JP2005515147A - アルミニウムを含有する溶融シリカ - Google Patents

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Abstract

少なくとも50ppbのアルミニウムを含有する溶融シリカ物品が開示されている。これらのレベルのアルミニウムを含有する溶融シリカ物品は、レーザを照射したときに、低レベルのアルミニウムを含有する溶融シリカ物品と比較した場合、改善された内部透過率および減少した吸収変化を示す。

Description

本発明は、溶融シリカおよび溶融シリカから製造された光学部材に関する。本発明は、より詳しくは、アルミニウムを増大したレベルで含有する溶融シリカおよびその溶融シリカから製造された光学部材に関する。
工業的に実施されているように、レンズ、プリズム、フィルタ、フォトマスク、反射器、エタロン板および窓などの溶融シリカ光学部材は、大型の製造炉で造られた溶融シリカのバルク片から一般に製造される。大型製造炉で造られた溶融シリカのバルク片は、ブールまたはインゴットとして当該技術分野において知られている。ブールまたはインゴットからブランクを切断し、これらのガラスブランクから、以下に限られるものではないが、ブランクからのガラス片の切断、研磨、および/またはコーティングを含むであろう製造工程により、仕上げ光学部材を製造している。これらの光学部材は、約360nm以下の波長を持つ高出力紫外線、例えば、エシキマレーザビームまたは他の高出力紫外線レーザビームに露光される環境に用いられる様々な装置に使用される。これらの光学部材は、高密度集積回路を製造するためのリソグラフィーレーザ露光装置、レーザ製造装置、医療装置、核融合装置、または高出力紫外線レーザビームを使用する他の装置を含む様々な機器に組み込まれている。
概して、ブールは、火炎中でケイ素含有ガス分子を反応させて、シリカスート粒子を形成することにより製造される。スート粒子は、回転体または揺動体の熱い表面上に堆積され、そこで、ガラス質の固体状態に固結する。従来技術において、この種のガラス製造法は、気相加水分解/酸化プロセスとして、または単に火炎堆積プロセスとして知られている。「ブール」という用語は、火炎堆積プロセスにより形成された任意のシリカ含有体を含むことを理解した上でここに用いる。
一般に約5フィート(1.5メートル)の直径および約5〜10インチ(13〜25cm)以上の厚さを持つブールを大型製造炉で通常製造できる。多数のブランクが、そのようなブールから切断され、上述した様々な光学部材を製造するのに使用されている。そのようなブランクから製造されたレンズ素子の光学主軸は一般に、炉内のブールの回転軸と平行になる。参照を容易にするために、この方向を「軸1」または「使用軸」と称する。軸1すなわち使用軸に垂直な方向で行った測定は、「軸外」測定と称する。
レーザのエネルギーおよびパルス繰返し数が増すにつれ、そのようなレーザと共に用いられる光学部材は増大したレベルのレーザ照射に露光される。溶融シリカ部材は、優れた光学的性質およびレーザ誘発損傷に対する抵抗性のために、そのようなレーザ光学系における光学部材のための最適な製造材料として広く用いられてきた。
レーザ技術は、短波長の高エネルギー紫外スペクトル領域に進歩してきた。その効果は、レーザにより発せられる光の周波数の増加(波長の減少)である。特に興味深いのは、紫外線および遠紫外線の波長範囲で動作する短波長エキシマレーザであり、これには、約193nmおよび248nmの波長で動作するレーザがある。エキシマレーザ系はマイクロリソグラフィー用途で非常によく用いられており、波長が短くなったために、集積回路およびマイクロチップの製造において線密度を増加させることができ、これによって、最小加工寸法の減少した回路を製造できる。短波長(高周波数)の直接的な物理的結果は、個々のプロトンが高エネルギーのものであるという事実のためにビームが高プロトンエネルギーとなることである。そのようなエキシマレーザ系において、溶融シリカ光学素子は、長時間に亘り高エネルギーのフォトン照射レベルに露光されて、光学部材の光学的性質が劣化してしまう。
レーザ誘起劣化は、ガラスの光透過レベルを減少させ、屈折率を変え、密度を変え、吸収レベルを増加させることにより、溶融シリカ光学部材の性能に悪影響を与えることが知られている。長年に亘り、溶融シリカガラスの光学的損傷抵抗性を改善する多くの方法が提案されてきた。一般に、火炎加水分解、CDV−スート再溶融プロセス、プラズマCVDプロセス、石英結晶粉末の電気融解、および他の方法などの方法により調製した高純度溶融シリカは、様々な程度でレーザ損傷を受けやすいことが知られている。
ガラスにおける吸収レベルを減少させ、透過を改善する公知の方法の一つは、ナトリウム、アルミニウムおよび鉄などの金属の総金属不純物レベルを減少させることである。過去において、50ppbほど高いアルミニウム不純物、100ppbほど高いナトリウムレベル、および193nmで99.4%/cm以下の内部透過率を持つ溶融シリカガラスが、本発明の譲受人により製造され、販売されてきた。ガラス中の金属不純物を減少させる公知の方法の一つは、溶融シリカ製造炉において用いられている耐火性材料をハロゲンガスで処理する工程を含む。この方法のさらなる詳細が特許文献1に記載されている。溶融シリカ光学部材の透過率および耐久性を改善する別の公知の方法が特許文献2に開示されている。この文献には、シリカガラス部材を、この部材の水素含有量が5×1018分子/cm3以下となるように10時間以上に亘り1000℃でアニールする工程が開示されている。特許文献2の方法は、優れた性質を持つ光学部材を製造できるという点で有益であるが、アニーリング工程には、ブールの形成後、そのような部材を製造するのに多大な時間と費用がかかってしまう。
溶融シリカ部材は過渡吸収を示すこともできる。ここにその内容を引用する非特許文献1に記載されているように、過渡吸収は二つの形態をとることができる。第1の形態において、紫外領域におけるガラスの透過率は、照射源を取り除いたときにいくぶん回復し、再露光すると、急速に再度暗色化する。第2の形態において、ガラスを最初に照射したときに吸収が起こり、この吸収は、光学部材を一定に照射するにつれて減少する。この種の過渡吸収は、ここでは「吸収スパイク」と称する。この吸収スパイクは、光学部材における吸収変化の望ましくない影響を避けるために、ステッパレンズ機器などの光学装置の製造業者は、光学部材を、吸収スパイクを「克服し」、吸収値を減少させるように十分な数のパルスに露光しなければならない点で、問題である。この露光プロセスには、光学装置の製造業者が、吸収スパイクを「克服」して吸収を許容レベルまで減少させるように時間と資源を捧げる必要がある。
米国特許第6174509号明細書 米国特許第6174830号明細書 "Transient absorption in excimer-exposed silica" by Charlene Smith, Nicholas Borrelli and Roger Araujo, Applied Optics, Vol.39, No.31, 5778-5784 (Nov.1, 2000)
透過が改善され、吸収スパイクが減少した溶融シリカガラス物品を提供することが望ましいであろう。そのような溶融シリカガラス物品が、溶融シリカ光学部材を形成するのに用いられるガラスブールまたはブランクの形成後にアニーリングや長期に亘る照射などの費用と時間のかかる処理を行う必要なく提供できれば都合よいであろう。
本発明は溶融シリカガラス物品に関する。ここで用いているように、「溶融シリカガラス物品」という用語は、炉内で製造された溶融シリカのブールまたはバルク片、ブールから切断したブランク、および溶融シリカのブランクから製造した溶融シリカ光学部材を含む。溶融シリカ光学部材の製造は、以下に限られるものではないが、溶融シリカガラス片の切断、研削、研磨および/またはコーティングを含む仕上げ工程を含むであろう。
本発明のある実施の形態によれば、紫外波長領域、特に190から300nmの範囲の紫外線による光学損傷に対する抵抗が高い溶融シリカ物品が提供される。本発明のある実施の形態において、本発明の溶融シリカガラス物品は、少なくとも約50ppbのアルミニウムを含有し、193nmの波長で99.5%/cmの最小内部透過率を有する。ある実施の形態において、アルミニウムが溶融シリカガラス物品中にドープされている。別の実施の形態によれば、光学部材中に存在するアルミニウムの量は約100ppbより多く、別の実施の形態においては、アルミニウムは約200から600ppbの量で存在する。
他の実施の形態において、ガラス物品の最小内部透過率は、193nmの波長で99.65%/cm以上である。特定の実施の形態において、193nmの波長で99.75%/cm以上の最小内部透過率を有するガラス物品が製造される。
本発明の溶融シリカ物品は、50ppb未満のレベルしかアルミニウムを含まない溶融シリカ物品と比較した場合、吸収変化が低い。本発明による溶融シリカ物品は、少なくとも約0.97mJ/cm2/パルスのフルエンスを持つ193nmレーザを照射したときに、約0.0006/cm(底10)未満の吸収変化を示す。好ましい実施の形態において、本発明の溶融シリカ物品は、少なくとも約0.97mJ/cm2/パルスのフルエンスを持つ193nmレーザを照射したときに、約0.0005/cm(底10)未満の吸収変化を示す。ある好ましい実施の形態において、少なくとも約0.97mJ/cm2/パルスのフルエンスを持つ193nmレーザを照射したときに、約0.0002/cm(底10)未満の吸収変化を示すガラス物品が提供される。
本発明の溶融シリカ物品により、フォトリソグラフィー装置に用いられるレンズ系内で低い吸収レベルを示すレンズ系を製造できる。本発明の溶融シリカ物品は、従来技術の溶融シリカ物品と比較して改善された透過率を示す。
本発明の追加の利点は、以下の詳細な説明に述べられている。上述した一般的な説明および以下の詳細な説明は、例示であり、特許請求の範囲に記載された本発明をさらに説明することを意図したものであることが理解されよう。
本発明によれば、改善された透過率および/または減少した吸収変化を有する溶融シリカ物品が提供される。本発明の溶融シリカ物品は、ブール、ブールから切断されたブランク、溶融シリカブランクから切断された加工された仕上げられた光学部材を含む。
溶融シリカ物品は、溶融シリカブールプロセスにより製造できる。典型的な溶融シリカブールプロセスにおいて、プロセスガス、例えば、窒素が搬送ガスとして用いられ、窒素のバイパス流が、蒸気流の飽和を防ぐために導入される。蒸気状反応体が、分配機構に通されて、多数のバーナが炉蓋に近接して配置されている反応部位に流される。この反応体は、バーナのところで燃料/酸素混合物と組み合わされて、1700℃より高いガラス温度で燃焼され、酸化させられる。好ましい態様において、炉により製造されるブールが、ブール中に通常存在する不純物レベルよりも多い量のアルミニウムを含有するように、反応体流中にアルミニウムが導入される。ブール中に存在するアルミニウムの量は、約50ppbより多いことが好ましく、存在するアルミニウムの量が約100ppbより多いことがより好ましく、特に好ましい実施の形態において、ブール中にドープされたアルミニウムの量は約200から600ppbである。アルミニウムを反応体流中に導入するための好ましい方法および装置が、発明者としてウィリアム・ピータース(William Peters)、ダニエル・センポリンスキー(Daniel Sempolinski)、メリル・スプロール(Merrill Sproul)、およびマイケル・ワシリュースキー(Michael Wasilewski)を挙げている「Method and Apparatus for Adding Metals to Fused Silica」と題する、本発明の譲受人に譲渡された同時係属の米国特許出願に開示されている。しかしながら、本発明は、アルミニウムを溶融シリカ物品中に導入するための特定の方法または装置に制限されず、他の方法および装置を用いても差し支えないことが理解されよう。さらに、本発明は、外部供給源によりアルミニウムを溶融シリカ中に導入することに限られず、ある実施の形態においては、溶融シリカ製造プロセス中にアルミニウムを溶融シリカ物品中に導入してもよい。例えば、製造プロセス中に溶融シリカ物品中に拡散することのできる、溶融シリカ製造炉に高アルミニウム不純物を含有する耐火物を使用することにより、アルミニウムを溶融シリカ物品中に導入することができる。ブール製造プロセスの説明を続けると、アルミニウムを含有する高純度金属酸化物スートおよび多数のバーナにより発せられる熱が、耐火性炉蓋を通して下方に向けられ、ここで、心材などの熱い収集表面上に直ちに堆積し、ガラス塊に固結する。
本発明の特に有用な実施の形態において、レーザ損傷に対する耐性の高い光学物品は、
a) 酸化による熱分解または火炎加水分解によってシリカに転化できる蒸気形態にあるケイ素含有化合物を含有するガス流を生成し、
b) ガス流中にアルミニウムを導入し、
c) ガス流を燃焼バーナの火炎に通過させて、アルミニウムを含有する溶融シリカの非晶質粒子を形成し、
d) 非晶質粒子を支持体上に堆積させ、
e) 非晶質粒子の堆積物を透明なガラス体に固結させる、
ことにより形成される。
ガラスブールを形成するための有用なケイ素含有化合物は、ハロゲン化物を含まない任意のシクロシロキサン化合物、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、ポリメチルシクロシロキサン、およびこれらの混合物などのポリメチルシロキサンを含むことが好ましい。特に有用なポリメチルシクロシロキサンの例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、およびこれらの混合物が挙げられる。
本発明の特に有用な方法の一つにおいて、化学式−−[SiO(CH324−−により表される、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)などの、ハロゲン化物を含まないシクロシロキサンを、光導波路用途のための高純度溶融シリカの製造に用いられるような気相堆積プロセスにおいて、または溶融シリカブールプロセスのための供給原料として使用する。
工業的に実施されているように、約5フィート(1.5メートル)の直径および約5〜10インチ(13〜25cm)以上の厚さを持つブールを、図1に示した種類の炉を用いて製造できる。炉100は、ブール19を形成するための収集表面24に収集されるシリカスートを製造する複数のバーナ14を担持する蓋12および炉室26を含み、ブールは、上述したように、一般に、直径が約5インチ(1.5メートル)である。この種の炉の構造および動作に関するさらなる詳細は、その全内容をここに引用する、本発明の譲受人にに譲渡された米国特許第5951730号明細書に見られるであろう。溶融シリカブールを製造するためのバーナの構造についての特定の詳細は、本発明の譲受人に譲渡された国際公開第00/17115号パンフレットに見られるであろう。
意外なことに、本出願人は、存在する通常のアルミニウム不純物よりも多い量でアルミニウムを含有する溶融シリカ物品は、そのような部材の性質のいくつかを著しく改善したことを発見した。一般に、溶融シリカ物品は、100ppb未満の総金属不純物を含有する。これらの金属不純物としては、アルカリ、アルカリ土類、鉄、ジルコニウム、チタンおよび銅が挙げられる。本発明の譲受人が製造した典型的な溶融シリカ物品において、ナトリウムおよび鉄などの金属不純物は、それぞれ10ppb未満であり、アルミニウム不純物レベルは20ppb未満である。しかしながら、過去において、不純物レベルのより高い溶融シリカ物品が本発明の譲受人により製造されてきた。例えば、50ppbほど高いレベルのアルミニウム不純物が、本発明の譲受人により製造された溶融シリカ物品中に観察され、他の金属不純物は、現在製造されているレベル(例えば、100ppbまでのナトリウムレベル)よりも高く、193nmの波長で99.4%/cm以下の内部透過率を持つ溶融シリカ物品が得られていた。しかしながら、本発明のある実施の形態によれば、溶融シリカ物品中に含まれるアルミニウムの量は、通常の不純物レベルを超えるが、他の金属不純物は現在の低いレベルに維持されている。ある実施の形態において、部材中のアルミニウムの量は約50ppbより多い。好ましい実施の形態において、物品中に存在するアルミニウムは約100ppbを超える。特に好ましい実施の形態において、アルミニウムの量は約200ppbから600ppbである。
高いアルミニウム含有量を溶融シリカ製品により提供する能力によって、これらのガラス製品を製造するのに用いられる炉内でアルミニウム不純物レベルを調節するためのそれほど厳しくない手法を要する製造プロセスが得られる。したがって、この製造プロセスは、それ自体、より融通性があり、溶融シリカ製品を製造するのに用いられる炉の耐火物および化学前駆体の品質の許容範囲が広い。耐火物や化学前駆体を、光学的性質を劣化させずに、費用を安くするためおよび/または炉の性能を改善するために変更して差し支えない。しかしながら、鉄およびナトリウムなどの他の望ましくない金属汚染物を避けるために利用できる最高の純度を持つ耐火物から構成された溶融シリカ製造炉を使用することが好ましい。本発明のある好ましい実施の形態において、炉の耐火物は、ArF透過率を最大にするために、耐火物中にナトリウムを2ppm未満および鉄を5ppm未満しか含有しないべきである。低レベルの不純物しか含有しない耐火物は、米国特許第6174509号明細書に開示されたハロゲンガス処理プロセスを用いることにより得られる。
本発明の光学部材を製造するのに用いられる溶融シリカ光学ブールは、塩素含有化学前駆体または塩素を含まない化学前駆体のいずれを用いて製造しても差し支えない。しかしながら、それにより得られる低塩素ガラスが、紫外線透過率を損なわずに高い金属濃度を維持できるという点で、塩素を含まない前駆体を使用することには利点がある。
本発明の別の実施の形態において、本出願人は、ブール製造プロセス中に溶融シリカガラスにアルミニウムを導入し、製造後にブールをゆっくりと冷却することにより、ArF透過率が特に良好であり損傷抵抗性の溶融シリカガラスを製造できることを発見した。従来の溶融シリカブールの製造プロセスによれば、ブールは30分未満で約1850℃から約1100℃のまで冷却される。しかしながら、本発明のある実施の形態によれば、ブール製造プロセス中に導入された増大したアルミニウムを含有する溶融シリカブールは、約5時間以上で約1850℃から約1100℃まで冷却する。
溶融シリカ物品の内部透過率の測定は以下のように行った。未露光溶融シリカにおいて、必要に応じて研磨した試料について、適切なUV分光光度計(例えば、Hitachi U4001)を用いて、内部透過率を決定する。内部透過率(Ti)は、試料の測定透過を、表面反射により決定される試料の理論透過で割り、次いで、10mmの光路長に標準化することにより決定される。本発明により製造され、193nmの放射線を照射した溶融シリカ部材の最小内部透過率は99.5%/cmを超え、あるガラスは、99.65%/cmおよび99.75%/cmを超えた。約300ppbのアルミニウムを含有する溶融シリカ物品の透過率に対して「10ppb未満」の範囲のレベルでアルミニウムを含有する従来技術の溶融シリカ物品の透過率を示すグラフである図2を参照する。y軸は%/cmで表した透過率を示し、x軸は物品に含まれている水素の量を示す。図2に示すように、300ppbのアルミニウムおよび2×1017/cm3の水素を含有する溶融シリカ物品は、同レベルの水素を含有するドープされていない溶融シリカ物品に関する99.75%辺り値と比較して、99.80%/cmを超える内部透過率を示した。
溶融シリカ物品中の吸収変化は、主要なArFリソグラフィーシステムにおける露光条件に非常に似た露光条件を提供し、試料を短時間で多数のパルスに露光できるようにするために、2000HzのArFレーザを用いて測定した。露光および測定システムは、従来技術において知られた技法にしたがって、垂直光学台に取り付けた。
図3は、約百万パルスを照射した二つの溶融シリカ試料についての吸収変化測定値を示している。最初の試料は、2.6×1017/cm3の水素および10ppb未満の低レベルのアルミニウムを含有し、0.99mJ/cm2/パルスのフルエンスでArFレーザを照射した溶融シリカ試料であった。この試料は、最初の照射の際に吸収スパイクを示し、この試料は、0.0007/cm(底10)を超える吸収変化を示した。吸収スパイクは最初の100,000パルスに亘り観察された。第2の試料は、約300ppbのアルミニウムおよび1.73×1017/cm3の水素を含有する溶融シリカ試料であった。この試料に、0.97mJ/cm2/パルスのフルエンスでArFレーザを照射した。この試料は、底アルミニウム含有試料と比較すると、実質的に全く吸収スパイスを示さなかった。特に、吸収変化は約0.0001/cm(底10)未満であり、これは、ドープしていない試料に観察された吸収スパイクより著しく減少したものである。
本発明の精神すなわち範囲から逸脱せずに本発明に様々な変更を行えることが当業者には明白であろう。それゆえ、本発明は、本発明の改変および変更を、それらが添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物に含まれる限り、包含することが意図されている。
本発明により溶融シリカ光学物品を製造するのに用いられる炉の概略図 193nmのレーザを照射したときの従来技術の溶融シリカ光学部材と比較した、上昇したレベルのアルミニウムを含有する溶融シリカ物品の透過率を示すグラフ 従来技術の溶融シリカ物品および300ppbを超えるレベルのアルミニウムを含有する溶融シリカ光学物品に関する吸収変化を比較するグラフ
符号の説明
12 蓋
14 バーナ
19 ブール
24 収集表面
26 炉室
100 炉

Claims (6)

  1. 190から300nmの波長範囲の紫外線による光学損傷に耐性のある溶融シリカガラス物品であって、100ppbより多い量のアルミニウムを含有し、193nmの波長で99.65%/cm以上の最小内部透過率を有することを特徴とする溶融シリカガラス物品。
  2. 前記アルミニウムが200から600ppbの量で存在することを特徴とする請求項1記載の溶融シリカガラス物品。
  3. 前記物品が、193nmの波長で99.75%/cm以上の最小内部透過率を有することを特徴とする請求項1または2記載の溶融シリカガラス物品。
  4. 少なくとも0.97mJ/cm2/パルスのフルエンスを持つ193nmレーザを照射したときに、約0.0004/cm(底10)未満の吸収変化を示すことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の溶融シリカガラス物品。
  5. 少なくとも0.97mJ/cm2/パルスのフルエンスを持つ193nmレーザを照射したときに、約0.0002/cm(底10)未満の吸収変化を示すことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の溶融シリカガラス物品。
  6. 少なくとも0.97mJ/cm2/パルスのフルエンスを持つ193nmレーザを照射したときに、約0.0001/cm(底10)未満の吸収変化を示すことを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の溶融シリカガラス物品。
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