JP2005353162A - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 裏写りが少なく、巻き姿が良好で、しかもドロップアウトが少なく、かつ走行耐久性に優れた高密度記録用の磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】 支持体の片面に磁性層を有し、その反対面にバック層を有する磁気記録媒体において、前記バック層は中心線平均表面粗さRaが25nm以下、高さ100nm以上の突起数が10〜50個/90×90μm2、かつ50%頻度粒子径(D50)及び90%頻度粒子径(D90)が0.2μm以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】 なし
【解決手段】 支持体の片面に磁性層を有し、その反対面にバック層を有する磁気記録媒体において、前記バック層は中心線平均表面粗さRaが25nm以下、高さ100nm以上の突起数が10〜50個/90×90μm2、かつ50%頻度粒子径(D50)及び90%頻度粒子径(D90)が0.2μm以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする磁気記録媒体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電磁変換特性および耐久性並びに巻き姿に優れた高密度磁気記録媒体に関する。
磁気記録媒体は、音声、画像、文字などあらゆるデーターの記録媒体として広く用いられている。近年では記録するデーターの容量、転送速度の向上に対応して高密度記録へのニーズが高まり、高い電磁変換特性を有する磁気記録媒体が求められている。また、データーを繰り返し使用、保存した時の信頼性も同時に要求される。従って優れた電磁変換特性に加えて、磁気記録媒体には良好な走行耐久性も要求されている。このために、特にテープ媒体ではバック層を設けて走行性を改善することが行われている。従来バック層で走行性を改善するには、ベース表面に突起を設けたり、バック層に、粒径0.2μm以上の粗粒子カーボンを添加して表面に突起を形成させることによって巻き姿を改善する試みがなされている。しかしながら、このような方法によってバック層の突起を形成すると、磁気テープをハブに巻き上げて保存や処理を行うときにバック層と磁性層が圧接してバック層の凹凸が磁性層に写ってしまう所謂「裏写り」が生じ、その結果、電磁変換特性が低下してしまうという欠点があった。このような「裏写り」の問題を解消するために、バック層の表面を平滑化する試みがなされている。
特許文献1には、バック層の中心平均粗さが30nm以下であり、かつ30nm以上の高さの突起の面密度が2%以上であり、しかも100nm以上の高さの突起の面密度が2%以下であるようにすることにより、平面平滑性に優れかつ低い摩擦係数を有するバック層を形成することにより、磁性層のS/N特性を損わず、平滑性と走行安定性とを高度に満足するテープ状の磁気記録媒体が得られるものとしている。この特許文献1の実施例では、平均粒径が20nmのカーボンブラックを95質量%以上、平均粒径が350nmのカーボンブラックを5質量%以下からなる混合物を用いている。しかし、実施例で記載している磁気記録媒体は、酸化鉄を用いたVHS方式の磁気テープについてのみである。
特許文献1には、バック層の中心平均粗さが30nm以下であり、かつ30nm以上の高さの突起の面密度が2%以上であり、しかも100nm以上の高さの突起の面密度が2%以下であるようにすることにより、平面平滑性に優れかつ低い摩擦係数を有するバック層を形成することにより、磁性層のS/N特性を損わず、平滑性と走行安定性とを高度に満足するテープ状の磁気記録媒体が得られるものとしている。この特許文献1の実施例では、平均粒径が20nmのカーボンブラックを95質量%以上、平均粒径が350nmのカーボンブラックを5質量%以下からなる混合物を用いている。しかし、実施例で記載している磁気記録媒体は、酸化鉄を用いたVHS方式の磁気テープについてのみである。
近年の高密度、高容量化メディア、特にコンピューターデータのバックアップ用磁気テープの更なる高密度、高容量化の要請を達成するために、面の平滑化、走行耐久性向上が更に厳しく要求されてきている。その中で、磁性層のドロップアウトのレベルが非常に厳しいものとなってきており、従来では問題にならなかった、微少な表面突起及び窪みが、ドロップアウトの原因になりつつある。
一方、単にバック層表面を平滑化するだけでは、摩擦係数が上昇し、バック層の損傷、ひいては損傷により生じた粉等のデブリに起因するドロップアウトや巻き工程での巻き姿不良などが発生するため、これらを両立させるための技術の開発が望まれている。
一方、単にバック層表面を平滑化するだけでは、摩擦係数が上昇し、バック層の損傷、ひいては損傷により生じた粉等のデブリに起因するドロップアウトや巻き工程での巻き姿不良などが発生するため、これらを両立させるための技術の開発が望まれている。
本発明は、裏写りが少なく、巻き姿が良好で、しかもドロップアウトが少なく、かつ走行耐久性に優れた高密度記録用の磁気記録媒体を提供することを目的とする。
本発明は、支持体の片面に磁性層を有し、その反対面にバック層を有する磁気記録媒体において、前記バック層は中心線平均表面粗さRaが25nm以下、高さ100nm以上の突起数が10〜50個/90×90μm2、かつ50%頻度粒子径(D50)及び90%頻度粒子径(D90)が0.2μm以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする磁気記録媒体であり、これにより上記課題を解消することができる。
本発明は、特定の粒度分布を有するカーボンブラックを用いることにより、バック層表面(バック面)の中心線平均表面粗さRaを特定すると共に特定高さの突起の密度を特定して形成することにより、バック面の表面特性及びバック層強度が改善され、裏写り及びバック層の損傷が抑制され、巻き姿が良好で、しかもドロップアウトが少ない高信頼性、かつ走行耐久性に優れた高密度記録用の磁気記録媒体、特に好ましくは磁気テープを提供することができる。
本発明は、バック層に50%頻度粒子径(D50)及び90%頻度粒子径(D90)が0.2μm以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする。
本発明において、50%頻度粒子径(D50)は、個数基準の積算粒子径分布(篩下分布)における50%頻度の粒子径を意味し、90%頻度粒子径(D90)は、積算粒子径分布(篩下分布)における90%頻度の粒子径を意味する。粒子径は、電子顕微鏡写真から無作為に抽出した粒子の円相当径を少なくとも500個以上計測して求めることができる。
上記D50は、0.2μm以下であるが、好ましくは0.1〜0.19μm、更に好ましくは0.13〜0.17μmである。上記D90は、0.2μm以下であるが、好ましくは0.1〜0.19μm、更に好ましくは0.13〜0.17μmである。
このカーボンブラックのバック層への添加量は、結合剤100質量部に対して90〜150質量部が好ましく、100〜120質量部が更に好ましい。
本発明において、50%頻度粒子径(D50)は、個数基準の積算粒子径分布(篩下分布)における50%頻度の粒子径を意味し、90%頻度粒子径(D90)は、積算粒子径分布(篩下分布)における90%頻度の粒子径を意味する。粒子径は、電子顕微鏡写真から無作為に抽出した粒子の円相当径を少なくとも500個以上計測して求めることができる。
上記D50は、0.2μm以下であるが、好ましくは0.1〜0.19μm、更に好ましくは0.13〜0.17μmである。上記D90は、0.2μm以下であるが、好ましくは0.1〜0.19μm、更に好ましくは0.13〜0.17μmである。
このカーボンブラックのバック層への添加量は、結合剤100質量部に対して90〜150質量部が好ましく、100〜120質量部が更に好ましい。
本発明の磁気記録媒体において、バック面の中心線平均表面粗さRaは25nm以下(好ましくは15〜23μm、更に好ましくは18〜22μm)に調整される。
本発明の磁気記録媒体において、バック面の高さ100nm以上の突起数は10〜50個/90×90μm2(好ましくは10〜40個/90×90μm2、更に好ましくは20〜35個/90×90μm2)に調整される。
上記中心線平均表面粗さRa及び突起数は、上記カーボンブラックを用いると共にバック層塗布液の調製(分散条件、例えば、分散メディアの種類、分散時間等)、カレンダー処理(温度、線圧、ロール素材等)を適宜選定することにより制御することができる。
本発明の磁気記録媒体において、バック面の高さ100nm以上の突起数は10〜50個/90×90μm2(好ましくは10〜40個/90×90μm2、更に好ましくは20〜35個/90×90μm2)に調整される。
上記中心線平均表面粗さRa及び突起数は、上記カーボンブラックを用いると共にバック層塗布液の調製(分散条件、例えば、分散メディアの種類、分散時間等)、カレンダー処理(温度、線圧、ロール素材等)を適宜選定することにより制御することができる。
従来のカーボンブラックを含むバック層塗布液ではカーボンブラックの粒径をある一定の大きさにしようとしても未分散物が含まれており、そのものが、バック面の突起の要因となり、磁性層への写りとなりドロップアウト(DO)の発生原因となっていた。
バック層塗布液の調製は、具体的には、従来の2本ロールを用いる方法よりも、メディア分散法を用いる方法が好ましい。
しかしこのメディア分散の条件も過分散では、カーボンブラックの凝集物が発生し、不十分だと、粗粒子分の除去はできず、均一なバック面粗さを確保することは難しかった。
また使用するカーボンブラックの粒径が付均一な場合も、均一なバック面粗さを確保できない。このバック面粗さが磁性層面へ写りDOの発生となることは前述した通りである。
本発明は、この現象を抑える要素としてカーボンブラックの粒度分布、即ちD50及びD90が寄与することを見出したものである。
バック層塗布液の調製は、具体的には、従来の2本ロールを用いる方法よりも、メディア分散法を用いる方法が好ましい。
しかしこのメディア分散の条件も過分散では、カーボンブラックの凝集物が発生し、不十分だと、粗粒子分の除去はできず、均一なバック面粗さを確保することは難しかった。
また使用するカーボンブラックの粒径が付均一な場合も、均一なバック面粗さを確保できない。このバック面粗さが磁性層面へ写りDOの発生となることは前述した通りである。
本発明は、この現象を抑える要素としてカーボンブラックの粒度分布、即ちD50及びD90が寄与することを見出したものである。
以上のように、本発明はバック層に用いるカーボンブラックのD50及びD90が特定のものを用いることにより、バック面の表面特性が改善され、巻き姿が良好で、ドロップアウトの少ない、走行耐久性の優れた磁気記録媒体を得ることができる。
以下、磁気記録媒体について詳述する。
以下、磁気記録媒体について詳述する。
本発明の磁気記録媒体は、支持体の一方の面に磁性層を有し、その反対面にバック層を有するものを広く含む。したがって、本発明の磁気記録媒体には、磁性層やバック層以外の層を有するものも含まれる。例えば、非磁性粉末を含む非磁性層、軟磁性粉末を含む軟磁性層、第2の磁性層、クッション層、オーバーコート層、接着層、保護層を有していてもよい。これらの層は、その機能を有効に発揮することができるように適切な位置に設けることができる。本発明の磁気記録媒体として好ましいのは、支持体と磁性層の間に、非磁性無機粉体とバインダーを含む非磁性層を有する磁気記録媒体である。層の厚さは、磁性層を好ましくは20〜200nm、更に好ましくは30〜170nmとし、非磁性層を0.5〜3μm、好ましくは0.8〜2.5μmにすることができる。非磁性層の厚さは、磁性層よりも厚いのが好ましい。磁性層を単独で有する場合は、通常0.1〜5μm、好ましくは0.1〜3μm、さらに好ましくは0.1〜1.5μmにする。本発明の磁気記録媒体に形成するバック層の厚さは、通常、0.05〜1.0μmの範囲内に設定する。その中でも0.1〜0.8μmの範囲内に設定するのが好ましく、0.2〜0.6μmの範囲内に設定するのがより好ましい。
本発明の磁気記録媒体のバック層は、本発明に用いるカーボンブラック以外の非磁性粉末を併用することができる。この非磁性粉末としては金属微粉末、有機フィラー、金属酸化物などがあるが、化学的な安定性及び分散性に優れる点で金属酸化物が好ましく、突起分布の制御及び導電性を付与する目的で添加する前記カーボンブラックに併用することが好ましい。金属酸化物としては、酸化チタン、α−酸化鉄、ゲータイト、SiO2、SnO2、WO3、Al2O3、ZrO2、ZnO等が挙げられる。粒子サイズは粒状の場合5〜100nm、好ましくは10〜70nmである。針状の場合は長軸長0.05〜0.5μm、好ましくは0.05〜0.4μm、より好ましくは0.07〜0.3μmである。板状の場合は板の最大径が平均で0.05〜2μm、好ましくは0.05〜1μmである。
本発明のバック層用結合剤には、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等を用いることができる。好ましい結合剤は、塩素を含有しないニトロセルロース等の繊維素系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂である。その中でも、所定のカッピングを付与するためには、架橋により収縮するニトロセルロースやポリウレタンが望ましい。ポリウレタンとしてはTgが80℃〜140℃のポリウレタン樹脂を用いるのが、保存性改善のために、より好ましい。特に好ましいポリウレタンは、ジオールと有機ジイソシアネートとの反応により得られるポリウレタン樹脂であって、上記ジオールとして、環状構造を有する短鎖ジオールおよびエーテル結合を有する長鎖ジオールを、ポリウレタン樹脂を基準として、それぞれ17〜40質量%および10〜50質量%含有するものからなり、かつ上記長鎖ジオール中のエーテル結合を、ポリウレタン樹脂に対して、1.0〜5.0モル/g含有するものである。
ポリウレタン樹脂は、分子中に−SO3M、−OSO3M、−COOM、−PO3MM'、−OPO3MM'、−NRR'、−N+RR'R''COO-(ここで、M及びM'は、各々独立に水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムであり、R及びRは各々独立に炭素数1〜12のアルキル基、R″は炭素数1〜12のN結合アルキレン基を示す)から選ばれた少なくとも1種の極性基を含むことが好ましく、とくに好ましくは、−SO3M、−OSO3Mである。これらの極性基の量は好ましくは、1×10-5〜2×10-4eq/gであり、特に好ましくは5×10-5〜1×10-4eq/gである。1×10-5eq/gより少ないと粉体への吸着が不充分となるために分散性が低下する傾向があり、2×10-4eq/gより多くなると溶剤への溶解性が低下する傾向があるので分散性が低下する傾向がある。
ポリウレタン樹脂の数平均分子量(Mn)は5000〜100,000が好ましく、さらに好ましくは10,000〜50,000であり、特に好ましくは20,000〜40,000である。5000未満では、塗膜の強度や耐久性が低い。また、100,000より多いと溶剤への溶解性や分散性が低い。ポリウレタン樹脂の環状構造は剛直性に寄与し、エーテル基は柔軟性に寄与する。上述のポリウレタン樹脂は、溶解性が高く、慣性半径(分子の広がり)が大きく、粉体の分散性が良好である。また、ポリウレタン樹脂自身の硬さ(高Tg、高ヤング率)と靱性(伸び)の2つの特性を兼ね備えている。
さらに、該バック層はモース硬度9以上でかつ粒径がバック層厚みの10〜40%である研磨粒子を含有することが、走行耐久性をより向上出来る点で好ましい。研磨粒子としては、α−アルミナ、酸化クロム、人工ダイヤモンド、カーボン性窒化硼素(CBN)等を挙げることができる。中でも、粒径が0.3μm以下であり、該粒径がバック層厚みの10〜40%であるものを使用するのが好ましい。10%未満だとバック層に粒子が埋没し研磨剤としての役割がなく、40%を超えると突起が増加し裏写りが劣化する。この研磨粒子は、カーボンブラック100質量部に対して、好ましくは1〜10質量部、更に好ましくは2〜8質量部用いることができる。この場合、研磨粒子が前記金属酸化物に含まれるものであっても、研磨粒子として算入する。
バック層のガラス転移温度は80〜180℃が好ましく、更に好ましくは90〜160℃である。
バック層のガラス転移温度は80〜180℃が好ましく、更に好ましくは90〜160℃である。
本発明の磁気記録媒体の磁性層に用いられる強磁性粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄、バリウムフェライト粉末又は強磁性金属粉末等である。強磁性粉末はSBET(BET比表面積)が40〜80m2/g、好ましくは50〜70m2/gである。結晶子サイズは12〜25nm、好ましくは13〜22nmであり、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.07〜0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15μmである。強磁性粉末のpHは7以上が好ましい。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等の単体又は合金が挙げられ、金属成分の20質量%以下の範囲内で、アルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アンチモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、テルル、ビスマス等を含ませることができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物又は酸化物を含むものであってもよい。これらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造することができる。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状及び板状のものなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用することが好ましい。本発明においては、バインダー、硬化剤及び強磁性粉末を、通常、磁性塗料の調製の際に使用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性層形成用塗料とする。混練分散は通常の方法に従って行うことができる。磁性層形成用塗料は、上記成分以外に、α−Al2O3、Cr2O3等の研磨剤、カーボンブラック等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーンオイル等の潤滑剤、分散剤など通常使用されている添加剤あるいは充填剤を含んでいてもよい。
次に本発明が多層構成を有する場合に存在する下層非磁性層又は下層磁性層について説明する。本発明の下層に用いられる無機粉末は、磁性粉末、非磁性粉末を問わない。例えば非磁性粉末の場合、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物や非磁性金属から選択することができる。無機化合物としては、例えば酸化チタン(TiO2、TiO)、α化率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、α−酸化鉄、酸化クロム、酸化亜鉛、酸化すず、酸化タングステン、酸化バナジウム、炭化ケイ素、酸化セリウム、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、ゲーサイト、水酸化アルミニウムなどを単独又は組合せで使用することができる。特に好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは特開平5−182177号公報に記載の二酸化チタン、および特開平6−60362号公報、特開平9−170003号公報に記載のα−酸化鉄である。非磁性金属としては、Cu、Ti、Zn、Al等が挙げられる。これら非磁性粉末の粒径は0.005〜2μmであるのが好ましいが、必要に応じて粒径の異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは、粒径が0.01μm〜0.2μmの非磁性粉末である。非磁性粉末のpHは6〜9であるのが特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2/g、好ましくは5〜50m2/g、更に好ましくは7〜40m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.01μm〜2μmであるのが好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれであっても良い。
軟磁性粉末としては、粒状Fe、Ni、粒状マグネタイト、Fe−Si、Fe−Al、Fe−Ni、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Fe−Al−Co(センダスト)合金、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Mg−Znフェライト、Mg−Mnフェライト、その他、近角聡信著(「強磁性体の物理(下)磁気特性と応用」(裳華房、1984年)、368〜376頁)に記載されているもの等が挙げられる。これらの非磁性粉末や軟磁性粉末の表面はその少なくとも一部がAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb2O3、ZnOで被覆されるように表面処理しておくのが好ましい。このうち、特に良好な分散性を与えるのはAl2O3、SiO2、TiO2、ZrO2であり、さらに好ましいのはAl2O3、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いてもよい。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで被覆されるべく処理した後にその表層をシリカで被覆されるべく処理する方法、又はその逆の方法を採ってもよい。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、一般に均質で密である方が好ましい。
下層にカ−ボンブラックを混合させることによって、表面電気抵抗Rsを下げ、しかも所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。カ−ボンブラックの粒径は5nm〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。具体的には、上述のバック層に用いることができるカーボンブラックと同じものを用いることができる。
本発明に用いることのできる支持体として、二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキサゾール等を挙げることができる。これらの支持体は、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理などを行ったものであってもよい。また本発明に用いることのできる支持体は、中心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲にあって、表面が優れた平滑性を有しているのが好ましい。また、これらの支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1μ以上の粗大突起がないことが好ましい。支持体の厚さは4〜15μm、好ましくは4〜9μmである。薄い場合は、バック層の凹凸がハンドリングテンションで写りやすくなるため、上述のポリウレタン樹脂を最上層に使用することによってこれを効果的に抑制することができる。厚が7μm以下の場合は、PENもしくはアラミド等の芳香族ポリアミドを使用するのが好ましい。
本発明の磁気記録媒体の製造は、例えば、乾燥後の層厚が上述の所定の範囲内になるように、走行下にある支持体の表面に塗料を塗布してゆくことによって行うことができる。複数の磁性塗料もしくは非磁性塗料を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。磁性塗料を塗布するための塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。これらについては例えば(株)総合技術センター発行の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)を参考にできる。片面に2以上の層を有する磁気記録媒体を製造するときには、例えば以下の方法を用いることができる。
(1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置によってまず下層を塗布し、下層が乾燥する前に特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置等を用いて、上層を塗布する方法。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されている塗料通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッド等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布する方法。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布する方法。
(1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置によってまず下層を塗布し、下層が乾燥する前に特公平1−46186号公報、特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報等に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置等を用いて、上層を塗布する方法。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されている塗料通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッド等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布する方法。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているバックアップロール付きのエクストルージョン塗布装置等を用いて、上下層をほぼ同時に塗布する方法。
塗布した磁性層は、磁性層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理した後に乾燥する。 磁場配向処理は、当業者に周知の方法によって適宜行うことができる。磁性層は、乾燥後にスーパーカレンダーロールなどを用いて表面平滑化処理する。表面平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によって生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が向上する。このため、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得ることができる。カレンダー処理ロールとしては金属、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐熱性プラスチックロールを使用する。
磁性層に用いる結合剤としては、上記バック層に用いられるものと同様のものを用いることができ、好ましくはバック層に好適に用いられるポリウレタン樹脂と同じもの又はその類似物を少なくとも用いることが好ましい。
磁性層に用いられるポリウレタン樹脂の数平均分子量(Mn)は1万〜10万が好ましく、さらに好ましくは2万〜6万であり、特に好ましくは3万〜6万である。ポリウレタン樹脂のTgは、30〜200℃が好ましく、50〜150℃が更に好ましい。
カレンダー処理は、カレンダーロールの温度を60〜100℃、好ましくは70〜100℃、特に好ましくは80〜100℃にし、圧力を100〜500kg/cm(98〜490kN/m)、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)にして行う。
本発明の磁気記録媒体は、平滑性が良好な表面を有しているのが好ましい。平滑性を良好にするためには、例えば上述したように特定のバインダーを選んで形成した磁性層に上記カレンダー処理を施すのが有効である。
磁性層表面粗さRaは、1〜4nmが好ましく、1〜3nmが更に好ましい。
磁性層に用いられるポリウレタン樹脂の数平均分子量(Mn)は1万〜10万が好ましく、さらに好ましくは2万〜6万であり、特に好ましくは3万〜6万である。ポリウレタン樹脂のTgは、30〜200℃が好ましく、50〜150℃が更に好ましい。
カレンダー処理は、カレンダーロールの温度を60〜100℃、好ましくは70〜100℃、特に好ましくは80〜100℃にし、圧力を100〜500kg/cm(98〜490kN/m)、好ましくは200〜450kg/cm(196〜441kN/m)、特に好ましくは300〜400kg/cm(294〜392kN/m)にして行う。
本発明の磁気記録媒体は、平滑性が良好な表面を有しているのが好ましい。平滑性を良好にするためには、例えば上述したように特定のバインダーを選んで形成した磁性層に上記カレンダー処理を施すのが有効である。
磁性層表面粗さRaは、1〜4nmが好ましく、1〜3nmが更に好ましい。
得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大きさに裁断して使用することができる。カレンダー処理を経た磁気記録媒体は、熱処理するのが一般的である。最近では、高密度磁気テープの直線性(オフトラックマージン確保)のために、熱収縮率を下げることが重視されている。特に、狭トラック化に伴い、使用環境下でのMD方向(長手方向)の収縮率を0.07%以下に抑えることが求められている。熱収縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしながらウエッブ状で熱処理する方法と、バルク又はカセットに組み込んだ場合のようにテープが積層した形態で熱処理する方法(サーモ処理)がある。
本発明では50〜80℃で10〜36時間バルクロールで熱処理を行うことが好ましい。
本発明では50〜80℃で10〜36時間バルクロールで熱処理を行うことが好ましい。
本発明の磁気記録媒体の構成を採用すれば、高弾性で塑性変形の残りにくい層形成を行うことができるため、特に、サーモ処理を伴う磁気記録媒体で、高出力、低ノイズの磁気記録媒体を供給することができる。これは、特に上述のポリウレタン樹脂を使用した場合に顕著である。本発明の磁気記録媒体の70℃、48時間後のMD方向の熱収縮率は0.12%以下であることが好ましい。この熱収縮率は、8mm巾×10cmのテープ片の片側に0.2gの荷重をつけてつるし、70℃環境下に48時間保存し、保存後のテープ長変化量を保存前のテープ長(10cm)で割って求めたものである。本発明の磁気記録媒体においては、磁気記録媒体作製時に高速ハンドリングしてもロール、スリットパンケーキ、組込リールに巻き上げられたテープの巻姿が良好である。同様にして、テープドライブ中で高速で早送りしたり、巻戻したりした後のリール上のテープの巻姿も良好である。
以下に実施例を記載して、本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に記載される成分、割合、手順等は、本発明の主旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。 したがって、本発明の範囲は以下の実施例に示す具体例に制限されるものではない。
実施例1
磁性塗料
強磁性針状金属粉末{Hc:2300Oe(184kA/m),結晶子サイズ:120Å,平均長軸長:0.06μm,BET比表面積:70m2/g}100部をオープンニーダーで10分間粉砕し下記ポリウレタンを添加し60分混錬した。
ポリウレタン樹脂 18部
これに
フェニルホスホン酸 5部
α−Al2O3(平均粒子径:0.2μm) 10部
カーボンブラック(平均粒子径:20nm) 1部
を加えたサンドミルで120分間分散した。
これに
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
を加え、磁性塗料した。
実施例1
磁性塗料
強磁性針状金属粉末{Hc:2300Oe(184kA/m),結晶子サイズ:120Å,平均長軸長:0.06μm,BET比表面積:70m2/g}100部をオープンニーダーで10分間粉砕し下記ポリウレタンを添加し60分混錬した。
ポリウレタン樹脂 18部
これに
フェニルホスホン酸 5部
α−Al2O3(平均粒子径:0.2μm) 10部
カーボンブラック(平均粒子径:20nm) 1部
を加えたサンドミルで120分間分散した。
これに
シクロヘキサノン 110部
メチルエチルケトン 100部
トルエン 100部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
を加え、磁性塗料した。
下層用塗料
非磁性無機質粉末:α−酸化鉄 85部
平均長軸長:0.15μm,平均針状比:7,BET比表面積:52m2/g
カーボンブラック 15部
平均粒子径:20nm
塩化ビニル共重合体 10.5部
(MR110:日本ゼオン社製)
ポリウレタン樹脂 8.6部
フェニルホスホン酸 3部
α−Al2O3(平均粒径:0.2μm) 1部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
非磁性無機質粉末:α−酸化鉄 85部
平均長軸長:0.15μm,平均針状比:7,BET比表面積:52m2/g
カーボンブラック 15部
平均粒子径:20nm
塩化ビニル共重合体 10.5部
(MR110:日本ゼオン社製)
ポリウレタン樹脂 8.6部
フェニルホスホン酸 3部
α−Al2O3(平均粒径:0.2μm) 1部
シクロヘキサノン 140部
メチルエチルケトン 170部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
上記磁性塗料、下層用塗料のそれぞれについて、各成分をオープンニーダーで60分間混錬した後、サンドミルで240分間分散した。さらにそれぞれに、シクロヘキサノン40部を加え、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製コロネートL)5部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性層、下層の塗布液を各々調製した。
バック層用塗料
下記組成物をボールミルに投入し、90分間分散(分散条件1)を行った。
カーボンブラックa 80部
(D50:0.15μm、D90:0.18μm)
カーボンブラックb 5部
(D50:0.12μm、D90:0.15μm)
α−Fe2O3(平均長軸長:0.1μm) 1部
ニトロセルロ−ス樹脂 65部
ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡績社製:UR−8300) 35部
MEK 260部
トルエン 260部
シクロヘキサノン 260部
下記組成物を、上記分散後のスラリーに混合、撹拌した後、再度ボールミルにて分散処理を3時間行った。
ステアリン酸 1部
ステアリン酸ブチル 2部
MEK 210部
トルエン 210部
シクロヘキサノン 210部
上記分散処理後、濾過を行い、その後の塗料100部にイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート−L)1部を加え、撹拌・混合し、バック層用塗料とした。
下記組成物をボールミルに投入し、90分間分散(分散条件1)を行った。
カーボンブラックa 80部
(D50:0.15μm、D90:0.18μm)
カーボンブラックb 5部
(D50:0.12μm、D90:0.15μm)
α−Fe2O3(平均長軸長:0.1μm) 1部
ニトロセルロ−ス樹脂 65部
ポリエステルポリウレタン樹脂(東洋紡績社製:UR−8300) 35部
MEK 260部
トルエン 260部
シクロヘキサノン 260部
下記組成物を、上記分散後のスラリーに混合、撹拌した後、再度ボールミルにて分散処理を3時間行った。
ステアリン酸 1部
ステアリン酸ブチル 2部
MEK 210部
トルエン 210部
シクロヘキサノン 210部
上記分散処理後、濾過を行い、その後の塗料100部にイソシアネート化合物(日本ポリウレタン社製、コロネート−L)1部を加え、撹拌・混合し、バック層用塗料とした。
得られた下層用塗料を、乾燥後の厚さが1μmになるように、その直後に、磁性層の厚さが90nmになるように。厚さ4.5μの支持体(磁性層側の中心線平均表面粗さRaが4nm、バック層側のRaが8nm)に同時に重層塗布をおこない両層が未だ湿潤状態にあるうちに、0.3Tの磁力を持つ磁石で配向させた。
乾燥後、金属ロ−ルのみから構成される7段のカレンダ−で速度100m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)、温度90℃で表面平滑化処理を行なった。その後、厚み0.5μmのバック層を塗布し、裁断前に70℃で24時間の熱処理を施した。 その後、1/2インチ幅にスリットし、60℃で48時間熱処理を行った。スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレ−ドが磁性面に押し当たるように取り付けたテ−プクリ−ニング装置で磁性層の表面のクリ−ニングを行い、磁気テープを得た。
乾燥後、金属ロ−ルのみから構成される7段のカレンダ−で速度100m/min、線圧300kg/cm(294kN/m)、温度90℃で表面平滑化処理を行なった。その後、厚み0.5μmのバック層を塗布し、裁断前に70℃で24時間の熱処理を施した。 その後、1/2インチ幅にスリットし、60℃で48時間熱処理を行った。スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレ−ドが磁性面に押し当たるように取り付けたテ−プクリ−ニング装置で磁性層の表面のクリ−ニングを行い、磁気テープを得た。
実施例2
バック層用塗料の上記分散条件1を90分間から2時間とし、カーボンブラックのD50及びD90を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
比較例1、2
カーボンブラックのD50及びD90を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
比較例3
バック層用塗料の上記分散条件1を90分間から3時間とし、カーボンブラックのD50及びD90を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
バック層用塗料の上記分散条件1を90分間から2時間とし、カーボンブラックのD50及びD90を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
比較例1、2
カーボンブラックのD50及びD90を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
比較例3
バック層用塗料の上記分散条件1を90分間から3時間とし、カーボンブラックのD50及びD90を表1に記載のように変更した以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
得られた磁気テープの性能を以下により評価し、結果を表1に示す。
(1)バック面の表面粗さ
原子間力顕微鏡(AFM)を用い、バック面約90×90μmの面積の中心線表面粗さRaを測定した。
(2)巻き姿
LTO Ultrium−1のカートリッジにテープを600m巻き取り、同ドライブ(IBM社製)で搬送速度5m/secで全長記録し巻き取ったテープの巻き面を観察した。テープの巻き面の飛び出し箇所を数えた。飛び出しの許容範囲は3ケ所以下である。
(3)高さ100nm以上の突起数
原子間力顕微鏡で90μm四方の突起高さと個数をタッピングモードで測定した。突起高さは中心面(平面と粗さ曲線で囲まれた体積が平面に対して上下で等しく、かつ最小になる平面)を基準面とした高さと定義した。
(4)耐久性(バック層)
SUS420JのSUS棒に20gの荷重をかけ、1/2幅のテープを速度14mm/secで1000回摺動させた時のバック面の表面観察を行った。
ランクA:傷、デブリの発生がない。
ランクB:傷、デブリが僅かに発生。
ランクC:傷、デブリが多発。
のランクに分けた。
(1)バック面の表面粗さ
原子間力顕微鏡(AFM)を用い、バック面約90×90μmの面積の中心線表面粗さRaを測定した。
(2)巻き姿
LTO Ultrium−1のカートリッジにテープを600m巻き取り、同ドライブ(IBM社製)で搬送速度5m/secで全長記録し巻き取ったテープの巻き面を観察した。テープの巻き面の飛び出し箇所を数えた。飛び出しの許容範囲は3ケ所以下である。
(3)高さ100nm以上の突起数
原子間力顕微鏡で90μm四方の突起高さと個数をタッピングモードで測定した。突起高さは中心面(平面と粗さ曲線で囲まれた体積が平面に対して上下で等しく、かつ最小になる平面)を基準面とした高さと定義した。
(4)耐久性(バック層)
SUS420JのSUS棒に20gの荷重をかけ、1/2幅のテープを速度14mm/secで1000回摺動させた時のバック面の表面観察を行った。
ランクA:傷、デブリの発生がない。
ランクB:傷、デブリが僅かに発生。
ランクC:傷、デブリが多発。
のランクに分けた。
(5)エラー回数
磁気記録再生システムの組み立て
記録再生ヘッド(MRヘッド)を富士通(株)製F613Aドライブ(3480型1/2インチカートリッジ磁気テープ記録再生装置)に装着し、テープスピード100インチ/秒の磁気記録再生システムを作製した。
上記磁気記録再生システムに上記磁気テープを装置して再生時のエラー回数を測定した。
21℃50%RHでサーボ制御を行い、1トラックを90m長のテープで再生を行い、出力落ち35%以上かつ4bit以上の長さの信号欠落をエラーとしてその発生回数を測定して評価した。
磁気記録再生システムの組み立て
記録再生ヘッド(MRヘッド)を富士通(株)製F613Aドライブ(3480型1/2インチカートリッジ磁気テープ記録再生装置)に装着し、テープスピード100インチ/秒の磁気記録再生システムを作製した。
上記磁気記録再生システムに上記磁気テープを装置して再生時のエラー回数を測定した。
21℃50%RHでサーボ制御を行い、1トラックを90m長のテープで再生を行い、出力落ち35%以上かつ4bit以上の長さの信号欠落をエラーとしてその発生回数を測定して評価した。
上表から、本発明の実施例は、エラー回数が少なく、バック層の耐久性に優れ、かつ巻き姿も良好であることが分かる。一方、比較例は、エラー回数が多く、バック層の耐久性が劣り、かつ巻き姿も良くないことが分かる。
Claims (1)
- 支持体の片面に磁性層を有し、その反対面にバック層を有する磁気記録媒体において、前記バック層は中心線平均表面粗さRaが25nm以下、高さ100nm以上の突起数が10〜50個/90×90μm2、かつ50%頻度粒子径(D50)及び90%頻度粒子径(D90)が0.2μm以下のカーボンブラックを含むことを特徴とする磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004172164A JP2005353162A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004172164A JP2005353162A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005353162A true JP2005353162A (ja) | 2005-12-22 |
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ID=35587514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004172164A Pending JP2005353162A (ja) | 2004-06-10 | 2004-06-10 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005353162A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010102818A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-05-06 | Fujifilm Corp | 磁気記録媒体 |
-
2004
- 2004-06-10 JP JP2004172164A patent/JP2005353162A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010102818A (ja) * | 2008-09-29 | 2010-05-06 | Fujifilm Corp | 磁気記録媒体 |
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