JP2002293782A - 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法 - Google Patents

1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法

Info

Publication number
JP2002293782A
JP2002293782A JP2001099430A JP2001099430A JP2002293782A JP 2002293782 A JP2002293782 A JP 2002293782A JP 2001099430 A JP2001099430 A JP 2001099430A JP 2001099430 A JP2001099430 A JP 2001099430A JP 2002293782 A JP2002293782 A JP 2002293782A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
carbon atoms
producing
catechol
benzodioxane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001099430A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiro Furukawa
喜朗 古川
Daisuke Fukumoto
大輔 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Soda Co Ltd
Original Assignee
Daiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiso Co Ltd filed Critical Daiso Co Ltd
Priority to JP2001099430A priority Critical patent/JP2002293782A/ja
Publication of JP2002293782A publication Critical patent/JP2002293782A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の工業的製
法 【解決手段】 下記式(2)で示されるカテコ−ル誘導
体と下記式(3)で示されるグリシジル誘導体とを含水
溶媒中、塩基と相間移動触媒存在下に反応させることを
特徴とする下記式(1)で示される1,4−ベンゾジオ
キサン誘導体の製法。 【化1】 (R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、
水酸基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、飽和も
しくは不飽和のアルキル基などを意味し、Xはハロゲン
原子を意味する。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、αおよびβアドレ
ナリン拮抗作用を有する循環器疾患治療薬並びに精神神
経疾患治療薬などの医薬品中間体として有用な1,4−
ベンゾジオキサン誘導体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,4−ベンゾジオキサン誘導体は、α
およびβアドレナリン拮抗作用を有する循環器疾患治療
薬並びに精神治療薬などの合成中間体として用いられて
いる。従来の大部分の方法は、出発原料から3ないし5
という多段階反応で、途中、中間体を単離したり、各工
程で反応溶媒を置き換えたり、非常に煩雑な方法であ
る。一方、1段階法としては、例えば、カテコ−ルとグ
リシジルトシレ−トとをDMF中、炭酸カリウムの存在
下に反応させる方法(Tetrahedron Letters, 29, 3671,
1988)、カテコ−ルとグリシジルトシレ−トとをDM
F中、水素化ナトリウムの存在下に反応させる方法(J.
Med. Chem., 32, 1402, 1989)、 カテコ−ル誘導体と
エピクロロヒドリンとを水酸化ナトリウム水溶液中、8
0℃で反応させる方法(J. Med. Chem., 30, 49, 198
7)、カテコ−ル誘導体とグリシジル3−ニトロベンゼ
ンスルホン酸エステルとを塩基の存在下に反応させる方
法(特開平10−45746)などが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記カテコ−ル誘導体
とグリシジルトシレ−トとをDMF中、水素化ナトリウ
ムの存在下に反応させる方法は1,4−ベンゾジオキサ
ン類の収率が低い(21%)。また上記カテコ−ル誘導
体とエピクロロヒドリンとを水酸化ナトリウム水溶液中
80℃で反応させる方法は、光学活性なエピクロロヒド
リンを用いた場合、ラセミ化が進行するため光学活性な
1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造するには有用な
方法ではない。また上記カテコ−ル誘導体とグリシジル
トルエンスルホン酸エステルあるいはグリシジル3−ニ
トロベンゼンスルホン酸エステルとをDMF中炭酸カリ
ウム存在下に反応させる方法は、1段階で1,4−ベン
ゾジオキサン誘導体が得られるものの、高価なグリシジ
ルトルエンスルホン酸エステルやグリシジル3−ニトロ
ベンゼンスルホン酸エステルを使用しなければならず経
済的ではない。これらの方法は、上述の通り、工業的に
問題となる点が多く、より優れた製造方法の開発が求め
られている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の欠点に
鑑み、1,4−ベンゾジオキサン誘導体の改良製造方法
を見出すべく鋭意検討した結果、カテコ−ル誘導体とエ
ピハロヒドリンとを含水溶媒中、塩基存在下反応させる
に際し、相間移動触媒を添加してこれを行うと、所望の
1,4−ベンゾジオキサン誘導体が1段階で製造しうる
ことを見出し、本発明を完成した。本発明は、下記式
(2)で示されるカテコ−ル誘導体と下記式(3)で示
されるエピハロヒドリンとを含水溶媒中、塩基存在下に
反応させ下記式(1)で示される1,4−ベンゾジオキ
サン誘導体を製造する方法において、相間移動触媒を添
加して反応させることを特徴とする下記式(1)の1,
4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法に関する。
【0005】
【化4】
【0006】上記式(1)および(2)中、R1、R2
3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ホ
ルミル基、ヒドロキシカルボニル基、炭素数1〜4の飽
和もしくは不飽和のアルキル基、非置換もしくは炭素数
1〜4のアルキル基置換フェニル基で置換した炭素数1
〜4のアルキル基、炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和
のアルコキシ基、非置換もしくは炭素数1〜4のアルキ
ル基置換フェニル基で置換した炭素数1〜4のアルコキ
シ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、アルキル部分が
炭素数1〜4のN,N−ジアルキルアミノ基、アルキル
部分が炭素数1〜4のアルキルカルボニル基、アラルキ
ル基で保護されたアミノ基、および非置換もしくは炭素
数1〜4のアルキル基で置換したフェニル基から選ばれ
た原子または基を意味し、またはR1、R2およびR3
いずれか2個が一緒になって隣接する炭素上に結合した
メチレンジオキシ基を意味し、またはR1、R2およびR
3のいずれか2個が隣接する炭素上に結合したフェニル
基を意味し、そして上記式(3)中、Xはハロゲン原子
を意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明をより詳細に説明す
る。
【0008】本発明によれば、上記式(2)で示される
カテコ−ル誘導体と上記式(3)で示されるエピハロヒ
ドリンとを含水溶媒中、塩基と相間移動触媒存在下に反
応させることにより上記式(1)で示される1,4−ベ
ンゾジオキサン誘導体を製造することができる。
【0009】上記カテコ−ル誘導体(2)におけるベン
ゼン環上の置換基(R、R、R )は、エピハロヒ
ドリン(3)と反応せず、そして本反応中、加水分解を
受けない基であればいかなる基でもよいが、好ましい基
としては、水素原子は勿論、ハロゲン原子、ニトロ基、
ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、炭素数1〜4の
飽和もしくは不飽和のアルキル基、非置換もしくは炭素
数1〜4のアルキル基置換フェニル基で置換した炭素数
1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の飽和もしくは不飽
和のアルコキシ基、非置換もしくは炭素数1〜4のアル
キル基置換フェニル基で置換した炭素数1〜4のアルコ
キシ基、炭素数1〜4のハロアルキル基、アルキル部分
が炭素数1〜4のN,N−ジアルキルアミノ基、アルキ
ル部分が炭素数1〜4のアルキルカルボニル基、アラル
キル基で保護されたアミノ基、および非置換もしくは炭
素数1〜4のアルキル基で置換したフェニル基、または
1、R2およびR3のいずれか2個が一緒になって隣接
する炭素上に結合したメチレンジオキシ基、または
1、R2およびR3のいずれか2個が隣接する炭素上に
結合したフェニル基が挙げられる。
【0010】上記カテコ−ル誘導体(2)の具体的化合
物としては、カテコ−ル、3−クロロカテコ−ル、4−
クロロカテコ−ル、3−ブロモカテコ−ル、4−ブロモ
カテコ−ル、3−ヨ−ドカテコ−ル、4−ヨ−ドカテコ
−ル、3−ニトロカテコ−ル、4−ニトロカテコ−ル、
3−ホルミルカテコ−ル、4−ホルミルカテコ−ル、3
−メチルカテコ−ル、4−メチルカテコ−ル、3−ブチ
ルカテコ−ル、3−ベンジルカテコ−ル、4−ベンジル
カテコ−ル、3−アリルカテコ−ル、4−アリルカテコ
−ル、3,5−ジメチルカテコ−ル、3−ブチル−5−
メチルカテコ−ル、3−メトキシカテコ−ル、4−メト
キシカテコ−ル、3−ブトキシカテコ−ル、3−アリル
オキシカテコ−ル、4−アリルオキシカテコ−ル、3−
ベンジルオキシカテコ−ル、4−ベンジルオキシカテコ
−ル、3−クロロメチルカテコ−ル、4−クロロメチル
カテコ−ル、3−ブロモメチルカテコ−ル、4−ブロモ
メチルカテコ−ル、3−(1−クロロブチル)カテコ−
ル、3−(3−ブロモブチル)カテコ−ル、3−ジメチ
ルアミノカテコ−ル、4−ジメチルアミノカテコ−ル、
3−ジブチルアミノカテコ−ル、4−ジブチルアミノカ
テコ−ル、3−アセチルカテコ−ル、4−アセチルカテ
コ−ル、3−エチルカルボニルカテコ−ル、4−ブチル
カルボニルカテコ−ル、3−フェニルカテコ−ル、4−
フェニルカテコ−ル、3−(4−メチルフェニル)カテ
コ−ル、4−(4−メチルフェニル)カテコ−ル、1,
2−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナ
フタレン、3,4−メチレンジオキシカテコ−ル、4,
5−メチレンジオキシカテコ−ル、4,5−ジヒドロキ
シ−2,3−ジヒドロ−2−オキシインド−ル、5,6
−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−
オキシキノリンなどが挙げられる。
【0011】カテコ−ル誘導体(2)の使用量は、エピ
ハロヒドリン(3)に対して0.5〜3当量であり、好
ましくは0.8〜1.2当量である。使用量が3当量を
越えても差支えないが経済的ではない。また使用量が
0.5当量より少ないと反応が完結せず、高価な光学活
性体のエピハロヒドリンを用いた場合では、過剰のエピ
ハロヒドリンが塩基により分解されるので経済的ではな
い。
【0012】エピハロヒドリン(3)の置換基Xとして
は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子が挙げられ、好ましくは塩素原子および臭素原子であ
る。
【0013】上記エピハロヒドリン(3)の具体例とし
ては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピ
ヨードヒドリンが挙げられ、このうち、エピクロロヒド
リンが安価で特に好ましく用いられる。
【0014】本反応に用いられる相間移動触媒として
は、第4級アンモニウム塩またはホスホニウム塩が好ま
しく、第4級アンモニウム塩が特に好ましく用いられ
る。上記第4級アンモニウム塩またはホスホニウム塩
は、例えば下記式(4):
【化5】R4567 (4) で表すことができる。式中、Qは窒素原子またはりん原
子であり、R、R、R、Rは同一または異なっ
て、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数2〜16アル
ケニル基、アリ−ル基またはアラルキル基を表し、Yは
塩素、臭素、ヨウ素、HSO−または水酸基を表す。
【0015】上記式(4)で表される第4級アンモニウ
ム塩またはホスホニウム塩の具体例としては、テトラメ
チルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウム
ブロミド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラ
エチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウ
ムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テト
ラブチルアンモニウムヨ−ダイド、トリブチルアンモニ
ウムヒドロサルフェ−ト、テトラオクチルアンモニウム
クロリド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、ベン
ジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメ
チルアンモニウムブロミド、ジアリルジメチルアンモニ
ウムクロリド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロ
キシド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、
セチルジメチルエチルアンモニウムブロミド、テトラメ
チルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウム
ブロミド、テトラエチルホスホニウムクロリド、テトラ
エチルホスホニウムブロミド、テトラブチルホスホニウ
ムクロリド、テトラブチルホスホニウムブロミド等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。またこ
れらのうち、第4級アンモニウム塩が好ましく用いられ
る。
【0016】相間移動触媒の使用量は、エピハロヒドリ
ン(3)に対して0.003〜0.1当量が好ましく、
より好ましくは0.004〜0.01当量である。0.
003当量より少ないと反応が完結せず、0.1当量を
越えても差支えないが経済的ではない。
【0017】本発明方法における反応温度は、−10℃
から還流温度であるが、好ましくは0℃から50℃であ
る。さらに好ましくは5℃から30℃である。低すぎる
と反応の進行が極めて遅く、高すぎると原料や生成物の
分解が起こり収率が低下する。更に、原料のエピハロヒ
ドリン(3)として光学活性なエピハロヒドリンを用い
た場合は、30℃を越えるとラセミ化が進行するため好
ましくない。
【0018】本発明方法においては光学活性なエピハロ
ヒドリン(3)を用いることにより、光学活性な1,4
−ベンゾジオキサン誘導体(1)を製造することができ
る。光学純度の高いエピハロヒドリン(3)を原料とし
て用いると、反応中顕著なラセミ化反応は起こらず、高
光学純度の1,4−ベンゾジオキサン誘導体(1)を製
造することができる。高光学純度98% ee以上のエピ
ハロヒドリン(3)は、例えば本出願人に係る特許番号
2894134号公報やWO97/26254号公報記
載の方法により得ることができる。以下、実施例により
本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。
【0019】
【実施例】実施例1 カテコ−ル 15.0g (136 mmol)を水 46.8gに
溶かし、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド
0.13g (0.68 mmol)を加え、NaOH 10.9g
(272 mmol)を含む水溶液43.6gを滴下し、室温で1
時間攪拌した。次に、ラセミ体のエピクロロヒドリン
16.4g (177 mmol)を滴下し、同温度で攪拌した。
反応終了後、5%HCl水溶液を加えて反応溶液を中和
し、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を硫酸マグネ
シウムで乾燥した後、減圧下濃縮乾固した。この残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル
=1:1)にて精製することにより、目的の2−ヒドロキ
シメチル−1,4−ベンゾジオキサン 14.5g (収
率 64.3%)を無色針状結晶として得た。
【0020】実施例2 カテコ−ル 15.0g (136 mmol)を水 46.8gに
溶かし、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド
0.13g (0.68 mmol)を加え、NaOH 10.9g
(272 mmol)を含む水溶液43.6gを滴下し、室温で1
時間攪拌した。次に内温を15℃とし、98.9% ee
の(S)−エピクロロヒドリン 16.4g(177 mmol)
を滴下し、同温度で攪拌した。反応終了後、5%HCl
水溶液を加えて反応溶液を中和し、酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減
圧下濃縮乾固した。残渣の光学純度を高速液体クロマト
グラフィ−によって分析の結果、98.9% eeであっ
た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、目的
の2−ヒドロキシメチル−1,4−ベンゾジオキサン
14.6g (収率 64.7%、光学純度 98.9% ee)を無色
針状結晶として得た。
【0021】実施例3 カテコ−ル 15.0g (136 mmol)を水 46.8gに
溶かし、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド
0.13g (0.68 mmol)を加え、NaOH 10.9g
(272 mmol)を含む水溶液43.6gを滴下し、室温で1
時間攪拌した。次に内温を15℃とし、98.9% ee
の(R)−エピクロロヒドリン 16.4g(177 mmol)
を滴下し、同温度で攪拌した。反応終了後、5%HCl
水溶液を加えて反応溶液を中和し、酢酸エチルで抽出し
た。酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減
圧下濃縮乾固した。残渣の光学純度を高速液体クロマト
グラフィ−によって分析の結果、98.6% eeであっ
た。この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−
(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、目的
の2−ヒドロキシメチル−1,4−ベンゾジオキサン
14.3g(収率 63.3%、光学純度 98.6% ee)を無色
針状結晶として得た。
【0022】実施例4 カテコ−ル 15.0g (136 mmol)を水 46.8gに
溶かし、テトラブチルアンモニウムクロリド 0.19
g (0.68 mmol)を加え、NaOH 10.9g (272 mmo
l)を含む水溶液43.6gを滴下し、室温で1時間攪拌
した。次に内温を15℃とし、98.9% eeの(S)
−エピクロロヒドリン 16.4g (177mmol)を滴下
し、同温度で攪拌した。反応終了後、5%HCl水溶液
を加えて反応溶液を中和し、酢酸エチルで抽出した。酢
酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃
縮乾固した。残渣の光学純度を高速液体クロマトグラフ
ィ−によって分析の結果、98.3% eeであった。こ
の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:
酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、目的の2−ヒ
ドロキシメチル−1,4−ベンゾジオキサン 14.1
g (収率 62.4%、光学純度 98.3% ee)を無色針状結晶
として得た。
【0023】比較例1(有機溶媒系、炭酸カリウム) 窒素雰囲気下、カテコ−ル 10.0g (90.8 mmol)を
DMF 30 mlに溶かし、炭酸カリウム 16.3g (1
18 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。次に、内温を
60℃とし、98.9% eeの(S)−エピクロロヒド
リン 10.9g(118 mmol)を加え、同温度で攪拌し
た。反応終了後、水を加えて、酢酸エチルで抽出した。
酢酸エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下
濃縮乾固した。残渣を高速液体クロマトグラフィ−によ
って分析の結果、25.9% eeであった。この残渣を
シリカゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル
=1:1)にて精製することにより、目的の2−ヒドロキ
シメチル−1,4−ベンゾジオキサン 4.16g (収
率 27.6%、光学純度 25.9% ee)を無色針状結晶として
得た。
【0024】比較例2(有機溶媒系、水素化ナトリウ
ム) 窒素雰囲気下、カテコ−ル 10.0g (90.8 mmol)を
DMF 30 mlに溶かし、0℃に冷却した。ヘキサンで
油分を洗浄した水素化ナトリウム 2.83g(62.5% in
oil, 118 mmol)を加えて1時間攪拌した。次に、内温
を60℃とし、98.9% eeの(S)−エピクロロヒ
ドリン 10.9g (118 mmol)を加え、同温度で攪拌し
た。反応終了後、氷水を加え、5% HCl水溶液で中
和し、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄した。酢酸
エチル層を硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮
乾固した。残渣を高速液体クロマトグラフィ−によって
分析の結果、6.97% eeであった。この残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィ−(ヘキサン:酢酸エチル=1:
1)にて精製することにより、目的の2−ヒドロキシメ
チル−1,4−ベンゾジオキサン 11.9g (収率 7
8.91%、光学純度 6.97%ee)を無色針状結晶として得
た。
【0025】
【発明の効果】本発明のワンステップによる1,4−ベ
ンゾジオキサン誘導体の製造法は、入手容易で安価な出
発原料を用いて簡便な操作で目的物を得ることができ、
光学活性な目的物も高光学純度で得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C022 LA02 4H039 CA42 CH10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(2): 【化1】 で示されるカテコ−ル誘導体と下記式(3): 【化2】 で示されるエピハロヒドリンとを、含水溶媒中、塩基存
    在下反応させ、下記式(1): 【化3】 で示される1,4−ベンゾジオキサン誘導体を製造する
    方法において、相間移動触媒を添加して反応させること
    を特徴とする上記式(1)の1,4−ベンゾジオキサン
    誘導体の製造法。ただし、上記式(1)および(2)
    中、R1、R2、R3はそれぞれ水素原子、ハロゲン原
    子、ニトロ基、ホルミル基、ヒドロキシカルボニル基、
    炭素数1〜4の飽和もしくは不飽和のアルキル基、非置
    換もしくは炭素数1〜4のアルキル基置換フェニル基で
    置換した炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4の飽
    和もしくは不飽和のアルコキシ基、非置換もしくは炭素
    数1〜4のアルキル基置換フェニル基で置換した炭素数
    1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のハロアルキル
    基、アルキル部分が炭素数1〜4のN,N−ジアルキル
    アミノ基、アルキル部分が炭素数1〜4のアルキルカル
    ボニル基、アラルキル基で保護されたアミノ基、および
    非置換もしくは炭素数1〜4のアルキル基で置換したフ
    ェニル基から選ばれた原子または基を意味し、またはR
    1、R2およびR3のいずれか2個が一緒になって隣接す
    る炭素上に結合したメチレンジオキシ基を意味し、また
    はR1、R2およびR3のいずれか2個が隣接する炭素上
    に結合したフェニル基を意味し、そして上記式(3)
    中、Xはハロゲン原子を意味する。
  2. 【請求項2】 相間移動触媒が第4級アンモニウム塩ま
    たはホスホニウム塩である請求項1に記載の1,4−ベ
    ンゾジオキサン誘導体の製造法
  3. 【請求項3】 相間移動触媒が第4級アンモニウム塩で
    ある請求項1に記載の1,4−ベンゾジオキサン誘導体
    の製造法。
  4. 【請求項4】 塩基がアルカリ金属の水酸化物、炭酸
    塩、または炭酸水素塩である請求項1−3のいずれかに
    記載の1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法。
  5. 【請求項5】 塩基がアルカリ金属の水酸化物である請
    求項1−3のいずれかに記載の1,4−ベンゾジオキサ
    ン誘導体の製造法。
  6. 【請求項6】 エピハロヒドリン(3)がエピクロロヒ
    ドリンまたはエピブロモヒドリンである請求項1−5の
    いずれかに記載の1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製
    造法。
  7. 【請求項7】 エピハロヒドリン(3)として光学活性
    なエピハロヒドリンを用いることによる光学活性な1,
    4−ベンゾジオキサン誘導体を製造する請求項1−6の
    いずれかに記載の1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製
    造法。
JP2001099430A 2001-03-30 2001-03-30 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法 Pending JP2002293782A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001099430A JP2002293782A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001099430A JP2002293782A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002293782A true JP2002293782A (ja) 2002-10-09

Family

ID=18952969

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001099430A Pending JP2002293782A (ja) 2001-03-30 2001-03-30 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002293782A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001316385A (ja) * 2000-03-03 2001-11-13 Daiso Co Ltd 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001316385A (ja) * 2000-03-03 2001-11-13 Daiso Co Ltd 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法
JP4572475B2 (ja) * 2000-03-03 2010-11-04 ダイソー株式会社 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7560575B2 (en) Process for preparation of racemic Nebivolol
EP1803716B1 (en) A process for preparation of racemic nebivolol
KR100383300B1 (ko) 1,4-벤조디옥산유도체의제조방법
JP2837606B2 (ja) グリシド誘導体の製造方法
JP2002293782A (ja) 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法
JP2894134B2 (ja) 光学活性エピクロルヒドリンの製造法
JP3348860B2 (ja) グリシジルエーテルの製造法
EP0930291B1 (en) Process for the preparation of 3-amino-2-hydroxy-1-propyl ethers
JP3489319B2 (ja) カルボン酸誘導体、その製造法および用途
JP2007297330A (ja) 2−メチルグリシジル誘導体の製造法
JP2005510480A (ja) 2−ヒドロキシメチル−クロマンの立体選択的合成方法
US7582781B2 (en) Optically active halohydrin derivative and process for producing optically active epoxy alcohol derivative from the same
JP2007291010A (ja) 光学活性2−メチルエピハロヒドリン等の製造法
WO2002038532A1 (fr) Derive d'amine optiquement actif et methode de synthese
US10526304B2 (en) Nebivolol synthesis method and intermediate compound thereof
WO1990007506A1 (en) Production of glycidyl ether
EP1508568B1 (en) Process for producing glycidyl ether
JPH0637482B2 (ja) 光学活性アテノロール及びその中間体の製法
JP4572475B2 (ja) 1,4−ベンゾジオキサン誘導体の製造法
RU2392277C2 (ru) Способ получения рацемического небиволола
JP4568002B2 (ja) 光学活性な2−フルオロ−1,3−ジオール誘導体およびその製造方法
KR100780538B1 (ko) 키랄 2-히드록시메틸-1,4-벤조디옥산 화합물의 제조방법
JP3272340B2 (ja) 1−[(シクロペント−3−エン−1−イル)メチル]−5−エチル−6−(3,5−ジメチルベンゾイル)−2,4−ピリミジンジオンの製造方法
JP3826425B2 (ja) 光学活性2−ニトロ−1,3−ジオール誘導体の製造方法
JP4001388B2 (ja) 3―アミノ―2―ヒドロキシ―1―プロピルエーテルの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060530

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061017