JP2005504350A - 血管奇形の模型システムを製造する方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、液体を導通させるのに適し、かつ柔軟な熱可塑性により変形可能な材料からなる少なくとも1つ又はそれ以上の部分的な領域を含む第1の中空体(12)を部分的に加熱することを含む。この部分的な加熱は、熱可塑性により変形可能な材料が軟化するまで、部分的な領域の少なくとも1つで実施される。また本発明は、加熱された箇所に変形部(3)を生じさせるのに十分な大きさの圧力を、第1の中空体(12)に作用させ、それによって変形部の寸法を、圧力を作用させる持続時間及び/又は作用させる圧力の強度に基づいて決定することを含む。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は血管奇形、特に動脈瘤及び狭窄症の模型システムを製造する方法、ならびにこの方法により製造された模型システム及びこの模型システムを医学的分野で使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓及び循環器系統の病気は、不健康な食習慣、ストレス及び/又は肉体的な素因により生じるものであり、現代社会において、最も頻発する死因に数えられている。この場合には先天性又は後天性の血管奇形、例えば動脈瘤又は局所的な血管狭窄(狭窄症)が、心臓及び循環器系統の病気の大部分を占める。
【0003】
動脈瘤は、血管系に生じた肉薄の突起であり、これは特に関係する血管の壁の弱さに基づいて小嚢が生じるものである。このような動脈瘤は、外科的な手術方法(例えば「動脈瘤クリップ」)により、又は血管内技術によって処置される。動脈瘤の血管内処置は、動脈瘤の閉塞のため必要とされる材料を、血管系を介して閉塞すべき動脈瘤が位置する部位へ挿入することを含む。この位置では、材料(例えば血液中で硬化するポリマー、種々の繊維又は血栓を形成する螺旋体)が適所に配置され、そのカテーテルは血管系から取除かれる。別の治療方法は、関連する血管内の動脈瘤の分岐点をおおうようにステント(すなわち血管内人工器官)を配置することである。成功すれば、このような方法により、動脈瘤への血流の流入が排除又は制限され、正常な血流に回復され、それによって動脈瘤に存在する血液が凝固する。場合によっては補足的に組織硬化材料(“組織接着剤”)を使用することができる。これらの全ての措置の目的は、形成された血栓を瘢痕化することによって、動脈瘤の安定した閉塞をもたらすことにある。
【0004】
目標部位へ閉塞手段を移動させることは、高い専門知識や技術が要求され、特に動脈瘤は大きな導管経路の領域ばかりではなく、しばしば頭蓋又は脳の動脈のような、簡単に到達し得ない血管部分にも発生する。カテーテルの移動又は閉塞材料の配置の際の失敗は、血管壁を損傷し、血流中を浮遊する破壊された閉塞螺旋体の破片、動脈瘤から流れ出し血管系へ入る閉塞材料又は洗い流された血栓は、高い確率で塞栓症及び組織梗塞を引き起こし、これによって最悪の場合には患者が死に至ることがあるので、患者にとっての重大な危険に結びついている。
【0005】
血管内で閉塞材料を操作し、配置することを訓練するために、液体を満たすことができ、変形部を有するガラス管システムからなる動脈瘤の模型システムを使用することが知られている。新たな外科的な技術は、動物又はヒトに適用される前に、このシステムによって試験することができる。さらに、経験の少ない外科医は、このシステムを利用して、血管内治療技術を練習することができる。
【0006】
このシステムの欠点は、ガラス管及びガラス管によって形成されている膨らんだ部分が、自然の血管及び動脈瘤とは全く異なる特性を有することにある。特にガラス管システムは、弾性が無く、相当に大きな安定性を有することによって、血管と異なり、その結果、ガラス管システム中で閉塞材料の配置が成功した後でさえも、この技術を、患者に健康上の危険を発生させることなく、生体に適用することができることは保証されるものではない。この模型システムの他の欠点は、ガラス管及び変形部が手吹きかつ手細工で形成されなければならないために、非常に高価であることにある。プレキシガラス又は硬質プラスチック材料から製造されているより経済的な非弾性血管模型は、基本的に同じ欠点を有する。
【0007】
類似の問題点が、先天性又は後天性の血管収縮である狭窄症の血管部位の血管内治療処置に存在する。後天性の血管狭窄の最も一般的な原因は、血管が硬化し、肥厚し、及び弾性を失うことにより、かつ最終的に血管の容積を縮小することにより特徴付けられる動脈硬化性の血管の変形である。薬物療法的な治療形態のほかに、例えば、バルーン拡張又は、血管支持構成要素として利用され、管腔の開口を保持するステントの配置のような、大抵両方の措置が組合せされる血管内治療技術が主に適用される。この場合に、この公知の堅いシステムが、実際の生体の状態を模倣し、又は再現することに関しては、ほんのわずかにしか類似していないので、模型システムに対して適切な治療形態の開発及び試験が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、従来の技術の状態に関連する欠点を考慮に入れて、本発明は、従来の技術で公知の模型システムよりも、血管と血管奇形の特性を一層シミュレートし、再現する血管奇形の模型システムを低コストで提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、本発明によれば、血管奇形の模型システムを製造する方法によって解決される。この方法は、
a)液体が導通するのに適し、かつ柔軟で熱可塑性により変形可能な材料からなる少なくとも1つ又はそれ以上の部分的な領域を有する第1の中空体を、熱可塑性により変形可能な材料が軟化するまで、部分的な領域の1つ又はそれ以上を局所的に加熱するステップと、
b)加熱された箇所に変形部を生じさせるのに十分な大きさの圧力を中空体に作用させ、圧力を作用させる持続時間及び/又は作用させる圧力の強度に基づいて変形部の寸法及び形状を決定するステップと
を有する。
【0010】
本発明の方法によって形成される変形部は、動脈瘤のような血管壁の変形部を再現し、又は拡張された血管部分を複製するのに特に利用することができる。
【0011】
したがってこの方法によって、例えば壁厚が基部から半球状頂部に向かって著しく減少し、かつ熱可塑性により変形可能な材料の柔軟性により、引き裂き可能性を有する変形部を製造することができる。この本願の変形部は、従来の模型システムによって達成されるよりも、動脈瘤の柔軟性に一層類似する。さらに本発明による方法によって、血管狭窄の模型を製造することができ、この場合には、変形部が不変の血管部分を表し、一方、中空体の変形されていない部分的な領域が狭窄症血管部分に対応する。堅い血管模型と異なり、本発明の方法によって製造された模型は、内腔の寸法に関する相違だけではなく、狭窄症の血管部分と狭窄症ではない血管部分との弾性の相違をも再現する。通常、狭窄症を再現するために、より軟らかくかつより柔軟なプラスチック材料(小さな力によって、より良好な熱可塑性による変形特性を発揮する)が、拡張をシミュレートするのに使用される。
【0012】
熱可塑性により変形可能な材料の柔軟性によって、血管系の弾性が再現され、それによって本発明により生成された模型システムは、公知技術水準における従来の人工的なシステムによって達成されるよりも、体内に存在する実際の状態に大幅に近づけられている。例えば、このようにして血管奇形の形状とは別に、弾性及び脆性を再現することができ、“生理学的な”血管部分に関して存在する相違を、関連する目的に適する材料と材料の特性を選択することによって、シミュレートすることができる。
【0013】
変形部を形成し、熱可塑性材料のその軟化点を下回る温度にまで熱可塑性材料を冷却すると、本発明の模型システムに直ちに液体を満たすことができ、例えば血管内治療技術を試験又は研究するのに使用することができる。
【0014】
しかしながら、貯蔵を目的として本システムを製造する場合には、本発明により製造が完了した後、第1の中空体の空洞部分を空気又は不活性ガスで充填し、気密に密閉される場合が有利である。このようにして変形部はそのもとの形状を安定的に維持され、長い間持続される貯蔵(例えば数か月にわたる)の後でもその元の形状は維持される。この場合には、本発明により製造された模型システムは、意図されていた目的のために使用される前に、密閉箇所を切り取るか又は切り開くかによって解放される。有利には、密閉が、加圧下のガスで充填された中空体の開口を溶接するか又は接着することによって実施される。しかしながら原則的には、製造された変形部の寸法安定性を保障するあらゆる措置が適用可能である。
【0015】
また試験されている方法が成功したかどうかが、例えば外側から容易に見て取ることができるように、少なくとも製造された変形部及び好ましくは第1の中空体の全体が半透明又は本質的に透明であるように設計されていることが適切である。この場合に、その全体が半透明及び、特に本質的に透明に形成されている第1の中空体の使用は、本発明による方法の実施のために特に有利である。
【0016】
本発明の特に有利な実施態様によれば、第1の中空体の全体が、血管内カテーテルの血管内操作の難しさが主として血管系の脆性及び弾性に基づいているので、柔軟な材料から形成されている。このような実施態様は、変形部を形成する領域ばかりではなく、中空体の他の全ての部分的な領域も生体に見られる特徴を良く反映しているという利点をもたらす。このようにして、例えば(例えば人工的な動脈瘤の)変形部の部位に向かってマイクロカテーテルを移動することを必要とする血管内技術を訓練する段階において既に、過度に損傷させる操作を行っているかどうかを確認することができる。さらに、また十分に柔軟な第1の中空体によって製造された模型システムは、例えば「サージタンク効果」等の血液が循環することによる血管の特徴をシミュレートすることができる。適切なポンプシステムを選択することによって、生体内で実際に起こるような拍動性の収縮期−弛緩期の流体圧力を生じさせることができる。さらに、本発明の中空体が、好ましくはガラスの様に透明なゲル、例えばゼラチン又は同様の特性を有するプラスチック材料に埋め込まれていることが特に好ましい。この実施態様は、体内での血管及び血管網の自然の懸濁をシミュレーションするのに特に適する。
【0017】
さらなる有利な実施態様によれば、第1の中空体の全体が熱可塑性材料からなる。この実施態様は、特に経済的であり、さらに変形部の形成を第1の中空体の所望の箇所で可能にする。その際、第1の中空体の全体が熱可塑性により変形可能でありかつ柔軟であり、そのうえ透明な材料から構成されている実施態様は特に有利である。
【0018】
基本的に、良好に加工可能であるあらゆる種類の熱可塑性により変形可能な材料を使用することができる。熱可塑性により変形可能な材料として、柔軟な状態で形成されていることから、特にPVC(ポリ塩化ビニル)、PUR(ポリウレタン)、PP(ポリプロピレン)又はPE(ポリエチレン)を適切なものとして挙げることができる。特にPVCは適する材料である。前述の平均的な当業者は、材料の選択によって、及び第1の空洞の壁厚の寸法決定によって、特定の血管、血管網構造又は血管奇形をシミュレートするための模型の弾性を変更することができる。
【0019】
局所的な加熱は、加熱された液体好ましくは例えば油のような高い沸点を有する親油性の液体によって生じる局所的な作用により、炎好ましくはガス・バーナーによって生じる炎による局所的な作用によって、加熱されたワイヤー特に中空体の壁に外側又は内側から局所的に作用する加熱されたワイヤー螺線体の使用によって、又はマイクロ波を局所的に照射することによって行われることが好ましい。しかしながら基本的には、軟化させる効果に関連して熱可塑性材料を局所的に加熱することができるあるあらゆる種類の熱作用を適用することができる。この場合、ガス炎による加熱が特に経済的である。これに対して、第1の中空体の加熱にマイクロ波又は加熱された液体(例えばパラフィン油)を使用することにより、特に精密な温度調節を達成することが可能となる。
【0020】
有利な実施態様によれば、第1の中空体は、二次元に配置された相互に連絡する導管経路(この導管経路は自然の血管系で示される状態をシミュレートして、例えば直径及び/又は長さ、ならびに曲がりくねった配列又は本質的に伸ばされた配列といった形状に関して、互いに異なっていてもよい)からなるシステム、あるいはこのようなシステムの一部である。したがって第1の中空体は、例えばプリント回路板の製造方法にしたがって、2つの、特に柔軟な、プラスチックフィルム相互の部分的な接着又は溶接によって製造することができ、このとき血管系又はその一部を形成する導管経路が解放されている。こうして、血管系の二次元模型は、特に分岐した血管経路を介して、正確に目標を捉えるようにして、目標へ移動させる練習を行うのに適した上述のシステムを生成する。特にこの方法によって、曲がりくねった構成の血管の模型を簡単なやり方で製造することができる。このシステムの製造には、この場合、例えば平均的な血管壁にほぼ相応する壁厚を有する耐裂性のフィルムを使用することが好ましい。
【0021】
さらなる有利な実施態様によれば、第1の中空体はチューブ、相互に連絡する(すなわち連絡するように接続されている)チューブ(このチューブは、自然の血管系の状態と同じく、例えば直径、壁厚及び/又は長さ、ならびに曲がりくねった構成か又は本質的に伸ばされている構成かといった形状に関して、互いに異なっていてもよい)の二次元又は三次元のシステム、あるいはこのようなシステムの一部である。1つのチューブとして形成されている最も簡単な形の場合、模型システムは特に経済的である。これに対して、複数のチューブが連絡するシステムは、血管系又はその一部の、二次元もしくは三次元の模型の形成を可能にする。
【0022】
変形部の形成のために、原則的にあらゆる種類の圧力の作用(例えば流体静力学的、空気圧式又は機械的な圧力)を適用することができる。空気圧式の圧力は、簡単にかつ経済的に生成することができるので、特に有利である。これに対して流体静力学的に圧力を生成することは、自然の動脈瘤の出現の際の条件をシミュレートするので、特に適当である。
【0023】
本発明による方法の特に有利な実施態様によれば、第1の中空体は、局所的な加熱の前に、熱可塑性によって変形することのない材料からなる第2の中空体中に少なくとも部分的に収容され、第2の中空体の少なくとも1つの部分的な領域が第1の中空体の少なくとも1つの部分的な領域を形状嵌合により収容する。第2の中空体の形状は、この場合、第1の中空体(1つのチューブ、複数のチューブが連絡するシステム、連絡する複数の導管経路の二次元のシステム、又はその一部)の形状に適合されていることが好ましい。したがって、第2の中空体は、例えば熱可塑性により変形可能ではない管として設計することができ、その少なくとも1つの部分的な領域は、相応するチューブとして形成されている第1の中空体を形状嵌合により収容するのに適している。このように、チューブは、管内に配置された後に、画定されて形成される。
【0024】
第2の中空体が、楕円形又は円形に形成されている少なくとも1つの切欠、特に1つ又はそれ以上の切欠を有することが好ましい。本発明のこの実施態様の場合、第2の中空体は、病理学的な血管のバルーニング、特に動脈瘤の模型システムの製造に好適である。このようにして、第2の中空体の一部又は全体に、第1の中空体の一部又は全体が収容される場合、切欠の真下に配置されている第1の中空体の部分的な領域を加熱することによって、第1の中空体に正確に位置を画定された変形部を形成することができる。このようにして、画定された直径を有する画定された(例えば楕円形又は円形の)切欠を選択することによって、動脈瘤の種類及びその連結部の直径を正確に予め画定することができる。したがって種々の直径を有する種々の種類の変形部(例えば紡錘状又は嚢状の動脈瘤)を形成することができる。
【0025】
この場合に、第2の中空体(例えばガラス、熱可塑性により変形することができないプラスチック又は金属からなる)が第1の中空体と一体に形成され、第2の中空体の中に第1の中空体が、変形部の形成後に残る場合が有利である。このようにして、血管奇形の二重壁模型を製造することができ、このとき、外側の、第2の中空体は、変形部の開始部の形状及び寸法ばかりでなく、第1の中空体の形状を決定することができ、したがって例えば熱可塑性材料からなる従来のチューブとして設計されている第1の中空体は、切欠が設けられ、屈曲した管形状に形成されている第2の中空体の中に配置されている。このようにして、奇形部分を支持し、奇形の上流及び/又は下流に連結されている血管の螺旋体を、相応に前もって成形された第1の中空体を使用する必要なく、正確に再現することができる。本発明による方法のこの実施態様は、特に簡単な構成の第1の中空体(例えば従来のチューブ)及び、予め組立てられた第2の中空体(例えばプレキシガラス、ガラス又は金属からなる)を使用することができるので、特に経済的である。製造された模型システムの使用の後、第1の中空体は廃棄され、第2の中空体は再利用される。この場合、中空体が両方とも本質的に透明である場合が特に有利である。
【0026】
本発明による製造方法のさらなる有利な実施態様によれば、少なくとも2つの、互いに結合され、かつ少なくとも部分的に分離可能な部分から成る第2の中空体が使用され、少なくとも部分的に分離している部分の結合が、方法の実施の前に、第1の中空体の収容を可能とし、方法の実施の後に、第1の中空体の除去を可能とするように解放される。したがって、第2の中空体は、例えば2つの互いに完全に分離可能な部品から構成することも、又は特に有利な実施態様によれば、旋回可能に互いに接続されている2つの部品から構成することもでき、それによって2つの部品は蝶番式に開くか又は閉じ、第2の中空体はそれぞれ開き又は閉じることが可能である。第1の中空体を収容するために、第2の中空体は解放され、そして引き続き、加熱及び変形部の生成の前に閉鎖される。
【0027】
この目的のために、金属板又は他の適切な材料の板と適切なフィルム、特にプラスチックフィルムの組合せを使用することが好ましい。フィルム材料を一緒に加熱することができる加熱可能なダイ型板は、特に有利である。その際、加熱するフィルム材料を、圧力及び/又は真空に曝すことができ、それによって第1の中空体を形成することができる。圧力及び/又は真空に曝すことによって、この場合、製造すべき第1の中空体が個々の要求を満足するように形成されるよう適用される。
【0028】
変形部を形成し、必要ならば第1の中空体を(特に接着又は溶接によって)気密に閉鎖した後、第2の中空体を単純に蝶番式に解放することにより、第1の中空体を簡単に取り出すことができる。この場合、第2の中空体はダイ型と同様に機能する。
【0029】
第2の中空体のこのような設計は、管の形状を有さない第1の中空体と組合わせる方法を実施する場合にも適するという利点をもたらす。切欠が第2の中空体を形成する両方の部品のそれぞれにまたがって延伸し、その結果、切欠を形成する中空体の端部が、第2の中空体が開かれると互いに離れ、それによって切欠は第2の中空体が開かれることによって拡大することが特に有利である。この実施態様の場合、第1の中空体及び形成された変形部が損傷を受ける危険が存在せず、変形部を形成した後、第1の中空体を第2の中空体から取り出すことができる。
【0030】
人工的な動脈瘤を形成するために、局所的な加熱があらかじめ画定された小さな領域を点状に加熱する形態であることが有利である。この場合には、第2の中空体が少なくとも1つの切欠を有しており、第1の中空体が第2の中空体の中に導入された後、切欠の下に配置されている領域の少なくとも1つに、外側から点状に加熱し、そして引き続き加圧される場合が特に有利である。
【0031】
本発明による方法のさらなる利点は、小嚢以外に、他の種類の変形部、したがって他の種類の血管奇形をシミュレートすることが可能であることにある。したがって、例えば狭窄症の血管の模型システムを製造することができ、このとき形成された変形部は、狭められていない血管部分に対応し、よって第1の中空体の元の状態のままである部分は狭窄症の範囲に対応する。このようにして狭窄症の範囲を特徴付ける局所的な狭窄ばかりでなく、狭窄症の、及び生理学的に広い範囲で著しく異なる血管壁の弾性及び厚みも再現することができる。この目的のために、第2の中空体を利用することが最も好ましい。この場合、管形状の第2の中空体及び、形状嵌合の様式で管形状の第2の中空体の中に嵌め込まれる形状のチューブ・セグメントからなる第1の中空体を使用することは特に有利であり、このとき、チューブ・セグメントの縦方向の寸法が第2の中空体の縦方向の寸法を超過し、それによって管の中へチューブ・セグメントの部分的な領域が収容され、管の中に入っていないチューブ・セグメントの1つ又は複数の部分的な領域が引き続き加熱及び加圧され、この部分的な領域が拡張される。しかしながら、形状嵌合により管によって囲まれている加熱されない部分的な領域は、その元の直径びその元の壁厚を維持する。
【0032】
さらに本発明は、前述の方法にしたがって製造される血管奇形の模型システムに関する。この場合、動脈瘤及び/又は狭窄症の血管模型であることが好ましい。この場合には、中空体の空洞を画定する壁の厚み及び/又は第1の中空体の直径が、本質的に、ヒト又は動物の血管が有する寸法に対応する本発明による模型システムは特に有利である。内径、壁厚及び全径の寸法は、この場合、模型によって再現されるべき1つ又は複数の種類の血管に依存する。これらの寸法は、模型システムごとに異なっていてよく、また複雑な模型システムの場合には種々の人工的な血管間でも互いに著しく異なっていてもよい。確かに、大動脈近傍の動脈瘤を有する血管は、脳の終動脈とは寸法が異なっている。しかしながら、これら寸法は、前述の平均的な当業者には十分に知られている。発明者の試験によれば、内径が0.5mm〜30 mmの範囲、壁厚が0.3 mm以下〜4mmの範囲であることが特に好ましいことが明らかになった。(これら寸法は第1の中空体の変形していない部分的な領域に関するものである。変形部は、自然の血管奇形と同様に、当然のことながら大幅に薄い壁厚及び大幅に大きな内径を有することがある。)
形成させた変形部を有する導管経路又はチューブを本質的に含む簡単な模型システムは特に経済的である。より複雑な模型システムは、例えば、狭窄又は拡張された血管部分あるいは小嚢への主だった血流のベクトルの影響を著しく良好にシミュレートするのに適する連絡する複数の血管系の再現に使用される。
【0033】
さらに本発明は、本発明による模型システム及び模型システムに液体を送り込むように機能する液体用ポンプシステムを含む装置に関する。特に有利な実施態様によれば、液体として等張食塩水、人工血液又は新鮮血、あるいは特に経済的であるか又は天然の血液の特徴をできるだけ多く有する他のあらゆる液体が使用される。
【0034】
使用されるポンプシステムの種類は、如何なる効果が達成されるべきであるかに依存し、前述の平均的な当業者によって簡単に選択され得る。従来のローラポンプ又はピストン式ダイアフラムポンプは経済的であり、自然の血液圧力に対応する静水圧の生成を可能にする。血管の減衰特性をシミュレーションするために、調節可能な末端抵抗を上流及び/又は下流に配置することが好ましい。人工的な血管系における複雑な流れ系のシミュレーション(生体内に存在する生理学的及び/又は病理学的な状態に適合されている逆流、拍動性、圧力及び振動数変動)をコンピュータ制御されるポンプシステム(例えばコンピュータ制御されるピストン式ダイアフラムポンプ)によって行うことが好ましい。この場合、作用する圧力の強さを変化させることができるポンプシステムを使用することが特に有利である。その振動数及び/又はリズムを可変的に決定することができる流体静力学的な振動を生成する液体吐出しができるように、ポンプシステムが適用されていることが有利である。核磁気共鳴断層撮影装置(NMR)において本発明による装置を使用するために、本ポンプシステムが非磁性部品、例えば完全にプラスチック材料からなる場合が有利である。この駆動装置は、この場合、断層X線撮影器の、例えば外に配置することも、又は空気圧式に行うこともできる。
【0035】
さらなる有利な実施態様によれば、本発明による装置は可視記録システムを備えている。この目的に対して、拡大レンズ又はデジタル記録システムを有する従来のビデオシステムが適する。この場合、必要であればコンピュータ断層撮影、MLT、NMRのような画像化方法又は前記当業者によって知られている他の方法を利用することができる。
【0036】
さらに、本発明は、本発明による模型システム又は本発明による装置を医学的分野で使用することに関する。本発明は、特に、血液凝固又は血栓症に影響を及ぼす薬の効果を検査するのに、あるいは血管奇形、特に動脈瘤の治療のための医療機器の開発、試験又は改善するのに、あるいは動脈瘤の治療のための医学的な処置方法を生体外で開発、試験又は改善するのに、あるいは医師又は医学生又は医療専門技術者の基礎的な又は高度な訓練を行うのに、あるいは血管奇形における又は血管奇形の周辺での流れの状態を分析するのに適する。
【0037】
動脈瘤及び狭窄症の血管における血液の流動学的性質をシミュレートし、検査することは、造影剤を導入し、前述の画像化方法の1つを利用して同時に分析することによって実施されることが好ましい。またこのようにして、新たな造影剤及び血管系におけるその分布挙動を、血管奇形が存在する状態で試験することができる。血行力学的な分布挙動を可視化するために、使用される造影剤と血液を表すキャリヤ液体とが異なる色から作られている場合が有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
次に本発明を添付の図に示す有利な実施例に基づき詳説する。
【0039】
図1は、PVCチューブ2から製造されている頭蓋内動脈の嚢状動脈瘤の模型システム1を示す。この弾性のあるPVCチューブ2は、内径が1.5mmであり、壁厚が0.65mmである。人工的な動脈瘤3を再現するために、チューブ2を局部的にガスの炎によって、PVC材料の軟化点範囲の温度にまで加熱した。同時にチューブに従来の圧力ポンプを利用して、5×103Pa(0.5バール)の圧縮空気で満たし、これによって局部的に点状に加熱された箇所に人工的な動脈瘤3が形成される。続いて、この人工的な動脈瘤3を、その中に存在するガスとともに冷却した。動脈瘤が早期に崩壊することを防ぐため、冷却を弱い加圧下で実施した。最終的に、チューブ2の両端部4/4'を、弱い圧力下で溶接することによって気密状態となるように密閉し、それによって人工的な動脈瘤3がより長い期間にわたって安定性を維持する。
【0040】
特に人工的な動脈瘤が柔軟な材料からなり、かつ動脈瘤6の基部から半球状頂部7に向かってその壁5の厚みが著しく減少しているので、人工的な動脈瘤3は、弾性と構造に関する限り、自然の動脈瘤に類似している。ヒトの血液系に見られる自然の状態と著しく類似し、人工的な動脈瘤3の著しく肉薄の半球状頂部7は特に壊れやすく、この壊れやすさは、液体を導入することによって圧力が作用することによってさらに増幅される。
【0041】
示す模型システム1は、新しい治療形態及び診断方法を試験する目的に、ならびに訓練の目的に特に適する。チューブ2の両端部4/4'を切り開き、液体用ポンプシステム、例えばピストン式ダイアフラムポンプと連通するように接続する。この接続は、チューブ2の端部に連結されているY字形の同軸の密閉システムを利用して、チューブ2をポンプに接続することによって行われる。38℃に温度調節された人工血液を脈動するような圧力を作用させることによって、ヒトの脈拍がシミュレートされる。この目的のために、6.67×103Pa〜3.33×104Pa(50〜250 mmHg)の範囲の静水圧が生成される。脈動する液体吐出しの圧力、振動数及びリズムを変化するために、コンピュータがポンプと共働して使用されるように設けられ、それによって循環系の種々の生理学的及び病理学的な状態がシミュレートされる。
【0042】
この場合、その両方のチューブ端部4/4'を除いて、模型システム1は38℃に温度調節された液体で満たされた容器に入れられている。人工血液及び、模型システム1が浸けられている液体は加熱され、血管内の器具及び機械的な閉塞装置は、曲げ特性と捩れ安定性に関して、体内に配置されている場合と同様に振る舞う。同じことが、動脈瘤が配置されている血管を再現するチューブ2の弾性にも適用される。模型システム1を周囲の液体層に浸けることによって、例えば、チューブ2の「サージタンク」特性及び動脈瘤3の拍動性の挙動に影響を及ぼす外部抵抗を結果生じる。
【0043】
開発すべき、徹底的に試験すべき、訓練すべき血管内の方法を実施する目的で、例えばマイクロカテーテルが使用者によってY字形の分岐を有する止血弁を介して、開放されたチューブ2に導かれ、人工的な動脈瘤3の基部6まで案内される。この時点で、例えば重合材料又は閉塞螺旋体の配置が行われる。血管を表すチューブ2及び人工的な動脈瘤3が弾性を有するように設計され、かつ自然の血管及び/又は動脈瘤が示す表面特性に類似した表面特性を有するので、人工的な動脈瘤3への案内における失敗及び/又は閉塞材料の導入における失敗が、従来のガラス模型システムを利用する場合よりも良好に検知することができる。このように外科医は、チューブ2内で移動する物体がぶつかり又は引っかかるかどうか感じることができ、さらに、強い損傷によって人工的な動脈瘤3が破裂する危険が存在することも感じることができる。同時に模型システム1は、従来のガラスシステムと同様に、透明に形成されていることによって、血管内での移動が外側から容易に視認することができ、かつ必要に応じて記録することができるという利点を有する。
【0044】
図2は、動脈瘤用の二重壁模型システム1'を製造するのに利用されるステップを概略的に示す。二重壁模型システム1'を本発明にしたがって製造するために、再現すべき血管の典型的な内径と典型的な壁厚を有する弾性を有するポリエチレンチューブ2を、種々の寸法の楕円形及び円形の切欠8を有する銅管9の中に配置するが、このときこの内腔がポリエチレンチューブ2を形状嵌合により収容するのに適するように、銅管の内腔は寸法決めされている。銅管9中にポリエチレンチューブ2が押し込まれた後(図2b参照)、ポリエチレンチューブは、ポリエチレンの軟化点に達するまで、マイクロ波の照射に曝すことによって、外側から点状に局部的に加熱される。外側からの点状の加熱は、銅管9に設けられている切欠8の1つを介して外側から到達可能であるポリエチレンチューブ2の部分的な領域に適用される。加熱前、ポリエチレンチューブ2の一方の端部4'を溶接によって気密に閉鎖する。これに続いて、もう一方の端部4を、同軸のシールシステムを介して、連通するように、従来のピストン式ダイアフラムポンプに接続する。
【0045】
加熱し、その材料の軟化点に達した後、あらかじめ画定されている期間、画定されている量の空気をチューブ2に送り込むように調節されているピストン式ダイアフラムポンプによって圧力を作用させる。これにより、形成すべき変形部の寸法が決定され、かつ同時に、軟化された箇所が、作用する圧力が高くなりすぎ、又は拡張が速すぎるために結果破損することなく、傷のない状態が維持される。加熱された箇所に圧力を作用させるため、図2cに示すように、人工的な動脈瘤3を形成する変形部が形成される。同様に、変形部の形成及び修正を、チューブの外から真空を適用することによって行うことができる(又はチューブ内に圧力を適用し、外側に真空を生成することの組み合わせを利用することもできる)。続いて、このようにして形成された二重壁模型1'は直接、医学的な技術の訓練又は開発のために使用することもできるし、後で使用するために、溶接することによって依然として開放されている端部4を気密状態に密封することもできる。
【0046】
図2cに示す二重壁模型1'は、動脈瘤の上流及び下流に配置されている血管部分の正確な複製に特に適する(例えば、画定された螺旋体の形状で又は、図に示すように、正確にまっすぐな血管部分の形状で)。さらに動脈瘤の連結部6の寸法及び動脈瘤3の寸法は、この二重壁模型1'を利用して正確に決定することができる。二重壁模型1'を使用する場合、両方の閉鎖された端部4/4'が開放され、模型1'に液体が導入される。続いて、動脈瘤3を有する柔軟なチューブ2を、簡単に銅管9から取り外し、処理することができる。これに対して銅管9は、何回も再利用可能である。また銅管9が縦方向に延伸する継ぎ目を有し、この継ぎ目に沿って銅管が蝶番式に開放することが可能である(図3の例を参照のこと)場合が有利である。
【0047】
図3は、1つの部分的な領域10しか示していないが、複数のチューブが連絡する三次元システムに基づく人工的な動脈瘤を製造する種々のステップを概略的に示す。同様のやり方で、自明のことながら、(図2に示す例に類似して)単一のチューブを利用して動脈瘤模型システムを製造することができる。この例の場合、所望の人工的な動脈瘤3は、管形状のダイ型板11を使用して製造される。このダイ型板は、一方の端部の蝶番接続12により互いに旋回可能に接続されている2つの部品12/12'からなり、これによってダイ型板11は、2つの部品12/12'が互いに向き合って旋回することによって開閉可能である。複数のチューブが連絡する三次元システムの管形状の部分的な領域10をダイ型板11に配置するために、ダイ型板11が開放される。部分的な領域10が適所に配置された後、ダイ型板は再度閉じられる。しっかりと閉じるために、ダイ型板11の2つの部品12/12'は、蝶番接続13によって結合されていないその端部に、わずかな機械的な圧力が作用することによってのみ開放可能なラッチ形式の結合部が設けられている。このようにして、ダイ型板11が人工的な動脈瘤3を製造する間作用する圧力によって開放することが防がれる。他方、この結合部は、2つの部品12/12'が相互に簡単に分離することを可能とする。
【0048】
人工的な動脈瘤3の形状を予め画定するのに使用される切欠8は、ダイ型板11の2つの部品12/12'双方に、動脈瘤がこれら2つの部品12/12'の自由端部の上に架かるように配置されている。人工的な動脈瘤3が形成された後、部分的な領域10は、形成された人工的な動脈瘤3とともに、開放されたダイ型板11から容易に取り外すことができる。選択的に1つもしくは複数、及び/又は必要であれば種々に寸法決めされた又は位置決めされた動脈瘤3が、ただ1つのダイ型板11によって所望のように形成することができるので、ダイ型板部品の自由端部に沿って、場合によっては種々に寸法決めされた複数の切欠8が配置されているダイ型板11を使用することが好ましい。
【0049】
ダイ型板11を閉じ、切欠8の下の画定された箇所に配置されている部分的な領域10を加熱した後、圧力を作用させることによって(図3bの矢印を参照)、予め画定されている寸法の動脈瘤が形成される。続いて部分的な領域10は、図3cと3dに示すように、先ず開放されたダイ型板11から取り外される。連絡する複数のチューブからなる三次元システムは、ダイ型板11を使用することなく、引き続き使用される。概略的に図示する方法によって連結部6のあらかじめ画定された寸法を有する人工的な動脈瘤(図3d及び3eを参照)を製造することができる。動脈瘤3の形成に続いて、必要ならば、連絡する複数のチューブからなる三次元システムの他の又は同じ部分的な領域に、所望の模型システムが得られるまで、他のさらなる血管奇形及び/又は動脈瘤を形成することができる。
【0050】
ゲルの硬化後にシステムの三次元の形状が、模型システムの弾性を全く悪化させることなく、安定化するように、生成された模型システムは、引き続き、硬化するゲルで満たされている容器内に配置される。またゲルは、脳血管を囲む組織及び/又は髄液と同じく、一種の末端抵抗及び「サージタンク」特性を有する減衰器として機能し、その結果、このような装置は脳血管網の再現する場合に特に適する。
【0051】
図4は、狭窄症の血管用の模型システム14をどのように製造するかの例を概略的に示す。この目的のため、内径が6.0 mmであり、壁厚が1.5mmである柔軟なポリエチレンチューブ2を蝶番式に開放可能な形状嵌合式のダイ型板11中に配置する。これに続いて、ダイ型板11に取り囲まれていないチューブ2のセグメント17を、パラフィン油によって外側からの局所的な熱作用により軟化点に達するまで加熱し、さらに圧力を作用させることによって拡張させる。それから、図4に示すように、ダイ型板を開放し、形成された模型システム14をダイ型板11の冷却後に取り出す。さらに図4dに示すように、模型システム14によって、狭窄症の血管の内腔の異なった寸法ばかりではなく、狭窄症のセグメント16及び生理学的なセグメント17のそれぞれの血管壁15及び15'の異なった壁厚もシミュレートされる。また異なった壁厚のために、狭窄症の血管14の模型システムの異なる血管セグメント16/17の弾性特性は、実際の体内での状態を反映するように異なっている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】簡単な動脈瘤チューブ模型1の拡大した側面図である。
【図2】動脈瘤用の二重壁模型システム1'を製造するのに使用される種々のステップを示す拡大概略図である。
【図3】人工的な動脈瘤3をダイ型板11を利用して形成する方法を示す拡大概略図である。
【図4】血管狭窄用の模型システム1を製造するのに使用される種々のステップを示す拡大概略図である。
【0001】
本発明は血管奇形、特に動脈瘤及び狭窄症の模型システムを製造する方法、ならびにこの方法により製造された模型システム及びこの模型システムを医学的分野で使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓及び循環器系統の病気は、不健康な食習慣、ストレス及び/又は肉体的な素因により生じるものであり、現代社会において、最も頻発する死因に数えられている。この場合には先天性又は後天性の血管奇形、例えば動脈瘤又は局所的な血管狭窄(狭窄症)が、心臓及び循環器系統の病気の大部分を占める。
【0003】
動脈瘤は、血管系に生じた肉薄の突起であり、これは特に関係する血管の壁の弱さに基づいて小嚢が生じるものである。このような動脈瘤は、外科的な手術方法(例えば「動脈瘤クリップ」)により、又は血管内技術によって処置される。動脈瘤の血管内処置は、動脈瘤の閉塞のため必要とされる材料を、血管系を介して閉塞すべき動脈瘤が位置する部位へ挿入することを含む。この位置では、材料(例えば血液中で硬化するポリマー、種々の繊維又は血栓を形成する螺旋体)が適所に配置され、そのカテーテルは血管系から取除かれる。別の治療方法は、関連する血管内の動脈瘤の分岐点をおおうようにステント(すなわち血管内人工器官)を配置することである。成功すれば、このような方法により、動脈瘤への血流の流入が排除又は制限され、正常な血流に回復され、それによって動脈瘤に存在する血液が凝固する。場合によっては補足的に組織硬化材料(“組織接着剤”)を使用することができる。これらの全ての措置の目的は、形成された血栓を瘢痕化することによって、動脈瘤の安定した閉塞をもたらすことにある。
【0004】
目標部位へ閉塞手段を移動させることは、高い専門知識や技術が要求され、特に動脈瘤は大きな導管経路の領域ばかりではなく、しばしば頭蓋又は脳の動脈のような、簡単に到達し得ない血管部分にも発生する。カテーテルの移動又は閉塞材料の配置の際の失敗は、血管壁を損傷し、血流中を浮遊する破壊された閉塞螺旋体の破片、動脈瘤から流れ出し血管系へ入る閉塞材料又は洗い流された血栓は、高い確率で塞栓症及び組織梗塞を引き起こし、これによって最悪の場合には患者が死に至ることがあるので、患者にとっての重大な危険に結びついている。
【0005】
血管内で閉塞材料を操作し、配置することを訓練するために、液体を満たすことができ、変形部を有するガラス管システムからなる動脈瘤の模型システムを使用することが知られている。新たな外科的な技術は、動物又はヒトに適用される前に、このシステムによって試験することができる。さらに、経験の少ない外科医は、このシステムを利用して、血管内治療技術を練習することができる。
【0006】
このシステムの欠点は、ガラス管及びガラス管によって形成されている膨らんだ部分が、自然の血管及び動脈瘤とは全く異なる特性を有することにある。特にガラス管システムは、弾性が無く、相当に大きな安定性を有することによって、血管と異なり、その結果、ガラス管システム中で閉塞材料の配置が成功した後でさえも、この技術を、患者に健康上の危険を発生させることなく、生体に適用することができることは保証されるものではない。この模型システムの他の欠点は、ガラス管及び変形部が手吹きかつ手細工で形成されなければならないために、非常に高価であることにある。プレキシガラス又は硬質プラスチック材料から製造されているより経済的な非弾性血管模型は、基本的に同じ欠点を有する。
【0007】
類似の問題点が、先天性又は後天性の血管収縮である狭窄症の血管部位の血管内治療処置に存在する。後天性の血管狭窄の最も一般的な原因は、血管が硬化し、肥厚し、及び弾性を失うことにより、かつ最終的に血管の容積を縮小することにより特徴付けられる動脈硬化性の血管の変形である。薬物療法的な治療形態のほかに、例えば、バルーン拡張又は、血管支持構成要素として利用され、管腔の開口を保持するステントの配置のような、大抵両方の措置が組合せされる血管内治療技術が主に適用される。この場合に、この公知の堅いシステムが、実際の生体の状態を模倣し、又は再現することに関しては、ほんのわずかにしか類似していないので、模型システムに対して適切な治療形態の開発及び試験が求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、従来の技術の状態に関連する欠点を考慮に入れて、本発明は、従来の技術で公知の模型システムよりも、血管と血管奇形の特性を一層シミュレートし、再現する血管奇形の模型システムを低コストで提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、本発明によれば、血管奇形の模型システムを製造する方法によって解決される。この方法は、
a)液体が導通するのに適し、かつ柔軟で熱可塑性により変形可能な材料からなる少なくとも1つ又はそれ以上の部分的な領域を有する第1の中空体を、熱可塑性により変形可能な材料が軟化するまで、部分的な領域の1つ又はそれ以上を局所的に加熱するステップと、
b)加熱された箇所に変形部を生じさせるのに十分な大きさの圧力を中空体に作用させ、圧力を作用させる持続時間及び/又は作用させる圧力の強度に基づいて変形部の寸法及び形状を決定するステップと
を有する。
【0010】
本発明の方法によって形成される変形部は、動脈瘤のような血管壁の変形部を再現し、又は拡張された血管部分を複製するのに特に利用することができる。
【0011】
したがってこの方法によって、例えば壁厚が基部から半球状頂部に向かって著しく減少し、かつ熱可塑性により変形可能な材料の柔軟性により、引き裂き可能性を有する変形部を製造することができる。この本願の変形部は、従来の模型システムによって達成されるよりも、動脈瘤の柔軟性に一層類似する。さらに本発明による方法によって、血管狭窄の模型を製造することができ、この場合には、変形部が不変の血管部分を表し、一方、中空体の変形されていない部分的な領域が狭窄症血管部分に対応する。堅い血管模型と異なり、本発明の方法によって製造された模型は、内腔の寸法に関する相違だけではなく、狭窄症の血管部分と狭窄症ではない血管部分との弾性の相違をも再現する。通常、狭窄症を再現するために、より軟らかくかつより柔軟なプラスチック材料(小さな力によって、より良好な熱可塑性による変形特性を発揮する)が、拡張をシミュレートするのに使用される。
【0012】
熱可塑性により変形可能な材料の柔軟性によって、血管系の弾性が再現され、それによって本発明により生成された模型システムは、公知技術水準における従来の人工的なシステムによって達成されるよりも、体内に存在する実際の状態に大幅に近づけられている。例えば、このようにして血管奇形の形状とは別に、弾性及び脆性を再現することができ、“生理学的な”血管部分に関して存在する相違を、関連する目的に適する材料と材料の特性を選択することによって、シミュレートすることができる。
【0013】
変形部を形成し、熱可塑性材料のその軟化点を下回る温度にまで熱可塑性材料を冷却すると、本発明の模型システムに直ちに液体を満たすことができ、例えば血管内治療技術を試験又は研究するのに使用することができる。
【0014】
しかしながら、貯蔵を目的として本システムを製造する場合には、本発明により製造が完了した後、第1の中空体の空洞部分を空気又は不活性ガスで充填し、気密に密閉される場合が有利である。このようにして変形部はそのもとの形状を安定的に維持され、長い間持続される貯蔵(例えば数か月にわたる)の後でもその元の形状は維持される。この場合には、本発明により製造された模型システムは、意図されていた目的のために使用される前に、密閉箇所を切り取るか又は切り開くかによって解放される。有利には、密閉が、加圧下のガスで充填された中空体の開口を溶接するか又は接着することによって実施される。しかしながら原則的には、製造された変形部の寸法安定性を保障するあらゆる措置が適用可能である。
【0015】
また試験されている方法が成功したかどうかが、例えば外側から容易に見て取ることができるように、少なくとも製造された変形部及び好ましくは第1の中空体の全体が半透明又は本質的に透明であるように設計されていることが適切である。この場合に、その全体が半透明及び、特に本質的に透明に形成されている第1の中空体の使用は、本発明による方法の実施のために特に有利である。
【0016】
本発明の特に有利な実施態様によれば、第1の中空体の全体が、血管内カテーテルの血管内操作の難しさが主として血管系の脆性及び弾性に基づいているので、柔軟な材料から形成されている。このような実施態様は、変形部を形成する領域ばかりではなく、中空体の他の全ての部分的な領域も生体に見られる特徴を良く反映しているという利点をもたらす。このようにして、例えば(例えば人工的な動脈瘤の)変形部の部位に向かってマイクロカテーテルを移動することを必要とする血管内技術を訓練する段階において既に、過度に損傷させる操作を行っているかどうかを確認することができる。さらに、また十分に柔軟な第1の中空体によって製造された模型システムは、例えば「サージタンク効果」等の血液が循環することによる血管の特徴をシミュレートすることができる。適切なポンプシステムを選択することによって、生体内で実際に起こるような拍動性の収縮期−弛緩期の流体圧力を生じさせることができる。さらに、本発明の中空体が、好ましくはガラスの様に透明なゲル、例えばゼラチン又は同様の特性を有するプラスチック材料に埋め込まれていることが特に好ましい。この実施態様は、体内での血管及び血管網の自然の懸濁をシミュレーションするのに特に適する。
【0017】
さらなる有利な実施態様によれば、第1の中空体の全体が熱可塑性材料からなる。この実施態様は、特に経済的であり、さらに変形部の形成を第1の中空体の所望の箇所で可能にする。その際、第1の中空体の全体が熱可塑性により変形可能でありかつ柔軟であり、そのうえ透明な材料から構成されている実施態様は特に有利である。
【0018】
基本的に、良好に加工可能であるあらゆる種類の熱可塑性により変形可能な材料を使用することができる。熱可塑性により変形可能な材料として、柔軟な状態で形成されていることから、特にPVC(ポリ塩化ビニル)、PUR(ポリウレタン)、PP(ポリプロピレン)又はPE(ポリエチレン)を適切なものとして挙げることができる。特にPVCは適する材料である。前述の平均的な当業者は、材料の選択によって、及び第1の空洞の壁厚の寸法決定によって、特定の血管、血管網構造又は血管奇形をシミュレートするための模型の弾性を変更することができる。
【0019】
局所的な加熱は、加熱された液体好ましくは例えば油のような高い沸点を有する親油性の液体によって生じる局所的な作用により、炎好ましくはガス・バーナーによって生じる炎による局所的な作用によって、加熱されたワイヤー特に中空体の壁に外側又は内側から局所的に作用する加熱されたワイヤー螺線体の使用によって、又はマイクロ波を局所的に照射することによって行われることが好ましい。しかしながら基本的には、軟化させる効果に関連して熱可塑性材料を局所的に加熱することができるあるあらゆる種類の熱作用を適用することができる。この場合、ガス炎による加熱が特に経済的である。これに対して、第1の中空体の加熱にマイクロ波又は加熱された液体(例えばパラフィン油)を使用することにより、特に精密な温度調節を達成することが可能となる。
【0020】
有利な実施態様によれば、第1の中空体は、二次元に配置された相互に連絡する導管経路(この導管経路は自然の血管系で示される状態をシミュレートして、例えば直径及び/又は長さ、ならびに曲がりくねった配列又は本質的に伸ばされた配列といった形状に関して、互いに異なっていてもよい)からなるシステム、あるいはこのようなシステムの一部である。したがって第1の中空体は、例えばプリント回路板の製造方法にしたがって、2つの、特に柔軟な、プラスチックフィルム相互の部分的な接着又は溶接によって製造することができ、このとき血管系又はその一部を形成する導管経路が解放されている。こうして、血管系の二次元模型は、特に分岐した血管経路を介して、正確に目標を捉えるようにして、目標へ移動させる練習を行うのに適した上述のシステムを生成する。特にこの方法によって、曲がりくねった構成の血管の模型を簡単なやり方で製造することができる。このシステムの製造には、この場合、例えば平均的な血管壁にほぼ相応する壁厚を有する耐裂性のフィルムを使用することが好ましい。
【0021】
さらなる有利な実施態様によれば、第1の中空体はチューブ、相互に連絡する(すなわち連絡するように接続されている)チューブ(このチューブは、自然の血管系の状態と同じく、例えば直径、壁厚及び/又は長さ、ならびに曲がりくねった構成か又は本質的に伸ばされている構成かといった形状に関して、互いに異なっていてもよい)の二次元又は三次元のシステム、あるいはこのようなシステムの一部である。1つのチューブとして形成されている最も簡単な形の場合、模型システムは特に経済的である。これに対して、複数のチューブが連絡するシステムは、血管系又はその一部の、二次元もしくは三次元の模型の形成を可能にする。
【0022】
変形部の形成のために、原則的にあらゆる種類の圧力の作用(例えば流体静力学的、空気圧式又は機械的な圧力)を適用することができる。空気圧式の圧力は、簡単にかつ経済的に生成することができるので、特に有利である。これに対して流体静力学的に圧力を生成することは、自然の動脈瘤の出現の際の条件をシミュレートするので、特に適当である。
【0023】
本発明による方法の特に有利な実施態様によれば、第1の中空体は、局所的な加熱の前に、熱可塑性によって変形することのない材料からなる第2の中空体中に少なくとも部分的に収容され、第2の中空体の少なくとも1つの部分的な領域が第1の中空体の少なくとも1つの部分的な領域を形状嵌合により収容する。第2の中空体の形状は、この場合、第1の中空体(1つのチューブ、複数のチューブが連絡するシステム、連絡する複数の導管経路の二次元のシステム、又はその一部)の形状に適合されていることが好ましい。したがって、第2の中空体は、例えば熱可塑性により変形可能ではない管として設計することができ、その少なくとも1つの部分的な領域は、相応するチューブとして形成されている第1の中空体を形状嵌合により収容するのに適している。このように、チューブは、管内に配置された後に、画定されて形成される。
【0024】
第2の中空体が、楕円形又は円形に形成されている少なくとも1つの切欠、特に1つ又はそれ以上の切欠を有することが好ましい。本発明のこの実施態様の場合、第2の中空体は、病理学的な血管のバルーニング、特に動脈瘤の模型システムの製造に好適である。このようにして、第2の中空体の一部又は全体に、第1の中空体の一部又は全体が収容される場合、切欠の真下に配置されている第1の中空体の部分的な領域を加熱することによって、第1の中空体に正確に位置を画定された変形部を形成することができる。このようにして、画定された直径を有する画定された(例えば楕円形又は円形の)切欠を選択することによって、動脈瘤の種類及びその連結部の直径を正確に予め画定することができる。したがって種々の直径を有する種々の種類の変形部(例えば紡錘状又は嚢状の動脈瘤)を形成することができる。
【0025】
この場合に、第2の中空体(例えばガラス、熱可塑性により変形することができないプラスチック又は金属からなる)が第1の中空体と一体に形成され、第2の中空体の中に第1の中空体が、変形部の形成後に残る場合が有利である。このようにして、血管奇形の二重壁模型を製造することができ、このとき、外側の、第2の中空体は、変形部の開始部の形状及び寸法ばかりでなく、第1の中空体の形状を決定することができ、したがって例えば熱可塑性材料からなる従来のチューブとして設計されている第1の中空体は、切欠が設けられ、屈曲した管形状に形成されている第2の中空体の中に配置されている。このようにして、奇形部分を支持し、奇形の上流及び/又は下流に連結されている血管の螺旋体を、相応に前もって成形された第1の中空体を使用する必要なく、正確に再現することができる。本発明による方法のこの実施態様は、特に簡単な構成の第1の中空体(例えば従来のチューブ)及び、予め組立てられた第2の中空体(例えばプレキシガラス、ガラス又は金属からなる)を使用することができるので、特に経済的である。製造された模型システムの使用の後、第1の中空体は廃棄され、第2の中空体は再利用される。この場合、中空体が両方とも本質的に透明である場合が特に有利である。
【0026】
本発明による製造方法のさらなる有利な実施態様によれば、少なくとも2つの、互いに結合され、かつ少なくとも部分的に分離可能な部分から成る第2の中空体が使用され、少なくとも部分的に分離している部分の結合が、方法の実施の前に、第1の中空体の収容を可能とし、方法の実施の後に、第1の中空体の除去を可能とするように解放される。したがって、第2の中空体は、例えば2つの互いに完全に分離可能な部品から構成することも、又は特に有利な実施態様によれば、旋回可能に互いに接続されている2つの部品から構成することもでき、それによって2つの部品は蝶番式に開くか又は閉じ、第2の中空体はそれぞれ開き又は閉じることが可能である。第1の中空体を収容するために、第2の中空体は解放され、そして引き続き、加熱及び変形部の生成の前に閉鎖される。
【0027】
この目的のために、金属板又は他の適切な材料の板と適切なフィルム、特にプラスチックフィルムの組合せを使用することが好ましい。フィルム材料を一緒に加熱することができる加熱可能なダイ型板は、特に有利である。その際、加熱するフィルム材料を、圧力及び/又は真空に曝すことができ、それによって第1の中空体を形成することができる。圧力及び/又は真空に曝すことによって、この場合、製造すべき第1の中空体が個々の要求を満足するように形成されるよう適用される。
【0028】
変形部を形成し、必要ならば第1の中空体を(特に接着又は溶接によって)気密に閉鎖した後、第2の中空体を単純に蝶番式に解放することにより、第1の中空体を簡単に取り出すことができる。この場合、第2の中空体はダイ型と同様に機能する。
【0029】
第2の中空体のこのような設計は、管の形状を有さない第1の中空体と組合わせる方法を実施する場合にも適するという利点をもたらす。切欠が第2の中空体を形成する両方の部品のそれぞれにまたがって延伸し、その結果、切欠を形成する中空体の端部が、第2の中空体が開かれると互いに離れ、それによって切欠は第2の中空体が開かれることによって拡大することが特に有利である。この実施態様の場合、第1の中空体及び形成された変形部が損傷を受ける危険が存在せず、変形部を形成した後、第1の中空体を第2の中空体から取り出すことができる。
【0030】
人工的な動脈瘤を形成するために、局所的な加熱があらかじめ画定された小さな領域を点状に加熱する形態であることが有利である。この場合には、第2の中空体が少なくとも1つの切欠を有しており、第1の中空体が第2の中空体の中に導入された後、切欠の下に配置されている領域の少なくとも1つに、外側から点状に加熱し、そして引き続き加圧される場合が特に有利である。
【0031】
本発明による方法のさらなる利点は、小嚢以外に、他の種類の変形部、したがって他の種類の血管奇形をシミュレートすることが可能であることにある。したがって、例えば狭窄症の血管の模型システムを製造することができ、このとき形成された変形部は、狭められていない血管部分に対応し、よって第1の中空体の元の状態のままである部分は狭窄症の範囲に対応する。このようにして狭窄症の範囲を特徴付ける局所的な狭窄ばかりでなく、狭窄症の、及び生理学的に広い範囲で著しく異なる血管壁の弾性及び厚みも再現することができる。この目的のために、第2の中空体を利用することが最も好ましい。この場合、管形状の第2の中空体及び、形状嵌合の様式で管形状の第2の中空体の中に嵌め込まれる形状のチューブ・セグメントからなる第1の中空体を使用することは特に有利であり、このとき、チューブ・セグメントの縦方向の寸法が第2の中空体の縦方向の寸法を超過し、それによって管の中へチューブ・セグメントの部分的な領域が収容され、管の中に入っていないチューブ・セグメントの1つ又は複数の部分的な領域が引き続き加熱及び加圧され、この部分的な領域が拡張される。しかしながら、形状嵌合により管によって囲まれている加熱されない部分的な領域は、その元の直径びその元の壁厚を維持する。
【0032】
さらに本発明は、前述の方法にしたがって製造される血管奇形の模型システムに関する。この場合、動脈瘤及び/又は狭窄症の血管模型であることが好ましい。この場合には、中空体の空洞を画定する壁の厚み及び/又は第1の中空体の直径が、本質的に、ヒト又は動物の血管が有する寸法に対応する本発明による模型システムは特に有利である。内径、壁厚及び全径の寸法は、この場合、模型によって再現されるべき1つ又は複数の種類の血管に依存する。これらの寸法は、模型システムごとに異なっていてよく、また複雑な模型システムの場合には種々の人工的な血管間でも互いに著しく異なっていてもよい。確かに、大動脈近傍の動脈瘤を有する血管は、脳の終動脈とは寸法が異なっている。しかしながら、これら寸法は、前述の平均的な当業者には十分に知られている。発明者の試験によれば、内径が0.5mm〜30 mmの範囲、壁厚が0.3 mm以下〜4mmの範囲であることが特に好ましいことが明らかになった。(これら寸法は第1の中空体の変形していない部分的な領域に関するものである。変形部は、自然の血管奇形と同様に、当然のことながら大幅に薄い壁厚及び大幅に大きな内径を有することがある。)
形成させた変形部を有する導管経路又はチューブを本質的に含む簡単な模型システムは特に経済的である。より複雑な模型システムは、例えば、狭窄又は拡張された血管部分あるいは小嚢への主だった血流のベクトルの影響を著しく良好にシミュレートするのに適する連絡する複数の血管系の再現に使用される。
【0033】
さらに本発明は、本発明による模型システム及び模型システムに液体を送り込むように機能する液体用ポンプシステムを含む装置に関する。特に有利な実施態様によれば、液体として等張食塩水、人工血液又は新鮮血、あるいは特に経済的であるか又は天然の血液の特徴をできるだけ多く有する他のあらゆる液体が使用される。
【0034】
使用されるポンプシステムの種類は、如何なる効果が達成されるべきであるかに依存し、前述の平均的な当業者によって簡単に選択され得る。従来のローラポンプ又はピストン式ダイアフラムポンプは経済的であり、自然の血液圧力に対応する静水圧の生成を可能にする。血管の減衰特性をシミュレーションするために、調節可能な末端抵抗を上流及び/又は下流に配置することが好ましい。人工的な血管系における複雑な流れ系のシミュレーション(生体内に存在する生理学的及び/又は病理学的な状態に適合されている逆流、拍動性、圧力及び振動数変動)をコンピュータ制御されるポンプシステム(例えばコンピュータ制御されるピストン式ダイアフラムポンプ)によって行うことが好ましい。この場合、作用する圧力の強さを変化させることができるポンプシステムを使用することが特に有利である。その振動数及び/又はリズムを可変的に決定することができる流体静力学的な振動を生成する液体吐出しができるように、ポンプシステムが適用されていることが有利である。核磁気共鳴断層撮影装置(NMR)において本発明による装置を使用するために、本ポンプシステムが非磁性部品、例えば完全にプラスチック材料からなる場合が有利である。この駆動装置は、この場合、断層X線撮影器の、例えば外に配置することも、又は空気圧式に行うこともできる。
【0035】
さらなる有利な実施態様によれば、本発明による装置は可視記録システムを備えている。この目的に対して、拡大レンズ又はデジタル記録システムを有する従来のビデオシステムが適する。この場合、必要であればコンピュータ断層撮影、MLT、NMRのような画像化方法又は前記当業者によって知られている他の方法を利用することができる。
【0036】
さらに、本発明は、本発明による模型システム又は本発明による装置を医学的分野で使用することに関する。本発明は、特に、血液凝固又は血栓症に影響を及ぼす薬の効果を検査するのに、あるいは血管奇形、特に動脈瘤の治療のための医療機器の開発、試験又は改善するのに、あるいは動脈瘤の治療のための医学的な処置方法を生体外で開発、試験又は改善するのに、あるいは医師又は医学生又は医療専門技術者の基礎的な又は高度な訓練を行うのに、あるいは血管奇形における又は血管奇形の周辺での流れの状態を分析するのに適する。
【0037】
動脈瘤及び狭窄症の血管における血液の流動学的性質をシミュレートし、検査することは、造影剤を導入し、前述の画像化方法の1つを利用して同時に分析することによって実施されることが好ましい。またこのようにして、新たな造影剤及び血管系におけるその分布挙動を、血管奇形が存在する状態で試験することができる。血行力学的な分布挙動を可視化するために、使用される造影剤と血液を表すキャリヤ液体とが異なる色から作られている場合が有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
次に本発明を添付の図に示す有利な実施例に基づき詳説する。
【0039】
図1は、PVCチューブ2から製造されている頭蓋内動脈の嚢状動脈瘤の模型システム1を示す。この弾性のあるPVCチューブ2は、内径が1.5mmであり、壁厚が0.65mmである。人工的な動脈瘤3を再現するために、チューブ2を局部的にガスの炎によって、PVC材料の軟化点範囲の温度にまで加熱した。同時にチューブに従来の圧力ポンプを利用して、5×103Pa(0.5バール)の圧縮空気で満たし、これによって局部的に点状に加熱された箇所に人工的な動脈瘤3が形成される。続いて、この人工的な動脈瘤3を、その中に存在するガスとともに冷却した。動脈瘤が早期に崩壊することを防ぐため、冷却を弱い加圧下で実施した。最終的に、チューブ2の両端部4/4'を、弱い圧力下で溶接することによって気密状態となるように密閉し、それによって人工的な動脈瘤3がより長い期間にわたって安定性を維持する。
【0040】
特に人工的な動脈瘤が柔軟な材料からなり、かつ動脈瘤6の基部から半球状頂部7に向かってその壁5の厚みが著しく減少しているので、人工的な動脈瘤3は、弾性と構造に関する限り、自然の動脈瘤に類似している。ヒトの血液系に見られる自然の状態と著しく類似し、人工的な動脈瘤3の著しく肉薄の半球状頂部7は特に壊れやすく、この壊れやすさは、液体を導入することによって圧力が作用することによってさらに増幅される。
【0041】
示す模型システム1は、新しい治療形態及び診断方法を試験する目的に、ならびに訓練の目的に特に適する。チューブ2の両端部4/4'を切り開き、液体用ポンプシステム、例えばピストン式ダイアフラムポンプと連通するように接続する。この接続は、チューブ2の端部に連結されているY字形の同軸の密閉システムを利用して、チューブ2をポンプに接続することによって行われる。38℃に温度調節された人工血液を脈動するような圧力を作用させることによって、ヒトの脈拍がシミュレートされる。この目的のために、6.67×103Pa〜3.33×104Pa(50〜250 mmHg)の範囲の静水圧が生成される。脈動する液体吐出しの圧力、振動数及びリズムを変化するために、コンピュータがポンプと共働して使用されるように設けられ、それによって循環系の種々の生理学的及び病理学的な状態がシミュレートされる。
【0042】
この場合、その両方のチューブ端部4/4'を除いて、模型システム1は38℃に温度調節された液体で満たされた容器に入れられている。人工血液及び、模型システム1が浸けられている液体は加熱され、血管内の器具及び機械的な閉塞装置は、曲げ特性と捩れ安定性に関して、体内に配置されている場合と同様に振る舞う。同じことが、動脈瘤が配置されている血管を再現するチューブ2の弾性にも適用される。模型システム1を周囲の液体層に浸けることによって、例えば、チューブ2の「サージタンク」特性及び動脈瘤3の拍動性の挙動に影響を及ぼす外部抵抗を結果生じる。
【0043】
開発すべき、徹底的に試験すべき、訓練すべき血管内の方法を実施する目的で、例えばマイクロカテーテルが使用者によってY字形の分岐を有する止血弁を介して、開放されたチューブ2に導かれ、人工的な動脈瘤3の基部6まで案内される。この時点で、例えば重合材料又は閉塞螺旋体の配置が行われる。血管を表すチューブ2及び人工的な動脈瘤3が弾性を有するように設計され、かつ自然の血管及び/又は動脈瘤が示す表面特性に類似した表面特性を有するので、人工的な動脈瘤3への案内における失敗及び/又は閉塞材料の導入における失敗が、従来のガラス模型システムを利用する場合よりも良好に検知することができる。このように外科医は、チューブ2内で移動する物体がぶつかり又は引っかかるかどうか感じることができ、さらに、強い損傷によって人工的な動脈瘤3が破裂する危険が存在することも感じることができる。同時に模型システム1は、従来のガラスシステムと同様に、透明に形成されていることによって、血管内での移動が外側から容易に視認することができ、かつ必要に応じて記録することができるという利点を有する。
【0044】
図2は、動脈瘤用の二重壁模型システム1'を製造するのに利用されるステップを概略的に示す。二重壁模型システム1'を本発明にしたがって製造するために、再現すべき血管の典型的な内径と典型的な壁厚を有する弾性を有するポリエチレンチューブ2を、種々の寸法の楕円形及び円形の切欠8を有する銅管9の中に配置するが、このときこの内腔がポリエチレンチューブ2を形状嵌合により収容するのに適するように、銅管の内腔は寸法決めされている。銅管9中にポリエチレンチューブ2が押し込まれた後(図2b参照)、ポリエチレンチューブは、ポリエチレンの軟化点に達するまで、マイクロ波の照射に曝すことによって、外側から点状に局部的に加熱される。外側からの点状の加熱は、銅管9に設けられている切欠8の1つを介して外側から到達可能であるポリエチレンチューブ2の部分的な領域に適用される。加熱前、ポリエチレンチューブ2の一方の端部4'を溶接によって気密に閉鎖する。これに続いて、もう一方の端部4を、同軸のシールシステムを介して、連通するように、従来のピストン式ダイアフラムポンプに接続する。
【0045】
加熱し、その材料の軟化点に達した後、あらかじめ画定されている期間、画定されている量の空気をチューブ2に送り込むように調節されているピストン式ダイアフラムポンプによって圧力を作用させる。これにより、形成すべき変形部の寸法が決定され、かつ同時に、軟化された箇所が、作用する圧力が高くなりすぎ、又は拡張が速すぎるために結果破損することなく、傷のない状態が維持される。加熱された箇所に圧力を作用させるため、図2cに示すように、人工的な動脈瘤3を形成する変形部が形成される。同様に、変形部の形成及び修正を、チューブの外から真空を適用することによって行うことができる(又はチューブ内に圧力を適用し、外側に真空を生成することの組み合わせを利用することもできる)。続いて、このようにして形成された二重壁模型1'は直接、医学的な技術の訓練又は開発のために使用することもできるし、後で使用するために、溶接することによって依然として開放されている端部4を気密状態に密封することもできる。
【0046】
図2cに示す二重壁模型1'は、動脈瘤の上流及び下流に配置されている血管部分の正確な複製に特に適する(例えば、画定された螺旋体の形状で又は、図に示すように、正確にまっすぐな血管部分の形状で)。さらに動脈瘤の連結部6の寸法及び動脈瘤3の寸法は、この二重壁模型1'を利用して正確に決定することができる。二重壁模型1'を使用する場合、両方の閉鎖された端部4/4'が開放され、模型1'に液体が導入される。続いて、動脈瘤3を有する柔軟なチューブ2を、簡単に銅管9から取り外し、処理することができる。これに対して銅管9は、何回も再利用可能である。また銅管9が縦方向に延伸する継ぎ目を有し、この継ぎ目に沿って銅管が蝶番式に開放することが可能である(図3の例を参照のこと)場合が有利である。
【0047】
図3は、1つの部分的な領域10しか示していないが、複数のチューブが連絡する三次元システムに基づく人工的な動脈瘤を製造する種々のステップを概略的に示す。同様のやり方で、自明のことながら、(図2に示す例に類似して)単一のチューブを利用して動脈瘤模型システムを製造することができる。この例の場合、所望の人工的な動脈瘤3は、管形状のダイ型板11を使用して製造される。このダイ型板は、一方の端部の蝶番接続12により互いに旋回可能に接続されている2つの部品12/12'からなり、これによってダイ型板11は、2つの部品12/12'が互いに向き合って旋回することによって開閉可能である。複数のチューブが連絡する三次元システムの管形状の部分的な領域10をダイ型板11に配置するために、ダイ型板11が開放される。部分的な領域10が適所に配置された後、ダイ型板は再度閉じられる。しっかりと閉じるために、ダイ型板11の2つの部品12/12'は、蝶番接続13によって結合されていないその端部に、わずかな機械的な圧力が作用することによってのみ開放可能なラッチ形式の結合部が設けられている。このようにして、ダイ型板11が人工的な動脈瘤3を製造する間作用する圧力によって開放することが防がれる。他方、この結合部は、2つの部品12/12'が相互に簡単に分離することを可能とする。
【0048】
人工的な動脈瘤3の形状を予め画定するのに使用される切欠8は、ダイ型板11の2つの部品12/12'双方に、動脈瘤がこれら2つの部品12/12'の自由端部の上に架かるように配置されている。人工的な動脈瘤3が形成された後、部分的な領域10は、形成された人工的な動脈瘤3とともに、開放されたダイ型板11から容易に取り外すことができる。選択的に1つもしくは複数、及び/又は必要であれば種々に寸法決めされた又は位置決めされた動脈瘤3が、ただ1つのダイ型板11によって所望のように形成することができるので、ダイ型板部品の自由端部に沿って、場合によっては種々に寸法決めされた複数の切欠8が配置されているダイ型板11を使用することが好ましい。
【0049】
ダイ型板11を閉じ、切欠8の下の画定された箇所に配置されている部分的な領域10を加熱した後、圧力を作用させることによって(図3bの矢印を参照)、予め画定されている寸法の動脈瘤が形成される。続いて部分的な領域10は、図3cと3dに示すように、先ず開放されたダイ型板11から取り外される。連絡する複数のチューブからなる三次元システムは、ダイ型板11を使用することなく、引き続き使用される。概略的に図示する方法によって連結部6のあらかじめ画定された寸法を有する人工的な動脈瘤(図3d及び3eを参照)を製造することができる。動脈瘤3の形成に続いて、必要ならば、連絡する複数のチューブからなる三次元システムの他の又は同じ部分的な領域に、所望の模型システムが得られるまで、他のさらなる血管奇形及び/又は動脈瘤を形成することができる。
【0050】
ゲルの硬化後にシステムの三次元の形状が、模型システムの弾性を全く悪化させることなく、安定化するように、生成された模型システムは、引き続き、硬化するゲルで満たされている容器内に配置される。またゲルは、脳血管を囲む組織及び/又は髄液と同じく、一種の末端抵抗及び「サージタンク」特性を有する減衰器として機能し、その結果、このような装置は脳血管網の再現する場合に特に適する。
【0051】
図4は、狭窄症の血管用の模型システム14をどのように製造するかの例を概略的に示す。この目的のため、内径が6.0 mmであり、壁厚が1.5mmである柔軟なポリエチレンチューブ2を蝶番式に開放可能な形状嵌合式のダイ型板11中に配置する。これに続いて、ダイ型板11に取り囲まれていないチューブ2のセグメント17を、パラフィン油によって外側からの局所的な熱作用により軟化点に達するまで加熱し、さらに圧力を作用させることによって拡張させる。それから、図4に示すように、ダイ型板を開放し、形成された模型システム14をダイ型板11の冷却後に取り出す。さらに図4dに示すように、模型システム14によって、狭窄症の血管の内腔の異なった寸法ばかりではなく、狭窄症のセグメント16及び生理学的なセグメント17のそれぞれの血管壁15及び15'の異なった壁厚もシミュレートされる。また異なった壁厚のために、狭窄症の血管14の模型システムの異なる血管セグメント16/17の弾性特性は、実際の体内での状態を反映するように異なっている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】簡単な動脈瘤チューブ模型1の拡大した側面図である。
【図2】動脈瘤用の二重壁模型システム1'を製造するのに使用される種々のステップを示す拡大概略図である。
【図3】人工的な動脈瘤3をダイ型板11を利用して形成する方法を示す拡大概略図である。
【図4】血管狭窄用の模型システム1を製造するのに使用される種々のステップを示す拡大概略図である。
Claims (31)
- 血管奇形の模型システム(1)を製造するための方法であって、
a)液体が導通するのに適し、かつ柔軟で熱可塑性により変形可能な材料からなる少なくとも1つ又はそれ以上の部分的な領域を含む第1の中空体を、この熱可塑性により変形可能な材料が軟化するまで、当該部分的な領域の1つ又はそれ以上を局所的に加熱するステップ、
b)加熱箇所に変形部を生じさせるのに十分な大きさの圧力で前記第1の中空体を加圧し、前記圧力を作用させる持続時間及び/又は作用させる圧力の大きさに基づき前記変形部の寸法及び形状を決定するステップ、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記変形部の完成後、ガス圧下にある第1の中空体を気密に密閉する請求項1記載の方法。
- 前記密閉を、前記第1の中空体の開口を溶接するか、又は接着することによって行う請求項2記載の方法。
- 少なくとも形成された変形部及び、好ましくは前記第1の中空体の全体が、半透明又は本質的に透明に仕上げられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記中空体の全体が柔軟な材料からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記中空体の全体が熱可塑性により変形可能な材料からなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記熱可塑性により変形可能な材料が、PVC、PUR、PP又はPEである請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記局所的な加熱が、加熱された液体、好ましくは高い沸点を有する親油性の液体の局所的な作用によって、炎、好ましくはガス・バーナーによって得られる炎の局所的な作用によって、加熱されたワイヤー、特に中空体の壁に外側又は内側から局所的に作用する加熱されたワイヤー螺線体又はコイルを使用することによって、あるいはマイクロ波を用いた局所的に限定された照射によって行われる請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 前記局所的な加熱が、前記中空体の外部の熱源の熱作用によって達成される請求項8記載の方法。
- 第2の中空体が、加熱可能であり、かつ前記第1の中空体と同様に加熱される請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第1の中空体が、二次元に配置されている相互に連絡する導管経路からなるシステム、又はそのようなシステムの一部である請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記システムが、2つの互いに重なるプラスチックフィルムを部分的に接着又は溶接することによって製造されている請求項11記載の方法。
- 前記プラスチックフィルムが耐裂性のフィルムから形成されている請求項12記載の方法。
- 前記第1の中空体が、1つのチューブ(2)、複数のチューブが連絡するシステム、又はそのようなシステムの一部(10)として形成されている請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第1の中空体が、その加熱の前に、熱可塑性による変形が可能ではない材料からなる第2の中空体の中に、少なくとも部分的に収容され、前記第2の中空体の少なくとも1つの部分的な領域が、前記第1の中空体の少なくとも1つの部分的な領域を形状嵌合により取り囲む請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 第2の中空体が少なくとも1つの切欠(8)を有する請求項15記載の方法。
- 前記切欠が、楕円形又は円形に形成されている請求項16記載の方法。
- 前記第2の中空体が、一体に形成され、前記変形部の形成後、この第2の中空体の中に前記第1の中空体が残る請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第2の中空体が、互いに少なくとも部分的に開放可能に結合する少なくとも2つの部品(12)からなり、その結合が、前記方法の実施の前に前記第1の中空体を収容するために、及び前記方法の実施の後に前記第1の中空体を取り出すために、少なくとも部分的に解放される請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第2の中空体が、旋回可能に互いに接続されている2つの部品(12)からなり、この2つの部品が蝶番式に開くか又は閉じることによって、前記第2の中間体がそれぞれ開き又は閉じる請求項19記載の方法。
- 前記第2の中空体が本質的に管形状に形成されている請求項15〜20のいずれか1項に記載の方法。
- 前記局所的な加熱が点状の加熱である請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
- 前記第2の中空体が少なくとも1つの切欠を有し、かつ前記第1の中空体がこの第2の中空体中に収容された後、当該切欠の下に配置されている前記第1の中空体の領域の少なくとも1つを外側から点状に加熱する請求項22記載の方法。
- 第1の中空体が、前記管形状の第2の中空体の中で形状嵌合により適合するチューブ・セグメントからなり、このチューブ・セグメントの縦方向の寸法が前記第2の中空体の縦方向の寸法を超過しており、それによって前記管形状の第2の中空体の中へ前記チューブ・セグメントの部分的な領域を収容し、及び引き続き、前記管形状の第2の中空体の中に入っていない前記チューブ・セグメントの1つ又は複数の部分的な領域を加熱及び加圧し、それにより当該部分的な領域が拡張し、前記管形状の第2の中空体によって形状嵌合により囲まれ、加熱されない部分的な領域が、その元の直径及びその元の壁厚を維持する請求項21記載の方法。
- 請求項1〜24のいずれか1項に記載の血管奇形の模型システム。
- 前記中空体の空洞を画定する壁(15)の壁厚及び/又は前記第1の中空体の直径が、本質的にヒト又は動物の血管に対応する寸法を有する請求項25記載の模型システム。
- 請求項25又は26記載の模型システム及びその模型システムに液体を送り込む液体用ポンプシステムを備えた装置。
- 可視記録システムを特徴とする請求項27記載の装置。
- 前記模型システムの少なくとも一部が、液体又はゲルに埋め込まれている請求項27又は28記載の装置。
- 送り込まれる液体が、等張食塩水、人工血液又は新鮮血である請求項27〜31のいずれか1項に記載の装置。
- 請求項25又は26記載の模型システム、あるいは請求項27〜30のいずれか1項に記載の装置を、医学的分野における研究、開発及び/又は訓練のために使用する方法。
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