WO2006054638A1 - 情報記録媒体、情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム - Google Patents

Abstract

　情報記録装置（１）は、記録情報を記録可能な記録トラックが形成された記録層を備えた情報記録媒体（１００）に対して、光源から発するレーザ光を照射して記録情報を記録するために、（ｉ）記録手段（５０１ａ）と、（ｉｉ）情報記録媒体の特性（ジッタ値等の再生品質）を検出する検出手段（５３０等）とを備え、記録手段は、特性に応じた記録密度で、情報記録媒体に記録マークを形成させる。

Description

明 細 書

情報記録媒体、情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログラム 技術分野

[0001] 本発明は、例えば DVD等の情報記録媒体、例えば DVDレコーダ等の情報記録 装置及び方法、並びにコンピュータをこのような情報記録装置として機能させるコン ピュータプログラムの技術分野に属する。

背景技術

[0002] 例えば CD、 DVD-R/RW/RAM, DVD+R/RW, Blu- lay等の光ディスクに おいては、記録条件を規定する規格書 (所謂、スペック BOOK)に基づいて、情報が 夫々記録される。ここに、本願発明に係る「記録条件」とは、当該光ディスクに情報（ データ）を記録するための記録パラメータを意味し、例えば記録速度 (線速度や角速 度）、この記録速度に対応した、トップパルス及びミドルパルスを含む駆動パルスの記 録パワー、並びに、記録速度に対応したパルスストラテジ等である。

[0003] 具体的には、例えば DVD— Rや DVD— RW等の情報記録媒体に対してデータを 記録する際には、レーザ光を当該情報記録媒体の記録面に照射して記録マークを 形成することで行う。そして、このレーザ光の波形は、適切にデータが記録できるよう に、レーザ光を照射するための駆動ノ ルスを規定するパルスストラテジによって制御 されている。更に、これらの情報記録媒体に対してデータを記録するための記録速 度は技術の進歩と共に増加しており、例えば 2倍速の記録速度や 4倍速の記録速度 等が実現されている。更に、より具体的には、例えば 8倍速の記録速度において、デ ータを記録する際のレーザ光の波形制御（或 、は、パルス制御）を適切に行うために 、本件出願人らにより、レーザ光の波形のうち記録マークを形成するためのマーク期 間の波形において、中間バイアス期間 (即ち、ミドルパルスが形成される期間）を設け る技術が考案されている (特許文献 1)。このように中間バイアス期間を設けることで、 記録速度が増加しても適切にレーザ光の波形を制御することが可能となる。

[0004] 以上のことから、データの記録密度は、光ディスクの種類、及び、記録速度等の記 録条件に応じて、決定することができる。 [0005] 特許文献 1：特開第 2003— 85753号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] し力しながら、例えば前述した規格書によって示される許容範囲に準拠した記録条 件を保持する光ディスクを製造するためには、技術的に高度な製造能力が必要であ る。このため、高い再生品質を得ることが可能な、許容範囲を十分に満たす記録条 件を保持する光ディスクも存在すれば、低い再生品質しか得ることができない、許容 範囲にぎりぎり収まる記録条件を保持する光ディスクも存在している。更には、許容範 囲内に収まらない粗悪な光ディスクも存在している。尚、再生品質は、ァシンメトリ値、 ジッタ値、及び再生エラーレート等の値の大小によって示すことが可能である。

[0007] 情報記録装置は、このように記録条件が大幅に異なる光ディスクに対して、記録マ ークの大きさ（又はマーク間隔）、即ち、データの記録密度を、概ね同じにして記録動 作を行わければならないという規格上の制限がある。言い換えると、光ディスクの品質 とは無関係にデータ容量が固定されている。

[0008] 従って、記録条件の大きく異なる光ディスクが混在する巿場にお!、て、光ディスクの 個体毎の品質のばらつき、又は記録条件のばらつきに対応して、適切な記録密度で の記録がなされていないという技術的な問題点を有している。具体的には、高い再生 品質を得ることができる、高品質な光ディスクであれば、より高密度で記録することが できるにも関わらず、その可能性が実現されて 、な 、と 、う技術的な問題点を有して いる。同様に低い再生品質を得ることしかできない、低品質な光ディスクであっても、 通常よりも低密度で記録することで、より高い再生品質を得ることができる場合もある

[0009] 本発明は、例えば上述した従来の問題点に鑑みなされたものであり、例えば光ディ スク等の情報記録媒体の個体毎の記録条件のばらつきに適切に対応して、情報をよ り高密度又は低密度で記録することが可能な情報記録媒体、情報記録装置及び方 法、並びにコンピュータをこのような情報記録装置として機能させるコンピュータプロ グラムを提供することを課題とする。

課題を解決するための手段 [0010] (情報記録装置）

本発明の情報記録装置は上記課題を解決するために、記録情報を記録可能な記 録トラックが形成された記録層を備えた情報記録媒体に対して、光源力 発するレー ザ光を照射して前記記録情報を記録するための情報記録装置であって、前記記録 情報を記録させる記録手段と、前記情報記録媒体の特性 (記録条件や、ジッタ値等 の再生品質)を検出する検出手段とを備え、前記記録手段は当該情報記録媒体に 前記特性に応じた記録密度で記録マークを形成させる。

[0011] 本発明の情報記録装置によれば、例えば光ディスク等に情報記録媒体の特性に 応じた記録密度で、記録情報を保持する記録マークを形成させる。ここに、本願発明 に係る「特性」とは、当該情報記録媒体に記録情報を記録するための記録条件を意 味することに加えて、この記録条件に基づ 、て記録された記録情報の再生品質をも 意味する、広義の当該情報記録媒体の性質のことである。

[0012] 具体的には、本発明によれば、例えば再生品質等の特性の良好な情報記録媒体 に対しては、例えば同じ記録クロックの下で、記録速度を小さくすることで高い記録密 度で記録を行うことが可能となる。他方、特性の良好ではない情報記録媒体に対して は、例えば記録速度を大きくすることで低い記録密度で記録を行い、より高い再生品 質を確保することが可能となる。

[0013] その結果、情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに対応しつつ、より適切な記 録密度で記録情報を記録することが可能となる。

[0014] 本発明の情報記録装置の一の態様では、前記情報記録媒体に記録する前記記録 マークの長さ (所謂、マーク長）、及び前記記録マーク同士の間隔 (所謂、スペース長 )を前記情報記録媒体の基準長と比較して変化させることで、記録密度を変化させる ように前記記録手段を制御する制御手段とを更に備える。

[0015] この態様によれば、制御手段の制御下で、記録手段は、基準長と比較して変化さ せて記録マークを形成する。ここに、本願発明に係る「基準長」とは、例えば情報記 録媒体の種類に応じて規格書で定められる、当該情報記録媒体の標準的な回転速 度の下で形成されるマーク長、又はスペース長である。このように、制御手段は、記 録マーク長を調整する機能を保持するように構成されて!ヽてもよ!ヽ。 [0016] その結果、制御手段の制御下で、記録手段は、適切な記録密度で記録情報を、的 確に記録することが可能となる。

[0017] この制御手段に係る態様では、前記制御手段は、前記情報記録媒体に前記レー ザ光を照射する時間と照射しない時間を変化させることで、前記記録密度を変化さ せるように構成してちょい。

[0018] このように構成すれば、制御手段の制御下で、記録手段は、適切な記録密度で記 録情報を、より的確に記録することが可能となる。

[0019] 本発明の情報記録装置の他の態様では、前記検出手段は、前記特性として前記 情報記録媒体の識別情報を読み取る。

[0020] この態様によれば、検出手段によって、例えばローデイング等の初期動作において

、識別情報が取得される。ここに、本願発明に係る「識別情報」とは、当該情報記録 媒体の種類、製造メーカ、及び製品番号を示す情報のうち少なくとも一つを含む、当 該情報記録媒体を識別することが可能な情報である。

[0021] その結果、この取得された識別情報に基づ 、て、情報記録媒体の個体毎の特性の ばらつきに対応しつつ、より迅速且つ的確に記録密度が決定されることが可能となる

[0022] 本発明の情報記録装置の他の態様では、前記情報記録媒体には当該情報記録 媒体を回転させるべき基準回転速度に対応した速度情報を保持するプリ情報が形 成されており、前記情報記録装置は、前記記録情報を記録するために当該情報記 録媒体を回転させる回転手段とを更に備え、前記制御手段は、前記速度情報に対 応される基準回転速度を、前記特性に応じて変化させた回転速度 (線速度、及び角 速度等を含む)で、当該情報記録媒体を回転させるように前記回転手段を制御する

[0023] この態様によれば、制御手段の制御下で、回転手段は、例えばプリグループ等の プリ情報によって、表された速度情報に対応される基準回転速度を、特性に応じて 変化させた回転速度で、情報記録媒体を回転させる。ここに、本願発明に係る「基準 回転速度」とは、例えば規格書等によって規定された標準的な回転速度である。また 、本願発明に係る「プリ情報」とは、例えばプリフォーマットアドレス情報等の予め記録 される、又は記録された情報を保持するために形成される、例えばグルーブトラック や、プリグループ等の情報を代替するものである。また、本願発明に係る「回転速度」 とは、例えば CAV (Constant Angular Velocity)、 CLV (Constant Linear Velocity)、 ZCAV (Zoned CAV)、及び ZCLV (Zoned CLV)等の全ての回転方式におけるディ スク状の情報記録媒体が回転するための速度である。従って、「変化させた回転速度 」とは、相対的、又は絶対的に回転速度の値を変化させることを意味すると共に、半 径位置毎に決定される所定の回転速度を変化させることを意味するようにしてもよい 。言い換えると、回転速度を、一定の記録クロックの下で、所定の回転速度と比較し て変化させることにより、記録密度を高める、又は低めることを可能とする全ての方法 や手順等を含むようにしてもょ 、。

[0024] その結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに対応 しつつ、より適切な記録密度で記録情報を記録することが可能となる。

[0025] この制御手段に係る態様では、前記検出手段は、前記特性として、記録された前 記記録情報の再生品質を示す品質値 (ジッタ値や、エラーレート等)を検出し、前記 検出された品質値と、標準再生品質を示す標準値とを比較することによって、前記再 生品質が良好であるか否かを判定する判定手段とを更に備え、前記制御手段は、前 記判定手段によって、前記再生品質が良好であると判定された場合、前記回転速度 を、前記基準回転速度よりも小さくさせるように前記回転手段を制御するように構成し てもよい。

[0026] このように構成すれば、判定手段によって、当該情報記録媒体にお!、て、記録され た記録情報の再生品質を示す品質値と、標準値とを比較することによって、再生品 質が良好である力否力が判定される。尚、品質値を検出する検出手段は、例えば、 光ピックアップ等の再生手段を含むように構成してもよい。例えば品質値として、ジッ タ値を採用した場合、例えばジッタ値が、標準値を示す約 8パーセントより小さければ 、再生品質は良好であると判定することが可能である。よって、当該情報記録媒体の 特性も良好であるので、制御手段の制御下で、回転手段は、例えば線速度等の回転 速度を、基準回転速度と比較して、小さく（遅く）させる。

[0027] 仮に、再生品質に対応して、記録のための回転速度を、基準回転速度から変化さ せない場合、情報記録装置は、このように記録条件が大幅に異なる光ディスクに対し て、マーク長 (スペース長）、即ち、データの記録密度を、概ね同じにして記録動作を 行わければならないという規格上の制限がある。このため、情報記録媒体の個体毎 の特性のばらつきに対応した適切な記録密度での記録を行うことができなくなつてし まつ。

[0028] これに対して、この態様では、判定手段によって、再生品質が良好であると判定さ れた場合、制御手段の制御下で、回転手段は、例えば線速度等の回転速度を、基 準回転速度と比較して、小さくさせる。

[0029] この結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに適切 に対応して、記録情報をより高密度で記録することが可能となる。

[0030] 更にこの制御手段に係る態様では、前記検出手段は、前記記録時の前記回転速 度が変更される度に、前記品質値を検出し、前記判定手段は、前記品質値の検出と 同時に又は相前後して、前記再生品質が良好である力否かを判定し、前記制御手 段は、前記再生品質が良好である場合、前記回転速度を、第 1所定量ずつ段階的に 小さくさせるように、前記回転手段を制御するように構成してもよ 、。

[0031] このように構成すれば、制御手段の制御下で、回転手段は、回転速度を、例えば 第 1所定量単位で小さくさせる。ここに、本願発明に係る「第 1所定量」とは、例えば記 録密度を約 5パーセントだけ増加させるための線速度の減少単位量である。この第 1 所定量は、例えば、実験的、経験的又は理論的若しくはシミュレーション等により求 めることが可能である。

[0032] この結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに、より 高 、精度且つ的確に対応して、記録情報を高密度で記録することが可能となる。

[0033] 本発明の情報記録装置の他の態様では、前記情報記録媒体は、前記記録情報の 少なくとも一部である試し書き情報を記録可能である較正用エリア（PCA)を更に備 え、前記制御手段は、前記記録手段を制御して前記較正用エリアに前記試し書き情 報を記録させ、前記検出手段は、前記較正用エリアに記録された前記試し書き情報 を再生することで、前記特性を検出する。

[0034] この態様によれば、検出手段は、例えば試し書き情報の較正処理の結果、求めら れた最適記録パワーによって記録された記録情報の再生品質を示す特性を検出す る。

[0035] その結果、検出手段による特性の検出を、より高精度且つ的確に行うことが可能と なる。

[0036] 尚、本発明において記載されている試し書き情報は、記録情報と同一の情報であ つてもょ 、し、通常のコンテンツデータ等を含む記録情報と異なる形式の情報であつ てもよい。

[0037] この制御手段に係る態様では、前記情報記録媒体に記録される前記記録マークを 再生した時の RF信号を検出する RF信号検出手段 (RF振幅測定回路)を更に有し、 前記記録手段は、前記試し書き情報として複数種類の長さを有する記録マークを記 録し、前記制御手段は、前記試し書き情報として記録した記録マークのうち、最長記 録マーク (例えば 14T信号)を再生した時の RF信号の振幅における、最短記録マー ク（例えば 3T信号)を再生したときの RF信号の振幅の割合を変化させるように構成し てもよい。

[0038] このように構成すれば、記録密度を高くする、即ち、記録マークを小さくすることで、 RF信号が変化し、例えば 14Tの信号等の最長記録マーク力 得られる RF振幅に対 し、例えば 3Tの信号等の最短記録マーク力 得られる RF振幅が相対的に小さくな つてしまい、最短記録マークの再生品質が良好ではなくなる、低下することを是正す ることが可能となる。

[0039] 更に、この制御手段に係る態様では、前記記録手段は、前記駆動パルスに含まれ るトップパルス及びミドルパルスに基づき前記記録パワーを変化させてレーザ光を照 射することで、前記記録情報を記録し、前記制御手段は、前記レーザ光の記録パヮ 一を制御するパワー制御手段を含み、前記パワー制御手段は、前記特性に基づい て、前記ミドルパルスに基づく記録パワーを、第 2所定量だけ変化させるように構成し てもよい。

[0040] このように構成すれば、パワー制御手段の制御下で、特性に基づ!/、て、ミドルパル スの記録パワーが、例えば第 2所定量単位で小さくされる。ここに、本願発明に係る「 第 2所定量」とは、再生品質を良好にするためのミドルパルスの記録パワーの減少単 位量である。

[0041] その結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の、例えば記録パワーに 影響される特性のばらつきに、より高い精度且つ的確に対応して、適切な回転速度、 即ち、記録速度の下で、記録情報を高密度で記録することが可能となる。

[0042] 更に、このパワー制御手段に係る態様では、前記パワー制御手段は、前記特性に 基づいて、前記トップパルスと、前記ミドルパルスとのパルス比を、第 3所定量だけ変 ィ匕させるように構成してもよ ヽ。

[0043] このように構成すれば、パワー制御手段の制御下で、特性に基づ!/、て、パルス比が 、例えば第 3所定量単位で大きくされる。

[0044] その結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の、例えばパルス比に影 響される特性のばらつきに、より高い精度且つ的確に対応して、適切な回転速度、即 ち、記録速度の下で、記録情報を高密度で記録することが可能となる。

[0045] 更に、この記録手段に係る態様では、前記記録手段は、前記最短記録マーク及び 前記最長記録マーク以外のマークを記録する際の駆動パルスのパルス幅を変化さ せつつ記録するように構成してもよ ヽ。

[0046] このように構成すれば、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の、例えば記 録パワーに影響される特性のばらつきに、より高い精度且つ的確に対応して、適切な 回転速度、即ち、記録速度の下で、記録情報を記録することが可能となる。

[0047] 更に、この制御手段に係るでは、前記記録手段は、前記駆動パルスとして、トップ パルス及び前記記録マークの長さに応じて数が調整されるマルチパルスに基づき前 記記録パワーを変化させてレーザ光を照射することで、前記記録情報を記録し、前 記制御手段は、前記特性に基づいて、前記トップパルス又は前記マルチパルスのパ ルス長を変化させるように構成してもよ ヽ。

[0048] このように構成すれば、制御手段は、特性に基づいて、例えば 0. 5Tに相当するパ ルス幅を持つマルチパルスのパルス長を変化させる。

[0049] その結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の、例えばマルチパルス のパルス長に影響される特性のばらつきに、より高い精度且つ的確に対応して、適 切な回転速度、即ち、記録速度の下で、記録情報を高密度で記録することが可能と なる。

[0050] 更に、この制御手段に係るでは、前記制御手段は、前記判定手段によって、前記 再生品質が良好でないと判定された場合、前記回転速度を、前記基準回転速度と 比較して、大きくさせるように前記回転手段を制御するように構成してもよ 、。

[0051] このように構成すれば、判定手段によって、再生品質を示す、例えばジッタ値が、 標準値を示す約 9パーセントより大きければ、再生品質は良好ではないと判定するこ とが可能である。よって、当該情報記録媒体の特性も良好ではないので、制御手段 の制御下で、回転手段は、例えば線速度等の回転速度を、基準回転速度と比較して 、大きく（速く）させる。

[0052] この結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに適切 に対応して、プレイ'アビリティ（Playing Ability)を安全なレベルに確保しつつ、記録 情報の記録が可能となる。

[0053] 更に、この制御手段に係るでは、前記検出手段は、前記回転速度が変更される度 に、前記品質値を検出し、前記判定手段は、前記品質値の検出、と同時に又は相前 後して、前記再生品質が良好である力否かを判定し、前記制御手段は、前記再生品 質が良好でない場合、前記回転速度を、第 1所定量ずつ段階的に大きくさせるように 、前記回転手段を制御するように構成してもよい。

[0054] このように構成すれば、制御手段の制御下で、回転手段は、回転速度を、例えば 第 1所定量単位で大きく (速く）させる。

[0055] この結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに、より 高い精度且つ的確に対応して、プレイ'アビリティを安全なレベルに確保しつつ、記 録情報の記録が可能となる。

[0056] この制御手段に係るでは、前記検出手段は、前記特性として、記録される前記記録 情報の再生品質を示す品質値を検出し、前記検出された品質値と、標準再生品質 を示す標準値とを比較することによって、前記再生品質が良好である力否かを判定 する判定手段とを更に備え、前記制御手段は、前記判定手段によって、前記再生品 質が良好でないと判定された場合、前記レーザ光を前記情報記録媒体に照射する 時間と照射しない時間をより長くするように、前記記録手段を制御するように構成して ちょい。

[0057] このように構成すれば、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の特性のば らつきに、より高い精度且つ的確に対応して、プレイ ·アビリティを安全なレベルに確 保しつつ、記録情報の記録が可能となる。

[0058] この制御手段に係るでは、前記検出手段は、前記特性として、記録される前記記録 情報の再生品質を示す品質値を検出し、前記検出された品質値と、標準再生品質 を示す標準値とを比較することによって、前記再生品質が良好である力否かを判定 する判定手段とを更に備え、前記制御手段は、前記判定手段によって、前記再生品 質が良好であると判定された場合、前記レーザ光を前記情報記録媒体に照射する 時間と照射しない時間をより短くするように、前記記録手段を制御するように構成して ちょい。

[0059] このように構成すれば、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の、例えばレ 一ザ光の照射時間に影響される特性のばらつきに、より高い精度且つ的確に対応し て、適切な回転速度、即ち、記録速度の下で、記録情報を高密度で記録することが 可能となる。

[0060] 更に、この制御手段に係るでは、前記情報記録媒体に形成されたプリ情報は、所 定周期で揺動（ゥォブリング)したグルーブトラックであり、前記制御手段は、前記所定 周期に基づ!、て、当該情報記録媒体を回転させるように前記回転手段を制御するよ うに構成してもよい。

[0061] このように構成すれば、例えばスピンドルサーボ等が行われて 、る記録動作の最中 にお 、て、所定周期に基づく回転速度を決定することが可能となる。

[0062] その結果、情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに対応しつつ、より適切な記 録密度で記録情報を記録するための、回転速度を迅速且つ的確に決定することが 可能となる。

[0063] 更に、この制御手段に係るでは、前記情報記録媒体に形成されたプリ情報は、ラン ドプリピットであり、前記制御手段は、前記ランドプリピットから得られる周期に基づい て、当該情報記録媒体を回転させるように前記回転手段を制御するように構成しても よい。 [0064] このように構成すれば、例えばスピンドルサーボ等が行われて 、る記録動作の最中 にお 、て、所定周期に基づく回転速度を決定することが可能となる。

[0065] その結果、情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに対応しつつ、より適切な記 録密度で記録情報を記録するための、回転速度を迅速且つ的確に決定することが 可能となる。

[0066] 更に、この制御手段に係るでは、前記情報記録媒体における、前記レーザ光の照 射位置を検出する照射位置検出手段とを更に備え、前記制御手段は、前記検出さ れた照射位置に基づいて、当該情報記録媒体を回転させるように前記回転手段を 制御するように構成してもよ ヽ。

[0067] このように構成すれば、例えば制御手段に含まれる照射位置検出手段は、検出さ れた照射位置に基づ!/、て、当該情報記録媒体を回転させるように回転手段を制御 する。詳細には、照射位置は、レーザ光が照射されている位置のアドレスや、例えば 光ピックアップの情報記録媒体における半径位置に基づ 、て、特定されるようにして ちょい。

[0068] その結果、情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに対応しつつ、より適切な記 録密度で記録情報を記録するための、回転速度を迅速且つ的確に決定することが 可能となる。

[0069] 更に、この制御手段に係るでは、前記識別情報は前記情報記録媒体の種類、製造 メーカ、及び製品番号のうち少なくとも一つを示し、前記情報記録媒体は、前記識別 情報を記録するための識別情報記録エリア (コントロールデータゾーン)を更に備え、 前記記録情報を記録するために前記情報記録媒体を回転させる回転手段を更に備 え、前記検出手段は、前記識別情報を前記識別情報記録エリアから読み取り、前記 制御手段は、読み取られた少なくとも前記識別情報に基づいて、当該情報記録媒体 を回転させるように前記回転手段を制御するように構成してもよ 、。

[0070] このように構成すれば、例えばローデイング等の初期動作にぉ 、て、識別情報が取 得される。この取得された識別情報に基づいて、情報記録媒体の個体毎の特性のば らつきに対応しつつ、より迅速且つ的確に回転速度を決定することが可能となる。

[0071] この制御手段に係るでは、前記識別情報は前記情報記録媒体の種類、製造メーカ 、及び製品番号のうち少なくとも一つを示し、前記情報記録媒体は、前記識別情報を 記録するための識別情報記録エリア（コントロールデータゾーン)を更に備え、前記検 出手段は、前記識別情報を前記識別情報記録エリアから読み取り、前記制御手段は 、読み取られた少なくとも前記識別情報に基づいて、当該情報記録媒体への記録タ イミングを制御する記録クロックを制御するように構成してもよ 、。

[0072] このように構成すれば、この取得された識別情報に基づ 、て、情報記録媒体の個 体毎の特性のばらつきに対応しつつ、より高精度に、より迅速且つ的確に記録密度 が決定されることが可能となる。

[0073] 更に、この品質値に係るでは、前記品質値は、前記記録情報を担持する最小ピット に対応する RF信号の振幅の大きさ、最大ピットに対応する RF信号振幅に対する最 小ピットに対応する RF信号振幅の割合、ァシンメトリ値、ジッタ値、再生エラーレート 、及び変調度のうち少なくとも一つによって示されるように構成してもよい。

[0074] このように構成すれば、これらの品質値を適宜組み合わせることによって、再生品 質が良好力否かを判定することが可能となる。従って、より的確且つ迅速に、最適記 録パワー、及び最適な回転速度を検出することが可能となる。

[0075] (情報記録媒体）

本発明の情報記録媒体は上記課題を解決するために、記録情報を記録可能であ る記録トラックと、速度情報を保持するプリ情報が形成された記録層を備えた情報記 録媒体であって、前記プリ情報は、前記情報記録媒体へ記録する際の当該情報記 録媒体の基準回転速度よりも低速な回転速度に対応付けられている。

[0076] 本発明の情報記録媒体によれば、前述した情報記録装置によって、例えばプリグ ループの揺動によって検出される所定の周期で得られるゥォブル信号に基づいて、 当該情報記録媒体を基準回転速度よりも高速な回転速度で回転させることが可能と なる。

[0077] その結果、情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに対応しつつ、より高い記録 密度で記録情報を記録するための、回転速度が迅速且つ的確に決定されことが可 能となる。

[0078] 本発明の情報記録媒体の一の態様では、前記プリ情報は所定周期で揺動 (ゥォブ リング)したグルーブトラックであり、前記グルーブトラックは、前記基準回転速度に対 応した周期よりも短!ヽ所定周期で揺動（ゥォプリング)される。

[0079] この態様によれば、情報記録媒体の個体毎の特性のばらつきに対応しつつ、より 高 、記録密度で記録情報を記録するための、回転速度が迅速且つ的確に決定され ことが可能となる。

[0080] (情報記録方法）

以下、本発明に係る情報記録方法について説明する。

[0081] 本発明の情報記録方法は上記課題を解決するために、記録情報を記録可能な記 録トラックが形成された記録層を備えた情報記録媒体に対して、光源力 発するレー ザ光を照射して前記記録情報を記録するための情報記録装置における情報記録方 法であって、前記記録情報を記録させる記録工程と、前記情報記録媒体の特性 (ジ ッタ値等の再生品質)を検出する検出工程とを備え、前記記録工程は当該情報記録 媒体に前記特性に応じた記録密度で記録マークを形成させる。

[0082] 本発明の情報記録方法によれば、上述した本発明の情報記録装置が有する各種 利益を享受することが可能となる。

[0083] 尚、上述した本発明の情報記録装置が有する各種態様に対応して、本発明の情報 記録方法も各種態様を採ることが可能である。

[0084] (コンピュータプログラム）

以下、本発明に係るコンピュータプログラムについて説明する。

[0085] 本発明の記録制御用のコンピュータプログラムは上記課題を解決するために、上 述した本発明の情報記録装置 (但し、その各種態様を含む）に備えられたコンビユー タを制御する記録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記 記録手段、及び、前記検出手段のうち少なくとも一部として機能させる。

[0086] 本発明のコンピュータプログラムによれば、当該コンピュータプログラムを格納する ROM, CD-ROM, DVD-ROM,ハードディスク等の記録媒体から、当該コンビ ユータプログラムをコンピュータに読み込んで実行させれば、或いは、当該コンビユー タプログラムを、通信手段を介してコンピュータにダウンロードさせた後に実行させれ ば、上述した本発明の情報記録装置を比較的簡単に実現できる。 [0087] 尚、上述した本発明の情報記録装置における各種態様に対応して、本発明のコン ピュータプログラムも各種態様を採ることが可能である。

[0088] コンピュータ読取可能な媒体内のコンピュータプログラム製品は上記課題を解決す るために、上述した本発明の情報記録装置 (但し、その各種形態も含む）に備えられ たコンピュータにより実行可會なプログラム命令を明白に具現ィ匕し、該コンピュータを 、前記記録手段、及び、前記検出手段のうち少なくとも一部として機能させる。

[0089] 本発明のコンピュータプログラム製品によれば、当該コンピュータプログラム製品を 格納する ROM、 CD-ROM, DVD-ROM,ハードディスク等の記録媒体から、当 該コンピュータプログラム製品をコンピュータに読み込めば、或いは、例えば伝送波 である当該コンピュータプログラム製品を、通信手段を介してコンピュータにダウン口 ードすれば、上述した本発明の情報記録装置を比較的容易に実施可能となる。更に 具体的には、当該コンピュータプログラム製品は、上述した本発明の情報記録装置と して機能させるコンピュータ読取可能なコード (或いはコンピュータ読取可能な命令） 力 構成されてよい。

[0090] 本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施例から明らかにされる。

[0091] 以上説明したように、本発明の情報記録装置及び方法によれば、記録手段及びェ 程、並びに、検出手段及び工程を備える。従って、情報記録媒体の個体毎の特性の ばらつきに対応しつつ、より適切な記録密度で記録情報を記録することが可能となる

[0092] また、本発明の情報記録媒体によれば、記録トラックと、速度情報を保持するプリ情 報が形成された記録層とを備える。従って、情報記録媒体の個体毎の特性のばらつ きに対応しつつ、より適切な記録密度で記録情報を記録することが可能となる。

[0093] 更に、また、本発明のコンピュータプログラムによれば、コンピュータを上述した本発 明の情報記録装置として機能させるので、上述した情報記録媒体の個体毎の特性の ばらつきに対応しつつ、より適切な記録密度で記録情報を記録することが可能となる 図面の簡単な説明

[0094] [図 1]本発明の情報記録媒体の実施例に係る複数のエリアを有する光ディスクの構 造の概略平面図を上側部において示すと共に、その径方向における記録領域構造 の図式的概念図を上側部と対応付けて下側部において示すものである。

[図 2]本発明の情報記録媒体の実施例に係る光ディスクの記録面における部分拡大 斜視図である。

[図 3]本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る情報記録装置の基本構成を概念 的に示すブロック図である。

[図 4]本発明の「駆動パルス」に係る、データの記録時に照射されるレーザ光 LBを駆 動するための駆動ノルスと実際に記録される記録パターン（「3T」及び「6Τ」 )とを概 念的に示すグラフである。尚、本実施例において、「Τ」は、基準クロック周期を示す。

[図 5]本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る情報記録装置 1の記録動作全体の 流れを概念的に説明するフローチャートである。

[図 6]本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る最適記録パワーと、最適な線速度 との検出動作の流れを概念的に示すフローチャートである。

[図 7]図 6中の線速度の標準線速度への設定処理のサブルーチンの一例を示したフ ローチャートである。

[図 8]図 6中の線速度の標準線速度への設定処理のサブルーチンの他の例を示した フローチャートである。

圆 9]本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る動作において、 16パワーステップ によって構成される 1回の OPC処理を示した模式的タイミングチャート図である。 圆 10]本発明に係る「回転速度」の一具体例を構成する線速度を変数パラメータとし た場合の、ジッタ値、及 I3ZI14との相関関係を示した表（図 10 (a) )、並びにグラフ（ 図 10 (b)及び図 10 (c) )である。

[図 11]本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 1変形例に係る最適記録パワーと、 最適な線速度との検出動作の流れを概念的に示すフローチャートである。

[図 12]本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 2変形例に係る最適記録パワーと、 最適な線速度との検出動作の流れを概念的に示すフローチャートである。

[図 13]本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 3変形例に係る最適記録パワーと、 最適な線速度との検出動作の流れを概念的に示すフローチャートである。 [図 14]本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 4変形例に係る最適記録パワーと、 最適な線速度との検出動作の流れを概念的に示すフローチャートである。

面 15]本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 5変形例に係る最適記録パワーと、 最適な記録クロックとの検出動作の流れを概念的に示すフローチャートである。

[図 16]本発明の情報記録装置の第 2実施例に係る最適記録パワー、及ぴ最適な線 速度の検出動作の流れを概念的に示すフローチャートである。

[図 17]本発明に係る「回転速度」の一具体例を構成する線速度、及びトップパルスの 記録パワーを変数パラメータとした場合の、ジッタ値、及び 13/114との相関関係を 示した表（図 17 (a) )、並びにグラフ (図 17 (b)及ぴ図 17 (c) )である。

[図 18]本発明に係る「回転速度」の一具体例を構成する線速度、トップパルスの記録 パワーを変数パラメータとすると共に、ストラテジを変更した場合の、ジッタ値、及び 13

ZI14との相関関係を示した表（図 18 (a) )、並びにグラフ (図 18 (b) )である。

[図 19]本発明に係るストラテジの制御における、記録パターン（「4T」）を形成するた めに、データの記録時に照射されるレーザ光を駆動するための駆動ノ ルスを各種線 速度に対応して概念的に示すグラフ（図 19 (a)、図 19 (b)及び図 19 (c)である。

[図 20]本発明の情報記録装置の第 3実施例に係る記録動作全体の流れを概念的に 示すフローチャートである。

[図 21]本発明の情報記録装置の第 3実施例に係る第 1変形例の記録動作全体の流 れを概念的に示すフローチャートである。

[図 22]本発明の情報記録装置の第 3実施例に係る第 2変形例の記録動作全体の流 れを概念的に示すフローチヤ一トである。

符号の説明

1 情報記録装置

100 光ディスク

109 ゥォブル

501 光ピックアップ

501a 半導体レーザ装置

^換 阉邈（¾ ⁶) 502 スピンドノレモータ

503 RFアンプ

504 レーザドライブ回路

505 OPC回路

506 PoZPm比変更回路

509 スピンドルサーボ回路

513 LPPエラーレート検出器

514 記録アサインストラテジ検出器

521 RF振幅測定回路

540 ジッタ測定回路

550 CPU

560 メモリ

GT グノレーブトラック

LT ランド ラック

発明を実施するための最良の形態

[0096] 以下、本発明を実施するための最良の形態について実施例毎に順に図面に基づ いて説明する。

[0097] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

[0098] (1)情報記録媒体の実施例

先ず、図 1及び図 2を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例について詳細に 説明する。

[0099] (1 1)基本構成

先ず図 1を参照して、本発明の情報記録媒体の実施例に係る光ディスクの基本構 成について説明する。本実施例において、情報記録媒体として記録型の光ディスク を用いて説明を進める。ここに、図 1は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る複 数のエリアを有する光ディスクの構造の概略平面図を上側部において示すと共に、 その径方向における記録領域構造の図式的概念図を上側部と対応付けて下側部に おいて示すものである。また、図 2は、本発明の情報記録媒体の実施例に係る光ディ スクの記録面における部分拡大斜視図である。

[0100] 図 1の上側部において示されるように、光ディスク 100は、例えば、記録（書き込み） が複数回又は 1回のみ可能な、光磁気方式、相変化方式等の各種記録方式で記録 可能とされており、 DVDと同じく直径 12cm程度のディスク本体上の記録面に、セン ターホール 11を中心として内周力も外周に向けて、リードインエリア 101、データエリ ァ 102及びリードアウトエリア 103が設けられている。そして、各エリアには、例えば、 センターホール 11を中心にスパイラル状或 、は同心円状に、グルーブトラック及びラ ンドトラック等のトラック 10が交互に設けられている。このグルーブトラックはゥォブリン グ (揺動）されてもよいし、これらのうち一方又は両方のトラックに例えばランドプリピッ トが形成されていてもよい。

[0101] より詳細には、本実施例に係る光ディスク 100においては、図 2に示されるように、 ディスク状の透明基板 106の下側に、情報記録面を構成する記録型の記録層 107 が積層され、更にその下側に、反射層 108が積層されている。記録層 107の表面か らなる情報記録面には、グルーブトラック GT及びランドトラック LTが交互に形成され ている。尚、光ディスク 100の記録時及び再生時には、例えば図 2に示したように、透 明基板 106を介してグルーブトラック GT上に、レーザ光 LBが照射される。例えば、 記録時には、記録パワーでレーザ光 LBが照射されることで、記録データに応じて、 記録層 107への記録が実施される。他方、再生時には、記録レーザパワーよりも弱い 再生レーザパワーでレーザ光 LBが照射されることで、記録層 107へ記録された記録 データの読出しが実施される。

[0102] 特に、本実施例に係る光ディスク 100においては、グルーブトラック GTは、一定の 振幅、及び周期（空間周波数)で揺動されている。即ち、グルーブトラック GTは、ゥォ ブリングされており、そのゥォブル 109の周期は所定周期に設定されている。ここに、 本発明に係る「所定周期」とは、記録層 107に記録された又は記録される記録情報 に対する所望の再生品質、及び、この記録情報に対する所望の記録密度のうち少な くとも一方を得るために設定された一定の周期である。より具体的には、この所定周 期を、小さくすることにより、記録密度を高めることが可能となる。他方、この所定周期 を、大きくすることにより、プレイアビリティを高めることが可能となる。この所定周期は 、例えば、実験的、経験的又は理論的若しくはシミュレーション等により求めることが 可能である。

[0103] ランドトラック LT上にはプリフォーマットアドレス情報を示すランドプリピット PPと呼ば れるアドレスピットが形成されていてもよい。この 2つのアドレッシング（即ち、ゥォブル 109及びプリピット PP)により記録中のディスク回転制御や記録クロックの生成、また 記録アドレス等のデータ記録に必要な情報を得ることができる。尚、グルーブトラック GTのゥォブル 109を周波数変調や位相変調など所定の変調方式により変調するこ とによりプリフォーマットアドレス情報を予め記録するようにしてもよい。

[0104] 再び、図 1に戻り、図 1の下側部において示されるように、光ディスク 100の径方向 における記録領域について、より詳細には、内周側力も外周側に向力 て、パワーキ ヤリブレーシヨンエリア（以下適宜「PCA」と称す）、レコーディングマネージメントエリア (以下適宜「RMA」と称す）、リードインエリア 101、データエリア 102、及びリードァゥ トエリア 103が設けられている。

[0105] PCA (Power Calibration Area)においては、最適記録パワーの検出、即ち、記録パ ヮ一の較正処理（OPC (Optimum Power Control)処理）が行われる。

[0106] RMA (Recording Management Area)にお 、ては、例えば RMD (Recording Manag ement Data)が記録可能である。詳細には、 RMAにおいては、 RMDが、約 700回 程度追記することが可能である。より詳細には、 RMDは、大別して次の 4種類の各種 情報を含むように構成してもよい。即ち（i)当該光ディスク 100に対して、記録動作を 行なった情報記録再生装置の識別番号情報、所謂、ドライブ Iひ f青報 (ドライブ識別 情報）、（ii)ドライブ IDによって指定された情報記録再生装置による較正処理の結果 、検出された最適記録パワーの数値情報、（iii)未記録状態、例えばインクリメンタル 記録方式等の記録方式、及び追記不可能であるフアイナライズ処理が済んだ状態等 を示すディスク状態情報、並びに (iv)記録論理単位であるゾーンを特定するための ゾーン情報である。

[0107] リードインヱリア 101には、本発明に係る「識別情報記録ヱリア」の一具体例を構成 するコントロールデータゾーン（以下、適宜「CDZ : Control Data ZoneJと称す）が設 けられている。この CDZには、本発明に係る「識別情報」である光ディスクの種類、製 造メーカ、及び製品番号に加えて、例えば記録層の数や記録トラックの方向やトラッ クピッチ等の各種情報力 S、例えばレーザ光等によってプリ記録される。

[0108] データエリア 102には、記録情報が記録可能である。本実施例に係る光ディスク 10 0のデータエリアにおいては、記録情報が、前述したゾーンの記録単位で記録可能 である。

[0109] 尚、本発明は、図 1に示した如き複数の記録領域を有する光ディスク 100には特に 限定されない。例えば、 PCAは、最内周に位置してなくてもよぐ例えば、図 1中で、 リードインエリア 101、データエリア 102、又はリードアウトエリア 103等において位置 してもよいし、若しくは、リードインエリア 101とデータエリア 102との間、データエリア 1 02とリードアウトエリア 103との間、又はリードアウトエリア 103の外周側などに位置し てもよい。また、リードインエリア 101やリードアウトエリア 103の存在も任意であり、 PC Aと記録情報が記録されるデータエリア 102との二つの記録領域が少なくとも設けら れていればよい。加えて、このような PCAは、一つにまとめられて配置されてもよいし 、複数に分割されて配置されてもよい。

[0110] (2) 本発明の情報記録装置の第 1実施例

続いて、図 3から図 15を参照して、本発明の情報記録装置に係る第 1実施例につ いて説明する。尚、説明をより平易にするために、（i)本発明の情報記録装置に係る 第 1実施例における課題と解決方法、（ii)基本構成、及び (iii)動作原理、の順番に 説明を進める。

[0111] (2— 1)本発明における課題と解決方法

先ず、本発明の目的である情報記録媒体の再生品質等の特性に基づいた記録密 度での記録を実現することの課題とその解決方法について、より詳細に説明する。

[0112] (2— 1 1)本発明における課題

従来、記録条件の大きく異なる光ディスクが混在する巿場において、光ディスクの 個体毎の品質のばらつき、又は記録条件のばらつきに対応して、適切な記録密度で の記録がなされていないという技術的な問題点を有している。具体的には、高い再生 品質を得ることができる、高品質な光ディスクであれば、より高密度で記録することが できるにも関わらず、その可能性が実現されて 、な 、と 、う技術的な問題点を有して いる。同様に低い再生品質を得ることしかできない、低品質な光ディスクであっても、 通常よりも低密度で記録することで、より高い再生品質を得ることができる場合もある

[0113] より詳細には、例えば前述した規格書によって示される許容範囲に準拠した記録条 件を保持する光ディスクを製造するためには、技術的に高度な製造能力が必要であ る。このため、高い再生品質を得ることが可能な、許容範囲を十分に満たす記録条 件を保持する光ディスクも存在すれば、低い再生品質しか得ることができない、許容 範囲にぎりぎり収まる記録条件を保持する光ディスクも存在している。更には、許容範 囲内に収まらな 、粗悪な光ディスクも存在して 、る。

[0114] 情報記録装置は、このように記録条件が大幅に異なる光ディスクに対して、記録マ ークの大きさ（又はマーク間隔）、即ち、データの記録密度を、概ね同じにして記録動 作を行わければならないという規格上の制限がある。言い換えると、光ディスクの品質 とは無関係にデータ容量が固定されている。

[0115] (2— 1 2)本発明における解決方法

本発明における解決方法としては、大別すると、（i)第 1実施例においては、記録速 度を変更することで、例えば高 、又は低 、記録密度等の適切な記録密度での記録 を実現している。（ii)第 2実施例においては、第 1実施例を更に発展させ、例えばパ ルス比の制御を含む記録パルス制御を更に行うことで、適切な記録密度での記録を 実現している。（iii)第 3実施例においては、第 1及び第 2実施例を更に発展させ、例 えば情報記録媒体の種類を判別して、この情報記録媒体に対応した所定の記録条 件を取得することで、適切な記録密度での記録を実現して!/、る。

[0116] (2— 2)第 1実施例に係る情報記録装置の基本構成

次に、図 3を参照して第 1実施例に係る情報記録装置の基本構成について説明す る。ここに、図 3は、本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る情報記録装置の基 本構成を概念的に示すブロック図である。

[0117] 図 3に示すように、本実施例に係る情報記録装置 1は、光ピックアップ (ピックアップ ) 501、スピンドルモータ 502、 RF (Radio Frequency)アンプ 503、レーザドライブ回 路 504、 OPC (Optimum Power Control)回路 505、 PoZPm比変更回路 506、トラッ キングサーボ回路 507、ァクチユエータドライブ回路 508、スピンドルサーボ回路 509 、 LPP (Land Pre Pit)検出器 510、 GATE作成回路 511、 LPPデータ検出器 512、 LPPエラーレート検出器 513、記録アサインストラテジ検出器 514、イコライザ 520、 RF振幅測定回路 521、 2値ィ匕回路 530、デコーダ 531、 PLL (Phase Locked Loop) 532、ジッタ計測回路 540、 CPU550、メモリ 560を含んで構成されている。

[0118] 光ピックアップ 501は、光ディスク 100への記録又は再生を行うもので、半導体レー ザ装置 501aや図示しない各種レンズ、ァクチユエータ等力 構成され、半導体レー ザ装置 501aは本発明における「記録手段」の一具体例でありレーザ光を光ディスク 1 00に対して照射する。より詳細には、半導体レーザ装置 501aは、光ディスク 100に 対してレーザ光 LB等の光ビームを、再生時には読み取り光として第 1のパワーで照 射し、記録時には書き込み光として第 2のパワーで且つ変調させながら照射する。こ のようなレーザ光 LBのパワー調整は、後述する「パワー制御手段」の一具体例たるレ 一ザドライブ回路 504の制御の下に行われる。より具体的には、所定のパルスストラ テジに規定される駆動パルスにより半導体レーザ装置 501aを駆動することで、所定 のレーザパワーを有するレーザ光 LBが照射される。また、光ピックアップ 501は、図 示しないサーボ回路により駆動されるァクチユエータ、スライダ等により光ディスク 100 の半径方向等に移動できるように構成されて 、る。

[0119] スピンドルモータ 502は、本発明に係る「回転手段」の一例を構成し、後述されるス ピンドルサーボ回路 509によりスピンドルサーボを受けつつ所定速度で光ディスク 10 0を回転させるように構成されて 、る。

[0120] RFアンプ 503は、半導体レーザ装置 501aから照射されるレーザ光 LBの反射光を 受光する図示しない PD (Photo Detector)から出力される信号を増幅し、該増幅した 信号を出力する。具体的には、読取信号たる RF信号 (或いは、 LPP信号ゃゥォブル 信号等）が LPP検出器 510やイコライザ 520や 2値ィ匕回路 530やジッタ計測回路 54 0に出力される。

[0121] レーザドライブ回路 504は、本発明に係る「パワー制御手段」の一具体例であって、 後述の OPC処理時には、後述の OPCパターンの記録及び再生処理により最適なレ 一ザパワーの検出が行えるように、光ピックアップ 501内に設けられた半導体レーザ を駆動する。その後、データ記録時には、 OPC処理により検出された最適なレーザ パワーで、光ピックアップ 501の半導体レーザを駆動するように構成されている。この データ記録時には、最適レーザパワー（以下、適宜「最適記録パワー」とも称す）は、 記録データに応じて変調される。

[0122] OPC回路 505は、記録動作前の OPC処理における OPCパターンの記録時に、 O PCパターンを示す信号を、レーザドライブ回路 504に対して出力するように構成され ている。なお、 OPC処理についての説明は、後に詳述する（図 9等参照)。

[0123] PoZPm比変更回路 506は、半導体レーザ装置 501aから照射されるレーザ光 LB のパワーを変化するために、半導体レーザ装置 501aを駆動するための駆動パルス 比を変更可能に構成されている。具体的には、レーザ光 LBの記録パワーを変化させ るためのトップパルス (Po)とミドルパルス (Pm)の夫々の波高値の比率である PoZP m比を変更する旨の指示をレーザドライブ回路 504に出力することで、光ピックアップ 501が備える半導体レーザ装置 501aを駆動するための駆動パルスを制御してレー ザ光 LBの記録パワーを変更する。

[0124] ここで、このレーザ光 LBを照射するための駆動パルスについて、図 4を参照してより 詳細に説明する。ここに、図 4は、本発明の「駆動パルス」に係る、データの記録時に 照射されるレーザ光 LBを駆動するための駆動パルスと実際に記録される記録パター ン（「3T」及び「6T」）とを概念的に示すグラフである。尚、本実施例において、「Τ」は 、基準クロック周期を示す。

[0125] 光ディスク 100への記録動作は、例えば DVD— RZRW等であれば、 3Tから 11T ないしは 14Tの記録パターンを組み合わせて行われる。そして、この記録パターンの 組合せに応じて、所望のデータが光ディスク 100上に記録され、一連のコンテンツデ ータが形成される。

[0126] これらの記録パターンを記録する際には、図 4に示すように、レーザ光 LBを照射す るための駆動パルスの波形が所定の形状 (例えば、所定のピーク値や所定のデュー ティー比等を有する形状）となるように、パルスストラテジに基づいて、例えばレーザド ライブ回路 504により制御される。図 4では、記録パターンの一具体例として、 3Tパタ ーンと 6Tパターンとの組み合わせを図示している。図 4中、最上部に示す波形が、実 際に光ディスク 100上に記録される記録パターンを示している。

[0127] これらの記録パターンを例えば 4倍速或いは 6倍速の記録速度で記録する際には、 図 4中、第 2段部に示す波形を有する駆動パルスに基づ!/、てレーザ光 LBを照射する 。具体的に説明すると、相対的に短い記録パターンである 3Tパターンを記録する際 には、そのピーク値を Poとするトップパルスの形状を有する駆動パルスに基づ 、て、 当該駆動パルスに対応するレーザパワーにてレーザ光 LBが照射される。即ち、パル スのピーク値が" Po"であって、且つそのパルス幅が" 3Ttop"となる駆動パルスに基 づいて照射されるレーザ光 LBにより、 3Tパターンの記録マーク（或いは、ピット）が形 成される。一方、相対的に長い記録パターンである 6Tパターンを記録する際には、 図 4中、第 2段部の右側に示すような駆動パルスに基づいて、該駆動パルスに対応 するレーザパワーにてレーザ光 LBが照射される。即ち、パルスのピーク値が" Po"で あって且つそのパルス幅が" nTtop"となるパルス、パルスのピーク値が" Pm"であつ て且つそのパノレス幅が "nTwt— nTtop nTlp"となるパルス、並びにパルスのピー ク値が" Ρο"であって且つそのパルス幅が" nTlp"となるパルスを図 4中、第 2段部の 右側に示すように組み合わせてなる駆動パルスに基づ 、て照射されるレーザ光 LB により、 6Τパターンの記録マーク（或いは、ピット）が形成される。このような駆動パル スの波形は、例えばパルスストラテジにより規定される。そして、当該パルスストラテジ に基づ!/、て、例えばレーザドライブ回路 504の動作により駆動ノ ルスが光ピックアツ プ 501内の半導体レーザ装置 501aに入力され、実際にレーザ光 LBが照射されて いる。

[0128] 更に、これらの記録パターンを例えば 4倍速或いは 6倍速の記録速度で記録する際 には、図 4中、第 3段部の右側に示す波形、所謂、マルチパルスを有する駆動パルス に基づいてレーザ光 LBを照射するようにしてもよい。具体的には、 0. 5Tに相当する パルス幅を持つマルチパルスが、パルス幅が 1. 5Tに相当する「nTtop」に引き続い て照射される。このマルチパルスにおけるパルスの数力 例えば CPU等の制御手段 の制御下で、トツプノ ルス及び記録マークの長さに応じて、決定されるようにしてもよ い。

[0129] より高速な 8倍速の記録速度で記録パターンを記録する場合も同様に、相対的に 短 、記録パターンの記録時には、トップパルスの形状を有する駆動パルスに基づ!/ヽ てレーザ光 LBが照射され、相対的に長い記録パターンの記録時には、トップパルス とミドルパルスとを適宜変化させてなる駆動パルスに基づいてレーザ光 LBが照射さ れる。尚、レーザ光 LBの照射が停止される期間 Poffを有するようにしてもよい。

[0130] このようにレーザ光 LBを照射するための駆動パルスの波形を制御することで、比較 的高速な記録速度にて記録パターンを記録する場合であっても、適切な形状を有す る記録パターン (或いは、記録マークや記録ピット）を光ディスク 100上に形成するこ とができる。そして、図 3に示す PoZPm変更回路 506は、図 4に示すトップパルスの ピーク値 Poとミドルパルス Pmのピーク値との比率（即ち、 PoZPm比）を任意に変更 することが可能に構成されて！、る。

[0131] また、 3Tパターンと 6Tパターンとを記録する間の時間においては、レーザ光 LBの 照射を停止することなく（即ち、レーザパワーを 0にすることなく）、概ね再生レーザパ ヮー Pbにてレーザ光 LBの照射を継続していることが好ましい。このとき、再生レーザ パワー Pbをより小さくすることで、レーザ光 LBが照射されて 、る記録エリアへの影響 を小さくすることができるため好ましい。但し、記録トラックのトラッキングに必要な最小 限のレーザパワーを有するレーザ光 LBが照射されていることがより好ましい。

[0132] 再び、図 3に戻る。

[0133] トラッキングサーボ回路 507は、光ピックアップ 501からの読取信号よりトラッキング エラー信号等の各種サーボ信号を検出可能に構成されている。そして、この各種サ ーボ信号は、ァクチユエータドライブ回路 508や或いはスピンドルモータ 502へ出力 可能に構成されている。

[0134] ァクチユエータドライブ回路 508は、トラッキングサーボ回路 507から出力される各 種サーボ信号に基づき、光ディスク 100の径方向或いは回転方向への光ピックアツ プ 501の移動を制御可能に構成されている。そして、ァクチユエータドライブ回路 50 8によりその移動が制御されている光ピックアップ 501により、光ディスク 100の所望 の記録位置にレーザ光 LBが照射されることで各種データを記録することが可能とな る。

[0135] スピンドルサーボ回路 509は、本発明における、回転速度を制御するための「制御 手段」の一具体例であって、 CPU550の制御の下に、スピンドルサーボ信号に基づ いてスピンドルモータ 502の駆動を制御可能に構成されている。具体的には、スピン ドルモータ 502の回転数を制御することで、光ディスク 100の回転速度（或いは、デ ータの記録速度）を制御する。

[0136] LPP検出器 510は、光ピックアップ 501内に設けられた反射ビーム光を受光する検 出器たる RFアンプ 503からの受光量に応じた出力信号に基づ 、て、 LPP信号を示 すプッシュプル信号を検出可能に構成されている。このとき、プッシュプル信号を検 出するために、光ピックアップ 501の受光素子は、例えば 2分割或いは 4分割等複数 の領域に分けてレーザ光 LBの反射光を受光可能に構成されて 、ることが好ま 、。

[0137] 尚、前述した LPPについてより詳細には、光ディスク 100の一具体例としての DVD —RZRW等の記録トラック (特に、ランドトラック）上に予め形成されているピットであ つて、例えば光ディスク 100上のアドレス位置や、データ記録時の記録クロック信号 の生成のために用いられる。

[0138] GATE作成回路 511は、 LPPデータを検出するためのゲート信号を作成可能に構 成されている。具体的には、 LPPが形成されているゥォブルを対象としてゲート信号 を作成することで、 LPPデータを検出可能にすると共に、 LPPデータに含まれるノィ ズを効果的に除去することができる。もちろん、ゥォブル信号を検出して作成されるゲ ート信号を用いても LPPデータを検出することができることは 、うまでもな 、。

[0139] LPPデータ検出器 512は、 LPP検出器 510より出力される LPP信号から、 GATE 作成回路 511により作成されたゲート信号に基づいて、 LPPデータを検出可能に構 成されている。例えば LPPデータより、光ディスク 100上におけるアドレス位置を示す プリフォーマットアドレス情報や、記録動作の際のクロックを示す情報を検出可能に構 成されている。

[0140] LPPエラーレート検出器 513は、 LPPデータ検出器 512において検出された LPP データのエラーの発生率 (即ち、エラーレート）を検出可能に構成されている。このェ ラーレートは、例えば記録後 LPP特性（或いは、 BERLPPa : Block Error Rate LPP a fter)と称され、 AR特性と同様の数値を示すものである。

[0141] 記録アサインストラテジ検出器 514は、 LPPやプリライト部に記録されている予め設 定されたパルスストラテジを、 LPPデータ検出器 512が検出した LPPデータより検出 可能に構成されている。そして、この検出されたストラテジに基づいて、図 4において 示したような駆動パルスに基づいてレーザ光 LBが照射される。

[0142] イコライザ 520は、 RFアンプ 503により検出された RF信号等に対して所定のフィル タリング (或いは、信号処理）を行い、且つフィルタリング後の信号 (例えば、ェンベロ ープ検波等)を RF振幅測定回路 521へ出力可能に構成されている。

[0143] RF振幅測定回路 521は、 OPC処理における OPCパターンの再生時に、 CPU55 0の制御下で、最適レーザパワーを検出するために、 RFアンプ 503からの出力信号 たる RF信号のエンベロープ検波のピーク値及びボトム値を検出するように構成され ている。係る RF振幅測定回路 521は、例えば AZD (Analog/Digital)コンバータ等を 含んで 、るように構成されてもよ!、。

[0144] 2値ィ匕回路 530は、 RFアンプ 503により検出された RF信号等から 2値ィ匕信号を作 成可能に構成されている。具体的には、例えば検出された RF信号等よりパルス列を 作成する。そして、 2値ィ匕された信号をデコーダ 531及び PLL532の夫々へ出力可 能に構成されている。

[0145] デコーダ 531は、 2値化回路 530で 2値化された RF信号に復調等を施すことで、再 生データをバッファや外部出力インタフェース経由で外部へ出力可能に構成されて いる。そして、当該外部出力インタフェースに接続された外部出力機器 (例えば、液 晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示デバイス、或いはスピーカ等）におい て、所定のコンテンツが再生出力されることとなる。

[0146] PLL532は、 2値ィ匕回路 530から出力される 2値ィ匕信号 (特に、 2値ィ匕された LPP信 号ゃゥォブル信号）に基づいて、記録動作時の基準となるクロック信号を生成可能に 構成されている。

[0147] ジッタ計測回路 540は、 RFアンプ 503により検出された RF信号力もジッタ値を検 出可能に構成されている。

[0148] CPU550は、当該情報記録装置 1全体の動作を制御するべぐ例えば、 Po/Pm 比変更回路 506や記録アサインストラテジ検出器 514や RF振幅測定回路 521ゃジ ッタ計測回路 540等力もデータを受け取り、その後の制御動作を行なう。そして、これ らのデータに基づき、情報記録装置 1が備える各手段に対してシステムコマンドを出 力することで、情報記録装置 1全体の制御を行う。通常、 CPU550が動作するための ソフトウェアは、例えば図示しない ROM等に格納されている。

[0149] メモリ 560は、例えば RAM (Random Access Memory)やフラッシュメモリ等の半導 体メモリを含んでなり、情報記録装置 1の動作に必要な各種データを一時的に記録 可能に構成されている。また、後述するように相関式や最適記録パワー Po、或いは 最適比等を記録可能に構成されて 、る。

[0150] 尚、上述した情報記録装置 1においては、本発明の特徴をより分かりやすく説明す るために、本実施例において必要となる構成要件を抜き出して図示している。このた め、上述した構成要件以外の構成要件を備えて 、ても良 、ことは 、うまでもな!/、。

[0151] また、図 3を参照して説明した本実施例に係る情報記録装置は、情報記録再生装 置の実施例も兼ねる。即ち、光ピックアップ 501や RFアンプ 503を介して記録情報を 再生可能であり、本実施例は、情報再生装置の機能或いは情報記録再生装置の機 能を含む。

[0152] (2— 3)動作原理

続いて、図 5から図 9を参照して、第 1実施例に係る情報記録装置 1の動作原理に ついて説明する。

[0153] (2— 3— 1)記録動作全体

先ず、図 5を参照して、第 1実施例に係る情報記録装置 1の、各種データを記録す る際の記録動作全体の流れについて説明する。ここに、図 5は、本発明の情報記録 装置の第 1実施例に係る情報記録装置 1の記録動作全体の流れを概念的に説明す るフローチャートである。

[0154] 図 5に示すように、先ず光ディスク 100が情報記録装置にローデイングされる (ステツ プ S101)。そして、 CPU550の制御下で、光ピックアップ 501によりシーク動作が行 われ、光ディスク 100への記録処理に必要な各種管理用データが取得される。特に 、カロえて、当該光ディスク 100の種類、製造メーカ、及び製品番号のうち少なくとも一 つを示す識別情報が、取得されるように構成されていてもよい。更に、リードインエリ ァ 104におけるランドプリピット（LPP)を読み取ることで、予め定められている所定の（ 或いは、予め設定された)パルスストラテジを取得する。この管理用データに基づい て、 CPU550の制御により、例えば外部入力機器等からの指示に応じて、例えば外 部入力インタフェース等を介して光ディスク 100へのデータの記録が行われる。

[0155] このローデイング動作の後、実際にデータ (記録情報）を記録する際の最適記録パ ヮー（最適レーザパワー）と、最適な線速度とが検出される (ステップ S 102)。これら最 適記録パワーと、最適な線速度との検出動作については、後に詳述する（図 6等参 照)。

[0156] そして、実際に記録すべきデータが、光ディスク 100の所定のアドレス位置より記録 される（ステップ S103)。ここでは、レーザドライブ回路 504により、ステップ S102で 検出された最適記録パワー (最適レーザパワー）に対応する駆動ノ ルスを、同じくス テツプ S102で検出された最適な線速度において、記録パワー（レーザパワー）を変 化させながらレーザ光 LBを照射する。そして、前述した図 1に示すデータエリア 102 にデータが主として記録される。

[0157] 具体的には、外部入力インタフェース等より入力される記録用のデータは、例えば 図示しない DVDモジユレータにより DVD変調（例えば、 8— 16変調）が施される。そ して、変調が施されたデータに対して、データ誤り訂正用の符号たる ECCコードが、 例えば所定のブロック単位 (例えば、 ECCブロック単位）毎に付加される。その後、光 ピックアップ 501より所望のレーザ光 LBが照射されることで、変調が施され且つ ECC コードが付加された記録用のデータが記録ピット、記録マーク或 、は記録パターンと して光ディスク 100上に記録される。

[0158] その後、全てのデータの記録が終了したか否かを判定する（ステップ S 104)。この 判定の結果、全てのデータの記録が終了したと判定された場合 (ステップ S104 : Yes )、そのまま記録動作を終了し、必要に応じて DVD— ROMとの互換性を保っための フアイナライズ処理を施したり、或いは光ディスク 100を情報記録装置 1からイジェクト (排出）するように構成してもよ ヽ。

[0159] (2— 3— 2)最適記録パワー、及び最適な線速度の検出動作

次に、図 6から図 10を参照して、前述した図 5のステップ S102における、第 1実施 例に係る最適記録パワーと、最適な線速度との検出動作について説明する。ここで は、図 6を参照して検出動作全体の流れを説明しながら、適宜他の図面を参照する ことで第 1実施例に係る検出動作を説明する。ここに、図 6は、本発明の情報記録装 置の第 1実施例に係る最適記録パワーと、最適な線速度との検出動作の流れを概念 的に示すフローチャートである。尚、図 6中において、同様の処理には同様のステツ プ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。

[0160] 先ず、第 1実施例に係る最適記録パワーと、最適な線速度との検出動作の概略とし ては、先ず、 OPC処理を行って最適レーザパワーを検出する。次に、検出された最 適レーザパワーによって、記録された記録情報 (データ)を再生し、再生品質が良好 であるか否かを判定する。次に、その判定の結果に基づいて、本発明に係る「回転速 度」の一例を構成する「線速度」を、所定量ずつ段階的に変更させる。このようにして 、最適記録パワー (最適レーザパワー）と、最適な線速度との検出動作が実現される

[0161] 図 6に示されるように、先ず、 CPU550等の制御手段の下で、線速度が、予め設定 された線速度 (以下、適宜「標準線速度」又は「初期設定線速度」と称す）に設定され る（ステップ S 201)。

[0162] ここに、本実施例に係る「標準線速度」又は「初期設定線速度」とは、例えば高記録 密度で記録できるかどうかを判定するために、複数回行われる試し記録のうち最初の 試し書きを行う、初期設定された線速度である。

[0163] 具体的には、この標準線速度は、次の 3種類の回転速度であるようにしてもよい。 (i )例えば光ディスクの種類に応じて規格書で定められる、光ディスクの回転速度。より 具体的には、記録された又は記録される情報の再生品質を向上させるため、 1倍速、 2倍速、 4倍速、 6倍速、 8倍速等の複数種類がある。そして、それら複数種類の標準 線速度にっ 、て、光ビーム（レーザ光）の記録パワーやストラテジが定められて 、る。

[0164] (ii)仮に、既に記録されて ヽる部分 (記録領域）が存在する場合、この部分を再生 することで得られる回転速度。特に、記録領域が既に高い記録密度で記録されてい る場合、

、記録密度を想定した回転速度とな るとも言える。

[0165] (iii) (ii)にお 、て得られた回転速度を、例えばジッタ値等の再生品質に基づ!/、て 補正された回転速度。特に、記録領域の再生品質が良好な場合、補正された回転 速度は、（ii)において得られた回転速度より小さく設定することが可能となる。また、 再生品質と、補正された回転速度との対応は、例えば記録機のメモリ等に記憶された テーブル等の対応表に基づいて行われるようにしてもよい。従って、この対応表に基 づいて、標準線速度が決定されるので、より的確且つ迅速に、線速度の初期値を設 定することが可能となる。

[0166] ここで、図 7を参照して、上述した (ii)に対応した標準線速度への設定処理につ!ヽ て説明する。ここに、図 7は、図 6中の線速度の標準線速度への設定処理のサブル 一チンの一例を示したフローチャートである。

[0167] 図 7に示されるように、 CPU550等の制御手段の下で、線速度が、例えば光デイス クのコントロールデータゾーン CDZ等にプリ記録されているプリ記録情報の再生クロ ックを利用して、標準線速度が設定される。

[0168] 先ず、例えばコントロールデータゾーン CDZ等において、プリ記録情報の再生が行 なわれる（ステップ S 201a)。尚、このプリ記録情報の再生は、例えばローデイング動 作等の初期動作と同時に又は相前後して、行われるようにしてもよい。

[0169] 次に、この再生されたプリ記録情報力も再生クロックが取得され、この取得された再 生クロックに基づいて、線速度が測定される (ステップ S201b)。

[0170] 次に、測定された線速度が、標準線速度として設定される (ステップ S201c)。

[0171] 上述したように、標準線速度の設定処理においては、ステップ S201a、ステップ S2 01b、及びステップ S201cに示されるように、例えばコントロールデータゾーン CDZ 等において、プリ記録情報の再生が行なわれ、取得された再生クロックに基づいて、 標準線速度が設定される。従って、情報記録装置に標準線速度に関する情報を記 憶させることなく、当該光ディスクにプリ記録されるプリ記録情報の再生動作に応じて 標準線速度を設定することが可能となる。

[0172] 更に、ここで、図 8を参照して、上述した (iii)に対応した標準線速度への設定処理 について説明する。ここに、図 8は、図 6中の線速度の標準線速度への設定処理の サブルーチンの他の例を示したフローチャートである。

[0173] 図 8に示されるように、 CPU550等の制御手段の下で、線速度が、情報記録装置 のメモリ等の記憶手段に記憶された対応表に基づいて、標準線速度が設定される。

[0174] 先ず、例えばデータエリア 102等において、通常の記録情報の記録が行なわれる ( ステップ S 301a)。

[0175] 次に、この記録された通常の記録情報が再生され、再生品質が検出される (ステツ プ S301b)。

[0176] 次に、例えば情報記録装置のメモリ等の記憶手段に記憶されている、標準線速度 を決定するためのテーブルや関数等の情報と、検出された再生品質とに基づいて、 標準線速度が設定される (ステップ S301c)。より具体的には、このテーブルや関数 等は、例えば情報記録媒体の種類、製造メーカ、及び製品番号のうち少なくとも一つ に対応する標準線速度が記述されて 、るように構成されて 、てもよ 、。

[0177] 尚、本実施例については、標準線速度の一具体例として規格書で定められる 6倍 速について説明するが、本発明は全ての標準線速度に適用可能であることは言うま でもない。

[0178] 再び、図 6に戻る。

[0179] 次に、標準線速度に設定された線速度「VI」の下で、 OPC処理が行われる (ステツ プ S202)。この OPC処理の結果、設定された標準線速度における最適記録パワー が検出される。より詳細には、駆動パルスに含まれるトップパルスの最適記録パワー が検出される。

[0180] ここで、 OPC処理について、図 9を参照しながら説明をカ卩える。ここに、図 9は、本 発明の情報記録装置の第 1実施例に係る動作において、 16パワーステップによって 構成される 1回の OPC処理を示した模式的タイミングチャート図である。 OPCについ て、より詳細には、 CPU550による制御下で、本発明に係る「記録手段」の一具体例 たる光ピックアップ 501が光ディスク 100上の例えば前述した PCA (Power Control A rea)へ移動される。そして、順次段階的に（例えば、相互に異なる 16段階の）レーザ ノ ヮ一 (記録パワー）が切り換えられて、本発明における「試し書き情報」の一具体例 たる OPCパターン等のテスト信号が PCAに記録される。

[0181] 具体的には、 OPC回路 505により生成される図 9に示すような基準 OPCパターン 等のテスト信号が記録される。テスト信号としては、例えば 3T〜14Tのランダムパタ ーンがーつの例として挙げられる。このような OPCパターンは、 CPU550の制御の下 に、所定のノ ルスストラテジに従って作成される。図 9では、段階的に切り替えられる レーザパワー毎に、ランダムパターンのうち 3Tパターンのテスト信号を記録する第 1 ピット区間、及び 11Tパターンのテスト信号を記録する第 2ピット区間を含んだ OPC ノ ターンを記録する態様を一具体例として示している。もちろん、段階的に切り替え られるレーザパワー毎に、異なる OPCパターンを用いるように構成してもよ ヽ。

[0182] 前述したレーザドライブ回路 504は、この OPCパターンにより、レーザパワーを順次 段階的に切り換えるように、光ピックアップ 504内の半導体レーザを駆動する。

[0183] その後、このような PCAへの OPCパターンの記録完了後には、 CPU550の制御下 で、該 PCAにおける記録部分 (即ち、 OPCパターン）が再生される。

[0184] そして、段階的に切り替えられたレーザパワー毎に、再生された RF信号より、各種 再生品質を検出する。

[0185] 前述した LPPデータ検出器 512或いは LPPエラーレート検出器 513の動作により

AR特性 (或いは、記録後 LPP特性)を検出したりしてもよ!、。

[0186] このような再生品質の検出が、段階的に切り替えられたレーザパワー毎に、 1回の

OPC処理において、例えば記録された OPCパターンの回数に応じて行われる。

[0187] その結果、順次段階的に切り替えられたレーザパワーとそのレーザパワーにて記録 された OPCパターンの各種再生品質との関係を示す相関情報を作成することができ る。

[0188] 例えば、ァシンメトリを縦軸に、段階的に切り替えられたレーザパワーを横軸にとる グラフ上において、 OPCパターンの再生により得られたァシンメトリをプロットし、且つ 近似曲線で結ぶことで、相関情報を得ることができる。係る近似曲線は、例えば最小 二乗法等の数学的又は統計的手法を用いて作成することができる。

[0189] このような相関情報に基づき、 CPU550の制御の下に、最適記録パワーが検出さ れる。 OPC処理では、ァシンメトリやジッタ値が最適な或いは好適な値をとるようなレ 一ザパワーを最適レーザパワーとして検出することが好ましい。例えば、ァシンメトリ 力 SOとなるようなレーザパワーを最適レーザパワーとして検出してもよいし、或いはジッ タ値が最小となるような (或いは、 8%より小さくなるような）レーザパワーを最適記録パ ヮ一としてもよい。即ち、後述されるように、この「ァシンメトリが 0となる」条件や「ジッタ 値が 8%より小さくなる」条件に基づいて、「再生品質」が良好力否かを判定することが 可能となる。もちろん、この検出方法に限らず、 OPCパターンを記録した光ディスク 1 00の規格上許容される再生品質を実現可能なレーザパワーを最適記録パワーとし てち検出してちょい。

[0190] 尚、 OPCパターンの再生によって得られるレーザパワーと各種再生品質との関係 に応じて、例えば数学的に演算等を行うことで最適記録パワーを検出してもよい。

[0191] 特に、上述した、 OPC処理は、 PCAにお!/、てのみ行われなくてもよ 、。言 、換える と、例えばデータエリア等において、相前後して、行われてもよい。或いは、多ビーム によって、記録動作と同時に行われてもよい。

[0192] 再び、図 6に戻り、標準線速度の下で、当該 OPC処理によって検出された最適記 録パワーによって、記録情報の少なくとも一部である試し書き情報が記録される (ステ ップ S 203)。

[0193] 次に、ステップ S203において記録された試し書き情報が再生される（ステップ S20 4)。

[0194] 次に、 CPU550の制御下で、ステップ S204における試し書き情報の再生によって 得られた RF信号より、再生品質を示す品質値が検出され、再生品質が、良好か否か が判定される (ステップ S205)。詳細には、検出された、例えばジッタ値、最大ピット 力 得られる RF信号の振幅に対する最小ピットから得られる RF信号の振幅の割合、 又はァシンメトリ値等の品質値と、標準再生品質を示す標準値との比較によって、再 生品質が良好である力否力が判定される。或いは、検出された品質値が、標準範囲 に含まれる力否かによって、再生品質が良好である力否かが判定される。

[0195] 特にここで、図 10を参照して、ステップ S205において、再生品質が、良好か否か の判定について、より詳細に説明する。ここに、図 10は、本発明に係る「回転速度」の 一具体例を構成する線速度を変数パラメータとした場合の、ジッタ値、及び最大ピット (14T:「T」は所定の「基準クロック周期」）力も得られる RF信号の振幅に対する最小 ピット（3T)力 得られる RF信号の振幅の割合 (以下、「I3ZI14」と称す）との相関関 係を示した表（図 10 (a) )、並びにグラフ（図 10 (b)及び図 10 (c) )である。 [0196] 図 10に示されるように、品質値として、ジッタ値を適用する場合、図 10 (b)中の「黒 丸印」に示されるように、線速度「VI」において、記録された試し書き情報のジッタ値 は、「6. 86」パーセントである。他方、平均的な再生品質を示す標準的なジッタ値の 許容範囲は、例えば約 8から 9パーセントに、検出誤差を含めた範囲であることが本 願発明者による研究によって判明している。また、 8パーセントより小さいジッタ値は、 良好な再生品質を示すことが判明している。更に、また、 9パーセントより比較的に大 きいジッタ値は、良好ではない再生品質を示すことが判明している。尚、このジッタ値 は、前述したジッタ計測回路 540の動作により検出されてもよい。カロえて、再生品質と して、 RF信号の変調度やデータを再生したときの誤り個数をカウントすることで求め られるエラーレートである PIエラーや RF信号自体のエラーレート等を用いるようにし てもよい。

[0197] 具体的には、図 10における、線速度「VI」において、記録された試し書き情報のジ ッタ値は、標準的なジッタ値より比較的に小さい。その結果、ステップ S202において 検出された最適記録パワーによって、標準線速度に設定された線速度「VI」におい て記録された試し書き情報の再生品質は良好であると判定することが可能である。

[0198] 再び、図 6に戻る。

[0199] ステップ S205の判定の結果、再生品質が良好である場合 (ステップ S205 : Yes)、 線速度を、第 1所定量ずつ段階的に小さくさせる (ステップ S207)。ここに、本願発明 に係る「第 1所定量」とは、例えば記録密度を約 5パーセントだけ増加させるための線 速度の減少単位量である。この第 1所定量は、例えば、実験的、経験的又は理論的 若しくはシミュレーション等により求めることが可能である。このステップ S207におけ る処理について、言い換えると、記録クロックは、一定であるので、線速度を小さくさ せることによって、記録密度が大きくさせることが可能となる。

[0200] 次に、前述したステップ S203及び S204における各処理が行われ、再び、 CPU55 0の制御下で、ステップ S204における試し書き情報の再生によって得られた RF信号 より、再生品質を示す品質値が検出され、再生品質が、良好力否力が判定される (ス テツプ S205)。

[0201] ここで、再生品質が良好でない場合 (ステップ S205 : No)、線速度を、第 1所定量 ずつ段階的に大きくさせる (ステップ S211)。

[0202] 次に、前述したステップ S203及び S204における各処理が行われ、更に、再び、 C PU550の制御下で、ステップ S204における試し書き情報の再生よつて得られた RF 信号より、再生品質を示す品質値が検出され、再生品質が、良好力否力が判定され る（ステップ S 205)。

[0203] ここで、再生品質が普通である場合、即ち、前述したようにジッタ値が、平均的な再 生品質を示す許容範囲 (例えば約 8から 9パーセントに、検出誤差を含めた範囲）に 含まれる場合 (ステップ S205 :普通）、現在の線速度、及び最適記録パワー（最適レ 一ザパワー）が、例えばコンテンツデータ等の記録情報を記録する際の線速度（以下 、適宜「記録線速度」とも称す）、及び記録パワーとして設定される (ステップ S212)。

[0204] 以上のように、第 1実施例に係る情報記録装置によれば、 CPU550等の判定手段 によって、再生品質が良好であると判定された場合、 CPU550等の制御手段の制御 下で、スピンドルモータ 502等の回転手段は、線速度を、所定回転速度と比較して、 小さく（遅く）させる。

[0205] この結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の再生品質に影響を与え る記録条件のばらつきに適切に対応して、記録情報をより高密度で記録することが可 能となる。

[0206] 他方、 CPU550等の判定手段によって、再生品質が良好ではないと判定された場 合、 CPU550等の制御手段の制御下で、スピンドルモータ 502等の回転手段は、線 速度を、所定回転速度と比較して、大きく（速く）させる。

[0207] この結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の記録条件のばらつきに 適切に対応して、プレイ'アビリティ（Playing Ability)を安全なレベルに確保しつつ、 記録情報の記録が可能となる。

[0208] (2— 4)第 1実施例の作用効果の検討

次に、前述した図 10を参照して、上述した第 1実施例の作用効果について検討す る。尚、図 10にカ卩えて、後述される図 17、及び図 18によって示される実験結果にお いては、 8倍速の一般的な情報記録装置によって、試し書き情報の記録が行なわれ ている。他方、 1倍速の一般的な情報再生装置によって、記録された試し書き情報の 再生が行なわれている。また、詳細には、図 10に加えて、後述される図 17及び図 18 において、変数パラメータである線速度は、相対的に大きい値力 小さい値へ向かつ て、「VI」を「20. 9 (mZs)」、「V2」を「20. 0 (mZs)」、及び「V3」を「19. 0 (m/s) 」として変更可能とされている。より詳細には、「Vr」の初期設定値として適用された線 速度「VI」は、前述したように、 6倍速記録に相当し、規格で決められている。この「V 1」の線速度の下で記録される最小ピット長は、「0. 40」（マイクロメートル)である。同 様にして、「V2」の線速度の下で記録される最小ピット長は、「0. 382」（マイクロメ一 トル)であり、「V3」の線速度の下で記録される最小ピット長は、「0. 363」（マイクロメ 一トル)である。尚、線速度「V2」、及び後述される「V3」は、線速度「VI」に対して、 記録速度が約 5%ずつ小さくなつて 、る。

[0209] 図 10 (b)に示されるように、「黒丸印」及び「白三角印」に示されるように、線速度を「 VI」（黒丸印に対応)から「V2」（白三角印に対応)へと遅く（小さく）させた場合、記録 密度を高めることができる。より詳細には、記録速度を遅くさせることで記録マークの サイズと記録マークの間隔が小さくなり、記録密度を上げることができる。

[0210] その結果、記録された試し書き情報のジッタ値は、線速度「VI」に対応される「6. 8 6」パーセントから、線速度「V2」に対応される「8. 10」パーセントへと微増してしまう 力 ジッタ値を概ね平均的な再生品質を示す許容範囲内に収めることが可能となる。

[0211] 以上より、第 1実施例によれば、再生品質の良好な光ディスクに対しては、記録速 度を小さくする（例えば線速度「V2」にする）ことで高 ヽ記録密度で記録を行うことが 可能となる。他方、再生品質の良好ではない光ディスクに対しては、記録速度を大き くすることで低い記録密度で記録を行い、より高い再生品質を確保することが可能と なる。

[0212] (3) 情報記録装置の第 1実施例に係る第 1変形例

続いて、図 11を参照して、本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る第 1変形例 について説明する。ここに、図 11は、本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 1変 形例に係る最適記録パワーと、最適な線速度との検出動作の流れを概念的に示す フローチャートである。尚、図 11中において、前述した図 6における処理と同様の処 理には同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。また、第 1変形例 に係る情報記録装置の基本構成、及び記録動作全体の流れについては、第 1実施 例と概ね同様であるので説明は省略する。

[0213] (3— 1)最適記録パワー、及び最適な線速度の検出動作

第 1変形例においては、 OPC処理 (前述したステップ S202を参照）は、記録するた めの線速度が変更される度に行われる。

[0214] その結果、第 1変形例によれば、記録するための線速度が変更され、レーザー光が 照射される時間が変わることに起因する、最適記録パワーの変化に対応することが可 能となる。従って、試し記録 (前述したステップ S202を参照）を、変更された線速度に 対応する最適記録パワーで行うことが可能となる。

[0215] (4) 情報記録装置の第 1実施例に係る第 2変形例

続いて、図 12を参照して、本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る第 2変形例 について説明する。ここに、図 12は、本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 2変 形例に係る最適記録パワーと、最適な線速度との検出動作の流れを概念的に示す フローチャートである。尚、図 12中において、前述した図 6における処理と同様の処 理には同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。また、第 2変形例 に係る情報記録装置の基本構成、及び記録動作全体の流れについては、第 1実施 例と概ね同様であるので説明は省略する。

[0216] (4 1)最適記録パワー、及び最適な線速度の検出動作

図 12に示されるように、前述のステップ S205の判定の結果、再生品質が良好であ る場合 (ステップ S 205 : Yes)、線速度が最小である力否かが判定される (ステップ S 2 06)。ここで、線速度が最小でない場合 (ステップ S206 : No)、前述したように、線速 度を、第 1所定量ずつ段階的に小さくさせる (ステップ S207)。

[0217] 他方、前述のステップ S205の判定の結果、再生品質が良好でな 、場合 (ステップ S205 : No)、線速度が最大である力否かが判定される（ステップ S210)。ここで、線 速度が最大でない場合 (ステップ S210 : No)、前述したように、線速度を、第 1所定 量ずつ段階的に大きくさせる (ステップ S211)。

[0218] また、線速度が最小である場合 (ステップ S206 : Yes)、及び、線速度が最大である 場合 (ステップ S210 : Yes)、前述したように、現在の線速度、及び最適記録パワーが 、例えばコンテンツデータ等の記録情報を記録する際の線速度、及び記録パワーと して設定される (ステップ S212)。ここに、本実施例に係る「最大値 (又は最小値)で ある」とは、規格書等で規定されている基準回転速度 (標準、 2倍速、又は 4倍速等） に対して、所定のマージンをもって回転速度を変化させる場合の、線速度の許容範 囲の上限値 (又は下限値)であることを意味するようにしてもよい。また、これら最小値 (最大値）は記録ドライブ等の情報記録装置の性能で予め決定しておいてもよい。具 体的には、性能の高い記録ドライブであれば、設定可能な線速度の幅を大きくするこ とが可能となるようにしてもょ 、。

[0219] (5) 情報記録装置の第 1実施例に係る第 3変形例

続いて、図 13を参照して、本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る第 3変形例 について説明する。ここに、図 13は、本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 3変 形例に係る最適記録パワーと、最適な線速度との検出動作の流れを概念的に示す フローチャートである。尚、図 13中において、前述した図 6における処理と同様の処 理には同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。また、第 3変形例 に係る情報記録装置の基本構成、及び記録動作全体の流れについては、第 1実施 例と概ね同様であるので説明は省略する。

[0220] (5— 1)最適記録パワー、及び最適な線速度の検出動作

図 13に示されるように、ステップ S210の判定の結果、線速度が、最大である場合（ ステップ S210 :Yes)、更に、 CPU550等の制御手段の下で、記録動作を停止する か否かが判定される (ステップ S302)。ここで、例えばユーザによって、記録動作を停 止する操作が行なわれた場合 (ステップ S302 : Yes)、記録動作の停止が行なわれる (ステップ S303)。他方、例えばユーザによって、記録動作を継続する操作が行なわ れた場合 (ステップ S302 : No)、前述したように、現在の線速度が、例えばコンテンツ データ等の記録情報を記録する際の線速度（「記録線速度」 )として設定される (ステ ップ S 212)。

[0221] 以上より、第 3変形例によれば、記録するための線速度を最大 (記録密度は最小） にしても再生品質が改善しな 、場合、記録動作自体を停止することが可能となる。

[0222] この結果、コンテンツ等の記録情報の記録動作が不完全に終了したりすることや、 仮に記録が終了しても、その後、記録情報の再生が不可能となってしまうことを回避 することが可能となる。

[0223] (6) 情報記録装置の第 1実施例に係る第 4変形例

続いて、図 14を参照して、本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る第 4変形例 について説明する。ここに、図 14は、本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 4変 形例に係る最適記録パワーと、最適な線速度との検出動作の流れを概念的に示す フローチャートである。尚、図 14中において、前述した図 6における処理と同様の処 理には同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。また、第 4変形例 に係る情報記録装置の基本構成、及び記録動作全体の流れについては、第 1実施 例と概ね同様であるので説明は省略する。

[0224] (6— 1)最適記録パワー、及び最適な線速度の検出動作

図 14に示されるように、ステップ S205において、 CPU550の制御下で、試し書き 情報の再生によって得られた RF信号より、再生品質を示す品質値が検出され、再生 品質が良好力否かの判定の結果、再生品質が良好である場合 (ステップ S205： Yes )、前述したステップ S202において、検出された、例えばトップパルスの最適記録パ ヮー（最適レーザパワー）、及び、現在の線速度のうち少なくとも一方力 例えば情報 記録装置のメモリ等の記憶手段に記憶される (ステップ S402)。

[0225] 他方、前述したステップ S 205の判定の結果、再生品質が良好でな 、場合 (ステツ プ S205 : No)、例えば情報記録装置のメモリ等の記憶手段において、前述した例え ばトップパルスの最適記録パワー（最適レーザパワー）、及び、線速度のうち少なくと も一方が、記憶されているか否かが判定される (ステップ S403)。ここで、一方が記憶 されている場合 (ステップ S403 : Yes)、線速度を大きくさせることなぐ記憶されてい る最適記録パワー（最適レーザパワー）、及び、線速度を、例えばコンテンツデータ等 の記録情報を記録する際の記録パワー、及び線速度（「記録線速度」 )として設定さ れる（ステップ S404)。

[0226] 以上より、第 4変形例によれば、例えばメモリ等の記憶手段において、記録パワー「 Po」と線速度「Vr」とが記憶されるので、より効率的に、線速度「Vr」を設定することが 可能となる。詳細には、ステップ S402等に示されるように、当該光ディスクに記録さ れる又は記録された記録情報の再生品質が良好ではない場合には、優先的に、記 憶されている記録パワー、及び線速度を、通常記録の際に使用する。従って、制御 手段による再生品質の判定処理において、線速度が大きぐ又は小さくする処理の 流れが無限ループに陥ってしまうことを回避することが可能となる。

[0227] (7) 情報記録装置の第 1実施例に係る第 5変形例

続いて、図 15を参照して、本発明の情報記録装置の第 1実施例に係る第 5変形例 について説明する。ここに、図 15は、本発明の情報記録装置の第 1実施例の第 5変 形例に係る最適記録パワーと、最適な記録クロックとの検出動作の流れを概念的に 示すフローチャートである。尚、図 15中において、前述した図 6における処理と同様 の処理には同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略する。また、第 5変 形例に係る情報記録装置の基本構成、及び記録動作全体の流れについては、第 1 実施例と概ね同様であるので説明は省略する。

[0228] (7— 1)最適記録パワー、及び最適な線速度の検出動作

図 15に示されるように、先ず、 CPU550等の制御手段の下で、記録クロックが、予 め設定された記録クロック（以下、適宜「標準記録クロック」又は「初期設定記録クロッ ク」と称す）に設定される (ステップ S201d)。

[0229] 続いて、前述したステップ S202力ら S204を経て、ステップ S205の判定の結果、 再生品質が良好である場合 (ステップ S205 : Yes)、記録クロック「Cr」を、第 1所定量 ずつ段階的に小さくさせる (ステップ S207d)。即ち、記録するための線速度は一定 であるので、記録クロックが小さくなると記録密度を高めることが可能となる。他方、前 述したステップ S205の判定の結果、再生品質が良好でない場合 (ステップ S205 :N o)、記録クロック「Cr」を、第 1所定量ずつ段階的に大きくさせる (ステップ S21 Id)。

[0230] 続いて、前述したステップ S203力ら S205を経て、ステップ S205の判定の結果、 再生品質が普通である場合 (ステップ S205 :普通）、現在の記録クロック、及び最適 記録パワー（最適レーザパワー）力 例えばコンテンツデータ等の記録情報を記録す る際の記録クロック、及び記録パワーとして設定される (ステップ S212d)。

[0231] 以上より、第 5変形例によれば、例えば再生品質の良好な光ディスクに対しては、 記録クロックを小さくすることで高 、記録密度で記録が行われることが可能となる。尚 、この第 5変形例における処理は、前述した第 1から第 4変形例にも適用可能である ことは言うまでもない。

[0232] (8) 情報記録装置の第 2実施例

続いて、図 16から図 19に加えて前述した図 10を参照して、本発明の情報記録装 置に係る第 2実施例について説明する。尚、第 2実施例に係る情報記録装置の基本 構成、及び記録動作全体の流れについては、第 1実施例と概ね同様であるので説明 は省略する。

[0233] 第 2実施例においては、第 1実施例を更に発展させ、例えばパルス比の制御を含 む記録パルス制御を更に行うことで、適切な記録密度での記録を実現している。言い 換えると、再生品質の良好な情報記録媒体に対しては、記録速度を小さくさせると共 に、記録パルス制御を行うことでより高密度での記録を行うことが可能である。他方、 再生品質の良好ではない情報記録媒体に対しては、記録速度を大きくさせると共に 、記録パルス制御を行うことでより低密度での記録を行うことが可能である。

[0234] (8— 1)最適記録パワー、及び最適な線速度の検出動作

先ず、図 16を参照して、第 2実施例に係る最適記録パワー (最適レーザパワー）と、 最適な線速度との検出動作について説明する。ここに、図 16は、本発明の情報記録 装置の第 2実施例に係る最適記録パワー、及び最適な線速度の検出動作の流れを 概念的に示すフローチャートである。尚、図 16中において、前述した第 1実施例に係 る図 6等と同様の処理には同様のステップ番号を付し、それらの説明は適宜省略す る。

[0235] 図 16に示されるように、ステップ S205の判定の結果、再生品質が良好である場合

(ステップ S205 :Yes)、前述したように、線速度を、第 1所定量ずつ段階的に小さくさ せる（ステップ S 207)。

[0236] 次に、特に、第 2実施例においては、例えば CPU550等の制御手段の制御下で、 記録パルス制御が更に行われる（ステップ S208)。この記録パルス制御は、例えば パルス比の制御（記録パワーの制御）やストラテジの制御（記録パルス幅の制御）等 を含むようにしてもよい。

[0237] ここに、本願発明に係る「パルス比」とは、駆動パルスに含まれる、中間バイアス期 間におけるレーザ光の記録パワー (パワー値）とマーク期間のうち中間バイアス期間 を除くトップパルス期間におけるレーザ光のパワー値との比率のことである。また、「パ ルス比」は、一般的に PoZPm比と称されている。より詳細には、実際に情報記録媒 体にデータを記録する際には、情報記録媒体に予め記録されているマ-ュファクチ ャラーコードを読み取ったりすることで、予め定められた適切な PoZPm比（或いは、 適切なパルスストラテジ）によってレーザ光の波形を制御するように構成してもよ 、。

[0238] また、本願発明に係る「ストラテジの制御」とは、例えば記録パターン（「4T」 )に対応 される駆動パルスの波形形状の制御である。具体的には、図 19に示されるように、 4 Τトラックにおける後半部のエッジを「0. 05Τ」だけ大きくさせる。

[0239] 次に、前述としたように、 OPC処理が行われ、記録パワーが較正される (ステップ S 202) ο

[0240] 次に、前述したように、試し記録が行われる（ステップ S 203)。

[0241] 次に、前述したように、試し記録が行われた部分が再生され (ステップ S 204)、再生 品質が良好力否かが判定される (ステップ S205)。

[0242] 以上のように、第 2実施例に係る情報記録装置によれば、 CPU550等の判定手段 によって、再生品質が良好であると判定された場合、 CPU550等の制御手段の制御 下で、スピンドルモータ 502等の回転手段は、線速度を、所定回転速度と比較して、 小さく（遅く）させる。更に、レーザドライブ回路 504の制御下で、品質値に基づいて、 記録パルス制御が行われる。

[0243] この結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の再生品質に影響を与え る記録条件のばらつきに適切に対応して、記録情報をより高密度で記録することが可 能となる。

[0244] 他方、 CPU550等の判定手段によって、再生品質が良好ではないと判定された場 合、 CPU550等の制御手段の制御下で、スピンドルモータ 502等の回転手段は、線 速度を、所定回転速度と比較して、大きく（速く）させる。更に、前述したように、レーザ ドライブ回路 504の制御下で、品質値に基づいて、記録パルス制御が行われる。

[0245] この結果、例えば光ディスク等の情報記録媒体の個体毎の記録条件のばらつきに 適切に対応して、プレイ'アビリティ（Playing Ability)を安全なレベルに確保しつつ、 記録情報の記録が可能となる。

[0246] (8-2) 第 2実施例の作用効果の検討

次に、図 17から図 19に加えて、前述した図 10を適宜参照して、第 2実施例の作用 効果について検討する。

[0247] (8-2- 1) 第 2実施例の前提

先ず、第 2実施例の前提について、前述した図 10を参照して、説明する。

[0248] 前述したように、図 10に示された第 1実施例の結果においては、記録速度を変更さ せ、再生品質の検出が行われている。言い換えると、例えばパルス比の制御（記録パ ヮ一の制御）やストラテジの制御（記録パルス幅の制御）等を含む記録パルス制御は 、同じ条件である。

[0249] 即ち、前述した図 10に示されるように、品質値として、ジッタ値を適用する場合、図 10 (b)中の「黒丸印」及び「白三角印」に示されるように、線速度を「VI」（黒丸印に対 応)から「V2」（白三角印に対応)へと遅く（小さく）させた場合、記録密度を高めること ができる。より詳細には、記録速度を遅くさせることで記録マークのサイズと記録マー クの間隔が小さくなり、記録密度を上げることができる。また、記録された試し書き情 報のジッタ値は、「6. 86」パーセントから「8. 10」パーセントへと微増してしまうが、ジ ッタ値を概ね平均的な再生品質を示す許容範囲内に収めることが可能となる。また、 同様にして、図 10 (b)中の「白三角印」及び「白四角印」に示されるように、線速度を「 V2」（白三角印に対応)から「V3」（白四角印に対応)へと小さくさせた場合、記録密 度を高めることができる。

[0250] し力しながら、この場合、記録された試し書き情報のジッタ値は、「8. 10」パーセント から「14. 01」パーセントへと、「5. 91」パーセントだけ増加してしまう。

[0251] このように、例えばジッタ値等で示された再生品質が良好ではなくなつてしまうこと の原因の一例として、 I3ZI14が小さくなつてしまうことが挙げられる。即ち、記録密度 が高まることによって、最小ピットから得られる RF信号を読み取ることが困難となって しまう。詳細には、図 10 (c)中の「白三角印」及び「白四角印」に示されるように、線速 度を「V2」（白三角印に対応)から「V3」（白四角印に対応)へと小さくさせた場合、記 録された試し書き情報の「I3ZI14」は、「0. 191」から「0. 151」へと、「0. 04」程度、 減少してしまう。

[0252] (8- 2- 2) 第 2実施例におけるパルス比の制御の効果

ここで、図 17を参照して、第 2実施例におけるパルス比を制御する効果について、 より詳細に説明する。ここに、図 17は、本発明に係る「回転速度」の一具体例を構成 する線速度、及びトップパルスの記録パワーを変数パラメータとした場合の、ジッタ値 、及び I3ZI14との相関関係を示した表（図 17 (a) )、並びにグラフ（図 17 (b)及び図 17 (c) )である。

[0253] 第 2実施例では、「I3ZI14」が小さくなることを抑制するように記録パルス制御が行 われている（図 16中のステップ S 208を参照)。具体的には、第 2実施例では、記録 パルス制御として、ノ ルス比を大きくしている。

[0254] より具体的には、記録パルス制御は、次の 4種類の動作を含むようにしてもよい。 (i) 例えば DVD— R等における 4倍速や 8倍速記録で用いられるノンマルチパルスストラ テジの場合、パルス比を大きくしてもよい。（ii)例えば DVD— R等における 1倍速記 録で用いられるマルチパルスストラテジの場合、マルチパルスの幅、所謂「Tmp」を小 さくしてもよい。（iii)最小ピットのパルス幅を大きくしてもよい。（iv)最小ピットの記録 パワーを相対的に大きくしてもよい。

[0255] このように、第 2実施例においては、例えばパルス比を大きくさせる等のパルス比の 制御を含む記録パルス制御を行うことで、上述した課題を解決している。より詳細に は、図 17 (a)に示されるように、線速度「VI」に対応されるパルス比「1. 60」を、線速 度「V2」に対しては、パルス比「1. 80」に、「0. 20」だけ大きくさせる。加えて、 OPC 処理 (前述したステップ S202を参照）を行うことで、図 17 (a)に示されるように、線速 度「V2」における最適記録パワーとして 20. 9 (mW)を得ることができる。尚、詳細に は、一般に線速度を下げると、単位面積当りのレーザ光の照射時間が長くなり、その 結果、同じ記録パワーで記録すると記録層が受ける熱エネルギーが大きくなりすぎて しまう。よって、良好な再生品質を得るために、 OPCで記録パワー Poを較正する必 要がある。また、ノ ルス比を大きくすると最小ピットの記録パワーは相対的に大きくな るので、例えば記録パターン「3T」に対応される最小ピットの（再生) RF信号の振幅 を大きくすることが可能となる。 [0256] 更に、線速度「V2」に対応されるパルス比「1. 80」を、線速度「V3」に対しては、パ ルス比「2. 00」に、「0. 20」だけ大きくさせる。加えて、 OPC処理 (前述したステップ S202を参照）を行うことで、図 17 (a)に示されるように、線速度「V3」における最適記 録パワーとして 19. 9 (mW)を得ることができる。

[0257] このことによって、前述した「I3ZI14」については、図 17 (c)中の「黒三角印」及び「 黒四角印」（加えて、図 17 (a)の対応される値）に示されるように、線速度「V2」では（ 「0. 191」から）「0. 198」へ大きくさせることができる。と共に、線速度「V3」では（「0 . 151」から）「0. 174」へ大きくさせることができる。尚、記録パルス制御は、更に、所 謂「Po」を較正する OPC処理と相前後して、又は、同時に行われるようにしてもよい。

[0258] 以上の結果、図 17 (b)中の「黒三角印（「V2」に対応）」及び「黒四角印（「V3」に対 応）」（加えて、図 17 (a)の対応される値）に示されるように、記録された試し書き情報 のジッタ値は、 「7. 74」パーセントから「11. 41」パーセントへと、 「3. 67」パーセント の増加に抑制することが可能となる。即ち、第 2実施例では、パルス比の制御を行うこ とで、例えば線速度「V3」に対応されるように記録密度をより高めつつ、再生品質を 良好にすることが可能となる。

[0259] (8- 2- 3) 第 2実施例におけるストラテジの制御の効果

続いて、図 18及び図 19を適宜参照して、ステップ S208の記録パルス制御におい て、例えば「4T」の記録パターンに対応される駆動パルスの波形形状、所謂、ストラ テジを制御する効果について、より詳細に説明する。ここに、図 18は、本発明に係る 「回転速度」の一具体例を構成する線速度、トップパルスの記録パワーを変数パラメ ータとすると共に、ストラテジを変更した場合の、ジッタ値、及び I3ZI14との相関関係 を示した表（図 18 (a) )、並びにグラフ（図 18 (b)及び図 18 (c) )である。図 19は、本 発明に係るストラテジの制御における、記録パターン（「4T」）を形成するために、デ ータの記録時に照射されるレーザ光を駆動するための駆動パルスを各種線速度に 対応して概念的に示すグラフ（図 19 (a)、図 19 (b)及び図 19 (c)である。

[0260] 第 2実施例においては、記録パルス制御としてノ ルス比を大きくさせることに加えて 、ストラテジの制御を行うことで、最小ピットの振幅を相対的に大きくさせると共に、最 小ピットの振幅と最大ピットの振幅との間の波形のバランスのずれを補正することが可 能となる。

[0261] 具体的には、所定部分の記録パルスの幅を変更する等のストラテジの制御が行わ れるようにしてもよい。より具体的には、図 19 (b)に示されるように、図 18 (a)及び (b) 中の線速度「V2」に対応される、記録パターン（「4T」： Τは基準クロック周期）を形成 するための駆動パルスのパルス幅を、図 19 (a)に示された基準となる駆動パルスの パルス幅（図 18中の「STG A」に対応）と比較して「0. 05T」だけ長くする（図 18中 の「STG B」に対応)。尚、レーザドライブ回路 504の制御下で、例えば「4T(T:基 準クロック周期）」の記録パターンを形成するための駆動パルスのパルス幅が制御さ れる。更に、図 19 (c)に示されるように、図 18 (a)及び (b)中の線速度「V3」に対応さ れる、記録パターン（「4T」）を形成するための駆動パルスのパルス幅を、図 19 (a)に 示された基準となる駆動ノ ルスのパルス幅と比較して「0. 10Τ」だけ長くする（図 18 中の「STG C」に対応)。尚、第 2実施例におけるストラテジの制御においては、 2番 目に小さい振幅の 4Tのパルス幅を変更したが、 3番目に小さい振幅の 5Tのパルス 幅を制御するようにしてもよい。或いは、「4T」又は「5T」の記録パワーを、更に制御 するようにしてもよい。カロえて、 OPC処理 (前述したステップ S202を参照）を行うこと で、図 18 (a)に示されるように、線速度「V3」における最適記録パワーとして 19. 7 ( mW)を得ることができる。

[0262] その結果、図 18 (b)中の「灰色三角印」及び「灰色四角印」（加えて、図 18 (a)の対 応される値）に示されるように、記録された試し書き情報のジッタ値を、線速度「V2」で は「8. 10」パーセントから「7. 52」パーセントへ小さくさせることができる。と共に、線 速度「V3」では「14. 01」パーセントから「8. 67」パーセントへ小さくさせることができ る。即ち、第 2実施例では、ストラテジの制御を行うことで、例えば線速度「V3」に対応 されるように記録密度をより高めつつ、再生品質を良好にすることが可能となる。従つ て、例えばコンテンツ等の記録情報を、線速度「V3」で記録することが可能となる。

[0263] (9) 情報記録装置の第 3実施例

続いて、図 20から図 23を参照して、本発明の情報記録装置に係る第 3実施例につ いて説明する。尚、第 3実施例に係る情報記録装置の基本構成については、第 1実 施例と概ね同様であるので説明は省略する。 [0264] 特に、第 3実施例にぉ ヽては、光ディスクの種類と記録条件（「Vr」、パルス比等）と を記録機のメモリに記憶しておき、既知の光ディスクに対して記録を行う場合、記憶さ れている記録条件で記録を行う。他方、未知の光ディスクに対して記録を行う場合は 、前述した第 1及び第 2実施例における記録条件の探索を行い、例えばコンテンツ等 の実際の記録情報の記録を行う。尚、記録条件の探索を行った場合は、光ディスク の種類と探索した記録条件をメモリに記憶させる。尚、記録条件は、記録機の製品出 荷時に予めメモリに記憶させておいてもよい。或いは、インターネット等の外部ネット ワーク力も記録条件を取得し、記憶させるようにしてもよい。更に、或いは、光ディスク に予め記録条件が記録されて 、るようにしてもょ 、。

[0265] (9 1)記録動作全体

先ず、図 20を参照して、本発明の情報記録装置の第 3実施例に係る、最適記録パ ヮ一と、最適な線速度との検出動作を含む記録動作全体の流れについて説明する。 ここに、図 20は、本発明の情報記録装置の第 3実施例に係る記録動作全体の流れ を概念的に示すフローチャートである。尚、図 20中において、前述した第 1及び第 2 実施例に係る図 5や図 6等と同様の処理には同様のステップ番号を付し、それらの説 明は適宜省略する。

[0266] 特に、第 3実施例においては、図 20に示されるように、ステップ S101における光デ イスク 100の情報記録装置へのローデイングの後、例えば光ディスクの種類、製造メ 一力、メディア ID及び製品番号のうち少なくとも一つを示す識別情報が読み取られ、 判別される。このことにより、情報記録装置が、当該光ディスク 100を知っている、即 ち、当該光ディスクに関する記録パラメータ等の各種記録条件をメモリ等に記憶して V、るか否かが判定される（ステップ S601)。

[0267] 尚、この判定処理と同時に又は相前後して、記録密度の検出処理、或いは、記録 密度を示す情報の取得処理に基づいて、当該光ディスクのデータ容量を算出し、ュ 一ザに表示するようにしてもよい。このデータ容量は、時間単位で示してよいし、例え ば 20 (GB： Giga Bytes)」等のデータ量で示してもよ!ヽ。

[0268] ここで、情報記録装置が、当該光ディスクに関する記録パラメータ等の各種記録条 件を記憶している場合 (ステップ S601： Yes)、 CPU550等の制御手段の制御下で、 例えば情報記録装置のメモリに記憶されている当該光ディスク 100に関する記録パ ラメータ等の各種記録条件（「Vr」やパルス比等）が読み出される (ステップ S602)。

[0269] 次に、制御手段の制御下で、このメモリから読み出された記録パラメータ等の各種 記録条件が、予め設定された記録条件 (以下、適宜「標準記録条件」と称す)に設定 される (ステップ S604)。具体的には、前述した第 2実施例の結果を適用した場合、 記録条件として、線速度「V3」、パルス比は、「2. 00」、ストラテジは、「STG C」が設 定される。

[0270] 続いて、前述した OPC処理力 行われ (ステップ S202)、そして、前述したステップ S 103のように、実際に記録すべきデータが、光ディスク 100の所定のアドレス位置よ り記録される。

[0271] 他方、情報記録装置が、当該光ディスクに関する記録パラメータ等の各種記録条 件を記憶していない（知らない）場合 (ステップ S601 : No)、例えば、前述した第 1及 び第 2実施例に係る最適記録パワーと、最適な線速度との検出動作が行われる（例 えば、図 6や図 16等を参照)。

[0272] 続いて、制御手段の制御下で、当該光ディスクに関する記録パラメータ等の各種記 録条件が、例えばメモリに記憶される (ステップ S605)。

[0273] より具体的には、例えばメディア ID等の識別情報と、検出された最適記録パワー及 び最適な線速度とを対応付けて、情報記録装置のメモリ等の記憶手段にぉ 、て記憶 させてもよい。或いは、当該光ディスクの例えばコントロールデータゾーン等の管理情 報記録領域において、記録するようにしてもよい。

[0274] このステップ S605に続いて、前述したように、記録停止（ステップ S303)、又は実 際に記録すべきデータが、光ディスク 100の所定のアドレス位置より記録される (ステ ップ S 103)。

[0275] 以上のように、第 3実施例においては、例えばローデイング等の初期動作において

、各種記録条件が取得される。この取得された識別情報に基づいて、例えば光ディ スク等の情報記録媒体の個体毎の記録条件のばらつきに対応しつつ、より迅速且つ 的確に最適線速度を決定することが可能となる。

[0276] (10) 情報記録装置の第 3実施例に係る第 1変形例 続いて、図 21を参照して、本発明の情報記録装置の第 3実施例に係る第 1変形例 について説明する。尚、第 1変形例に係る情報記録装置の基本構成、及び記録動作 全体の流れについては、第 3実施例と概ね同様であるので説明は省略する。ここに、 図 21は、本発明の情報記録装置の第 3実施例に係る第 1変形例の記録動作全体の 流れを概念的に示すフローチャートである。

[0277] 第 1変形例にぉ 、ては、記録条件に加えて、例えばジッタ値等の再生品質が、記 録機のメモリに記憶されるようにしてもよい。このように、再生品質が記憶されることで 、記録条件の探索の結果、再生品質が好ましくない光ディスクに対する記録を、次回 ローデイングされた際には、迅速に回避することができる。

[0278] 図 21に示されるように、ステップ S601の判定の結果、情報記録装置が、当該光デ イスクに関する記録パラメータ等の各種記録条件を記憶している場合 (ステップ S601 ： Yes)、 CPU550等の制御手段の制御下で、例えば情報記録装置のメモリに記憶さ れて 、る当該光ディスク 100に関する記録パラメータ等の各種記録条件（「Vr」ゃパ ルス比等）に加えて再生品質が読み出される (ステップ S602a)。具体的には、前述 した第 2実施例の結果が記憶されている場合、例えば 8. 67パーセントのジッタ値が 読み出される。

[0279] 次に、制御手段の制御下で、読み出された、当該光ディスク 100に関する再生品 質は、良好又は普通であるか否かが判定される (ステップ S603)。具体的には、前述 した第 2実施例の結果が記憶され、例えば 8. 67パーセントのジッタ値が読み出され た場合、この値に基づいて、再生品質が良好力否かが判定される。ここで、読み出さ れた、当該光ディスク 100に関する再生品質力 良好又は普通である場合 (ステップ S603 : Yes)、制御手段の制御下で、前述したように、このメモリから読み出された記 録パラメータ等の各種記録条件が、標準記録条件に設定される (ステップ S604)。

[0280] 他方、ステップ S603の判定の結果、読み出された、当該光ディスク 100に関する 再生品質が、良好又は普通でない場合 (ステップ S603 : No)、制御手段の制御下で 、例えばユーザに対して、（i)記録条件の探索の実行、（ii)記録動作の継続、及び (ii i)記録動作の停止の!/、ずれを選択するかの確認が行われる（ステップ S 302a)。

[0281] ここで、（i)記録条件の探索の実行、が選択された場合、前述したように、例えば、 前述した第 1及び第 2実施例に係る最適記録パワーと、最適な線速度との検出動作 が行われる (例えば、図 6や図 16等を参照)。

[0282] 続、て、前述したように、制御手段の制御下で、当該光ディスクに関する記録パラメ ータ等の各種記録条件が、例えばメモリに記憶される (ステップ S605)。

[0283] 特に、第 1変形例においては、点線矢印 605aに示されるように、再生品質が記憶さ れることで、記録条件の探索の結果、再生品質が好ましくない光ディスクに対する記 録を、次回ローデイングされた際には、迅速に回避することができる。

[0284] (11) 情報記録装置の第 3実施例に係る第 2変形例

続いて、図 22を参照して、本発明の情報記録装置の第 3実施例に係る第 2変形例 について説明する。尚、第 2変形例に係る情報記録装置の基本構成、及び記録動作 全体の流れについては、第 3実施例と概ね同様であるので説明は省略する。ここに、 図 22は、本発明の情報記録装置の第 3実施例に係る第 2変形例の記録動作全体の 流れを概念的に示すフローチャートである。

[0285] 第 2変形例においては、光ディスクに対して、当該光ディスクに対応した記録条件 の記録が行われる。と共に、記録された記録条件の読み出しが行われる。より具体的 には、光ディスクに記録されている記録条件力 （i)記録機固有の記録条件である場 合と、（ii)標準的な記録条件である場合とで、記録機の動作が異なるようにしてもよい

[0286] (i)記録機固有の記録条件である場合、その記録条件を設定して、記録を行うこと ができる。この場合、記録条件を光ディスクに記録する際、記録条件に加えて、記録 機を識別する情報も記録してもよい。他方、（ii)標準的な記録条件である場合、記録 機は標準的な記録条件との相関式 (或 、は、対応表）を予め記憶しておくようにして もよい。そして、記録動作を行う際、光ディスクより読み出された記録条件に対応した 記録条件を相関式 (対応表)より算出し、算出した記録条件で記録を行うようにしても よい。

[0287] 即ち、第 2変形例においては、図 22に示されるように、ステップ S101における光デ イスク 100の情報記録装置へのローデイングの後、例えば光ディスクの種類、製造メ 一力、メディア ID及び製品番号のうち少なくとも一つを示す識別情報が読み取られる 。このことにより、当該光ディスクに関する記録パラメータ等の各種記録条件が、例え ばコントロールデータゾーン等に記録されているか否かが判定される（ステップ S601 a) ₀

[0288] ここで、光ディスクにおいて、当該光ディスクに関する記録パラメータ等の各種記録 条件を記録されている場合 (ステップ S601a : Yes)、 CPU550等の制御手段の制御 下で、光ディスクに記録されている当該光ディスクに関する記録パラメータ等の各種 記録条件（「Vr」やパルス比等）が読み出される (ステップ S602a)。

[0289] 次に、制御手段の制御下で、この光ディスク力 読み出された記録パラメータ等の 各種記録条件が、標準記録条件に設定される (ステップ S604a)。尚、記録条件の設 定後に、前述した第 1及び第 2実施例における記録条件の探索が行われるようにして ちょい。

[0290] 続!、て、前述したように、 OPC処理が行われる（ステップ S 202)。

[0291] 他方、光ディスクにおいて、当該光ディスクに関する記録パラメータ等の各種記録 条件を記録されていない場合 (ステップ S601a : No)、前述した第 1及び第 2実施例 における記録条件の探索が行われ、制御手段の制御下で、当該光ディスクに関する 記録パラメータ等の各種記録条件が、当該光ディスクに記録される (ステップ S605a) 。尚、記録条件は記録機によって様々であるので、各種記録条件に加えて、記録機 を識別する情報も記録するようにしてもょ ヽ。

[0292] また、上述の実施例では、情報記録媒体の一例として光ディスク 100及び情報記 録装置の一例として光ディスク 100に係るレコーダについて説明した力 本発明は、 光ディスク及びそのレコーダに限られるものではなぐ他の高密度記録或いは高転送 レート対応の各種情報記録媒体並びにそのレコーダにも適用可能である。

[0293] 本発明は、上述した実施例に限られるものではなぐ請求の範囲及び明細書全体 力 読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、その ような変更を伴う情報記録媒体、情報記録装置及び方法、並びに、記録制御用のコ ンピュータプログラムもまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。

産業上の利用可能性

[0294] 本発明に係る情報記録媒体、情報記録装置及び方法、並びにコンピュータプログ ラムは、例えば、 DVD等の高密度光ディスクに利用可能であり、更にレコーダ等の情 報記録装置に利用可能である。また、例えば民生用或いは業務用の各種コンビユー タ機器に搭載される又は各種コンピュータ機器に接続可能な情報記録装置等にも利 用可能である。

Claims

請求の範囲

[1] 記録情報を記録可能な記録トラックが形成された記録層を備えた情報記録媒体に 対して、光源から発するレーザ光を照射して前記記録情報を記録するための情報記 録装置であって、

前記記録情報を記録させる記録手段と、

前記情報記録媒体の特性を検出する検出手段とを備え、

前記記録手段は当該情報記録媒体に前記特性に応じた記録密度で記録マークを 形成させることを特徴とする情報記録装置。

[2] 前記情報記録媒体に記録する前記記録マークの長さ、及び前記記録マーク同士 の間隔を前記情報記録媒体の基準長と比較して変化させることで、記録密度を変化 させるように前記記録手段を制御する制御手段とを更に備えることを特徴とする請求 の範囲第 1項に記載の情報記録装置。

[3] 前記制御手段は、前記情報記録媒体に前記レーザ光を照射する時間と照射しな

V、時間を変化させることで、前記記録密度を変化させることを特徴とする請求の範囲 第 2項に記載の情報記録装置。

[4] 前記検出手段は、前記特性として前記情報記録媒体の識別情報を読み取ることを 特徴とする請求の範囲第 1項に記載の情報記録装置。

[5] 前記情報記録媒体には当該情報記録媒体を回転させるべき基準回転速度に対応 した速度情報を保持するプリ情報が形成されており、

前記情報記録装置は、前記記録情報を記録するために当該情報記録媒体を回転 させる回転手段とを更に備え、

前記制御手段は、前記速度情報に対応される基準回転速度を、前記特性に応じて 変化させた回転速度で、当該情報記録媒体を回転させるように前記回転手段を制御 することを特徴とする請求の範囲第 2項に記載の情報記録装置。

[6] 前記検出手段は、前記特性として、記録された前記記録情報の再生品質を示す品 質値を検出し、

前記検出された品質値と、標準再生品質を示す標準値とを比較することによって、 前記再生品質が良好であるか否かを判定する判定手段とを更に備え、 前記制御手段は、前記判定手段によって、前記再生品質が良好であると判定され た場合、前記回転速度を、前記基準回転速度よりも小さくさせるように前記回転手段 を制御することを特徴とする請求の範囲第 5項に記載の情報記録装置。

[7] 前記検出手段は、前記記録時の前記回転速度が変更される度に、前記品質値を 検出し、

前記判定手段は、前記品質値の検出と同時に又は相前後して、前記再生品質が 良好であるか否かを判定し、

前記制御手段は、前記再生品質が良好である場合、前記回転速度を、第 1所定量 ずつ段階的に小さくさせるように、前記回転手段を制御することを特徴とする請求の 範囲第 6項に記載の情報記録装置。

[8] 前記情報記録媒体は、前記記録情報の少なくとも一部である試し書き情報を記録 可能である較正用エリアを更に備え、

前記制御手段は、前記記録手段を制御して前記較正用エリアに前記試し書き情報 を記録させ、

前記検出手段は、前記較正用エリアに記録された前記試し書き情報を再生するこ とで、前記特性を検出することを特徴とする請求の範囲第 2項に記載の情報記録装 置。

[9] 前記情報記録媒体に記録される前記記録マークを再生した時の RF信号を検出す る RF信号検出手段を更に有し、

前記記録手段は、前記試し書き情報として複数種類の長さを有する記録マークを 記録し、

前記制御手段は、前記試し書き情報として記録した記録マークのうち、最長記録マ ークを再生した時の RF信号の振幅における、最短記録マークを再生したときの RF 信号の振幅の割合を変化させつつ記録するように前記記録手段を制御することを特 徴とする請求の範囲第 8項に記載の情報記録装置。

[10] 前記記録手段は、前記駆動パルスに含まれるトップパルス及びミドルパルスに基づ き前記記録パワーを変化させてレーザ光を照射することで、前記記録情報を記録し、 前記制御手段は、前記レーザ光の記録パワーを制御するパワー制御手段を含み、 前記パワー制御手段は、前記特性に基づいて、前記ミドルパルスに基づく記録パ ヮーを、第 2所定量だけ変化させることを特徴とする請求の範囲第 9項に記載の情報 記録装置。

[11] 前記パワー制御手段は、前記特性に基づいて、前記トップパルスと、前記ミドルパ ルスとのパルス比を、第 3所定量だけ変化させることを特徴とする請求の範囲第 10項 に記載の情報記録装置。

[12] 前記記録手段は、前記最短記録マーク及び前記最長記録マーク以外のマークを 記録する際の駆動パルスのパルス幅を変化させつつ記録することを特徴とする請求 の範囲第 9項に記載の情報記録装置。

[13] 前記記録手段は、前記駆動パルスとして、トップパルス及び前記記録マークの長さ に応じて数が調整されるマルチパルスに基づき前記記録パワーを変化させてレーザ 光を照射することで、前記記録情報を記録し、

前記制御手段は、前記特性に基づいて、前記トップパルス又は前記マルチパルス のパルス長を変化させることを特徴とする請求の範囲第 9項に記載の情報記録装置

[14] 前記制御手段は、前記判定手段によって、前記再生品質が良好でないと判定され た場合、前記回転速度を、前記基準回転速度と比較して、大きくさせるように前記回 転手段を制御することを特徴とする請求の範囲第 6項に記載の情報記録装置。

[15] 前記検出手段は、前記回転速度が変更される度に、前記品質値を検出し、

前記判定手段は、前記品質値の検出、と同時に又は相前後して、前記再生品質が 良好であるか否かを判定し、

前記制御手段は、前記再生品質が良好でない場合、前記回転速度を、第 1所定量 ずつ段階的に大きくさせるように、前記回転手段を制御することを特徴とする請求の 範囲第 14項に記載の情報記録装置。

[16] 前記検出手段は、前記特性として、記録される前記記録情報の再生品質を示す品 質値を検出し、

前記検出された品質値と、標準再生品質を示す標準値とを比較することによって、 前記再生品質が良好であるか否かを判定する判定手段とを更に備え、 前記制御手段は、前記判定手段によって、前記再生品質が良好でないと判定され た場合、前記レーザ光を前記情報記録媒体に照射する時間と照射しな!、時間をより 長くするように、前記記録手段を制御することを特徴とする請求の範囲第 3項に記載 の情報記録装置。

[17] 前記検出手段は、前記特性として、記録される前記記録情報の再生品質を示す品 質値を検出し、

前記検出された品質値と、標準再生品質を示す標準値とを比較することによって、 前記再生品質が良好であるか否かを判定する判定手段とを更に備え、

前記制御手段は、前記判定手段によって、前記再生品質が良好であると判定され た場合、前記レーザ光を前記情報記録媒体に照射する時間と照射しな!、時間をより 短くするように、前記記録手段を制御することを特徴とする請求の範囲第 3項に記載 の情報記録装置。

[18] 前記情報記録媒体に形成されたプリ情報は、所定周期で揺動したグルーブトラック であり、

前記制御手段は、前記所定周期に基づいて、当該情報記録媒体を回転させるよう に前記回転手段を制御することを特徴とする請求の範囲第 5項に記載の情報記録装 置。

[19] 前記情報記録媒体に形成されたプリ情報は、ランドプリピットであり、

前記制御手段は、前記ランドプリピットから得られる周期に基づいて、当該情報記 録媒体を回転させるように前記回転手段を制御することを特徴とする請求の範囲第 5 項に記載の情報記録装置。

[20] 前記情報記録媒体における、前記レーザ光の照射位置を検出する照射位置検出 手段とを更に備え、

前記制御手段は、前記検出された照射位置に基づいて、当該情報記録媒体を回 転させるように前記回転手段を制御することを特徴とする請求の範囲第 5項に記載の 情報記録装置。

[21] 前記識別情報は前記情報記録媒体の種類、製造メーカ、及び製品番号のうち少な くとも一つを示し、 前記情報記録媒体は、前記識別情報を記録するための識別情報記録エリアを更 に備え、

前記記録情報を記録するために前記情報記録媒体を回転させる回転手段を更に 備え、

前記検出手段は、前記識別情報を前記識別情報記録エリアから読み取り、 前記制御手段は、読み取られた少なくとも前記識別情報に基づいて、当該情報記 録媒体を回転させるように前記回転手段を制御することを特徴とする請求の範囲第 4 項に記載の情報記録装置。

[22] 前記識別情報は前記情報記録媒体の種類、製造メーカ、及び製品番号のうち少な くとも一つを示し、

前記情報記録媒体は、前記識別情報を記録するための識別情報記録エリアを更 に備え、

前記検出手段は、前記識別情報を前記識別情報記録エリアから読み取り、 前記制御手段は、読み取られた少なくとも前記識別情報に基づいて、当該情報記 録媒体への記録タイミングを制御する記録クロックを制御することを特徴とする請求の 範囲第 4項に記載の情報記録装置。

[23] 前記品質値は、前記記録情報を担持する最小ピットに対応する RF信号の振幅の 大きさ、最大ピットに対応する RF信号振幅に対する最小ピットに対応する RF信号振 幅の割合、ァシンメトリ値、ジッタ値、再生エラーレート、及び変調度のうち少なくとも 一つによって示されることを特徴とする請求の範囲第 6項に記載の情報記録装置。

[24] 記録情報を記録可能である記録トラックと、速度情報を保持するプリ情報が形成さ れた記録層を備えた情報記録媒体であって、

前記プリ情報は、前記情報記録媒体へ記録する際の当該情報記録媒体の基準回 転速度よりも低速な回転速度に対応付けられていることを特徴とする情報記録媒体。

[25] 前記プリ情報は所定周期で揺動したグルーブトラックであり、

前記グルーブトラックは、前記基準回転速度に対応した周期よりも短い所定周期で 揺動されることを特徴とする請求の範囲第 24項に記載の情報記録媒体。

[26] 記録情報を記録可能な記録トラックが形成された記録層を備えた情報記録媒体に 対して、光源から発するレーザ光を照射して前記記録情報を記録するための情報記 録装置における情報記録方法であって、

前記記録情報を記録させる記録工程と、

前記情報記録媒体の特性を検出する検出工程とを備え、

前記記録工程は当該情報記録媒体に前記特性に応じた記録密度で記録マークを 形成させることを特徴とする情報記録方法。

請求の範囲第 1項に記載の情報記録装置に備えられたコンピュータを制御する記 録制御用のコンピュータプログラムであって、該コンピュータを、前記記録手段、及び 、前記検出手段のうち少なくとも一部として機能させることを特徴とするコンピュータプ ログラム。