JP2005513129A - トリメチレンカーボネートを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明によれば、トリメチレンカーボネートを合成する方法であって、以下の工程:
(a)1,3−プロパンジオールと、ホスゲンおよびビス−クロロホルメートからなる群から選択される化合物とを反応させて、以下の構造:
【化7】
Figure 2005513129

(式中、nは、少なくとも2である;Rは、H、R−Cl、R−OHおよび−C(O)Clからなる群から選択される末端基であり、ここで、Rは、C〜Cの直鎖または分枝アルキルであり、そしてRは、−OCHCHCHCl、−OCHCHCHOHおよびClからなる群から選択される末端基である)を有するポリカーボネート中間体を形成する工程;および
(b)トリメチレンカーボネートの気相状態に対応する温度および圧力の組合せを提供する工程、を包含する、方法が提供される。

Description

(発明の背景)
1.発明の分野
本発明は、環状炭酸エステルを生成する方法に関する。さらに特定すると、本発明は、トリメチレンカーボネートを生成する低価格方法に関する。
2.先行技術の記載
環状炭酸エステルは、例えば、生体分解性の可能性がある重合体の構築ブロックとして、使用されている。特定の環状炭酸エステルであるトリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)は、種々の用途(例えば、外科用縫合材料、血管移植および骨接合装置)で使用され得る。トリメチレンカーボネートは、重合しても体積が減らないという独特の特性があるために、使用が望ましいモノマーである。
トリメチレンカーボネートは、ポリ(トリメチレンカーボネート)ポリオール(これらは、アクリルメラミン被覆を可撓性にする際に使用される)の合成におけるモノマーとして、使用され得る。トリメチレンカーボネートはまた、外科用縫合および変性ポリウレタンエラストマーを製造するのに使用され得る。ポリ(トリメチレンカーボネート)ポリオールは、室温および高温の両方での可撓性を向上させ、選定した市販のアクリルポリオールで処方したウレタン被覆の粘度を低下させる。
トリメチレンカーボネートを工業的に製造するために、比較的に簡単な工業プロセスにより、高収率で生成できる環状カーボネートを生じる合成方法を発見することが望まれている。トリメチレンカーボネートのような炭酸エステルを生成する多数の方法が公知である。例えば、ナトリウムまたはナトリウムメトキシドの存在下にて炭酸ジエチルを1,3−プロパンジオールでエステル交換することは、最も古い生成方法の1つである(W.H.Carothers and F.V.Natta,J.Am.Chem.Soc.52(1930)322)が、得られる生成物の純度は、重合反応で使用するのに十分ではなく、その結果、品質が悪い生成物が得られる。それに加えて、収率が低いので、この方法は、工業用途には魅力的ではない。
Mullerらの米国特許第5,212,321号は、トリメチレンカーボネートを生成する方法を開示しており、ここで、1,3−プロパンジオールは、亜鉛粉、酸化亜鉛、スズ粉、ハロゲン化スズまたは有機スズ化合物の存在下にて、高温で、炭酸ジエチルと反応される。しかしながら、Mullerらの方法は、残渣および触媒の処理、分離、単離および廃棄に時間がかかり費用が高くつくので、非常に費用がかかる。
Greyの米国特許第5,091,543号は、5員および6員環状カーボネートを調製する方法を開示している。この方法は、1,2−または1,3−ジオールを、アルキルアンモニウム塩、第三級アミンおよびイオン交換樹脂(これは、アルキルアンモニウム基または第三級アミノ基を含有する)の存在下にて、炭酸のアクリルジエステルと反応させる工程を包含する。カーボネート系の副生成物を含まない環状カーボネートが得られる。しかしながら、Greyの方法もまた、その方法でハロゲン化物イオンに晒したときに腐食しない構造の材料から作製した反応器を使用する必要があるので、非常に費用がかかる。残渣および触媒の単離および廃棄もまた、時間がかかり費用が高くつく。
トリメチレンカーボネートを調製するのに使用される他の方法は、亜鉛系触媒の存在下にて、1,3−プロパンジオールを尿素と反応させる工程を包含する。この種の方法は、例えば、日本特許第7−330686号および同第7−330756号で記載されている。この方法は、触媒の単離、回収および再生利用に時間がかかり費用が高くつく。
トリメチレンカーボネートはまた、溶媒としてテトラヒドロフランを使用して、2当量のトリエチルアミンの存在下にて、1,3−プロパンジオールをクロロギ酸エチルと反応させることにより、製造されている(Toshiro Agrigaら、Macromolecules 30(1997)737)。しかしながら、この方法は、トリメチレンカーボネートの収率が低く、また、アミンおよび溶媒の回収に時間がかかり費用が高くつく。
直鎖カーボネート重合体は、触媒量の窒素含有塩基を使用して、炭酸ジハライドおよびジオールから調製できる。例えば、Madiganの米国特許第4,365,055号は、少なくとも1種の置換または非置換1,3−プロパンジオールの無水溶液にホスゲンを取り込むことにより、カーボネート系生成物を調製する方法を開示している。このMadigan特許の個々の教示には、この溶液中に触媒量の窒素含有塩基(例えば、ピリジン)を存在させることにより、環状カーボネートの同時生成が少なくされることがある。Madiganらにより開示された方法では、直鎖カーボネート重合体を生成するために、触媒量の窒素含有ヒドロハライド塩形成性の塩基を使用する必要がある。Madiganの方法もまた、溶媒を除去する必要があるので、費用が高くつく。
トリメチレンカーボネートを生成する低価格方法が必要とされている。低価格方法は、比較的に高い収率でトリメチレンカーボネートを生成するのが望ましい。もし、触媒または酸スカベンジャー(これらは、触媒物質またはヒドロハライド塩の残渣を洗浄および/または再生利用または廃棄する費用を伴う)を使用とすることなくトリメチレンカーボネートが製造できるなら、さらにコストを削減できる。望ましい特徴の一部または全部の組合せは、さらに望ましい。
(発明の要旨)
本発明は、トリメチレンカーボネートを合成する方法に関し、該方法は、以下の工程を包含する:
HClスカベンジャーなしで、1,3−プロパンジオールと、ホスゲンまたはビス−クロロホルメートのいずれかとを反応させて、以下の構造を有するポリカーボネート系中間体を形成する工程:
Figure 2005513129
ここで、nは、少なくとも2である;Rは、末端基であり、そしてH、R−Cl、R−OHまたは−C(O)Clであり得、ここで、Rは、C〜C直鎖または分枝アルキルであり、そしてRは、末端基であり、−OCHCHCHCl、−OCHCHCHOHまたはClであり得る;および
トリメチレンカーボネートが気相にある温度および圧力の組合せを加えて、トリメチレンカーボネート蒸気を生じる工程。
本発明は、有利には、効率的な収率でトリメチレンカーボネートを製造する方法を提供する。本発明のある実施態様は、触媒または酸スカベンジャーを使用する必要がないので、さらに有利である。触媒または酸スカベンジャーを使用する必要はないものの、本発明の方法の他の実施態様では、触媒または酸スカベンジャーの使用は排除されない。
(発明の詳細な説明)
特に明記しない限り、本明細書中で使用する成分の量、反応条件などを表わす全ての数値または表現は、いずれの場合でも、「約」との用語で修飾される。圧力の言及は、全て、特に明記しない限り、絶対圧を意味する。
本発明のトリメチレンカーボネートを合成する方法は、HClスカベンジャーなしで、1,3−プロパンジオールと、ホスゲンまたはビス−クロロホルメートのいずれかとを反応させて、以下の構造を有するポリカーボネート系中間体を形成する第一工程を包含する:
Figure 2005513129
ここで、nは、トリメチレンカーボネート単位の数である。添字nは、整数であり、任意の数であり得る。本発明の実施態様では、nは、2〜100,000であり、2〜1,000であり得、典型的には、nは、2〜500であり、さらに典型的には、2〜250であり、最も典型的には、3〜100である。nが高すぎるとき、このポリカーボネート系生成物の粘度が高くなりすぎ得、工業規模で取り扱うのが困難になり得る。Rは、末端基であり、そしてH、R−Cl、R−OHまたは−C(O)Clであり得、ここで、Rは、C〜C直鎖または分枝アルキルであり、そしてRは、末端基であり、そして−OCHCHCHCl、−OCHCHCHOHまたはClであり得る。このカーボネート系中間体を製造するには、公知の方法が使用できる。
本発明の実施態様では、このポリカーボネート系中間体は、1,3−プロパンジオールとホスゲンとを反応させることにより、調製され得る。その反応物中の1,3−プロパンジオールとホスゲンとのモル比は、最も効率的には、化学量論量またはその近くであるが、理論的には、広い範囲が使用できる。例えば、1,3−プロパンジオールとホスゲンとの反応物比は、1.3:0.7〜0.7:1.3の範囲、典型的には、0.8:1.2〜1.2:0.8の範囲、最も典型的には、0.95:1.05〜1.05:0.95の範囲であり得る。1,3−プロパンジオールおよびホスゲンを規定した範囲外で使用するとき、その収率は、工業要件には実用的ではないほどに低くなり得る。
本発明の実施態様では、僅かに過剰な1,3−プロパンジオールが使用され得る。過剰な1,3−プロパンジオールを使用するとき、1,3−プロパンジオールとホスゲンとの比は、1.0001:1〜1.3:1、典型的には、1.001:1〜1.2:1、さらに典型的には、1.01:1〜1.1:1、最も典型的には、1.01:1〜1.05:1である。過剰な1,3−プロパンジオールは、クロロホルメート末端基の形成をできるだけ少なくする。過剰な1,3−プロパンジオールを使用するとき、得られるポリカーボネート系中間体は、一般式IIで表わされる組成物の少量と、一般式IIIを備えたポリカーボネート系生成物で表わされる組成物の主要量との混合物であり得る:
Figure 2005513129
ここで、nは、上記のように定義される。
本発明の方法では、ホスゲンに加えて、ホスゲン等価物が使用できる。本発明で使用できるホスゲン等価物には、ジホスゲンおよびトリホスゲンが挙げられるが、これらに限定されない。ホスゲン等価物は、その場で分解してホスゲンを形成するが、ある場合には、ホスゲンと比較して、工業規模で取り扱い易いために、好ましい。
この中間体の構造IIでのクロロホルメート末端基は、好ましくない。このクロロホルメート末端基は、活性水素含有化合物(例えば、アルコールおよび水)と反応できる。従って、クロロホルメート末端基を有する中間体は、保存中に反応し続けて、塩化水素およびCOを発生し得るが、これは、回避するのが好ましい。
1,3−プロパンジオールとホスゲンとの反応を実行する温度は、重要ではない。実用性を考慮すると、この反応は、典型的には、−20℃〜100℃、典型的には、−10℃〜75℃、さらに典型的には、0℃〜50℃、最も典型的には、0℃〜25℃の温度で、実行される。この温度が規定範囲より低いとき、特に、−20℃より低いとき、その重合速度は、工業用途に望ましいよりも遅くなり得る。この温度が規定範囲よりも高いとき、特に、100℃よりも高いとき、その1,3−プロパンジオールの一部は、反応して、1−クロロ−3−プロパノールを形成し得、これは、重合中にて、その重合体を「末端キャップ化」するように作用して、それにより、この重合体の得られる分子量を制限する。
その反応容器の温度は、1,3−プロパンジオールとホスゲンとを反応させてポリカーボネート系生成物にするのに十分な時間にわたって、その重合温度で維持され得る。この反応中にて、塩化水素が形成され、適当な冷却器を通って、この反応容器から除去される。塩化水素の除去は、減圧および/または不活性ガスの散布を使用することにより、助けられ得る。典型的には、サブナタント(subnatant)不活性ガス散布が使用される。もし、塩化水素が形成されるにつれて急速に除去されないなら、ヒドロキシ末端基は、不要なアルキル塩化物に変換され得る。アルキル塩化物は、これらのポリカーボネート中間体の形成中にて、鎖ターミネーターまたは「鎖ストッパー」として作用できる。本発明の実施態様では、この冷却器の温度は、適当な温度で維持され、また、蒸発したホスゲンも冷却し得る。ホスゲンを冷却するために、8℃(ホスゲンの沸点)未満、典型的には、0℃未満の冷却器温度が適当であることが分かっている。
この重合は、典型的には、ニート(すなわち、モノマーおよび重合体のみを含有する)で進行する。しかしながら、本発明の方法では、適当な溶媒は、使用され得る。適当な溶媒には、活性水素を含有しない溶媒がある。適当な溶媒には、トルエン、ヘプタンおよび1,2−ジクロロエタンが挙げられるが、これらに限定されない。
この1,3−プロパンジオールおよびホスゲンは、任意の添加順序で、この反応容器に加えることができる。典型的には、それらは、同時に加えられる。
代替実施態様では、ポリ(トリメチレンカーボネート)は、1,3−プロパンジオールを1,3−プロパンジオールのビス−クロロホルメートと反応させることにより、調製され得る。このビス−クロロホルメートは、適当な反応容器にて、1,3−プロパンジオールを過剰のホスゲンに加えて、一般式IVを有するビス−クロロホルメートを形成することにより、調製され得る:
Figure 2005513129
この反応は、−20℃〜100℃、典型的には、−10℃〜75℃、さらに典型的には、0℃〜50℃、最も典型的には、0℃〜25℃の温度で、実行され得る。その温度が規定範囲より低い(特に、−20℃より低い)とき、その反応は、ゆっくりと進行し、工業用に利用するには実用的ではなくなり得る。これらの規定温度範囲より高いと、競争反応が起こり易くなる。
ホスゲンに加えて、このビス−クロロホルメートを調製するのに、ホスゲン等価物が使用できる。このビス−クロロホルメートを製造するのに使用できるホスゲン等価物には、ジホスゲンおよびトリホスゲンが挙げられるが、これらに限定されない。
これらのビス−クロロホルメートを調製する際に、1,3−プロパンジオールとホスゲンとの比は、1:1.7〜1:10、典型的には、1:2.1〜1:5、最も典型的には、1:2.1〜1:3であり得る。上記の量より低い量では、十分に過剰なホスゲンが存在し得ず、形成されるビス−クロロホルメートの収率は、低くなり得る。より多くの量のホスゲンは、理論的には可能であるが、このビス−クロロホルメートを分離してホスゲンを回収し再利用する労力が高くなることから、高い費用がかかり得る。
1,3−プロパンジオールのビス−クロロホルメートを形成する予備工程を利用する実施態様では、ポリカーボネート中間体は、1,3−プロパンジオールおよびビス−クロロホルメートを適当な反応容器に加えることにより、調製され得る。1,3−プロパンジオールとビス−クロロホルメートとの比は、1.3:0.7〜0.7:1.3、典型的には、0.8:1.2〜1.2:0.8、最も典型的には、0.95:1.05〜1.05:0.95であり得る。1,3−プロパンジオールおよびビス−クロロホルメートを上記の範囲外で使用するとき、カーボネート系生成物の収率は、工業用途には実用的ではないほどに低くなり得る。
この重合は、1,3−プロパンジオールおよびビス−クロロホルメートを反応させてポリカーボネート中間体を形成するのに適当な温度で、実行される。この温度は、0℃〜100℃、典型的には、0℃〜75℃、さらに典型的には、0℃〜50℃、最も典型的には、0℃〜25℃であり得る。この温度が上記の範囲より低いとき、特に、0℃より低いとき、その重合速度は、工業用途に望ましいよりも遅くなり得る。この温度が上記の範囲よりも高いとき、特に、100℃よりも高いとき、その1,3−プロパンジオールの一部は、反応して、1−クロロ−3−プロパノールを形成し得、これは、重合中にて、鎖の成長を停止するように作用して、それにより、このカーボネート系中間体の得られる分子量を制限する。
この温度は、1,3−プロパンジオールとビス−クロロホルメートとを反応させてカーボネート系中間体を形成するのに十分な時間にわたって、維持される。低い圧力および/または不活性ガスを使用すると、塩化水素を除去し易くなり、これは、不要な副反応をできるだけ少なくする。
この重合は、典型的には、ニート(すなわち、モノマーおよび重合体のみを含有する)で進行する。しかしながら、本発明の方法では、適当な溶媒は、使用できる。適当な溶媒には、活性水素を含有しない溶媒がある。適当な溶媒には、トルエン、ヘプタンおよび1,2−ジクロロエタンが挙げられるが、これらに限定されない。
このポリカーボネート中間体が形成された後、それは、分解してトリメチレンカーボネートを形成する前に、任意の予備熱処理にかけられ得る。この予備熱処理は、このポリカーボネート中間体を反応してそこからクロロホルメート末端基を脱離するように働く。その末端基の脱離により、塩化水素が発生する。この変換は、塩化水素の除去により助けられ、これは、このポリカーボネート中間体に不活性ガスを導入することにより、および/または減圧を加えることにより、促進できる。任意の不活性ガスが使用できる。適当な不活性ガスには、窒素、ネオン、アルゴンおよびヘリウムが挙げられるが、これらに限定されない。窒素は、好ましい不活性ガスである。真空を使用することはまた、塩化水素の除去を助ける。
この予備熱処理には、トリメチレンカーボネートの沸点までの温度が関与し得る。この熱処理は、50℃以下の低い温度で実行できるが、低い温度では、その熱処理には、完結するのに非実用的なほどに長い時間が必要であり得る。従って、この熱処理は、典型的には、殆どのクロロホルメート末端基を除去するのに十分な時間にわたって、50℃と250℃の間、最も典型的には、50℃と150℃の間で、実行される。次の工程段階では、クロロホルメート末端基を避けるのが好ましいが、一部のクロロホルメート末端基の存在は、容認できる。塩化水素を除去すると、不要な副反応の出現が最小になる。この熱処理は、1時間〜12時間、典型的には、1時間〜10時間であり得る。高い温度および長い時間を使用することは、クロロホルメート末端基の存在を痕跡レベルまで少なくするのに有用である。
本発明の実施態様では、クロロホルメート末端基のレベルが十分に低いことを決定するために、ホスゲン紙が使用され得る。ホスゲン試験紙は、クロロホルメートの存在の色変化表示を与える。本発明で使用できるホスゲン紙の一例には、ホスゲン用Chemcassette(登録商標)SP試験紙(これは、MDA Scientific Inc.,Lincolnshire,Illinoisから入手できる)が挙げられるが、これらに限定されない。
このクロロホルメート加熱処理工程(もし使用するなら)に続いて、このポリカーボネート中間体は、解重合(または「分解」)してトリメチレンカーボネートを除去するために、さらに加熱される。この工程には、トリメチレンカーボネートの沸騰状態またはその近くで、減圧および高温の組合せを使用して、それにより、トリメチレンカーボネート蒸気を発生させることが有利であることが発見されている。図1は、トリメチレンカーボネートの沸点といくつかの公知データ点から誘導した圧力との関係を近似しているプロットを示す。トリメチレンカーボネートの気相状態には、図1の曲線の右側の温度と圧力との任意の組合せが挙げられる。
この分解工程により発生するトリメチレンカーボネート蒸気は、その反応容器から除去されて、凝縮する。この凝縮は、そのトリメチレンカーボネート蒸気を液相状態(図1の曲線の左側の任意の位置)に晒すことにより、達成される。
このポリカーボネート中間体の分解は、必要に応じて、適当な触媒を使用することにより、増大され得る。本発明で使用できる分解触媒には、亜鉛およびその有機塩および無機塩およびスズおよびその有機塩および無機塩が挙げられるが、これらに限定されない。好ましい分解触媒には、亜鉛粉末;酸化亜鉛;スズ粉末;ハロゲン化スズ(例えば、SnCl)およびオルガノ−スズ化合物(例えば、ジブチルスズジアセテート)が挙げられる。
この液状トリメチレンカーボネートは、さらに処理するために、単離される。本発明の実施態様では、凝縮したトリメチレンカーボネートは、適当な容器に入れられ、そして固化される。このトリメチレンカーボネートを引き続いて使用するために、その容器は、加熱されて、このトリメチレンカーボネートが融解される。この容器は、ドラムまたはトートであり得るが、これらに限定されない。
本発明の実施態様では、この液状トリメチレンカーボネートは、固化され得る。一旦、固化されると、その固形トリメチレンカーボネートは、保存および使用に適当な固体形状に加工できる。例えば、固化したトリメチレンカーボネートは、顆粒形状または粉末形状に粉砕され得る。
このトリメチレンカーボネートは、蒸留、結晶化または再結晶により、精製できる。結晶化の場合、このトリメチレンカーボネートは、活性水素を含まない適当な有機溶媒に溶解される。次いで、その溶液は、トリメチレンカーボネート結晶が沈殿する温度まで冷却される。これらのトリメチレンカーボネート結晶は、次いで、回収される。適当な溶媒の非限定的な例には、アセトンがある。
本発明は、さらに特定すると、以下の実施例で記述されているが、これらの実施例は、多くの改良および変更が当業者に明らかであるので、例示にすぎないと解釈される。特に明記しない限り、全ての部およびパーセントは、重量基準である。
(実施例1〜6)
実施例1〜6は、従来のホスゲン化がトリメチレンカーボネートを直接生成するには効果のない方法であることを示す比較コントロール反応である。
(実施例1)
本実施例は、無溶媒系での従来のホスゲン化の一例である。その反応は、混合手段、加熱マントルまたは氷浴、温度計および冷却器を備え付けたガラス製反応容器にて、大気圧で、実行した。50分間にわたって、1,3−プロパンジオール(40.9g、1.08当量)に、ホスゲン(49g)を加えた。温度は、7〜19℃に維持した。その反応期間後に取り出した試料は、ガスクロマトグラフィーで決定したように、6%のトリメチレンカーボネート(1,3−プロパンジオールを基準にして)および他の高沸点物質を含有していた。
(実施例2)
本実施例は、1,2−ジクロロエタン中にて、通常の添加様式を使用する従来のホスゲン化の一例である。使用した設備は、実施例1で記述したとおりであった。10分間にわたって、ホスゲン(18g、1.26当量)の1,2−ジクロロエタン(100ml)溶液に、1,3−プロパンジオール(11.0g)を加えた。温度を58〜71℃に維持した。その反応期間後に取り出した試料は、ガスクロマトグラフィーで決定したように、トリメチレンカーボネートへの13%の転化率(プロパンジオールを基準にして)を有していた。
(実施例3)
本実施例は、1,2−ジクロロエタン中にて、逆の添加様式を使用する従来のホスゲン化の一例である。
使用した設備は、実施例1で記述した通りであった。1時間にわたって、1,3−プロパンジオール(9.7g)の1,2−ジクロロエタン(100ml)溶液に、ホスゲン(24g、1.9当量)を加えた。温度を75℃に維持した。その反応期間後に取り出した試料は、ガスクロマトグラフィーで決定したように、トリメチレンカーボネートへの5%の転化率(1.3−プロパンジオールを基準にして)を有していた。
(実施例4)
本実施例は、1,3−プロパンジオールおよびホスゲンを共に給送する従来のホスゲン化方法の一例である。使用した設備は、実施例1で記述したとおりであった。1時間にわたって、1,2−ジクロロエタンに、ホスゲン(23g、1.7当量)および1,3−プロパンジオール(10.4g)を共に給送した。その温度は、この反応期間中にて、80℃で維持した。その反応期間後に取り出した試料は、ガスクロマトグラフィーで決定したように、トリメチレンカーボネートへの16%の転化率(1,3−プロパンジオールを基準にして)を有していた。
(実施例5)
本実施例は、クロロベンゼン中で実行した従来の高温ホスゲン化の一例である。使用した設備は、実施例1で記述したとおりであった。15分間にわたって、ホスゲン(23.8g、1.91当量)のクロロベンゼン(110ml)溶液に、1,3−プロパンジオール(9.6g)を加えた。その温度は、この反応期間中にて、111〜125℃で維持した。その反応期間後に取り出した試料は、ガスクロマトグラフィーで決定したように、トリメチレンカーボネートへの16%の転化率(1,3−プロパンジオールを基準にして)を有していた。
(実施例6)
本実施例は、反応溶媒としてトルエンを使用する従来のホスゲン化の一例である。使用した設備は、実施例1で記述したとおりであった。50分間にわたって、室温で、ホスゲン15g(1当量)のトルエン(100ml)溶液に、1,3−プロパンジオール1当量(11.3g)を加えた。その粗生成物は、トリメチレンカーボネート(1,3−プロパンジオールを基準にして)に対する3.3%の転化出発物質を有していた。
実施例1〜6は、1,3−プロパンジオールを直接ホスゲン化すると、非常に低い非経済的な収率で、トリメチレンカーボネートが生成することを示している。溶媒、使用する温度または添加様式とは関係なく、1,3−プロパンジオールの直接のホスゲン化が有効ではないことが分かった。
(実施例7)
本実施例は、ポリカーボネート中間体を合成するのに続いて本発明のトリメチレンカーボネートに変換するビス−クロロホルメート方法の一例である。使用した設備は、真空ポンプおよび散布ラインも使用したこと以外は、実施例1で記述したとおりであった。
(合成:1,3−プロパンジオールのビス−クロロホルメート)
90分間にわたって、ホスゲンのプール(394g、3.00当量)に、1,3−プロパンジオール(101.0g)を加えることにより、1,3−プロパンジオールのビス−クロロホルメートを調製した。その温度は、この添加期間中にて、3〜9℃で維持した。窒素パージを使用して、その反応器から、塩化水素を除去した。冷却器(−40℃)を使用して、ホスゲンの損失を防止した。その生成物をガスクロマトグラフィーで分析すると、91.8%(面積あたり)のビス−クロロホルメートであった。
(ポリカーボネートの合成)
90分間にわたって、フラスコに、1,3−プロパンジオール(26.5g、1.07当量)および1,3−プロパンジオールのビス−クロロホルメート(65.6g)を共に給送した。その温度を50℃で維持し、24mmHgの圧力にした。次いで、このフラスコの温度を、50℃で、減圧下にて(24mmHg)、さらに4時間維持した。その混合物を加熱し、そして75℃で、100分間維持し、そして24mmHgの圧力を維持しつつ、30分間にわたって、100℃までさらに加熱した。その減圧を中断し、その温度を50℃で16時間維持しつつ、このフラスコに、窒素散布を導入した。このポリカーボネートは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(これは、120−cm PL−Gel 50Åゲルパーミエーションカラムを使用し、そのクロマトグラムに基づいて、その鎖長を視覚的に概算する)を使用して決定したように、主に、高分子量オリゴマー(構造IおよびIIで示したように、n>5)を含有していた。
(トリメチレンカーボネートの合成)
ジブチルスズジアセテート0.7gを追加したポリカーボネートの一部(25.2g)を、減圧下にて、分解した。そのフラスコを、Vigreux蒸留ヘッドで蓋をした。留出物画分を、以下の状態で集めた:
1)94〜103℃および0.9mmHg(2.5g、57%トリメチレンカーボネート、ポット温度193〜205℃)、および
2)105〜108℃および0.9mmHg(19.9g、99%トリメチレンカーボネート、ポット温度205〜218℃)。
2個の留出物画分に含有されたトリメチレンカーボネートの全体的な回収率は、充填したポリカーボネートを基準にして、ガスクロマトグラフィーにより決定したように、85%であった。
(実施例8)
本実施例は、ポリカーボネートを合成するのに続いて本発明に従ってトリメチレンカーボネートに変換するビス−クロロホルメート方法の一例である。このビス−クロロホルメートは、実施例7で概説したようにして、調製した。
(ポリカーボネートの合成)
80分間にわたって、フラスコに、1,3−プロパンジオール(36.0g、1.05当量)および実施例7の1,3−プロパンジオールのビス−クロロホルメート(90.0g)を共に給送した。この添加期間中にて、このフラスコの温度を、50℃で、約120mmHgの圧力下にて、維持した。次いで、このフラスコを、50℃で、減圧下にて(120mmHg)、さらに17時間維持した。
(トリメチレンカーボネートの合成)
ジブチルスズジアセテート5gを追加したポリカーボネートの一部(79.6g)を、減圧下にて、分解した。そのフラスコを、Vigreux蒸留ヘッドで蓋をした。留出物画分を、以下の状態で集めた:
1)105〜110℃および0.4mmHg(7.4g、10%トリメチレンカーボネート、ポット温度194〜213℃)、および
2)110℃および0.4mmHg(59.5g、83%トリメチレンカーボネート、ポット温度155〜205℃)。
2個の留出物画分に含有されたトリメチレンカーボネートの全体的な回収率は、充填したポリカーボネートを基準にして、ガスクロマトグラフィーにより決定したように、63%であった。
(実施例9)
本実施例は、ポリカーボネートを合成するのに続いて本発明のトリメチレンカーボネートに転化する1,3−プロパンジオール方法を使ったホスゲン同時給送添加の一例である。使用した設備は、実施例7で記述したとおりであった。
フラスコに、1,3−プロパンジオール10.5gを充填した。次に、このフラスコに、2.5時間にわたって、追加1,3−プロパンジオール(65.6g)およびホスゲン(94g)を共に給送した。その反応温度を、氷浴を使用して、15〜38℃で維持した。次いで、攪拌した混合物を加熱し、そして窒素を散布しつつ、50℃で、17時間維持して、塩化水素を除去した。
(トリメチレンカーボネートの合成)
この粗ポリカーボネートを、ホスゲン紙を使用して試験したところ、クロロホルメートが存在していた。このポリカーボネートを2グラムのジブチルスズジアセテートで触媒し、そして指示したように、減圧下にて、加熱した。Vigreuxカラムを使用して、蒸留により、以下の画分を集めた:
1)116〜118℃および2〜3mmHg(3.1g、14.4%トリメチレンカーボネート)、および
2)128〜137℃および2〜3mmHg(90g、91.7%トリメチレンカーボネート)。
2個の留出物画分に含有されたトリメチレンカーボネートの全体的な回収率は、充填したポリカーボネートを基準にして、ガスクロマトグラフィーにより決定したように、81%であった。
この実施例は、ビス−クロロホルメートを単離する必要がないことを立証している。このポリカーボネートは、ホスゲンおよび1,3−プロパンジオールから直接的に使用できる。この実施例はまた、塩化水素を除去するのに減圧に代えて窒素散布を使用できることを示している。
(実施例10)
本実施例は、ポリカーボネートを合成するのに続いて本発明のトリメチレンカーボネートに転化する1,3−プロパンジオールへのホスゲン添加方法の一例である。使用した設備は、実施例7で記述したとおりであった。溶媒として、1,2−ジクロロエタンを使用する。
1,3−プロパンジオール(40.7g、1.08当量)の1,2−ジクロロエタン(150mL)溶液に、50分間にわたって、ホスゲン(49g)を加えた。その温度は、この反応期間中にて、5〜25℃で維持した。その反応期間後に取り出した試料から、ホスゲンが存在していないこと、その試料が8%のトリメチレンカーボネートおよび他のそれより高沸点の物質を含有していることが明らかとなった。次いで、窒素ガスを散布しつつ、その粗反応混合物を、2時間にわたって、50℃まで暖めた。
Vigreuxカラムを使用して、170℃までのポット温度で、減圧(5mmHg)を使って、低沸点物質を取り除いた。次いで、クラッキング触媒として、ジブチルスズジアセテート1.52g(1.7重量%)を加えた。そのオリゴマーの分解は、170〜230℃のポット温度および124〜134℃のヘッド温度にて、2〜3.5mmHgで、起こった。23gの粗70%純度トリメチレンカーボネートを回収したところ、これは、ガスクロマトグラフィーにより決定したように、29%のトリメチレンカーボネートの全体的な回収率を示した。
この実施例は、溶媒を使用してもトリメチレンカーボネートの収率を高めないことを示している。
(実施例11)
本実施例は、ポリカーボネート中間体を合成するのに続いて本発明のトリメチレンカーボネートに転化するビス−クロロホルメート方法の一例である。このビス−クロロホルメートは、実施例7で概説したとおりに調製し、そして94.3%のビス−クロロホルメートであった。実施例7と同じ設備を使用した。
1,3−プロパンジオール(73.3g)のビス−クロロホルメートのプールに、40分間にわたって、1,3−プロパンジオール(29.3g、1.05当量)を加えた。その温度は、この添加中にて、20℃で維持した。窒素散布を使用して、塩化水素を除去した。次いで、この窒素散布を維持しつつ、そのフラスコを、5時間にわたって、50℃まで暖めた。
次いで、ジブチルスズジアセテート(3.0g)を加えた。蒸留には、Vigreux蒸留ヘッドを使用した。このフラスコを、減圧下にて、加熱し、そして以下の留出物画分を集めた:
1)48〜133℃および2mmHg(48.1g、125−200℃のポット温度を使うガスクロマトグラフィーにより測定した84%のトリメチレンカーボネート)。
2)133〜134℃および4mmHg(25.0g、200−210℃のポット温度を使うガスクロマトグラフィーにより測定した55%のトリメチレンカーボネート)。
2個の留出物画分に含有されたトリメチレンカーボネートの全体的な回収率は、充填したポリカーボネートを基準にして、73%であった。
この実施例は、その反応を50℃のような適度の温度で行ったとき、良好な転化率が得られることを示している。
(実施例12)
本実施例は、ポリカーボネート中間体を合成するのに続いて本発明のトリメチレンカーボネートに転化するビス−クロロホルメート方法の一例であり、これは、熱処理工程を含む。このビス−クロロホルメートは、実施例7で概説したとおりに調製し、そして95%のビス−クロロホルメートであった。実施例7と同じ設備を使用した。
1,3−プロパンジオール(38.6g、1.03当量)と1,3−プロパンジオールのビス−クロロホルメート(99.3g)との混合物を、以下の条件および時間にて、共に加熱した:1)50℃で3時間、2)100℃で1時間、および3)150℃で19時間。サブナタント窒素散布を維持して、塩化水素が形成されるにつれて、それを除去した。
得られたポリカーボネートを、ホスゲン試験紙を使用して試験したところ、クロロホルメートが存在していなかった。
このポリカーボネートの一部を、減圧下にて、(分解触媒を追加せずに)、分解した。蒸留には、Vigreux蒸留ヘッドを使用した。このフラスコを、減圧下にて、加熱し、そして233〜243℃のポット温度で、以下の留出物画分を集めた:
1)125〜130℃および2.5mmHg(17.6g、85.4%トリメチレンカーボネート)、
2)130〜145℃および2.5mmHg(48.2g、95.9%トリメチレンカーボネート)、および
3)145℃および2.8mmHg(15.2g、88.1%トリメチレンカーボネート)。
3個の留出物画分に含有されたトリメチレンカーボネートの全体的な回収率は、充填したポリカーボネートを基準にして、80.1g、すなわち、80%の転化率であった。
この実施例は、分解触媒を使用しないときでも、この分解工程が有効であることを示している。さらに、この実施例は、その加熱工程によりクロロホルメートを実質的に含まないポリカーボネートが得られ、従って、安定かつ非腐食性であることを示している。
本発明は、その特定の実施態様の具体的な詳細に関連して、記述されている。詳細な説明を読んで理解すると、明らかな改良および変更が想起される。本発明は、添付の請求の範囲およびそれらの等価物に入る限り、このような全ての改良および変更を含むと解釈される。
図1は、トリメチレンカーボネートの沸点と圧力との関係のプロットである。

Claims (37)

  1. トリメチレンカーボネートを合成する方法であって、以下の工程:
    (a)1,3−プロパンジオールと、ホスゲンおよびビス−クロロホルメートからなる群から選択される化合物とを反応させて、以下の構造:
    Figure 2005513129
    (式中、nは、少なくとも2である;Rは、H、R−Cl、R−OHおよび−C(O)Clからなる群から選択される末端基であり、ここで、Rは、C〜Cの直鎖または分枝アルキルであり、そしてRは、−OCHCHCHCl、−OCHCHCHOHおよびClからなる群から選択される末端基である)を有するポリカーボネート中間体を形成する工程;および
    (b)トリメチレンカーボネートの気相状態に対応する温度および圧力の組合せを提供する工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記ポリカーボネート中間体が、少なくとも1個の−C(O)Cl末端基を有し、工程(b)の前に、該ポリカーボネート中間体が、加熱されて反応し、該クロロホルメート末端基の少なくとも一部を脱離する、請求項1に記載の方法。
  3. (c)前記トリメチレンカーボネート蒸気を凝縮する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記反応物およびポリカーボネート中間体が、工程(b)中にて、不活性ガスと共に散布される、請求項1に記載の方法。
  5. 減圧が、工程(b)中にて、適用される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記不活性ガスが、窒素を含有する、請求項4に記載の方法。
  7. (b)における温度が、50℃と250℃の間である、請求項1に記載の方法。
  8. (b)が、触媒の非存在下にて、前記ポリカーボネート中間体を解重合する工程を包含する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記加熱工程(b)中にて、前記温度が、150℃より高く、そして前記圧力が、20mm水銀未満である、請求項1に記載の方法。
  10. (b)にて、触媒が使用されて、前記ポリカーボネート中間体の解重合を促進する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記触媒が、亜鉛粉末、酸化亜鉛、スズ粉末、ハロゲン化スズおよび有機スズ化合物からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. (a)において、前記ポリカーボネート中間体が、以下の(i)および(ii)により形成される、請求項1に記載の方法:
    (i)1,3−プロパンジオールおよびホスゲンを反応させることであって、ここで、1,3−プロパンジオールとホスゲンとのモル比は、1.3:0.7〜0.7:1.3であること;および
    (ii)−20℃〜100℃の温度にして、該温度を、該1,3−プロパンジオールとホスゲンとを反応させて該ポリカーボネート中間体を形成するのに十分な時間にわたって維持すること。
  13. 前記反応物およびポリカーボネート中間体が、(ii)において、不活性ガスと共に散布される、請求項12に記載の方法。
  14. (ii)において、減圧が、反応器に加えられる、請求項12に記載の方法。
  15. 1,3−フロパンジオールとホスゲンとのモル比が、1.05:0.95〜0.95:1.05である、請求項12に記載の方法。
  16. (ii)での前記反応容器の温度が、0℃〜25℃である、請求項12に記載の方法。
  17. 溶媒が使用されない、請求項12に記載の方法。
  18. 活性水素を含有しない有機溶媒が、(i)での前記反応物に加えられる、請求項12に記載の方法。
  19. ホスゲン等価物が、ホスゲンの代わりに使用される、請求項12に記載の方法。
  20. 前記ホスゲン等価物が、ジホスゲンまたはトリホスゲンの一方または両方である、請求項19に記載の方法。
  21. (a)での前記ポリカーボネート中間体が、以下の(i)、(ii)および(iii)により形成される、請求項1に記載の方法:
    (i)−20℃〜100℃の温度で、1,3−プロパンジオールを過剰のホスゲンと反応させて、以下の構造を有するビス−クロロホルメートを形成すること:
    Figure 2005513129
    (ii)1,3−プロパンジオールを、1,3−プロパンジオールと該ビス−クロロホルメートとのモル比が1.3:0.7〜0.7:1.3であるように、該ビス−クロロホルメートと反応させること;および
    (iii)0℃〜100℃の温度にして、該温度を、該1,3−プロパンジオールとビス−クロロホルメートとを反応させて該ポリカーボネート中間体を形成するのに十分な時間にわたって維持すること。
  22. 前記反応器が、(iii)において、不活性ガスを散布される、請求項21に記載の方法。
  23. (iii)において、減圧が、反応器に加えられる、請求項21に記載の方法。
  24. 1,3−プロパンジオールとビス−クロロホルメートとのモル比が、1.05:0.95〜0.95:1.05である、請求項21に記載の方法。
  25. (i)での前記反応容器の温度が、0℃〜25℃である、請求項21に記載の方法。
  26. (iii)での前記温度が、25℃〜75℃である、請求項21に記載の方法。
  27. 溶媒が使用されない、請求項21に記載の方法。
  28. 活性水素を含有しない有機溶媒が、(i)での前記反応物に加えられる、請求項21に記載の方法。
  29. 前記不活性ガスが、窒素を含有する、請求項22に記載の方法。
  30. ホスゲン等価物が、ホスゲンの代わりに使用される、請求項21に記載の方法。
  31. 前記ホスゲン等価物が、ジホスゲンまたはトリホスゲンの一方または両方である、請求項30に記載の方法。
  32. (d)前記凝縮トリメチレンカーボネートを単離する工程;および(e)該トリメチレンカーボネートを適当な有機溶媒中で結晶化する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  33. 前記有機溶媒が、アセトンである、請求項32に記載の方法。
  34. 前記凝縮トリメチレンカーボネートが、適当な容器に入れられ、そして固化される、請求項1に記載の方法。
  35. 前記容器が、ドラムまたはトートである、請求項34に記載の方法。
  36. 前記凝縮トリメチレンカーボネートが、固化される、請求項1に記載の方法。
  37. 前記固化トリメチレンカーボネートが、顆粒または粉末形態に粉砕される、請求項36に記載の方法。
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