JP2005511527A - 歯科用複合修復材料 - Google Patents

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Abstract

著しく高い充填材含量を持ちながら、歯科用注入器から押し出すことができ、窩洞内に容易に適応可能なままである複合材を提供する。本発明の材料を硬化した場合、表面硬度および降伏強度が著しく高く、ならびに硬化による体積収縮が低い歯科用修復材料が提供される。これは、特定の径、径範囲、および径関係を有する充填材粒子の混合物を使用することにより達成される。こうした特性の組合せにより、本発明の材料は後方の窩洞を修復するのに特に有用である。

Description

本願は、係属中の米国特許出願第09/632,065号の一部継続出願である。
本質的に、重合性樹脂およびガラス質充填材の混合物を含む歯科用複合材は、この部類の最初の材料が導入された1970年代初期以来開発されてきた。たとえば、R.L.Bowen等、「A new series of X−ray−opaque reinforcing fillers for composite materials」、J. Dental Research、51巻(1)1972年を参照されたい。この時までは、充填物は銀/水銀アマルガム、酸浸出性ガラスとリン酸の混合物(「ケイ酸塩セメント」として知られている)、または空隙のある重合性樹脂に基づいたものであり、各々の部類の材料はいくつかの長所および短所を持つ。たとえば、アマルガムは一般に、安価で使用しやすく、その強度と高い耐磨耗性のために寿命が長いとみなされている。アマルガムの欠点は、水銀の毒性および充填物が黒色になることである。ケイ酸塩充填物は、ほぼ歯の色であり、虫歯の再発防止を助けるために歯の中にフッ化物を放出するものであった。しかし、これらは速く溶解する傾向があり、かつ脆弱なので、今日ではほとんど使用されていない。充填されていない樹脂は、靭性、簡便さ、および美観といった利点をもたらすが、依然として脆弱であり、その使用は低応力の領域に限定される。これらの充填されていない樹脂はまた、体積収縮が通常少なくとも5%と高い。このことは充填物と歯との間に隙間をもたらし、その後修復物の周りおよび下部に虫歯を再発させる。複合材の導入により、表面硬度、高い物理的強度、優れた美観、低い収縮、および高い耐磨耗性の改善がもたらされた。しかし、これらの複合材の磨耗速度は依然としてアマルガムの速度より速く、これらのおよそ2〜3体積パーセントの収縮は、依然として隙間の形成および虫歯の再発をもたらす。アマルガムの代わりに使用し得る、高強度、低収縮および高耐磨耗性を有する複合材を開発することが、歯科分野の多くの研究者の目的である。好ましくはさらに、この材料は歯科用注入器から押出し可能であるべきである。なぜなら、この手法は簡便であり歯科医にとって時間の節約になるのみならず、窩洞(cavity)内に気泡が封入されることの回避を助けるからである。
本発明は、収縮性が低く、また表面硬度が高い複合材、およびこれらの複合材を製造する方法が提供される。この発明のある領域では、その使用のために設計した歯科用注入器から押出すこともできる材料が提供される。
歯科用途の複合材およびそれを製造する一般的な方法は長年知られてきた。たとえば、英国特許第1,401,805号、米国特許第3,740,850号、米国特許第4,215,033号、および米国特許第3,801,344号を参照されたい。これらの特許は、本質的に、充填材としてアクリレート樹脂とガラスまたは様々な金属酸化物との混合物について記述しており、たとえば自然な色および望ましい硬度といった利点を特許請求している。その時には改善点であったが、これら初期の材料はまだ比較的脆弱であり、かつ耐磨耗性が低かった。粉砕手順が向上してより小さな粒子径を持つ充填材が入手可能になると、表面硬度が改善された。また様々な種類の単量体、たとえば米国特許第4,504,231号に記載のシランを含んだ単量体、または米国特許第5,730,601号に記載の単量体の混合物を使用する試みがなされた。しかし、これらの材料の収縮はおよそ2〜3体積パーセントと、依然として高過ぎた。2種以上の充填材粒子、たとえば米国特許第4,649,165号に記載の、0.5〜40ミクロンおよび0.2〜15ミクロンの粒子径範囲を有する従来のガラス充填材と、5〜150ナノメートルの範囲の粒子径を有する微細な充填材とを含有させることによりさらに改良された。しかし、これらの材料はまだ、所望の硬度を得るためにこの複合材に十分な充填材を取り込むことが困難であるという問題がある。この問題を克服する試みには、米国特許第4,374,937号に記載のように、さらに界面活性剤の使用がある。しかし、複合材中に従来の充填材材料を多く使用し過ぎると、取り扱うのが困難な硬いペーストになり、ついには乾燥した非結合性の混合物になるという問題が残る。歯科用充填材料は注入器から直接窩洞に押出し可能であることが望ましく、このことはこうした硬いペーストでは不可能である。こうしたペーストは硬化した場合、通常降伏強度がほぼ130MPa、表面ビッカース硬度が約70、および体積収縮率が2.5〜3パーセントの間である。降伏強度とは、恒久的な変形および損傷が生じるまでに物質に加えらる最大荷重であり、これが高いほど望ましい。表面硬度が高いと材料の摩損が軽減されるので、高い表面硬度が必要であり、一方、充填物の周りの空隙の形成を最小限にするために低い収縮率が望ましい。
米国特許出願第09/632,065号 R.L.Bowen等、「A new series of X−ray−opaque reinforcing fillers for composite materials」、J. Dental Research、51(1)巻1972年 英国特許第1,401,805号 米国特許第3,740,850号 米国特許第4,215,033号 米国特許第3,801,344号 米国特許第4,504,231号 米国特許第5,730,601号 米国特許第4,649,165号 米国特許第4,374,937号
本発明では、いくつかの規定された径分布および径関係を有する充填材の組合せを使用することにより、そのペーストが硬くて取り扱うことが困難になるか、あるいはもろくて非結合性になることなしに、予想外に多量の充填材を樹脂基質と混合し得ることが見出された。得られたペーストは、硬化すると、少なくとも180MPaの降伏強度、約90のビッカース硬度、および2%未満の硬化による体積収縮を有する。通常作製される複合材ペーストは、一般的に約0.05〜1ミクロンの粒子分布を有する粉砕ガラス粒子を、約0.01〜0.1ミクロンの間の粒子径分布を有する少量のケイ質充填材と共に含む。この後者はペーストの操作性を調整するために加える。臨床的に有用な一貫性を得るために、こうした組成物中に含まれる充填材の合計量は通常およそ75%であるが、場合によっては約80%と多くてもよい。通常の物理的性質は、降伏強度がおよそ130MPa、ビッカース硬度がおよそ70、および硬化による収縮が約2.5〜3.0%である。未硬化ペーストのショアA硬度が、ペーストの「充填性」および「操作性」の尺度として使用され、後方の窩洞内に使用する充填材料に対しては、ショアA硬度の最適値は約50〜55の間であることが経験的に決まっている。上記のように作製されたペーストは、通常およそ30〜45のショアA硬度を有する。本発明では、上記のペーストを、平均粒子径がペースト中の第1充填材の平均径の少なくとも約20倍であり、かつ好ましくは本質的には単一様相であるように選択された、追加の充填物の分画と、混合する。
粉末の粒子径分布は、(D(v,0.9)−D(v,0.1))/D(v,0.5)と定義されるスパンにより好都合に示される。ここで、D(v,0.5)は平均粒子径であり、90%の粒子がD(v,0.9)より小さく、10%の粒子がD(v,0.1)より小さい。実際には、追加の充填材の粒子径は分布をもっているが、上記に定義したスパンは可能な限り小さく、好ましくは約1.3未満であるべきである。したがって、上記の例では、ペーストに含まれたガラス(第1充填材)の平均粒子径は0.8ミクロンであり、したがって追加の充填材の平均径は少なくとも約16ミクロンであり、かつ27ミクロンを超えるか、あるいは5ミクロン未満の粒子が10%以下である。しかし、追加の充填材はより大きくてもよく、たとえば約65ミクロンの平均径を有してもよい。この場合は、D(v,0.9)は115ミクロン以下であり、かつD(v,0.1)は16ミクロン以上であるべきである。こうした充填材の分画は、好都合なことには製粉したガラスを市販されているふるいを通すことにより作製し得る。
さらに本発明を例示するために以下の実施例を提供するが、決して限定するものではない。実施例に記載されている複数の材料は、400〜500nmの間の光に感受性があり、これに暴露させることにより硬化されるので、調製のすべてをこの波長領域の光を含まない黄色光下で行った。以下の実施例中、「部」は「重量部」を意味する。
最初のペーストの調製
最初に、フラスコ中で、ウレタン樹脂44部、TCB樹脂34部、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン20部、ショウノウキノン0.28部、ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル0.59部、ブチル化ヒドロキシトルエン0.1部、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.025部、および2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン1.0部を混合し、50℃で透明な均質の混合物が得られるまで攪拌することにより樹脂混合物を作製した。
次いで、この樹脂(25.3部)を、0.8ミクロンの平均粒子径、および1.6の上記に定義した通りのスパンを有するシラン化ストロンチウムガラス94.5部、フッ化ストロンチウム5部、および疎水性の乾式シリカ(粒子径範囲約0.05ミクロン)0.5部を含んだ粉末混合物74.7部と50℃と混合して、冷却後硬いペーストを得た。このペーストの充填材全体の含量は74.7重量%である。このペーストの特性を測定した。その結果を表1に示す。
狭い粒子径分布を有する追加の充填材の調製
約2〜5mmの粒子径を持つガラスフリットを乾式ボールミルで製粉して、約1ミクロン〜1mmの範囲の粒子径および約50ミクロンの平均粒子径を有する粉末を得た。これを250ミクロンの孔径を持つメッシュを通してふるいにかけ、ふるい中に残留する粗い分画を廃棄した。通過したガラスを、100ミクロンの孔を有するメッシュを通してふるいにかけて、100〜250ミクロンの間の粒子範囲および約0.9のスパンを有する分画を得た。これを分画Aと呼ぶ。残留するガラスを85ミクロンの孔を持つメッシュを通してふるいにかけ、ふるい中に残留するガラスを廃棄した。通過したガラスを収集して、48ミクロンの孔径を持つメッシュを通してふるいにかけ、通過した分画を廃棄した。このようにして、48〜85ミクロンの粒子径範囲を有する分画が得られた。これを分画Bと呼ぶ。両分画AおよびBを別々に、酢酸で酸性化した水中に溶解したメタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル(ガラスの重量の1%)で、これらを室温でスラリー化することによってシラン化した。1時間後、ガラス分画をろ過して分け、85℃のオーブン内で18時間乾燥した。Malver Mastersizer S バージョン2.10を用いて分画Bの粒子径を測定したところ、89.5ミクロンのD(0.9)および14.2ミクロンのD(0.1)を有し、平均粒子径が約60ミクロンであることが示された。これは1.26のスパンに相当する。
追加の充填材分画Bを含んだ第1ペーストの調製
UK221581
遊星混合機を用いて、実施例1からのペースト200グラムを、実施例2からのシラン化ガラス分画B 160グラムと50℃で混合した。15分間混合した後、このペーストは合着塊を生成した。これを切り分け、混合ポットに広げ、さらに15分間混合した。ペースト塊を再び切り分け、混合ポットに広げ、15分間混合したが、今回は最後の10分間に220ミリバールの真空を適用した。得られたペーストを冷却すると、合計86重量%の充填材を含んでいるにもかかわらず、実施例1からの元のペーストよりわずかに硬いだけであった。このペーストの特性を測定し、表1に示す。
追加の充填材分画Bを含んだ第2ペーストの調製
UK221591
実施例3からのペースト(342グラム)に、実施例3に示した手順を用いて、実施例2の分画Bからのシラン化ガラス13グラムを加えた。このペーストは合計86.5%の充填材を含んでいた。特性を測定し、結果を表1に示す。
追加の充填材分画Bを含んだ第3ペーストの調製
UK221592
実施例4からのペースト(293グラム)に、実施例3に示した手順を用いて、実施例2の分画Bからのシラン化ガラス12グラムを加えた。このペーストは合計87.0%の充填材を含んでいた。特性を測定し、結果を表1に示す。
追加の充填材分画Bを含んだ第4ペーストの調製
UK221592
実施例5からのペースト(265グラム)に、実施例3に示した手順を用いて、実施例2の分画Bからのシラン化ガラス10グラムを混合した。このペーストは合計87.5%の充填材を含んでいた。特性を測定し、結果を表1に示す。
追加の充填材分画Bを含んだ第5ペーストの調製
UK221593
実施例6からのペースト(235グラム)に、実施例3に示した手順を用いて、実施例2の分画Bからのシラン化ガラス10グラムを混合した。このペーストは合計88.0%の充填材を含んでいた。特性を測定し、結果を表1に示す。
追加の充填材分画Aを含んだ第1ペーストの調製
UK221511
遊星混合機を用いて、実施例1からのペースト100グラムを、実施例2からのシラン化ガラス分画A 158.3グラムと、50℃で混合した。15分間混合した後、このペーストは合着塊を生成した。これを切り分け、混合ポットに広げ、さらに15分間混合した。ペースト塊を再び切り分け、混合ポットに広げ、15分間混合したが、今回は最後の10分間に220ミリバールの真空を適用した。このペーストは合計90%の充填材を含んでいたが、乾燥し過ぎて硬過ぎると判断された。したがって、実施例1からのペースト10グラムをさらに加え、上記に概略を述べた混合手順を反復した。得られたペーストは合計89.6重量%の充填材を含んでいた。このペーストの特性を測定し、それを表1に示す。
追加の充填材分画Aを含んだ第2ペーストの調製
UK221541
実施例6からのペースト(233.7グラム)を、遊星混合機内で50℃に温めた。実施例2からのシラン化分画A(10.31グラム)を加え、実施例3で概略を述べた混合手順を実施した。このペーストは合計89%の充填材を含んでいた。ペーストの特性を測定し、それを表1に示す。
追加の充填材分画Aを含んだ第3ペーストの調製
UK221542
実施例7からのペースト(199グラム)を、遊星混合機内で50℃に温めた。実施例2からのシラン化分画A(14.96グラム)を加え、実施例3で概略を述べた混合手順を実施した。このペーストは合計88.6%の充填材を含んでいた。ペーストの特性を測定し、それを表1に示す。
球状粒子を有する追加の充填材分画を含んだペーストの調製
UK221671
40〜70ミクロンの範囲の粒子径および約0.5の粒子径スパンを有する球状ガラスビーズを、酢酸で酸性化した水中のメタクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル(ガラスの重量の1%)溶液を用いて室温でスラリー化することによってシラン化した。1時間後、ガラス球をろ過して除き、85℃のオーブン内で36時間乾燥した。実施例3の手順に従って、実施例1からのペースト200グラムを、これらのシラン化した球222グラムと混合した。得られたペーストは、88%のきわめて高い合計固体充填材含量を含んでいるにもかかわらず、実施例3からのペーストよりわずかに硬く感じるだけであった。特性を測定し、結果を表1に示す。このペーストのショアA硬度の値は、出発ペーストの値より、2種のペーストの固体充填材含量が13%だけ異なっているにもかかわらず、3単位高いだけであることは注目に値する。
球状粒子を有する追加の充填材分画を含んだ第2ペーストの調製
UK221681
実施例11からのペースト(382グラム)を、他のシラン化ガラス球(34.4グラム)と実施例3に記載のように混合した。結果は硬いペーストであったが、それにもかかわらずスパチュラで容易に扱え、臨床的に歯の表面に適応可能である。特性を測定し、結果を表1に示す。
球状および不規則形の両方の粒子を有する追加の充填材分画を含んだ第2ペーストの調製
UK221722
充填材分画Bを、実施例で使用した同重量の球状充填材と混合した。実施例3の方法を用いて、合計充填材88.5重量%を含んだペーストを作製した。特性を表1に示す。
狭い粒子径分布を有する球状粒子を含んだ追加の分画を有する第3ペーストの調製
25.2ミクロンの平均径、36.2ミクロンのD(v,0.9)、および16.8ミクロンのD(v,0.1)(スパン=0.8)を有する球状ガラスビーズを、実施例11の通りにシラン化した。これらの球を、実施例1の樹脂混合物(13.2部)、0.8ミクロンの平均粒子径を有するガラス粉末(36.8部)、および0.8ミクロンの平均段粒子径を有するフッ化ストロンチウム(2.7部)と遊星混合機内で均一なペーストが得られるまで混合した。特性を測定し、表に示す。
狭い粒子径分布を有する球状粒子を含んだ追加の分画を有する第4ペーストの調製
17.7ミクロンの平均径、29.6ミクロンのD(v,0.9)、および10.4ミクロンのD(v,0.1)(スパン=1.08)を有する球状ガラスビーズを、実施例11の通りにシラン化した。これらの球を、実施例1の樹脂混合物(13.6部)、および0.8ミクロンの平均粒子径を有するガラス粉末(37.95部)と遊星混合機内で均一なペーストが得られるまで混合した。特性を測定し、表に示す。
広い粒子径分布を有する追加の充填材を用いた比較例1
UK221631
実施例2で使用したガラス粉末を取り、250ミクロンのふるいを通過させて粗い粒子を除去した。Malvern Mastersizer S 2.10を用いて粒子径を測定して、132.4ミクロンのD(0.9)および2.0ミクロンのD(0.1)を有し(3.3のスパンに相当する)、平均粒子径が約39.3ミクロンであることが分かった。これを実施例2に記載のようにシラン化した。シラン化ガラス粉末(100グラム)を、実施例3で前述した混合手順を用いて、実施例1からのペースト(200グラム)に加えた。得られたペーストは、合計83.1%の充填材を含んでおり、非常に硬いペーストであった。さらに、上記シラン化ガラス粉末10グラムを加え、混合手順を反復した。得られたペーストは、合計83.7%の充填材を含んでおり、乾燥してもろく、辛うじて合着していた。これ以上のガラスを加えて、なお結合力の強いペーストを得ることは不可能であった。特性を測定し、結果を表1に示す。このペーストは、非常に硬いので歯科用注入器から押し出すことはできなかった。
押出力の測定
先端部内径が2mmの歯科用注入器(Hawe−Neos Dental社、CH−6934 Bioggio、スイス、商品番号436)に試験する材料を充填した。注入器および内容物を23℃に平衡にさせた後、注入器を万能材料試験器(Zwick)に取付け、分当たり28mmの定速度で、ピストンを注入器内に押し込むことにより材料を押し出した。ピストンにかかる力、すなわち押出力を書きとめた。各材料に対して少なくとも3測定値をとり、平均押出力を計算した。さらに注入器を手動で試験し、ペーストを注入器から押し出す能力を必要とした手の力から判定した。
降伏強度の測定
ISO 9917 7.4節に記載のように、内径4mm高さ6mmの金型を使用して、試験片を調製した。測定するペーストを形に満たし、ポリエステル箔を被せ、過剰の材料を押し出すために金属プレートを押し付けた。次いで、この材料を、600〜700mW/cmの出力を持つ歯科用硬化ランプ(Spectrum Lite、Dentsply社)を用いて各々の端から40秒間硬化させた。試験片付きの形を、形の先端で滑らかな表面レベルが得られまで炭化ケイ素紙(600グリット)で擦り、次いで硬化した試験片を形から取り出した。試験片を37℃の水中に24時間貯蔵してから、万能材料試験器(Zwick)で1mm/分のクロスヘッド速度で試験した。各試験片の応力ひずみ曲線を調べ、本質的には、初めの直線部分、次いで最終の破壊点につながる曲線部とからなることが判明した。曲線の直線部分は材料の弾性のある性質に対応するのに対して、曲線部分は塑性流動に対応する。応力ひずみ曲線が直線から最初にそれる点の力を降伏点とした。降伏点はMpa単位で表わされ、ニュートン単位の降伏力を試験片の横断面積で除して計算する。各材料に対して5個の試験片の平均値を計算した。
Figure 2005511527
表1
表1から、実施例1の従来のペーストは、わずか154MPaの降伏強度、63.7のビッカース硬度、2.6%の体積収縮、および92ニュートンの歯科用注入器からの押出力を有していることが分かる。したがって、このペーストは、歯科用注入器から容易に押し出されるが、許容できない程高い収縮、ならびに低い表面硬度および低い降伏強度を有し得る。
比較実施例1のように、3.3のスパンの従来の広い粒子径分布を有する追加の充填材を加えることにより充填材の添加量を増加させた場合、降伏強度が改善され、収縮が2%未満に低下したが、表面硬度はほとんど変化せず、ペーストが硬く、もはや歯科用注入器から押出しことができなくなった。
一方、本発明の範囲に含まれる実施例3、4、5、6、7、14、および15からの配合物は、改善された降伏強度、改善された表面硬度、低下した体積収縮を有し、また歯科用注入器から押出し可能である。
したがって本発明は、別の方法では不可能な、降伏強度、表面硬度および歯科用注入器からの押出適性に必要とされる最適な特性を有するペーストの配合物を可能にする。異なる粒子径の測定方法で異なる結果が得られるが、本発明で示されている値は、ふるいわけまたはMalvern Mastersizer S バージョン2,10レーザー回折粒子径分析器を使用することにより決定された。

Claims (17)

  1. a)少なくとも1種の重合性単量体、
    b)0.1〜5ミクロンの間の平均粒子径を有する第1固体充填材成分、
    c)第1固体充填材成分の平均粒子径の少なくとも10倍を超える平均粒子径、および1.5未満の粒子径スパンを有する第2固体充填材成分
    からなる口腔内または口腔外用歯科用修復材料。
  2. a)少なくとも1種の重合性単量体、
    b)0.1〜5ミクロンの間の平均粒子径を有する第1固体充填材成分、
    c)第1固体充填材成分の平均粒子径の少なくとも20倍を超える平均粒子径、および1.5未満の粒子径スパンを有する第2固体充填材成分
    からなる口腔内または口腔外用歯科用修復材料。
  3. 第2充填材の粒子径スパンが1.3未満である請求項1に記載の材料。
  4. 第2充填材の粒子径スパンが1.3未満である請求項2に記載の材料。
  5. 第2充填材成分中の粒子の70パーセントが、その平均径の75〜125パーセントの範囲内にある請求項1に記載の材料。
  6. 第2充填材成分中の粒子の80パーセントが、その平均径の75〜125パーセントの範囲内にある請求項1に記載の材料。
  7. 前記重合性単量体を約5〜25重量パーセント含む請求項1に記載の材料。
  8. 前記重合性単量体を約10〜15重量パーセント含む請求項1に記載の材料。
  9. 硬化した材料のビッカース硬度が80を超え、降伏強度が少なくとも180MPaである請求項1に記載の材料。
  10. 硬化した材料のビッカース硬度が90を超え、降伏強度が少なくとも180MPaである請求項1に記載の材料。
  11. 固体充填材成分の少なくとも1つがフッ化物含有ガラスを含む請求項1に記載の材料。
  12. 固体充填材成分の1つの少なくとも一部が球状または実質的に球状の粒子を含む請求項1に記載の材料。
  13. 第1または第2固体充填材がフッ化物含有ガラスを含む請求項1に記載の材料。
  14. 固体充填材の少なくとも1つの分画がフッ化物含有ガラスを含む、球状または実質的に球状の粒子を含む請求項1に記載の材料。
  15. 約1〜100nmの平均粒子径を有する固体充填材を0〜5パーセントの間でさらに含む請求項1に記載の材料。
  16. 2mmの先端部直径を持つ歯科用注入器からの材料の押出力が300ニュートン未満である請求項1に記載の材料。
  17. 2mmの先端部直径を持つ歯科用注入器からの押出力が300ニュートン未満である請求項1に記載の材料。
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