JP7322508B2 - 不燃化粧シート - Google Patents

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Description

本発明は、不燃化粧シートに関するものである。特に意匠性にすぐれ、また実用において意匠性を損なうことのない、各種耐性や物性を備えた、不燃化粧シートに関するものである。
近年、建築物に用いられる、例えば内装材料には、火災に対する不燃性の要求が高まっている。特に、一定の規模、用途に供する、居室や廊下、階段などの避難経路などの膜天井等には、その要求性能に応じた防火材料を用いなければならないことが、法律(建築基準法施行令第129条)で義務付けられている。
これに対し、特許文献1には、膜天井に用いるガラスクロスの提案がなされているが、特定のガラスクロスを用いてなることを主眼としているものであって、意匠性を考慮したものではなかった。
特許第5641168号公報
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、膜天井用途にも使用可能で、意匠性に優れる不燃化粧シートを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、
不燃化粧シートであって、
不燃化粧シートは、ガラスクロスと、化粧シートが積層されて構成されており、
積層は、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を含有する接着剤層を介して積層されており、
接着剤層は、一方の面がガラスクロス、他方の面が化粧シートの裏面プライマ層と接しており、
化粧シートは、前記裏面プライマ層のほか、ポリエステル樹脂を含有する樹脂フィルムを基材として、この樹脂フィルムの表面に形成された印刷インキ層と、印刷インキ層の上に形成された表面保護層とからなり、
印刷インキ層は、ベタ印刷層と、ベタ印刷層の上に形成された絵柄印刷層とからなり、
ベタ印刷層は、2液硬化型の有機樹脂硬化物からなり、
絵柄印刷層は、有機顔料もしくは無機顔料を含んだ、蒸発乾燥型の有機樹脂層からなり、
前記樹脂フィルムの厚さは、0.045mm以上、0.077mm以下であり、
前記接着剤層の質量は、44.0g/m以下であることを特徴とする、不燃化粧シートである。
また、請求項2に記載の発明は、
前記接着剤層は、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を80.3質量%以上、100質量%以下、および無機顔料を0質量%以上、19.7質量%以下含むことを特徴とする、請求項1に記載の不燃化粧シートである。
また、請求項3に記載の発明は、
不燃化粧シートであって、
不燃化粧シートは、ガラスクロスと、化粧シートが積層されて構成されており、
積層は、ウレタン樹脂と有機質系硬化剤とを含有する接着剤層を介して積層されており、
接着剤層は、一方の面がガラスクロス、他方の面が化粧シートの裏面プライマ層と接しており、
化粧シートは、前記裏面プライマ層のほか、ポリエステル樹脂を含有する樹脂フィルムを基材として、この樹脂フィルムの表面に形成された印刷インキ層と、印刷インキ層の上に形成された表面保護層とからなり、
印刷インキ層は、ベタ印刷層と、ベタ印刷層の上に形成された絵柄印刷層とからなり、
ベタ印刷層は、2液硬化型の有機樹脂硬化物からなり、
絵柄印刷層は、有機顔料もしくは無機顔料を含んだ、蒸発乾燥型の有機樹脂層からなり、
前記樹脂フィルムの厚さは、0.045mm以上、0.077mm以下であり、
前記接着剤層の質量は、33.0g/m以下であることを特徴とする、不燃化粧シートである。
また、請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の接着剤層は、ウレタン樹脂を84.3質量%以下、および有機質系硬化剤を、15.7質量%以上含むことを特徴とする、請求項3に記載の不燃化粧シートである。
また、請求項5に記載の発明は、
前記化粧シートと前記ガラスクロスの積層体の、可視光領域における全光線透過率が30%以上、50%以下の範囲内、かつ拡散透過率が25%以上、45%以下の範囲内であることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の不燃化粧シートである。
また、請求項6に記載の発明は、
前記印刷インキ層のうち絵柄印刷層は、単位面積当たりの印刷面積が50%以下であることを特徴とする、請求項5に記載の不燃化粧シートである。
また、請求項7に記載の発明は、
前記樹脂フィルムは、ポリエステル樹脂を67.0質量%以上、96.5質量%以下、無機顔料を3.5質量%以上、33.0質量%以下含むことを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の不燃化粧シートである。
本発明によれば、ガラスクロスと化粧シートが積層されてなる、不燃化粧シートを、請求項に記載された構成とすることにより、膜天井用途にも使用可能で、意匠性に優れる不燃化粧シートを提供することが可能である。
特に請求項2に記載の発明によれば、接着剤層は、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を80.3質量%以上、100質量%以下、および無機顔料を0質量%以上、19.7質量%以下含むことによって、不燃化粧シートへの、不燃性能の付与に効果的である。
特に請求項3に記載の発明によれば、ガラスクロスと化粧シートが積層されてなる、不燃化粧シートを、請求項に記載された構成とすることにより、膜天井用途にも使用可能で
、意匠性に優れる不燃化粧シートを提供することが可能である。
特に請求項4に記載の発明によれば、接着剤層は、ウレタン樹脂を84.3質量%以下、および有機質系硬化剤を、15.7質量%以上含むことによって、不燃化粧シートへの、不燃性能の付与に効果的である。
特に請求項5に記載の発明によれば、化粧シートと前記ガラスクロスの積層体の、可視光領域における全光線透過率が30%以上、50%以下の範囲内、かつ拡散透過率が25%以上、45%以下の範囲内であることによって、照明用途に使用した際に、光源を直接視認することなく、不燃化粧シートを面光源として利用することができ、光膜天井としての機能を付与することが可能である。
特に請求項6に記載の発明によれば、印刷インキ層のうち絵柄印刷層は、単位面積当たりの印刷面積が50%以下であることによって、適度な光透過率を確保できるために、照明用途に使用可能となるとともに、印刷インキ層に表現された絵柄、たとえば木目柄、抽象柄などのデザインを活かして、高意匠性の膜天井とすることに、より効果的である。
特に請求項7に記載の発明によれば、樹脂フィルムは、ポリエステル樹脂を67.0質量%以上、96.5質量%以下、無機顔料を3.5質量%以上、33.0質量%以下含むことによって、不燃化粧シートへの、不燃性能の付与に効果的である。
図1は、本発明に関わる不燃化粧シートの一実施態様を説明するための、部分断面模式図である。 図2は、本発明に関わる不燃化粧シートの、課題解決のための他の実施態様を説明するための、部分断面模式図である。
以下、本発明を図を参照しながら、更に詳しい説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
図1は、本発明に関わる不燃化粧シートの一実施態様を説明するための、部分断面模式図である。
本発明は不燃化粧シートであって、不燃化粧シート(10)は、ガラスクロス(7)と、化粧シート(8)が積層されて構成される。
積層は、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を含有する接着剤層(6)を介して積層される。
たとえば、接着剤層(6)は、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を80.3質量%以上、100質量%以下、および無機顔料を0質量%以上、19.7質量%以下含むものとすることができる。
また、接着剤層(6)は、一方の面がガラスクロス(7)、他方の面が化粧シート(8)の裏面プライマ層(5)と接している。
化粧シート(8)は、裏面プライマ層(5)のほか、ポリエステル樹脂を含有する、樹脂フィルム(4)を基材として、この樹脂フィルム(4)の表面に形成された印刷インキ
層(9)と、印刷インキ層(9)の上に形成された表面保護層(1)とからなる。
印刷インキ層(9)は、ベタ印刷層(3)と、ベタ印刷層(3)の上に形成された絵柄印刷層(2)とからなる。
ベタ印刷層(3)は、2液硬化型の有機樹脂硬化物からなり、絵柄印刷層(2)は、有機顔料、もしくは無機顔料を含んだ、蒸発乾燥型の有機樹脂層からなる。
また、樹脂フィルム(4)の厚さは、0.045mm以上、0.077mm以下であり、接着剤層(6)の質量は、44.0g/m以下である。
図2は、本発明に関わる不燃化粧シートの、課題解決のための他の実施態様を説明するための、部分断面模式図である。
他方、本発明においては、課題解決のもう一つの方法として、請求項3に示す通り、不燃化粧シート(10)において、不燃化粧シートは、ガラスクロス(7)と、化粧シート(8)が積層されて構成されており、積層は、ウレタン樹脂と有機質系硬化剤とを含有する接着剤層(11)を介して積層されている。
接着剤層(11)は、一方の面がガラスクロス(7)、他方の面が化粧シート(8)の裏面プライマ層(5)と接しており、化粧シート(8)は、前記裏面プライマ層(5)のほか、ポリエステル樹脂を含有する樹脂フィルム(4)を基材として、この樹脂フィルムの(4)表面に形成された印刷インキ層(9)と、印刷インキ層(9)の上に形成された表面保護層(1)とからなる。
印刷インキ層(9)は、ベタ印刷層(3)と、ベタ印刷層(3)の上に形成された絵柄印刷層(2)とからなり、ベタ印刷層(3)は、2液硬化型の有機樹脂硬化物からなり、絵柄印刷層(2)は、有機顔料もしくは無機顔料を含んだ、蒸発乾燥型の有機樹脂層からなり、樹脂フィルム(4)の厚さは、0.045mm以上、0.077mm以下であり、前記接着剤層(11)の質量は、33.0g/m以下とする。
このとき、接着剤層(11)は、ウレタン樹脂を84.3質量%以下、および有機質系硬化剤を、15.7質量%以上含むものとすることができる。この部分は、図1で示す実施態様とは異なっている。
本発明において、化粧シート(8)と前記ガラスクロス(7)の積層体の、可視光領域における全光線透過率が30%以上、50%以下の範囲内、かつ拡散透過率が25%以上、45%以下の範囲内とすることができる。
我々は、本発明を鋭意検討する過程において、全光線透過率、および拡散透過率がこの範囲内であることによって、照明用途に使用した際に、光源を直接視認することなく、本発明による不燃化粧シート(10)を面光源として利用することができ、光膜天井としての機能付与に、より効果的であることを見出した。
また本発明において、印刷インキ層(9)のうち絵柄印刷層(2)は、単位面積当たりの印刷面積が50%以下とすることができる。
我々は、本発明を鋭意検討する過程において、印刷インキ層(9)のうち絵柄印刷層(2)の印刷面積率が、この範囲内であることによって、照明用途に使用することに適性を有するほか、印刷による絵柄をデザインとして視認することができるために、高意匠性の光膜天井としての機能付与に、より効果的であることを見出した。
また、本発明において、樹脂フィルム(4)は、ポリエステル樹脂を67.0質量%以上、96.5質量%以下、無機顔料を3.5質量%以上、33.0質量%以下含むものとすることができる。
我々は、本発明を鋭意検討する過程において、樹脂フィルムの成分比がこの範囲であることによって、本発明による不燃化粧シートへの不燃性の付与に、より効果的であることを見出した。
以下、本発明による不燃化粧シートの、各構成要素について、さらに詳細な説明を加える。
まず、本発明による不燃化粧シート(10)の層構成は、図1、および図2の部分断面模式図に示す通り、シート裏面側から、
ガラスクロス(7)/接着剤層(6)または(11)/裏面プライマ層(5)/樹脂フィルム(4)/印刷インキ層(9)/表面保護層(1)
である。
なお、印刷インキ層(9)は、ベタ印刷層(3)、および絵柄印刷層(2)から構成される。
(ガラスクロス)
ガラスクロス(7)は、ガラス繊維を織って形成したクロスである。一般に表面処理をしたガラス繊維を用いてなり、表面処理剤は例えば、接着性を向上させる集束剤、シラン化合物等である。ガラスは所謂Eガラスであり、例えばEガラスを97質量%以上、99質量%以下、表面処理剤を1質量%以上、3質量%以下含むものとする。
ガラスクロス(7)の織り方は平織りである。糸番手は、例えば縦糸を68.5テックス、横糸を68.5テックスとすることができる。この時、織密度は、例えば縦糸を42本/25mm以上、46本/25mm以下、横糸を31本/25mm以上、35本/25mm以下とすることができる。
また、ガラスクロス(7)の厚さは、例えば0.17mm以上、0.21mm以下とすることができ、さらにガラスクロスの質量は、例えば190.8g/m以上、233.2g/m以下(有機質量2.0g/m以上、6.4g/m以下)とすることができる。
(裏面プライマ層)
裏面プライマ層(5)は、接着性向上のために、例えばウレタン樹脂系プライマで形成することができる。このウレタン樹脂系プライマは、例えばウレタン樹脂、無機顔料(シリカ等)から構成されるものとすることができる。
この組成比は例えば、ウレタン樹脂56.1質量%以上、68.5質量%以下、無機顔料34.0質量%以上、41.4質量%以下とすることができる。
また裏面プライマ層(5)の質量は、例えば1.76g/m以下(固形量)(有機質量1.10g/m以下)とすることができる。
(樹脂フィルム)
樹脂フィルム(4)は、ポリエステル樹脂を含有するポリエステル系樹脂フィルムであっ
て、樹脂フィルム(4)には、無機顔料(例えば、酸化チタン、酸化鉄など)を含有したものとすることができる。
樹脂フィルム(4)の組成は、例えばポリエステル樹脂67.0質量%以上、96.5質量%以下、無機顔料3.5質量%以上、33.0質量%以下を含むものとすることができる。
また、樹脂フィルム(4)の厚さは、例えば0.077mm以下とすることができ、薄いことにより燃焼量を減少させることができ、より好ましい。なお、厚さの下限値は、樹脂フィルムの機械的強度等を考慮すれば、例えば0.045mm以上が好ましい。また樹脂フィルムの質量は、例えば、110.0g/m(有機質量78.76g/m)以下とすることができる。
(ベタ印刷層)
ベタ印刷層(3)は、不燃化粧シート(10)における、意匠性や耐候性、各種印刷層の樹脂フィルムへの密着性を向上させるために設けられる。ベタ印刷層(3)の形成方法には特段の制限を設けるものではなく、例えばグラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法、フレキソ印刷法、静電印刷法、インクジェット印刷法、などの従来公知の印刷方法を用いることができる。
また、例えばロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、キスコーター、フローコーター、ディップコーターなどの装置を用いたコーティング方法によることもできる。
ベタ印刷層(3)の材料として、例えばウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系、等の各種の材料を用いることができ、これらの中から樹脂フィルムに適したものを、適宜選択して用いることができる。
ここで、ベタ印刷層(3)は、基材となる樹脂フィルムを視認可能な透明性を有していてもよく、隠蔽性を有しているものでも良い。また、透明性を有する場合に、無色透明であってもよく、有色透明であってもよい。
また、各種印刷層間の密着性を向上させるために、ベタ印刷層(3)の結着剤樹脂として、接着性や凝集力の高い樹脂を使用することが好ましく、その観点からは、熱硬化性樹脂、または電離放射線硬化型樹脂を好ましく用いることができる。
特に、架橋硬化後に高い凝集力を有しつつも、適度の可撓性、柔軟性を有して、不活性な熱可塑性樹脂に対しても優れた接着性を示し、また、本発明による不燃化粧シート(10)の他の印刷層においても使用することのできる、アクリル樹脂や塩酢ビ系樹脂との接着性にも適性を有する点において、2液硬化型ウレタン系樹脂を、より好ましく用いることができる。
(絵柄印刷層)
絵柄印刷層(2)は、不燃化粧シート(10)の意匠性を付与するために、蒸発乾燥型インキを用いて、印刷法によって形成された層である。蒸発乾燥型インキとしては、例えばウレタン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂などの結着剤樹脂のほかに、有機顔料、無機顔料を含むものを使用することができる。中でも、インキ乾燥性の観点から、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂を、好ましく用いることができる。
絵柄印刷層(2)の形成方法としては、従来公知である印刷方法を用いることができ、
例えば、インクジェット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法などから適宜選択して用いることができる。
(印刷インキ層)
印刷インキ層(9)は、前述のベタ印刷層(3)と、絵柄印刷層(2)とからなる、印刷層全体のインキ層である。印刷インキ層(9)の組成は、例えばウレタン樹脂50.9質量%以上、76.7質量%以下、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂10.2質量%以上、23.3質量%以下、有機顔料を0質量%以上、37.7質量%以下、無機顔料を0質量%以上、20.0質量%以下含むものを使用することができる。
印刷インキ層(9)の質量は、例えば8.36g/m以下(固形量)(有機質量6.71g/m以下)とすることができる。なお、不燃認定取得を目的として、例えば印刷インキ層(9)のうち絵柄印刷層(2)の、単位面積(例えば300mm角)当たりの印刷面積は、50%以下とすることができる。
(表面保護層)
表面保護層(1)は、不燃化粧シート(10)の表面を保護するために設けられた層である。表面保護層(1)には、例えばアクリル樹脂を用いることができる。アクリル樹脂として、例えば紫外線硬化型、2液硬化型などのアクリル樹脂系塗料を用いることができる。また、表面保護層(1)には、無機質の添加剤を含有させることもできる。無機質の添加剤として、例えばシリカを用いることができる。
表面保護層(1)の組成は、例えばアクリル樹脂80質量%以上、86質量%以下、無機質添加剤14質量%以上、20質量%以下とすることができる。また表面保護層の厚さは、0.044mm以下とすることができる。また質量は、17.49g/m以下(固形量)(有機質量13.97g/m以下)とすることができる。
(接着剤層)
接着剤層(6)は、ガラスクロス(7)と化粧シート(8)を接着して積層するために設ける層であって、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂系接着剤を用いることができる。これには、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂に、無機顔料(シリカ等)を含有させたものを用いることができる。
その組成は、例えばエチレン-酢酸ビニル共重合樹脂80.3質量%以上、100質量%以下、無機顔料(シリカなど)を0質量%以上、19.7質量%以下含むものとすることができる。また、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂系接着剤の質量は44g/m以下(固形量)(有機質量44.0g/m)以下とすることができる。
前述のように、接着剤層は、ガラスクロス(7)と化粧シート(8)を接着して積層するために設ける層である。本発明における課題解決の、もう一つの方法として、図2の部分断面模式図に示すように、接着剤層(11)に、ウレタン樹脂を用いる方法がある。その組成はウレタン樹脂を84.3質量%以下、有機質系硬化剤を15.7質量%以上含んだものとする。
(不燃化粧シート)
本発明による不燃化粧シート(10)は、表面に絵柄を有して意匠性に優れたものであり、透光性を有する場合には、より好ましく絵柄の意匠効果が得られるものである。その場合には可視光領域における全光線透過率が30%以上、50%以下の範囲内、かつ拡散透過率が25%以上、45%以下の範囲内とすることによって、より意匠効果を高めることができる。
このようにして、本発明によれば、膜天井用途にも使用可能で、意匠性に優れる不燃化粧シートを提供することが可能である。
以下本発明を、実施例1(不透過タイプを想定)、および実施例2(透過タイプを想定)によって更に具体的な説明を加える。ただし本発明は、ここに示す例にのみ限定されるものではない。本発明は、請求項によって限定されるものである。
評価用サンプルとして、本発明による構成に基づいて作成し、評価した。
評価項目は、
・不燃試験:コーンカロリーメーターを用いる。(ISO5660-1に準拠)
・塗膜密着性:粘着テープを用いた剥離試験
・光透過性:全光線透過率、および拡散透過率
とした。
<実施例1>
実施例1の、不燃化粧シートの各構成要素の詳細は下記のとおりである。層構成は、図1に示す部分断面模式図である。
・樹脂フィルム(4):
組成は、ポリエステル樹脂95.5質量%、無機顔料を4.5質量%とした。
厚さは0.06mm、質量は75g/m(有機質量71.6g/m)とした。
・ベタ印刷層(3):
2液硬化型ウレタン樹脂系インキを用いた。
組成は、印刷インキ層全体に対して、ウレタン樹脂52.9質量%、有機顔料10.3質量%、無機顔料6.7質量%とした。質量は、5.0g/m(固形量)(有機質量4.5g/m)とした。
グラビア印刷法により形成した。
・絵柄印刷層(2):
塩酢ビ系インキを用いた。
組成は、印刷インキ層全体に対して、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂21.8質量%、有機顔料5.3質量%、無機顔料3.0質量%とした。質量は、2.2g/m(固形量)(有機質量2.0g/m)とした。
グラビア印刷法により形成した。
・表面保護層(1):
組成は、アクリル樹脂85.1質量%、無機質添加剤14.9質量%とした。
厚さは、6.4μm、質量は6.0g/m(固形量)(有機質量5.1g/m)とした。
・裏面プライマ層(5):
組成は、ウレタン系樹脂62.3質量%、無機顔料37.7質量%とした。
質量は1.6g/m(固形量)(有機質量1.0g/m)とした。
・接着剤層(6):
組成は、エチレン-酢酸ビニル共重合系樹脂、100質量%、無機顔料を0質量%とした。
質量は40g/m、(固形量)(有機質量40g/m)とした。
・ガラスクロス(7):
組成は、Eガラス98質量%、表面処理剤2質量%とした。
織り方は平織りとし、糸番手は、縦糸を68.5テックス、横糸を68.5テックスとし、織密度は、縦糸を44本/25mm、横糸を33本/25mmとした。
厚さは、0.190mmとし、質量は212g/m、有機質量4.2g/mとした。
このガラスクロスを、接着剤層を介して化粧シートの樹脂フィルムと貼り合わせて、実施例1の不燃化粧シートの評価サンプルとした。
<実施例2>
実施例2の、不燃化粧シートの各構成要素の詳細は下記のとおりである。層構成は、図1に示す部分断面模式図である。
・樹脂フィルム(4):
組成は、ポリエステル樹脂94.9質量%、無機顔料を5.1質量%とした。
厚さは0.06mm、質量は75g/m(有機質量71.2g/m)とした。
・ベタ印刷層(3):
2液硬化型ウレタン樹脂系インキを用いた。
組成は、印刷インキ層全体に対して、ウレタン樹脂72.1質量%とした。質量は4.5g/m(固形量)(有機質量4.5g/m)とした。
グラビア印刷法により形成した。この部分は実施例1とは異なる。
・絵柄印刷層(2):
塩酢ビ系インキを用いた。
組成は、印刷インキ層全体に対して、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂21.8質量%、無機顔料6.1質量%とした。質量は1.7g/m(固形量)(有機質量1.3g/m)とした。この部分は実施例1と異なる。
グラビア印刷法により形成した。
・表面保護層(1):
組成は、アクリル樹脂85.1質量%、無機質添加剤14.9質量%とした。
厚さは、6.4μm、質量は6.0g/m(固形量)(有機質量5.1g/m)とした。
・裏面プライマ層(5):
組成は、ウレタン系樹脂62.3質量%、無機顔料37.7質量%とした。
質量は1.6g/m(固形量)(有機質量1.0g/m)とした。
・接着剤層(6):
組成は、エチレン-酢酸ビニル共重合系樹脂、100質量%、無機顔料を0質量%とした。
質量は40g/m、(固形量)(有機質量40g/m)とした。
・ガラスクロス(7):
組成は、Eガラス98質量%、表面処理剤2質量%とした。
織り方は平織りとし、糸番手は、縦糸を68.5テックス、横糸を68.5テックスとし、織密度は、縦糸を44本/25mm、横糸を33本/25mmとした。
厚さは、0.190mmとし、質量は212g/m、有機質量4.2g/mとした。
このガラスクロスを、接着剤層を介して化粧シートの樹脂フィルムと貼り合わせて、実施例2の不燃化粧シートの評価サンプルとした。
評価結果は、下記のとおりである。
(不燃試験)
上記の各不燃シートに対し、コーンカロリーメーターを用いた試験方法(ISO5660-1に準拠)にて燃焼性を確認した。その結果、総発熱量は、実施例1の不燃化粧シートでは2.9MJ/m、実施例2の不燃化粧シートでは2.6MJ/mとなり、ともに8MJ/m、を下回った。また10秒以上継続して200kW/mを超えることは無かった。また、加熱開始後20分間裏面に達する亀裂も発生しなかった。このように、本実施例に基づく不燃化粧シートは、不燃材の規格を満足していることが確認できた。
(塗膜密着性)
上記の各不燃シートにおける表面保護層側のシート表面に粘着テープを密着させた後、当該粘着テープを引き剥がす試験を、同一箇所で3回繰り返し実施して、塗膜密着性を確認した。その結果、実施例1、2のいずれの不燃化粧シートにおいても、塗膜の剥がれは見られなかった。
(光透過性)
上記実施例2の不燃化粧シートにおいて、紫外可視近赤外分光光度計UV-3600(島津製作所社製)を用いて透過率の測定を行った。その結果、全光線透過率は35%、拡散透過率は32%であった。また、絵柄印刷層の300mm角当たりの印刷面積は23%であり、実施例2の不燃化粧シートは、照明用途として使用した際に、十分な光透過性と面光源としての発光特性、および絵柄印刷層由来の優れた意匠性を有していることが確認できた。
このようにして、本発明によればその課題とするところの、膜天井用途にも使用可能で、意匠性に優れる不燃化粧シートを提供することが可能である。
1・・・表面保護層
2・・・絵柄印刷層
3・・・ベタ印刷層
4・・・樹脂フィルム
5・・・裏面プライマ層
6・・・接着剤層
7・・・ガラスクロス
8・・・化粧シート
9・・・印刷インキ層
10・・・不燃化粧シート
11・・・接着剤層

Claims (7)

  1. 不燃化粧シートであって、
    不燃化粧シートは、ガラスクロスと、化粧シートが積層されて構成されており、
    積層は、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を含有する接着剤層を介して積層されており、
    接着剤層は、一方の面がガラスクロス、他方の面が化粧シートの裏面プライマ層と接しており、
    化粧シートは、前記裏面プライマ層のほか、ポリエステル樹脂を含有する樹脂フィルムを基材として、この樹脂フィルムの表面に形成された印刷インキ層と、印刷インキ層の上に形成された表面保護層とからなり、
    印刷インキ層は、ベタ印刷層と、ベタ印刷層の上に形成された絵柄印刷層とからなり、
    ベタ印刷層は、2液硬化型の有機樹脂硬化物からなり、
    絵柄印刷層は、有機顔料もしくは無機顔料を含んだ、蒸発乾燥型の有機樹脂層からなり、
    前記樹脂フィルムの厚さは、0.045mm以上、0.077mm以下であり、
    前記接着剤層の質量は、44.0g/m以下であり、
    前記ベタ印刷層は、2液硬化型ウレタン樹脂を含む層であり、
    前記絵柄印刷層は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂を含む層であることを特徴とする、不燃化粧シート。
  2. 前記接着剤層は、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂を80.3質量%以上、100質量%以下、および無機顔料を0質量%以上、19.7質量%以下含むことを特徴とする、請求項1に記載の不燃化粧シート。
  3. 不燃化粧シートであって、
    不燃化粧シートは、ガラスクロスと、化粧シートが積層されて構成されており、
    積層は、ウレタン樹脂と有機質系硬化剤とを含有する接着剤層を介して積層されており、
    接着剤層は、一方の面がガラスクロス、他方の面が化粧シートの裏面プライマ層と接しており、
    化粧シートは、前記裏面プライマ層のほか、ポリエステル樹脂を含有する樹脂フィルムを基材として、この樹脂フィルムの表面に形成された印刷インキ層と、印刷インキ層の上に形成された表面保護層とからなり、
    印刷インキ層は、ベタ印刷層と、ベタ印刷層の上に形成された絵柄印刷層とからなり、
    ベタ印刷層は、2液硬化型の有機樹脂硬化物からなり、
    絵柄印刷層は、有機顔料もしくは無機顔料を含んだ、蒸発乾燥型の有機樹脂層からなり、
    前記樹脂フィルムの厚さは、0.045mm以上、0.077mm以下であり、
    前記接着剤層の質量は、33.0g/m以下であり、
    前記ベタ印刷層は、2液硬化型ウレタン樹脂を含む層であり、
    前記絵柄印刷層は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂を含む層であることを特徴とする、不燃化粧シート。
  4. 前記接着剤層は、ウレタン樹脂を84.3質量%以下、および有機質系硬化剤を、15.7質量%以上含むことを特徴とする、請求項3に記載の不燃化粧シート。
  5. 前記樹脂フィルムは、ポリエステル樹脂を67.0質量%以上、96.5質量%以下、無機顔料を3.5質量%以上、33.0質量%以下含むことを特徴とする、請求項1~請求項のいずれか1項に記載の不燃化粧シート。
  6. 前記印刷インキ層は、2液硬化型ウレタン樹脂を50.9質量%以上、76.7質量%以下含み、かつ、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂を10.2質量%以上、23.3質量%以下含むことを特徴とする、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の不燃化粧シート。
  7. 前記ベタ印刷層は、透明性を有することを特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の不燃化粧シート。
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