JP2005506379A5 - - Google Patents

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酢酸誘導体 発明の詳細な説明
本発明は、新規な置換酢酸誘導体、特に心臓血管系疾患、とりわけ異脂肪血症(dyslipidaemias)および冠状動脈性心疾患の予防および/または治療のためのPPAR−deltaを強く活性化する化合物、その製造方法およびその薬剤の使用に関する。
多くの成功した治療にもかかわらず、冠状動脈性心疾患(CHD)は、深刻な公衆衛生問題である。HMG−CoA リダクターゼを阻害するスタチン類で治療することにより、LDLコレステロール血漿濃度を際立って低下させ、その結果危険な患者の死亡率をかなり低下させることになるが、HDL/LDLコレステロールの比率が好ましくない患者および/または高トリグリセリド血症の患者には、効果的な適切な治療戦術がいままでのところまだ利用できる状況にない。
現在、フィブリン酸類がこれら危険なグループの患者の唯一の選択される治療である。これらは、ペルオキシーム増殖剤応答性受容体(PPAR)−αの弱いアゴニストである(Nature 1990, 347, 645-50)。これまで承認されてきたフィブリン酸類が不利な点は、レセプターとの相互作用がやや弱く、一日の量が高くなり、著しい副作用を引き起こすことである。
ペルオキシーム増殖剤応答性受容体(PPAR)−δ(Mol.Endocrinol.1992,6,1634-41)に関して、動物モデルにおいての最初の薬理学的発見は、効力が強いPPAR−δアゴニストによって、同様にHDL/LDLコレステロール比率および高トリグリセリド血症を改善しうることが判明したことである。
WO 00/23407は、肥満、動脈硬化症および/または糖尿病の治療のためのPPAR調節因子(modulator)を述べている。
本発明の目的は、PPAR−delta(δ)調整因子として適切な新規な化合物を提供するにある。
一般式(I)化合物およびその製薬学的に許容できる塩、水和物および溶媒和物が薬理学的に活性があり、医薬として使用することができ、さらに医薬製剤を製造するのに使用することができることがいまや見出された。
Figure 2005506379
(I),
[式中Aは、単結合(a bond)、−CH−もしくは−CHCH−基を示し;
XはOSまたはCHを示す;
、RおよびRは、同一または異なり、お互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロまたはシアノ基を示す;
は、水素または(C−C)−アルキルを示す;
およびRは水素またはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成する;
は、水素または(C−C)−アルキルを示す;
は、直鎖の(C−C10)アルキル、または式−(CH−E(式中Eは、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、カルボキシル、および(C−C)−アルコキシカルボニルからなる基から選択された同一または相異なる基によって4回まで置換されてもよい(C−C12)−シクロアルキルを示すか;または、(C−C)−アルキルからなる基から選択された同一または相異なる基によって2回まで置換されていてもよい、OおよびSからなる群から二つまでのヘテロ原子を有する4ないし8員環の複素環を示し、nは、01、または2を示す)を示す;
およびR10は同一または異なり、お互いに独立して、水素原子、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチルまたはハロゲンを示す;
11およびR12は、同一または異なり、お互いに独立して、水素原子、(C−C)−アルキルを示す;
13は、水素、または、対応するカルボン酸に分解しうる加水分解可能(hydrolysable)な基を示す]
本発明におけるR13の定義において、加水分解可能な基とは、特に体内で−C(O)OR13−基が、対応するカルボン酸(R13=水素)に変換される基を意味する。
そのような基としては、実施例および好ましい例から挙げると、ベンジル、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルであり、それらは、それぞれの場合において任意に、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C−C)−アルコキシ、カルボキシル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニルアミノ、または(C−C)−アルカノイルオキシからなる基から同一または相異なるモノあるいは多置換されるが、特に(C−C)−アルキルの場合は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C−C)−アルコキシ、カルボキシル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニルアミノ、または(C−C)−アルカノイルオキシからなる基から任意に同一または相異なるモノあるいは多置換される。
本発明における(C−C6)アルキル、(C−C)−アルキルおよび、(C−C)−アルキルは、炭素原子数がそれぞれ1から6、1から4、1から3である直鎖アルキルまたは、分岐したアルキル基を意味する。好ましい例としては、炭素原子1ないし4を有する直鎖または分枝状のアルキル基である。実施例および好ましい例から次のもの、すなわちメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル基をあげることができる。
本発明において、(C−C10)−アルキルとは、炭素原子5から10を有する直鎖アルキル基を示す。好ましい基は、炭素原子5から7を有する直鎖アルキル基である。次の基、すなわちn−ペンチル、n−ヘキシルおよびn−ヘプチル基を、実施例および好ましい例からあげることができる。
本発明において、(C−C12)シクロアルキルおよび(C−C)−シクロアルキルは、炭素原子数が3から12を有している単環式シクロアルキル基、二環式シクロアルキル基または三環式シクロアルキル基 (mono-,bi-or tricyclic cycloalkyl group)を、および炭素原子数が3から7を有している単環式シクロアルキル基、二環式シクロアルキル基をそれぞれ意味する。次の基、すなわちシクロブチル、シクロペンチル、クロヘキシル基を、実施例および好ましい例からあげることができる。
本発明における(C−C6)アルコキシ、(C−C)−アルコキシおよび、(C−C)−アルコキシは、炭素原子数がそれぞれ1から6、1から4、1から3である直鎖アルコキシ基または分枝アルコキシ基をそれぞれ意味する。好ましい基は、炭素原子1から4である直鎖または分枝状のアルコキシ基である。次の基、すなわちメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシ(n-hexoxy)基を、実施例および好ましい例からあげることができる。
本発明における(C−C)アルコキシカルボニルは、カルボニル基を介して結合している1から6の炭素原子を有する直鎖または分枝状のアルコキシ基を意味する。好ましい例は、炭素原子1から4まで直鎖または分枝状のアルコキシカルボニル基である。次の基、すなわちメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボル、およびt−ブトキシカルボニル基を、実施例および好ましい例からあげることができる。
本発明における(C−C)アルコキシカルボニルアミノは、炭素数1から6のアルコキシを有し、かつカルボニル基を介して結合している直鎖または分枝状のアルコキシカルボニル置換基を有しているアミノ基を意味する。好ましいものとしては、1から4の炭素原子を有するアルコキシカルボニルアミノ基である。次の基、すなわちメトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノおよびt−ブトキシカルボニルアミノ基を、実施例および好ましい例からあげることができる。
本発明における(C−C)アルカノイルオキシは、ひとつの位置で酸素原子が二重結合し、かつひとつの位置でさらに酸素原子を介して結合している、炭素数1から6の直鎖または分枝状のアルキル基を意味する。次の基、すなわちアセトキシ、プロピオニルオキシ、n−ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ピバロイルオキシ、n−ヘキサノイルオキシ基を実施例および好ましい基からあげることができる。
本発明におけるモノ−(C−C)アルキルアミノは、炭素数1から6の直鎖または分枝状アルキル置換基を有するアミノ基を意味する。好ましい例としては、炭素数1から4の直鎖または分枝状のモノアルキルアミノ基である。次の基、すなわちメチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノおよびn−ヘキシルアミノを実施例および好ましい例から挙げることができる。
本発明におけるジ−(C−C)アルキルアミノおよびジ−(C−C)アルキルアミノは、二つの同一または異なる炭素原子1から6、または1から4を有する直鎖または分枝状のアルキル置換基をそれぞれ有するアミノ基を意味する。それぞれ炭素原子1から4を有する直鎖または分枝状のジアルキルアミノ基が好ましい。次の基、すなわちN,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−t−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノ、N−n−ヘキシル−N−メチルアミノを実施例および好ましい例から挙げることができる。
本発明において、ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素である。好ましいものは、塩素、フッ素である。
本発明において、酸素原子、硫黄原子からなる群から選択された二つまでからなるヘテロ原子を有する4ないし8員環とは、環の炭素原子を介して結合している飽和単環式または飽和二環式化合物を意味する。好ましい例としては、ヘテロ原子として、ひとつの酸素原子を有する5員環または6員環の飽和複素環があげられる。次の基、すなわち、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロピラン−3−イルおよびテトラヒドロピラン−4−イルをあげることができる。
本発明よる化合物は、置換基のパターンによっては、像と鏡像のような場合(エナンチオマー)と、像と鏡像のようでない場合(ジアステレオマー)のように、立体異性体が存在しうる。本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーおよびその混合物に関する。ジアステロマーのようにラセミ体である場合は、公知の方法で、立体異性的に、同一の化合物に分離することが可能である。
さらに、ある化合物は、互変異性体の形で存在しうる。このことは、当業者にとって公知のことであるが、同様にこのような化合物が本発明の範囲に含まれる。
本発明による化合物は、塩の形でも存在しうる。本発明においては生理学的に許容される塩が好ましい。
製薬学的に許容できる塩とは、無機または有機酸と本発明による化合物との塩をあげることができる。好ましい無機塩をあげれば、たとえば、塩酸、臭化水素酸、燐酸、または硫酸との塩を、好ましい有機カルボン酸またはスルホン酸をあげれば、たとえば、酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマール酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、安息香酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、またはナフタレンジスルホン酸との塩である。
製薬学的に許容される塩はまた、たとえば金属またはアンモニウム塩のように、塩基と本発明化合物との塩がありうる。好ましい例としては、たとえば、アルカリ金属塩(たとえば、ナトリウム塩またはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(たとえば、マグネシウム塩またはカルシウム塩)、または、たとえばエチルアミン、ジ−またはトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジ−またはトリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジヒドロアビエチルアミン(dihydroabietylamine)、1−エフェナミン(1-ephenamine)、メチルピペリジン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンまたは2−フェニルエチルアミンのようなアンモニアまたは有機アミンから誘導されるアンモニウム塩である。
本発明による化合物は、その溶媒和物の形でも存在し、特にそれらの水和物の形で存在しうる。
好ましい化合物は、一般式(I)の化合物に含まれ、次の定義で示される。
[Aは、−CH−もしくは−CHCH−基を示す、
XはOまたはSを示す、
、Rは、同一または異なり、お互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、塩素、フッ素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロまたはシアノ基を示す、
は水素を示す、
は、水素またはメチルを示す、
およびRは水素を示すか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成する、
は、水素を示す、
は、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、(C−C)−アルコキシ、カルボキシルおよび(C−C)−アルコキシカルボニルからなる群から選択される同一もしくは異なる置換基によって4回まで置換されることができる(C−C)−シクロアルキルを示すか;または酸素原子(O)および硫黄原子(S)からなる群から選択された二つまでのヘテロ原子を有し、かつ(C−C)−アルキルからなる群より選択される2回まで置換されることができる5または6員環の複素環を示す、
は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル、フッ素または塩素を示す、
10は、水素を示す、
11およびR12は、同一または異なり、お互いに独立して、水素原子またはメチルを示す、
13は、水素、または、対応するカルボン酸に分解しうる加水分解可能な基を示す]で示される化合物およびその製薬学的に許容できる塩、水和物および溶媒和物。
特に好ましい化合物は一般式(I)で次のように定義される。
[Aは、−CH−基を示す、
XはOまたはSを示す、
は、水素、メチル、トリフルオロメチル、塩素、フッ素、ニトロまたはシアノを示す、
は、メチル、トリフルオロメチル、塩素、フッ素、ニトロまたはシアノを示す、
は、水素を示す、
は、水素示す、
およびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成する、
は、水素を示す、
は、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを示し、それぞれは、メトキシ、エトキシで置換されるかまたは、メチルによって4回まで置換されることができる;または3−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロピラニルまたは4−テトラヒドロピラニルを示し、それぞれは、メチルでモノ置換もしくはジ置換されることができる
は、メチルを示す、
10は、水素を示す、
11およびR12は、両方とも水素原子を示すかまたは両方ともメチルを示す、
13、対応するカルボン酸に分解しうる加水分解可能な基を示すか、または特に水素を示す]で示される化合物およびその製薬学的に許容できる塩、水和物および溶媒和物。
上記に列挙された一般的、もしくは好ましい基の定義は、式(I)で示される最終目的物に適用されるが、相応して、同様にそれぞれの場合の製造に必要な出発物質および中間体にも適用される。
それぞれの組み合わせまたは好ましい基の組み合わせで示された個々の基の定義は、それぞれ与えられた基の組み合わせとは独立して、他の組み合わせの基の定義によって置き換えられることもある。
式(I)において、Rが水素またはメチル基であり、かつRが水素原子である場合が特に重要である。
式(I)において、RおよびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成する場合が特に好ましい。
式(IA)の化合物が特に好ましい。
Figure 2005506379
(IA),
[式中RおよびRは同一または異なり、お互いに独立して、メチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、ニトロまたはシアノを示す。
、R、R10、R11およびR12は、それぞれ上記に定義されている。]
さらに、本発明者らは、一般式(I)の化合物の製造方法を見出した。その製造方法は次の方法により特徴づけられる。
[製造方法A]一般式(II)の化合物を、
Figure 2005506379
(II),
[式中、A、X、R、R、R、R10、R11およびR12は上記の意味であり、Tは、ベンジル、(C−C)アルキル、または固相合成に適する高分子支持体(polymeric support)を意味する]
最初(II)のカルボキシル基の活性化とともに、一般式(III)の化合物と反応させると、一般式(Ia)の化合物になる。
Figure 2005506379
(III),
[式中R、R、RおよびR は、上記に定義された意味である]
Figure 2005506379
(Ia),
[式中、A、R、R 、R、R、R10、R11およびR12は、上記に定義された意味である]
[製造方法B]一般式(IV)の化合物
Figure 2005506379
(IV),
[式中、A、R、R10、R11およびR12は、上記に定義された意味である]を、塩基の存在下で一般式(V)の化合物と反応させると、同様に一般式(Ia)を得る。
Figure 2005506379
(V),
[式中、R、R、R、RおよびRは、上記に定義された意味であり、Qはたとえば、ハロゲン、メシレート、またはトシレートのような適切な脱離基であり、好ましくは、臭素、ヨウ素を意味する。]
一般式(Ia)は、適切な場合は、公知の方法によりアミドを還元することにより、一般式(Ib)の化合物に変換され、次いで、酸または塩基で、一般式(Ic)のカルボン酸に変換される。
Figure 2005506379
(Ib),
[式中、A、R、R 、R、R、R10、R11およびR12は、上記に定義された意味である]
Figure 2005506379
(Ic),
[式中、A、R、R 、R、R、R10、R11およびR12は、上記に定義された意味である]
そして、これらの化合物は必要により、さらに公知のエステル化法により、一般式(VI)の化合物と反応せしめ、これらの化合物を更に変換させる。
R13-Z (VI),
[式中R13は上記に定義された意味であり、Zは、たとえば、ハロゲン、メシレート、またはトシレートのような適切な脱離基であるかまたは水酸基を意味する]
本発明による方法は、一般に大気圧でおこなわれる。しかしながら、高圧下または減圧下(たとえば、0.5ないし5バール)で本方法をおこなうことも可能である。
本方法に適切な溶媒は、反応条件によって変化しない慣習上用いられる有機溶媒である。これらは、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルのようなエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンのような炭化水素、鉱油留分、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエチレン、トリクロロエチレンまたはクロロベンゼンのようなハロゲン化炭化水素、酢酸エチル、ピリジン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルプロピレンウレア(DMPU)N−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル、アセトンまたはニトロメタンを含む。上記の溶媒の混合物もまた使用可能である。
製造ステップ(II)+(III)→(Ia)における溶媒は、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミドおよびジメチルホルムアミドとピリジンの混合物が好ましい。製造ステップ(IV)+(V)→(Ia)においては、ジメチルホルムアミドが好ましい結果をあたえる。
本発明による製造ステップ(II)+(III)→(Ia)は、一般的に0℃から+100℃、好ましくは0℃から+40℃の範囲の温度でおこなわれる。製造ステップ(IV)+(V)→(Ia)においては、一般的に0℃から120℃、好ましくは+50℃から+100℃の範囲の温度でおこなわれる。
ステップ(II)+(III)→(Ia)におけるアミド形成のためには、補助剤、たとえば、N,N’−ジエチル−、N,N’−ジプロピル−、N,N’−ジイソプロピル−のそれぞれのカルボジイミド、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N’−エチルカルボンジイミド 塩酸塩(EDC)のようなカルボジイミド、またはカルボニルジイミダゾールのようなカルボニル化合物、2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム 3−サルフェート(硫酸塩)、2−tert−ブチル−5−メチル−イソキサゾリウム パークロレート(perchlorate-過塩素酸塩)などの1,2−オキサゾリウム化合物、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリンのようなアシルアミノ化合物、プロパンホスホニック アンハイドライド(無水物)、イソブチル クロロホルメート、ビス−(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスホリル クロライド、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリ(ジメチル−アミノ)ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェイト、O−(ベンゾトリアゾール1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート(TPTU)、またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート(HATU)のような慣習的に用いられる縮合剤が用いられ、適切な場合は、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミドのような他の補助剤とともに用いられ、そして好ましくは、たとえば、炭酸ナトリウム、またはその炭酸水素塩(bicarbonate)、炭酸カリウム、またはその炭酸水素塩のようなアルカリ金属炭酸塩のような塩基、または、たとえばトリアルキルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンまたはジイソプロピルエチルアミンのようなトリアルキルアミン、またはピリジンのような有機塩基が用いられる。特に好しい例は、EDC、N−メチルモルホリン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ、EDCトリエチルアミン、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールの組み合わせ、HATUジイソプロピルエチルアミンの組み合わせ、HATUとピリジンの組み合わせである。
反応(IV)+(V)→(Ia)における適切な塩基は、たとえば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、または炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩のごとき慣習上用いられる無機塩基またはトリアルキルアミン、たとえばトリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンまたはジイソプロピルエチルアミンであるトリアルキルアミンのような有機塩基である。好ましくは、炭酸水素ナトリウムである。
製造ステップ(Ia)または(Ib)→(Ic)におけるカルボン酸エステルの加水分解は、慣習的に用いられている方法でおこなわれる。すなわち、不活性な溶媒中で、エステルを塩基で処理し、最初に得られる塩を酸で処理して、遊離カルボン酸に変換する。tert-ブチルエステルの場合は、加水分解は、酸を使用しておこなうのが好ましい。
カルボン酸を加水分解する際の適切な溶媒は、水もしくはエステル開烈に慣習的に用いられる有機溶媒である。これらは、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、またはブタノールのようなアルコール類、または、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、またはジメチルスルホキシドを含む。上記記載の溶媒の混合物を用いることも可能である。水/テトラヒドロフランが好ましい結果を与えるが、トリフルオロ酢酸との反応の場合は、ジクロロメタンが、塩酸との反応の場合は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、または水が好ましい。
加水分解の際の適切な塩基は、慣習的に用いられている無機塩基である。これらは、好ましくは、たとえば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムまたは、水酸化バリウムのようなアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ土類金属の水酸化物、または、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素ナトリウムのようなアルカリ金属の炭酸
塩である。特に好ましいものは、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを用いる場合である。
一般的には、トリフルオロ酢酸、硫酸、塩化水素、臭化水素および酢酸あるいはこれらの混合物が好ましい酸であり、適切な場合は、水を加えてもよい。tert-ブチルエステルの場合は、塩化水素またはトリフルオロ酢酸が好ましく、メチルエステルの場合は塩酸が好ましい。
固相合成によって製造され、カルボン酸基を介して高分子支持体(polymer support)に結合する一般式(Ia)または(Ib)であらわされる化合物の場合は、レジン(resin)から劈開(cleavage)させて一般式(Ic)であらわされる化合物を得るために、レジンからの劈開は、カルボン酸エステルの加水分解の際の方法と同様に上記に述べられた方法によりおこなわれる。この際、好ましい例としては、トリフルオロ酢酸を用いる。
加水分解をおこなう際には、塩基または酸は、一般にはエステル1molを基準にして、1から100mol、好ましくは1.5から40molを用いる。
加水分解は、一般に、0℃から+100℃、好ましくは0℃から+50℃の温度範囲でおこなわれる。
一般式(II)の化合物は、新規化合物であり、次の方法によって製造することができる。
すなわち、最初に[a]一般式(VII):
Figure 2005506379
(VII),
[式中、X、T、R、R10、R11およびR12は上記の定義を意味する。Bは、単結合またはメチレン基を意味する。]
で表される化合物を、適切な還元剤の存在下に一般式(VIII):
14-NH2 (VIII),
{[式中R14は、[a−1]または[a−2]を示す。
[a−1]は、上記に示したRを意味する。
[a−2]は、次の式:
Figure 2005506379
[式中、Rは、上記に定義された意味を有し、R15は、(C−C)−アルキルまたはトリメチルシリルを示す。]}で示される化合物と反応させて、一般式(IX)で示される化合物を得て、
Figure 2005506379
(IX),
[式中B、X、T、R、R10、R11 12およびR14 は、上記の定義を意味する。]
次いで、塩基の存在下でこれらの化合物を一般式(X):
16-Y (X),
{[式中、プロセスバリエントが[a−1]である場合は、R16は、一般式:
Figure 2005506379
[式中、RおよびR15は、それぞれ上記の定義の意味を有する。]を意味し、
プロセスバリエントが[a−2]であるときは、R16上記 意味を有する。Yはたとえば、ハロゲン、メシレートまたはトシレート、好ましくは臭素、ヨウ素のような適切な脱離基を意味する。}
であらわされる化合物と反応せしめて、一般式(XI)であらわされる化合物を得る。
Figure 2005506379
(XI)
[式中B、X、T、R7、8、、R10、R11 12およびR15は上記の定義を意味する。]
次いで、これらの化合物の−COOR15とされているカルボン酸エステルを最終的には選択的に加水分解してカルボン酸を得る。
一般式(II)の化合物は、次の[b]の方法によっても製造することできる。
[b]一般式(XII)の化合物を、
Figure 2005506379
(XII)
[式中A、X、T、R、R10、R11およびR12は上記の定義を意味する。]
適切な還元剤の存在下で、一般式(XIII)であらわされる化合物と反応せしめ、
17-CHO (XIII),
[式中R17は、直鎖の(C−C)アルキル、または式−(CH−E(式中Eは、上記に定義の意味を有する。mは、0または1を示す]
一般式(XIV)であらわされる化合物を得る。
Figure 2005506379
(XIV),
[式中、A、X、T、R、R10、R11、R12およびR17は上記の定義を意味する。]
次いで、これらの化合物を、塩基の存在下で一般式(XV):
Figure 2005506379
(XV,
[式中R、R15およびYは上記の定義を意味する。]
であらわされる化合物を反応せしめて一般式(XVI)の化合物を得る。
Figure 2005506379
(XVI),
[式中、A、X、T、R、R、R10、R11、R12、R15およびR17は上記の定義を意味する。]
次いで、これらの化合物の−COOR15とされているカルボン酸エステルを最終的には選択的に加水分解してカルボン酸を得る。
全体のプロセスは、固相合成でおこなうことも可能である。この場合、一般式(VII)または(XII)の化合物は、カルボン酸エステルとして、適切な支持体レジンに結合させ、更なる反応は固相でおこなわれ、最終的には、目的化合物は、レジンから開裂・分離される。固相合成、レジンへの結合、レジンからの開烈は、慣習上おこなわれている標準的な技法である。広範囲な文献からひとつの例に挙げれば、“固相有機合成のリンカー”、Ian W. James, Tetrahedron 55、4855−4946(1999)が公開されているものとして言及することができる。
(VII)+(VIII)→(IX)または(XII)+(XIII)→(XIV)の反応は、還元的アミノ化に慣習的に使用されているもので、反応条件において、不活性な溶媒中でおこなわれるが、適切な場合は、酸の存在下でおこなわれる。溶媒としては、たとえば、水、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、またはメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、またはブタノールのごときアルコール類を包含する。上記記載の溶媒の混合物も使用することができる。好ましいものとしては、メタノール、エタノールそれぞれの場合において、酢酸を添加することができる。
反応(VII)+(VIII)→(IX)または(XII)+(XIII)→(XIV)における適切な還元剤としては、たとえばジイソブチルアルミニウム水素化物ナトリウムボロハイドライド、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライド、ナトリウムシアノボロハイドライド、またはテトラブチルアンモニウムボロハイドライドのような錯体であるアルミミウムハイドライドまたはボロンハイドライド、たとえば、パラジウム、プラチナ、ロジウム、ラーニッケルのような遷移金属触媒の存在下における他の水素化分解用触媒を挙げることができる。好ましい還元剤としては、ナトリウムシアノボロハイドライド、ナトリウムトリアセトキシボロハイドライドおよびテトラブチルアンモニウムボロハイドライドをあげることができる。
反応(VII)+(VIII)→(IX)または(XII)+(XIII)→(XIV)は、一般に0℃から+40℃までの温度範囲でおこなわれる。
反応(IX)+(X)→(XI)または(XIV)+(XV)→(XVI)は、反応条件において、不活性な慣習的に使用されている溶媒中でおこなわれる。好ましいものは、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランおよびジオキサンである。
反応(IX)+(X)→(XI)または(XIV)+(XV)→(XVI)における適切な塩基は、慣習上用いられている無機および有機の塩基である。好ましいものとしては、トリエチルアミンをあげることができる。
反応(IX)+(X)→(XI)または(XIV)+(XV)→(XVI)は一般に0℃から+100℃の温度範囲でおこなわれる。
(XI)→(II)または(XVI)→(II)の反応は、反応条件において不活性であり、エステル開裂に慣習的に使用されている溶媒中でおこなわれる。エステルの加水分解の際は、好ましくはテトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノールのようなアルコール類、またはそれぞれのケースによっては、水との混合溶媒もあげることができる。シリルエステルの開裂には、ジオキサン、テトラヒドロフランの使用が好ましい。
(XI)→(II)または(XVI)→(II)の反応において、加水分解の際に好ましい塩基は、慣習上用いられる無機塩基である。好ましいものとしては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである。シリルエステルの開裂には、テトラブチルアンモニウムフロリドが好ましく用いられる。
(XI)→(II)または(XVI)→(II)の反応は、一般に0℃から+100℃間の温度範囲でおこなわれる。
一般式(IX)または(XIV)の化合物に相当する一般式(IV)の化合物は、上述したように製造することができる。
一般式(III)(V)(VI)(VII)(VIII)、(X)、(XII)、(XIII)および(XV)の化合物は、商業的に手に入れることができ、知られているものであり、あるいは、慣習上知られている方法によって製造することが可能である[たとえば、P.J.Brown et al., J. Med.Chem.42,3785-88(1999)参照]
本発明により一般式(I)の化合物は、驚くべき有用な範囲の薬理活性を有し、それゆえ多方面の薬物・薬剤として使用することができる。特に、これらは、冠動脈心疾患の治療に適切であり、心筋梗塞の予防、および冠状動脈血管形成術またはステントのあとの再狭窄の治療に適切である。本発明による一般式(I)の化合物は、動脈硬化症および高コレステロール血症の治療、病的に低いHDLレベルを増加せしめ、高くなったトリグリセリドおよびLDLのレベルを低下させるのに適切である。加うるに、これらは、肥満、糖尿病の治療、代謝異常に基づく疾患−メタボリック症候群(metabolic syndrome)(耐糖能低下、高インスリン血症、異脂肪血症およびインスリン耐性のための高血圧)の治療、肝繊維症(hepatic fibrosis)および癌の治療に使用することができる。
新規な活性成分化合物は、単独で投与することもできるし、または必要ならば、他の有効成分、好ましくはCETP阻害剤、抗糖尿病薬、抗酸化剤、細胞成長抑制剤、カルシウムアンタゴニスト、降圧剤、甲状腺ホルモンおよび/または甲状腺模倣薬(thyroid mimetics)HMG−CoA還元酵素阻害剤HMG−CoA還元酵素発現(expression)阻害剤、スクワレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、血流・灌流促進剤(perfusion promoters)、血小板凝集阻害剤、抗凝固剤、アンジオテンシIIレセプターアンタゴニスト、コレストロール吸収阻害剤、MTP阻害剤、アルドラーゼリダクターゼインヒビター、フィブリン酸、ナイアシン、食欲抑制剤、リパーゼインヒビター、およびPPAR−αおよび/またはPPAR−γアゴニストと併用することができる。
本発明による化合物の活性は、たとえば、インビトロにおいて、実験の部において述べられている転写活性化アッセイによって検討することができる。
本発明による化合物の活性は、たとえば、インビボにおいて、実験の部において述べられているテストによって検討することができる。
一般式(I)の化合物を投与する際は、すべての慣習上おこなわれている投与形態、すなわち、経口、非経、吸入、鼻、舌下、直腸、たとえば、経皮のような外用、たとえば、移植、ステントのような局所が適切である。非経投与の場合、特に好ましい例は、静脈、筋肉内、たとえば、皮下蓄積注射(subcutaneous depot)としての皮下投与である。経口または非経腸投与が好ましい。特に好ましいのは、経口投与である。
ここで、活性化合物は、それ自身、あるいは、製剤の形で投与されることが可能である。経口のための適切な製剤、とりわけ、錠剤、カプセル、ペレット、糖衣錠、丸剤、顆粒、固体または液状のエーロゾル、シロップ、エマルジョン、サスペンジョンおよび溶液が望ましい。また、活性化合物は、治療的効果が得られる量存在していなければならない。
一般に、活性化合物の濃度は、0.1から100%(重量%)であり、特には、0.5から90%(重量%)であり、好ましくは、5から80%(重量%)である。特に、活性化合物の濃度は、0.5から90%であるべきである。すなわち、活性化合物は、述べられた投与範囲に到達するのに十分な量存在すべきである。
この目的のために、活性化合物は、それ自体知られている方法で、慣習上知られている製剤に変換すべきである。このことは、不活性な非毒性の製薬学的に適切な賦形薬、補助剤、溶媒、賦形剤(vehicles)、乳化剤、および/または分散剤を使用することによっておこなわれる。
言及されうる補助剤とは、たとえば、水、たとえば、パラフィン、植物油(たとえばごま油)、アルコール(たとえば、エタノール、グリセロール)、グリコール(たとえばポリエチレングリコール)のような非毒性有機溶剤、天然または合成の土壌由来のミネラル(ground mineral)(たとえば、タルク、シリケイト)のような固体の担体、糖類(たとえば、乳糖)、乳化剤、分散剤(たとえば、ポリビニルピロリドン)およびグライダント(たとえば、硫酸マグネシウム)である。
経口投与の場合、錠剤は、もちろんクエン酸ナトリウム、のような付加剤を含むことができ、付加剤とともにでんぷん、ゼラチン、およびそれに類するものを含むこともできる。経口投与のための水性製剤は、さらに味覚改善剤または着色料を包含させることもできる。
経口投与の場合、好ましくは、24時間につき、体重あたり0.001ないし5mg/kg、好ましくは、0.005ないし3mg/kgを投与する。
下記に、本発明の実施態様を例示説明する。本発明は、実施例に限定されることはない。
省略:
TLC: Thin-layer Chromatography(薄層クロマトグラフィー)
DCI: Direct chemical ionization(in MS)(直接イオン化法、MS中
DMAP: 4-N,N-Dimethylaminopyridine(4−N,N−ジメチルアミノピリジン)
ESI: Electrospray ionization(in MS)(エレクトロスプレーイオン化法、MS中
HATU: O-(7-Azabenzotriazol-1-yl)-N,N,N',N'-tetramethyluronium hexafluorop hosphate(O−(7−アザベンゾトリアゾ−ル−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート)
HPLC: High-pressure, high-performance liquid chromatography(高速液体クロマトグラフィー)
LC−MS:Liquid-chromatography-coupled mass spectroscopy(液体クロマトグラフィー/マススペクトロスコピー)
MS: Mass spectroscopy(マススペクトロスコピー)
NMR: Nuclear magnetic resonance spectroscopy(磁気共鳴分析)
: Retention time(in HPLC)(保持時間、HPLC中
THF: Tetrahydrofuran(テトラヒドロフラン)
実施例
実施例1
2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ]−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
ステップ1a):
tert-ブチル 2−(4−ホルミル−2−メチルフェノキシ)−2−メチルプロパノエート
Figure 2005506379
10.0g(73.5mmol)の4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒドと14.2g(103mmol)の炭酸カリウムを、最初に90mlのジメチルホルムアミドに加え、90℃で30分攪拌する。次いで、50℃で、22.9g(103mmol)のtert−ブチル 2−ブロモ−2−メチルプロパノエート(tert-butyl 2-bromo-2-methylpropanoate)を加える。50℃で1.5時間経過した後、混合物を、100℃まで加熱し、一晩攪拌する。溶媒を、減圧下の元で除く。残渣を、酢酸エチルに溶かし、水で2回洗浄し、ついで飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液で2回洗浄し、さらに飽和水性塩化ナトリウム溶液で一回洗浄する。ひとつにまとめられる有機を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。粗生成物をメタノールに溶解し、シリカゲルクロマトグラフィー移動相:シクロへキサン/酢酸エチル 10:1)により精製する。これにより、5.05g理論上の25%)の目的物を得る。
LC−MS(方法A):R=4.8分(min)
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.40 (s, 9H), 1.65 (s, 6H), 2.30 (s, 3H), 6.23 (d, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.67 (m, 1H), 9.83 (s, 1H).
ステップ1b):
tert−ブチル 2−{4−[(シクロヘキシルアミノ)メチル]−2−メチルフェノキシ}−2−メチルプロパノエート
Figure 2005506379
0.36g(3.6mmol)のシクロヘキシルアミンと1.0g(3.6mmol)のtert−ブチル 2−(4−ホルミル−2−メチルフェノキシ)−2−メチルプロパノエート(ステップ1aから得られる)を最初に12mlのジクロロメタン加え、室温で1時間攪拌する。1.2g(5.4mmol)のナトリウム トリアセトキシボロハイドライド(sodium triacetoxyborohydride)を加え、ついで、混合物を室温で一晩攪拌し、飽和した水性の炭酸水素ナトリウム溶液およびジクロロメタンを加える。分離したから、水を酢酸エチルで抽出する。ひとつにまとめられた有機を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。これにより、1.29g(理論上の99%)の粗生成物を得るが、これは、さらに精製することなく反応に付される。
MS(DCI):m/z=362[M+H]
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 1.00-1.30 (m, 4H), 1.42 (s, 9H), 1.53 (s, 6H), 1.5-2.0 (m, 6H), 2.20 (s, 3H), 2.47 (m, 1H), 3.70 (s, 2H), 6.68 (dd, 1H), 6.98 (dd, 1H), 7.07 (s, 1H).
ステップ1c):
2−ブロモ−N−(2,4−ジクロロフェニル)アセトアミド
Figure 2005506379
24.1g(149mmol)の2,4−ジクロロアニリンおよび20.7ml(149mmol)のトリエチルアミンを最初に300mlのジクロロメタンに加え、そして30から50℃で50mlのジクロロメタン中の30.0g(149mmol)のブロムアセチルブロマイド溶液を加える。混合物を室温で1時間攪拌し、次いで、水で2回、飽和した水性の塩化ナトリウム溶液で1回洗浄する。有機をひとつにまとめ、濃縮し、粗生成物をエタノールで再結晶する。これにより、19.88g(理論上の47%)の目的物を得る。
LC−MS(方法A):R=4.1分
MS(ESIpos): m/z=282[M+H]
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 4.06 (s, 2H), 7.28 (dd, 1H), 7.40 (d, 1H), 8.30 (d, 1H), 8.72 (br. s, 1H).
ステップ1d):
tert-ブチル 2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]−メチル]−2−メチルフェノキシ]−2−メチルプロパノエート
Figure 2005506379
ステップ 1c)から得られる0.626g(2.21mmol)の2−ブロモ−N−(2,4−ジクロロフェニル)アセトアミドを12mlのジメチルホルムアミド中の0.800g(2.21mmol)のtert-ブチル 2−{4−[(シクロヘキシルアミノ)メチル]−2−メチルフェノキシ}−2−メチルプロパノエート(ステップ 1b)から得られる)および0.205g(2.43mmol)炭酸水素ナトリウムの溶液に加え、その混合物を90℃、4時間攪拌する。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー〔移動相;シクロへキサン/酢酸エチル、グラジエント;95:570:30)により精製する。これにより、0.909g(理論上の56%)の所望の目的物を得る。
HPLC(方法B):R=3.69分
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.05-1.70 (m, 6H), 1.33 (s, 9H)および 1.47 (s, 6H)と重なる, 1.77-2.0 (m, 4H), 2.14 (s, 3H), 2.57 (m, 1H), 3.23 (s, 2H), 3.61 (s, 2H), 6.61 (d, 1H), 6.98 (dd, 1H), 7.12 (br. s, 1H), 7.16 (dd, 1H), 7.33 (d, 1 H), 8.40 (d, 1H), 9.93 (s, 1H).
ステップ1e):
2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ]−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
0.709g(1.33mmol)のtert−ブチル 2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]−シクロヘキシルアミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ−2−メチルプロパノエート(ステップ 1dから得られる)を、4mlのジクロロメタン溶解し、そして4mlのトリフルオロ酢酸を加える。混合物を室温、2時間攪拌し、ついでトルエンで希釈し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相;ジクロロメタン/メタノール、グラジエント;98:295:5)精製する。これにより、表題化合物0.7g(理論上100%)を得る。
LC−MS(方法A):R=4.4分
MS(ESIpos):m/z=507[M+H]
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.10-1.75 (m, 6H), 1.60 (s, 6H)と重なる, 1.87-2.18 (m, 4H), 2.13 (s, 3H)と重なる, 3.35 (m, 1H), 4.11 (s, 2H), 4.20 (s, 2H), 6.61 (d, 1H), 6.92 (dd, 1H), 7.11 (br. s, 1H), 7.16 (dd, 1H), 7.32 (d, 1H), 7.68 (d, 1H), 9.82 (s, 1H).
実施例2
2−[4−[[[2−[(2、4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ]酢酸
Figure 2005506379
ステップ2a):
tert-ブチル (4−ホルミル−2−メチルフェノキシ)アセテート
Figure 2005506379
5.0g(37mmol)の4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒドおよび7.1g(51mmol)の炭酸カリウムを最初45mlのジメチルホルムアミドに加え、50℃で30分攪拌する。次いで、50℃で、10.0g(51.4mmol)のtert-ブチル 2−ブロモアセテートを加える。混合物は、50℃で1時間のあと、室温で一晩攪拌する。溶媒は、減圧下で取り除かれる。残渣を、酢酸エチル中に溶かし、水で2回、飽和した水性炭酸水素ナトリウム溶液で2回、次いで、飽和した水性塩化ナトリウム溶液で1回それぞれ洗浄する。有機をひとつにまとめ、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして濃縮する。10.23gの粗生成物は、さらに精製することなく反応に供せられる。
LS−MS(方法A):R=4.3分
MS(ESIpos):m/z=195[M+H−tブチル]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.48 (s, 9H), 2.33 (s, 3H), 4.61 (s, 1H), 6.77 (d, 1H), 7.65 (d, 1H), 7.70 (br. s, 1H), 9.87 (s, 1H).
ステップ2b):
tert−ブチル {4−[シクロヘキシルアミノ]メチル}−2−メチルフェノキシ}アセテート
Figure 2005506379
0.40g(4.0mmol)のシクロヘキシルアミンと1.0g(4.0mmol)のtert-ブチル(4−ホルミル−2−メチルフェノキシ)アセテート(ステップ2aから得られる)を14mlのジクロロメタンに加え、次いで室温で30分間攪拌する。1.34g(5.99mmol)のナトリウム トリアセトキシボロハイドライド(sodium triacetoxyborohydride)を加え、次いで混合物を室温で一晩攪拌し、飽和した水性の炭酸水素ナトリウム溶液を加える。混合物は、酢酸エチルで抽出される。を分離し、水を1Mの水性の水酸化ナトリウム溶液で希釈し、酢酸エチルで再抽出する。集められた有機は、硫酸マグネシウムで乾燥され、濃縮される。これにより、1.25g(理論上の94%)の粗生成物を得るが、これは、精製することなく反応に供せられる。
HPLC(方法B):R=2.59分
MS(DCI):m/z=334[M+H]
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 1.00-2.10 (m, 10H), 1.48 (s, 9H)と重なる, 2.28 (s, 3H), 2.49 (m, 1H), 3.70 (s, 2H), 4.50 (s, 2H), 6.61 (d, 1H), 7.05 (d, 1H), 7.10 (s, 1H).
ステップ2c):
tert−ブチル 2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]−メチル]−2−メチルフェノキシ]アセテート
Figure 2005506379
0.679g(2.40mmol)の2−ブロモ−N−(2,4−ジクロロフェニル)アセトアミド(実施例1のステップ1cから得られる)を、12mlのジメチルホルムアミド中の0.800g(2.40mmol)のtert−ブチル {4−[(シクロヘキシルアミノ)メチル]−2−メチルフェノキシ}アセテート(ステップ 2bから得られる)と0.222g(2.64mmol)の炭酸水素ナトリウムの溶液に加え、混合物を90℃、4時間で攪拌する。反応混合物は、濃縮されシリカゲルクロマトグラフィー(移動相;シクロヘキサン/酢酸エチル、グラジエント;95:570:30)で精製する。これにより、目的物0.790g理論上の46%)を得る。
HPLC(方法B):R=3.27分
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.05-1.70 (m, 6H), 1.41 (s, 9H)と重なる, 1.77-2.01 (m, 4H), 2.20 (s, 3H), 2.57 (m, 1H), 3.24 (s, 2H), 3.62 (s, 2H), 4.45 (s, 1H), 6.56 (d, 1H), 7.05 (dd, 1H), 7.14 (br. s, 1H), 7.18 (dd, 1H)と重なる, 7.36 (d, 1 H), 8.39 (d, 1H), 9.92 (s, 1H).
ステップ2d):
2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ]酢酸
Figure 2005506379
0.709g(1.48mmol)のtert−ブチル 2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]−メチル]−2−メチルフェノキシ]アセテート(ステップ 2cから得られる)を4mlのジクロロメタンに溶解し、4mlのトリフルオロ酢酸を加える。室温で2時間攪拌後、混合物を、トルエンで希釈し、濃縮後、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相;ジクロロメタン/メタノール、グラジエント;98:295:5)で精製する。これにより、表題化合物を0.7g(理論上の100%)得る。
LC−MS(方法A):R=3.9分
MS(ESI pos):m/z=479[M+H]
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.10-1.74 (m, 6H), 1.86-2.18 (m, 4H), 2.14 (s, 3H)と重なる, 3.41 (m, 1H), 4.08 (s, 2H), 4.20 (s, 2H), 4.62 (s, 2H), 6.67 (d, 1H), 7.00 (d, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.15 (dd, 1H), 7.29 (d, 1H), 7.62 (d, 1H), 9.58 (s, 1H).
実施例3
2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]−(2,5−ジメチルシクロペンチル)−アミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ]−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
ステップ3a):
tert-ブチル 2−(4−{[(2,5−ジメチルシクロペンチル)アミノ]メチル}−2−メチルフェノキシ)−2−メチルプロパノエート
Figure 2005506379
0.044g(0.39mmol)の2,5−ジメチルシクロペンチルアミンおよび0.11g(0.39mmol)のtert-ブチル 2−(4−ホルミル−2−メチルフェノキシ)−2−メチルプロパノエート(実施例1/ステップ1a)から得られる)を最初に1.5mlのジクロロメタンに加え、室温で1時間攪拌する。0.13g(0.58mmol)のナトリウム トリアセトキシボロハイドライドを加え、混合物を、室温、20時間攪拌する。飽和した水性炭酸水素ナトリウム溶液を加え、混合物をジクロロメタンで希釈する。相を分離、水を酢酸エチルで抽出する。ひとつに集められた有機を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。これにより、粗生成物を0.13g(理論上の88%)を得るが、これは、さらに精製することなく反応に供せられる。
LC−MS(方法A):R=3.2分
MS(ESIpos):m/z=376[M+H]
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 0.90 (d, 3H), 0.99 (d, 3H), 1.0-2.0 (m, 6H), 1.43 (s, 9H)および 1.53 (s, 3H)と重なる, 2.20 (s, 3H), 2.47 (t, 1H), 3.64 (q, 2H), 6.68 (d, 1H), 7.0 (dd, 1H), 7.10 (br. s, 1H).
ステップ3b):
tert-ブチル 2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]−(2,5−ジメチルシクロペンチル)アミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ]−2−メチルプロパノエート
Figure 2005506379
0.096g(0.34mmol)の2−ブロモ−N−(2,4−ジクロロフェニル)アセトアミド(実施例1のステップ1c)から得られる)をジメチルホルムアミド3ml中の0.13g(0.34mmol)のtert−ブチル 2−(4−{[(2,5−ジメチルシクロペンチル)アミノ]メチル}−2−メチルフェノキシ)−2−メチル−プロパノエート(ステップ3a)から得られる)および0.032g(0.37mmol)の炭酸水素ナトリウム溶液に加え、そして混合物を90℃、4時間攪拌する。反応混合物は、濃縮され、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相;シクロヘキサン/酢酸エチル、グラジエント;99:170:30)で精製する。濃縮すると、目的物0.053g理論上の23%)を得る。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 5:1):R=0.41
LC−MS(方法D):R=3.40分
MS(ESIpos):m/z=577[M+H]
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 1.12 (t, 6H), 1.2-2.4 (m, 6H), 1.38 (s, 9H), 1.49 (s, 3H) および 2.14 (s, 3H)と重なる, 2.83 (t, 1H), 3.4-3.9 (m, 4H), 6.52 (d, 1H), 7.05 (dd, 1H), 7.19 (m, 2H), 7.37 (d, 1H), 8.32 (d, 1H), 9.72 (s, 1H).
ステップ3c):
tert−ブチル 2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロペンチル)アミノ]−2−オキソエチル]−(2,5−ジメチルシクロペンチル)アミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ]−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
0.04g(0.07mmol)のtert-ブチル 2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]−(2,5−ジメチルシクロペンチル)アミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ]−2−メチルプロパノエート(ステップ3b)から得られる)を、1.5mlのジクロロメタンに溶解し、次いで1.5mlのトリフルオロ酢酸を加える。混合物は室温で2時間攪拌し、ついでトルエンで希釈し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相;ジクロロメタン/メタノール、グラジエント;98:290:10)で精製する。これにより、表題化合物0.024g(理論上の66%)を得る。
LC−MS(方法A):R=5.52分
MS(ESIpos):m/z=521[M+H]
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.0-2.4 (m, 6H), 1.09 (d, 3H), 1.13 (d, 3H), 1.48 (s, 3H) および 2.12 (s, 3H)と重なる, 2.75 (t, 1H), 3.3-3.85 (m, 4 H), 6.70 (d, 1H), 7.0-7.3 (m, 3H), 7.44 (d, 1H), 8.38 (d, 1H), 9.65 (s, 1H).
実施例4
2−{4−[(シクロヘキシル{2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]エチル}アミノ)メチル]−2−メチル−フェノキシ}−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
ステップ4a):
tert-ブチル 2−{4−[(シクロヘキシル{2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]エチル}アミノ)メチル]−2−メチルフェノキシ}−2−メチルプロパノエート
Figure 2005506379
アルゴン雰囲気下、0.16g(0.28mmol)のtert-ブチル 2−[4−[[[2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]−メチル]−2−メチルフェノキシ]−2−メチルプロパノエート(実施例1のステップ1d)から得られる)を最初に3mlのトルエンに加える。次いで、0.17mlのボラン−ジメチルスルフィド錯体(テトラヒドロフラン中で2.0M)を加える。110℃で2時間後、混合物は、室温で冷却し、3mlの2N水性の炭酸ナトリウム溶液で1時間攪拌する。その後、酢酸エチルおよび水で希釈する。有機を分離し、飽和水性塩化ナトリウム溶液で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮する。粗生成物は、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相;シクロヘキサン/酢酸エチル、グラジエント;98:270:30)で精製する。これにより、表題化合物0.085g理論上の54%)を得る。
TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 5:1):R=0.59
LC−MS(方法A):R=4.0分
MS(ESIpos):m/z=549[M+H]
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.0-1.68 (m, 6H), 1.48 (s, 9H) および 1.55 (s, 6H)と重なる, 1.7-1.92 (m, 4H), 2.13 (s, 3H), 2.48 (m, 1H), 2.80 (m, 2H), 2.92 (m, 2H), 3.51 (s, 2H), 5.18 (br. s, 1H), 6.47 (d, 1H), 6.62 (d, 1H), 6.9-7.1 (m ,3H), 7.21 (d, 1H).
ステップ4b):
2−{4−[(シクロヘキシル{2−[(2,4−ジシクロロフェニル)アミノ]エチル}アミノ)メチル]−2−メチルフェノキシ}−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
0.085g(0.15mmol)のtert-ブチル 2−{4−[(シクロヘキシル{2−[(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]エチル}アミノ)メチル]−2−メチルフェノキシ}−2−メチルプロパノエート(ステップ4a)から得られる)を1mlのジクロロメタンに溶解し、次に1mlのトリフルオロ酢酸を加える。室温で2時間攪拌した後、混合物をトルエンで希釈し、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(移動相;ジクロロメタン/メタノール、グラジエント;98:295:5)で精製する。これにより、表題化合物0.06g(理論上の79%)を得る。
TLC(ジクロロメタン/メタノール 10:1):R=0.37
LC−MS(方法A):R=3.3分
MS(ESIneg):m/z=491[M−H]
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 0.8-2.2 (m, 10H), 1.60 (s, 6H)と重なる, 2.19 (s, 3H), 2.92 (m, 4H), 3.22 (br. s, 1H), 4.07 (s, 2H), 6.07 (s, H), 6.7-7.4 (m, 6H).
実施例5
2−[4−[[[[2−(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]メチル]フェニル]−チオ]−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
ステップ5a):
tert-ブチル 2−[(4−ブロモフェニル)スルファニル」−2−メチルプロパノエート
Figure 2005506379
100g(0.529mmol)の4−ブロモチオフェノールおよび118g(0.529mmol)のtert-ブチル 2−ブロムイソブチレートを1リットル(l)のエタノール溶解し、次に、29g(0.517mol)の水酸化カリウムを加える。混合物を、2時間還流下に攪拌し、その後冷却し、臭化カリウムをろ過して除く。ろ液を濃縮し、n−ヘキサンで再結晶する。これにより、所望の目的物が無色の固体として、93.6g(理論上の53%)得られる。
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 1.48 (s, 15H), 7.38 (m, 4H).
ステップ5b):
tert−ブチル 2−[(4−ホルミルフェニル)スルファニル]−2−メチルプロパノエ−ト
Figure 2005506379
1.0g(3.02mmol)のtert-ブチル 2−[(4−ブロモフェニル)スルファニル」−2−メチルプロパノエート(ステップ5a)から得られる)を20mlのTHFに溶解し、−78℃でヘキサン中のn−ブチルリチウム溶液1.89ml(3.02mmol)を加える。その後すぐに、0.46ml(0.43g5.92mmol)のジメチルホルムアミドを加え、混合物を室温まで暖めてさらに1時間攪拌する。反応は、1mlの1Nの塩酸を添加することによって終了し、反応混合物濃縮酢酸エチルに溶かす。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液、飽和塩化ナトリウム溶液で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥する。シリカゲルでのクロマトグラフィーによる精製(移動相:ジクロロメタン)により、0.55g(理論上の65%)を所望の目的物を油状物として得る。
LC−MS:アセトニトリル/30%塩酸溶液/水(グラジエント):R=4.86分
MS(ESIpos):m/z=281[M+H]
ステップ5c):
[[2−(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミン
Figure 2005506379
室温で、ジメチルホルムアミド5ml中の実施例1(ステップ1c)で得られる2−ブロモ−N−(2,4−ジクロロフェニル)アセトアミド1.0g(3.534mmol)の溶液をジメチルホルムアミド5ml中におけるシクロヘキシルアミン1.752g(17.67mmol)および炭酸水素ナトリウム0.327g(3.888mmol)からなる懸濁液に加える。反応混合物を、90℃で4時間攪拌し、氷水に入れて冷却したあと、水を酢酸エチルで3回抽出する。ひとつに集められた有機抽出物を水で2回、飽和塩化ナトリウム溶液で一回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除く。これにより、0.960g(理論上90%)の所望の生成物を無色の油状物として、得る。
HPLC[Kromasil C180.75 ml/分、水性HClO/アセトニトリル(グラジエント):R=4.15分
MS(DCI):m/z=301[M+H]
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 1.00-1.39 (m, 6H), 1.57 (s, 1H), 1.62 (m, 1H), 1.75 (m, 2H), 1.95 (m, 2H), 2.45 (m, 1H), 3.43 (s, 2H), 7.23 (dd, 1H), 7.38 (d, 1H), 8.49 (d, 1H), 10.31 (broad s, 1H).
ステップ5d):
tert-ブチル 2−[4−[[[[2−(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]−メチル]フェニル]チオ]−2−メチルプロパノエート
Figure 2005506379
室温下で、87.5mg(0.913mmol)のナトリウム トリアセトキシボロハイドライド(sodium triacetoxyborohydride)をTHF5ml中の137.5mg(0.457mol)の[[2−(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミン(ステップ5c)で得られる)と160mg(0.571mmol)のtert−ブチル 2−[(4−ホルミルフェニル)スルファニル]−2−メチルプロパノエート(ステップ5b)で得られる)の溶液に加え、混合物を24時間攪拌する。次いで、飽和炭酸水素ナトリウム溶液をその混合物に加え、相を分離し、水相をメチレンクロライド(塩化メチレン)で抽出する。集められた有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除き、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(移動相:シクロへキサン/酢酸エチル 10:1)により精製する。これによって、所望の目的物62mg(理論上の24%)を無色の油状物として得る。
LC−MS(方法D):R=3.32分
MS(ESIpos):m/z=565[M+H]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.03-1.39 (m, 5H), 1.37 (s, 9H), 1.38 (s, 6H), 1.66 (d, 1H), 1.82 (d, 2H), 1.97 (d, 2H), 2.58 (tt, 1H), 3.28 (s, 2H), 3.72 (s, 2H), 7.20 (dd, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.35 (d, 1H), 7.42 (d, 2H), 8.42 (d, 1H), 9.86 ( s, 1H).
ステップ5e):
2−[4−[[[[2−(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]メチル]−フェニル]チオ]−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
室温で、277mg(2.431mmol)のトリフルオロ酢酸を、ジクロロメタン5ml中のtert-ブチル 2−[4−[[[[2−(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]−メチル]フェニル]チオ]−2−メチルプロパノエート(ステップ5d)で得られる)55mg(0.097mmol)の溶液に加え、混合物を4時間攪拌する。次いで、混合物を、減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶かし、有機を水で2回、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で1回洗浄する。混合物を、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮し、次いで残渣をシリカゲル(移動相:シクロへキサン/酢酸エチル 1:1)により精製する。これによって、所望の目的物40mg(理論上の81%)を無色の油状物として得る。
HPLC[Kromasil C180.75 ml/分、水性HClO/アセトニトリル(グラジエント):R=4.51分
MS(ESIpos):m/z=509[M+H]
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 1.03-1.39 (m, 5H), 1.42 (s, 6H), 1.66 (m, 1H), 1.82 (m, 2H), 1.98 (m, 2H), 2.58 (m, 1H), 3.27 (s, 2H), 3.71 (s, 2H), 7.18 (dd, 1H), 7.28 (d, 1H), 7.32 (d, 2H), 7.42 (d, 2H), 8.37 (d, 1H), 9.82 (s, 1H).
実施例6
2−[4−[[[2−[(2,4−ジメチルフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ]メチル]−2−メチルフェノキシ]プロパン酸
Figure 2005506379
この化合物は、下記に述べる反応図1によって、高分子担体樹脂(Wang レジン)を用いて、固相合成によって製造された。
反応図1
Figure 2005506379
Pol=高分子担体レジン
反応条件:a)ジイソプロピルカルボジイミド;DMAPトリメチルアミン、ジクロロメタン、室温、20時間;b)炭酸セシウム(caesium carbonate), ジオキサン/イソプロパノール1:1、60℃、24時間;c)トリメチル オルホルメート(trimethyl orthoformate)/ジメチルホルムアミド 1:1、室温、20時間;テトラブチルアンモニウム ボロハイドライド、酢酸、ジメチルホルムアミ、室温、20時間;d)トリエチルアミン、ジオキサン、60℃、20時間;テトラブチルアンモニウム フルオライド、ジオキサン、室温、1−2時間;e)HATUピリジン/ジメチルホルムアミド 2:1、室温、20時間;f)トリフルオロ酢酸、ジクロロメタン、室温、30分
ステップ 6a):
30.0g(反応基として28.2mmol;理論量としては0.94mmol/g)のワングレジン(Wang resin)(Rapp Polymere, Order No. H1011)を200mlのジクロロメタンに懸濁させる。12.9g(84.6mmol)の2−ブロモプロパン酸、17.8g(141mmol)のジイソプロピルカルボジイミドおよび5.17g(42.3mmol)のDMAPを加え、混合物を室温で20時間振盪させる。ついで、混合物をろ過し、レジン(樹脂)をジメチルホルムアミド、メタノールおよびジクロロメタンで交互に洗浄する。これにより、レジン6aが得られるが、これは、更に精製することなく反応に供せられる。
ステップ 6b):
10.0g(9.40mmol)のレジン6aを最初に100mlのジオキサン/イソプロパノール(1:1)に加え、21.4g(65.8mmol)炭酸セシウムおよび8.96g(65.8mmol)の4−ヒドロキシ−3−メチルベンゾアルデヒドとともに、60℃で一晩攪拌する。混合物を室温まで冷却し、4.3mlの酢酸で中和する。次いでその混合物を、ろ過し、レジン(樹脂)を水、ジメチルホルムアミド、メタノールおよびジクロロメタンで交互に洗浄する。これにより、レジン6bが得られるが、これは、更に精製することなく反応に供せられる。
ステップ 6c):
2.00g(1.88mmol)のレジン6bと0.932g(9.40mmol)のシクロヘキシルアミンを20mlトリメチル オルトホルメート(オルト蟻酸トリメチルエステル)/ジメチルホルムアミド(11)に懸濁させる。混合物を室温で20時間振盪する。混合物をろ過し、レジンはジメチルホルムアミドで洗浄する。次いで、レジンを20mlのジメチルホルムアミド、1.93g(7.52mmol)のテトラブチルアンモニウム ボロハイドライドおよび1.08ml(18.8mmol)の酢酸を加え、混合物を室温、20時間振盪する。混合物をろ過し、レジンをジメチルホルムアド、メタノールおよびジクロロメタンで洗浄する。これにより、レジン6cが得られるが、これは、更にすぐに反応に供せられる。
ステップ 6d):
0.548g(1.88mmol)のレジン6cを100mlのジオキサンに懸濁し、5.24ml(37.6mmol)のトリエチルアミンおよび4.64ml(28.2mmol)のトリメチルシリル ブロモアセテートを加える。混合物を、60℃、20時間振盪する。ついで、混合物をろ過し、レジンをジメチルホルムアミド、メタノールおよびジクロロメタンで洗浄する。シリル保護基を除くために、レジンを50mlのジオキサンに懸濁させ、3.8ml(3.8mmol)のTHF中のテトラブチルアンモニウムフルオライドの1M溶液を加える。混合物を、室温、1−2時間振盪し、次いでろ過する。レジンをジメチルホルムアミド、メタノールおよびジクロロメタンで洗浄する。この結果得られるレジン6dは、すぐにその先の反応に用いる。
ステップ 6e):
1.0g(0.94mmol)のレジン6dを12mlのピリジン/ジメチルホルムアミド(1:1)に懸濁し、1.14g(9.40mmol)の2,5−ジメチルアニリンおよび1.07g(2.82mmol)のHATUを加える。混合物を室温で20時間振盪し、ろ過する。レジンはジメチルホルムアミド、30%強度(strength)酢酸、水、ジメチルホルムアミド、メタノールおよびジクロロメタンで洗浄する。得られるレジン6eは、次に12mlのジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(1:1)の混和物に懸濁させる。混合物を、室温、30分振盪し、次いでろ過し、生成物は、プリパラティブHPLC(RP−18移動相:水/アセトニトリル、グラジエント 60:4010:90)で精製される。これにより、表題化合物を0.14g(理論上の33%)を得る。
LC−MS(方法D):R=1.93分
MS(ESIpos):m/z=453[M+H]
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.0-2.3 (m, 10H), 1.50 (d, 3H), 2.00 (s, 3H), 2.13 (s, 3H) および 2.22 (s, 3H)と重なり, 3.48 (m, 1H), 4.34 (br. s, 2H), 4.78 (m, 3H), 6.72-7.44 (m, 6H), 9.08 (br. s, 1H).
下記に列挙される実施例は、化合物ライブラリーの固相合成の間製造された。[K. C. Nicolaou、X.−Y. Xiano, Z. Parandoosh, A.Senyei, M. P. Nova, Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 35、2289-2290 (1995) ]に記載による "Mix & Split" 法によって、ミニカンス(MiniKans)(IRORI) におけるライブラリー合成を例示している。反応図2および3に示されるように、二つの異なる方法が使用された。
反応図2(方法1)
Figure 2005506379
Pol=高分子担体レジン;
反応条件:a)トリメチル オルトホルメート/ジメチルホルムアミド 1:1、室温、12−20時間;テトラブチルアンモニウム ボロハイドライド、酢酸、ジメチルホルムアミド、室温、20時間;b)トリエチルアミン、ジオキサン、60℃、12−20時間;テトラブチルアンモニウム フルオライド、ジオキサン、室温、1−2時間;c)HATUピリジン/ジメチルホルムアミド2:1、室温、20時間;d)トリフルオロ酢酸、ジクロロメタン、室温、30分
反応図3(方法2)
Figure 2005506379
Pol=高分子担体レジン
反応条件:b)トリエチルアミン、ジクロロメタン、15℃室温、1時間;c)炭酸水素ナトリウム、ジメチルホルムアミド、90℃、3時間;d)トリフルオロ酢酸、ジクロロメタン、室温、30分
出発物質としてのレジンII(反応図2)は、二つの別の製法によって、製造されたが、それは、反応図4および5に示されている。
反応図4(方法A)
Figure 2005506379
反応条件:a)トリメチルアミン、ジクロロメタン、−20℃室温、24時間(X=Br)またはジイソプロピルカルボジイミド、DMAPトリエチルアミン、ジクロロメタン、室温、20時間(X=OH);b)炭酸セシウム(caesium carbonate)ジオキサン/イソプロパノール 1:1、60℃、24時間
反応図5(方法B)
Figure 2005506379
反応条件:a)炭酸カリウム、ジメチルホルムアミド、50−100℃、20時間;b)トリフルオロ酢酸、ジクロロメタン、室温、2時間;c)N,N−ジイソプロピルカルボジイミド、DMAPジクロロメタン、室温、20時間
方法Aによる出発物質レジンIIの製造
レジンIIa
Figure 2005506379
ステップa):
20g(反応基に基づく18.8mmol;理論量0.94mmol/g)のワングレジン(Wang resin)(Rapp Polymere, Order No. H 1011)を200mlのジクロロメタンに懸濁させる。21.0ml(150mmol)のトリエチルアミンを添加した後、混合物を、−20℃まで冷却し、34.6g(150mmol)の2−ブロモ−2−メチルプロパノイル ブロマイドを加える。−20℃で1.5時間の後、室温まで暖め、更に20時間攪拌する。混合物を、その後、ろ過し、レジンをジメチルホルムアミド、メタノールとジクロロメタンで交互に洗浄する。これにより、レジンIaが得られるが、更に精製することなく反応に供せられる。
ステップb):
16.0g(15.04mmol)のレジンIaを最初に160mlのジオキサン/イソプロパノール(1:1)に加え、そして39.2g(120mmol)の炭酸セシウムと14.7g(120mmol)の4−ヒドロキシベンゾアルデヒドを一緒にし、60℃で一晩攪拌する。混合物は、室温まで冷却され、6.9mlの酢酸で中和される。次いで、混合物をろ過し、レジンを、水、ジメチルホルムアミド、メタノールとジクロロメタンで交互に洗浄する。これにより、レジンIIaが得られるが、これは更に精製することなく下記の合成の連続的な進行に使用される。
次の出発レジンIIは、方法Aに類似して(準じて)製造される。
レジンIIb
Figure 2005506379
レジンIIc
Figure 2005506379
方法Bによる出発物質レジンIIの製造
レジンIId
Figure 2005506379
ステップa)
tert-ブチル 2−(4−ホルミル−2−メチルフェノキシ)−2−メチルプロパノエート
Figure 2005506379
10.0g(73.5mmol)の4−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒドおよび14.2g(103mmol)の炭酸カリウムを最初に90mlのジメチルホルムアミドに加え、50℃で30分攪拌する。19.2ml(103mmol)のtert-ブチル 2−ブロモイソブチレートをその懸濁液に滴下する。ついで、これを50℃で、更に1.5時間攪拌し、次に100℃で、20時間加熱する。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除き、残渣を、酢酸エチルに溶かし、混合物を水、飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液および飽和水性塩化ナトリウム溶液で抽出する。有機を硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。粗生成物は、シリカゲルでのクロマトグラフィー(移動相:シクロへキサン/酢酸エチル 10:1)により精製する。これによって、所望の目的物5.05g(理論上の25%)を得る。
LC−MS(方法A):R=4.8分
MS(ESIpos):m/z=223[M+H−tブチル]
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ = 1.40 (s, 9H), 1.68 (s, 6H), 2.29 (s, 3H), 6.74 (d, 1H), 7.58 (dd, 1H), 7.70 (br. s, 1H), 9.83 (s, 1H).
ステップb)
2−(4−ホルミル−2−メチルフェノキシ)−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
2.2g(7.9mmol)のtert-ブチル−2−(4−ホルミル−2−メチルフェノキシ)−2−メチルプロパノエートを20mlのジクロロメタンに溶解し、20mlのトリフルオロ酢酸を加える。混合物を室温、2時間攪拌し、次いで、減圧下濃縮し、所望の化合物を得る。
LC−MS(方法D):R=2.33分
MS(ESIpos):m/z=223[M+H]
ステップc)
Figure 2005506379
5.0g(反応基からは4.7mmol;理論量から0.94mmol/g)のWang レジン (Rapp Polymere, Order No. H 1011)を40mlのジクロロメタンに懸濁する。1.98g(8.93mmol)の2−(4−ホルミル−2−メチルフェノキシ)−2−メチルプロパン酸、2.37g(18.8mmol)のN,N−ジイソプロピルカルボジイミドおよび0.75g(6.1mmol)のN,N−ジメチルアミノピリジンを連続的に加える。混合物を、室温で20時間振盪し、次いで、レジンを吸引ろ過し、ジメチルホルムアミドで繰り返し、メタノールおよびジクロロメタン交互に洗浄する。これにより、レジンIIdが得られ、これは、さらに精製することなく下記の合成に連続して用いる。
次の出発物質レジンIIは、方法Bと類似に(に準じて)製造される。
レジンIIe
Figure 2005506379
レジンIIf
Figure 2005506379
反応図3/方法2によるライブラリー合成に必要なブロモアセトアニリドVIの製造
(実施例1/ステップ1c)も参照):
VIa) 2−ブロモ−N−(2,4−ジメチルフェニル)アセトアミド
Figure 2005506379
15.0g(124mmol)の2,4−ジメチルアニリンおよび17.3ml(124mmol)のトリエチルアミンを最初に200mlのジクロロメタンに加え(charged)
、次いで15℃でジクロロメタン50ml中のブロムアセチルブロマイド25.0g(124mmol)溶液を加える。室温で1時間攪拌すると、生成物が晶出する。結晶を吸引ろ過して除く。母液を減圧下で濃縮する。その結果得られる結晶を、同様に吸引ろ過し、減圧下で乾燥する。これにより、全量19.45g(理論上の65%)の生成物を得る。
LC−MS(方法A):R=3.54分
MS(ESIpos):m/z=242[M+H]
VIb)2−ブロモ−N−(2,4−ジフルオロフェニル)アセトアミド
Figure 2005506379
14.0g(108mmol)の2,4−ジフルオロアニリンおよび15.1ml(108mmol)のトリエチルアミンを最初に200mlのジクロロメタンに加え、次いで15℃で50ml中のブロムアセチルブロマイド21.9g(108mmol)の溶液をくわえる。室温で1時間攪拌の後、水をその溶液に加え、溶液は、水で繰り返し洗浄し、次いで飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液で一度洗浄する。ひとつに集められ有機を減圧下で濃縮する。これにより、生成物は、晶出する。22.4g(理論量の83%)の生成物が得られる。
LC−MS(方法A):R=3.26分
MS(ESIpos):m/z=251[M+H]
方法1(反応図2)による固相ライブラリー合成の一般的手法:
a)レジンの製造
0.07−0.1gのレジン5bIIaIIbIIcIIdIIeおよびIIf(Kan毎に)を、ジメチルホルムアミド/ジクロロメタン(1:2)中の懸濁液とし、IRORI Mini−Kansに注ぎ、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥する。
b)還元的アミノ化によるレジンIIIの製造
このように仕切られたレジンをジクロロメタン/トリメチル オルトホルメート(trimethyl orthformate)(1:1)に懸濁させ、アミン(5−7当量)を添加した後、室温で12−18時間振盪する。レジンをろ過し、ジメチルホルムアミドで洗浄する。次いで、レジンをジメチルホルムアミドおよび氷酢酸(10当量)に懸濁し、テトラブチルアンモニウム ボロハイドライド(4当量)を加え、そしてレジンを室温で6時間振盪させる[この手法の代替方法としては、レジンをジメチルホルムアミドに懸濁し、テトラブチルアンモニウム ボロハイドライド(4当量)を加え、そしてレジンを室温で15分振盪させることが可能である;そのあと、−40℃まで冷却し、氷酢酸(100当量)を添加し、次いで室温まで暖めて、6時間振盪する]。混合物を次いでろ過し、レジンをメタノール、ジクロロメタン/酢酸(10:1)、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン/ジイソプロピルエチルアミン(10:1)、メタノール、ジクロロメタンおよびジエチルエーテルで繰り返し洗浄し、最後に減圧下で乾燥する。
c)トリメチルシリル ブロモアセテートによるアルキル化
アルゴン雰囲気中で、分離した反応容器を(the separated reaction vessels) Kan毎に2.5mlのジオキサンで懸濁し、トリエチルアミン(14当量)およびトリメチルシリル ブロモアセテート(14等量)を加える。混合物を、60℃で一晩振盪させる。混合物を、ろ過し、レジンを、水、メタノール、ジメチルホルムアミド、メタノール、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタン、およびジエチルエーテルで洗浄する。減圧下で乾燥させた後、反応が完全になるまで繰り返す。最後にレジンを水で洗浄し、次にジオキサンで2回洗浄する。
d)トリメチルシリルエステルの開裂によるレジンIVの取得
レジンを2.5mlのジオキサン/カン(Kan)に懸濁させ、テトラブチルアンモニウム フルオライド(fluoride)(THF中の1M溶液の2当量)を加える。混合物を室温で2時間振盪させ、次いでろ過する。次にレジンをジメチルホルムアミド、メタノール、ジクロロメタンおよびジエチルエーテルで洗浄する。
e)レジンVを得るためのアミドの形成
レジンをピリジン/ジメチルホルムアミド(2:1)に懸濁し、これにアニリン誘導体(5−10当量)およびHATU(3当量)を加える。混合物を、室温で20時間振盪させ、次いでろ過する。この処置は、変換を完全にするために繰り返さなければならない場合がある。ついで、レジンを30%濃度酢酸、水、ジメチルホルムアミド、メタノール、ジクロロメタン、メタノール、およびジクロロメタンで洗浄する。
f)担体(support)レジンからの開裂(分離)
反応器の底を切り開き(cut open)、反応器(reactor)をFlex−Chem blockで4回それぞれ500μlのジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(1:1)で処理する。減圧下で濃縮すると、当該物を得る。
実施例7
2−[4−[[[2−[N−メチル−2,4−(ジメチルフェニル)アミノ]−2−オキソエチル]シクロヘキシルアミノ」−メチル]フェノキシ−2−メチルプロパン酸
Figure 2005506379
この化合物は、方法1(method 1)によるライブラリー合成の一般的な処理を用いて製造される。
LC−MS(方法C):R=3.1分
MS(ESIpos):m/z=467[M+H]
方法2(反応図3)による固相ライブラリー合成の一般的手法:
a)レジンVを得るブロモアセトアニリドでのアルキル化
分離した反応容器に方法1(反応図2)によりられるレジンIIIジメチルホルムアミド中で最初に加え、炭酸水素ナトリウム(3当量)および実施例1/ステップ1c)から得られるブロモアセトアニリド、VIaまたはVIb(3当量)を加える。混合物を、90℃で3時間攪拌する。レジンを、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタンおよびジエチルエーテルで洗浄る。
b)担体レジンからの開裂(分離)
反応器の底を切り開き、反応器をFlex−Chem blockで4回それぞれ500μlのジクロロメタン/トリフルオロ酢酸(1:1)で処理する。減圧下で濃縮すると、当該物を得る。
下記の表に列挙されている実施例8−56は、方法1または方法2により、ライブラリー合成の一般的な方法によって製造させた。
Figure 2005506379
Figure 2005506379
Figure 2005506379
Figure 2005506379
Figure 2005506379
Figure 2005506379
Figure 2005506379
Figure 2005506379
Figure 2005506379
Figure 2005506379
Figure 2005506379
LC−MS方法:
A:Symmetry C−183.5μm2.1×50mm; 70℃;0.5ml/; 移動相A=アセトニトリル+0.1%蟻酸、移動相B=水+0.1%蟻酸、グラジエント:0.010%A→4分90%A→6分90%A
B:LiChrospher 100 RP 18.5μm40℃;2.5ml/; 移動相A=アセトニトリル+0.05%トリフルオロ酢酸、移動相B=水+0.05%トリフルオロ酢酸、グラジエント:0.010%A→3.0分90%A→4分90%A
C:Symmetry C−183.5μm2.1×50mm;40℃;0.5ml/; 移動相A=アセトニトリル+0.1%蟻酸、移動相B=水+0.1%蟻酸、グラジエント:0.010%A→4.0分90%A→6分90%A
D:Symmetry C−185μm2.1×150mm;70℃;1.2ml/; 移動相A=アセトニトリル、移動相B=水+0.3g30%塩酸/l、グラジエント:0.02%A→2.5分95%A→5分95%A
E:Symmetry C−183.5μm2.1×50mm;24℃;0.75ml/; 移動相A=アセトニトリル+0.1%蟻酸、移動相B=水+0.1%蟻酸、グラジエント:0.010%A→4分90%A→5.5分90%A
F:YMC−ODS−AQ3μm2.1×50mm;室温;0.8ml/; 移動相A=水+0.05%蟻酸、移動相B=アセトニトリル+0.05%蟻酸、グラジエント:0.0100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→4.5分10%A
実施例A
細胞トランス活性化アッセイ(Cellular transactivation assay)
テスト原理
ペルオキシーム増殖剤応答性受容体(PPAR)−デルタ(PPAR−delta)の活性化物質同定するのに、細胞アッセイが使用される。
哺乳類の細胞は、結果を明確に解釈することを複雑化する可能性のある内因性の核内レセプターを含んでいるので、確立されているキメラシステム(chimera system)を使用する。そのシステムにおいては、ヒトのPPARδ受容体のリガンド結合ドメインは、酵母の転写活性因子GAL4のDNA結合ドメインと融合している。その結果得られるGAL4−PPARδ キメラは、コトランスフェクト(co-transfected)され、レポーターコンストラクト(reporter construct)を有しているCHO細胞において安定して発現する。
クローニング:
GAL4−PPARδ発現コンストラクト(expression construct)は、PPARδ(アミノ酸 414−1326)のリガンド結合ドメインを含んでいるが、PCR法によって増幅され、ベクターpcDNA3.1の中にクローニングされる。このベクターは、すでに、ベクターpFC2−dbd(Strategene)のGAL4 DNA結合ドメインを含んでいる(アミノ酸1−147)。レポーターコンストラクトは、チミジンキナーゼ(thymidine kinease)プロモター上流のGAL4結合サイト5個のコピーを包含しているが、GAL4−PPARδの活性化および結合に伴って、ホタルのルシフェラーゼ(Photinus pyralis)を発現する。
トランス活性化アッセイ(ルシフェラーゼレポーター)
CHO(チャイニーズハムスター卵巣細胞、2.5%のウシ胎児血清、1%のペニシリン/ストレプトマイシン(GIBCO)を添加したCHO−A−SFM培地(GIBCO)に、384ウエルプレート(Greiner)において、ウエルにつき2×10細胞密度植え付けた。細胞を37℃で48時間培養し、ついで、刺激を与える(stimulated)。この目的のために、試験化合物を上記の培地に溶かし、細胞に加える。24時間にわたる刺激(stimulation)の後、ルシフェラーゼ活性をビデオカメラを使用して、測定する。測定される相対的な光のユニット(units)により、物質濃度の関数として、S字状の刺激の曲線(sigmoidal stimulation)が作成される。ED50値は、コンピュータープログラム GraphPad PRISM(Version 3.02)を使用して、計算される。
このテストによって、本発明における実施例18、および9の化合物について、ED50値は、1から100nΜであることが判明する。
実施例B
ヒトApoA1遺伝子(hApoA1)でトランスフェクト(transfect)されたトランスジェニックマウスの血清のHDLコレステロール(HDL−C)濃度を増加させ、および/または脂肪ob/obマウス(adipose ob,ob mice)のメタボリック症候群に対する効果を有し血中のグルコース濃度を低下させる薬理学的に活性のある物質を見出す試験の説明
HDL−Cを増加させる活性に関して、イン・ビボ(in vivo)において検討される物質が、雄のトランスジェニックhApoA1マウスに経口的に投与される。実験の一日前に、動物は、同じ数、一般的には7から10(n=7−10)になるようにグループに無作為に分ける。実験全体において、動物には、水および餌を自由に摂らせる。物質は7日間、一日に一度経口的に投与される。このため、試験物質は、Soltol HS 15エタノールおよび食塩水(0.9%)をそれぞれ1:1:8の溶液、または Soltol HS および食塩水(0.9%)をそれぞれ2:8の溶液に溶解する。溶解される物質は、胃管を通して、体重あたり10ml/kgの量を投与される。体重あたり10ml/kgの溶剤のみを与え、試験物質を与えず、そのほかはまったく同様な方法で処理される動物群をコントロール群として使用する。
物質の最初の投与前に、眼窩後静脈叢(retroorbital venous plexus)から穿刺によってそれぞれのマウスから血液サンプルをとり、ApoA1、血清コレステロール、HDL−Cおよび血清トリグリセリド(TG)を決定する(ゼロ値とするため)。次に、胃管を用いて、試験物質を最初に動物に投与する。物質の最後の投与の24時間後に(最初の処理から8日目)、もう一つの血液サンプルをそれぞれの動物から、眼窩後静脈叢穿刺によって得、同様のパラメーターを決定する。血液サンプルは遠心分離の後、血清を得、コレステロールおよびTGを、EPOSアナライザー 5060(Eppendorf-Geraetebau,Netheler & Hinz Gmbh, Hamburg)を用いて、光度計により決定する。上記の決定は、市販の酵素試薬・試験法(commercial enzyme tests)(Boehringer Mannheim, Mannheim)を用いて行われる。
HDL−Cを決定するには、HDL−Cでないフラクションを、0.2Mのグリシンバッファー(PH:10)中の20%PEG8000を用いて、沈殿させる。上澄み液から、コレステロール値は商業的に手に入る試薬(Ecoline 25, Merck, Darmstadt)、を用いて、96のウエルプレートで、UV測光(UV-photometrically)(BIO-TEK Instrument, USA)によって決定する。
ヒトマウスApoA1は、ポリクローナル抗ヒトApoA1およびモノクローナル抗ヒトApoA1抗体(Biodesighn International, USA)を用いて、サンドイッチELISA法で決定される。定量については、ペルオキシダーゼ共役抗マウスIGG抗体 (KPL,USA)およびペルオキシダーゼ基質(KPL, USA)を用いて、UV測光(BIO-TEK Instrument, USA)によっておこなわれる。
試験物質のHDL−C濃度に対する効果は、2番目の血液サンプル(処理後)の測定値から最初の血液サンプル(ゼロ値)の測定値を差し引くことによって決定される。ひとつの群のすべてのHDL−C値の差の平均を決定し、コントロールの差の平均と比較する。
統計学的評価は、均一性のために分散をチェックした後、スチューデントのt検定を用いておこなう。
コントロール群と比較して、処理された動物のHDL−Cを統計的に有意(p<0.05)に少なくも15%増加させる物質は、薬理学的に効果があるとみなされる。
物質のメタボリック症候群(metabolic syndrome)への影響を検討するには、インシュリン耐性を有し、かつ血中のグルコースレベルが高い動物が使用される。この目的のためには、C57B1/6J Lep<ob>マウスが、トランスジェニックApoA1マウスのためと同様のプロトコールを用いて、処理される。血清脂質は、上記に述べられているように決定される。これらの動物において、血清中のグルコースは、血中のグルコースのパラメーターとして、付加的に決定される。血清グルコースは、商業上利用可能な酵素試験方法・試薬(Boehringer Mannheim)を用い、EPOS Analyzer 5060(上記参照)において、酵素学的に決定される。
試験物質の血中のグルコース低下効果は、2番目の血液サンプル(処理後)の測定値から同じ動物の最初の血液サンプル(ゼロ値)の測定値を差し引くことによって決定される。ひとつの群のすべて血清グルコース値の差の平均を決定し、コントロールの差の平均と比較する。
統計学的評価は、均一性のために分散をチェックした後、スチューデントのt検定を用いておこなう。
コントロール群と比較して、処理された動物の血清グルコース濃度統計的に有意(p<0.05)に少なくも10%低下させる物質は、薬理学的に効果があるとみなされる。

Claims (14)

  1. 一般式(I)
    Figure 2005506379
    (I),
    [式中Aは、単結合または、−CH−もしくは−CHCH−基を示す;
    XはOSまたはCHを示す;
    、RおよびRは、同一または異なり、お互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノ、ハロゲン、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロまたはシアノ基を示す;
    は、水素または(C−C)−アルキルを示す;
    およびRは水素であるか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成する;
    は、水素または(C−C)−アルキルを示す;
    は、直鎖の(C−C10)アルキル、または式−(CH−E(式中Eは、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、カルボキシル、および(C−C)−アルコキシカルボニルからなる基から選択された同一または相異なる基によって4回まで置換されていてもよい(C−C12)−シクロアルキルを示すか;または、(C−C)−アルキルからなる基から選択された同一または相異なる基によって2回まで置換されていてもよい、OおよびSからなる群から選択される二つまでのヘテロ原子を有する4ないし8員環の複素環を示し、nは、01、または2を示す)を示す;
    およびR10は同一または異なり、お互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチルまたはハロゲンを示す;
    11およびR12は、同一または異なり、お互いに独立して、水素、(C−C)−アルキルを示す;
    そしてR13は、水素、または、対応するカルボン酸に分解しうる加水分解可能な基を示す]で示される化合物およびその製薬学的に許容できる塩、水和物および溶媒和物。
  2. Aは、−CH−もしくは−CHCH−基を示し;
    XはOまたはSを示し;
    およびは、同一または異なり、お互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、ジ−(C−C)−アルキルアミノ、塩素、フッ素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ニトロまたはシアノ基を示し;
    は水素を示す;
    は、水素またはメチルを示し;
    およびRは水素を示すか、またはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成し;
    は、水素を示し;
    は、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、(C−C)−アルコキシ、カルボキシルおよび(C−C)−アルコキシカルボニルからなる群から選択される同一もしくは異なる置換基によって4回まで置換されていてもよい(C−C)−シクロアルキルを示すか;またはOおびSからなる群から選択された二つまでのヘテロ原子を有し、かつ(C−C)−アルキルからなる群より選択される同一または相異なる置換基により2回まで置換されていてもよい5または6員環の複素環を示し;
    は、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル、フッ素または塩素を示し;
    10は、水素を示し;
    11およびR12は、同一または異なり、お互いに独立して、水素またはメチルを示し;
    そしてR13は、水素、または、対応するカルボン酸に分解しうる加水分解可能な基を示す請求項1記載の一般式(I)の化合物およびその製薬学的に許容できる塩、水和物および溶媒和物。
  3. Aは、−CH−基を示し;
    XはOまたはSを示し;
    は、水素、メチル、トリフルオロメチル、塩素、フッ素、ニトロまたはシアノを示し;
    は、メチル、トリフルオロメチル、塩素、フッ素、ニトロまたはシアノを示し、
    は、水素を示し;
    は、水素を示し;
    およびRはそれらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成し;
    は、水素を示す;
    は、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを示し、それぞれは、メトキシ、エトキシで置換されていてもよく、または、メチルによって4回まで置換されていてもよい、または3−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロピラニルまたは4−テトラヒドロピラニルを示し、各々は、メチルでモノ置換もしくはジ置換されていてもよい;
    は、メチルを示し、
    10は、水素を示し、
    11およびR12は、両方とも水素を示すかまたは両方ともメチルを示し;
    そしてR13は、対応するカルボン酸に分解しうる加水分解可能な基を示すか、または特に水素を示す請求項1記載の一般式(I)の化合物およびその製薬学的に許容できる塩、水和物および溶媒和物。
  4. が水素またはメチルを示し、Rが水素を示す請求項1〜3のいずれかの請求項記載の一般式(I)の化合物。
  5. およびR 、それらが結合している炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成している請求項1〜4のいずれかの請求項記載の一般式(I)の化合物。
  6. 式(IA)
    Figure 2005506379
    (IA),
    [式中、RおよびRは、同一または異なり、お互いに独立してメチル、トリフルオロメチル、フッ素、塩素、ニトロまたはシアノを示し、A、X、R、R、R10、R11およびR12はそれぞれ請求項1〜5で定義されている意味を有する]で示される化合物。
  7. 疾患の予防および治療のための請求項1〜6に定義されている式(I)または式(IA)の化合物。
  8. 請求項1および6にそれぞれ定義されている式(I)または式(IA)の化合物の少なくても一つの化合物と、不活性の非毒性の製薬学的に許容される担体、補助剤、溶剤、賦形剤、乳化剤、および/または分散剤を含む薬剤。
  9. 疾患の予防および治療のための請求項1〜8にそれぞれ定義されている式(I)または式(IA)の化合物および薬剤の使用。
  10. 薬剤を製造するための請求項1〜6にそれぞれ定義されている式(I)または式(IA)の化合物の使用。
  11. 冠状動脈性心疾患、異脂肪血症(dyslipidaemias)の予防および治療、心筋梗塞の予防および冠状動脈血管形成術またはステントの後の狭窄の治療の薬剤を製造するための請求項1〜6にそれぞれ定義されている式(I)または式(IA)の化合物の使用。
  12. 請求項1および6にそれぞれ定義されている式(I)または式(IA)の化合物を生物体(living being)に作用させることを特徴とする疾患の予防および治療方法。
  13. 請求項1および6にそれぞれ定義されている式(I)または式(IA)の化合物の少なくても一つの化合物を、補助剤および/または担体を用いて投与形態に変換することを特徴とする薬剤の製造方法。
  14. [A]一般式(II)
    Figure 2005506379
    (II),
    [式中、A、X、R、R、R、R10、R11およびR12は請求項1で定義されているものであり、Tは、ベンジル、(C−C)アルキル、または固相合成に適する高分子担体を意味する]で表される化合物を、(II)のカルボン酸基の活性化とともに、一般式(III)の化合物と最初に反応させ、
    Figure 2005506379
    (III),
    [式中、R、R、RおよびRは請求項1に定義されている]一般式(Ia)
    Figure 2005506379
    (Ia),
    [式中、A、R、R 、R、R、R10、R11およびR12は、上記に定義された意味である]で表される化合物を得るか;または、
    [B]一般式(IV)の化合物
    Figure 2005506379
    (IV),
    [式中、A、X、T、R 、R10、R11およびR12は請求項1の定義を意味する]を塩基の存在下において、一般式(V)
    Figure 2005506379
    (V),
    [式中、R、R、R、RおよびRは請求項1に定義され意味を有し、Qは、たとえばハロゲン、メシレートまたはトシレート、好ましくは、臭素、ヨウ素のような適切な脱離基を意味する]の化合物と反応させて、同様に一般式(Ia)で表される化合物を得、次いで、一般式(Ia)の化合物を、適切な場合は、公知の方法でアミドを還元し、一般式(Ib)
    Figure 2005506379
    (Ib),
    [式中、A、R、R 、R、R、R10、R11およびR12は、上記に定義された意味である]の化合物に変換し、次に、酸または塩基で一般式(Ic)で表される対応するカルボン酸に転換し、
    Figure 2005506379
    (Ic),
    [式中、A、R、R 、R、R、R10、R11およびR12は、上記に定義された意味である]そして、適切な場合は、これらの化合物を、さらに公知のエステル化方法により、一般式(VI)
    R13-Z (VI),
    [式中R13は上記に定義された意味であり、Zは、たとえば、ハロゲン、メシレート、またはトシレートのような適切な脱離基であるかまたは水酸基を意味する]の化合物と反応させ、化合物を更に変換させることを特徴とする請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法。
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