張食塩水またはリンゲル液を加えたため、本発明による防腐薬を用いた場合よりも濁っていることが極めて明瞭である。

Claims (5)

  1. アルコールフリー、アリールオキシアルコールフリーの防腐薬であって、
    a)ビスピリジニウムアルカン、特にオクテニジンジヒドロクドライド0.01〜10重量%、及び
    b)アルコールポリアルコキシレート、ポリソルベート及びアルキルグリコシドから選択される非イオン性界面活性剤0.01〜20重量%
    を含有し、並びに1以上の賦形剤を任意に含有することを特徴とする防腐薬。
  2. a)オクテニジンジヒドロクロライド0.01〜2重量%、及び
    b)アルキルグリコシド、好ましくはC〜C20−アルキルポリグルコース、さらに好ましくはココイルポリグルコース、ラウリルポリグルコース若しくはデシルポリグルコース、又はこれらの混合物0.1〜2重量%
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の防腐薬。
  3. 前記賦形剤は、湿潤剤、増粘剤、矯味剤、再脂肪化剤、緩衝剤物質、消泡剤及び着色剤から選択されることを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載の防腐薬。
  4. 等張溶液として存在することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の防腐薬。
  5. 皮膚、粘膜、創傷又は内臓の防腐性処置のための、皮膚消毒または洗浄溶液としての請求項1〜4のいずれか一項に記載の防腐薬の使用。
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