(第1の実施形態)
以下、本発明による第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態による放送受信機の構成例を示すブロック図である。図1において、1は受信アンテナであり、送信設備から送られる電波、例えばディジタルテレビ放送の電波を受信する。2は第1のチューナであり、3は第2のチューナである。受信アンテナ1で受信された放送の電波は分配され、これらの第1のチューナ2及び第2のチューナ3に供給される。第1のチューナ2及び第2のチューナ3では、受信した放送の電波から、選択したチャンネルに合致した受信周波数の信号を選択的に抽出して出力する。
4は操作部であり、ユーザが所望のチャンネルを選局したり、チャンネルスキャンモードに移行したりする操作を行うものである。5は制御部であり、操作部4によって選局操作されたチャンネルを選局する選局制御信号を生成し、第1のチューナ2へ出力する。
また、制御部5は、操作部4によってチャンネルスキャンモードに移行するチャンネルスキャンキーが操作されたときには、複数のチャンネルを所定の順番で一巡させてスキャンを行うチャンネルスキャン制御信号を生成する。そして、制御部5では、チャンネルスキャン制御信号に基づいて、チャンネルを選局する選局制御信号を各チャンネル毎に生成し第2のチューナ3へ出力する。第2のチューナ3では、制御部5から選局制御信号を入力して、この選局制御信号に基づいてチャンネルのスキャンを行う。ここで、第2のチューナ3における選局をスキャンと呼んでいる。
また、制御部5は、第2のチューナ3においてスキャンしたチャンネルがCM放送中であった場合には、前述した所定の順番に従って、次のチャンネルをスキャンするための選局制御信号を第2のチューナ3へ出力する。第2のチューナ3では、制御部5から選局制御信号を入力して、この選局制御信号に基づいて次のチャンネルのスキャンを行う。
また、制御部5は、第2のチューナ3においてスキャンしたチャンネルがCM放送中でなかった場合には(本編を放送中)、第1の所定時間(例えば10秒)毎に、CMではなく本編を放送中のチャンネルに関する選局制御信号を第1のチューナ2に出力する。ここで、第2のチューナ3におけるチャンネルのスキャンは本編を放送中のチャンネルが見つかるまで継続されるので、第1のチューナ2に対して本編を放送中のチャンネルを選局するための選局制御信号が出力された時間から、第1の所定時間よりも短い第2の所定時間(例えば8秒)が経過した後に、第2のチューナ3に対して前述した本編を放送中のチャンネルの次に選局すべきチャンネルを選局するための選局制御信号が出力される。
6は第1の復調部であり、第1のチューナ2より入力した信号を復調して受信データを得る。7は第1のデータ分離部であり、第1の復調部6より入力した受信データをオーディオデータ、ビデオデータ、番組データに分離する。ここで、番組データは、番組情報を示す画像を生成するために使用される。
8はオーディオデコード部であり、第1のデータ分離部7によって分離されたオーディオデータをデコードする。9は音声処理部であり、オーディデータデコード部8によってデコードされたオーディオデータより音声を生成する。10はスピーカであり、音声処理部9によって生成された音声を外部に出力する。
11はビデオデータデコード部であり、第1のデータ分離部7によって分離されたビデオデータをデコードする。12は画像形成部であり、ビデオデータデコード部11によってデコードされたビデオデータより画像を形成する。13は画像表示部であり、画像形成部12によって形成された画像を表示する。
14は第2の復調部であり、第2のチューナ3より入力した信号を復調して受信データを得る。15は第2のデータ分離部であり、第2の復調部14より入力した受信データをオーディオデータ、ビデオデータ、番組データに分離する。ここで、本実施形態では、番組データのみを使用する。
16はCM検出部であり、制御部5によって制御され、第2のデータ分離部15によって分離された番組データに付加されているCMフラグやCM放送を示す文字列、CM放送を示すファイル名等により、受信データによる放送内容がCMであるか否かを検出する。17はチャンネルメモリであり、CM検出部16にて受信データによる放送内容がCMであることを検出したときに、制御部5によって、CMを放送しているチャンネルを識別する情報を記憶する。
ここで、操作部4によってチャンネルスキャンモードに移行するチャンネルスキャンキーが操作されたときには、制御部5では、チャンネルスキャン制御信号を生成し、このチャンネルスキャン制御信号に基づいて、複数のチャンネルを所定の順番で一巡させてスキャンを行う。
このスキャンにおいて、制御部5では、最初にスキャンすべきチャンネルを選局するための選局制御信号を第2のチューナ3に出力する。この選局制御信号に基づき第2のチューナ3においてスキャンした先のチャンネルがCM放送中であることをCM検出部16により検出したときには、制御部5は、そのチャンネルを識別するための情報をチャンネルメモリ17に記憶する。
一方、スキャンした先のチャンネルがCM放送中であることをCM検出部16により検出しなかったときには、制御部5は、スキャンした先のチャンネルが番組の本編を放送中であると判断し、そのチャンネルを選局するための選局制御信号を第1のチューナ2に出力する。
第1のチューナ2では、制御部5から選局制御信号を入力し、それに応じたチャンネルを選局して放送の電波の受信を行う。そして、そのチャンネルの放送内容を示す音声をスピーカ10より出力し、そのチャンネルの放送内容を示す映像を画像表示部13に表示する。
この状態が継続される第1の所定時間、例えば10秒間を経過するまでには、第1のチューナ2において選局する本編放送中である次のチャンネルを決定しなければならない。従って、10秒間を経過するよりも前に、チャンネルスキャン制御信号に基づいて、第2のチューナ3に対して次のチャンネルのスキャンを行い、次のチャンネルがCM放送中であるか否かを前もって判断する。
このとき、第2のチューナ3においてスキャンした次のチャンネルがCM放送中であることをCM検出部16により検出したときには、そのチャンネルを識別するための情報をチャンネルメモリ17に記憶する。そして、更に次のチャンネルのスキャンを行い、それがCM放送中か否かを判断する。この間、第1のチューナ2では、前に選択されていた本編を放送中のチャンネルの音声及び映像を継続して出力する。
一方、スキャンした次のチャンネルがCM放送中であることをCM検出部16により検出しなかったときには、制御部5は、スキャンした次のチャンネルが番組の本編を放送中であると判断し、前のチャンネルの選択開始から第1の所定時間(例えば10秒間)を経過したタイミングで、そのチャンネルを選局するための選局制御信号を第1のチューナ2に出力する。
第1のチューナ2では、制御部5から選局制御信号を入力し、それに応じたチャンネルを選局して放送の電波の受信を行う。そして、そのチャンネルの放送内容を示す音声をスピーカ10より出力し、そのチャンネルの放送内容を示す映像を画像表示部13に表示する。
そして、制御部5は、第2のチューナ3において、チャンネルスキャン制御信号によりスキャンすべきチャンネルを一巡したか否かを調べる。一巡したときには、チャンネルメモリ17に記憶されている情報に基づいて、スキャンしたときにCM放送中だったチャンネルがあるか否かを調べる。そして、CM放送中だったチャンネルがあるときには、第2のチューナ3においてそのチャンネルのスキャンを再度行う。ここで、CM放送中だったチャンネルが複数あるときには、第2のチューナ3においてCM放送中だった全てのチャンネルのスキャンを再度行う。
CM放送中だったチャンネルのスキャンを再度行っても、依然としてCM放送中である場合には、そのチャンネルのスキャンが何度も繰り返されてしまう。そこで、チャンネルの再スキャンは一回のみ行うようにしている。また、CM放送中だったチャンネルが複数あるときには、CM放送中だった全てのチャンネルの再スキャンを一回のみ行うようにしている。
図2は、第1の実施形態による放送受信機の動作及びチャンネルスキャン方法を示すフローチャートである。まず、操作部4によってチャンネルスキャンキーが操作されると、チャンネルスキャンモードが開始される。このチャンネルスキャンモードが開始されると、現在、第1のチューナ2によって受信した信号によりスピーカ10及び画像表示部13に出力されている放送内容をそのままの状態として、第2のチューナ3を使用してバックグランドでチャンネルのスキャンが行われる。
すなわち、制御部5では、チャンネルスキャン制御信号を生成し、このチャンネルスキャン制御信号に基づいて、複数のチャンネルを所定の順番で一巡させてスキャンを行う。制御部5では、最初にスキャンすべきチャンネルを選局するための選局制御信号を第2のチューナ3に出力する。第2のチューナ3では、入力した選局制御信号に基づいてチャンネルのスキャンを行う(ステップS1)。
そして、スキャン先のチャンネルがCM放送中であるか否かを調べる(ステップS2)。具体的には、第2の復調部14では、第2のチューナ3より入力した信号を復調して受信データを得て第2のデータ分離部15に出力する。第2のデータ分離部15では、第2の復調部14より入力した受信データをオーディオデータ、ビデオデータ、番組データに分離する。そして、第2のデータ分離部15で分離された番組データに付加されているCMフラグ等により、スキャンした先のチャンネルがCM放送中であるか否かを調べる。
スキャン先のチャンネルがCM放送中である場合には(ステップS2にてYES)、そのチャンネルを識別するための情報をチャンネルメモリ17に記憶する(ステップS3)。一方、スキャン先のチャンネルがCM放送中ではない場合には(ステップ2にてNO)、制御部5は、スキャン先のチャンネルが最初にスキャンしたチャンネルであるか否かを調べる(ステップS4)。
スキャン先のチャンネルが最初にスキャンしたチャンネルであると判断されたときには(ステップS4にてYES)、そのチャンネルでは、番組の本編を放送中であるから、制御部5は、そのチャンネルを選局するための選局制御信号を生成して第1のチューナ2に出力する。第1のチューナ2では、入力した選局制御信号に基づいて選局が行われる(ステップS6)。
一方、スキャン先のチャンネルが最初にスキャンしたチャンネルではないと判断されたときには(ステップS4にてNO)、第1のチューナ2において、第2のチューナ3でスキャンした結果により制御部5から入力した選局制御信号に基づく選局が行われてから第1の所定時間(例えば10秒)が経過したか否かを調べる(ステップS5)。
第1の所定時間が経過していないと判断された場合には(ステップS5にてNO)、ステップS5の処理を繰り返し、第1の所定時間が経過したと判断された場合には、制御部5は、第2のチューナ3にてスキャンしたチャンネルを選局するための選局制御信号を生成して第1のチューナ2に出力する。第1のチューナ2では、入力した選局制御信号に基づいて選局が行われる(ステップS6)。
そして、制御部5では、第2のチューナ3にてスキャンしたチャンネルを選局するための選局制御信号に基づいて第1のチューナ2で選局が行われてから第2の所定時間(例えば8秒)が経過したか否かを調べる(ステップS7)。第2の所定時間が経過していない場合には(ステップS7にてNO)、ステップS7の処理を繰り返す。
一方、第2の所定時間が経過した場合には(ステップS7にてYES)、制御部5は、第2のチューナ3においてスキャンすべき各チャンネルに対するスキャンが一巡したか否かを調べる(ステップS8)。スキャンが一巡していない場合には(ステップS8にてNO)、第2のチューナ3にて次にスキャンすべきチャンネルに移行する(ステップS9)。そして、ステップS1の処理に戻る。
一方、第2のチューナ3においてスキャンが一巡した場合には(ステップS8にてYES)、制御部5は、チャンネルメモリ17に記憶されている全てのチャンネルに対して二回目のスキャンを行ったか否かを調べる(ステップS10)。ここで、チャンネルメモリ17に記憶されているチャンネルは、一回目のスキャン時にCM放送中だったチャンネルである。
チャンネルメモリ17に記憶されている全てのチャンネルに対して二回目のスキャンを行った場合には(ステップS10にてYES)、チャンネルスキャンモードを終了する。一方、チャンネルメモリ17に記憶されている全てのチャンネルに対して二回目のスキャンを行っていない場合には(ステップS10にてNO)、制御部5は、第2のチューナ3にてチャンネルメモリ17に記憶されている次にスキャンすべきチャンネルに移行する(ステップS11)。そして、ステップS1の処理に戻る。ここで、チャンネルメモリ17に記憶されているチャンネルをスキャンする順番は、チャンネルスキャン制御信号により設定された所定の順番に従っている。
次に、第1の実施形態によるチャンネルスキャンの具体例を図面に基づいて説明する。図3は、第1の実施形態によるチャンネルスキャンの例を示す図である。図3において、本実施形態によるチャンネルスキャンモードでは、第2のチューナ3にてCh_A、Ch_B、Ch_C、Ch_D、Ch_Eの順番でチャンネルがスキャンされる。また、チャンネルスキャンモードを開始したときにユーザに視聴されているチャンネルはCh_Eである。
チャンネルスキャンモードが開始されると、第1のチューナ2を使用してCh_Eの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力されている状態で、第2のチューナ3を使用してバックグランドでCh_Aのスキャンが行われる。Ch_Aでは番組の本編を放送中であるから、制御部5は、Ch_Aを選局するための選局制御信号を第1のチューナ2に出力する。第1のチューナ2では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Aの選局を行い、Ch_Aの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力される。ここで、Ch_Aの放送内容を示す音声及び映像は、続いてスキャンされる他のチャンネルで番組の本編を放送中であることを制御部5が検出し、そのチャンネルの放送内容を示す音声及び映像が出力されるまでの第1の所定時間(例えば10秒)に渡って出力される。
制御部5は、Ch_Aの放送内容を示す音声及び映像が出力されて第1の所定時間が経過する前の第2の所定時間(例えば8秒)が経過した時点で、Ch_Bのスキャンを行う。Ch_BではCM放送中であるから、Ch_Bを示す識別情報をチャンネルメモリ17に記憶して、Ch_Cのスキャンを行う。
Ch_Bと同様にCh_CでもCM放送中であるから、Ch_Cを示す識別情報をチャンネルメモリ17に記憶して、Ch_Dのスキャンを行う。Ch_Dでは、番組の本編を放送中であるから、制御部5は、Ch_Aが選局されてから第1の所定時間が経過したタイミングで、Ch_Dを選局するための選局制御信号を第1のチューナ2に出力する。第1のチューナ2では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Dの選局を行い、Ch_Dの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力される。
ここで、Ch_Aの放送内容を示す音声及び映像が出力されてからCh_Dの放送内容を示す音声及び映像が出力されるまでの時間は第1の所定時間(例えば10秒)であるから、その間にCh_B〜Ch_Dのスキャンが行われなければならない。ただし、Ch_Aの放送内容を示す音声及び映像が出力されてからすぐにCh_Bのスキャンを開始してしまうと、Ch_Bをスキャンした時にCMを放送中であってもCh_Aの放送内容を示す音声及び映像を所定時間に渡って出力している間に番組の本編の放送に切り替わる可能性がある。従って、次のチャンネルをスキャンするタイミングは、放送内容を示す音声及び映像を出力している第1の所定時間が経過する直前である第2の所定時間が経過した後であることが好ましい。例えば、放送内容を示す音声及び映像を出力している第1の所定時間が10秒間である場合には、次のチャンネルをスキャンするタイミングである第2の所定時間、例えば8秒程度経過した後であることが好ましい。
そして、制御部5は、Ch_Dの放送内容を示す音声及び映像が出力されて第1の所定時間が経過する前の第2の所定時間が経過した時点で、Ch_Eのスキャンを行う。Ch_Eでは、番組の本編を放送中であるから、制御部5は、Ch_Eを選局するための選局制御信号を第1のチューナ2に出力する。第1のチューナ2では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Eの選局を行い、Ch_Eの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力される。
Ch_Eまでスキャンを行うことで、スキャンすべきチャンネルは一巡したことになるので、次に、チャンネルメモリ17に記憶されている情報に基づいて二回目にスキャンすべきチャンネルがあるか否かを調べる。チャンネルメモリ17にはCh_B及びCh_Cを示す識別情報が記憶されているので、その識別情報に基づいて、Ch_B及びCh_Cのスキャンを再度行う。まず、制御部5は、第2のチューナ3を使用してCh_Bのスキャンを行う。Ch_Bでは、CMの放送が終わって番組の本編を放送中であるから、制御部5は、Ch_Bを選局するための選局制御信号を第1のチューナ2に出力する。第1のチューナ2では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Bの選局を行い、Ch_Bの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力される。
そして、制御部5は、Ch_Bの放送内容を示す音声及び映像が出力されて第1の所定時間が経過する前の第2の所定時間が経過した時点で、第2のチューナ3を使用してCh_Cのスキャンを行う。Ch_Cでは、CMの放送が終わって番組の本編を放送中であるから、制御部5は、Ch_Cを選局するための選局制御信号を第1のチューナ2に出力する。第1のチューナ2では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Cの選局を行い、Ch_Cの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力される。
ここで、チャンネルメモリ17に記憶されている全てのチャンネルに対して二回目のスキャンを行った場合には、チャンネルスキャンモードを終了する。
以上詳しく説明したように、第1の実施形態によれば、チャンネルスキャンをする際に、スキャン先のチャンネルがCM放送中である場合、そのチャンネルをスキップして選局を行い、スキップしたチャンネルは後のタイミングで再度スキャンを行うので、CM放送中だったチャンネルはスキャンすべきチャンネルが全てスキャンされた後に自動的に再度スキャンを行うことができる。従って、ユーザは、チャンネルスキャンの操作を再度行ったり、チャンネルスキャンが終了した後にCM放送中だったチャンネルを選局して再度確認したりすることなしに、各チャンネルでどのような番組が放送されているかを確認することができる。また、チャンネルスキャンを行った際に、本編の映像や音声が出力されるので、ユーザに対して各チャンネルでどのような番組が放送されているかを直感的に判断させることができる。また、チャンネルスキャンをする際に、第2のチューナ3を使用してバックグランドで各チャンネルのスキャンを行ってから、番組の本編を放送中のチャンネルについてのみ、第1のチューナ2を使用して映像及び音声を出力するようにしているので、CM放送を示す映像や音声が出力されなくなる。
(第2の実施形態)
以下、本発明による第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図4は、第2の実施形態による放送受信機の構成例を示すブロック図である。なお、図1と同一の構成要素については同じ符号を付し、説明を一部省略する。図4において、21はチューナであり、受信アンテナ1で受信した放送の電波から、選択したチャンネルに合致した受信周波数の信号を選択的に抽出して出力する。
22は制御部であり、操作部4によって選局操作されたチャンネルを選局する選局制御信号を生成し、チューナ21へ出力する。また、制御部22は、操作部4によってチャンネルスキャンモードに移行するチャンネルスキャンキーが操作されたときには、複数のチャンネルを所定の順番で一巡させてスキャンを行うチャンネルスキャン制御信号を生成する。そして、制御部22では、チャンネルスキャン制御信号に基づいて、チャンネルを選局する選局制御信号を各チャンネル毎に生成しチューナ21へ出力する。チューナ21では、制御部22から選局制御信号を入力して、この選局制御信号に基づいてチャンネルのスキャンを行う。
また、制御部22は、チューナ21においてスキャンしたチャンネルがCM放送中であった場合には、前述した所定の順番に従って、次のチャンネルをスキャンするための選局制御信号をチューナ21へ出力する。チューナ21では、制御部22から選局制御信号を入力して、この選局制御信号に基づいて次のチャンネルのスキャンを行う。
また、制御部22は、チューナ21においてスキャンしたチャンネルがCM放送中でなかった場合には(本編を放送中)、第1の所定時間(例えば10秒)毎に、CMではなく本編を放送中のチャンネルに関する選局制御信号をチューナ21に出力する。
23は復調部であり、チューナ21より入力した信号を復調して受信データを得る。24はデータ分離部であり、復調部23より入力した受信データをオーディオデータ、ビデオデータ、番組データに分離する。
25はCM検出部であり、制御部22によって制御され、データ分離部24によって分離された番組データに付加されているCMフラグやCM放送を示す文字列、CM放送を示すファイル名等により、受信データによる放送内容がCMであるか否かを検出する。26はチャンネルメモリであり、CM検出部25にて受信データによる放送内容がCMであることを検出したときに、制御部22によって、CMを放送しているチャンネルを識別する情報を記憶する。
ここで、操作部4によってチャンネルスキャンモードに移行するチャンネルスキャンキーが操作されたときには、制御部22では、チャンネルスキャン制御信号を生成し、このチャンネルスキャン制御信号に基づいて、複数のチャンネルを所定の順番で一巡させてスキャンを行う。
このスキャンにおいて、制御部22では、最初にスキャンすべきチャンネルを選局するための選局制御信号をチューナ21に出力する。この選局制御信号に基づきチューナ21においてスキャンした先のチャンネルがCM放送中であることをCM検出部25により検出しなかったときには、制御部22は、スキャンした先のチャンネルが番組の本編を放送中であると判断し、そのチャンネルの放送内容を示す音声をスピーカ10より出力させ、そのチャンネルの放送内容を示す映像を画像表示部13に出力させる。
制御部22は、この状態が継続される第1の所定時間、例えば10秒間を経過した時点でチャンネルスキャン制御信号に基づいて、次のチャンネルのスキャンを行う。
一方、スキャンした先のチャンネルがCM放送中であることをCM検出部25により検出したときには、制御部22は、そのチャンネルを識別するための情報をチャンネルメモリ26に記憶する。そして、そのチャンネルの放送内容(CM放送)を示す音声をスピーカ10より出力させ、そのチャンネルの放送内容(CM放送)を示す映像を画像表示部13に出力させる。
ここで、CM放送を示す音声及び映像は出来るだけ出力されない方が良いので、制御部22は、すぐにチャンネルスキャン制御信号に基づいて、次のチャンネルのスキャンを行う。
そして、制御部22は、チューナ21において、チャンネルスキャン制御信号によりスキャンすべきチャンネルを一巡したか否かを調べる。一巡したときには、チャンネルメモリ26に記憶されている情報に基づいて、スキャンしたときにCM放送中だったチャンネルがあるか否かを調べる。そして、CM放送中だったチャンネルがあるときには、そのチャンネルのスキャンを再度行う。ここで、CM放送中だったチャンネルが複数あるときには、CM放送中だった全てのチャンネルのスキャンを再度行う。
CM放送中だったチャンネルのスキャンを再度行っても、依然としてCM放送中である場合には、そのチャンネルのスキャンが何度も繰り返されてしまう。そこで、チャンネルの再スキャンは一回のみ行うようにしている。また、CM放送中だったチャンネルが複数あるときには、CM放送中だった全てのチャンネルの再スキャンを一回のみ行うようにしている。
図5は、第2の実施形態による放送受信機の動作及びチャンネルスキャン方法を示すフローチャートである。まず、操作部4によってチャンネルスキャンキーが操作されると、チャンネルスキャンモードが開始される。
制御部22では、チャンネルスキャン制御信号を生成し、このチャンネルスキャン制御信号に基づいて、複数のチャンネルを所定の順番で一巡させてスキャンを行う。制御部22では、最初にスキャンすべきチャンネルを選局するために、選局制御信号をチューナ21に出力する。チューナ21では、入力した選局制御信号に基づいてチャンネルのスキャンを行う(ステップS21)。チューナ21では、入力した選局制御信号に基づいて選局が行われ、そのチャンネルの放送内容を示す音声及び映像が出力される(ステップS22)。
制御部22では、スキャン先のチャンネルがCM放送中であるか否かを調べる(ステップS23)。具体的には、復調部23では、チューナ21より入力した信号を復調して受信データを得てデータ分離部24に出力する。データ分離部24では、復調部23より入力した受信データをオーディオデータ、ビデオデータ、番組データに分離する。そして、データ分離部24で分離された番組データに付加されているCMフラグ等により、スキャンした先のチャンネルがCM放送中であるか否かを調べる。
スキャン先のチャンネルがCM放送中ではない場合には(ステップS23にてNO)、番組の本編を放送中であるから、制御部22は、そのチャンネルのスキャンが行われてから第1の所定時間(例えば10秒)が経過したか否かを調べる(ステップS24)。第1の所定時間が経過しない場合には(ステップS24にてNO)、ステップS24の処理を繰り返す。また、第1の所定時間が経過した場合には(ステップS24にてYES)、次のステップS26に移行する。
一方、スキャン先のチャンネルがCM放送中である場合には(ステップS23にてYES)、そのチャンネルを識別するための情報をチャンネルメモリ26に記憶する(ステップS25)。そして、次のステップS26に移行する。
ここで、ステップS23においてスキャン先のチャンネルがCM放送中である場合には(ステップS23にてYES)、そのチャンネルを識別する情報をチャンネルメモリ26に記憶してからすぐにステップS26の処理が行われるが、スキャン先のチャンネルがCM放送中ではない場合には(ステップS23にてNO)、そのチャンネルの放送内容を示す音声及び映像を第1の所定時間に渡って出力させてからステップS26の処理が行われる。
そして、制御部22は、チューナ21においてスキャンが一巡したか否かを調べる(ステップS26)。スキャンが一巡していない場合には(ステップS26にてNO)、次にスキャンすべきチャンネルに移行する(ステップS27)。そして、ステップS21の処理に戻る。
一方、スキャンが一巡した場合には(ステップS26にてYES)、制御部22は、チャンネルメモリ26に記憶されている全てのチャンネルに対して二回目のスキャンを行ったか否かを調べる(ステップS28)。ここで、チャンネルメモリ26に記憶されているチャンネルは、一回目のスキャン時にCM放送中だったチャンネルである。
チャンネルメモリ26に記憶されている全てのチャンネルに対して二回目のスキャンを行った場合には(ステップS28にてYES)、チャンネルスキャンモードを終了する。一方、チャンネルメモリ26に記憶されている全てのチャンネルに対して二回目のスキャンを行っていない場合には(ステップS28にてNO)、制御部22は、チャンネルメモリ26に記憶されている次にスキャンすべきチャンネルに移行する(ステップS29)。そして、ステップS21の処理に戻る。ここで、チャンネルメモリ26に記憶されているチャンネルをスキャンする順番は、チャンネルスキャン制御信号により設定された所定の順番に従っている。
次に、第2の実施形態によるチャンネルスキャンの具体例を図面に基づいて説明する。図6は、第2の実施形態によるチャンネルスキャンの例を示す図である。図6において、本実施形態によるチャンネルスキャンモードでは、Ch_A、Ch_B、Ch_C、Ch_D、Ch_Eの順番でチャンネルがスキャンされる。また、チャンネルスキャンモードを開始したときにユーザに視聴されているチャンネルはCh_Eである。
チャンネルスキャンモードが開始されると、Ch_Aのスキャンが行われる。制御部22は、チューナ21対してCh_Aを選局するための選局制御信号を出力し、チューナ21では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Aの選局を行う。そして、Ch_Eの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力されている状態から、Ch_Aの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力されるように切り替わる。ここで、Ch_Aでは番組の本編を放送中であるから、Ch_Aの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に第1の所定時間(例えば10秒)に渡って継続して出力される。
そして、Ch_Aの番組が第1の所定時間に渡って放送された後に、Ch_Bのスキャンが行われる。制御部22は、チューナ21対してCh_Bを選局するための選局制御信号を出力し、チューナ21では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Bの選局を行う。そして、Ch_Bの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力され、この状態でCMが放送されているか否かを検出する。Ch_BではCM放送中であるから、Ch_Bを示す識別情報をチャンネルメモリ26に記憶して、Ch_Cのスキャンを行う。
Ch_Cのスキャンが行われると、制御部22は、チューナ21対してCh_Cを選局するための選局制御信号を出力し、チューナ21では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Cの選局を行う。そして、Ch_Cの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力され、この状態でCMが放送されているか否かを検出する。Ch_Bと同様にCh_CでもCM放送中であるから、Ch_Cを示す識別情報をチャンネルメモリ26に記憶して、Ch_Dのスキャンを行う。
ここで、番組の本編を放送中であるCh_Aの放送内容を示す音声及び映像が出力される第1の所定時間は、CM放送中であるCh_Bの放送内容を示す音声及び映像が出力されてからCh_Cの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力されるまでの時間よりも長く設定されている。以下同様に、番組の本編を放送中であるチャンネルの放送内容を示す音声及び映像が出力される第1の所定時間は、CM放送中であるチャンネルの放送内容を示す音声及び映像が出力される時間よりも長く設定されている。
Ch_Dのスキャンが行われると、制御部22は、チューナ21対してCh_Dを選局するための選局制御信号を出力し、チューナ21では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Dの選局を行う。そして、Ch_Dの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力され、この状態でCMが放送されているか否かを検出する。Ch_Dでは番組の本編を放送中であるから、Ch_Dの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に第1の所定時間(例えば10秒)に渡って継続して出力される。
そして、Ch_Dの番組が第1の所定時間に渡って放送された後に、Ch_Eのスキャンが行われる。制御部22は、チューナ21対してCh_Eを選局するための選局制御信号を出力し、チューナ21では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Eの選局を行う。そして、Ch_Eの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力され、この状態でCMが放送されているか否かを検出する。Ch_Eでは番組の本編を放送中であるから、Ch_Eの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に第1の所定時間に渡って継続して出力される。
Ch_Eまでスキャンを行うことで、スキャンすべきチャンネルは一巡したことになるので、次に、チャンネルメモリ26に記憶されている情報に基づいて二回目にスキャンすべきチャンネルがあるか否かを調べる。チャンネルメモリ26にはCh_B及びCh_Cを示す識別情報が記憶されているので、その識別情報に基づいてCh_BとCh_Cのスキャンを再度行う。まず、制御部22は、チューナ21を使用してCh_Bのスキャンを行う。制御部22は、チューナ21対してCh_Bを選局するための選局制御信号を出力し、チューナ21では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Bの選局を行う。そして、Ch_Bの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力される。この状態でCMが放送されているか否かを検出する。Ch_Bでは番組の本編を放送中であるから、Ch_Bの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に第1の所定時間に渡って継続して出力される。
次に、Ch_Bの番組が第1の所定時間に渡って放送された後に、Ch_Cのスキャンが行われる。制御部22は、チューナ21対してCh_Cを選局するための選局制御信号を出力し、チューナ21では、入力した選局制御信号に基づいてCh_Cの選局を行う。そして、Ch_Cの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に出力され、この状態でCMが放送されているか否かを検出する。Ch_Cでは番組の本編を放送中であるから、Ch_Cの放送内容を示す音声及び映像がスピーカ10及び画像表示部13に第1の所定時間に渡って継続して出力される。
ここで、チャンネルメモリ26に記憶されている全てのチャンネルに対して二回目のスキャンを行った場合には、チャンネルスキャンモードを終了する。
以上詳しく説明したように、第2の実施形態によれば、チャンネルスキャンを行う際に、スキャン先のチャンネルがCM放送中である場合、そのチャンネルを選局した時点で次にスキャンすべきチャンネルのスキャンを行い、CM放送中であったチャンネルは後のタイミングで再度スキャンを行うので、CM放送中だったチャンネルはチャンネルスキャンすべきチャンネルが全てスキャンされた後に自動的に再度スキャンを行うことができる。従って、ユーザは、チャンネルスキャンの操作を再度行ったり、チャンネルスキャンが終了した後にCM放送中だったチャンネルを選局して再度確認したりすることなしに、各チャンネルでどのような番組が放送されているかを確認することができる。
また、チャンネルスキャンを行った際に、本編の映像や音声が出力されるので、ユーザに対して各チャンネルでどのような番組が放送されているかを直感的に判断させることができる。また、チャンネルスキャンを行う際に、スキャン先のチャンネルがCM放送中である場合、そのチャンネルを選局してから、次にスキャンすべきチャンネルのスキャンをすぐに行うので、チャンネルスキャンの際に、CM放送中のチャンネルの放送内容を示す音声及び映像が出力される時間を番組の本編を放送中のチャンネルの放送内容を示す音声及び映像が出力される時間よりも短くすることができる。従って、ユーザとって煩わしい情報を出来るだけ出力しないようにすることができる。また、チャンネルスキャンをバックグランドで行うチューナ等の部品が不要となる。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態において、ディジタルテレビ放送を受信する受信機としているが、これに限定されない。例えば、アナログテレビ放送受信機やラジオ放送受信機等でも良い。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態において、CM検出部16、25にて番組データに付加されているCMフラグ等により、スキャンした先のチャンネルがCM放送中であるか否かを調べているが、これに限定されない。例えば、番組の本編の音声が二重音声やモノラルであるのに対してCMの音声がステレオであることを利用したり、CMの音声が番組の本編の音声よりも大きいことを利用したり、CMと番組の本編との輝度の差異を利用したりすることで検出しても良い。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態において、図3及び図6に示すように、Ch_A〜Ch_Eまでの複数のチャンネルのスキャンが一巡してからCM放送中であったチャンネル(Ch_B及びCh_C)を再度スキャンするようにしているが、これに限定されない。例えば、制御部が本編を放送中のチャンネルを検出したときに、それまでにスキャンしてチャンネルメモリに記憶されているチャンネル(CM放送中だったチャンネル)をスキャンするようにしても良い。このようにすると、図7及び図8に示すように、Ch_Dの放送内容を示す音声及び映像を出力した後に、Ch_B及びCh_Cのスキャンを再度行い、Ch_B及びCh_Cの放送内容を示す音声及び映像を出力してから、その後にCh_Eをスキャンする。これにより、チャンネルスキャンによって出力されるチャンネルの順番を出来るだけ変更しないようにすることができる。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態において、チャンネルスキャンを行う際に、昇順や降順に全てのチャンネルを選局するようにしても良い。また、ユーザが登録したチャンネルのみを選局するようにしても良いし、受信状態の良いチャンネルから順番に選局するようにしても良い。また、ユーザが選局する頻度に応じて選局する順番を決めても良いし、ランダムな順番としても良い。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態において、チャンネルスキャンを行う再に、チャンネルメモリに記憶されている全てのチャンネルに対して二回目のスキャンを行うようにしているが、これに限定されない。例えば、チャンネルメモリに記憶されている各チャンネルに対して二回目のスキャンを行う際に、CM放送中のチャンネルがあった時点でチャンネルスキャンモードを終了するようにしても良い。
その他、上記第1の実施形態及び第2の実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。