JP2005351475A - ラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法及びラジアルニードル軸受 - Google Patents

ラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法及びラジアルニードル軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】 良質の保持器を安定して得られるラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法を実現する。
【解決手段】 金属板に打ち抜き加工と曲げ加工とを施す事により、リム部11から素柱部17、17を突出させた保持器素子18を造る。1対の保持器素子18、18のリム部11、11を同心に配置し、各素柱部17、17の円周方向の位相を一致させた状態で、これら各素柱部17、17の先端同士を突き合わせて溶接し、各柱部とする。面倒な加工を行なう事なく、上記各リム部11、11の真円度、これら各柱部の形状精度及び間隔の精度を良好にして、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法の改良に関し、良質の保持器を安定して得られる保持器とその製造方法を実現するものである。
自動車用変速機や各種機械装置の回転支持部のうち、大きなラジアル荷重が加わる部分にラジアルニードル軸受が組み込まれている。例えば自動車の自動変速装置を構成する遊星歯車式変速機は、特許文献1等に記載されて周知の様に、遊星歯車をキャリアに対し、ラジアルニードル軸受により回転自在に支持している。図12は、この様なキャリアに対し遊星歯車を回転自在に支持する、遊星歯車の回転支持装置の1例を示している。この図12に示した構造の場合、キャリア1を構成する互いに平行な1対の支持板2a、2bの円周方向複数個所に、特許請求の範囲に記載した内輪相当部材である支持軸3の両端部を支持固定している。そして、この支持軸3の中間部周囲に、特許請求の範囲に記載した外輪相当部材である遊星歯車4を、ラジアルニードル軸受5により、回転自在に支持している。
このラジアルニードル軸受5は、複数本のニードル6、6を、ラジアルニードル軸受用保持器である保持器7により転動自在に保持すると共に、上記支持軸3の中間部外周面を円筒状の内輪軌道8とし、上記遊星歯車4の内周面を円筒状の外輪軌道9として、上記各ニードル6、6の転動面を、これら内輪軌道8及び外輪軌道9に転がり接触させている。又、上記遊星歯車4の軸方向両端面と上記両支持板2a、2bの内側面との間に、それぞれフローティングワッシャ10a、10bを配置して、上記遊星歯車4の軸方向両端面と上記両支持板2a、2bの内側面との間に作用する摩擦力の低減を図っている。
上記ラジアルニードル軸受5を構成する上記保持器7は、例えば図13〜14に詳示する様に、軸方向(図12〜14の左右方向)に互いに間隔をあけて配置した、それぞれが円輪状である1対のリム部11、11と、複数本の柱部12、12とを備える。これら各柱部12、12は、円周方向に亙って間欠的に配置され、それぞれの両端部を上記両リム部11、11の互いに対向する内側面の外径寄り部分に連続させている。又、上記各柱部12、12は、軸方向中間部が径方向内方に向け台形状に折れ曲がった形状を有する。そして、円周方向に隣り合うこれら各柱部12、12の円周方向両側縁と上記両リム部11、11の互いに対向する内側面とにより囲まれる空間部分を、それぞれポケット13、13とし、これら各ポケット13、13に上記各ニードル6、6を、転動自在に保持している。
この様に構成する上記保持器7は、特許文献2等に記載されて従来から周知の様に、帯状の金属板(一般的には鋼板若しくはステンレス鋼板)を円筒状に丸めて成る。即ち、図示は省略するが、帯状の金属板にプレス加工を施す事により保持器として基本的な断面形状を有する第一段階の中間素材とした後、この第一段階の中間素材に剪断加工を施す事により上記各ニードル6、6を転動自在に保持する為のポケット13、13を打ち抜き成形し、第二段階の中間素材とする。更に、この第二段階の中間素材を所定長さに切断し、図15に示す様な第三段階の中間素材14とする。
そして、この第三段階の中間素材14を円筒状に丸め、両端部を突き合わせ溶接して、図13に示す様な保持器7とする。尚、図示の例の場合、上記保持器7の径方向位置を規制する為に、この保持器7の外周面を前記外輪軌道9(図12参照)に近接対向させている。そして、運転時には、この様に近接対向させた保持器7の外周面を上記外輪軌道9に案内(外輪案内)させる事で、この保持器7の径方向に関する位置決めを図り、振動や異音が発生する事を防止する様にしている。
又、上記保持器7は、上記各柱部12、12の両端部両側縁のうちの円周方向に関して互いに整合する位置に係止突部15、15を、これら各側面から円周方向に突出する状態で設けている。これら各係止突部15、15は、上記各ポケット13、13内に転動自在に保持する上記各ニードル6、6が、当該ポケット13、13から径方向外方に抜け出る事を防止する為のものである。即ち、上記各ニードル6、6を上記保持器7と共に、前記内輪軌道8及び外輪軌道9(図12参照)の間に組み付ける際に、これら各ニードル6、6を上記各ポケット13、13内に、径方向に抜け出るのを阻止した状態で保持する必要がある。
この為に、上記各ポケット13、13の開口部で上記各ニードル6、6のピッチ円よりも外径側部分に上記各係止突部15、15を、互いに対向する状態で設けると共に、これら各係止突部15、15の先端縁同士の間隔D15(図13参照)を、上記各ニードル6、6の外径D6 (図12参照)よりも小さくしている(D6 >D15)。又、これと共に、上記各柱部12、12の中間部で上記各ニードル6、6のピッチ円よりも内径側に位置する内径側係止部16、16の互いに対向する側縁同士の間隔D16(図13参照)も、上記各ニードル6、6の外径D6 よりも小さくしている(D6 >D16)。
上記各ニードル6、6を上記各ポケット13、13に保持するには、これら各ニードル6、6をこれら各ポケット13、13に、上記保持器7の内径側から押し込む。この際、上記各ニードル6、6により上記内径側係止部16、16の側縁同士の間隔D16を弾性的に広げて、これら各ニードル6、6をこれら側縁同士の間を通過させる。この様にしてこれら各ニードル6、6を上記各ポケット13、13に保持した状態で、これら各ニードル6、6は、上記各係止突部15、15により前記保持器7の径方向外方に、上記各柱部12、12の内径側係止部16、16の側縁により同じく径方向内方に、それぞれ抜け出る事を防止される。尚、図示は省略するが、各ニードルを各ポケットに、保持器の外径側から組み込む場合もある。又、上記各係止突部15、15や上記各内径側係止部16、16を持たない保持器もある。
従来から知られている上述の様な構造を有する金属板製のラジアルニードル軸受用保持器の場合、形状精度を良好にする事が難しく、必ずしも良好な性能を得る事が難しかった。この理由は、図15に示す様な中間素材14を円筒状に丸めて両端部同士を突き合わせ溶接する事により、図12〜14に示す様な保持器7としている為、次の(1) 〜(5) の様な理由で、形状が悪化する為である。
(1) 上記中間素材14を円筒状に丸めて両端部同士を突き合わせ溶接した部分の曲率と、他の中間部分の曲率とを一致させる事が難しく、1対のリム部11、11の真円度が悪化する。
(2) 上記中間素材14の長さ方向(図15の上下方向)中間部に関しても、柱部12、12との連続部の剛性と、これら各連続部同士の間部分の剛性とが異なる為、上記両リム部11、11を正しく円形にする事が難しい。具体的には、上記各連続部が直線状で上記各間部分が円弧状である、略多角形状になる。
(3) 上記中間素材14を丸めても上記各柱部12、12となる部分の断面形状は直線状のままとなる。
(4) 円周方向に隣り合う柱部12、12同士の間隔が微妙に異なり易く、異なった場合には、ポケット13、13の幅寸法が不同になる。
(5) 保持器7の断面形状を、図12〜14に示す様な略M字形とする場合、上記中間素材14を丸める過程で、上記両リム部11、11の影響により、上記各柱部12、12の形状が微妙に歪み易い。
従来から知られているラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法の場合には、上述の(1) 〜(5) の様な理由で形状が悪化する場合があり、その結果、上記各ポケット13、13内にニードル6、6を組み込みにくくなったり、逆に、組み込んだニードル6、6が不用意に脱落する可能性があった。勿論、図13に示す様に組み立てた保持器7に、形状を矯正する為の処理を施す事で、上述の様な不都合を防止できるが、その分、コストが嵩む為、好ましくない。又、上述の様な断面略M字形の保持器7を得る為、帯状金属板から図15に示す様な中間素材14を造る作業が面倒で、コストが嵩む原因となっている。
尚、特許文献3には、軸方向に2分割したラジアルニードル軸受用保持器の関する発明が記載されているが、2分割したまま接合しない構造であり、本願発明が対象としている構造とは基本的に異なる。
特開2002−235841号公報 特開平8−270658号公報 特開2004−28134号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、良質の保持器を安定して得られるラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法を実現すべく発明したものである。
本発明のラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法及びラジアルニードル軸受のうち、請求項1に記載したラジアルニードル軸受用保持器は、前述の特許文献1に記載される等により従来から知られているラジアルニードル軸受用保持器と同様に、金属板により造られたものである。そして、軸方向両端部に互いに平行に設けられた、それぞれが円環状である1対のリム部と、これら両リム部同士の間に掛け渡される状態で設けられた複数の柱部とを備え、円周方向に隣り合う柱部と上記両リム部とにより四周を囲まれる部分を、それぞれニードルを転動自在に保持する為のポケットとしている。
特に、請求項1に記載したラジアルニードル軸受用保持器に於いては、上記各柱部は、上記両リム部のうちの何れかのリム部にそれぞれの基端部を連続させた素柱部の先端部同士を結合する事により構成されたものである。
又、請求項6に記載したラジアルニードル軸受は、外周面に円筒形の内輪軌道を設けた内輪相当部材と、内周面に円筒形の外輪軌道を設けた外輪相当部材と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数本のニードルと、これら各ニードルを転動自在に保持する保持器とを備える。
特に、請求項6に記載したラジアルニードル軸受に於いては、上記保持器が、上述した請求項1に記載したラジアルニードル軸受用保持器である。
更に、請求項7に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法は、先ず、金属板に曲げ加工及び打ち抜き加工を施す事により、円環状のリム部と、このリム部にそれぞれの基端部を連続させた複数本の素柱部とを備えた保持器素子とする。その後、1対の保持器素子のリム部を互いに同心に配置すると共に、上記各素柱部の先端部同士を結合する。
上述の様に構成する本発明のラジアルニードル軸受用保持器とその製造方法及びラジアルニードル軸受によれば、矯正作業等、特に面倒な加工を要する事なく、1対のリム部及び各柱部の形状精度を正確に規制できる。そして、各ポケット内へのニードルの組み込みの容易化と、一度組み込んだニードルの脱落防止とを十分に図れる。
請求項1に記載した発明を実施する場合に好ましくは、例えば請求項2に記載した様に、互いの先端部同士を結合する各素柱部の先端縁のうちの一方を凹曲縁とすると共に他方をこの凹曲縁と係合する凸曲縁とする。そして、リム部の円周方向に関する上記各素柱部同士の位相を合わせた状態でこれら各素柱部の先端縁同士を突き合わせ、これら各素柱部の突き合わせ部を溶接する。
或は、請求項3に記載した様に、各素柱部の先端縁を、リム部の円周方向に関して交互に逆方向に且つ同じ角度で傾斜させる。そして、同方向に傾斜した先端縁同士を突き合わせる事により、この円周方向に関する上記各素柱部同士の位相を合わせた状態で、これら各素柱部の先端縁同士の突き合わせ部を溶接する。
この様に構成する事により、上記各柱素部の位相を正しく一致させて、良質の保持器を容易に得られる。
更には、請求項4に記載した様に、各素柱部の先端部同士を、一方の素柱部の先端部内周面と他方の素柱部の先端部外周面とに設けた凹凸係合部を凹凸係合させる事により互いに結合する事もできる。
この様な構成を採用すれば、例えば使用回転速度が低く、各素柱部に作用する遠心力が限られている場合には、これら各素柱部の先端同士の溶接を省略する事もできる。
又、請求項5に記載した様に、上記各素柱部の先端部同士の接合部を、各ポケット内に保持されたニードルが接触しない位置に設ければ、この接合部がニードルの転動面を傷める事を防止できる。
一方、請求項7に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法を実施する場合に好ましくは、例えば請求項8に記載した様に、先ず、円形の素板の一部に打ち抜き加工を施す事により、リム部となるべき円環部と、この円環部の外周縁の等間隔複数個所から径方向外方に延出する、素柱部となるべき舌片とを形成する。その後、上記円環部の外径寄り部分をこれら各舌片と共にこの円環部の軸方向に折り曲げて、これら各舌片を素柱部とする。
或は、請求項9に記載した様に、先ず、円形の素板の一部に打ち抜き加工を施す事により、リム部となるべき部分の内径側となる円孔とこの円孔の周囲に円周方向に関して等間隔に配置された複数の下孔部とを形成する。その後、これら円孔と下孔部との間部分を全周に亙り一方向に折り曲げて、上記リム部となるべき部分にその基端部を連続させた円筒部を形成する。次いで、この円筒部の一部で円周方向に関する位相が上記各下孔部と一致する部分を、これら各下孔部からこの円筒部の先端縁に亙って除去する事により、円周方向に関して除去した部分の間部分を各素柱部とする。
この様に構成すれば、優れた形状精度及び寸法精度を有するリム部と素柱部とを備えた部材を、容易且つ低コストで造れる。
又、請求項7に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法を実施する場合に好ましくは、請求項10に記載した様に、先ず、素板の一部に打ち抜き加工を施す事により、第一中間素材を造る。この第一中間素材は、径方向中心部にリム部となるべき部分の内径よりも小さな内径を有する非円形の下孔を、径方向中間部にこのリム部となるべき部分及び各素柱部の基半部同士の間の空間となるべき部分に存在する余肉部を、径方向外端部の円周方向複数個所に上記各素柱部の先半部となるべき舌片の先半部を、それぞれ形成したものとする。
その後、上記第一中間素材のうちの径方向中間部を、更にその径方向中間位置で全周に亙り曲げ形成して当該部分を、円輪部と円筒部とから成る断面形状L字形とする事により、第二中間素材とする。
次いで、この第二中間素材に設けた上記円筒部の一部で、上記各素柱部の基半部同士の間の空間となるべき部分に存在する上記各余肉部を径方向外方に押し広げる。そして、これら各余肉部の円周方向両端縁部と上記各素柱部の基半部の円周方向両端縁部とを切り離す事により、上記各素柱部となるべき複数の舌片を形成して、第三中間素材とする。
次いで、この第三中間素材の上記各余肉部を径方向外方に押し広げつつ、上記円筒部の端縁で上記各舌片同士の間に露出する部分に面押し加工を施すと共に、この円筒部と上記円輪部との連続部の曲率半径を小さくして、第四中間素材とする。
次いで、上記各余肉部を上記円筒部の先端縁から切除すると共に、中心部にリム部となるべき部分の内径に一致する円孔を打ち抜いて、第五中間素材とする。
更に、この第五中間素材のうちの上記各舌片を曲げ加工して、上記各素柱部を有する保持器素子とする。
この様に構成すれば、保持器のうちでニードルの転動面或いは軸方向端面と接触する面の性状を良好にできる他、リム部を構成する円筒部と円輪部との連続部の曲率半径を小さくできる。この為、ニードルの表面に有害な傷等の損傷を生じにくくでき、しかも、保持器の軸方向寸法を小さく抑えられる。
上述の様な請求項10に記載した発明を実施する場合に、更に好ましくは、請求項11に記載した様に、上記第一中間素材を上記第二中間素材とする際、上記円筒部の円周方向一部で各素柱部の円周方向両端縁をほぼ延長した位置に、円周方向に関する段差部を形成する。そして、この段差部の存在により、上記円筒部の外周面の一部で上記各素柱部の基半部を延長した部分の外周面を、上記円筒部の他の部分の外周面よりも径方向内方に位置させる。
この様に構成すれば、各素柱部から構成される各柱部の軸方向両端部でリム部の円輪部と隣接する部分を、各ニードルの転動面に近接(摺接)させる事ができる。そして、これら各ニードルの姿勢を安定させ(スキューを防止し)て、ラジアルニードル軸受の性能向上を図れる。
又、上述の様な請求項10〜11に記載した発明を実施する場合に、更に好ましくは、請求項12に記載した様に、第三中間素材の円筒部の端縁で各舌片同士の間に露出する部分に面押し加工を施して第四中間素材とし、更に各余肉部を上記円筒部の先端縁から切除して第五中間素材とした状態で、上記各舌片同士の間に露出する部分で上記円筒部を消滅させる。そして、各ニードルの軸方向端面が当接する部分を円輪部の内側面と同一平面上に位置させる。
この様に構成すれば、上記各ニードルの軸方向端面を上記円輪部の内側面位置に迄変位させる事が可能になる。言い換えれば、これら各ニードルの軸方向端面と円輪部の内側面との間に、余分な空間が介在する事を防止できて、ラジアルニードル軸受の軸方向寸法の短縮による小型・軽量化を図れる。
図1〜2は、請求項1、7、8に対応する、本発明の実施例1を示している。尚、本実施例のラジアルニードル軸受用保持器の完成状態での形状は、前述の図12〜14に示した従来構造とほぼ同様になる。完成状態での形状の相違は、中心軸に直交する仮想平面に関する、各柱部12、12(図12〜14参照)の断面形状のみとなる。本実施例の特徴は、これら各柱部12、12を、それぞれ1対ずつの素柱部17、17の先端縁同士を突き合わせ、この突き合わせ部を溶接する事により構成した点にある。そして、この様な構成を採用する事により、1対のリム部11、11の真円度を初めとする、各部の形状精度並びに寸法精度を向上させると共に、上記仮想平面に関する上記各柱部12、12の断面形状を円弧形としている。
この為に本実施例の場合には、金属板に曲げ加工及び打ち抜き加工を施す事により1対の保持器素子18、18を造る。この保持器素子18、18はそれぞれ、円環状のリム部11と、このリム部11にそれぞれの基端部を連続させた上記複数本の素柱部17、17とを備えている。本実施例の場合には、図2の様にして、この様な保持器素子18を造る。先ず、この保持器素子18の製造方法に就いて説明する。尚、上記図2(及び後述する図7、8)では、上記各素柱部17、17、並びに、これら各素柱部17、17を造る為の舌片22、22の円周方向に関するピッチを、実際よりも短く描いている。
始めに、原材料となる鋼板或はステンレス鋼板等に打ち抜き加工を施す事により、図2の(A)に示す様な円形の素板19を得る。
次いで、この素板19の一部に打ち抜き加工を施す事により、図2の(B)に示す様な第一中間素材20を得る。即ち、上記素板19の中心部を円形に打ち抜くと共に、径方向中間部から外周縁部に達する部分を切り欠き状に打ち抜く事により、中心部に上記リム部11となるべき円環部21を形成すると共に、この円環部21の外周縁の等間隔複数個所から径方向外方に延出する、上記各素柱部17、17となるべき舌片22、22を形成する。これら各舌片22、22には、上記各柱部12、12を組み立てた状態で係止突部15、15(図1、13〜14参照)となる突部を形成している。
上記第一中間素材20には、次いで、図2の(C)に示す様な段付加工を施して、第二中間素材23とする。この第二中間素材23は、上記第一中間素材20の一部で上記各舌片22、22の中間部を、クランク型に曲げ形成したものである。この様な加工は、完成品となる保持器7の断面形状を、図12〜14に示す様な略M字形とする事に対応して行なうものである。この際、上記各舌片22、22にもプレス加工を施して、これら各舌片22、22の断面形状を円弧形とする。この円弧形の曲率半径は、これら各舌片22、22から上記各柱部12、12を組み立てた状態で、これら各柱部12、12が単一仮想円筒状空間内に存在する様に規制する。この様に、上記第一中間素材20から上記第二中間素材23を得る加工は、プレス加工機にセットした上下1対の金型同士の間で上記第一中間素材20を押圧する事により、容易に、且つ高精度に行なえる。
上記第二中間素材23には、次いで、図2の(D)に示す様な絞り・曲げ加工を施して、前記保持器素子18とする。この絞り・曲げ加工は、前記円環部21の外径寄り部分を上記各舌片22、22と共に、この円環部21の軸方向(図2の下段図面の上方)に、これら各舌片22、22同士が互いに平行になるまで、全周に亙り直角に折り曲げる事により行なう。この様な絞り・曲げ加工により、上記第二中間素材23が前記保持器素子18となり、上記各舌片22、22は、上記各素柱部17、17となる。
本実施例の保持器を造るには、それぞれが上述の様にして得られた1対の保持器素子18、18を、図1に示す様に互いのリム部11、11同士を同心に配置すると共に、互いの素柱部17、17同士の円周方向の位相を一致させた状態に配置する。この作業は、上記両保持器素子18、18を組立装置に設けた1対の把持部(フィンガ)で掴んだ状態で行なう。これら両把持部は互いに同心に設けられており、回転方向に関する位相を調節自在であるから、上記両保持器素子18、18のリム部11、11同士を同心に配置すると共に、互いの素柱部17、17同士の位相を一致させる作業は、容易に且つ高精度で行なえる。
上記両保持器素子18、18を上述の様に配置したならば、これら両保持器素子18、18を互いに近づけ合って、上記各素柱部17、17の先端部同士を突き合わせ、この突き合わせ部を溶接して、上記両保持器素子18、18を結合固定する。この溶接作業の為、上記各素柱部17、17の先端縁に開先(面取り)を形成しておく事もできる。互いの先端部同士を突き合わせ更に溶接した上記各素柱部17、17は、前記各柱部12、12となる。そして、円周方向に隣り合う各柱部12、12と上記両リム部11、11とにより囲まれた部分が、それぞれポケット13、13(図12〜14参照)となる。
尚、上記各素柱部17、17の先端部同士の突き合わせ溶接部には、微小な段差が形成される可能性がある等、上記各柱部12、12の円周方向両側縁の中央部を完全に滑らかにする為には仕上加工を施す必要がある。但し、この様な仕上加工を施すと、保持器の製造コストが嵩む為、好ましくない。一方、上記各柱部12、12の円周方向両側縁は、上記各ポケット13、13内に保持したニードル6、6(図12参照)の転動面と、その全長に亙って係合(接触)する必要はない。そこで、上記各素柱部17、17の基端部乃至中間部に比べて先端部の幅を狭くすると共に、溶接を上記各ニードル6、6と対向しない外周面側に施す等により、上記突き合わせ溶接部分がこれら各ニードル6、6の転動面と接触しない様にする事が好ましい。この様に構成すれば、上記突き合わせ溶接部に仕上加工を施さなくても、上記各ニードル6、6の転動面の一部と、この突き合わせ溶接部に存在する微小突部とが擦れ合い、この転動面を損傷する事を防止できる。
上述の様に構成し造られる、本実施例のラジアルニードル軸受用保持器の場合には、形状精度を良好にする事が容易で、この保持器を組み込んだラジアルニードル軸受の性能を良好にできる。この理由は、次の(1) 〜(5) の通りである。
(1) 両リム部11、11となるべき前記両保持器素子18、18の円環部21を、平板状の前記素板19を打ち抜く事により造るので、この円環部21から造られる上記両リム部11、11の真円度を良好にできる。
(2) 前記第二中間素材23から上記保持器素子18を造るべく、上記円環部21の径方向中間部外径寄り部分を全周に亙り直角に折り曲げる作業は、プレス加工機等を使用して大きな力で行なえる。この為、上記両リム部11、11を正しく円形にする事が容易で、得られた保持器素子18全体を、多角形状ではない、正確な円形にできる。
(3) 上記各柱部12、12となるべき上記各素柱部17、17の断面形状を予め湾曲させておけるので、これら各柱部12、12部分の断面形状も円弧形にできる。
(4) 円周方向に隣り合う柱部12、12同士の間隔を厳密に一致させる事ができ、これら各柱部12、12同士の間に設けられるポケット13、13の幅寸法を正確に一致させる事ができる。
(5) 保持器7の断面形状を略M字形とする場合でも、上記各素柱部17、17の形状が、上記リム部11の加工時に歪む事がない為、これら各素柱部17、17により造られる上記各柱部12、12の形状が歪む事もない。
本実施例の場合には、上述の(1) 〜(5) の様な理由で、優れた形状精度及び寸法精度を得られる為、低コストで造れるにも拘らず、上記各ポケット13、13内に上記各ニードル6、6を組み込みにくくなったり、逆に、組み込んだこれら各ニードル6、6が不用意に脱落する事を防止できる。
図3は、請求項1、2、7に対応する、本発明の実施例2を示している。本実施例の場合には、互いの先端部同士を結合する各素柱部17a、17bの先端縁のうちの一方を凹曲縁24とすると共に、他方をこの凹曲縁24と係合する凸曲縁25としている。これら凹曲縁24と凸曲縁25との曲率は互いに同じとして、これら両曲縁24、25同士が密に係合する様にしている。そして、1対の保持器素子18、18のリム部11、11(図1参照)の円周方向に関する上記各素柱部17a、17b同士の位相を合わせた状態でこれら各素柱部17a、17bの先端縁同士を突き合わせ、これら各素柱部17a、17bの突き合わせ部を溶接する様にしている。
本実施例の場合には、上述の様に構成する事で、上記各素柱部17a、17bの位相を正しく一致させ易くして、良質の保持器を容易に得易くしている。その他の構成及び作用は、上述した実施例1と同様である。
図4は、請求項1、3、7に対応する、本発明の実施例3を示している。本実施例の場合には、各保持器素子18、18を構成する各素柱部17c、17dの先端縁を、それぞれリム部11、11(図1参照)の円周方向に対して傾斜した傾斜縁26a、26bとしている。これら各傾斜縁26a、26bは、上記リム部11、11の円周方向に関して交互に、逆方向に、且つ同じ角度で傾斜している。そして、同方向に傾斜した先端縁同士を突き合わせる事により、上記円周方向に関する上記各素柱部17c、17d同士の位相を合わせた状態で、これら各素柱部17c、17dの先端縁同士の突き合わせ部を溶接している。
本実施例の場合も、上述の様に構成する事により、上記各素柱部17c、17dの位相を正しく一致させ易くして、良質の保持器を容易に得易くしている。その他の構成及び作用は、上述した実施例1と同様である。
図5〜6は、請求項1、4、7に対応する、本発明の実施例4を示している。本実施例の場合には、各保持器素子18、18を構成する各素柱部17e、17fの先端部同士を凹凸係合させる事で、これら各素柱部17e、17fを結合している。この為に本実施例の場合には、一方の素柱部17eの先端部内周面に係合凹部27を、他方の素柱部17fの先端部外周面に係合凸部28を、それぞれ形成している。これら係合凹部27及び係合凸部28はそれぞれ、上記各保持器素子18、18を形成する際{例えば、図2の(C)に示した第二中間素材23を造る際}に、原材料となる金属板の一部を塑性変形させる事により形成する。
それぞれの先端部に上記係合凹部27或は係合凸部28を形成した、上記各素柱部17e、17fを備えた1対の保持器素子18、18は、軸方向に近づけ合う事で、上記係合凹部27と上記係合凸部28を凹凸係合させる事により互いに結合する。上記係合凹部27及び係合凸部28はそれぞれ、径方向から見た形状が、円弧形である。従って、これら係合凹部27と係合凸部28とを凹凸係合させた状態で上記各素柱部17e、17fは、軸方向に離れない様に連結されると同時に、円周方向にずれ動く事も防止される。
この様な構成を採用すれば、例えば使用回転速度が低く、各素柱部17e、17fに作用する遠心力が限られている場合には、これら各素柱部17e、17fの先端同士の溶接を省略する事もできる。その他の構成及び作用は、上述した実施例1と同様である。
図7は、請求項8に対応する、本発明の実施例5を示している。本実施例並びに次述する実施例6、7は、保持器素子18の製造方法に関するものである。造るべき保持器素子18の形状、構造、及び、得た保持器素子18の結合固定方法に関しては、実施例1〜4の何れでも良い。
本実施例の場合も、先ず図7の(A)に示す様な円形の素板19の一部に打ち抜き加工を施す事により、同じく(B)に示す様な第一中間素材20を造る。この第一中間素材を造るまでの工程は、前述した実施例1の場合と同様である。
本実施例の場合には、上記第一中間素材20に絞り加工を施す事により、この第一中間素材20の径方向中間部内径寄り部分(円環部21の径方向外径寄り部分)を全周に亙り直角に曲げ形成して、図7の(C)に示す様な第二中間素材29とする。そして、この第二中間素材29に、各舌片22、22の中間部をクランク型に曲げ形成して素柱部17、17とする為のアンダカット成形を施し、図7の(D)に示す様な保持器素子18とする。
図8は、請求項9に対応する、本発明の実施例6を示している。
本実施例の場合には、先ず図8の(A)に示す様な円形の素板19の一部に、同じく(B)に示す様な打ち抜き加工を施す事により、リム部となるべき部分の内径側となる円孔30と、この円孔30の周囲に円周方向に関して等間隔に配置された複数の下孔部31、31とを形成して、第一中間素材32とする。
その後、この第一中間素材32に絞り加工を施す事により、上記円孔30と下孔部31、31との間部分を全周に亙り一方向に直角に折り曲げて、上記リム部となるべき部分にその基端部を連続させた円筒部33を形成し、図8の(C)に示す様な第二中間素材34とする。
次いで、上記円筒部33の一部で円周方向に関する位相が上記各下孔部31、31と一致する部分を、これら各下孔部31、31から上記円筒部33の先端縁に亙って除去すると共に、円周方向に関して除去した部分の間部分の中間部をクランク型に折り曲げて各素柱部17、17とし、図8の(D)に示す様な保持器素子18とする。
図9〜10は、請求項10に対応する、本発明の実施例7を示している。
本実施例の場合には、先ず第一工程で、図9の(A)に鎖線で示した素板35の一部に、プレスによる打ち抜き加工を施す事により、同じく実線で示した第一中間素材36を造る。この第一中間素材36は、径方向中心部に、正方形、三角形、欠円形等の非円形の下孔37を有する。非円形とする理由は、続く工程での、回転方向に関する位置決め(割り出し)を容易にする為である。上記下孔37の内径(外接円の直径)は、リム部38{図10の(F)参照}となるべき部分の内径よりも小さい。又、上記第一中間素材36の径方向中間部には、上記リム部38となるべき部分、及び、各素柱部17g、17g{図10の(F)参照}の基半部(このリム部38側の半部)同士の間の空間となるべき部分に存在する余肉部39、39{図9の(A)で鎖線により三方を囲まれた部分}を設けている。更に、上記第一中間素材36の径方向外端部の円周方向複数個所に、上記各素柱部17g、17gの先半部(このリム部38と反対側の半部)となるべき、舌片の先半部40、40を、それぞれ形成している。
上記第一工程に続いて行なう第二工程では、上記第一中間素材36のうちの径方向中間部を、絞り加工等により、更にその径方向中間位置で全周に亙り、同一の方向に直角に曲げ形成する。そして当該部分を、円輪部41と円筒部42とから成る断面形状L字形とする事により、図9の(B)に示す様な第二中間素材43とする。この第二中間素材43を形成した状態で、上記各舌片の先半部40、40は、互いに平行になる。
上記第二工程に続いて行なう第三工程では、上記第二中間素材43に設けた上記円筒部42の一部で上記各素柱部17g、17gの基半部同士の間となるべき各余肉部39、39を径方向外方に押し広げて、これら各余肉部39、39の円周方向両端縁部と上記各素柱部17g、17gの基半部の円周方向両端縁部とを切り離す、切り裂き加工を行なう。この切り裂き加工は、上記第二中間素材43の外周面を、上記各余肉部39、39に見合う凹部を有するダイ(受型)に当接させ、同じく内周面を、これら各余肉部39、39に見合う凸部を有するパンチ(押型)により径方向外方に強く押圧する事により行なう。この様な切り裂き加工により、上記各余肉部39、39の円周方向両端縁と上記各素柱部17g、17gの基半部の円周方向両端縁部とが切り裂かれ(剪断され)て、図9の(C)に示す様な第三中間素材44とする。この第三中間素材44には、上記各素柱部17g、17gとなるべき、互いに平行な複数の舌片45、45が形成されている。
上記第三工程に続いて行なう第四工程では、上記第三中間素材44に設けた上記舌片45、45同士の間に、例えば櫛歯状の押圧治具に設けた、複数の押圧部を差し込む。そして、これら各押圧部により、上記円筒部42の一部で円周方向に隣り合う上記各舌片45、45同士の間部分を、上記円輪部41に向け押圧する。この押圧作業により上記各余肉部39、39が、径方向外方に押し広げられる。同時に、上記円筒部42の端縁で上記各舌片45、45同士の間に露出する部分に面押し加工が施されて、この部分の面精度が向上する。更に、上記円筒部42を上記円輪部41に向け、軸方向に押圧する事により、これら円筒部42と円輪部41との連続部の曲率半径が小さくなる(折れ曲がり部が角ばる)。これらにより、図10の(D)に示す様な、第四中間素材46を得られる。
上記第四工程に続いて行なう第五工程では、未だ上記第四中間素材46の外周面部分に残っている上記各余肉部39、39を、トリミング加工により上記円筒部42の先端縁から切除する。又、このトリミング加工と前後して(或いは同時に)、上記円輪部41の中心部に、前記リム部38となるべき部分の内径に一致する円孔47を、ピアス加工等により打ち抜く。これらにより、図10の(E)に示す様な、リム部38を構成する上記円筒部42の先端縁から、互いに平行な複数本の舌片45、45を延出した、第五中間素材48を得る。
上記第五工程に続いて行なう第六工程では、上記第五中間素材48のうち、上記各舌片45、45を曲げ加工して、前記各素柱部17g、17gとする。即ち、これら各舌片45、45の中間部をクランク型に曲げ形成する為のアンダカット成形を施して、これら各舌片45、45を上記各素柱部17g、17gとし、図10の(F)に示す様な保持器素子18とする。この様にして得られた保持器素子18は、前述した各実施例の場合と同様に、1対の保持器素子18のリム部38を互いに同心に配置すると共に上記各素柱部17g、17gの先端部同士を結合して、ラジアルニードル軸受用の保持器とする。
特に、本実施例の製造方法によれば、上記保持器素子18を組み合わせる事により得られる保持器のうちで、ニードルの転動面或いは軸方向端面と接触する面を、前記第四工程で、押圧治具の押圧部により押圧する(面押しする)為、この面の性状を良好にできる。この為、ニードルの表面に有害な傷等の損傷を生じにくくできる。又、上記第四工程で、上記リム部38を構成する、前記円筒部42と前記円輪部41との連続部の曲率半径を小さくできる為、上記保持器の軸方向寸法を小さく抑えられる。この結果、この保持器を組み込んだラジアルニードル軸受の性能(耐久性、低トルク性)向上を図れるだけでなく、小型・軽量化も図れる。
図11は、請求項11に対応する、本発明の実施例8を示している。本実施例の場合には、上述した実施例7の実施過程で、前述の図9の(A)に示した平板状の第一中間素材36に絞り加工を施して、同図の(B)に示した第二中間素材43とする際に、円筒部42の円周方向一部に、段差部49a、49bを形成する。これら各段差部49a、49bは、互いに逆方向に折れ曲がった段差部49a、49bが1組となって、各素柱部17gの基端部をリム部38の径方向内方に変位させている。即ち、上記各段差部49a、49bは、上記各素柱部17gの円周方向両端縁をほぼ延長した位置に形成されている。そして、これら各段差部49a、49bの存在により、上記円筒部42の外周面の一部で上記各素柱部17gの基半部を延長した部分の外周面が、この円筒部42の他の部分外周面よりも、ほぼこの円筒部42の板厚分だけ、径方向内方に位置している。
本実施例の場合、この様な構成により、上記各素柱部17gから構成される各柱部の軸方向両端部で上記リム部38の円輪部41と隣接する部分、即ち、上記各段差部49a、49bにより上記円筒部42の内周面側に形成される各傾斜面50a、50bを、各ニードルの転動面に近接(摺接)させられる様にしている。この為、これら各ニードルの姿勢を安定させ(スキューを防止し)て、ラジアルニードル軸受の性能向上を図れる。
又、図示は省略するが、前述の様な実施例7、或いは上述の様な実施例8を実施する場合に、図10の(E)に示した第五中間素材48を得た状態で、各舌片45、45同士の間に露出する部分で、円筒部42を消滅させる事もできる。この部分でこの円筒部42を消滅させた場合には、保持器として組み立てた状態で、各ニードルの軸方向端面が当接する部分が、円輪部41の内側面と同一平面上に位置する。尚、上記部分で上記円筒部42を消滅させるには、図9の(C)に示した第三中間素材44の円筒部42の端縁で各舌片45、45同士の間に露出する部分に面押し加工を施す際に、上記部分を押し潰し切るか、或いは、図10の(D)に示した第四中間素材46から各余肉部39、39切除して、図10の(E)に示した第五中間素材48とする際に、上記円筒部42のうちで上記各間部分を切除する。
上述の様に構成すれば、上記各ニードルの軸方向端面を上記円輪部41の内側面位置に迄変位させる事が可能になる。言い換えれば、これら各ニードルの軸方向端面と上記円輪部41の内側面との間に、余分な空間が介在する事を防止できて、ラジアルニードル軸受の軸方向寸法の短縮による小型・軽量化を図れる。
本発明の実施例1を、1対の保持器素子を結合する以前の状態で示す斜視図。 保持器素子の製造方法を工程順に示す平面図及び断面図。 本発明の実施例2を示す部分斜視図。 同実施例3を示す部分斜視図。 同実施例4を示す部分斜視図。 図5のA矢視図。 本発明の実施例5の保持器素子の製造方法を工程順に示す平面図及び断面図。 同実施例6の保持器素子の製造方法を工程順に示す平面図及び断面図。 同実施例7の保持器素子の製造方法の前半を工程順に示す平面図及び断面図。 同じく後半を工程順に示す平面図及び断面図。 実施例7の製造方法により造られた保持器素子の一部を示しており、(a)は径方向内側から、(b)は同じく外側から、それぞれ見た斜視図、(c)は(a)のB−B断面図。 従来から知られている遊星歯車の回転支持装置の1例を示す部分断面図。 本発明の対象となるラジアルニードル軸受用保持器の1例を示す斜視図。 図13のC−C断面図。 円筒状に形成する前の中間素材を、円筒状とした場合に外周面となる側から見た図。
符号の説明
1 キャリア
2a、2b 支持板
3 支持軸
4 遊星歯車
5 ラジアルニードル軸受
6 ニードル
7 保持器
8 内輪軌道
9 外輪軌道
10a、10b フローティングワッシャ
11 リム部
12 柱部
13 ポケット
14 中間素材
15 係止突部
16 内径側係止部
17、17a、17b、17c、17d、17e、17f、17g 素柱部
18 保持器素子
19 素板
20 第一中間素材
21 円環部
22 舌片
23 第二中間素材
24 凹曲縁
25 凸曲縁
26a、26b 傾斜縁
27 係合凹部
28 係合凸部
29 第二中間素材
30 円孔
31 下孔部
32 第一中間素材
33 円筒部
34 第二中間素材
35 素板
36 第一中間素材
37 下孔
38 リム部
39 余肉部
40 先半部
41 円輪部
42 円筒部
43 第二中間素材
44 第三中間素材
45 舌片
46 第四中間素材
47 円孔
48 第五中間素材
49a、49b 段差部
50a、50b 傾斜面

Claims (12)

  1. 金属板により造られ、軸方向両端部に互いに平行に設けられた、それぞれが円環状である1対のリム部と、これら両リム部同士の間に掛け渡される状態で設けられた複数の柱部とを備え、円周方向に隣り合う柱部と上記両リム部とにより四周を囲まれる部分を、それぞれニードルを転動自在に保持する為のポケットとしたラジアルニードル軸受用保持器に於いて、上記各柱部は、上記両リム部のうちの何れかのリム部にそれぞれの基端部を連続させた素柱部の先端部同士を結合する事により構成されたものである事を特徴とするラジアルニードル軸受用保持器。
  2. 互いの先端部同士を結合する各素柱部の先端縁のうちの一方を凹曲縁とすると共に他方をこの凹曲縁と係合する凸曲縁とする事により、リム部の円周方向に関する上記各素柱部同士の位相を合わせた状態でこれら各素柱部の先端縁同士を突き合わせ、これら各素柱部の突き合わせ部を溶接して成る、請求項1に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
  3. 各素柱部の先端縁を、リム部の円周方向に関して交互に逆方向に且つ同じ角度で傾斜させ、同方向に傾斜した先端縁同士を突き合わせる事により、この円周方向に関する上記各素柱部同士の位相を合わせた状態で、これら各素柱部の先端縁同士の突き合わせ部を溶接して成る、請求項1に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
  4. 各素柱部の先端部同士を、一方の素柱部の先端部内周面と他方の素柱部の先端部外周面とに設けた凹凸係合部を凹凸係合させる事により互いに結合した、請求項1に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
  5. 各素柱部の先端部同士の接合部が、各ポケット内に保持されたニードルの転動面が接触しない位置に設けられている、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したラジアルニードル軸受用保持器。
  6. 外周面に円筒形の内輪軌道を設けた内輪相当部材と、内周面に円筒形の外輪軌道を設けた外輪相当部材と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数本のニードルと、これら各ニードルを転動自在に保持する保持器とを備えたラジアルニードル軸受に於いて、この保持器が、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したラジアルニードル軸受用保持器である事を特徴とするラジアルニードル軸受。
  7. 金属板に曲げ加工及び打ち抜き加工を施す事により、円環状のリム部と、このリム部にそれぞれの基端部を連続させた複数本の素柱部とを備えた保持器素子とした後、1対の保持器素子のリム部を互いに同心に配置すると共に上記各素柱部の先端部同士を結合する、ラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。
  8. 円形の素板の一部に打ち抜き加工を施す事により、リム部となるべき円環部と、この円環部の外周縁の等間隔複数個所から径方向外方に延出する、素柱部となるべき舌片とを形成した後、上記円環部の外径寄り部分をこれら各舌片と共にこの円環部の軸方向に折り曲げて、これら各舌片を素柱部とする、請求項7に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。
  9. 円形の素板の一部に打ち抜き加工を施す事により、リム部となるべき部分の内径側となる円孔とこの円孔の周囲に円周方向に関して等間隔に配置された複数の下孔部とを形成した後、これら円孔と下孔部との間部分を全周に亙り一方向に折り曲げて、上記リム部となるべき部分にその基端部を連続させた円筒部を形成し、次いで、この円筒部の一部で円周方向に関する位相が上記各下孔部と一致する部分を、これら各下孔部からこの円筒部の先端縁に亙って除去する事により、円周方向に関して除去した部分の間部分を各素柱部とする、請求項7に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。
  10. 素板の一部に打ち抜き加工を施す事により、径方向中心部にリム部となるべき部分の内径よりも小さな内径を有する非円形の下孔を、径方向中間部にこのリム部となるべき部分及び各素柱部の基半部同士の間の空間となるべき部分に存在する余肉部を、径方向外端部の円周方向複数個所に上記各素柱部の先半部となるべき舌片の先半部を、それぞれ形成して第一中間素材とした後、
    この第一中間素材のうちの径方向中間部を、更にその径方向中間位置で全周に亙り曲げ形成して当該部分を、円輪部と円筒部とから成る断面形状L字形とする事により第二中間素材とし、
    次いで、この第二中間素材に設けた上記円筒部の一部で上記各素柱部の基半部同士の間の空間となるべき部分に存在する上記各余肉部を径方向外方に押し広げ、これら各余肉部の円周方向両端縁部と上記各素柱部の基半部の円周方向両端縁部とを切り離す事により、上記各素柱部となるべき複数の舌片を形成して第三中間素材とし、
    次いで、この第三中間素材の上記各余肉部を径方向外方に押し広げつつ、上記円筒部の端縁で上記各舌片同士の間に露出する部分に面押し加工を施すと共に、この円筒部と上記円輪部との連続部の曲率半径を小さくして第四中間素材とし、
    次いで、上記各余肉部を上記円筒部の先端縁から切除すると共に、中心部にリム部となるべき部分の内径に一致する円孔を打ち抜いて第五中間素材とし、
    この第五中間素材のうちの上記各舌片を曲げ加工して、上記各素柱部を有する保持器素子とする、請求項7に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。
  11. 第一中間素材を第二中間素材とする際、円筒部の円周方向一部で各素柱部の円周方向両端縁をほぼ延長した位置に、円周方向に関する段差部を形成する事により、上記円筒部の外周面の一部で上記各素柱部の基半部を延長した部分の外周面を、上記円筒部の他の部分の外周面よりも径方向内方に位置させる、請求項10に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。
  12. 第三中間素材の円筒部の端縁で各舌片同士の間に露出する部分に面押し加工を施して第四中間素材とし、更に各余肉部を上記円筒部の先端縁から切除して第五中間素材とした状態で、上記各舌片同士の間に露出する部分で上記円筒部を消滅させ、各ニードルの軸方向端面が当接する部分を円輪部の内側面と同一平面上に位置させる、請求項10〜11のうちの何れか1項に記載したラジアルニードル軸受用保持器の製造方法。
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