JP2005506230A - コーテッド・ファブリックを備えるディスプレイ・サポート - Google Patents

Abstract

本発明は、織物層（２）の１つの表面の各々に位置する該織物層（２）及び２つの含浸層（３、４）を具備する被覆織物（１）と；前記含浸層（３）の１つに印刷、被着されるように構成したニス（７）被覆と；前記ニス（７）被覆を受容する前記含浸層（３）の反対側の前記含浸層（４）に再配置、被着し得る圧感接着層（５）と；前記圧感接着層（５）に対する低接着強度を有するシートから成る前記接着層（５）に配置された保護層（６）と；を備えることを特徴とする印刷されるように構成されたディスプレイ支持部に関する。

Description

【技術分野】
【０００１】
本発明は、繊維工業及び、より詳細には、含浸又はコーテッド・ファブリック（被覆織物、coated fabrics）の分野に関する。本発明は、より詳細には、特に、ディスプレイ・サポート（display support）として、あるいは太陽放射に対する保護スクリーンとして、様々な用途に使用可能とする新規なコーテッド・ファブリック構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、コーテッド・ファブリックは、含浸層が面の一方又は他方、あるいは両方に被着される、織物のコアを備える。この含浸層は、一般的に、これと可塑剤が組み合わされる、重合体材料、典型的には、ポリ塩化ビニルから作り出される。この織物のコアと含浸層の組合せは、コーテッド・ファブリックに幾つかの有利な特性、特に幾つかの機械抵抗、及び紫外線に対する良好な安定性も与える。こうして、例えば、他の建築用途におけるブラインド又は外装仕上げ材（cladding）、及びまたトラック粗布として、外で使用可能にする。
【０００３】
他の用途の中でも、ディスプレイ・サポートとしてコーテッド・ファブリックを使用する可能性は言及し得る。この場合、織物は既知の方法によって印刷されかつ平面幾何形状を保存するようにフレームに配置される。フレームに対して張力下でディスプレイを保持可能にする装置は、高品質ディスプレイ・サポートを得ることを可能にする。
【０００４】
堅固なフレームの使用は、それにも拘わらず、欠陥の原因である。正確に言えば、ディスプレイが大きな寸法を有するため、ますます、こうしたフレームはかなりの重量を有する。したがって、特にフレームが外に配置されかつ風力を受ける時には、このフレームがひもなどで結び付けられることを保証する必要がある。
【０００５】
更に、こうしたフレームの寸法は、同じ寸法を有するディスプレイ・サポートの使用を必要とし、これによって、逆のコスト効果を有することが分かる。さらにまた、堅固なフレームのコストは、手の届かない値段になることが判明し得る、ディスプレイ・システムの原価の増加に帰着する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
したがって、本発明の目的は、コーテッド・ファブリックから作られたディスプレイ・サポートの品質と、堅固なフレームを不要にすることができる装備を有するデイスプレイ・デバイスを提供することである。
【０００７】
ディスプレイ・サポートは、広告又は装飾ディスプレイとしての用途のみならず、表示要素としての用途を意味することが理解される。
【０００８】
ディスプレイ・サポートの第２の用途は、一般的にコーテッド・ファブリックを利用する、太陽放射に対する保護に関する。これらの織物は、織物に張力が付与される堅固なフレームの内側で、ブラインド又は外装仕上げ材として使用されかつ建物の前に配置される。太陽エネルギー保護スクリーンに対して定位置に堅固なフレームを置くことは、正確には堅固なフレームの重量及びコストに関連する欠点でもある、広告ディスプレイに関するものと認定された欠点を有する。
【０００９】
本発明の別の目的は、これらの様々な欠点が取り除かれた、太陽放射からコーテッド・ファブリックを保護するスクリーンを作り出すことを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
したがって、本発明は印刷し得るディスプレイ支持部に関する。
【００１１】
本発明によると、このディスプレイ・サポートは：織物層の１面に各々が配置される該織物層及び２つの含浸層を具備する被覆織物と；前記含浸層の１つに印刷、被着し得るニス層と；前記ニス層を受容する層とは反対側の前記含浸層上に被着される再配置し得る圧感接着層と；前記接着層に配置されかつ前記圧感接着層に対する低接着強度を有するシートから形成される保護層と；を備えることを特徴とする。
【００１２】
換言すれば、本発明は、ディスプレイ・サポートを幅広く可変なディスプレイ領域に位置づけ可能にする、接着剤を具備する被覆織物の面を装備することを含む。この利点は使用者がディスプレイ領域から、必要に応じて何度も再位置づけするように、ディスプレイ・サポートを取り外し可能にするように選択される。このように、ディスプレイ・サポートは引き続いて数回使用し得るものであり、かくして、必要な時に極めて容易に再位置づけ操作を行うべく、幾つかのディスプレイキャンペーン又は別のもののコストを正当化することを可能にする。
【００１３】
これらの圧感接着剤の選択により、織物は、自身がディスプレイ領域から取り除かれる時に該ディスプレイ領域に痕（mark）を残さない。
【００１４】
接着層に対向する面上では、コーテッド・ファブリックは、織物層がディスプレイ領域に接合される時に視認し得る織物の層に幾つかの特性を与える、ニス、ラッカー、あるいは類似した層から成る。特有なニス層は、インクジェット、スクリーン印刷、あるいは類似の技術により印刷し得る能力を有する。
【００１５】
接着層に配置された保護層は、ディスプレイ・サポートがそれ自体に巻回される時に接着剤を保護可能にすると共に、印刷機の通過を可能にする。
【発明の効果】
【００１６】
正確に言えば、いくつかの印刷機では、印刷された支援は、機械自体に粘着性の層の特性、後者の不注意な徐行およびそのトランスファーの修正をもたらすことができる温度の上昇にさらされます。さらに、論文は、透かし細工の織物が関する、インクに対して機械を保護することを可能にします。
【００１７】
有利なことに、実際に、織物の層は固体又は透かし細工織物又は別様のメッシュとし得る。この織物の層は、特にポリエステル、ポリアミドあるいはガラス繊維に基づいた種々の糸から作り出し得る。
【００１８】
実際に、含浸層の少なくとも１つは、可塑化剤を含有するポリ塩化ビニルに基づいて作り出し得る。
【００１９】
この場合、圧感接着剤層は、隣接する含浸層に存在する可塑剤に対して非常に低い間隙率（porosity）を有する。非常に低い間隙率は含浸層と接着剤の間の移動現象が極めて制限されることを意味することと理解される。正確には、移動する傾向にある可塑剤は、不均等性の危険性に加えて、接着剤の機械的特性を変更させかつディスプレイ支持部の接着力を劣化させる。
【００２０】
有利なことに、実際に、圧感接着剤層は、５ｃｍの幅を備えた帯片に対して、１〜１００ニュートンの接着力を有する。
【００２１】
接着力が最低、典型的には、５ｃｍの幅当たり１〜３０ニュートンである時、織物は、その後、極めて容易に分離可能である。織物は、その後、極めて頻繁に再位置づけしなければならない用途に使用される。反対に、５ｃｍの幅当り５０ニュートン以上の接着力に対して、サポートはディスプレイ領域により堅固に固着し、これにより、耐久性のあるディスプレイ又は位置決めを行うように構成される。
【００２２】
太陽保護覆いのための用途では、ニス層又は少なくとも１つの含浸層、あるいはニスを受容する面を印刷するために使用された別のインクの何れかは反射特性を有する。これらは、例えば、金属粒子、特にアルミニウム粒子を含む層とし得る。
【００２３】
ディスプレイ・サポートが外部又は内部に配置されるかに依存して、外部に最も遠くに配置された層には反射特性が与えられるという恩恵がある。換言すれば、織物が滑らかな表面の内面上に配置されると接着剤と接触する含浸層は反射する。反対に織物が滑らかな表面の外部に配置されるとニスが反射する。
【００２４】
既に言及したように、このディスプレイ・サポートは、平坦な領域にこれらのディスプレイを極めて迅速に位置づけ可能にする。
【００２５】
こうしたディスプレイ・サポートは、極めて迅速に移動し得るか、あるいはディスプレイ領域から極めて迅速に分離し得る。その結果、それはもう一度他で使用し得る。こうしたディスプレイ・サポートは、織物の芯として、例えば、電導性を有する特性のような、特性を有する織物も使用し得る。後者の場合には、そのサポートに配置される織物は熱源として、例えば、分割ライニングとして使用し得る。
【００２６】
本発明がどのように実施されるのか、及び本発明から生じる利点は、本発明によるディスプレイ・サポートの線図的断面図を示す単一の添付図面を参照して、以下の特定の実施形態から明瞭に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００２７】
上述したように、本発明は、何れの平面領域、特に鉛直平面領域に極めて容易に配置し得ることを許容する、圧感接着剤材料の層を有するコーテッド・ファブリックに関する。
【００２８】
したがって、本発明は、それ自体、第１織物層（２）から形成されたコーテッド・ファブリックから作り出される。この第１織物の上に２つの含浸層（３、４）が各面に被着される。より詳細には、織物層（２）はメッシュ又は織物の何れかから作り出し得る。この織物は透かし細工、すなわち、その様々な縦糸及び横糸の間に開口を有するか、あるいは別様に中実、すなわち、隣接する縦糸及び横糸を有するものとし得る。
【００２９】
実際に、織物のコアは、５０〜１１１０デシテックス（decitex）、あるいはそれ以上の線密度の糸から作り出し得る。これらは、その機械抵抗が有利であることが分かっているポリエステル糸とし得る。しかしながら、また、ポリアミド又はガラス繊維の使用は、満足な結果を得ることを可能にする。織り込み後、あるいはメッシュ層形成後に、織物のコアは、１平方メートル当たり４０〜３００グラムの程度の単位面積当りの質量を有する。
【００３０】
この織物のコア（２）はこのコア面の各々に含浸層（３、４）を受容する。この含浸層は、有利なことに、ポリ塩化ビニル（ＰＶＣ）から作り出し得る。このＰＶＣは、５０〜８０のＫ値指数を有する。
【００３１】
これらの被覆層（３、４）は、ＰＶＣが含有された可塑剤も備える。これらの可塑剤は、フタル酸塩又はリン酸塩タイプ、あるいは別様にＰＶＣ内の低移動能力を有する他の可塑剤とし得る。したがって、ＰＶＣの１００部に対して、可塑剤の４０〜１２０部が加えられる。
【００３２】
含浸層（３、４）は、ＰＶＣの１００部当たり２〜１００部に存在する慣用の安定剤も備える。これらの安定剤は、前記被覆層がその製造中又は紫外線に露出した結果として受容するエネルギーの幾らかを吸収するために有用である。したがって、これらの安定剤は、被覆層の放射線に対する保護を保証し、同時にその劣化を防ぐ。
【００３３】
含浸層（３、４）は、層の比率を増加させるため、あるいはそれに特別の特性を与えるために構成された充填物（fillers）を含み得る。したがって、こうした充填物は、炭酸カルシウム（ＣａＣＯ_３）とし得るか、あるいはこれらは難燃性充填物、典型的には、水酸化アルミニウム（Ａｌ（ＯＨ）_３）又は酸化アンチモン（Ｓｂ_２０_３）とし得る。これらの充填物は、１００部のＰＶＣ当たり８０部まで存在し得る。
【００３４】
合計で、各含浸層（３、４）の重量は、典型的には、１平方メートル当たり３００グラム未満である。
【００３５】
含浸層（３）のうちの１つにおいては、本発明による織物がニス層（７）を有する。この表層は、アクリル、ビニル又はセルローズの重合体を含有するニスに基づいて作り出される。この層は、１平方メートル当たり２〜８０グラムの質量体が被着される。ニスは、水性インク又は溶剤に基づいたインク又はプリンターのインク、あるいは紫外線下で架橋する別のインクとのその良好な印刷能力のために選択される。スクリーン印刷に関する個所では、選択されたニスはこの印刷方法と互換性がある。
【００３６】
ディスプレイ・サポートが太陽光放射スクリーンとしても使用される場合、幾つかの場合には、上部のニス層が反射するように金属粒子を組み込み得る。
【００３７】
含浸層（４）は、自己接接着性及び圧感性の接着材料の層を受容する。より詳細には、使用される接着剤は、典型的には、アクリル重合体又はメタクリル酸塩重合体、あるいはこれらの誘導体に基づく。接着剤層（５）が可塑剤を含む含浸層（４）上に配置される場合、選択された材料はこれらの可塑剤の移動に対する良好な抵抗を有する。この移動抵抗は、接着特性の変動により評価し得る。したがって、５週間４０℃のオーブンの中で織物を維持したまま、接着特性に何等の実質的変更は観察される必要はない。
【００３８】
正確に言えば、接着層（５）に向けた被覆層（４）から可塑剤を通過させる移動現象が過度に多いと、これはところどころにその接着特性の幾つかを損失する接着剤の劣化を示す。この場合、織物が剥離する場合、接着層（５）の一部が含浸層（４）から分離され、かつ壁あるいは、より一般的にそれを受容したディスプレイ領域に残るという危険性がある。
【００３９】
被着された接着剤の量は、２０〜１００ミクロンの程度の厚さに相当する、１平方メートル当たり２０〜１００グラムの程度である。
【００４０】
既に言及したように、ディスプレイ領域上の接着剤の接着力は所望の用途のタイプに依存して変動し得る。コンクリート又は石膏タイプの比較的多孔質な支持層へ塗布するためには、比較的厚い接着層ではあるが、結局、滑らかな支持層への塗布よりも相対的により厚い接着層を被着する必要がある。
【００４１】
接着力については、頻繁に再位置づけ可能な塗布のために、５ｃｍの幅を備えた一片に対して１〜３０ニュートンとし得る。５ｃｍに対して１００ニュートンになる付加的抽出力は、付着がより長持ちする用途にとって好ましい。接着力は、剥離部分がディスプレイ領域に実質的に直角な形状構成で動力計によって測定される。
【００４２】
図示するように、接着材料（５）の層は、通常のシリコン紙のシートから、あるいは別様にポリエチレンフィルムから作リ出される保護層（６）によって保護される。この保護シート（６）は、この操作中に如何なる接着もせずに、接着層（５）に対する低接着性を有しかつ極めて容易に取り除き得る。このシートは、織物（１）がそれ自体に巻きつけられる時に接着層（５、６）と印刷されたニス層（７）の間の接触を回避可能にする。これは、印刷された面の視覚的な外観を害しかつ接着層の特性も変更し得る、印刷インクの絵具が粘接着層内に通過するのを阻止する。
【００４３】
メッシュが関係している箇所での保護紙の存在は、印刷段階の間にインクのはねから印刷機を保護可能にする。こうして、保護紙の存在は機械に関する維持操作を減じるのと同時に、この保護紙の存在は広範囲の支持層上で操作を可能にする。
【００４４】
更に、印刷動作中に、ディスプレイ・サポートが熱源に晒されることがあり得る。また、熱に晒された時に軟化傾向にある接着層は、該接着層が載る印刷テーブルに固着し始めないことが重要である。
【００４５】
本発明によるディスプレイ・サポートは多くの利点を有するが、特に、堅固なフレームの使用を要さずに実質的に何れの領域上にも配置し得るという利点を有することが上述したことから理解し得る。難燃性充填剤を組み込んだ重合体の使用は、紙サポートと比較して、このタイプのディスプレイに利点を与える。
【００４６】
保持フレームの欠如により、このディスプレイ・サポートは幾何学的な限定無しで所望形状に切断し得る。
【００４７】
支持層が太陽放射に対する保護スクリーンとして使用される場合、この利点は、同様に特に有利であることが分かる。正確に言えば、それは、このように、それが配置される濾過表面の寸法に切断し得る。
【産業上の利用可能性】
【００４８】
本発明によるコーテッド・ファブリックは、多くの用途に使用することができる。特に、以下の用途に使用することができる。
・広告ディスプレイ、
・インジケータ・サイン、
・特に変更形態における、織物を導電性にして該織物を熱エネルギーを放射可能にする可能性に伴う外観又は仕切りの外装仕上げ材、
・太陽放射に対する保護被覆、
・自動車又は住居。
【図面の簡単な説明】
【００４９】
【図１】ディスプレイ・サポートの線図的断面図である
【符号の説明】
【００５０】
１ コーテッド・ファブリック（被覆織物）
２ 織物層
３、４ 含浸層
５ 接着層
６ 保護層
７ ニス層

Claims (8)

1. 印刷し得るディスプレイ支持部であって、織物層（２）の１つの面の各々に位置する該織物層（２）及び２つの含浸層（３、４）を具備する被覆織物（１）と；前記含浸層（３）の１つ上に印刷かつ被着されるように構成したニス（７）被覆と；前記ニス（７）被覆を受容する前記含浸層（３）の反対側の前記含浸層（４）上に被着された再位置付け可能な圧感接着層（５）と；前記接着層（５）に配置されかつ該圧感接着層（５）に対する低接着強度を有するシートから形成された保護層（６）と；を備えることを特徴とするディスプレイ支持部。
2. 前記織物層（２）は織物又はメッシュであることを特徴とする、請求項１に記載のディスプレイ支持部。
3. 前記織物層（２）は織物の層（２）ポリエステル、ポリアミド又はガラス繊維に基づくことを特徴とする、
4. 前記含浸層（３、４）の少なくとも１つは、ポリ塩化ビニルに基づいて作り出されかつ可塑剤を含むことを特徴とする、請求項１に記載のディスプレイ支持部。
5. 前記圧感接着層（５）は、５ｃｍの幅を有する帯片に対して１〜１００ニュートンの接着力を有することを特徴とする、請求項１に記載のディスプレイ支持部。
6. 前記圧感接着層（５）は、隣接する前記含浸層（４）に存在する可塑剤に対して非常に低い空隙率を有することを特徴とする、請求項４に記載のディスプレイ支持部。
7. 前記含浸層（３、４）又は前記ニス層（７）の少なくとも１つは、太陽放射を反射する特性を有することを特徴とする、請求項１に記載のディスプレイ・サポート。
8. 前記含浸層（３、４）又は前記ニス層（７）の少なくとも１つは、金属粒子を含むことを特徴とする、請求項７に記載のディスプレイ支持部。