JP2005511612A - 塩酸バラシクロビルの無水結晶形 - Google Patents

塩酸バラシクロビルの無水結晶形 Download PDF

Info

Publication number
JP2005511612A
JP2005511612A JP2003542191A JP2003542191A JP2005511612A JP 2005511612 A JP2005511612 A JP 2005511612A JP 2003542191 A JP2003542191 A JP 2003542191A JP 2003542191 A JP2003542191 A JP 2003542191A JP 2005511612 A JP2005511612 A JP 2005511612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valaciclovir hydrochloride
anhydrous crystalline
anhydrous
hydrochloride
hydrated
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003542191A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005511612A5 (ja
Inventor
ファイン,ヘレン,エス
ジョーンズ,デイヴィッド,アラン
レイク,フィリップ,ジー.
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Glaxo Group Ltd
Original Assignee
Glaxo Group Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Glaxo Group Ltd filed Critical Glaxo Group Ltd
Publication of JP2005511612A publication Critical patent/JP2005511612A/ja
Publication of JP2005511612A5 publication Critical patent/JP2005511612A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D473/00Heterocyclic compounds containing purine ring systems
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/20Antivirals for DNA viruses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/20Antivirals for DNA viruses
    • A61P31/22Antivirals for DNA viruses for herpes viruses

Abstract

本発明は無水結晶塩酸バラシクロビル、これを含有する医薬組成物、内科的治療におけるその使用、ならびにその調製方法に関する。

Description

本発明は、抗ウイルス化合物である塩酸バラシクロビルの結晶形、この結晶形を含有する製剤、治療におけるその使用および同製造方法に関する。
アシクロビルのL-バリンエステル、すなわち(2-[2-アミノ-1、6-ジヒドロ-6-オキソ- プリン-9-イル]メトキシルエチルL-バリネート(別名バラシクロビル)は、アシクロビルの抗ウイルス性を維持しながらも、はるかに優れたバイオアベイラビリティーを有することが示されている。本化合物の好ましい形は、塩酸バラシクロビルとも呼ばれている塩酸塩である。アシクロビルのL-バリネートエステルおよび塩酸塩を始めとするその塩は、すでに米国特許第4、957、924号、ヨーロッパ特許第0308、065号およびBeauchamp et al.、Antiviral Chemistry and Chemotherapy、3(3):157-164(1992)に開示されており、その内容はここに参照としてその全部を援用している。
塩酸バラシクロビルの無水結晶形は、すでに発見され、特性決定がなされており、米国特許第6、107、302号に記載されており、その内容はここに参照としてその全部を援用している。この結晶形はこの302号特許に記載のX線粉末回折パターンにより特性決定がなされている。
第1の態様として、本発明は、実質的に図1と同一の赤外線(IR)吸収スペクトルにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビルを提供するが、ここでこの赤外線吸収スペクトルはFT-IR分光計を分解能2cm-1で使用し、鉱物油のペースト(mull in mineral oil)から得たものである。
第2の態様として、本発明はFT-IR分光計を分解能2cm-1で使用し、鉱物油のペーストから得た赤外線吸収スペクトルにより特徴付けられる、無水結晶塩酸バラシクロビルを提供するが、ここでこの赤外線吸収スペクトルは3286±1、3197±1、1750±1、1686±1、1632±1、1607±1、1152±1、701±1および688±1cm-1からなる群から選択される5つ以上の位置にピークを有する。
第3の態様として本発明は、実質的に図2と同一のX線粉末回折(XRD)パターンにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビルを提供するが、ここでこのXRDパターンは、CuKαX線を使用し、回折ビームグラファイトモノクロメータを備えた回折計により得た2θ角により表される。
第4の態様として、本発明は、CuKαX線を使用し、回折ビームグラファイトモノクロメータを備えた回折計により得た2θ角により表されるXRDパターンにより特徴づけられる無水結晶塩酸バラシクロビルを提供するが、ここで、このXRDパターンは6.7±0.1、8.1±0.1、9.3±0.1、11.4±0.1、13.9±0.1、15.7±0.1、16.3±0.1および17.1±0.1度からなる群から選択される4つ以上の位置に2θ角を有する。
第5の態様として、本発明は、CuKαX線を使用し、回折ビームグラファイトモノクロメータを備えた回折計により得た2θ角により表されるXRDパターンにより特徴づけられる無水結晶塩酸バラシクロビルを提供するが、ここで、このXRDパターンは6.7±0.1、8.1±0.1、9.3±0.1、および11.4±0.1度の2θ角を有する。
第6の態様として、本発明は、実質的に図3と同一のラマンスペクトルにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビルを提供するが、ここでこのラマンスペクトルはFT-ラマン分光計を分解能4cm-1で使用して得たものである。
第7の態様として、本発明は、分解能4cm-1のFT-ラマン分光計により得たラマンスペクトルにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビルを提供するが、ここでこのラマンスペクトルは1684±1、1364±1、1348±1、1191±1、および810±1cm-1からなる群から選択される4つ以上のピークを有する。
第8の態様として、本発明は、実質的に図4と同一の固体核磁気共鳴(NMR)スペクトルにより特徴付けられる、無水結晶塩酸バラシクロビルを提供するが、ここでこの固体NMRは周波数90.55MHz、温度300K、スピニング速度10kHz、待ち時間(recycle delay)15秒で運転し、炭素核13Cを観察することにより得たものである。
第9の態様として、本発明は、周波数90.55MHz、温度300K、スピニング速度10kHz、待ち時間15秒で運転した分光計を用いて得た、固体核磁気共鳴(NMR)スペクトルにより特徴付けられる、無水結晶塩酸バラシクロビルを提供するが、ここでこの固体NMRは、15.1±0.1、17.2±0.1、20.2±0.1、20.9±0.1、29.2±0.1、29.9±0.1、58.4±0.1、64.6±0.1、66.8±0.1、69.3±0.1、70.7±0.1、73.9±0.1、74.4±0.1、116.6±0.1、117.3±0.1、140.4±0.1、150.4±0.1、151.3±0.1、153.6±0.1、158.3±0.1、169.1±0.1および169.6±0.1ppmの位置にケミカルシフトを有する。
もう1つの態様として、本発明は、本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルを含有する医薬組成物を提供する。この医薬組成物はさらに1つ以上の製薬的に許容可能な担体または希釈剤を含有してもよい。
もう1つの態様として、本発明は、本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルと水和塩酸バラシクロビルとを含有する組成物を提供する。
もう1つの態様として、本発明は、本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルと1型(Form 1)塩酸バラシクロビルを含有する医薬組成物を提供する。
もう1つの態様として、本発明は、有効量の本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルをほ乳類に投与することを含む、ほ乳類におけるヘルペスウイルス感染の治療あるいは予防のための方法を提供する。このヘルペスウイルス感染は単純疱疹ウイルス1型、単純疱疹ウイルス2型、サイトメガロウイルス、エプスタイン‐バーウイルス、水痘‐帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、およびヒトヘルペスウイルス8からなる群から選択することができる。
もう1つの態様として、本発明は、有効量の本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルをほ乳類に投与することを含有する、ほ乳類におけるヘルペスウイルス感染に伴う状態または疾患の治療あるいは予防のための方法を提供する。
もう1つの態様として、本発明は、治療に用いるための本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルを提供する。
もう1つの態様として、本発明は、ヘルペスウイルス感染の治療または予防のための医薬の調製における本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルの使用を提供する。
もう1つの態様として、本発明は、ヘルペスウイルス感染に伴う状態または疾患の治療あるいは予防のための医薬の調製における、本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルの使用を提供する。
もう1つの態様として、本発明は、湿った塩酸バラシクロビル、あるいは水和塩酸バラシクロビルを共沸蒸留条件下で共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒中でスラリーとすることを有する、本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルの調製方法を提供する。
もう1つの態様として、本発明は
a)湿った塩酸バラシクロビルから結合していないプロセス溶媒を除去して水和塩酸バラシクロビルを提供する、任意のステップと;
b)湿った塩酸バラシクロビルまたは水和塩酸バラシクロビルを共沸蒸留条件下で共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒中でスラリーとし、無水結晶塩酸バラシクロビルを調製するステップと;
c)無水結晶塩酸バラシクロビルを単離するステップとを含む、本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルのもう1つの調製方法を提供する。
もう1つの態様として、本発明は
a)湿った塩酸バラシクロビルから結合していないプロセス溶媒を除去して水和塩酸バラシクロビルを提供するステップと;
b)ほぼ周囲温度から無水溶媒のほぼ沸点までの温度で水和塩酸バラシクロビルが無水結晶塩酸バラシクロビルに変換するのに十分な時間、水和塩酸バラシクロビルを無水溶媒中でスラリー化するステップと;さらに
c)無水結晶塩酸バラシクロビルを単離するステップとを含む、本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルを調製する方法を提供する。
本発明は水和塩酸バラシクロビルまたは他の無水結晶形塩酸バラシクロビルと比べて、1つ以上の有利な医薬特性またはその他の利点を有する新規無水結晶形塩酸バラシクロビルを提供する。本発明の無水結晶形は他の形の塩酸バラシクロビルよりも、特に商業的ベースにおいて、より簡単でより経済的な方法で製造できるという1つの明らかな利点を有する。濾過や乾燥などの単位操作は大規模生産での医薬品のコストを大きく引き上げるものである。本発明の無水結晶形の粒子は、より簡単に乾燥、濾過することができ、下流の加工、および/または製品コストの点で有利になる。本発明の無水結晶形の調製のためのプロセスはまた非常に堅牢であり、高度に規制される化合物にとって有利である。この結晶形のバッチは本発明のプロセスにより、一貫して極めて高い結晶形純度で製造することができ、すなわち水和および他の無水結晶形塩酸バラシクロビルの含有率が(とくに10%未満、さらには5%未満、またさらに詳しくは3%未満に)限定されている。もう1つの利点として、本発明の無水結晶形は安定で本質的に吸水性を有していない。さらにまた良好な保存性を有し、容易に錠剤やカプセルなどの医薬組成物へと製剤化することができる。
もう1つの利点として、本発明の無水結晶形は1型塩酸バラシクロビルよりも、粉末性が高い。この利点により、製剤化のために比較的大きな固いペレットを、より細かなもっと粉末性の材料へと予め粉砕する必要性が減少し、あるいはその必要がなくなる。
これらのさまざまな形の塩酸バラシクロビルは、これに限るわけではないが、例えばX線粉末回折 (XRD)パターン、赤外(IR)スペクトル、ラマンスペクトル、示差走査熱分析(DSC)、熱重量分析(TGA)および固体NMRなどの数多くの従来の分析法により特性決定し、それぞれ区別することができる。
ここで「2型(Form 2)塩酸バラシクロビル」と呼ぶものは、下記のいずれかを指すものである;1)鉱物油のペーストを用い、分解能2 cm-1のFT-IR分光計により得たIRスペクトルが図1に示すものと実質的に同一である、無水結晶形塩酸バラシクロビル; 2)CuKαX線を使用し、回折ビームグラファイトモノクロメータを備え、正しくアラインメントされた回折計で測定した時に、図2に示すものと実質的に同じXRDパターンを有する無水結晶形塩酸バラシクロビル;3)FT-ラマン分光計で分解能4 cm-1で得たラマンスペクトルが図3に示すものと実質的に同じである無水結晶形塩酸バラシクロビル;または4)周波数90.55MHz、温度300K、スピニング速度10kHz、待ち時間15秒で運転した分光計で炭素核13Cを観察して得た固体NMRスペクトルが図4に示すものと実質的に同一である、無水結晶形塩酸バラシクロビル。
ここで言う「1型塩酸バラシクロビル」とは、米国特許第6、107、302号に記載の識別特性を有する、無水結晶塩酸バラシクロビルである。
ここで言う「水和塩酸バラシクロビル」とは、塩酸バラシクロビル1水塩、塩酸バラシクロビル2水塩、あるいはそれらの混合物をはじめとする、いかなる水和形の塩酸バラシクロビルであってもよい。
ここで言う「湿った(damp)塩酸バラシクロビル」とはプロセス溶媒が存在する水和塩酸バラシクロビルを指す。
ここで言う「プロセス溶媒」とは、再結晶、スラリー化、または米国特許第4、957、924号または6、107、302号に記載のプロセス、またはその他の適した合成法により、塩酸バラシクロビルの調製で用いられるすべての溶媒を指す。
本発明の無水結晶形塩酸バラシクロビル(すなわち2型塩酸バラシクロビル)のIRスペクトルは、分析化学ならびに物理的特性決定の分野の当業者に公知である、従来の装置ならびに技法を用いて決定することができる。図1、7および9のIRスペクトルはPerkin-Elmer System 2000FT-IR分光計で分解能2cm-1で得たものである。cm-1で表した波数(x軸)がパーセント透過率(y軸)に対してプロットされている。すべての試料は鉱物油のペーストとして調製した。2型塩酸バラシクロビルの鉱物油ペーストのIRスペクトルに見られる代表的なピークは以下の通りである: 3286±1、3197±1、1750±1、1686±1、1632±1、1607±1、1572±1、1533±1、1463±1、1394±1、1377±1、1365±1、1341±1、1298±1、1258±1、1247±1、1224±1、1191±1、1152±1、1132±1、1096±1、1042±1、1017±1、868±1、830±1、778±1、759±1、729±1、701±1、688±1および631±1cm−1
当業者には明らかであろうが、分析した試料が2型塩酸バラシクロビルであることを結論づけるためにこれらのピークの全てが必要であるわけではない。2型塩酸バラシクロビルは3286±1、3197±1、1750±1、1686±1、1632±1、1607±1、1152±1、701±1、および688±1cm-1からなる群から選択される5つ以上の位置にピークが存在することにより同定することができる。さらに詳しくはこれらのピークの少なくとも7つが存在するが、1つの実施態様においては前述のピークのすべてが存在する。
用いられる特定の分光計および分析者の試料調製技法に応じて、観察されるピークがわずかに変動することが予想される。上記に報告したピークの決定のそれぞれにいくらかの誤差限界が存在する。先のピーク決定における誤差範囲はおよそ±1cm-1である。
ピークの決定に誤差範囲の存在する可能性があるため、塩酸バラシクロビル試料の特定の形を同定するためにIRスペクトルを比較する上で有用な方法は、試料のIRスペクトルを既知の形のそれぞれのIRスペクトルの上に重ねることである。例えば、当業者はここに記載の方法を用いて得た形のわかっていない塩酸バラシクロビルのIRスペクトルを図1に重ね、当該分野の専門知識を用い、簡単に未知の試料のIRスペクトルが実質的に2型塩酸バラシクロビルのIRスペクトルと同一であるかどうかを決定することができる。もしこのIRスペクトルが実質的に図1と同じであれば、先の形のわかっていない試料は簡単にまた正確に2型塩酸バラシクロビルであると同定できる。図7と9は同様にそれぞれ、試料が1型塩酸バラシクロビルなのかまたは水和塩酸バラシクロビルなのかを決定するのに用いることができる。
2型塩酸バラシクロビルのX線粉末回折パターンは、分析化学および物理的特性決定の分野の当業者に公知の従来の技法と装置を用いて決定することができる。図2の回折パターンはCuKαX線および自動発散スリットを用いて、回折ビームグラファイトモノクロメーターを備えたPhilips X-Pert Pro回折計システムを使用して得たものである。検出器としてはキセノン比例計数管を使用した。X線粉末回折データを得るのに用いた粉末試料は、直径10mm、厚み1.5mmのホルダーを用いた従来の裏込め試料作成法により調製した。
図2のXRDパターンを生成するのには2型塩酸バラシクロビルの粉末試料を使用した。度で表した2θ角 (x軸) を1秒あたりのカウント数で表したピーク強度(y軸)に対してプロットする。各無水結晶形と水和形の塩酸バラシクロビルのXRDパターンはそれぞれの形に対して特有のものであり、2θ角(°)、面間隔d(Å)および/または相対ピーク強度で表すことのできる、独自の1組の回折ピークを示す。
2θ回折角および対応する面間隔d値はXRDパターン中のさまざまなピークの位置を説明する。面間隔d値は観察された2θ角とCuKα1の波長からブラッグの式を用いて計算される。観察される2θ角と面間隔dには、使用した特定の回折計および分析者の試料調製方法に基づくわずかな差が生じるものと予想される。相対ピーク強度に対してはさらに大きな差が予想される。化合物の正確な結晶形の同定は、主として観察される2θ角または面間隔dに基づくべきであり、相対ピーク強度にはあまり重きを置くべきではない。2型塩酸バラシクロビルを同定するには、いくつかの特徴的2θ角ピークが6.7±0.1、8.1±0.1、9.3±0.1、および11.4±0.1°に現れ、または24.63、13.17、10.88および9.52Åの面間隔dにあらわれることが必要である。
当業者はこれらの特徴的2θ角から2型塩酸バラシクロビルを同定することができるが、2型塩酸バラシクロビルの同定の際にさらにその他の2θ角または面間隔dに頼ることが望ましいような場合もあるかもしれない。2型塩酸バラシクロビルの同定に際し、1つの実施態様においては、2θ角:6.7±0.1、8.1±0.1、9.3±0.1、11.4±0.1、13.9±0.1、15.7±0.1、16.3±0.1、および17.1±0.1度のうち、少なくとも5つ、特には7つ以上、さらにはこれらのすべてが用いられる。
2型塩酸バラシクロビルは通常先のピークの他にもさらに2θ角ピークを示す。例えば、2型塩酸バラシクロビルは本質的に下記の位置に2θ角ピークを示すであろう:6.7±0.1、8.1±0.1、9.3±0.1、11.4±0.1、13.3±0.1、13.9±0.1、15.4±0.1、15.7±0.1、16.3±0.1、17.1±0.1、18.6±0.1、19.0±0.1、19.3±0.1、19.8±0.1、20.6±0.1、21.4±0.1、22.6±0.1、22.9±0.1、24.2±0.1、25.5±0.1、26.4±0.1、27.2±0.1、27.5±0.1、27.8±0.1、28.0±0.1、28.9±0.1、30.2±0.1、30.9±0.1、31.9±0.1、32.6±0.1、34.9±0.1、35.3±0.1および35.9±0.1度、またはおよそ24.63、13.17、10.88、9.52、7.75、7.27、6.63、6.36、6.25、6.07、5.73、5.62、5.44、5.18、4.77、4.67、4.59、4.49、4.42、4.30、4.15、3.94、3.88、3.67、3.49、3.38、3.28、3.24、3.20、3.18、3.09、3.04、2.96、2.89、2.81、2.74、2.57、2.54、2.50、2.43、2.30、2.21、2.15および2.10Åの面間隔dである。
上記に報告した2θ角の決定と面間隔dにはいくらかの誤差範囲が存在する。回折スキャン角が増加する、または面間隔dが減少するにつれ、面間隔dの決定における誤差は減少する。先の2θ角における誤差範囲は先のピーク決定のそれぞれに対しおよそ±0.1度である。
2θ角の決定および面間隔dに誤差範囲がいくらか存在する可能性があるため、塩酸バラシクロビルの試料の特定の形を同定するためにXRDパターンを比較する上で好ましい方法は、既知のXRDパターンに未知の試料のXRDパターンを重ねあわせることである。例えば、当業者はここに記載の方法を用いて得た塩酸バラシクロビルの未知の試料のXRDパターンを図2と重ね、当該分野での知識と経験を用いて、未知の試料のXRDパターンが2型塩酸バラシクロビルのXRDパターンと実質的に同じであるかどうかを簡単に決定することができる。もしこのXRDパターンが図2と実質的に同じであれば、先の形のわからなかった試料は簡単にかつ正確に2型塩酸バラシクロビルであると同定することができる。同じ技法を用いて、XRDパターンを米国特許第6、107、302号の図1、2または3と重ねることにより、未知の試料が1型塩酸バラシクロビルであるかどうかを決定することができる。
2θ角または面間隔dは特定の結晶形を同定するための主な方法ではあるが、相対ピーク強度も比較すればさらに望ましいかもしれない。上に記載したように相対ピーク強度は用いた特定の回折計ならびに分析者の試料調製技法に応じて異なることがある。ピーク強度はもっとも強いピークのピーク強度に対する相対強度比として表される。XRDの強度の単位はカウント数/秒である。絶対カウント数=カウント数/時間×カウント時間=カウント数/秒×10秒。
2型塩酸バラシクロビルの2θ角、面間隔d(Å)および相対ピーク強度(I)は下記のXRDパターン特性を示す。
Figure 2005511612
Figure 2005511612
Figure 2005511612
2型塩酸バラシクロビルのXRDパターンの先に述べた特性的特徴に基づき、当業者は簡単に2型塩酸バラシクロビルを同定することができる。ここに記載の方法を用いて得た2型塩酸バラシクロビルの試料のXRDパターンがさらにピークを示す場合があることに当業者は気付くであろう。先の表は特定の結晶形または溶媒和物に特徴的なもっとも強いピークを提供している。この表は2型塩酸バラシクロビルが示すピークを網羅するリストではない。
ラマン分光分析法は塩酸バラシクロビルの試料の物理的特性を同定し、2型塩酸バラシクロビルと1型塩酸バラシクロビル、および水和塩酸バラシクロビルを区別するためのもう1つの有用な分析技法である。本発明の無水結晶形の塩酸バラシクロビル(すなわち2型塩酸バラシクロビル)のラマンスペクトルは分析化学および物理的特性決定の分野の当業者に公知の従来の装置と技法を用いて決定することができる。図3のラマンスペクトルはNicolet960E.S.P.FT-ラマン分光計を用いて得たものである。データは分解能4cm−1で入手した。レーザー励起は1064nm (FT-ラマン分光計の使用により)パワー400mWで行い、最低600回のスキャンの積算を行った。試料のスキャンはInGaAs検出器とCaFビームスプリッターを用いて1200回行った。試料は固体試料をそのままガラスNMR管に入れて調製した。試料は測定中回転させた。図3はcm−1で表したラマンシフト(x軸)をラマン強度(y軸)に対しプロットしたものである。
図3に提供したものと同程度の質のスペクトルを得るために、従来の知識の範囲でパワー(mW)と最低スキャン積算数を調節することができる。例えば、より高いパワーを使用すれば、図3に提供したものと同様の質のスペクトルを提供するのに必要なスキャン積算数は減少する。同様に、より低いパワーを用いると、同程度の質のスペクトルを得る最低スキャン積算数は増加する。塩酸バラシクロビルの未知の試料が2型塩酸バラシクロビルであるかどうかを同定するためには400mWのパワーと最低600回のスキャンの積算を行ってスペクトルを得るのが好ましい。
図3に提供するスペクトルとの比較に適したスペクトルを得るに際し、検出器の選択は極めて重要というわけではない。当業者には公知のように、検出器が異なればピークの強度に影響が出ることがあるだろう。しかし、ピーク位置は比較的同じ位置に留まるはずである。形のわかっていない塩酸バラシクロビルのラマンスペクトルが2型塩酸バラシクロビルのものであるかどうかを決定する上で確実に比較をするには、InGaAs検出器を用いたスペクトルを得るのが好ましい。
分解能4cm−1でFT−ラマン分光器を用いて得た、2型塩酸バラシクロビルのラマンスペクトルに見られる主なピークは下記の通り: 3285±1、3201±1、3114±1、3003±1、2960±1、2931±1、2894±1、1749±1、1684±1、1630±1、1568±1、1477±1、1449±1、1416±1、1397±1、1364±1、1348±1、1310±1、1226±1、1191±1、1133±1、1070±1、1039±1、1014±1、966±1、902±1、869±1、850±1、832±1、810±1、784±1、760±1、687±1、646±1、630±1、527±1、500±1、364±1、324±1、278±1、191±1、120±1、91±1および78±1cm−1
当業者には明らかなように、分析試料が決定的に2型塩酸バラシクロビルであるとして同定するのにこれらのピークの全てが必要なわけではない。2型塩酸バラシクロビルは上記に記載の5つ以上の位置にピークが存在することにより同定することができる。さらに詳しくは、これらのピークのうち少なくとも7つ以上が存在するが、さらに1つの実施態様においては、先に記載の全てのピークが存在する。先に述べた方法により得た2型塩酸バラシクロビルのラマンスペクトルのもっとも特徴的なピークは、1684±1、1364±1、1348±1、1191±1、および810±1cm−1である。
用いられる特定の分光計、データの分解能および分析者の試料調製方法により、観察されるピークにおいてわずかな差が生じると考えられる。上記に報告したピークの決定にはそれぞれ誤差範囲がいくらか存在する。先のピーク決定における誤差範囲はおよそ±1cm−1である。
ピーク決定において誤差範囲が存在しうるため、形のわかっていない塩酸バラシクロビルが2型塩酸バラシクロビルであるかどうかを決定するための好ましい方法は図3に提供するラマンスペクトルと試料のラマンスペクトルを重ねあわせることである。当業者はここに記載の方法を用いて得た、形の分かっていない塩酸バラシクロビルのラマンスペクトルを図3のものと重ねあわせ、当該分野の経験と知識を用いてこの未知の試料のラマンスペクトルが2型塩酸バラシクロビルのものと実質的に同一であるかどうかを簡単に決定することができる。
固相核磁気共鳴(NMR)は塩酸バラシクロビル試料の物理的特性を同定し、2型塩酸バラシクロビル、1型塩酸バラシクロビルおよび水和塩酸バラシクロビルとを区別するためのもう1つの従来の分析技法である。塩酸バラシクロビルのそれぞれの形の固相NMRスペクトルはそれぞれ独自のものである。本発明の無水結晶形塩酸バラシクロビル(すなわち2型塩酸バラシクロビル)の固相NMRスペクトルは分析化学および物理的特性決定の分野の当業者に既知の従来の装置と技法を用いて決定される。図4、8および10の固相NMRスペクトルはBruker AMX360分光計を用い、周波数90.55MHz、300°K(すなわち周囲温度)、スピニング速度10kHz、待ち時間15秒で炭素核13Cを観察して得たものである。13CMASスペクトルはHartmann-Hahnの条件にあったプロトンからの交差分極により得た。4kデータポイントは接触時間3ms、待ち時間15sにより、60msで得た。プロトンのデカップリングは2パルス位相変調(TPPM)コンポジットシーケンスを用いてデータ取込み中に行った。32kのデータポイントへとフーリエ変換するに先立ち、自由誘導減衰(fid)のアポダイゼーションを、5Hzの広幅化を用いて指数関数をかけることにより行った。ケミカルシフトはテトラメチルシラン(TMS)を基準とした時のグリシンのカルボン酸基を176.4ppmとする外部基準により求めた。試料は固体試料をガラス製NMR管に入れて調製した。ppm表示のケミカルシフト(x軸)を強度(y軸)に対してプロットする。
周波数90.55MHz、300°K、スピニング速度10kHz、待ち時間15秒で運転した分光器により炭素核13Cを観察して得た、2型塩酸バラシクロビルの固相NMRスペクトルにおけるいくつかの特徴的なケミカルシフトは下記の通り: 15.1±0.1、17.2±0.1、20.2±0.1、20.9±0.1、29.2±0.1、29.9±0.1、58.4±0.1、64.6±0.1、66.8±0.1、69.3±0.1、70.7±0.1、73.9±0.1、74.4±0.1、116.6±0.1、117.3±0.1、140.4±0.1、150.4±0.1、151.3±0.1、153.6±0.1、158.3±0.1、169.1±0.1および169.6±0.1ppm。
用いられる特定の分光計および分析者の試料調製技法に応じて観察されるケミカルシフトはわずかに変動することが予想される。上記に報告したケミカルシフトのそれぞれにいくらかの誤差範囲が存在する。先のケミカルシフトにおける誤差範囲はおよそ±0.1ppmである。
ケミカルシフトの決定にいくらかの誤差範囲が存在する可能性があるため、形の不明な塩酸バラシクロビル試料が2型塩酸バラシクロビルであるかどうかを同定するための有用な方法は、図4に提供する固相NMRスペクトルに試料の固相NMRスペクトルを重ねることである。当業者はここに記載の方法を用いて得た未知の塩酸バラシクロビルの試料のNMRスペクトルを図4に重ね、当該分野の経験と知識を用いて簡単に、未知試料のNMRスペクトルが実質的に2型塩酸バラシクロビルのNMRスペクトルと同一であるかどうかを決定することができる。同じ技法を図8と10にあてはめ、それぞれ、その試料が1型塩酸バラシクロビルなのかまたは水和塩酸バラシクロビルなのかを決定することができる。
塩酸バラシクロビルの特定の形を同定するために、先に述べた分析技法は単独で、または組み合わせて使用することができる。さらに、2型塩酸バラシクロビルを同定し、特性決定をおこなうために、物理的特性決定のその他の技法もまた使用することができる。結晶形または溶媒和物の物理的特性決定あるいは同定に有用であり、当業者に既知である適した技法の例としては、これに限るわけではないが、融点測定、示差走査熱分析、および熱重量分析があげられる。これらの技法は未知の形の塩酸バラシクロビルの試料を特性決定するために、また、2型塩酸バラシクロビルと1型塩酸バラシクロビルおよび水和塩酸バラシクロビルとの区別をするために、単独であるいは他と組み合わせて使用することができる。
本発明は2型の塩酸バラシクロビルの実質的に純粋な形のものと他の形の塩酸バラシクロビル、とくに水和物および1型の塩酸バラシクロビルの両方またはいずれか、との混合物の形の両者を含有する。「実質的に純粋な」とは、その組成物がそこに含有される他の形の塩酸バラシクロビルと比べ、少なくとも90%の2型塩酸バラシクロビル、より好ましくは95パーセント、さらに1つの実施態例においては少なくとも97%の2型塩酸バラシクロビルを含有することをさす。
2型塩酸バラシクロビルは1型塩酸バラシクロビルまたは水和塩酸バラシクロビルとの混合物であってもよい。さらに、2型塩酸バラシクロビルは湿った塩酸バラシクロビルとの混合物であってもよい。
2型塩酸バラシクロビルが本質的に水和水を含有しないため、すべてのバッチにおいて、水和塩酸バラシクロビルの割合は各バッチ中の水和水の総量によって求めることができるであろう。本発明のもう1つの態様において、3重量パーセント(w/w)を超えない水和水含有量を有し、上記に記載の1つ以上の特性をあらわすデータを有する塩酸バラシクロビル(2型塩酸バラシクロビルまたは1型と2型塩酸バラシクロビルの混合物) が提供される。さらに詳しくは、水和水含有量は2重量パーセントを超えず、さらに1つの実施態様においては1.5重量パーセントを超えず、さらに別の実施態様においては1重量パーセントを超えず、さらに別の実施態様においては0.7%w/wを超えないものである。
水和水含有量は当該分野で公知であり、1990年の米国薬局方1619〜1621ページ、欧州薬局方、2版(1992)2部、16巻、v.3.5〜6.1に記載されている、カールフィッシャー法により測定される。
本発明は先の2型塩酸バラシクロビルと1型塩酸バラシクロビルおよび水和塩酸バラシクロビルの両方またはいずれかとの混合物を明確に予測している。2型塩酸バラシクロビルと他の形の塩酸バラシクロビルとを混合することにより、2型塩酸バラシクロビルに対して上に解説した、先のX線粉末回折ピークおよびラマンスペクトルのうちの1つ以上がマスクされ、または消えてしまうかもしれない。混合物中にある特定の形のものが存在するかどうかを正確に同定するために、このようないろいろな形が混ざっている混合物を分析する方法は、当該分野において知られている。混合物中の特定の形の物質の定量に適した方法は当該分野でよく知られているが、例えばIR、ラマン、SSNMR、近赤外(NIR)があげられる。
もう1つの態様において、本発明は、2型塩酸バラシクロビルを含有する医薬組成物を提供する。かかる医薬組成物はさらに、1つ以上の他の形の塩酸バラシクロビルおよび/または1つ以上の製薬的に許容可能な担体または希釈剤を含有することができる。適した医薬組成物およびその製造方法の例は、米国特許第4、957、924号、5、879、706号、およびPCT公報第WO01/82905に記載されており、この内容は ここにそのすべてを援用する。好都合なことに、適した医薬組成物は従来の技法を用いて、適宜担体および希釈剤を使用して、調製することができる。錠剤(およびキャプレット)およびカプセル製剤などの経口投与用の医薬組成物が好ましい。
本発明の使用のための2型塩酸バラシクロビルはその他の治療薬と組み合わせて使用してもよい。同様に本発明の製剤は1つ以上の治療薬をさらに含むことができる。2型塩酸バラシクロビルと組み合わせてもよい、その他の治療薬としては、例えば非ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤および/またはその他の抗ウイルス剤があげられる。本発明はしたがってさらなる態様として、2型塩酸バラシクロビルとその他の治療薬とをウイルス感染の治療において組み合わせて使用することを提供する。本発明の化合物と共に用いることのできる具体的な抗ウイルス剤の例としては、アシクロビル、ファムシクロビル、ガンシクロビル、ドコサノール、ミリバビル、アンプレナビル、ラミブジン、ジドブジンおよびアバカビルがあげられる。
式(I)の化合物をその他の治療薬と組み合わせて用いる場合、これら式(I)の化合物は、都合のよい経路により順次、または同時に、投与することができる。
上で述べた組み合わせは、製剤の形で使用するのに都合良く提供することができ、したがって上に規定する組み合わせを、任意の製剤的に許容可能な担体または希釈剤と共に含有する製剤は、本発明のさらなる態様を構成する。このような組み合わせにおける個々の成分は、別々のまたは1つの製剤として順次、または同時に投与することができる。
同じ製剤中に組み合わせる場合、これらの二つの化合物は、互いに、さらにこの製剤中のその他の成分とも適合するものであり、かつ安定でなければならず、さらにこれらは投与用に製剤化できるものであることは当然のことである。別々に製剤化する場合は、これらは当該分野のこのような化合物に対して知られている方法で、あらゆる都合良い製剤の形で調製することができる。
2型塩酸バラシクロビルが第2の治療薬と共に使用される場合、各化合物の用量はそれぞれが単独使用される場合とは異なってもよい。当業者は適した用量を容易に理解できるであろう。
2型塩酸バラシクロビルならびにこれを含有する医薬組成物は治療において、とくにヒトを初めとするほ乳類などの動物に対し、その症状の再発を押さえるなど、ウイルス疾患の治療または予防において有用である。その内容がここにそのすべてを援用されている、米国特許第4、957、924号および5、879、706号、PCT公報第WO97/25989号に開示されているさまざまな治療的使用は同様に2型塩酸バラシクロビルにもあてはまる。2型塩酸バラシクロビルは、ヘルペスウイルス感染などのウイルス疾患の治療と予防にとりわけ有用である。このヘルペスウイルス感染にはたとえば、単純疱疹ウイルス1型(HSV-1)、単純疱疹ウイルス2型(HSV-2)、サイトメガロウイルス(CMV)(透明CMVを含む)、エプスタイン‐バーウイルス(EBV)、水痘‐帯状疱疹ウイルス(VZV)(帯状ヘルペスウイルス(HZV)とも呼ばれている)、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)、ヒトヘルペスウイルス7(HHV-7)、およびヒトヘルペスウイルス8(HHV-8)などがある。2型塩酸バラシクロビルはまたヘルペスウイルス感染の症状や作用の治療および予防において有用である。
2型塩酸バラシクロビルはまたヘルペスウイルス感染に伴う症状や疾患、とくに動物、すなわちヒトなどのほ乳類における潜在性ヘルペスウイルス感染に伴う治療あるいは予防などに有用である。「ヘルペスウイルス感染に伴う症状または疾患」とは、例えばEBV感染に伴う慢性疲労症候群およびEBVやHHV-6などのヘルペスウイルス感染に伴う多発性硬化症ウイルス感染など、ウイルスの感染そのものを除き、ウイルス感染の存在から生じる症状または疾患を意味する。
これらの症状および疾患に加え、2型塩酸バラシクロビルはまたヘルペスウイルス感染に伴う心臓血管性疾患および症状、具体的にはアテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、再狭窄、とくに血管形成術(RFA)後の再狭窄、の治療または予防にも使用することができる。再狭窄とは例えばバルーン血管形成術やその他の外科的および/または診断的技法によってひき起こされる創傷など、血管壁が損傷を受けた後に生じることがある血管の狭窄であり、処置された血管壁中に平滑筋細胞が過剰増殖することを特徴とする。ウイルス感染、とりわけCMVおよび/またはHHV-6の感染はRFAの多くの患者において治療された冠状血管中の平滑筋細胞の増殖に極めて重要な役割を果たしていると考えられている。再狭窄は多数の外科的および/または診断的技法、たとえば移植手術、静脈移植術、冠状動脈バイパス移植術、さらにもっとも一般的には血管形成術の後で生じることがある。
インビボおよびインビトロの両方で行われた研究から、再狭窄が多因子性の過程であるとの証拠が得られている。いくつかのサイトカインと成長因子が共同して作用し、血管の平滑筋細胞(SMC)の遊走と増殖および細胞外基質の生産を刺激し、これらが蓄積して血管を閉塞する。さらに成長抑制剤はSMCの増殖と細胞外基質の生産を抑制する。
本発明は、動物に有効量の2型塩酸バラシクロビルを投与することを含有する、ほ乳類(例えばヒト)などの動物におけるウイルス感染、特にヘルペスウイルス感染、の治療または予防のための方法を提供する。
ここに使用する用語「予防」とは、感染の予防、感染した患者における症状の発症の予防、または患者におけるウイルス感染、症状または疾病の症状の重篤度、または頻度の減少をさす。
ここで使用する用語「治療」とは患者におけるウイルス感染、症状または疾病の症状の重篤度あるいは頻度の部分的または全面的な消失、あるいは患者におけるウイルスの存在の消失または減少を指す。
ここで使用する用語「有効量」とは、投与された患者において、ここに述べた疾病、症状あるいは感染を治療するまたは予防するために十分である式(I)の化合物の量を指す。例えば、ヘルペスウイルス感染の治療に対する式(I)の化合物の有効量とは、患者のヘルペスウイルス感染を治療するのに十分な量である。本発明はまた有効量の2型塩酸バラシクロビルを動物に投与することを含有する、ほ乳類(例えばヒト)などの動物におけるヘルペスウイルス感染に伴う症状または疾病の治療あるいは予防の方法を提供する。1つの実施態様において、本発明は動物に有効量の2型塩酸バラシクロビルを投与することを含有する、ほ乳類(例えばヒト)などの動物における慢性疲労症候群あるいは多発性硬化症の治療または予防の方法を提供する。先の方法は特にヘルペスウイルスの潜在的感染に伴う慢性疲労症候群あるいは多発性硬化症の治療または予防において有用である。
もう1つの実施態様において、本発明は動物に抗ウイルス有効量の2型塩酸バラシクロビルを投与することを含有する、アテローム性動脈硬化症、冠状動脈疾患、または再狭窄(とくに血管形成術などの術後の再狭窄)などの心臓血管性症状の治療または予防の方法を提供する。本発明はまたほ乳類(例えばヒト)などの動物におけるウイルス感染、特にヘルペスウイルス感染、の治療または予防のための医薬の調製における2型塩酸バラシクロビルの使用およびヘルペスウイウルス感染に伴う症状または疾病の治療のための薬物の調製における2型塩酸バラシクロビルの使用を提供する。1つの実施態様において、本発明は再狭窄およびアテローム性動脈硬化症などの心臓血管性疾患の治療あるいは予防のための医薬の調製における式(I)の化合物の使用を提供する。
水和塩酸バラシクロビルを単に脱水すると、通常部分的に不定形で、不安定な形が生じる。しかし下記に記載する溶媒を介在させた脱水により、本請求の範囲に記載している無水結晶形を都合よく調製することができる。したがって、さらなる態様として、本発明は湿った塩酸バラシクロビル、または水和塩酸バラシクロビルを共沸蒸留条件下で共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒中でスラリー化することを含む、2型塩酸バラシクロビルの調製方法を提供する。1つの特定の実施態様において、この方法は、
a)結合していないプロセス溶媒を、湿った塩酸バラシクロビルから除去し(実質的に乾燥した)水和塩酸バラシクロビルを得る任意のステップと、
b)湿った塩酸バラシクロビルまたは水和塩酸バラシクロビルを共沸蒸留条件下で共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒中でスラリー化し、前記無水結晶塩酸バラシクロビルを得るステップと、さらに
c)無水結晶 (すなわち2型の)塩酸バラシクロビルを単離するステップと、を含む。
塩酸バラシクロビルはここにその内容をすでにすべて援用している、米国特許第4、957、924号および6、107、302号に記載のプロセスを用いて調製することができる。塩酸バラシクロビルの合成により、反応混合物の溶液の(すなわちプロセス溶媒に溶解した)形で水和塩酸バラシクロビルが得られ、これから分離精製して、固体の生成物(すなわち湿った塩酸バラシクロビル)を得ることができる。湿った塩酸バラシクロビルは非結合プロセス溶媒を除去して乾燥させ、実質的に乾燥した形で水和塩酸バラシクロビルを得ることができる。乾燥は適したいかなる方法で行ってもよい。このような方法の例は米国特許第6、107、302号に記載されている。1つの好ましい実施態様において、非結合プロセス溶媒は、湿った塩酸バラシクロビルをアセトン中でスラリー化し、濾過し、例えば約30〜70℃で乾燥することにより除去し、実質的に乾燥した形で水和塩酸バラシクロビルを得ることができる。
湿った塩酸バラシクロビルあるいは水和塩酸バラシクロビルは本発明の無水結晶形を得るために使用することができる。どの無水結晶形が得られるかにはいくつかの要因が影響する。これらの要因としては、これに限るわけではないが、核形成、播種(積極的なものも偶発的なものも含む)、溶媒介在効果があげられるが、決定的であるのは水分含有量である。溶媒の組成ならびに溶媒対生成物の比率は所望の形の核形成に極めて重要である。通常播種は溶媒混合物から所望の形の核形成を行う上で影響する。プロセス溶媒の全水分量における変化は、予期せぬ効果を生じることがある。下記の方法において、分離およびその後の加工の条件は本発明の無水結晶形(すなわち2型塩酸バラシクロビル)を生成するために選択されている。
本発明の方法にしたがい、湿った塩酸バラシクロビルまたは水和塩酸バラシクロビルを共沸蒸留条件下で共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒中でスラリーとする。共沸蒸留により水分を除去することのできる適した溶媒としては、これに限るわけではないが、C1-6アルコール類、ケトン類(C1-6ケトンなど)、エステル類(C1-6エステルなど)、エーテル類(C1-6エーテルなど)およびこれらの混合物があげられる。適した溶媒の具体例としては、これに限るわけではないが、ブタノール(例えばブタン-1-オールまたはブタン-2-オール)、プロパノール(例えばプロパン-2-オールまたはプロパン-1-オール)、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトンおよびこれらの混合物があげられる。本発明のプロセス中で使用することのできる共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒は、この他にも当業者によって容易に決定することができる。共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒は、ブタノール(例えばブタン-1-オール)、酢酸エチル、メチルイソブチルケトンおよびこれらの混合物からなる群から選択することが好ましい。1つの好ましい実施態様において、共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒中はブタン-1-オールである。もう1つの好ましい実施態様において、共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒は、メチルイソブチルケトンである。
湿った塩酸バラシクロビルまたは水和塩酸バラシクロビルを上記の溶媒中でスラリーとするステップは、塩酸バラシクロビルの薄い溶媒懸濁液を好ましくは撹拌することによって生成することによって行う。
このスラリー化ステップは共沸蒸留条件下で行う。適した共沸蒸留条件は当業者にはただちに明らかになるであろうが、これは使用する特定の溶媒に応じて異なる。通常共沸蒸留条件にはスラリーを、好ましくは撹拌しつつ、共沸蒸留により水分を除去することのできる溶媒の沸点まで加熱することが含まれる。この反応を出発物質から水を分離するのに十分な時間続けて行い、本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルを得る。2型塩酸バラシクロビルへと変換するのに十分な時間は特定の溶媒または溶媒混合物によって異なるが、通常この反応は約1〜約6時間行われる。
このスラリー化プロセスによって生成された無水結晶塩酸バラシクロビルは(すなわち2型塩酸バラシクロビル)は、スラリーから濾過によって分離することができる。
このプロセスはさらに2型塩酸バラシクロビルを乾燥する任意のステップを有してもよい。乾燥は乾燥機中で高温で乾燥剤の存在下または不在下におこなってもよく、または周囲温度で乾燥剤の存在下におこなってもよい。1つの実施態様においては、生成物は真空下で乾燥する。
もう1つの態様において、本発明は
a)非結合プロセス溶媒を湿った塩酸バラシクロビルから除去し、(実質的に乾燥した)水和塩酸バラシクロビルを得るステップと、
b)水和塩酸バラシクロビルを無水の溶媒中でほぼ周囲温度からこの無水溶媒のほぼ沸点までの温度にて水和塩酸バラシクロビルが本発明の無水結晶塩酸バラシクロビルに変換するのに十分な時間の間スラリー化するステップと、
c)無水結晶塩酸バラシクロビルを分離するステップと、を含む2型塩酸バラシクロビルを生成するもう1つの方法を提供する。
湿った塩酸バラシクロビルから非結合プロセス溶媒を除去するステップは上記に記載されている。
水和塩酸バラシクロビルを無水溶媒中でスラリー化するステップは、水和塩酸バラシクロビルをこの溶媒中で好ましくは撹拌しつつ薄い懸濁液を生成することによって行う。
本発明のプロセスで使用するのに適した無水溶媒としては、これに限るわけではないが無水(water-free)IMS、メタノール、無水エタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、MIBKおよびこれらの混合物があげられる。その他の適した無水溶媒は当業者によって決定できる。1つの実施態様において、無水溶媒は無水IMSまたは無水エタノールである。1つの実施態様において、無水溶媒は無水エタノール、とくに水分含有率が2%以下である無水エタノールである。
スラリー化ステップは、ほぼ周囲温度から無水溶媒のほぼ沸点までの温度で行うことができる。本方法にしたがい、この温度は溶媒の沸点までの温度であり、沸点を含まない温度であってよく、すなわちこの温度はかかる無水溶媒を沸騰させるに十分なほど高くはないものである。したがってこの温度は無水溶媒の沸点未満の温度である。スラリー化ステップの最適温度は使用する特定の無水溶媒に応じて異なる。好ましくは、スラリー化ステップは約50℃〜約60℃で行われる。
スラリー化ステップは、水和塩酸バラシクロビルを2型塩酸バラシクロビルへと変換するのに十分な時間行われる。水和塩酸バラシクロビルを2型塩酸バラシクロビルへと変換するのに必要な時間は無水溶媒に何を選ぶか、またスラリー化を行う温度によって異なる。通常スラリー化ステップは約1〜約24時間、より詳しくは約1〜約8時間、1つの実施態様においては約1時間〜約2時間の間行われる。
無水結晶バラシクロビル (2型塩酸バラシクロビル)は濾過により分離することができる。任意のステップとして、このように生成した2型塩酸バラシクロビルを上記に記載のように乾燥してもよい。
下記の実施例は説明のためだけのものであり、本発明をいかなる点でも限定するものではない。
実施例1:水和塩酸バラシクロビルの調製
水(35ml)を1型塩酸バラシクロビル(15g)に加えた。混合物を撹拌しつつ60℃に熱し、固形分をすべて溶解した。エタノール(70ml)を加え、溶液を周囲温度まで放冷すると、数分後に生成物が沈澱を始めた。混合物を0〜5℃で1時間冷却した。濾過して固体を得、エタノール(50ml)で洗浄し、1晩真空下(ハウスバキューム)で乾燥し、水和塩酸バラシクロビルを得た。
実施例2:2型塩酸バラシクロビルの調製
水和塩酸バラシクロビル(実施例1)のブタン-1-オール(100ml)懸濁液を、還流下で加熱し、およそ50mlの溶媒を蒸留により除去した。懸濁液は撹拌しつつ、還流下で1時間加熱した後、周囲温度まで冷却した。濾過して2型塩酸バラシクロビル無水物を得、真空下で乾燥した。湿ったペーストを赤外線による分析に付すと、2型塩酸バラシクロビルであることが示された
実施例3:2型塩酸バラシクロビルの調製
ブタン-1-オール(50ml)を水和塩酸バラシクロビル(3.5g)に加えた。懸濁液を還流下で加熱撹拌した。約20mlの溶媒を蒸留により除去し、ブタン-1-オール(50ml)を加えた。さらに30mlの溶媒を蒸留により除去した後、ブタン-1-オール(30ml)を加えた。懸濁液を撹拌しつつ、還流下で2.5時間加熱した。濾過して2型塩酸バラシクロビルを得、真空下で乾燥した(2.64g)。
実施例4:2型塩酸バラシクロビルの調製
4-メチル2-ペンタノン(30ml)を水和塩酸バラシクロビル(2g)(実施例1)に加えた。懸濁液を撹拌しつつオイルバスで120〜130℃に1時間加熱した。オイルバスの温度は150℃まで上がり、15mlの溶媒を共沸蒸留で除去し、懸濁液をオイルバス温度120〜130℃で1時間撹拌した。ろ過して固体を得、反応フラスコを4-メチル-2-ペンタノン(10ml)ですすいだ。固体は真空下5酸化リン上で1晩乾燥させ、2型塩酸バラシクロビルを得た。
実施例5:2型塩酸バラシクロビルの調製
工業用変性アルコール(IMS)(20ml)を水和塩酸バラシクロビル(2.0g)(実施例1)に添加した。懸濁液を50〜60℃で1時間撹拌した。濾過により固体を得、反応フラスコをIMS(30ml)ですすいだ。固体は真空下5酸化リン上で1晩乾燥させ、2型塩酸バラシクロビルを得た。
実施例6:2型塩酸バラシクロビルの調製
無水エタノール(35ml)を水和塩酸バラシクロビル(2.0g)(実施例1)に加えた。懸濁液を50〜60℃で2時間撹拌した。濾過により固体を得、反応フラスコを無水エタノール(30ml)ですすいだ。固体は真空下5酸化リン上で2日乾燥させ、2型塩酸バラシクロビルを得た。
実施例7:2型塩酸バラシクロビルの調製
無水エタノール(20ml)を塩酸バラシクロビル(2.0g)(実施例1)に加えた。懸濁液を周囲温度で4時間撹拌した。濾過により固体を得、反応フラスコを無水エタノール(30ml)ですすいだ。固体は、真空下で1晩乾燥させ、2型塩酸バラシクロビルを得た。
実施例8:2型塩酸バラシクロビルの調製
無水エタノール(300ml)を水和塩酸バラシクロビル(30.0g)に加えた。懸濁液を50〜60℃で1時間撹拌した。無水エタノール(40ml)を添加し、さらに50〜60℃で2.5時間撹拌した。濾過により固体を得、反応フラスコを無水エタノール(30mlで2回)ですすいだ。固体は、真空下(ハウスバキューム)5酸化リン上で3日間乾燥させた。ついで真空乾燥器中で3時間乾燥させ、2型塩酸バラシクロビル(27.1g)を得た。
実施例9:2型塩酸バラシクロビルの調製
テトラヒドロフラン(20ml)とメタノール(20ml)を実施例1と同様にして得た水和塩酸バラシクロビル(2.0g)に加えた。懸濁液を周囲温度で3時間半撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた固体を真空下5酸化リン上で1晩乾燥させ、2型塩酸バラシクロビルを得た。
実施例10:2型塩酸バラシクロビルの調製
酢酸エチル(50ml)を水和塩酸バラシクロビル(2.0g)に加えた。懸濁液を還流下で加熱撹拌した。約30mlの溶媒を加え、蒸留によって除去した。懸濁液はディーンスターク装置を用いて3時間還流下で加熱撹拌した。懸濁液を冷却した。濾過により固体を得、真空下で乾燥させて2型塩酸バラシクロビル(1.80g)を得た。
実施例11:2型塩酸バラシクロビルの分析
プロトンNMR
プロトンNMRスペクトルは塩酸バラシクロビルのものと一致した。
水分含有量(カールフィッシャー滴定法):0.61重量%
赤外線
生成物の鉱物油分散体の赤外線吸収スペクトルを分解能2 cm-1のPerkin-Elmer System2000FT-IR分光計により得た。データは0.5cm-1間隔でデジタル化した(図1)。観察されたバンド(単位cm-1)は3286、3197、1750、1686、1632、1607、1572、1533、1463、1394、1377、1366、1342、1298、1259、1247、1225、1191、1152、1133、1096、1042、1017、868、830、778、760、729、701、689、631、570であった。
X線粉末回折
XRDパターンをCuKaX線を用いて、モノクロメータを備えた、PhilipsX’PertMPD回折計により得た。このパターンを図2に示す。 特徴的XRD角度2θ(相対強度%)は6.7(75.63)、9.3(100.00)、11.4(28.34)、13.3(11.23)、13.9(16.91)、15.4(22.07)、15.7(40.81)、16.3(18.54)、17.1(48.40)、18.6(13.55)、19.0(26.45)、19.3(17.11)、19.8(16.07)、20.6(11.32)、21.4(50.03)、22.6(18.93)、22.9(34.14)、24.2(23.67)、25.5(18.76)、26.4(49.69)、27.2(31.95)、27.5(50.86)、27.8(46.94)、28.0(51.96)、28.9(14.85)30.2(11.80)、30.9(18.75)、31.9(13.47)、32.6(11.99)、34.9(14.40)、35.3(14.54)、および35.9(10.28)である。
ラマン
ラマンスペクトルは、パワー400mW、分解能4cm-1で運転したNicolet FT-Raman960を用いて、最低600回のスキャン積算により得た。InGaAs検出器とCaFビームスプリッタを用いた試料のスキャン数は1200であった。スペクトルを図3に示す。観察されたシフトバンド(単位cm-1)は:3285、3201、3114、3003、2960、2931、2894、1749、1684、1630、1568、1477、1449、1416、1397、1364、1348、1310、1226、1191、1133、1070、1039、1014、966、902、869、850、832、810、784、760、687、646、630、527、500、364、324、278、191、120、91および78であった。
熱分析
Perkin-Elmer Pyris-1 DSCシステムを用いて示差走査熱分析を行った。スキャン速度は10℃/分、試料の分量は2.789mgであった。サーモグラムを図5に示す。
中程度の鋭さを持つ非対称融解吸熱ピークがT=216℃に、また発熱分解が観察された。
Perkin-Elmer Pyris-1 TGAシステムを用いて熱重量分析を行った。スキャン速度は10℃/分。試料の分量は3.757mgであった。TGAチャートを図6に示す。
182〜310℃の間で融解と分解を伴う42.97重量%の重量損失があった。
固相核磁気共鳴
周波数90.55MHzのBruker AMX360分光計を用いて炭素核13Cを観察し、300Kでデータを取り込んだ。13CMASスペクトルをHartmann-Hahnの条件に合うプロトンからの交差分極により得た。接触時間3ms、待ち時間15sにより、60msで4kデータポイントを取り込んだ。2パルス位相変調(TPPM)コンポジットシーケンスを用いて、データの取込み中にプロトンのデカップリングを行った。32kデータポイントにフーリエ変換する前に、自由誘導減衰(fid)のアポダイゼーションを5Hzの広幅化を用いて指数関数をかけることにより行った。化学シフトはTMSを基準とし、グリシンのカルボン酸基のシグナルを176.4ppmとする外部基準により決定した。スペクトルを図4に示す。
比較例
1型塩酸バラシクロビルのIRおよび固相NMRスペクトル(それぞれ図7および8)、水和塩酸バラシクロビルのIRおよび固相NMRスペクトル(それぞれ図9および10)を、上記実施例11で2型塩酸バラシクロビルのIRおよび固相NMRの分析の場合に記載したのと同様の方法で得た。
上記の実施例は本発明の説明のためのものであり、それを限定するものと考えるべきではない。本発明はその等価物を含む、下記の請求項により定義される。
図1は本発明の無水結晶形塩酸バラシクロビル(「2型塩酸バラシクロビル」)の赤外線吸収スペクトルである。x軸は波数(単位cm-1)であり、y軸は透過率(単位パーセント)である。この赤外線吸収スペクトルはここに記載の方法により、鉱物油のペーストを用い、分解能2cm-1のFT-IR分光計で得たものである。 図2は本発明の2型塩酸バラシクロビルのXRDパターンである。このXRDパターンは、2θ角で表したもので、ここに記載の方法により、CuKαX線を使用し、回折ビームグラファイトモノクロメータを備えた回折計により得たものである。 図3は本発明の2型塩酸バラシクロビルのラマンスペクトルである。このラマンスペクトルはここに記載の方法にしたがい、分解能4cm-1、パワー400mW、最低600回のスキャン積算、InGaAs検出器およびCaF2ビームスプリッターを使用したFT-ラマン分光計を用いて得たものである。 図4は本発明の2型塩酸バラシクロビルの固体NMRスペクトルである。この固体NMRスペクトルはここに記載の方法により、周波数90.55MHz、温度300K、スピニング速度10kHz、待ち時間15秒で運転した分光計により、炭素核13Cを観察して得たものである。 図5は本発明の2型塩酸バラシクロビルの示差走査熱分析(DSC)サーモグラムである。このDSCはここに記載した方法により、スキャン速度10℃/分で、2.789mgの試料を用いてPerkin-Elmer Pyris-1 DCS systemを用いて得たものである。 図6は本発明の2型塩酸バラシクロビルの熱重量分析(TGA)である。このTGAはここに記載した方法により、スキャン速度10℃/分で、3.757mgの試料を用いてPerkin-Elmer Pyris-1 TGA systemにより得たものである。 図7は米国特許第6、107、302号の塩酸バラシクロビル(「1型塩酸バラシクロビル」)のIRスペクトルである。この赤外線吸収スペクトルは比較例に記載の方法により、鉱物油のペーストを用い、分解能2cm-1のFT-IR分光計で得たものである。 図8は1型塩酸バラシクロビルの固体NMRスペクトルである。この固体NMRスペクトルは比較例に記載の方法により、周波数90.55MHz、温度300K、スピニング速度10kHz、待ち時間15秒で運転した分光計により、炭素核13Cを観察して得たものである。 図9は水和塩酸バラシクロビルのIRスペクトルである。この赤外線吸収スペクトルは比較例に記載の方法により、鉱物油ペースト法を用い、分解能2cm-1のFT-IR分光計で得たものである。 図10は水和塩酸バラシクロビルの固体NMRスペクトルである。この固体NMRスペクトルは比較例に記載の方法により、周波数90.55MHz、温度300K、スピニング速度10kHz、待ち時間15秒で運転した分光計により、炭素核13Cの観察により得たものである。

Claims (28)

  1. 分解能が2cm−1であるFT−IR分光計により、鉱物油のペーストにしたものを用いて得た赤外線(IR)吸収スペクトルが、図1と実質的に同一であることにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビル。
  2. 分解能が2cm−1であるFT−IR分光計により鉱物油のペーストにしたものを用いて得たIR吸収スペクトルが、3286±1、3197±1、1750±1、1686±1、1632±1、1607±1、1152±1、701±1および688±1cm−1からなる群から選択される5つ以上の位置にピークを有する無水結晶塩酸バラシクロビル。
  3. 銅KαX線を用いた回折ビームグラファイトモノクロメータを備えた回折計により得た、2θ角により表されているX線粉末回析(XRD)パターンが、図2と実質的に同一であることにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビル。
  4. 銅KαX線を用いた回折ビームグラファイトモノクロメータを備えた回折計により得た、2θ角により表されるXRDパターンが、6.7±0.1、8.1±0.1、9.3±0.1、11.4±0.1、13.9±0.1、15.7±0.1、16.3±0.1および17.1±0.1度からなる群から選択される4つ以上の位置に2θ角を有することにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビル。
  5. 銅KαX線を用いた回折ビームグラファイトモノクロメータを備えた回折計により得た、2θ角により表されるXRDパターンが、6.7±0.1、8.1±0.1、9.3±0.1、および11.4±0.1度の2θ角を有することにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビル。
  6. FT−ラマン分光計により分解能4cm−1で得たラマンスペクトルが実質的に図3と同一であることにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビル。
  7. FT−ラマン分光計により分解能4cm−1で得たラマンスペクトルが、1684±1、1364±1、1348±1、1191±1、および810±1cm−1からなる群から選択される4つ以上のピークを有することにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビル。
  8. 周波数90.55MHz、温度300K、スピニング速度10kHz、待ち時間15秒で運転した分光計により、13Cを観察して得た固体核磁気共鳴(NMR)スペクトルが実質的に図4と同一であることにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビル。
  9. 周波数90.55MHz、温度300K、スピニング速度10kHz、待ち時間15秒で運転した分光計により、13Cを観察して得た、固体NMRスペクトルが15.1±0.1、17.2±0.1、20.2±0.1、20.9±0.1、29.2±0.1、29.9±0.1、58.4±0.1、64.6±0.1、66.8±0.1、69.3±0.1、70.7±0.1、73.9±0.1、74.4±0.1、116.6±0.1、117.3±0.1、140.4±0.1、150.4±0.1、151.3±0.1、153.6±0.1、158.3±0.1、169.1±0.1および169.6±0.1ppmの位置にケミカルシフトを有することにより特徴付けられる無水結晶塩酸バラシクロビル。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルを含有する医薬組成物。
  11. さらに一つ以上の製薬的に許容可能な担体または希釈剤を含有する、請求項10に記載の製薬組成物。
  12. 請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルと水和塩酸バラシクロビルを含有する組成物。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルと1型塩酸バラシクロビルを含有する組成物。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルを有効量ほ乳類に投与することを含む、ほ乳類におけるヘルペスウイルス感染の治療あるいは予防のための方法。
  15. 前記ヘルペスウイルス感染が単純疱疹ウイルス1型、単純疱疹ウイルス2型、サイトメガロウイルス、エプスタイン‐バーウイルス、水痘‐帯状疱疹ウイルス、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、およびヒトヘルペスウイルス8からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルを有効量ほ乳類に投与することを含む、ほ乳類におけるヘルペスウイルス感染に伴う状態または疾患を治療または予防する方法。
  17. 治療に用いるための請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビル。
  18. ヘルペスウイルス感染の治療または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルの使用。
  19. ヘルペスウイルス感染に伴う状態または疾患の治療または予防のための医薬の製造における、請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルの使用。
  20. 湿った塩酸バラシクロビル、または水和塩酸バラシクロビルを、共沸蒸留条件下で共沸蒸留することにより水分を除去することのできる溶媒中でスラリー化することを含む、請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルの調製方法。
  21. a)湿った塩酸バラシクロビルから結合していないプロセス溶媒を除去して水和塩酸バラシクロビルを提供する任意のステップと;
    b)前記湿った塩酸バラシクロビルまたは前記水和塩酸バラシクロビルを、共沸蒸留条件下で共沸蒸留することにより水分を除去することのできる溶媒中でスラリー化し、無水結晶塩酸バラシクロビルを調製するステップと;さらに
    c)前記無水結晶塩酸バラシクロビルを単離するステップと、を含む請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルの調製方法。
  22. 共沸蒸留により水分を除去することのできる前記溶媒がC1−6アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項20または21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記溶媒がブタノール、プロパノール、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトンおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記無水結晶塩酸バラシクロビルを乾燥するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
  25. a)非結合プロセス溶媒を湿った塩酸バラシクロビルから除去し、水和塩酸バラシクロビルを得るステップと、
    b)前記水和塩酸バラシクロビルを無水溶媒中で、ほぼ周囲温度からこの無水溶媒のほぼ沸点までの温度にて前記水和塩酸バラシクロビルが前記無水結晶塩酸バラシクロビルに変換するのに十分な時間にわたりスラリー化するステップと、
    c)前記無水結晶塩酸バラシクロビルを分離するステップと、を含む請求項1〜9のいずれかに記載の無水結晶塩酸バラシクロビルの調製方法。
  26. 前記無水溶媒が無水IMS、メタノール、無水エタノール、トルエン、テトラヒドロフラン、MIBKおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記スラリー化ステップが約50℃〜約60℃の温度で行われる、請求項25に記載の方法。
  28. 前記無水結晶塩酸バラシクロビルを乾燥するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
JP2003542191A 2001-11-05 2002-10-23 塩酸バラシクロビルの無水結晶形 Pending JP2005511612A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US33331301P 2001-11-05 2001-11-05
PCT/US2002/033926 WO2003040145A1 (en) 2001-11-05 2002-10-23 Anhydrous crystal form of valaciclovir hydrochloride

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005511612A true JP2005511612A (ja) 2005-04-28
JP2005511612A5 JP2005511612A5 (ja) 2005-12-22

Family

ID=23302261

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003542191A Pending JP2005511612A (ja) 2001-11-05 2002-10-23 塩酸バラシクロビルの無水結晶形

Country Status (10)

Country Link
US (2) US20040197396A1 (ja)
EP (1) EP1453834A1 (ja)
JP (1) JP2005511612A (ja)
AU (1) AU2002348022B2 (ja)
CA (1) CA2465420A1 (ja)
FR (1) FR2831885A1 (ja)
GB (1) GB2383038B (ja)
GR (1) GR1004358B (ja)
IT (1) ITRM20020555A1 (ja)
WO (1) WO2003040145A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2009031576A1 (ja) * 2007-09-03 2010-12-16 味の素株式会社 バラシクロビル塩酸塩結晶の製造方法

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6849736B2 (en) * 2001-09-07 2005-02-01 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Crystalline forms of valacyclovir hydrochloride
US20040197396A1 (en) * 2001-11-05 2004-10-07 Fain Helen S Anhydrous crystal form of valaciclovir hydrochloride
KR20070020149A (ko) * 2001-11-14 2007-02-16 테바 파마슈티컬 인더스트리즈 리미티드 발라시클로비르의 합성 및 정제 방법
US20050043329A1 (en) * 2002-09-06 2005-02-24 Shlomit Wizel Crystalline forms of valacyclovir hydrochloride
EP1575953A1 (en) * 2002-12-09 2005-09-21 Texcontor Etablissement Anhydrous crystalline form of valacyclovir hydrochloride
WO2004106338A1 (en) * 2003-05-30 2004-12-09 Eos Eczacibasi Ozgun Kimyasal Urunler Sanayi Ve Ticaret A.S. Novel crystalline forms of valacyclovir hydrochloride
EP1638972A2 (en) * 2003-06-02 2006-03-29 Teva Pharmaceutical Industries Limited Novel crystalline forms of valacyclovir hydrochloride
CN1331471C (zh) * 2003-09-22 2007-08-15 陈云芳 盐酸万乃洛韦软胶囊组合物
EP1746098A1 (en) * 2005-07-21 2007-01-24 SOLMAG S.p.A. Valacyclovir polymorphs and a process for the preparation thereof
US20080167325A1 (en) * 2006-12-27 2008-07-10 Bs Praveen Kumar Valacyclovir compositions
WO2011158252A1 (en) 2010-06-15 2011-12-22 Matrix Laboratories Ltd Process for the preparation of valacyclovir hydrochloride polymorphic form ii
CN105753868B (zh) * 2016-04-12 2017-08-01 浙江理工大学 一种盐酸伐昔洛韦的半水合物及其制备方法
CN112176011B (zh) * 2020-10-26 2022-10-18 辰欣药业股份有限公司 一种酶催化制备盐酸伐昔洛韦的方法
CN116754538B (zh) * 2023-06-15 2024-05-07 深圳市新阳唯康科技有限公司 一种阿昔洛韦软膏的晶型定量方法

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4199574A (en) * 1974-09-02 1980-04-22 Burroughs Wellcome Co. Methods and compositions for treating viral infections and guanine acyclic nucleosides
GB8719367D0 (en) * 1987-08-15 1987-09-23 Wellcome Found Therapeutic compounds
GB9501178D0 (en) * 1995-01-20 1995-03-08 Wellcome Found Guanine derivative
GB9501127D0 (en) * 1995-01-20 1995-03-08 Wellcome Found Tablet
US6849736B2 (en) * 2001-09-07 2005-02-01 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Crystalline forms of valacyclovir hydrochloride
US20040197396A1 (en) * 2001-11-05 2004-10-07 Fain Helen S Anhydrous crystal form of valaciclovir hydrochloride
KR20070020149A (ko) * 2001-11-14 2007-02-16 테바 파마슈티컬 인더스트리즈 리미티드 발라시클로비르의 합성 및 정제 방법
US20050043329A1 (en) * 2002-09-06 2005-02-24 Shlomit Wizel Crystalline forms of valacyclovir hydrochloride
US20050059684A1 (en) * 2002-10-16 2005-03-17 Ben-Zion Dolitzky Method for reducing residual alcohols in crystalline valacyclovir hydrochloride
EP1551838B1 (en) * 2002-10-16 2006-08-09 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Method for reducing residual alcohols in crystalline valacyclovir hydrochloride
EP1575953A1 (en) * 2002-12-09 2005-09-21 Texcontor Etablissement Anhydrous crystalline form of valacyclovir hydrochloride
WO2004106338A1 (en) * 2003-05-30 2004-12-09 Eos Eczacibasi Ozgun Kimyasal Urunler Sanayi Ve Ticaret A.S. Novel crystalline forms of valacyclovir hydrochloride
EP1638972A2 (en) * 2003-06-02 2006-03-29 Teva Pharmaceutical Industries Limited Novel crystalline forms of valacyclovir hydrochloride
WO2005073233A1 (en) * 2004-01-21 2005-08-11 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Process for the preparation of valacyclovir hydrochloride
EP1746098A1 (en) * 2005-07-21 2007-01-24 SOLMAG S.p.A. Valacyclovir polymorphs and a process for the preparation thereof
US20070112193A1 (en) * 2005-11-14 2007-05-17 Khunt Mayur D Valacyclovir process

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2009031576A1 (ja) * 2007-09-03 2010-12-16 味の素株式会社 バラシクロビル塩酸塩結晶の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2003040145A1 (en) 2003-05-15
CA2465420A1 (en) 2003-05-15
GB2383038A (en) 2003-06-18
US20070093511A1 (en) 2007-04-26
EP1453834A1 (en) 2004-09-08
ITRM20020555A1 (it) 2003-05-06
ITRM20020555A0 (it) 2002-11-05
FR2831885A1 (fr) 2003-05-09
GR1004358B (el) 2003-10-07
GR20020100478A (el) 2003-07-16
AU2002348022B2 (en) 2006-06-15
GB0225771D0 (en) 2002-12-11
GB2383038B (en) 2005-01-19
US20040197396A1 (en) 2004-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070093511A1 (en) Anhydrous Crystal Form of Valaciclovir Hydrochloride
CA2210799C (en) Valaciclovir hydrochloride in anhydrous crystalline form
AU2002348022A1 (en) Anhydrous crystal form of valaciclovir hydrochloride
JP6870082B2 (ja) 二メシル酸パルボシクリブの固体形態
JP2022536489A (ja) 6-(シクロプロパンカルボキサミド)-4-((2-メトキシ-3-(1-メチル-1h-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル)アミノ)-n-(メチル-d3)ピリダジン-3-カルボキサミドの結晶性塩形態
WO2018122780A1 (en) Solid state forms of lenvatinib mesylate
EP3344607A1 (en) Solid state forms of selexipag
WO2022165141A1 (en) Crystal form of 6-(cyclopropanecarboxamido)-4-((2-methoxy-3-(1-methyl-1h-1,2,4-triazol-3-yl)phenyl)amino)-n-(methyl-d3)pyridazine-3-carboxamide
AU2001283119B2 (en) Polymorphs of zaleplon and methods for the preparation thereof
KR100659927B1 (ko) 다형태를갖는독사조신메실레이트의새로운형태(제iii형)
JP5666464B2 (ja) 新規化合物
JP7434273B2 (ja) アゼチジン誘導体のボレート
JP2007538087A (ja) 結晶固形ファムシクロビルを調製するための乾燥方法
EP2459520A1 (en) Crystalline forms of fesoterodine fumarate and fesoterodine base
WO2019211870A1 (en) Polymorphic forms of ibrutinib
AU2006226625B2 (en) Polymorphic form of 6- (4-chlorophenyl) -2, 2-dimethyl-7-phenyl-2, 3-dihydro-lH-pyrrolizin-5-ylacetic acid
CN116444403A (zh) 一种磺酰脲类衍生物的结晶形式
JP2024054139A (ja) Flna結合化合物及びその塩酸塩の固体多形
CN116444404A (zh) 一种磺酰脲类衍生物的盐及其结晶形式
MXPA97005462A (en) Derived from guan

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090331

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090624

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090701

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091124