JP2005514725A - 炭素質材料の炭化水素処理 - Google Patents
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Abstract
熱分解した有機材料を一定時間にわたり充分な温度で炭化水素ガスに接触させて炭素質材料を生成するステップを含み、この炭素質材料をリチウムイオン電池の電極組成物に組み込むと、炭素質材料の表面に金属リチウムがメッキされる時点までの測定値として、その電池が少なくとも約400mAH/g炭素質材料の可逆容量と、約140mAH/g炭化質材料以下の不可逆容量とを呈することをその炭化質材料の特徴とする、電極組成物としての使用に適する炭素質材料の製造方法。
Description
【0001】
本発明は、電極組成物としての使用に適する炭素質材料の調製に関する。
【0002】
リチウムイオン電池には、正極としてLiCoO2などのリチウム層間化合物と負極として炭素およびグラファイトなどの熱分解処理を施した炭素質材料が含有されていることが多い。炭素質材料の性能(例えば可逆および不可逆容量)評価に使用するリチウム電池には、負極としてリチウム金属および正極として炭素質材料が含有されている。熱分解処理を施した微多孔質硬質炭素質材料をリチウムおよびリチウムイオン電池内で使用すると不可逆容量が高くなる傾向にある。
【0003】
放電が炭素質材料からリチウム原子の放出に相応し、充電がリチウム原子の炭素質材料への吸蔵に相当するリチウムイオン電池において、不可逆容量は、第1の帯電後に完全に復帰できなかったリチウム量(すなわち、不可逆的に消費されたリチウム量)の量である。放電がリチウム原子の炭素質材料への吸蔵に相当し、充填が炭素質材料からリチウム原子の放出に相応するリチウム電池において、不可逆容量は、第1の放電後に完全に復帰できなかったリチウム量(すなわち、不可逆的に消費されたリチウム量)の量である。
【0004】
リチウムを消費可能なメカニズムは多数存在する。例えば、リチウムは炭素表面にて電解液と反応して「固体−電解液表面」を形成することができる。さらに、熱分解により、空気と反応して共有結合官能基、化学吸着種、物理吸着種などの種を形成するために利用可能な領域を有する炭素原子を生成できることが理論付けられている。
【0005】
熱分解微多孔質炭素質材料の高い不可逆特定容量を低減するために、アロガンガス、ヘリウムガス、窒素ガスなどの不活性雰囲気条件下および真空条件下で熱分解処理を行うなど、数多くの努力がなされてきた。
【0006】
本発明は、電極組成物としての使用に適する炭素質材料の製造方法を特徴とする。この方法は、熱分解した有機材料を炭化水素ガスに一定時間充分な温度で接触させて、炭素質材料を生成するステップを含む。この炭素質材料は、この炭化質材料をリチウムイオン電池の電極組成物に組み込むと、炭素質材料表面に金属リチウムがメッキされる時点までの測定値として、その電池が少なくとも約400mAH/g炭素質材料の可逆容量と約140mAH/g炭化質材料以下の不可逆容量とを呈することを特徴とする。
【0007】
好適実施態様において、熱分解した有機材料を炭化水素ガスに少なくとも約500℃の温度で、好ましくは少なくとも約700℃、より好ましくは少なくとも約900℃で接触させる。別の実施態様において、熱分解した有機材料を炭化水素ガスに少なくとも約500℃〜約1200℃の温度で、好ましくは少なくとも約700℃〜約1100℃、より好ましくは少なくとも約900℃〜1000℃で接触させる。
【0008】
炭化水素ガスを、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、アセチレン、ベンゼン蒸気およびこれらの組み合わせからなる群から選択することが好ましい。
【0009】
有機材料を、炭水化物、フェノール樹脂(例えばリゾールフェノール樹脂、ノボラックフェノール樹脂、およびこれらの組み合わせ)、エポキシ樹脂、リグニン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することが好ましい。炭水化物は一般に、グルコース、スクロース、ラクトース、フラクトース、マルトース、およびこれらの組み合わせからなる群から選択する。有用な炭水化物の例として他には、スターチ、セルロース、およびこれらの組み合わせを挙げられる。
【0010】
好適実施態様において、この炭素質材料は、この炭素質材料をリチウムイオン電池の電極組成物に組み込むと、炭素質材料表面に金属リチウムがメッキされる時点までの測定値として、その電池が少なくとも約450mAH/g(好ましくは少なくとも約500mAH/g)炭素質材料の可逆容量と約100mAH/g(好ましくは少なくとも約50mAH/g)の炭化質材料以下の不可逆容量とを呈することを特徴とする。
【0011】
本発明は、リチウムと不可逆的に反応する可能性のある種を本質的に含有しない炭素質材料を調製する簡単で効率良い方法を提供し、電池内の電極組成物として使用することにより、炭素質材料1g当たりの不可逆容量を最小限に抑え、可逆容量を最大限にするという利点を提供する。
【0012】
本発明における他の特徴および利点は、好適実施例についての以下の説明および請求の範囲から明白となるであろう。
【0013】
本明細書内に説明する方法により調製する炭素質材料は、リチウムと不可逆的に反応する可能性のある種を本質的に含有しない。この種の例として、共有結合官能基、化学吸着種、物理吸着種を挙げられる。
【0014】
リチウムと不可逆的に反応する可能性のある種を含有しているかどうかの1つの基準は、炭素質材料1g当たりの不可逆容量の大きさである。リチウム電池において、不可逆容量は完全に放電された炭素質材料の容量から完全に充電された炭素質材料の容量を引いた値である。本明細書において、リチウム電池の可逆容量は、第1の充電容量と第2の放電容量とを平均して算出する。本明細書に説明する方法を用いることにより、この炭素質材料をリチウムイオン電池の電極組成物に組み込むと、その電池が少なくとも約400mAH/g(好ましくは少なくとも約450mAH/g、より好ましくは少なくとも約500mAH/g)炭素質材料の可逆容量を維持しつつ、約140mAH/g、(好ましくは少なくとも約100mAH/g、より好ましくは約50mAH/g)以下の不可逆容量を呈するように、炭素質材料の不可逆容量を最小値に抑える。これらの容量値は、炭素質材料表面に金属リチウムがメッキを開始する時点までの容量を測定して得るものである。
【0015】
リチウム電池において、金属リチウムのメッキは、炭素質材料内に吸蔵されたリチウムの化学ポテンシャルがリチウムの化学ポテンシャルが等しくなって、それ以上のリチウムを炭素質材料内に吸蔵できなくなった時に起こる。この時点において、炭素電極に移行したリチウムは炭素表面の金属として電着する。電池が今だ放電中であっても電池電圧がわずかに増加することでこの現象の開始時点が明らかになる。一旦メッキが開始されれば、電池電流を逆向きにして電池を充電することができる。充電中、メッキされた金属リチウムがまず剥離されて、次いで吸蔵されたリチウムが炭素から移動する。この特性については、Y.Liu他著「Mechanism of Lithium Insertion in Hard Carbons Prepared by Pyrolysis of Epoxy Resins」Carbon、34:2、193ページ〜200ページ(1996年)内でさらに論じられている。
【0016】
表面種がないことは、化学分析用電子分光法(ESCA)としても周知のX線光電子分光(XPS)により検知することができる。XPSは、被検物の最も外側の層(すなわちおよそ10〜50Å)の元素組成物を分析する。XPSを用いると、ヘリウムおよび水素以外であれば周期表のすべての元素を検知することができる。XPSの分析により、本明細書に説明する方法に従って調製した炭素質材料の表面が、約98.5%〜100%炭素と、好ましくは1.5%未満、より好ましくは1.0%未満の非炭素原子とを呈することが好ましい。
【0017】
熱分解した有機材料を炭化水素ガスに一定時間充分な温度で接触させて、リチウムと不可逆的に反応する可能性のある種を本質的に含有しない炭素質材料を生成することにより、炭素質材料を準備する。この方法は、予め熱分解した有機材料を、例えば約500℃を超える高温にて炭化水素ガスと接触させることを包含し、さらに有機材料を炭化水素ガス存在下で熱分解することも包含する。この熱分解を施した材料を、炭化水素ガス存在下で高温にて熱吸収させる処理をさらに施すことが可能である。
【0018】
熱分解後の材料を、炭化水素ガスとの接触前に空気に曝さない方が好ましい。
【0019】
炭化水素ガス処理を調節した大気内で行うことにより、不当な炭素酸化物の形成を防止することが好ましい。従来の電気炉内に設置した、入口と出口との間をシールした連絡路を有する反応管を具備して、反応管内の大気を制御している反応システムであれば適切である。弁を追加して、炭化水素ガスが電気炉内を流動できるようにすることが可能である。
【0020】
充分な温度および温度変化率にて炭化水素ガス処理を行い、不当な汚染および、水、酸素およびケイ素などの非炭素成分を駆追することも可能である。炭化水素ガスを熱分解した有機材料の表面に接触させる際の高温は、約500℃〜約1200℃の範囲であり、約700℃〜約1100℃であればより好ましく、約900℃〜約1000℃であれば最も好ましい。
【0021】
熱分解処理中、同様の条件を用いる。通常の熱分解条件として、900℃〜1200℃の温度、好ましくは1000℃の温度が含まれる。
【0022】
特に有用な熱分解した有機材料は、炭化水素ガスが接触可能な広い表面積を有する材料である。熱分解した有機材料が微細多孔質、ナノ多孔質、あるいは粉末状であれば、炭化水素ガスは熱分解材料を透過し、熱分解材料の表面全体に接触することができる。
【0023】
適した有機プリカーサは、水素がほとんど残らないまでに熱分解され得る有機材料である。適した有機材料の例として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、リグニン、および炭水化物を挙げられる。
【0024】
適したエポキシ樹脂の例として、ビスフェルールAを主成分とするエポキシおよびエポキシノボラック樹脂を挙げられる。
【0025】
適したフェノール樹脂の例として、例えばノボラックあるいはリゾール型フェノール樹脂を挙げられる。
【0026】
適した炭水化物の例として、単糖(single sugarsともいう)、二糖(スクロースを含む錯糖)、およびすべてのスターチおよびセルロース族を含む多糖などの糖類を挙げられる。
【0027】
適したセルロース材料の例として、オーク、カエデ、くるみの殻、ハシバミの殻、アーモンドの殻、およびわらを挙げられる。
【0028】
有機材料を熱分解前に処理して、熱分解と同時に炭素および水素のみを含有する材料を形成できるようにしておく場合が多い。例えば、熱分解処理を施す前に糖を「脱水」し、その後粉砕操作にて粉末状にすることが多い。熱分解前に有機材料を処理する方法は従来技術において周知であり、例えば、Weibing XingおよびJ.R.Dahn著「Study of Irreversible Capacities for Li Insertion in Hard and Graphitic Carbons」J.Electrochem.Soc.、144:4、1997年4月に説明されている。この文献の内容全体を本願明細書に引用したものとする。
【0029】
炭化水素ガスは、水素および炭素以外には、酸素、ケイ素および他の成分を本質的に含有しない。この炭化水素ガスは、室温にてガスである炭化水素由来であっても、あるいはアルカン、アルケン、アルキン、枝分かれ鎖および直鎖脂肪族炭化水素、および芳香族炭化水素などの加熱されてガスになる炭化水素由来であってもよい。有用な炭化水素の例として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、アセチレン、ベンゼンおよび、トルエンおよびクメンなどのアルキル置換ベンゼンを挙げられる。
【0030】
本明細書に説明する方法により形成される炭素質材料は、リチウムイオン電池の負極(すなわちアノード)などの電極としての使用に適している。
【0031】
本発明を以下の実施例によりさらに説明していく。
【0032】
実施例
電気化学電池の製造
電極を以下のように調製した。炭素粉末(90重量%)(以下の各実施例にて説明するように調製)、Super S カーボンブラック(5重量%)、およびN−メチルピロリドン内に溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、ビーカー内において30℃にて15分間攪拌して完全に混合し、スラリを形成した。このスラリを薄い層(約100um)として銅箔基材上にコーティングした。この電極を110℃にて3時間大気乾燥させた後、約3000kPaの圧力をかけて平坦なプレート間でプレスした。
【0033】
この電極を、アルゴンを充填したグローブボックスに挿入して電気化学電池を製造した。
【0034】
この電気化学電池10の分解斜視図を図1に示す。ステンレス鋼キャップ24および酸素耐性ケース26内にこの電池を配置し、これらをそれぞれ負端末および正端末として利用する。カソード12は上述のように準備した電極であった。アノード14は125ミクロメートル厚さのリチウム箔であり、これも基準電極として機能した。この電池は、スペーサ板18(304ステンレス鋼)およびディスクバネ16(軟鋼)を装備した2325ボタン電池ハードウェアを特徴とした。ディスクバネは、電池を圧縮密閉した際に約15バールの圧力を電池電極に印可できるように選択した。セパレータ20は、Celgard 2400微細多孔質ポリプロピレンフィルム(Hoechst−Celanese)であった。これを、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの30:70容量比混合物(Mitsubishi Chemical)内に溶解したLiPF6の1M溶液で湿潤しておいた。ガスケット27をシールとして用い、かつ2つの端末を分離するために利用した。
【0035】
電気化学電池の試験
電気化学電池を30+/−0.1℃のサーモスタット内に配置した。電池を18.5mAH/g定電流で放電して電池内をほぼ均衡状態に保った。この電流は、20時間後のLixD6の?x=1のインターカーレーション量に相当する。この電池を0を下回る電圧で放電(約−0.02V)して、時間をみながら、電圧のわずかな増加が開始するまで続けた。これは炭素表面上に金属リチウムのメッキが開始されたことに相当する。この時点において、電極は「満杯」であった。次いで、電流方向を逆向きにしてリチウムを放出した。電池電圧が3Vに達した時点で電池の帯電が終了したものと判断した。リチウムのメッキおよび剥離に伴う電圧曲線部分は、可逆的および不可逆容量の算出には含めなかった。
【0036】
可逆容量を、第1の帯電と第2の放電とを平均して算出した。不可逆容量は、第1の放電と第1の帯電との差をとって算出した。
【0037】
実施例1
スクロース(Aldrich Chemical Co.)100gを185℃に大気中にて12時間加熱し、茶色い固形塊を形成した。この処理は「脱水」と呼ぶ。この茶色い固形塊67gを回収し、モーター付すり鉢粉砕器(Retsch RM−O型)を用いて約15分間粉末化した。
【0038】
各端部にUltratorr取付物(Swagelock,Co.)を嵌めた1in(2.6cm)直径の石英反応管を装備しているLindberg電気炉を用いて、この粉末材料の6g試料を引き続き900℃に加熱した。
【0039】
反応管の各端部において弁を接続し、真空状態、アロガン流あるいは炭化水素ガス投与の実現を可能とした。粉末を反応管内に装填後、この試料を真空下に12時間放置した。エチレンガス(Canadian Liquid Air)を200cc/分の速度で、シールされた端部キャップの取付物内に通過させた。このエチレン流を、この合成中を通して継続した。
【0040】
加熱推移は以下のようであった。50℃/分にて100℃から200℃へ、1℃/分にて200℃から450℃へ、10℃/分にて450℃から900℃へ、その後900℃にて1時間の浸漬を行った。次いで約1時間後、試料をエチレン内にて室温まで冷却した。
【0041】
材料を調製してから24時間以内に、実施例1により準備した試料をカソードとして使用して、上述の手順により化学電気電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告する。
【0042】
実施例2〜実施例4
実施例1に説明したように準備した粉末材料6gを、実施例1と同じ加熱推移により真空下で1100℃まで加熱した。この試料を1100℃にて1時間浸漬させた。試料を室温まで冷却した後、エチレンガスを約200cc/分の速度で反応管内に通過させた。エチレン流を継続しながら、試料を300℃(実施例2)、500℃(実施例3)、700℃(実施例4)の処理温度まで加熱した。加熱推移は以下の通りである。すなわち50℃/分の速度にて100℃から処理温度まで、その後処理温度にて1時間の浸漬した。次いで約1時間後、試料をエチレン内において室温まで冷却した。
【0043】
実施例2〜実施例4の材料を準備してから24時間以内に、実施例2〜実施例4の材料をカソードとして用いて、上述の手順に従い電気化学電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告するる。
【0044】
実施例5
エチレン流を停止し、室温にて5psig(0.33大気)の圧力にして反応管にエチレンを充填した後にその反応管をシールした点を除き、実施例4と同様に実施例5を準備した。実施例5の材料を準備してから24時間以内に、実施例5の材料をカソードとして使用して、上述の手順に従い化学電気電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告する。
【0045】
実施例6
処理温度を1100℃にした点を除き、実施例5と同様に実施例6を準備した。実施例6の材料を準備してから24時間以内に、実施例6の材料をカソードとして使用して、上述の手順に従い化学電気電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告する。
【0046】
実施例7〜実施例9
グルコース(Aldrich Chemical Co.)100gを185℃に大気中にて12時間加熱し、茶色い固形塊を形成した。この茶色い固形塊67gに、モーター付すり鉢粉砕器(Retsch RM−O型)を用いて約15分間粉末化処理を施した。
【0047】
エチレン処理温度を1100℃(実施例7)、900℃(実施例8)、700℃(実施例9)にした点以外、この粉末グルコース材料および実施例5で述べた手順により、実施例7〜実施例9を準備した。
【0048】
実施例7〜実施例9の材料を準備してから24時間以内に、実施例7〜実施例9の材料をカソードとして使用して、上述の手順に従い化学電気電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告する。
【0049】
【表1】
【0050】
請求の範囲内であれば他の実施態様も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 さまざまな電極組成物の検査に使用する電気化学電池の分解斜視図である。
本発明は、電極組成物としての使用に適する炭素質材料の調製に関する。
【0002】
リチウムイオン電池には、正極としてLiCoO2などのリチウム層間化合物と負極として炭素およびグラファイトなどの熱分解処理を施した炭素質材料が含有されていることが多い。炭素質材料の性能(例えば可逆および不可逆容量)評価に使用するリチウム電池には、負極としてリチウム金属および正極として炭素質材料が含有されている。熱分解処理を施した微多孔質硬質炭素質材料をリチウムおよびリチウムイオン電池内で使用すると不可逆容量が高くなる傾向にある。
【0003】
放電が炭素質材料からリチウム原子の放出に相応し、充電がリチウム原子の炭素質材料への吸蔵に相当するリチウムイオン電池において、不可逆容量は、第1の帯電後に完全に復帰できなかったリチウム量(すなわち、不可逆的に消費されたリチウム量)の量である。放電がリチウム原子の炭素質材料への吸蔵に相当し、充填が炭素質材料からリチウム原子の放出に相応するリチウム電池において、不可逆容量は、第1の放電後に完全に復帰できなかったリチウム量(すなわち、不可逆的に消費されたリチウム量)の量である。
【0004】
リチウムを消費可能なメカニズムは多数存在する。例えば、リチウムは炭素表面にて電解液と反応して「固体−電解液表面」を形成することができる。さらに、熱分解により、空気と反応して共有結合官能基、化学吸着種、物理吸着種などの種を形成するために利用可能な領域を有する炭素原子を生成できることが理論付けられている。
【0005】
熱分解微多孔質炭素質材料の高い不可逆特定容量を低減するために、アロガンガス、ヘリウムガス、窒素ガスなどの不活性雰囲気条件下および真空条件下で熱分解処理を行うなど、数多くの努力がなされてきた。
【0006】
本発明は、電極組成物としての使用に適する炭素質材料の製造方法を特徴とする。この方法は、熱分解した有機材料を炭化水素ガスに一定時間充分な温度で接触させて、炭素質材料を生成するステップを含む。この炭素質材料は、この炭化質材料をリチウムイオン電池の電極組成物に組み込むと、炭素質材料表面に金属リチウムがメッキされる時点までの測定値として、その電池が少なくとも約400mAH/g炭素質材料の可逆容量と約140mAH/g炭化質材料以下の不可逆容量とを呈することを特徴とする。
【0007】
好適実施態様において、熱分解した有機材料を炭化水素ガスに少なくとも約500℃の温度で、好ましくは少なくとも約700℃、より好ましくは少なくとも約900℃で接触させる。別の実施態様において、熱分解した有機材料を炭化水素ガスに少なくとも約500℃〜約1200℃の温度で、好ましくは少なくとも約700℃〜約1100℃、より好ましくは少なくとも約900℃〜1000℃で接触させる。
【0008】
炭化水素ガスを、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、アセチレン、ベンゼン蒸気およびこれらの組み合わせからなる群から選択することが好ましい。
【0009】
有機材料を、炭水化物、フェノール樹脂(例えばリゾールフェノール樹脂、ノボラックフェノール樹脂、およびこれらの組み合わせ)、エポキシ樹脂、リグニン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択することが好ましい。炭水化物は一般に、グルコース、スクロース、ラクトース、フラクトース、マルトース、およびこれらの組み合わせからなる群から選択する。有用な炭水化物の例として他には、スターチ、セルロース、およびこれらの組み合わせを挙げられる。
【0010】
好適実施態様において、この炭素質材料は、この炭素質材料をリチウムイオン電池の電極組成物に組み込むと、炭素質材料表面に金属リチウムがメッキされる時点までの測定値として、その電池が少なくとも約450mAH/g(好ましくは少なくとも約500mAH/g)炭素質材料の可逆容量と約100mAH/g(好ましくは少なくとも約50mAH/g)の炭化質材料以下の不可逆容量とを呈することを特徴とする。
【0011】
本発明は、リチウムと不可逆的に反応する可能性のある種を本質的に含有しない炭素質材料を調製する簡単で効率良い方法を提供し、電池内の電極組成物として使用することにより、炭素質材料1g当たりの不可逆容量を最小限に抑え、可逆容量を最大限にするという利点を提供する。
【0012】
本発明における他の特徴および利点は、好適実施例についての以下の説明および請求の範囲から明白となるであろう。
【0013】
本明細書内に説明する方法により調製する炭素質材料は、リチウムと不可逆的に反応する可能性のある種を本質的に含有しない。この種の例として、共有結合官能基、化学吸着種、物理吸着種を挙げられる。
【0014】
リチウムと不可逆的に反応する可能性のある種を含有しているかどうかの1つの基準は、炭素質材料1g当たりの不可逆容量の大きさである。リチウム電池において、不可逆容量は完全に放電された炭素質材料の容量から完全に充電された炭素質材料の容量を引いた値である。本明細書において、リチウム電池の可逆容量は、第1の充電容量と第2の放電容量とを平均して算出する。本明細書に説明する方法を用いることにより、この炭素質材料をリチウムイオン電池の電極組成物に組み込むと、その電池が少なくとも約400mAH/g(好ましくは少なくとも約450mAH/g、より好ましくは少なくとも約500mAH/g)炭素質材料の可逆容量を維持しつつ、約140mAH/g、(好ましくは少なくとも約100mAH/g、より好ましくは約50mAH/g)以下の不可逆容量を呈するように、炭素質材料の不可逆容量を最小値に抑える。これらの容量値は、炭素質材料表面に金属リチウムがメッキを開始する時点までの容量を測定して得るものである。
【0015】
リチウム電池において、金属リチウムのメッキは、炭素質材料内に吸蔵されたリチウムの化学ポテンシャルがリチウムの化学ポテンシャルが等しくなって、それ以上のリチウムを炭素質材料内に吸蔵できなくなった時に起こる。この時点において、炭素電極に移行したリチウムは炭素表面の金属として電着する。電池が今だ放電中であっても電池電圧がわずかに増加することでこの現象の開始時点が明らかになる。一旦メッキが開始されれば、電池電流を逆向きにして電池を充電することができる。充電中、メッキされた金属リチウムがまず剥離されて、次いで吸蔵されたリチウムが炭素から移動する。この特性については、Y.Liu他著「Mechanism of Lithium Insertion in Hard Carbons Prepared by Pyrolysis of Epoxy Resins」Carbon、34:2、193ページ〜200ページ(1996年)内でさらに論じられている。
【0016】
表面種がないことは、化学分析用電子分光法(ESCA)としても周知のX線光電子分光(XPS)により検知することができる。XPSは、被検物の最も外側の層(すなわちおよそ10〜50Å)の元素組成物を分析する。XPSを用いると、ヘリウムおよび水素以外であれば周期表のすべての元素を検知することができる。XPSの分析により、本明細書に説明する方法に従って調製した炭素質材料の表面が、約98.5%〜100%炭素と、好ましくは1.5%未満、より好ましくは1.0%未満の非炭素原子とを呈することが好ましい。
【0017】
熱分解した有機材料を炭化水素ガスに一定時間充分な温度で接触させて、リチウムと不可逆的に反応する可能性のある種を本質的に含有しない炭素質材料を生成することにより、炭素質材料を準備する。この方法は、予め熱分解した有機材料を、例えば約500℃を超える高温にて炭化水素ガスと接触させることを包含し、さらに有機材料を炭化水素ガス存在下で熱分解することも包含する。この熱分解を施した材料を、炭化水素ガス存在下で高温にて熱吸収させる処理をさらに施すことが可能である。
【0018】
熱分解後の材料を、炭化水素ガスとの接触前に空気に曝さない方が好ましい。
【0019】
炭化水素ガス処理を調節した大気内で行うことにより、不当な炭素酸化物の形成を防止することが好ましい。従来の電気炉内に設置した、入口と出口との間をシールした連絡路を有する反応管を具備して、反応管内の大気を制御している反応システムであれば適切である。弁を追加して、炭化水素ガスが電気炉内を流動できるようにすることが可能である。
【0020】
充分な温度および温度変化率にて炭化水素ガス処理を行い、不当な汚染および、水、酸素およびケイ素などの非炭素成分を駆追することも可能である。炭化水素ガスを熱分解した有機材料の表面に接触させる際の高温は、約500℃〜約1200℃の範囲であり、約700℃〜約1100℃であればより好ましく、約900℃〜約1000℃であれば最も好ましい。
【0021】
熱分解処理中、同様の条件を用いる。通常の熱分解条件として、900℃〜1200℃の温度、好ましくは1000℃の温度が含まれる。
【0022】
特に有用な熱分解した有機材料は、炭化水素ガスが接触可能な広い表面積を有する材料である。熱分解した有機材料が微細多孔質、ナノ多孔質、あるいは粉末状であれば、炭化水素ガスは熱分解材料を透過し、熱分解材料の表面全体に接触することができる。
【0023】
適した有機プリカーサは、水素がほとんど残らないまでに熱分解され得る有機材料である。適した有機材料の例として、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、リグニン、および炭水化物を挙げられる。
【0024】
適したエポキシ樹脂の例として、ビスフェルールAを主成分とするエポキシおよびエポキシノボラック樹脂を挙げられる。
【0025】
適したフェノール樹脂の例として、例えばノボラックあるいはリゾール型フェノール樹脂を挙げられる。
【0026】
適した炭水化物の例として、単糖(single sugarsともいう)、二糖(スクロースを含む錯糖)、およびすべてのスターチおよびセルロース族を含む多糖などの糖類を挙げられる。
【0027】
適したセルロース材料の例として、オーク、カエデ、くるみの殻、ハシバミの殻、アーモンドの殻、およびわらを挙げられる。
【0028】
有機材料を熱分解前に処理して、熱分解と同時に炭素および水素のみを含有する材料を形成できるようにしておく場合が多い。例えば、熱分解処理を施す前に糖を「脱水」し、その後粉砕操作にて粉末状にすることが多い。熱分解前に有機材料を処理する方法は従来技術において周知であり、例えば、Weibing XingおよびJ.R.Dahn著「Study of Irreversible Capacities for Li Insertion in Hard and Graphitic Carbons」J.Electrochem.Soc.、144:4、1997年4月に説明されている。この文献の内容全体を本願明細書に引用したものとする。
【0029】
炭化水素ガスは、水素および炭素以外には、酸素、ケイ素および他の成分を本質的に含有しない。この炭化水素ガスは、室温にてガスである炭化水素由来であっても、あるいはアルカン、アルケン、アルキン、枝分かれ鎖および直鎖脂肪族炭化水素、および芳香族炭化水素などの加熱されてガスになる炭化水素由来であってもよい。有用な炭化水素の例として、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、アセチレン、ベンゼンおよび、トルエンおよびクメンなどのアルキル置換ベンゼンを挙げられる。
【0030】
本明細書に説明する方法により形成される炭素質材料は、リチウムイオン電池の負極(すなわちアノード)などの電極としての使用に適している。
【0031】
本発明を以下の実施例によりさらに説明していく。
【0032】
実施例
電気化学電池の製造
電極を以下のように調製した。炭素粉末(90重量%)(以下の各実施例にて説明するように調製)、Super S カーボンブラック(5重量%)、およびN−メチルピロリドン内に溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF)を、ビーカー内において30℃にて15分間攪拌して完全に混合し、スラリを形成した。このスラリを薄い層(約100um)として銅箔基材上にコーティングした。この電極を110℃にて3時間大気乾燥させた後、約3000kPaの圧力をかけて平坦なプレート間でプレスした。
【0033】
この電極を、アルゴンを充填したグローブボックスに挿入して電気化学電池を製造した。
【0034】
この電気化学電池10の分解斜視図を図1に示す。ステンレス鋼キャップ24および酸素耐性ケース26内にこの電池を配置し、これらをそれぞれ負端末および正端末として利用する。カソード12は上述のように準備した電極であった。アノード14は125ミクロメートル厚さのリチウム箔であり、これも基準電極として機能した。この電池は、スペーサ板18(304ステンレス鋼)およびディスクバネ16(軟鋼)を装備した2325ボタン電池ハードウェアを特徴とした。ディスクバネは、電池を圧縮密閉した際に約15バールの圧力を電池電極に印可できるように選択した。セパレータ20は、Celgard 2400微細多孔質ポリプロピレンフィルム(Hoechst−Celanese)であった。これを、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネートの30:70容量比混合物(Mitsubishi Chemical)内に溶解したLiPF6の1M溶液で湿潤しておいた。ガスケット27をシールとして用い、かつ2つの端末を分離するために利用した。
【0035】
電気化学電池の試験
電気化学電池を30+/−0.1℃のサーモスタット内に配置した。電池を18.5mAH/g定電流で放電して電池内をほぼ均衡状態に保った。この電流は、20時間後のLixD6の?x=1のインターカーレーション量に相当する。この電池を0を下回る電圧で放電(約−0.02V)して、時間をみながら、電圧のわずかな増加が開始するまで続けた。これは炭素表面上に金属リチウムのメッキが開始されたことに相当する。この時点において、電極は「満杯」であった。次いで、電流方向を逆向きにしてリチウムを放出した。電池電圧が3Vに達した時点で電池の帯電が終了したものと判断した。リチウムのメッキおよび剥離に伴う電圧曲線部分は、可逆的および不可逆容量の算出には含めなかった。
【0036】
可逆容量を、第1の帯電と第2の放電とを平均して算出した。不可逆容量は、第1の放電と第1の帯電との差をとって算出した。
【0037】
実施例1
スクロース(Aldrich Chemical Co.)100gを185℃に大気中にて12時間加熱し、茶色い固形塊を形成した。この処理は「脱水」と呼ぶ。この茶色い固形塊67gを回収し、モーター付すり鉢粉砕器(Retsch RM−O型)を用いて約15分間粉末化した。
【0038】
各端部にUltratorr取付物(Swagelock,Co.)を嵌めた1in(2.6cm)直径の石英反応管を装備しているLindberg電気炉を用いて、この粉末材料の6g試料を引き続き900℃に加熱した。
【0039】
反応管の各端部において弁を接続し、真空状態、アロガン流あるいは炭化水素ガス投与の実現を可能とした。粉末を反応管内に装填後、この試料を真空下に12時間放置した。エチレンガス(Canadian Liquid Air)を200cc/分の速度で、シールされた端部キャップの取付物内に通過させた。このエチレン流を、この合成中を通して継続した。
【0040】
加熱推移は以下のようであった。50℃/分にて100℃から200℃へ、1℃/分にて200℃から450℃へ、10℃/分にて450℃から900℃へ、その後900℃にて1時間の浸漬を行った。次いで約1時間後、試料をエチレン内にて室温まで冷却した。
【0041】
材料を調製してから24時間以内に、実施例1により準備した試料をカソードとして使用して、上述の手順により化学電気電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告する。
【0042】
実施例2〜実施例4
実施例1に説明したように準備した粉末材料6gを、実施例1と同じ加熱推移により真空下で1100℃まで加熱した。この試料を1100℃にて1時間浸漬させた。試料を室温まで冷却した後、エチレンガスを約200cc/分の速度で反応管内に通過させた。エチレン流を継続しながら、試料を300℃(実施例2)、500℃(実施例3)、700℃(実施例4)の処理温度まで加熱した。加熱推移は以下の通りである。すなわち50℃/分の速度にて100℃から処理温度まで、その後処理温度にて1時間の浸漬した。次いで約1時間後、試料をエチレン内において室温まで冷却した。
【0043】
実施例2〜実施例4の材料を準備してから24時間以内に、実施例2〜実施例4の材料をカソードとして用いて、上述の手順に従い電気化学電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告するる。
【0044】
実施例5
エチレン流を停止し、室温にて5psig(0.33大気)の圧力にして反応管にエチレンを充填した後にその反応管をシールした点を除き、実施例4と同様に実施例5を準備した。実施例5の材料を準備してから24時間以内に、実施例5の材料をカソードとして使用して、上述の手順に従い化学電気電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告する。
【0045】
実施例6
処理温度を1100℃にした点を除き、実施例5と同様に実施例6を準備した。実施例6の材料を準備してから24時間以内に、実施例6の材料をカソードとして使用して、上述の手順に従い化学電気電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告する。
【0046】
実施例7〜実施例9
グルコース(Aldrich Chemical Co.)100gを185℃に大気中にて12時間加熱し、茶色い固形塊を形成した。この茶色い固形塊67gに、モーター付すり鉢粉砕器(Retsch RM−O型)を用いて約15分間粉末化処理を施した。
【0047】
エチレン処理温度を1100℃(実施例7)、900℃(実施例8)、700℃(実施例9)にした点以外、この粉末グルコース材料および実施例5で述べた手順により、実施例7〜実施例9を準備した。
【0048】
実施例7〜実施例9の材料を準備してから24時間以内に、実施例7〜実施例9の材料をカソードとして使用して、上述の手順に従い化学電気電池を製造した。可逆容量および不可逆容量を上述のように特定した。その結果を表1に報告する。
【0049】
【表1】
【0050】
請求の範囲内であれば他の実施態様も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 さまざまな電極組成物の検査に使用する電気化学電池の分解斜視図である。
Claims (6)
- 電極組成物としての使用に適する炭素質材料の製造方法であって、熱分解した有機材料を一定時間にわたり充分な温度で炭化水素ガスに接触させて炭素質材料を生成するステップを含み、該炭素質材料がリチウムイオン電池の電極組成物に組み込まれたときに、該炭素質材料の表面上に金属リチウムがメッキされる時点までの測定値として、該電池が少なくとも約400mAH/g炭素質材料の可逆容量と約140mAH/g炭素質材料以下の不可逆容量とを呈することを該炭化質材料の特徴とする方法。
- 前記熱分解した有機材料を、少なくとも約500℃の温度で炭化水素ガスに接触させる請求項1に記載の方法。
- 前記炭化水素ガスが、メタン、エタン、プロパン、ブタン、エチレン、プロピレン、ブチレン、アセチレン、ベンゼンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記有機材料が、炭水化物、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、リグニンおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
- 前記炭水化物が、スターチ、セルロース、グルコース、スクロース、ラクトース、フラクトース、マルトースおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項4に記載の方法。
- 前記有機材料が、ノボラック樹脂、リゾール樹脂およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
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