JP2005502347A - クモ糸タンパク質をコードする核酸、ポリペプチド、抗体とそれらの使用方法 - Google Patents

クモ糸タンパク質をコードする核酸、ポリペプチド、抗体とそれらの使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
【解決手段】クモ糸タンパク質をコードする核酸類、ポリペプチド類、および、それに免疫学的に特異的な抗体類を開示する。それらの使用法もまた、提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、部分的に、米国国立科学財団(NSF)の基金(助成金番号:MCB−9806999)によって行われたため、米国特許法第202(c)条に準じ、米国政府が本明細書に記載された本発明に権利を有することを、ここに認知する。
【0002】
この発明は、分子生物学と細胞生物学の分野に関連する。具体的には、クモ糸ポリペプチド質をコードする核酸、クモ糸ポリペプチド、クモ糸ポリペプチドに特異的な抗体、およびそれらの使用方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
当発明が関係する到達水準をより充分に記載するために、この出願ではいくつかの刊行物を括弧に入れた番号で引用する。これらの引用文献の全リストは、明細書の最後に付けた。これらの刊行物のそれぞれの開示は、この引例により本明細書に一体化される。
【0004】
クモの糸は、タンパク質のアミノ酸構成、タンパク質のアミノ酸構成での変異から起こる構造的特性、およびそのような変異がいかにタンパク質機能に影響するかの間の関係を調べるためのモデルシステムを有する。糸の産出は、節足動物内で複数回、進化したが、糸の使用はクモで非常に高度に発達している。クモは、多くの異なる糸タンパク質(もしくは、フィブロインタンパク質)のアレイを紡ぐ生涯の能力と、この能力に依存する程度においてユニークである。真正クモ目(Araneae)には34,000以上の記述された種がある(1)。それぞれの種は糸を利用し、いくつかの種の篩板をもたない(ecribellate)コガネグモ上科(Araneoidea)は、多岐にわたる機械的性質を有する、各仕事に特異的な糸の、多様なツールキットを有する(2)。Araneoid(コガネグモ上科のクモ類)の大瓶状糸(major ampullate silk)、すなわち主な牽引糸は極めて強靭である。クモの巣の構築に用いられる、小瓶状糸(minor ampullate silk)は高度な伸長力を有する。部分的に鞭状糸から成る、円網の捕獲螺旋(capture spiral)は、弾性で、壊れる前に長さが3倍になりうる(3)。これらの各ファイバは、クモ糸フィブロイン遺伝子ファミリーによってコードされる1つ以上のタンパク質から構成される(4)。Araneoidのフィブロインの配列は、これらのフィブロインが4つの簡単なアミノ酸モチーフ:(?)ポリアラニン(A)、交互に並ぶグリシンとアラニン(GA)、GGX(Xはアミノ酸の小さなサブセットアミノ酸を表す)、GPG(X)の反復によって特色付けられる(5)。
【0005】
クモは、分解したフィブロインタンパク質からファイバを引き出すが、これらは特別の組の腹部の腺に貯蔵されている。各タイプの糸は、紡糸口(spinneret)上の小さい開口部(spigot)によって押し出されるまで、異なる腹部の腺によって分泌かつ貯蔵されている。牽引糸、隠れ家(retreat)、卵嚢、餌食を捕まえるわなを含む多様の目的で、クモはフィブロインタンパク質を単一で、または組み合わせて使用する。これらの特殊化された用途があるために、個々の糸は、特定の用途でその有用性を最適化する機械的性質(例えば、抗張力と柔軟性)を有するように進化したようであるらしい。
【0006】
オオジョロウグモ(Nephila)のような円網性クモ類は、いくつかのタイプの糸合成腺から由来するクモ糸タンパク質を産生することが知られており、その源泉の器官にしたがって命名されている。存在することが知られるクモ糸タンパク質には、大瓶状クモタンパク質(major ampullate spider protein、MaSp)、小瓶状クモタンパク質(minor ampullate spider protein、MiSp)、および鞭状(flagelliform(Flag))、管状(tubuliform)、集合(aggregate)、ブドウ状(aciniform)、ナシ状(pyriform)の各クモ糸タンパク質が含まれる。各器官から由来するクモ糸タンパク質は一般的に、それらの物理学的および化学的性質によって、他の合成器官から由来するクモ糸タンパク質から区別される。そのような物理学的および化学的性質によって、クモ糸は異なる使用法に適合できる。例えば、管状糸は卵嚢の外層に使用され、一方、ブドウ状糸は餌食を包むのに関与し、ナシ状糸はアッタチメントディスク(attachment disk)として敷かれる。
【0007】
ほとんどのクモ糸の分子的かつ構造的研究は、極めて高い抗張力を有する牽引糸に集中している(XuおよびLewis,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 87,7120−7124,1990;HinmanおよびLewis,J.Biol.Chem.267,19320−19324,1992;Thielら.,Biopolymers 34,1089−1097,1994;Simmonsら,Science 271,84−87,1996;Kummerlenら.,Macromol.29,2920−2928,1996;およびOsaki,Nature 384,419,1996)。牽引糸(大瓶状腺によって産生されるので大瓶状糸(major ampullate silk)としばしば呼ばれる)は、ケブラー(4×10Nm−2)に似た高い抗張力(5×10Nm−2)を有する(Goslineら、Endeavour 10,37−43,1986; Staufferら、J.Arachnol.22,5−11,1994)。この例外的な強度に加えて、牽引糸はまた、相当な弾性(約35%)も示す(Goslineら、Endeavour 10,37−43,1986)。このように、牽引糸の構造的かつ機能的分析は、強度と弾性を付与するタンパク質の特徴に関して明らかにしている。
【0008】
糸の強度は、血漿のβシート構造に大きく起因する。そのようなタンパク質ドメインは、鱗翅目の糸(例えば、カイコ、Mitaら、J.Mol.Evol.38,583−592,1994)とクモ糸(XuおよびLewis、Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 87,7120−7124,1990;HinmanおよびLewis、J.Biol.Chem.267,19320−19324,1992;Goslineら、Endeavour 10,37−43,1986)の両方で見つかっている。対照的に、弾性は不定形の領域に関与すると一般的に考えられている(Wainwrightら、Mechanical design in organisms,Princeton University Press,Princeton,1982)。これらの不定形な成分のより正確な特徴は、分子の配列データによって明らかにされ得る。
【0009】
大瓶状糸タンパク質のタンパク質配列に基づいて、βターン構造が弾性のメカニズムであるらしいと示唆されている(HinmanおよびLewis,J.Biol.Chem.267,19320−19324,1992)。しかし、牽引糸は少なくとも2つの異なるタンパク質の混成物であり、これらのタンパク質が強度と中程度の弾性の両方を分け与えているために、この提案を評価することには問題がある。
【0010】
オオジョロウグモの小瓶状糸は、物理学的性質と化学的性質の両方によって、同種の大瓶状糸から区別され得る。基本的なレベルでは、溶解した小瓶状糸のアミノ酸組成は、溶解した大瓶状糸のアミノ酸組成と異なる。大瓶状タンパク質(major spidroin 1(MaSP1)、major spidroin 2(MaSP2))のように、小瓶状糸を構成するタンパク質(minor spindroin 1(MiSP1)、minor spindroin 2(MiSP2))は、短い配列のアミノ酸の不完全な繰り返しが大部分を占める一次構造を有する。さらに、大瓶状糸によって示される弾性と対照的に、小瓶状糸はリコイル(recoil)なしで弾性を与える。小瓶状糸はちぎれる前に初期の長さの約25%まで伸び、100,000psi(ポンド/平方インチ)の抗張力を示す。したがって小瓶状糸タンパク質は、大瓶状糸タンパク質に比較して、比較的低い抗張力と弾性を示す。
【0011】
一方、捕獲螺旋は、鞭状腺と集合腺から由来する糸タンパク質から形成される。円網の捕獲螺旋は、餌食を捕まえ保持しなければならない構造から予想されるように、顕著な伸長能力を有する構造から成る。捕獲糸は、より低い抗張力(1×10Nm−2)を有するが、牽引糸より数倍の弾性(200%以上)を有する(VollrathおよびEdmonds,Nature 340,305−307,1989;KohlerおよびVollrath,J.Exp.Zool.271,1−17,1995)。鞭状糸が該螺旋の芯繊維から成り、一方集合糸は非繊維性の水性層を提供する。このように、集合糸は弾性の捕獲螺旋の不可欠な部分であるが、伸長の能力を提供するのは、鞭状糸である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0012】
クモによって産出される様々な糸のユニークな性質の観点において、新規なクモ糸タンパク質類の同定とそれらの化学的性質と物理的性質の特徴は、多くの利用法(応用)に対する有用性を有する、新しい有益な試薬を提供する。クモ糸タンパク質は、限定するわけではないが、強度の抗張力と弾性を含む特性を有する点でユニークである。さらに、個々のクモ糸タンパク質は、特性の異なる組み合わせを有するように進化し、その組み合わせは、タンパク質の強度と弾性の間の物理的平衡に貢献する。
【0013】
クモ糸は、タンパク質から形成されたファイバから成る。天然のクモ糸のファイバは、2つ以上のタンパク質の混成からなり得る。一般的に、クモ糸タンパク質は、短いコンセンサス配列の間接的な反復(indirect repeats)として特徴付けられ得る一次アミノ酸配列を有することが知られており、コンセンサス配列における変異は、異なる糸タンパク質に特徴的な性質の要因である。
【0014】
糸ファイバは、糸タンパク質のコンセンサスリピートユニットに実質的に類似したアミノ酸配列を有する合成ポリペプチド、または天然または遺伝子操作された糸タンパク質、またはそれらの誘導体をコードする核酸配列から発現されたポリペプチドから作られ得る。また、クモ糸タンパク質の応用目的によって、1つのクモ糸タンパク質からまたは異なる糸タンパク質の組み合わせからファイバを形成することが望ましい場合もあり得る。それに応じて、組み合わせの比を調節することができる。
【0015】
本発明のひとつの観点において、新規のクモ糸タンパク質をコードする核酸配列を提供する。本発明の核酸配列の一例は、配列表の配列番号1〜28番を含む配列を有する。
【0016】
本発明の特定の観点において、新規のMaSp1様クモ糸タンパク質をコードする、核酸配列の一例を提供する。このタイプの核酸配列の一例は、配列表の配列番号1〜7番を含む配列を有する。
【0017】
本発明の別の観点において、新規のMaSp2様クモ糸タンパク質をコードする、核酸配列の一例を提供する。このタイプの核酸配列の一例は、配列表の配列番号8〜16番を含む配列を有する。
【0018】
本発明の別の実施様態では、新規の鞭状(flagelliform:flag)様クモ糸タンパク質をコードする、核酸配列の一例を提供する。このタイプの核酸配列の一例は、配列表の配列番号17番と18番を含む配列を有する。
【0019】
本発明の別の実施様態では、新規のクモ糸タンパク質をコードする核酸配列を提供する。このタイプの核酸配列の一例は、配列表の配列番号19番と20番を含む配列を有する。
【0020】
さらに本発明の別の観点において、非典型的な繰り返しモチーフを含む、新規のクモ糸タンパク質をコードする核酸配列を提供する。このタイプの核酸配列の一例は、配列表の配列番号21〜27番を含む配列を有する。
【0021】
本発明の特定の観点において、単離された核酸配列を提供し、この核酸配列は、非典型的な繰り返しモチーフを含む、新規のクモ糸タンパク質をコードする。このタイプの核酸配列の一例は、配列表の配列番号28番を含む配列を有する。
【0022】
本発明の好適な実施様態では、提供された単離の核酸分子類がクモ糸タンパク質類をコードする。特定の実施様態では、本発明のクモ糸タンパク質が、配列表の配列番号29〜56番から成るアミノ酸配列を有する。
【0023】
本発明の特定の観点において、新規のMaSp1様クモ糸タンパク質が、配列表の配列番号29〜35番から成るアミノ酸配列を有する。
【0024】
本発明の別の観点において、新規のMaSp2様クモ糸タンパク質が、配列表の配列番号36〜44番から成るアミノ酸配列を有する。
【0025】
本発明の別の観点において、新規のflag様クモ糸タンパク質が、配列表の配列番号45番と配列表の配列番号46番から成るアミノ酸配列を有する。
【0026】
本発明の別の観点において、新規のクモ糸タンパク質が、配列表の配列番号47番と配列表の配列番号48番から成るアミノ酸配列を有する。
【0027】
本発明の別の観点において、非典型的な繰り返しモチーフから成る、新規のクモ糸タンパク質が、配列表の配列番号49〜55番から成るアミノ酸配列を有する。
【0028】
本発明の特定の観点において、非典型的な繰り返しモチーフから成る、新規のクモ糸タンパク質を提供する。このタイプのクモ糸タンパク質のアミノ酸配列の一例は、配列表の配列番号56番を有する。
【0029】
本発明の別の観点によると、単離された核酸分子が提供され、その核酸分子は以下のグループから選択された配列を有する。すなわち、(1)配列表の配列番号1〜28番、(2)配列表の配列番号29〜56番のアミノ酸をコードする核酸から成る配列表の配列番号1〜28番の個々の相補的な一本鎖の前もって選択された一部、または全体と特異的にハイブリダイズする配列、(3)配列表の配列番号1〜28番の前もって選択された一部をコードする配列、(4)配列表の配列番号56番から由来したコンセンサス配列(配列表の配列番号57番)のアミノ酸群をコードする核酸からなる配列である。
【0030】
そのような部分的配列は、本発明のクモ糸タンパク質の相同体を同定し、単離するためのプローブとして有用である。さらに、配列表の配列番号1〜28番の核酸の天然の対立遺伝子変異体をコードするた短離された核酸配列もまた、本発明の範囲内にあると考えらる。天然の対立遺伝子変異体という用語は、下記に定義されている。
【0031】
本発明の別の観点によると、上記のクモ糸タンパク質に免疫学的に特異的な抗体類を提供する。
【0032】
本発明のさらに別の観点では、クモ糸タンパク質をコードする核酸類の少なくとも1つを含む宿主細胞を提供する。そのような宿主細胞は、限定されるものではないが、細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳細胞、および植物細胞を含む。本発明のクモ糸タンパク質をコードする核酸の1つ以上を過剰発現する宿主細胞は、多くの応用で有用な試薬を提供する。そのような応用には、限定するものではないが、少なくとも1つの糸タンパク質を有する糸ファイバの産生が含まれ、構造的性質を調節するための物質が組み込まれる。
【0033】
天然のクモ糸タンパク質類は、不完全な繰り返し構造を有する。この繰り返し内の不完全性は、ファイバ形成の必要性よりも、この糸タンパク質遺伝子が進化した過程の結果であるようである。したがって、繰り返し内の不完全性は、タンパク質分子の凝集に続いて形成されるファイバの性質に影響しないようである。
【0034】
したがって、本発明の別の実施様態では、遺伝子操作されたクモ糸タンパク質群をコードする核酸配列を提供し、ここで、これらのタンパク質群のそれぞれは、アミノ酸配列の直接的リピート(direct repeat)を有するポリペプチドから成る。別法として、核酸配列は、「共重合体」糸タンパク質を形成するためのいくつかの異なるアミノ酸配列を含み得る。
【0035】
本発明のさらに別の実施様態では、核酸配列から発現されたクモ糸タンパク質を提供するが、ここでその核酸配列は、クモ糸腺(ampullate gland)から由来した、cDNA、ゲノムDNA、合成DNA、または上記のすべての断片から得られる。
【0036】
本発明の別の実施様態では、少なくとも1つのクモ糸タンパク質をコードする核酸配列の発現によって得られた糸タンパク質から作られたファイバを提供する。
【0037】
本発明の詳細な説明
クモ糸タンパク質の物理学的特徴は、これらのフィブロインに無比の機械的性質を与えるため、種々の応用で理想的に適したクモ糸タンパク質をもたらす。したがって、ここで記載するように、新規のクモ糸タンパク質の同定は、天然および合成のクモ糸タンパク質の産生に有用な手段を提供し、これらのクモ糸タンパク質はファイバに編み込むことができ、そのようなタンパク質から成るファイバに特有の性質をもたせる。
【0038】
本発明の好適な実施様態では、新規のクモ糸タンパク質をコードする核酸配列群は、配列表の配列番号1〜28番から成る配列を有する。
【0039】
特定の実施様態では、本発明のクモ糸タンパク質が、配列表の配列番号29〜56番から成るアミノ酸配列群を有する。
【0040】
さらに別の実施様態では、配列表の配列番号56番から由来するコンセンサス配列が、配列表の配列番号57番から成るアミノ酸配列群を有する。
【0041】
他のクモ糸タンパク質類は以前に同定されている。例えば、米国特許出願番号:5,773,771、5,989,894、5,728,810を参照。これらの開示全体は、この引用例によって本明細書に一体化される。
【0042】
1 定義
以下の定義は本発明の理解を促進するために提供される。
【0043】
本発明で使用された核酸に関して、用語「単離された核酸」が時々使用される。この用語は、DNAに適用された時に、それが由来する生物体の天然のゲノム中で(5’と3’の方向に)隣接する配列から分離された、DNA分子を指す。例えば、「単離された核酸」はベクター(例えばプラスミドやウイルスベクター)に挿入されたDNA分子、あるいは原核細胞または真核細胞のゲノムDNAに組み込まれたDNA分子を含み得る。「単離された核酸分子」にはまた、cDNA分子を含み得る。ベクターに挿入された単離された核酸分子もまた、ここで時々、組換え核酸分子として呼ばれる。
【0044】
RNA分子に関して、用語「単離された核酸」は、上記のように定義されたような単離されたDNA分子によってコードされる、RNA分子を主に指す。或いは、この用語は、天然の状態(すなわち、細胞または組織中)で会合しているRNA分子群から十分に分離されて、「実質的に純粋な」形態で存在するような、RNA分子を指し得る。
【0045】
一本鎖の核酸、特にオリゴヌクレオチドに関して、用語「特異的にハイブリダイズする」は、一般に当分野で使用されるようなあらかじめ決められた条件下で、ハイブリダイゼーションを許すような、実質的に相補的な配列をもつ2つの一本鎖ヌクレオチド分子間の会合を指す(時々、「実質的に相補的な」とも呼ばれる)。特に、この用語は、オリゴヌクレオチドと、本発明の一本鎖のDNA分子またはRNA分子内に含まれる、実質的に相補的な配列とのハイブリダイゼーションを指し、相補的でない配列の一本鎖核酸とオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションを除外する。異なる相補性をもつ一本鎖核酸分子の特異的ハイブリダイゼーションを可能にする好適な条件は、当分野で周知である。
【0046】
例えば、特定の配列の相同性をもつ核酸分子群の間のハイブリダイゼーションを達成するためのストリンジェンシー条件を計算するための1つの一般的な式を下に示す(Sambrookら、1989)。
【0047】
=81.5℃+16.6Log[Na]+0.41×(% G+C)−0.63×(%ホルムアミド)−600/塩基対の数
【0048】
上記の式の例証として、DNA含量が42%でプローブの平均の大きさが200塩基の場合、[Na]=[0.368]と50%ホルムアミドを使用すると、Tは57℃である。DNAに重鎖のTは、相同性が1%減少するごとに1〜1.5℃下がる。したがって、約75%以上の配列同一性を有する標的が、42℃のハイブリダイゼーションの温度で見られるであろう。
【0049】
本明細書中で使用される用語「オリゴヌクレオチド」は、本発明のプライマー類とプローブ類を指し、2つ以上の(好適には3つ以上の)リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドを有する核酸分子として定義される。該オリゴヌクレオチドの正確なサイズは、様々なファクターと該オリゴヌクレオチドの特定の用途および使用法に依存するであろう。好適なオリゴヌクレオチド類は、配列表の配列番号1〜28番の15〜50の連続した塩基から成る。
【0050】
本明細書中で用いる用語「プローブ」は、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、または核酸(RNAまたはDNAのいずれか)を指す。これは精製された制限酵素で消化される天然のものでも、または合成で産生されたものでもよく、このプローブに相補的な配列を有する核酸にアニーリングできるか、特異的にハイブリダイズできる、プローブは一本鎖または二本鎖であり得る。該プローブの正確なサイズは、温度、プローブの源泉、および方法を含む様々なファクターに依存するであろう。例えば、標的配列の複雑さに依存して、オリゴヌクレオチドプローブは通常15〜25、またはそれ以上のヌクレオチドを含むが、より少数のヌクレオチドを含むこともある。本明細書でのプローブ類は、特定の標的核酸配列の異なるストランドに相補的であるように選択される。これは、該プローブ類が、一組の前もって決定された条件下でそれぞれの標的ストランドに「特異的にハイブリダイズ」する、またはアニーリングするほどに十分に相補的でなければならないことを意味する。したがって、該プローブの配列は該標的の正確な相補配列を反映している必要はない。例えば、非相補的なヌクレオチド断片を該プローブの5’端または3’端に付け、該プローブ配列の残りの部分を標的ストランドに相補的にすることが可能である。或いは、該プローブの配列が特異的に標的核酸とアニーリングできるに十分な相補性を該標的核酸の配列と有しているならば、非相補的な塩基群、またはより長い配列を該プローブに散在させることは可能である。
【0051】
本明細書で使用される用語「プライマー」は、オリゴヌクレオチドを指し、このオリゴヌクレオチドはRNAまたはDNAの何れでもよく、また一本鎖でも二本鎖でもよく、また生物学的システムから由来したものでも、制限酵素消化によって生成されたものでも、また合成で産生されたものでもよく、適当な環境下に置かれた時に、鋳型に依存した核酸合成のイニシエーターとして機能的に作動し得るようなオリゴヌクレオチドである。好適な核酸鋳型、核酸の好適なヌクレオシド三リン酸前駆体群、好適な温度とpHのような好適な補因子類と条件で存在すると、該プライマーはポリメラーゼまたは同様の活性の作用によってヌクレオチドが付加されることにより、3’端で伸長されて、プライマー伸長産物を生み出す。該プライマーは、特別の条件と応用の必要条件に依存して長さが変わり得る。例えば、診断の応用では該オリゴヌクレオチドプライマーの長さは通常15〜25、またはそれ以上である。所望の伸長産物の合成を開始するために、該プライマーは所望の鋳型に十分に相補的でなければならない。すなわち、ポリメラーゼまたは同様な酵素による合成の開始で使用されるために、ほぼ並置の位置にある該プライマーの3’ヒドロキシル部分を提供するのに十分な所望の鋳型ストランドとアニーリングし得るプライマーでなければならない該プライマーの配列は所望の鋳型の正確な相補性を示す必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチド配列を、それ以外は相補的なプライマーの5’端に付けることが可能である。別法として、非相補的塩基をオリゴヌクレオチドプライマー配列内に散在させることもでき、これは、そのプライマー配列が所望の鋳型ストランドの配列と十分な相補性を有し、伸長産物の合成のための鋳型−プライマー複合体を機能的に提供できる場合に可能である。
【0052】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、米国特許第4,683,195、第4,800,195、第4,965,188に記述されており、これらの開示全体はこの引用により本明細書に一体化される。
【0053】
本明細書で記述されたアミノ酸残基類は、「L」異性体型であることが好ましい。しかし、該ポリペプチドの所望の性質が維持される限り、任意のL−アミノ酸の残基を「D」異性体型残基と置換することが可能である。本明細書で示されるすべてのアミノ酸残基配列は、従来の左から右にアミノ末端からカルボキシ末端の方向に従う。
【0054】
本出願では、アミノ酸残基は、以下の表のように3つの英字または1つの英字の略称に従って表される。
【0055】
【表1】
Figure 2005502347
【0056】
本明細書では、用語「単離されたタンパク質」または「単離され精製されたタンパク質」が時々使用される。この用語は主に、本発明の単離された核酸分子の発現によって産生されたタンパク質を指す。或いは、この用語は、タンパク質が天然で随伴する他のタンパク質類から十分に分離され、「実質的に純粋な」形態で存在する該タンパク質を指し得る。「単離された」は、他の化合物との人為的な混合体または人造の混合体、或いは根本的な作用と干渉しない不純物の存在で、その不純物が例えば不完全な精製、安定剤の添加、または例えば免疫原性の調製物や薬理学的に許容しうる調製物への調合のため存在する可能性のあるもの、を除外する意味はもっていない。
【0057】
「成熟したタンパク質」または「成熟したポリペプチド」は、任意のプロセッシング事象後に該ポリペプチドの配列を有する、ポリペプチドを意味し、そのようなプロセッシング事象は該ポリペプチドの生成中に通常起こる(例えば、ポリプロテイン前駆体からのタンパク分解性プロセッシング)。成熟タンパク質の配列または境界を設計するのに、成熟なタンパク質配列の初めのアミノ酸をアミノ酸残基1と命名する。本明細書で使用されるように、成熟タンパク質に付いている任意のアミノ酸残基で、該タンパク質に天然に見られない、アミノ酸1より前に或る残基を、アミノ酸−1、−2、−3等のように命名する。組換え発現系で、メチオニン開始コドンがしばしば効率の高い翻訳の目的で利用される。本明細書で使用されるように、その結果、得られるポリペプチド内のこのメチオニン残基は、成熟タンパク質配列に関連して(−1)の位置にあることになる。
【0058】
低分子量「ペプチド類似体」は、タンパク質の天然の類似体または或る突然変異の(突然変異した)類似体を意味し、このような類似体は該タンパク質の断片群が順列に並んだもの、あるいは不連続的に並んだものを有し、1つ以上のアミノ酸が他のアミノ酸と置換されていることがあり、またその親タンパク質(parent protein)または突然変異のないタンパク質と比較した時、生物学的活性が変更されたり、増加されたり、減少されたりする。
【0059】
「生物学的活性」の用語は、生物学的意味(すなわち、生命体内、或いはin vitroでの代理モデルまたは複写モデル(facsimile model)内)での分子によってなされる、機能または一組の機能である。当明細書で記述されるように、クモ糸タンパク質類では、生物学的活性は物理学的性質(例えば、抗張力と弾性)によって特徴付けられる。
【0060】
用語「実質的に純粋な」は、目的の化合物(例えば、核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、タンパク質、その他)を重量で少なくとも50〜60%含む、調製物を指す。さらに好適には、その調製物は目的の化合物を重量で少なくとも75%含み、最も好適には、重量で90〜99%含む。純粋性は、目的の化合物に適当な方法で測定する(すなわち、クロマトグラフィー法、アガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミド電気泳動、HPLC分析、質量スペクトロメトリ、および類似な方法)。
【0061】
用語「タグ」、「タグ配列」、または「タンパク質タグ」は、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチドもしくはアミノ酸、ペプチドもしくはタンパク質、または他の化学物質の化学的部分を指し、これが他の配列に加えられたら、特にその配列の検出や単離で、他の有用性を提供し、有益な性質を与える。したがって、例えば、伸長産物またはハイブリダイズした産物の単離を促進するためにホモポリマー核酸配列、またはキャプチャーヌクレオチド(capture oligonucleotide)に相補的な核酸配列を、プライマーまたはプローブ配列に加えることが可能である。タンパク質タグの場合には、ヒスチジン残基群(例えば、4から8の連続したヒスチジン残基)をタンパク質のアミノ末端またはカルボキシ末端のいずれかに加えて、金属キレートクロマトグラフィー(chelating metal chromatography)によってタンパク質の単離を促進することが可能である。或いは、特定の抗体分子類または他の分子類と反応するエピトープ類や結合決定基を示す、アミノ酸配列、ペプチド、タンパク質、または融合パートナー(例えば、フラッグエピトープ(flag epitope)、c−mycエピトープ、インフルエンザAウイルスヘマグルチニンタンパク質の膜貫通エピトープ、タンパク質A、セルロース結合ドメイン、カルモジュリン結合ドメイン、マルトース結合ドメイン、チチン結合ドメイン、グルタチオンSトランスフェラーゼ、および類似物)をタンパク質類に加えて、アフィニティクロマトグラフィーや免疫親和性クロマトグラフィーのような手段によってタンパク質単離を促進することが可能である。化学的タグ部分には、ビオチンのような分子類が含まれ、これらは核酸類またはタンパク質類に加えて、アビジン試薬およびその類似体との相互作用によって単離または検出を促進し得る。訓練を受けた技術者は、多くの他のタグ部分に精通しており、また構想し得る。また多くの他のタグ部分も、この定義の範囲内にあると考えられる。
【0062】
「ベクター」は、プラスミド、コスミド、バクミド(bacmid)、ファージ、またはウイルスのようなレプリコンであり、他の遺伝配列または遺伝因子(DNAまたはRNAのいずれか)をそのようなベクターに付けて、その付着した配列または因子の複製をもたらすことが可能である。「発現ベクター」は、特定のベクターであり、宿主細胞での発現のために必要な調節領域群を有する1つの遺伝子を含む。
【0063】
用語「機能的に連結した(operably linked)」は、コード配列の発現に必要な調節配列群が、該コード配列の発現に影響するように、そのDNA分子中の該コード配列に関連する適当な位置に置かれることを意味する。この同じ定義は時々、発現ベクターでのコード配列と転写制御因子(例えば、プロモーター因子、エンハンサー因子、および終結因子)との配置に適用される。この定義はまた、時々、ハイブリッド核酸分子が産生される場合に、第一の核酸分子と第二の核酸分子の核酸配列の配置にも適用される。
【0064】
特定のヌクレオチドまたはアミノ酸を言及する時に、表現法「・・・から本質的に成る(consisting essentially of)」は、与えられた配列表の配列番号の性質を有する配列を意味する。例えば、アミノ酸配列に関して使用された時に、この表現法はその配列自体、および該配列の基本的特徴と新規な特徴に影響を与えないような分子修飾類を含む。
【0065】
「クローン」または「クローン細胞集団」は、1つの細胞または共通の祖先から有糸分裂によって由来する、細胞の集団である。
【0066】
「細胞株」は、in vitroで何世代にわたって安定的に成長できる、最初の細胞または細胞集団からのクローンである。
【0067】
「免疫反応」は、機能する免疫系を有する宿主中で、ウイルス抗原のような抗原によって生じる反応を意味する。免疫反応は、免疫グロブリンまたは抗体の産生を伴う、本質的に体液性免疫反応か、或いは種々のタイプのBリンパ球とTリンパ球、樹状細胞、マクロファージ、抗原提示細胞、およびこれらに類似した細胞類を伴う、本質的に細胞性免疫反応のいずれかであり得るか、或いはその両方であり得る。免疫反応はまた、サイトカイン類、リンホカイン類、およびそれらの類似体のような種々のエフェクター分子類の産生または合成をも含む。免疫反応は、in vitroと種々の細胞系または動物系の両方で測定され得る。そのような免疫反応は、宿主を病気から保護するのに重要であることがあり、予防と治療で使用されることがある。
【0068】
「抗体」または「抗体分子」は、特定の抗原に結合する抗体類およびそれらの断片類を含む、任意の免疫グロブリンである。この用語には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、および二重特異性抗体を含む。当明細書で使用されるように、抗体と抗体分子は、そのままの完全な免疫グロブリン分子、および免疫グロブリンの免疫学的に活性な部分(例えば、Fab、Fab'、F(ab')、とF(V)のような、当分野で知られる部分)を網羅する。
【0069】
抗体類に関して、用語「免疫学的に特異的」は、目的のタンパク質または化合物の1つ以上のエピトープに結合するが、抗原性の生物学的分子類の混ざった集団を含むサンプルで、他の分子を実質的に認識せず、また結合しないような抗体類を指す。
【0070】
特定の配列の核酸の、「天然の対立遺伝子変異体」、「突然変異体」、および「誘導体」は、特定の配列に密接に関連するが、天然的にまたは計画的に、配列または構造での変化を有する可能性のある核酸配列を指す。密接に関連ということは、配列の少なくとも約75%、しばしば90%以上のヌクレオチド群が、特定のSEQ ID NOを使用した核酸配列の限られた長さでマッチすることを意味する。密接に関連する核酸配列群の間のヌクレオチド配列での変化または差は、特定の核酸配列の性質で、正常な複製または重複の過程中に起こる、配列中のヌクレオチド変化を代表し得る。他の変化類を、特定の目的(例えば、核酸の調節領域でのアミノ酸コドンまたは配列を変える目的)のために配列中で特異的に設計し、誘導し得る。そのような特定の変異は、種々の突然変異生成技術を使用してin vitroで作製されたり、またはそのような変異を誘導したり選択するための特別の選択条件下に置かれた、宿主生物体中で産生され得る。そのような特異的に発生された配列変異体類は、元の配列の「突然変異体」または「誘導体」と呼ばれることもある。
【0071】
クモ糸タンパク質の「誘導体」、またはその誘導体の断片は、該タンパク質のアミノ酸配列を変えることによって修正した(例えば、該タンパク質をコードする核酸を操作することによって、或いは該タンパク質自体を変更することによって)、ポリペプチドを意味する。天然のアミノ酸配列のそのような誘導には、1つ以上のアミノ酸の挿入、追加、又は置換を伴うことがあり、またそのような誘導によって元のクモ糸タンパク質の本質的な活性が変わることも、変わらないこともあり得る。
【0072】
上記したように、本発明のクモ糸のポリペプチドまたはタンパク質には、クモ糸タンパク質から誘導され、クモ糸タンパク質の少なくとも1つの性質または他の特徴を保持するような、任意の類似体、断片、誘導体、、または突然変異体を含む。クモ糸タンパク質の異なる「変異体」は自然に存在する。これらの変異体は、該タンパク質をコードする遺伝子のヌクレオチド配列での差によって特徴付けられる対立遺伝子群である可能性があり、或いは異なるRNAプロセッシングまたは翻訳後修飾を含み得る。技能者は、1つまたは複数のアミノ酸の置換、欠損、追加、交換を有する変異体類を産生することが可能である。これらの変異体にはとりわけ以下が含まれ得る:(a)1つ以上のアミノ酸残基が保存的なアミノ酸または非保存的なアミノ酸で置換されるような変異体、(b)1つ以上のアミノ酸がクモ糸タンパク質に加えられたような変異体、(c)1つ以上のアミノ酸が1つの置換基を含むような変異体、および(d)クモ糸タンパク質またはその断片が、他のペプチドまたはポリペプチドと融合されたような変異体で、そのようなペプチドまたはポリペプチドは、例えば、融合パートナー、タンパク質タグ、または他の化学的部分であり、それがクモ糸タンパク質に有用な性質(例えば、抗体のためのエピトープ、ポリヒスチジン配列、ビオチンの部分、他)を与え得るもの。本発明のほかのクモ糸タンパク質には、1つの種からのアミノ酸群が他の種での対応する残基群に置換された変異体を含み、この置換は保存的位置か非保存的位置のいずれかでなされる。他の実施様態では、非保存的位置でのアミノ酸群が保存的残基または非保存的残基群と置換される。これらの変異体を得る方法には、遺伝的技術(抑制、欠失、突然変異、他)、化学的技術、および酵素的技術が含まれ、これらは当業者には周知である。
【0073】
そのような対立遺伝子変異、類似体、断片、誘導体、突然変異体、および修飾体(他の核酸プロセッシング形態と他の翻訳後形態を含む)が、クモ糸タンパク質の生物学的性質のいずれかを保持するクモ糸タンパク質の誘導体である限り、これらを本発明の範囲内に含む。
【0074】
本明細書で使用される、用語「機能的な」は核酸配列またはアミノ酸配列がここで記載したアッセイや目的で機能的であることを意味する。
【0075】
「ユニットリピート(unit repeat)」は、短い繰り返し配列を構成する。このように、クモ糸タンパク質類の一次構造は、その大部分が、ユニットリピートの小さい変異体の連続から成ると考えられている。天然の該タンパク質類でのユニットリピート群はしばしば、互いに異なる。すなわち、該タンパク質の長さに沿って、ユニットリピートにほとんど、または全く重複がない。しかし、クモ糸タンパク質は、何回かのシングルユニットリピートの、正確な反復を有するタンパク質の一次構造において作製される。ユニットリピートの何回かの反復と、2番目のユニットリピートの何回かの反復から成る、別の合成クモ糸が合成され得る。そのような構造は、典型的なブロック共重合体に似ているであろう。いくつかの異なる配列を有するユニットリピートを組み合わせて、特定の応用に好適な性質を有する合成クモ糸タンパク質を提供することが可能である。
【0076】
当明細書で用いる、用語「直接的リピート(direct repeat)」は、似た繰り返しをもつタンデム(頭−尾構造(head−to−tail arrangement))に位置する、繰り返しである。
【0077】
クモ糸をコードする核酸分子、クモ糸タンパク質、およびそれに対する抗体の調製
A 核酸分子類
本発明のポリペプチド類をコードする核酸分子類は、2つの一般的な方法によって調製され得る:(1)好適なヌクレオチド三リン酸から合成、または(2)生物学的源泉から単離両方の方法は当分野で周知のプロトコール類を使用する。クモ糸タンパク質をコードするDNA配列のような、ヌクレオチド配列情報が入手できると、オリゴヌクレオチド合成によって本発明の単離された核酸分子の調製が可能になる。合成オリゴヌクレオチドは、Applied Biosystems 38A DNAシンセサイザーまたは同様の装置で使用されるフォスフォアミダイトによって調製され得る。その結果得られるコンストラクト(construct)は直接使用されるか、または高速液体クロマトグラフ(HPLC)法のような、当分野で知られる方法によって精製され得る。
【0078】
クモ糸タンパク質をコードする配列のような配列群を同定するための特定のプローブは、15と40の間のヌクレオチドの長さであり得る。上記のプローブより長いプローブでは、クモ糸タンパク質をコードする配列内に他の連続したヌクレオチド群を含むようにする。
【0079】
本発明に基づいて、クモ糸タンパク質をコードする配列群と適度なレベルの配列相同性を有する核酸類を、好適なストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件と洗浄条件を使用して同定することが可能である。例えば、ハイブリダイゼーションは、5×SSC、5×Denhardt’S液、1.0% SDS、100μg/mlの変性剪断サケ精巣DNA、0.05%ピロリン酸ナトリウム、および50%までのホルムアミドから成るハイブリダイゼーション溶液を使用して、Sambrookら、Molecular Cloning、Cold Spring Harbor Laboratory(1989)の方法に従って行い得る。ハイブリダイゼーションは、37〜42℃で少なくとも6時間行う。ハイブリダイゼーションの後、フィルターを以下のように洗浄する:(1)2×SSCと1%SDS中で室温で5分間、(2)2×SSCと0.1%SDS中で室温で15分間、(3)1×SSCと1%SDS中で37℃で30分〜1時間、(4)1×SSCと1%SDS中で42〜65℃で2時間と30分おきに溶液を変える。
【0080】
本明細書で記述された核酸分子には、cDNA、ゲノムDNA、RNA、およびその断片類を含み、これらは一本鎖また二本鎖であり得る。クモ糸タンパク質をコードする配列の選択された部分のように、核酸配列の少なくとも1つの配列とハイブリダイズできる配列群を有するオリゴヌクレオチド類をこのように提供する。また本発明の視野には、クモ糸タンパク質をコードする配列からのDNAと、高ストリンジェンシー条件下で特異的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブの使用法が含まれると考えられたい。クモ糸タンパク質をコードする配列を特異的に増幅できるプライマー類もまた提供する。以前に述べたように、そのようなオリゴヌクレオチド類は、クモ糸タンパク質をコードする配列を検出、単離、および増幅するためにプライマーとして有用である。
【0081】
クモ糸タンパク質遺伝子類の発現またはそれらのコードするタンパク質群の産生を阻害するために、翻訳開始部位および/またはスプライス部位に標的され得るようなアンチセンス核酸分子類もまた提供する。そのようなアンチセンス分子類は通常、15〜30の間のヌクレオチド長であり、クモ糸タンパク質mRNA分子の翻訳開始部位をしばしば含む。
【0082】
B タンパク質
本発明の全長クモ糸タンパク質類は、知られた方法にしたがって様々な方法で調製し得る。これらのタンパク質類は、免疫親和性精製法によって好適な源泉(例えば、形質移入された細菌や動物の培養細胞)から精製し得る。しかし、与えられた細胞タイプで常に存在し得るタンパク質のレベルが低いため、これは好適な方法ではない。クモ糸タンパク質類をコードする核酸分子類が利用できるようになると、当分野で知られるin vitroの発現方法を用いてそれらのタンパク質の産生が可能になる。例えば、cDNAや遺伝子を、in vitro転写のために好適なin vitro転写ベクター(例えば、pSP64またはpSP65)中にクローンした後、好適な無細胞翻訳系(例えば、コムギ胚芽やウサギ網状赤血球)で無細胞翻訳することが可能である。in vitroの転写および翻訳系は、例えばPromega Biotech(Madison,Wisconsin)またはGibco−BRL(Gaithersburg,Maryland)から市販されている。
【0083】
或いは、好適な実施様態に従って、大量のクモ糸タンパク質を好適な原核生物系または真核生物系での発現によって産生し得る。例えば、配列表の配列番号1〜28の群から選択された1つの配列を有する核酸配列のような、少なくとも1つのDNAの部分またはすべてを、細菌細胞(例えば、大腸菌)での発現に適合されたプラスミドベクターに挿入することが可能である。そのようなベクターは、宿主細胞内のDNAの発現に必要な調節因子類を含み、これらの因子類を宿主細胞でそのDNAの発現を許容するような仕方で配置する。発現に必要な調節因子類は、プロモーター配列、転写開始配列、およびオプションとしてエンハンサー配列を含む。
【0084】
組換え型の原核細胞システムまたは真核細胞システムでの遺伝子発現によって産生されたクモ糸タンパク質類は、当分野で知られる方法に従って精製され得る。好適な実施様態では、市販の発現/分泌システムを使用でき、それによって組み換えられたタンパク質が発現され、その後その宿主細胞から分泌され、周囲の媒質から容易に該組換えタンパク質を精製できる。発現/分泌ベクターが使用されない場合、別のアプローチは、タンパク質が発現される原核細胞または真核細胞から由来する細胞溶解物(cell lysates)(細胞の一体性を破壊した後の細胞の残存物)からの該タンパク質の精製を含む。そのような細胞溶解物の産生の方法は、当業者では公知である。組換えタンパク質は、親和性分離(例えば、該組換えタンパク質に特異的に結合する抗体類との免疫学的相互作用、または組換えタンパク質のN端またはC端に6〜8のヒスチジンでタグをつけた組換えタンパク質の単離のためにニッケルカラム)によって精製され得る。別法として、タグはFLAGエピトープまたはヘマグルチニンエピトープから成り得る。このような方法は、当業者によって一般的に使われている。
【0085】
前記した方法に従って調製された、本発明の全長クモ糸タンパク質類は、標準的な方法に従って分析され得る。例えば、そのようなタンパク質類は、公知の方法に従ってアミノ酸分析にかけることができる。
【0086】
本発明に従って産生されたタンパク質は、ポリペプチド合成の後、化学的に修飾され得る。スペーサー領域に数個のカルボン酸側鎖(アスパラギン酸またはグルタミン酸)を有することによって、そのような側鎖を有するアミノ酸群を含むような糸タンパク質類に種々の異なる化学基を付着することを容易にする。最も簡単で容易な方法は、水溶性のカルボジイミドを用いて、一級アミンを介して修飾基を付加する。もし付加される基に一級アミンがない場合は、種々の連結用試薬がそれ自体の一級アミンを介して付加され、該修飾基が利用可能な化学作用によって付加される(Jennes,L.およびStumpf,W.E.,Neuroendocrine Peptide Methodology、chapter 42、P.Michael Conn、editor.Academic Press,1989)。
【0087】
好ましい化学修飾には、限定するものではないが、繊維芽細胞等の細胞に結合するペプチドでの誘導、抗体での誘導、および架橋された繊維が作られるような架橋剤での誘導が含まれる。当業者の技能以内で、特定の目的のための誘導試薬を選択できる。
【0088】
クモ糸タンパク質産生の例証的方法
クモ糸タンパク質のユニークな性質の観点から、合成のクモ糸タンパク質の産生には特別の考慮が適用されるべきである。これらのタンパク質をコードするアミノ酸配列の反復の特徴のため、全長のクモ糸タンパク質またはその断片類の合成は技術的に難しくなる。全長のクモ糸分子類の産生を容易にするために、以下のプロトコールを提供する。
【0089】
本発明のポリペプチドは、直接な合成によって、またはクローン化されたDNAからの発現によって、作製され得る。クローン化されたDNAの発現方法は、上記に記述されており、当業者で一般的に公知である。本発明のクモ糸タンパク質類をコードするDNAを発現するのに使われる発現ベクターを設計するのに、以下の考慮が推奨される。
【0090】
まず、クモ糸タンパク質類は、その構造中で高度に反復性であるため、クローン化されたDNAは、染色体外因子中で反復性配列を維持できるような宿主細胞株で増殖され発現されるべきである(例えば、SURE(TM)(細胞、Stratagene)。特定のアミノ酸(例えば、アラニン、グリシン、プロリン、およびグルタミン)が多いことは、これらのアミノ酸のためのtRNAを過剰発現する宿主細胞を使用することが有益であり得ることも示唆する。
【0091】
別法では、本発明のタンパク質類は、高レベルの転写、エピトープタグを介して親和性による精製を可能にする融合タンパク質類を提供するベクターを用いて発現され得る。この宿主は、細菌細胞または真核細胞のいずれかであり得る。特に出芽酵母(Saccharomyces cerevisisae)のような酵母、または昆虫細胞のような真核細胞は、特に有用な真核細胞の宿主であり得る。遺伝子操作された小瓶状糸タンパク質の発現は、米国特許番号5,756,677に記述されており、これを引用することをもって本明細書の一部とする。本発明のタンパク質類を発現するのに、そのようなアプローチを使用することが可能である。
【0092】
有用なクモ糸タンパク質、またはその断片は、(1)発現される細胞内で不溶性であってもよく、または(2)繊維が作られる正常な条件下で、不溶性の繊維に形成され得ることがあってもよい。好適には、該タンパク質は(1)と(2)の条件化で不溶性である。特に、該タンパク質またはその断片は、水、アルコール(メタノール、エタノール、他)、アセトン、および/または有機酸のような、溶媒で不溶性であり得る。そのようなクモ糸タンパク質またはその断片は、高い抗張力(例えば、0.5x〜2xの抗張力、ここでxは、対応する天然の糸タンパク質、または完全なタンパク質から形成された繊維の抗張力である)を有する、繊維に形成されることが可能であるはずである。クモ糸タンパク質またはその断片は、高い弾性(例えば、少なくとも15%、より望ましくは約25%)を有する繊維に形成されることも可能であるはずである。
【0093】
クモ糸タンパク質の変異体類は、天然のクモ糸タンパク質または天然のタンパク質より高い抗張力および/または弾性を有する繊維に形成されることが可能である。その弾性は最大100%増加することが可能である。変異体は、タンパク質断片の性質を有することも可能である。
【0094】
断片または変異体は、天然のクモ糸と同じ特徴を実質的に有し得る。その天然のタンパク質は、繊維の形状にある時、特に不溶性になり、ほとんどの酵素類による分解に抵抗性となることがある。
【0095】
組換えクモ糸タンパク質類は、細胞を溶解して、その中で発現されたクモ糸タンパク質を放出させることによって、培養から回収され得る。まず、細胞のデブリを遠心で分離をし得る。その後、デブリと上澄みから成る、透明な細胞溶解物は、クモ糸タンパク質類が不溶性で細胞デブリが溶性であるような溶媒類で繰り返し抽出され得る。上記のような、差異的な溶解性を用いる方法(differential solubilization process)は、精製されたクモ糸タンパク質沈殿物の単離を促進するために使用され得る。これらの方法は、繰り返されるか、濾過、透析、および/またはクロマトグラフィー等の他の方法と組み合わせられて、純粋な産物を得ることが可能である。
【0096】
クモ糸タンパク質の濃度が臨界値を越えた時に、そのクモ糸タンパク質の自然発生的な自己集合によって、溶液から繊維状の凝縮体が形成されるであろう。そのような凝集体を、O’Brienらの方法(I.O’Brienら、「Design,Synthesis and Fabrication of Novel Self−Assembling Fibrillar Proteins」、Silk Polymers:Materials Science and Biotechnology、104−117ページ、Kaplan,Adams,Farmer and Viney,eds.,c.1994 American Chemical Society,Washington,D.C.)に従って収集し、機械的に紡いで肉眼的な繊維にすることが可能である。
【0097】
クモ糸タンパク質から繊維を調製するための例証的方法
上記したように、クモ糸タンパク質類は誘導されたポリアミドとして見ることが可能である。よって、可溶性のクモ糸タンパク質群から繊維を産生する方法は、典型的なポリアミド繊維(例えば、ナイロン等)を産生するのに使用される方法に似ている。
【0098】
O’Brienら(前記)は、アデノウイルス繊維タンパク質からの繊維産生法を記述している。典型的な繊維産生法では、クモ糸タンパク質群を強度に極性の溶媒中で溶解させ得る。そのようなタンパク質溶液のタンパク質濃度は、通常5%以上であり、好適には8〜20%であるべきである。
【0099】
好適には、繊維は、液晶相の特徴の性質を有する溶液から紡出させる。相転移が起こり得る繊維濃度は、タンパク質のポリペプチド成分または該溶液中に存在するタンパク質群の組み合わせに依存する。しかし、相転移は該溶液の透明さと複屈折をモニタリングすることによって検知することができる。液晶相の始まりは、該溶液が半透明の外観となり、直角の偏向フィルターを通して見た時に複屈折を示す時に、検知され得る。
【0100】
クモ糸タンパク質を溶解するために使われる溶媒は極性であるべきであり、好適には非常に極性である。そのような溶媒の例としては、ジ−ハロ酢酸(di−haloacetic acids)、トリ−ハロ酢酸(tri−haloacetic acids)、およびハロアルコール(例えば、ヘキサフルオロイソプロパノール)が挙げられる。アセトンのような共溶媒が有用な場合もある。リチウムチオシアネート、グアニジンチオシアネート、または尿素のような、カオトロピック剤の溶液も使用することが可能である。
【0101】
繊維形成技術では、機械的方法で拾い上げるに十分な長さが産生されるまで、繊維が開口部を通して該タンパク質溶液からメタノールにまず押し出され得る。その後、繊維はメタノール溶液を通って、そのような機械的方法で引かれ、収集され、乾燥されることが可能である。繊維を引く方法類は当業者には周知であると考えられる。例えば、58kDaの合成MaSpコンセンサスポリペプチドから成る繊維は、低分子量のナイロンを引くのに使われる方法に似た方法によって引かれた。そのような方法類は、米国特許番号5,994,099に記載されており、その全体の引用をもって当明細書の一部とする。
【0102】
注記として、本発明のクモ糸タンパク質類は、短いアミノ酸配列の不完全な反復が大部分を占める一次構造を有する。「ユニットリピート」は、そのような短い配列を構成する。このように、クモ糸タンパク質の一次構造は、その大部分が、ユニットリピートの小さい変異体の列から成ると考えられている。天然のタンパク質でのユニットリピートはしばしば、互いに異なる。すなわち、タンパク質の長さに沿って、ユニットリピートにほとんど、または全く重複がない。しかし、合成タンパク質の一次構造が1つのユニットリピートの、何回かの正確な反復として記述され得るような合成クモ糸を作製し得る。別の合成クモ糸類は、ユニットリピートの何回かの反復と、2番目のユニットリピートの何回かの反復として記載され得る。そのような構造は、典型的なブロック共重合体に似ているであろう。本発明はまた、いくつかの異なるクモ糸配列群(天然の変異体類またはそれらの遺伝操作された変異体類)から由来するユニットリピートから成る合成クモ糸タンパク質類の産生を含む。
【0103】
そのような合成のハイブリッドクモ糸タンパク質類は、それぞれ900から2700のアミノ酸を有し、25から100の繰り返し、好適には30から90の繰り返しを有し得る。クモ糸、その断片、その変異体は通常、断片類に関して、少なくとも約16,000ダルトン、好適には16,000から150,000までのダルトン、より好適には50,000から120,000までのダルトンの、分子量を有し、全長のタンパク質に関して、100,000以上で500,000以下のダルトン、好適には120,000から350,000までのダルトンの分子量を有する。
【0104】
C 抗体類
本発明はまた、本発明のタンパク質類に免疫特異的に結合できる抗体類を提供する。クモ糸タンパク質に対するポリクローナル抗体類は、標準的方法に従って調製され得る。好適な実施様態では、モノクローナル抗体類が調製される。モノクローナル抗体類は、本明細書で記述したクモ糸タンパク質類の種々のエピトープと免疫特異的に反応する。モノクローナル抗体類は、KohlerおよびMilsteinの一般的方法に従い、標準的プロトコールに従って調製され得る。クモ糸タンパク質と免疫特異的に相互作用する、ポリクローナル抗体類またはモノクローナル抗体類を、そのようなタンパク質類を同定し精製するために利用することが可能である。例えば、抗体類は、それらが免疫特異的に相互作用するタンパク質類の親和性分離に利用でき得る。抗体類は、タンパク質類と他の生物学的分子類の混合物を含む、サンプルからタンパク質を免疫沈降するために使用することができる。抗クモ糸タンパク質抗体類の他の使用法は、下記に記述される。
【0105】
クモ糸をコードする核酸、クモ糸タンパク質、およびそれに対する抗体の使用法
A クモ糸をコードする核酸
クモ糸タンパク質をコードする核酸は、本発明に従った種々の目的に使用されることが可能である。クモ糸タンパク質をコードするDNA、RNA、またはそれらの断片群は、クモ糸タンパク質類をコードする遺伝子群の存在および/または発現を検出するために、プローブとして使用することが可能である。クモ糸タンパク質をコードする核酸類を、そのようなアッセイでプローブとして利用し得る方法には、限定するものではないが、(1)in situハイブリダイゼーション、(2)サザンハイブリダイゼーション、(3)ノーザンハイブリダイゼーション、および(4)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような、様々な増幅反応、が含まれる。
【0106】
本発明のクモ糸をコードする核酸類は、他の動物からの関連遺伝子群を同定するためのプローブとしても利用し得る。当業者で周知のように、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを調節して、核酸プローブ類を種々の程度の相同性の相補性配列とハイブリダイゼーションさせることが可能である。クモ糸タンパク質をコードする核酸類を利用して、本発明のクモ糸タンパク質遺伝子群に種々の程度で関連する他の遺伝子群を同定し、特徴付けすることが可能である。そのような情報は、クモ糸タンパク質類に典型的な物理学的性質を有するタンパク質類をコードする核酸配列のさらなる特徴付けを可能にし、したがって、そのようなタンパク質類の構造/機能の分析を促進する。さらに、これらはクモ糸タンパク質と相互作用するタンパク質をコードする遺伝子の同定に使用することが可能であり(例えば、「interaction trap」テクニックによって)、これによって、クモ糸タンパク質類から成るクモの巣で使われている他の成分の同定をさらに加速化するであろう。さらに、そのようなスクリーニングで同定された相互作用するタンパク質類は、合成のクモ糸タンパク質類から成る物質の産生および/または最適化に有用になり得る。クモ糸タンパク質をコードする核酸類はまた、標的クモ糸タンパク質DNAのPCR増幅に適するプライマーセットを産生するのに使用することが可能である。好適なプライマー類の選択基準は、当業者で周知である。
【0107】
本発明には、少なくとも1つのクモ糸タンパク質を含む宿主細胞類が含まれる。本発明で使用が予期される宿主細胞類には、限定されるものではないが、細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、哺乳細胞、および植物細胞が挙げられる。クモ糸タンパク質をコードするDNA分子類は一種類だけをそのような宿主細胞に導入することが可能であり、または組み合わせて導入し、そのような発現によって与えられる細胞の表現型を評価し得る。DNA分子類を導入する方法もまた、当業者には周知である。そのような方法は、Ausubel他、編集、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons,NY,NY 1995に記述されてあり、それを開示することをもって、本明細書の一部である。
【0108】
上記に述べられたように、クモ糸タンパク質をコードする核酸類はまた、大量の実質的に純粋なクモ糸タンパク質、またはその選択された部分類を産生するのにも利用できる。
【0109】
B タンパク質と抗体
本発明の方法によって産出された、精製されたクモ糸タンパク質、またはその断片群は、種々の異なる応用で利用されることが可能であるが、そのような応用には、限定するものではないが、ファブリックの生産、縫糸、医療用カバー(medical coverings)、ハイテクの衣類、ロープ、補強プラスチック、その他、強度と弾性の種々の組み合わせが必要な応用が含まれる。
【0110】
表2は、種々の生物学的物質と人工の物質の物理学的性質の一覧表である。
【0111】
【表2】
Figure 2005502347
【0112】
表2に示されるように、クモ糸は有利な物理学的性質によって特徴付けられ、そのような性質には、限られるものではないが、高い抗張力と顕著な弾性が含まれる。これらの性質は多くの応用で非常に望ましい。クモ糸は集合体でこれらの物理学的性質を有し、その集合体のためにクモ糸が無比の有用性をもつユニークなタンパク質となっていることを注記するのは重要である。例えば、クモの牽引糸は、スチールや炭素繊維より大きな抗張力(200 ksi)、いくつかのナイロンほど大きい弾性(35%)、絹糸ほど低い剛性(0.6 msi)、および水中で超収縮(supercontract)する能力(長さが最大60%まで減少)を有する。牽引糸の高い抗張力と弾性の観点から見て、牽引糸を破損するのに必要なエネルギーは、ケブラーJとスチールを含む、任意の知られる繊維を破壊するために必要なエネルギーを上回る。これらの特性は、既に知られる天然物質または人工の物質のいずれより優れている。さらに、本発明のこの新しい物質はまた、非常に軽量の物質にそのような好適な特徴の、ユニークな組み合わせを提供するであろう。
【0113】
前記の有益な性質の観点において、本発明で開示した該クモ糸タンパク質類を物質での成分として使用することで、優れた製品類を産生できるであろう。クモ糸が好適な溶媒中に溶解され、小さい開口部を通してクモ糸繊維を産生する時、そのような繊維はファブリック/物質に織り込まれたり、またはコンポジットのファブリック/物質に加えられ得る。例えば、クモ糸繊維類はファブリック類に織り込まれて、ファブリックの強度と弾性を調節することが可能で、異なる応用に対して最適化された、そのような修正されたファブリックから成る物質を提供する。クモ糸繊維は、ハイテク衣類、ロープ、船の帆、パラシュート、空中装置(例えば、ハンググライダ−)の翼、電気的構成部品の柔軟な取付けひも、縫合糸、および移植用の生体適合物質(例えば、人工靭帯または大動脈用テープ(aortic banding))を作製するための材料に組み入れた時に、特に有用であり得る。生物医学的応用には、手術で使用される縫合糸に、本発明の天然および/または合成のクモ糸繊維の使用が含まれ、そのような手術には、限定するものではないが、目の手術、再建手術(例えば、神経や鼓膜の再建)、血管閉鎖、腸の手術、美容外科手術、および中枢神経系手術が含まれる。天然と合成のクモ糸繊維はまた、抗生物質で飽和した縫合糸と移植材料、および骨と結合組織の再建の基質材料の生産でも有用であり得る。再建用の移植材料と基質材料は、凝縮された成長因子、分化因子、および/または細胞誘引物質で飽和されて、外来性の物質の取り込みと患者の回復を促進することが可能である。本発明のクモ糸タンパク質類と繊維類は、強度と弾性の種々の組み合わせが必要な、任意の応用に使用できる。さらに、クモ糸タンパク質類は、任意の応用でその有用性を最適化するために修正することが可能である。上記したように、クモ糸タンパク質類の配列は、フィブロインの種々の物理学的性質を変えるために修正することができ、異なるクモ糸タンパク質類とそれらの変異体を組み合わせて織り込んで、少なくとも1つのクモ糸タンパク質またはその変異体から成る繊維を産生できる。
【0114】
天然のクモ糸タンパク質への免疫反応に対する潜在性を評価するために計画された、予備的な研究で、天然の牽引糸をマウスとラットの筋肉内、腹腔内、または皮下に移植した。天然の牽引糸を導入した動物類は、移植の部位にかかわらず、該クモ糸タンパク質に対する免疫応答を起こさなかった。注記すべきは、クモ糸タンパク質移植物の回りの組織切片は、ポリエチレン棒が挿入された移植部位から由来する組織切片に本質的に同じであった。ポリエチレン棒は、移植以前に牽引クモ糸タンパク質が包まれる固体基質として使われたので、ポリエチレン棒のみの導入はこの実験で陰性対照として使える。上記の考察から、本発明のクモ糸タンパク質類は、脊椎動物に導入された時に、最小の免疫応答を誘導すると予期される。
【0115】
合成クモ糸繊維は、天然のクモ糸繊維を使用できる任意の応用で有用である。例えば、合成繊維は種々のプラスチックおよび/または樹脂と混合して、繊維で強化したプラスチックおよび/または樹脂製品を調製することが可能である。クモ糸は180℃まで安定であるため、クモ糸タンパク質繊維は、熱で注入されたプラスチック(thermal injected plastics)で、構造的補強物質として有用であろう。
【0116】
本発明のクモ糸タンパク質およびその誘導体は、当業者で公知の方法によて大量に産生できることは、前記の記述から明らかであろう。クモ糸タンパク質類およびその誘導体は、任意の目的の繊維に作製し得る。さらに、繊維類の混合コンポジットもまた、そのユニークな組み合わせの性質のゆえに、興味深い。そのような混合コンポジットは、それらが組み込まれることが可能な任意の物質に柔軟性と強度の特徴を与え得る。
【0117】
精製されたクモ糸タンパク質、またはその断片類は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を産生するために使用することができ、このような抗体は、細胞内でのクモ糸タンパク質(またはクモ糸タンパク質を含む複合体)の存在または蓄積のための感受性の高い検出試薬として役立ち得る。組換え技術によって、クモ糸タンパク質の一部または全体を含む融合タンパク質の発現が可能になる。該タンパク質の全長タンパク質または断片類を利用して、クモ糸タンパク質の種々のエピトープ群に特異的な1群のモノクローナル抗体を産生することができ、これらの抗体によって細胞内のクモ糸タンパク質の検出により高い感受性を提供できる。
【0118】
クモ糸タンパク質に免疫学的に特異的なポリクローナル抗体類とモノクローナル抗体類は、これらのタンパク質の検出と定量化をするための種々のアッセイで使用し得る。そのようなアッセイには、限定するものではないが、種々の細胞からの抽出物の(1)フローサイトメトリー分析、(2)イムノブロット分析(例えば、ドットブロット法、ウエスタンブロット法)が含まれる。さらに、抗クモ糸タンパク質抗体類は、クモ糸タンパク質と会合サブユニット類の精製に使用することができる(例えば、アフィニティカラム精製法、免疫沈降法)。
【0119】
前記の考察から、本発明の、クモ糸をコードする核酸類、クモ糸を発現するベクター類、クモ糸、抗クモ糸抗体類は、個別に或いは組み合わせて使用でき、その使用目的は、例えば(1)他のクモ糸タンパク質類、または同様のモチーフから成るタンパク質類をコードする核酸配列の同定、(2)異なる物理学的性質の最適化のために選択された、新規なハイブリッドのクモ糸タンパク質の産生、(3)クモ糸タンパク質類、またはその断片類や誘導体類を大量に発現、および(4)細胞および/または生物体でのクモ糸タンパク質類の発現の検出である。
【0120】
以下の例は本発明の実施様態を例証するために提供される。これらの例は、本発明の範囲をいかようにも限定するものではない。
【0121】
例1
クモ糸タンパク質類をコードするクローン類の同定
新規のクモ糸タンパク質類を同定し、フィブロインタンパク質類をコードする核酸配列の限られたデータベースを拡大するために、7つのクモ属の糸腺から由来する11のcDNAライブラリを作製した。cDNAデータは、2つのゲノムライブラリとPCRで増幅された配列群からの情報で補われた(7)。真正クモ目の7つの科からの28のフィブロインの部分的cDNAまたは遺伝子配列が同定された。当明細書で記述されるように、これらのデータは、特徴付けられたフィブロイン類の系統発生学的多様性を大きく拡大する。
【0122】
配列データの収集方法
cDNAライブラリは、Argiope trifasciata(コガネクモ科:Araneidae)とLactrodectus geometricus(ヒメグモ科:Theridiidae)の大瓶状腺、A.trifasciataの鞭状腺、Dolomedes tenebrosus(キシダクモ科:Pisauridae)の瓶状腺、Plectreurys tristis(Plectreuridae科)の2組の糸腺、およびmygalomorph Euagrus chisoseus(ジョウゴグモ科:Dipluridae)の糸腺から作製された。Dolomedesからの腺は、広範なループした導管(duct)を介して出糸突起に接続された長い尾(tail)を有する、4組の細長い瓶状腺(spindly ampullate gland)であった。Plectreurysからの腺は、2つの最も大きい組のアンプルの形をした腺(ampule−shaped gland)であった。Euagrusの比較的一様な糸腺類は、この種のRNA抽出のために混合された。Nephila madagascariensis(アシナガグモ)とA.trifasciataのゲノムライブラリが構築された。13のライブラリからのデータは、PCRで増幅された、8つのAraneoidからのゲノム配列によって増大された。
【0123】
Phidippus audax(ハエトリグモ科:Salticidae)からの糸腺のすべては、この種のためのRNA抽出で混合された。同様に、Zorocrates種(Zorocratidae)からの糸腺のすべては、この種のためのRNA抽出で混合された。別のcDNAライブラリは、Argiope trifasciata(コガネグモ科)の、中間の紡糸口に接続されたブドウ状腺と後部の紡糸口に接続されたブドウ状腺から作製された。ブドウ状フィブロインの同一のcDNA配列群が、両方のライブラリから単離された。
【0124】
7つのcDNAライブラリの構築とスクリーニングの方法を下記に示した。糸腺類は、安楽死させたクモから切開され、液体窒素に急速冷凍された。mRNAは、Dynabeads Oligo(dT)25(Dynal)を用いて該糸腺類から抽出された。cDNAは、ファーストストランド合成プライマー(first−strand synthesis primer)としてオリゴ(dT)と使い、SuperScript Choice System(Life Technologies)を用いて合成された。サイズによって分画されたcDNA(ChromaSpin−1000、Clontech)は、pGEM−3zf(+)(Promega)にライゲーションされ、SURE細胞(Stratagene)、pZErO(登録商標)−2細胞、またはTOP10細胞(Invitrogen)に電気穿孔された。各々が約1500の組換えコロニーの、11のライブラリが構築され、コロニーはスクリーニングのためにナイロン膜に移した。
【0125】
クモ糸のcDNAクローン群は、γ32Pで標識されたプローブ類である、CCWAYWCCNCCATATCCWCC(配列表の配列番号58番)、CCWCCWGGWCCNNNWCCWCCWGGWCC(配列表の配列番号59番)、CCWGGWCCTTGTTGWCCWGGWCC(配列表の配列番号60番)、GCDGCDGCDGCDGCDGC(配列表の配列番号61番)、CCWGCWCCWGCWCCWGCWCC(配列表の配列番号62番)、およびCCAGADAGACCAGGATTACT(配列表の配列番号63番)との順次ハイブリダイゼーション(sequential hybridizations)(QuikHyb、Stratagene)と大きな挿入サイズで選択されたクローン群のシークエンシングによって同定された。上記のオリゴヌクレオチド群は、発表されているクモ糸の配列に基づいて設計された(4、5、8、9を参照)。数百の陽性のクローン群は制限酵素類でスクリーニングされ、部分集団のクローン群を、標準のM13シークエンシングプライマー(M13 sequencing primers)を用いて、ゲノムプライミングシステム(Genome Priming System)(NEB)でトランスポソンを挿入することによって、シークエンシング(ABI)した。多様な転写物が、クモ糸フィブロイン遺伝子ファミリーのメンバーとして認識されたが、この認識は、内部の反復性、非反復性のカルボキシ末端で、以前にシークエンシングされたAraneoidフィブロインと同様の配列、および切開された糸腺類からと発表された研究からのアミノ酸成分に関する配列の翻訳の一貫性によって行われた(J.palmer(1985)J.Morphol.186:195)。
【0126】
ゲノムライブラリ群は、アシナガグモ科(tetragnathid)であるNephila madagascariensis(λGem−12、Promega)とコガネグモ科のArgiope Trifasciata(λFixII、Stratagene)に対して構築された。ゲノムライブラリ群は、放射能標識したプローブ類のCCWCCWGGWCCNNNWCCWCCWGGWCC(配列表の配列番号59番)とCCWGGWCCTTGTTGWCCWGGWCC(配列表の配列番号60番)でスクリーニングした。選択された糸遺伝子挿入物は、第一腕(the λ arms)から切り取られ、pGEM(Promega)ベクターにサブクローンされ、上記のようにシークエンスされた。
【0127】
ゲノム配列は、Araneoid(N.madagascariensis、N.senegalensis、A.trifasciata、A.aurantia、Tetragnatha kauaiensis、T.versicolor、Latrodectus geometricus、およびGasteracantha mammosa)から増幅された。MaSp1に対してプライマーGGTGCTGGACAAGGAGGATACG (配列表の配列番号64番)、GGCTTGATAAACTGATTGACCAACG(配列表の配列番号65番)、およびCACAGCCAGAGAGACCAGGATTGC(配列表の配列番号66番)を使用し、MaSp2に対してCCAGGAGGATATGGACCAGGTC(配列表の配列番号67番)、CCGACAACTTGGGCGAACTGAG(配列表の配列番号68番),CAAGGATCTGGACAGCAAGG(配列表の配列番号69番)、CAACAAGGACCAGGAAGTGGC(配列表の配列番号70番)、CCAACCAWTTGCGCATACTG(配列表の配列番号71番)、GCTTGAGTTAAAGAYTGACC(配列表の配列番号72番)、およびGCAGGACCAGGAAGTTATG(配列表の配列番号73番)を使用し、標準の方法(Gibco組換えTaqポリメラーゼ)でPCRが行われた。PCR反応は、一般的にDNA断片群のラダーの産生が起こる。そのようなラダーは、PCRプライマー群がクモ糸遺伝子の繰り返し配列群の複数の結合部位群にアニーリングすることによって起こる。増幅された各フィブロインに対して、該PCRラダー中の最も狭いバンドを摘出し、TOPO XL PCRクローニングキット(Invitrogen)を使ってクローンした。各クモ糸遺伝子の2〜3のクローンが、上記のようにシークエンシングされた。11のクモのフィブロインからの追加の配列群がGenBank(アクセス番号M37137、U03848、M92913、AF027735、AFO27736、AFO27737、AF027972、AF027973、AF218623、AF218624、U20328、U47853、U47854、U47855、およびU47856)から取られた。これらの発表済の配列群は、Araneoidのオオジョロウグモ(Nephila)とオニグモ属(Araneus)からである(図1)。
【0128】
結果
クモ(4-5、8-9)とレピドプテラン(lepidopteran)(10-11)からの、以前に発表されたフィブロイン類のように、本発明の該配列群は、繰り返しのアラニンとグリシンの豊富なタンパク質類をコードする。各分子内で、繰り返しのアミノ酸モチーフ群は、高次のアンサンブルリピート(ensemble repeats)に組織化されている。各フィブロイン内のアンサンブルリピート群は整列されており、1つのコンセンサスアンサンブルリピートは各分子に対し作製された(12)。Araneoidでないクモ類からの糸DNA配列(図2)は、部分的に、円網クモ類のフィブロインを構成する、重要なアミノ酸モチーフを繰り返す。GA、GGX、およびAは、キシダクモ科(pisaurid)のツリグモ(fishing spider)であるDolomedesからの糸フィブロインのコンセンサス アンサンブルリピートユニットを形成する。Dolomedesの糸タンパク質でのこれらの3つのモチーフの関連は、円網クモ類の大瓶状糸フィブロインと小瓶状糸フィブロインを反映している(図3)。GA、GGX、およびAのモチーフはまた、系統的により基本的なクモの系統(単性域類(Haplogynae) および トタテグモ亜目(Mygalomorphae))からのアンサンブル リピートユニット群の中に、時々まばらに分布している。Aは、これらの分類からのフィブリン類、およびこれまで研究された真正クモ目のすべての系統からのフィブリン類のそれぞれで示された。(図2及び図3)トタテグモ亜目(タランチュラ類とその同類)は、三畳紀の中ごろ、2億4000万年以上前に、クモ亜目(Araneomorphae)(「真の」クモ類)から分岐し(13、図1)、したがってAモチーフはその時代以来、異なるクモ類で維持されてきた可能性がある。
【0129】
Plectreurys(単性域類)とEuagrus(トタテグモ目)のフィブロインは、内部的には繰り返しがあるが、これらの基礎的な分類からのアンサンブルリピート(図2)は、以前に記載された糸からの同様のユニット(図3)と異なる。これらの原始的なグループからのフィブロイン類のそれぞれは、セリンのストレッチを含む。Plectreurys cDNA1は、A、S、(GX)、および(AQ)の反復を有し、内部的に高度に繰り返し性がある。Plectreurys cDNA3は、長い繰り返しユニットのタンデムアレイをコードする5’末端とずっと短いアンサンブルユニットの15の繰り返しをコードする3’末端を有する、ユニークな分子構成をもつ。約346アミノ酸のEuagrusリピートユニットは、セリンとアラニンがリッチな配列の複雑な混合体であり、Araneoidのフィブロイン類(図2)には稀なアミノ酸であるスレオニン列を含む。
【0130】
全体的なモジュラー構造、散在するGA、GGX、Aモチーフ、および非反復的カルボキシ末端でのアミノ酸マッチ(amino acid matches)の他に、Araneoidのフィブロイン類とPlectreurysとEuagrusからのフィブロイン類との間の配列類似性は、ほんの限られたものである(図2と図3)。本明細書で提示されたデータは、クモ類が広い多様性をもったフィブロインを利用していることを明らかに示す。そのような多様性は、これらのクモ類が住む多様な生態系を反映している可能性がある(1、14)。基本的な真正クモ目の新規の該フィブロインリピートが示唆するところでは、クモ糸の設計は、特に特定の配列に依存しているようではないらしいが、円網クモ類の内のフィブロインの比較はこの記述に矛盾する(図3)。
【0131】
発表されたデータ(4−5,8−9)と組み合わせると、これらの新しい配列群は、4つのグループのフィブロイン(15)、すなわち 大瓶状spidroin1様(MaSp1)、大瓶状spidroin2様(MaSp2)、小瓶状spidroin(MaSp)、鞭状糸タンパク質(Flag)に関して、2つの最も基本的なクレードである無篩板の円網クモ類、コガネクモ科と「派生(derived)コガネグモ科」(図1)の間での比較を可能にする。これらの4つのグループのそれぞれの内での、フィブロイン間の差は、主にA、GA、GGX、およびGPG(X)のモチーフの配置と頻度での変動である(図3)。A、GA、およびGGXは、コガネグモ科と派生コガネグモ科との、両方のMiSpオーソログでのコンセンサスリピートに存在する。大瓶状フィブロイン類は、Araneoidの間で同様に保存されている。MaSp1の安定なリピートは、A、GA、およびGGXであり、MaSp2の安定なリピートは、GPG(X)とAである。これらのモチーフは、クモの巣を作るが通常の円網を紡がないようなAraneoidであるゴケグモ(Latrodectus)の大瓶状フィブロインでさえでも保持されている。長いFlagリピートは、コガネグモ上科内で多様であるが、コガネグモ科と派生コガネグモ科のリピートユニットはどちらも、主にクラスター化したGPG(X)とGGXのモチーフから成る(図3)。
【0132】
化石の証拠は、派生コガネグモ科からコガネグモ科の分岐は、白亜紀前記より以前に起こったことを示唆する(図1)。したがって、MaSp1、MaSp2、MiSp、およびFlag内に保存されたモチーフ類は、1億2500万年以上にわたって、おそらく淘汰を安定化することによって維持されてきた。(16)そのような長い進化期間にわたって維持されてきたモチーフ類は、特殊化された円網糸の多様な機械的特性に重要であるようである。
【0133】
例2
MaSp1様およびMaSp2様のクモ糸タンパク質類のクローン
本発明の新規のクモ糸タンパク質類の、さらなる分類と構造/機能の分析の目的のために、フィブロイン配列群は、Nephila clavipesの異なる類似グループに指定された。クモ糸フィブロイン類は、大部分(90%以上)がアンサンブルリピートユニットから成る長いタンパク質であり、そのようなアンサンブルリピートユニットは内部的に繰り返しがある(4,5,8,9)。異なるフィブロインからのアンサンブルリピートユニットは長さが異なり、時には1桁ほどの差がある。この長さの変動とクモ糸タンパク質の全体的なモジュラー構造のために、分子間の残基対残基の相同性を述べることは困難である。したがって、アンサンブルリピートユニット間の全体的な類似性や差異が、まずAraneoidのフィブロインを4つのクラスに分類するために使われた。以下のタンパク質は、以前にN.clavipesで記述されたように(5,9)、MaSp1様タイプのフィブロインに対応する。
【0134】
MaSp1様グループタンパク質類は、1つのポリアラニン区間を有する、短いアンサンブルリピートによって特徴付けられた。1つのリピートの残りは、多くのGGXモチーフと散在したGAモチーフから成る。クモ糸タンパク質のMaSp1様グループには、N. clavipesのMaSp1と、Argiope aurantia(A.aurantia)からのゲノムMaSp1クローン(配列表の配列番号1番)、A.trifasciataのMaSp1のcDNA(配列表の配列番号2番)、Latrodectus geometricus(L.geometricus)のMaSp1のcDNA(配列表の配列番号3番)、N.madagascariensisからのゲノムMaSp1クローン(配列表の配列番号4番)、N.senegalensisからのゲノムMaSp1クローン(配列表の配列番号5番)、Tetragnatha kauaiensis(T.kauaiensis)からのゲノムMaSp1クローン(配列表の配列番号6番)、およびT.versicolorからのゲノムMaSp1クローン(配列表の配列番号7番)によってコードされるタンパク質類が含まれる。配列表の配列番号1〜7によってコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列表の配列番号29〜35番で提供されている。
【0135】
MaSp2様グループのタンパク質類は、1つのポリアラニン区間と種々のGPG(X)とGPモチーフから成る、短いアンサンブルリピートによって特徴付けられた。クモ糸タンパク質のMaSp2様グループには、N.clavipesのMaSp2と、A.aurantiaからの1つのゲノムMaSp2クローン(配列表の配列番号8番)、A.trifasciataの1つのMaSp2 cDNA(配列表の配列番号9番)、A. trifasciataの1つのゲノムMaSp2クローン(SEQ ID NO:10)、Gasteracantha mammosaからの1つのゲノムMaSp2クローン(配列表の配列番号11番)、L.geometricusの1つのMaSp2 cDNA(配列表の配列番号12番)、L.geometricusからの1つのゲノムMaSp2クローン(配列表の配列番号13番)、N.madagascariensisからの2つのゲノムMaSp2クローン(配列表の配列番号14〜15番)、およびN.senegalensisからの1つのゲノムMaSp2クローン(配列表の配列番号16番)によってコードされるタンパク質類が含まれる。配列表の配列番号8〜16番によってコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列表の配列番号36〜44番で提供されている。
【0136】
例3
鞭状様のクモ糸タンパク質類のクローン
アンサンブル リピートユニットの間の全体的な類似性と差に基づいて、以下のグループのタンパク質類は、N.clavipes(5,9)で以前に記述されたようなフィブロインに似た、flag様タイプのフィブロインとして分類された。
【0137】
Flag様のグループのタンパク質類は、主にクラスターのGGXとGPG(X)から成る長いアンサンブルリピートによって特徴付けられた。各アンサンブルリピートは、Araneoidの糸に典型的でないアミノ酸類を含む、1つの「スペーサー」領域を有していた。flag様グループのクモ糸タンパク質類は、N.clavipesからのFlagとA.trifasciataのFlag cDNAクローン類(配列表の配列番号17−18)によってコードされた2つのタンパク質を含む。配列表の配列番号17−18番によってコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列表の配列番号45〜46番で提供されている。
【0138】
例4
異なるモチーフから成るクモ糸タンパク質のクローン類
当明細書で記載される、2つの新規なクモ糸タンパク質は、N.clavipesで以前に記述された4つのクラスのAraneoidフィブロインの1つに容易に指定できなかった。このグループのフィブロイン類には、異なる繰り返しモチーフから成るクモ糸タンパク質に含まれる。この特徴は、これらのフィブロイン類をコードする核酸配列が由来した種の異なる生態系を反映している可能性がある。このカテゴリーには、Dolomedes tenebrosus(D.tenebrosus)のフィブロイン1 cDNA(配列表の配列番号19番)とD.tenebrosusのフィブロイン2 cDNA(配列表の配列番号20番)によってコードされるタンパク質が含まれる。配列表の配列番号19〜20番によってコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列表の配列番号47〜48番で提供されている。
【0139】
例5
非典型的なモチーフから成るクモ糸タンパク質のクローン類
本発明の7つの新規なクモ糸タンパク質類は、以前に特徴付けられたAraneoidフィブロインで記述されたモチーフとは異なる非典型的なクモ糸モチーフ類から成る。このグループのフィブロイン類には、異なる繰り返しモチーフから成るクモ糸タンパク質に含まれる。この特徴は、これらのフィブロイン類をコードする核酸配列が由来した種の異なる生態系を反映している可能性がある。このカテゴリーには、Euagrus chisoseus(E.chisoseus)のフィブロイン1 cDNA(配列表の配列番号21番)、Plectreurys tristis(P.tristis)のフィブロイン1 cDNA(配列表の配列番号22番)、P.tristisのフィブロイン2cDNA(配列表の配列番号23番)、P.tristisのフィブロイン3 cDNA(配列表の配列番号24番)、P.tristisのフィブロイン4 cDNA(配列表の配列番号25番)、Phidippus audax(P.audax)のフィブロイン1 cDNA(配列表の配列番号26番)、およびZorocrates種のフィブロイン1 cDNA(配列表の配列番号27番)によってコードされるタンパク質類が含まれる。配列表の配列番号21〜27番によってコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列表の配列番号49〜55番で提供されている。
【0140】
例6
異なるモチーフから成るクモ糸タンパク質の1つの例証的なクローン
本発明の1つの新規なクモ糸タンパク質は、以前に特徴付けられたAraneoidフィブロインで記述されたモチーフとは異なる非典型的なクモ糸モチーフ類から成る。このフィブロインは、高度に異なる繰り返しモチーフ類から成り、A.trifasciataのブドウ状フィブロイン1 cDNAクローン(配列表の配列番号28番)によってコードされる。配列表の配列番号28番によってコードされるアミノ酸配列は、それぞれ配列表の配列番号56番で提供されている。
【0141】
A.trifasciataのブドウ状フィブロイン1タンパク質(配列表の配列番号56番)の1つのコンセンサス配列リピートは、約200のアミノ酸から成るが、これは当明細書で同定された。このコンセンサス配列リピートから成るアミノ酸配列は、それぞれ配列表の配列番号57番で提供されている。そのようなコンセンサス配列は、幾つかの応用で有用であり、そのような応用には、限定されるものではないが、1)配列表の配列番号57番をコードできる縮退核酸プローブ類の産生であり、そのようなプローブ類は新規のクモ糸タンパク質類をコードする核酸分子のスクリーニングと同定に使用でき、2)配列表の配列番号57番の一部または全体に特異的な抗体類の産生であり、そのような抗体類は新規なクモ糸タンパク質類とそれらの誘導体類のスクリーニングと同定に使用でき、および3)合成クモ糸タンパク質類の設計と産生でのモジュラーユニットとしての利用、が含まれる。
【0142】
例7
合成クモ糸タンパク質類の設計とそれらの使用法の例証的方法
合成クモ糸タンパク質類の設計するための下記の方法は、クモ糸タンパク質類のアミノ酸構成、およびアミノ酸配列の繰り返し領域がどのようにクモ糸タンパク質類の構造的/物理学的性質に寄与するかに基づいている。
【0143】
一般的に、合成クモ糸タンパク質類は、一連の物理学的性質を有すると同定されたアミノ酸配列領域類の、タンデムで厳密な一連の反復からなり得る。厳密な反復は、正確に複製されたアミノ酸配列の領域から成る。別法では、合成クモ糸タンパク質類は、一連の物理学的性質を有すると同定された、タンデムで非厳密的な一連の反復からなり得る。非厳密的な反復は、アミノ酸配列の領域から成り、その中では少なくとも1つのアミノ酸配列が、基本的な非厳密的反復ユニットで変更されており、そのような変更が、基本的な非厳密的反復ユニットに特徴的な、一連の物理学的性質を変えないようなものである。
【0144】
強度が必要であるが弾性が全く必要でないような応用(例えば、防弾チョッキ)では、小瓶状糸の抗張力を増加するために、(GA)n領域を(A)n領域で置換することが可能である。このような変更は抗張力を増加し得る。典型的なMiSp1タンパク質は、16の(GA)ユニットを有する。8つの(GA)領域を、例えば、(A)領域で置換すると、抗張力を100,000psiから少なくとも400,000psiまで増加できるであろう。さらに、もし(A)領域が(GA)領域ほど長ければ、抗張力は600,000psi以上まで増加するであろう。
【0145】
高い抗張力と、大瓶状糸より大きな弾性を有する繊維を作るためには、(GPGXX)領域の数を、4〜5の領域(天然の大瓶状クモ糸タンパク質類に通常見つけられる(GPGXX)領域の範囲)から、より大きな数の領域まで増加することが可能である。例えば、もしその数を10〜12の(GPGXX)領域数まで増加させると、弾性は50〜60%まで増加するであろう。例えば、もしその数をさらに25〜30の領域数まで増加させると、弾性は約100%増加するであろう。そのような繊維類は、傷部(例えば、火傷)を覆うのに使用することができ、簡単な配置と構造的支持を提供する。そのような繊維類は、衣類およびコンポジット物質での繊維類としても使用し得る。
【0146】
非常に弾性のある鞭状糸の抗張力は、(GPGXX)ユニットのいくつかを(A)n領域と置換することによって増加することが可能である。鞭状糸タンパク質は、各リピートにつき平均50の(GPGXX)ユニットを含む。したがって、各リピートでの2つのユニットを(A)領域で置き換えると、鞭状糸の抗張力を4倍増加して、400,000psiの抗張力を達成することができる。そのような鞭状タンパク質類の使用法は、増加した弾性を有する大瓶状タンパク質で記載された使用法(上に記載)に類似する。鞭状タンパク質は別の有利性を有し、それは、該タンパク質のスペーサー領域が、抗体および/または成長因子(またはそれらの組み合わせ)のような機能分子を、鞭状タンパク質類から成るコンポジットに付加できる可能性を与える有利性である。
【0147】
本発明の天然クモ糸タンパク質および/または合成クモ糸タンパク質の組み合わせから織り込まれた繊維もまた、本発明に含まれる。そのようなコンポジット繊維は種々の応用で有用性があり、限定するものでないが、ファブリックの生産、縫合糸、医療用カバー(medical coverings)、ハイテクの衣類、ロープ、および補強プラスチックが含まれる。
【0148】
引用文献と注記
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11.Genbank# AF08334,AF095239,AF095240.
12.種々のフィブロイン類のDNA配列群が、アミノ酸配列に翻訳された。各フィブロインに関して、アンサンブルリピートユニット(繰り返し配列モチーフの高次集合体)は、MacVector(Oxford Molecular)を用いて、第一に計算法で、第2に手動で整列させ、コンセンサス アンサンブルリピートユニットが産生された。コンセンサス アンサンブルユニットは、各分子のリピートのアライメントの各位置で最も共通のアミノ酸(またはギャップ)として定義した。アライメント位置で互角があった場合には、Xはコンセンサス配列でのあいまいさを表した。
13.P.Selden,J.Gall,Palaeontology 35,211(1992).
14.C.Craig,Annu.Rev.Entomol.42,231(1997).
15.Araneoidの糸の配列はまず、アンサンブル リピートユニットの配列特徴にしたがって、Nephila clavipes(5,9)での異なるフィブロインオーソログに割り当てられた。これらの割り当ては、非反復的カルボキシ末端配列、発現パターン、コガネグモ上科に関する独立の系統発生的仮説への適合性、および遺伝子重複イベント最小化の系統発生学的分析を介して査定された。
16.P.Selden,Palaeontology 33,257(1990).
17.A.Simmons,E.Ray,L.Jelinski,Macromolecules 27,5235(1994).
18.S.Sudo et al.,Nature 387,563(1997).
19.X.Qin,K.Coyne,J.Waite,J.Biol.Chem.272,32623(1997).
20.A.Tatham,P.Shewry,B.Miflin,FEBS Lett.177,205(1984).
21.B.Thiel,K.Guess,C.Viney,Biopolymers 41,703(1996).
22.Q.Cao,Y.Wang,H.Bayley,Curr.Biol.7,677(1997).
23.J.Schultz,Biol.Rev.62,89(1987).
24.L.Chen,A.DeVries,C.Cheng,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94,3817(1997).
25.A.Seidel,O.Liivak,L.Jelinski,Macromolecules 31,6733(1998).
26.B.Madsen,Z.Shao,F.Vollrath,Intl.J.Biol.Macromol.24,301(1999).
27.G.Hormiga,N.Scharff,J.Coddington,Syst.Biol.49,435(2000).
【0149】
本発明の好適な実施例を上記に記載し、明確に例示したが、これらによって本発明をそのような実施例に限定するものではない。下記の請求に記載された、本発明の範囲及び精神から逸脱せずに、種々の修正をすることが可能であろう。
配列表
【0150】
核酸配列
【0151】
【化1−1】
Figure 2005502347
【0152】
【化1−2】
Figure 2005502347
【0153】
【化1−3】
Figure 2005502347
【0154】
【化1−4】
Figure 2005502347
【0155】
【化1−5】
Figure 2005502347
【0156】
【化1−6】
Figure 2005502347
【0157】
【化1−7】
Figure 2005502347
【0158】
【化1−8】
Figure 2005502347
【0159】
【化1−9】
Figure 2005502347
【0160】
【化1−10】
Figure 2005502347
【0161】
【化1−11】
Figure 2005502347
【0162】
【化1−12】
Figure 2005502347
【0163】
【化1−13】
Figure 2005502347
【0164】
【化1−14】
Figure 2005502347
【0165】
【化1−15】
Figure 2005502347
【0166】
【化1−16】
Figure 2005502347
【0167】
【化1−17】
Figure 2005502347
【0168】
【化1−18】
Figure 2005502347
【0169】
【化1−19】
Figure 2005502347
【0170】
【化1−20】
Figure 2005502347
【0171】
【化1−21】
Figure 2005502347
【0172】
【化1−22】
Figure 2005502347
【0173】
【化1−23】
Figure 2005502347
【0174】
【化1−24】
Figure 2005502347
【0175】
【化1−25】
Figure 2005502347
【0176】
アミノ酸配列
【0177】
【化2−1】
Figure 2005502347
【0178】
【化2−2】
Figure 2005502347
【0179】
【化2−3】
Figure 2005502347
【0180】
【化2−4】
Figure 2005502347
【0181】
【化2−5】
Figure 2005502347
【0182】
【化2−6】
Figure 2005502347
【0183】
【化2−7】
Figure 2005502347
【0184】
【化2−8】
Figure 2005502347
【0185】
【化2−9】
Figure 2005502347
【0186】
【化2−10】
Figure 2005502347

【図面の簡単な説明】
【0187】
【図1】図1は、形態的証拠(1、27)に基づいて真正クモ目の系統発生学的関係の分析を示す。以前に発表されたクモのフィブロインの配列は、白い丸でマークされた2つの属(genus)からのものである。ここで示すデータを含めて、フィブロインは赤の種類(Taxa)で特徴付けられている。内部の節にある丸は、化石で補正された点を示す。これらの節(Macryphantes(16−黒丸)とRosamygale(13−灰色丸))を補正する絶滅した分類が示されており、より高いレベルの分類が、系統図の右にある。Dolomedes、Plectreurys、およびEuagrusは、それぞれPisauridae(キシダグモ)科、Plectreuridae科、およびDipluridae(ジョウゴグモ)科からである。
【図2】図2は、Araneoidではないクモのフィブロイン群のコンセンサス アンサンブルリピートを示す。アミノ酸の1文字略号が使用され、GGX、GA、およびAのモチーフは、それぞれ緑色、茶色、および赤で示される。Plecterurys cDNA1とlectreurys cDNA2は、Plectreurysの大瓶状腺から由来し、Plectreurys cDNA3とPlectreurys cDNA4は、このクモの小瓶状腺から由来した。
【図3】図3は、4つのAraneoidフィブロインのオーソログ群のコンセンサス アンサンブルリピートを示す。アミノ酸の1文字略号が使用され、GGX、GA、A、およびGPG(X)のモチーフは、それぞれ緑色、茶色、赤、および青で示される。MiSpフィブロイン類の「スペーサー」領域は、セリンリッチな配列であり、Nephila clavipesでは137アミノ酸長である(Genbank番号 AF027735)。Nep.c.=Nephila clavipes、Nep.m.=N.madagascariensis、Nep.s.=N. senegalensis、Tet.K.=Tetragnatha kauaiensis、Tet.V.=T.versicolor、Lat.g.=Latrodectus geometricus、Arg.t.=Argiope trifasciata、Arg.a.=A.aurantia、Ara.b.=Araneus bicentenarius、Ara.d.=A.diadematus、Gas.m.=Gasteracantha mammosa、§m=大瓶状腺からのcDNA、§f=鞭状腺からのcDNA、†=PCR/ゲノムクローン、*=以前に発表された配列A.diadematusのフィブロイン(4)の以前の命名は括弧で示されている(ADF1−4)。

Claims (63)

  1. 配列表の配列番号29番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  2. 配列表の配列番号30番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、ある核酸分子。
  3. 配列表の配列番号31番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  4. 配列表の配列番号32番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  5. 配列表の配列番号33番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  6. 配列表の配列番号34番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  7. 配列表の配列番号35番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  8. 配列表の配列番号36番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  9. 配列表の配列番号37番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  10. 配列表の配列番号38番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  11. 配列表の配列番号39番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  12. 配列表の配列番号40番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  13. 配列表の配列番号41番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  14. 配列表の配列番号42番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  15. 配列表の配列番号43番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  16. 配列表の配列番号44番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  17. 配列表の配列番号45番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  18. 配列表の配列番号46番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  19. 配列表の配列番号47番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  20. 配列表の配列番号48番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  21. 配列表の配列番号50番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  22. 配列表の配列番号51番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  23. 配列表の配列番号52番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  24. 配列表の配列番号53番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  25. 配列表の配列番号54番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  26. 配列表の配列番号55番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  27. 配列表の配列番号56番が示すタンパク質及びその天然の対立遺伝子変異体をコードする、核酸分子。
  28. 配列表の配列番号56番とその天然の対立遺伝子変異体の、コンセンサス糸タンパク配列をコードする、核酸分子。
  29. 配列表の配列番号1〜28番から成るグループから選択された核酸分子。
  30. 配列表の配列番号1〜28番が示す核酸の少なくとも1つを有する、発現ベクター。
  31. 請求項30記載の発現ベクターを有する宿主細胞。
  32. 配列表の配列番号29番を有する、クモ糸タンパク質。
  33. 配列表の配列番号30番を有する、クモ糸タンパク質。
  34. 配列表の配列番号31番を有する、クモ糸タンパク質。
  35. 配列表の配列番号32番を有する、クモ糸タンパク質。
  36. 配列表の配列番号33番を有する、クモ糸タンパク質。
  37. 配列表の配列番号34番を有する、クモ糸タンパク質。
  38. 配列表の配列番号35番を有する、クモ糸タンパク質。
  39. 配列表の配列番号36番を有する、クモ糸タンパク質。
  40. 配列表の配列番号37番を有する、クモ糸タンパク質。
  41. 配列表の配列番号38番を有する、クモ糸タンパク質。
  42. 配列表の配列番号39番を有する、クモ糸タンパク質。
  43. 配列表の配列番号40番を有する、クモ糸タンパク質。
  44. 配列表の配列番号41番を有する、クモ糸タンパク質。
  45. 配列表の配列番号42番を有する、クモ糸タンパク質。
  46. 配列表の配列番号43番を有する、クモ糸タンパク質。
  47. 配列表の配列番号44番を有する、クモ糸タンパク質。
  48. 配列表の配列番号45番を有する、クモ糸タンパク質。
  49. 配列表の配列番号46番を有する、クモ糸タンパク質。
  50. 配列表の配列番号47番を有する、クモ糸タンパク質。
  51. 配列表の配列番号48番を有する、クモ糸タンパク質。
  52. 配列表の配列番号49番を有する、クモ糸タンパク質。
  53. 配列表の配列番号50番を有する、クモ糸タンパク質。
  54. 配列表の配列番号51番を有する、クモ糸タンパク質。
  55. 配列表の配列番号52番を有する、クモ糸タンパク質。
  56. 配列表の配列番号53番を有する、クモ糸タンパク質。
  57. 配列表の配列番号54番を有する、クモ糸タンパク質。
  58. 配列表の配列番号55番を有する、クモ糸タンパク質。
  59. 配列表の配列番号56番を有する、クモ糸タンパク質。
  60. 配列表の配列番号57番を有する、クモ糸アミノ酸コンセンサス配列。
  61. 配列表の配列番号29〜56から成るグループから選択されたクモ糸タンパク質。
  62. 請求項61記載のタンパク質のうち少なくとも1つを有する糸ファイバ。
  63. 請求項61のタンパク質のうち少なくとも2つを有する共重合ファイバ。
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