JP2005510480A - 2−ヒドロキシメチル−クロマンの立体選択的合成方法 - Google Patents

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    • C07D311/58Benzo[b]pyrans, not hydrogenated in the carbocyclic ring other than with oxygen or sulphur atoms in position 2 or 4

Abstract

式(II)[式中、R、R1、R2およびR3は明細書における定義と同じである]で示される2−ヒドロキシメチル−クロマンの立体選択的合成法が提供される。式(II)で示される化合物は、式(I)[式中、R0は明細書における定義と同じである]で示される光学活性ベンゼン化合物を使用して製造される。式(II)で示される2−ヒドロキシメチル−クロマン化合物は、種々の医薬剤を製造するための中間体として有用である。
【化1】
Figure 2005510480

【化2】

Description

発明の分野
本発明は2−ヒドロキシメチル−クロマンの立体選択的製造方法に関する。
発明の背景
種々の2−イルクロマン誘導体は医薬剤のような種々の薬剤の合成における中間体として使用されてきた。例えば、米国特許第5,371,094号には、中枢神経系の疾患を抑制するのに有用な一連のアザヘテロサイクリルメチル−クロマン類の製造における2−イルメチルクロマン誘導体の使用が開示されている。また、例えば、米国特許第5,318,988号には、式:
Figure 2005510480
で示される化合物を製造するための式:
Figure 2005510480
または
Figure 2005510480
[式中、Mは、クロリド、ブロミド、ヨージド、トシラート、メシラートまたはトリフラートのような典型的な離脱基を表し、Eは、直接結合、またはフェニルによって置換されていてもよい、炭素原子10個までを有するアルキレンもしくはアルケニレンを表し、Gは、1個またはそれ以上の環を含む置換されていてもよい環状または複素環状の基を表す]
で示される2−イルクロマン誘導体の使用が開示されている。これらの化合物は、中枢神経系の疾患と戦うのに有用であることが開示されている。
これらの特許に開示されているクロマン誘導体の製造方法は非立体選択的であり、慣用方法によるジアステレオマーの単一立体異性体成分への分離を必要とする。立体選択的である、2−イルクロマン誘導体の効率的な生成方法を提供することが望ましい。
非立体選択的手段における2−イルクロマン誘導体の製造方法は公知である。例えば、Ellis, G.P., in Heterocyclic Compounds, Vol.31, chapter entitled“Chromenes, Chromenones, and Chromones”, John Wiley & Sons, NY (1977)には、このような非立体選択的方法の例が記載されている。
2−イルクロマン誘導体の立体選択的製造方法を提供することが望ましい。
発明の概要
本発明は、(a)式(I)
Figure 2005510480
[式中、
0は、水素または酸素保護基であり、
Rは、酸素保護基または水素であるか、またはOR基は離脱基であり、
1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C7アルケニル基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するカルボアルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、R1、R2またはR3のうち2つが一緒になって5員〜7員の飽和、部分飽和、不飽和または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成する(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを有していてもよいか、ii)カルボニル基2個までを環構成員として有していてもよいか、または、iii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から各々独立して選択されるR5置換基1〜2個によって置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)のいずれかの組み合わせであってよい)]
で示される光学活性ベンゼン化合物を準備すること;
(b)R0がHではない場合、式(I)のOR0を脱保護して式(IA)
Figure 2005510480
で示されるフェノール化合物を生成すること;および
(c)少なくとも1つが立体特異的環化反応である1つまたはそれ以上の反応において式(IA)で示されるフェノールを反応させて、式(II)
Figure 2005510480
で示される2−ヒドロキシメチル−クロマンを形成すること
を含む、2−ヒドロキシメチルクロマンの立体選択的合成方法を提供する。
一の実施態様において、式(I)および(IA)のRが水素である場合、2−ヒドロキシメチルクロマンは、式(IA)で示されるフェノールを臭化水素および酢酸で処理して式(2b)
Figure 2005510480
[式中、Acはアシル基である]
で示される臭素化合物を生成すること;および式(2b)で示される臭素化合物を立体特異的環化反応において塩基で処理することを含む1つまたはそれ以上の反応によって形成される。
別の実施態様において、式(I)および(IA)のRが酸素保護基であるか、または式(I)および(IA)のOR基が離脱基である場合、2−ヒドロキシメチルクロマンが、式(IA)で示されるフェノールをトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルで処理することを含む立体特異的環化反応によって形成される。
本発明のさらに別の実施態様において、式(I)で示される化合物は、式(1e)
Figure 2005510480
で示されるブテン化合物をオスミウム触媒化不斉ジヒドロキシル化して式(IB)
Figure 2005510480
で示される化合物を生成すること[式中、R0、R1、R2およびR3は上記定義と同じである]を含む反応によって形成される。
本発明は、下記式(II)
Figure 2005510480
[式中、
Rは、酸素保護基または水素であるか、またはOR基は離脱基であり、
1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C7アルケニル基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するカルボアルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、トリフルオロメチルもしくはトリフルオロメトキシのような過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、
1、R2またはR3のうち2つが一緒になって5員〜7員の飽和、部分飽和、不飽和または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成する(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを有していてもよいか、ii)カルボニル基2個までを環構成員として有していてもよいか、または、iii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から各々独立して選択されるR5置換基1〜2個によって置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)のいずれかの組み合わせであってよい)]
で示される2−ヒドロキシメチルクロマンの立体選択的製造方法に関する。
本発明の方法は、出発物質として式(I)
Figure 2005510480
[式中、R0は、水素または酸素保護基であり、R、R1、R2およびR3は上記定義と同じである]
で示される光学的活性ベンゼン化合物を必要とする。以下にさらに詳細に記載するように、式(I)で示されるベンゼン化合物またはこの化合物の誘導体を立体特異的環化反応において反応させて式(I)で示される2−ヒドロキシメチルクロマンを形成する。
本明細書で使用する「立体選択的」とは、1つの立体異性体が他のものよりも優先的に形成される反応を意味する。好ましくは、本発明の方法は、少なくとも約30%、より好ましくは、少なくとも約40%、最も好ましくは、少なくとも約50%のエナンチオマー過剰率を有する2−ヒドロキシメチル−クロマンを製造する。ここで、エナンチオマー過剰率とはラセミ化合物に対する単一エナンチオマーの過剰率モル%のことである。
本明細書で使用する「立体特異的」とは、立体配置のみが異なる出発物質を立体異性体的に別個の生成物に変換する反応を意味する。例えば、立体特異的反応において、出発物質がエナンチオ的に純粋(エナンチオマー過剰率「ee」100%)である場合、最終生成物もまたエナンチオ的に純粋となるであろう。同様に、出発物質が50%のエナンチオマー過剰率を有する場合、最終生成物もまた、50%エナンチオマー過剰率を有するであろう。
本明細書で使用する「光学活性」とは、キラル分子の非ラセミ混合物を意味する。化学式中で用いられる「*」は、光学活性をもたらすキラル炭素を示す。
本明細書で使用する場合、他に指摘しない限り、例えば、アルキル、アルカン、アルケニル、アルコキシ、カルボアルコキシまたはアルカンアミド基のようなアルキルまたはアルケニル基を含有する基は、分枝鎖状であっても、または直鎖状であってもよく、アルキル/アルケニル鎖中に炭素原子7個までを含有する。アルケニル基は、他に指摘しない限り、一不飽和であっても、多価不飽和であっても、または完全不飽和であってもよい。シクロアルキルは、炭素原子3〜8個を有する炭素環を意味する。芳香族およびアリールは、フェニルのような5員〜7員芳香族炭素環を意味する。芳香族複素環およびヘテロアリールは、独立して、N、OまたはSであってもよいヘテロ原子1または2個を有する5員〜7員芳香環を意味する。アシルは、炭素原子2〜7個を有するアルカノイル基を意味する。アルキル、アルケニル、シクロアルキル芳香族、芳香族複素環、アリールまたはヘテロアリール基を含有する基は、以下に定義するように置換されていてもよい。例えば、アルキル基は、モノ−もしくはジフルオロメチルまたはモノ−もしくはジフルオロメトキシのようにハロゲン化されていてもよい。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
本明細書で使用する「置換されている」なる用語は、ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から独立して選択される置換基1〜約5個、より好ましくは、1〜約3個を有するアリールまたはアルキル基のような基を表す。好ましい置換基は、ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、またはC1〜C6アルコキシ基である。
本明細書で使用する「酸素保護基」なる用語は、−OH基を保護するために使用されるいずれもの基を表す。ミツノブ反応条件のようなアルコールが通常反応する反応条件に対して比較的不活性のいずれもの基を使用し得る。本発明において有用な好ましい酸素保護基の例としては、アルキル基;ベンジルもしくは2−ニトロベンジルのようなアリール基;またはt−ブチルジメチルシリルもしくはトリエチルシリルのようなシリル基が挙げられ、保護された酸素基として対応するエーテルを形成する。また、酸素保護基は、例えば、アリールまたはアルキルカルボニル基であってもよく、保護された酸素基としてアセテートまたはピバロエートのようなアリールまたはアルキルエステルとなる。当業者は、T.W. Green and P.G.M. Wuts: Protective Groups in Organic Synthesis, Second Edition (Wiley, NY, 1991)(出典明示により全記載内容を本明細書の記載とする)に記載されているもののような他の適当な酸素保護基を同定することができるであろう。
本明細書で使用する「離脱基」なる用語は、求核置換または脱離しやすい基または原子を表す。典型的には、これらは、求核置換または脱離により除去された場合に陰イオン形態で安定である原子または基である。本発明において有用な離脱基の例としては、トシラート、ブロシラート、メシラートまたはノシラートのようなアルキル−またはアリールスルホネート基、またはクロリド、ブロミドまたはヨージドのようなハライドが挙げられる。ハライド離脱基の場合、「OR」基全体がハライドと置き換えられる。トシラート、または4−メチルベンゼンスルホネートは、本発明の実施において特に好ましい離脱基である。
「離脱基試薬」または「酸素保護基試薬」なる用語は、ヒドロキシル基を保護するかまたは置き換えるために使用される反応体を表す。例えば、該試薬であるp−トルエンスルホニルクロリドを使用してヒドロキシル基をトシラート基と置き換えることができる。また、例えば、該試薬である臭化ベンジルを使用してベンジルエーテル保護基を得ることができる。
出発の式(I)で示される光学活性ベンゼン化合物は、得られる化合物が光学活性である限り当業者に公知のいずれもの方法によって製造され得る。好ましくは、本発明の方法で準備される式(I)で示される光学活性ベンゼン化合物は、少なくとも約30%、より好ましくは、少なくとも約40%、最も好ましくは、少なくとも約50%のエナンチオマー過剰率を有するであろう。
式(I)で示されるベンゼン化合物の好ましい製造方法を下記スキームIに例示する:
Figure 2005510480
スキームIに関して、サリチルアルデヒド(1a)中に存在するフェノールの保護は、当業者に公知のいずれもの酸素保護試薬を使用して行うことができる。好ましい実施態様においては、該サリチルアルデヒドを炭酸カリウムのような塩基の存在下にて酸素保護試薬である臭化ベンジルで処理して対応するベンジルエーテル(1b)を形成する。次いで、当業者に公知のいずれもの技術を使用して、該ベンジルエーテル(1b)上のアルデヒド基を少なくとも1つが分子内アリル化反応である1つまたはそれ以上の反応においてブテニル基に変換して2−ブテニルフェノール誘導体(1e)を形成する。スキームIに示される好ましい実施態様においては、当業者に公知のいずれもの技術を使用してベンジルエーテル(1b)のアルデヒド基を還元して式(1c)で示されるベンジルアルコールを生成する。好ましい実施態様においては、この還元は、水素化ホウ素ナトリウムを用いて行われる。次いで、当業者に公知の技術を使用してベンジルアルコール(1c)をベンジルブロミド(1d)に変換する。好ましくは、この変換は、四臭化炭素およびトリフェニルホスフィンを使用して行われる。次いで、該ベンジルブロミド(1d)を付加反応において臭化マグネシウムアリルと反応させて2−ブテニルフェノール誘導体(1e)を得る。別法として、例えば、化合物(1b)のアルデヒド基上に直接アリル化反応を行い(示されていない)、次いで、得られたアルコールを還元して2−ブテニルフェノール誘導体(1e)を形成することができる。フェノール誘導体(1e)上のブテニル基は、以下にさらに記載する不斉ジヒドロキシル化工程のための基質として役立つ。
記載したとおり、2−ブテニルフェノール誘導体(1e)を触媒化不斉ジヒドロキシル化反応において反応させて式(IB)で示される光学活性ブタンジオールを形成させる。当業者は、非ラセミ形態のビシナルジオールを導入するのに種々の方法があることということを認識するであろう。好ましい実施態様において、シャープレス触媒不斉ジヒドロキシル化(Sharpless Catalytic Assymmetric Dihydroxylation)反応が使用される。該シャープレス触媒不斉ジヒドロキシル化反応は、当該技術分野において知られており、オレフィンを、さらなる合成に必要な性質を有する予測できる非ラセミ形態のビシナルジオールに変換することを可能にする。例えば、この反応は、立体選択的な方法でジオールを形成するための適当な反応条件下でオレフィン、キラルリガンド、有機溶媒、水、オスミウム触媒およびオキシダントを組み合わせることにより行われ得る。この反応で使用されるキラルリガンド、オスミウム触媒およびオキシダントは、商業上、混合物として入手され得る。好ましい実施態様において、ミズーリ州セントルイスにあるシグマ−アルドリッチ(Sigma-Aldrich)により供給されるジヒドロキニジンリガンドを含有するAD−mix−αまたはジヒドロキニンリガンドを含有するAD−mix−βが使用される。当業者は、他のキラルリガンドを使用することができ、この選択が所望のエナンチオ選択性に左右されるであろうということを認識するであろう。シャープレス触媒不斉反応を行うための他の適当な反応条件の例は、例えば、国際特許出願国際公開番号WO91/16322、およびKolb et al., Catalytic Asymmetric Dihydroxylation, Chem. Rev. 94, p.2483-2547 (1994) による論文に開示されている。出典明示によりこれらの文献の全記載内容を本明細書の記載とする。
次いで、所望により、(IB)の光学活性ブタンジオールを適当な離脱基試薬または酸素保護基試薬と反応させてブタンジオールの第一−OHを置き換えるかまたは保護し、RがHまたは酸素保護基であってもよいか、または「OR」基が離脱基であってもよい式(I)で示されるベンゼン化合物を形成することができる。
次いで、式(I)で示される光学活性ベンゼン化合物を以下の方法で反応させて式(II)で示される2−ヒドロキシメチルクロマンを形成する。R0がHではない場合、以下にさらに詳細に記載する環化反応の前に、ベンゼン化合物の−OR0基を慣用技術に従って脱保護して−OHを形成しなければならない。脱保護の後、得られた式(IA):
Figure 2005510480
で示されるフェノールを、少なくとも1つが立体特異的環化反応である1つまたはそれ以上の反応で反応させて、式(II)で示される光学活性2−ヒドロキシメチルクロマンを形成する。かくして、立体特異的環化反応により、ジヒドロキシル化工程において確立された不斉(例えば、エナンチオマー過剰率%)が2−ヒドロキシメチル−クロマン生成物において保存される。好ましくは、本発明の方法は、少なくとも約30%、より好ましくは、少なくとも約40%、最も好ましくは、少なくとも約50%のエナンチオマー過剰率を有する式(II)で示される2−ヒドロキシメチル−クロマンを提供する。
当業者は、式(IA)で示されるフェノールを用いて出発する立体特異的環化反応を行うための種々の方法があることを認識するであろう。例えば、Rが酸素保護基であるか、または、−ORが離脱基である場合、環化は、例えば、ミツノブ反応条件下にて、立体特異的分子内脱水反応を使用して行われ得る。RがHである場合、環化は、まず、式(IA)で示されるフェノールを臭化水素のようなハロゲン化水素および酢酸のようなカルボン酸で処理し、得られた化合物を塩基で環化することにより行われ得る。
環化反応スキームの一の好ましい実施態様を下記スキームIIに例示する。RがHである式(II)で示される化合物が得られる。
Figure 2005510480
スキームIIに示される実施態様において、式(IB)のR0が酸素保護基である場合、OR0は慣用技術を使用して脱保護される。例えば、R0がベンジルである場合、10重量%のパラジウム−活性炭で水素化分解することにより脱保護を行って式(2a)で示されるトリオールを形成することができる。次いで、該トリオールを30%臭化水素の酢酸中溶液で処理して、式(2b)で示される第一臭化物の形成に有利なアセトキシブロミドの位置異性体混合物を得ることができる。2−ヒドロキシメチル−クロマンを得るための式(2b)で示されるブロミド化合物の環化は、適当な塩基、好ましくは、水酸化カリウムもしくは水酸化ナトリウムまたは炭酸カリウムの如きアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または炭酸塩のような無機塩基の存在下にて行われ得る。該反応は、適当な溶媒、好ましくは、アルコール溶媒(メタノールまたはエタノール)、ジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフランのような極性の溶媒中にて行われ得る。好ましい実施態様において、環化反応は、0℃でメタノール中にて水酸化ナトリウム水溶液を用いて行われる。得られた2−ヒドロキシメチル−クロマン(2c)は、エナンチオマーの混合物で構成されており、式(IB)で示されるブタンジオール化合物を形成するために用いられるジヒドロキシル化反応の元の立体選択性を反映している。
環化反応スキームの別の実施態様を下記スキームIIIに例示する。
Figure 2005510480
この実施態様において、適当な酸素保護基または離脱基によるビシナルジオールの化学選択的保護により式(II)で示される2−ヒドロキシメチル−クロマン化合物を製造することができる。例えば、R0が酸素保護基である式(IB)で示されるブタンジオール化合物を当業者に公知の反応条件下にて酸素保護基試薬または離脱基試薬で処理して、R4が酸素保護基であるか、または、OR4が離脱基である式(3a)で示される化合物を形成する。次いで、慣用技術を使用してOR0を脱保護する。例えば、R0がベンジルである場合、10重量%のパラジウム−活性炭を使用して水素化分解することにより脱保護を行って式(3b)で示されるフェノールを形成することができる。次いで、式(3b)で示されるフェノールを立体特異的分子内脱水反応させて、式(3c)で示される光学活性2−ヒドロキシメチル−クロマンを得る。好ましい実施態様において、脱水反応は、ミツノブ反応条件下、例えば、トリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルの存在下にて、行われる。当業者は、この立体特異的脱水反応を行うための他の適当な反応条件を認識するであろう。例えば、Mitsunobu, The Use of Diethyl Azodicarboxylate and Triphenylphosphine in Synthesis and Transformation of Natural Products, Synthesis, pages 1 to 28, (1981);およびJ. Dodge, et al., Advances In The Mitsunobu Reaction For The Stereochemical Inversion Of Hindered Secondary Alcohols, Recent Research Developments in Organic Chemistry (1) p.273-283 (1997) による論文は、多くの他の適当な反応条件を提供している。出典明示によりこれら2つの論文の全記載内容を本明細書の記載とする。
最後の工程では、式(3c)で示される化合物を当業者に公知の反応条件下にて変換させてRがHである式(II)で示される化合物を得ることができる。最後の工程を行わず、Rが酸素保護基であるか、または、「OR」が離脱基である式(II)で示される化合物を得ることもできる。
下記スキームIVは、R4がトシラートである場合のスキームIIIに例示されるタイプの実施態様を例示する。生成物はRがトシラートである式(II)で示される化合物である。好ましい実施態様において、ブタンジオールをピリジンのような反応溶媒中にてp−トルエンスルホニルクロリドで処理することによりモノ−トシラート化する。残りの反応工程はスキーム(III)における記載に従って行われる。
Figure 2005510480
当業者は、上記から判断して、触媒または溶媒が本発明の方法の反応工程に含まれる場合、本明細書に記載されていないが当該技術分野で公知の他の触媒または溶媒を使用することができると考えられることを容易に認識するであろう。さらにまた、当業者は、本明細書に記載される反応が、本明細書における教示を当業者に利用可能な知識と合わせて使用して種々の反応条件下にて行うことができることを認識するであろう。例えば、本発明の方法に従って、種々の反応温度、圧力、溶媒、触媒および装置を使用することができる。また、例えば、実施例に記載した方法はバッチであるが、それらを半連続または連続操作に適用することができることが意図される。
上記したとおり、本発明の方法の使用は、2−ヒドロキシメチル−クロマンの立体選択的合成を可能にする。この方法は、反応シーケンスの容易さ、および出発サリチルアルデヒドの入手性により、光学活性2−ヒドロキシメチル−クロマンの実用的な製造方法となる。従前に開示された製造法を超える本発明の方法を使用することの利益としては、1)中枢神経系の疾患の治療に使用される、2−アミノメチル−および2−アザヘテロサイクリルメチル−クロマンの製造において使用される2−ヒドロキシメチル−クロマンの一般的な合成に対して効率的な経路;2)分割および/または精製工程を用いない単一のエナンチオマーの製造方法が挙げられる。
上記のとおり、2−ヒドロキシメチル−クロマンをさらに反応させて種々の有用な医薬剤を製造することができる。例えば、2−ヒドロキシメチル−クロマンをさらに反応させて、中枢神経系の疾患の治療に有用な2−アミノメチル−または2−アザヘテロサイクリルメチル−クロマン化合物を形成することができる。これらのクロマンの合成方法は、例えば、米国特許第5,371,094号および第5,318,988号ならびに上記論文Ellis“Chromenes, Chromenones and Chromones”に開示されている(出典明示により全記載内容を本明細書の記載とする)。
以下の非限定的実施例は、本発明の方法を実施するための方法、および本発明の他の態様、およびそれにより得られる結果を記載および例示している。本発明の種々の態様の説明およびそのための実際的な手順は共に適宜記載されている。これらの実施例は、単に本発明を例示するものであり、本発明を開示した化合物および手順に限定するものではない。当業者に明白なバリエーションおよび変更は、本発明の範囲および性質の範囲内であるとする。
実施例1
工程1: 2−(ベンジルオキシ)−1−(3−ブテニル)−3−メトキシベンゼン
[2−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]メタノール(14.82g、60.7mmol)の0℃のジクロロメタン(500mL)中溶液に四臭化炭素(26.16g、78.9mmol)を添加し、次いで、トリフェニルホスフィン(19.09g、72.8mmol)を滴下し、該反応混合物を15分間撹拌する。該反応を水(500mL)の添加によりクエンチし、ジクロロメタン(400mL)で抽出する。合わせた有機層を水(400mL)、塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製固体を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:9))により精製して無色の油状物18.46gを得、これをテトラヒドロフラン(500mL)に溶解する。該溶液を0℃に冷却し、臭化マグネシウムアリル(ジエチルエーテル中1.0M、121.4mL、121.4mmol)を滴下し、該反応混合物を室温で12時間撹拌する。該反応を塩化アンモニウム水溶液(200mL)および水(300mL)の添加によりクエンチし、ジエチルエーテル(3×250mL)で抽出する。合わせた有機層を水(400mL)、塩化ナトリウム(500mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:20))により精製して、無色油状物として2−(ベンジルオキシ)−1−(3−ブテニル)−3−メトキシベンゼン13.84g(85%)を得る。Rf=0.62(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(3:2));C18202・0.25H2Oについての分析:理論値:C,79.23;H,7.57。測定値:C,79,02;H,7.47。
工程2: (2S)−4−[2−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−1,2−ブタンジオール
AD−mix−α(63.28g)の0℃に冷却した水:tert−ブチルアルコール(1:1、300mL)中懸濁液に2−(ベンジルオキシ)−1−(3−ブテニル)−3−メトキシベンゼン(12.13g、45.2mmol)の水:tert−ブチルアルコール(1:1、300mL)中溶液を、添加漏斗を介してゆっくりと添加する。該反応混合物を室温で12時間撹拌する。該反応混合物を亜硫酸ナトリウムの添加によりクエンチする。該反応混合物を水(500mL)および酢酸エチル(500mL)で希釈する。水性相を分取し、酢酸エチル(2×200mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を塩化ナトリウム水溶液(400mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(4:1))により精製して、無色油状物として(2S)−4−[2−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−1,2−ブタンジオール12.57g(92%、ee40%)を得る。[α]25 D=−3.04(メタノール中c10.2、ee40%);Rf=0.72(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(4:1));C18224・0.1H2Oについての分析:理論値:C,71.08;H,7.36。測定値:C,70.95;H,7.33。
工程3: 2−((3S)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−3−ヒドロキシブチル)−6−メトキシフェノール
(2S)−4−[2−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−1,2−ブタンジオール(8.00g、26.5mmol)の0℃に冷却したN,N−ジメチルホルムアミド(250mL)中溶液にtert−ブチル−ジメチルシリルクロリド(4.39g、29.1mmol)、次いで、イミダゾール(2.16g、31.8mmol)を添加し、該反応混合物を室温で4時間撹拌する。該反応混合物を水(500mL)および酢酸エチル(200mL)で希釈する。水性相を分取し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を塩酸(200mL)、水(4×200mL)、塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。該残留物をエタノール(300mL)に溶解し、パラジウム−炭(10重量%、1.00g)を添加し、該反応混合物をH2雰囲気(50psi)下にて6時間振盪する。該反応混合物を濾過し(セライト)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:4))により精製して、無色油状物として2−((3S)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−3−ヒドロキシブチル)−6−メトキシフェノール7.33g(85%、ee40%)を得る。これは放置すると結晶化する。Rf=0.53(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:4));融点44〜46℃;C17304Siについての分析:理論値;C,62.54;H,9.26。測定値:C,62.41;H,9.19。
工程4: tert−ブチル(ジメチル)シリル[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メチルエーテル
2−((3S)−4−{[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}−3−ヒドロキシブチル)−6−メトキシフェノール(6.90g、21.1mmol)の0℃に冷却したトルエン(250mL)中溶液にトリフェニルホスフィン(6.10g、23.2mmol)を添加し、次いで、アゾジカルボン酸ジエチル(4.05g、23.2mmol)を滴下する。該反応混合物を室温で15分間撹拌する。該反応混合物を水(300mL)の添加によりクエンチする。水性層を分取し、ジエチルエーテル(2×150mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を水(200mL)、塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:4))により精製して、無色油状物としてtert−ブチル(ジメチル)シリル[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メチルエーテル4.94g(76%、ee40%)を得る。[α]25 D=−25.84(クロロホルム中c10.82、ee40%);Rf=0.68(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:4));C17283Si・0.1H2Oについての分析:理論値:C,65.8,H,9.16。測定値:C,65.75;H,8.88。
実施例2
[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メタノール
方法A: (2S)−4−[2−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−1,2−ブタンジオールから
(2S)−4−[2−(ベンジルオキシ)−3−メトキシフェニル]−1,2−ブタンジオール(12.00g、39.7mmol)のエタノール(400mL)中溶液にパラジウム−炭(10重量%、1.2g)を添加し、該反応混合物をH2雰囲気(50psi)下にて12時間振盪する。該反応混合物を濾過し(セライト)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。残留物を臭化水素(酢酸中30重量%、200mL)に溶解し、該反応混合物を0℃で2時間撹拌する。該反応混合物を水(500mL)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(3×200mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を水(3×200mL)、塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。残留物をメタノール(100mL)に溶解し、得られた溶液を水酸化ナトリウム水溶液(2.5M、150mL)の水(350mL)中溶液に添加し、該反応混合物を0℃で30分間撹拌する。該反応混合物を塩酸(1.0M、500mL)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(3×200mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を水(2×200mL)、塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:1))により精製して白色結晶質固体として[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メタノール5.38g(70%、ee40%)を得る。[α]25 D=−60.51(クロロホルム中c9.62、ee40%);Rf=0.52(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:1));融点65〜69℃;C11143についての分析:理論値:C,68.02;H,7.27。測定値:C,67.92;H,7.30。
方法B: tert−ブチル(ジメチル)シリル[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メチルエーテルから
tert−ブチル(ジメチル)シリル[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メチルエーテル(4.50g、14.6mmol)の0℃のテトラヒドロフラン(150mL)中溶液に過剰のテトラブチルアンモニウムフルオリド(テトラヒドロフラン中1.0M)を添加し、該反応混合物を22℃で30分間撹拌する。溶媒を真空除去し、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:1))により精製して、白色結晶質固体として[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メタノール2.49g(88%、ee40%)を得る。
実施例3
[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メチル4−メチルベンゼンスルホネート
[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メタノール(5.00g、25.7mmol)のジクロロメタン(250mL)中溶液にp−トルエンスルホニルクロリド(9.82g、51.5mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.62g、5.15mmol)、およびN,N−ジイソプロピル−エチルアミン(8.32g、64.4mmol)を添加し、該反応混合物を50℃に12時間加熱する。該反応混合物を水(500mL)の添加によりクエンチする。水性層を分取し、ジクロロメタン(200mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を塩酸(1.0M、200mL)、水(200mL)、塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製固体を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(2:3))により精製して、白色結晶質固体として[(2R)−8−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル]メチル4−メチルベンゼンスルホネート6.45g(72%、ee40%)を得る。[α]25 D=−20.30(クロロホルム中c13.1,ee40%);Rf=0.71(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(2:3);融点115〜117℃;C18205Sについての分析:理論値:C,62.05;H,5.79。測定値:C,61.99;H5.81.
実施例4
工程1: [1−(ベンジルオキシ)−2−ナフチル]メタノール
1−(ベンジルオキシ)−2−ナフトアルデヒド(7.00g、26.7mmol)の0℃のメタノール(250mL)中溶液に水素化ホウ素ナトリウム(1.51g、40.0mmol)を添加し、該反応混合物を室温で24時間撹拌する。溶媒を真空除去して粗製固体を得、これを酢酸エチル(300mL)と水(300mL)との間で分配させる。有機層を分取し、水(300mL)、塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、シリカのプラグ(10cm×5cm)で濾過する。溶媒を真空除去して、白色の結晶質固体として[1−(ベンジルオキシ)−2−ナフチル]メタノール6.98g(99%)を得る。Rf=0.36(シリカ、ジクロロメタン:ヘキサン(3:2));融点85〜87℃。C18162についての分析:理論値;C,81.24;H,6.14。測定値:C,81.03;H,5.98。
工程2: (2S)−4−[1−(ベンジルオキシ)−2−ナフチル]−1,2−ブタンジオール
[1−(ベンジルオキシ)−2−ナフチル]メタノール(7.22g、27.3mmol)の0℃のジクロロメタン(300mL)中溶液に四臭化炭素(9.95g、30.0mmol)を添加し、次いで、トリフェニルホスフィン(7.52g、28.7mmol)を滴下し、該反応混合物を15分間撹拌する。該反応を水(300mL)の添加によりクエンチし、ジクロロメタン(200mL)で抽出する。合わせた有機層を水(200mL)、塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製固体を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:9))により精製して無色油状物8.57g(96%)を得、これをテトラヒドロフラン(300mL)に溶解する。該溶液を0℃に冷却し、臭化マグネシウムアリル(ジエチルエーテル中1.0M、39.3mL、39.3mmol)を滴下し、該反応混合物を室温で12時間撹拌する。該反応を塩化アンモニウム水溶液(100mL)および水(200mL)の添加によりクエンチし、ジエチルエーテル(2×150mL)で抽出する。合わせた有機層抽出物を水(400mL)、塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:20))により精製して無色油状物5.74g(76%)を得、これを水:tert−ブチルアルコール(1:1、100mL)に溶解し、AD−mix−α(27.87g)の水:tert−ブチルアルコール(1:1、200mL)中懸濁液に添加漏斗を介して添加し、該反応混合物を0℃で12時間撹拌する。該反応混合物を亜硫酸ナトリウムの添加によりクエンチする。該反応混合物を水(300mL)および酢酸エチル(200mL)で希釈する。水性相を分取し、酢酸エチル(2×150mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を塩化ナトリウム水溶液(250mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(4:1))により精製して、無色油状物として(2S)−4−[1−(ベンジルオキシ)−2−ナフチル]−1,2−ブタンジオール5.39g(84%、ee50%)を得る。[α]25 D=−3.94(メタノール中c19.31、ee50%);Rf=0.56(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(4:1));C21223・0.25CH3CO225についての分析:理論値:C,76.72;H,7.02。測定値:C,76.31;H,7.00。
工程3: (2S)−4−(1−ヒドロキシ−2−ナフチル)−1,2−ブタンジオール
(2S)−4−[1−(ベンジルオキシ)−2−ナフチル]−1,2−ブタンジオール(5.63g、17.5mmol)のエタノール(150mL)中溶液にパラジウム−炭(10重量%、0.56g)を添加し、該反応混合物をH2雰囲気(50psi)下にて6時間振盪する。該反応混合物を濾過し(セライト)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(4:1))により精製して、無色油状物として(2S)−4−(1−ヒドロキシ−2−ナフチル)−1,2−ブタンジオール3.81g(94%、ee50%)を得る。これは放置すると結晶化する。[α]25 D=+11.93(クロロホルム中c10.06、ee50%);Rf=0.50(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(4:1));融点105〜108℃;C14163についての分析:理論値:C,72.39;H,6.94。測定値:C,72.20;H,7.18。
工程4: (2R)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[h]クロメン−2−イルメタノール
(2S)−4−(1−ヒドロキシ−2−ナフチル)−1,2−ブタンジオール(3.50g、15.1mmol)を臭化水素(酢酸中30重量%、100mL)に溶解し、該反応混合物を0℃にて2時間撹拌する。該反応混合物を水(500mL)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(3×200mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を水(3×200mL)、塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。該残留物をメタノール(100mL)に溶解し、得られた溶液を水酸化ナトリウム水溶液(2.5M、150mL)の水(350mL)中溶液にゆっくりと添加し、該反応混合物を0℃で30分間撹拌する。該反応混合物を塩酸(1.0M、500mL)の添加によりクエンチし、酢酸エチル(3×200mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を水(2×200mL)、塩化ナトリウム水溶液(300mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製油状物を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:1))により精製して、無色油状物として(2R)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[h]クロメン−2−イルメタノール5.38g(70%、ee50%)を得る。[α]25 D=−51.23(クロロホルム中c11.58、ee50%);Rf=0.52(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(1:1));C14142・0.25H2Oについての分析:理論値:C,76.86;H,6.68。測定値:C,76.47;H,6.38。
実施例5
(2R)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[h]クロメン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート
(2R)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[h]クロメン−2−イルメタノール(0.90g、4.22mmol)のジクロロメタン(50mL)中溶液にp−トルエンスルホニルクロリド(1.61g、8.44mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(0.10g、0.84mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.20g、9.28mmol)を添加し、該反応混合物を50℃に12時間加熱する。該反応混合物を水(100mL)の添加によりクエンチする。水性層を分取し、ジクロロメタン(100mL)で抽出する。合わせた有機抽出物を塩酸(1.0M、100mL)、水(100mL)、塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ(硫酸マグネシウム)、溶媒を真空除去して粗製固体を得る。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(2:3))により精製して白色固体として(2R)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[h]クロメン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート1.20g(77%、ee50%)を得る。[α]25 D=−10.23(クロロホルム中c10.16、ee50%);Rf=0.68(シリカ、酢酸エチル:ヘキサン(2:3));融点107〜111℃;C21204Sについての分析:理論値:C,68.46;H,5.47。測定値:C,68.10;H,5.27。
実施例6
工程1: 6−アリル−5−(ベンジルオキシ)キノリン
6−アリルキノリン−5−オールをN,N−ジメチルホルムアミド中にて炭酸カリウムおよび臭化ベンジルで処理し、次いで、水性後処理し、酢酸エチルで抽出して6−アリル−5−(ベンジルオキシ)キノリンを得る。
工程2: 5−(ベンジルオキシ)−6−[(1E)−プロパ−1−エニル]キノリン
6−アリル−5−(ベンジルオキシ)キノリンのジクロロメタン中還流溶液をビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)で処理し、次いで、溶媒を除去し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して5−(ベンジルオキシ)−6−[(1E)−プロパ−1−エニル]キノリンを得る。
工程3: 5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−カルバルデヒド
塩化メチレン中の5−(ベンジルオキシ)−6−[(1E)−プロパ−1−エニル]キノリンを過剰のオゾンで−78℃にて処理し、次いで、ジイソプロピルエチルアミンを添加し、水性後処理し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−カルバルデヒドを得る。
工程4: [5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−イル]メタノール
5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−カルバルデヒドを、実施例4の工程1に記載の手順に従ってメタノール中にて水素化ホウ素ナトリウムで処理して[5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−イル]メタノールを得る。
工程5: 5−(ベンジルオキシ)−6−ブタ−3−エニルキノリン
[5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−イル]メタノールを、実施例1の工程1に記載の手順に従ってジクロロメタン中にて四臭化炭素およびトリフェニルホスフィンで処理し、次いで、テトラヒドロフラン中にて臭化マグネシウムアリルで処理して5−(ベンジルオキシ)−6−ブタ−3−エニルキノリンを得る。
工程6: (2S)−4−[5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−イル]ブタン−1,2−ジオール
5−(ベンジルオキシ)−6−ブタ−3−エニルキノリンを、実施例1の工程2に記載の手順に従ってAD−mix−αの水:tert−ブチルアルコール中懸濁液に添加して(2S)−4−[5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−イル]ブタン−1,2−ジオールを得る。
工程7: (2S)−4−[5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−イル]−2−ヒドロキシブチル4−メチルベンゼンスルホネート
(2S)−4−[5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−イル]ブタン−1,2−ジオールをピリジン中にてp−トルエンスルホニルクロリドで処理し、次いで、水性後処理し、酢酸エチルで抽出し、次いで、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して(2S)−4−[5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−イル]−2−ヒドロキシブチル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
工程8: (2S)−2−ヒドロキシ−4−(5−ヒドロキシキノリン−6−イル)ブチル4−メチルベンゼンスルホネート
(2S)−4−[5−(ベンジルオキシ)キノリン−6−イル]−2−ヒドロキシブチル4−メチルベンゼンスルホネートを、実施例9に記載の手順に従ってエタノール中にてパラジウム−炭(10重量%)で処理して(2S)−2−ヒドロキシ−4−(5−ヒドロキシ−キノリン−6−イル)ブチル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。
工程9: (2R)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネート
(2S)−2−ヒドロキシ−4−(5−ヒドロキシキノリン−6−イル)ブチル4−メチルベンゼンスルホネートを、実施例4の手順に従ってトルエン中にてトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルで処理して(2R)−3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−f]キノリン−2−イルメチル4−メチルベンゼンスルホネートを得る。

Claims (16)

  1. (a)式(I)
    Figure 2005510480
    [式中、
    0は、水素または酸素保護基であり、
    Rは、酸素保護基または水素であるか、またはOR基は離脱基であり、
    1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C7アルケニル基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するカルボアルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、R1、R2またはR3のうち2つが一緒になって5員〜7員の飽和、部分飽和、不飽和または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成する(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを有していてもよいか、ii)カルボニル基2個までを環構成員として有していてもよいか、または、iii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルコキシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から各々独立して選択されるR5置換基1〜2個によって置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)のいずれかの組み合わせであってよい)]
    で示される光学活性ベンゼン化合物を準備すること;
    (b)R0がHではない場合、式(I)のOR0を脱保護して式(IA)
    Figure 2005510480
    で示されるフェノール化合物を生成すること;および
    (c)少なくとも1つが立体特異的環化反応である1つまたはそれ以上の反応において式(IA)で示されるフェノールを反応させて、式(II)
    Figure 2005510480
    で示される2−ヒドロキシメチル−クロマンを形成すること
    を含む、2−ヒドロキシメチルクロマンの立体選択的合成方法。
  2. 式(I)および(IA)のRが水素であり;
    立体特異的環化反応の前に式(IA)で示されるフェノールを臭化水素および酢酸で処理して式(2b)
    Figure 2005510480
    [式中、Acはアシル基である]
    で示される臭素化合物を生成し;
    立体特異的環化反応が式(2b)で示される臭素化合物を塩基で処理することを含む、
    請求項1記載の方法。
  3. 式(I)および(IA)のRが酸素保護基であるか、または、式(I)および(IA)のOR基が離脱基であり、立体特異的環化反応が式(IA)で示されるフェノールをトリフェニルホスフィンおよびアソジカルボン酸ジエチルで処理して式(II)で示される化合物を生成することを含む、請求項1記載の方法。
  4. ORがトシラートである、請求項3記載方法。
  5. 式(I)で示される化合物が、式(1e)
    Figure 2005510480
    で示されるブテン化合物をオスミウム触媒化不斉ジヒドロキシル化して式(IB)
    Figure 2005510480
    で示される化合物を生成すること[式中、R0、R1、R2およびR3は請求項1における定義と同じである];および
    0がHではない場合、式(I)のOR0を脱保護してもよいこと;
    さらに、式(I)のOR0基を脱保護する前に、式(IB)で示される化合物を離脱基試薬または酸素保護基試薬で処理して式(3a)
    Figure 2005510480
    [式中、R4は酸素保護基であるか、または、OR4基は離脱基である]
    で示される化合物を形成してもよいこと
    を含む1つまたはそれ以上の反応によって形成される、請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
  6. 式(1e)で示されるブテン化合物が、式(1b)
    Figure 2005510480
    で示される化合物から、少なくとも1つが分子内アリル化反応である1つまたはそれ以上の反応において形成される、請求項5記載の方法。
  7. 少なくとも約30%のエナンチオマー過剰率を有する式(I)で示される化合物が準備される、請求項1〜6いずれか1項記載の方法。
  8. 形成された式(II)で示される2−ヒドロキシメチル−クロマンが少なくとも約30%のエナンチオマー過剰率を有する、請求項1〜6いずれか1項記載の方法。
  9. 式(II)で示される2−ヒドロキシメチル−クロマンをさらに反応させて2−アミノメチル−クロマン化合物またはアザヘテロサイクリルメチルクロマン化合物を形成する、請求項1〜8いずれか1項記載の方法。
  10. a)式(2a)
    Figure 2005510480
    で示される光学活性トリオール化合物を臭化水素および酢酸で処理して式(2b)
    Figure 2005510480
    [式中、Acはアシルである]
    で示される光学活性化合物を形成すること;および
    b)式(2b)で示される化合物を塩基で処理して、式(2c)
    Figure 2005510480
    [式中、R1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C7アルケニル基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するカルボアルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、R1、R2またはR3のうち2つが一緒になって、5員〜7員の飽和、部分飽和、不飽和、または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成する(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを環原子として有していてもよいか;ii)カルボニル基2個までを環構成員として有していてもよいか;またはiii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルキコシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から独立して選択されるR5置換基1〜2個により置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)の組み合わせであってもよい)]
    で示される光学活性化合物を立体特異的に生成すること
    を含む、2−ヒドロキシメチル−クロマンの合成方法。
  11. さらに、式(IB)
    Figure 2005510480
    [式中、R0は酸素保護基を表し、R1、R2およびR3は請求項10における定義と同じである]
    で示されるブタンジオールを脱保護してR0をHに置き換えることを含む反応により式(2a)で示されるトリオール化合物を生成することを含む、請求項10記載の方法。
  12. a)式(3a)
    Figure 2005510480
    で示される光学活性化合物を脱保護してR0をHに置き換え、式(3b)
    Figure 2005510480
    で示されるフェノール化合物を生成すること[式中、
    0は酸素保護基であり;
    4は、酸素保護基であるか、またはOR4基は離脱基であり;
    1、R2およびR3は、独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、カルボキシル、アシルもしくはカルボキサミド基、C1〜C6アルキル基、O、NもしくはSから独立して選択されるヘテロ原子2個までを環構成員として有していてもよい5員〜7員芳香族基、C5〜C7員アリールオキシ基、C1〜C6アルコキシ基、C2〜C7アルケニル基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するカルボアルコキシ基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカンスルホンアミド基、アルキル鎖中に炭素原子1〜6個を有するアルカノイルオキシ基、過ハロゲン化C1〜C6アルキルもしくはアルコキシ基、アミノ基、またはアルキル鎖1つにつき炭素原子1〜6個を有するモノ−もしくはジ−アルキルアミノから選択されるか、または、R1、R2またはR3のうち2つが一緒になって5員〜7員の飽和、部分飽和、不飽和、または芳香族炭素環式または架橋炭素環式環を形成する(ここで、該環は、i)S、NまたはOから選択される環原子2個までを環原子として有していてもよいか;ii)カルボニル基2個までを環構成員として有していてもよいか;またはiii)ハロゲン原子、シアノ、ニトロもしくはヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6アルキコシ基、C3〜C6シクロアルキル基、N、OもしくはSから選択される環原子1〜2個を有していてもよい5員〜7員芳香族基、または炭素原子5〜7個を有するスピロ形態の炭素環から各々独立して選択されるR5置換基1〜2個により置換されていてもよいか、またはi)、ii)またはiii)の組み合わせであってもよい];および
    b)式(3b)で示されるフェノール化合物をトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジエチルで処理して、式(3c)
    Figure 2005510480
    [式中、R1、R2、R3およびR4は上記定義と同じである]
    で示される光学活性クロマン化合物を立体特異的に生成すること
    を含む、2−ヒドロキシメチル−クロマンの合成方法。
  13. 式(3a)で示される化合物が、式(IB)
    Figure 2005510480
    [式中、R0、R1、R2およびR3は請求項12における定義と同じである]
    で示される化合物を離脱基試薬または酸素保護基試薬で処理することを含む反応により形成される、請求項12記載の方法。
  14. OR4がトシラートであり、試薬がp−トルエンスルホニルクロリドである、請求項13記載の方法。
  15. さらに、式(3c)で示されるクロマン化合物を処理してR4をHに置き換えるかまたはOR4をOHに置き換えることを含む、請求項12〜14いずれか1項記載の方法。
  16. 式(II)で示される2−ヒドロキシメチル−クロマンをさらに反応させて2−アミノメチル−クロマン化合物またはアザヘテロサイクリルメチルクロマン化合物を形成する、請求項10〜15いずれか1項記載の方法。

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