JPH1064041A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH1064041A
JPH1064041A JP22417096A JP22417096A JPH1064041A JP H1064041 A JPH1064041 A JP H1064041A JP 22417096 A JP22417096 A JP 22417096A JP 22417096 A JP22417096 A JP 22417096A JP H1064041 A JPH1064041 A JP H1064041A
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JP
Japan
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magnetic
layer
recording medium
polyurethane resin
binder
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Application number
JP22417096A
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English (en)
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Yasushi Naoe
康司 直江
Masaki Suzuki
雅樹 鈴木
Kiyomi Ejiri
清美 江尻
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】走行耐久性が良好な高出力、低ノイズの磁気記
録媒体を提供すること。 【解決手段】非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に
分散してなる磁性層を設けた磁気記録媒体または前記磁
性層と前記非磁性支持体の間に更に無機粉末と結合剤と
を含む下層塗布層を設けた磁気記録媒体において、前記
磁性層中の結合剤または前記下層塗布層中の結合剤の少
なくとも一つの結合剤が環状構造とエーテル基とを含む
ポリウレタン樹脂であり、少なくとも前記磁性層中には
該ポリウレタン樹脂を含み、かつ前記磁気記録媒体の前
記磁性層を設けた面とは反対側の非磁性支持体の面、ま
たは前記磁性層を設けた面とは反対側の非磁性支持体の
上に設けたバックコート層の面の原子間力顕微鏡(AF
M)で測定した表面突起が以下の範囲であることを特徴
とする磁気記録媒体。〔100μm角に高さ100nm
以上の突起数(B100)が、50個≦B100≦30
00個存在する。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体、特に
電磁変換特性、耐久性に優れる高密度磁気記録媒体に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用い
られている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バ
インダ)中に分散された磁性層を非磁性支持体上に積層
している。磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性
および走行性能などの諸特性において高いレベルにある
ことが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオー
ディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要
求されている。また、ビデオテープについては、原画再
生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていること
が要求されている。このような優れた電磁変換特性を有
すると同時に、磁気記録媒体は前述のように良好な走行
耐久性を持つことが要求されている。そして、良好な走
行耐久性を得るために、一般には研磨材および潤滑剤が
磁性層中に添加されている。
【0003】しかしながら、研磨材によって優れた走行
耐久性を得るためには、その添加量をある程度多くする
必要があり、そのため強磁性粉末の充填度が低下する。
また優れた走行耐久性を得るために粒子径の大きな研磨
材を使用した場合には、磁性層表面に研磨材が過度に突
出し易くなる。従って、研磨材による走行耐久性の改良
は上記の電磁変換特性の劣化をもたらす場合が多く問題
となる。そして、潤滑剤によって上記走行耐久性を向上
させる場合には、その添加量を多くする必要があり、こ
のため結合剤が可塑化され易くなり、磁性層の耐久性が
低下する傾向がある。また、上記耐久性および電磁変換
特性を向上させるためには、磁性層の主成分の一つであ
る結合剤も、当然のことながら重要な働きを担ってい
る。従来から用いられている塩化ビニル樹脂、セルロー
ス樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等では、磁性層の
耐摩耗性が劣り、磁気テープの走行系部材を汚染すると
いう問題があった。
【0004】このような問題を改善する方法として、硬
い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げる方法が行われて
いる。例えば、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリカ
ーボネートポリウレタン樹脂からなる結合剤を用いた磁
気記録媒体が特開平6−96437号公報に記載されて
おり、実施例には、ウレタン基が2〜4mmol/gの
ウレタンが記載されているが、長鎖ジオールの含有量は
不明であり、OH基に関しても明かなものでなく、ま
た、特公平6−19821号公報には、同様に、ウレタ
ンとウレアの合計が1.8〜3.0mmol/gのウレ
タンウレアが含まれている結合剤が記載されているが、
樹脂合成例によれば、得られたポリウレタン樹脂中の長
鎖ジオールの割合は61重量%である、これらはウレタ
ン結合濃度が大きく、耐久性に優れるものの塗布液の粘
度の上昇に伴う分散性の低下によって電磁変換特性が低
下するものである。
【0005】また、環状構造を有する短鎖ジオールを用
いたポリウレタン樹脂を結合剤としたものが提案されて
おり、特開昭61−148626号公報には、ビスフェ
ノールAが20%含まれるポリエステルポリオールを用
いており、実施例から求めると、ウレタンに対してビス
フェノールAの含有量は13重量%であり、ポリオール
含有量69重量%のものが用いられているが、環状構造
が溶剤への溶解性を低下させるために分散性が低下す
る。また、特開平1−251416号公報には、環状構
造を有する短鎖ジオールとして、ビスフェノールAを鎖
延長剤およびポリカーボネートポリオール原料に用いた
ポリウレタンが記載されており、実施例からビスフェノ
ールAの含有量は16重量%であり、ポリオール含有量
63重量%のものが用いられているが、同様に環状構造
が溶剤への溶解性を低下させるために分散性が低下する
という問題がある。また、ビスフェノールSを含むラク
トン変性ポリオールを用いることが特公平7−2185
1号公報に記載されているが、実施例から求めるとポリ
オール含有量は52重量%であり、ビスフェノールSの
含有量は13重量%のポリウレタンであるが、環状構造
を有するために同様な問題があった。
【0006】また、特開平1−267829号公報に
は、ポリウレタン樹脂が、環状構造を有するポリエーテ
ルポリオールを含有するものであり、ビスフェノール
A、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド、プロ
ピレンオキシド付加物をジオール(分子量250〜30
00)等を用いることが記載されており、実施例はいず
れもポリオール含有量は70重量%以上であり、またエ
ーテル含有量が8mmol/g以上であるので、塗膜が
軟らかくなりヘッド汚れなどの耐久性が低下する。ま
た、特開昭61−190717号公報には、ポリウレタ
ン樹脂としてポリテトラメチレングリコール、ポリカプ
ロラクトンポリオールを用いているが、実施例の記載に
よれば、ポリオール含有量は70重量%以上であり、同
様に塗膜が軟らかくヘッド汚れなどが生じ耐久性が低下
するという問題があった。
【0007】特公平6−64726号公報には、イソシ
アネート末端プレポリマーに、分岐状ポリエステルポリ
オールを反応させたポリウレタン樹脂が記載されている
が、合成例から求めるとOH基の8.2×10-5eq/
gであり、含有量が多く溶液の粘度が増加し、分散性が
低下する。さらに、分岐ポリオールにより樹脂の強度の
低下、繰り返し走行性の悪化等も生じることとなる。同
様に、特開平3−44819号公報には、両末端に少な
くとも1個のOH基を有する化合物とポリイソシアネー
トからなる結合剤を用いた磁気記録媒体が記載されてい
るが、ポリエステルポリオールを用いることが記載され
ているのみであり、樹脂の強度の低下、繰り返し走行性
の悪化等も生じることとなる。
【0008】また、特開昭62−82510号公報に
は、主鎖および分岐鎖の末端数が平均3個以上であり、
少なくとも2個の末端に一級水酸基があるポリウレタン
樹脂を含有した結合剤が記載されており、実施例にはポ
リエステルポリオールが挙げられているが、樹脂の強度
および繰り返し走行耐久性等が十分なものではなかっ
た。以上のように、磁気記録媒体用結合剤として用いら
れるポリウレタン樹脂やポリウレタンウレア樹脂は、一
般的にポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート
等の親水性セグメントを有する長鎖ジオールを用いるこ
とが記載されており、また、長鎖ジオールは、各先行技
術に記載の実施例によると樹脂中の長鎖ジオールはいず
れも25モル%以上含むことが記載されている。しか
し、上記ポリウレタン樹脂やポリウレタン−ウレア樹脂
は前述した親水性セグメントを有するために有機溶剤と
の親和性を妨げ、親水性極性基が凝集をおこし易く、有
機溶剤中における分子鎖の広がりが小さくなる方向にあ
り、強磁性微粉末の分散性を妨げる作用をするという欠
点がある。又、これらの親水性セグメントを持つ長鎖ジ
オールは、ポリエステルの場合には、エステル結合基が
加水分解しやすく保存性が低下するという問題があり、
ポリエーテルには、ポリテトラメチレンエーテルグリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコ
ールなどのようにTgが低く、柔らかく強度の小さいも
のとなる。ところで、磁性層を非磁性層の上に設けるこ
とにより磁性層厚味を薄くした磁気記録媒体が公知であ
るが、更に高密度記録を達成するために磁性層の厚さが
より薄い、また、強磁性金属粉末も更に微小なものが必
要になってきている。この強磁性金属粉末の微小化は分
散性の低下を招き、ひいては磁性層の表面性を劣化さ
せ、電磁変換特性を低下させ、更に耐久性を確保するこ
とが困難になってきている。更に、磁気記録媒体の製造
工程でバルク化やカセットに組み込む工程において、支
持体のバック面により磁性層表面が押されてそのバック
面が転写して磁性層の表面性が悪化、ひいては電磁変換
特性を低下させることは周知であるが、このような問題
にも対処できる結合剤が望まれていた。即ち、強磁性金
属粉末や非磁性粉末の分散性が優れ、かつ硬さ(即ち、
高Tg、高ヤング率)と靱性(伸び)が両立した耐久性
に優れ、かつバック面の写りの小さなポリウレタン樹脂
が望まれている状況下において、上述のポリウレタン樹
脂は、上記課題に十分に応えることができないものであ
り、かつこのような課題に応えられるポリウレタン樹脂
及びそれに対し最適なバック面の条件を見出し得ないで
いた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、走行耐久性
が良好な高出力、低ノイズの磁気記録媒体を提供するこ
とを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の構成より
なる。 1)非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に分散して
なる磁性層を設けた磁気記録媒体または前記磁性層と前
記非磁性支持体の間に更に無機粉末と結合剤とを含む下
層塗布層を設けた磁気記録媒体において、前記磁性層中
の結合剤または前記下層塗布層中の結合剤の少なくとも
一つの結合剤が環状構造とエーテル基とを含むポリウレ
タン樹脂であり、少なくとも前記磁性層中には該ポリウ
レタン樹脂を含み、かつ前記磁気記録媒体の前記磁性層
を設けた面とは反対側の非磁性支持体の面、または前記
磁性層を設けた面とは反対側の非磁性支持体の上に設け
たバックコート層の面の原子間力顕微鏡(AFM)で測
定した表面突起が以下の範囲であることを特徴とする磁
気記録媒体。〔100μm角に高さ100nm以上の突
起数(B100)が、50個≦B100≦3000個存
在する。〕 2)前記磁性層の全結合剤に対する前記ポリウレタン樹
脂の含有量が10〜100重量%であることを特徴とす
る前記1)記載の磁気記録媒体。 3)前記ポリウレタン樹脂は、ジオールと有機ジイソシ
アネートを主要原料とした反応生成物であるポリウレタ
ン樹脂からなり、環状構造を有する短鎖ジオール単位を
ポリウレタン樹脂中に17〜40重量%含み、かつポリ
ウレタン樹脂全体に対して、エーテル基を1.0〜5.
0mmol/gを含む長鎖ジオール単位をポリウレタン
樹脂中に10〜50重量%含む結合剤であることを特徴
とする前記1)または2)記載の磁気記録媒体。 4)前記磁性層の厚みが0.05〜0.5μmであるこ
とを特徴とする前記1)〜3)の何れか1項に記載の磁
気記録媒体。 5)前記磁気記録媒体の70℃、48hr後のMD方向
の熱収縮率が0.12%以下であることを特徴とする前
記1)〜4)の何れか1項に記載の磁気記録媒体。 6)前記磁気記録媒体の総厚みが、4〜9μmであるこ
とを特徴とする前記1)〜5)の何れか1項に記載の磁
気記録媒体。本発明者は、結合剤として特定のポリウレ
タン樹脂、即ち、環状構造とエーテル基とを含むポリウ
レタン樹脂を少なくとも磁性層に含有させると共に支持
体のバック面の面性を特定することによりバック面写り
の少ない、走行耐久性および電磁変換特性に優れた磁気
記録媒体を得ることができたものである。ポリウレタン
樹脂は、その環状構造が、剛直性に、エーテル基が柔軟
性に寄与すると共に溶解性が向上し、慣性半径(分子の
広がり)が大きくなり、粉体の分散性が向上すると考え
られ、かつそれら構造によりポリウレタン樹脂自身の硬
さ(高Tg、高ヤング率)と靱性(伸び)の特性が両立
されることと共にバック面性を規定したことにより、バ
ック面突起の転写が抑えられて磁性層の表面性を改善す
ると共にバック面の走行耐久性をも確保したものであ
る。また、本発明はバック面突起転写による影響が大き
な、磁性層あるいは総厚が極めて薄い磁気記録媒体、更
に製造工程でサーモ処理等を含む磁気記録媒体において
も特に上記効果を奏することができ、芯側がより強く転
写の影響を受ける結果生じるバルク内外における出力差
を低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、本発明におけるバック面の
面性制御について説明する。本発明において、バック面
の面性は、100μm角(即ち、10000μm2)に
高さ100nm以上の突起数(B100)が、50個≦
B100≦3000個存在するように制御される。ここ
で、バック面とは、磁性層等が設けられる非磁性支持体
の面と反対側の面を意味し、その面にバックコート層を
設けた場合はそのバックコート層表面をバックコート層
が設けられない場合は、非磁性支持体自体の面を各々意
味する。バック面の突起は、バックコート層表面もしく
はバックコート層がない場合は、非磁性支持体表面の凸
部である。バックコート層の場合の突起は、研磨剤、固
体潤滑剤微粒子カーボンブラックや結合剤成分からなる
突起のことをいう。具体的には粗大カーボンブラックや
炭酸カルシウム粉末などの固体潤滑剤や研磨剤を主とす
る突起や微粒子カーボンブラックの凝集ブツや非磁性支
持体の表面形状などによるバックコート層表面にできる
微小突起である。バックコート層がない場合は、非磁性
支持体表面の突起をいう。具体的には、フィラーやポリ
エステル凝集物などの微小突起である。本発明は、B1
00は、好ましくは100〜2000個、更に好ましく
は300〜1000個である。また、100μm角に高
さ200nm以上の突起数(B200)は、通常、2〜
500個、好ましくは5〜200個、更に好ましくは5
〜100個である。B100が上記範囲より少ないと繰
り返し走行時のμ値上昇が大きく、走行耐久性に劣り、
上記範囲より大きいと、バック突起写り低減効果が十分
発揮できない。B100を上記範囲に制御する手段とし
ては、具体的には以下が挙げられる。 a.バックコート層がある場合 結合剤に非磁性粉末を含有させると共にその粒子サ
イズ、添加量、バックコート層厚みを調整すること。具
体的には、非磁性粉末としては、平均粒子径10〜30
nmの微粒子粉末と平均粒子径が100〜300nmの
粗粒子粉末との混合物を結合剤に有機溶媒により分散さ
せた塗料をバック面に乾燥厚みで0.1μm〜2μmの
範囲で塗布することが挙げられる。非磁性粉末として
は、カーボンブラック、Al2 3 、Cr2 3 、α−
Fe 2 3 、二硫化タングステン、窒化硼素、Si
2 、CaCO3 、TiO2 等が挙げられ、微粒子粉末
としては、カーボンブラック、粗粒子粉末としては、カ
ーボンブラック、Al2 3 等が好ましい。微粒子粉末
と粗粒子粉末の配合割合は、前者100重量部に対し、
後者は通常、0.2〜20重量部用いられる。非磁性粉
末の使用量は、結合剤100部に対して通常、0.1〜
4.0重量部用いられる。結合剤としては、従来公知の
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等を用いるこ
とができ、好ましくは、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−
酢酸ビニル樹脂、ニトロセルロース等の繊維素系樹脂、
フェノキシ樹脂、およびこれらと通常のポリウレタン樹
脂(本発明のポリウレタン樹脂であってもよい)、イソ
シアネート硬化剤との併用が挙げられる。 バックコート層が設けられる側の非磁性支持体面の
面性を調整すると共にバックコート層としてバックコー
ト層塗布液を乾燥厚みが0.2〜1μmとなるように塗
布する。ここで、バックコート層は粉体を含まない結合
剤のみのものでもよい。非磁性支持体面の面性は、H1
が通常、20〜500個、好ましくは30〜200個
に、H2が通常、30個以下、好ましくは10個以下に
調整される。ここで、H1とは該支持体面に波長0.2
73μmの光を照射して生じた干渉縞が1重環である、
高さ0.273μm以上0.546μm未満のFE(フ
ィッシュアイ)個数密度で、100cm2 当たりの干渉
縞の個数で表され、H2は該支持体面に波長0.273
μmの光を照射して生じた干渉縞が2重環である、高さ
0.546μm以上のFE個数密度で、100cm2
たりの干渉縞の個数で表される。 b.バックコート層がない場合 上記a項のにおけるH1を通常、30〜200
個、好ましくは50〜120個に、H2を通常、10個
以下、好ましくは5個以下に調整することによりB10
0を本発明の範囲に調整した非磁性支持体を用いる。上
記aおよびb項におけるH1およびH2の制御は、非磁
性支持体を構成する基材樹脂に有機樹脂粒子のサイズ、
配合量、素材等を適宜選定することにより行うことがで
きる。有機樹脂粒子は、好ましくは、非磁性支持体と親
和性のあるものが好ましく、例えば、ポリスチレン粒
子、架橋ポリスチレン粒子、スチレン−アクリル系粒子
等が挙げられる。有機樹脂粒子の平均粒子径は、a項
の場合は、通常、0.03〜1.0μm、好ましくは
0.1〜0.8μmであり、b項の場合、通常、0.0
3〜0.8μm、好ましくは0.1〜0.4μmであ
り、有機樹脂粒子は、両者とも基材樹脂に対し通常、
0.01〜1.0重量%の範囲で用いられる。aおよび
b項の非磁性支持体は、バック面側と磁性層面側とで重
層あるいは3層以上とすることができる。次に本発明に
使用される特定のポリウレタン樹脂について説明する。
本発明に用いられるポリウレタン樹脂としては、環状構
造とエーテル基とを含むものであれば、特に制限はな
い。本発明に使用されるポリウレタン樹脂としては、具
体的には、ジオールと有機ジイソシアネートを主要原料
とした反応生成物であるポリウレタン樹脂からなり、環
状構造を有する短鎖ジオール単位をポリウレタン樹脂中
に17〜40重量%含み、かつポリウレタン樹脂全体に
対して、エーテル基を1.0〜5.0mmol/gを含
む長鎖ジオール単位をポリウレタン樹脂中に10〜50
重量%含むことが好ましい。環状構造を有する短鎖ジオ
ールとしては、ビスフェノールA、下記の式1で示され
る水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフ
ェノールPおよびこれらのエチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド付加物、シクロヘキサンジメタノール、シク
ロヘキサンジオール等の芳香族、脂環族を有するジオー
ルが好ましい。
【0012】
【化1】
【0013】さらに好ましくは、式1で示す水素化ビス
フェノールAおよびそのエチレンオキシド、プロピレン
オキシド付加物が挙げられる。ポリウレタン樹脂中の短
鎖ジオール単位の含有量は、17〜40重量%が好まし
く、さらに好ましくは20〜30重量%である。17重
量%未満では、得られる塗膜が軟らかくなりすぎ充分な
強度が得られず、スチル耐久性が低下する。また、40
重量%より大では、溶剤への溶解性が低下し、強磁性粉
末の分散性が低下しやすいので電磁変換特性が低下しや
すいとともに、磁性層の強度が小さくなる。また、環状
構造を有する短鎖ジオールは、分子量が50〜500で
あることが好ましく、より好ましくは100〜300で
ある。50未満では、磁性層がもろくなり耐久性が低下
する。また500より大であると、磁性層のガラス転移
温度Tgが低下し、軟らかくなり耐久性が低下する。ま
た、前記環状構造を有する短鎖ジオールには、他のジオ
ールを併用することができる。具体的には、エチレング
リコール、1,3−プロピレンジオール、1,2−プロ
ピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−
ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2
−ジメチルプロパンジオール、1,8−オクタンジオー
ル、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、
シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−
1,4−ジメタノール等の脂肪族ジオール、脂環族ジオ
ール等、また、ビスフェノールA、ビスフェノールAの
エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物
等の芳香族ジオール、N−ジエタノールアミンのエチレ
ンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物等のジオー
ルを挙げることができる。これらのなかでも好ましく
は、ビスフェノールAまたは水素化ビスフェノールAの
エチレンオキシド付加物、プロピレンオキシド付加物で
あり、更に好ましくはビスフェノールAのプロピレンオ
キシド付加物である。これらを用いることによって、環
状構造により高強度、高Tgであって、高耐久性の塗布
膜が得られる。さらに分岐CH3 の導入により溶剤への
溶解性に優れるため高分散性が得られる。次に、該エー
テル基を含む長鎖ジオール単位の含有量は、ポリウレタ
ン樹脂中10〜50重量%であることが好ましく、さら
に好ましくは30〜40重量%である。10重量%未満
であると溶剤への溶解性が低下するので分散性が低下す
る。また、50重量%より大であると塗膜強度が低下す
るので耐久性が低下する。該長鎖ジオール単位のエーテ
ル基の含有量は、ポリウレタン樹脂中に1.0〜5.0
mmol/gであることが好ましく、より好ましくは
2.0〜4.0mmol/gである。1mmol/g未
満であると磁性体への吸着性が低下し、分散性が低下す
る。一方、5.0mmol/g以上であると、溶剤への
溶解性が低下し、分散性が低下する。
【0014】長鎖ジオールとしては具体的には、ビスフ
ェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノール
S、ビスフェノールPおよびこれらのポリエチレンオキ
シド、プロピレンオキシド付加物、ポリプロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールが好ましく、さらに好ましくは、水素化ビス
フェノールA及びこれらのエチレンオキシド、プロピレ
ンオキシド付加物であり、とくに下記の式2で示される
化合物が好ましい。
【0015】
【化2】
【0016】また、nおよびmの値は、3〜24であ
り、好ましくは3〜20であり、より好ましくは4〜1
5である。n、mが3よりも小さいとウレタン結合濃度
が高くなり、溶剤への溶解性が低下したり、塗膜が脆く
なりやすく、さらに分散性、耐久性が低下する。n、m
が24よりも大きくなると塗膜が軟らかくなり、スチル
耐久性が低下する。また、長鎖ジオールにおいて、R
は、以下の、が好ましく、
【0017】
【化3】
【0018】のものがより好ましい。本発明は、ポリ
ウレタン樹脂が環状構造を有するので、塗膜強度が高
く、耐久性に優れ、プロピレンの分岐CH3 を有するの
で、溶剤への溶解性に富み分散性に優れる。また、式2
の長鎖ジオールにおいて、Xは、水素、またはメチル基
が好ましく、メチル基がより好ましい。長鎖ジオールの
重量平均分子量(Mw)は、500〜5000であり、
5000以上では塗膜強度が低下し、軟らかくなるので
耐久性が低下する。また、長鎖ジオールの環状構造が、
脂環族系(シクロヘキサン 環)である場合は、硬化剤との併用
が好ましい。この場合は、ポリウレタン樹脂と硬化剤の
反応が乏しく、かつ硬化剤自身の反応も抑制されるの
で、該ポリウレタン樹脂中に硬化剤が反応せず、網目構
造が固定化されないので、カレンダー処理時の成形性が
向上する(Tg、ヤング率、降伏応力は硬化剤を添加し
ても変化しない)。磁性粉体に吸着して絡みあった該ポ
リウレタン樹脂に硬化剤が内在する形態(IP二相構
造) 、つまり、延性(弾性)結合剤中に脆性(塑性)結
合剤が内在する二相構造を取るので、脆性結合剤の塑性
変形によって、衝撃エネルギーが吸収されるので、耐衝
撃性が向上する。該ポリウレタン樹脂のTgは−20〜2
00℃、好ましくは50〜150℃、更に好ましくは7
0〜120℃である。該ポリウレタン樹脂のTgが−20
〜50℃の場合は、塩ビ、塩酢ビ、硬化剤(ポリイソシ
アネート)、エポキシ、フェノキシ等の併用が好まし
く、高温での磁性層強度が低下しないようバインダ構成
を検討するのが好ましい。該ポリウレタン樹脂に対する
硬化剤量は0〜200重量%、好ましくは20〜100
重量%、更に好ましいは30〜60重量%である。ま
た、該長鎖ジオールの環状構造が、芳香族環又はベンゼ
ン環である場合は、ポリイソシアネートと反応するた
め、硬化剤添加で硬化が進み延性が低下する。このため
硬化剤を添加する場合は、該ポリウレタン樹脂のTgを下
げるなどして、延性を確保する必要がある。該ポリウレ
タン樹脂のTgとしては、−20〜150℃、好ましくは
20〜120℃、更に好ましくは50〜100℃であ
る。又、該ポリウレタン樹脂に対する硬化剤量は0〜1
50重量%、好ましくは0〜100重量%、更に好まし
くは0〜50重量%である。該長鎖ジオールの環状構造
は脂環族、芳香族環またはベンゼン環のいずれであって
も、磁性層Tgが50〜150℃、好ましくは70〜10
0℃、カレンダー処理温度±30℃=磁性層Tgになるよう
に磁性層Tgを最適化し、カレンダー成形性と磁性層強度
を両立できるように、結合剤構成を調整することが好ま
しい。ポリウレタン樹脂中のOH基の含有量は、1分子
あたり3個〜20個であることが好ましく、より好まし
くは1分子あたり4個〜5個である。1分子あたり3個
未満であるとイソシアネート硬化剤との反応性が低下す
るために、塗膜強度が低下し、耐久性が低下しやすい。
また、20個より大であると溶剤への溶解性が低下し、
分散性が低下しやすい。
【0019】ポリウレタン樹脂中のOH基の含有量を調
整するために用いる化合物としては、OH基が3官能以
上の化合物を用いることができる。具体的には、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメ
リット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサ
ントリオール等が挙げられ、従来技術として説明した特
公平6−64726号に記載のポリエステルポリオール
原料として用いられる2塩基酸と前記化合物をグリコー
ル成分として得られる3官能以上OH基をもつ分岐ポリ
エステル、ポリエーテルエステルが挙げられる。好まし
くは、3官能のものが好ましく、4官能以上になると反
応過程においてゲル化しやすい。
【0020】本発明のポリウレタン樹脂は、分子中に−
SO3 M、−OSO3 M、−COOM、−PO3
M′、−OPO3 MM′、−NRR′、−N+ RR′
R″COO - (ここで、MおよびM′は、各々独立に水
素、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウ
ム塩であり、R、R′およびR″は各々独立に炭素数1
〜12のアルキル基を示す)から選ばれた少なくとも1
種の極性基を含むことが好ましく、とくに好ましくは、
−SO3 M、−OSO3 Mである。これらの極性基の量
は好ましくは、1×10-5〜2×10-4eq/gであ
り、特に好ましくは5×10-5〜1×10-4eq/gで
ある。1×10-5eq/gより少ないと強磁性粉末への
吸着が不充分となるために分散性が低下し、2×10-4
eq/gより多くなると溶剤への溶解性が低下するので
分散性が低下する。
【0021】また、本発明のポリウレタン樹脂の数平均
分子量(Mn)は5000〜100,000が好まし
く、さらに好ましくは10,000〜50,000であ
り、特に好ましくは20,000〜40,000であ
り、5000未満では、磁性層の強度が低下し、耐久性
が低下する。また、100,000より大では溶剤への
溶解性が低下し、分散性が低下する。
【0022】本発明の結合剤を磁性層あるいは更に下層
塗布層に用いる場合には、本発明のポリウレタン樹脂に
塩化ビニル系の合成樹脂を併用しても良い。併用するこ
とができる塩化ビニル系樹脂の重合度は200〜600
が好ましく、250〜450が特に好ましい。塩化ビニ
ル系樹脂はビニル系モノマー、例えば酢酸ビニル、ビニ
ルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロニトリルなど
を共重合させたものでもよい。また、ニトロセルロース
樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニ
ルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノキシ樹脂等を併用しても良く、これら
は、単独でも組み合わせでも使用することができる。他
の合成樹脂を併用する場合も含め、磁性層に含まれるポ
リウレタン樹脂は、結合剤中に通常、10〜100重量
%を含有され、好ましくは50〜100重量%の量であ
る。10重量%以下では溶媒への溶解性が低下し、分散
性が低下する。
【0023】また塩化ビニル系樹脂は、結合剤中に10
〜80重量%含有されていることが好ましく、さらに好
ましくは20〜70重量%の量である。特に好ましくは
30〜60重量%の量である。
【0024】また、本発明は本発明のポリウレタン樹脂
のウレタン結合を形成する成分として、あるいは更にポ
リウレタン樹脂または他の併用される樹脂同士を架橋さ
せる硬化剤としてポリイソシアネート化合物、好ましく
は有機ジイソシアネートを使用することができる。
【0025】有機ジイソシアネート化合物の例として
は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシア
ネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジ
フェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェ
ニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェ
ニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ
ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化
トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジ
イソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を挙げる
ことができる。磁性層に含まれるポリイソシアネート化
合物は結合剤(樹脂成分と硬化剤との合計)中に好まし
くは、60重量%以下、更に好ましくは10〜50重量
%の範囲で含有されていることが好ましい。下層塗布層
(以下、「下層」ともいう)中に含まれるポリイソシア
ネート化合物は結合剤(樹脂成分と硬化剤との合計)中
に5〜50重量%の範囲で含有されていることが好まし
く、さらに好ましくは10〜40重量%の範囲である。
【0026】また、電子線照射による硬化処理を行う場
合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結
合を有する化合物を使用することができる。単層または
最上層の磁性層の結合剤の重量は、強磁性粉末100重
量部に対して、通常5〜30重量部、好ましくは5〜1
8重量部、更に好ましくは8〜15重量部であり、本発
明のポリウレタン樹脂は通常、2〜20重量部、好まし
くは4〜13重量部である。また、後述するように下層
塗布層を設けた場合の結合剤は、非磁性粉末あるいは軟
磁性粉末に対し通常、5〜35重量部、好ましくは、1
2〜30重量部である。本発明の磁気記録媒体の形状
は、基本的には任意であり、テープ、ディスク、シー
ト、カード等が挙げられる。本発明の磁気記録媒体の層
構成は、基本的には磁性層または磁性層と下層塗布層を
支持体上に有するものであり、ポリウレタン樹脂を少な
くとも磁性層に含む構成であれば、あらゆる構成のもの
が採用され得る。例えば、磁性層単層、磁性層重層、磁
性層と非記録層との重層等が例示される。ここで、磁性
層とは磁気により記録再生可能な強磁性粉末を含有する
層を指し、非記録層とは実質的に強磁性粉末を含まない
層で非磁性層または軟磁性層を指し、通常、非磁性粉末
あるいは軟磁性粉末を含む。本発明においては、重層構
成が高出力及びサーモ時の収縮変形を抑えやすい観点で
好ましい。重層時は上層結合剤量を下層に比べて少なく
し、かつ最上層における該ポリウレタン樹脂の含有量を
高めることが好ましい。層構成における各層の厚味は、
例えば、以下の通りである。 磁性層単層では通常、0.2〜5μm、好ましくは
0.5〜3μm、更に好ましくは0.5〜1.5μmで
ある。 重層構成は以下の通りである。上層は下層上に設け
られる磁性層となる。 a 上層:磁性層、下層:磁性層の場合 上層は通常、0.2〜2μm、好ましくは0.2〜1.
5μmであり、下層は0.8〜3μmである。 b 上層:磁性層、下層:非磁性層の場合 上層は通常、0.05〜1μm、好ましくは0.05〜
0.5μmであり、更に好ましくは0.1〜0.3μ
m、下層は0.5〜3μm、好ましくは、0.8〜3μ
mである。 c 上層:磁性層、下層:軟磁性層の場合 上層は通常、0.05〜1μm、好ましくは0.05〜
0.5μmであり、下層は0.8〜3μmである。本発
明の磁気記録媒体が多層構成の場合、本発明のポリウレ
タン樹脂は、少なくとも磁性層に含有させることが必要
であるが、ポリウレタン樹脂は磁性層以外の層にも含有
させることが好ましい。本発明の磁気記録媒体は、その
総厚が薄くて工程中に高テンション履歴を受けて巻き取
られたサンプルの保存時のバック面写りを低減できるか
ら、その総厚を4〜9μmとすることができる。
【0027】磁性層に使用される強磁性粉末は、強磁性
酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄、バリウムフェライ
ト粉末又は強磁性金属粉末等である。強磁性粉末はS
BET (BET比表面積)が40〜80m2 /g、好まし
くは50〜70m2 /gである。結晶子サイズは12〜
25nm、好ましくは13〜22nmであり、特に好ま
しくは14〜20nmである。長軸長は0.05〜0.
25μmであり、好ましくは0.07〜0.2μmであ
り、特に好ましくは0.08〜0.15μmである。強
磁性粉末のpHは7以上が好ましい。強磁性金属粉末と
してはFe、Ni、Fe−Co、Fe−Ni、Co−N
i、Co−Ni−Fe等の単体または合金が挙げられ、
金属成分の20重量%以下の範囲内で、アルミニウム、
ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バナジウム、ク
ロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウム、モリブデ
ン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アンチモン、ホウ
素、バリウム、タンタル、タングステン、レニウム、
銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネ
オジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げることがで
きる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水酸化物また
は酸化物を含むものなどであってもよい。これらの強磁
性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用いる強磁性
粉末についても公知の方法に従って製造することができ
る。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、通常は針
状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のものなどが
使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用することが
好ましい。
【0028】本発明においては、上記の樹脂成分、硬化
剤および強磁性粉末を、通常、磁性塗料の調製の際に使
用されているメチルエチルケトン、ジオキサン、シクロ
ヘキサノン、酢酸エチル等の溶剤と共に混練分散して磁
性層用塗料とする。混練分散は通常の方法に従って行う
ことができる。磁性層用塗料は、上記成分以外に、α−
Al2 3 、Cr2 3 等の研磨剤、カーボンブラック
等の帯電防止剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、シリコーン
オイル等の潤滑剤、分散剤など通常使用されている添加
剤あるいは充填剤を含むものであってもよい。次に本発
明が多層構成の場合における下層非磁性層または下層磁
性層について説明する。本発明の下層に用いられる無機
粉末は、磁性粉末、非磁性粉末を問わない。例えば非磁
性粉末の場合、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、
金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機化合
物、非磁性金属から選択することができる。無機化合物
としては例えば酸化チタン(TiO2 、TiO)、α化
率90〜100%のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−
アルミナ、α−酸化鉄、酸化クロム、酸化亜鉛、酸化す
ず、酸化タングステン、酸化バナジウム、炭化ケイ素、
酸化セリウム、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイ
ト、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ム、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫
酸バリウム、二硫化モリブデン、ゲーサイト、水酸化ア
ルミニウムなどが単独または組合せで使用される。特に
好ましいのは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バ
リウムであり、更に好ましいのは二酸化チタンである。
非磁性金属としては、Cu、Ti、Zn、Al等が挙げ
られる。これら非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2
μmが好ましいが、必要に応じて平均粒径の異なる非磁
性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分
布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とり
わけ好ましいのは非磁性粉末の平均粒径は0.01μm
〜0.2μmである。非磁性粉末のpHは6〜9の間が
特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2
/g、好ましくは5〜50m2 /g、更に好ましくは7
〜40m2 /gである。非磁性粉末の結晶子サイズは
0.01μm〜2μmが好ましい。DBPを用いた吸油
量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80
ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/10
0gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6であ
る。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良
い。
【0029】軟磁性粉末としては、粒状Fe、Ni、粒
状マグネタイト、Fe−Si、Fe−Al、Fe−N
i、Fe−Co、Fe−Co−Ni、Fe−Al−Co
(センダスト)合金、Mn−Znフェライト、Ni−Z
nフェライト、Mg−Znフェライト、Mg−Mnフェ
ライト、その他、近角聡信著(「強磁性体の物理(下)
磁気特性と応用」(裳華房、1984年)、368〜3
76頁)に記載されているもの等が挙げられる。これら
の非磁性粉末、軟磁性粉末の表面にはAl2O3 、SiO2、Ti
O2、ZrO2,SnO2,Sb2O3 ,ZnO で表面処理することが好
ましい。特に分散性に好ましいのはAl2O 3 、SiO2、Ti
O2、ZrO2であるが、更に好ましいのはAl2O3 、SiO2、Zr
O2である。これらは組み合わせて使用しても良いし、単
独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させ
た表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理し
た後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆
の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に
応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方
が一般には好ましい。
【0030】下層にカ−ボンブラックを混合させて公知
の効果である表面電気抵抗Rsを下げることができると
ともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができ
る。このためにはゴム用ファーネスブラック、ゴム用サ
ーマルブラック、カラー用カーボンブラック、アセチレ
ンブラック等を用いることができる。カーボンブラック
の比表面積は100〜500m2 /g、好ましくは15
0〜400m2 /g、DBP吸油量は20〜400ml
/100g、好ましくは30〜200ml/100gで
ある。カ−ボンブラックの平均粒径は5nm〜80n
m、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜
40nmである。カ−ボンブラックのpHは2〜10、
含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/
ml、が好ましい。本発明に用いられるカ−ボンブラック
の具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPE
ARLS 2000、1300、1000、900、8
00,880,700、VULCAN XC−72、三
菱化学社製、#3050B,3150B,3250B、
#3750B、#3950B、#950、#650B,
#970B、#850B、MA−600、コロンビアン
カ−ボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN
8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,150
0,1255,1250 、アクゾー社製ケッチェンブラックECな
どが挙げられる。
【0031】本発明の下層にはまた、無機粉末として磁
性粉末を用いることもできる。磁性粉末としては、γ−
Fe2 3 、Co変性γ−Fe2 3 、α−Feを主成
分とする合金、CrO2 等が用いられる。下層の磁性体
は、目的に応じて選定することができ、本発明の効果は
磁性体の種類には依存しない。ただし、目的に応じて、
上下層で性能を変化させることは公知の通りである。例
えば、長波長記録特性を向上させるためには、下層磁性
層のHcは上層磁性層のそれより低く設定することが望
ましく、また、下層磁性層のBrを上層磁性層のそれよ
り高くする事が有効である。それ以外にも、公知の重層
構成を採る事による利点を付与させることができる。
【0032】下層磁性層または下層非磁性層のバインダ
ー、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は
磁性層のそれが適用できる。特に、バインダー量、種
類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に
関する公知技術が適用できる。以上の材料により調製し
た磁性塗料を非磁性支持体上に塗布して磁性層を形成す
る。本発明に用いることのできる非磁性支持体としては
二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリア
ミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミ
ド、ポリベンズオキシダゾール等の公知のものが使用で
きる。これらの非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、
プラズマ処理、易接着処理、熱処理、などを行っても良
い。また本発明に用いることのできる非磁性支持体は中
心線平均表面粗さがカットオフ値0.25mmにおいて
0.1〜20nm、好ましくは1〜10nmの範囲とい
う優れた平滑性を有する表面であることが好ましい。ま
た、これらの非磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さ
いだけでなく1μ以上の粗大突起がないことが好まし
い。また、磁性層が設けられる側の非磁性支持体面の上
記したH1のFEは、200個/100cm2 以下、好
ましくは、150個/100cm2 以下、H2のFEが
7個/100cm2 以下、好ましくは、2個/100c
2 以下であることが好ましい。非磁性支持体厚は4〜
15μm、好ましくは4〜9μm、薄いものではバック
突起写りがハンドリングテンション上、出やすくなるた
め、本願のポリウレタン樹脂を最上層に使用することで
より顕著な写り低減効果がでる。厚が7μm以下では、
PENもしくはアラミド等の芳香族ポリアミドが好まし
い。
【0033】本発明の磁気記録媒体の製造方法は例え
ば、走行下にある非磁性支持体の表面に塗布液を好まし
くは塗布層の乾燥後の層厚が0.05〜5μmの範囲
内、より好ましくは0.07〜3μmになるように塗布
する。ここで複数の磁性塗料もしくは非磁性塗料を逐次
あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗料を塗
布する塗布機としては、エアードクターコート、ブレー
ドコート、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコ
ート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコ
ート、トランスファーロールコート、グラビヤコート、
キスコート、キャストコート、スプレイコート、スピン
コート等が利用できる。これらについては例えば株式会
社総合技術センター発行の「最新コーティング技術」
(昭和58年5月31日)を参考にできる。
【0034】本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に
適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のも
のを提案できる。 (1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、
ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置に
より、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに
特公平1−46186号公報、特開昭60−23817
9号公報、特開平2−265672号公報等に開示され
ているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装置
により、上層を塗布する。 (2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17
971号公報、特開平2−265672号公報に開示さ
れているような塗布液通液スリットを2個有する一つの
塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2−174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0035】本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が
塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)
が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支
持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電
防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散した
バックコート層形成塗料を塗布して設けられた層であ
る。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラック
を使用することができ、また結合剤としてはニトロセル
ロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレ
タン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用するこ
とができる。なお、非磁性支持体の磁性塗料およびバッ
クコート層形成塗料の塗布面に接着剤層が設けられいて
もよい。
【0036】塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性塗料
の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施し
た後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布
層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たと
えばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面
平滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によ
って生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率
が向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得
ることができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐
熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで
処理することもできる。
【0037】本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜
4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れ
た平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法
として、例えば上述したように特定の結合剤を選んで形
成した磁性層を上記カレンダー処理を施すことにより行
われる。カレンダー処理条件としては、カレンダーロー
ルの温度を60〜100℃の範囲、好ましくは70〜1
00℃の範囲、特に好ましくは80〜100℃の範囲で
あり、圧力は100〜500Kg/cmの範囲であり、
好ましくは200〜450Kg/cmの範囲であり、特
に好ましくは300〜400Kg/cmの範囲の条件で
作動させることによって行われることが好ましい。得ら
れた磁気記録媒体は、裁断機などを使用して所望の大き
さに裁断して使用することができる。本発明の磁気記録
媒体の製造において、通常、カレンダー処理の後の工程
で熱処理を行うことができる。テープ直線性(オフトラ
ックマージン確保)の観点で熱収縮率を下げることが、
最近の高密度磁気記録テープで重要になりつつある。特
に、狭トラック化に伴い、使用環境下で、MD方向(長手方
向) 0.07%以下の収縮率に抑える必要が出てきた。熱収
縮率低減手段として、低テンションでハンドリングしな
がら、ウエッブ状で熱処理する方法と、バルクまたはカ
セットに組み込んだ状態などテープが積層した形態で熱
処理する方法(サーモ処理) がある。前者は、バック面
の突起写りの影響が少ないが、熱収縮率を大きく下げる
ことができない。アニール温度、滞在時間及びテープ
厚、ハンドリングテンションによって多少変わるが、7
0℃、48hr後の熱収縮率で0.1〜0.12%が限
界である。後者のサーモ処理は熱収縮率を大幅に改善で
きるが、バック面の突起写りの影響を強く受けるため、
磁性層が面粗れし、出力低下及びノイズ増加を引き起こ
す。本願のポリウレタン樹脂を少なくとも最上層に使用
することで、高弾性で塑性変形の残りにくい磁性層にす
ることが可能なため、特に、サーモ処理を伴う磁気記録
媒体で、高出力、低ノイズの磁気記録媒体を供給するこ
とができる。本発明の磁気記録媒体は、70℃、48h
r後のMD方向の熱収縮率が0.12%以下である。こ
の場合の熱収縮率は、8mm巾×10cmのテープ片の
片側に0.2gの荷重をつけてつるし、70℃環境下に
48hr保存し、保存後のテープ長変化量を保存前のテ
ープ長(10cm)で割って求めたものである。
【0038】本発明のポリウレタン樹脂は、芳香族や脂
環族などの環状構造を含む短鎖ジオールを多く含むので
従来のポリウレタン樹脂に比べて、高強度、高Tgが得
られる。特に高温環境での繰り返し走行などに優れる。
また、短鎖ジオール含量が多いので実質的にポリウレタ
ン樹脂中のウレタン結合濃度が増加するので、更に高強
度、高Tgが得られる。また、従来のポリウレタン樹脂
では環状構造やウレタン結合濃度が増加すると溶剤への
溶解性が低下し、分散性が低下するが本発明のポリウレ
タンは溶剤への溶解性にも優れている利点がある。これ
は、本発明のポリウレタン樹脂には親水性のエ−テル基
が所定量含まれているので溶剤への溶解性を低下させず
にポリウレタンの磁性体への吸着がしやすくなるため、
かつ磁性体やその他の粉体表面に芳香族有機酸化合物を
有するので更に分散性が向上したと考えられる。また、
適度な延伸性も付与できるので磁性層が脆くならないの
で繰り返し走行性も低下しない利点もある。さらには、
短鎖ジオールに環状構造を持つのでウレタン結合近傍に
立体障害性が付与されるので分子間でのウレタン結合同
志の会合がしにくくなるためにウレタン結合濃度が高く
ても溶解性が低下しない利点を持つ。分子末端で分岐し
たOH基を更に含有すると末端以外のOH基に比べて、
運動性が高く、磁性体への吸着がしやすくなるために、
更に分散性が向上する作用をもつと考えられる。また、
一般的に用いられているイソシアネート系硬化剤との反
応性も向上するので、より高度な耐久性が得られた。
【0039】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を
さらに詳細に説明する。
【0040】
〔磁性液処方〕
強磁性金属粉末(Fe−Co合金) 100部 Co含有量:20重量%、Al:8重量%、Y:4重量% Hc:2300Oe、σS :140emu/g、SBET :52m2 /g、 長軸長:0.1μm、結晶子サイズ:160Å、pH:9 フェニルホスホン酸 3部 ポリウレタン樹脂(表1記載) (表2記載) 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン:MR110) (表2記載) カーボンブラック(平均粒子径:80nm) 1部 アルミナ(平均粒子径:0.2μm) 5部 ステアリン酸 0.5部 ブチルステアレート 1.2部 ポリイソシアネート (表2記載) 日本ポリウレタン製 コロネートL メチルエチルケトン 120部 シクロヘキサノン 120部 〔下層非磁性液処方〕 非磁性粉末 TiO2 100部 平均粒子径:35nm、SBET :40m2 /g、Alで表面処理、 TiO2 含有率:90重量%以上、 pH:7.5 フェニルホスホン酸 3部 ポリウレタン樹脂(表1記載) (表2記載) 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン:MR110) (表2記載) カーボンブラック(平均粒子径:20nm) 15部 アルミナ(平均粒子径:0.2μm) 10部 ステアリン酸 0.5部 ブチルステアレート 1.2部 ポリイソシアネート (表2記載) 日本ポリウレタン製 コロネートL メチルエチルケトン 120部 シクロヘキサノン 120部 〔バックコート層塗料〕 カーボンブラックA 100部 平均粒子径:15nm、SBET :350m2 /g DBP吸油量:150ml、pH:7 カーボンブラックB (表2記載) 平均粒子径:250nm、SBET :10m2 /g DBP吸油量:35ml、pH:10 ポリウレタン樹脂 30部 N2301(日本ポリウレタン社製) α−アルミナ(平均粒子径:0.2μm) (表2記載) 炭酸カルシウム 10部 ブチルステアレート 1部 オレイン酸銅 1部 メチルエチルケトン 400部 酢酸ブチル 300部 トルエン 300部 上記各成分を三本ロールで混練した後、サンドミルを用
いて分散させ、得られた分散液にポリイソシアネート2
0部とメチルエチレケトン1000部を加え、1μmの
平均孔径を有するフィルターを用い濾過し、バックコー
ト層塗料を調製した。
【0041】実施例1〜2、比較例1 磁性液処方の各成分を混練分散したあと、1μmの平均
孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料を調
製した。得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが1.2μm
になるように、厚さ5.2μmのポリエチレンナフタレ
ート支持体の表面にリバースロールを用いて塗布した。
磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未乾
燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行った。
さらにコイルバー塗布方式を用いバックコート層塗料を
支持体の反対面に塗布し、表3記載のバック面面性を得
た。さらに乾燥後、金属ロール−金属ロール−金属ロー
ル−金属ロール−金属ロール−金属ロール−金属ロール
の組み合わせによるカレンダー処理を速度100m/
分、線圧300Kg/cm、温度90℃)で行った後、
ロール状に巻き取り、70℃、48hrサーモ処理を行
い、その後、8mm幅にスリットした。
【0042】実施例3〜9、比較例2〜5 下層非磁性液処方の各成分を混練分散したあと、1μm
の平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、塗布液
を調製した。得られた塗布液を乾燥後の厚さが1.2μ
mとなるように、表2記載の厚さの非磁性支持体の表面
にリバースロールを用いて塗布し、更にその直後に磁性
塗料をその上に乾燥後の厚さが表2記載となるように、
同時重層塗布した。その後、実施例1と同様に処理して
各試料を得た。尚、サーモ処理の有無は表2記載の通り
である。以上のようにして得られた実施例および比較例
の磁気記録媒体の特性を下記の測定方法によって測定
し、その結果を表3に示す。 〔測定方法〕 1.B100およびB200:前記方法によった。 2.電磁変換特性(出力、C/N、振れ巾):試料テー
プにVTR(FUJIX8)を用いて7MHzの信号を
記録し、再生した。比較例1の基準テープに記録した7
MHzの再生出力を0dBとしたときのテープの相対的
な再生出力を測定した。同一バルク内のバルク芯側サン
プル、バルク外側サンプルをそれぞれ、10巻ずつ測定
し、平均値(出力)及び振れ巾を測定した。又、0.5
MHz離れた位置のノイズと7MHzのキャリア出力と
の比(C/N)を比較例1のテープを基準に相対的に測
定した。 3.熱収縮率:前記方法によった。 4.5000パス走行後ダメージ:上記信号を入力した
1分長の長さのテープをテープを室温下で5000パス
させた後のドロップアウトの増加数をシバソクドロップ
アウトカウンターにより、5μsec−18dBの条件
で計数する測定と5000パス走行後のテープエッジダ
メージをSEM(走査型電子顕微鏡)観察により確認し
た。 ◎:ドロップアウトの増加なし、エッジでの欠けも見ら
れない。 ○:ドロップアウトの増加は、50個/分以下、エッジ
にいくらかの欠けがある。 △:ドロップアウトの増加は、100個/分以下、エッ
ジにいくらか欠けがある。 ×:ドロップアウトの増加は、100個/分以下、エッ
ジに欠けがある。 ××:ドロップアウトの増加は、1000個/分以上、
エッジに欠けがある。 5.10パス目詰まり:SONY、EV−C45、デッ
キ8台で120長テープを記録後、10パス走行させ
て、RF出力低下が30秒以内3dB落ちた回数をカウ
ントした。 ○:5回以内、△:10回未満、×:10回以上又は3
0秒以上の出力落ちがあった場合 6.バックμ値(摩擦係数):4mmφのSUS420
Jに180度の角度でテープを渡し、荷重を20g、秒
速14mmで摺動させて、オイラーの式に基づいて摩擦
係数を求めた。 μ=(1/π)ln(T2 /10) T2 :摺動抵抗値
(g) 尚、最初に渡したとき(1P)と1000回テープを渡
したとき(1000P)の両方の摩擦係数を示し、その
増減を示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】表1〜3より、非磁性支持体のバック面面
性が本発明範囲である比較例も、磁性層に本発明のポリ
ウレタン樹脂を用いないと電磁変換特性及び走行耐久性
が実施例に比べ極めて劣る事が分かる。
【発明の効果】本発明のポリウレタン樹脂および特定の
バック面面性を有する磁気記録媒体は、強磁性粉末やそ
の他の粉体の分散性が一層向上するため、表面性が更に
改善されて電磁変換特性が向上し、また塗膜靱性が高
く、サーモ処理によるバック面突起の転写の影響を少な
くすると共に出力の振れ巾を低減して、従来よりも更に
電磁変換特性及び走行耐久性を改善することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中
    に分散してなる磁性層を設けた磁気記録媒体または前記
    磁性層と前記非磁性支持体の間に更に無機粉末と結合剤
    とを含む下層塗布層を設けた磁気記録媒体において、前
    記磁性層中の結合剤または前記下層塗布層中の結合剤の
    少なくとも一つの結合剤が環状構造とエーテル基とを含
    むポリウレタン樹脂であり、少なくとも前記磁性層中に
    は該ポリウレタン樹脂を含み、かつ前記磁気記録媒体の
    前記磁性層を設けた面とは反対側の非磁性支持体の面、
    または前記磁性層を設けた面とは反対側の非磁性支持体
    の上に設けたバックコート層の面の原子間力顕微鏡(A
    FM)で測定した表面突起が以下の範囲であることを特
    徴とする磁気記録媒体。〔100μm角に高さ100n
    m以上の突起数(B100)が、50個≦B100≦3
    000個存在する。〕
  2. 【請求項2】 前記磁性層の全結合剤に対する前記ポリ
    ウレタン樹脂の含有量が10〜100重量%であること
    を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記ポリウレタン樹脂は、ジオールと有
    機ジイソシアネートを主要原料とした反応生成物である
    ポリウレタン樹脂からなり、環状構造を有する短鎖ジオ
    ール単位をポリウレタン樹脂中に17〜40重量%含
    み、かつポリウレタン樹脂全体に対して、エーテル基を
    1.0〜5.0mmol/gを含む長鎖ジオール単位を
    ポリウレタン樹脂中に10〜50重量%含む結合剤であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記磁性層の厚みが0.05〜0.5μ
    mであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に
    記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記磁気記録媒体の70℃、48hr後
    のMD方向の熱収縮率が0.12%以下であることを特
    徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】 前記磁気記録媒体の総厚みが、4〜9μ
    mであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に
    記載の磁気記録媒体。
JP22417096A 1996-08-26 1996-08-26 磁気記録媒体 Pending JPH1064041A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999038158A1 (fr) * 1998-01-21 1999-07-29 Fuji Photo Film Co., Ltd. Milieu d'enregistrement magnetique

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999038158A1 (fr) * 1998-01-21 1999-07-29 Fuji Photo Film Co., Ltd. Milieu d'enregistrement magnetique

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