JP2005500968A - 顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムの製造法及び該製造法により得ることができる生成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、低いTAM−値を有する顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムの製造法、及び低いTAM−値(貯蔵の際のエネルギー放出のマイクロカロリメータによる測定値)が顕著である該方法により得ることができる生成物に関する。本発明による方法は、(i)流動床噴霧造粒により顆粒状の過炭酸ナトリウムを製造し、(ii)流動床中で顆粒状の過炭酸ナトリウムを被覆成分で被覆することを含む。
【0002】
洗浄剤及び清浄化剤中の漂白成分として使用される一般式 2Na2CO3・3H2O2の過炭酸ナトリウムの製造には、殊に晶出法及び流動床噴霧造粒法が工業的規模で使用される。
【0003】
晶出法により得られる過炭酸ナトリウムは、そのTAM−値自体はしばしば低いため確かに良好に貯蔵可能であるが、しかしながら、洗浄剤成分、例えばゼオライトの存在における活性酸素安定性は、多孔質表面に基づき満足のいくものではない。確かに、晶出法により製造された過炭酸ナトリウムの、洗浄剤成分の存在における貯蔵安定性は、過炭酸ナトリウム核部を安定作用を有する成分で被覆することにより改善され得るが、しかしながら現在、このような製品に課される課題は、しばしば未だ十分に満足のいくものではない。
【0004】
流動床噴霧造粒法の場合、本質的に、製造に起因して、殻の形の構造と、晶出により取得された生成物よりも高い貯蔵安定性とを有する、球形の密な過炭酸ナトリウム粒子が得られる。該方法を実施する際、過酸化水素水溶液及びソーダ水溶液を、又は場合によりソーダ懸濁液をも、過炭酸ナトリウム粒子を含有する流動床中に噴霧し、この際、該過炭酸ナトリウム粒子の直径は、製造すべき粒子の直径よりも小さい。水性媒体中に存在する反応パートナーを噴霧混入する間、水を40〜95℃の範囲内の流動床温度で蒸発させる。流動床噴霧造粒法を実施するための詳細は、例えばEP−特許0716640に供覧されている。洗浄剤成分の存在での活性酸素安定性を高めるために、流動床噴霧造粒により製造された過炭酸ナトリウムを安定被覆層で、例えばEP−特許0863842に記載された硫酸ナトリウム層で被覆することもできる。
【0005】
過炭酸ナトリウムの取扱い安全性の理由から、殊に貯蔵室中で貯蔵する際の高められた安全性の理由から、従来よりも更に低下されたTAM−値に相応する、更に改善された貯蔵可能性を有する過炭酸ナトリウムがより一層求められている。確かに、過炭酸ナトリウムを不活性材料で被覆することにより過炭酸ナトリウムのTAM−値をある程度低下させることが可能であるが、しかしながらそれにより達成することのできる効果は、多くの場合未だ不充分なものである。TAM−値とは、Termometric AB, Jaerfaella(SE)社のTAM(登録商標)Thermal Activity Monitorを用いて測定された、貯蔵の際のエネルギー放出のマイクロカロリメータによる測定値である。
【0006】
流動床噴霧造粒による製造の際に過炭酸ナトリウムのTAM−値を低下させる種々の尽力が既になされた。本出願の出願人により確認された通り、DE−OS2733935の記載に従って製造された、流動床噴霧造粒により製造された過炭酸ナトリウムは、噴霧すべき溶液に縮合ホスフェートのみならず硫酸マグネシウムをも添加した場合、比較的低いTAM−値を有する。該方法の欠点は、この添加される物質の、必要とされる高い使用量にある。
【0007】
未公開のDE−特許出願10048514.6には、有利に約6μW/g / 6μW/g未満の低いTAM−値を有する過炭酸ナトリウムを流動床噴霧造粒により製造するためのもう1つの方法が教示されており、その際、TAM−値を低下させる目的で、有利に、約100〜1000ppmMg2+の量のマグネシウム化合物、及び/又は200〜1000ppmの量の選択されたキレート錯化剤、例えばアミノホスホン酸を、噴霧すべき溶液少なくとも1種に添加する。既に冒頭で述べた通り、洗浄剤及び清浄化剤中で、活性酸素含量の十分な貯蔵安定性を保証するために、通常は、低いTAM−値を有する過炭酸ナトリウムをも安定化作用を有する被覆で被覆しなければならない。TAM−値は貯蔵室中で貯蔵する際の安全性に関する基準の1つである一方で、活性酸素安定性は殊に過炭酸ナトリウムを含有する洗浄剤を貯蔵する際に重要な基準の1つである。
【0008】
それに応じて本発明の課題は、低いTAM−値、殊に約8μW/g / 8μW/g未満、有利に約5μW/g / 5μW/g未満のTAM−値を有する、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムの製造法を示すことである。該方法は可能な限り容易に技術的に実現可能であるはずである。有利に、もともと流動床中での公知の流動床噴霧造粒及び被覆の際に用いられる処理工程とは異なるような処理工程は不必要であるはずである。
【0009】
上記課題及び他の記載からもたらされる他の課題は、本発明による方法により解決される。それに応じて、(i)流動床噴霧造粒により顆粒状の過炭酸ナトリウムを製造し、その際、炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸ナトリウム懸濁液及び過酸化水素水溶液を、1:1.4〜1:1.8の範囲内のNa2CO3:H2O2のモル比で、過炭酸ナトリウム粒子を含む流動床に噴霧し、同時に水を蒸発させ、(ii)1種以上の被覆成分を含有する少なくとも1種の水溶液を流動床に噴霧し、同時に水を蒸発させることにより顆粒状の過炭酸ナトリウムを被覆することを含む、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムを製造する方法において、a)流動床噴霧造粒を45〜75℃の範囲内での流動床温度TGで実施し、顆粒状の過炭酸ナトリウムを、被覆前に60〜100℃の範囲内の流動床温度TNT(但し、TGNTはTGよりも高い)で後乾燥させ、被覆を35〜100℃の範囲内の流動床温度TUで実施するか、又は(b)流動床噴霧造粒を少なくとも二工程で実施し、その際、流動床温度TG1はTGのための上記の範囲内であり、後続の工程における流動床温度TGn(但し、TGnはTGよりも高い)はTNTのための範囲内にあり、第一の工程の間に顆粒の質量の少なくとも3分の2を形成し、このようにして得られた過炭酸ナトリウム顆粒を、後乾燥なしで、又は後乾燥後に、TNT TUの範囲内の流動床温度で被覆するか、又は
(c)TGで後乾燥なしで製造された顆粒状の過炭酸ナトリウムを被覆し、流動床温度TUNT(但し、TUNTはTGよりも少なくとも20℃高い)で後乾燥させる
ことを特徴とする、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムの製造法が見出された。
【0010】
従属請求項は、本発明による方法の有利な実施態様を指す。
【0011】
本発明のもう1つの対象は、流動床噴霧造粒により得ることができる核部とその被覆部との構造を有し、核部におけるMg+2含量が100〜1000ppmである、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムにおいて、40℃で48時間後に測定されたTAM−値が3μW/g未満であることを特徴とする、顆粒状で被覆された過炭酸ナトリウムに関する。
【0012】
冒頭で評価されたEP−特許0716640の記載によれば、流動床噴霧造粒は40〜95℃、有利に50〜70℃の範囲内の流動床温度で行われる。該刊行物には更に、2〜10質量%の湿度を有する過炭酸ナトリウム−流動床噴霧顆粒を流動床装置から取り出し、必要に応じて後乾燥をするか、又は安定性を高めるために後処理に供給することが教示されている。”後乾燥”という定義は、この時間の間に流動床中に噴霧溶液を噴射しないことであると理解される。より高い温度での後乾燥を行うべきであるという提案は、該刊行物には記載されていない。流動床中で過炭酸ナトリウムを被覆することは、このような”後処理”の1つである。これに関して、該刊行物は当業者に、流動床噴霧顆粒を被覆する前に該顆粒を後乾燥すべきであるという指摘を与えておらず、むしろ、乾燥工程は全処理の最後におかれていると考えられ、従って乾燥は、流動床内での顆粒の被覆の後に実施されるものと考えられる。驚異的にも、流動床噴霧造粒により得られた顆粒状の過炭酸ナトリウムを被覆する前に、高められた温度で後乾燥することにより、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムのTAM−値を本質的に低下させることができることが見出された。被覆に引き続く付加的な乾燥により、TAM−値のさらなる低下を達成することができ、その際、被覆のわずかな層厚を考慮し、一般に極めて短時間の乾燥で十分である。
【0013】
本発明による方法の造粒工程は、一工程又は多工程で実施されてよい。一工程の処理方式の場合、反応物を、流動床温度TGを45〜75℃、有利に55〜75℃の範囲内に維持しながら、同時に水を蒸発させて、流動床中に噴射する。この噴射は1つ又は複数の噴射ノズルを用いて行うことができる。殊に有利に、反応物を3又は4物質流ノズルを使用しながら、例えばEP0716640B1ないしEP0787682に記載されているように、流動床型反応器中に噴射する。顆粒状の未被覆過炭酸ナトリウムの製造には、顆粒の分級排出部を伴うか又は伴わない通常の流動床型反応器が適当である。有利な実施態様によれば、反応器は、複数のチャンバに分割されていてよくかつその側壁にノズルが配置されている流動溝路である。
【0014】
本質的に流動床温度を維持しながら流動床噴霧造粒を実施する本発明による方法の第一の実施態様によれば、造粒工程(i)に引き続き、TGよりも高い温度TNTで後乾燥を行い、その間、水溶液の形のその他の反応物を噴射しない。この後乾燥の間、TAM−値は低下する。有利に、後乾燥を75℃を上回って95℃、殊に90±5℃までの範囲内の流動床温度TNTで行う。有利に、TNTはTGよりも10〜30℃、殊に20〜30℃高い。
【0015】
この種の後乾燥により、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムの単独の乾燥よりもTAM−値はより大幅に低下する。本発明による方法のその他の実施態様によれば、工程(i)を本質的に一定の温度TGではなく、二工程又は多工程で、上昇する流動床温度TG1、TG2、・・・TGnで行い、その際、TGnはTG1よりも高い。合理的には、TG1とTGnとの温度差は10〜40℃、殊に20〜30℃である。殊に有利に、流動床噴霧顆粒の製造を二工程で、70±5℃の流動床温度TG1で、90±5℃の流動床温度TG2(=TGn)で行う。少なくとも顆粒の形成の半分を行った時に第二の工程を行う。合理的には、顆粒の質量の少なくとも2/3を第一の工程の中で、及び該質量の1/3未満を第二又はその他の工程において製造する。該実施態様の場合、より高い流動床温度で、前からここまで顆粒の形成を行う場合よりも活性酸素損失が低いことが確認された。同時に、本発明による実施態様の場合、より低いTAM−値を有する顆粒が得られる。二工程又は多工程の流動床噴霧造粒により得られた顆粒は、必要な場合にはTNTの温度で後乾燥されてよく、その際、ここではTNTは流動床噴霧造粒の最後の温度工程の温度と同じか又はそれよりも高く;従って二工程の流動噴霧造粒の場合、TNTはTG2もしくはTGnと同じか又はそれよりも高い。
【0016】
一工程の噴霧造粒、及び必要な場合には多工程の噴霧造粒の場合の後乾燥の時間は所望の残存湿度、及び殊にTAM−値の所望の低下に依る。通常、後乾燥時間は1〜60分の範囲内、有利に15〜45分の範囲内、殊に有利に約30分である。流動床型反応器の運転パラメータにも依存する最適な後乾燥時間を、指針を決定付ける若干の予備試験により容易に見い出すことができる。
【0017】
流動床噴霧顆粒の被覆は、通常35〜100℃、殊に40〜90℃、殊に有利に40〜70℃の範囲内の流動床温度TUで実施された。被覆は一工程又は多工程で行われてよく、その際、その都度1種以上の被覆成分を含有する水溶液を、予め形成された過炭酸ナトリウム流動床顆粒上に、同時に、導入された水を蒸発させて噴霧する。被覆成分は水和物形成性無機塩、例えば硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、ソーダ及び重炭酸ナトリウム及び塩の組合せであり;ホウ酸塩及びキレート錯化剤も適当な被覆成分である。有利な実施態様によれば、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムは被覆成分を10質量%まで、有利に約5質量%含有する。
【0018】
TAM−値の更なる低下に関して望ましい場合には、被覆された流動床噴霧顆粒をTUNTの流動床温度で後乾燥することは合理的である。この場合通常、温度TUNTはTUと同じか又はこれよりも高く、TGよりも高い。被覆の層厚は一般に極めてわずかであるため、核部が既に本発明により後乾燥されている場合、被覆された材料を単に数分、例えば2〜10分、後乾燥するだけで充分である。TUがTGもしくはTGnよりも例えば10〜30℃高い場合、後乾燥を省略することができる。
【0019】
本発明によるもう1つの実施態様によれば、顆粒の製造の直後に、被覆材料での該顆粒の被覆が引き続き、その際、流動床温度は、顆粒製造の際にはTGであり、被覆の際にはTUである。この実施態様の場合、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムは、温度TGもしくはTGnよりも少なくとも10℃、有利に20〜30℃高い、流動床温度TUNTで後乾燥される。この実施態様の場合、後乾燥時間は一般に10〜60分である。
【0020】
顆粒を製造する場合に使用する過酸化水素溶液、並びにソーダ水溶液又はソーダ懸濁液は、慣用の安定剤を含有してよい。殊に、ソーダ溶液又はソーダ懸濁液 水ガラス及び過酸化水素水溶液はマグネシウム塩及び場合により他の安定剤を含有する。殊に有利に、過酸化水素溶液は、被覆された過炭酸ナトリウムが100〜1000ppmのMg2+を含有する量のマグネシウム塩を含有する。マグネシウム塩の添加により、TAM−値を言及に値する程に低下させることができることが確認された − DE特許出願10048514.6参照のこと。
【0021】
本発明による方法により、極めて低いTAM−値を有する顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムを得ることが可能となる。実施例から明らかである通り、3μW/g未満のTAM−値を有する被覆された過炭酸ナトリウムを提供することも可能である。この種の低いTAM−値を公知の方法により得ることは不可能であった。
【0022】
本発明による方法及びこの場合に得られる生成物を以下の実施例をもとに説明する。
【実施例】
【0023】
流動床噴霧造粒及び被覆並びに乾燥の一般的な記載
流動床噴霧造粒(工程i)を、EP0716640B1に相応して、実験室用流動床造粒機中で実施した。反応物及びソーダ溶液及び過酸化水素溶液を3物質流噴霧ノズルを用いて、わずかな粒径を有するソーダ核部(過炭酸ナトリウムの代わり)から成る開始流動床中へ噴霧した。加熱された流体空気(約200℃)をベンチレータを介して吸引(約160Nm3/h)した。500μmの平均粒径が達成されるまで噴霧した。流動床噴霧顆粒中の開始流動床からのソーダ含分は10%未満であった。流動床中の生成物量を、実験の間、周期的な部分採取によりほぼ一定に約5kgに維持した。エダクトの流量は過炭酸ナトリウム5kgに相当していた。ソーダを水ガラスとの30質量%水溶液の形で安定剤として使用し、過酸化水素を43.5質量%水溶液の形で使用した。Mg2+を安定剤として使用する場合、MgSO4・7H2OとしてH2O2溶液へ添加した。ソーダ対H2O2のモル比を1:1.58に調節した。
【0024】
顆粒を被覆の前に後乾燥させる場合、乾燥を流動床造粒機中で実施する。
【0025】
流動床噴霧造粒において目的の粒径を達成した後、後乾燥なしか又は後乾燥後に、もう1つの流動床噴霧機中で5%硫酸ナトリウムで被覆し、後乾燥した。
【0026】
流動床温度、活性酸素含量Oa、TAM−値(40℃で48時間測定されたもの)及び特徴を以下の第1表に示す。TGは顆粒形成の際の流動床温度を示し、TUは被覆の際の流動床温度を示し、TNTは被覆の前の顆粒の後乾燥の際の流動床温度を示し、TGnは第二の造粒工程の流動床温度を示し、TUNTは被覆された顆粒の後乾燥の際の流動床温度を示す。
【0027】
【表1】
【0028】
本発明によらない実施例1及び2は、流動床温度TGの上昇により確かにTAM−値は低下するが、しかしながら同時に活性酸素含量Oaの言及すべき低下が生じることを示す。Oaの低下は実施例3及び4との比較から結論づけられるように、本発明による実施態様においてより狭い境界を維持することができ;顆粒を被覆の前に後乾燥した場合には付加的にTAM−値は更に低下し、その際、TNTはTGよりも高い − 実施例3参照。TAM−値のもう1つの低下は、TUNTがTUよりも高い場合、被覆された顆粒の付加的な後乾燥により達成される − 実施例4参照。過炭酸ナトリウム顆粒の核部をマグネシウムで安定化させることにより、TAM−値は更に低下する − 実施例5〜8参照。ここでも、顆粒形成後、従って被覆の前に、及び/又は被覆後により高い温度で後乾燥した場合に − TNT及びTUNTはTG及びTUよりも高い −TAM−値は更に低下する。
【0029】
実施例9
ここでは造粒を2工程で実施し、その際、顆粒形成の5/6をTGで、1/6をTGNTで実施し、その際、TGNTはTGよりも高かった。この温度上昇により、後乾燥効果を、同時に顆粒を後洗浄することにより達成し、その際、TAM−値は活性酸素の大きな損失なく低下した。もう1つのTNTでの後乾燥(TNT>TGである)はTAM−値のもう1つの低下を招いた。第2表に結果を示す。9.2及び9.3による生成物は、公知の方法で5%Na2SO4で被覆されたものであるが、第2表の記載は未被覆の、Mgで安定化されていない顆粒に関するものである。
【0030】
【表2】
Claims (8)
- (i)流動床噴霧造粒により顆粒状の過炭酸ナトリウムを製造し、その際、炭酸ナトリウム水溶液又は炭酸ナトリウム懸濁液及び過酸化水素水溶液を、1:1.4〜1:1.8の範囲内のNa2CO3:H2O2のモル比で、過炭酸ナトリウム粒子を含む流動床に噴霧し、同時に水を蒸発させ、(ii)1種以上の被覆成分を含有する少なくとも1種の水溶液を流動床に噴霧し、同時に水を蒸発させることにより顆粒状の過炭酸ナトリウムを被覆することを含む、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムを製造する方法において、
(a)流動床噴霧造粒を45〜75℃の範囲内での流動床温度TGで実施し、顆粒状の過炭酸ナトリウムを、被覆前に60〜100℃の範囲内の流動床温度TNT(但し、TNTはTGよりも高い)で後乾燥させ、被覆を35〜100℃の範囲内の流動床温度TUで実施するか、又は
(b)流動床噴霧造粒を少なくとも二工程で実施し、その際、流動床温度TG1はTGのための上記の範囲内であり、後続の工程における流動床温度TGn(但し、TGnはTGよりも高い)はTNTのための範囲内にあり、第一の工程の間に顆粒の質量の少なくとも3分の2を形成し、このようにして得られた過炭酸ナトリウム顆粒を、後乾燥なしで、又は後乾燥後に、TUの範囲内の流動床温度で被覆するか、又は
(c)TGで製造された顆粒状の過炭酸ナトリウムを後乾燥なしでTUで被覆し、流動床温度TUNT(但し、TUNTはTGよりも少なくとも10℃高い)で後乾燥させる
ことを特徴とする、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムの製造法。 - 造粒を55〜75℃の範囲内の流動床温度TGで実施し、後乾燥を75℃を上回って95℃までの範囲内の流動床温度TNTで実施する、請求項1記載の方法。
- 後乾燥を、流動床内での顆粒の滞留時間内に15〜45分間の範囲内で実施する、請求項1又は2記載の方法。
- 工程(ii)から得られた被覆された顆粒状の生成物を、75〜95℃の範囲内の流動床温度TUNTで後乾燥させる、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 過炭酸ナトリウム顆粒を製造するために、Na2CO3及びH2O2を1:1.5〜1:1.6の範囲内のモル比で使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
- 流動床噴霧造粒、及び未被覆の過炭酸ナトリウム顆粒の後乾燥を、複数のチャンバに分割された流動溝路中で実施し、被覆、及び必要な場合には被覆された顆粒状の過炭酸ナトリウムの後乾燥を、溝路に後接続された1つ以上のチャンバ内か、又は溝路に後接続された別個の流動床型反応器内で実施する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
- 後乾燥された顆粒状の過炭酸ナトリウムを硫酸ナトリウムを含有する被覆材料で単層又は多層となるように被覆し、その際、最も外側の被覆物層は主成分として硫酸ナトリウムを含有し、かつ全被覆物量は被覆された過炭酸ナトリウムに対して10質量%未満である、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
- 流動床噴霧造粒により得ることができる核部とその被覆部との構造を有し、核部におけるMg+2含量が100〜1000ppmである、顆粒状の被覆された過炭酸ナトリウムにおいて、40℃で48時間後に測定されたTAM値が3μW/g未満であることを特徴とする、顆粒状で被覆された過炭酸ナトリウム。
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