JP2004265475A - 光ディスク装置とそのフォーカス制御方法 - Google Patents

光ディスク装置とそのフォーカス制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単なアルゴリズムにより、記録部と未記録部の境界領域でのトラッキングにおけるトラッキング外れを回避することが可能な光ディスク装置を提供する。
【解決手段】光ディスクのトラックにトラッキング制御を行うトラッキング制御部と、光ディスクのトラックにフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、該フォーカス制御部にオフセットを付加するフォーカスオフセット制御部とを備え、記録済みトラックと未記録トラックの境界領域付近で情報の記録または再生を行う時に、フォーカスオフセット制御部よりオフセットを付加してフォーカス制御を行うことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスクに光学的に情報を記録または再生のいずれかまたは両方を行う光ディスク装置とそのフォーカス制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスク装置としては種々のものがあり、記録媒体としての光ディスクにも、DVD−R、DVD−RAM、DVD−RWなどがある。このうち、DVD−RとDVD−RW等には、追加記録モード(Incremental Write Mode)があり、この場合、記録済みトラックに繋げて新しい情報が記録される。また、DVD−RとDVD−RW等には、ディスク内の記録状態情報を格納しておくための領域としてRMA(Recording Management Area)を設けており、この領域でも上記のような追加記録が行われる。
【0003】
ところで、かかる追加記録においては、記録領域と未記録領域が混在しており、これらの境界部分をトラッキングすると、トラッキング誤差信号にアンバランスが発生し、トラッキングが外れ易いという問題があった。この問題点を解決するために、トラッキングオフセット量を検出して該オフセットを補正するさまざまな方法が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−84194号公報(要約)
【特許文献2】
特開2002−288855号公報(要約)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1においては、光ディスクの内周アドレス演算回路および外周アドレス演算回路と、両アドレスを入力とする記録済アドレス管理メモリと、その出力を入力とするオフセット判定回路と、その出力の制御信号をもとにトラッキングオフセットを印加するオフセット印加回路を必要とするので、複雑な回路およびそれにともなう制御アルゴリズムが複雑であり、種々の問題がおこりやすい。
【0006】
また上記特許文献2においては、光ディスクの内周側ディテクタおよび外周側ディテクタと、通常の記録もしくは記録前にウォブルもしくはランドプリセットの振幅を内周側ディテクタと外周側ディテクタのそれぞれで検出および学習した結果をトラック補正目標値として記憶する記憶部と、目標値と現在値との差を演算する演算部と、差に応じたオフセットをトラッキングエラー信号に加算する加算部を必要とするので、複雑な回路およびそれにともなう制御アルゴリズムが複雑であり、種々の問題がおこりやすい。
【0007】
本発明の目的は、簡単なアルゴリズムにより、記録部と未記録部の境界領域でのトラッキングにおけるトラッキング外れを回避することが可能な光ディスク装置およびそのフォーカス制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、記録済みトラックと未記録トラックを備えた光情報記録媒体に情報を記録または再生する光ディスク装置であって、前記トラックにトラッキング制御を行うトラッキング制御部と、前記トラックにフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、該フォーカス制御部にオフセットを付加するフォーカスオフセット制御部とを備え、前記記録済みトラックと前記未記録トラックの境界領域付近で情報の記録または再生を行う時に、前記フォーカスオフセット制御部よりオフセットを付加してフォーカス制御を行うことを特徴とする光ディスク装置である。
【0009】
本発明は、記録済みトラックと未記録トラックを備えた光情報記録媒体に情報を記録または再生する光ディスク装置のフォーカス制御方法であって、前記記録済みトラックと前記未記録トラックの境界領域付近で情報の記録を行う時に、オフセットを付加してフォーカス制御を行うことを特徴とする光ディスク装置のフォーカス制御方法である。
【0010】
本発明は、記録済みトラックと未記録トラックを備えた光情報記録媒体に情報を記録または再生する光ディスク装置であって、前記トラックにトラッキング制御を行うトラッキング制御部と、前記トラックにフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、該フォーカス制御部にオフセットを付加するフォーカスオフセット制御部とを備え、前記記録済みトラックあるいは前記未記録トラックにおいて最適フォーカスオフセットを求め、前記記録済みトラックと前記未記録トラックの境界領域付近で情報の記録を行う時に、前記フォーカスオフセット制御部よりオフセットを付加してフォーカス制御を行うとともに、前記未記録トラックへの情報記録中に前記オフセットを前記最適フォーカスオフセットに戻すことを特徴とする光ディスク装置である。
【0011】
本発明は、記録済みトラックと未記録トラックを備えた光情報記録媒体に情報を記録または再生する光ディスク装置のフォーカス制御方法であって、前記記録済みトラックあるいは前記未記録トラックにおいて最適フォーカスオフセットを求め、前記記録済みトラックと前記未記録トラックの境界領域付近で情報の記録を行う時に、オフセットを付加してフォーカス制御を行うとともに、前記未記録トラックへの情報記録中に前記オフセットを前記最適フォーカスオフセットに戻すことを特徴とする光ディスク装置のフォーカス制御方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0013】
先ず、本発明に係る光ディスク装置の概略構成を、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態による読み書き可能な光ディスク装置のブロック図である。
【0014】
先ず、図1において、符号100は、光ディスクを示している。また、符号200は、その内部に、レーザ光を発生する発光素子である半導体レーザ210、発光されたレーザ光を平行光にするコリメートレンズ220、入射光を後述するミラーに導き、反射光を後述する受光素子に導くハーフミラー230、光の方向を変えるためのミラー240、光ディスク100の記録面にレーザ光を所定のビーム径に収束して照射するための対物レンズ250、上記ハーフミラー230からの反射光を受光して検出する受光素子260等を備えた光学的再生手段である光ピックアップを示している。
【0015】
また、図1において、符号1380は、上記光学的再生手段である光ピックアップの受光素子260により検出して反射光を電気信号に変換して所定の処理を行うための信号処理部である。この信号処理部1380は、光ディスク装置の全体の制御を行うために設けられたシステムコントローラ400に接続されており、以下に述べるフォーカス制御方法を含めて、種々の制御を行う。すなわち、このシステムコントローラ400は、種々の制御を行えるように、レーザ駆動部500、送り制御部600、スピンドル制御部700、アクチュエータ制御部800に接続されている。
【0016】
すなわち、上記の構成により、システムコントローラ400は、上記光学的再生手段である光ピックアップ200の発光素子である、半導体レーザ210へ供給する電流を制御してその発光強度を制御し、また、送り制御用のモータ650の回転を制御することにより、光ピックアップ200の光ディスク100の半径方向での位置を制御する。この実施の形態では、光ディスク100の半径方向への移動機構として、送り制御用のモータ650の回転により光ピックアップ200を半径方向に移動するためのギア660が表わしている。しかしこれに限定されるものではない。
【0017】
また、システムコントローラ400は、スピンドルを回転駆動するモータ750の回転を制御することにより、かかる高密度情報記録媒体では広く採用されている線速度一定の制御であるCLV(Constant Linear Velocity)制御等を実現する。さらに、このシステムコントローラ400は、アクチュエータ制御部800により、光ピックアップ200の対物レンズ250のフォーカス位置制御を、例えば、その作動手段として電磁コイル850等を利用して、電磁的な作用により実現している。なお、ここで、このアクチュエータ制御部800により実現される位置制御とは、対物レンズ250の光ディスク100の記録面に対して直角方向の位置制御(フォーカス制御)に加え、さらに、それに直角な半径方向の微小な位置調整によりトラックに追従するためのトラッキング位置制御が含まれる。しかし、これに限るものではなく、さらにチルト制御等を付加しても良い。
【0018】
さて、前記した光ディスク装置によれば、パーソナルコンピュータ等の図示しないホスト(外部機器)からの命令や情報データを、インターフェース制御回路(図示せず)で解読し、システムコントローラ400による制御のもと、情報の記録、再生やシーク動作等を実行する。また、信号処理部1380で信号変換して、光ピックアップ200を介して光ディスク100に情報を記録すること、受光素子260を介して読み込んだ各種信号を信号処理部1380を介して元のデータに復調し、復調されたデータを再生コマンドに対応して上記インターフェース制御回路からホストに転送することもできる。なお、情報の記録・再生動作の詳細な説明は省略する。
【0019】
また、記録・再生に際し、光ディスク100に記録されている各種の制御情報を信号処理部1380で生成し、上記した各種装置の制御信号に活用している。
【0020】
次に、図3、図4を参照して、DVD−RWと呼ばれる光ディスク100を詳細に説明する。図3は、光ディスク装置により情報が記録・再生される光ディスク100の外観図であり、図3(a)が斜視図、図3(b)が平面図である。図4は図2で示した光ディスク100における各領域を示したものである。
【0021】
先ず、図3に示す光ディスク100を説明する。かかる光ディスクの中でも、特に、DVD−RWと呼ばれる記録可能な媒体では、その透明な基板上の記録層に、例えば、相変化を利用して、レーザ光の照射によって結晶質状態あるいは非晶質状態のマークを作り出すことにより情報の書込みが可能であり、また、その後、マークを作ったことによる結晶質、非晶質の光の反射率の変化を読み取ることで光ディスク100に記録された情報を再生している。
【0022】
図1に示した光ディスク100は、一例として上記DVD−RWと呼ばれる記録可能なディスクを挙げており、図3(a)に示すように、その内周部に所定の制御情報記録あるいはパワーキャリブレーション等に用いるR−インフォメーション領域110と、その周辺のインフォメーション領域120とに分けられている。そして、上記のような光ディスクでは、図3(a)に示すように、その情報記録部分として、円盤上に情報を連続的に記録するための螺旋状のトラックTに沿って、グルーブと呼ばれる溝が形成されて情報の記録及び読み出しを可能にしている。また、上記トラックTは、セクタと呼ばれる記録領域に分割されており、該セクタにはその番地アドレスを表す信号としてLPP(Land Pre−Pit)信号が形成されている。該LPP信号は、凹凸ピットで前記グルーブ間のランド部に形成されている。また、情報の記録は上記セクタ単位あるいはECCブロック単位で行われる。ここでECCブロックは16個のセクタから形成されている。
【0023】
更に、図3(b)に示すように、前記インフォメーション領域120は、幾つかの領域に分割されている。つまり、インフォメーション領域120は、内側にリードイン領域121と外側にリードアウト領域122を備え、その間にユーザーの情報を読み書きするユーザデータ領域123が備えられている。
【0024】
該ユーザデータ領域123で追加記録を行う場合は、一番最後に記録したアドレス番地を検索して、該番地以降に追加記録を行う。該アドレス番地の検索には、上記LPP信号あるいは、記録済みデータ内に格納されているデータID等を用いることができる。記録と未記録の判定には、記録済みデータの有り無し、あるいは反射率の違い等を用いることができる。
【0025】
また、図4に示すように、上記R−インフォメーション領域110は、パワーキャリブレションエリア(PCA)とレコーディングマネージメントエリア(RMA)等に分けられている。PCAは記録パワー等の最適記録条件を決定するために使用される領域であり、RMAはディスクに関する各種の記録情報等を格納しておくために使用される領域である。
【0026】
上記RMA領域では、記録情報等が変更される毎にセクタ単位で追加記録が行われる。すなわち、RMA領域にはユーザデータ領域で一番最後に記録したアドレスを記録してあるので、例えば上記ユーザデータ領域に追加記録が行われた場合、最終記録アドレス情報を該RMA領域に追加記録することになる。
【0027】
また、図3,図4の説明では図示していないが、上記グルーブと呼ばれる溝には、一定の周波数で蛇行するウォブル(半径方向の微少量揺動)が形成されている。このウォブルの1回転あたりの個数をウォブル検出回路(図示せず)を介して検出し、前記スピンドル制御部700を介して、モータ750を効率良く、かつ安定した回転制御を達成するようにしている。
【0028】
次に、図2には、本発明の一実施の形態になる光ディスクの記録・再生を行う光ディスク装置における光学的再生手段である光ピックアップ200における受光素子260と、その検出信号を処理する信号処理部1380やその周辺部を含む詳細な構成が示されている。
【0029】
図2からも明らかなように、この受光素子260は、4個の検出部A、B、C、Dに分割されており、光ディスク100の記録面で反射されてこの受光素子260に入射した反射光は、これら分割された各検出部によりそれぞれ電気信号に変換されて出力される。これら分割された各検出部A、B、C、Dからの出力は、加算回路301〜304に入力され、それぞれ、(A+C)、(B+D)、(A+D)、(B+C)の加算が行われる。さらに、加算回路301と302からの出力は、加算回路305に入力されており、これにより、各検出部A、B、C、Dからの出力の全てを加算した(A+B+C+D)の和信号が出力される。
【0030】
また、加算回路301と302からの出力は、同時に、引き算回路306へも入力され、これにより、その出力には、((A+C)−(B+D))で表されるトラッキング制御のための信号である、トラッキングエラー信号TEが出力される。
【0031】
このトラッキングエラー信号TEは、加算器309によりオフセット値が加算され、アクチュエータ制御部800へ出力されている。該オフセット値はシステムコントローラ400より制御される。
【0032】
一方、加算回路303、304から出力された信号(A+D)と(B+C)は、引き算回路311に入力され、これにより、((A+D)−(B+C)で表されるフォーカスエラー信号FEが得られる。このフォーカスエラー信号FEは、アクチュエータ制御部800を介して光ピックアップ200の対物レンズ250のフォーカス位置(光ディスク100の記録表面に垂直な方向)を制御する。
【0033】
また、この引き算回路311からの出力であるフォーカスエラー信号FE((A+D)−(B+C))は、加算器314でフォーカスオフセット値を印加されて、アクチュエータ制御部800へ出力されている。該オフセット値もシステムコントローラ400より制御される。
【0034】
さらに、加算回路305からの和信号(A+B+C+D)は、データ復調部354にて情報記録データを復調しシステムコントローラ400に光ディスク100からの読み取りデータとして取り込まれる。また、本実施の形態では、データ復調部354は、LPPデータの復調も行い、光ディスク100のアドレス情報を取得する。
【0035】
次に、本実施の形態に係る光ディスク装置において、記録部と未記録部の境界でのトラッキング信号のアンバランス発生状況と、該アンバランス発生時におけるトラック外れ回避方法について、図5〜図9を用いて説明する。
【0036】
図5は光ディスク100において記録部と未記録部の境界を模式的に表したものである。光ディスク100上にはグルーブと呼ばれる溝(以下単にグルーブという)1300が形成されており、グルーブ上に正確にトラッキングをかけて記録および再生を行っている。グルーブ1300の間にはランド1301が形成されている。グルーブの幅は0.35μm、トラックピッチは0.74μmなので、ランドの幅は0.39μmとなる。また、グルーブの深さは30nmである。記録マーク1302の幅は0.45μmであり、記録マークの長さはデータ長により異なるが、3Tデータで0.42μm、5Tデータで0.7μmになる。相変化記録膜の反射率は未記録部で16.3%、記録部で2.1%である。また、相変化記録膜の場合、記録部と未記録部で位相差があり、本実施の形態では0.0325λの位相差があった。ここでλは波長である。
【0037】
また、図5においては、ほぼ中央の記録マークを形成したグルーブをトラック#0とし、左側をトラック#−1、トラック#−2とし、右側をトラック#1、トラック#2、トラック#3とした。記録部はトラック#−2、トラック#−1、トラック#0で、未記録部はトラック#1、トラック#2、トラック#3である。
【0038】
なお、本実施の形態では、対物レンズのNAは0.6、レーザの波長λは660nm、光ディスク基板の屈折率は1.578である。
【0039】
図6は、図5において光スポット1310をx方向(グルーブに対して直角方向)にスキャンしたときのトラッキング誤差信号を示した。図6の横軸は図5のx軸に対応し、トラック番号0はトラック#0の中央、トラック番号1はトラック#1の中央にそれぞれ対応している。以下トラック番号とトラック#は同様の対応になっている。
【0040】
図6から分かるように、トラック#0では右側の未記録トラック(トラック#1)の影響を受けてトラッキング誤差信号TEがアンバランスになっている。通常の場合、トラッキング時にはトラッキング誤差信号0になるようにトラッキング制御をかけている。したがって、トラック#0をトラッキングしているとき、例えば偏心等の外乱で右側方向にトラッキングが振られると、容易にトラッキング制御の範囲をオーバーしてしまい、トラッキング外れが発生する。
【0041】
上記従来の特許文献では、該トラッキング外れを回避するために、トラッキング誤差信号にオフセットを与えて(図6の場合はマイナス方向のオフセットを与えると良い)トラッキング外れを回避していた。この場合、トラック#0(境界部のトラック)のみオフセットを与えるのが最も効果的ではあるが、制御アルゴリズムが複雑で、種々の問題が起こりやすい。
【0042】
本実施の形態においては、フォーカスオフセットを変化させることで上記トラック外れを回避できることを見出した。図7に、フォーカスオフセットを変化させたときのトラッキング誤差信号を示す。細線911は、フォーカスオフセット0μmで図6と同じトラッキング誤差信号曲線、太線910はフォーカスオフセット+0.5μmの時のトラッキング誤差信号曲線、点線912はフォーカスオフセット−0.5μmの時のトラッキング誤差信号曲線である。このように、フォーカスオフセットを+0.5μmにすることで、トラッキング誤差信号のアンバランスが大幅に改善されることが分かった。一方、同時にトラッキングオフセットが多少発生しているが、これは従来例でのオフセット印加時のオフトラック量とほぼ同じであることと、オフトラック量が少ないので、大きな問題にはならない。
【0043】
フォーカスオフセット量と上記アンバランスの関係をさらに詳細に調べるために、図8に示したようなA、Bを評価関数として用いた。すなわち、Aは+側の最大誤差信号量、Bは−側の最小誤差信号量である。図9にはA,Bおよび(A+B)/2とフォーカスオフセットの関係を示した。曲線920は+側(A)、曲線921は−側(B)を示し、点線922はAとBの中点レベルを示している。図9より、本実施形態では、フォーカスオフセットを+0.3μmに設定することで上記アンバランスを最良点に持っていくことができた。これにより、上記境界部でのトラッキング外れを回避することが可能となった。
【0044】
次に、本発明による実施の形態の追加記録方法について図10を用いて説明する。図10は光ディスク100と光ディスク装置を用いて、追加記録命令がなされた時の制御アルゴリズムの一実施の形態を示したものである。追加記録命令がなされた時(S1000)、まず光ディスク100の記録済みトラックあるいは未記録トラックにおいて現在の最適フォーカスオフセット値を取得する(S1001)。上記追加命令以前に、すでにフォーカスオフセット値が分かっている場合はこのステップを省略することは当然可能である。次に、記録開始アドレス付近に光ヘッド200を移動させる(ステップ1002)。トラッキングをON(ステップ1003)させて、記録開始アドレスを検索し(S1004)、トラッキング外れがなく記録アドレスが検出できた場合は、以下の正常シーケンスを実行する。
【0045】
正常シーケンスでは、記録開始アドレスの内周側に光ヘッド200を移動させ(S1005)、該内周側からトラッキングを開始し(S1006)、記録開始アドレスに到達した所から記録を開始する(S1007)。記録開始時には、システムコントローラ400からレーザ駆動部500に記録パワーONの指示を出し、半導体レーザ210を記録パワーレベルで発光させる。S1008で所定のデータを記録した後、記録パワーをOFFして記録終了させる(S1009)。
【0046】
一方、S1004でトラッキング外れが発生し記録開始アドレス検出ができなかった場合は、以下のシーケンスを実行する。すなわち、S1101ではフォーカスオフセット値を変化させる。変化ステップ幅は光ヘッド200の特性によって異なる場合が多いが、本実施の形態では、変化ステップ幅を0.1μmとし、最初に+側スキャン+0.6μmまで、次に−側スキャン−0.6μmまでとした。したがって、最大回数は12回となる。
【0047】
次に、トラッキングをONして(S1102)、再度、記録開始アドレスを検出する(S1003)。アドレス検出に失敗した場合は、S1150の所定の回数あるいは所定オフセット範囲の判定を経て、フォーカスオフセット値変化ステップ(S1101)に戻る。所定の回数あるいは所定オフセット範囲の判定でこれ以上フォーカスオフセットを変化させても意味がないと判断された場合は、S1155で記録エラーを上位システムに返して、エラー終了とする。
【0048】
S1103で記録開始アドレスが検出できた場合は、記録開始アドレスの内周側に光ヘッド200を移動させ(S1104)、該内周側からトラッキングを開始し(S1105)、記録開始アドレスに到達した所から記録を開始する(S1106)。次のステップS1107においては、記録中にすみやかにフォーカスオフセットをS1001で取得した値に戻す。さらに、S1108で所定のデータを記録した後、記録パワーをOFFして記録終了させる(S1009)。
【0049】
ここで、本実施の形態におけるS1107について、図11および図12を用いてさらに詳細に説明する。図11はトラック#1に追加記録を行っている状態を示したものである。トラック#1に追加記録している時は、図7におけるトラック番号1のトラッキング誤差信号に対応する。すなわち、記録済みトラック#0をトラッキングしている時に比べて、トラッキング誤差信号のアンバランスが少なく、フォーカスオフセットを変化させなくともトラッキング外れが発生することはほとんどない。一方、記録中はフォーカスオフセットは最適値(ジャストフォーカス)であることが望ましい。したがって、記録済みトラックから未記録トラックに突入した場合、すみやかに所定のフォーカスオフセットに戻すことは、記録する上で重要なことである。
【0050】
図12は、トラック数とフォーカスオフセット、ライトゲートの関係の一実施の形態を示したものである。図12において、上部のラインは、トラック#0の最後からライトゲートを開いて(HighからLowにすることで記録開始するように設定している)記録を行っている様子を示しており、下部のラインはトラック#2からトラック#5にかけてフォーカスオフセットを+0.3μmから0μmに徐々に戻している様子を示している。このように、記録済みトラックでフォーカスオフセットを少しずらして、上記境界部でのトラッキング外れを回避して、未記録部に記録するときには記録開始後にフォーカスオフセットをジャストフォーカスに戻すことで、追加記録をさらに良好に実現することができた。記録中にフォーカスオフセットを戻す方法は上記方法に限るわけではなく、これよりも長い期間をかけても良いし、あるいはシステム的に可能であれば、記録開始と同時に行っても良いことはいうまでもない。また、フォーカスオフセットの変化はわずかもトラック外れを回避するのに効果があるので、フォーカスオフセットを戻さずに置いたとしても、本発明の効果を損なうものではない。
【0051】
また、上記実施の形態では、S1004およびS1103で記録開始アドレス検出を判定手段に用いたが、これに限るものではなく、トラッキング外れの有無を検出したり、トラッキングオフセット量の検出等を判定手段に用いることもできる。
【0052】
さらに、上記実施の形態は記録について示したが、記録に限るものではなく、上記境界部においてデータを再生するときにも適用できることは言うまでも無い。
【0053】
本発明の実施の形態によれば、フォーカスオフセットを付加するという簡単なアルゴリズムにより、記録部と未記録部の境界領域でのトラッキングにおいて、トラッキング外れを回避することができ、トラッキング誤差信号にアンバランスが発生することなく、情報の記録または再生を良好に行うことができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単なアルゴリズムにより、記録部と未記録部の境界領域でのトラッキングにおけるトラッキング外れを回避することが可能な光ディスク装置およびそのフォーカス制御方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスク装置の装置ブロック図である。
【図2】本発明に係る読み書き可能な光ディスク装置の回路構成図である。
【図3】本発明に係る光ディスク装置により情報が再生・記録可能な光ディスクであるDVD―RWの外観図である。
【図4】図3のDVD−RWにおける領域配置図である。
【図5】図3のDVD―RWにおける記録トラックと未記録トラックの境界領域を模式的に表した図である。
【図6】記録トラックと未記録トラックの境界領域付近を光スポットが移動したときのトラッキング誤差信号を示す波形図である。
【図7】フォーカスオフセットを変化させた時における、記録トラックと未記録トラックの境界領域付近を光スポットが移動したときのトラッキング誤差信号を示す波形図である。
【図8】A,Bの定義を説明するための説明図である。
【図9】フォーカスオフセットを変化させた時の、A,Bの変化を示す特性図である。
【図10】本発明に係るディスク装置を用いて、追加記録命令がなされた時の制御アルゴリズムの実施形態を示したフローチャートである。
【図11】記録トラックと未記録トラックの境界領域でトラック#1に追加記録を行っている状態を模式的に表した図である。
【図12】トラック数とフォーカスオフセット、ライトゲートの関係の本発明に係る一実施の形態を示したものである。
【符号の説明】
100…光ディスク(DVD−RW)、200…光ピックアップ、210…半導体レーザ、220…集光用光学レンズ、230…ハーフミラー、250…対物レンズ、260…受光素子(ディテクタ)、301,302,303,304,305…加算回路、306,311…引き算回路、309,314…加算器、354…データ復調部、400…システムコントローラ、800…アクチュエータ制御部、1300…グルーブ、1301…ランド、1302…記録マーク、1310…光スポット。

Claims (4)

  1. 記録済みトラックと未記録トラックを備えた光情報記録媒体に情報を記録または再生する光ディスク装置であって、前記トラックにトラッキング制御を行うトラッキング制御部と、前記トラックにフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、該フォーカス制御部にオフセットを付加するフォーカスオフセット制御部とを備え、前記記録済みトラックと前記未記録トラックの境界領域付近で情報の記録または再生を行う時に、前記フォーカスオフセット制御部よりオフセットを付加してフォーカス制御を行うことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 記録済みトラックと未記録トラックを備えた光情報記録媒体に情報を記録または再生する光ディスク装置のフォーカス制御方法であって、前記記録済みトラックと前記未記録トラックの境界領域付近で情報の記録を行う時に、オフセットを付加してフォーカス制御を行うことを特徴とする光ディスク装置のフォーカス制御方法。
  3. 記録済みトラックと未記録トラックを備えた光情報記録媒体に情報を記録または再生する光ディスク装置であって、前記トラックにトラッキング制御を行うトラッキング制御部と、前記トラックにフォーカス制御を行うフォーカス制御部と、該フォーカス制御部にオフセットを付加するフォーカスオフセット制御部とを備え、前記記録済みトラックあるいは前記未記録トラックにおいて最適フォーカスオフセットを求め、前記記録済みトラックと前記未記録トラックの境界領域付近で情報の記録を行う時に、前記フォーカスオフセット制御部よりオフセットを付加してフォーカス制御を行うとともに、前記未記録トラックへの情報記録中に前記オフセットを前記最適フォーカスオフセットに戻すことを特徴とする光ディスク装置。
  4. 記録済みトラックと未記録トラックを備えた光情報記録媒体に情報を記録または再生する光ディスク装置のフォーカス制御方法であって、前記記録済みトラックあるいは前記未記録トラックにおいて最適フォーカスオフセットを求め、前記記録済みトラックと前記未記録トラックの境界領域付近で情報の記録を行う時に、オフセットを付加してフォーカス制御を行うとともに、前記未記録トラックへの情報記録中に前記オフセットを前記最適フォーカスオフセットに戻すことを特徴とする光ディスク装置のフォーカス制御方法。
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