JP2005353165A - 情報記録媒体、並びに情報記録装置及び方法 - Google Patents

情報記録媒体、並びに情報記録装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
例えば複数の記録層の夫々について、効率的に試し書きを行なうことを可能とする。
【解決手段】
第1情報を記録するための第1記録層(107)と、第1記録層上に配置されると共に、第2情報を夫々記録するための一又は複数の第2記録層(207等)とを備えており、第2記録層の各層は、該各層よりも第1記録層側に位置する第2記録層の他の層及び第1記録層を透過した記録用レーザ光の最適記録パワーを検出するパワーキャリブレーションが行われる所定領域(PCA1−1)を有し、他の層及び第1記録層における、所定領域に対向する対向領域(TA)では、グルーブにおける幅等の第1絶対量が大きくされることによって、対向領域における光透過率が、第1絶対量が大きくされておらず且つ他の層及び第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、第1絶対量が大きくされておらず且つ他の層及び第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えばDVD等の情報記録媒体、並びに例えばDVDレコーダ等の情報記録装置及び方法の技術分野に関する。
例えば、CD、DVD等の情報記録媒体では、同一基板上に複数の記録層が積層されてなる多層型若しくはデュアルレイヤ又はマルチプルレイヤ型の光ディスク等も開発されている。そして、このような二層型の光ディスクを記録する、CDレコーダ等の情報記録装置では、レーザ光の照射側から見て最も手前側に位置する記録層(本願では適宜「L0層」と称する)に対して記録用のレーザ光を集光することで、L0層に対して情報を加熱などによる非可逆変化記録方式や書換え可能方式で記録し、L0層等を介して、レーザ光の照射側から見てL0層の奥側に位置する記録層(本願では適宜「L1層」と称する)に対して該レーザ光を集光することで、L1層に対して情報を加熱などによる非可逆変化記録方式や書換え可能方式で記録することになる。
また、この種の光ディスク等へデータ情報を記録する場合においては、光ディスクの種類、情報記録再生装置の種類及び記録速度等に応じて、OPC(Optimum Power Control)処理により、最適な記録レーザーパワー(本願では適宜「最適記録パワー」と称する)が設定される。即ち、記録パワーのキャリブレーション(較正)が行われる。これにより、光ディスクにおける情報記録面の特性のばらつき等に対応した適切な記録動作を実現できる。例えば、光ディスクが装填されて書き込みのコマンドが入力されると、順次段階的に光強度が切り換えられて試し書き用のデータがOPCエリアに記録され、いわゆる試し書きの処理が実行される。特に、二層の記録層の夫々にOPCエリアが設けられており、これら二層に対して夫々OPC処理を行う技術が開示されている。
加えて、2層型光ディスクの場合は、L1層における最適記録パワーの検出にはレーザ光が透過するL0層における2種類の記録状態に適切に対応する必要がある。通常、L0層が記録済み状態の場合には、L0層におけるL1層への光透過率が低下し、最適記録パワーの値が増加するからである。他方、L0層が未記録状態の場合には、L0層におけるL1層への光透過率は比較的に高く、最適記録パワーの値は減少する。
そこで、特許文献1等に記載されているように、L1層におけるOPC処理を行なう場合、最初に、L0層へデータ情報の記録を行い、次に、L1層におけるOPC処理をより適切に行なう技術も開示されている。
特開2001−52337号公報
しかしながら、上述したL1層におけるOPC処理において、最適記録パワーの検出を行なうにあたり、レーザ光が透過するL0層を記録状態にする処理を行わなければならないという技術的な問題点がある。
本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば複数の記録層の夫々について、効率的に試し書きを行なうことが可能であると共に効率的に記録情報を記録することが可能である多層型の情報記録媒体、並びにそのような情報記録媒体に情報を効率的に記録し得る情報記録装置及び方法を提供することを課題とする。
本発明の請求項1に記載の情報記録媒体は上記課題を解決するために、記録情報の少なくとも一部である第1情報を記録するための第1記録層と、該第1記録層上に配置されると共に、前記記録情報の少なくとも他の一部である第2情報を夫々記録するための一又は複数の第2記録層とを備えており、前記第2記録層の各層は、該各層よりも前記第1記録層側に位置する前記第2記録層の他の層及び前記第1記録層を透過した記録用レーザ光の最適記録パワーを検出するパワーキャリブレーション(較正)が行われる所定領域を有し、前記他の層及び前記第1記録層における、前記所定領域に対向する対向領域では、グルーブにおける幅及び深さのうち少なくとも一方の第1絶対量が大きくされることによって、当該対向領域における光透過率が、前記第1絶対量が大きくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、前記第1絶対量が大きくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられている。
本発明の請求項12に記載の情報記録装置は上記課題を解決するために、請求項1から11のいずれか一項に記載の情報記録媒体に、前記記録情報を記録するための情報記録装置であって、前記記録用レーザ光を前記第1記録層に集光するように照射することで前記第1記録層に対して前記記録情報の少なくとも他の一部である試し書き情報を書き込み、前記記録用レーザ光を前記第2記録層の各層に集光するように照射することで前記第2記録層の各層に対して前記試し書き情報を書き込むための書込手段と、(I)前記対向領域を介して、前記所定領域において、前記第2記録層の各層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きすると共に、(II)前記対向領域と異なる領域に有される第1所定領域において、前記他の層及び前記第1記録層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きするように前記書込手段を制御する試し書き制御手段とを備える。
本発明の請求項13に記載の情報記録方法は上記課題を解決するために、請求項1から11のいずれか一項に記載の情報記録媒体に、前記記録情報を記録するために、前記記録情報の少なくとも他の一部である試し書き情報を書き込むための書込手段を備えた情報記録装置における情報記録方法であって、(I)前記対向領域を介して、前記所定領域において、前記第2記録層の各層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きすると共に、(II)前記対向領域と異なる領域に有される第1所定領域において、前記他の層及び前記第1記録層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きするように前記書込手段を制御する試し書き制御工程とを備える。
本発明の作用及び利得は次に説明する実施の形態から明らかにされる。
(情報記録媒体に係る実施形態)
本発明の情報記録媒体に係る実施形態は、記録情報の少なくとも一部である第1情報を記録するための第1記録層と、該第1記録層上に配置されると共に、前記記録情報の少なくとも他の一部である第2情報を夫々記録するための一又は複数の第2記録層とを備えており、前記第2記録層の各層は、該各層よりも前記第1記録層側に位置する前記第2記録層の他の層及び前記第1記録層を透過した記録用レーザ光の最適記録パワーを検出するパワーキャリブレーション(較正)が行われる所定領域を有し、前記他の層及び前記第1記録層における、前記所定領域に対向する対向領域では、グルーブにおける幅及び深さのうち少なくとも一方の第1絶対量が大きくされることによって、当該対向領域における光透過率が、前記第1絶対量が大きくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、前記第1絶対量が大きくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられている。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態によれば、例えば、ディスク状の基板の一方の面上に、第1記録層、並びに、一又は複数の第2記録層が積層されており、当該情報記録媒体は、2層型或いは多層型の例えばDVD或いは光ディスク等である。第1記録層には、例えば音声、映像情報或いはコンテンツ情報等の記録情報が記録可能とされている。第2記録層の各層には、例えば音声、映像情報或いはコンテンツ情報等の記録情報が記録可能とされている。このように構成されているので、記録用又は再生用レーザ光は、基板、第1記録層、第2記録層の他の層、及び、第2記録層の各層の順番に照射される。より具体的には、第2記録層の各層が、記録用レーザ光が照射される方向から数えて、2層目であれば、第2記録層の他の層は存在しない。また、第2記録層の各層が、3層目であれば、第2記録層の他の層は、1層だけ存在する。更にまた、第2記録層の各層が、4層目であれば、第2記録層の他の層は、2層だけ存在する。
第2記録層の各層には、記録用レーザ光の最適記録パワーを検出するパワーキャリブレーション(較正)が行われる、例えば、OPCエリア等の所定領域が設けられている。
本実施形態では特に、第2記録層の他の層及び第1記録層には、所定領域に対向する対向領域が設けられている。この対向領域のグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の第1絶対量が大きくされることによって、第2記録層の他の層及び第1記録層の光透過率を低下させることが可能である。よって、グルーブ形状によって、第2記録層の他の層及び第1記録層における未記録の対向領域の光透過率を、記録済みの対向領域の光透過率に近似させることが可能である。仮に、この対向領域の第1絶対量が大きくされていない場合、第2記録層の各層の所定領域における最適記録パワーを適切に検出するためには、後述される情報記録装置によって、レーザ光が透過する第2記録層の他の層及び第1記録層の対向領域を記録済み状態にする処理が必要となってしまう。
これに対して、本実施形態によれば、例えば、光ディスク等の情報記録媒体の製造時に、第2記録層の他の層及び第1記録層に設けられた対向領域の第1絶対量が大きくされることによって、対向領域における第2記録層の各層の所定領域への光透過率を、対向領域の第1絶対量が大きくされておらず且つ第2記録層の他の層及び第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、対向領域の第1絶対量が大きくされておらず且つ第2記録層の他の層及び第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近づけることが可能である。従って、後述される情報記録装置によって、第2記録層の各層に対してOPC処理を行う前に、第2記録層の他の層及び第1記録層を記録済みの状態にするための記録動作を省略することが可能である。以上より、より迅速且つ的確に、第2記録層の各層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
尚、上述のように、対向領域における光透過率が、この第1絶対量が大きくされておらず且つ第2記録層の他の層及び第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、この第1絶対量が大きくされておらず且つ第2記録層の他の層及び第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられているように第2記録層の他の層及び第1記録層の対向領域を形成するには、例えば、実験的、経験的又は理論的若しくはシミュレーション等により、この第1絶対量が大きくされることによって、個別具体的に、所望の光透過率が得られるようにすればよい。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の一態様では、前記対向領域では、前記第1絶対量が大きくされることによって、当該対向領域における光透過率が、前記第1絶対量が大きくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に等しくされている。
この態様によれば、第2記録層の他の層及び第1記録層を記録済みであると仮定した場合の光透過率に等しくするための記録動作を完全に省略することが可能である。ここに「等しく」とは、完全に等しいことの他、パワーキャリブレーションを行なう際に、同一視できる程度に等しい光透過率である意味を含む。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記所定領域では、グルーブにおける幅及び深さのうち少なくとも一方の第2絶対量が大きく又は小さくされることによって、前記対向領域における光透過率が、前記第2絶対量が大きく又は小さくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、前記第2絶対量が大きく又は小さくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられている。
この態様によれば、第2記録層の各層の所定領域のグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の第2絶対量が大きく又は小さくされることによって、第2記録層の各層のアシンメトリー値を低下させている。即ち、第2記録層の各層の所定領域に照射されたレーザ光が、記録済みの第2記録層の他の層及び第1記録層を透過した場合と同様に、第2記録層の各層のアシンメトリー値を低下させた状態を擬似的に形成することが可能である。
従って、後述される情報記録装置によって、第2記録層の各層に対してOPC処理を行う前に、第2記録層の他の層及び第1記録層を記録済みの状態にするための記録動作を省略することが可能である。以上より、より迅速且つ的確に、第2記録層の各層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
この態様では、前記所定領域では、前記第2絶対量が大きく又は小さくされることによって、前記対向領域における光透過率が、前記第2絶対量が大きく又は小さくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に等しくされている。
このように構成すれば、第2記録層の他の層及び第1記録層を記録済みであると仮定した場合の光透過率に等しくするための記録動作を完全に省略することが可能である。
この態様では、前記第2記録層の各層は、第2色素膜を更に備え、前記所定領域では、前記第2色素膜が厚く又は薄く形成されることによって、前記対向領域における光透過率が、前記第2色素膜が厚く又は薄く形成されておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、前記第2色素膜が厚く又は薄く形成されておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられている。
このように構成すれば、第2記録層の各層のグルーブにおける幅の第2絶対量を大きくさせるとグルーブの第2色素膜が厚く形成されるため、第2記録層の各層におけるアシンメトリー値は一般的に低下する傾向にある。他方、第2記録層の各層のグルーブにおける深さの第2絶対量を大きくさせるとグルーブの第2色素膜が薄く形成されるため、第2記録層の各層におけるアシンメトリー値は一般的に増加する傾向にある。
以上より、第2色素膜が厚く又は薄く形成されることによって、第2記録層の各層の所定領域に照射されたレーザ光が、記録済みの第2記録層の他の層及び第1記録層を透過した場合と同様に、第2記録層の各層のアシンメトリー値を低下させた状態を擬似的により的確に形成することが可能である。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記他の層及び前記第1記録層は、第1色素膜を更に備え、前記対向領域では、前記第1色素膜が厚く又は薄く形成されることによって、当該対向領域における光透過率が、前記第1色素膜が厚く又は薄く形成されておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、前記第1色素膜が厚く又は薄く形成されておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられている。
この態様によれば、第2記録層の他の層及び第1記録層のグルーブにおける幅の第1絶対量を大きくさせるとこのグルーブの第1色素膜が厚く形成されるため、第2記録層の他の層及び第1記録層における光透過率は一般的に低下する傾向にある。他方、第2記録層の他の層及び第1記録層のグルーブにおける深さの第1絶対量を大きくさせるとグルーブの第1色素膜が厚く形成されるため、第2記録層の他の層及び第1記録層における光透過率は一般的に低下する傾向にある。
以上より、第1色素膜が厚く又は薄く形成されることによって、未記録の第2記録層の他の層及び第1記録層の光透過率を記録済みの第2記録層の他の層及び第1記録層の光透過率により的確に近似させることが可能である。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記所定領域は、前記対向領域よりも小さい領域である。
この態様によれば、第2記録層の各層におけるOPC処理が行われる所定領域を、対向する第2記録層の他の層及び第1記録層における対向領域より小さくするので、二層型の光ディスクにおける層間での偏心の影響やレーザ光の広がり等のためのマージンを確保することが可能となるので、より適切に、第2記録層の各層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記第1記録層及び前記第2記録層の各層のうち少なくとも一つは、管理情報を記録する管理情報記録領域を更に有し、前記管理情報記録領域には、前記管理情報として、前記第1絶対量及び前記第2絶対量のうち少なくとも一方が大きく又は小さくされているか否かを識別する識別情報が記録されている。
この態様によれば、例えば、フラグ等の識別情報が、後述される情報記録装置によって、例えばシーク動作によって、読み取られるので、より迅速且つ的確に情報記録媒体に適したOPC処理を実現することが可能となる。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記他の層及び前記第1記録層は、前記対向領域と異なる領域に、前記他の層及び前記第1記録層に対する前記パワーキャリブレーションが行われる第1所定領域を夫々有する。
この態様によれば、第2記録層の各層に設けられた所定領域では、対向領域を介して、当該第2記録層の各層に対するパワーキャリブレーションが行なわれる。他方、第2記録層の他の層及び第1記録層に設けられた第1所定領域では、当該第2記録層の他の層及び第1記録層に対するパワーキャリブレーションが行なわれる。
より具体的には、対向領域と第1所定領域とは、例えば、半径方向に相互にずらされていて重ならないように構成されている。よって、所定領域に試し書きする際のレーザ光は、例えば、第2記録層の他の層及び第1記録層に設けられた対向領域又は未記録の領域を透過するので、第1所定領域を通過しない。このため、第1所定領域における状態、即ち、試し書き情報によって記録済み状態又は未記録状態による影響を受けて、第2記録層の各層の所定領域における試し書きが不正確になる事態を未然防止することが可能となる。
仮に、対向領域と第1所定領域とが、例えば、重なってしまい、異ならない場合、対向領域においては、第1所定領域の影響によって光透過率等の光学特性が変化するので、これを介して行なわれる所定領域における試し書きは、多かれ少なかれ不正確となってしまうのである。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記第2記録層の各層は、前記所定領域と異なる領域であって、前記対向領域に対向しない領域に、前記第2記録層の各層に対する前記パワーキャリブレーションが行われる第2所定領域を夫々有する。
この態様によれば、第2記録層の各層は、第2記録層の他の層及び第1記録層の未記録状態である部分を透過した記録用レーザ光によってパワーキャリブレーションを行なうために、更に第2所定領域を有する。よって、第2記録層の他の層及び第1記録層の記録状態に対応した最適記録パワーの値の検出が実現可能となる。
本発明の情報記録媒体に係る実施形態の他の態様では、前記第1記録層及び第2記録層の各層のうち少なくとも一つは、前記検出された最適記録パワーの値を記録する管理領域を更に有する。
この態様によれば、後述される情報記録装置による記録動作の度に、或いは、第1記録層及び第2記録層の各層に対して同時にOPC処理が行われる。そして、このOPC処理によって検出された各記録層に対する最適記録パワーの値が管理領域に記録される。そして、この管理領域に記録された最適記録パワーの値が読み出されることによって、より的確且つ迅速な記録動作を実現することが可能となる。
尚、この最適記録パワーの値は、情報記録媒体における管理領域へ記録される代わりに、後述される情報記録装置内の例えば、メモリ等の記憶装置によって記憶されてもよい。
(情報記録装置に係る実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る情報記録装置について説明する。
本発明の情報記録装置に係る実施形態は、請求項1から11のいずれか一項に記載の情報記録媒体に、前記記録情報を記録するための情報記録装置であって、前記記録用レーザ光を前記第1記録層に集光するように照射することで前記第1記録層に対して前記記録情報の少なくとも他の一部である試し書き情報を書き込み、前記記録用レーザ光を前記第2記録層の各層に集光するように照射することで前記第2記録層の各層に対して前記試し書き情報を書き込むための書込手段と、(I)前記対向領域を介して、前記所定領域において、前記第2記録層の各層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きすると共に、(II)前記対向領域と異なる領域に有される第1所定領域において、前記他の層及び前記第1記録層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きするように前記書込手段を制御する試し書き制御手段とを備える。
本発明の情報記録装置に係る実施形態によれば、例えばCPU(Central Processing Unit)等を含んでなる試し書き制御手段による制御下で、上述した本発明に係る情報記録媒体に係る実施形態に対して、少なくとも2つの記録層に対するOPC処理を、例えば光ピックアップ等を含んでなる書込手段によって、効率的に行なうことができる。
即ち、例えば、光ディスク等の情報記録媒体の製造時に第2記録層の他の層及び第1記録層に設けられた対向領域のグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の第1絶対量が大きくされることによって、対向領域における所定領域への光透過率を低下させることが可能である。よって、グルーブ形状によって、第2記録層の他の層及び第1記録層における未記録の対向領域の光透過率を、記録済みの対向領域の光透過率に近似させることが可能である。従って、試し書き制御手段の制御下で、書込手段によって、第2記録層の各層に対してOPC処理を行う前に、第2記録層の他の層及び第1記録層を記録済みの状態にするための記録動作を、適宜場合に応じて、省略することが可能となる。よって、本実施形態の情報記録装置によれば、より迅速且つ的確に、第2記録層の各層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
尚、本発明の情報記録装置に係る実施形態においても、上述した本発明の情報記録媒体に係る実施形態についての各種態様と同様の態様を適宜採ることが可能である。
(情報記録方法に係る実施形態)
以下、本発明の実施形態に係る情報記録方法について説明する。
本発明の情報記録方法に係る実施形態は、請求項1から11のいずれか一項に記載の情報記録媒体に、前記記録情報を記録するために、前記記録情報の少なくとも他の一部である試し書き情報を書き込むための書込手段を備えた情報記録装置における情報記録方法であって、(I)前記対向領域を介して、前記所定領域において、前記第2記録層の各層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きすると共に、(II)前記対向領域と異なる領域に有される第1所定領域において、前記他の層及び前記第1記録層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きするように前記書込手段を制御する試し書き制御工程とを備える。
本発明の情報記録方法に係る実施形態によれば、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態の場合と同様に、試し書き制御工程の制御下で、第2記録層の各層に対してOPC処理を行う前に、第2記録層の他の層及び第1記録層を記録済みの状態にするための記録動作を、適宜場合に応じて、省略することが可能となる。よって、本実施形態の情報記録方法によれば、より迅速且つ的確に、第2記録層の各層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
尚、本発明の情報記録方法に係る実施形態においても、上述した本発明の情報記録装置に係る実施形態についての各種態様と同様の態様を適宜採ることが可能である。
本実施形態のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から更に明らかにされる。
以上説明したように、本発明の情報記録媒体に係る実施形態によれば、グルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の第1絶対量が大きくされることによって、光透過率を低下させることが可能な対向領域が設けられた第1記録層及び第2記録層の他の層、並びに、所定領域が設けられた第2記録層の各層を備えるので、より迅速且つ的確に、第2記録層の各層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。また、本発明の情報記録装置及び方法に係る実施形態によれば、書込手段、並びに、試し書き制御手段及び工程を備えているので、より迅速且つ的確に、第2記録層の各層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
(情報記録媒体の第1実施例)
次に、図1から図12を参照して、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクについて図面に基づいて詳細に説明する。尚、説明の便宜上、図1及び図2においては、レーザ光は、上側から下側へ向けて、照射されている。よって、L0層(第1記録層)は、上側に位置している。他方、図7、図10、図11及び図13においては、レーザ光は、下側から上側へ向けて照射されている。よって、L0層(第1記録層)は、下側に位置している。
先ず、図1を参照して、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクの基本構造について説明する。ここに、図1(a)は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る複数の記録領域を有する光ディスクの基本構造を示した概略平面図であり、図1(b)は、該光ディスクの概略断面図と、これに対応付けられた、その半径方向における記録領域構造の図式的概念図である。
図1(a)及び図1(b)に示されるように、光ディスク100は、例えば、DVDと同じく直径12cm程度のディスク本体上の記録面に、センターホール1を中心として本実施例に係るリードインエリア101、データエリア102並びにリードアウトエリア103又はミドルエリア104が設けられている。特に、例えば、リードインエリア101には、OPC処理を行うOPCエリアPCA0又はPCA1が設けられている。そして、光ディスク100の例えば、透明基板106に、記録層等が積層されている。そして、この記録層の各記録領域には、例えば、センターホール1を中心にスパイラル状或いは同心円状に、例えば、グルーブトラック及びランドトラック等のトラック10が交互に設けられている。また、このトラック10上には、データがECCブロック11という単位で分割されて記録される。ECCブロック11は、記録情報がエラー訂正可能なプリフォーマットアドレスによるデータ管理単位である。
尚、本発明は、このような三つのエリアを有する光ディスクには特に限定されない。例えば、リードインエリア101、リードアウトエリア103又はミドルエリア104が存在せずとも、以下に説明するデータ構造等の構築は可能である。また、後述するように、リードインエリア101、リードアウト103又はミドルエリア104は更に細分化された構成であってもよい。
特に、本実施例に係る光ディスク100は、図1(b)に示されるように、例えば、透明基板106に、後述される本発明に係る第1及び第2記録層の一例を構成するL0層及びL1層が積層された構造をしている。このような二層型の光ディスク100の記録再生時には、図1(b)中、上側から下側に向かって照射されるレーザ光LBの集光位置をいずれの記録層に合わせるかに応じて、L0層における記録再生が行なわれるか又はL1層における記録再生が行われる。また、本実施例に係る光ディスク100は、2層片面、即ち、デュアルレイヤーシングルサイドに限定されるものではなく、2層両面、即ちデュアルレイヤーダブルサイドであってもよい。更に、上述の如く2層の記録層を有する光ディスクに限られることなく、3層以上の多層型の光ディスクであってもよい。
尚、2層型光ディスクにおける記録再生手順は、例えば二つの記録層の間でトラックパスの方向が逆向きであるオポジット方式でもよいし、例えば二つの記録層の間でトラックパスの方向が同一であるパラレル方式でもよい。
次に図2を参照して、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクの物理的構成の概略について説明する。より具体的には、第1実施例に係る光ディスク100では、複数のデータゾーン102等が例えば積層構造に形成される2層型の光ディスクとして構成されている。ここに、図2は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクの記録面における部分拡大斜視図である。
図2に示されるように、第1実施例では、光ディスク100は、ディスク状の透明基板106に面して下側に、情報記録面を構成する相変化型又は加熱などによる非可逆変化記録型の第1記録層(L0層)107が積層され、更にその下側に、半透過反射膜108が積層されている。第1記録層107の表面からなる情報記録面には、グルーブトラックGT及びランドトラックLTが交互に形成されている。尚、光ディスク100の記録時及び再生時には、例えば図2に示したように、透明基板106を介してグルーブトラックGT上に、レーザ光LBが照射される。例えば、記録時には、記録レーザパワーでレーザ光LBが照射されることで、記録データに応じて、第1記録層107への相変化による書き込み又は加熱などによる非可逆変化記録が実施される。他方、再生時には、記録レーザパワーよりも弱い再生レーザパワーでレーザ光LBが照射されることで、第1記録層107へ書き込みされた記録データの読出しが実施される。
第1実施例では、グルーブトラックGTは、一定の振幅及び空間周波数で揺動されている。即ち、グルーブトラックGTは、ウォブリングされており、そのウォブル109の周期は所定値に設定されている。ランドトラックLT上にはプリフォーマットアドレス情報を示すランドプリピットLPと呼ばれるアドレスピットが形成されている。この2つのアドレッシング(即ち、ウォブル109及びランドプリピットLP)により記録中のディスク回転制御や記録クロックの生成、また記録アドレス等のデータ記録に必要な情報を得ることができる。尚、グルーブトラックGTのウォブル109を周波数変調や位相変調など所定の変調方式により変調することによりプリフォーマットアドレス情報を予め記録するようにしてもよい。
第1実施例では特に、半透過反射膜108に面して下側に、第2記録層(L1層)207が形成され、更にその下側に、反射膜208が形成されている。第2記録層207は、透明基板106、第1記録層107及び半透過反射膜108を介してレーザ光LBが照射されることで、第1記録層107と概ね同様に、相変化型又は加熱などによる非可逆変化記録型の記録及び再生が可能なように構成されている。このような第2記録層207及び反射膜208については、第1記録層107及び半透過反射膜108等が形成された透明基板106上に積層、即ち、成膜形成してもよいし、別基板上に積層、即ち、成膜形成した後に、これを透明基板106に貼り合わせるようにしてもよい。尚、半透過反射膜108と第2記録層207との間には、製造方法に応じて適宜、透明接着剤等からなる透明な中間層205が設けられる。
このような二層型の光ディスク100の記録再生時には、レーザ光LBの集光位置、即ち、フォーカスをいずれの記録層に合わせるかに応じて、第1記録層107における記録再生が行なわれるか又は第2記録層207における記録再生が行われる。
次に、図3から図6を参照して、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクを記録対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理、即ち記録レーザパワーのキャリブレーションについて説明する。ここに「最適記録パワー」とは、文字通り情報の記録に最も適したレーザパワーを示すことに限らず、記録時においてより適切に情報を記録することできる程度のレーザパワーをも含んだ広い趣旨である。より具体的には、アシンメトリーの影響を最小にし、例えば記録特性の品質を表すジッタ値が最小付近となるような最も優れた再生品質が得られるように記録するための記録レーザパワーである。また、「アシンメトリー(Asymmetry)」とは、光ディスクの量産時に短ピット又は長ピットがその長さ方向の前後に同じ量だけ、少しずつ長く、或いは短くなる現象である。本実施例では、後述される「アシンメトリー値」によってこのアシンメトリーの影響の度合いが定量的に示される。ここに、図3は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクを対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理(11パワーステップの場合)を示した模式的タイミングチャート図である。ここに、「パワーステップ」とは、OPC処理において、最適記録パワーを検出するために、記録レーザの光強度(パワー)を切り換える段階のことである。図4は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクを対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理(11パワーステップの場合)における再生RF信号を示した図式的概念図である。図5は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクを対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理(11パワーステップの場合)におけるパワーステップ毎のアシンメトリー値をプロットしたグラフ図である。図6は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクを対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理のうち、一つのパワーステップの詳細を示した波形図である。
図3において、グラフ(a)の縦軸は、記録レーザパワーの値を示し、横軸は、パワーステップごとに時分割された時間軸を示す。グラフ(b)は、生成された記録レーザが、例えば2Tパルスの短ピットパルス用と、例えば8Tパルスの長ピットパルス用とに交互に切り換えられて照射される時間区間を示す。グラフ(c)は、例えば11個の異なるレーザパワーのキャリブレーションのために記録レーザが照射されるタイミングを矢印で示す。グラフ(d)の縦軸は、再生RF信号の振幅電圧を示す。グラフ(e)は、再生RF信号の振幅中心電圧を算出するためのサンプリングタイミングを矢印で示す。
本実施例においては、光ディスクのOPCエリアには、図3のグラフ(a)で示されるように、キャリブレーション用の記録レーザが、例えば11個のパワーステップごとに時分割されて、11個の異なるレーザパワーで照射される。この際、各パワーステップにおいて、例えば、2―3変調した信号の最短ピットと最長ピットのテスト信号である例えば2Tパルスの短ピットパルスと、例えば8Tパルスの長ピットパルスとが交互に切換えられて生成された記録レーザが照射され、記録が行われる。ここでは、図3に示したように、一つのパワーステップの前半が、短ピットパルスを記録するための時間に割り当てられ、“短ピット区間”とされる。他方、該一つのパワーステップの後半が、長ピットパルスを記録するための時間に割り当てられ、“長ピット区間”とされる。尚、図4に示されるように、一回のOPC処理は、前述したように、ランドプリピット(Land Pre Pit)を基準とした時間軸に対して、RF信号が再生される。
図5に示されるように、本実施例では、“アシンメトリー値=0”となるパワーステップに対応するレーザパワーが最適記録パワーとして決定される。尚、図5の縦軸は、このようなアシンメトリー値“e−f”を示し、横軸はパワーステップを示す。矢印は、“e=f”となり、“アシンメトリー値=0”となるパワーステップを示す。
以上のように本実施例における最適記録パワーの検出、即ち、記録レーザパワーのキャリブレーション(較正)は、“アシンメトリー値=0”となるパワーステップに対応する最適記録パワーを求めることとして実施される。特に、OPCパターンの記録時とOPCパターンの再生時とでは、所定の基準によって、両者間のタイミング合わせが可能とされている。尚、1回のOPC処理におけるパワーステップの数は、11個に限らず、例えば10〜20個程度でもよい。或いは、それ以下でもよいし、それ以上でもよい。また、本実施例では、2Tマークと8Tマークとを用いてOPCパターンを構成しているが、これら以外の3Tマーク、7Tマーク等を用いることも可能である。
次に、図6に示されるように、本実施例では、各パワーステップについて、一つの短ピット区間に複数個(図6では、5個)の2Tマークが2Tパルスによって記録され、一つの長ピット区間に複数個(図6では、2個)の8Tマークが8Tパルスによって記録される。このような短ピット区間と長ピット区間との一対が、即ち、所定パターンを有する複数のOPCピットが、「OPCパターン」とされる。図6に示した如きOPCパターンが、レーザパワーが順次切り替えられつつ、パワーステップの回数だけ(即ち11回)繰り返し記録されることで、1回のOPC処理が完了する。
以上の如き1回のOPC処理によって、図6に示した如き各パワーステップに対するOPCパターンの記録が11パワーステップについて完了すると、その後、これを再生する処理が行われる。具体的には、11パワーステップ分のOPCパターンの記録完了後に、OPCエリアに照射されるレーザが、記録レーザから再生レーザへと切り替えられ(例えば、レーザパワーが記録レーザパワーと比べて顕著に弱い再生レーザパワーへと変えられ)、該再生レーザの照射によって、エンベロープ検波等を含む再生処理が次のように行われる。
OPC処理における再生時には、例えば短ピット区間に形成されたOPCピット(即ち、2Tマーク)に対応する再生RF信号のエンベロープのピーク値とボトム値が図3のグラフ(e)で示されたサンプリングタイミングでサンプリングされ、振幅中心電圧が算出される。グラフ(e)では、この算出された振幅中心電圧の各パワーステップの値が黒丸でプロットされ、それらの値を結んだ補間線が黒線で示されている。同様にして、例えば長ピット区間に形成されたOPCピット(即ち、8Tマーク)に対応する再生RF信号の算出された振幅中心電圧の各パワーステップの値が白丸でプロットされ、それらの値を結んだ補間線が点線で示されている。この2つの補間線の交点が二重丸で示され、この交点に対応するパワーステップのレーザパワーが、最適記録パワーとして決定される。
より詳細には、図6に示すように、短ピット区間に再生される再生RF信号のエンベロープのピーク値を“a”とし、ボトム値を“b”とする。尚、“a”と“b”は、前述のように、サンプリングタイミング時に収集される。この両者の平均値、即ち、算出された振幅中心電圧を“e”とする。即ち“e=(a+b)/2”である。同様にして、長ピット区間に再生される再生RF信号のエンベロープのピーク値を“c”、ボトム値を“d”、そして、算出された振幅中心電圧を“f=(c+d)/2”とする。
本実施例では、アシンメトリーの影響の度合いを“e”と“f”との比較によって判定する。図6においては、振幅中心電圧“e”が“f”より大きく両者は一致していない。即ち、前述した「アシンメトリー値」を“e−f”と定義する。そして、“e=f”となり、“アシンメトリー値=0”となるパワーステップに対応するレーザパワーを最適記録パワーと決定する。
次に、図7から図12を参照して、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL1層を記録対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理の原理について説明する。
先ず、図7及び図8を参照して、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクの詳細構造、及び、L1層を記録対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理の概略原理について説明する。ここに、図7は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのOPC処理において使用されるOPCエリアの物理的構造を拡大した図式的断面図である。図8は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL0層が未記録の場合、並びに、L0層のグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされ、未記録状態のL0層の光透過率が低下されて記録済みのL0層の光透過率に近似された場合のL1層を記録対象とした記録パワーと、L1層におけるアシンメトリー値との関係を示したグラフである。
図7に示されるように、光ディスク100は、2層の記録層、即ち、L0層(即ち、図1及び図2における第1記録層107に相当する記録層)とL1層(即ち、図1及び図2における第2記録層207に相当する記録層)とを有している。尚、説明の便宜上、記録用レーザ光LBは、図1及び図2とは逆に下側から上側へ向かって照射されている。
L0層には、例えば、リードインエリア内に、本発明に係る「対向領域」の一例を構成するグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされた透過エリアTA、並びに、未記録状態のTA0−2が設けられている。
他方、L1層には、例えば、リードインエリア内に、OPCエリアPCA1が設けられている。そして、OPCエリアPCA1には、更に、本発明に係る「所定領域」の一例を構成するOPCエリアPCA1−1及びPCA1−2が設けられている。
詳細には、OPCエリアPCA1は、最適記録パワーの検出(即ち、記録レーザパワーのキャリブレーション)処理、所謂OPC処理に用いられる領域である。特に、OPCエリアPCA1は、L1層の最適な記録レーザパワーの検出のために用いられる。より詳細には、OPCパターンの試し書きの完了後には、試し書きされたOPCパターンが再生され、再生されたOPCパターンのサンプリングが順次行われて、最適記録パワーが検出される。また、OPC処理により求めた最適記録パワーの値が例えば、情報記録装置側に設けられた後述されるメモリ等の記憶装置内に格納されてもよいし、情報記録媒体における管理情報記録領域等に記録されていてもよい、或いは、記録動作の度にOPC処理が行われてもよい。
そして、L0層及びL1層に対して、後述される情報記録再生装置の光ピックアップによって、OPC処理のためのレーザ光LBは、図示しない基板の側から、即ち、図3中の下側から上側に向けて照射され、その焦点距離等が制御されると共に、光ディスク100の半径方向における移動距離及び方向が制御される。
図8に示されるように、特に、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクでは、例えば製造時において、L0層の透過エリアTAのグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量を大きくさせ、L0層の光透過率を低下させることが可能である。よって、グルーブ形状によって、未記録のL0層の光透過率を記録済みのL0層の光透過率に近似させることが可能である。従って、L1層のOPCエリアPCA1−1におけるOPC処理の結果、L0層が記録済みである場合の最適記録パワーの値は20(mW)であると擬似的に検出可能である。
従って、情報記録装置によって、L1層に対してOPC処理を行う前に、L0層を記録済みの状態にするための記録動作を省略することが可能である。以上より、より迅速且つ的確に、L1層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
他方、L0層が未記録である場合に対応したL1層に対する最適記録パワーの値は、L0層が未記録状態の透過エリアTA0−2を記録用レーザ光LBが透過され、L1層のOPCエリアPCA1−2に照射されることによって、18(mW)と検出可能である。
次に、図9及び図10に加えて前述した図8を適宜参照して、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL0層のグルーブにおける幅及び深さに加えて色素膜の厚さの絶対量とL0層における光透過率との相関関係について詳細に説明する。ここに、図9は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL0層のグルーブにおける幅と、色素膜の厚さと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL0層における光透過率との相関関係を示したグラフ(図9(a))、及び、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL0層のグルーブにおける深さと、色素膜の厚さと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL0層における光透過率との相関関係を示したグラフ(図9(b))である。尚、ひし形でプロットされた直線は、L0層のグルーブにおける幅又は深さの絶対量が増減されても色素膜厚が同一の場合の相関関係を示す。また、四角でプロットされた直線は、L0層のグルーブにおける幅又は深さの絶対量が増減されるに伴って色素膜厚が変化する場合の相関関係を示す。図10は、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL0層(L1層)のグルーブにおける幅又は深さに加えて色素膜の厚さの絶対量が変化された場合のL0層(L1層)の物理的構造を示した図式的な断面図である。
図9(a)のグラフ、及び、図10(b)の物理的構造の断面図に示されるように、L0層のグルーブにおける幅を広くさせる、即ち、幅の絶対量を大きくさせるとグルーブに溜まる色素が増加するため、L0層における光透過率は一般的に低下する傾向にある。より詳細には、図10(c)に示されるように、スピンコート工程によって色素はコーティングされているので、グルーブにおける幅が広い場所の色素膜厚は、グルーブにおける幅が通常の場所(図10(a)を参照)と比較して、薄くなる場合もある。この場合は光透過率の低下率は小さくなる。
より具体的には、図9(a)の「A」点においては、L0層のグルーブにおける幅の絶対量は、例えば、0.3(μm)であることが示されている。「B1」点、及び、「B2」点においては、L0層のグルーブにおける幅を、「A」点よりも、0.08又は0.16(μm)程度大きくさせることで、「A」点の光透過率よりも10%程度低下させていることが示されている。
他方、図9(b)の四角でプロットされた直線のグラフ、及び、図10(e)の物理的構造の断面図に示されるように、L0層のグルーブにおける深さの絶対量を大きくさせるとグルーブに溜まる色素が増加するため、L0層における光透過率は一般的に低下する傾向にある。より詳細には、図10(e)に示されるように、スピンコート工程によって色素はコーティングされているので、グルーブにおける深さの絶対量を大きくさせた場所の色素膜厚は、グルーブにおける深さが通常の場所(図10(a)を参照)と比較して、厚くなる傾向がある。この場合、光透過率は低下する。但し、図9(b)のひし形でプロットされた水平直線のグラフ、及び、図10(d)の物理的構造の断面図に示されるように、色素膜厚が同一の場合、グルーブにおける深さの絶対量を大きくさせても、L0層の光透過率は変化しにくい傾向にある。
より具体的には、図9(b)の「A」点においては、L0層のグルーブにおける深さの絶対量は、例えば、0.15(μm)であることが示されている。「B3」点においては、L0層のグルーブにおける深さを、「A」点よりも、0.03(μm)程度大きくさせることで、「A」点の光透過率よりも10%程度低下させていることが示されている。従って、L1層に記録する時に実際にL1層まで届くレーザパワーも10%程度低下されることが可能となる。
上述した図9(a)及び図9(b)をまとめると、前述した図8に示されるように、「A」点から「B」点へと、L0層の光透過率を低下させることが可能となる。
以上より、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクでは、例えば製造時において、L0層の透過エリアTAのグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量を大きくさせ、L0層の光透過率を低下させることが可能である。よって、グルーブ形状によって、未記録のL0層の光透過率を記録済みのL0層の光透過率に近似させることが可能である。従って、前述した図8に示されるように、L1層のOPCエリアPCA1−1におけるOPC処理の結果、L0層が記録済みである場合の最適記録パワーの値は20(mW)であると擬似的に検出可能である。
従って、情報記録装置によって、L1層に対してOPC処理を行う前に、L0層を記録済みの状態にするための記録動作を省略することが可能である。以上より、より迅速且つ的確に、L1層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
次に、比較例を示した図11及び図12を参照して本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクの作用効果について検討を加える。ここに、図11は、比較例に係る2層型光ディスクのOPC処理において使用されるOPCエリアの物理的構造を拡大した図式的断面図である。図12は、比較例に係る2層型光ディスクのL0層が未記録の場合、並びに、L0層が記録済みの場合のL1層を記録対象とした記録パワーと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL1層におけるアシンメトリー値との関係を示したグラフである。
先ず、図11に示されるように、比較例においては、L0層には、例えば、リードインエリア内に、記録済み状態の透過エリアTA0−1、及び、未記録状態の透過エリアTA0−2が設けられている。
他方、L1層には、例えば、リードインエリア内に、前述した第1実施例と同様に、OPCエリアPCA1が設けられている。
以上のように構成されているため、そのOPC処理においては、図12に示されるように、L0層が記録済みである場合、L0層における光透過率は低下する傾向にあるので、L0層が記録済みである場合のL1層における最適記録パワーは、L0層が未記録である場合のL1層における最適記録パワーと比較して2(mW)程度大きくなることが分かる。
上述したように、L1層のOPCエリアPCA1−1に対向するL0層の透過エリアTA0−1が記録済みである場合と、未記録である場合とで、最適記録パワーが異なるため、L1層のOPCエリアPCA1−1における最適記録パワーを適切に検出するためには、後述される情報記録装置によって、レーザ光が透過するL0層の透過エリアTA0−1を記録済み状態にする処理が必要となってしまう。
これに対して、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクでは、前述したように、例えば製造時において、L0層の透過エリアTAのグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量を大きくさせ、L0層の光透過率を低下させることが可能である。よって、グルーブ形状によって、未記録のL0層の光透過率を記録済みのL0層の光透過率に近似させることが可能である。従って、情報記録装置によって、L1層に対してOPC処理を行う前に、L0層を記録済みの状態にするための記録動作を省略することが可能である。以上より、より迅速且つ的確に、L1層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
(情報記録媒体の第2実施例)
次に、図13から図15に加えて前述した図10を適宜参照して、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのL1層を記録対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理の原理について説明する。ここに、図13は、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのOPC処理において使用されるOPCエリアの物理的構造を拡大した図式的断面図である。図14は、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのL0層が未記録の場合、並びに、L1層のグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされた場合のL1層を記録対象とした記録パワーと、L1層におけるアシンメトリー値との関係を示したグラフである。
本発明の情報記録媒体の第2実施例における基本構造及びOPC処理は、図1から図12を参照して説明した第1実施例と概ね同様である。
図13及び図14に示されるように、特に、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクでは、例えば製造時において、L1層のOPCエリアPCA1−3のグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きく又は小さくされることによって、L1層のアシンメトリー値を低下させている。即ち、L1層のOPCエリアPCA1−3に照射されたレーザ光LBが記録済みのL0層を透過した場合と同様に、L1層のアシンメトリー値を低下させた状態を擬似的に形成することが可能である。尚、本発明に係る「所定領域」の他の一例が、OPCエリアPCA1−3によって構成されている。よって、L1層のOPCエリアPCA1−3におけるOPC処理の結果、L0層が記録済みである場合の最適記録パワーの値は20(mW)であると擬似的に検出可能である。
従って、情報記録装置によって、L1層に対してOPC処理を行う前に、L0層を記録済みの状態にするための記録動作を省略することが可能である。以上より、より迅速且つ的確に、L1層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
他方、第1実施例と同様にして、L0層が未記録である場合に対応したL1層に対する最適記録パワーの値は、L0層が未記録状態の透過エリアTA0−2を記録用レーザ光LBが透過され、L1層のOPCエリアPCA1−2に照射されることによって、18(mW)と検出可能である。
次に、図15及び前述した図10に加えて前述した図14を適宜参照して、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのL1層のグルーブにおける幅及び深さに加えて色素膜の厚さの絶対量とL1層におけるアシンメトリー値との相関関係について詳細に説明する。ここに、図15は、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのL1層のグルーブにおける幅と、色素膜の厚さと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL1層におけるアシンメトリー値との相関関係を示したグラフ(図15(a))、及び、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのL1層のグルーブにおける深さと、色素膜の厚さと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL1層におけるアシンメトリー値との相関関係を示したグラフ(図15(b))である。尚、ひし形でプロットされた直線は、L1層のグルーブにおける幅又は深さの絶対量が増減されても色素膜厚が同一の場合の相関関係を示す。また、四角でプロットされた直線は、L1層のグルーブにおける幅又は深さの絶対量が増減されるに伴って色素膜厚が変化する場合の相関関係を示す。
図15(a)のグラフ、及び、図10(b)の物理的構造の断面図に示されるように、L1層のグルーブにおける幅を広くさせる、即ち、幅の絶対量を大きくさせるとグルーブに溜まる色素が増加するため、L1層におけるアシンメトリー値は一般的に低下する傾向にある。より詳細には、図10(c)に示されるように、スピンコート工程によって色素はコーティングされているので、グルーブにおける幅が広い場所の色素膜厚は、グルーブにおける幅が通常の場所(図10(a)を参照)と比較して、薄くなる場合もある。この場合はアシンメトリー値の低下率は小さくなる。
より具体的には、図15(a)の「C」点においては、L1層のグルーブにおける幅の絶対量は、例えば、0.3(μm)であることが示されている。「D1」点、及び、「D2」点においては、L1層のグルーブにおける幅を、「C」点よりも、0.04又は0.08(μm)程度大きくさせることで、「C」点のアシンメトリー値よりも0.04程度低下させていることが示されている。
他方、図15(b)の四角でプロットされた直線のグラフ、及び、図10(e)の物理的構造の断面図に示されるように、L1層のグルーブにおける深さの絶対量を大きくさせるとグルーブに溜まる色素が増加するため、L1層におけるアシンメトリー値は一般的に増加する傾向にある。より詳細には、図10(e)に示されるように、スピンコート工程によって色素はコーティングされているので、グルーブにおける深さの絶対量を大きくさせた場所の色素膜厚は、グルーブにおける深さが通常の場所(図10(a)を参照)と比較して、厚くなる傾向がある。この場合、L1層のアシンメトリー値の増加率は小さくなる傾向にある。また、図15(b)のひし形でプロットされた水平直線のグラフ、及び、図10(d)の物理的構造の断面図に示されるように、色素膜厚が同一の場合、グルーブにおける深さの絶対量を大きくさせると、L1層のアシンメトリー値の増加率は大きくなる傾向にある。
より具体的には、図15(b)の「C」点においては、L1層のグルーブにおける深さの絶対量は、例えば、0.15(μm)であることが示されている。「D3」点においては、L1層のグルーブにおける深さを、「C」点よりも、0.03(μm)程度小さくさせることで、「C」点のアシンメトリー値よりも0.04程度低下させていることが示されている。
上述した図15(a)及び図15(b)をまとめると、前述した図14に示されるように、「C」点から「D」点へと、L1層におけるアシンメトリー値を低下させることが可能となる。
以上より、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクでは、例えば製造時において、L1層のOPCエリアPCA1−3のグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きく又は小さくされることによって、L1層のアシンメトリー値を低下させている。即ち、L1層のOPCエリアPCA1−3に照射されたレーザ光LBが記録済みのL0層を透過した場合と同様に、L1層のアシンメトリー値を低下させた状態を擬似的に形成することが可能である。よって、前述した図14に示されるように、L1層のOPCエリアPCA1−3におけるOPC処理の結果、L0層が記録済みである場合の最適記録パワーの値は20(mW)であると擬似的に検出可能である。
従って、情報記録装置によって、L1層に対してOPC処理を行う前に、L0層を記録済みの状態にするための記録動作を省略することが可能である。以上より、より迅速且つ的確に、L1層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
(情報記録装置の実施例)
次に、図16及び図17を参照して、本発明の情報記録装置の実施例の構成及び動作について詳細に説明する。特に、本実施例は、本発明に係る情報記録装置を光ディスク用の情報記録再生装置に適用した例である。
(情報記録再生装置)
次に、図16を参照して本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置の基本構成について説明する。ここに、図16は、本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。
図16に示すように、本実施例に係る情報記録再生装置300は、スピンドルモータ301、光ピックアップ310、ヘッドアンプ311、RF検出器312、サーボ回路315、LDドライバ320、ウォブル検波器325、LPPデータ検出器326、エンベロープ検波器330、OPCパターン生成器340、タイミング生成器345、データ収集器350、バッファ360、DVDモジュレータ370、データECC生成器380、バッファ385、インタフェース390及びCPU(Central Processing Unit)400を備えて構成されている。
スピンドルモータ301は、サーボ回路315等によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク100を回転させるように構成されている。
光ピックアップ310は、光ディスク100への記録又は再生を行うもので、半導体レーザ装置、各種レンズ、アクチュエータ等から構成される。より詳細には、光ピックアップ310は、光ディスク100に対してレーザ光を、再生時には読み取り光として第1のパワーで照射し、記録時には書き込み光として第2のパワーで且つ変調させながら照射する。光ピックアップ310は、サーボ回路315により駆動される図示しないアクチュエータ、スライダ等により光ディスク100の半径方向等に移動できるように構成されている。
ヘッドアンプ311は、光ピックアップ310の出力信号(即ち、レーザ光LBの反射光)を増幅し、該増幅した信号を出力する。具体的には、読取信号たるRF信号がRF検出器312及びエンベロープ検波器330に出力され、プッシュプル信号がウォブル検出器325やLPPデータ検出器326へ出力される。
RF検出器312は、RF信号を検出し、復調等を施すことで、再生データをバッファ385及びインタフェース390経由で外部へ出力可能に構成されている。そして、インタフェース390に接続された外部出力機器(例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示デバイス、或いはスピーカ等)において、所定のコンテンツが再生出力されることとなる。
サーボ回路315は、光ピックアップ310の受光結果を処理して得られるトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号等に基づいて、光ピックアップ310の対物レンズを移動し、これによりトラッキング制御及びフォーカス制御等の各種サーボ処理を実行する。また、光ディスク100におけるウォブリングされたグルーブトラックのウォブルから得られるウォブル信号を基準にして、スピンドルモータ301をサーボ制御するように構成されている。
LDドライバ320は、後述のOPC処理時には、後述のOPCパターンの記録及び再生処理により最適記録パワーの決定が行えるように、光ピックアップ310内に設けられた半導体レーザを駆動する。その後、LDドライバ320は、データ記録時には、OPC処理により決定された最適記録パワーで、光ピックアップ310の半導体レーザを駆動するように構成されている。このデータ記録時には、最適記録パワーは、記録データに応じて変調される。
尚、上述したスピンドルモータ301、光ピックアップ310、サーボ回路315及びLDドライバ320等を含めて、本発明に係る「書込手段」の一具体例を構成している。
ウォブル検出器325は、光ピックアップ310内に設けられた反射光ビームを受光する検出器たるヘッドアンプ311からの受光量に応じた出力信号に基づいて、ウォブル信号を示すプッシュプル信号を検出すると共にタイミング生成器345へ出力するように構成されている。
LPPデータ検出器326は、光ピックアップ310内に設けられた反射光ビームを受光する検出器たるヘッドアンプ311からの受光量に応じた出力信号に基づいて、LPP信号を示すプッシュプル信号を検出し、例えば後述の如くプリフォーマットアドレス情報を検出可能に構成されている。そして、当該プリフォーマットアドレス情報をタイミング生成器345へ出力可能に構成されている。
エンベロープ検波器330は、OPC処理におけるOPCパターンの再生時に、CPU400の制御下で、最適記録パワーを決定するために、ヘッドアンプ311からの出力信号たるRF信号のエンベロープ検波のピーク値及びボトム値を検出するように構成されている。係るエンベロープ検波器330は、例えばA/D(Analog/Digital)コンバータ等を含んでいるように構成されてもよい。
OPCパターン発生器340は、記録動作前のOPC処理におけるOPCパターンの記録時に、タイミング生成器345からのタイミング信号に基づいて、OPCパターンを示す信号を、LDドライバ320に対して出力するように構成されている。
タイミング生成器345は、OPC処理におけるOPCパターンの記録時に、LPPデータ検出器326より入力されるプリフォーマットアドレス情報に基づき、該プリフォーマットアドレス情報(例えば、ADIPワード)の管理単位を基準とした絶対位置情報を検出する。それと同時に、ウォブル信号を示すプッシュプル信号の周期に基づいて、プリフォーマットアドレス情報の管理単位より小さいスロット単位(例えば、ウォブル信号の一周期の自然数倍の長さに相当するスロット単位)を基準とした相対位置情報を検出する。よって、タイミング生成器345は、OPC処理における記録開始位置がプリフォーマットアドレス情報の管理単位、即ち、各ADIPワードの境界から開始されるか否かにかかわらず、その記録開始位置を特定することが可能であり、以後、ウォブル検出器325から出力されたウォブル信号を示すプッシュプル信号の周期に基づいて、OPCパターンを書き込むタイミング信号を生成して出力する。他方、タイミング生成器345は、OPC処理におけるOPCパターンの再生時に、記録時と同様にして、その再生開始位置を特定することが可能であり、以後、ウォブル検出器325から出力されたウォブル信号を示すプッシュプル信号の周期に基づいて、再生されたOPCパターンをサンプリングするタイミング信号を生成して出力する。
データ収集器350は、主としてメモリ一般である。例えば、外付RAM等から構成されている。エンベロープ検波器330で検波されたエンベロープがデータ収集器350に格納され、これに基づいて、CPU400における最適記録パワーの検出、即ち、OPC処理が実行される。
バッファ360は、DVDモジュレータ370より変調された記録データを格納し、LDドライバ320に出力可能に構成されている。
DVDモジュレータ370は、記録データに対してDVD変調を施し、バッファ360に出力可能に構成されている。DVD変調として、例えば8/16変調が施されてもよい。
データECC生成器380は、インタフェース390より入力される記録データに対してエラー訂正用の符号を付加する。具体的には、所定のブロック単位(例えば、ECCクラスタ単位)毎にECCコードを付加し、DVDモジュレータ370へ出力する。
バッファ385は、RF検出器312から出力される再生データを格納し、インタフェース390を介して、外部出力機器へ出力する。
インタフェース390は、外部入力機器より記録データ等の入力を受け付け、データECC生成器380へ出力する。また、例えばスピーカやディスプレイ等の外部出力機器に対して、RF検出器312より出力される再生データを出力可能に構成されていてもよい。
CPU400は、最適記録パワーを検出するために、例えば、LDドライバ320、サーボ回路315等の各手段へ指示する、即ちシステムコマンドを出力することで、情報記録再生装置300全体の制御を行う。通常、CPU400が動作するためのソフトウェアは、内部又は外部のメモリ内に格納されている。
尚、上述したCPU400、エンベロープ検波器330、OPCパターン発生器340、タイミング生成器345及びLDドライバ320等を含めて、本発明に係る「試し書き制御手段」の一具体例を構成している。
また、図16に示す情報記録再生装置300は、概ね光ピックアップ310、LDドライバ320、バッファ360、DVDモジュレータ370、データECC生成器380、その他の構成要素によりデータの記録が可能な情報記録装置として機能し、また概ね光ピックアップ310、ヘッドアンプ311、RF検出器312、その他の構成要素によりデータの再生が可能な情報再生装置としても機能することはいうまでもない。
(情報記録再生装置による記録動作の流れ)
次に、図17を参照して、本実施例に係る情報記録再生装置に係る実施例において光ディスクの記録動作及びOPC処理の流れについて詳細に説明する。ここに、図17は本発明の情報記録装置に係る実施例における情報記録再生装置の光ディスクの記録動作及びOPC処理を示したフローチャート図である。
図17において、先ず光ディスク100が装填されると、CPU354の制御下で、光ピックアップ352によりシーク動作が行われ、光ディスク100への記録処理に必要な各種管理情報が取得される。この管理情報に基づいて、CPU354の制御により、例えば外部入力機器等からの指示に応じて、データ入出力制御手段306を介して光ディスク100のデータの記録動作を開始するか否か判定される(ステップS101)。ここで、光ディスク100のデータの記録動作を開始する場合(ステップS101:Yes)、更に、記録対象となる記録層がL0層及びL1層であるか否かが判定される(ステップS102)。ここで、記録対象となる記録層がL0層及びL1層である場合(ステップS102:Yes)、L0層及びL1層のOPC処理が行われるOPCエリア内のアドレス情報が特定される(ステップS103)。
続いて、L1層のOPCエリアPCA1に対向するL0層の透過エリアTA又はTA0−2において、グルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされているか否かが判定される(ステップS104)。ここで、L0層の透過エリアTA又はTA0−2において、グルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされている場合(ステップS104:Yes)、L0層に対しては、OPCエリアPCA0に対してOPC処理が行われると共に、L1層のOPCエリアPCA1−1に対しては、透過エリアTAを透過したレーザ光LBによって、OPC処理が行われる(ステップS106)。特に、本実施例では、前述に説明したように、従って、情報記録装置によって、L1層のOPCエリアPCA1−1に対してOPC処理を行うに際して、L0層の透過エリアTAへの事前の記録動作を省略することが可能であるので、より迅速且つ的確に、L1層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
他方、L0層の透過エリアTA又はTA0−2において、グルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされていない場合(ステップS104:No)、L0層の透過エリアTA0−2において、記録動作が行なわれ(ステップS105)、記録済みの状態が形成され、前述したステップS106へと進む。
続いて、ステップS106のOPC処理において検出された最適記録パワーにより、L0層及びL1層へのデータの記録が行われる(ステップS107)。
他方、ステップS102の判定の結果、記録対象となる記録層がL0層及びL1層でない場合(ステップS102:No)、更に、記録対象となる記録層がL0層のみであるか否かが判定される(ステップS108)。ここで、記録対象となる記録層がL0層のみである場合(ステップS108:Yes)、L0層のOPC処理が行われるOPCエリアPCA0内のアドレス情報が特定される(ステップS109)。
続いて、L0層のOPCエリアPCA0に対してOPC処理が行われる(ステップS110)。
続いて、ステップS110において算出された最適記録パワーにより、L0層へのデータの記録が行われる(ステップS111)。
他方、ステップS108の判定の結果、記録対象となる記録層がL0層のみでない場合、記録対象となる記録層がL1層のみである場合(ステップS108:No)、L1層のOPC処理が行われるOPCエリア内のアドレス情報が特定される(ステップS112)。
続いて、L1層のOPCエリアに対向するL0層の透過エリアにおいて、グルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされているか否かが判定される(ステップS113)。ここで、L0層の透過エリアにおいて、グルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされている場合(ステップS113:Yes)、L1層に対してOPC処理が行われる(ステップS115)。特に、本実施例では、前述に説明したように、従って、情報記録装置によって、L1層に対してOPC処理を行うに際して、L0層への事前の記録動作を省略することが可能であるので、より迅速且つ的確に、L1層に対する最適記録パワーの値を検出することが可能となる。
他方、L0層の透過エリアにおいて、グルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされていない場合(ステップS113:No)、L0層の透過エリアにおいて、記録動作が行なわれ(ステップS114)、記録済みの状態が形成され、前述したステップS115へと進む。
続いて、ステップS115において算出された最適記録レーザパワーにより、L1層へのデータの記録が行われる(ステップS116)。
続いて、データの記録動作を終了するか否かが判定される(ステップS117)。ここで、データの記録動作を終了する場合(ステップS117:Yes)、情報記録装置による一連の記録動作は完了される。
他方、データの記録動作を終了しない場合(ステップS117:No)、前述した、記録対象となる記録層がL0層及びL1層であるか否かが判定される(ステップS102)。
他方、ステップS101の判定の結果、光ディスク100のデータの記録動作を開始しない場合(ステップS101:No)、例えば、記録動作開始コマンド等の指示を待つ。
本実施例では、情報記録媒体の一具体例として、例えば、2層型DVD−R又はDVD−R/W等の追記型又は書き換え型光ディスク、並びに、情報記録装置の一具体例として、該光ディスクの情報記録再生装置について説明したが、本発明は、例えば、3層型や、4層型等のマルチプルレイヤ型の光ディスク、並びに、該光ディスクの情報記録再生装置にも適用可能である。更に、ブルーレイ(Blue-ray)ディスク等の大容量記録媒体及び該記録媒体の情報記録再生装置にも適用可能である。
本発明は、上述した実施例に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報記録媒体、情報記録装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る複数の記録領域を有する光ディスクの基本構造を示した概略平面図(図1(a))及び、該光ディスクの概略断面図と、これに対応付けられた、その半径方向における記録領域構造の図式的概念図(図1(b))である。 本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクの記録面における部分拡大斜視図である。 本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクを対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理(11パワーステップの場合)を示した模式的タイミングチャート図である。 本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクを対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理(11パワーステップの場合)における再生RF信号を示した図式的概念図である。 本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクを対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理(11パワーステップの場合)におけるパワーステップ毎のアシンメトリー値をプロットしたグラフ図である。 本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る光ディスクを対象とした最適記録パワーを検出するOPC処理のうち、一つのパワーステップの詳細を示した波形図である。 本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのOPC処理において使用されるOPCエリアの物理的構造を拡大した図式的断面図である。 本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL0層が未記録の場合、並びに、L0層のグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされ、未記録状態のL0層の光透過率が低下されて記録済みのL0層の光透過率に近似された場合のL1層を記録対象とした記録パワーと、L1層におけるアシンメトリー値との関係を示したグラフである。 本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL0層のグルーブにおける幅と、色素膜の厚さと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL0層における光透過率との相関関係を示したグラフ(図9(a))、及び、本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL0層のグルーブにおける深さと、色素膜の厚さと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL0層における光透過率との相関関係を示したグラフ(図9(b))である。 本発明の情報記録媒体の第1実施例に係る2層型光ディスクのL0層(L1層)のグルーブにおける幅又は深さに加えて色素膜の厚さの絶対量が変化された場合のL0層(L1層)の物理的構造を示した図式的な断面図である。 比較例に係る2層型光ディスクのOPC処理において使用されるOPCエリアの物理的構造を拡大した図式的断面図である。 比較例に係る2層型光ディスクのL0層が未記録の場合、並びに、L0層が記録済みの場合のL1層を記録対象とした記録パワーと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL1層におけるアシンメトリー値との関係を示したグラフである。 本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのOPC処理において使用されるOPCエリアの物理的構造を拡大した図式的断面図である。 本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのL0層が未記録の場合、並びに、L1層のグルーブにおける幅及び深さの少なくとも一方の絶対量が大きくされた場合のL1層を記録対象とした記録パワーと、L1層におけるアシンメトリー値との関係を示したグラフである。 本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのL1層のグルーブにおける幅と、色素膜の厚さと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL1層におけるアシンメトリー値との相関関係を示したグラフ(図15(a))、及び、本発明の情報記録媒体の第2実施例に係る2層型光ディスクのL1層のグルーブにおける深さと、色素膜の厚さと、記録パワー及び記録パルスを一定とした条件下でのL1層におけるアシンメトリー値との相関関係を示したグラフ(図15(b))である。 本発明の情報記録装置の実施例に係る情報記録再生装置の基本構成を概念的に示すブロック図である。 本発明の情報記録装置に係る実施例における情報記録再生装置の光ディスクの記録動作及びOPC処理を示したフローチャート図である。
符号の説明
1…センターホール、10…トラック、11…セクタ、100…光ディスク、101…リードインエリア、102…データエリア、103…リードアウトエリア、104…ミドルエリア、106…透明基板、107…第1記録層、108…半透過反射膜、109…ウォブル、205…中間層、207…第2記録層、208…反射膜、300…情報記録再生装置、301…スピンドルモータ、310…光ピックアップ、311…ヘッドアンプ、RF検出器…312、サーボ回路…315、LDドライバ…320、325…ウォブル検波器、326…LPPデータ検出器、330…エンベロープ検波器、340…OPCパターン生成器、345…タイミング生成器、350…データ収集器、360…バッファ、370…DVDモジュレータ、380…データECC生成器、385…バッファ、390…インタフェース、400…CPU、GT…グルーブトラック、LT…ランドトラック、LB…レーザ光、LP…ランドプリピット、TA(TA0−1及びTA0−2)…透過エリア、PCA0(PCA1、PCA1−1、PCA1−2及びPCA1−3)…OPCエリア

Claims (13)

  1. 記録情報の少なくとも一部である第1情報を記録するための第1記録層と、
    該第1記録層上に配置されると共に、前記記録情報の少なくとも他の一部である第2情報を夫々記録するための一又は複数の第2記録層と
    を備えており、
    前記第2記録層の各層は、該各層よりも前記第1記録層側に位置する前記第2記録層の他の層及び前記第1記録層を透過した記録用レーザ光の最適記録パワーを検出するパワーキャリブレーションが行われる所定領域を有し、
    前記他の層及び前記第1記録層における、前記所定領域に対向する対向領域では、グルーブにおける幅及び深さのうち少なくとも一方の第1絶対量が大きくされることによって、当該対向領域における光透過率が、前記第1絶対量が大きくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、前記第1絶対量が大きくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられていることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 前記対向領域では、前記第1絶対量が大きくされることによって、当該対向領域における光透過率が、前記第1絶対量が大きくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に等しくされていることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体。
  3. 前記所定領域では、グルーブにおける幅及び深さのうち少なくとも一方の第2絶対量が大きく又は小さくされることによって、前記対向領域における光透過率が、前記第2絶対量が大きく又は小さくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、前記第2絶対量が大きく又は小さくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報記録媒体。
  4. 前記所定領域では、前記第2絶対量が大きく又は小さくされることによって、前記対向領域における光透過率が、前記第2絶対量が大きく又は小さくされておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に等しくされていることを特徴とする請求項3に記載の情報記録媒体。
  5. 前記第2記録層の各層は、第2色素膜を更に備え、
    前記所定領域では、前記第2色素膜が厚く又は薄く形成されることによって、前記対向領域における光透過率が、前記第2色素膜が厚く又は薄く形成されておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、前記第2色素膜が厚く又は薄く形成されておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の情報記録媒体。
  6. 前記第1記録層は、第1色素膜を更に備え、
    前記対向領域では、前記第1色素膜が厚く又は薄く形成されることによって、当該対向領域における光透過率が、前記第1色素膜が厚く又は薄く形成されておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が未記録であると仮定した場合の光透過率と比べて、前記第1色素膜が厚く又は薄く形成されておらず且つ前記他の層及び前記第1記録層が記録済みであると仮定した場合の光透過率に近付けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  7. 前記所定領域は、前記対向領域よりも小さい領域であることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  8. 前記第1記録層及び前記第2記録層の各層のうち少なくとも一つは、管理情報を記録する管理情報記録領域を更に有し、
    前記管理情報記録領域には、前記管理情報として、前記第1絶対量及び前記第2絶対量のうち少なくとも一方が大きく又は小さくされているか否かを識別する識別情報が記録されていることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  9. 前記他の層及び前記第1記録層は、前記対向領域と異なる領域に、前記他の層及び前記第1記録層に対する前記パワーキャリブレーションが行われる第1所定領域を夫々有することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  10. 前記第2記録層の各層は、前記所定領域と異なる領域であって、前記対向領域に対向しない領域に、前記第2記録層の各層に対する前記パワーキャリブレーションが行われる第2所定領域を夫々有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  11. 前記第1記録層及び第2記録層の各層のうち少なくとも一つは、前記検出された最適記録パワーの値を記録する管理領域を更に有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の情報記録媒体。
  12. 請求項1から11のいずれか一項に記載の情報記録媒体に、前記記録情報を記録するための情報記録装置であって、
    前記記録用レーザ光を前記第1記録層に集光するように照射することで前記第1記録層に対して前記記録情報の少なくとも他の一部である試し書き情報を書き込み、前記記録用レーザ光を前記第2記録層の各層に集光するように照射することで前記第2記録層の各層に対して前記試し書き情報を書き込むための書込手段と、
    (I)前記対向領域を介して、前記所定領域において、前記第2記録層の各層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きすると共に、(II)前記対向領域と異なる領域に有される第1所定領域において、前記他の層及び前記第1記録層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きするように前記書込手段を制御する試し書き制御手段と
    を備えたことを特徴とする情報記録装置。
  13. 請求項1から11のいずれか一項に記載の情報記録媒体に、前記記録情報を記録するために、前記記録情報の少なくとも他の一部である試し書き情報を書き込むための書込手段を備えた情報記録装置における情報記録方法であって、
    (I)前記対向領域を介して、前記所定領域において、前記第2記録層の各層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きすると共に、(II)前記対向領域と異なる領域に有される第1所定領域において、前記他の層及び前記第1記録層に対する前記記録用レーザ光のパワーキャリブレーションのための前記試し書き情報を試し書きするように前記書込手段を制御する試し書き制御工程と
    を備えたことを特徴とする情報記録方法。
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