JP2005354618A - テレビジョン受信システム、チューナおよびテレビジョン受信方法 - Google Patents

テレビジョン受信システム、チューナおよびテレビジョン受信方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 設置位置の適否を的確に判断することが可能なテレビジョン受信システム、チューナおよびテレビジョン受信方法の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明において、新たに検出した受信可能なチャンネル数Bを、予め最低限受信可能であると予想された規定チャンネル数Cと比較表示することにより、使用者は最低限受信可能なチャンネルが受信できるかどうかを認識することができる。さらに、新たに検出した受信可能なチャンネル数Bを、過去に受信可能であったチャンネル数Bと比較表示することにより、使用者は過去よりも受信状態が向上しているかどうかを認識することができる。すなわち、スマートアンテナユニット10の設置位置によって変動する受信状態を各チャンネル数A,B,Cとして把握することができるため、好適な位置にスマートアンテナユニット10が設置されているかどうかを簡単に判断することができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、テレビジョン受信システム、チューナおよびテレビジョン受信方法に関する。
従来、この種のテレビジョン受信システムとして、スマートアンテナのビーム指方向を通信可能な方向に設定するものが知られている(例えば、特許文献1、参照。)。
かかるテレビジョン受信システムによれば、スマートアンテナのビーム指方向を通信可能な方向に設定されるため、到来する電波を確実に受信することが可能であった。
特開2001−160773号公報
しかしながら、上述したテレビジョン受信システムにおいて、スマートアンテナにおける最適なビーム指方向を設定することが可能であるものの、スマートアンテナの設置位置を最適化することができないという課題があった。
特に、スマートアンテナは室内に設置されることが多いため、知識の少ない使用者によって設置位置の変更が試行錯誤されることが想定される。しかし、どの位置が最適な設置位置であるかを使用者が判断することは難しく、最適ではない設置位置に設置されてしまうことも多かった。従って、スマートアンテナの設置位置が不適正であるために本来は受信可能なチャンネルも受信することができないということが起きていた。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、設置位置の適否を的確に判断することが可能なテレビジョン受信システム、チューナおよびテレビジョン受信方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明では、複数の可変指向方向を有するスマートアンテナと、同スマートアンテナにおける同指向方向を切り換えるアンテナコントロール部と、同スマートアンテナにて受信した周波信号から所望の周波数成分を抽出するチューナ部と、同チューナ部にて抽出された周波信号から映像信号を生成する再生部とを備えるチューナとからなるテレビジョン受信システムにおいて、
上記チューナは、上記チューナ部が抽出する周波数帯域をシフトさせつつ、同抽出された周波数成分に含まれる周波信号をスキャンすることにより受信可能なチャンネルと、当該チャンネルの受信に好適な上記指向方向とを検出するチャンネル検出手段と、使用者による上記スマートアンテナの位置変更の有無を確認する位置変更確認手段と、使用者による上記スマートアンテナの位置変更の有無を確認する位置変更確認手段と、上記位置変更確認手段により上記スマートアンテナの位置変更が確認されたとき、上記チャンネル検出手段を実行させ、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数と、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数との比較結果を使用者に伝達するとともに、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数よりも少ないとき、および、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が放送電波を発信する放送局の位置を示す放送局情報と上記スマートアンテナの設置位置を示す住所情報とに基づいて算出された規定チャンネル数よりも少ないとき使用者に上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達する伝達手段とを具備する構成としてある。
上記のように構成した請求項1の発明は、スマートアンテナには複数の可変指向方向が設けられる。アンテナコントロール部は複数の上記指向方向のうち上記スマートアンテナに設定するものを切り換える。チューナ部は上記スマートアンテナにて受信した周波信号から所望の周波数成分を抽出し、再生部は同チューナ部にて抽出された周波信号から映像信号を生成する。
位置変更確認手段は使用者による上記スマートアンテナの位置変更の有無を確認する。そして、伝達手段は、使用者による上記スマートアンテナの位置変更が確認されたとき、上記チューナ部が抽出する周波数帯域をシフトさせつつ、同抽出された周波数成分に含まれる周波信号をスキャンすることにより受信可能なチャンネルと、当該チャンネルの受信に好適な上記指向方向とを検出するチャンネル検出手段を実行させる。さらに、上記伝達手段は過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数と、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数との比較する。
そして、この比較結果を使用者に伝達する。また、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数よりも少ないときには、使用者に上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達する。さらに、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が放送電波を発信する放送局の位置を示す放送局情報と上記スマートアンテナの設置位置を示す住所情報とに基づいて算出された規定チャンネル数よりも少ないときにも、同様に使用者に上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達する。
ここで、本発明のテレビジョン受信システムの構成要素は単独の機器に備えられるものであっても良いし、他の機器に備えられるものであっても良い。例えば、テレビジョン受信システムボックス等のセットトップボックスに単独で本発明の構成要素を備えさせても良いし、テレビジョンやビデオ等に本発明の構成要素を複合的に備えさせても良い。
また、請求項2にかかる発明は、複数の可変指向方向を有するスマートアンテナと、同スマートアンテナにおける同指向方向を切り換えるアンテナコントロール部と、同スマートアンテナにて受信した周波信号から所望の周波数成分を抽出するチューナ部と、同チューナ部にて抽出された周波信号から映像信号を生成する再生部とを備えるチューナとからなるテレビジョン受信システムにおいて、
上記チューナは、上記チューナ部が抽出する周波数帯域をシフトさせつつ、同抽出された周波数成分に含まれる周波信号をスキャンすることにより受信可能なチャンネルと、当該チャンネルの受信に好適な上記指向方向とを検出するチャンネル検出手段と、使用者による上記スマートアンテナの位置変更の有無を確認する位置変更確認手段と、上記位置変更確認手段により上記スマートアンテナの位置変更が確認されたとき、上記チャンネル検出手段を実行させ、同チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数を使用者に伝達する伝達手段とを具備する構成としてある。
上記のように構成した請求項2の発明は、スマートアンテナには複数の可変指向方向が設けられる。アンテナコントロール部は複数の上記指向方向のうち上記スマートアンテナに設定するものを切り換える。チューナ部は上記スマートアンテナにて受信した周波信号から所望の周波数成分を抽出し、再生部は同チューナ部にて抽出された周波信号から映像信号を生成する。
位置変更確認手段は使用者による上記スマートアンテナの位置変更の有無を確認する。そして、伝達手段は、使用者による上記スマートアンテナの位置変更が確認されたとき、上記チューナ部が抽出する周波数帯域をシフトさせつつ、同抽出された周波数成分に含まれる周波信号をスキャンすることにより受信可能なチャンネルと、当該チャンネルの受信に好適な上記指向方向とを検出するチャンネル検出手段を実行させる。さらに、上記伝達手段は上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数を使用者に伝達する。すなわち、当該設置位置における上記スマートアンテナの受信状態の適否を受信可能なチャンネル数によって判断することができる。
さらに、請求項3にかかる発明は、上記伝達手段は、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数と、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数との比較結果を使用者に伝達する構成としてある。
上記のように構成した請求項3の発明は、上記伝達手段は、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数と、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数とを比較する。そして、この比較結果を使用者に伝達する。これにより使用者は受信可能なチャンネル数の増減を認識することができる。
また、請求項4にかかる発明は、上記伝達手段は、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数よりも少ないとき使用者に上記比較結果とともに上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達する構成としてある。
上記のように構成した請求項4の発明は、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数よりも少ない場合には、上記伝達手段が使用者に上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達する。すなわち、受信状態の劣化するような位置に上記スマートアンテナが設置されることを防止することができる。
さらに、請求項5にかかる発明は、上記伝達手段は、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が所定の規定チャンネル数よりも少ないときに使用者に上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達する構成としてある。
上記のように構成した請求項5の発明は、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が所定の規定チャンネル数よりも少ない場合に、上記伝達手段は用者に上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達する。すなわち、受信可能なチャンネル数が上記規定チャンネル数よりも少なくなるような位置に上記スマートアンテナが設置されることを防止することができる。
さらに、請求項6にかかる発明は、少なくとも放送電波を発信する放送局の位置を示す放送局情報と、上記スマートアンテナの設置位置を示す住所情報とを記憶する情報記憶手段を具備するとともに、上記規定チャンネル数は、予め記憶された上記放送局情報と上記住所情報とに基づいて算出される構成としてある。
上記のように構成した請求項6の発明は、情報記憶手段が少なくとも放送電波を発信する放送局の位置を示す放送局情報と、上記スマートアンテナの設置位置を示す住所情報とを記憶する。そして、予め記憶された上記放送局情報と上記住所情報とに基づいて上記規定チャンネル数が算出される。
上述したようなスマートアンテナを用いて放送電波を受信する手法は必ずしも実体のある装置に限られるものではなく、請求項8に記載した発明のように方法の発明としても有効である。また、上述したテレビジョン受信システムは単独で存在する場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で利用されることもあるなど、発明の思想としては、各種の態様を含むものである。例えば、請求項7のようにチューナとしても本発明を実現することが可能である。また、ソフトウェアであったりハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。
以上説明したように、請求項1、請求項2、請求項7および請求項8にかかる発明によれば、設置位置の適否を的確に判断することが可能なテレビジョン受信システム、チューナおよびテレビジョン受信方法を提供することができる。
請求項3にかかる発明によれば、各設置位置における受信状態の優劣を使用者に認識させることができる。
請求項4にかかる発明によれば、受信状態が劣化する位置からスマートアンテナを移動させることができる。
請求項5にかかる発明によれば、受信可能なチャンネル数が規定チャンネル数よりも多くなるようにスマートアンテナの設置位置を決定させることができる。 請求項6にかかる発明によれば、スマートアンテナの設置環境から受信し得るチャンネル数を規定チャンネル数として予測することができる。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)テレビジョン受信システムの構成:
(2)スマートアンテナ設置作業:
(3)変形例:
(4)まとめ:
図1は、本発明にかかるテレビジョン受信システムの概略構成を示している。同図において、テレビジョン30が備えられており、同テレビジョン30と図示しないケーブルで接続された略矩形箱状のコントロールユニット20が備えられている。コントロールユニット20はいわゆるセットトップボックスであり、テレビジョン30と接続可能な限り任意の位置に設置することができる。コントロールユニット20にはアンテナケーブル16が接続されており、アンテナケーブル16を介してコントロールユニット20とスマートアンテナユニット10とが接続している。
スマートアンテナユニット10は床面に安定して設置するための脚部17を有しており、同脚部から略円柱状の柱部18が略鉛直に立設している。同柱部18の上端には略円盤状のアンテナ保持部19が保持されている。アンテナ保持部19は略水平とされており、その側面からは4本の棒状指向性アンテナ11,11,11,11が外側に向かって放射状に突出している。互いに隣接する指向性アンテナ11同士がなす角度はそれぞれ90度とされているため、指向性アンテナ11,11,11,11はアンテナ保持部19の側面の円周方向に均等に配設されていることとなる。また、指向性アンテナ11,11,11,11は、それぞれ伸長可能であり使用者が適宜引き出して使用することが可能となっている。
指向性アンテナ11,11,11,11はそれぞれ独立して放送電波を受信することが可能であり、それぞれ軸方向外側の方向に対して受信感度が高いものとなっている。すなわち、それぞれ軸方向外側の方向に対して受信感度が高い4本の指向性アンテナ11,11,11,11をアンテナ保持部19の周方向に均等に配置することにより、全方向に対して受信感度が良好なアンテナを構成することができる。かかる構成により、地上波のテレビジョン放送電波がスマートアンテナユニット10のいずれの方向から発信されたとしても、いずれかの指向性アンテナ11,11,11,11にて放送電波を受信することができる。すなわち、スマートアンテナユニット10が受信可能な放送電波の方向に指向性をなくすことができるため、より多くの放送局から発信されるテレビジョン放送電波を受信することができ、より多くのチャンネルを楽しむことが可能となる。
ただし、常時、全方向から放送電波を受信可能とすると、所望の放送局から発信される放送電波以外の方向から発信されるノイズ電波も受信してしまうこととなるため、受像するチャンネルに応じて受信可能とする指向方向を限定するような制御を行うものとしている。また、各指向性アンテナ11,11,11,11情報と入力される位相量をそれぞれ制御し、合成することにより、細かい指向方向の切換を行っている。以下、スマートアンテナユニット10の内部構成について説明する。
図2は、スマートアンテナユニット10の内部構成を概念的に示している。同図において、4本の指向性アンテナ11,11,11,11がそれぞれ位相器12,12,12,12と接続されている。位相器12,12,12,12は指向性アンテナ11,11,11,11から入力される信号の位相量をそれぞれ制御することができる回路であり、コントロールユニット20から出力されるバイアス電圧に応じて位相を遅らすことが可能となっている。位相器12,12,12,12にて位相量が制御された信号は合成器14に入力され、同合成器14にて合成される。合成器14にて合成された信号はブースター回路13に入力され、増幅される。
このように、4本の指向性アンテナ11,11,11,11から入力された信号の位相を可変させつつ合成させることにより、4本の指向性アンテナ11,11,11,11が軸方向のみならず任意の方向に指向性を持つようにすることができる。すなわち、各位相器12,12,12,12の位相量を適当な値に設定することにより、スマートアンテナユニット10により形成される主ビームの方向を任意の方向とすることができる。
図3は、コントロールユニット20の内部構成を概念的に示している。同図において、コントロールユニット20は、スマートアンテナユニット10における各位相器12,12,12,12の位相量を制御するアンテナコントロール部21と、スマートアンテナユニット10から周波信号を入力するチューナ部22とを備えている。コントロールユニット20はCPU28aの指令にしたがってスマートアンテナユニット10に設定する指向方向を切り換えるための信号を生成する。具体的には、各位相器12,12,12,12に出力するバイアス電圧を可変させることにより、スマートアンテナユニット10における指向方向を可変させている。コントロールユニット20は各位相器12,12,12,12に出力するバイアス電圧の組み合わせを記憶させるための図示しないROMを備えている。このバイアス電圧の組み合わせは16パターン記憶されており、コントロールユニット20はCPU28aの指令にしたがっていずれかのパターンを各位相器12,12,12,12に出力する。
すなわち、以上の構成によりスマートアンテナユニット10は16とおりの指向方向を実現することが可能となる。図4は、上記16パターンに対応する指向方向を表している。同図において、アンテナ保持部19を中心として放射状に均一な16方位の指向方向を設定することが可能となっている。すなわち、隣接し合う指向方向の角度差は360/16=22.5度で、均等となっている。このように、アンテナ保持部19を中心として均等に指向方向を設定することにより、いずれの方向から入射する放送電波にも追従することができる。なお、紙面上方の指向方向をD1とし、時計回りにD2,D3,D4・・・D16と識別するものと定義する。
図3に示すチューナ部22は、いわゆるシンセサイザ方式のテレビジョン受信システムの構成とされ、選局制御信号としてPLLデータ、すなわち、PLLループにおける可変分周回路の分周比のデータがチューナ部22に与えられる。また、チューナ部22では、CPU28a情報と選局制御信号としてのPLLデータを受けて、入力された周波信号から所望の周波数帯域の周波信号を抽出することにより、複数のチャンネルの中から一つのチャンネルを選択する。CPU28aはチューナ部22における周波数のずれを検出し、この検出結果に基づいてAFT電圧をチューナ部22に供給する。そして、チューナ部22がAFT電圧に応じて、抽出する周波数帯域を補正することにより、最適な選局が行われるようになっている。
チューナ部22の出力は、デジタル再生部23とアナログ再生部24のいずれかに供給される。すなわち、本実施形態にかかるコントロールユニット20は、デジタル放送とアナログ放送の双方を再生することが可能となっている。デジタル再生部23は、デジタルI/F23aと復調回路23bとデスクランブル部23cとデマルチプレックス部23dとMPEGデコーダ23gとから構成されている。チューナ部22から周波信号が入力されるデジタルI/F23aにはA/Dコンバータが備えられており、このデジタルI/F23aから信号の供給を受ける復調部には、チャンネルイコライザ、エラー訂正デコード部等も備えられている。
すなわち、デジタルI/F23aと復調回路23bは、チューナ部22から入力される周波信号をデジタル信号に変換するとともに、CPU28a情報と制御情報に基づいてデジタル復調した信号に対していわゆるゴーストキャンセルを行う。さらに、デジタルI/F23aと復調回路23bは、伝送路上で発生したビット誤りを訂正し、トランスポートストリーム(TS)出力を得る。なお、以上の処理において復調回路23bは、全体のデータに対する上記ビット誤りの割合をエラーレートとして検出している。
また、復調回路23bにて復調およびエラー訂正処理を行うことにより得られたトランスポートストリームはデスクランブル部23cに供給される。トランスポートストリームは、通常、スクランブルがかかっているため、このままでは適正に映像・音声を再生することはできない。そこで、デスクランブル部23cがトランスポートストリームに対してデ・スクランブル処理を行うことにより、トランスポートストリームを再生可能なデータ配列に復元する。デ・スクランブル処理が行われたトランスポートストリームは、映像信号や音声信号や文字情報等が多重化された形式となっており、デマルチプレックス部23dに供給される。デマルチプレックス部23dでは入力されたデータに対してデ・マルチプレックス処理を行う。すなわち、ここで多重化が解除される。なお、デスクランブル部23cとデマルチプレックス部23dとはそれぞれの処理を行う際にワークエリアとしてDRAM23eを利用することが可能である。
デ・マルチプレックス処理にて多重化が解除されると、映像信号および音声信号が所定の方式により圧縮されたMPEGデータと、例えば番組に関する文字情報といった映像信号や音声信号以外のデータに分離され、後者のデータはCPU28aに供給される。また、所定の周波数帯において複数のチャンネルのMPEGデータが多重化されて搬送される場合においては、これらについても多重化が解除される。前者のMPEGデータはMPEGデコーダ23gに供給され、同MPEGデコーダ23gにて圧縮解凍処理、つまりMPEGデコード処理が行われる。MPEGデータをMPEGデコード処理することにより、デジタル映像信号とデジタル音声信号とが生成され、同生成されたデジタル映像信号はさらにアナログの映像信号に変換される。
MPEGデコーダ23gはOSD処理部23hを備えており、映像に所定の静止画面を重ねて表示したり、所定の静止画像を差し替えて表示するなどの処理も行うことができるようにされている。OSD処理部23hは受信された文字情報等のデータをCPU28aから入力し、同文字情報等のデータに基づいて静止画像等を生成することが可能となっている。
なお、MPEGデコーダ23gはMPEGデコード処理やOSD処理を行う際にワークエリアとしてDRAM23fを利用することが可能である。このように、MPEGデコーダ23gは圧縮解凍処理を実行可能であるとともに、OSD処理部23hにてグラフィックス処理を実行可能になっている。そして、圧縮解凍・アナログ変換された映像信号は映像出力部26に供給され、同映像出力部26にて同映像信号がテレビジョン30に出力される。テレビジョン30に対してアナログ映像信号を出力する方式としては、コンポジット出力やSーVideo出力等の各種方式を採用することができる。
一方、MPEGデコード処理により生成された音声信号は、D/A変換部25に入力され、同D/A変換部25にてアナログ音声信号に変換される。このアナログ音声信号は音声出力部27に入力され、同音声出力部27からテレビジョン30に出力される。ただし、テレビジョン30がオプティカル入力端子等を備え、デジタル音声信号を受け付けることができれば、D/A変換部25を介することなくデジタル音声信号をそのままテレビジョン30に出力させても良い。
一方、アナログ再生部24は、アナログI/F24aと復調回路24bとNTSCデコーダ24dと音声デコーダ24eとから構成されている。アナログI/F24aと復調回路24bは、チューナ部22から入力される中間周波信号を増幅させるAGC回路24b1を備えている。AGC回路24b1における中間周波信号の増幅率はAGC電圧により規定されており、同AGC電圧は同AGC回路24b1にて増幅された中間周波信号の振幅レベルに応じて変動する。すなわち、AGC回路24b1はAGC電圧をフィードバック信号として中間周波信号を増幅させている。
具体的に、増幅された中間周波信号が強い場合には増幅率を低下させるべくAGC電圧を低下させ、増幅された中間周波信号が弱い場合には増幅率を増加させるべくAGC電圧を増加させる。すなわち、本実施形態においてAGC電圧が高いほどチューナ部22から入力される中間周波信号が弱いと言える。これにより、増幅された中間周波信号の振幅レベルをほぼ一定とすることができるため、各チャンネル間で再現される色に違いがないようにすることができる。また、AGC電圧は増幅された中間周波信号を所定の基準電圧と比較することにより生成されているため、増幅後の中間周波信号の振幅レベルは理想的な値を維持することができる。AGC電圧はCPU28aに出力されており、同出力されたAGC電圧に基づいてCPU28aが各種制御を実行させる。
復調回路24bは復調した中間周波信号を分離することにより、NTSC形式のアナログ映像信号とアナログ音声信号とを生成する。同生成されたアナログ映像信号はNTSCデコーダ24dに入力され、同NTSCデコーダ24dにてCCIR656形式のデジタル映像信号に変換される。なお、NTSC形式はアナログテレビジョン信号の標準形式であり、色を再現するための信号と15.75kHzの水平同期信号と60Hzの垂直同期信号等が含まれる。復調回路24bには水平同期信号と垂直同期信号とを抽出するための同期分離回路24b2が備えられている。そして、NTSCデコーダ24dは、この同期分離回路24b2が抽出した水平同期信号と垂直同期信号に基づいて同期の取れたデジタル映像信号を生成することが可能となっている。なお、CCIR656形式はYUVの各要素がデジタル階調で表現されるデジタル映像信号の形式である。一方、復調回路24bにて分離されたアナログ音声信号は音声デコーダ24eに供給され、同音声デコーダ24eにて左右独立したステレオ音声信号に分離される。
NTSCデコーダ24dにて生成されたデジタル映像信号は、MPEGデコーダ23gに入力され、上述と同様にOSD処理やアナログ変換が行われる。そして、アナログ変換された映像信号は映像出力部26に供給され、同映像出力部26からテレビジョン30に出力される。一方、音声信号が音声出力部27に入力され、同音声出力部27からテレビジョン30に出力される。
上述したCPU28aはバス29に接続されており、バス29に接続されたRAM28bをワークエリアとしながら、当該コントロールユニット20の各種機能を実現するための制御処理を実行する。この制御処理を実行するプログラムは、予めROM28cに格納されており、CPU28aは、適宜ROM28cから所定のプログラムをRAM28bに読み込みつつ制御処理を実行することになる。また、バス29には書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM28dが備えられており、CPU28aはEEPROM28dに記憶された各種データを使用して制御処理を実行する。
EEPROM28dに記憶されるデータの一例として、選局データ28d1が記憶されている。図5は、この選局データ28d1の一例を示している。選局データ28d1は、リモコン送信機40等にて指定可能なチャンネル番号と、チューナ部22にて抽出を行う周波数帯域と、受信に好適な指向方向D1〜D16とが対応づけられたテーブルであり、CPU28aが同テーブルを参照することにより指定されたチャンネル番号に対応した周波数帯域と受信に使用する指向方向D1〜D16を特定することが可能となっている。なお、本実施形態においてチューナ部22はシンセサイザ方式を採用しているため、チャンネル番号と分周比のデータとの対応関係が選局データ28d1として記憶されている。
このような選局データ28d1として、予め最適な組み合わせを記憶しておくことにより、最適な条件で各チャンネルを受像することができる。チャンネル番号毎に放送電波の発信局が異なり、スマートアンテナユニット10に対してチャンネル番号毎に異なる方向から放送電波が入射することが考えられる。従って、チャンネル番号に応じて放送電波の入射方向が合致する指向方向D1〜D16を予め設定しておくことは、良好な受信品質を確保するために重要である。最適な指向方向D1〜D16を特定する情報は、CPU28aを通じてアンテナコントロール部21に供給され、これに基づいて各位相器12,12,12,12にバイアス電圧が出力される。ここで、最適な指向方向D1〜D16とは、原則的に受像するチャンネル番号に対応する放送電波の放送局が存在する方向と一致する指向方向D1〜D16である。すなわち、放送局が存在する方向と一致する方向の指向方向D1〜D16を設定することにより、強い放送電波を受信すること可能となるとともに、他方向からのノイズ電波の影響を受けにくくすることができる。
また、EEPROM28dにはOSD処理部23hにてOSD画像を生成するためのOSDデータ28d2が記憶されている。CPU28aはリモコン送信機40からの指令や各回路の動作状況等に応じて、適宜、OSDデータ28d2を読み出して、OSD処理部23hにOSDデータ28d2を供給する。例えば、CPU28aが使用者に対して警告が必要であると判断すると、警告画面が生成可能なOSDデータ28d2を読み出して、OSD処理部23hに警告画面を映像に組み込むよう指令する。また、EEPROM28dにはスマートアンテナユニット10の設置位置を特定するための住所情報が格納された住所データ28d4や、放送電波の発信元である放送局についての情報が格納された放送局データ28d3等が記憶されている。このようなデータは、リモコンI/F28eやバスI/F28fやICカードI/F28gやLANI/F28hを介して入力され、EEPROM28dに記憶される。
バス29にはリモコン送信機I/F28eが接続されており、外部機器としてのリモコン送信機40から出力される赤外線明滅信号を入力可能になっている。この赤外線明滅信号はバス29を介してCPU28aに送出され、CPU28aは対応する制御処理を実行する。また、バス29には外部機器とケーブルを介して接続するためのバスI/F28fと、ICカードとデータを授受するためのICカードI/F28gとLAN規格に準拠した外部機器と通信を行うためのLANI/F28hが接続されている。バスI/F28fおよびICカードI/F28gから読み取った情報は、バス29を介してCPU28aに送出され、CPU28aにて所定の処理が行われる。
(2)スマートアンテナ設置作業:
図6は、スマートアンテナ設置作業の流れを示している。スマートアンテナ設置作業は、使用者がスマートアンテナユニット10の設置位置を変更する際に行われる作業である。同図において、スマートアンテナ設置作業を開始させると、まずステップS100にて選局データ28d1がEEPROM28dに予め記憶されているかどうかを検出し、選局データ28d1に定義されたチャンネル数(以下、チャンネル数Aと表記する。)を取得する。取得されたチャンネル数AはRAM28bに一時的に記憶される。なお、選局データ28d1がEEPROM28dに予め記憶されていない場合のチャンネル数Aは0であるものとする。
この選局データ28d1は上述のとおり最適な条件で各チャンネルを受像するためのデータであり、予め最適化がされていれば記憶されている。例えば、コントロールユニット20を新規に購入したときや、メモリをリセットをした後には記憶されていない場合がある。なお、ステップS100において、CPU28aは、リモコンI/F28eを介して使用者によるスマートアンテナ設置作業の開始の指示を受け付け、これに応じて選局データ28d1を検索し、チャンネル数Aを取得する。
ステップS110では、スマートアンテナユニット10の設置位置を特定するための住所情報が格納された住所データ28d4や、放送電波の発信元である放送局についての情報が格納された放送局データ28d3に基づいて規定チャンネル数(以下、規定チャンネル数Cと表記するものとする。)を算出する。住所データ28d4はスマートアンテナユニット10の設置位置を特定するための住所情報であるが、具体的にはスマートアンテナユニット10の設置位置を示す緯度および経度を表すデータである。この住所情報は予め使用者が登録することにより作成されている。
例えば、使用者がリモコン送信機40を操作し、使用者がスマートアンテナユニット10が設置する家の住所を入力することにより、スマートアンテナユニット10の設置位置を示す緯度および経度を表すデータを記憶することができる。この場合、使用者が入力した住所と、当該住所に対応する経度および緯度との対応関係を規定したルックアップテーブルを参照することにより、使用者が入力した住所を示す緯度および経度を表すデータを取得することができる。このルックアップテーブルは、入力され得る全住所についての経度および緯度を格納する必要があるため、膨大な情報量となる。従って、ルックアップテーブルをROM28cやEEPROM28d以外の記憶媒体に記憶させておいても良い。
例えば、コントロールユニット20の外部に記憶することも可能である。この場合、例えばバスI/F28fやLANI/F28hやICカードI/F28gからコントロールユニット20の外部に記憶されたルックアップテーブルにアクセスすることができる。むろん、LANI/F28hを経由してインターネット上に設けられたルックアップテーブルを参照するようにしても良い。いずれにしても、スマートアンテナ設置作業が行われる段階では、スマートアンテナユニット10の設置位置を特定するため経度および緯度の情報が住所データ28d4に格納されて記憶されている。なお、住所データ28d4は、一箇所についての住所や経度および緯度についての情報のみで構成されるため、データ量が大きくなることはない。
放送局データ28d3には、放送電波の発信元である放送局についての情報が格納されている。具体的には、各放送局が発信する放送電波の周波数や、各放送局が存在する経度および緯度等を示すデータが格納されている。放送局データ28d3は、EEPROM28dに記憶されているが、バスI/F28fやLANI/F28hやICカードI/F28gを介してコントロールユニット20に入力されている。例えば、LANI/F28hを経由してインターネット上に設けられた放送局についての情報を取得するようにしても良い。さらに、放送局についての情報は、所定の放送電波に搬送されて入力されるものであっても良い。
放送局データ28d3には各放送局についての経度と緯度を示すデータが記憶され、住所データ28d4にはスマートアンテナユニット10が設置される地点の経度と緯度が記憶されるため、ステップS110ではこれらの経度および緯度からスマートアンテナユニット10と各放送局との直線距離を算出することができる。一方、地上放送電波の到達可能距離は、外部環境によっても変動するが、経験的に知ることができる。ステップS110では、予め所定の値に設定された到達可能距離と、スマートアンテナユニット10と各放送局との直線距離とを比較し、到達可能距離よりもスマートアンテナユニット10との直線距離が小さい放送局のみを受信可能な放送電波を発信する放送局としてリストアップする。そして、リストアップされた放送局の情報に基づいて受信可能であると予測されるチャンネル数(以下、規定チャンネル数Cと表記するものとする。)を算出する。
なお、受信可能な放送電波を発信する放送局をリストアップするにあたっては、スマートアンテナユニット10と各放送局との直線距離の他に、各放送局から発信される放送電波の周波数毎の減衰特性や、経路中の地形情報や、各放送局の放送時間帯や、各放送局が採用する発信装置の仕様等に基づいて、より正確に放送局をリストアップするようにしても良い。なお、各放送局から発信されるチャンネル数は単一とは限らないため、規定チャンネル数Cを算出するにあたっては、各放送局から発信されるチャンネル数も考慮される。特に、デジタル放送電波であれば、単一の周波数帯域において複数のチャンネルを多重化させて放送することがあるため、このような多重化チャンネルについての情報を考慮することが望ましい。
また、規定チャンネル数Cは受信可能であると予測されるチャンネル数を意味するが、少しでも受信できる可能性があれば受信可能としても良いし、受信する可能性が高くなければ受信可能としないようにしても良い。本実施形態においては、受信する可能性が高くなければ受信可能としないようにするものとしている。具体的には、予め到達可能距離を短め(例えば、30km程度とする。)に設定しておくことにより、受信する可能性が高いチャンネルのみを抽出することができる。このようにすることにより、最低限受信できるであろうチャンネル数を規定チャンネル数Cとして算出することができる。算出された規定チャンネル数CはRAM28bに一時的に記憶される。
ステップS120においては、オートスキャンを実行させる。オートスキャンにおいては、チューナ部22が抽出する周波信号の周波数を全域にわたってシフトさせていく。全域にわたってシフトさせれば良く、周波数を徐々に増減させても良いし、ランダムに周波数をシフトさせても良い。また、各周波数においてスマートアンテナユニット10に設定する指向方向D1〜D16を順に切り換えていくことにより、各指向方向D1〜D16に対する各周波数の受信状態を検出する。
そして、各周波数においていずれの指向方向D1〜D16に設定しても所定の条件を満たす信号が検出されない場合には、当該周波数においては受信可能なチャンネルがないと判断される。一方、各周波数においていずれかの指向方向D1〜D16に設定したときに所定の条件を満たす信号が検出される場合には、当該周波数において受信可能なチャンネルが存在すると判断する。このような判断を全周波数領域において行うことにより、全周波数領域において受信可能なチャンネルが判明する。むろん、受信可能なチャンネルをカウントすることにより、検出された受信可能なチャンネル数(以下、チャンネル数Bと表記するものとする。)を取得することができる。
なお、各周波数において受信可能なチャンネルが存在すると判断するための上記所定の条件は種々のものを採用することができる。例えば、アナログチャンネルのスキャンにおいては信号強度やAGC電圧や同期信号の有無等を上記所定の条件として採用することができる。一方、デジタルチャンネルのスキャンにおいては信号強度やAGC電圧やエラーレート等を上記所定の条件として採用することができる。また、例えば信号強度を上記所定の条件とした場合には、各周波数において各指向方向D1〜D16の設定時にて受信される信号強度を比較する。
そして、最も理想的な信号強度となる指向方向D1〜D16を当該周波数のチャンネルを受信するための最も好適な指向方向D1〜D16であると特定する。ステップS130では、オートスキャンにて検出された受信可能なチャンネルと、当該チャンネルを受信するにあたりチューナ部22が抽出を行う周波数と、当該チャンネルを受信するにあたりアンテナコントロール部21が切り換える指向方向D1〜D16との対応関係を選局データ28d1に更新記憶させる。これにより、現在において最も良好な受信状態を実現できる選局データ28d1を記憶することができ、以降は選局データ28d1を使用して各チャンネルの選局を行うことが可能となる。
また、ステップS100の時点で予め選局データ28d1が記憶されているということは、過去にオートスキャンが実行されており、その結果が選局データ28d1として記憶されていることを意味する。従って、ステップS100にて取得されるチャンネル数Aは過去に行ったオートスキャンによって得られた受信可能なチャンネル数であると捉えることができる。これに対して、チャンネル数Bは直前のステップS120にて行ったオートスキャンで得られた受信可能なチャンネル数であると捉えることができる。
ステップS140では、RAM28bおよびEEPROM28dに記憶されたチャンネル数A,Bおよび規定チャンネル数Cを比較する。そして、オートスキャン(チャンネル検出工程)によって検出されたチャンネル数Bがチャンネル数Aおよび規定チャンネル数Cの双方よりも大きい場合には、ステップS150にてチャンネル数A,Bおよび規定チャンネル数Cを比較した比較結果を画像としてテレビジョン30の受像器に表示させる。具体的には、この画像を表示させるためのOSDデータ28d2が予めEEPROM28dに記憶されており、OSD処理部23hが同OSDデータ28d2を画像データに組み込むことにより、同画像が出力される。なお、OSDデータ28d2はROM28cに記憶されていても良い。
また、チャンネル数A,B,Cの比較結果は必ずしも映像によって伝達する必要はなく、音声によって伝達するようにしても良い。チャンネル数A,B,Cの比較結果は、少なくともチャンネル数A,B,Cが表示されていれば良く、必ずしもチャンネル数A,B,Cの大小関係が表示されていなくても良い。チャンネル数A,B,Cのみならず、チャンネル数A,B,Cについて具体的なチャンネル番号や周波数等を一覧化して比較表示させるようにしても良い。ステップ150においては、実際に検出されたチャンネル数Bが最低限受信可能であると考えられる規定チャンネル数C、および、これまで受信可能であったチャンネル数Aよりも多いことを確認することができるため、使用者はスマートアンテナユニット10の現在の受信状態が良好であることを認識することができる。
従って、スマートアンテナユニット10の設置位置を変更した上で、本スマートアンテナ設置作業を実行させたのであれば、変更後の設置位置が変更前の設置位置よりも好適な位置であることを知ることができる。また、実際に検出されたチャンネル数Bが、最低限受信可能であると考えられる規定チャンネル数Cよりも多いことを確認することができるため、最低限受信すべき規定チャンネル数Cを絶対的な基準として、現在のスマートアンテナユニット10の設置位置が適正であることを使用者が認識することができる。
一方、ステップS140にて、オートスキャン(チャンネル検出工程)によって検出されたチャンネル数Bがチャンネル数Aまたは規定チャンネル数Cのいずれか一方または双方よりも小さい場合には、ステップS160にて上述したものと同様の比較結果をテレビジョン30の受像器に表示させる。ただし、ここでは検出されたチャンネル数Bがチャンネル数Aまたは規定チャンネル数Cのいずれか一方または双方よりも小さいことが使用者によって認識されることとなる。スマートアンテナユニット10の設置位置を変更した上で、本スマートアンテナ設置作業を実行させたのであれば、変更後の設置位置が変更前の設置位置より受信状態が悪い位置であることを知ることができる。
さらに、ステップS160では比較結果に加え、”スマートアンテナを移動させて下さい”というメッセージを表示する。これにより、確実に変更後の設置位置が変更前の設置位置より受信状態が悪くなる位置であることを使用者に知らせるとともに、より好適な位置にスマートアンテナユニット10の設置位置を変更するよう使用者に促すことができる。むろん、スマートアンテナユニット10の設置位置の変更を促されても使用者が検出されたチャンネル数Bに満足しているのであれば、使用者はスマートアンテナユニット10を移動させることはない。この場合、ステップS170にてスマートアンテナユニット10の移動が確認されず、そのまま作業が終了する。すなわち、以降はステップS130において更新した選局データ28d1を使用して各チャンネルの選局を行うこととなる。
なお、ステップS170においてスマートアンテナユニット10が移動されたかどうかを確認するにあたっては、移動後に使用者からリモコン送信機40等に対してされる所定の入力を受け付けるようにすれば良い(位置変更確認工程)。ステップS170において、スマートアンテナユニット10の移動が確認された場合には、再びステップS120にてオートスキャンを実行させる。すなわち、新たなスマートアンテナユニット10の設置位置にて受信可能なチャンネルを検出する。ステップS120〜S140を繰り返すことにより、受信に好適な位置にスマートアンテナユニット10が設置されるまで、位置変更を繰り返し行わせることができる。
(3)変形例:
以上においては、本発明のチューナの機能を実現するコントロールユニット20とテレビジョン30とが別装置とされているが、テレビジョン30がスマートアンテナユニット10を直接コントロールするようにすることも可能である。図7は、そのための構成を示している。同図において、コントロールユニット20に備えられていた各種回路はテレビジョン130に備えられており、映像信号と音声信号はテレビジョン130に備えられるモニタおよびスピーカにそれぞれ出力されている。なお、モニタとして液晶パネルやプラズマパネル等のデジタル表示素子を適用する場合には、デジタル映像信号のままモニタに出力することが可能である。
(4)まとめ:
以上説明したように、本発明において、新たに検出した受信可能なチャンネル数Bを、予め最低限受信可能であると予想された規定チャンネル数Cと比較表示することにより、使用者は最低限受信可能なチャンネルが受信できるかどうかを認識することができる。さらに、新たに検出した受信可能なチャンネル数Bを、過去に受信可能であったチャンネル数Bと比較表示することにより、使用者は過去よりも受信状態が向上しているかどうかを認識することができる。すなわち、スマートアンテナユニット10の設置位置によって変動する受信状態を各チャンネル数A,B,Cとして把握することができるため、好適な位置にスマートアンテナユニット10が設置されているかどうかを簡単に判断することができる。
テレビジョン受信システムの外観斜視図である。 スマートアンテナユニットの回路ブロック図である。 コントロールユニットの回路ブロック図である。 指向方向を示す模式図である。 選局データを示す表である。 スマートアンテナ設置作業のフローチャートである。 変形例にかかるテレビジョン受信システムの回路ブロック図である。
符号の説明
10…スマートアンテナユニット
11…指向性アンテナ
12…位相器
13…ブースター回路
14…合成器
16…アンテナケーブル
17…脚部
18…柱部
19…アンテナ保持部
20…コントロールユニット
21…アンテナコントロール部
22…チューナ部
23…デジタル再生部
23b…復調回路
23c…デスクランブル部
23d…デマルチプレックス部
23e,23f…DRAM
23g…MPEGデコーダ
23h…OSD処理部
24…アナログ再生部
24b…復調回路
24b1…AGC回路
24b2…同期分離回路
24d…NTSCデコーダ
24e…音声デコーダ
26…映像出力部
27…音声出力部
28a…CPU
28b…RAM
28c…ROM
28d…EEPROM
28d1…選局データ
28d2…OSDデータ
28d3…放送局データ
28d4…住所データ
29…バス
30…テレビジョン
40…リモコン送信機

Claims (8)

  1. 複数の可変指向方向を有するスマートアンテナと、
    同スマートアンテナにおける同指向方向を切り換えるアンテナコントロール部と、同スマートアンテナにて受信した周波信号から所望の周波数成分を抽出するチューナ部と、同チューナ部にて抽出された周波信号から映像信号を生成する再生部とを備えるチューナとからなるテレビジョン受信システムにおいて、
    上記チューナは、
    上記チューナ部が抽出する周波数帯域をシフトさせつつ、同抽出された周波数成分に含まれる周波信号をスキャンすることにより受信可能なチャンネルと、当該チャンネルの受信に好適な上記指向方向とを検出するチャンネル検出手段と、
    使用者による上記スマートアンテナの位置変更の有無を確認する位置変更確認手段と、
    上記位置変更確認手段により上記スマートアンテナの位置変更が確認されたとき、上記チャンネル検出手段を実行させ、
    過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数と、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数との比較結果を使用者に伝達するとともに、
    直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数よりも少ないとき、および、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が放送電波を発信する放送局の位置を示す放送局情報と上記スマートアンテナの設置位置を示す住所情報とに基づいて算出された規定チャンネル数よりも少ないとき使用者に上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達する伝達手段とを具備することを特徴とするテレビジョン受信システム。
  2. 複数の可変指向方向を有するスマートアンテナと、
    同スマートアンテナにおける同指向方向を切り換えるアンテナコントロール部と、同スマートアンテナにて受信した周波信号から所望の周波数成分を抽出するチューナ部と、同チューナ部にて抽出された周波信号から映像信号を生成する再生部とを備えるチューナとからなるテレビジョン受信システムにおいて、
    上記チューナは、
    上記チューナ部が抽出する周波数帯域をシフトさせつつ、同抽出された周波数成分に含まれる周波信号をスキャンすることにより受信可能なチャンネルと、当該チャンネルの受信に好適な上記指向方向とを検出するチャンネル検出手段と、
    使用者による上記スマートアンテナの位置変更の有無を確認する位置変更確認手段と、
    上記位置変更確認手段により上記スマートアンテナの位置変更が確認されたとき、上記チャンネル検出手段を実行させ、同チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数を使用者に伝達する伝達手段とを具備することを特徴とするテレビジョン受信システム。
  3. 上記伝達手段は、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数と、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数との比較結果を使用者に伝達することを特徴とする請求項2に記載のテレビジョン受信システム。
  4. 上記伝達手段は、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が、過去に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数よりも少ないとき使用者に上記比較結果とともに上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達することを特徴とする請求項3に記載のテレビジョン受信システム。
  5. 上記伝達手段は、直前に実行させた上記チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数が所定の規定チャンネル数よりも少ないときに使用者に上記スマートアンテナの位置変更を促す旨を伝達することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載のテレビジョン受信システム。
  6. 少なくとも放送電波を発信する放送局の位置を示す放送局情報と、上記スマートアンテナの設置位置を示す住所情報とを記憶する情報記憶手段を具備するとともに、
    上記規定チャンネル数は、予め記憶された上記放送局情報と上記住所情報とに基づいて算出されることを特徴とする請求項5に記載のテレビジョン受信システム。
  7. 複数の可変指向方向を有するスマートアンテナの同指向方向を切り換えるアンテナコントロール部と、同スマートアンテナにて受信した周波信号から所望の周波数成分を抽出するチューナ部と、同チューナ部にて抽出された周波信号から映像信号を生成する再生部とを備えるチューナとを具備するチューナにおいて、
    上記チューナ部が抽出する周波数帯域をシフトさせつつ、同抽出された周波数成分に含まれる周波信号をスキャンすることにより受信可能なチャンネルと、当該チャンネルの受信に好適な上記指向方向とを検出するチャンネル検出手段と、
    使用者による上記スマートアンテナの位置変更の有無を確認する位置変更確認手段と、
    上記位置変更確認手段により上記スマートアンテナの位置変更が確認されたとき、上記チャンネル検出手段を実行させ、同チャンネル検出手段にて検出された受信可能なチャンネル数を使用者に伝達する伝達手段とを具備することを特徴とするチューナ。
  8. 複数の可変指向方向を有するスマートアンテナの同指向方向を切り換えるアンテナコントロール部と、同スマートアンテナにて受信した周波信号から所望の周波数成分を抽出するチューナ部と、同チューナ部にて抽出された周波信号から映像信号を生成する再生部とを用いて行うテレビジョン受信方法において、
    上記チューナ部が抽出する周波数帯域をシフトさせつつ、同抽出された周波数成分に含まれる周波信号をスキャンすることにより受信可能なチャンネルと、当該チャンネルの受信に好適な上記指向方向とを検出するチャンネル検出工程と、
    使用者による上記スマートアンテナの位置変更の有無を確認する位置変更確認工程と、
    上記位置変更確認工程により上記スマートアンテナの位置変更が確認されたとき、上記チャンネル検出工程を実行させ、同チャンネル検出工程にて検出された受信可能なチャンネル数を使用者に伝達する伝達工程とを具備することを特徴とするテレビジョン受信方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015162715A (ja) * 2014-02-26 2015-09-07 船井電機株式会社 テレビ放送受信装置およびテレビ放送受信装置の設定方法

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