JP2005502527A - ストローク低減弁付きマスターシリンダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、マスターシリンダ(10)に関しており、前記マスターシリンダの内孔(14)の内側に、2つの軸方向の第1及び第2ピストン(16、18)が滑動可能に嵌合されており、前記マスターシリンダ内には、少なくとも1つのシール手段(48,50)が各ピストンと接触して配置され、供給チャンバ(56、60)と圧力チャンバ(58、62)を画定している。各ピストン(16、18)は、前方圧力チャンバ(58、62)の方向に開いている内孔(78、80)を備えており、ピストン(16)は、その外周と内孔(80)とに開口している弁形成貫通穴(88)を備えており、前記穴がシール手段を超えて通過すると前方圧力チャンバを分離してブレーキ圧を発生させるよう構成されており、少なくとも1つのピストン(18)と関係している前方圧力チャンバ(62)は、軸方向にピストン(18)の外側をシール手段(50)の後方に伸張する少なくとも1つの管状円筒形要素(90)を備えており、貫通穴(88)を縮小されたストローク(Cm2)で閉鎖するよう構成されていることを特徴とする。
【選択図】図2A
【選択図】図2A
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の「タンデム」式油圧ブレーキマスターシリンダに関する。
厳密には、本発明は、自動車用の「タンデム」式油圧ブレーキマスターシリンダにおいて、
実質的に軸方向に向いた本体を備えており、前記本体内孔の内側に、2つの軸方向のピストン、即ち第1ピストンと第2ピストンが、それぞれ前後方向に滑動可能に嵌合され、車輌の運転者が、非作動後方位置とブレーキ力が発生する前進位置との間で作動させることができるようになっており、
各ピストンは、第1後方ストッパ上へとその非作動後方位置まで弾性的に戻されるようになっており、
各ピストンと内孔の間には少なくとも1つのシール手段が配置され、内孔内に後方作動油供給チャンバと前方圧力チャンバを画定しており、
各ピストンは、前進方向に開いていて、前方圧力チャンバと連通している内孔を備えており、
前記ピストンは、ピストンの外周と内孔とに開口している少なくとも1つの実質的に半径方向の弁を備えており、ピストンの非作動後方位置対応していて、弁がシール手段の後方に位置し、後方供給チャンバを前方圧力チャンバに接続している連通位置と、ピストンの前方作動位置に対応していて、弁がシール手段の前方に位置し、後方供給チャンバを前方圧力チャンバから分離して前方圧力チャンバ内に油圧ブレーキ圧力を作り出す遮断位置との間で移動できるようになっている、自動車用の「タンデム」式油圧ブレーキマスターシリンダに関している。
【背景技術】
【0002】
前記型式のマスターシリンダには、様々な形態のものが広く知られている。
そのようなマスターシリンダでは、装着されているピストンが、ピストンの半径方向弁の非作動位置とシール手段の間の距離である、いわゆる「不作動距離」と称する所定の距離だけ動いて始めて、各圧力チャンバ内に油圧ブレーキ圧が生成される。
事実、半径方向弁がシール手段の後方に位置している限り、後方供給チャンバと前方圧力チャンバは連通しており、等しい圧力下にある。
【0003】
しかし、ピストンの前方移動の結果として、半径方向弁がシール手段を通過すると、即ち、ピストンが「不作動距離」を越えて動くと、前方圧力チャンバは後方供給チャンバから分離され、従って、ピストンが前方へ移動するにつれて、前方圧力チャンバ内で油圧ブレーキ圧力が増大する。
従って、前方圧力チャンバ内にできるだけ早く油圧ブレーキ圧力を発生させるためには、ピストンの「不作動距離」を、できるだけ短くしなければならない。
【0004】
さて、マスターシリンダの設計寸法を変更しても、非作動位置にあるピストンの半径方向弁とシール手段の間の距離を効果的に短縮することはできない。
実際問題として、半径方向弁は、一方では、非作動位置で、マスターシリンダ用の作動油タンクと連通している供給ポートと向かい合っていなければならない。
他方、シール手段は、一般的に、マスターシリンダ内に設けられた溝の中に装着されている唇状シールの形態をとっており、少なくとも唇状シールを保持するための溝の壁の厚さと同じ距離だけ、供給ポートから離れて配置されている。
【0005】
米国特許第4,989,498号は、少なくとも1つのピストンが装着され、ピストンの外側には、マスターシリンダの本体内に軸方向に保持されている少なくとも1つの管状円筒形要素を備えている前方圧力チャンバを開示しており、前記円筒形要素は、シール手段の軸方向後方に伸張していて、ピストンが前方へ移動すると、半径方向弁を閉鎖し、弁とシール手段の間の距離よりも短い弁の閉鎖ストロークを得ることができるようになっている。
しかもなお、圧力チャンバへの作動油の再供給は、ブレーキ操作の終了に向けて迅速に行うことが重要である。しかし、米国特許第4,989,498号に記載されているマスターシリンダでは、そのような迅速な再供給が保証されるわけではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の目的は、「不作動距離」を短縮するための改良された手段を提供することであり、この手段では、半径方向弁がシール手段を通過する前に半径方向弁を密閉するために、或る要素を介在させている。
このため、本発明は、前方圧力チャンバに再供給するための実質的に環状の空間が、マスターシリンダの本体とシール管状要素の間に設けられ、前記空間は、前方圧力チャンバを後方供給チャンバに接続することを特徴とする、上記型式のマスターシリンダを提供する。
【0007】
本発明の別の特徴によれば、
シール手段は、マスターシリンダの内孔内に作られた溝に装着されている唇状シールから成り、
シール手段は、前方圧力チャンバ内の圧力が後方供給チャンバ内の圧力より高いときには、前方圧力チャンバに再供給するための空間を密閉し、前方圧力チャンバ内の圧力が後方供給チャンバ内の圧力より低いときには、ブレーキ油が、後方供給チャンバから前方圧力チャンバ内へと流れるようにする上部突出部を備えており、
ピストンは単一部品に作られており、半径方向弁は、ピストンの外周と内孔へと開口している少なくとも1つの貫通穴を備えており、
管状円筒形要素は、ピストンの径と等しい内径を有する環状リングから成っており、前記リングは、唇状シールの背面に隣接しており、マスターシリンダ内に設けられた相補形の溝の中に収容されており、
シールは、環状リングの前方横断面に当接する別の唇状部を備えており、
リングには、マスターシリンダの少なくとも後方部分からの装着をやり易くするために切り込みが入っており、
マスターシリンダは、少なくとも中実のリングと唇状シールをマスターシリンダの前方部分から挿入するために、取り外しすることのできる前方端部横断面を備えており、
マスターシリンダは、ピストンの供給チャンバ内へ開口している作動油供給通路の後方に配置されている別の唇状シールを備えていて、リングは、軸方向に両唇状シールの間に配置されており、
リングは、作動油供給通路に面している半径方向貫通穴を有しており、
リングの前方及び後方端部横断面は、それぞれ、隣接する唇状シールを保持するための相補形のフランジを装着するための環状溝を備えている。
【0008】
本発明のこの他の特徴及び利点は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の説明では、同じ参照番号は同じ要素、又は同様な機能を有する要素を指す。
また規則として、「前方、前」及び「後方、後」という用語は、それぞれ、図1から図6において左側及び右側に面している要素又は位置を指すものとする。
【0010】
図1は、自動車用のブレーキマスターシリンダ10の全体図である。
周知のように、マスターシリンダ10は、「タンデム」式マスターシリンダであり、軸線Aを有する実質的に軸方向の本体12を備えており、その内孔14内には、2つの軸方向ピストン16及び18が滑動移動可能に嵌合されている。
【0011】
いわゆるプライマリピストン(第1ピストン)16と呼ばれるピストン16は、車輌(図示せず)の第1ブレーキ回路内に油圧を発生させるためのものであり、いわゆるセカンダリピストン(第2ピストン)18と呼ばれるピストン18は、車輌(図示せず)の第2ブレーキ回路内に油圧を発生させるよう設計されており、これは第1ブレーキ回路から独立している。
第1ピストン16は、車輌の運転者が直接操作することができる。例えば、第1ピストン16の後端部20は、車輌のブレーキペダルに加えられた力を増幅するサーボモーター(図示せず)に接続されている。
【0012】
第2ピストン18は、車輌の運転者が間接的に、より厳密には第1ピストン16を通して、以下に説明する方法で操作することができできる。
従って、各ピストン、即ち第1ピストン16と第2ピストン18は、図1に示す非作動後方位置と、ブレーキ力が掛けられている前方位置(図示せず)の間を移動することができる。
【0013】
周知のように、第1ピストン16と第2ピストン18は、両方とも、それぞれの非作動後方位置へ弾性的に戻される。各ピストンは、その非作動後方位置へ弾性的に戻され、ストッパ(図示せず)に当接する。
第2ピストン18は、内孔14の前端部横断面40と第2ピストン18の間に当接しているばね手段38により後方向に付勢され、第1ピストン16は、第2ピストン18の後方横断面44と第1ピストン16の間に当接しているばね手段42により後方向に付勢されている。より具体的には、ばね42は、第2ピストン18の後方横断面44と第1ピストン16の間に挿入されている滑動作動器46の周りに装着されている。ばね42は、ばね38によって予応力が加えられている。
【0014】
マスターシリンダは、少なくとも2つの前方シール手段、即ち、第1シール手段48と第2シール手段50を備えており、それらは、それぞれ、第1ピストン16と内孔14の間、及び第2ピストン18と内孔14の間に挿入されている。
【0015】
本発明の或る好適な実施形態では、本発明を限定するものではないが、第1及び第2シール手段は、それぞれ本体12内に設けられ内孔14の肩形成部分28及び36の後方に位置している溝52及び54内に収容されている唇状シール48及び50である。各シール48、50は少なくとも1つの唇状部を備えており、前記唇状部は、関係するピストン16、18の外周と接触している。
勿論、このような配置は、本発明に課せられた限定として考えるべきものではなく、シール48、50は、マスターシリンダの本体内に挿入され、シール48、50を収容する溝52、54を完全に又は部分的に構成する円筒形ハウジング内に受け入れるようにしてもよい。
【0016】
第1シール手段48は、内孔14内に、第1後方供給チャンバ56と、第1前方圧力チャンバ58を画定している。同様に、第2シール手段50は、内孔14内に、第2後方供給チャンバ60と、第2前方圧力チャンバ62を画定している。
本体12は、外部の第1作動油タンク(図示せず)を第1後方供給チャンバ56に接続する第1半径方向供給通路64を備えている。
【0017】
より具体的には、第1半径方向通路64は、例えば中間長手方向通路66を経由して、本体12の外側に開口して関係する第1タンクの出口管(図示せず)を受け入れるようになっているポート68に接続されている。
同様に、本体12は、外部の第2作動油タンク(図示せず)を第2後方供給チャンバ60に接続する第2半径方向供給通路70を備えている。この通路70は、関係する第2タンクの出口管(図示せず)を受け入れるようになっているポート72を通して、本体12の外側に開口している。
【0018】
本体12には、2つの貫通穴、即ち、一方の側がそれぞれ第1及び第2圧力チャンバ58及び62内へと開口し、他方の側が本体12の外側へと開口している第1貫通穴74及び第2貫通穴76が設けられ、それぞれ第1及び第2ブレーキ回路(図示せず)に作動油を供給するようになっている。
周知のように、各ピストン16、18は、前方向に開いて、前方圧力チャンバ58、62と連通している内孔78、80を備えている。各ピストン16、18は、後方供給チャンバ56、60とピストン16、18の内孔78、80との間に配置されている少なくとも1つの弁82、84を備えている。
【0019】
各弁82、84は、例として挙げるだけであり限定するものではないが、各ピストン16、18の内孔78、80とその外周との間に設けられている少なくとも1つの半径方向貫通穴86、88からなり、その貫通孔の唇状シール48、50に対する相対位置によって、後方供給チャンバ56、60から前方圧力チャンバ58、62に向かう作動油の流れが可能になったり、不可能になったりする。
この様に、各弁82、84は、ピストン16、18の内の一方がその非作動後方位置にあり、各弁が、前記ピストン16、18の後方供給チャンバ56又は60を前記ピストン16、18の前方圧力チャンバ58又は62に接続している図1に示す開位置と、ピストン16、18がその作動位置に向かって軸方向前方に動かされ、各弁が、各前方圧力チャンバ58、62を各後方供給チャンバ56、60から分離し、前方圧力チャンバ58、62内にブレーキ圧力を発生させる閉位置(図示せず)と、の間を移動することができる。
【0020】
以後の説明では、第1ピストンと第2ピストン16、18が実質的に同様な方法で作動することを考えて、詳細に扱うのは、第2前方圧力チャンバ62内の第2ピストン18の作動様式とする。
より厳密には、上記配列では、第2弁84の閉鎖は、第2ピストン18が、貫通穴88とシール50との間の距離に対応するストローク「Cm1」、いわゆる「不作動距離」分だけ移動した場合にのみ起こる。
【0021】
この様に、ピストン18が不作動距離「Cm1」分だけ移動しない限り、貫通穴88は唇状シール50の後方に残っているので、作動油は、第2後方供給チャンバ60から第2前方圧力チャンバ62へ流入することができる。この場合、弁84は開いている。
一方、ピストン18が一旦不作動距離「Cm1」分だけ移動すると、貫通穴88は唇状シール50を通過するので、第2後方供給チャンバ60から第2前方圧力チャンバ62への作動油の流れが止められる。この場合、弁84は閉じている。
【0022】
ここで、高効率のブレーキ作動という利益を享受するには、不作動距離の値を、できる限り縮小することが重要である。
しかし、上記配置では、貫通穴88とシール50の間の距離を縮小することは全くできない。
【0023】
実際問題として、一方では、溝54の後方壁53は、関係する溝54内にシール50を適切に保持できるだけの厚さでなければならない。また他方では、ピストン18が非作動位置にあるとき、貫通穴88は供給通路70と実質的に対面して、弁84が作動油を最適に供給できるようになっていなければならない。
このような不都合を排除するために、本発明は、少なくとも1つのピストン16、18と関係する前方圧力チャンバ62が少なくとも1つの管状円筒形要素を備えており、前記管状円筒形要素は、ピストン16、18の外側に配置され、シール手段の軸方向後方に伸張しており、ピストン16、18が前方へ移動するときに、弁閉鎖不作動距離が弁とシール手段の間の距離より短くなるように、半径方向弁を閉じることのできることを特徴とする、上記型式のマスターシリンダを提供する。
【0024】
従って、更に、第2ピストンの作動状況について述べると、図示のように、本マスターシリンダは、第2ピストン18と関係する前方圧力チャンバ62が少なくとも1つの管状円筒形要素90を備えており、前記管状円筒形要素90は、ピストン18の外側に配置され、シール手段50の軸方向後方に伸張しており、第2ピストン18が前方へ移動するときに、弁84を閉鎖するための不作動距離「Cm2」が弁84とシール手段50の間の距離より短くなるように半径方向弁84を閉じることができることを特徴としている。
【0025】
図2Aから図2C及び図5Aから図6は、そのような管状円筒形要素90を備えたマスターシリンダ10の幾つかの実施形態を示している。
図2Aから図2Cに示す本発明の第1実施形態によれば、第2ピストン18は、単一部品に作られており、半径方向弁84は、第2ピストン18の外周と内孔80へ開口している少なくとも1つの貫通穴88を備えている。
ここで、管状円筒形要素90は、ピストン18の直径「D18」と等しい内径を有する環状リングで構成され、前記リングは、唇状シール50の背面に隣接しており、マスターシリンダ10の本体12内に設けられている相補形の溝120内に収容されている。
【0026】
環状リングの外径は、溝120の内径より小さいので、圧力チャンバ62を供給チャンバ60に接続する実質的に環状の空間51を形成している。
勿論、このような配置は本発明を限定するものではなく、環状リング90は、マスターシリンダの本体内に挿入されていて、リング90を収容する溝120を全体的又は部分的に構成している円筒形ハウジング内に、収容されていてもよい。
【0027】
この実施形態では、シール50は、周知の様式の唇状部122を備えており、更に、ピストン18の外周と、更に環状リング90の前方横断面126とに当接する別の後方唇状部124を備えている。貫通穴88が、環状リング90の面126と共に軸方向に対して直角に配置されている場合、後方唇状部124は、作動油に対して、シール50と環状リング90の間にシール性を提供する。更に、シールは、シール50を溝54内に固定する前方突起125と、環状空間51を通る作動油の通過に対して適切な可撓性を呈し、この前方圧力チャンバ62内の圧力が供給チャンバ60内の圧力より低いときには、マスターシリンダの本体とリングの半径方向外周との間に再供給通路を形成して前方圧力チャンバ62に作動油が再供給されるようにする上部突起127とを備えている。圧力チャンバ62内の圧力が供給チャンバ60内の圧力より高いときには、環状空間は、上部突起127によって密閉される。
【0028】
リング90は、後方向は、溝120と通路70との接合部の環状肩形成部分により形成されている軸方向ストッパによって、前方向は、この例では、突起125により所定の位置に保持されているシール50によって形成されている軸方向ストッパによって、軸Aに沿った長手方向に留められている。
リング90を前方向の所定の位置に保持するために、溝120内に溝120よりも大きい直径を有する、リング90を収容するための溝を設けてもよい。従って、リング90は、その前方部分が肩部に押し付けられて保持されることになる。この場合、例えばリング90の外周、又はリング90のための前方ストッパを形成している肩部に、環状の空間から圧力チャンバ62へ向かう流体の流れのための経路を設けなければならない。
【0029】
リングは、様々な設計に従って作ることができる。リング90は、図3に示すように切り込みを入れて、マスターシリンダ10の後部から容易に装着できるようにし、ピストン18上に確実に漏れのない密閉状態を形成できるようにするのが望ましい。
環状リング90は、適切なスリーブ(図示せず)を使って、従って幾分変形させた状態で内孔14へ、シール50の位置決めした後で、且つピストン16、18を内孔14へ導入する前に、挿入される。次に、スリーブが取り外され、環状リングは、溝120に入ると自然に解放される。
【0030】
変型例として、マスターシリンダ10は、図4に示すような少なくとも1つの中実リング90と唇状シール50とを挿入するために、マスターシリンダ10の前方部分から取り外し可能な前端部横断面(図示せず)を備えていてもよい。
前記取り外し可能な前端部横断面を使って、切り込み付きリング90、及び/又はシール48及び50、及びピストン16及び18の両方に関係するリングの導入も行うことができる。
その結果、ピストン18は、3つの特徴的な位置の間で動くことができる。
不作動距離「Cm2」は、図2Aに示すように、貫通穴88と、要素90を構成しているリングの背面128との間の距離に縮小する。
【0031】
最初、第2ピストン18は、図2Aに示す非作動位置にある。この状態では、貫通穴88は管状要素形成リング90の背面128の後方に位置しており、リング90が貫通穴を蓋していないので、弁84は開いている。
その後、図2Bに示すように、第2ピストン18が、第1ピストン16の戻しばね42から伝達される力の作用を受けて前方へ移動すると、貫通穴88が管状要素形成リング90で覆われるので弁84が閉じ、その結果、第2後方供給チャンバ60と第2前方圧力チャンバ62の間で作動油の流れが遮断され、これは、第2ピストン18が不作動距離「Cm2」分だけ既に移動しており、従って第2前方圧力チャンバ62内に油圧ブレーキ圧力を発生させることができることを意味している。
最終的に、第2ピストン18が更に前進した位置では、図2Cに示すように、貫通穴88はシール50を通り越し、従ってブレーキ圧力は増大しており、次にピストン18は、ストロークの端位置に来てマスターシリンダ10の内孔14の前端部肩形成面40に突き当たる。
【0032】
図5Aから図5Cを参照して以下に説明する本発明の第2実施形態によれば、マスターシリンダは、特に、第2ピストン18の供給チャンバ60内へと開口している作動油供給通路70の後方に配置されている唇状シール130を備えており、リング90は、軸方向に見て唇状シール50と130の間に配置されている。
更に特定すると、リング90は、作動油供給通路70に接続されている溝に面している少なくとも1つの半径方向貫通穴132を有している。
【0033】
この構成において、リング90の更なる機能は、シール50と130を維持することにある。
リング90は前方環状区画134を備えており、その内径はピストン18の径と等しく、前記区画は唇状シール50の背面に隣接しており、一方、環状区画134の外径は、区画134を収容している溝の径よりも小さく、後方供給チャンバ60から前方圧力チャンバ62への再供給通路を構成する環状の空間51を提供するようになっている。唇状シール50は、先に述べた実施形態の唇状シールと同じであり、2つの唇状部122と124を備えている。リング90は、更に、ピストン18の径と等しい内径を有する後方環状区画135を備えている。
【0034】
リング90は、貫通穴132を取り囲んでいる突起と作動油供給通路70との組合せで、マスターシリンダ本体内の長手方向所定の位置に保持されている。
そのような突起は、例えば、外径が通路70の直径とほぼ等しい環状突起又はスタッドである。通路70から環状空間への作動油の流れの経路(図示せず)は、例えば、リング90の突起内又はマスターシリンダの本体内に設けられる。
従って、ピストン18は、3つの特徴的な位置の間で動くことができる。
【0035】
不作動距離「Cm2」は、図5Aに示すように、貫通穴88と、管状要素形成リング90の前方区画134の後方横断面136との間の距離に低減される。
最初、第2ピストン18は、図5Aに示す非作動位置にある。この状態では、貫通穴88が管状要素形成リング90の前方区画134の後方面136の後方に位置しているので、弁84は開いている。
【0036】
その後、図5Bに示すように、第2ピストン18が、第1ピストン16の戻しばね42により伝達される力の作用を受けて前方へ移動すると、貫通穴88が管状要素形成リング90の前方区画134で覆われるので、弁84が閉じ、その結果、第2後方供給チャンバ60と第2前方圧力チャンバ62の間で作動油の流れが遮断され、これは、第2ピストン18が不作動距離「Cm2」分だけ既に移動しており、従って第2前方圧力チャンバ62内に油圧ブレーキ圧力を発生させることができることを意味している。
【0037】
最終的に、第2ピストン18が更に前進した位置では、図5Cに示すように、貫通穴88はシール50を通り過ぎ、従ってブレーキ圧力は増大しており、次にピストン18は、ストロークの端位置に来てマスターシリンダ10の内孔14の前端部肩形成面40に突き当たる。
ブレーキ動作の最後に、圧力チャンバ62内に行き渡る圧力が、供給チャンバ60内の圧力より低くなると、圧力チャンバ62への作動油の再供給が、図2Aから2Cに示した第1実施形態と同じ方法で実行される。
【0038】
尚、図6に示す変型例によれば、リング90の前端部及び後端部横断面138及び140は、それぞれ、隣接する唇状シール50、130を保持するための相補形のフランジ146、148を収容する環状溝142、144を備えている。前記フランジ146、148は、圧入でもよいし、貼り付けでもよい。
リング90による貫通穴88の密閉は、圧力チャンバ62内の圧力上昇の開始を意味するが、ブレーキ動作に必要な高圧が得られるのは、貫通穴88がシール50を通り過ぎた場合だけである。
【0039】
このような配置は本発明を限定するものではなく、リング90の前端部及び後端部横断面138及び140は、隣接する唇状シール50、130を保持するための相補的締結手段に適した形状であればどの様なものでもよく、そのような締結手段は、必ずしもフランジでなくともよい。
好都合に、この構成では、リング90と両方のシール50及び130とを全て1つのブロックに嵌め込むことができ、従って、上記のようなシール50の唇状部124を省くことができる。
【0040】
従って、本発明は、ブレーキの安全性が改良されている証であるストロークを低減したマスターシリンダ10を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】先行技術による「タンデム」式マスターシリンダの軸方向断面図であり、非作動位置を示している。
【図2】図2A−Cは、本発明の第1実施形態による「タンデム」式マスターシリンダの詳細な断面図であり、それぞれ、図2Aは非作動位置、図2Bは第2前方圧力チャンバの遮断位置、図2Cは第2ピストンがブレーキ力を掛けている位置とを示している。
【図3】本発明の第1実施形態による管状円筒形要素を形成しているリングの或る実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態による管状円筒形要素を形成しているリングの別の実施形態の斜視図である。
【図5】図5A−5Cは、本発明の第2実施形態による「タンデム」式マスターシリンダの詳細な断面図であり、それぞれ、図5Aは非作動位置、図5Bは第2前方圧力チャンバの遮断位置、図5Cは第2ピストンがブレーキ力を掛けている位置とを示している。
【図6】本発明の第3実施形態による「タンデム」式マスターシリンダの詳細な断面図であり、第2ピストンの非作動位置を示している。
【0001】
本発明は、自動車用の「タンデム」式油圧ブレーキマスターシリンダに関する。
厳密には、本発明は、自動車用の「タンデム」式油圧ブレーキマスターシリンダにおいて、
実質的に軸方向に向いた本体を備えており、前記本体内孔の内側に、2つの軸方向のピストン、即ち第1ピストンと第2ピストンが、それぞれ前後方向に滑動可能に嵌合され、車輌の運転者が、非作動後方位置とブレーキ力が発生する前進位置との間で作動させることができるようになっており、
各ピストンは、第1後方ストッパ上へとその非作動後方位置まで弾性的に戻されるようになっており、
各ピストンと内孔の間には少なくとも1つのシール手段が配置され、内孔内に後方作動油供給チャンバと前方圧力チャンバを画定しており、
各ピストンは、前進方向に開いていて、前方圧力チャンバと連通している内孔を備えており、
前記ピストンは、ピストンの外周と内孔とに開口している少なくとも1つの実質的に半径方向の弁を備えており、ピストンの非作動後方位置対応していて、弁がシール手段の後方に位置し、後方供給チャンバを前方圧力チャンバに接続している連通位置と、ピストンの前方作動位置に対応していて、弁がシール手段の前方に位置し、後方供給チャンバを前方圧力チャンバから分離して前方圧力チャンバ内に油圧ブレーキ圧力を作り出す遮断位置との間で移動できるようになっている、自動車用の「タンデム」式油圧ブレーキマスターシリンダに関している。
【背景技術】
【0002】
前記型式のマスターシリンダには、様々な形態のものが広く知られている。
そのようなマスターシリンダでは、装着されているピストンが、ピストンの半径方向弁の非作動位置とシール手段の間の距離である、いわゆる「不作動距離」と称する所定の距離だけ動いて始めて、各圧力チャンバ内に油圧ブレーキ圧が生成される。
事実、半径方向弁がシール手段の後方に位置している限り、後方供給チャンバと前方圧力チャンバは連通しており、等しい圧力下にある。
【0003】
しかし、ピストンの前方移動の結果として、半径方向弁がシール手段を通過すると、即ち、ピストンが「不作動距離」を越えて動くと、前方圧力チャンバは後方供給チャンバから分離され、従って、ピストンが前方へ移動するにつれて、前方圧力チャンバ内で油圧ブレーキ圧力が増大する。
従って、前方圧力チャンバ内にできるだけ早く油圧ブレーキ圧力を発生させるためには、ピストンの「不作動距離」を、できるだけ短くしなければならない。
【0004】
さて、マスターシリンダの設計寸法を変更しても、非作動位置にあるピストンの半径方向弁とシール手段の間の距離を効果的に短縮することはできない。
実際問題として、半径方向弁は、一方では、非作動位置で、マスターシリンダ用の作動油タンクと連通している供給ポートと向かい合っていなければならない。
他方、シール手段は、一般的に、マスターシリンダ内に設けられた溝の中に装着されている唇状シールの形態をとっており、少なくとも唇状シールを保持するための溝の壁の厚さと同じ距離だけ、供給ポートから離れて配置されている。
【0005】
米国特許第4,989,498号は、少なくとも1つのピストンが装着され、ピストンの外側には、マスターシリンダの本体内に軸方向に保持されている少なくとも1つの管状円筒形要素を備えている前方圧力チャンバを開示しており、前記円筒形要素は、シール手段の軸方向後方に伸張していて、ピストンが前方へ移動すると、半径方向弁を閉鎖し、弁とシール手段の間の距離よりも短い弁の閉鎖ストロークを得ることができるようになっている。
しかもなお、圧力チャンバへの作動油の再供給は、ブレーキ操作の終了に向けて迅速に行うことが重要である。しかし、米国特許第4,989,498号に記載されているマスターシリンダでは、そのような迅速な再供給が保証されるわけではない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
従って、本発明の目的は、「不作動距離」を短縮するための改良された手段を提供することであり、この手段では、半径方向弁がシール手段を通過する前に半径方向弁を密閉するために、或る要素を介在させている。
このため、本発明は、前方圧力チャンバに再供給するための実質的に環状の空間が、マスターシリンダの本体とシール管状要素の間に設けられ、前記空間は、前方圧力チャンバを後方供給チャンバに接続することを特徴とする、上記型式のマスターシリンダを提供する。
【0007】
本発明の別の特徴によれば、
シール手段は、マスターシリンダの内孔内に作られた溝に装着されている唇状シールから成り、
シール手段は、前方圧力チャンバ内の圧力が後方供給チャンバ内の圧力より高いときには、前方圧力チャンバに再供給するための空間を密閉し、前方圧力チャンバ内の圧力が後方供給チャンバ内の圧力より低いときには、ブレーキ油が、後方供給チャンバから前方圧力チャンバ内へと流れるようにする上部突出部を備えており、
ピストンは単一部品に作られており、半径方向弁は、ピストンの外周と内孔へと開口している少なくとも1つの貫通穴を備えており、
管状円筒形要素は、ピストンの径と等しい内径を有する環状リングから成っており、前記リングは、唇状シールの背面に隣接しており、マスターシリンダ内に設けられた相補形の溝の中に収容されており、
シールは、環状リングの前方横断面に当接する別の唇状部を備えており、
リングには、マスターシリンダの少なくとも後方部分からの装着をやり易くするために切り込みが入っており、
マスターシリンダは、少なくとも中実のリングと唇状シールをマスターシリンダの前方部分から挿入するために、取り外しすることのできる前方端部横断面を備えており、
マスターシリンダは、ピストンの供給チャンバ内へ開口している作動油供給通路の後方に配置されている別の唇状シールを備えていて、リングは、軸方向に両唇状シールの間に配置されており、
リングは、作動油供給通路に面している半径方向貫通穴を有しており、
リングの前方及び後方端部横断面は、それぞれ、隣接する唇状シールを保持するための相補形のフランジを装着するための環状溝を備えている。
【0008】
本発明のこの他の特徴及び利点は、添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の説明では、同じ参照番号は同じ要素、又は同様な機能を有する要素を指す。
また規則として、「前方、前」及び「後方、後」という用語は、それぞれ、図1から図6において左側及び右側に面している要素又は位置を指すものとする。
【0010】
図1は、自動車用のブレーキマスターシリンダ10の全体図である。
周知のように、マスターシリンダ10は、「タンデム」式マスターシリンダであり、軸線Aを有する実質的に軸方向の本体12を備えており、その内孔14内には、2つの軸方向ピストン16及び18が滑動移動可能に嵌合されている。
【0011】
いわゆるプライマリピストン(第1ピストン)16と呼ばれるピストン16は、車輌(図示せず)の第1ブレーキ回路内に油圧を発生させるためのものであり、いわゆるセカンダリピストン(第2ピストン)18と呼ばれるピストン18は、車輌(図示せず)の第2ブレーキ回路内に油圧を発生させるよう設計されており、これは第1ブレーキ回路から独立している。
第1ピストン16は、車輌の運転者が直接操作することができる。例えば、第1ピストン16の後端部20は、車輌のブレーキペダルに加えられた力を増幅するサーボモーター(図示せず)に接続されている。
【0012】
第2ピストン18は、車輌の運転者が間接的に、より厳密には第1ピストン16を通して、以下に説明する方法で操作することができできる。
従って、各ピストン、即ち第1ピストン16と第2ピストン18は、図1に示す非作動後方位置と、ブレーキ力が掛けられている前方位置(図示せず)の間を移動することができる。
【0013】
周知のように、第1ピストン16と第2ピストン18は、両方とも、それぞれの非作動後方位置へ弾性的に戻される。各ピストンは、その非作動後方位置へ弾性的に戻され、ストッパ(図示せず)に当接する。
第2ピストン18は、内孔14の前端部横断面40と第2ピストン18の間に当接しているばね手段38により後方向に付勢され、第1ピストン16は、第2ピストン18の後方横断面44と第1ピストン16の間に当接しているばね手段42により後方向に付勢されている。より具体的には、ばね42は、第2ピストン18の後方横断面44と第1ピストン16の間に挿入されている滑動作動器46の周りに装着されている。ばね42は、ばね38によって予応力が加えられている。
【0014】
マスターシリンダは、少なくとも2つの前方シール手段、即ち、第1シール手段48と第2シール手段50を備えており、それらは、それぞれ、第1ピストン16と内孔14の間、及び第2ピストン18と内孔14の間に挿入されている。
【0015】
本発明の或る好適な実施形態では、本発明を限定するものではないが、第1及び第2シール手段は、それぞれ本体12内に設けられ内孔14の肩形成部分28及び36の後方に位置している溝52及び54内に収容されている唇状シール48及び50である。各シール48、50は少なくとも1つの唇状部を備えており、前記唇状部は、関係するピストン16、18の外周と接触している。
勿論、このような配置は、本発明に課せられた限定として考えるべきものではなく、シール48、50は、マスターシリンダの本体内に挿入され、シール48、50を収容する溝52、54を完全に又は部分的に構成する円筒形ハウジング内に受け入れるようにしてもよい。
【0016】
第1シール手段48は、内孔14内に、第1後方供給チャンバ56と、第1前方圧力チャンバ58を画定している。同様に、第2シール手段50は、内孔14内に、第2後方供給チャンバ60と、第2前方圧力チャンバ62を画定している。
本体12は、外部の第1作動油タンク(図示せず)を第1後方供給チャンバ56に接続する第1半径方向供給通路64を備えている。
【0017】
より具体的には、第1半径方向通路64は、例えば中間長手方向通路66を経由して、本体12の外側に開口して関係する第1タンクの出口管(図示せず)を受け入れるようになっているポート68に接続されている。
同様に、本体12は、外部の第2作動油タンク(図示せず)を第2後方供給チャンバ60に接続する第2半径方向供給通路70を備えている。この通路70は、関係する第2タンクの出口管(図示せず)を受け入れるようになっているポート72を通して、本体12の外側に開口している。
【0018】
本体12には、2つの貫通穴、即ち、一方の側がそれぞれ第1及び第2圧力チャンバ58及び62内へと開口し、他方の側が本体12の外側へと開口している第1貫通穴74及び第2貫通穴76が設けられ、それぞれ第1及び第2ブレーキ回路(図示せず)に作動油を供給するようになっている。
周知のように、各ピストン16、18は、前方向に開いて、前方圧力チャンバ58、62と連通している内孔78、80を備えている。各ピストン16、18は、後方供給チャンバ56、60とピストン16、18の内孔78、80との間に配置されている少なくとも1つの弁82、84を備えている。
【0019】
各弁82、84は、例として挙げるだけであり限定するものではないが、各ピストン16、18の内孔78、80とその外周との間に設けられている少なくとも1つの半径方向貫通穴86、88からなり、その貫通孔の唇状シール48、50に対する相対位置によって、後方供給チャンバ56、60から前方圧力チャンバ58、62に向かう作動油の流れが可能になったり、不可能になったりする。
この様に、各弁82、84は、ピストン16、18の内の一方がその非作動後方位置にあり、各弁が、前記ピストン16、18の後方供給チャンバ56又は60を前記ピストン16、18の前方圧力チャンバ58又は62に接続している図1に示す開位置と、ピストン16、18がその作動位置に向かって軸方向前方に動かされ、各弁が、各前方圧力チャンバ58、62を各後方供給チャンバ56、60から分離し、前方圧力チャンバ58、62内にブレーキ圧力を発生させる閉位置(図示せず)と、の間を移動することができる。
【0020】
以後の説明では、第1ピストンと第2ピストン16、18が実質的に同様な方法で作動することを考えて、詳細に扱うのは、第2前方圧力チャンバ62内の第2ピストン18の作動様式とする。
より厳密には、上記配列では、第2弁84の閉鎖は、第2ピストン18が、貫通穴88とシール50との間の距離に対応するストローク「Cm1」、いわゆる「不作動距離」分だけ移動した場合にのみ起こる。
【0021】
この様に、ピストン18が不作動距離「Cm1」分だけ移動しない限り、貫通穴88は唇状シール50の後方に残っているので、作動油は、第2後方供給チャンバ60から第2前方圧力チャンバ62へ流入することができる。この場合、弁84は開いている。
一方、ピストン18が一旦不作動距離「Cm1」分だけ移動すると、貫通穴88は唇状シール50を通過するので、第2後方供給チャンバ60から第2前方圧力チャンバ62への作動油の流れが止められる。この場合、弁84は閉じている。
【0022】
ここで、高効率のブレーキ作動という利益を享受するには、不作動距離の値を、できる限り縮小することが重要である。
しかし、上記配置では、貫通穴88とシール50の間の距離を縮小することは全くできない。
【0023】
実際問題として、一方では、溝54の後方壁53は、関係する溝54内にシール50を適切に保持できるだけの厚さでなければならない。また他方では、ピストン18が非作動位置にあるとき、貫通穴88は供給通路70と実質的に対面して、弁84が作動油を最適に供給できるようになっていなければならない。
このような不都合を排除するために、本発明は、少なくとも1つのピストン16、18と関係する前方圧力チャンバ62が少なくとも1つの管状円筒形要素を備えており、前記管状円筒形要素は、ピストン16、18の外側に配置され、シール手段の軸方向後方に伸張しており、ピストン16、18が前方へ移動するときに、弁閉鎖不作動距離が弁とシール手段の間の距離より短くなるように、半径方向弁を閉じることのできることを特徴とする、上記型式のマスターシリンダを提供する。
【0024】
従って、更に、第2ピストンの作動状況について述べると、図示のように、本マスターシリンダは、第2ピストン18と関係する前方圧力チャンバ62が少なくとも1つの管状円筒形要素90を備えており、前記管状円筒形要素90は、ピストン18の外側に配置され、シール手段50の軸方向後方に伸張しており、第2ピストン18が前方へ移動するときに、弁84を閉鎖するための不作動距離「Cm2」が弁84とシール手段50の間の距離より短くなるように半径方向弁84を閉じることができることを特徴としている。
【0025】
図2Aから図2C及び図5Aから図6は、そのような管状円筒形要素90を備えたマスターシリンダ10の幾つかの実施形態を示している。
図2Aから図2Cに示す本発明の第1実施形態によれば、第2ピストン18は、単一部品に作られており、半径方向弁84は、第2ピストン18の外周と内孔80へ開口している少なくとも1つの貫通穴88を備えている。
ここで、管状円筒形要素90は、ピストン18の直径「D18」と等しい内径を有する環状リングで構成され、前記リングは、唇状シール50の背面に隣接しており、マスターシリンダ10の本体12内に設けられている相補形の溝120内に収容されている。
【0026】
環状リングの外径は、溝120の内径より小さいので、圧力チャンバ62を供給チャンバ60に接続する実質的に環状の空間51を形成している。
勿論、このような配置は本発明を限定するものではなく、環状リング90は、マスターシリンダの本体内に挿入されていて、リング90を収容する溝120を全体的又は部分的に構成している円筒形ハウジング内に、収容されていてもよい。
【0027】
この実施形態では、シール50は、周知の様式の唇状部122を備えており、更に、ピストン18の外周と、更に環状リング90の前方横断面126とに当接する別の後方唇状部124を備えている。貫通穴88が、環状リング90の面126と共に軸方向に対して直角に配置されている場合、後方唇状部124は、作動油に対して、シール50と環状リング90の間にシール性を提供する。更に、シールは、シール50を溝54内に固定する前方突起125と、環状空間51を通る作動油の通過に対して適切な可撓性を呈し、この前方圧力チャンバ62内の圧力が供給チャンバ60内の圧力より低いときには、マスターシリンダの本体とリングの半径方向外周との間に再供給通路を形成して前方圧力チャンバ62に作動油が再供給されるようにする上部突起127とを備えている。圧力チャンバ62内の圧力が供給チャンバ60内の圧力より高いときには、環状空間は、上部突起127によって密閉される。
【0028】
リング90は、後方向は、溝120と通路70との接合部の環状肩形成部分により形成されている軸方向ストッパによって、前方向は、この例では、突起125により所定の位置に保持されているシール50によって形成されている軸方向ストッパによって、軸Aに沿った長手方向に留められている。
リング90を前方向の所定の位置に保持するために、溝120内に溝120よりも大きい直径を有する、リング90を収容するための溝を設けてもよい。従って、リング90は、その前方部分が肩部に押し付けられて保持されることになる。この場合、例えばリング90の外周、又はリング90のための前方ストッパを形成している肩部に、環状の空間から圧力チャンバ62へ向かう流体の流れのための経路を設けなければならない。
【0029】
リングは、様々な設計に従って作ることができる。リング90は、図3に示すように切り込みを入れて、マスターシリンダ10の後部から容易に装着できるようにし、ピストン18上に確実に漏れのない密閉状態を形成できるようにするのが望ましい。
環状リング90は、適切なスリーブ(図示せず)を使って、従って幾分変形させた状態で内孔14へ、シール50の位置決めした後で、且つピストン16、18を内孔14へ導入する前に、挿入される。次に、スリーブが取り外され、環状リングは、溝120に入ると自然に解放される。
【0030】
変型例として、マスターシリンダ10は、図4に示すような少なくとも1つの中実リング90と唇状シール50とを挿入するために、マスターシリンダ10の前方部分から取り外し可能な前端部横断面(図示せず)を備えていてもよい。
前記取り外し可能な前端部横断面を使って、切り込み付きリング90、及び/又はシール48及び50、及びピストン16及び18の両方に関係するリングの導入も行うことができる。
その結果、ピストン18は、3つの特徴的な位置の間で動くことができる。
不作動距離「Cm2」は、図2Aに示すように、貫通穴88と、要素90を構成しているリングの背面128との間の距離に縮小する。
【0031】
最初、第2ピストン18は、図2Aに示す非作動位置にある。この状態では、貫通穴88は管状要素形成リング90の背面128の後方に位置しており、リング90が貫通穴を蓋していないので、弁84は開いている。
その後、図2Bに示すように、第2ピストン18が、第1ピストン16の戻しばね42から伝達される力の作用を受けて前方へ移動すると、貫通穴88が管状要素形成リング90で覆われるので弁84が閉じ、その結果、第2後方供給チャンバ60と第2前方圧力チャンバ62の間で作動油の流れが遮断され、これは、第2ピストン18が不作動距離「Cm2」分だけ既に移動しており、従って第2前方圧力チャンバ62内に油圧ブレーキ圧力を発生させることができることを意味している。
最終的に、第2ピストン18が更に前進した位置では、図2Cに示すように、貫通穴88はシール50を通り越し、従ってブレーキ圧力は増大しており、次にピストン18は、ストロークの端位置に来てマスターシリンダ10の内孔14の前端部肩形成面40に突き当たる。
【0032】
図5Aから図5Cを参照して以下に説明する本発明の第2実施形態によれば、マスターシリンダは、特に、第2ピストン18の供給チャンバ60内へと開口している作動油供給通路70の後方に配置されている唇状シール130を備えており、リング90は、軸方向に見て唇状シール50と130の間に配置されている。
更に特定すると、リング90は、作動油供給通路70に接続されている溝に面している少なくとも1つの半径方向貫通穴132を有している。
【0033】
この構成において、リング90の更なる機能は、シール50と130を維持することにある。
リング90は前方環状区画134を備えており、その内径はピストン18の径と等しく、前記区画は唇状シール50の背面に隣接しており、一方、環状区画134の外径は、区画134を収容している溝の径よりも小さく、後方供給チャンバ60から前方圧力チャンバ62への再供給通路を構成する環状の空間51を提供するようになっている。唇状シール50は、先に述べた実施形態の唇状シールと同じであり、2つの唇状部122と124を備えている。リング90は、更に、ピストン18の径と等しい内径を有する後方環状区画135を備えている。
【0034】
リング90は、貫通穴132を取り囲んでいる突起と作動油供給通路70との組合せで、マスターシリンダ本体内の長手方向所定の位置に保持されている。
そのような突起は、例えば、外径が通路70の直径とほぼ等しい環状突起又はスタッドである。通路70から環状空間への作動油の流れの経路(図示せず)は、例えば、リング90の突起内又はマスターシリンダの本体内に設けられる。
従って、ピストン18は、3つの特徴的な位置の間で動くことができる。
【0035】
不作動距離「Cm2」は、図5Aに示すように、貫通穴88と、管状要素形成リング90の前方区画134の後方横断面136との間の距離に低減される。
最初、第2ピストン18は、図5Aに示す非作動位置にある。この状態では、貫通穴88が管状要素形成リング90の前方区画134の後方面136の後方に位置しているので、弁84は開いている。
【0036】
その後、図5Bに示すように、第2ピストン18が、第1ピストン16の戻しばね42により伝達される力の作用を受けて前方へ移動すると、貫通穴88が管状要素形成リング90の前方区画134で覆われるので、弁84が閉じ、その結果、第2後方供給チャンバ60と第2前方圧力チャンバ62の間で作動油の流れが遮断され、これは、第2ピストン18が不作動距離「Cm2」分だけ既に移動しており、従って第2前方圧力チャンバ62内に油圧ブレーキ圧力を発生させることができることを意味している。
【0037】
最終的に、第2ピストン18が更に前進した位置では、図5Cに示すように、貫通穴88はシール50を通り過ぎ、従ってブレーキ圧力は増大しており、次にピストン18は、ストロークの端位置に来てマスターシリンダ10の内孔14の前端部肩形成面40に突き当たる。
ブレーキ動作の最後に、圧力チャンバ62内に行き渡る圧力が、供給チャンバ60内の圧力より低くなると、圧力チャンバ62への作動油の再供給が、図2Aから2Cに示した第1実施形態と同じ方法で実行される。
【0038】
尚、図6に示す変型例によれば、リング90の前端部及び後端部横断面138及び140は、それぞれ、隣接する唇状シール50、130を保持するための相補形のフランジ146、148を収容する環状溝142、144を備えている。前記フランジ146、148は、圧入でもよいし、貼り付けでもよい。
リング90による貫通穴88の密閉は、圧力チャンバ62内の圧力上昇の開始を意味するが、ブレーキ動作に必要な高圧が得られるのは、貫通穴88がシール50を通り過ぎた場合だけである。
【0039】
このような配置は本発明を限定するものではなく、リング90の前端部及び後端部横断面138及び140は、隣接する唇状シール50、130を保持するための相補的締結手段に適した形状であればどの様なものでもよく、そのような締結手段は、必ずしもフランジでなくともよい。
好都合に、この構成では、リング90と両方のシール50及び130とを全て1つのブロックに嵌め込むことができ、従って、上記のようなシール50の唇状部124を省くことができる。
【0040】
従って、本発明は、ブレーキの安全性が改良されている証であるストロークを低減したマスターシリンダ10を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】先行技術による「タンデム」式マスターシリンダの軸方向断面図であり、非作動位置を示している。
【図2】図2A−Cは、本発明の第1実施形態による「タンデム」式マスターシリンダの詳細な断面図であり、それぞれ、図2Aは非作動位置、図2Bは第2前方圧力チャンバの遮断位置、図2Cは第2ピストンがブレーキ力を掛けている位置とを示している。
【図3】本発明の第1実施形態による管状円筒形要素を形成しているリングの或る実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態による管状円筒形要素を形成しているリングの別の実施形態の斜視図である。
【図5】図5A−5Cは、本発明の第2実施形態による「タンデム」式マスターシリンダの詳細な断面図であり、それぞれ、図5Aは非作動位置、図5Bは第2前方圧力チャンバの遮断位置、図5Cは第2ピストンがブレーキ力を掛けている位置とを示している。
【図6】本発明の第3実施形態による「タンデム」式マスターシリンダの詳細な断面図であり、第2ピストンの非作動位置を示している。
Claims (11)
- 自動車用の「タンデム」式油圧ブレーキマスターシリンダ(10)であって、
実質的に軸方向に向いた本体(12)を備えており、前記本体の内孔(14)の内に、2つの軸方向のピストン、即ち第1ピストン(16)と第2ピストン(18)が、それぞれ前後方向に滑動可能に嵌合され、車輌の運転者が、非作動後方位置とブレーキ力が発生する前進位置との間で作動させることができるようになっており、
各ピストン(16、18)は、第1後方ストッパ上へとその非作動後方位置まで弾性的に戻されるようになっており、
前記各ピストン(16、18)と前記内孔(14)の間には少なくとも1つのシール手段(48、50)が配置され、前記内孔(14)内に後方作動油供給チャンバ(56、60)と前方圧力チャンバ(56、62)を画定しており、
前記各ピストン(16、18)は、前進方向に開いていて、前方圧力チャンバ(58、62)と連通している内孔(78、80)を備えており、
前記ピストン(16、18)は、その外周と前記内孔(78、80)とに開口している少なくとも1つの実質的に半径方向の弁(82、84)を備えており、前記ピストン(16、18)の非作動後方位置に対応していて、前記弁(82、84)が前記シール手段(48、50)の後方に位置し、前記後方供給チャンバ(56、60)を前記前方圧力チャンバ(58、62)に接続している連通位置と、前記ピストン(16、18)の前方作動位置に対応していて、前記弁(82、84)が前記シール手段(48、50)の前方に位置し、前記後方供給チャンバ(56、60)を前記前方圧力チャンバ(58、62)から分離して前記前方圧力チャンバ(56、62)内に油圧ブレーキ圧力を作り出す遮断位置との間で移動できるようになっており、
少なくとも1つの前記ピストン(18)と関係している前記圧力チャンバ(62)は、前記ピストンの外側に、前記マスターシリンダの前記本体(12)内に軸方向に保持されている少なくとも1つの管状円筒形要素(90)を備えており、前記円筒形要素(90)は、前記シール手段(50)の軸方向後方に伸張しており、前記ピストン(18)が前方へ移動すると、前記半径方向弁(84)を閉鎖し、前記弁(84)と前記シール手段(50)の間の距離よりも小さい前記弁の閉鎖移動距離(Cm2)を得ることができるように構成されている油圧ブレーキマスターシリンダ(10)において、
前記前方圧力チャンバ(58、62)に作動油を再供給するための実質的に環状の空間(51)が、前記マスターシリンダの前記本体と前記シール管状要素(90)との間に設けられており、前記空間は、前記前方圧力チャンバ(58、62)を前記後方供給チャンバ(56、60)に接続していることを特徴とするマスターシリンダ(10)。 - 前記シール手段(50)は、前記マスターシリンダ(10)の前記内孔(14)内に作られた溝内に収容されている唇状シールから成ることを特徴とする、請求項1に記載のマスターシリンダ(10)。
- 前記シール手段(50)は、前記前方圧力チャンバ(58、62)内の圧力が前記後方供給チャンバ(56、60)内の圧力より高いときには、前記前方圧力チャンバ(58、62)に再供給するための前記空間(51)を密閉し、前記前方圧力チャンバ(58、62)内の圧力が前記後方供給チャンバ(56、60)内の圧力より低いときには、ブレーキ液が、前記後方供給チャンバ(56、60)から前記前方圧力チャンバ(58、62)内へと流れるようにする、上部突出部を備えていることを特徴とする、請求項2に記載のマスターシリンダ(10)。
- 前記ピストン(18)は単一部品に作られており、前記半径方向弁は、前記ピストン(18)の前記外周と前記内孔(80)へと開口している少なくとも1つの貫通穴(88)を備えていることを特徴とする、請求項2又は3に記載のマスターシリンダ(10)。
- 前記管状円筒形要素(90)は、前記ピストン(18)の径と等しい内径を有する環状リングから成り、前記リングは、前記唇状シール(50)の背面に隣接しており、前記マスターシリンダ(10)内に設けられた相補形の溝(120)の内側に収容されていることを特徴とする、請求項4に記載のマスターシリンダ(10)。
- 前記シール(50)は、前記環状リング(90)の前方横断面(126)に当接する別の唇状部(124)を備えていることを特徴とする、請求項5に記載のマスターシリンダ(10)。
- 前記リング(90)は、前記マスターシリンダ(10)の少なくとも後方部分からの装着をやり易くするために切り込みが入っていることを特徴とする、請求項6に記載のマスターシリンダ(10)。
- 前記マスターシリンダは、少なくとも中実のリング(90)と唇状シール(50)を前記マスターシリンダの前方部分から挿入するために、取り外し可能な前方端部横断面を備えていることを特徴とする、請求項6に記載のマスターシリンダ(10)。
- 前記マスターシリンダは、前記ピストン(18)の前記供給チャンバ(60)内へ開口している作動油供給通路(70)の後方に配置されている別の唇状シール(130)を備えており、前記リング(90)は、軸方向に前記両唇状シール(50、130)の間に配置されていることを特徴とする、請求項5から8の何れか一項に記載のマスターシリンダ(10)。
- 前記リング(90)は、前記作動油供給通路(70)に面している半径方向貫通穴(132)を有していることを特徴とする、請求項9に記載のマスターシリンダ(10)。
- 前記リング(90)の前記前方及び後方端部横断面(138、140)は、それぞれ、前記隣接する唇状シール(90、130)を保持するための相補形のフランジ(146、148)を収容するために環状溝(142、144)を備えていることを特徴とする、請求項9又は10に記載のマスターシリンダ(10)。
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